説明

スイッチ装置

【課題】 複数のスイッチ素子を選択的に押圧駆動できて薄型化が容易なスイッチ装置を提供すること。
【解決手段】 スイッチ装置1はハウジング19内に、固定接点7を設けた回路基板6と、膨出部8aを有して回路基板6上に載置されたラバーシート8と、揺動可能に保持されたアクチュエータ9と、回動可能に保持された回転つまみ13と、復帰ばねである捩りコイルばね14とを備えている。アクチュエータ9は回転つまみ13の側方に配置されており、回転つまみ13に延設された駆動部13bがアクチュエータ9の切欠き9c内に挿通されて係合部9dに摺動可能に係合している。回転つまみ13が回転操作されると、駆動部13bがアクチュエータ9を揺動回転させるのに伴って、アクチュエータ9の揺動端部9bが下方の膨出部8aを押圧駆動するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の操作部材の回動操作によって一対のスイッチ素子を選択的に動作可能なスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスイッチ装置の従来例としては、ハウジング内の回路基板上に配設された一対のスイッチ素子と、これら両スイッチ素子上に跨って搭載されたアクチュエータと、このアクチュエータ上で揺動可能な操作部材とを備えた構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来のスイッチ装置において、ハウジング内に揺動可能に保持された操作部材の一部は操作者の手指で操作できるようにハウジングの窓部から露出させてあり、この操作部材が操作されるとアクチュエータの一端部が押し込まれて下方のスイッチ素子を押圧駆動するようになっているため、操作部材でアクチュエータの両端部を選択的に押し込むことにより、一対のスイッチ素子から選択的にスイッチオン信号を出力させることができる。
【特許文献1】特開平8−7701号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した従来のスイッチ装置では、ハウジング内において操作部材の下方に各スイッチ素子とアクチュエータを積層配置させるスペースを確保しなければならないため、ハウジングの高さ寸法が増大して装置全体の薄型化が図りにくいという問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、一対のスイッチ素子を選択的に押圧駆動できて薄型化が容易なスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明のスイッチ装置では、操作面側に窓部が開設されたハウジングと、このハウジング内に回動可能に保持されて一部が前記窓部に露出する操作部材と、前記ハウジング内の回路基板上に配設されて押圧駆動力に抗する弾性反発力を生起する一対のスイッチ素子と、前記ハウジング内に揺動可能に保持されて一対の揺動端部がそれぞれ前記スイッチ素子上に搭載されたアクチュエータとを備え、前記アクチュエータを前記操作部材の側方に配置し、前記操作部材の回動軸の一端部に所定の回転半径に設定された駆動部を延設すると共に、この駆動部を前記アクチュエータに摺動可能に係合させ、前記操作部材の回転操作時に前記駆動部が前記アクチュエータを揺動回転させることによって前記スイッチ素子が前記揺動端部に押圧駆動されるように構成した。
【0006】
このように構成されたスイッチ装置は、操作部材の駆動部が回転操作時に側方のアクチュエータを揺動回転させることによって、該アクチュエータの揺動端部が下方のスイッチ素子を押圧駆動するというものであり、アクチュエータやスイッチ素子を操作部材の側方に配置させることができるため、ハウジングの高さ寸法を抑えた薄型化が容易に図れる。
【0007】
上記の構成において、アクチュエータの揺動中央部に操作部材の駆動部が挿通される凹溝状または長孔状の切欠きを形成すると共に、この駆動部の該挿通部分が操作部材の回動軸の軸線方向と平行に延びていると、回転操作時に駆動部の回転運動に伴ってアクチュエータを円滑に揺動回転させることができるため、操作力伝達機構の動作が安定したものとなって好ましい。
【0008】
また、上記の構成において、ハウジング内で操作部材に係合して回転操作時に復帰力を生起する復帰ばねをさらに備えていると、非操作時に操作部材の駆動部とアクチュエータとの間に多少のガタがあっても、操作部材自体は復帰ばねによってガタのない状態に保たれるので、寸法精度を比較的ラフに設定できて部品コストの低減や組立性の向上が図れる。
【0009】
