説明

ステレオマッチング処理装置、ステレオマッチング処理方法およびプログラム

【課題】ステレオマッチング処理の速度と精度を向上する。
【解決手段】画像データ入力部10は、複数の異なる位置から所定の領域を撮影した複数の画像の画像データを取得する。基準視差設定部12は、複数の画像に対応して基準の視差を設定する。探索範囲設定部13は、基準視差設定部12で設定された基準の視差を与える画像の点を基準に、画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する。ステレオマッチング部11は、複数の画像の一つの画像内の任意の点について、基準視差設定部12で設定された基準の視差を与える他の画像の点を基準に、探索範囲設定部13で設定された探索範囲で、他の画像の対応する点を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオマッチング処理装置、ステレオマッチング処理方法およびプログラムに関する。より詳しくは、ステレオ画像から3次元データを自動生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステレオ画像から3次元データを自動生成する方法として、人工衛星や航空機等から得られる画像を基に、地形を示す3次元データ[DSM(Digital Surface Model)データ]をステレオマッチングによって生成する方法が広く行われている。ここで、ステレオマッチング処理とは異なる視点から撮影した2枚の画像、いわゆるステレオ画像について、同一の点を撮像している各画像中の対応点を求め、その視差を用いて三角測量の原理によって対象までの奥行きや形状を求めることである。
【0003】
このステレオマッチング処理については既に様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1には、一般的に広く用いられている面積相関法を用いる手法が開示されている。この面積相関法は左画像中に相関窓を設定してこれをテンプレートとし、右画像中の探索窓を動かしてテンプレートとの相互相関係数を算出し、これを一致度とみなして高いものを探索することによって対応点を得る方法である。
【0004】
上記の方法においては処理量を軽減するために、探索窓の移動範囲を画像中のエピポーラ線方向に限定することによって、左画像中の各点について、対応する右画像中の点のx方向の位置ずれ量、すなわち視差を得ることができる。ここで、エピポーラ線とはステレオ画像において片方の画像中のある点について、他方の画像中で当該点に対応する点の存在範囲として引くことができる直線である。エピポーラ線については、「画像解析ハンドブック」(高木幹夫・下田陽久監修、東京大学出版会刊、1991年1月、頁597−599)に記載されている。
【0005】
通常、エピポーラ線方向は画像の走査線方向とは異なるが、座標変換を行うことで、エピポーラ線方向を画像の走査線方向に一致させ、再配列を行うことができる。この座標変換の方法については上記の「画像解析ハンドブック」に記載されている。上記のような再配列を行ったステレオ画像においては、対応点の探索窓の移動範囲を走査線上に限定することができるため、視差は左右画像中の対応点同士のx座標の差として得られる。
【0006】
ステレオ画像にはそれぞれ、物体の影になる部分(オクルージョン領域)が発生する。このオクルージョン領域にステレオマッチングの対応を与えないことによって、正確な対応を与えるマッチング方式が提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
また、特許文献3には、衛星ステレオ画像や航空ステレオ画像からオペレータを介さずに自動的に複雑な対象に対して3次元データが得られるステレオ画像処理装置の技術が記載されている。特許文献3の技術では、ステレオ処理手段によって得られた3次元データ中の雑音や欠損等の誤ったデータを、地図データ蓄積手段の地図データから得られる建造物等の外形情報を用いて自動的に補正する。地図データ蓄積手段はDSMデータ自動補正手段に対して建造物の外形等の地図データを提供する。
【0008】
【特許文献1】特開平3−167678号公報
【特許文献2】特開平4−299474号公報
【特許文献3】特開2002−157576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ステレオマッチング処理を行う1組の画像で、一方の画像内のある点について、他方の画像の対応する点を探索するときに、画像の走査線(エピポーラ線)全体に亘って探索するのでは、処理に時間がかかり、また、ミスマッチングの確率が増加する。
【0010】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、ステレオマッチング処理の速度と精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係るステレオマッチング処理装置は、
