説明

ステアリング装置

【課題】 組付けが簡単で、取付けブラケットの取付け座とカプセルとの間に樹脂がはみ出しても、取付けブラケットとカプセルとの間の通電性を確実に確保することができるステアリング装置を提供する。
【解決手段】 射出成形する樹脂として、樹脂に導電性充填材(導電性フィラー)を混合した導電性樹脂を使用する。ステアリングホイールの周囲の電気機器の接地線は、コラム42、上部取付けブラケット21の取付け座21aから、導電性樹脂で成形された剪断ピン27とカプセル24の両方に接続され、このカプセル24と接触する車体11に接続される。射出成形された導電性樹脂が、カプセル24と取付け座21aとの間の隙間にはみ出しても、剪断ピン27自体が通電性を有しているため、取付け座21aから剪断ピン27を介してカプセル24に通電させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用のステアリング装置、特に、導電性のカプセルを介してステアリングコラムを車体に取付けるテアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用のステアリング装置では、導電性のカプセルと導電性の取付けブラケットが、合成樹脂の剪断ピンで連結され、衝突時の衝撃で剪断ピンが剪断して、ステアリング装置が車体前方側に移動し、衝突時の衝撃エネルギーを吸収して、運転者の安全を確保するようにしている。
【0003】
また、ステアリング装置では、ステアリングホイールの近傍に設けられたホーンやその他の電気スイッチの接地を行う必要がある。従来のステアリング装置では、上記電気機器の接地線をステアリングシャフトに接続し、ステアリングシャフトからコラム、取付けブラケットの取付け座、カプセル及びカプセル取付けボルトを経て、電気機器が車体に電気的に接続されるようになっている。
【0004】
しかし、従来のステアリング装置のカプセルと取付けブラケットとの連結構造では、射出成形された合成樹脂が、取付けブラケットの取付け座の上面とカプセルの上側挟持板との間の隙間、及び、取付けブラケットの取付け座の下面とカプセルの下側挟持板との間の隙間にはみ出し、通電性が失われるという不具合が発生する場合があった。
【0005】
本出願人の先願である特願2003−298557号のステアリング装置では、取付け座の貫通孔を、下面側が閉じた有底凹部にすることにより、取付け座の下面と下側挟持板との間への合成樹脂のはみ出しを無くて、通電性を確保している。しかし、取付け座への有底凹部のプレス成形は、駄肉が生じるため成形が難しく、切削加工であれば成形は容易であるが、生産性が低下してコストが上昇する問題が生じる。
【0006】
また、特許文献1に開示されたステアリング装置、及び、本出願人の先願である特願2003−298423号のステアリング装置では、取付けブラケットの取付け座に形成された切欠きの凹部の前端とカプセルの前端との間に、弾性変形可能な導電性材料で形成された通電部材を装着している。これによって、射出成形された合成樹脂がはみ出して通電性が失われても、取付けブラケットとカプセルとの間の通電性を確保している。しかし、特許文献1及び特願2003−298423号のステアリング装置では、通電部材及び通電部材を装着するための複雑な構造が必要となり、さらに、組付け工程が複雑になるため、コストが上昇する不具合があった。
【0007】
【特許文献1】実開平6−75922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、組付け工程が簡単で、取付けブラケットの取付け座とカプセルとの間に樹脂がはみ出しても、取付けブラケットとカプセルとの間の通電性を確実に確保することができるステアリング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、上記カプセルの挟持板に形成された第1の貫通孔、上記取付け座に上記第1の貫通孔に対向する位置に形成された第2の貫通孔、上記第1の貫通孔と第2の貫通孔に樹脂を注入することにより成形された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリング装置において、上記剪断ピンは、樹脂に導電性充填材を混合した導電性樹脂によって成形されていることを特徴とするステアリング装置である。
【0010】
第2番目の発明は、ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、上記カプセルの挟持板に形成された第1の貫通孔、上記取付け座に上記第1の貫通孔に対向する位置に形成された第2の貫通孔、上記第1の貫通孔と第2の貫通孔に樹脂を注入することにより成形された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリング装置において、上記剪断ピンの外周、または、上記カプセルと取付け座との間の隙間のうちの少なくとも一方に、導電性充填材を添加した導電性塗料、または導電性充填材を添加した導電性接着剤を塗布したことを特徴とするステアリング装置である。
