説明

シール材およびその製造方法

【課題】例えば円形等のローラや平板等による加熱では、対応が困難な断面形状を有する発泡体から、その断面形状に拘わらず外周面の全領域に亘って略同一の所要厚みとなっており、その物性が均質化されている熔融被膜を容易に形成するようにしたシール材と、その製造方法とを提供する。
【解決手段】予め所定温度に加熱された口金32の貫通孔34に長尺の発泡体20を接触させつつ通過させることで、得られたシール材の断面形状が少なくとも該貫通孔34の出口における開口形状に合致させられており、かつ外周面12に所要厚みの熔融被膜14が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はシール材およびその製造方法に関し、更に詳細には、自動車や、エアコンまたは自動販売機等の各種産業用機器のパッキン材またはシール材(以下、本発明においては単にシール材と云う)等の高いシール性と共に、必要に応じて所要厚みの熔融被膜を備えるシール材と、このシール材の製造方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に自動車または各種産業用機器においては、各部分に気密性や遮音性等を目的としてパッキン等の各種シール材が数多く使用されている。このようなシール材として、例えば下記の特許文献1に示す発明「熔融被膜を有する合成樹脂発泡体シートの製造方法」の如き方法によって製造されるシール材がある。この方法によって製造されるシール材は、そのシート表面に平滑性の高い熔融被膜が形成され、これにより高いシール性と、商品性とを併有するものとなる。
【特許文献1】特開平6−64056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしこのシール材は、その表面および裏面にしか熔融被膜が形成されておらず、前述した各種産業用機器等において使用される部位によっては、好適なシール性が確保されない場合があった。また熔融被膜の形成においても[特許文献1]の如く、一方の面(上下のロールに加熱機能を持たせれば対向した2面)を1つの単位として熔融するため、例えば断面形状が矩形であったり、または円形であった場合には、熔融に係る工程を複数回実施する必要があって煩雑となったり、または全く対応できないといった問題が指摘される。殊に近年は、配設される各種産業用機器の形状および用途が特化される傾向が強く、また省スペース性等を考えて筐体が専用設計されることが多いため、シール材についてもその断面形状等に単なる単矩形形状以外の形状が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るシール材は、予め所定温度に加熱された口金の貫通孔に長尺の発泡体を接触させつつ通過させることで、得られたシール材の断面形状が少なくとも該貫通孔の出口における開口形状に合致させられており、かつ外周面に所要厚みの熔融被膜が形成されていることを特徴とする。
【0005】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係るシール材の製造方法は、予め所定温度に加熱される口金に貫通形成され、少なくとも出口において得るべきシール材の断面形状と合致した形状となっている貫通孔に、長尺発泡体を挿通通過させて、その外周面を該貫通孔の内周面に接触させることで、該外周面に所要厚みの熔融被膜を形成するようにしたことを特徴とする。
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係るシール材の製造方法は、移送機構上に得るべきシール材の断面形状と相似的に大きな断面形状を備える長尺発泡体を載置して、口金に貫通形成された貫通孔に合致するように位置決めしつつ連続的に供給し、
前記長尺発泡体を、予め所定温度に加熱される口金に貫通形成され、少なくとも出口において得るべきシール材の断面形状と合致した形状となっている貫通孔に、長尺発泡体を挿通通過させて、その外周面を該貫通孔の内周面に接触させることで、該外周面に所要厚みの熔融被膜を形成するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るシール材およびその製造方法によれば、その断面形状に拘わらず外周面の全領域に亘って略同一の所要厚みとなっており、その物性が均質化されている熔融被膜を、容易に形成したシール材を製造し得る。また製造したいシール材の断面形状と合致した貫通孔を備える口金を使用することで、容易に所望の断面形状を備えるシール材を製造し得る。このため口金の交換だけで、シール材の断面形状を容易に設定し得る。