複数の異なる位置から所定の領域を撮影した複数の画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記複数の画像に対応して基準の視差を設定する基準視差設定手段と、
前記基準視差設定手段で設定された基準の視差を与える画像の点を基準に、前記画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する探索範囲設定手段と、
前記複数の画像の一つの画像内の任意の点について、前記基準視差設定手段で設定された基準の視差を与える他の画像の点を基準に、前記探索範囲設定手段で設定された探索範囲で前記他の画像の対応する点を探索する探索手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の観点に係るステレオマッチング処理方法は、
複数の異なる位置から所定の領域を撮影した複数の画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記複数の画像に対応して基準の視差を設定する基準視差設定ステップと、
前記基準視差設定ステップで設定された基準の視差を与える画像の点を基準に、前記画像データの範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する探索範囲設定ステップと、
前記複数の画像の一つの画像内の任意の点について、前記基準視差設定ステップで設定された基準の視差を与える他の画像の点を基準に、前記探索範囲設定ステップで設定された探索範囲で前記他の画像の対応する点を探索する探索ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
複数の異なる位置から所定の領域を撮影した複数の画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記複数の画像に対応して基準の視差を設定する基準視差設定手段と、
前記基準視差設定手段で設定された基準の視差を与える画像の点を基準に、前記画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する探索範囲設定手段と、
前記複数の画像の一つの画像内の任意の点について、前記基準視差設定手段で設定された基準の視差を与える他の画像の点を基準に、前記探索範囲設定手段で設定された探索範囲で前記他の画像の対応する点を探索する探索手段
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ステレオ画像から3次元データを自動生成する方法においてステレオマッチング処理の速度と精度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るステレオ画像処理装置の構成例を示すブロック図である。ステレオ画像処理装置1は、画像データ入力部10、ステレオマッチング部11、基準視差設定部12および探索範囲設定部13を備える。ステレオ画像処理装置1は、高さ計算部2に接続される。
【0017】
画像データ入力部10は、画像データを入力する機能を有し、ステレオマッチング処理に使用する複数の画像データを入力する。画像データは、例えば、デジタル画像に変換された航空写真の画像である。画像データには、画像を撮影した位置、撮影した方向、画角などが含まれる。
【0018】
図2は、画像データに変換される航空写真の一例を模式的に示す。図2に示される航空写真は、上空を飛行する航空機から連続撮影された、航空写真101Aと航空写真101Bから構成される。航空写真101Aと航空写真101Bとは、航空機の進行方向について60%オーバーラップして撮影されたものである。オーバーラップ部分は、異なる位置から同じ領域を撮影した画像である。
【0019】
本実施例における画像は、航空写真101A、航空写真101Bを一例とする航空写真がデジタル変換されて生成された画像である。本発明に用いる画像は、航空画像に限定されるものではなく、デジタル化された衛星写真による画像や、一般的なデジタルカメラで撮影したデジタル画像や、一般的なアナログカメラで撮影したアナログ写真をスキャニングでデジタル化したデジタル画像などであってもよい。
【0020】
図1のステレオマッチング部11は、異なる位置から同じ領域を撮影した複数の画像データに対して、同じ地点を写す画像内の位置を検出する。すなわち、複数の画像の同じ地点に対応する点の組を検出する。同じ地点に対応する点の組は、通常2つの画像の中で、対応する付近の小領域の画像相関をとり、相関係数が最大となる位置から検出される。
【0021】
なお、ステレオマッチング処理を行うための手法には、一般的な特徴量を求めて対応付けるものや、左右画像の相関を求めるものなど、様々なものが存在するが、本実施例におけるステレオマッチング処理に使用される手法に制限はない。例えば、特公平8−16930に記載のステレオマッチング処理を使用してもよい。
