説明

シート後処理装置及びシート後処理装置の紙詰まり除去方法

【課題】 シート後処理装置内の紙詰まりを容易に除去し、オペレータによる紙詰まり除去作業を軽減する。
【解決手段】 紙詰まりの発生時に、第1のモータ50を逆回転して、搬送ローラ対23、24にあるシートPを、フレーム20aとメインフレーム10aとの間のスペースS側に自動的に除去搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機あるいはMFP(multi-functional peripheral)等の画像形成装置で画像形成されたシートを後処理するシート後処理装置およびシート後処理装置の紙詰まり除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MFPやプリンタ等の画像形成装置から排紙されるシートに、ステイプルやソート等の後処理をするシート後処理装置がある。シート後処理装置では、画像形成装置から排紙されるシートを、後処理部や排紙トレイに搬送する途中でシート紙の紙詰まりを生じる恐れがある。
【0003】
従来、シート後処理装置内でシート紙の紙詰まりを生じた場合に、オペレータが、シート後処理装置の内部を開放して、紙詰まりをした箇所に留まっているシート紙を除去する装置がある。(例えば特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−295758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献では、オペレータがシート後処理装置内から紙詰まりを手で除去操作しなければならないため、紙詰まりの発生個所によっては、紙詰まりの除去作業がやり難く、紙詰まりの除去に時間を要してしまう恐れがある。
【0006】
この発明は上記課題を解決するものであり、シート後処理装置内に生じた紙詰まりを容易に除去でき、オペレータが行う紙詰まり除去作業を軽減して、メンテナンス性を向上するシート後処理装置及びシート後処理装置の紙詰まり除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明は、画像形成部から排紙されるシートを収納する収納部と、第1の方向或は前記第1の方向と逆方向の第2の方向に駆動して、前記画像形成部から排紙されるシートを搬送する搬送部と、前記搬送部での前記シートの紙詰まりを検知する検知部と、前記検知部が前記シートの紙詰まりを検知したら、前記搬送部を前記第2の方向に駆動するよう制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、シート後処理装置内で紙詰まりを生じたシートを、自動的にシート後処理装置の外部に除去搬送することが出来、オペレータは、シート後処理装置の外部に排出されたシートを除去するのみで紙詰まりを除去出来、紙詰まりを除去するためのオペレータの作業を著しく軽減し、メンテナンス性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施例1のMFPに接続されるフィニッシャを示す概略説明図である。
【図2】この発明の実施例1のフィニッシャを示す概略構成図である。
【図3】この発明の実施例1の接続レバーの接続時を示す概略説明図である。
【図4】この発明の実施例1の接続レバーの解除時を示す概略説明図である。
【図5】この発明の実施例1の第1のギア列を示す概略構成図である。
【図6】この発明の実施例1の第2のギア列を示す概略構成図である。
【図7】この発明の実施例1のシートはたきレバーを示す概略説明図である。
【図8】この発明の実施例1の紙詰まりしたシートの除去プロセスを示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施例1のシートの排紙搬送を示す概略説明図である。
【図10】この発明の実施例1の紙詰まり検知時を示す概略説明図である。
【図11】この発明の実施例1の紙詰まり除去開始時を示す概略説明図である。
【図12】この発明の実施例1のシートの除去搬送終了時を示す概略説明図である。
【図13】この発明の実施例2のMFPに接続されるシート後処理装置を示す概略説明図である。
【図14】この発明の実施例2の紙詰まり検知時を示す概略説明図である。
【図15】この発明の実施例2の紙詰まり除去開始時を示す概略説明図である。
【図16】この発明の実施例2のシートの除去搬送終了時を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0011】
この発明は、シート後処理装置で紙詰まりを検知すると、紙詰まりしたシートを自動的にシート後処理装置の外部に排紙する。
【実施例1】
【0012】