【0011】
第3番目の発明は、ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、上記カプセルの挟持板に形成された第1の貫通孔、上記取付け座に上記第1の貫通孔に対向する位置に形成された第2の貫通孔、上記第1の貫通孔と第2の貫通孔に樹脂を注入することにより成形された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリング装置において、上記剪断ピンの外周、または、上記カプセルと取付け座との間の隙間のうちの少なくとも一方に通電液を塗布したことを特徴とするステアリング装置である。
【0012】
第4番目の発明は、第1番目または第2番目のいずれかの発明のステアリング装置において、上記導電性充填材が、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレス、酸化錫、カーボンのうちのいずれか一つまたは複数であることを特徴とするステアリング装置である。
【0013】
第5番目の発明は、第2番目の発明のステアリング装置において、上記導電性接着剤は、エポキシ樹脂、ポリイミド、シアノアクリレート、シリコーン、ポリエステルに導電性充填材を添加したものであることを特徴とするステアリング装置である。
【0014】
第6番目の発明は、第3番目の発明のステアリング装置において、上記通電液は界面活性剤であることを特徴とするステアリング装置である。
【0015】
第7番目の発明は、第1番目から第6番目までのいずれかの発明のステアリング装置において、上記コラムの車体前方側を車体にチルト可能に軸支するチルト軸支部が、コラム側と車体側との通電を不能に軸支していることを特徴とするステアリング装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のステアリング装置によれば、剪断ピンを導電性樹脂によって成形し、または、剪断ピンの外周、カプセルと取付け座との間の隙間のうちの少なくとも一方に、導電性塗料、導電性接着剤、または通電液を塗布している。従って、組付けが簡単で、取付けブラケットの取付け座とカプセルとの間に樹脂がはみ出しても、取付けブラケットとカプセルとは導電性樹脂、導電性塗料、導電性接着剤、または通電液を介して電気的に接触し、導通状態を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明のステアリング装置を示す全体外観図である。図2は図1のP矢視図である。図3は図1のQ矢視図である。図4は図1のA−A断面図である。図5は図2のB−B拡大断面図である。
【0018】
図1から図5に示すように、車体後方側(図1の右側)に図示しないステアリングホイールが装着されたステアリングシャフト41が、円筒状のコラム42に回転可能に軸支されている。コラム42は、上部取付けブラケット(取付けブラケット)21のチルト用長溝26に案内されてチルト調整可能であり、チルト操作レバー261の揺動操作で、上部取付けブラケット21にコラム42をクランプ/アンクランプし、アンクランプ時にコラム42のチルト位置の調整を行う。上部取付けブラケット21は車体11に固定されている。
【0019】
コラム42の車体前方側(図1の左側)には、電動アシスト機構(電動パワーステアリング)43のハウジング431が取付けられている。この電動アシスト機構43は、車体11に固定された下部取付けブラケット44に、チルト可能に軸支されている。
【0020】
図4は図1のA−A断面図であり、ハウジング431のチルト構造の詳細を示している。ハウジング431の材質はアルミニウム、下部取付けブラケット44の材質は鉄であって、いずれも導電性があるが、ハウジング431のチルト動作を円滑に行わせるために、軸受の機能を有する樹脂製のブッシュ45、45が、ハウジング431と下部取付けブラケット44との間に挿入されている。
【0021】
すなわち、ブッシュ45、45は、鍔付きの中空円筒状の形状を有し、その外周と側面が、ハウジング431の円筒孔432と、下部取付けブラケット44の側板44a、44aとの間に挿入され、その内周がチルト中心軸46に外嵌して、ハウジング431を下部取付けブラケット44に対して円滑にチルト可能に軸支している。従って、ハウジング431と車体11との間は、樹脂製のブッシュ45、45によって、通電性が失われている。
【0022】
図5は図2のB−B拡大断面図であって、車体11と上部取付けブラケット21との取付け構造の詳細を示す。この取付け構造は、上部取付けブラケット21、上部取付けブラケット21にコラム42の軸心の左右両側に形成された取付け座21a、21a、取付け座21a、21aに形成された切欠き溝23、23、切欠き溝23に嵌め込まれたカプセル24、24から構成され、コラム42の軸心に対して、左右対称構造を有している。