【0022】
高さ計算部2は、ステレオマッチング処理によって得られた対応する点の視差から、三角測量の原理によって、DSMデータを生成する。例えば、一組の航空写真101A、航空写真101B間では、対応する地物の位置が、所定の位置ずれ(視差)を生じているので、ステレオマッチング処理は、この位置ずれを計測することにより、標高値を含む地物の表層の高さ、および水平方向の座標、すなわち3次元データを求める。
【0023】
図3は、実世界の地上の状態の一例を示す模式図である。図3は、実世界の一部の断面を示したものであり、起伏のある地形の上に地物が存在する。
【0024】
図4は、図3に示す実世界の一部を撮影した画像から、ステレオマッチング処理により生成したDSMデータを示す模式図である。DSMデータは、最表面の高さデータを表すため、屋根等で隠された地表面については、標高値を含む屋根の高さを表す。
【0025】
図1の基準視差設定部12は、2つの画像で対応する点を探索する基準の視差を与える視差を設定する。例えば、実空間におけるステレオマッチングで探索すべき範囲の基準の高さを与える視差を基準に設定する。探索範囲設定部13は、基準視差設定部12で設定された基準の視差を与える画像の点を基準に、ステレオマッチング部11で対応する点を探索する範囲を設定する。通常は、画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲として設定する。
【0026】
図4は、基準標高と探索範囲に対応する高さを概念的に示す。例えば、図3のような起伏のある地表について、航空機の高度の原点の高さGから所定の高さHの線SLで表される面を基準の標高とする。そして、線SLの面を基準にして、線BLから線ULの間の範囲を実空間における探索範囲に相当する高さSHとする。
【0027】
図5は、探索範囲を説明する探索平面を示す。図5は、航空写真101Aを変換した画像の走査線(エピポーラ線)Aと、航空写真101Bを変換した画像の、走査線Aに対応する走査線(エピポーラ線)Bを垂直に配置したものである。軸ABによって構成される平面を一般に探索平面と呼ぶ。A、B上のブロックの中心位置は、それぞれ縦線、横線で表現され、2つの画像の間の一つの対応は、縦線と横線の交点で表される。ステレオマッチング部11は、2つの画像の対応する点を、走査線Aと走査線Bの上で探索する。探索平面で45度の角度の線は、2つの画像において視差が一定、すなわち一定の高さを示す。
【0028】
図5において、線glは例えば地面の基準の高さに相当する視差の線であり、航空機の高度の原点を表すとする。線spは、基準視差を与える高さであり図4の線SLに対応する。幅SPは図4の高さHに相当する。図5の線uは、図4の線ULに対応し、線lは図4の線BLに対応する。線uと線lに囲まれる幅Rの範囲が探索範囲を示す。
【0029】
ステレオマッチング部11は、例えば図5の線uと線lの間で、AB間の対応の組合せを探索する。走査線Aの上のある点に対応する走査線Bの点は、走査線Aのその点を通る縦線の線uと線lの間の部分で探索される。走査線Bの点を決めて、走査線Aの対応点を探索する場合は、走査線Bのその点を通る横線のと線uと線lの間の部分で探索されることになる。
【0030】
図6は、探索範囲の一例を示す。地面の起伏の高低差がわかっている場合に、それを含めて想定される最大高さの地物を探索する範囲を定めることができる。図6では、起伏に対応する視差が線lsで表されている。探索範囲は、起伏の平均高さに地物の想定平均の高さを加えた視差spを基準に、起伏の高低差を含めた範囲Rの線uと線lで示される。
【0031】
地表の標高がわかっている場合に、その高低差と想定される地物の高さを含めて探索範囲を設定することにより、ステレオマッチング処理を速く行うことができる。また、探索範囲を限定するので、2つの画像の対応点を誤認識する可能性が減少する。
【0032】
図7は、実施の形態1に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。画像データ入力部10がステレオマッチング処理をする複数の画像を入力する(ステップS11)。基準視差設定部12は、例えば、その領域の平均の標高と想定される地物の高さから、基準の視差を設定する(ステップS12)。探索範囲設定部13は、その領域の標高差と地物の高さから、基準の視差に対して探索範囲を設定する(ステップS13)。
【0033】
ステレオマッチング部11は、一方の画像の点に対して、基準の視差を与える他の画像の点を基準に、設定された探索範囲で他の画像の対応する点を探索する(ステップS14)。高さ計算部2は、複数の画像で対応づけられた各点の画像内の位置から、その点に対応する高さと、その点の地図上の座標を計算する(ステップS15)。
【0034】
本実施の形態1のステレオ画像処理装置1によれば、高低差と想定される地物の高さを含めて基準の視差および探索範囲を設定することにより、ステレオマッチング処理を速く行うことができる。また、探索範囲を限定するので、2つの画像の対応点を誤認識する可能性が減少する。