また、上記の構成において、ハウジングが窓部を有する上ケースと該上ケースが取り付けられる下ケースとを具備し、アクチュエータが下ケースに揺動可能に支持されていると共に、操作部材が下ケースに回動可能に支持されていると、下ケース内に回路基板やスイッチ素子やアクチュエータや操作部材等を全て組み付けることが可能となり、この下ケースに上ケースを取り付ければ組立が完了するため、組立性の良好なスイッチ装置が得られる。
【0010】
また、上記の構成において、スイッチ素子が、回路基板上に固設された固定接点と、この固定接点の周囲で回路基板上に搭載されて弾性的に座屈変形可能なドーム体と、このドーム体の内部に固設されて固定接点と接離可能に対向する可動接点とを具備し、ドーム体が押圧駆動されて座屈変形することによって可動接点が固定接点に当接するようにしてあると、接点部の防水防塵性を著しく高めることができると共に、ドーム体によって比較的大きな弾性反発力と明瞭なクリック感を生じさせることができるため、簡素な構成で信頼性および操作感触の向上が図れる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のスイッチ装置は、操作部材の駆動部が回転操作時に側方のアクチュエータを揺動回転させることによって、該アクチュエータの揺動端部が下方のスイッチ素子を押圧駆動するというものであり、アクチュエータや各スイッチ素子を操作部材の側方に配置させることができるため、ハウジングの高さ寸法が無理なく抑制できる。それゆえ、一対のスイッチ素子を選択的に押圧駆動できて薄型化が容易なスイッチ装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係るステアリングスイッチ装置の分解斜視図、図2は該スイッチ装置の組立完成品を示す斜視図、図3は該スイッチ装置を装着したステアリングホイールを示す正面図、図4は該スイッチ装置の回転操作時の動作説明図、図5は該スイッチ装置に組み込まれたラバーシートの要部断面図、図6は該スイッチ装置に組み込まれた復帰ばねの動作説明図である。
【0013】
図3に示すように、本実施形態例に係るステアリングスイッチ装置1は、自動車のステアリングホイール30の円環部31の内側に左右一対装着されている。これら一対のステアリングスイッチ装置1は左右対称な形状に形成されているが基本的な構造は同等なため、以下、図3の右側に装着されているステアリングスイッチ装置1についてのみ説明する。
【0014】
このステアリングスイッチ装置1は、位置決めピン3や揺動支持部4等が立設された下ケース2と、上面に固定接点7を含む配線パターンが形成されて下ケース2内に設置された回路基板6と、複数箇所にドーム形状の膨出部8aを有して回路基板6上に載置されたラバーシート8と、揺動軸部9aが揺動支持部4に軸支されて揺動端部9bが膨出部8a上に搭載されたアクチュエータ9と、回路基板6やラバーシート8を覆って下ケース2上に取り付けられた上ケース10と、窓部11aを有して上ケース10に一体化された枠状ケース11と、下ケース2内に回動可能に支持されて一部が窓部11aに露出する回転つまみ13と、回転つまみ13の回動軸13aに巻装されて回転操作時に復帰ばねとして動作する捩りコイルばね14と、枠状ケース11と隣接する2箇所で上ケース10に昇降可能に支持されて下端部が膨出部8a上に搭載された2個の操作キー15,16と、開口部17aを有して下ケース2および上ケース10を蓋閉するカバー体17とによって主に構成されている。そして、回転つまみ13に対する回転操作と操作キー15,16に対する押下操作とを行えるようになっており、いずれの操作を選択した場合にも、対応する膨出部8aが弾性的に座屈変形してクリック感が生起されると共に、該膨出部8a内の可動接点18が回路基板6上の固定接点7に当接してスイッチオンするようになっている(図5参照)。なお、下ケース2と上ケース10および枠状ケース11とによってハウジング19が構成されており、このハウジング19の内部空間に回路基板6やラバーシート8やアクチュエータ9や捩りコイルばね14等が収納されていると共に、回転つまみ13および操作キー15,16がハウジング19の上面側に露出して手指で操作できるようになっている。
【0015】
各部の構成について詳しく説明すると、下ケース2の内部には、回路基板6やラバーシート8を位置決めする位置決めピン3と、アクチュエータ9用の軸孔4aを有する一対の立壁部4bからなる揺動支持部4と、回転つまみ13用の軸溝12aを有する支持壁12とが立設されており、一対の立壁部4bは略平行に起立して相対向する箇所に軸孔4aが穿設されている。また、下ケース2内の一側部には複数の端子孔2aが列設されており、下ケース2内の他側部には、軸溝12aと対向する箇所に回転つまみ13用の軸孔2bが穿設されていると共に、その近傍に捩りコイルばね14の両腕部14aを弾接させるための逆ハ字状に傾斜した係合段部5が設けられている。
【0016】