【0023】
上部取付けブラケット21及びコラム42は金属等の導電性材料で構成されており、切欠き溝23、23は、取付け座21a、21aの車体後方側に開口している。切欠き溝23、23には、金属等の導電性材料で構成されたカプセル24、24が嵌め込まれ、カプセル24、24は、各々後述する4本の剪断ピン27によって、取付け座21a、21aに結合されている。また、カプセル24、24は、ボルト30、ナット31によって、車体11に固定されている。
【0024】
カプセル24には、上側挟持板24aと下側挟持板24bが形成され、上側挟持板24aと下側挟持板24bとの間に取付け座21aが挿入される。カプセル24の上側挟持板24aには4個の貫通孔(第1の貫通孔)22が形成され、取付け座21aには、この貫通孔22に対向する同心上の位置に、4個の貫通孔(第2の貫通孔)25が形成されている。
【0025】
この貫通孔22、25に樹脂を射出成形して、剪断ピン27、27が形成され、この剪断ピン27、27により、カプセル24が取付け座21a、21aに連結されている。
【0026】
本発明の第1の実施形態では、この射出成形する樹脂として、樹脂に導電性充填材(導電性フィラー)を混合した導電性樹脂を使用する。ここで用いられる樹脂材料は、特に限定されるものではなく、公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂である。導電性充填材としては、金属材料、炭素材料、金属材料がコートされた有機材料、金属材料がコートされた無機材料、炭素がコートされた無機材料、黒鉛がコートされた無機材料のうちの少なくとも1種類、または、2種類以上のものの混合物が好ましい。
【0027】
金属材料としては、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレス、酸化錫等がある。炭素材料としては、フェノール樹脂、レーヨン等の炭素前駆体を焼成して得られる炭素、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等がある。
【0028】
金属材料がコートされた有機材料としては、ニッケルコートされた樹脂がある。金属材料がコートされた無機材料としては、ニッケルコートマイカ、銀コートガラス、アルミコートガラス、ニッケルメッキガラス、ニッケルメッキ炭素等がある。
【0029】
炭素がコートされた無機材料としては、炭素がコートされたチタン酸カリウムがある。黒鉛がコートされた無機材料としては、黒鉛がコートされたチタン酸カリウムがある。これらの導電性充填材の形状としては、粒状、フレーク状、ウイスカー状、繊維状等各種の形状があり、形状が特に限定されるものではない。
【0030】
樹脂材料と導電性充填材の具体的な組み合わせの一例として、ポリアセタール樹脂を母材とし、導電性充填材としてカーボン粉末を5重量%、カーボン繊維を20重量%充填して形成した導電性樹脂がある。この導電性樹脂は、カーボン粉末によってカーボン繊維間が導通されて、優れた伝導性を有すると共に、カーボン繊維によって、強度と良好な寸法精度とが付与される。
【0031】
また、樹脂材料と導電性充填材の具体的な組み合わせの他の例として、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を母材とし、ガラス繊維を20重量%、導電性充填材としてカーボン粉末を2重量%、チタン酸カリウムを主成分とする導電性ウイスカーを13重量%充填して形成した導電性樹脂がある。この導電性樹脂は、導電性ウイスカーの繊維径が小さく繊維長が短いため、母材内に良好に分散して、優れた伝導性を有すると共に、ガラス繊維によって、強度と良好な寸法精度とが付与される。
【0032】
コラムは、カプセル24を貫通するボルト30とナット31により車体11に固定されている。ステアリングホイールの周囲に配置されたホーン等の電気機器の接地線は、コラム42、上部取付けブラケット21の取付け座21aから、導電性樹脂で成形された剪断ピン27を介してカプセル24に接続される。また、カプセル24と取付け座21aとの接触によりカプセル24に接続する経路によっても接続され、このカプセル24と接触する車体11に接続されている。
【0033】
従って、射出成形された導電性樹脂が、取付け座21aの上面211と上側挟持板24aとの間の隙間、及び、取付け座21aの下面212と下側挟持板24bとの間の隙間にはみ出して、はみ出し部27a、27bが形成され、取付け座21aとカプセル24との間の直接的な接触による通電性が失われても、剪断ピン27自体が通電性を有しているため、取付け座21aから剪断ピン27を介してカプセル24に通電させることができる。
【0034】