【0035】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係るステレオ画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施の形態2では、地図データの標高データに基づいて、基準の視差および探索範囲を設定する。
【0036】
図8のステレオ画像処理装置1は、実施の形態1の構成に加えて、地図データ入力部14と領域分割部15を備える。地図データ入力部14は、入力した画像データの対象の地域の地図データを入力する。地図データは、地図のメッシュの各点における標高データを含む。
【0037】
領域分割部15は、入力した画像データを標高データに応じて分割する。標高データの高低差が小さければ、画像全体を分割せず1つの領域とする場合もある。画像の範囲の地図データで高低差が所定の範囲を超えていれば、画像を複数の領域に分割する。
【0038】
基準視差設定部12は、領域分割部15で分割された領域ごとに、標高データに基づいて基準の視差を設定する。探索範囲設定部13はまた、標高データの高低差と想定される地物の高さを考慮して、分割された領域ごとに探索範囲を設定する。
【0039】
ステレオマッチング部11は、分割された領域ごとに設定された基準の視差と探索範囲に合わせて、複数の画像の対応する点を探索して、対応点の組を抽出する。高さ計算部2は、ステレオマッチング処理によって得られた対応する点の視差から、三角測量の原理によって、DSMデータを生成する。
【0040】
図9は、分割した領域ごとに基準の視差と探索範囲を設定する探索平面の例を示す。図9の例では、地表の起伏lsに合わせて4つの領域に分割されている。各領域において基準の視差をsp1、sp2、sp3、sp4としている。そして、1つめの領域では、u1、l1を境界とする幅R1の範囲を探索範囲に設定している。以下、u2、l2を境界とする幅R2の範囲、u3、l3を境界とする幅R3の範囲、u4、l4を境界とする幅R4の範囲をそれぞれ探索範囲とする。
【0041】
図9に示すように、探索範囲は図6に比べて小さくなっている。起伏の高低差がある場合に、画像の範囲を複数の領域に分割し、分割した領域ごとに探索範囲を設定することにより、探索範囲を対応点が存在する範囲に小さく限定できる。その結果、ステレオマッチング処理を速くまた正確に行うことができる。
【0042】
なお、領域分割は、領域内の高低差が所定の値以下になるように設定できる。あるいは、画像範囲の高低差に応じて分割数を決めてもよい。
【0043】
図10は、実施の形態2に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。画像データ入力部10がステレオマッチング処理をする複数の画像を入力する(ステップS21)と、地図データ入力部14は、その対象の地域の地図データを入力する(ステップS22)。領域分割部15は、地図データに含まれる標高データに基づいて、画像を領域に分割する(ステップS23)。
【0044】
基準視差設定部12は、標高データと分割領域に基づいて、分割された領域ごとに基準の視差を設定する(ステップS24)。探索範囲設定部13は、分割された領域の高低差に応じて、領域ごとに探索範囲を設定する(ステップS25)。
【0045】
ステレオマッチング部11は、一方の画像の点に対して、基準の視差を与える他の画像の点を基準に、領域ごとに設定された探索範囲で他の画像の対応する点を探索する(ステップS26)。高さ計算部2は、複数の画像で対応づけられた各点の画像内の位置から、その点に対応する高さと、その点の地図上の座標を計算する(ステップS27)。
【0046】
実施の形態2のステレオ画像処理装置1によれば、地図データの標高データに合わせて探索範囲を対応点が存在する範囲に小さく限定できる。その結果、ステレオマッチング処理を速くまた正確に行うことができる。
【0047】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係るステレオ画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施の形態3のステレオ画像処理装置1は、実施の形態1の構成に加えて、基準点設定部16を備える。
【0048】
基準点設定部16は、画像データ入力部10で入力した画像の中から、所定の方法で基準の視差を設定する基準の点を選択する。例えば基準の点は、画像の大きさと尺度に応じた数の点をランダムに選択する。また、所定の分布の点を選択するのでもよい。
【0049】
基準点設定部16は、選択した点について、ステレオマッチング部11で複数の画像で対応する点の組を抽出する。また、選択した点の3次元データを計算する。そして、選択した点の3次元データを基準視差設定部12に送る。
【0050】