図1乃至図12を参照してこの発明の実施例1を説明する。図1は実施例1の画像形成部であるMFP10に接続されるシート後処理装置であるフィニッシャ20の配置を示す概略説明図である。フィニッシャ20は、スキャナ8を有するMFP10のメインフレーム10aに形成される中空の胴部10bに位置する。MFP10は、プリンタ部11でシートPに画像を形成した後、排紙ローラ12からフィニッシャ20にシートPを排出する。MFP10は、プリンタ部11の上方に、表示パネル14aを有するコントロールパネル14を有する。
【0013】
フィニッシャ20は、図2に示すように、例えば後処理としてシートをステイプルで綴じるステイプラ21を有する。フィニッシャ20は、搬送部である例えば2組の搬送ローラ対23、24を有する。搬送ローラ対23、24は、排紙ローラ12から排出されるシートPを、ステイプラ21方向或は排紙トレイ22方向に向かう、第3の方向である矢印R方向に排紙搬送する。フィニッシャ20は、搬送ローラ対23、24を走行するシートPの紙詰まりを検知する検知部である、シートセンサ27を有する。シートセンサ27は、シートPの到達によりONした後、所定時間を経過してもシートPの後端が抜けないでOFFしない場合は、紙詰まりを生じたと検知する。
【0014】
フィニッシャ20は、接続レバー28をプリンタ部11に形成されるボス13に掛けて、フレーム20aをメインフレーム10aに接続して固定する。接続レバー28は、フレーム20aに固定されるシャフト28aに設けられるバネ30により、矢印A方向に付勢する。
【0015】
フィニッシャ20の第1のモータ50は、搬送ローラ対23、24と接続レバー28を駆動する。フィニッシャ20の第2のモータ51は、排紙トレイ22を上下にスライド移動する。制御部である制御回路18は、フィニッシャ20を制御するフィニッシャCPU17に制御される。フィニッシャCPU17は、MFP10を制御するMFP−CPU40に接続する。制御回路18は、第1のモータ50と、第2のモータ51を制御する。制御回路18は、シートセンサ27の検知結果に従い、第1のモータ50の回転方向を制御する。
【0016】
シートPの搬送時に第1のモータ50は正回転して、搬送ローラ対23の上ローラ23aを、第1の方向である矢印G方向に、第1の速度であるプリント速度で正回転する。搬送ローラ対23の上ローラ23aと搬送ローラ対24の上ローラ24a間に、例えばタイミングベルト26を掛け渡して、上ローラ23a、24aを同じタイミングで正回転する。搬送ローラ対23、24は、正回転して、シートPを、矢印R方向に排紙搬送する。紙詰まりの除去時には、第1のモータ50は逆回転して、上ローラ23a、24aを、第2の方向である矢印H方向に、第2の速度でありプリント速度より低速の除去速度で逆回転する。紙詰まり除去時に、搬送ローラ対23、24は、逆回転して、シートPを、第4の方向である矢印T方向に除去搬送する。
【0017】
第1のモータ50は、逆回転時に接続レバー28を矢印B方向に回転する。第1のモータ50は、図3、図4に示す解除部である解除機構60により接続レバー28を解除する。解除機構60は、解除ギア61、解除ギア61の回転を伝達する電磁クラッチ62、電磁クラッチ62と接続レバー28間にかけられるベルト63を有する。第1のモータ50の矢印C方向への正回転時、電磁クラッチ62はオフとなっていて、第1のモータ50の駆動は接続レバー28に伝達されない。接続レバー28は、バネ30の矢印A方向の付勢力により、ボス13に掛かり、フィニッシャ20をMFP10に接続する。
【0018】
制御回路18は、第1のモータ50を逆回転すると共に電磁クラッチ62をONにする。電磁クラッチ62をONにすることにより、第1のモータ50の矢印D方向の逆回転は、解除ギア61、電磁クラッチ62及びベルト63に伝達され、接続レバー28を矢印B方向に回転する。接続レバー28を矢印B方向に回転して、ボス13との接続を解除すると、フレーム20aとメインフレーム10aに介在する離間スプリング16により、フレーム20aはメインフレーム10aから離間する矢印N方向にスライドする。フレーム20aは、スライドすることにより、フレーム20aとメインフレーム10aとの間にスペースSを形成する。
【0019】
第1のモータ50は、矢印C方向の正回転時に、図5に示す第1のリンク部である第1のギア列70を介して上搬送ローラ対23a、24aを、矢印G方向に正回転する。第1のギア列70は、搬送ギア71、72、遊星ギア74及び駆動ギア76を有する。駆動ギア76は、上搬送ローラ23aの駆動軸23bと同軸であり、上搬送ローラ23aは、駆動ギア76と同軸回転する。上搬送ローラ24aは、タイミングベルト26により上搬送ローラ23aと同じタイミングで正回転する。
【0020】
第1のモータ50は、矢印D方向の逆回転時に、図6に示す第2のリンク部である第2のギア列80を介して上搬送ローラ対23a、24aを、矢印H方向に駆動する。第2のギア列80は、搬送ギア71、72、遊星ギア74、除去ギア81、82、83、84及び駆動ギア76を有する。
【0021】
