説明

ジベンゾキシアゼピン類

本発明は、化合物類、それらの製造方法、該化合物を含有する医薬組成物、並びに、ヒトまたは動物における疾患、特に心血管疾患、例えばアテローム性動脈硬化症の処置および/または予防のためのそれらの利用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、化合物類、それらの製造方法、それらを含む医薬組成物、ヒトまたは動物における障害、特に心血管障害、例えばアテローム性動脈硬化症の処置および/または予防のためのそれらの使用に関する。
【0002】
ジベンゾキシアゼピン類は、なかんずくアテローム性動脈硬化症の処置用のαβ、αβおよび/またはαβインテグリン受容体アンタゴニストとして、WO00/48603に記載されている。WO99/11626は、ジベンゾキシアゼピン類を、なかんずくアテローム性動脈硬化症の処置用のフィブリノーゲンおよび/またはビトロネクチン受容体アンタゴニストとして記載している。
【0003】
EP−A419861は、AIDSの処置および/または予防のための、ジベンゾキシアゼピン類の使用を記載している。
US4,728,735は、心血管障害の処置用のジベンゾチアゼピン類を記載している。
抗胃潰瘍性ジベンゾキシアゼピノン類は、CAPLUS 1982、423831(JP−A−57002278)およびCAPLUS 1984、191915(JP−A−58225073)に記載されている。
【0004】
アテローム性動脈硬化症の病態生理における炎症性成分は、現在一般的に認められている。これらの炎症性血管変化は、なかんずく、単球の遊走と炎症誘発性サイトカインの放出の増加を特徴とする。特に、遊走してきた単球からの泡沫細胞の形成、およびこれらの泡沫細胞の代謝の変更は、プラーク発生と安定性の中枢である。マクロファージは、脂質負荷(lipid loading)下で、それらの遺伝子発現を大きく変化させることを示すことができた。アミノペプチダーゼNの発現の増加が、これに関して特に顕著である。
【0005】
アミノペプチダーゼNは、CD13抗原と同一の膜貫通表面酵素(EC3.4.11.12)である。アミノペプチダーゼNは、アミノ酸のN末端除去を触媒し、中性アミノ酸残基を好む。従って、シナプス膜中で、アミノペプチダーゼNは、エンドルフィンやエンケファリンなどの神経ペプチドホルモン類を不活性化する。さらなる基質には、キニン類、走化性ペプチド類(MCP−1)および細胞外マトリクスの構成成分が含まれる。多くの刊行物が、アミノペプチダーゼNが血管新生および腫瘍の拡散に関与することを示している。膜プロテアーゼは、タンパク質の切断のみならず、シグナル伝達過程を介してもそれらの生物学的効果を発揮することができる。アミノペプチダーゼNが単球のシグナル伝達に関連することを立証することが可能であった(Santos et al., Cellular Immunology 2000, 201, 22-32)。
【0006】
泡沫細胞形成に似た条件下でのアミノペプチダーゼNの強発現、およびリンパ球および単球の炎症過程におけるアミノペプチダーゼNの関与は、アミノペプチダーゼNの阻害が、血管壁の保護効果を導き、プラークの発生とプラークの安定性に有利な影響を有するであろうことを示す。
【0007】
従って、本発明は、式
【化1】

式中、
Yは、1個またはそれ以上の二重または三重結合を含有することもあるC−C−アルキレン鎖であり、ここで、1個またはそれ以上の炭素原子は、オキソ置換されていることもあり、1個またはそれ以上の炭素原子は、相互に独立して、窒素、酸素または硫黄原子により置き換えられていることもあり、Y中のヘテロ原子とRの間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、Y中の2個のヘテロ原子の間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、
は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、ここで、アルコキシカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、0個、1個または2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環およびトリメチルシリルからなる群から相互に独立して選択され、
nは、0、1、2または3の数であり、ここで、nが2または3である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよく、
は、アルキルであり、ここで、アルキルは、0個、1個または2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環および複素環カルボニルからなる群から相互に独立して選択され、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環は、0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
は、ヒドロキシルまたはアミノであり、
は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
mは、0、1または2の数であり、ここで、mが2である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよい、
の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0008】
本発明による化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、並びに式(I)に包含され、例示的実施態様(群)として今後記述される化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物であり、式(I)に包含され、今後記述される化合物は、まだ塩、溶媒和物および塩の溶媒和物ではない。
【0009】
本発明による化合物は、それらの構造に依存して、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在する。従って、本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマー並びにそれらの各々の混合物に関する。立体異性的に純粋な成分は、そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から既知のやり方で単離できる。
本発明はまた、化合物の構造に依存して、化合物の互変体にも関する。
【0010】
本発明のために好ましいは、本発明による化合物の生理的に許容し得る塩である。
化合物(I)の生理的に許容し得る塩には、無機酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が包含される。
【0011】
化合物(I)の生理的に許容し得る塩には、また、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個のC原子を有する有機アミン類(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジヒドロアビエチルアミン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびメチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩などの、慣用の塩基の塩も包含される。
【0012】
溶媒和物は、本発明のために、固体または液体状態で溶媒分子との配位を介して錯体を形成する化合物の形態を表す。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形態である。
【0013】
本発明のために、置換基は、断りのない限り以下の意味を有する:
アルキル自体、並びにアルコキシ、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニルおよびアルコキシカルボニル中の「アルコ」および「アルキル」は、1個ないし8個の炭素原子、通常1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個、特に好ましくは1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、例えば、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを表す。
【0014】
アルキレンは、1個またはそれ以上の二重または三重結合を含有してもよく、1個またはそれ以上の炭素原子がオキソ置換されていてもよく、1個またはそれ以上の炭素原子が窒素、酸素または硫黄原子により相互に独立して置き換えられていてもよい、直鎖または分枝アルキレン基を表す。言及し得る好ましい例は、メチレン、エチレン、プロピレン、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−2,4−ジイル、ペンタン−2,4−ジイル、2−メチル−ペンタン−2,4−ジイル、−O−CH−、−S−CH−、−CH−O−、−CH−S−、−CH−O−CH−、−O−CH−CH−、1−オキサプロパン−1,2−ジイル、3−オキサブタン−2,4−ジイル、3−チアブタン−2,4−ジイル、−O−CHC(=O)−および−O−CH−CHC(=O)−である。
【0015】
アルコキシは、例えば、そして好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシを表す。
【0016】
アルキルアミノは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノ基、例えば、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−t−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノを表す。
【0017】
アルキルアミノカルボニルは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノカルボニル基、例えば、そして好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、tert−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘキシルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−t−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニルを表す。
【0018】
アルコキシカルボニルは、例えば、そして好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニルを表す。
【0019】
シクロアルキルは、通常3個ないし8個、好ましくは5個ないし7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を表し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが、シクロアルキルの例として、そして好ましく言及される。
【0020】
アリールは、通常6個ないし14個の炭素原子を有する単環式ないし三環式の芳香族基を表す;フェニル、ナフチルおよびフェナントレニルが、アリールについて、例として、そして好ましく言及される。
【0021】
ヘテロアリールは、通常5個ないし10個、好ましくは5個ないし6個の環原子を有し、S、OおよびNの系列から5個まで、好ましくは4個までのヘテロ原子を有する芳香族性、単環式または二環式の基、例えば、そして好ましくは、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニルを表す。
【0022】
複素環は、通常4個ないし10個、好ましくは5個ないし8個の環原子を有し、N、O、S、SO、SOの系列から3個まで、好ましくは2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ基を有する、単環式または多環式、好ましくは単環式または二環式のヘテロ環式基を表す。複素環基は、飽和であっても部分不飽和であってもよい。例えば、そして好ましくはテトラヒドロフラン−2−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、ペルヒドロアゼピニルなどの、O、NおよびSの系列から2個までのヘテロ原子を有する5員ないし8員の単環式飽和複素環基が好ましい。
【0023】
複素環カルボニルは、カルボニル基を介して連結している複素環基、例えば、そして好ましくは、テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル、ピロリジン−2−イルカルボニル、ピロリジン−3−イルカルボニル、ピロリニルカルボニル、ピペリジニル−カルボニル、モルホリニルカルボニル、ペルヒドロアゼピニルカルボニルを表す。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくはフッ素および塩素を表す。
【0024】
本発明による化合物中の基が置換されている場合、その基は、断りのない限り、1個またはそれ以上の同一かまたは異なる置換基を有する。3個までの同一かまたは異なる置換基による置換が好ましい。1個の置換基による置換が、ことさら特に好ましい。
【0025】
さらなる実施態様では、本発明は、式中、
Yが、1個またはそれ以上の二重または三重結合を含有することもあるC−C−アルキレン鎖であり、ここで、1個またはそれ以上の炭素原子は、オキソ置換されていることもあり、1個またはそれ以上の炭素原子は、相互に独立して、窒素、酸素または硫黄原子により置き換えられていることもあり、Y中のヘテロ原子とRの間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、Y中の2個のヘテロ原子の間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、
が、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
nが、0、1、2または3の数であり、ここで、nが2または3である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよく、
が、アルキルであり、ここで、アルキルは、0個、1個または2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環からなる群から相互に独立して選択され、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環は、0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
が、ヒドロキシルまたはアミノであり、
が、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
mが、0、1または2の数であり、ここで、mが2である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよい、
式(I)の化合物に関する。
【0026】
さらなる実施態様では、本発明は、式中、
Yが、−O−CHC(=O)−または−O−(CHC(=O)−であり、ここで、Yは、酸素を介してジベンゾキシアゼピン環に連結しており、
が、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、ここで、アルコキシカルボニルは、0個または1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、アルコキシ、アリール、シクロアルキルおよびトリメチルシリルからなる群から選択され、
nが、1または2の数であり、ここで、nが2である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよく、
が、アルキルであり、ここで、アルキルは、0個または1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
が、ヒドロキシルであり、そして、
mが、0の数である、
式(I)の化合物に関する。
【0027】
さらなる実施態様では、本発明は、式中、
Yが、−O−CHC(=O)−であり、ここで、Yは、酸素を介してジベンゾキシアゼピン環に連結しており、
が、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
nが、0、1または2の数であり、ここで、nが2である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよく、
が、アルキルであり、ここで、アルキルは、0個または1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
が、ヒドロキシルであり、そして、
mが、0の数である、
式(I)の化合物に関する。
【0028】
さらなる実施態様では、本発明は、式中、
Yが、−O−CHC(=O)−であり、ここで、Yは、酸素を介して、ジベンゾキシアゼピン環のアミド官能基に対してオルト位で連結しており、
が、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルであり、ここで、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルは、0個または1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、フェニル、シクロペンチルおよびトリメチルシリルからなる群から選択され、
nが、1の数であり、
が、アルキルであり、ここで、アルキルは、1個の置換基により置換されており、ここで、置換基は、ヒドロキシル、tert−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシカルボニルおよび2,2−ジメチルプロプ−1−イルオキシカルボニルからなる群から選択され、
が、ヒドロキシルであり、そして、
mが、0の数である、
式(I)の化合物に関する。
【0029】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、式中、
Yが、−O−CHC(=O)−であり、ここで、Yは、酸素を介してジベンゾキシアゼピン環に連結しており、
がヒドロキシルであり、
そして、R、R、R、mおよびnが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0030】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、式中、
Yが、−O−CHC(=O)−であり、ここで、Yは、酸素を介して、ジベンゾキシアゼピン環のアミド官能基に対してオルト位で連結しており、
が、ヒドロキシルであり、
そして、R、R、R、mおよびnが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0031】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
がアルコキシカルボニルであり、
そして、RないしR、Y、mおよびnが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0032】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
が、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシルまたはメトキシカルボニルであり、
そして、RないしR、Y、mおよびnが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0033】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
が、トリフルオロメチルまたはシアノであり、
そして、RないしR、Y、mおよびnが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0034】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
nが、1の数であり、
そして、RないしR、Yおよびmが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0035】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
が、アルキルであり、ここで、アルキルは、1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルからなる群から選択され、
そして、R、R、R、Y、mおよびnが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0036】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
が、tert−ブチルオキシカルボニルメチルであり、
そして、R、R、R、Y、mおよびnが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0037】
本発明のために好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
mが、0の数であり、即ち、R置換基が存在せず、
そして、RないしR、Yおよびnが、上記で定義した通りである、
ものである。
【0038】
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造方法に関し、その方法は、以下を特徴とする;
[A]式
【化2】

式中、R、R、R、Y、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、式
【化3】

式中、Rは、上記の意味を有し、そして、
は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素である、
の化合物と反応させる、
または、
[B]式
【化4】

式中、R、R、R、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、式
【化5】

式中、Rは、上記の意味を有し、
は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素であり、そして、
Aは、重原子により短縮されており、1個またはそれ以上の二重または三重結合を含有することもあるYのC−C−アルキレン鎖であり、ここで、1個またはそれ以上の炭素原子は、オキソ置換されていることもあり、1個またはそれ以上の炭素原子は、相互に独立して、窒素、酸素または硫黄原子により置き換えられていることもあり、A中のヘテロ原子とRの間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、A中の2個のヘテロ原子の間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要である、
の化合物と反応させ、式
【化6】

式中、RないしR、A、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を得る。
【0039】
式(Ia)の化合物は、式中、Yが−O−A−に等しい式(I)の化合物である。
【0040】
方法[A]および方法[B]による反応は、一般的に、不活性溶媒中、塩基の存在下、適するならば、ヨウ化カリウムの存在下、好ましくは室温ないし50℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0041】
塩基の例は、水酸化ナトリウム、リチウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属水酸化物、または炭酸セシウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、適するならば水性溶液中のものであり、炭酸カリウムが好ましい。
【0042】
不活性溶媒の例は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類、またはジメチルホルムアミド、または溶媒類の混合物であり、ジメチルホルムアミドまたはジオキサンが好ましい。
【0043】
式(I)の化合物中の基R、RおよびRは、適するならば保護基を含み、これは、この反応の後、脱保護反応により除去される。このことは、保護基化学の標準的な方法により行う。
【0044】
式(III)および(V)の化合物は、知られているか、または、適切な前駆物質から、知られている方法により合成できる。
【0045】
式(II)の化合物は、知られているか、または、式
【化7】

式中、R、R、R、Y、mおよびnは、上記の意味を有し、そして、
は、アルキル、好ましくはメチルまたはエチルである、
の化合物を、酸性有機触媒により反応させて製造できる。
【0046】
この反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは50℃ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0047】
酸性有機触媒の例は、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸またはカンファースルホン酸であり、p−トルエンスルホン酸が好ましい。
【0048】
不活性溶媒の例は、ジオキサン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、キシレン、トルエンもしくは石油留分などの炭化水素類であり、キシレンまたはトルエンが好ましい。
【0049】
式(VI)の化合物は、知られているか、または、式
【化8】

