説明

ステアリングコラム装置

【課題】 剪断ピンを射出成形する有底凹部を取付けブラケットに低コストで成形し、取付けブラケットとカプセルとの間の通電性を確実に確保することができるステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】 有底凹部25の径D1よりも小径(径d)の貫通孔25aを、取付け座21aの上面211側から、小径のパンチ28aで取付け座21aに形成する。次に、有底凹部25と同径のパンチ28bで、取付け座21aの上面211側から、小径の貫通孔25aを拡径しながらプレス加工すると、パンチ28bで押し出した肉が小径の貫通孔25aを塞ぐため、駄肉が生じること無く、有底凹部25を低コストで成形することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用のステアリングコラム装置、特に、導電性のカプセルを介してステアリングコラムを車体に取付けるテアリングコラム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用のステアリングコラム装置では、導電性のカプセルと導電性の取付けブラケットが、合成樹脂の剪断ピンで連結され、衝突時の衝撃で剪断ピンが剪断して、ステアリングコラム装置が車体前方側に移動し、衝突時の衝撃エネルギーを吸収して、運転者の安全を確保するようにしている。
【0003】
また、ステアリングコラム装置では、ステアリングホイールの近傍に設けられたホーンやその他の電気スイッチの接地を行う必要がある。従来のステアリングコラム装置では、上記電気機器の接地線をステアリングシャフトに接続し、ステアリングシャフトからコラム、取付けブラケットの取付け座、カプセル及びカプセル取付けボルトを経て、電気機器が車体に電気的に接続されるようになっている。
【0004】
例えば、図10は従来のステアリングコラム装置のカプセルと取付けブラケットとの連結構造を示す拡大断面図である。図10に示すように、ステアリングシャフトを回転可能に軸支した図示しないコラムに、金属等の導電材料製の取付けブラケット101が固定されている。取付けブラケット101には、コラムの軸心に対して左右両側に、車体に固定するための取付け座101aが形成され、取付け座101aの車体後方側には、車体後方側に開口する切欠き溝102が形成されている。
【0005】
この切欠き溝102には、金属等の導電材料製のカプセル103が嵌め込まれ、取付け座101aに固定されている。カプセル103には、それぞれ上下一対の挟持板103a、103bが一体に形成されており、この上側挟持板103aと下側挟持板103bとの間に、切欠き溝102の両側縁部が挟み込まれている。
【0006】
上側挟持板103aと取付け座101aの対向する位置には、それぞれ貫通孔104、105が同心上に形成され、この貫通孔104、105に合成樹脂を射出成形して、剪断ピン106、106が形成され、この剪断ピン106、106により、カプセル103が取付け座101aに連結されている。
【0007】
コラムは、カプセル103を貫通するボルト108とナット109により車体107に固定され、ステアリングホイールの周囲に配置されたホーン等の電気機器の接地線は、コラム、取付けブラケット101の取付け座101a、カプセル103、ボルト108を介して車体107に接続されている。
【0008】
走行中に車両が衝突して、運転者がステアリングホイールに二次衝突すると、コラムに作用する車体前方側への衝撃荷重によって、剪断ピン106、106が剪断し、取付けブラケット101の取付け座101aがカプセル103から分離して車体前方側に移動し、運転者に作用する衝撃力を緩和する。
【0009】
ところが、図10に示すように、従来のステアリングコラム装置のカプセル103と取付けブラケット101との連結構造では、射出成形された合成樹脂が、取付け座101aの上面1011と上側挟持板103aとの間の隙間、及び、取付け座101aの下面1012と下側挟持板103bとの間の隙間にはみ出し、通電性が失われるという不具合が発生する場合があった。
【0010】
図10の連結構造で、取付け座101aの貫通孔105を、下面1012側が閉じた有底凹部に変更すれば、取付け座101aの下面1012と下側挟持板103bとの間への合成樹脂のはみ出しを無くすことができ、通電性が確保されるため好ましい。しかし、有底凹部のプレス成形は、駄肉が生じるため成形が難しく、切削加工であれば成形は容易であるが、生産性が低下してコストが上昇する問題が生じる。
【0011】
また、特許文献1に開示されたステアリングコラム装置では、取付けブラケットの取付け座に形成された切欠きの凹部の前端とカプセルの前端との間に、弾性変形可能な導電性材料で形成された通電部材を装着することにより、射出成形された合成樹脂がはみ出して通電性が失われても、取付けブラケットとカプセルとの間の通電性を確実に確保している。しかし、特許文献1のステアリングコラム装置では、通電部材及び通電部材を装着するための複雑な構造が必要となり、さらに、組付け工程が複雑になるため、コストが上昇する不具合があった。