第1のモータ50の正回転時に、搬送ギア72により矢印E方向に付勢される遊星レバー77に取着される遊星ギア74は、駆動ギア76と噛み合う。従って第1のモータ50は、正回転により、駆動ギア76、上搬送ローラ23a、24aを矢印G方向に正回転する。第1のモータ50の逆回転時に、遊星レバー77を介して矢印F方向に付勢される遊星ギア74は、除去ギア81と噛み合う。従って第1のモータ50は、逆回転により、除去ギア81−84を介して、駆動ギア76、上搬送ローラ23a、24aを矢印H方向に逆回転する。
【0022】
第1のモータ50の矢印D方向の逆回転は、除去ギア81−84を介することにより、第1のモータ50の回転速度に比べて大きく減速して駆動ギア76に伝達される。従って、駆動ギア76及び上搬送ローラ23a、24aの矢印H方向の逆回転は、矢印G方向の正回転に比べて低速となる。上搬送ローラ23a、24aを低速で逆回転することにより、上搬送ローラ23a、24aは、高トルクを出すことが出来、紙詰まり除去時に、シートPに多少シワを生じていたとしても、シートPをより確実に除去方向に搬送可能となる。
【0023】
図7に示すように、フィニッシャ20は搬送ローラ対23の上方に、規制部であるはたきレバー32を有する。はたきレバー32は紙詰まり除去時に、フレーム20aとメインフレーム10aの間のスペースS側に除去搬送されるシートPの一部をはたいて、撓み方向を下向きにする。はたきレバー32は、制御回路18にON/OFF制御されるソレノイド33により矢印J方向に回転した後、点線で示す収納位置に戻る。制御回路18は、電磁クラッチ62をONして接続レバー28を解除するのと同時にソレノイド33をONする。
【0024】
次に紙詰まり発生時のシートPの除去プロセスについて、図8のフローチャートを参照して説明する。フィニッシャ20は、シート後処理操作を開始して、第1のモータ50を矢印C方向に正回転する。第1のモータ50の正回転により、図9に示すように、搬送ローラ対23、24は矢印G方向に正回転して、プリンタ部11の排紙ローラ12から排紙されるシートPを、矢印R方向に排紙搬送する(ACT100)。シートPを排紙搬送する間に、紙詰まりを発生しなければ(ACT101でNo)、フィニッシャ20は、排紙ローラ12からのシートPの排紙が完了するのを待って(ACT102でYes)、紙詰まり除去プロセスを終了する。
【0025】
シートを矢印R方向に排紙搬送する間に図10に示すように、シートPの紙詰まりを発生して、シートセンサ27が紙詰まりを検知すると(ACT101でYes)、制御回路18は、第1のモータ50を停止する(ACT110)。次に制御回路18は、第1のモータ50を矢印D方向に逆回転して、ソレノイド33をONする(ACT111)。シートセンサ27が紙詰まりを検知すると、MFP−CPU40は、プリンタ部11でのプリント操作を中断する。
【0026】
図11に示すように、第1のモータ50は、搬送ローラ対23、24を矢印H方向に逆回転すると共に、接続レバー28を矢印B方向に回転する。搬送ローラ対23、24は、シートPを矢印T方向に除去搬送し、接続レバー28による、フレーム20aのメインフレーム10aとの接続を解除する。フレーム20aは矢印N方向にスライドして、メインフレーム10aとの間にスペースSを形成する。
【0027】
ソレノイド33は、図7に示すように、はたきレバー32を矢印J方向に回転して、スペースS内のシートPの撓みを下向きにした後、はたきレバー32を収納位置に戻す。シートPは、スペースSの搬送ローラ対23より下側の比較的広い側に撓む。シートPは、スペースS内で上側に撓むと、中空の胴部10bの上面に当たって、破損し、紙詰まりを除去しにくくする恐れを生じる。はたきレバー32で、撓みを下向きにすることにより、紙詰まりを除去し易くする。
【0028】
搬送ローラ対23、24により、シートPを矢印T方向に除去搬送して、図12に示すように、シートPが搬送ローラ対23を抜けると、シートセンサ27はOFFとなり(ACT112でYes)、紙詰まりが除去されたことを検知する。シートPは搬送ローラ対23を抜けると、一部を排紙ローラ12にニップされた状態で、フレーム20aとメインフレーム10aとの間のスペースSに垂れ下がる。シートセンサ27のOFFにより、制御回路18は、逆回転している第1のモータ50を停止する(ACT113)。MFP−CPU40は、スペースSにある紙詰まりの除去処理を要求するメッセージを、例えば表示パネル14a上に表示して(ACT114)、シートPの除去プロセスを終了する。
【0029】
オペレータは、表示パネル14aのメッセージに従い、スペースSに垂れ下がるシートPを除去する。紙詰まり除去後、オペレータは、フレーム20aを矢印K方向にスライドして、接続レバー28をボス13に掛けて、フレーム20aをメインフレーム10aに接続する。フレーム20aをメインフレーム10aに接続したことを検知すると、MFP−CPU40は、フィニッシャ20の復帰を検知して、プリント操作を再開する。
