説明

シームレスポリイミドチューブ及びその製造方法

【課題】電磁シールド性に優れた絶縁用のポリイミドチューブ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】シームレスポリイミドチューブ(10)は、ポリイミド系樹脂からなる内層(11)と、内層(11)の外側に形成された導電性材料を含む電磁シールド層(12)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁シールド性に優れたシームレスポリイミドチューブ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種配線の絶縁チューブとして、耐熱性樹脂材料を用いて形成された耐熱性樹脂チューブが多用されている。耐熱性樹脂チューブの中でも、特に、ポリイミド系樹脂材料を用いて形成されたポリイミドチューブは、高い耐熱性を有することから、熱電対やサーミスタ温度計の配線、電子機器や計測器内の高温部の配線等の、高温環境に晒される部分の絶縁チューブとして使用されている。
また、ポリイミドチューブは、絶縁性はもとより、コシが強く作業性が良好であることから、半導体検査装置のプローブカードに搭載されるプローブの絶縁スリーブとしても使用されている。
【0003】
このようなポリイミドチューブの製造方法として、下記特許文献1には、銅線にポリイミド前駆体塗料を塗布硬化して樹脂層を形成し、被覆銅線を、銅線の降伏点以上に引き伸ばして樹脂層と銅線との密着性を失わせ、その後、銅線と樹脂層とを分離することによりポリイミドチューブを製造する方法が記載されている。
【0004】
上記のような製造方法によるポリイミドチューブは、継ぎ目のないシームレスポリイミドチューブであり、例えば、ポリイミドフィルムを円筒状に丸めて接着することで形成されたポリイミドチューブと比較して、以下のような利点を有する。
(1)継ぎ目がないことから、チューブの軸に対する全方向において、均一な曲げ易さを有する。
(2)接着剤を使用する必要がないため、熱による接着剤の剥がれが生じることがなく、素材の持つ耐熱性を充分に発揮することができ、高温での使用において、絶縁材として優れた性能を有する。
【特許文献1】特開昭51−50378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、昨今では、機器内部に配線された電線を用いて高周波の電気信号を送信する場合の電線からの電磁波や、携帯電話に代表される無線通信によって発生する電磁波など、機器内部及び外部からの電磁波によって、ポリイミドチューブで絶縁された配線の位置によっては、配線中を伝わる電気信号が悪影響を受け、機器の誤作動等につながるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、電磁シールド性に優れた絶縁用のポリイミドチューブ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシームレスポリイミドチューブは、ポリイミド系樹脂からなる内層と、前記内層の外側に形成された導電性材料を含む電磁シールド層とを有することを特徴とする。
【0008】
前記電磁シールド層は、導電性微粒子が分散された導電性を有するポリイミド系樹脂であることが好ましい。導電性微粒子としては、カーボンブラック等のカーボン粒子又は金属粉を用いることができる。
あるいは、前記電磁シールド層は、無電解金属めっき層又は溶射による導電性材料の堆積層であってもよい。
また、前記電磁シールド層の外側に、さらにポリイミド樹脂からなる外層を有していてもよく、あるいは、前記電磁シールド層の外側に、さらにポリイミド樹脂からなる層と導電性材料を含む電磁シールド層とを各々1層または各々複数層有していてもよい。
【0009】
本発明のシームレスポリイミドチューブの製造方法は、金属材料からなる金属線状体に、ポリイミド前駆体塗料を塗布する工程と、前記ポリイミド前駆体塗料を硬化し、ポリイミド樹脂層を形成する工程と、前記ポリイミド樹脂層の外表面に、導電性材料を含む電磁シールド層を形成する工程と、前記ポリイミド樹脂層から前記金属線状体を引き抜く工程とを有することを特徴とする。
【0010】