式中、R、R、R、R、Y、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、還元剤と反応させることにより製造できる。
【0050】
この反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧から3バールまでで行う。
【0051】
還元剤の例は、水素雰囲気中のパラジウム/炭素、蟻酸アンモニウムの存在下のパラジウム/炭素、濃酢酸中の鉄、鉄/塩化鉄(III)、塩化スズ(II)または塩酸中のスズであり、塩化スズ(II)が好ましい。
【0052】
不活性溶媒の例は、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類、またはアルコール類と水との混合物、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分などの炭化水素類、またはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルもしくはピリジンなどの他の溶媒である。
【0053】
パラジウム/炭素の場合、エタノール、メタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランまたは酢酸エチルとエタノールとの混合物が、鉄/塩化鉄(III)の場合、水とエタノールとの混合物が、塩化スズ(II)の場合、ジメチルホルムアミド、ジオキサンまたはメタノールが好ましい。
【0054】
式(VII)の化合物は、知られているか、または、適切な前駆物質から、知られている方法により合成できる。
【0055】
式(IV)の化合物は、知られているか、または、式
【化9】

式中、R、R、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、式
【化10】

式中、Rは、上記の意味を有し、そして、
は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素である、
の化合物と、式(IX)の化合物1当量で反応させることにより製造できる。
【0056】
この反応は、方法[A]および[B]について記載した反応条件下で行う。
式(IX)の化合物は、知られているか、または、適切な前駆物質から、知られている方法により合成できる。
【0057】
式(VIII)の化合物は、知られているか、または、式
【化11】

式中、R、R、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、弱酸と反応させることにより製造できる。
この反応は、式(II)の化合物について記載した反応条件下で行う。
【0058】
式(X)の化合物は、知られているか、または、式
【化12】

式中、R、R、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、還元剤と反応させることにより製造できる。
【0059】
この反応は、式(VI)の化合物について記載した反応条件下で行う。
式(XI)の化合物は、知られているか、または、適切な前駆物質から、知られている方法により合成できる。
【0060】
別法では、式(IV)の化合物は、式
【化13】

式中、R、R、R、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、還元剤と反応させることにより製造でき、パラジウム/炭素と、水素雰囲気中、エタノール、メタノール、イソプロパノールまたはテトラヒドロフラン中、室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧から3バールまででの反応が好ましい。
【0061】
式(XII)の化合物は、知られているか、または、式
【化14】

式中、R、R、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、式(III)の化合物と、方法[A]について記載した反応条件下で、反応させることにより製造できる。
【0062】
式(XIII)の化合物は、知られているか、または、式
【化15】

式中、R、R、mおよびnは、上記の意味を有し、そして、
は、アルキル、好ましくはメチルまたはエチルである、
の化合物を、式(II)の化合物について記載した反応条件下で、反応させることにより製造できる。
【0063】
式(XIV)の化合物は、知られているか、または、式
【化16】

式中、R、R、R、mおよびnは、上記の意味を有する、
の化合物を、式(VI)の化合物について記載した反応条件下で、反応させることにより製造できる。
【0064】
式(XV)の化合物は、知られているか、または、適切な前駆物質から、知られている方法により合成できる。
【0065】
がtert−ブトキシカルボニルメチルである場合、この反応は、以下の別法により行うことができる:
1)式(VIII)の化合物と、tert−ブチルブロモアセテート2当量との、方法[A]について記載した反応条件下での反応(実施例55Aと比較)。
2)トリクロロメタン中のクロロトリメチルシランおよびヨウ化ナトリウムとの反応による、−Y−Rのtert−ブチル基の選択的除去(実施例12と比較)。
【0066】
本発明による化合物の製造は、以下の合成スキームにより例示説明できる:
スキーム1:
【化17】

【0067】
スキーム2:
【化18】

【0068】
本発明はさらに、障害、特に心血管障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、を制御するための式(I)の化合物、並びに、式(I)の化合物および賦形剤を含む医薬、並びにまた、心血管障害、特にアテローム性動脈硬化症の処置用医薬の製造のための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0069】
それらは、心血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、卒中後の再灌流組織損傷、心筋梗塞または末梢血管閉塞など)、または炎症性障害および自己免疫疾患(例えば、関節炎、リウマチ性関節炎、骨粗鬆症、クローン病、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)などの慢性炎症性肺疾患、移植片拒絶、肝線維症などの器官の慢性炎症性線維性変化、または全身性自己免疫疾患全身性エリテマトーデスもしくは他の形態のエリテマトーデス、または乾癬などの皮膚炎症性疾患など)、または癌(例えば、肺ガンおよび前立腺癌など)、または慢性疼痛の予防および処置に用いることができる。
【0070】
有効成分は、全身的および/または局所的に作用し得る。この目的のために、それを適するやり方で、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、経皮で、結膜に、または耳経路で、またはインプラントとして、投与できる。
有効成分は、これらの投与経路に適する投与形で投与できる。
【0071】
経口投与に適するのは、有効成分を迅速におよび/または修飾されたやり方で送達する既知の投与形、例えば、錠剤(非被覆および被覆錠剤、例えば、腸溶性被覆を有する錠剤、またはフィルム被覆錠剤)、カプセル剤、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、粉末剤、乳剤、懸濁剤および液剤である。
【0072】
非経腸投与は、吸収段階を避けて(静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)、または、吸収を含めて(筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)、行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤および滅菌粉末剤形態の注射および点滴用製剤である。
経口投与が好ましい。
【0073】
他の投与経路に適するのは、例えば、吸入用医薬形態(粉末吸入器、ネブライザーを含む)、点鼻薬/溶、スプレー;舌、舌下または頬側投与用の錠剤またはカプセル剤、坐剤、耳および眼用製剤、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、震盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、ミルク、ペースト、散剤またはインプラントである。
【0074】
有効成分は、それ自体既知のやり方で、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に適する賦形剤を使用して行う。これらには、なかんずく、担体(例えば、微結晶性セルロース)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)、分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然バイオポリマー(例えば、アルブミン)、安定化剤(例えば、アスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色料(例えば、酸化鉄などの無機色素)または味および/または匂いの遮蔽剤(masking)が含まれる。
【0075】
一般的に、非経腸投与には、24時間毎に約5ないし250mg/kg体重の量を投与するのが、有効な結果を達成するのに有利であることが明らかになった。経口投与量は、24時間毎に約5ないし100mg/kg体重である。
【0076】
それでもやはり、特に、体重、投与経路、有効成分に対する個体の反応、製剤の様式および投与を行う時間または間隔に依存して、上述の量から逸脱することが必要であり得る。
【0077】
以下の試験および実施例におけるパーセントのデータは、断りのない限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で容積をベースとする。「w/v」の記述は、「重量/容積」を意味する。従って、例えば、「10%w/v」は、10gの物質を含有する100mlの溶液または懸濁液を意味する。
【0078】
A)実施例
略号:
【表1】

【0079】
HPLCおよびLC−MSの方法:
方法1(HPLC):カラム C18, 2.1x150 mm、温度50℃、溶離剤A:アセトニトリル、溶離剤B:水中の0.1%塩酸、勾配:0−3分A:B=10:90、流速0.9ml/分;3−6分A:B=90:10、流速1.2ml/分
【0080】
方法2(LC−MS):器具:HPLC Agilent series 1100 を有する Micromass Platform LCZ;カラム:Grom-SIL120 ODS-4 HE, 50 mm x 2.0 mm, 3 μm;溶離剤A:水1l+50%強度蟻酸1ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸1ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→4.5分10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm
【0081】
方法3(LC−MS):器具:HPLC Agilent series 1100 を有する Micromass Platform LCZ;カラム:Grom-SIL120 ODS-4 HE, 50 mm x 2.0 mm, 3 μm;溶離剤A:水1l+50%強度蟻酸1ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸1ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→4.5分10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm
【0082】
方法4(LC−MS):器具:HPLC Agilent series 1100 を有する Micromass Platform LCZ;カラム:Grom-SIL120 ODS-4 HE, 50 mm x 2.0 mm, 3 μm;溶離剤A:水1l+50%強度蟻酸1ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸1ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→4.5分10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm
【0083】
方法5(LC−MS):MS器具タイプ:Micromass ZQ;HPLC器具タイプ:Waters Alliance 2790;カラム:Grom-Sil 120 ODS-4 HE 50x2 mm, 3.0 μm;溶離剤A:水+50%強度蟻酸500μl/l;溶離剤B:アセトニトリル+50%強度蟻酸500μl/l;勾配:0.0分0%B→0.2分0%B→2.9分70%B→3.1分90%B→4.5分90%B;オーブン:45℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm
【0084】
方法6(LC−MS):MS器具タイプ:Micromass ZQ;HPLC器具タイプ:HP 1100 series; UV DAD;カラム:Grom-Sil 120 ODS-4 HE 50x2 mm, 3.0 μm;溶離剤A:水+50%強度蟻酸500μl/l、溶離剤B:アセトニトリル+50%強度蟻酸500μl/l;勾配:0.0分70%B→4.5分90%B;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm
【0085】
方法7(LC−MS):MS器具タイプ:Micromass ZQ;HPLC器具タイプ:HP 1100 series; UV DAD;カラム:Grom-Sil 120 ODS-4 HE 50x2 mm, 3.0 μm;溶離剤A:水+50%強度蟻酸500μl/l、溶離剤B:アセトニトリル+50%強度蟻酸500μl/l;勾配:0.0分0%B→2.9分70%B→3.1分90%B→4.5分90%B;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm
【0086】
方法8(HPLC):器具:DAD 検出を有する HP 1100;カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2 mm, 3.5 μm;溶離剤A:HClO5ml/水l、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、6.5分90%B;流速:0.75ml/分;温度:30℃;UV検出:210nm
【0087】
方法9(HPLC):器具: DAD 検出を有する HP 1100;カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2 mm, 3.5 μm;溶離剤A:HClO5ml/水l、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、9分90%B;流速:0.75ml/分;温度:30℃、UV検出:210nm
【0088】
方法10(LC−MS):MS器具タイプ:Micromass ZQ;HPLC器具タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP-18e 50x4.6 mm;溶離剤A:水+50%強度蟻酸500μl/l;溶離剤B:アセトニトリル+50%強度蟻酸500μl/l;勾配:0.0分10%B→3.0分95%B→4.0分95%B;オーブン:35℃;流速:0.0分1.0ml/分→3.0分3.0ml/分→4.0分3.0ml/分;UV検出:210nm
【0089】
方法11(分取HPLC):
カラム材質:YMC GEL ODS AQ S 5/15 μm;移動相:アセトニトリル/水勾配10:90→90:10
【0090】
出発化合物:
実施例1A
メチル4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]−3−ニトロベンゾエート
【化19】

ジメチルホルムアミド中のメチル4−クロロ−3−ニトロベンゾエート7.59g(35.2mmol)および5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン(A. Hadfield et al., Synth. Commun. 1994, 24, 1025 参照)6.84g(35.2mmol)の溶液を、炭酸カリウム5.35g(38.8mmol)と混合し、70℃で8時間撹拌する。混合物を、氷水400mlおよび酢酸エチル250mlに注ぐ。有機相を各150mlの水と飽和塩化ナトリウム溶液で抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、溶媒を減圧下で除去する。残渣をシリカゲルカラム(シクロヘキサン:酢酸エチル2:1)で精製し、生成物11.3g(理論値の86%)を得る。
MS(DCI):m/z=391(M+NH
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.67 (s, 9H), 3.88 (s, 3H), 7.04-7.1 (m, 3H), 7.81 (dd, 1H), 8.11 (dd, 1H), 8.54 (d, 1H).
【0091】
実施例2A
メチル3−アミノ−4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]ベンゾエート
【化20】

濃酢酸116ml中の実施例1A由来化合物10.9g(29.1mmol)および水6mlを、鉄11.4g(204mmol)と混合し、50℃で3時間撹拌する。混合物をアセトン580mlに注ぎ、固体を濾過する。濾液をシリカゲルカラム(ジクロロメタン:酢酸エチル100:5)で精製し、生成物9.93g(理論値の95%)を得る。
MS (DCI): m/z = 361 (M+NH4)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6):δ = 1.71 (s, 9H), 3.81 (s, 3H), 5.31 (s, 2H), 6.53 (d, 1H), 6.85 (dd, 2H), 7.16 (dd, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.56 (dd, 1H).
【0092】
実施例3A
メチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化21】

キシレン140ml中の実施例2A由来化合物9.87g(28.8mmol)を、パラ−トルエンスルホン酸0.55mg(2.9mmol)と混合し、還流下で終夜撹拌する。析出してきた結晶をメタノールで洗浄し、生成物6.96g(理論値の84%)を得る。
MS(ESI):m/z=286(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 3.85 (s, 3H), 6.80-6.90 (m, 2H), 7.45-7.54 (m, 2H), 7.77 (dd, 1H), 7.84 (d, 1H).
【0093】
実施例4A
メチル10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]−[1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化22】

ジメチルホルムアミド3ml中の実施例3A由来化合物300mg(1.05mmol)を、tert−ブチルブロモアセテート205mg(1.05mmol)および炭酸カリウム145mg(1.05mmol)と混合し、室温で終夜撹拌する。混合物を水20mlおよび酢酸エチル20mlに注ぐ。有機相を各20mlの水および飽和塩化ナトリウム溶液で抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、残渣を得、それをシリカゲルカラム(ジクロロメタン)で精製し、生成物213mg(理論値の51%)を得る。
MS(ESI):m/z=422(M+Na)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.44 (s, 9H), 3.85 (s, 3H), 4.70 (s, 2H), 6.82 (d, 1H), 6.90 (d, 1H), 7.43 (dd, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.91 (s, 1H), 10.44 (s, 1H).
【0094】
実施例5A
メチル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化23】

ジメチルホルムアミド3ml中の実施例4A由来化合物95mg(0.24mmol)を、tert−ブチルブロモアセテート46mg(0.24mmol)および炭酸カリウム49mg(0.35mmol)と混合し、室温で終夜撹拌する。混合物を水20mlおよび酢酸エチル20mlに注ぐ。有機相を各20mlの水および飽和塩化ナトリウム溶液で抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、生成物0.12g(理論値の99%)を得る。
MS(DCI):m/z=531(M+NH
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.34 (s, 9H), 1.39 (s, 9H), 3.84 (s, 3H), 4.64-4.72 (m, 4H), 6.82 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 7.40-7.54 (m, 2H), 7.81 (dd, 1H), 7.96 (d, 1H).
【0095】
実施例6A
メチル(R,S)−10−(2−tert−ブトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)−1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化24】