【0030】
この実施例1によれば、紙詰まりを発生すると、第1のモータ50は逆回転して、搬送ローラ対23、24にあるシートPを、フレーム20aとメインフレーム10aとの間のスペースSに自動的に除去搬送してフィニッシャ20の外に排出する。この後オペレータは、フィニッシャ20内から紙詰まりを生じたシートPを除去するための操作を行わなくても、スペースSに排出されているシートPを除去するのみで、紙詰まりを除去できる。従って紙詰まり発生時のオペレータの操作を著しく軽減でき、メンテナンス性を向上できる。
【実施例2】
【0031】
次に実施例2について図13乃至図16を用いて説明する。実施例2は実施例1において、シート後処理装置を、MFPの側面に配置して、MFPに接続するものである。実施例2にあっては、前述の実施例1で説明した構成と同一構成については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0032】
図13にMFP10の側面に接続するフィニッシャ200を示す。プリンタ部11の中空の胴部10bには、排紙ローラ12から排出されたシートPをフィニッシャ200に中継する、中継ユニット210がオプションで配置される。中継ユニット210は、MFP−CPU40に制御される中継ガイド211及び中継ローラ212を有する。フィニッシャ200は、接続レバー203を、プリンタ部11の側面に形成されるボス213に掛けて、フレーム200aをメインフレーム10aに接続して固定する。接続レバー203の解除時に、フレーム200aは、離間スプリング216により矢印M方向にスライドし、フレーム200aとメインフレーム10a間にスペースSを形成する。
【0033】
フィニッシャ200とプリンタ部11の間には、フィニッシャ200から除去搬送されたシートPの落下を防止して支持する支持部である落下防止シート202が介在する。落下防止シート202の一側は、フィニッシャ200のフレーム200aに取着し、他側は中継ユニット210に取着する。落下防止シート202をフレーム200a及び中継ユニット210に取着するときに、落下防止シート202のフロント側が低くなるように配置する。
【0034】
フィニッシャ200をプリンタ部11に接続しているときには、落下防止シート202は、フレーム200aとメインフレーム10aとの間に折り畳んで収納する。フィニッシャ200とプリンタ部11の接続を解除して、フィニッシャ200をプリンタ部11から離したときには、落下防止シート202は広げられて、フィニッシャ200の外部に除去搬送されるシートPを受け止める。
【0035】
図14に示すように、搬送ローラ対23、24を矢印G方向に正回転して、シートPを、矢印R方向に排紙搬送する間に、シートセンサ27が紙詰まりを検知すると、制御回路18は、第1のモータ50を停止し、次いで第1のモータ50を逆回転する。シートセンサ27が紙詰まりを検知すると、MFP−CPU40は、プリンタ部11でのプリント操作を中断する。図15に示すように、第1のモータ50は、搬送ローラ対23、24を矢印H方向に逆回転すると共に、接続レバー203を矢印B方向に回転する。接続レバー28を回転して、フレーム200aとメインフレーム10aとの接続を解除すると、フレーム200aは矢印M方向にスライドして、メインフレーム10aとの間にスペースSを形成する。フレーム200aを矢印M方向にスライドするに従い、落下防止シート202は、リア側に比べて、フロント側が低くなる状態で徐々に広げられる。
【0036】
したがってシートPの後端が、中継ユニット210の中継ローラ212を抜けてしまっていて、搬送ローラ対23、24による除去搬送終了時に、シートPがフリーであっても、フレーム200aとメインフレーム10aとの間のスペースS側に除去搬送されたシートPは、図16に示すように、落下防止シート202に受け止められる。落下防止シート202は、フリーのシートPが床に落下するのを防止する。もしシートPが落下防止シート202から床に落下してしまった場合でも、落下防止シート202のフロント側がリア側に比べて低くなっているので、シートPがMFP10の後ろに回り込む恐れが無い。
【0037】
シートセンサ27が、紙詰まり除去操作の終了を検知して、MFP−CPU40が、表示パネル14aに紙詰まりの除去処理を要求するメッセージを表示すると、オペレータは、落下防止シート202上にあるシートPを除去する。落下防止シート202からシートPを除去した後、オペレータがフィニッシャ200を矢印L方向にスライドして、フィニッシャ200をメインフレーム10aに接続すると、MFP−CPU40は、フィニッシャ200の復帰を検知して、プリント操作を再開する。
【0038】