前記電磁シールド層の形成工程は、前記ポリイミド樹脂層の外表面に、導電性微粒子を分散させたポリイミド前駆体溶液を塗布し、硬化する工程を有することが好ましい。導電性微粒子としては、カーボンブラック等のカーボン粒子又は金属粉を用いることが好ましい。
あるいは、前記電磁シールド層の形成工程は、前記ポリイミド樹脂層の外表面に、無電解金属めっきを施す工程、又は、前記ポリイミド樹脂層の外表面に、導電性材料を溶射する工程を有していてもよい。
また、前記引き抜き工程に先立ち、前記電磁シールド層の外表面に、ポリイミド系樹脂からなる外層を形成する工程をさらに有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シームレスポリイミドチューブが、ポリイミド系樹脂からなる内層と、内層の外側に形成された導電性材料を含む電磁シールド層とを有するので、機器内部及び機器外部から電磁波の影響を遮断又は低下させることができる。このため、ポリイミドチューブの内層によって絶縁被覆される配線やプローブに対する電磁シールド効果を実現することができ、機器の誤作動等を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の第1の実施形態による、シームレスポリイミドチューブの製造方法について説明する。
【0013】
(ポリイミド前駆体塗料の塗布工程)
まず、線状金型としての金属線状体表面に離型剤を塗布する。金属線状体表面への離型剤の塗布は、従来公知の方法によって行うことができる。離型剤として、代表的なものとしてシリコーン系離型剤(金属シリコーンオイル、シリコーン樹脂)、フッ素系離型剤、炭化水素系絶縁オイル、ワックス、水ガラス、亜リン酸エステル、次亜リン酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸等を用いることができる。
このような離型剤の塗布により、後述する金属線状体とポリイミド樹脂層との分離を円滑に行うことができる。
【0014】
金属線状体としては、例えば、銅、青銅及び洋白等の銅合金、及びステンレス鋼等の線状体の他に、表面に錫、ニッケル、銀、金から選択されるめっきが施された線状体を用いることができる。
【0015】
また、金属線状体の断面形状は、最終的に得られるチューブの用途に応じて選択することができ、例えば、円形、楕円形、六角形、四角形、三角形等などが挙げられる。
金属線状体の外径は、要求される樹脂チューブの内径に応じて選択することができる。
【0016】
(ポリイミド前駆体塗料の塗布工程)
次に、ポリイミド前駆体塗料(ワニス)を金属線状体に塗布する。ポリイミド前駆体とは、ポリアミド酸又はそのエステルを指す。
【0017】
ポリイミド前駆体塗料には、例えば、劣化防止剤、レベリング剤など、通常塗料に用いる添加剤を添加することができる。また、塗料には、各種の染料、顔料を加えて着色することも可能である。着色した塗料を樹脂層の全体または外層部分に用いることにより、着色されたチューブを得ることができる。
【0018】
金属線状体にポリイミド前駆体塗料を塗布する方法としては、特に制限はなく従来公知の方法を用いることができ、例えば、耐熱性樹脂溶液中に金属線状体を浸漬して引き上げるといった浸漬法や、電着法などが挙げられる。
【0019】
また、ポリイミド前駆体塗料の塗布により形成される塗布膜の厚さは、特に制限されず、最終的に得られる耐熱性樹脂チューブの肉厚に応じて適宜設定することができる。
【0020】
(ポリイミド前駆体塗料の硬化工程)
次に、ポリイミド前駆体塗料を硬化し、内層であるポリイミド樹脂層を形成する。硬化方法としては、特に制限はないが、塗布された金属線状体を、加熱炉中を通過させることにより、塗料を熱硬化させる方法が最も容易である。また、放射線を照射することにより、塗料を硬化する方法を採用することができる。
このような硬化処理により、金属線状体表面に、内層としての絶縁性のポリイミド樹脂層が形成される。
【0021】
(電磁シールド層の形成工程)
次に、ポリイミド樹脂層の外側に、導電性材料を含む電磁シールド層を形成する。電磁シールド層の形成方法としては、ポリイミド前駆体塗料(ワニス)に導電性微粒子であるカーボンブラック等のカーボン粒子を分散させ、この塗料を内層であるポリイミド樹脂層の外表面に塗布し、硬化する方法が、良好にまた安価にチューブを製造できる点において好適である。導電性微粒子の添加量は、目的とするシールド効果に応じて設定すればよい。