回路基板6はハウジング19内で窓部11aと略平行に設置されており、この回路基板6上には、固定接点7を含む図示せぬ配線パターンが形成されていると共に、照光用のLED20や外部接続用の端子21が配設されている。また、この回路基板6には、位置決めピン3が挿通される複数の透孔6aと、揺動支持部4の配置スペースとなる切除部6bとが形成されており、各透孔6aに対応する位置決めピン3を挿通し、かつ、各端子21を対応する端子孔2aに挿通した状態で、回路基板6は下ケース2上に正確に位置決めされて載置固定される。
【0017】
ラバーシート8は弾性ゴムからなる一体成形品で、そのシート状部分から、座屈変形可能な6個の膨出部8aと、位置決めピン3に冠着される2個のピン係合部8bと、LED20が挿入される2個の角筒部8cとが突出形成されていると共に、回路基板6の切除部6bの真上に揺動支持部4の配置スペースとなる切除部8dが形成されている。このラバーシート8は各ピン係合部8bを対応する位置決めピン3に冠着させた位置決め状態で回路基板6上に載置固定されており、図5に示すように、各膨出部8aの天井面に付設された可動接点18がそれぞれ対応する固定接点7に接離可能に対向している。
【0018】
アクチュエータ9は、その揺動中心に軸心を合致させた揺動軸部9aを有し、この揺動軸部9aの両端部を一対の立壁部4bの軸孔4aに枢着させることによって揺動支持部4に揺動可能に支持されている。図4に示すように、このアクチュエータ9は揺動軸部9aに関して線対称な形状に成形されており、図示両端の各揺動端部9bは切除部8dを介して並設されている2個の膨出部8a上に弾接状態で搭載されている。つまり、組立段階でアクチュエータ9の揺動軸部9aを一対の立壁部4bの間に圧入していくと、各揺動端部9bが対応する膨出部8a上に配置された後、揺動軸部9aの両端部が軸孔4aに入り込んで枢着されるため、アクチュエータ9が揺動支持部4にスナップ結合され、各揺動端部9bは対応する膨出部8aから反力を付与された予圧状態に保持される。このアクチュエータ9は回転つまみ13の一側部に位置する支持壁12に隣接して配置されており、アクチュエータ9の揺動中央部に形成されている凹溝状の切欠き9c内に回転つまみ13の後述する駆動部13bが昇降可能に挿通されている。そして、切欠き9cを介して対向する内側壁が該駆動部13bを摺動可能に係合させる係合部9dとなっており、回転つまみ13が回転操作されると、駆動部13bが一体的に回転して片側の係合部9dを付勢するため、揺動軸部9aを中心にアクチュエータ9が一方向へ揺動回転し、付勢された側の揺動端部9bが下降して対応する膨出部8aを押圧駆動するようになっている。
【0019】
回転つまみ13は回動軸13aを含む略半円柱形状に成形されており、この回動軸13aの両端部が支持壁12の軸溝12aと下ケース2の軸孔2bに回動可能に支持されている。回動軸13aの軸溝12a側の端部には支持壁12の外側でL字状に延びる駆動部13bが突設されており、この駆動部13bの先端部は所定の回転半径に設定されると共に、回動軸13aの軸線方向と平行に延びてアクチュエータ9の切欠き9c内に挿通されている。また、捩りコイルばね14は回転つまみ13の回動軸13aの軸孔2b側の端部近傍に巻装されており、図6に示すように、捩りコイルばね14の両腕部14aは下ケース2内の係合段部5に弾接している。これにより、回転つまみ13が回転操作されると、回転方向の腕部14aが係合段部5に強く押し付けられて弾性反発力を生起し、この弾性反発力によって回転操作後の回転つまみ13が自動復帰するようになっている。なお、図6は図1の矢線B方向、すなわち、ホルダ12の軸孔12c側からホルダ12の軸溝12a側へ向かう方向で見た断面図である。
【0020】
上ケース10の所定位置には枠状ケース11が取り付けられており、この上ケース10はねじ22やかしめ等の適宜手段で下ケース2上に固定されている。上ケース10には操作キー15,16が昇降可能に支持されており、これら操作キー15,16の上面は枠状ケース11と隣接する2箇所に露出している。なお、本実施形態例では、上ケース10に別体の枠状ケース11を後付けする場合について例示しているが、上ケース10と枠状ケース11は一体成形品であってもよい。
【0021】
カバー体17はスナップ結合等の適宜手段で下ケース2の外壁面に固定されており、このカバー体17の開口部17a内に回転つまみ13を露出させた枠状ケース11と操作キー15,16とが臨出している。そして、操作者がこの開口部17a内で手指を移動させることによって、回転つまみ13の回転操作と操作キー15,16の押下操作とを選択的に行えるようになっている。
【0022】
次に、このように構成されたステアリングスイッチ装置1の動作について説明する。
【0023】