更に熔融温度を変化させることで、熔融被膜の厚みを容易に制御し、この厚みによってシール材の表面の平滑度や硬度等によって変動するシール性や通気性といった物性を変化させて、使用用途に合致した様々な物性を発現させ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明に係るシール材およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて説明する。実施例に係るシール材10は、図1に示すように、加熱により熔融可能なポリウレタン樹脂からなる発泡体(以下、単にポリウレタン発泡体と云う)から構成され、その外周面12の全領域に亘って略同一で所要厚みの熔融被膜14が形成されている。またこの熔融被膜14が発現する平滑度や硬度といった諸物性は、厚みが略同一であるため部位によらず均質化されている。そしてシール材10の製造工程は、図2に示す如く、長尺発泡体準備工程S1、熔融被膜形成工程S2および最終工程S3からなる。なお本実施例では、その断面形状が矩形となるシール材10を例示しているが、後述([0010]以降)する製造方法から明らかなようにその断面形状は限定されず、容易に円形、楕円形または多角形や、この他例えば星形といった任意の形状とし得る。
【0009】
長尺発泡体準備工程S1は、所要のポリウレタン発泡体原料から長尺発泡体20を製造する工程である。ポリウレタン発泡体の原料は、基本的に従来技術と同様であるので省略するが、主原料の1つであるポリオールについては、ポリエステルポリオールが採用される。ポリエーテルポリオールを主原料として製造されるポリウレタン発泡体の場合、熱により熔融することなく昇華分解してしまうため、熔融被膜14が形成されなくなってしまう。そして前述の原料を使用し、スラブ発泡法等の公知の製造方法によって大きなブロック状のポリウレタン発泡体を得て、これを二次元方向に熱線を自在に移動させることで切断をなし、複雑な断面形状を有する長尺発泡体20を準備し得るコンターマシンの使用や、所謂タチ加工およびスキ加工等によって長尺発泡体20とする。なお所要の長尺発泡体20を購入する等して、本長尺発泡体準備工程S1を省略するようにしてもよい。
【0010】
熔融被膜形成工程S2については、図3に示すような製造装置が好適に使用されるので、詳細な説明に先立ち、該製造装置について説明する。製造装置30は、ポリウレタン発泡体からなる長尺発泡体20を連続的に移送しつつ、その外周面12に所定の熱を加えて、熔融被膜14としたシール材10を製造する装置であり、基本的に長尺発泡体20の外周面12に、その内周面34aが接触することで熱を加えて熔融させて、得るべきシール材10の断面形状とし得る貫通孔34を備える口金32と、この貫通孔34に対して長尺発泡体20を位置決めしつつ、連続的に供給する2つのベルトコンベアからなる移送装置36とから構成されている。ここで移送装置36は、口金32を挟んで上流側に配置され、長尺発泡体20を口金32(貫通孔34)に対して位置決め供給する第1移送機構37と、口金32の下流側に配置され、口金32(貫通孔34)を通過することで熔融被膜14の形成されたシール材10を口金32から引き出しつつ移送する第2移送機構38とから構成されている。
【0011】
そして第2移送機構38は、コンベアローラ39aと、その上方であって口金32近傍に配置される押圧ローラ39bとからなる駆動機構39を備えており、この両部材39a、39bによってシール材10を狭持して駆動力を付勢して、シール材10を口金32から引き出すように構成されている。そしてこの第1移送機構37と第2移送機構38とが連動的に協働して、口金32に対して長尺発泡体20を供給することで、連続的にシール材10が製造される。なお駆動機構39によるシール材10の狭持は、シール材10の厚さが90%程度となるように設定される。この狭持の程度が小さいと、口金32に貫通形成されている貫通孔34の内周面34aに対して接触状態にある長尺発泡体20を好適に抜き出すだけの引っ張り力の付勢が困難となる。一方付勢力を強くした場合であっても、シール材10の材質は発泡体であるため、破損する等の問題は生じない。
【0012】
口金32には、図4に示す如く、貫通孔34が貫通形成されており、この貫通孔34内に長尺発泡体20が接触して挿通通過可能とされている。そして内周面34aに、外周面12を熔融させるに足る熱が加わるようにヒーター等の電熱手段33が配置されている。なお本実施例においては、内周面34aを効率よくかつ均質に加熱すべく、口金32内の内周面近傍全域にシートヒーターが埋め込まれている。そしてこの挿通通過の際に、長尺発泡体20の外周面12が貫通孔34の(所定温度に加熱された)内周面34aに接触することで熔融し、その外周面12の全周に亘って略同一な厚みとなっている熔融被膜14が形成される。この熔融被膜14の形成は、外周面12と内周面34aとが接触した部位でなされる、すなわち長尺発泡体20の供給方向において同一位置となる外周面12の全周で同時になされる。なお電熱手段33については、長尺発泡体20の外周面12の全領域を均質に加熱し得るものであれば、何れの物および構造でも採用し得る。