基準視差設定部12は、基準点設定部16から受け取った3次元データから、所定の方法で基準の視差を設定する。例えば、3次元データの高さの平均または中央値を基準標高として、基準標高に対応する視差を基準の視差とする。あるいは、所定の分割領域ごとに平均して、それぞれの領域ごとに基準の視差を設定してもよい。
【0051】
探索範囲設定部13は、基準の視差に合わせて探索範囲を設定する。例えば、選択された点の3次元データの高さの分散を考慮して、探索範囲を設定することができる。また、画像の範囲が複数の領域に分割される場合には、分割された領域ごとに探索範囲を設定してもよい。
【0052】
ステレオマッチング部11は、設定された基準の視差探索範囲に合わせて、複数の画像の対応する点を探索して、対応点の組を抽出する。分割された領域ごとに基準の視差と探索範囲が設定されている場合には、その探索範囲で対応する点を探索する。高さ計算部2は、ステレオマッチング処理によって得られた対応する点の視差から、三角測量の原理によって、DSMデータを生成する。
【0053】
図12は、実施の形態3に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。画像データ入力部10がステレオマッチング処理をする複数の画像を入力する(ステップS31)と、基準点設定部16は所定の方法で画像の中の基準点を選択する(ステップS32)。ステレオマッチング部11は、選択された基準点についてステレオマッチング処理を行って、複数の画像で対応する組を抽出する(ステップS33)。
【0054】
基準点設定部16は、選択した点の対応の組から基準点の高さを計算する(ステップS34)。基準視差設定部12は、基準点の高さに基づいて、基準の視差を設定する(ステップS35)。ここで、基準視差設定部12は、選択した点の対応の組に基づいて基準の視差を設定してもよい(基準点設定部16で基準点の高さを計算しなくてもよい)。探索範囲設定部13は、基準の視差に合わせて探索範囲を設定する(ステップS36)。
【0055】
ステレオマッチング部11は、一方の画像の点に対して、基準の視差を与える他の画像の点を基準に、領域ごとに設定された探索範囲で他の画像の対応する点を探索する(ステップS37)。高さ計算部2は、複数の画像で対応づけられた各点の画像内の位置から、その点に対応する高さと、その点の地図上の座標を計算する(ステップS38)。
【0056】
実施の形態3のステレオ画像処理装置1によれば、地図データがない場合でも、画像に適合するように探索範囲を対応点が存在する範囲に小さく限定できる。その結果、ステレオマッチング処理を速くまた正確に行うことができる。
【0057】
(実施の形態4)
図13は、実施の形態4に係るステレオ画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施の形態4のステレオ画像処理装置1は、実施の形態3の基準点を外部から入力する。図13のステレオ画像処理装置1は、実施の形態3の構成に加えて、基準点入力部17を備える。
【0058】
基準点入力部17は、基準点の画像内の位置を示すデータを入力する。例えば、画像データを表示装置(図示せず)に表示して、その画面の上で選択された点を入力してもよい。また画像内の座標をデータで入力してもよい。
【0059】
基準点設定部16、基準視差設定部12、探索範囲設定部13およびステレオマッチング部11の動作は、実施の形態3と同様である。
【0060】
実施の形態4では、入力した画像から適切と考えられる基準点を設定することができる。例えば、高層ビルなどの航空標識灯、鉄塔の特徴点、ビルなど人工的な地物の特徴点など、基準の標高に適切と考えられ、ステレオマッチング処理が正確に行える点を選択することができる。
【0061】
図14は、実施の形態4に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。画像データ入力部10がステレオマッチング処理をする複数の画像を入力する(ステップS41)と、基準点入力部17はその画像内の基準点の位置を示すデータを入力する(ステップS42)。選択する基準点は、複数あってもよい。
【0062】
基準点設定部16は、入力された点の位置をステレオマッチング部11におくり、ステレオマッチング部11は、選択された基準点についてステレオマッチング処理を行って、複数の画像で対応する組を抽出する(ステップS43)。基準点設定部16は、選択した点の対応の組から基準点の高さを計算する(ステップS44)。以降、基準視差設定(ステップS45)から対応高さ計算(ステップS48)は、図12のステップS35〜ステップS38と同様である。
【0063】
実施の形態4のステレオ画像処理装置1によれば、実施の形態3に加えて、画像に合わせて適切な基準の視差で、かつ、ステレオマッチング処理が正確に行える点を選択することができる。その結果、ステレオマッチング処理を速くまた正確に行うことができる。
【0064】
(実施の形態5)