まず、回転つまみ13を回転操作した場合の動作を、主に図4に基づいて説明する。図4(a)に示す中立状態において操作者が手指で回転つまみ13を回転操作すると、ホルダ12内で捩りコイルばね14が押し撓められると共に、駆動部13bが回転つまみ13と一体的に回転してアクチュエータ9を駆動するため、このアクチュエータ9によって所定の膨出部8aが押圧駆動されるようになっている。例えば、図4(b)に示すように回転つまみ13が矢印A方向へ回転操作されると、アクチュエータ9の切欠き9c内の駆動部13bが図示右側の係合部9dを押しながら回転するので、揺動軸部9aを中心にアクチュエータ9が時計回りに揺動回転するのに伴い、図示右側の揺動端部9bが下方の膨出部8aを押し込みながら下降する。その結果、該膨出部8aが弾性的に座屈変形してクリック感を生起すると共に、該膨出部8a内の可動接点18が対応する固定接点7に当接してスイッチオン信号が出力される。回転つまみ13が矢印A方向と逆向きに回転操作された場合の動作も同様であり、この場合は、図4に示す左側の揺動端部9bが下方の膨出部8aを押し込んで座屈変形させることによるスイッチオン信号が出力される。
【0024】
また、図4(b)の状態で回転つまみ13に対する回転操作力が除去された場合には、座屈変形していた膨出部8aが自身の弾性力で元のドーム形状に復帰するため、可動接点18が固定接点7から離れてスイッチオフに切り替わると共に、同図右側の揺動端部9bが膨出部8aに押し上げられてアクチュエータ9が反時計回りに揺動回転する。これに加えて、回転操作時には図6(b)に示すように回転つまみ13が捩りコイルばね14を閉付勢して押し撓めているので、この捩りコイルばね14の弾性反発力が回転つまみ13やアクチュエータ9を元の位置へ復帰させる力として作用する。したがって、回転操作力が除去されると、回転つまみ13とアクチュエータ9は確実にそれぞれの中立位置まで逆回転し、図4(a)に示す中立状態に自動復帰する。
【0025】
なお、回転操作後に操作力が除去されると、アクチュエータ9の揺動端部9bに押し込まれていた膨出部8aの弾性反発力によって回転つまみ13はほぼ中立位置まで自動復帰するので、捩りコイルばね14を省略した構成にすることも可能である。ただし、本実施形態例のように回転操作後の復帰ばねとして捩りコイルばね14を組み込んでおけば、非操作時に回転つまみ13の駆動部13bとアクチュエータ9との間に多少のガタがあっても、回転つまみ13自体は捩りコイルばね14によってガタのない状態に保たれるので、寸法精度を比較的ラフに設定できて部品コストの低減や組立性の向上が図れる。
【0026】
次に、操作キー15を押下操作した場合の動作について説明すると、この操作キー15は対応する膨出部8a上に搭載されているので、押下操作時には該膨出部8aが弾性的に座屈変形してクリック感を生起すると共に、該膨出部8a内の可動接点18が対応する固定接点7に当接してスイッチオン信号が出力される。そして、押下操作力が除去されると、座屈変形していた該膨出部8aが自身の弾性力で元のドーム形状に復帰するため、可動接点18が固定接点7から離れてスイッチオフに切り替わると共に、押下されていた操作キー15が該膨出部8aに押し上げられて元の位置へ自動復帰する。なお、他の操作キー16を押下操作した場合の動作もこれと全く同じなので、その説明は省略する。
【0027】
上記の如く本実施形態例に係るスイッチ装置1は、回転つまみ13に延設した駆動部13bが回転操作時に側方のアクチュエータ9を揺動回転させることによって、アクチュエータ9の揺動端部9bが下方の膨出部8aを押圧駆動するというものであり、アクチュエータ9や該膨出部8aを回転つまみ13の側方に配置させているので、ハウジング19の高さ寸法を抑えた薄型化が容易に図れると共に、アクチュエータ9の形状を適宜選択することで所望の作動力や作動ストロークが得やすくなっている。また、このスイッチ装置1では、回転つまみ13の軸線方向に沿って平行に延びる駆動部13bの先端部を、アクチュエータ9の中央部に設けた切欠き9c内に挿通して、回転つまみ13の回転操作時に駆動部13bがアクチュエータ9の係合部9dに沿って摺動するように設計されているので、駆動部13bの回転運動に伴ってアクチュエータ9を円滑に揺動回転させることができ、常に安定した動作が期待できる。なお、アクチュエータ9の切欠き9cを凹溝状ではなく長孔状に形成してもよい。
【0028】
また、本実施形態例に係るスイッチ装置1は、窓部11aを有する枠状ケース11が一体化された上ケース10と、この上ケース10が取り付けられる下ケース2とによってハウジング19を構成し、アクチュエータ9が下ケース2に揺動可能に支持されていると共に、回転つまみ13が下ケース2に回動可能に支持されているため、組立時には下ケース2内に回路基板6やラバーシート8やアクチュエータ9や回転つまみ13等を全て組み付けることができ、この下ケース2に上ケース10を取り付ければ組立が完了する。したがって、このスイッチ装置1は組立性が良好である。