この実施例2によれば、紙詰まりを発生するとフィニッシャ200は、メインフレーム10aとの間のスペースSに広げられた落下防止シート202上にシートPを自動的に除去搬送する。従ってオペレータは、落下防止シート202上に受け止められているシートPを除去するのみで、容易に紙詰まりを除去でき、紙詰まり発生時のオペレータの操作を著しく軽減でき、メンテナンス性を向上できる。又、落下防止シート202がシートPを支持するので、シートPが床に落下するのを防止できる。
【0039】
この発明は上記実施例に限られるものではなく、発明の範囲内で種々変更可能である。例えばシート後処理装置が行う後処理操作はステイプル操作に限らない。後処理操作は、パンチング操作や、Z折り(折りたたみ)操作等可能である。又、搬送部を駆動するリンク部或は解除部の構造も限定されない。搬送部の第3の方向への第1の速度に対する第4の方向への第2の速度も任意であるが、第2の速度を第1の速度よりも遅くすれば、シートを第2の方向に搬送するときの搬送部のトルクを高く出来、多少の変形にかかわらず、シートをより確実に除去搬送できる。又画像形成部も、カラー画像形成装置或はモノクロ画像形成装置等任意である。
【符号の説明】
【0040】
10…MFP
10a…メインフレーム
10b…胴部
11…プリンタ部
12…排紙ローラ
13…ボス
14…コントロールパネル
14a…表示パネル
16…離間スプリング
18…制御回路
20…フィニッシャ
20a…フレーム
21…ステイプラ
22…排紙トレイ
23、24…搬送ローラ対
23a、24a…上ローラ
27…シートセンサ
28…接続レバー
50…第1のモータ
51…第2のモータ
60…解除機構
70…第1のギア列
80…第2のギア列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部から排紙されるシートを収納する収納部と、
第1の方向或は前記第1の方向と逆方向の第2の方向に駆動して、前記画像形成部から排紙されるシートを搬送する搬送部と、
前記搬送部での前記シートの紙詰まりを検知する検知部と、
前記検知部が前記シートの紙詰まりを検知したら、前記搬送部を前記第2の方向に駆動するよう制御する制御部とを具備することを特徴とするシート後処理装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記第1の方向へ第1の速度で駆動し、前記第2の方向へ前記第1の速度より遅い第2の速度で駆動することを特徴とする請求項1記載のシート後処装置。
【請求項3】
駆動モータの駆動を前記搬送部に伝達して前記搬送部を前記第1の方向に駆動する第1のリンク部と、前記駆動モータの駆動を前記搬送部に伝達して前記搬送部を前記第2の方向に駆動する第2のリンク部とを更に有し、
前記第1のリンク部は前記搬送部を第1の速度で駆動し、前記第2のリンク部は前記搬送部を前記第1の速度より遅い第2の速度で駆動することを特徴とする請求項2記載のシート後処理装置。
【請求項4】
前記第1の速度で駆動したときの前記搬送部のトルクよりも、前記第2の速度で駆動したときの前記搬送部のトルクのほうが高トルクであることを特徴とする請求項3記載のシート後処理装置。
【請求項5】
前記搬送部の前記第2の方向への駆動に連動して、前記搬送部を有するフレームと前記画像形成部との接続を解除する解除部を更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載のシート後処理装置。
【請求項6】
前記第2の方向に駆動する前記搬送部は、前記シートを、前記画像形成部と前記搬送部を有するフレームとの間隙に搬送することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか記載のシート後処理装置。
【請求項7】
画像形成部から排紙されるシートを、前記画像形成部に接続されるフレーム内で第3の方向に搬送する工程と、
前記シートを前記第3の方向に搬送する間に前記シートの紙詰まりが発生したら、前記シートを前記第3の方向と逆方向の第4の方向に搬送する工程と、
前記シートを前記第3の方向に搬送する間に前記シートの紙詰まりが発生したら、前記画像形成部と前記フレームとの接続を解除する工程と、
前記第4の方向に搬送した前記シートを、前記画像形成部と前記フレームとの間隙に搬送する工程とを具備することを特徴とするシート後処理装置の紙詰まり除去方法。
【請求項8】
前記シートを前記第3の方向に第1の速度で搬送し、前記シートを、前記第2の方向に前記第1の速度より遅い第2の速度で搬送することを特徴とする請求項7記載のシート後処理装置の紙詰まり除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−181882(P2010−181882A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22935(P2010−22935)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】