実施例4Aと同様に、実施例3A由来化合物400mg(1.4mmol)およびtert−ブチル(R,S)−ブロモプロピオネート293mg(1.4mmol)から製造を行う。精製は、シリカゲルカラム(酢酸エチル:シクロヘキサン5:1)で行い、生成物37mg(理論値の7%)を得る。
LC−MS(方法2):R=4.2分、
MS(ESI):m/z=436(M+Na)
【0096】
実施例7A
メチル(R,S)−1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]−10−(2−tert−ブトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化25】

実施例6A由来化合物37mg(0.089mmol)を、DMF1mlに溶解し、炭酸カリウム18.5mg(0.13mmol)およびベンジルブロモアセテート20.5mg(0.089mmol)と混合する。混合物をRTで4時間撹拌し、水5mlの添加後、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。生成物18mg(理論値の36%)を得、それ以上精製せずに反応させる。
【0097】
実施例8A
メチル1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化26】

実施例7Aと同様に、実施例4A由来化合物2g(5.0mmol)およびベンジルブロモアセテート1.15g(5.0mmol)から製造を行う。シリカゲルカラムのクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール1:0から3:1)により精製し、生成物2.47g(理論値の90%)を得る。
LC−MS(方法3):R=4.22分
MS(ESI):m/z=548(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.38 (s, 9H), 3.81 (s, 3H), 4.68 (d, 2H), 4.90 (d, 2H), 5.15 (s, 2H), 6.88 (d, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.30 (s, 5H), 7.45 (dd, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.95 (s, 1H).
【0098】
実施例9A
[1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−10(11H)−イル]酢酸
【化27】

ジクロロメタン4ml中の実施例8A由来化合物500mg(0.91mmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸0.35ml(4.6mmol)と混合する。混合物をRTで16時間撹拌し、さらに0.35ml(4.6mmol)のトリフルオロ酢酸を添加する。混合物をRTでさらに5時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、希塩酸で数回洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、揮発性成分を真空で濃縮して除く(condensed out)。残渣を分取HPLC(方法11)により精製する。所望の生成物240mg(理論値の53%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.49分
MS(ESI):m/z=492(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 3.83 (s, 3H), 4.62 (d, 1H), 4.76 (d, 1H), 4.91 (s, 2H), 5.15 (s, 2H), 6.87 (d, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.30 (s, 5H), 7.46 (dd, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.97 (s, 1H).
【0099】
実施例10A
メチル1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]−10−{2−[tert−ブチル(メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化28】

DMF2ml中の実施例9A由来化合物50mg(0.1mmol)、N−メチル−N−tert−ブチルアミン10.6mg(0.12mmol)およびHATU77mg(0.2mmol)の溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.04ml(0.2mmol)と混合する。混合物をRTで16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、0.1M塩酸および飽和水性重炭酸ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、揮発性成分を真空で除去する。生成物を得、それ以上精製せずに反応させる。
LC−MS(方法3):R=3.88分
MS(ESI):m/z=461(M+H)
【0100】
実施例11A
メチル1−(2−ベンジルオキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−(2,2−ジメチルプロポキシ)−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化29】

ジクロロメタン6ml中の実施例9A由来化合物50mg(0.1mmol)、DMAP6.2mgおよびEDCI29mg(0.15mmol)の溶液を、ネオペンチルアルコール10.7mg(0.12mmol)と混合する。混合物をRTで16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、0.1M塩酸および飽和水性重炭酸ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、揮発性成分を真空で除去する。生成物55mg(理論値の98%)を得る。
LC−MS(方法3):R=4.06分
MS(ESI):m/z=562(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.38 (s, 9H), 3.52 (s, 2H), 3.83 (s, 3H), 4.70 (d, 2H), 4.90 (s, 2H), 5.16 (s, 2H), 6.86 (d, 1H), 7.02 (d, 1H), 7.31 (s, 5H), 7.42 (dd, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 8.00 (s, 1H).
【0101】
実施例12A
メチル10−(4,4−ジメチル−2−オキソペンチル)−1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]−[1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化30】

実施例4Aと同様に、実施例3A由来化合物500mg(1.75mmol)および1−ブロモ−4,4−ジメチル−2−ペンタノン338mg(1.75mmol)から製造を行う。精製は、シリカゲルカラム(酢酸エチル:シクロヘキサン5:1)で行い、生成物290mg(理論値の41%)を得る。
LC−MS(方法3):R=4.60分
MS(ESI):m/z=398(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.03 (s, 9H), 1.40 (s, 2H), 3.83 (s, 3H), 4.91 (s, 2H), 6.82 (d, 1H), 6.90 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.83 (d, 1H).
【0102】
実施例13A
メチル1−(2−ベンジルオキシ−2−オキソエトキシ)−10−(4,4−ジメチル−2−オキソペンチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化31】

実施例7Aと同様に、実施例12A由来化合物230mg(0.58mmol)およびベンジルブロモアセテート133mg(0.58mmol)から製造を行う。シリカゲルカラムのクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール1:0から3:1)で精製し、生成物302mg(理論値の91%)を得る。
LC−MS(方法3):R=4.04分
MS(ESI):m/z=546(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.02 (s, 9H), 2.37 (d, 1H), 2.52 (d, 1H), 3.81 (s, 3H), 4.76 (d, 1H), 4.89 (s, 2H), 4.99 (d, 1H), 5.16 (s, 2H), 6.87 (d, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.30 (s, 5H), 7.45 (dd, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.79 (d, 1H).
【0103】
実施例14A
メチル2−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシベンゾエート
【化32】

臭化ベンジル4.8ml(40.4mmol)および炭酸カリウム7.97g(57.7mmol)を、連続的にアセトン100ml中のメチル2,6−ジヒドロキシベンゾエート10g(57.7mmol)の溶液に添加する。混合物をRTで終夜撹拌し、酢酸エチル500mlの添加後、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、揮発性成分を真空で除去する。残渣をアセトン50mlに溶かし、再度臭化ベンジル2.4mlおよび炭酸カリウム4gと混合する。終夜の撹拌を繰り返し、混合物を上記の通りに後処理する。生じる混合物をシリカゲルカラム上で分離する(酢酸エチル:シクロヘキサン1:5)。所望の生成物3.93g(理論値の26%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.47分
MS(ESI):m/z=259(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 3.75 (s, 3H), 5.12 (s, 2H), 6.50 (d, 1H), 6.58 (d, 1H), 7.17 (dd, 1H), 7.35 (m, 5H), 9.98 (s, 1H).
【0104】
実施例15A
メチル2−ヒドロキシ−6−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンゾエート
【化33】

実施例14Aと同様に、アセトン120ml中のメチル2,6−ジヒドロキシベンゾエート15g(89.2mmol)、メチルブロモアセテート12.3g(80.3mmol)、炭酸カリウム12.3g(89.2mmol)から製造を行う。生じる混合物をシリカゲルカラム上で分離する(酢酸エチル:シクロヘキサン1:5)。所望の生成物3.38g(理論値の16%)を得る。
LC−MS(方法4):R=3.73分
MS(ESI):m/z=241(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 3.68 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 4.75 (s, 2H), 6.38 (d, 1H), 6.52 (d, 1H), 7.15 (dd, 1H), 10.00 (s, 1H).
【0105】
実施例16A
メチル2−(ベンジルオキシ)−6−ヒドロキシ−4−メチルベンゾエート
【化34】

実施例14Aと同様に、メチル2,6−ジヒドロキシ−4−メチルベンゾエート11g(58.6mmol)および臭化ベンジル9.02g(52.7mmol)から製造を行う。生じる混合物を、シリカゲルカラム上で分離する(酢酸エチル:シクロヘキサン1:5)。所望の生成物4.4g(理論値の28%)を得る。
LC−MS(方法5):R=3.72分
MS(ESI):m/z=273(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 2.22 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 5.09 (s, 2H), 6.33 (s, 1H), 6.44 (s, 1H), 7.31 (m, 1H), 7.39 (m, 4H), 9.98 (s, 1H).
【0106】
実施例17A
メチル4−[3−(ベンジルオキシ)−2−(メトキシカルボニル)フェノキシ]−3−ニトロベンゾエート
【化35】

メチル4−クロロ−3−ニトロベンゾエート2.96g(13.7mmol)および炭酸カリウム1.90g(13.7mmol)を、連続的にDMF30ml中の実施例14A由来化合物3.22g(12.5mmol)の溶液に添加する。混合物を70℃の油浴温度で5時間撹拌する。RTに冷却し、続いて酢酸エチル200mlで希釈する。水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、揮発性成分を真空で除去する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(酢酸エチル:シクロヘキサン1:5)。所望の生成物4.3g(理論値の79%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.67分
MS(ESI):m/z=438(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 3.68 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 5.23 (s, 2H), 6.89 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.40 (m, 5H), 7.54 (dd, 1H), 8.19 (d, 1H), 8.51 (d, 1H).
【0107】
実施例18A
メチル2−(4−シアノ−2−ニトロフェノキシ)−6−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンゾエート
【化36】

実施例17Aと同様に、DMF15ml中の実施例15A由来化合物1.52g(6.33mmol)、4−クロロ−2−ニトロベンゾニトリル1.27g(6.96mmol)および炭酸カリウム960mg(6.96mmol)から製造を行う。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(酢酸エチル:シクロヘキサン1:5)。所望の生成物2.21g(理論値の90%)を得る。
LC−MS(方法2):R=3.40分
MS(ESI):m/z=409(M+Na)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 3.68 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 4.95 (s, 2H), 6.93 (d, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.11 (d, 1H), 7.52 (dd, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.68 (s, 1H).
【0108】
実施例19A
メチル2−(ベンジルオキシ)−6−[4−(メトキシカルボニル)−2−ニトロフェノキシ]−4−メチルベンゾエート
【化37】

実施例17Aと同様に、実施例16A由来化合物2.20g(8.1mmol)およびメチル4−クロロ−3−ニトロベンゾエート1.92g(8.9mmol)から製造を行う。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(酢酸エチル:シクロヘキサン1:5)。所望の生成物1.0g(理論値の27%)を得る。
LC−MS(方法4):R=3.33分
MS(ESI):m/z=452(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 2.33 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 5.23 (s, 2H), 6.75 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.11 (d, 1H), 7.37 7.48 (m, 5H), 7.54 (dd, 1H), 8.19 (d, 1H), 8.51 (d, 1H).
【0109】
実施例20A
4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]−3−ニトロベンゾニトリル
【化38】

4−クロロ−3−ニトロベンゾニトリル3.0g(16.43mmol)および5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン3.2g(16.43mmol)を、DMF25mlに溶解し、炭酸カリウム2.498g(18.08mmol)の添加後、70℃で終夜撹拌する。混合物を水250mlに注ぎ、酢酸エチルで3回洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。生成物4.89g(理論値の78%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法4):R=3.60分
MS(ESIpos):m/z=341(M+H)
【0110】
実施例21A
2−(トリメチルシリル)エチル4−クロロ−3−ニトロベンゾエート
【化39】

4−クロロ−3−ニトロベンゾイルクロリド3.00g(13.64mmol)を、ピリジン8mlに溶解し、氷中で冷却しながら、トリメチルシリルエタノール1.93g(16.36mmol)を添加し、次いで混合物を室温で3時間撹拌する。反応混合物をトルエンで希釈し、1N塩酸および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮する。生成物3.99g(理論値の87%)を得、それ以上精製しない。
MS(EI):m/z=319(M+NH
【0111】
実施例22A
2−(トリメチルシリル)エチル4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]−3−ニトロベンゾエート
【化40】

2−(トリメチルシリル)エチル4−クロロ−3−ニトロベンゾエート3.9g(12.92mmol)および5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン2.51g(12.92mmol)をDMF25mlに溶解し、炭酸カリウム1.96g(14.21mmol)の添加後、70℃で終夜撹拌する。混合物を水250mlに注ぎ、酢酸エチルで3回抽出することにより後処理する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。生成物5.91g(理論値の84%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法6):R=1.30分
MS(ESIpos):m/z=460(M+H)
【0112】
実施例23A
2,2−ジメチル−5−[2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン
【化41】

1−ブロモ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン3.7g(13.7mmol)および5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン2.66g(13.70mmol)を、DMF25mlに溶解し、炭酸カリウム2.08g(15.07mmol)の添加後、70℃で終夜撹拌する。混合物を水250mlに注ぎ、酢酸エチルで3回抽出することにより後処理する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。生成物5.16g(理論値の95%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.95分
MS(ESIpos):m/z=384(M+H)
【0113】
実施例24A
メチル2−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)−6−[2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゾエート
【化42】

メチル2−ヒドロキシ−6−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンゾエート2000mg(8.33mmol)および1−クロロ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン2066mg(9.16mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解し、炭酸カリウム1266mg(9.16mmol)の添加後、70℃で4時間撹拌する。冷却後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出する。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。揮発性成分を真空で除去する。粗生成物をシリカゲルで精製する(移動相:塩化メチレン/酢酸エチル20:1)。生成物2965mg(理論値の82%)を得る。
LC−MS(方法4):R=2.94分
MS(ESIpos):m/z=430(M+H)
【0114】
実施例25A
5−(4−フルオロ−2−ニトロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン
【化43】

5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン2.0g(10.3mmol)を、無水DMF20mlにアルゴン下で溶解し、2,5−ジフルオロニトロベンゼン1.64g(10.3mmol)および無水炭酸カリウム1.42g(10.3mmol)を添加する。次いで混合物を70℃で終夜撹拌する。後処理に、DMFを真空で除去し、残渣を酢酸エチルに溶かし、水で2回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥させる。精製は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:シクロヘキサン/ジクロロメタン3:1)により行う。これにより、生成物2g(理論値の52%)を得る。
HPLC(方法8):R=4.74分
MS(DCI):m/z=334(M+H)
【0115】
実施例26A
5−(4−クロロ−2−ニトロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン
【化44】

5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン2.0g(10.3mmol)を、無水DMF34mlにアルゴン下で溶解し、5−クロロ−2−フルオロニトロベンゼン1.81g(10.3mmol)および無水炭酸カリウム1.42g(10.3mmol)を添加する。次いで、混合物を70℃で終夜撹拌する。後処理に、それを酢酸エチルで希釈し、水および飽和塩化ナトリウム溶液で数回洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥させ、続いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:シクロヘキサン/酢酸エチル10:1から2:1)で精製する。生成物2.79g(理論値の76%)を得る。
HPLC(方法8):R=4.81分
MS(DCI):m/z=350(M+H)
【0116】
実施例27A
5−(4−ブロモ−2−ニトロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン
【化45】