【0013】
このように口金32の採用によって、長尺発泡体20の供給方向における同一位置となる外周面12における所要位置の全周が同時に熔融される。このため本発明に係るシール材においては、例えば背景技術で述べた[特許文献1]に記載の製造方法を複数回実施する場合、具体的にはその断面形状が矩形である長尺発泡体20の上下表面および両側面に対して、夫々別々に加熱を施して熔融被膜14を形成する場合に、図5に示すように最終的に得られるシール材50に発生し、その断面において四隅部分に重複的に加熱・熔融されて、厚みやこれに付随して変化する表面平滑度や硬度等の諸物性等が不均質となる重複部分15が発生することがない。
【0014】
またシール材10の断面形状は、貫通孔34の形状および大きさによって決定されており、貫通孔34の下流側の開口部、すなわち出口の開口形状は、得るべきシール材10の断面形状と合致させられている。これは所望の貫通孔を備える口金を用いるだけで所望の断面形状を備えるシール材10が容易に製造可能であることを意味する。そして貫通孔34の上流側の開口部、すなわち長尺発泡体20の入口が、得るべきシール材10の断面形状と相似しており、かつ寸法的に大きな形状とされている(図4(a)参照)。具体的には入口の断面形状の寸法は出口の断面形状の寸法に比較して、2〜10mm大きく設定することが好ましい(図4(b)参照)。この数値とすると、後述([0019])する熔融被膜14の厚みが容易に達成される。
【0015】
貫通孔34の入口の断面形状の寸法と、出口の断面形状の寸法との関係をこのように設定することで、内周面34aの形状変化、すなわち長尺発泡体20の供給側から移送方向に向かう形状変化は先細りするように傾斜された状態、所謂テーパー状となっている。このような口金32を用いることで、貫通孔34への長尺発泡体20の導入容易性と、外周面12全域の熔融の確実性との双方を達成すると共に、内周面34aと外周面12との接触面積を低減することで、駆動機構39に掛かる負荷を低減するようになっている。貫通孔34がこのような構造となっていない場合、長尺発泡体20の外周面12と内周面34aとの接触よる負荷が大きくなり、駆動機構39からシール材10に対して力が掛かると、口金32と駆動機構39との間でシール材10が伸びてしまい、その外形状等が崩れて寸法精度が悪化したり、外周面12に対する均質な加熱が困難となり、好適なシール材10が製造困難となる。なお貫通孔34の底部に関しては、図6に示す製造装置40のように、長尺発泡体20の移送が容易となるように移送機構36における長尺発泡体20の載置面と同一の高さ水準となるようにすると共に、水平に設定してもよい。
【0016】
外周面12を充分に熔融させて所要厚みの熔融被膜14を得るために、口金32の温度は350〜410℃、好ましくは360〜400℃、更に好ましくは370〜390℃に設定される。この温度は本発明に係るポリウレタン発泡体の170℃前後である熔融温度であるため、少なくとも外周面12が170℃以上となる熱を加える必要がある。この温度を確保するため、口金32の温度は前述の350〜410℃にされるものである。この温度が高過ぎると、熱源に過剰なエネルギーを浪費したり、火災の虞が生じる等して好ましくない。一方、温度が低いと外周面12の熔融が充分に達成されず、シール材10の外周面に多孔質体であるポリウレタン発泡体の凹凸が残って商品性が低下する。
【0017】
また前述の省エネルギー的にも、安全的にも充分な加熱温度を設定した場合において、外周面12と内周面34aとの接触距離は、50〜150mm、好適には100mm程度であることが確認されている。この距離が長過ぎると加熱時間が長く、シール材10をなすポリウレタン発泡体の強度が低下する虞があり、短過ぎると充分な熔融被膜14を形成できなくなってしまう。なお図3に示す口金32の場合、その貫通孔34の入口から出口までの全てにおいて長尺発泡体20が接触するため、その接触距離は口金32の長さに等しくなっている。
【0018】