【0022】
導電性微粒子としては、カーボン粒子以外に、銅や金等の各種金属粉を使用することができる。例えば、ポリイミド前駆体塗料に、平均粒径1mmの純銅微粒子を2%(体積%)分散させる。
【0023】
このように、ポリイミド樹脂層中に導電性微粒子を分散させることで、電磁シールド性能を有する導電性ポリイミド樹脂層、すなわち電磁シールド層が形成される。
【0024】
上記の他、電磁シールド層は、内層としてのポリイミド樹脂層の外表面に、無電解めっきを施す、あるいは、導電性材料を溶射することによっても形成することができる。
【0025】
無電解めっきによる場合、例えば無電解ニッケルめっきによって、ポリイミド樹脂層の外表面にニッケルを析出させ、導電性皮膜を形成する。
【0026】
溶射による場合、例えば金属等の導電性材料を加熱して溶融又は軟化させて微粒子状態にし、ポリイミド樹脂表面に加速衝突させて、導電性材料が凝固及び堆積した導電性皮膜を形成する。溶射の際は、溶射ガンを金属線状体にそって移動させ、微粒子を堆積させる。
【0027】
このような電磁シールド層の形成方法は、CVDやスパッタリング処理に比べ、皮膜形成が容易であり、形成速度が格段に早い点において有利である。
【0028】
(金属線状体の引き伸ばし工程)
次に、内層としてのポリイミド樹脂層及び電磁シールド層としての導電性ポリイミド樹脂層で被覆された金属線状体を引き伸ばす。この工程は、硬化された樹脂層と金属線状体との密着性を失わせるために有効であり、引き伸ばし工程後の金属線状体の外径が、樹脂層の内径よりも小さくなるように引き伸ばすことが重要である。例えば、金属線状体の弾性限界内で引き伸ばしが行われた場合には、引っ張り力を解除したときに金属線状体の外径が元に戻り、樹脂層との分離を円滑に行い難い。したがって、金属線状体の引き伸ばしは、用いた金属線状体の降伏点以上の力で引き伸ばし、金属線状体に塑性変形を生じさせることが必要である。ただし、その上限値は、所定の内径のチューブを得る目的から、被覆樹脂層の降伏点以内に止めなければならない。これにより、引っ張り力を解除した後、金属線状体はその長さにとどまる一方、被覆樹脂層は、内径及び長さが引き伸ばし前の大きさに回復するため、両者の分離を容易に行うことができる。
【0029】
また、樹脂層で被覆された金属線状体を引き伸ばす際、予め被覆膜の円周方向の一部に傷を与えておくことにより、引き伸ばし時に被覆膜が切断されるようにしてもよいし、あるいは、所望の長さを有するように予め被覆膜を全周に渡って切断しておいて、引き伸ばし時に所望の長さを有するチューブが生成されるようにしてもよい。この場合は、引き伸ばし時に被覆膜にかかる歪みが小さいため、チューブを金属線状体から分離した後の熱処理を省略することができる。このような方法は、伸びの少ない樹脂を使用した場合、具体的には、例えば、顔料などの充填剤を添加した樹脂塗料を使用した場合などには、引き伸ばしの程度を低く抑える必要があるため、特に有効である。
【0030】
金属線状体の引き伸ばし方法については、特に制限されないが、例えば以下の(1)〜(3)に示す方法が挙げられる。
(1)回動する巻枠(例えば、ゴム張りロール)に金属線状体を適当回数巻き付けた後に、別の回動する巻枠に所定回数巻き付け、2つの巻枠間の金属線状体が所定の伸びとなるようにして連続的に引き伸ばす方法、
(2)ダイスを用いた、従来公知の線引き方法、
(3)樹脂で被覆された金属線状体を適当な長さに切断後、任意の方法で金属線状体の両端を固定して引っ張る方法。
【0031】
これらの中で、上記(1)及び(2)の方法は量産に適した連続的な方法であり、製造コストが低減できる点で好ましい。
【0032】
(金属線状体の引き抜き工程)
次に、引き伸ばされた樹脂被覆金属線状体を、内層のポリイミド樹脂層及びこれと一体化した導電性ポリイミド樹脂層から引き抜く。引き抜き方法としては、引き伸ばされた状態の樹脂被覆金属線状体を、所定長さごとに切断するか、あるいは樹脂層のみを任意の方法で切断するなどの方法を適用することができる。このような方法によれば、樹脂層は、切断後直ちに長さ方向に収縮すると同時に内径を増して金属線状体から剥離するので、金属線を引き抜くことにより容易に継ぎ目のないポリイミド樹脂チューブを得ることができる。
