説明

ジヒドロイソキノリン双性イオンを製造するための有機触媒の製造方法

本発明は、置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリンの双性イオン性サルフェート類の調製に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機触媒として有用な分子、有機触媒、このような触媒を含む洗浄組成物を製造する方法、並びにこのような触媒及び洗浄製品の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素漂白剤、例えば過酸化水素は、一般に繊維及び様々な表面を漂白するために使用される。残念ながら、このような剤はきわめて温度率(temperature rate)依存性が高い。結果として、このような剤が低温溶液に使用された場合、このような溶液の漂白作用は著しく低下する。
【0003】
上記の性能問題を解決するために、特定の有機触媒が開発された。このような触媒の製造方法は一般に複雑であることから、このような方法は時間がかかり高額である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故に、産業界及び消費者が要求する低温性能を提供する有機触媒を製造する効率的及び有効な方法への必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化イオウ錯体を置換又は非置換エポキシドと反応させて前記有機触媒を生成する工程、又は置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリンを置換又は非置換エポキシド三酸化イオウ錯体と反応させて前記有機触媒を生成する工程を含む有機触媒の製造方法に関する。
本発明は、有機触媒、前記有機触媒を含む洗浄組成物、並びにこのような触媒及び洗浄組成物を使用するための方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(定義)
本明細書で使用する時、用語「洗浄組成物」は、指示がない限り、顆粒又は粉末形態の汎用又は「重質」洗浄剤、特に洗濯洗剤;液体、ゲル又はペースト形態の汎用洗浄剤、特にいわゆる重質液体型;液体微細繊維用洗剤;食器手洗い用洗剤又は軽質食器用洗剤、特に高起泡型;食器洗い機用洗剤(家庭用及び施設用の様々な錠剤、顆粒、液体及びすすぎ補助型を包含する);液体洗浄及び消毒剤(抗菌手洗い型、固形洗濯石鹸、うがい薬、義歯洗浄剤、車用又はカーペット用シャンプー、浴室洗浄剤を包含する);毛髪用シャンプー及び毛髪用リンス;シャワージェル及び泡状浴室用及び金属洗浄剤;並びに漂白添加剤及び「ステイン・スティック」又は前処理型のような洗浄補助剤を包含する。
【0007】
本明細書で使用する時、句「〜から成る群から独立して選択される」は、参照されるマーカッシュ(Markush)群から選択される部分又は要素を意味し、それらは同じである、異なる、又は以下の例に示されるような要素のいかなる混合物であることもできる:
各R基がA、B及びCから成る群から独立して選択される3つのR基を有する分子。
【0008】
ここで、3つのR基は、次であってもよい:AAA、BBB、CCC、AAB、AAC、BBA、BBC、CCA、CCB、ABC。
【0009】
本明細書で使用する時、「置換」とは、当該用語が適用される有機組成物又はラジカルが:
(a)元素又はラジカルの脱離によって不飽和になる;又は
(b)化合物又はラジカル中の少なくとも1つの水素が、1つ以上の(i)炭素、(ii)酸素、(iii)イオウ、(iv)窒素若しくは(v)ハロゲン原子を含有する部分で置換されている;又は
(c)(a)及び(b)の両方であることを意味する。
【0010】
上記(b)に記載されている、水素を置換してもよい、炭素及び水素原子のみを含有する部分は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルジエニル基、シクロアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ペナンスリル基、フルオリル基、ステロイド基、及びこれらの基の互いとの組み合わせ並びにアルキレン基、アルキリデン基及びアルキリジン基のような多価炭化水素基との組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない炭化水素部分である。上記(b)に記載されている、水素を置換してもよい酸素原子を含有する部分としては、ヒドロキシ、アシル又はケト、エーテル、エポキシ、カルボキシ、及びエステル含有基が挙げられるがこれらに限定されない。上記(b)に記載されている、水素を置換してもよい硫黄原子を含有する部分としては、硫黄含有酸類及び酸エステル基、チオエーテル基、メルカプト基及びチオケト基が挙げられるがこれらに限定されない。上記(b)に記載されている、水素を置換してもよい窒素原子を含有する部分としては、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、アンモニウム基、アミド基、アジド基、イソシアネート基、シアノ基及びニトリル基が挙げられるがこれらに限定されない。上記(b)に記載されている、水素を置換してもよいハロゲン原子を含有する部分としては、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード基及び水素又はペンダントアルキル基がハロ基によって置換されて安定な置換部分を生成する前述の部分のいずれかが挙げられるがこれらに限定されない。
【0011】
上記部分(b)(i)〜(b)(v)のいずれも、一価置換において又は多価置換における水素の損失によって、互いに置換されて、有機化合物又はラジカル中の水素を置換できる別の一価部分を生成することは理解される。
【0012】
本明細書で使用する時、冠詞a及びanは、特許請求の範囲で使用される時には、請求又は記載される1以上の物質を意味するものと理解される。
【0013】
記載のない限り、すべての構成成分又は組成物の濃度は、当該構成成分又は組成物の活性レベルに準拠し、市販の供給源に存在する可能性のある不純物、例えば残留溶媒又は副生成物を包含しない。
【0014】
すべての百分率及び割合は、指示がない限り、重量で計算される。すべての百分率及び割合は、指示がない限り、全組成物に基づいて計算される。
【0015】
本明細書全体を通して与えられるあらゆる最大数値限定は、それよりも小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているように包含することが、理解されるべきである。本明細書全体を通して与えられるあらゆる最小数値限定は、それよりも大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているように包含する。本明細書全体を通して与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれより狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲すべてが本明細書に明示的に記載されているように包含する。
【0016】
引用される全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることの容認として解釈されるべきでない。
【0017】
(有機触媒の製造方法)
出願人は、とりわけ触媒として有用な分子を製造するために使用できる方法を開示する。このような分子は下の式1を有することができる:
【化1】

式中:Rは、置換又は非置換であることができるアリール又はヘテロアリール基であり;
は置換又は非置換アルキルであり;
及びRはイミニウムと共に環を形成し
はC〜C20置換アルキルであり;
は、Q−A部分であり
式中:Qは分枝又は非分枝状アルキレンであり