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第2522250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、剪断ピンを射出成形する有底凹部を取付けブラケットに低コストで成形し、取付けブラケットとカプセルとの間の通電性を確実に確保することができるステアリングコラム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、上記一対の挟持板のいずれか一方の挟持板に形成された貫通孔、上記取付け座に上記貫通孔に対向する位置に形成された有底凹部、上記貫通孔と有底凹部に合成樹脂を充填することにより形成された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリングコラム装置において、上記有底凹部は、上記有底凹部の径よりも小径の貫通孔を上記取付け座に形成する工程と、上記有底凹部と同径のパンチで上記小径の貫通孔を拡径しながら、該パンチで押し出した肉で上記小径の貫通孔を塞ぐ工程によって成形されていることを特徴とするステアリングコラム装置である。
【0015】
第2番目の発明は、ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、上記一対の挟持板のいずれか一方の挟持板に形成された貫通孔、上記取付け座に上記貫通孔に対向する位置に形成された有底凹部、上記貫通孔と有底凹部に合成樹脂を充填することにより形成された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリングコラム装置において、上記有底凹部は、上記有底凹部と同径のパンチで上記取付け座に有底凹部を形成する工程と、上記取付け座の上記有底凹部形成面と反対側の面に突出した突出肉部を切除する工程によって成形されていることを特徴とするステアリングコラム装置である。
【0016】
第3番目の発明は、第1番目または第2番目のいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記有底凹部は、該有底凹部の開口部の車体前後方向の縁が鋭く形成されていることを特徴とするステアリングコラム装置である。
【0017】
第4番目の発明は、第1番目から第3番目のいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記挟持板の貫通孔の開口部を下向きにし、上記貫通孔の開口部側から上方に向かって合成樹脂を充填することを特徴とするステアリングコラム装置である。
【0018】
第5番目の発明は、第1番目から第4番目のいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記コラムの車体前方側を車体にチルト可能に軸支するチルト軸支部が、コラム側と車体側との通電を不能に軸支していることを特徴とするステアリングコラム装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のステアリングコラム装置によれば、有底凹部を取付けブラケットにプレス加工によって低コストで成形することができ、取付けブラケットの有底凹部形成面と反対側の面とカプセルとの間に合成樹脂がはみ出す恐れが無く、取付けブラケットとカプセルとは電気的に確実に接触し、導通不良となることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明のステアリングコラム装置を示す全体外観図である。図2は図1のP矢視図である。図3は図1のQ矢視図である。図4は図1のA−A断面図である。図5は図2のB−B拡大断面図である。図6は合成樹脂を射出成形する時の姿勢を示す拡大断面図である。
【0021】
図1から図6に示すように、車体後方側(図1の右側)に図示しないステアリングホイールが装着されたステアリングシャフト41が、円筒状のコラム42に回転可能に軸支されている。コラム42は、上部取付けブラケット21のチルト用長溝26に案内されてチルト調整可能であり、チルト操作レバー261の揺動操作で、上部取付けブラケット21にコラム42をクランプ/アンクランプし、アンクランプ時にコラム42のチルト位置の調整を行う。上部取付けブラケット21は車体11に固定されている。
【0022】
コラム42の車体前方側(図1の左側)には、電動アシスト機構(電動パワーステアリング)43のハウジング431が取付けられている。この電動アシスト機構43は、車体11に固定された下部取付けブラケット44に、チルト可能に軸支されている。
【0023】
図4は図1のA−A断面図であり、ハウジング431のチルト構造の詳細を示している。ハウジング431の材質はアルミニウム、下部取付けブラケット44の材質は鉄であって、いずれも導電性があるが、ハウジング431のチルト動作を円滑に行わせるために、軸受の機能を有する樹脂製のブッシュ45、45が、ハウジング431と下部取付けブラケット44との間に挿入されている。
【0024】
すなわち、ブッシュ45、45は、鍔付きの中空円筒状の形状を有し、その外周と側面が、ハウジング431の円筒孔432と、下部取付けブラケット44の側板44a、44aとの間に挿入され、その内周がチルト中心軸46に外嵌して、ハウジング431を下部取付けブラケット44に対して円滑にチルト可能に軸支している。従って、ハウジング431と車体11との間は、樹脂製のブッシュ45、45によって、通電性が失われている。
【0025】