5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン2.0g(10.3mmol)を、無水DMF20mlにアルゴン下で溶解し、5−ブロモ−2−フルオロニトロベンゼン2.27g(10.3mmol)および無水炭酸カリウム1.42g(10.3mmol)を添加する。次いで、混合物を70℃で終夜撹拌する。後処理に、DMFを真空で除去し、残渣を酢酸エチルに溶かし、水で3回洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥させ、続いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)で精製する。生成物3.0g(理論値の75%)を得る。
HPLC(方法8):R=4.86分
MS(DCI):m/z=411(M+NH
【0117】
実施例28A
メチル3−アミノ−4−[3−(ベンジルオキシ)−2−(メトキシカルボニル)フェノキシ]ベンゾエート
【化46】

メタノール120ml中の実施例17A由来化合物4.30g(9.8mmol)の溶液を、塩化スズ(II)二水和物11.1g(49.2mmol)と混合する。混合物を70℃で4時間撹拌し、真空で濃縮する。残渣を各々200mlの水および酢酸エチルと撹拌し、重炭酸ナトリウムの添加により水相をpH8に合わせる。生じる懸濁液を、セライトを通して濾過する。次いで、相を分離することが可能であり、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(酢酸エチル:シクロヘキサン1:3)。所望の生成物2.2g(理論値の55%)を得る。
LC−MS(方法4):R=3.02分
MS(ESI):m/z=408(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 3.76 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 5.20 (s, 2H), 5.25 (s, 2H), 6.48 (d, 1H), 6.81 (d, 1H), 6.98 (d, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.38 (m, 7H).
【0118】
実施例29A
メチル2−(2−アミノ−4−シアノフェノキシ)−6−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンゾエート
【化47】

実施例28Aと同様に、メタノール50ml中の実施例18A由来化合物1.20g(3.11mmol)および塩化スズ(II)二水和物3.50g(15.5mmol)から製造を行う。所望の生成物1.02g(理論値の92%)を得る。
LC−MS(方法2):R=3.30分
MS(ESI):m/z=457(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 3.70 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 4.89 (s, 2H), 5.43 (s, br, 2H), 6.55 (d, 1H), 6.80 (d, 1H), 6.83 (dd, 1H), 6.94 (dd, 1H), 7.10 (s, 1H), 7.37 (dd, 1H).
【0119】
実施例30A
メチル2−[2−アミノ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ]−6−(ベンジルオキシ)−4−メチルベンゾエート
【化48】

実施例28Aと同様に、実施例19A由来化合物1.00g(2.22mmol)から製造を行う。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(酢酸エチル:シクロヘキサン1:3)。所望の生成物700mg(理論値の75%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.61分
MS(ESI):m/z=422(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 2.24 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 5.19 (s, 2H), 5.25 (s, 2H), 6.30 (s, 1H), 6.80 (d, 1H), 6.84 (s, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.38 (m, 6H).
【0120】
実施例31A
3−アミノ−4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]ベンゾニトリル
【化49】

4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]−3−ニトロベンゾニトリル4.87g(14.31mmol)を、酢酸60mlおよび水3mlの混合物に溶解し、鉄粉末5.595g(100.18mmol)を添加する。懸濁液をRTで1時間、50℃で3時間撹拌する。冷却し、続いてアセトン300mlで希釈し、セライトを通して吸引濾過し、大量のアセトンで洗浄する。濾液を濃縮し、塩化メチレン/酢酸エチル5:1に懸濁する。沈殿を吸引濾過し、乾燥させ、生成物1.46g(理論値の32%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法2):R=3.50分
MS(ESIpos):m/z=311(M+H)
【0121】
実施例32A
2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]ベンゾエート
【化50】

2−(トリメチルシリル)エチル−4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]−3−ニトロベンゾエート5.9g(12.84mmol)を、酢酸60ml(1048.09mmol)および水3mlの混合物に溶解し、鉄粉末5.019g(89.88mmol)を添加する。懸濁液をRTで1時間、50℃で3時間撹拌する。冷却し、続いてアセトン300mlで希釈し、セライトを通して濾過し、大量のアセトンで洗浄する。濾液を濃縮し、塩化メチレン/酢酸エチル5:1に懸濁し、再度濃縮し、残渣をシリカゲルで精製する(移動相:塩化メチレン/酢酸エチル30:1)。生成物3.52g(理論値の63%)を得る。
LC−MS(方法6):R=1.06分
MS(ESIpos):m/z=430(M+H)
【0122】
実施例33A
5−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン
【化51】

2,2−ジメチル−5−[2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン5.15g(13.44mmol)を、1:1酢酸エチル/エタノール混合物100mlに、RTで溶解する。10%パラジウム/炭素1.43g(1.34mmol)および蟻酸アンモニウム5.084g(80.62mmol)を添加し、混合物を80℃で終夜撹拌する。混合物を冷却し、セライトを通して触媒を濾過し、エタノールで洗浄する。粗生成物をシリカゲルで精製する(移動相:塩化メチレン/酢酸エチル30:1)。生成物3.54g(理論値の65%)を得る。
LC−MS(方法2):R=3.70分
MS(ESIpos):m/z=354(M+H)
【0123】
実施例34A
メチル{[11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート
【化52】

メチル2−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)−6−[2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゾエート2940.0mg(6.85mmol)を酢酸エチルとエタノールの比1:1の混合物(全部で10ml)に溶解する。Pd/C(10%)729mg(0.68mmol)および蟻酸アンモニウム2591mg(41.1mmol)を添加し、続いて80℃で2時間撹拌する。反応混合物が冷えた後、シリカゲルフリットを通してそれを濾過する。それをエタノールで洗浄し、揮発性成分を真空で除去する。生成物2477mg(理論値の86%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法5):R=3.42分
MS(ESIpos):m/z=400(M+H)
【0124】
実施例35A
5−(2−アミノ−4−フルオロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン
【化53】

5−(4−フルオロ−2−ニトロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン1.9g(5.70mmol)を、エタノール15mlに溶解し、水酸化パラジウム/炭素(20%)300mgを添加する。次いで、混合物を水素雰囲気下で反応が完了するまで撹拌する。セライトを通して濾過し、エタノールで洗浄することによりそれを後処理する。濾液は依然として痕跡量の炭素を含有し、セライト(シリカゲル薄層と共に提供する)を通してそれを再度濾過し、エタノールで洗浄する。濃縮し、真空で乾燥させ、生成物1.5g(理論値の87%)を得る。
HPLC(方法8):R=4.48分
MS(DCI):m/z=304(M+H)
【0125】
実施例36A
5−(2−アミノ−4−クロロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン
【化54】

5−(4−クロロ−2−ニトロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン1g(2.86mmol)を、酢酸10mlおよび水0.5mlと混合する。次いで、鉄1.12g(20mmol)を添加し、混合物を50℃に加熱する。それをこの温度で反応が完了するまで撹拌する。RTに冷却し、続いてアセトンで希釈し、セライトを通して濾過する。濾液を真空で濃縮する。トルエンの添加と蒸発乾固を2回実行する。残渣を酢酸エチルに溶かし、シリカゲルを通して濾過する。濾液を濃縮し、真空で乾燥させる。粗生成物0.92g(理論値の99%)を得、それ以上精製しない。
HPLC(方法8):R=4.62分
MS(DCI):m/z=320(M+H)
【0126】
実施例37A
5−(2−アミノ−4−ブロモフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン
【化55】

5−(4−ブロモ−2−ニトロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン1g(2.54mmol)を、酢酸10mlおよび水0.5mlと混合する。次いで、鉄992mg(17.8mmol)を添加し、混合物を50℃に加熱する。それを、この温度で反応が完了するまで撹拌する。RTに冷却し、続いてアセトンで希釈し、セライトを通して濾過する。濾液を真空で濃縮する。トルエンの添加および蒸発乾固を2回実行する。残渣を酢酸エチルに溶かし、シリカゲルを通して濾過する。濾液を濃縮し、真空で乾燥させる。粗生成物0.89g(理論値の95%)を得、それ以上精製しない。
HPLC(方法8):R=4.60分
MS(DCI):m/z=364(M+H)
【0127】
実施例38A
メチル1−ベンジルオキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化56】

トルエン200ml中の実施例28A由来化合物2.20g(5.1mmol)の溶液を、p−トルエンスルホン酸水和物193mg(1.0mmol)と混合し、還流温度で終夜撹拌する。RTに冷却し、続いて真空で濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(シクロヘキサン:酢酸エチル3:1)。所望の化合物1.49g(理論値の78%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.35分
MS(ESI):m/z=376(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 3.81 (s, 3H), 5.17 (s, 2H), 6.95 (d, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.28 - 7.55 (m, 7H), 7,69 (m, 2H).
【0128】
実施例39A
メチル[(8−シアノ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル)オキシ]アセテート
【化57】

トルエン250ml中の実施例29A由来化合物791mg(2.22mmol)溶液を、パラ−トルエンスルホン酸水和物76mg(0.44mmol)と混合する。混合物を還流温度で終夜加熱する。RTに冷却し、続いて飽和水性重炭酸ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。生じる生成物をそれ以上精製せずに反応させる。
LC−MS(方法2):R=3.02分
MS(ESI):m/z=325(M+H)
【0129】
実施例40A
メチル1−(ベンジルオキシ)−3−メチル−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化58】

実施例38Aと同様に、実施例30A由来化合物700mg(1.66mmol)から製造を行う。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(シクロヘキサン:酢酸エチル3:1)。所望の化合物448mg(理論値の67%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.41分
MS(ESI):m/z=390(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 2.32 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 5.16 (s, 2H), 6.82 (s, 1H), 6.92 (s, 1H), 7.31 (dd, 1H), 7.40 (m, 3H), 7.49 (m, 2H), 7.71 (m, 2H), 10.47 (s, 1H).
【0130】
実施例41A
1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボニトリル
【化59】

78%純度3−アミノ−4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]ベンゾニトリル2.9g(7.29mmol)を、キシレン50.0mlにRTで溶解し、4−トルエンスルホン酸0.139g(0.73mmol)一水和物を添加する。懸濁液を140℃で終夜撹拌する。反応混合物を冷却し、沈殿を吸引濾過し、シクロヘキサンで洗浄する。次いで、沈殿をメタノールに懸濁し、数回吸引濾過し、その後高真空下で乾燥させる。生成物2.33g(理論値の95%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法2):R=3.40分
MS(ESIpos):m/z=253(M+H)
【0131】
実施例42A
2−(トリメチルシリル)エチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化60】

2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−4−[(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾジオキシン−5−イル)オキシ]ベンゾエート3.5g(8.15mmol)をキシレン50.0mlにRTで溶解し、4−トルエンスルホン酸一水和物0.155g(0.82mmol)を添加する。懸濁液を140℃で終夜撹拌する。反応混合物が冷えた後、沈殿を吸引濾過し、シクロヘキサンで洗浄する。次いで、沈殿をメタノールに懸濁し、数回吸引濾過する。乾燥後、残渣を1N水酸化ナトリウム溶液に溶かし、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。生成物0.734g(理論値の24%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法2):R=3.20分
MS(ESIpos):m/z=372(M+H)
【0132】
実施例43A
メチル{[11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート
【化61】

メチル2−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−6−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンゾエート2.45g(5.83mmol)を、キシレン1400.0mlにRTで溶解し、4−トルエンスルホン酸一水和物0.221g(1.17mmol)を添加する。懸濁液を140℃で終夜撹拌する。反応混合物が冷えた後、沈殿を吸引濾過し、シクロヘキサンで洗浄する。次いで、沈殿をメタノールに懸濁し、数回吸引濾過し、その後高真空下で乾燥させる。生成物0.583g(理論値の27%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法4):R=2.65分
MS(ESIpos):m/z=368(M+H)
【0133】
実施例44A
8−フルオロ−1−ヒドロキシジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オン
【化62】

5−(2−アミノ−4−フルオロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン1.5g(4.95mmol)をキシレン20mlおよびp−トルエンスルホン酸一水和物94mg(0.49mmol)と混合する。反応混合物を120℃で終夜撹拌し、次いで真空で濃縮する。生じる残渣をメタノール中で撹拌し、生じる固体を濾過し、真空で乾燥させる。生成物948mg(理論値の78%)を得る。
HPLC(方法9):R=4.47分
MS(DCI):m/z=246(M+H)
【0134】
実施例45A
8−クロロ−1−ヒドロキシジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オン
【化63】

5−(2−アミノ−4−クロロフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン919mg(2.87mmol)を、キシレン12mlおよびp−トルエンスルホン酸一水和物55mg(0.29mmol)と混合する。反応混合物を還流下で終夜撹拌し、次いで真空で濃縮する。生じる残渣をメタノール中で撹拌し、生じる固体を濾過し、真空で乾燥させる。生成物671mg(理論値の88%)を得る。
HPLC(方法8):R=4.74分
MS(DCI):m/z=262(M+H)
【0135】
実施例46A
8−ブロモ−1−ヒドロキシジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オン
【化64】

5−(2−アミノ−4−ブロモフェノキシ)−2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−4−オン892mg(2.45mmol)を、キシレン10mlおよびp−トルエンスルホン酸一水和物47mg(0.24mmol)と混合する。反応混合物を還流下で終夜撹拌する。反応はまだ完了しないので、さらにp−トルエンスルホン酸一水和物47mg(0.24mmol)を添加し、混合物を還流下でさらに24時間撹拌する。それを真空で濃縮し、生じる残渣をメタノール中で撹拌する。生じる固体を濾過し、真空で乾燥させる。生成物581mg(理論値の78%)を得る。
HPLC(方法8):R=4.71分
MS(DCI):m/z=306(M+H)
【0136】
実施例47A
1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸
【化65】

メチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−8−カルボキシレート4.32g(15.14mmol)をTHF33mlに溶解し、水33ml中の水酸化リチウム0.798g(33.32mmol)の添加後、RTで終夜撹拌する。混合物を1N塩酸で酸性化し、溶媒の殆どを真空で除去することにより後処理する。沈殿を吸引濾過し、高真空下で乾燥させる。生成物4.443g(定量)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法7):R=2.96分
MS(ESIpos):m/z=272(M+H)
【0137】
実施例48A
ベンジル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化66】

1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸220mg(0.81mmol)およびベンジルアルコール5.0ml(49.18mmol)を、硫酸16mg(0.16mmol)と混合し、150℃で3時間撹拌する。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液および塩化ナトリウム溶液で洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。精製は、最初に分取HPLC(方法11)により、次いでシリカゲル(移動相:塩化メチレン/メタノール20:1)で行う。生成物122mg(理論値の41%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.92分
MS(ESIpos):m/z=362(M+H)
【0138】
実施例49A
シクロペンチルメチル−1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化67】