t=0又は1であり、並びに
Aは、OSO、SO、CO、OCO、OPO2−、OPO及びOPOから成る群から選択される陰イオン基であり;
は、部分 −CR1112−X−G−X−[(CR10−O]−Rであり
式中:各Xは、O、S、N−H又はN−Rから成る群から独立して選択され、並びに
各Rは、アルキル、アリール及びヘテロアリールから成る群から独立して選択され、前記R部分は置換又は非置換であり、置換又は非置換のいずれかにかかわらず、前記R部分は21未満の炭素を有し;
各Gは、CO、SO、SO、PO及びPOから成る群から独立して選択され;
及びR10は、H及びC〜Cアルキルから成る群から独立して選択され、並びに
11及びR12は、H及びアルキルから成る群から独立して選択され、又は共に取り上げられる場合は、結合してカルボニル基を生成してもよく、並びに
b=0又は1であり;
c=0又は1であることができるが、b=0の場合はc=0でなければならず;
yは1〜6の整数であり;
kは0〜20の整数であり;並びに
はH、又はアルキル、アリール若しくはヘテロアリール部分であり、前記部分は置換又は非置換である。
【0018】
1つの態様において、このような分子は上式1を有する:
式中:Rは、置換又は非置換であることができるアリール又はヘテロアリール基であり;
は置換又は非置換アルキルであり;
及びRはイミニウムと共に環を形成し;
はC〜C12置換アルキルであり;
は、部分 Q−Aであり
式中:QはC〜Cアルキルであり;
t=0又は1であり、並びに
Aは、OSO、SO、CO及びOCOから成る群から選択される陰イオン基であり;
は部分−CR1112−X−G−X−Rであり
式中:各Xは,O、S、N−H又はN−Rから成る群から独立して選択され;並びに
各Rは、アルキル、アリール及びヘテロアリールから成る群から独立して選択され、前記R部分は置換又は非置換であり、置換又は非置換のいずれかにかかわらず、前記R部分は21未満の炭素を有し;
各Gは、CO、SO、SO、PO及びPOから成る群から独立して選択され;
11及びR12は、H及びアルキルから成る群から独立して選択され;
b=0又は1であり;
c=0又は1であることができるが、b=1の場合はc=0でなければならず;並びに
はH、又はアルキル、アリール若しくはヘテロアリール部分であり、前記部分は置換又は非置換である。
【0019】
別の態様において、このような触媒分子は上式1を有する:
式中:Rは、置換又は非置換であることができるアリール又はヘテロアリール基であり;
は置換又は非置換アルキルであり;
及びRはイミニウムと共に六員環を形成し;
は置換Cアルキルであり;
はOSOであり;
は部分−CH−O−Rであって、式中Rは、アルキル、アリール及びヘテロアリールから成る群から独立して選択され、前記R部分は置換又は非置換であり、置換又は非置換のいずれかにかかわらず、前記R部分は21未満の炭素を有し;並びに
はH、又はアルキル、アリール若しくはヘテロアリール部分であり、前記部分は置換又は非置換である。
【0020】
本出願人の商業的な数量の触媒は、様々な反応容器並びにバッチ、セミバッチ及び連続プロセスを包含するプロセスを使用して製造できる。本明細書に開示されている方法の効率は、少なくとも1重量%の触媒、少なくとも25重量%の触媒、又は約5重量%〜約75重量%が挙げられるがこれらに限定されない様々な触媒濃度を含有する最終反応混合物を当業者が製造することを可能にする。
【0021】
出願人の発明の1つの態様において、前述の触媒の製造方法は、置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化イオウ錯体を置換又は非置換エポキシドと反応させて前記有機触媒を生成する工程を含む。
【0022】
出願人の発明の別の態様において、前述の触媒の製造方法は、置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリンを、三酸化イオウ、三酸化イオウを提供する物質及びこれらの混合物から成る群から選択される物質と反応させて置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化イオウ錯体を生成する工程、並びにこのような置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化イオウ錯体を置換又は非置換エポキシドと反応させて前記有機触媒を生成する工程を含む。驚くべきことに、前述の本発明の態様において、3,4−ジヒドロイソキノリンの芳香環は、触媒の収率を制限する程度までスルホン化しないと思われる。
【0023】
出願人の発明の別の態様において、前述の触媒の製造方法は、置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリンを、置換又は非置換エポキシド三酸化イオウ錯体と反応させて前記有機触媒を生成する工程を含む。
【0024】
出願人の発明の別の態様において、前述の触媒の製造方法は、置換又は非置換エポキシドを、三酸化イオウ、三酸化イオウを提供する物質及びこれらの混合物から成る群から選択される物質と反応させて置換又は非置換エポキシド三酸化イオウ錯体を生成する工程、並びにこのような置換又は非置換エポキシド三酸化イオウ錯体を置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリンと反応させて前記有機触媒を生成する工程を含む。驚くべきことに、前述の本発明の2つの態様において、3,4−ジヒドロイソキノリンの添加のタイミングは、触媒の収率を制限する十分な悪影響を反応に与えないと思われる。
【0025】
前述の触媒のオキサジリジニウム環を含有する変形は、前記触媒のイミニウム環を含有する変形を、ペルオキシカルボン酸又はペルオキシ一硫酸のような酸素移動剤と接触させることによって作り出すことができる。このような種は、その場で生成し、精製せずに使用することができる。
【0026】
本明細書の教示を処置する当事者は、所望の反応条件及び反応物質濃度を容易に決定できるが、出願人の発明の前述した態様に対する一般的な反応パラメーターとしては、約0℃〜約150℃、又は約0℃〜約125℃の反応温度、約10kPa〜約10MPa(約0.1〜約100atm)、約30kPa〜約1MPa(約0.3atm〜約10atm)又は約101kPa〜約1MPa(約1atm〜約10atm)の反応圧力;0.1時間〜約96時間、約1時間〜約72時間、又は約1時間〜約24時間の反応時間が挙げられる。反応は、不活性雰囲気下ないしは無水条件(例えば、溶媒を使用する時には、無水溶媒の使用)で実行してもよい。
【0027】
出願人の方法の実行に使用される物質としては、置換3,4−ジヒドロイソキノリン類、非置換3,4−ジヒドロイソキノリン類及びこれらの混合物;置換エポキシド類、非置換エポキシド類及びこれらの混合物;三酸化イオウ、三酸化イオウの供給源及びこれらの混合物;並びに溶媒が挙げられる。
【0028】
1つ以上の置換3,4−ジヒドロイソキノリン類、非置換3,4−ジヒドロイソキノリン類又はこれらの混合物を用いる時、初期反応混合物は、一般にこのような物質を約0.5重量%〜約70重量%、約5重量%〜約70重量%、又は約10重量%〜約50重量%含む。好適な置換又は非置換3,4−ジヒドロイソキノリン類としては次のものが挙げられる:3,4−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−イソキノリン;3,4−ジヒドロ−3−メチル−イソキノリン;及び1−メチル−3,4ジヒドロイソキノリン(すべてベルギー(Janssens Parmaceuticalaan,3AGeel,2440 Belgium)のアクロス・オーガニクス(Acros Organics)より入手可能)。1−ベンジル−3,4−ジヒドロ−イソキノリン(米国コネティカット州(139 Allings Crossing Road, West Haven,CT,06516 USA)のシティ・ケミカル社(City Chemical LLC)より入手可能)。3,4−ジヒドロ−3,3−ジメチル−イソキノリン(ロシア(Shosse Entusiastov 56 Moscow,111123 Russia)のマイクロケミストリー社(MicroChemistry Ltd.)より入手可能)。3,4−ジヒドロイソキノリン;3,4−ジヒドロ−7−t−ブチル−イソキノリン;3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−イソキノリン;3,4−ジヒドロ−4−フェニル−イソキノリン;4−ブチル−3,4−ジヒドロ−4−フェニル−イソキノリン;及び3,4−ジヒドロ−7−メチル−イソキノリンのような追加的な3,4−ジヒドロイソキノリン類は、本明細書の実施例1〜6に規定の合成経路を通じて得ることができる。