【0029】
また、本実施形態例に係るスイッチ装置1では、複数箇所に膨出部8aを有するラバーシート8を回路基板6上に載置することによって、各種の操作で選択的に押圧駆動されるスイッチ素子群を構成しているため、外部からハウジング19内へ侵入した塵埃や水分等の異物が接点部に付着して接触不良や短絡事故を誘発する危険性は極めて低く、各スイッチ素子の信頼性が高まっていると共に、部品点数を削減できて組立性も良好となっている。そして、各膨出部8aによって比較的大きな弾性反発力と明瞭なクリック感を生じさせることができるため、操作感触も良好となる。
【0030】
なお、上記実施形態例では、回転つまみ13に他の操作部材(操作キー15,16)が並設されている複合型のスイッチ装置1について例示しているが、操作部材が回転つまみ13だけであってもよく、要は、回転つまみ13と同様に揺動機構を介してスイッチ素子を押圧駆動できる操作部材を備えたスイッチ装置であれば、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態例に係るスイッチ装置の分解斜視図である。
【図2】該スイッチ装置の組立完成品を示す斜視図である。
【図3】該スイッチ装置を装着したステアリングホイールを示す正面図である。
【図4】該スイッチ装置の回転操作時の動作説明図である。
【図5】該スイッチ装置に組み込まれたラバーシートの要部断面図である。
【図6】該スイッチ装置に組み込まれた復帰ばねの動作説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 スイッチ装置
2 下ケース
4 揺動支持部
5 係合段部
6 回路基板
7 固定接点
8 ラバーシート
8a 膨出部
9 アクチュエータ
9a 揺動軸部
9b 揺動端部
9c 切欠き
9d 係合部
10 上ケース
11 枠状ケース
11a 窓部
12 支持壁
13 回転つまみ(操作部材)
13a 回動軸
13b 駆動部
14 捩りコイルばね(復帰ばね)
17 カバー体
18 可動接点
19 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面側に窓部が開設されたハウジングと、このハウジング内に回動可能に保持されて一部が前記窓部に露出する操作部材と、前記ハウジング内の回路基板上に配設されて押圧駆動力に抗する弾性反発力を生起する一対のスイッチ素子と、前記ハウジング内に揺動可能に保持されて一対の揺動端部がそれぞれ前記スイッチ素子上に搭載されたアクチュエータとを備え、
前記アクチュエータを前記操作部材の側方に配置し、前記操作部材の回動軸の一端部に所定の回転半径に設定された駆動部を延設すると共に、この駆動部を前記アクチュエータに摺動可能に係合させ、前記操作部材の回転操作時に前記駆動部が前記アクチュエータを揺動回転させることによって前記スイッチ素子が前記揺動端部に押圧駆動されるように構成したことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記アクチュエータの揺動中央部に前記駆動部が挿通される凹溝状または長孔状の切欠きを形成すると共に、前記駆動部の該挿通部分が前記回動軸の軸線方向と平行に延びていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1または2の記載において、前記ハウジング内で前記操作部材に係合して回転操作時に復帰力を生起する復帰ばねをさらに備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記ハウジングが前記窓部を有する上ケースと該上ケースが取り付けられる下ケースとを具備し、前記アクチュエータが前記下ケースに揺動可能に支持されていると共に、前記操作部材が前記下ケースに回動可能に支持されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項の記載において、前記スイッチ素子が、前記回路基板上に固設された固定接点と、この固定接点の周囲で前記回路基板上に搭載されて弾性的に座屈変形可能なドーム体と、このドーム体の内部に固設されて前記固定接点と接離可能に対向する可動接点とを具備し、前記ドーム体が押圧駆動されて座屈変形することによって前記可動接点が前記固定接点に当接することを特徴とするスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−73263(P2007−73263A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256919(P2005−256919)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】