【0033】
以上のような製造方法により、図1に示すようなシームレスポリイミドチューブ10が得られる。シームレスポリイミドチューブ10は、内層としての絶縁性ポリイミド樹脂層11と、導電性ポリイミド層12とを有している。導電性ポリイミド樹脂層12は、電磁シールドとしての役割を果たすため、機器内部及び機器外部から電磁波の影響を遮断又は低下させることができる。したがって、内層としての絶縁性ポリイミド樹脂層11によって絶縁被覆される配線やプローブに対する電磁シールド効果を実現することができ、機器の誤作動等を抑制することが可能となる。
【0034】
また、導電性ポリイミド樹脂層11は、導電性ポリイミド樹脂層11と一体であるので、過剰な機械的力や過剰な熱が加わらなければ、導電性ポリイミド層12が内層としての導電性ポリイミド層11から剥離することはない。これは、電磁シールド層が上述の無電解めっきや溶射により形成された場合も同様である。
【0035】
サーミスタ温度計の配線やプローブカードのプローブ等の導体を絶縁被覆する場合には、チューブ内の導体と他の導体部分とが絶縁されていることが必須条件であるが、図1に示すシームレスチューブのように、チューブの最外層が電磁シールド層である構成であっても、内層としての絶縁性ポリイミド樹脂層11によってチューブ内の導体と外部は絶縁され、絶縁機能を満たす。
【0036】
また、このような場合、近接するチューブの最外層同士が接触することにより、より大きな接地効果を得ることができる。さらに、これら導電性の最外層を意図的に、電気的に接続することにより、チューブの外周を全て接地することが可能となり、よりシールド性を向上させることができる。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るシームレスポリイミドチューブの製造方法について説明する。
【0038】
まず、上記第1の実施形態と同様に、ポリイミド前駆体塗料の塗布工程と、ポリイミド前駆体塗料の硬化工程と、電磁シールド層の形成工程とを実施し、絶縁性ポリイミド樹脂層と導電性ポリイミド樹脂層とを形成する。
【0039】
次に、導電性ポリイミド樹脂層の外表面に、さらに、ポリイミド樹脂からなる外層を形成する。この外層のポリイミド樹脂層は、内層のポリイミド樹脂層と同様に、浸漬法等によって、ポリイミド前駆体塗料を塗布し、硬化することで形成することができる。
【0040】
次に、上記第1の実施形態と同様に、金属線状体の引き伸ばし工程と、金属線状体の引き抜き工程とを実施する。
【0041】
以上のような製造方法により、図2に示すようなシームレスポリイミドチューブ20が得られる。シームレスポリイミドチューブ20は、内層としての絶縁性ポリイミド樹脂層21と導電性ポリイミド層22と、外層として絶縁性ポリイミド樹脂層23とを有している。本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、中間層である導電性ポリイミド樹脂層22が、電磁シールドとしての役割を果たすため、機器内部及び機器外部から電磁波の影響を遮断又は低下させることができる。
【0042】
図2に示すシームレスチューブのように、チューブの中間層が電磁シールド層である構成では、電磁シールド層の内外面に存在する絶縁性ポリイミド樹脂層21,22によってチューブ内に配置される導体と外部は絶縁され、絶縁機能を満たす。このような構成によれば、電磁シールド層を有さない従来のポリイミドチューブと同様の使用方法で、従来と同等の絶縁機能と優れた電磁シールド性とを得ることができる。
【0043】
なお、本発明のシームレスチューブは、上記第1及び第2の実施形態の構成に限定されず、例えば、電磁シールド層としての導電性ポリイミド層22の外側に、絶縁性ポリイミド樹脂層と導電性材料を含む電磁シールド層とを各々1層または各々複数層有する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシームレスポリイミドチューブを示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るシームレスポリイミドチューブを示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10,20:シームレスポリイミドチューブ