1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸220mg(0.81mmol)およびシクロペンチルメタノール5.0ml(49.18mmol)を、硫酸16mg(0.16mmol)と混合し、160℃で3時間撹拌する。反応混合物を幾分か濃縮し、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液および塩化ナトリウム溶液で洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。真空で3時間乾燥させ、生成物270mg(理論値の94%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法3):R=4.49分
MS(ESIpos):m/z=354(M+H)
【0139】
実施例50A
2−メトキシエチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8カルボキシレート
【化68】

1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸300mg(1.11mmol)および2−メトキシエタノール5.0ml(63.41mmol)を、硫酸22mg(0.22mmol)と混合し、還流下で3時間撹拌する。反応混合物を幾分か濃縮し、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液および塩化ナトリウム溶液で洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。生成物243mg(理論値の61%)を得、それ以上精製しない。
LC−MS(方法2):R=3.60分
MS(ESIpos):m/z=330(M+H)
【0140】
実施例51A
1−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)−N−メチル−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−8−カルボキサミド
【化69】

1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸250mg(0.92mmol)、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルアミン246mg(2.77mmol)および4−ジメチルアミノピリジン11mg(0.09mmol)を、DMF6mlに溶解する。次いで、混合物を−30℃に冷却する。この温度で、N−エチル−N'−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩212mg(1.11mmol)を添加し、混合物を再度RTにする。それをRTで4時間撹拌する。混合物を水で希釈し、1N塩酸を添加し、酢酸エチルで抽出することにより後処理する。有機相を飽和炭酸ナトリウム溶液および塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。粗生成物をシリカゲルで精製する(移動相:酢酸エチル)。生成物100mg(理論値の30%)を得る。
LC−MS(方法4):R=4.00分
MS(ESIpos):m/z=343(M+H)
【0141】
実施例52A
1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸
【化70】

2−(トリメチルシリル)エチル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8カルボキシレート110mg(0.18mmol)を、テトラヒドロフラン5mlに溶解し、RTで、1Nテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド溶液0.20ml(0.20mmol)を添加し、混合物をRTで終夜撹拌する。それを少量の水と混合し、1N塩酸1mlを添加し、RTで濃縮する。残渣を分取HPLC(方法11)により精製する。生成物95mg(理論値の100%)を得る。
HPLC(方法7):R=3.60分
MS(ESIpos):m/z=500(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.34 (s, 9H), 1.39 (s, 9H), 4.52-4.81 (m, 4 H), 6.82 (d, 1 H), 7.00 (d, 1 H), 7.39-7.50 (m, 2 H), 7.77 (dd, 1 H), 7.93 (s, 1H).
【0142】
実施例53A
tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−シアノ−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート
【化71】

1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボニトリル1.70g(6.74mmol)を、DMF20mlにRTで溶解し、tert−ブチルブロモアセテート5.45ml(26.96mmol)および炭酸カリウム2.794g(20.22mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、50℃で1時間、そして70℃で5時間撹拌する。混合物を大量の水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出することにより後処理する。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。生成物3.76g(定量)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.95分
MS(ESIpos):m/z=481(M+H)
【0143】
実施例54A
2−(トリメチルシリル)エチル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化72】

2−(トリメチルシリル)エチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート0.70g(1.88mmol)を、DMF8mlにRTで溶解し、tert−ブチルブロモアセテート0.84ml(4.15mmol)および炭酸カリウム0.521g(3.77mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで50℃で終夜撹拌する。混合物を大量の水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出することにより後処理する。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。残渣を分取HPLC(方法11)により精製する。生成物209mg(理論値の15%)を得る。
LC−MS(方法4):R=4.90分
MS(ESIpos):m/z=600(M+H)
【0144】
実施例55A
tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)ジベンゾ−[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート
【化73】

1−ヒドロキシ−8−(トリフルオロメチル)ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オン670mg(2.27mmol)を、DMF20mlにRTで溶解し、tert−ブチルブロモアセテート1.835ml(9.08mmol)および炭酸カリウム627mg(4.54mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで70℃で終夜撹拌する。混合物を大量の水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出することにより後処理する。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル20:1)。生成物1.185g(理論値の99%)を得る。
LC−MS(方法4):R=4.00分
MS(ESIpos):m/z=524(M+H)
【0145】
実施例56A
tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−フルオロ−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート
【化74】

8−フルオロ−1−ヒドロキシジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オン938mg(3.83mmol)を、無水DMF6mlに溶解し、無水炭酸カリウム1.59g(11.48mmol)を添加する。RTで撹拌しながら、tert−ブチルブロモアセテート1.87g(9.56mmol)を添加する。混合物をRTで終夜撹拌したままにする。酢酸エチルで希釈し、水で2回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物2g(定量)を得、それ以上精製しない。
HPLC(方法9):R=5.17分
MS(ESIpos):m/z=474(M+H)
【0146】
実施例57A
tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−クロロ−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート
【化75】

8−クロロ−1−ヒドロキシジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オン660mg(2.52mmol)を、無水DMF6mlに溶解し、無水炭酸カリウム1.05g(7.57mmol)を添加する。RTで撹拌しながら、tert−ブチルブロモアセテート1.23g(6.31mmol)を添加する。混合物をRTで終夜撹拌したままにする。酢酸エチルで希釈し、水で2回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物1.25g(定量)を得、それ以上精製しない。
HPLC(方法9):R=5.24分
MS(DCI):m/z=490(M+H)
【0147】
実施例58A
tert−ブチル[8−ブロモ−1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート
【化76】

8−ブロモ−1−ヒドロキシジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オン566mg(1.85mmol)を、無水DMF10mlに溶解し、無水炭酸カリウム766mg(5.55mmol)を添加する。RTで撹拌しながら、tert−ブチルブロモアセテート901mg(4.62mmol)を添加する。混合物をRTで終夜撹拌したままにする。溶媒を真空で除去し、残渣を酢酸エチルに溶かし、水で3回洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物1.02g(定量)を得、それ以上精製しない。
HPLC(方法8):R=5.34
MS(ESIpos):m/z=534(M+H)
【0148】
実施例59A
ベンジル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化77】

ベンジル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−8−カルボキシレート105mg(0.291mmol)を、DMF3mlにRTで溶解し、tert−ブチルブロモアセテート0.129ml(0.64mmol)および炭酸カリウム80mg(0.58mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで50℃で終夜撹拌する。反応混合物を大量の水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出することにより後処理する。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル10:1)。生成物123mg(理論値の71%)を得る。
LC−MS(方法7):R=4.21分
MS(ESIpos):m/z=590(M+H)
【0149】
実施例60A
シクロペンチルメチル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化78】

シクロペンチルメチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート265mg(0.75mmol)を、DMF3mlにRTで溶解し、tert−ブチルブロモアセテート0.333ml(1.65mmol)および炭酸カリウム207mg(1.50mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで50℃で終夜撹拌する。混合物を大量の水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出することにより後処理する。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル10:1)。生成物260.0mg(理論値の59%)を得る。
LC−MS(方法3):R=4.93分
MS(ESIpos):m/z=582(M+H)
【0150】
実施例61A
2−メトキシエチル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化79】

2−メトキシエチル−1−ヒドロキシル−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート225mg(0.68mmol)を、DMF3mlにRTで溶解し、tert−ブチルブロモアセテート0.28ml(1.37mmol)および炭酸カリウム189mg(1.37mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで50℃で終夜撹拌する。混合物を大量の水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出することにより後処理する。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル10:1)。生成物248mg(理論値の61%)を得る。
LC−MS(方法2):R=4.00分
MS(ESIpos):m/z=558(M+H)
【0151】
実施例62A
tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−{[(2−メトキシエチル)(メチル)アミノ]カルボニル}−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート
【化80】

1−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)−N−メチル−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキサミド85mg(0.25mmol)をDMF6mlにRTで溶解し、tert−ブチルブロモアセテート0.11ml(0.55mmol)および炭酸カリウム69mg(0.50mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで50℃で終夜撹拌する。混合物を大量の水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出し、塩化ナトリウム溶液で洗浄することにより後処理する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、残渣を乾燥させる。生成物136.0mg(理論値の94%)を得る。
LC−MS(方法4):R=4.30分
MS(ESIpos):m/z=571(M+H)
【0152】
実施例63A
tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−[(ジエチルアミノ)カルボニル]−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート
【化81】

1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸75mg(0.150mmol)を、DMAP28mg(0.23mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート114mg(0.30mmol)と共に、DMF4mlにRTで溶解し、次いで、ジエチルアミン0.031ml(0.30mmol)を添加する。混合物をRTで終夜撹拌する。反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出することにより後処理する。有機相を炭酸ナトリウム溶液および塩化ナトリウム溶液で1回ずつ洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。シリカゲルフリットを通して残渣を吸引濾過し(移動相:酢酸エチル)、真空で濃縮する。生成物74mg(理論値の85%)を得る。
LC−MS(方法3):R=4.24分
MS(ESIpos):m/z=555(M+H)
【0153】
実施例64A
メチル1−ベンジルオキシ−10−(2−tert−ブトキシエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化82】

2−tert−ブトキシエチルブロミド255mg(1.2mmol)、炭酸カリウム276mg(2.0mmol)およびヨウ化カリウム26.5mg(0.16mmol)を、DMF0.06ml/1,4−ジオキサン12ml中の実施例38A由来化合物300mg(0.8mmol)の溶液に連続的に添加する。混合物を60℃の油浴温度で1時間、次いで還流温度で30時間撹拌する。RTに冷却し、続いてジクロロメタン100mlで希釈し、水で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。所望の生成物411mg(理論値の95%)を得る。
LC−MS(方法4):R=3.37分
MS(ESI):m/z=476(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.07 (s, 9H), 3.58 (m, 2H), 3.79 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 4.35 (m, 1H), 5.10 (d, 1H), 5.19 (d, 1H), 6.96 (d, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.28 - 7.49 (m, 7H), 7.77 (d, 1H), 8.59 (s, 1H).
【0154】
実施例65A
メチル{[10−(2−tert−ブトキシエチル)−8−シアノ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート
【化83】

実施例64Aと同様に、実施例39A由来化合物125mg(0.39mmol)およびtert−ブトキシエチルブロミド123mg(0.58mmol)から製造を行う。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(シクロヘキサン:酢酸エチル3:1)。所望の生成物68mg(理論値の41%)を得る。
LC−MS(方法5):R=3.38分
MS(ESI):m/z=425(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.05 (s, 9H), 3.42 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 4.13 (m, 2H), 6.85 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.70 (d, 1H), 8.36 (s, 1H).
【0155】
実施例66A
メチル1−(ベンジルオキシ)−10−(2−tert−ブトキシエチル)−3−メチル−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化84】

実施例64Aと同様に、実施例40A由来化合物428mg(1.10mmol)およびtert−ブトキシエチルブロミド398mg(1.65mmol)から製造を行う。所望の生成物295mg(理論値の55%)を得る。
LC−MS(方法2):R=4.33分
MS(ESI):m/z=490(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.05 (s, 9H), 2.31 (s, 3H), 3.58 (m, 2H), 3.62 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.82 (m, 1H), 4.33 (m, 1H), 5.08 (d, 1H), 5.14 (d, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 7.27 - 7.48 (m, 6H), 7.76 (d, 1H), 8.58 (s, 1H).
【0156】
実施例67A
メチル({10−[(5−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−8−シアノ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル}オキシ)アセテート
【化85】

実施例64Aと同様に、実施例39A由来化合物186mg(0.57mmol)および5−tert−ブチル−3−(クロロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール120mg(0.69mmol)から製造を行う。粗生成物を分取HPLC(方法11)により分離する。所望の生成物28mg(理論値の10%)を得る。
LC−MS(方法4):R=3.01分
MS(ESI):m/z=463(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.35 (s, 9H), 3.63 (s, 3H), 4.82 (d, 1H), 4.87 (d, 1H), 5.31 (d, 1H), 5.49 (d, 1H), 6.87 (d, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 8.31 (s, 1H).
【0157】
実施例68A
メチル{[8−シアノ−10−(4,4−ジメチル−2−オキソペンチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート
【化86】

実施例64Aと同様に、実施例39A由来化合物224mg(0.69mmol)および1−ブロモ−4,4−ジメチル−2−ペンタノン171mg(0.83mmol)から製造を行う。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(シクロヘキサン:酢酸エチル5:1)。所望の生成物111mg(理論値の37%)を得る。
LC−MS(方法10):R=2.37分
MS(ESI):m/z=437(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 0.98 (s, 9H), 2.36 (d, 1H), 2.43 (d, 1H), 3.67 (s, 3H), 4.81 (s, 2H), 4.91 (s, 2H), 6.87 (d, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.87 (d, 1H).
【0158】
実施例69A
tert−ブチル(R,S)−2−[8−シアノ−1−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]プロピオネート
【化87】

DMF20ml中の実施例39A由来化合物267mg(0.82mmol)およびメチル2−ブロモプロピオネート206mg(0.99mmol)の溶液を、炭酸カリウム227mg(1.65mmol)と混合し、RTで終夜撹拌する。さらに各々3当量の炭酸カリウムおよびメチル2−ブロモプロピオネートを添加し、混合物を再度RTで終夜撹拌する。1M塩酸20mlを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(シクロヘキサン:酢酸エチル3:1)。生成物250mg(理論値の67%)を得る。
LC−MS(方法10):R=2.32分
MS(ESI):m/z=475(M+Na)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.35 (s, 9H), 1.63 + 1.67 (2xd, 3H), 3.66 (s, 3H), 4.62 + 4.89 (2xq, 1H), 4.82 (s, 2H), 6.88 (d, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.75 (m, 1H), 7.90 + 7.95 (2xs, 1H).
【0159】
実施例70A
メチル10−(2−tert−ブトキシエチル)−1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化88】

エタノール15ml中の実施例64A由来化合物394mg(0.83mmol)の溶液を、活性炭上の10%パラジウム66mgと混合する。懸濁液を、水素雰囲気中、大気圧下、20時間撹拌したままにする。次いで珪藻土を通してそれを濾過し、エタノール20mlで洗浄し、真空で濃縮する。所望の生成物227mg(理論値の68%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.69分
MS(ESI):m/z=386(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.10 (s, 9H), 3.71 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 4.07 (m, 2H), 6.75 (d, 1H), 6.82 (d, 1H), 7.35 (dd, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.51 (s, 1H), 10.3 (s, br, 1H).
【0160】
実施例71A
メチル10−(2−tert−ブトキシエチル)−1−ヒドロキシ−3−メチル−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化89】