本発明の第2の実施形態では、この樹脂を射出成形して形成された剪断ピン27の外周、剪断ピン27のはみ出し部27a、27bの外周、カプセル24と取付け座21aとの間の隙間(取付け座21aの上面211と上側挟持板24aとの間の隙間、取付け座21aの下面212と下側挟持板24bとの間の隙間、取付け座21aの切欠き溝23とカプセル24の溝嵌合部24cとの間の隙間)のうちの少なくとも一箇所に、導電性充填材(導電性フィラー)を添加した導電性塗料を、エアースプレーで塗布する。
【0035】
導電性充填材としては、上記第1の実施形態で記述した導電性充填材のうちの少なくとも1種類、または、2種類以上のものの混合物が好ましい。
【0036】
第2の実施形態では、ステアリングホイールの周囲に配置されたホーン等の電気機器の接地線は、コラム42、上部取付けブラケット21の取付け座21aから、導電性塗料が塗布された剪断ピン27を介してカプセル24に接続される。また、カプセル24と取付け座21aとの間の隙間に塗布された導電性塗料を介して、取付け座21aからカプセル24にも接続され、このカプセル24と接触する車体11に接続されている。
【0037】
従って、射出成形された樹脂が、取付け座21aの上面211と上側挟持板24aとの間の隙間、及び、取付け座21aの下面212と下側挟持板24bとの間の隙間にはみ出して、はみ出し部27a、27bが形成されても、剪断ピン27に塗布された導電性塗料、または、カプセル24と取付け座21aとの間の隙間に塗布された導電性塗料を介して、カプセル24に通電させることができる。
【0038】
本発明の第3の実施形態では、この樹脂を射出成形して形成された剪断ピン27の外周、剪断ピン27のはみ出し部27a、27bの外周、カプセル24と取付け座21aとの間の隙間(取付け座21aの上面211と上側挟持板24aとの間の隙間、取付け座21aの下面212と下側挟持板24bとの間の隙間、取付け座21aの切欠き溝23とカプセル24の溝嵌合部24cとの間の隙間)のうちの少なくとも一箇所に、導電性充填材(導電性フィラー)を添加した導電性接着剤を塗布する。
【0039】
この導電性接着剤は、エポキシ樹脂、ポリイミド、シアノアクリレート、シリコーン、ポリエステルに導電性充填材を添加したものである。導電性充填材としては、上記第1の実施形態で記述した導電性充填材のうちの少なくとも1種類、または、2種類以上のものの混合物が好ましい。
【0040】
従って、第3の実施形態では、射出成形された樹脂が、取付け座21aの上面211と上側挟持板24aとの間の隙間、及び、取付け座21aの下面212と下側挟持板24bとの間の隙間にはみ出して、はみ出し部27a、27bが形成されても、剪断ピン27に塗布された導電性接着剤、または、カプセル24と取付け座21aとの間の隙間に塗布された導電性接着剤を介して、カプセル24に通電させることができる。
【0041】
本発明の第4の実施形態では、この樹脂を射出成形して形成された剪断ピン27の外周、剪断ピン27のはみ出し部27a、27bの外周、カプセル24と取付け座21aとの間の隙間(取付け座21aの上面211と上側挟持板24aとの間の隙間、取付け座21aの下面212と下側挟持板24bとの間の隙間、取付け座21aの切欠き溝23とカプセル24の溝嵌合部24cとの間の隙間)のうちの少なくとも一箇所に、通電液を塗布する。
【0042】
この通電液は、界面活性剤を使用し、速乾性の溶剤によって、通電液を塗布した表面に空気中の水分を付着させることで電気抵抗を下げる働きを行う。
【0043】
従って、第4の実施形態においても、射出成形された樹脂が、取付け座21aの上面211と上側挟持板24aとの間の隙間、及び、取付け座21aの下面212と下側挟持板24bとの間の隙間にはみ出して、はみ出し部27a、27bが形成されても、剪断ピン27に塗布された通電液、または、カプセル24と取付け座21aとの間の隙間に塗布された通電液を介して、カプセル24に通電させることができる。
【0044】
上記実施形態では、チルト位置調整可能なステアリング装置に本発明を適用した例について説明したが、テレスコピック式のステアリング装置や、チルト/テレスコピック式のステアリング装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のステアリング装置を示す全体外観図である。
【図2】図1のP矢視図である。
【図3】図1のQ矢視図である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】図2のB−B拡大断面図である。
【符号の説明】
【0046】
11 車体
21 上部取付けブラケット
211 上面
212 下面
21a 取付け座
22 貫通孔
23 切欠き溝
24カプセル
24a 上側挟持板
24b 下側挟持板
24c 溝嵌合部
25 貫通孔
26 チルト用長溝