【0029】
1つ以上の置換エポキシド類、非置換エポキシド類又はこれらの混合物を用いる時、初期反応混合物は、一般にこのような物質を約0.5重量%〜約70重量%、約5重量%〜約70重量%、又は約10重量%〜約50重量%含む。好適な置換又は非置換エポキシド類としては、2−エチルヘキシルグリシダールエーテル;1,2−エポキシプロパン;2,2−ジメチル−オキシラン;2−メチル−オキシランカルボン酸メチルエステル;(2R,3R)−ジフェニル−オキシラン;(2S,3S)−2−メチル−3−フェニルオキシラン;及び3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンのようなエポキシド類(すべて米国ウイスコンシン州(P.O.Box 2060,Milwaukee,WI 53201,USA)のアルドリッチ(Aldrich)より入手可能)が挙げられるがこれらに限定されない。追加的な好適なエポキシド類としては、1,2−エポキシドデカン;1,2−エポキシオクタン;2−エチル−2−メチル−オキシラン;6,6−ジメチル−スピロ[ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2,2’−オキシラン];3−メチル−オキシランカルボン酸;エチルエステル;及び3,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(すべてベルギー(Janssens Parmaceuticalaan,3A Geel,2440 Belgium)のアクロス・オーガニクス(Acros Organics)より入手可能);2−メチル−2−フェニル−オキシラン(米国オレゴン州(9211 N.Harborgate Street,Portland OR,97203,USA)のTCIアメリカ(TCI America)より入手可能);2,2−ジフェニル−オキシラン(米国サウスカロライナ州(P O Box 845,Isle of Palms SC,29451,USA)のライアン・サイエンティフィク社(Ryan Scientific,Inc.)より入手可能);(2R,3S)−ジメチル−オキシラン(米国コネティカット州(172E.Aurora Street,Waterbury CT,06708,USA)のプファルツ&バウアー社(Pfaltz & Bauer,Inc.)より入手可能);及び8−オキサビシクロ[5.1.0]オクタン(米国カリフォルニア州(P O Box 437920,Sa
n Ysidro CA,USA)のアドバンスド・シンセシス・テクノロジーズ(Advanced Synthesis Technologies)より入手可能)が挙げられる。2−プロピルヘプチルグリシダールエーテルは、本明細書の実施例7に記載されているように調製できる。
【0030】
三酸化イオウ、三酸化イオウの供給源及びこれらの混合物を用いる時、初期の反応混合物は一般に、このような物質を約0.5重量%〜約70重量%、約5重量%〜約70重量%、約10重量%〜約50重量%含む。好適な物質としては、三酸化イオウ、並びに三酸化イオウトリメチルアミン、三酸化イオウジオキサン、三酸化イオウピリジン、三酸化イオウN,N−ジメチルホルムアミド、三酸化イオウスルホラン、三酸化イオウテトラヒドロフラン、三酸化イオウジエチルエーテル及び三酸化イオウ3,4−ジヒドロイソキノリンのような三酸化イオウ錯体が挙げられる。好適は三酸化イオウ錯体類及び三酸化イオウは、アルドリッチ(Aldrich)(米国ウイスコンシン州(P.O.Box 2060,Milwaukee,WI 53201,USA))より購入することができ、又は本明細書の教示に従って調製できる。
【0031】
いかなる反応混合物も、残部は一般に溶媒である。溶媒を用いる時、初期の反応混合物は一般に、99重量%までの溶媒、約10重量%〜約90重量%の溶媒、又は約20重量%〜約80重量%の溶媒を含む。好適な溶媒としては、アセトニトリル、ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、スルホラン、クロロベンゼン、トルエン、1,2ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ヘキサン類、ペンタン類、ベンゼン及びキシレン類のような非プロトン性、極性及び非極性溶媒が挙げられる。好適な溶媒は、アルドリッチ(Aldrich)(米国ウイスコンシン州(P.O.Box 2060,Milwaukee,WI 53201,USA))より購入することができる。
【0032】
(触媒を含む洗浄組成物及び洗浄組成物添加物)
本明細書に記載されている方法にしたがって製造される有機触媒は、洗浄及び/又は漂白用途、例えば洗濯用途、硬質面洗浄、自動食器洗い用途、並びに義歯、歯、毛髪及び皮膚のような化粧品用途に有利に用いられてもよい。
【0033】
本発明の有機触媒は、洗浄添加剤製品にも用いられてもよい。本発明の有機触媒を包含する洗浄添加剤は、理想的には、追加的な漂白効果が望まれる時に洗浄プロセスに包含するのに好適である。そのような例としては、低温溶液洗浄用途が挙げられるがこれらに限定されない。添加物製品は、最も単純な形態で有機触媒であることができる。好ましくは、添加剤は、過酸素供給源が用いられる場合及び漂白効果の増強が望まれる場合に洗浄プロセスへの追加用剤形に包装されることができる。このような単一の剤形は、ピル、錠剤、ゲルキャップ又は予め計測された粉末若しくは液体のようなその他の単一投与単位を含んでもよい。このような組成物の体積を増大するために充填剤又は担体物質が包含されてもよい。好適な充填剤又は担体物質としては、様々な硫酸塩、炭酸塩及びケイ酸塩並びにタルク、粘土等が挙げられるがこれらに限定されない。液体組成物のための充填剤又は担体物質は、水又はポリオール類及びジオール類を包含する低分子量の一級及び二級アルコール類であってもよい。このようなアルコール類の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールが挙げられるがこれらに限定されない。組成物は、このような物質を約5%〜約90%含有してもよい。pHを低下させるために酸性の充填剤を使用することができる。あるいは、洗浄添加剤は、以下に定義する活性化過酸素供給源又は以下に十分に定義される補助剤成分類を包含してもよい。
【0034】
洗浄組成物及び洗浄添加物は、触媒的に有効量の有機触媒を必要とする。このような触媒の必要濃度は、本明細書に開示される方法にしたがって製造された有機触媒を1種以上添加することによって達成されてもよい。実際的な事象として、限定するためではないが、本明細書中の組成物及び洗浄プロセスは、洗浄媒体中に有機触媒をおよそ少なくとも0.001ppmで提供するために調整することができ、好ましくは洗浄液中約0.001ppm〜約500ppm、より好ましくは約0.005ppm〜約150ppm、最も好ましくは約0.05ppm〜約50ppmの有機触媒を提供する。洗浄溶液中でこのような濃度を得るために、本明細書の典型的な組成物は、洗浄組成物の約0.0002重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約1.5重量%の有機触媒を含む。