ここまでの説明で明らかな通り、熔融被膜形成工程S2は、長尺発泡体20の外周面12に対して、素材であるポリウレタン発泡体が熔融する程度の熱を制御下に加えて、所要厚みの熔融被膜14を形成する工程であり、熔融被膜14は、具体的には口金32に貫通形成されると共に、所定温度に加熱された貫通孔34の内周面34aに、その外周面12を接触状態として長尺発泡体20を挿通通過させることで形成される。そして加熱によって形成される熔融被膜14の厚みは1.0〜5.0mmの範囲に設定されている(図4(b)参照)。この厚みが1.0mm未満の場合、熔融被膜14が薄過ぎて加工元の長尺発泡体20のセルの凹凸が表面に出てしまい、シール性の低下や外観の悪化による商品性の低下が懸念される。一方5.0mmを超える場合、長尺発泡体20と貫通孔34との接触部位に熔融状態となったポリウレタン発泡体が堆積し、これが長尺発泡体20の貫通孔34の通過性を悪化させるため生産性が低下する。
【0019】
熔融被膜14の厚みは、1.0〜5.0mmの範囲で任意に設定され、その厚みが薄い場合には発泡体のセルが多少露出することで通気性が確保されて、例えば吸音特性に優れたシール材10となり、厚い場合には通気性を殆どなしとし得るため、高い耐水性と同じく高い平滑性による優れたシール性とを併有した特徴を備えるシール材10となる。殊に熔融被膜14の厚みを厚くした場合、その柔軟かつ高密度な物性故に密着性が高まり、良好なシール性が期待できると共に、被膜14の厚さ故にシール材10全体の剛性等の機械的強度が高まり、耐久性やハンドリング性が良好となる効果も期待できる。この熔融被膜14の厚みの制御は、口金32の温度、すなわち外周面12への加熱温度によってなされている。この厚みとなる熔融被膜14を形成するために、長尺発泡体20は、0.5〜10.0mmの熔融シロ、すなわち余裕を備えている。この熔融シロは、口金32内を挿通通過させる長尺発泡体20の速度(後述[0021])等を考慮して、経験的に求められる。
【0020】
長尺発泡体20の断面形状については、その外周面12の全領域を均質に加熱することが好ましいため、シート材10の断面形状と相似的であって、前述の熔融シロ分だけ大きいことが望まれる。従って、例えば断面形状が円形のシート材10を製造する場合には、長尺発泡体20の断面形状も円形であることが望ましい。そして前述([0009])のコンターマシンを使用する場合、長尺発泡体20の断面形状を容易に任意の形とし得る利点があるため、本発明においては好適に使用される。
【0021】
また熔融被膜形成工程S2において、口金32内を挿通通過させる長尺発泡体20の速度は、加熱温度並びに外周面12および内周面34aの接触距離等の諸要因を前述の数値とする場合には、1.3〜2.5m/minの範囲に設定される。この数値が1.3m/min未満であると、製造効率が低下すると共に、貫通孔34の内周面34aとの接触時間も長くなるため、熔融被膜14に凹凸が生じて外観が損なわれる。一方2.5m/minを超えると、口金32を通過する際の抵抗と、駆動機構39による引張力とにより、シール材10が伸ばされることになり外形が崩れて寸法精度が悪化してしまう。
【0022】
最終工程S3は、所要厚みの熔融被膜14が形成されたシール材10に対して、切断等の各種後加工を施して、最終製品とする工程である。本最終工程S3を経ることで、所要厚みの熔融被膜14を、外周面12の全領域に備えたシール材10が得られる。なお、シール材10の加工元となる長尺発泡体20については、予め複数本を接合しておくことで、製造装置30による加工が長時間連続的に実施可能となり、製造効率の向上が可能となる。
【0023】
(実験例)
次に、本発明に係る製造方法および装置を使用して製造したシール材についての実験例を以下に示す。
【0024】
(製造方法)
本実験例で使用した実施例に係るシール材は、図3に示す製造装置30を用いて、以下に記載の方法により製造した。なお本実験例においては、長尺発泡体の元となるブロック状のポリウレタン発泡体は準備されているものとする。
・下に記した諸物性(JIS K6400;1997準拠)を有する軟質スラブの発泡体プロックAおよびBから、その断面形状が30×40mmの矩形形状となる長さ2mの長尺発泡体を裁断機(コンターマシン)により切り出し、準備する。複数の長尺発泡体は、先の後端と、後続する長尺発泡体の先端とをホッチキスで接続固定することで、表1に記載する出口寸法の口金に対して連続的に供給した。
・口金温度を、360℃に設定して予熱し、準備された長尺発泡体を表1に記載の外形寸法(出口)の貫通孔を備える口金に挿通させつつ、その先端部を第2移送機構の駆動機構にセットし、1.7m/minの速度で移送する。また貫通孔(出口)の外形寸法から算出した熔融シロ(mm)も表1に併記する。
・口金から出てきたシール材は、4m相当送り出された時点で、ホッチキス固定を外しつつカットすることで所定長の製品とした。
【0025】
(使用したポリウレタン発泡体)
・A:ポリエステル系ポリウレタンスラブフォームSC(株式会社イノアックコーポレーション製(密度:31±5kg/m、引張強度:98kPa、伸び:100、セル数:35±5個/25.4mm)