エタノールと酢酸エチルの1:1混合物24ml中の実施例66A由来化合物265mg(0.54mmol)の溶液を、活性炭上の10%パラジウム58mgおよび蟻酸アンモニウム205mg(3.3mmol)と混合する。混合物を還流温度で2時間撹拌する。RTに冷却後、セライトを通してそれを濾過し、エタノールで洗浄する。揮発性成分を濃縮して除き、続いて酢酸エチルに溶かし、水で数回洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。所望の生成物222mg(理論値の99%)を得る。
LC−MS(方法4):R=3.38分
MS(ESI):m/z=400(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.08 (s, 9H), 2.23 (s, 3H), 3.71 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 4.10 (m, 2H), 6.61 (s, 1H), 6.68 (s, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 8.49 (s, 1H), 10.3 (s, br, 1H).
【0161】
実施例72A
メチル1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]−10−(2−tert−ブトキシエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化90】

実施例7Aと同様に、実施例70A由来化合物211mg(0.55mmol)およびベンジルブロモアセテート125mg(0.55mmol)から製造を行う。シリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製し(ジクロロメタン:メタノール1:0から3:1)、生成物279mg(理論値の85%)を得る。
LC−MS(方法2):R=4.08分
MS(ESI):m/z=534(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.07 (s, 9H), 3.53 (m, 2H), 3.75 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.37 (m, 1H), 4.86 (d, 1H), 4.91 (d, 1H), 5.12 (s, 2H), 6.86 (d, 1H), 7.00 (d, 1H), 7.27 (s, 5H), 7.38 (dd, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 8.52 (s, 1H).
【0162】
実施例73A
メチル1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]−10−(2−tert−ブトキシエチル)−3−メチル−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化91】

実施例7Aと同様に、実施例71A由来化合物93mg(0.48mmol)およびベンジルブロモアセテート140mg(0.58mmol)から製造を行う。シリカゲルカラムでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール1:0から3:1)により精製し、生成物241mg(理論値の92%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.72分
MS(ESI):m/z=548(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.07 (s, 9H), 2.23 (s, 3H), 3.55 (m, 2H), 3.75 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 4.25 (m, 1H), 4.87 (s, 2H), 5.12 (s, 2H), 6.65 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 7.29 (s, 5H), 7.39 (dd, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 8.52 (s, 1H).
【0163】
実施例74A
2−メトキシエチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10−[2−オキソ−2−(1−ピペリジニル)エチル]−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化92】

2−メトキシエチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート150mg(0.46mmol)を、DMF6mlにRTで溶解し、1−(ブロモアセチル)ピペリジン0.097ml(0.46mmol)および炭酸カリウム126mg(0.91mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで50℃で終夜撹拌する。反応溶液を水1mlで希釈し、分取HPLC(方法11)で精製することにより後処理する。生成物66mg(理論値の27%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.59分
MS(ESIpos):m/z=455(M+H)
【0164】
実施例75A
2−メトキシエチル1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]−11−オキソ−10−[2−オキソ−2−(1−ピペリジニル)エチル]−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート
【化93】

2−メトキシエチル1−ヒドロキシ−11−オキソ−10−[2−オキソ−2−(1−ピペリジニル)エチル]−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート62mg(0.12mmol;87%純度)を、DMF6mlにRTで溶解し、ベンジルブロモアセテート0.042ml(0.18mmol)および炭酸カリウム33mg(0.24mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで50℃で終夜撹拌する。混合物を水1mlで希釈し、分取HPLC(方法11)で精製することにより後処理する。生成物55.0mg(理論値の71%)を得る。
LC−MS(方法4):R=4.30分
MS(ESIpos):m/z=603(M+H)
【0165】
実施例76A
メチル{[10−[(5−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート
【化94】

メチル{[11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート94mg(0.26mmol)をDMF5mlにRTで溶解し、5−tert−ブチル−3−(クロロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール89mg(0.51mmol)および炭酸カリウム71mg(0.51mmol)を添加する。混合物をRTで10分間、次いで50℃で2時間撹拌する。混合物を水/アセトニトリルで希釈し、分取HPLC(方法11)で精製することにより後処理する。生成物103mg(理論値の79%)を得る。
LC−MS(方法4):R=3.90分
MS(ESIpos):m/z=506(M+H)
【0166】
実施例77A
メチル{[10−(2−tert−ブトキシエチル)−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート
【化95】

メチル{[11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート94mg(0.26mmol)を、DMF0.2mlとジオキサン4.0mlの混合物にRTで溶解し、炭酸カリウム71mg(0.51mmol)およびヨウ化カリウム8.5mg(0.05mmol)を添加する。混合物を60℃で1時間撹拌し、次いで2−(2−ブロモエトキシ)−2−メチルプロパン93mg(0.51mmol)を添加する。混合物を100℃で終夜撹拌し、次いでさらに2−(2−ブロモエトキシ)−2−メチルプロパン93mg(0.51mmol)を添加し、混合物を再度100℃で終夜撹拌する。後処理に、反応溶液を分取HPLC(方法11)により精製する。生成物33.0mg(理論値の27%)を得る。
LC−MS(方法4):R=4.00分
MS(ESIpos):m/z=468(M+H)
【0167】
実施例78A
{[10−[2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル]−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化96】

tert−ブチルアミン10mg(0.14mmol)およびジメチルアミノピリジン4.4mg(0.035mmol)およびN'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩20mg(0.11mmol)を、ジクロロメタン3ml中の実施例9A由来化合物35mg(0.071mmol)に添加する。室温で終夜撹拌した後、溶媒を減圧下で除去し、残渣を分取HPLC(方法11)により精製し、生成物14mg(理論値の37%)を得る。
LC−MS(方法2):R=3.9分
MS(ESI):m/z=547(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.27 (s, 9H), 3.85 (s, 3H), 4.65 (AB シグナル, 2H), 4.90 (AB シグナル, 2H), 5.17 (s, 2H), 6.89 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.32 (s, 4H), 7.44 (dd, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.77-7.82 (m, 2H), 7.96 (d, 1H).
【0168】
例示的実施態様:
実施例1
{[10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化97】

トリメチルシリルクロリド2.1mg(0.020mmol)およびヨウ化ナトリウム2.9mg(0.020mmol)を、クロロホルム3ml中の実施例5A由来化合物0.10g(0.19mmol)に添加し、混合物を還流下で終夜加熱する。混合物を酢酸エチル20mlで希釈し、各回20mlの1N塩酸で3回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、残渣を得、それを分取HPLC(方法11)により精製し、生成物75mg(理論値の84%)を得る。
MS(ESI):m/z=458(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.38 (s, 9H), 3.84 (s, 3H), 4.56 (s, 2H), 4.68 (s, 2H), 6.80 (d, 1H), 6.97 (d, 1H), 7.42 (t, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.80 (dd, 1H), 7.96 (d, 1H).
【0169】
実施例2
10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−1−(カルボキシメトキシ)−11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸
【化98】

メタノール2.5ml中の実施例5A由来化合物0.27g(0.53mmol)を、水酸化カリウム30mg(0.53mmol)と混合し、室温で4時間撹拌する。混合物を酢酸エチル15mlに注ぎ、各回20mlの1N水酸化ナトリウム溶液で3回抽出する。水相を濃塩酸で酸性化し、各回20mlの酢酸エチルで3回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、生成物0.17g(理論値の65%)を得る。
MS(ESI):m/z=444(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.38 (2, 9H), 4.64-4.74 (m, 4H), 6.84 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 7.40-7.51 (m, 2H), 7.79 (dd, 1H), 7.95 (d, 1H), 13.0 (br. s, 2H).
【0170】
実施例3
[1−(カルボキシメトキシ)−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]酢酸
【化99】

塩化メチレン3ml中の実施例5A由来化合物0.10g(0.19mmol)を、トリフルオロ酢酸60μl(88mg、0.78mmol)と混合し、室温で2日間撹拌する。混合物を酢酸エチル15mlに注ぎ、各回20mlの1N塩酸で3回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、残渣を得、それを分取HPLC(方法11)により精製し、生成物26mg(理論値の32%)を得る。
MS(ESI):m/z=402(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 3.84 (s, 3H), 4.55-4.85 (m, 4H), 6.83, (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.98 (d, 1H), 13.0 (br. s, 2 H).
【0171】
実施例4
1−(カルボキシメトキシ)−10−(カルボキシメチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−8−カルボン酸
【化100】

ジオキサン1ml中の実施例5A由来化合物50mg(0.10mmol)および水300μlを、水酸化カリウム11mg(0.19mmol)と混合し、室温で終夜撹拌する。混合物を酢酸エチル10mlに注ぎ、各回10mlの1N塩酸で3回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLC(方法11)により精製し、生成物12mg(理論値の29%)を得る。
MS(ESI):m/z=388(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 4.5-4.8 (m, 4H), 6.83 (d, 1H), 7.00 (d, 1H), 7.41-7.49 (m, 2H), 7.78 (dd, 1H), 7.95 (d, 1H), 13.1 (br. s, 3H).
【0172】
実施例5
(R,S)−{[10−(2−tert−ブトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化101】

THF1ml中の実施例7A由来化合物16mg(0.03mmol)の溶液を、アルゴン下で活性炭上の10%パラジウム1.5mgと混合し、水素雰囲気下で2時間撹拌する。セライトを通して混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空で濃縮する。生成物10mg(理論値の71%)を得る。
LC−MS(方法2):R=3.7分
MS(ESI):m/z=472(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.36, 1.40 (2xs, 9H), 1.48, 1.52 (2xd, 3H), 3.83 (s, 3H), 4.70 (s, 2H), 4.89 (m, 1H), 6.82 (dd, 1H), 7.00 (d, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.85 (s, 1H), 13.05 (sbr, 1H).
【0173】
実施例6
{[10−{2−[tert−ブチル(メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化102】

実施例10A由来化合物75mg(0.13mmol)から、実施例5について記載した方法により固体を得、ジクロロメタン/ジエチルエーテルから結晶化する。生成物28mg(理論値の45%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.47分
MS(ESI):m/z=471(M+H)
【0174】
実施例7
({8−(メトキシカルボニル)−10−[2−(ネオペンチルオキシ)−2−オキソエチル]−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル}オキシ)酢酸
【化103】

実施例11A由来化合物60mg(0.11mmol)から、実施例5について記載した方法により固体を得、ジエチルエーテルから結晶化する。生成物30mg(理論値の60%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.70分
MS(ESI):m/z=472(M+H)
【0175】
実施例8
{[10−(4,4−ジメチル−2−オキソペンチル)−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化104】

26mlの酢酸エチル:エタノール1:1中の実施例13A由来化合物284mg(0.52mmol)の溶液を、アルゴン下で蟻酸アンモニウム197mg(3.1mmol)および活性炭上の10%パラジウム111mgと混合する。混合物を80℃の油浴温度で3時間撹拌し、RTに放冷し、セライトを通して濾過する。濾液を酢酸エチルで希釈し、0.1M塩酸で洗浄する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。所望の生成物222mg(理論値の80%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.59分
MS(ESI):m/z=456(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.02 (s, 9H), 2.38 (d, 1H), 2.52 (d, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.69 (s, 2H), 4.78 (d, 1H), 4.99 (d, 1H), 6.81 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.79 (m, 2H), 12.97 (s, br, 1H).
【0176】
実施例9
(R,S)−1−{[10−(2−(4,4−ジメチル−2−ヒドロキシペンチル)−2−オキソエチル)−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化105】

水素化ホウ素ナトリウム35mgを、24時間かけて、数回にわけて、メタノール2ml中の実施例8由来化合物50mg(0.11mmol)の溶液に添加する。反応が完了した後、酢酸エチル20mlを添加し、溶液を水で洗浄し、合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させる。揮発性成分を真空で除去した後、残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(酢酸エチル:シクロヘキサン1:1)。所望の生成物18mg(理論値の35%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.25分
MS(ESI):m/z=458(M+H)
【0177】
実施例10
{[10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−シアノ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化106】

tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−シアノ−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート100mg(0.21mmol)を、トリクロロメタン5mlにRTで溶解し、クロロトリメチルシラン22mg(0.21mmol)およびヨウ化ナトリウム31mg(0.21mmol)を添加する。混合物を還流下で終夜撹拌する。冷却し、続いて塩化メチレンで希釈し、1N塩酸1mlを添加する。反応混合物を真空で濃縮する。残渣をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法11)により精製する。生成物36mg(理論値の40%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.41分
MS(ESIpos):m/z=425(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.34 (s, 9H), 4.49-4.88 (m, 4 H), 6.86 (d, 1 H), 7.02 (d, 1 H), 7.46 (t, 1 H), 7.58 (d, 1 H), 7.73 (d, 1H), 8.01 (s, 1H), 13.00 (sbr, 1 H).
【0178】
実施例11
[(10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−8−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル)オキシ]酢酸
【化107】