11,21:絶縁性ポリイミド樹脂層(内層)
12,22:導電性ポリイミド樹脂層(電磁シールド層)
23:絶縁性ポリイミド層(外層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイミド系樹脂からなる内層と、
前記内層の外側に形成された導電性材料を含む電磁シールド層と
を有することを特徴とするシームレスポリイミドチューブ。
【請求項2】
前記電磁シールド層は、導電性微粒子が分散された導電性を有するポリイミド系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスポリイミドチューブ。
【請求項3】
前記導電性微粒子は、カーボン粒子又は金属粉であることを特徴とする請求項2に記載のシームレスポリイミドチューブ。
【請求項4】
前記電磁シールド層は、無電解金属めっき層であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスポリイミドチューブ。
【請求項5】
前記電磁シールド層は、溶射による導電性材料の堆積層であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスポリイミドチューブ。
【請求項6】
前記電磁シールド層の外側に、さらにポリイミド樹脂からなる外層を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシームレスポリイミドチューブ。
【請求項7】
前記電磁シールド層の外側に、さらにポリイミド樹脂からなる層と導電性材料を含む電磁シールド層とを各々1層または各々複数層有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシームレスポリイミドチューブ。
【請求項8】
金属材料からなる金属線状体に、ポリイミド前駆体塗料を塗布する工程と、
前記ポリイミド前駆体塗料を硬化し、ポリイミド樹脂層を形成する工程と、
前記ポリイミド樹脂層の外表面に、導電性材料を含む電磁シールド層を形成する工程と、
前記ポリイミド樹脂層から前記金属線状体を引き抜く工程と
を有することを特徴とするシームレスポリイミドチューブの製造方法。
【請求項9】
前記電磁シールド層の形成工程は、前記ポリイミド樹脂層の外表面に、導電性微粒子を分散させたポリイミド前駆体溶液を塗布し、硬化する工程を有することを特徴とする請求項8に記載のシームレスポリイミドチューブの製造方法。
【請求項10】
前記導電性微粒子は、カーボン粒子又は金属粉であることを特徴とする請求項9に記載のシームレスポリイミドチューブの製造方法。
【請求項11】
前記電磁シールド層の形成工程は、前記ポリイミド樹脂層の外表面に、無電解金属めっきを施す工程を有することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のシームレスポリイミドチューブの製造方法。
【請求項12】
前記電磁シールド層の形成工程は、前記ポリイミド樹脂層の外表面に、導電性材料を溶射する工程を有することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のシームレスポリイミドチューブの製造方法。
【請求項13】
前記引き抜き工程に先立ち、前記電磁シールド層の外表面に、ポリイミド系樹脂からなる外層を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載のシームレスポリイミドチューブの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−45907(P2009−45907A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216599(P2007−216599)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】