図15は、実施の形態5に係るステレオ画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施の形態5のステレオ画像処理装置1は、実施の形態3の基準点とそれにステレオマッチングについて対応する組を外部から入力する。図15のステレオ画像処理装置1は、実施の形態3の基準点入力部17および基準点設定部16に代えて、基準対応点入力部18を備える。
【0065】
基準対応点入力部18は、基準点の画像内の位置と、それにステレオマッチング対応する他の画像内の点の位置を示すデータを入力する。例えば、2つの画像データを表示装置(図示せず)に表示して、その画面の上で選択された対応点の組を入力してもよい。また2つの画像内の対応点の組の座標をデータで入力してもよい。
【0066】
基準視差設定部12、探索範囲設定部13およびステレオマッチング部11の動作は、実施の形態1と同様である。
【0067】
実施の形態5では、入力した画像から適切と考えられる基準対応点を設定することができる。例えば、高層ビルなどの航空標識灯、鉄塔の特徴点、ビルなど人工的な地物の特徴点など、基準の標高に適切と考えられ、ステレオマッチングしている対応点を選択することができる。
【0068】
図16は、実施の形態5に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。画像データ入力部10がステレオマッチング処理をする複数の画像を入力する(ステップS51)と、基準対応点入力部18はそれらの画像のうち2つの画像でステレオマッチング対応する基準対応点の位置を示すデータを入力する(ステップS52)。選択する基準点は、複数あってもよい。
【0069】
以降、基準視差設定(ステップS53)から対応高さ計算(ステップS56)は、図12のステップS35〜ステップS38と同様である。
【0070】
実施の形態5のステレオ画像処理装置1によれば、画像に合わせて適切な基準の視差で、かつ、ステレオマッチングしている対応点を選択することにより、基準の視差と探索範囲を設定することができる。その結果、ステレオマッチング処理を速くまた正確に行うことができる。
【0071】
図17は、ステレオ画像処理装置1をコンピュータに実装する場合の、物理的な構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態に係るステレオ画像処理装置1は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現することができる。ステレオ画像処理装置1は、図17に示すように、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25および入出力部26を備える。主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25および入出力部26はいずれも内部バス20を介して制御部21に接続されている。
【0072】
制御部21はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム30に従って、ステレオマッチング処理を実行する。
【0073】
主記憶部22はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム30をロードし、制御部21の作業領域として用いられる。
【0074】
外部記憶部23は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、前記の処理を制御部21に行わせるための制御プログラム30を予め記憶し、また、制御部21の指示に従って、この制御プログラム30が記憶するデータを制御部21に供給し、制御部21から供給されたデータを記憶する。
【0075】
操作部24はキーボードおよびマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス20に接続するインターフェース装置から構成されている。操作部24を介して、画像データの入力、送受信などの指示、表示する画像の指定、基準の標高を設定する基準点の画像内の位置などが入力され、制御部21に供給される。
【0076】
表示部25は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、画像やステレオマッチング処理された結果を表示する。
【0077】
入出力部26は、無線送受信機、無線モデムまたは網終端装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェース等から構成されている。入出力部26を介して、画像データを受信し、また計算した結果を送信できる。
【0078】
図1、8、11、13または15に示すステレオ画像処理装置1の画像データ入力部10、ステレオマッチング部11、基準視差設定部12、探索範囲設定部13、地図データ入力部14、領域分割部15、基準点設定部16、基準点入力部17および基準対応点入力部18の処理は、制御プログラム30が、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25および入出力部26などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0079】