2−(トリメチルシリル)エチル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート70mg(0.12mmol)を、トリクロロメタン3mlにRTで溶解し、クロロトリメチルシラン13mg(0.12mmol)およびヨウ化ナトリウム17mg(0.12mmol)を添加する。混合物を還流下で3時間撹拌する。冷却し、続いて塩化メチレンで希釈し、1N塩酸1mlを添加する。反応混合物を真空で濃縮する。残渣をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法11)により精製する。生成物36mg(理論値の56%)を得る。
LC−MS(方法7):R=4.26分
MS(ESIpos):m/z=544(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 0.01 (s, 9 H), 1.01 (t, 2H), 1.35 (s, 9H), 4.31 (t, 2H), 4.49-4.71 (m, 4 H), 6.80 (d, 1 H), 6.96 (d, 1 H), 7.36-7.48 (m, 2 H), 7.74 (dd, 1 H), 7.89 (s, 1H), 12.94 (sbr, 1 H).
【0179】
実施例12
{[10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化108】

tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート200mg(0.38mmol)をトリクロロメタン5mlに、RT、アルゴン下で溶解し、クロロトリメチルシラン42mg(0.38mmol)およびヨウ化ナトリウム57mg(0.38mmol)を添加する。混合物を還流下で終夜撹拌する。冷却し、続いて塩化メチレンで希釈し、塩化アンモニウム溶液1mlを添加する。反応混合物を真空で濃縮する。残渣をアセトニトリルに溶解し、分取HPLC(方法11)により精製する。生成物130mg(理論値の72%)を得る。
LC−MS(方法4):R=4.20分
MS(ESIpos):m/z=468(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.35 (s, 9 H), 4.59-4.84 (m, 4 H), 6.86 (d, 1 H), 7.03 (d, 1 H), 7.45 (t, 2 H), 7.60 (s, 2 H), 7.84 (s, 1H), 13.00 (sbr, 1 H)
【0180】
実施例13
{[10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−フルオロ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化109】

tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−フルオロ−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート150mg(0.32mmol)を、無水クロロホルム5mlに溶解し、クロロトリメチルシラン10.3mg(0.1mmol)およびヨウ化ナトリウム14.3mg(0.1mmol)の添加後、還流下で終夜撹拌する。次いで、混合物をジクロロメタンで希釈し、1N塩酸で1回洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。精製は、分取HPLC(方法11)により行う。これにより、生成物57.8mg(理論値の43%)を得る。
HPLC(方法8):R=4.52分
MS(DCI):m/z=418(M+H)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.52 (s, 9 H), 4.31 (d, 1 H), 4.79 (s, 2 H), 4.81 (d, 1 H), 6.84 (d, 1 H), 6.89-7.00 (m, 3 H), 7.23 (m, 1 H), 7.45 (t, 1 H), 12.62 (sbr, 1 H)
【0181】
実施例14
{[10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−クロロ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化110】

tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−クロロ−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート200mg(0.41mmol)を、無水クロロホルム5mlに溶解し、クロロトリメチルシラン22.2mg(0.2mmol)およびヨウ化ナトリウム30.6mg(0.2mmol)の添加後、還流下で7時間撹拌する。次いで、混合物をジクロロメタンで希釈し、1N塩酸で1回洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。精製は、分取HPLC(方法11)により行う。これにより、生成物90mg(理論値の51%)を得る。
HPLC(方法8):R=4.62分
MS(DCI):m/z=434(M+H)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.51 (s, 9 H), 4.34 (d, 1 H), 4.76-4.78 (m, 3 H), 6.84 (d, 1 H), 6.95 (dd, 1 H), 7.18-7.23 (m, 3 H), 7.44 (t, 1 H), 12.6 (sbr, 1 H)
【0182】
実施例15
[8−ブロモ−1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]酢酸
【化111】

tert−ブチル[8−ブロモ−1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート100mg(0.19mmol)を無水クロロホルム2mlに溶解し、クロロトリメチルシラン2.1mg(0.02mmol)およびヨウ化ナトリウム28mg(0.19mmol)の添加後、還流下で7時間撹拌する。次いで、混合物をジクロロメタンで希釈し、1N塩酸で1回洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。精製は、分取HPLC(方法11)により行う。これにより、生成物48mg(理論値の53%)を得る。
HPLC(方法9):R=4.74分
MS(DCI):m/z=478(M+H)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.37 (s, 9 H), 4.59 (d, 1 H), 4.71-4.79 (m, 3 H), 6.83 (d, 1 H), 6.98 (d, 1 H), 7.31-7.48 (m, 3 H), 7.69 (d, 1 H), 13.06 (sbr, 1 H)
【0183】
実施例16
{[8−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化112】

ベンジル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート100mg(0.17mmol)を、トリクロロメタン3mlにRTで溶解し、クロロトリメチルシラン18mg(0.17mmol)およびヨウ化ナトリウム25mg(0.17mmol)を添加する。混合物を還流下で4時間撹拌する。冷却し、続いて塩化メチレンで希釈し、1N塩酸1mlを添加する。反応混合物を真空で濃縮する。残渣をアセトニトリルに溶解し、分取HPLC(方法11)により精製する。生成物36mg(理論値の56%)を得る。
LC−MS(方法3):R=4.17分
MS(ESIpos):m/z=534(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.35 (s, 19H), 4.50-4.76 (m, 4H), 5.33 (dd, 2H), 6.83 (d, 1 H), 7.01 (d, 1 H), 7.31-7.54 (m, 7 H), 7.85 (dd, 1 H), 7.98 (d, 1H), 13.08 (sbr, 1 H).
【0184】
実施例17
({10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−[(シクロペンチルメトキシ)カルボニル]−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル}オキシ)酢酸
【化113】

シクロペンチルメチル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート150mg(0.26mmol)をトリクロロメタン3mlにRTで溶解し、クロロトリメチルシラン28mg(0.26mmol)およびヨウ化ナトリウム39mg(0.26mmol)を添加する。混合物を還流下で2時間撹拌する。冷却し、続いて塩化メチレンで希釈し、1N塩酸1mlを添加する。反応混合物を真空で濃縮する。残渣をアセトニトリルに溶解し、分取HPLC(方法11)により精製する。生成物104mg(理論値の76%)を得る。
LC−MS(方法7):R=4.13分
MS(ESIpos):m/z=526(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.12-1.81 (m, 17H), 2.19-2.43 (m, 1h), 4.15 (t, 2H), 4.52-4.79 (m, 4 H), 4.52- 4.74 (m, 4H), 6.84 (d, 1 H), 7.01 (d, 1 H), 7.42-7.52 (m, 2 H), 7.79 (dd, 1 H), 7.82 (d, 1H), 12.98 (sbr, 1 H).
【0185】
実施例18
({10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−[(2−メトキシエトキシ)カルボニル]−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル}オキシ)酢酸
【化114】

2−メトキシエチル1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート100mg(0.18mmol)をトリクロロメタン3mlにRTで溶解し、クロロトリメチルシラン19mg(0.18mmol)およびヨウ化ナトリウム27mg(0.18mmol)を添加する。混合物を還流下で終夜撹拌する。冷却し、続いて塩化メチレンで希釈し、1N塩酸1mlを添加する。反応混合物を真空で濃縮する。残渣をアセトニトリルに溶解し、分取HPLC(方法11)により精製する。生成物80mg(理論値の88%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.47分
MS(ESIpos):m/z=502(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.40 (s, 9H), 3.34 (s, 3H), 3.63 (t, 3H), 4.31-4.45 (m, 2 H), 4.52- 4.74 (m, 4H), 6.85 (d, 1 H), 7.01 (d, 1 H), 7.42-7.53 (m, 2 H), 7.80 (dd, 1 H), 7.95 (s, 01), 12.97 (sbr, 1 H).
【0186】
実施例19
[(10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−{[(2−メトキシエチル)(メチル)アミノ]カルボニル}−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル)オキシ]酢酸
【化115】

tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−{[(2−メトキシエチル)(メチル)アミノ]カルボニル}−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート150.0mg(0.263mmol)をトリクロロメタン6mlにRTで溶解し、クロロトリメチルシラン29mg(0.26mmol)およびヨウ化ナトリウム39mg(0.26mmol)を添加する。混合物を還流下で4時間撹拌する。冷却し、続いて塩化メチレンで希釈し、水1mlを添加する。反応混合物を真空で濃縮する。残渣をアセトニトリルに溶解し、分取HPLC(方法11)により精製する(カラム材質: YMC GEL ODS AQ S 5/15 μm;移動相:アセトニトリル−水勾配10:90→90:10;水+0.1%塩酸)。最後の精製は、シリカゲルフリットで行う(移動相:塩化メチレン/メタノール5:1)。生成物50mg(理論値の36%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.19分
MS(ESIpos):m/z=515(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.35 (s, 9 H), 2.82-4.79 (m, 10 H), 4.47-4.78 (m, 4 H), 6.78 (d, 1 H), 6.96 (d, 1 H), 7.20 (dd, 1 H), 7.36-7.50 (m, 3 H).
【0187】
実施例20
({10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−[(ジエチルアミノ)カルボニル]−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル}オキシ)酢酸
【化116】

tert−ブチル[1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−8−[(ジエチルアミノ)−カルボニル]−11−オキソジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10(11H)−イル]アセテート59mg(0.11mmol)をトリクロロメタン6mlにRTで溶解し、クロロトリメチルシラン12mg(0.11mmol)およびヨウ化ナトリウム16mg(0.11mmol)を添加する。混合物を還流下で4時間撹拌する。冷却し、続いて塩化メチレンで希釈し、1N塩酸1mlを添加する。反応混合物を真空で濃縮する。残渣をアセトニトリルに溶解し、分取HPLC(方法11)により精製する(移動相:アセトニトリル−水勾配10:90→90:10;水+0.1%塩酸)。最後の精製は、シリカゲルフリットで行う(移動相:塩化メチレン/メタノール5:1)。生成物30mg(理論値の56%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.40分
MS(ESIpos):m/z=499(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.07 (sbr, 6 H), 1.34 (s, 9H), 3.21-3.52 (m, 4 H), 4.33 (s, 2 H), 4.60 (d, 1 H), 4.84 (d, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 6.90 (d, 1 H), 7.18 (dd, 1 H), 7.30-7.47 (m, 3 H).
【0188】
実施例21
{[10−(2−tert−ブトキシエチル)−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化117】

実施例8と同様に、実施例72A由来化合物72mg(0.13mmol)から製造を行う。所望の生成物59mg(理論値の99%)を得る。
LC−MS(方法2):R=3.60分
MS(ESI):m/z=444(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.08 (s, 9H), 3.58 (m, 1H), 3.77 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.85 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.62 (s, 2H), 6.68 (d, 1H), 6.88 (d, 1H), 7.35 (dd, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.77 (d, 1H), 8.49 (s, 1H).
【0189】
実施例22
10−(2−tert−ブトキシエチル)−1−(カルボキシメトキシ)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボン酸
【化118】

実施例2の方法と同様に、実施例21由来化合物28mg(0.06mmol)および2M水酸化リチウム溶液0.09ml(0.18mmol)から製造を行う。所望の生成物23mg(理論値の84%)を得る。
LC−MS(方法7):R=2.69分
MS(ESI):m/z=430(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.08 (s, 9H), 3.55 (m, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.88 (m, 1H), 4.21 (m, 1H), 4.71 (s, 2H), 6.83 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 8.45 (s, 1H), 13.03 (s, br, 1H).
【0190】
実施例23
{[10−(2−tert−ブトキシエチル)−8−シアノ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化119】

1mlのTHF:メタノール1:1中の実施例65A由来化合物49mg(0.12mmol)の溶液を、2M水酸化リチウム水溶液0.06ml(0.12mmol)と混合する。混合物を60℃の油浴温度で30分間撹拌し、酢酸エチル10mlで希釈し、有機相を希塩酸および水で洗浄する。それを硫酸マグネシウムで乾燥させ、揮発性成分を真空で濃縮して除く。所望の生成物46mg(理論値の98%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.06分
MS(ESI):m/z=411(M+H)
【0191】
実施例24
{[10−(2−tert−ブトキシエチル)−8−(メトキシカルボニル)−3−メチル−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化120】

実施例8と同様に、実施例73A由来化合物270mg(0.13mmol)から製造を行う。所望の生成物220mg(理論値の95%)を得る。
LC−MS(方法2):R=3.77分
MS(ESI):m/z=458(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.10 (s, 9H), 2.28 (s, 3H), 3.57 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 4.22 (m, 1H), 4.68 (s, 2H), 6.66 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 8.53 (s, 1H).
【0192】
実施例25
({10−[(5−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−8−シアノ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル}オキシ)酢酸
【化121】

ジクロロメタン1ml中の実施例67A由来化合物23mg(0.05mmol)の溶液を、カリウムトリメチルシラノレート8.5mg(0.06mmol)と混合する。混合物をRTで1時間撹拌し、ジクロロメタン5mlで希釈し、有機相を希塩酸および水で洗浄する。それを硫酸マグネシウムで乾燥させ、揮発性成分を真空で濃縮して除く。所望の生成物20mg(理論値の90%)を得る。
LC−MS(方法10):R=2.12分
MS(ESI):m/z=411(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.33 (s, 9H), 4.72 (s, 2H), 5.30 (d, 1H), 5.50 (d, 1H), 6.84 (d, 1H), 7.02 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 8.23 (s, 1H).
【0193】
実施例26
{[8−シアノ−10−(4,4−ジメチル−2−オキソペンチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化122】

実施例25と同様に、実施例68A由来化合物107mg(0.25mmol)から製造を行う。所望の生成物81mg(理論値の77%)を得る。
LC−MS(方法10):R=2.18分
MS(ESI):m/z=423(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 0.98 (s, 9H), 2.37 (d, 1H), 2.46 (d, 1H), 4.58 (s, 2H), 4.87 (d, 1H), 4.97 (d, 1H), 6.79 (d, 1H), 6.97 (d, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.89 (d, 1H).
【0194】
実施例27
(R,S)−{[8−シアノ−10−(2−ヒドロキシ−4,4−ジメチルペンチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化123】

実施例9と同様に、実施例26由来化合物74mg(0.18mmol)から製造を行う。粗生成物を分取HPLC(方法11)により精製する。所望の生成物5mg(理論値の7%)を得る。
LC−MS(方法4):R=2.82分
MS(ESI):m/z=425(M+H)
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 0.93, 1.03 (2xs, 9H), 1.46 (m, 2H), 3.70 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 4.48 (m, 1H), 4.83 (s, 2H), 6.88 (d, 1H), 6.98 (d, 1H), 7.30 7.65 (m, 3H), 8.24 (s, 1H).
【0195】
実施例28
(R,S)−{[10−(2−tert−ブトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)−8−シアノ−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化124】

実施例25と同様に、実施例69A由来化合物40mg(0.09mmol)から製造を行う。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(シクロヘキサン:酢酸エチル1:1)。生成物35mg(理論値の88%)を得る。
LC−MS(方法7):R=2.99分
MS(ESI):m/z=439(M+H)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.36 (s, 9H), 1.67 (d, 3H), 4.52 (s, 2H), 4.62, 4.90 (2xq, 1H), 6.75 (d, 1H), 6.96 (d, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.74 (m, 1H), 7.88, 7.93 (2xs, 1H).
【0196】
実施例29
({8−[(2−メトキシエトキシ)カルボニル]−11−オキソ−10−[2−オキソ−2−(1−ピペリジニル)エチル]−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル}オキシ)酢酸
【化125】

2−メトキシエチル1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]−11−オキソ−10−[2−オキソ−2−(1−ピペリジニル)エチル]−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−8−カルボキシレート40.0mg(0.066mmol)を、1:1酢酸エチル/エタノール混合物4mlに溶解する。10%パラジウム/炭素14mg(0.01mmol)および蟻酸アンモニウム25mg(0.40mmol)を添加し、混合物を80℃で3時間撹拌する。混合物が冷えた後、セライトを通して触媒を濾過し、エタノールで洗浄する。真空で溶媒を除去し、残渣をトリクロロメタン5mlに溶かし、1N塩酸1mlを添加する。硫酸ナトリウムカートリッジを通して吸引濾過し、続いて真空で濃縮する。生成物34mg(理論値の99%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.22分
MS(ESIpos):m/z=513(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.38-1.72 (m, 6 H), 3.11-3.71 (m, 6 H), 4.37 (d, 2 H), 4.58- 5.12 (m, 4 H), 6.79 (d, 1 H), 6.98 (d, 1 H), 7.20 (dd, 1 H), 7.31-7.54 (m, 2 H), 7.78 (dd, 1 H), 7.91 (s, 1H), 13.02 (sbr, 1 H)
【0197】
実施例30
{[10−[(5−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化126】