・B:ポリエステル系ポリウレタンスラブフォームSM(株式会社イノアックコーポレーション製(密度:57±5kg/m、引張強度:98kPa以上、伸び:100以上、セル数:55±10個/25.4mm)
【表1】

【0026】
(結果)
本発明に記載内容に従った製造方法は、好適なシール材が製造可能であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の好適な実施例に係るシール材を示す概略斜視図である。
【図2】実施例に係るシール材の製造方法を示す工程図である。
【図3】実施例に係るシール材の製造装置を示す概略図ある。
【図4】図3に示す製造装置における口金を拡大した(a)概略図と、(b)断面図である。
【図5】断面形状が矩形である長尺発泡体の上下表面と、両側面とを夫々別々に加熱・熔融させて製造されたシール材の断面形状を示す説明図である。
【図6】貫通孔の底部が水平になっている口金を採用した製造装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0028】
10 シール材
12 外周面
14 熔融被膜
20 長尺の発泡体(長尺発泡体)
32 口金
34 貫通孔
34a 内周面
36 移送機構
37 第1移送機構
38 第2移送機構
39 駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め所定温度に加熱された口金(32)の貫通孔(34)に長尺の発泡体(20)を接触させつつ通過させることで、得られたシール材(10)の断面形状が少なくとも該貫通孔(34)の出口における開口形状に合致させられており、かつ外周面(12)に所要厚みの熔融被膜(14)が形成されている
ことを特徴とするシール材。
【請求項2】
前記熔融被膜(14)は、前記長尺発泡体(20)を口金(32)に通過させて、該口金(32)に接触している外周面(12)の所要位置全周が同時に熔融されることで、その厚みが略同一でありかつその物性が均質に設定されている請求項1記載のシール材。
【請求項3】
前記長尺発泡体(20)は、ポリエステルポリオールを含む軟質スラブ・ポリウレタン樹脂を材質とする請求項1または2記載のシール材。
【請求項4】
前記熔融被膜(14)は、その厚みが1.0〜5.0mmの範囲に設定されている請求項1〜3の何れかに記載のシール材。
【請求項5】
前記熔融被膜(14)の厚みは、前記口金(32)の加熱温度によって制御されている請求項1〜4の何れかに記載のシール材。
【請求項6】
前記熔融被膜(14)を形成するための外周面(12)における熔融シロは、0.5〜5.0mmの範囲に設定されている請求項1〜5の何れかに記載のシール材。
【請求項7】
前記長尺発泡体(20)は、コンターマシンにより任意の断面形状に加工されている請求項1〜6の何れかに記載のシール材。
【請求項8】
予め所定温度に加熱される口金(32)に貫通形成され、少なくとも出口において得るべきシール材(10)の断面形状と合致した形状となっている貫通孔(34)に、長尺発泡体(20)を挿通通過させて、その外周面(12)を該貫通孔(34)の内周面(34a)に接触させることで、該外周面(12)に所要厚みの熔融被膜(14)を形成するようにした
ことを特徴とするシール材の製造方法。
【請求項9】
移送機構(36)上に得るべきシール材(10)の断面形状と相似的に大きな断面形状を備える長尺発泡体(20)を載置して、口金(32)に貫通形成された貫通孔(34)に合致するように位置決めしつつ連続的に供給し、
前記長尺発泡体(20)を、予め所定温度に加熱される口金(32)に貫通形成され、少なくとも出口において得るべきシール材(10)の断面形状と合致した形状となっている貫通孔(34)に、長尺発泡体(20)を挿通通過させて、その外周面(12)を該貫通孔(34)の内周面(34a)に接触させることで、該外周面(12)に所要厚みの熔融被膜(14)を形成するようにした
ことを特徴とするシール材の製造方法。
【請求項10】
前記口金(32)は、350〜410℃に加熱されている請求項8または9記載のシール材の製造方法。
【請求項11】
前記長尺発泡体(20)は、前記口金(32)に対して1.3〜2.5m/minの速度で挿通される請求項8〜10の何れかに記載のシール材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−97790(P2006−97790A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285071(P2004−285071)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】