図5は図2のB−B拡大断面図であって、車体11と上部取付けブラケット21との取付け構造の詳細を示す。この取付け構造は、上部取付けブラケット21、上部取付けブラケット21にコラム42の軸心の左右両側に形成された取付け座21a、21a、取付け座21a、21aに形成された切欠き溝23、23、切欠き溝23に嵌め込まれたカプセル24、24から構成され、コラム42の軸心に対して、左右対称構造を有している。
【0026】
上部取付けブラケット21及びコラム42は金属等の導電性材料で構成されており、切欠き溝23、23は、取付け座21a、21aの車体後方側に開口している。切欠き溝23、23には、金属等の導電性材料で構成されたカプセル24、24が嵌め込まれ、カプセル24、24は、各々後述する4本の剪断ピン27によって、取付け座21a、21aに結合されている。また、カプセル24、24は、ボルト30、ナット31によって、車体11に固定されている。
【0027】
カプセル24には、上側挟持板24aと下側挟持板24bが形成され、上側挟持板24aと下側挟持板24bとの間に取付け座21aが挿入される。カプセル24の上側挟持板24aには4個の貫通孔22が形成され、取付け座21aには、この貫通孔22に対向する位置に4個の有底凹部25が形成されている。
【0028】
図7は、取付け座21aに有底凹部25をプレス加工する工程を示す説明図である。最初に、図7(1)に示すように、有底凹部25の径D1よりも小径(径d)の貫通孔25aを4個、取付け座21aの上面211側から、小径のパンチ28aで取付け座21aに形成する。次に、図7(2)に示すように、有底凹部25と同径のパンチ28bで、取付け座21aの上面211側から、小径の貫通孔25aを拡径しながらプレス加工すると、パンチ28bで押し出した肉が小径の貫通孔25aを塞ぐため、駄肉が生じること無く、有底凹部25を低コストで成形することができる。
【0029】
図7(3)は図7(2)の他の実施形態を示す。図7(1)の工程の後で、図7(3)に示すように、有底凹部25と同径のパンチ28bで、取付け座21aの上面211側から、小径の貫通孔25aを拡径しながらプレス加工すると同時に、取付け座21aの下面212側から、有底凹部25とは異なる径D2のパンチ28cでプレス加工する。すると、パンチ28b、28cで押し出した肉が小径の貫通孔25aを塞ぐため、駄肉が生じること無く、有底凹部25を低コストで成形することができる。パンチ28cの径D2は、下面212側の有底凹部25bから押し出す体積と、上面211側の有底凹部25から押し出す体積の合計が、小径の貫通孔25aを丁度塞ぐ体積と一致するような寸法を選択すればよい。
【0030】
図8は、取付け座21aに有底凹部25をプレス加工する工程の他の実施形態を示す説明図である。最初に、図8(1)に示すように、有底凹部25と同径のパンチ28bで、取付け座21aの上面211側から、有底凹部25をプレス加工する。次に、図8(2)に示すように、取付け座21aの下面212側に突出した突出肉部25cをプレス加工で切除すれば、駄肉が生じること無く、有底凹部25を低コストで成形することができる。
【0031】
上記した工程で取付け座21aに4個の有底凹部25をプレス加工した後、上側挟持板24aと下側挟持板24bとの間に取付け座21aを挿入し、上側挟持板24aの4個の貫通孔22に対向する位置に、4個の有底凹部25が各々来るように位置決めする。次に、図6に示すように、上側挟持板24aが下側を向くように上部取付けブラケット21の姿勢を決め、4個の貫通孔22の開口部から合成樹脂を射出成形して、貫通孔22と有底凹部25に合成樹脂を充填し、4個の剪断ピン27を形成する。
【0032】
この時、射出成形された合成樹脂は、上側挟持板24aの内側面と取付け座21aの上面211との間に隙間があるときは、その隙間にははみ出すが、下側挟持板24bの内側面と取付け座21aの下面212との間にはみ出す恐れはない。また、上側挟持板24aが下側を向くようにし、合成樹脂を重力に抗して上向きに射出成形するため、切欠き溝23とカプセル24との間の隙間に合成樹脂がはみ出す恐れもなくなる。
【0033】
そして、上側挟持板24aの内側面と取付け座21aの上面211との間への合成樹脂のはみ出しは、上部取付けブラケット21を下側挟持板24bに押圧するように作用するので、取付け座21aの下面212と下側挟持板24bとの電気的導通をより確実にする。
【0034】
図9は、上部取付けブラケット21の取付け座21aに形成する有底凹部の他の実施形態を示し、(1)は図2のC−C拡大断面図、(2)は図2のB−B拡大断面図相当である。図9に示す有底凹部29は、図9(1)に示すように、その開口部の車体前後方向の縁29a、29bが鋭く形成されているため、車両衝突時に車体前方側(図9の矢印R方向)への衝撃力が作用した時に、剪断ピン27の剪断が円滑に行われ易くなる。
【0035】
また、図9(2)に示すように、有底凹部29は、その開口部の車体左右方向はなだらかな部分球面形に形成されているため、射出成形時の合成樹脂の余肉を、上側挟持板24aの内側面と取付け座21aの上面211との間の隙間へ円滑に導き、剪断ピン27の射出成形を円滑に行うことが可能となる。
【0036】
上記実施形態で、有底凹部25、29、及び、小径の貫通孔25aの断面形状は、円形に限らず、三角形、矩形、多角形等種々の形状を採用することができる。また、上記実施形態では、チルト位置調整可能なステアリングコラム装置に本発明を適用した例について説明したが、テレスコピック式のステアリングコラム装置や、チルト/テレスコピック式のステアリングコラム装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のステアリングコラム装置を示す全体外観図である。