【0035】
前記有機触媒が顆粒状組成物中で使用される場合、有機触媒が、保存中に顆粒状組成物の湿気及び/又は他の成分から有機触媒を保護するカプセル化粒子の形態であることが望ましい場合がある。それに加えて、カプセル化は、洗浄プロセス中の有機触媒の利用可能性を制御する手段でもあり、有機触媒の漂白性能を高める場合がある。この観点において、有機触媒は、当該技術分野において既知の任意のカプセル化材料を用いてカプセル化することができる。
【0036】
カプセル化材料は、典型的には、出願人の有機触媒の少なくとも一部、好ましくはすべてをカプセル化する。典型的には、カプセル化材料は水溶性及び/又は水分散性である。カプセル化材料は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上であってもよい。ガラス転移温度は、PCT国際公開特許WO97/11151、特に6頁25行〜7頁2行により詳細に記載されている。PCT国際公開特許WO97/11151は、それ自体、本明細書に参照として組み込まれる。
【0037】
前記有機触媒に加えて、洗浄組成物は、活性化過酸化物供給源を含まなければならない。有機触媒のモルの活性化過酸素供給源のモルに対する好適な比は、約1:1〜約1:1000であるがこれに限定されない。好適な活性化過酸素供給源としては、予め形成された過酸類、過酸化水素供給源と漂白活性化剤との組み合わせ、又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。好適な予め形成された過酸類としては、ペルカルボン酸類及び塩類、過炭酸類及び塩類、ペルイミド酸類及び塩類、ペルオキシ一硫酸類並びに塩類及びこれらの混合物から成る群から選択される化合物が挙げられるがこれらに限定されない。好適な過酸化水素供給源としては、過ホウ酸塩化合物、過炭酸塩化合物、過リン酸塩化合物及びこれらの混合物から成る群から選択される化合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0038】
好適な漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(BzCL)、4−ニトロベンゾイルカプロラクタム、3−クロロベンゾイルカプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、フェニルベンゾエート(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C10−OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C−OBS)、ペルヒドロ化可能なエステル類、ペルヒドロ化可能なイミド類及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0039】
過酸化水素供給源が存在する場合、典型的には組成物の約1重量%から、好ましくは約5重量%から約30重量%まで、好ましくは約20重量%までの濃度である。過酸類又は漂白活性化剤が存在する場合、典型的には漂白組成物の約0.1重量%から、好ましくは約0.5重量%〜約60重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約40重量%含まれる。
【0040】
上記の開示に加え、活性化過酸素供給源の好適な種類及び濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号及び同第6,326,348B1号に見出され、これらを本明細書に参考として組み込む。
【0041】
本明細書の洗浄組成物は、好ましくは、水性洗浄操作での使用中に、洗浄水のpHが約6.5〜約11、好ましくは約7.5〜10.5であるように処方される。液体食器洗い製品処方は、好ましくはpHが約6.8〜約9.0である。洗濯製品は、典型的にはpHが9〜11である。推奨される使用濃度でpHを制御する技術としては、緩衝剤、アルカリ類、酸類等の使用が挙げられ、該技術は当業者には周知である。
【0042】
(補助物質)
本発明の目的に不可欠ではないが、本明細書に後述する補助剤の非限定的な列挙は、当該洗浄組成物への使用に好適であり、例えば洗浄性能を補佐又は強化するため、洗浄される基材の処置のため、又は香料、着色剤、染料等と同様に洗浄組成物の審美性を変更するために、本発明の好ましい実施形態に望ましく組み込まれてもよい。これらの追加構成成分の厳密な性質、及びその組み込み濃度は、組成物の物理的形態及びそれが使用される洗浄操作の性質に依存する。好適な補助物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒金属錯体、高分子分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、香料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤及び/又は顔料が挙げられるがこれらに限定されない。下記の開示に加え、このようなその他の補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号及び同第6,326,348B1号に見出され、これらを本明細書に参考として組み込む。
【0043】
界面活性剤 − 好ましくは、本発明による洗浄組成物は、当該界面活性剤が非イオン性及び/若しくは陰イオン性及び/若しくは陽イオン性界面活性剤並びに/又は両性及び/若しくは双性イオン性及び/若しくは半極性非イオン性界面活性剤から選択されることができる界面活性剤又は界面活性剤系を含む。
【0044】
界面活性剤は、典型的には洗浄組成物の約0.1重量%、好ましくは約1重量%、より好ましくは約5重量%から、洗浄組成物の約99.9重量%、好ましくは約80重量%、より好ましくは約35重量%、最も好ましくは約30重量%までの濃度で存在する。
【0045】
ビルダー − 本発明の洗浄組成物は、好ましくは1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含む。存在する場合、組成物は典型的には少なくとも約1重量%のビルダー、好ましくは約5重量%から、より好ましくは約10重量%から約80重量%まで、好ましくは約50重量%まで、より好ましくは約30重量%までの、洗剤ビルダーを含む。
【0046】
ビルダーとしては、これらに限定されるものではないが、ポリリン酸のアルカリ金属、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩類、ケイ酸アルカリ金属塩類、炭酸アルカリ土類及びアルカリ金属塩類、アルミノケイ酸塩ビルダー類、ポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート類、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸類の種々のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩類、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性の塩類のようなポリカルボキシレートが挙げられる。
【0047】
キレート剤 − 本明細書の洗浄組成物は、任意に、1以上の銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤も含有してもよい。
【0048】
使用される場合、これらのキレート剤は、一般に本明細書の洗浄組成物の約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは3.0重量%含まれる。