その他、本発明の好適な変形として、以下の構成が含まれる。
【0080】
本発明の第1の観点に係るステレオマッチング処理装置について、
好ましくは、前記基準視差設定手段は、前記複数の画像をそれぞれ対応する2以上の領域に分けて、それぞれの領域で前記基準の視差を設定し、
前記探索範囲設定手段は、前記それぞれの領域で設定された前記基準の視差を与える画像の点を基準に、該画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する、
ことを特徴とする。
【0081】
好ましくは、前記複数の画像に対応する地図の標高データを取得する地図データ取得手段を備え、
前記基準視差設定手段は、前記地図データ取得手段で取得した標高データに基づいて前記基準の視差を設定する。
【0082】
または、前記基準視差設定手段は、前記複数の画像から所定の方法で選択した点について、ステレオマッチングによって視差を算出し、該算出した視差に基づいて、前記基準の視差を設定してもよい。
【0083】
さらに、前記複数の画像のうち、視差を求める点の画像中の位置を取得する基準点入力手段を備え、
前記基準視差設定手段は、前記基準点入力手段で取得した点について、ステレオマッチングによって視差を算出し、該算出した視差に基づいて、前記基準の視差を設定してもよい。
【0084】
あるいはまた、前記複数の画像から、ステレオマッチングについて対応する点の組を入力する対応点入力手段を備え、
前記基準視差設定手段は、前記対応点入力手段で入力した対応する点の組で与えられる視差に基づいて、前記基準の視差を設定してもよい。
【0085】
本発明の第2の観点に係るステレオマッチング処理方法について、
好ましくは、前記基準視差設定ステップは、前記ステレオマッチング処理を行う1組の画像をそれぞれ対応する2以上の領域に分けて、それぞれの領域で前記基準の視差を設定し、
前記探索範囲設定ステップは、前記それぞれの領域で設定された前記基準の視差を与える画像の点を基準に、該画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する、
ことを特徴とする。
【0086】
好ましくは、前記複数の画像に対応する地図の標高データを取得する地図データ取得ステップを備え、
前記基準視差設定ステップは、前記地図データ取得ステップで取得した標高データに基づいて前記基準の視差を設定する。
【0087】
または、前記基準視差設定ステップは、前記複数の画像から所定の方法で選択した点について、ステレオマッチングによって視差を算出し、該算出した視差に基づいて、前記基準の視差を設定してもよい。
【0088】
さらに、前記複数の画像のうち、視差を求める点の画像中の位置を取得する基準点入力ステップを備え、
前記基準視差設定ステップは、前記基準点入力ステップで取得した点について、ステレオマッチングによって視差を算出し、該算出した視差に基づいて、前記基準の視差を設定してもよい。
【0089】
あるいはまた、前記複数の画像から、ステレオマッチングについて対応する点の組を入力する対応点入力ステップを備え、
前記基準視差設定ステップは、前記対応点入力ステップで入力した対応する点の組で与えられる視差に基づいて、前記基準の視差を設定してもよい。
【0090】
その他、前記のハードウエェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0091】
制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、入出力部26および内部バス20などから構成されるステレオ画像処理装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行するステレオ画像処理装置1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでステレオ画像処理装置1を構成してもよい。
【0092】
また、ステレオ画像処理装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0093】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態1に係るステレオ画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】画像データに変換される航空写真の一例を模式的に示す図である。
【図3】実世界の地上の状態の一例を示す模式図である。
【図4】図3に示す実世界の一部を撮影した画像から、ステレオマッチング処理により生成したDSMデータを示す模式図である。
【図5】探索範囲を説明する探索平面を示す図である。