【図2】図1のP矢視図である。
【図3】図1のQ矢視図である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】図2のB−B拡大断面図である。
【図6】合成樹脂を射出成形する時の姿勢を示す拡大断面図である。
【図7】上部取付けブラケットに有底凹部をプレス加工する工程を示す説明図である。
【図8】上部取付けブラケットに有底凹部をプレス加工する工程の他の実施形態を示す説明図である。
【図9】上部取付けブラケットに形成する有底凹部の他の実施形態を示し、(1)は図2のC−C拡大断面図、(2)は図2のB−B拡大断面図相当である。
【図10】従来の取付けブラケットとカプセルとの結合構造を示し、図2のB−B拡大断面図相当である。
【符号の説明】
【0038】
101 取付けブラケット
101a 折り付け座
1011 上面
1012 下面
102 切欠き溝
103 カプセル
103a 上側挟持板
103b 下側挟持板
104、105 貫通孔
106 剪断ピン
107 車体
108 ボルト
109 ナット
11 車体
21 上部取付けブラケット
211 上面
212 下面
21a 取付け座
22 貫通孔
23 切欠き溝
24カプセル
24a 上側挟持板
24b 下側挟持板
25 有底凹部
25a 小径の貫通孔
25b 有底凹部
25c 突出肉部
26 チルト用長溝
261 チルト操作レバー
27 剪断ピン
28a、28b、28c パンチ
29 有底凹部
29a、29b 縁
30 ボルト
31 ナット
41 ステアリングシャフト
42 コラム
43 電動アシスト機構
431 ハウジング
432 円筒孔
44 下部取付けブラケット
44a 側板
45 ブッシュ
46 チルト中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、
上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、
上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、
上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、
上記一対の挟持板のいずれか一方の挟持板に形成された貫通孔、
上記取付け座に上記貫通孔に対向する位置に形成された有底凹部、
上記貫通孔と有底凹部に合成樹脂を充填することにより形成された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリングコラム装置において、
上記有底凹部は、
上記有底凹部の径よりも小径の貫通孔を上記取付け座に形成する工程と、
上記有底凹部と同径のパンチで上記小径の貫通孔を拡径しながら、該パンチで押し出した肉で上記小径の貫通孔を塞ぐ工程によって成形されていること
を特徴とするステアリングコラム装置。
【請求項2】
ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、
上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、
上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、
上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、
上記一対の挟持板のいずれか一方の挟持板に形成された貫通孔、
上記取付け座に上記貫通孔に対向する位置に形成された有底凹部、
上記貫通孔と有底凹部に合成樹脂を充填することにより形成された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリングコラム装置において、
上記有底凹部は、
上記有底凹部と同径のパンチで上記取付け座に有底凹部を形成する工程と、
上記取付け座の上記有底凹部形成面と反対側の面に突出した突出肉部を切除する工程によって成形されていること
を特徴とするステアリングコラム装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、
上記有底凹部は、
該有底凹部の開口部の車体前後方向の縁が鋭く形成されていること
を特徴とするステアリングコラム装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、
上記挟持板の貫通孔の開口部を下向きにし、上記貫通孔の開口部側から上方に向かって合成樹脂を充填すること
を特徴とするステアリングコラム装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、
上記コラムの車体前方側を車体にチルト可能に軸支するチルト軸支部が、コラム側と車体側との通電を不能に軸支していること
を特徴とするステアリングコラム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−321363(P2006−321363A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146520(P2005−146520)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】