【0049】
移染防止剤 − 本明細書の洗浄組成物は、1つ以上の移染防止剤も含有してもよい。好適な高分子移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー類、ポリアミンN−酸化物ポリマー類、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー類、ポリビニルオキサゾリドン類及びポリビニルイミダゾール類又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0050】
本明細書の洗浄組成物中に存在する場合、移染防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%、より好ましくは約0.01重量%、最も好ましくは約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%、より好ましくは約2重量%、最も好ましくは約1重量%までの濃度で存在する。
【0051】
分散剤 − 本発明の洗浄組成物は分散剤も含有できる。好適な水溶性有機物質は、ホモポリマー又はコポリマー状の酸類又はその塩類であって、その際ポリカルボン酸は、2個以下の炭素原子によって互いに離れた少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含む。
【0052】
酵素 − 洗浄組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の洗剤酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ類、ペルオキシダーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類、キシラナーゼ類、リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、エステラーゼ類、クチナーゼ類、ペクチナーゼ類、ケラタナーゼ類、レダクターゼ類、オキシダーゼ類、フェノールオキシダーゼ類、リポキシゲナーゼ類、リグニナーゼ類、プルラナーゼ類、タンナーゼ類、ペントサナーゼ類、マラナーゼ類、β−グルカナーゼ類、アラビノシダーゼ類、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び既知のアミラーゼ類、又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。好適な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素類のカクテルをアミラーゼと共に有する。
【0053】
酵素安定剤 − 洗剤に使用するための酵素は、種々の技術で安定化することができる。本明細書で用いられる酵素は、そのようなイオンを酵素に提供する水溶性カルシウム及び/又はマグネシウム供給源が完成組成物に存在することによって安定化できる。
【0054】
触媒作用の金属錯体 − 出願人の洗浄組成物は触媒作用の金属錯体を包含してもよい。金属含有漂白触媒の一つの種類は、規定の漂白触媒活性の遷移金属陽イオン(例えば銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガン陽イオン類)、触媒活性がほとんど又はまったくない補助金属陽イオン(例えば亜鉛又はアルミニウム陽イオン類)、及び前記触媒及び補助金属陽イオン類に対する規定の安定度定数を有する金属イオン封鎖剤(sequestrate)、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性の塩を含む触媒系である。このような触媒は、U.S.4,430,243(ブラッグ(Bragg)、1982年2月2日発行)に開示されている。
【0055】
望ましい場合、本明細書の組成物はマンガン化合物によって触媒できる。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野において周知であり、例えば、U.S.5,576,282(ミラクル(Miracle)ら)に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。
【0056】
本明細書で有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、U.S.5,597,936(パーキンス(Perkins)ら、1997年1月28日発行);U.S.5,595,967(ミラクル(Miracle)ら、1997年1月21日発行)に開示されている。このようなコバルト触媒は、U.S.5,597,936及びU.S.5,595,967に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。
【0057】
本明細書の組成物は、好適には、「MRL」として略称される巨大多環固定配位子(macropolycyclic rigid ligand)も包含する。実際的な事象として、限定するためではないが、本明細書中の組成物及び洗浄プロセスは、水性洗浄媒体中に活性MRL種をおよそ少なくとも0.01ppm提供するように調整することができ、好ましくは洗浄液中約0.005ppm〜約25ppm、より好ましくは約0.05ppm〜約10ppm、最も好ましくは約0.1ppm〜約5ppmのMRLを提供する。
【0058】
当該遷移金属漂白触媒における好ましい遷移金属類としては、マンガン、鉄及びクロムが挙げられる。本明細書の好ましいMRLは、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンのような、架橋されている特殊な種類の超固定配位子である。
【0059】
好ましい遷移金属MRLは、例えばPCT国際公開特許WO00/332601及びU.S.6,225,464に教示されているような既知の手順によって容易に調製される。
【0060】
(出願人の洗浄組成物の製造及び使用方法)
本発明の洗浄組成物は、いかなる好適な形態にも処方することができ、その配合者に選択されたいかなる方法によっても調製することができ、その非限定例は、U.S.5,879,584(ビアンチェティ(Bianchetti)ら、1999年3月9日発行);U.S.5,691,297(ナサノ(Nassano)ら、1997年11月11日発行);U.S.5,574,005(ウェルチ(Welch)ら、1996年11月12日発行);U.S.5,569,645(ディニウエル(Dinniwell)ら、1996年10月29日発行);U.S.5,565,422(デルグレコ(Del Greco)ら、1996年10月15日発行);U.S.5,516,448(カピシ(Capeci)ら、1996年5月14日発行);U.S.5,489,392(カピシ(Capeci)ら、1996年2月6日発行);U.S.5,486,303(カピシ(Capeci)ら、1996年1月23日発行)に記載されており、これらすべてを本明細書に参考として組み込む。
【0061】
(使用方法)
前記有機触媒を用いる洗浄及び/又は漂白組成物は、ある場所、とりわけ表面又は布地を漂白及び/又は洗浄するために使用できる。このような方法は、出願人の洗浄組成物の実施形態を、希釈しない形態で又は洗浄溶液に希釈して、表面又は布地の少なくとも一部に接触させ、その後そのような表面又は布地をすすぐ工程を包含する。好ましくは、表面又は布地は、前述のすすぎ工程の前に洗浄工程で処理される。本発明の目的で、洗浄は、こすること及び機械攪拌を包含するがこれらに限定されない。当業者に認識されるように、本発明の洗浄及び/又は漂白組成物は、理想的には、出願人の洗浄組成物、洗浄添加剤又はこれらの混合物の少なくとも1つの実施形態を含む洗浄洗濯溶液に布地を接触させる洗濯用途への使用に好適である。布地は、通常の消費者使用条件で洗濯できるほぼあらゆる布地を含む。溶液は、好ましくは約8〜約10.5のpHを有する。組成物は、好ましくは溶液中に約500ppm〜約15,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約90℃の範囲である。水対布地の比は、好ましくは約1:1〜約30:1である。