261 チルト操作レバー
27 剪断ピン
27a、27b はみ出し部
30 ボルト
31 ナット
41 ステアリングシャフト
42 コラム
43 電動アシスト機構
431 ハウジング
432 円筒孔
44 下部取付けブラケット
44a 側板
45 ブッシュ
46 チルト中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、
上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、
上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、
上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、
上記カプセルの挟持板に形成された第1の貫通孔、
上記取付け座に上記第1の貫通孔に対向する位置に形成された第2の貫通孔、
上記第1の貫通孔と第2の貫通孔に樹脂を注入することにより成形された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリング装置において、
上記剪断ピンは、
樹脂に導電性充填材を混合した導電性樹脂によって成形されていること
を特徴とするステアリング装置。
【請求項2】
ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、
上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、
上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、
上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、
上記カプセルの挟持板に形成された第1の貫通孔、
上記取付け座に上記第1の貫通孔に対向する位置に形成された第2の貫通孔、
上記第1の貫通孔と第2の貫通孔に樹脂を注入することにより成形された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリング装置において、
上記剪断ピンの外周、または、上記カプセルと取付け座との間の隙間のうちの少なくとも一方に、導電性充填材を添加した導電性塗料、または導電性充填材を添加した導電性接着剤を塗布したこと
を特徴とするステアリング装置。
【請求項3】
ステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、
上記コラムに取付けられた導電材料製の取付けブラケット、
上記取付けブラケットの左右両側の取付け座に形成され、車体後方側が開放された切欠き溝、
上記切欠き溝の左右両側縁部を挟持する上下一対の挟持板を有し、車体に固定可能な導電材料製のカプセル、
上記カプセルの挟持板に形成された第1の貫通孔、
上記取付け座に上記第1の貫通孔に対向する位置に形成された第2の貫通孔、
上記第1の貫通孔と第2の貫通孔に樹脂を注入することにより成形された剪断ピンによって、上記カプセルと取付け座を連結するステアリング装置において、
上記剪断ピンの外周、または、上記カプセルと取付け座との間の隙間のうちの少なくとも一方に通電液を塗布したこと
を特徴とするステアリング装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2のいずれかに記載されたステアリング装置において、
上記導電性充填材が、
銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレス、酸化錫、カーボンのうちのいずれか一つまたは複数であること
を特徴とするステアリング装置。
【請求項5】
請求項2に記載されたステアリング装置において、
上記導電性接着剤は、エポキシ樹脂、ポリイミド、シアノアクリレート、シリコーン、ポリエステルに導電性充填材を添加したものであること
を特徴とするステアリング装置。
【請求項6】
請求項3に記載されたステアリング装置において、
上記通電液は界面活性剤であること
を特徴とするステアリング装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載されたステアリング装置において、
上記コラムの車体前方側を車体にチルト可能に軸支するチルト軸支部が、コラム側と車体側との通電を不能に軸支していること
を特徴とするステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−321362(P2006−321362A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146512(P2005−146512)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】