メチル{[10−[(5−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート80mg(0.158mmol)を、THF8mlにRTで溶解し、水1mlに溶解した水酸化リチウム5mg(0.19mmol)を添加する。反応混合物をRTで3時間撹拌し、次いで分取HPLC(方法11)により精製する。生成物60mg(理論値の77%)を得る。
LC−MS(方法2):R=3.80分
MS(ESIpos):m/z=492(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.32 (s, 9 H), 4.70 (d, 2 H), 5.40 (dd, 2 H), 6.84 (d, 1 H), 7.02 (d, 1 H), 7.45 (t, 1 H), 7.60 (s, 2 H), 8.10 (s, 1 H), 12.98 (sbr, 1 H)
【0198】
実施例31
{[10−(2−tert−ブトキシエチル)−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]−オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化127】

メチル{[10−(2−tert−ブトキシエチル)−11−オキソ−8−(トリフルオロメチル)−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}アセテート32mg(0.07mmol)を、THF5mlにRTで溶解し、水1mlに溶解した水酸化リチウム2mg(0.08mmol)を添加する。反応混合物をRTで1時間撹拌し、次いで分取HPLC(方法11)により精製する。生成物26mg(理論値の83%)を得る。
LC−MS(方法7):R=3.50分
MS(ESIpos):m/z=454(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.06 (s, 9 H), 3.39-3.99 (m, 3 H), 4.15-4.35 (m, 1 H), 4.71 (s, 1 H), 6.84 (d, 1 H), 6.98 (d, 1 H), 7.37-7.57 (m, 3 H), 8.33 (s, 1 H), 13.02 (sbr, 1 H).
【0199】
実施例32
{[10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化128】

実施例1と同様に、1−フルオロ−2−ニトロベンゼンを出発物質として用いて製造を行う。
MS(ESI):m/z=400.0(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.37 (s, 9H), 4.54-4.72 (m, 4H), 6.81 (d, 1H), 6.97 (d, 1H), 7.17-7.30 (m, 2H), 7.33-7.45 (m, 3H).
【0200】
実施例33
({10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル}オキシ)酢酸
【化129】

実施例1と同様に、4−クロロ−N−イソ−プロピル−3−ニトロベンズアミドを出発物質として用いて製造を行う。
MS(ESI):m/z=458.2(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 1.11-1.17 (m, 6H), 1.37 (s, 9H), 4.04. (mc, 1H), 4.21 (s, 2H), 4.69 (AB シグナル, 2H), 6.70 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 7.34 (dd, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.63 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 8.20 (d, 1H).
【0201】
実施例34
3−{[10−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}プロピオン酸
【化130】

ジメチルホルムアミド3ml中の実施例3A由来化合物0.10g(0.25mmol)を、β−プロピオラクトン20mg(0.28mmol)および炭酸カリウム0.038mg(0.28mmol)と混合し、60℃で1時間加熱し、次いで室温で終夜撹拌する。さらにβ−プロピオラクトン20mg(0.28mmol)を添加し、室温での撹拌をもう一晩継続する。酢酸エチル10mlおよび水5mlの添加後、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液10mlで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で無溶媒にする。残渣を分取HPLC(方法11)により精製し、生成物3mg(理論値の3%)を得る。
LC−MS(方法3):R=3.6分
MS(ESI):m/z=472.2(M+H)
【0202】
実施例35
{[10−[2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル]−8−(メトキシカルボニル)−11−オキソ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−1−イル]オキシ}酢酸
【化131】

パラジウム/炭素1.4mg(0.013mmol)を、テトラヒドロフラン10ml中の実施例78A由来化合物14mg(0.026mmol)に添加し、混合物を大気圧下で終夜水素化する。珪藻土を通して触媒を吸引濾過すると、生成物10.5mg(理論値の77%)が残る。
LC−MS(方法3):R=3.29分
MS(ESI):m/z=457[M+H]
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6: δ = 1.35 (s, 9H), 3.82 (s, 3H), 4.52 (AB シグナル, 2H), 4.66 (s, 2H), 6.83 (d, 1H), 6.87 (s, 1H), 7.00 (d, 1H), 7.40-7.49 (m, 2H), 7.96 (s, 1H).
【0203】
B)生理活性の評価
本発明による化合物の心血管障害の処置への適合性は、以下のアッセイ系で示すことができる:
ヒト血漿からの可溶形アミノペプチダーゼNの単離
ヒト血液血漿(Sigma, St. Louis, USA)を、硫酸アンモニウム沈殿により分画する。総アミノペプチダーゼN活性の80%より多くが、50−70%飽和の分画に見られる。10000gで遠心分離した後、ペレットを緩衝液T(20mM Tris−HCl、pH7.5、2mM硫酸マグネシウム、0.1Mエチレンジアミンテトラアセテートおよび200mM塩化ナトリウム)に再懸濁する。生じるタンパク質溶液を、再度10000gで遠心分離し、Sephadex G-25 カラム (Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)で脱塩する。カラムを緩衝液Tで平衡化する。
【0204】
脱塩分画をアフィニティークロマトグラフィーカラムに載せる。後者は、モノクローナル抗CD13マウス抗体(Acris SM1070P, Bad Nauheim, Germany)を、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化 HiTrap カラム (Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)にカップリングすることにより調製する。カラムを緩衝液Tで平衡化する。
【0205】
サンプルを載せた後、カラムをカラム容積の5倍の緩衝液Tで洗浄する。結合したアミノペプチダーゼNを抽出緩衝液(100mMグリシンおよび0.5M塩化ナトリウム、pH2.5)で抽出する。抽出物をTris−HCl pH9.0で中和し、分注し、液体窒素中で凍結させる。
【0206】
インビトロアミノペプチダーゼNアッセイ
アラ−7−アミド−4−メチルクマリン(Bachem, Heidelberg, Germany)をアミノペプチダーゼNの蛍光発生基質として選択する。
酵素活性を、20mM MOPS pH7.0、100mM塩化ナトリウム、5mM塩化カルシウム、0.1%BSA、25μM基質および1−5ng/mlアミノペプチダーゼNからなる緩衝液中で測定する。反応を、37℃の温度で、384または1536マイクロタイタープレート形式で1−3時間インキュベートする。Spectra Fluor 蛍光読み取り機 (Tecan, Crailsheim, Germany) で蛍光を測定する。
【0207】
表Aは、選択された化合物をIC50値と共に示す。
表A:
【表2】

【0208】
遊走アッセイ
ヒト冠動脈平滑筋細胞(hCAVSMC、1.5x10細胞/ウェル)(TEBU, Offenbach, Germany)を、6ウェルプレートに播き、M231培地(増殖培地)(TEBU, Offenbach, Germany)中、37℃/5%二酸化炭素で、48時間培養する。プレートは事前に Vitronectin(50ng/cm)(Gibco/Invitrogen, Karlsruhe, Germany)で被覆する。インキュベーション時間の後、コンフルエント細胞単層の半分を除去する。約50%の Vitronectin 被覆が、ウェルの無細胞領域に残存する。
【0209】
増殖培地を試験培地MCDB−131/0.2%BSA(分子細胞発生生物学(MCDB);基礎培地(BSA))(Gibco/Invitrogen, Karlsruhe, Germany)で置き換え、細胞をアミノペプチダーゼN(ブタまたはヒト)(Sigma, Taufkirchen, Germany)0.1Uで刺激する。
【0210】
次いで、試験物質を指定濃度で添加する。
24および48時間インキュベートした後、細胞が自由ウェル領域中で遊走した距離を顕微鏡で測定する。
各測定点は、時刻0時間で選択された4つの異なる領域の平均を表す。平滑筋細胞の非常に強力な走化因子であるPDGF(血小板由来成長因子)を正の対照として用いる(10nM)(R&D systems, Wiesbaden-Nordenstadt, Germany)。
【0211】
インビボアッセイ:マウスモデル
試験物質を5% Transcutol(登録商標)、10% Cremophor および85%生理食塩水の混合物に溶解する。メスのマウス(系統:OF1)(Iffa Credo, L'Arbresle Cedex, France) を、試験物質溶液により経口または静脈内で処置する。対照マウスは、溶媒のみを受容する。静脈内処置で30分後、経口処置で45分後に、全動物は2mg/kgリポ多糖(系統:サルモネラ・ミネソタ(minnesota)、製造者: Sigma, Steinheim, Germany)をi.p.注射により受容する。血液サンプルをi.p.注射の90分後に採取する。血清中の腫瘍壊死因子(TNF)アルファ濃度を、市販のELISA(製造者: R&D, Wiesbaden-Nordenstadt, Germany)を使用して測定する。
【0212】
C)医薬組成物の例示的実施態様
本発明による物質を、以下のやり方で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、メイズスターチ(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF, Germany より)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg、直径8mm、曲率半径12mm。
【0213】
製造:
実施例1の化合物、ラクトースおよびスターチの混合物を、PVPの5%強度水溶液(m/m)で顆粒状にする。顆粒を乾燥させ、次いでステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を慣用の打錠機を使用して成形する(錠剤の形状は上記参照)。
【0214】
経口懸濁剤:
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel(キサンタンガム)(FMC, USA より)400mgおよび水99g。
本発明による化合物の単回用量100mgは、経口懸濁液10mlに相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、実施例1の化合物を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。撹拌を、約6時間、Rhodigelの膨張が完了するまで継続する。
【0215】
静脈投与できる液剤
組成:
注射用に、実施例1の化合物1mg、ポリエチレングリコール400 15gおよび水250g。
製造:
実施例1の化合物を、ポリエチレングリコール400と共に水に撹拌しながら溶解させる。溶液を濾過滅菌し(孔直径0.22μm)、加熱滅菌した点滴ビンに無菌条件下で分配する。後者を点滴栓およびクリンプキャップで密封する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

式中、
Yは、1個またはそれ以上の二重または三重結合を含有することもあるC−C−アルキレン鎖であり、ここで、1個またはそれ以上の炭素原子は、オキソ置換されていることもあり、1個またはそれ以上の炭素原子は、相互に独立して、窒素、酸素または硫黄原子により置き換えられていることもあり、Y中のヘテロ原子とRの間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、Y中の2個のヘテロ原子の間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、
は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、ここで、アルコキシカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、0個、1個または2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環およびトリメチルシリルからなる群から相互に独立して選択され、
nは、0、1、2または3の数であり、ここで、nが2または3である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよく、
は、アルキルであり、ここで、アルキルは、0個、1個または2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環および複素環カルボニルからなる群から相互に独立して選択され、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環は、0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
は、ヒドロキシルまたはアミノであり、
は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
mは、0、1または2の数であり、ここで、mが2である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよい、
の化合物、またはそれらの塩、それらの溶媒和物もしくはそれらの塩の溶媒和物のいずれか1つ。
【請求項2】
式(I)
【化2】

式中、
Yは、1個またはそれ以上の二重または三重結合を含有することもあるC−C−アルキレン鎖であり、ここで、1個またはそれ以上の炭素原子は、オキソ置換されていることもあり、1個またはそれ以上の炭素原子は、相互に独立して、窒素、酸素または硫黄原子により置き換えられていることもあり、Y中のヘテロ原子とRの間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、Y中の2個のヘテロ原子の間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、
は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
nが、0、1、2または3の数であり、ここで、nが2または3である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよく、
は、アルキルであり、ここで、アルキルは、0個、1個または2個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環からなる群から相互に独立して選択され、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環は、0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
は、ヒドロキシルまたはアミノであり、
は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
mは、0、1または2の数であり、ここで、mが2である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよい、
の化合物。
【請求項3】
式中、
Yが、−O−CHC(=O)−または−O−(CHC(=O)−であり、ここで、Yは、酸素を介してジベンゾキシアゼピン環に連結しており、
が、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、ここで、アルコキシカルボニルは、0個または1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、アルコキシ、アリール、シクロアルキルおよびトリメチルシリルからなる群から選択され、
nが、1または2の数であり、ここで、nが2である場合、R基は、同一であっても異なっていてもよく、
が、アルキルであり、ここで、アルキルは、0個または1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
が、ヒドロキシルであり、そして、
mが、0の数である、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
式中、
Yが、−O−CHC(=O)−であり、ここで、Yは、酸素を介して、ジベンゾキシアゼピン環のアミド官能基に対してオルト位で連結しており、
が、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルであり、ここで、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルは、0個または1個の置換基により置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、フェニル、シクロペンチルおよびトリメチルシリルからなる群から選択され、
nが、1の数であり、
が、アルキルであり、ここで、アルキルは、1個の置換基により置換されており、ここで、置換基は、ヒドロキシル、tert−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシカルボニルおよび2,2−ジメチルプロプ−1−イルオキシカルボニルからなる群から選択され、
が、ヒドロキシルであり、そして、
mが、0の数である、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
式中、Yが、−O−CHC(=O)−であり、ここで、Yは、酸素を介してジベンゾキシアゼピン環に連結しており、そして、Rがヒドロキシルである、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
請求項1で定義した通りの式(I)の化合物の製造方法であって、以下を特徴とする方法;
[A]式
【化3】

式中、R、R、R、Y、mおよびnは、請求項1に示した意味を有する、
の化合物を、式
【化4】

式中、Rは、請求項1に示した意味を有し、そして、
は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素である、
の化合物と反応させる、
または、
[B]式
【化5】

式中、R、R、R、mおよびnは、請求項1に示した意味を有する、
の化合物を、式
【化6】

式中、Rは、請求項1に示した意味を有し、
は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素であり、そして、
Aは、重原子により短縮されており、1個またはそれ以上の二重または三重結合を含有することもあるYのC−C−アルキレン鎖であり、ここで、1個またはそれ以上の炭素原子は、オキソ置換されていることもあり、1個またはそれ以上の炭素原子は、相互に独立して、窒素、酸素または硫黄原子により置き換えられていることもあり、A中のヘテロ原子とRの間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要であり、A中の2個のヘテロ原子の間に少なくとも1個の炭素原子が存在することが必要である、
の化合物と反応させ、式
【化7】

式中、RないしR、A、mおよびnは、請求項1に示した意味を有する、
の化合物を得る。
【請求項7】
疾患の処置および/または予防のための請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
少なくとも1つの請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物を、少なくとも1つの医薬的に適する、医薬的に許容し得る担体または他の賦形剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項9】
医薬を製造するための、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項10】
心血管障害、炎症性障害、自己免疫疾患、癌または慢性疼痛の処置および/または予防のための、請求項8に記載の医薬。
【請求項11】
少なくとも1つの請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物の有効量を投与することによる、ヒトおよび動物におけるアテローム性動脈硬化症の制御方法。


【公表番号】特表2006−503869(P2006−503869A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542338(P2004−542338)
【出願日】平成15年8月30日(2003.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2003/009666
【国際公開番号】WO2004/033437
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】