【実施例】
【0062】
実施例1〜16の合成経路を本明細書に記載する。このような経路において、すべての構造は一般構造であり、部分R、R、R、R’、R’、R、R、R及びRはいかなる好適な有機又は無機部分であってもよい。当業者に認識されるように、本明細書に詳述されている合成経路は特異な合成変換を用いているが、他の好適な合成変換が用いられてもよい。
【化2】

【0063】
3,4−ジヒドロイソキノリン(1)は、ベンジルニトリル(6)又は(7)、フェネチルアミン(8)及びホルムアミド(9)から、上に詳述されている合成経路を使用して得られてもよい。当業者に認識されるように、部分R、R’、R’、R、R、R及びRはいかなる好適な有機又は無機部分であってもよい。
【0064】
前述の合成のために必要とされる原材料は、一般的に市販されている。次の材料は、米国ウイスコンシン州(P.O.Box 2060,Milwaukee,WI 53201,USA)のアルドリッチ(Aldrich)より得ることができる:ベンジルニトリル、ジフェニルアセトニトリル、2−フェネチルヘキサンニトリル、4−t−ブチルベンジルシアニド、2−フェネチルアミン、2−(p−トルイル)エチルアミン、ボランTHF錯体、臭化メチル、アセトニトリル、トルエン、ヘキサン類、テトラヒドロフラン、炭酸カリウム、カリウムt−ブトキシド、塩化第二スズ、ギ酸、ポリリン酸、エピクロロヒドリン、及び水酸化ナトリウム。
【0065】
実施例1:3,4−ジヒドロイソキノリン(1、R、R、R’、R、R’、R、R、R、R=H)の調製
添加漏斗、乾燥アルゴン入口、電磁攪拌棒、温度計、ディーンスタークトラップ、及び加熱浴を取り付け、火炎乾燥した1000mL三つ口丸底フラスコに、2−フェネチルアミン(8、R、R’、R、R’、R、R、R、R=H)(121g、1.0mol)及びトルエン(250mL)を添加する。添加漏斗に、ギ酸(46g、1mol)を添加する。ギ酸を、攪拌している反応溶液に60分かけてゆっくりと添加し、固体が生成する。添加が完了すると、反応物を還流させ、水をディーンスタークトラップを介して除去する。反応が完了すると、トルエンを除去し、生成物(9、R、R、R’、R、R’、R、R、R、R=H)を真空蒸留によって精製する。続いて、ホルムアミド(9、R、R、R’、R、R’、R、R、R、R=H)を、標準のビシュラー(Bischler)/ナピエラルスキ(Napieralski)条件を用いて、170℃で18時間、ポリリン酸(747g)/五酸化リン(150g)と接触させる。続いて、反応物を水性NaOHで中和し、温度を60℃〜80℃間に保つ。中和後、生成物をトルエンで抽出し、3,4−ジヒドロイソキノリン(1、R、R、R’、R、R’、R、R、R、R=H)を収率95%で得る。生成物は、蒸留によってさらに精製できる。
【0066】
実施例2:3,4−ジヒドロ−7−メチル−イソキノリン(1、R、R、R’、R、R’、R、R、R=H;R=CH)の調製
反応は、2−(p−トルイル)エチルアミンを2−フェネチルアミンの代わりに使用する点を除いて、実施例1のように実施する。
【0067】
実施例3:3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−イソキノリン(1、R、R、R’、R、R、R、R=H;R、R’=CH)の調製
乾燥アルゴン入口、電磁攪拌棒、及び温度計を取り付け、火炎乾燥した1000mL三つ口丸底フラスコに、ベンジルシアニド(6)(117g、1.0mol)及びテトラヒドロフラン(500mL)を添加する。反応に、炭酸カリウム(2mol)を1時間かけてゆっくりと添加する。添加が完了すると、反応物を室温で1時間攪拌する。反応物に臭化メチル(2mol)を添加し、反応物を室温で18時間攪拌する。反応物を蒸発乾固し、残留物をトルエンに溶解し、1N HClで洗う。有機相とNaSOで乾燥し、濾過及び蒸発して粗製ニトリル(7、R、R、R、R=H;R、R’=CH)を得る。粗製ニトリルを、ボラン−THF錯体(1当量)を使用して室温で18時間還元する。反応が完了すると、エタノール(50mL)を添加し、反応物を蒸発乾固する。乾燥後、残留物を100mLの1M HClに懸濁し、該懸濁液をロータリーエバポレータで蒸発乾固する。この手順を3度繰り返す。最終的な蒸発の後、白色の残留物を1M NaOH(100mL)に溶解し、トルエン(2×150mL)で抽出する。抽出物を一つにし、NaSOで乾燥し、濾過及び蒸発乾固し、粗製アミン(8、R、R’、R、R、R、R=H;R、R’=CH)を得て、これを実施例1に記載されている条件を使用して3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−イソキノリン(1、R、R、R’、R、R、R、R=H;R、R’=CH)に変換する。
【0068】
実施例4:3,4−ジヒドロ−7−t−ブチル−イソキノリン(1、R、R、R’、R、R’、R、R、R=H;R=C(CH)の調製
4−t−ブチルベンジルシアニド(7、R、R’、R、R、R=H;R=C(CH)を、ボラン−THF錯体(1当量)を使用して室温で18時間還元する。反応が完了すると、エタノール(50mL)を添加し、反応物を蒸発乾固する。乾燥後、残留物を100mLの1M HClに懸濁し、該懸濁液をロータリーエバポレータで蒸発乾固する。この手順を3度繰り返す。最終的な蒸発の後、白色の残留物を1M NaOH(100mL)に溶解し、トルエン(2×150mL)で抽出する。抽出物を一つにし、NaSOで乾燥し、濾過及び蒸発乾固し、粗製アミン(8、R、R’、R、R、R、R=H;R、R’=C(CH)を得て、これを実施例1に記載されている条件を使用して3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−イソキノリン(1、R、R、R’、R、R、R、R=H;R、R’=CH)に変換する。
【0069】
実施例5:3,4−ジヒドロ−4−n−ブチル−イソキノリン(1、R、R、R’、R、R、R、R、R=H;R’=(CHCH)の調製
反応は、2−フェネチルヘキサンニトリル(7、R、R、R、R、R=H;R’=(CHCH)を4−t−ブチルベンジルシアニドの代わりに使用する点を除いて、実施例4のように実行する。
【0070】
実施例6:3,4−ジヒドロ−4−フェニル−イソキノリン(1、R、R、R’、R、R、R、R、R=H;R’=C)の調製
反応は、ジフェニルアセトニトリル(7、R、R、R、R、R=H;R’=C)を4−t−ブチルベンジルシアニドの代わりに使用する点を除いて、実施例4のように実行する。
【0071】
実施例7:2−プロピルヘプチルグリシダールエーテルの調製
エピクロロヒドリン(15.62g、0.17mol)を満たした添加漏斗を取り付け、火炎乾燥した500mL丸底フラスコに、2−プロピルヘプタノール(プファルツ&バウアー社(Pfaltz & Bauer,Inc.)、米国コネティカット州(172 E.Aurora Street,Waterbury CT,06708,USA))(20g、0.127mol)及び塩化第二スズ(0.20g、0.001mol)を添加する。反応をアルゴンガス雰囲気下に保ち、油浴を使用して90℃に加温する。エピクロロヒドリンを60分かけて攪拌溶液に滴下した後、90℃で18時間攪拌する。反応物を真空蒸留ヘッドに取り付け、1−クロロ−3−(2−プロピル−ヘプチルオキシ)−プロパン−2−オールを90℃〜95℃の温度範囲で26Pa(0.2mmHg)で蒸留する。重量=22.1g。1−クロロ−3−(2−プロピル−へプチルオキシ)−プロパン−2−オール(5.0g、0.020mol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、室温で、アルゴン雰囲気下で攪拌する。前記攪拌中の溶液に、カリウムt−ブトキシド(2.52g、0.022mol)を添加し、当該懸濁液を室温で18時間攪拌する。反応物を蒸発乾固し、残留物をヘキサン類に溶解し、水(100mL)で洗う。ヘキサン類の相を分離し、NaSOで乾燥し、濾過及び蒸発乾固し、粗製2−プロピルへプチルグリシダールエーテルを得る、これは真空蒸留によってさらに精製できる。
【0072】
実施例8〜16の合成経路を以下に記載する。
【化3】

【0073】
3,4−ジヒドロイソキノリン(1)は、3,4−ジヒドロイソキノリン(1)をSO供給源と接触させることでその三酸化イオウ3,4−ジヒドロイソキノリン錯体(2)に変換させ、続いて当該三酸化イオウ3,4−ジヒドロイソキノリン錯体(2)を適切なグリシダールエーテル(3)に接触させることで、有機触媒(5)を得てもよい。同様に、適切なグリシダールエーテル(3)は、適切なグリシダールエーテル(3)をSO供給源と接触させることでその三酸化硫黄グリシダールエーテル錯体(4)に変換させ、続いて当該三酸化イオウグリシダールエーテル錯体(4)を3,4−ジヒドロイソキノリン(1)に接触させることで、有機触媒(5)を得てもよい。有機触媒(5)は、3,4−ジヒドロイソキノリン(1)、グリシダールエーテル(3)、及び三酸化イオウ供給源を、単一操作で同時に接触させることによっても調製されてもよい。
【0074】
前述の合成のために必要とされる原材料は、一般的に市販されている。次の材料は、米国ウイスコンシン州(P.O.Box 2060,Milwaukee,WI 53201,USA)のアルドリッチ(Aldrich)から入手できる:アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、クロロベンゼン、三酸化イオウ、三酸化イオウ−トリメチルアミン錯体、三酸化イオウ−N,N−ジメチルホルムアミド錯体、酢酸エチル、イソプロパノール、2−エチルヘキシルグリシダールエーテル、グリシジル4−ノニルフェニルエーテル、グリシジル2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルエーテル。6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン塩酸塩水和物は、米国ニュージャージー州(1 Reagent Lane Fair Lawn,NJ,07410 USA)のフィッシャー・サイエンティフィク(Fisher Scientific)より購入できる。(2−エチルヘキシルオキシ)オキシラン−2−イルメタンのようなグリシダールエーテルは、ラシヒ社(Raschig Corporation)(米国イリノイ州(129 South Scoville Avenue,Oak Park IL,60302,U.S.A)よりEHGEの商品名で得られる。
【0075】
実施例8:合成経路(1)→(2)→(5)を介する、硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−エチル]エステル、内部塩の調製
添加漏斗、乾燥アルゴン入口、電磁攪拌棒、温度計、及び冷却浴を取り付け、火炎乾燥した250mL三つ口丸底フラスコに、3,4−ジヒドロイソキノリン(1)(5.0g、0.038mol)及びアセトニトリル(50mL)を添加する。添加漏斗に、塩化メチレン(10mL)及び粗製無水硫酸(SO)(3.05g、0.038mol)を添加する。反応容器を氷浴中に置き、内容物を5℃に冷却する。反応溶液に、SO/CHCl溶液を、温度を10℃未満に保ちながら30分かけて滴下する。無水硫酸の添加と同時に白色沈殿(2)が形成する。添加が終了すると、反応物が室温に温まるまで放置し、白色懸濁液をアルゴン下で1時間攪拌する。反応物に、2−エチルヘキシルグリシダールエーテル(3)(7.1g、0.038mol)を添加し、反応物を90℃の油浴中に置く。塩化メチレンをディーンスタークトラップを介して除去し、除去後、75℃〜80℃の内部反応温度が得られ、それと同時に反応物は透明/琥珀色に変わる。反応物を75〜80℃で72時間攪拌する。続いて、反応物を室温まで冷却し、蒸発乾固し、黄褐色の残留物をイソプロパノールから再結晶して、10.3g(68%)、最終反応混合物の19重量%の所望の生成物(5、R、R、R、R、R、R、R=H;R=2−エチルヘキシル)を得る。
【0076】
実施例9:硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−エチル−ヒドロキシメチル)−エチル]エステル、内部塩の調製
凝縮器、乾燥アルゴン入口、電磁攪拌棒、温度計、及び加熱浴を取り付け、火炎乾燥した250mL三つ口丸底フラスコに、3,4−ジヒドロイソキノリン(1)(50.0g、0.38mol)、2−エチルヘキシルグリシダールエーテル(3)(71g、0.38mol)SO−DMF錯体(58.2g、0.38mol)、及びアセトニトリル(500mL)を添加する。反応物を80℃まで温め、温度で72時間攪拌する。反応物を室温まで冷却し、蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル/エタノールから再結晶して、105g(55%)、最終反応混合物の18重量%の所望の生成物(5、R、R、R、R、R、R、R=H;R=2−エチルヘキシル)を得る。
【0077】
実施例10:硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロへプチルオキシメチル)−エチル]エステル、内部塩の調製
添加漏斗、乾燥アルゴン入口、電磁攪拌棒、温度計、及び冷却浴を取り付け、火炎乾燥した250mL三つ口丸底フラスコに、グリシジル2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロへプチルエーテル(3)(12.8g、0.038mol)及びアセトニトリル(50mL)を添加する。添加漏斗に、塩化メチレン(10mL)及び粗製無水硫酸(SO)(3.05g、0.038mol)を添加する。反応容器を氷/メタノール浴中に置き、内容物を−15℃に冷却する。反応溶液に、SO/CHCl溶液を、温度を−10℃未満に保ちながら30分かけて滴下する。添加が完了すると、反応混合物に3,4−ジヒドロイソキノリン(1)(5.0g、0.038mol)を添加し、反応物が室温に上昇するまで放置する。反応物を室温で1時間攪拌し、続いて90℃の油浴中に置く。塩化メチレンをディーンスタークトラップを介して除去し、除去後、75〜80℃の内部反応温度が得られる。反応物を75〜80℃で72時間攪拌する。続いて、反応物を室温まで冷却し、蒸発乾固し、残留物を適切な溶媒から再結晶して、所望の生成物(5、R、R、R、R、R、R、R=H、R=2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル)を得る。
【0078】
実施例11:硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(4−ノニルフェニルオキシメチルエチル)−エチル]エステル、内部塩の調製
凝縮器、乾燥アルゴン入口、電磁攪拌棒、及び加熱浴を取り付け、火炎乾燥した250mL一つ口丸底フラスコに、3,4−ジヒドロイソキノリン(1)(5.0g、0.038mol)、ヘキサン類(100mL)、及び三酸化イオウトリメチルアミン錯体を添加する。反応物を還流させ、トリメチルアミンを凝縮器を通じて除去し、それをpH試験紙でモニタする。反応蒸気が中性になったら、反応物を室温に冷却し、白色固体(2)を濾過し、高真空下で乾燥する。乾燥後、固体(2)を、アルゴン入口、凝縮器、電磁攪拌棒、及び加熱浴を取り付け、火炎乾燥した250mL丸底フラスコに入れ、アセトニトリル(50mL)中に懸濁させる。当該懸濁液に、グリシジル4−ノニルフェニルエーテル(3)(10.5g、0.038mol)を添加し、反応物を還流させる。反応物を、72時間攪拌還流する。反応物を室温まで冷却し、蒸発乾固し、残留物を適切な溶媒から再結晶して、所望の生成物(5、R、R、R、R、R、R、R=H、R=4−ノニルフェニル)を得る。
【0079】
実施例12:硫酸モノ−[2−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−エチル−ヒドロキシメチル)−エチル]エステル、内部塩の調製
反応は、クロロベンゼンをヘキサン類の代わりに使用し、6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリンを3,4−ジヒドロイソキノリンの代わりに使用する点を除いて、実施例11のように実行し、所望の製品(5、R、R、R、R、R=H、R=2−エチルヘキシル、R、R=OCH)を得る。
【0080】
実施例13:攪拌槽型反応器での商業量の触媒の調製
グリシダールエーテルを、希釈していない又は適切な非プロトン性溶媒を用いたSO供給源と、約0℃〜約80℃の温度、及び約101kPa(1atm)の圧力で約240分未満接触させ、続いて3,4−ジヒドロイソキノリンを添加し、得られる反応混合物を約50℃〜約150℃の温度、及び約1atmの圧力で約96時間未満接触させる。このような方法は、攪拌槽型反応器内で実施され、その結果有機触媒が生成される。
【0081】
実施例14:攪拌槽型反応器での商業量の触媒の調製
3,4−ジヒドロイソキノリンを希釈していない又は適切な非プロトン性溶媒を伴うSO供給源と、約0℃〜約80℃の温度、及び約101kPa(1atm)の圧力で約240分未満接触させ、続いてグリシダールエーテルを添加し、得られる反応混合物を約50℃〜約150℃の温度、及び約1atmの圧力で約96時間未満接触させる。このような方法は、攪拌槽型反応器内で実施され、その結果有機触媒が生成される。
【0082】
実施例15:攪拌槽型反応器での商業量の触媒の調製
3,4−ジヒドロイソキノリン、SO供給源、及びグリシダールエーテル、希釈せずに又は適切な非プロトン性溶媒と共に、約50℃〜約150℃の温度、及び約101kPa(1atm)の圧力、約96時間未満。このような方法は、攪拌槽型反応器内で実施され、その結果有機触媒が生成される。
【0083】
実施例16:出願人の有機触媒を含む粒子の調製方法
上記実施例8〜12のいずれかによる出願人の有機触媒10gを、硫酸ナトリウム80g、ラウリルスルホン酸ナトリウム10g、及び水10gと70〜90℃で完全に混合し、ペーストを形成する。当該ペーストを脆性固体になるまで乾燥させ、当該固体を微細粉末に粉砕し、それによって所望の担体微粒子を製造する。
【0084】
実施例17:出願人の有機触媒を含む顆粒状洗剤の調製方法
出願人の有機触媒を0.002%〜5%含む顆粒状洗剤は、洗剤製造プロセスの間に、出願人の触媒を含む微細粒子(平均粒径が約100μm未満の微粒子)を洗剤混合物上にダスティングすることによって、及び/又は洗剤製造プロセスの間に出願人の触媒を含む担体粒子を前記洗剤混合物と組み合わせることによって製造される。このような完成した洗剤は、相対標準偏差が試料30g当たり20%未満である均一分布の出願人の有機触媒を含有することが見出される。
【0085】
本発明の特定の実施形態を例証及び記載しているが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々なその他の変更及び修正を加えることができることは当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲内のこのような変更及び修正すべてを、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機触媒を製造する方法であって、置換3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化イオウ錯体、非置換3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化イオウ錯体及びこれらの混合物を、置換エポキシド、非置換エポキシド及びこれらの混合物と反応させて、前記有機触媒を生成する工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記方法が、置換3,4−ジヒドロイソキノリン、非置換3,4−ジヒドロイソキノリン及びこれらの混合物を、三酸化イオウ、三酸化イオウを提供する物質及びこれらの混合物から成る群から選択される物質と反応させて、置換3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化イオウ錯体、非置換3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化イオウ錯体及びこれらの混合物を生成する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
有機触媒を製造する方法であって、置換3,4−ジヒドロイソキノリン、非置換3,4−ジヒドロイソキノリン及びこれらの混合物を、置換エポキシド三酸化イオウ錯体、非置換エポキシド三酸化イオウ錯体及びこれらの混合物と反応させて、前記有機触媒を生成する工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項4】
前記方法が、置換エポキシド、非置換エポキシド及びこれらの混合物を、三酸化イオウ、三酸化イオウを提供する物質及びこれらの混合物から成る群から選択される物質と反応させて、置換エポキシド三酸化イオウ錯体、非置換エポキシド三酸化イオウ錯体及びこれらの混合物を生成する工程を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
有機触媒の製造方法であって、置換3,4−ジヒドロイソキノリン、非置換3,4−ジヒドロイソキノリン及びこれらの混合物、置換エポキシド、非置換エポキシド及びこれらの混合物、並びに三酸化イオウ、三酸化イオウを提供する物質及びこれらの混合物から成る群から選択される物質を反応させて、前記有機触媒を生成する工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項6】
前記反応工程が、非プロトン性溶媒、好ましくは極性非プロトン性溶媒の存在下で実施されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記反応工程が、0℃〜150℃、好ましくは0℃〜125℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
最終反応混合物が、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも25重量%の前記有機触媒を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに1項記載の方法。
【請求項9】
前記反応工程が、10kPa〜10MPa(0.1atm〜100atm)の圧力で実施されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−513071(P2007−513071A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538520(P2006−538520)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/036987
【国際公開番号】WO2005/047264
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】