【図6】探索範囲の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係るステレオ画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】分割した領域ごとに基準の標高と探索範囲を設定する探索平面の例を示す図である。
【図10】実施の形態2に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係るステレオ画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。
【図12】実施の形態3に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態4に係るステレオ画像処理装置1の構成例を示すブロック図である
【図14】実施の形態4に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態5に係るステレオ画像処理装置1の構成例を示すブロック図である
【図16】実施の形態5に係る高さ標定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】ステレオ画像処理装置1をコンピュータに実装する場合の、物理的な構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0095】
1 ステレオ画像処理装置
2 高さ計算部
10 画像データ入力部
11 ステレオマッチング部
12 基準視差設定部
13 探索範囲設定部
14 地図データ入力部
15 領域分割部
16 基準点設定部
17 基準点入力部
18 基準対応点入力部
21 制御部
22 主記憶部
23 外部記憶部
24 操作部
25 表示部
26 入出力部
30 制御プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる位置から所定の領域を撮影した複数の画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記複数の画像に対応して基準の視差を設定する基準視差設定手段と、
前記基準視差設定手段で設定された基準の視差を与える画像の点を基準に、前記画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する探索範囲設定手段と、
前記複数の画像の一つの画像内の任意の点について、前記基準視差設定手段で設定された基準の視差を与える他の画像の点を基準に、前記探索範囲設定手段で設定された探索範囲で前記他の画像の対応する点を探索する探索手段と、
を備えることを特徴とするステレオマッチング処理装置。
【請求項2】
前記基準視差設定手段は、前記複数の画像をそれぞれ対応する2以上の領域に分けて、それぞれの領域で前記基準の視差を設定し、
前記探索範囲設定手段は、前記それぞれの領域で設定された前記基準の視差を与える画像の点を基準に、該画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のステレオマッチング処理装置。
【請求項3】
前記複数の画像に対応する地図の標高データを取得する地図データ取得手段を備え、
前記基準視差設定手段は、前記地図データ取得手段で取得した標高データに基づいて前記基準の視差を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のステレオマッチング処理装置。
【請求項4】
前記基準視差設定手段は、前記複数の画像から所定の方法で選択した点について、ステレオマッチングによって視差を算出し、該算出した視差に基づいて、前記基準の視差を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のステレオマッチング処理装置。
【請求項5】
前記複数の画像のうち、視差を求める点の画像中の位置を取得する基準点入力手段を備え、
前記基準視差設定手段は、前記基準点入力手段で取得した点について、ステレオマッチングによって視差を算出し、該算出した視差に基づいて、前記基準の視差を設定することを特徴とする請求項4に記載のステレオマッチング処理装置。
【請求項6】
前記複数の画像から、ステレオマッチングについて対応する点の組を入力する対応点入力手段を備え、
前記基準視差設定手段は、前記対応点入力手段で入力した対応する点の組で与えられる視差に基づいて、前記基準の視差を設定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のステレオマッチング処理装置。
【請求項7】
複数の異なる位置から所定の領域を撮影した複数の画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記複数の画像に対応して基準の視差を設定する基準視差設定ステップと、
前記基準視差設定ステップで設定された基準の視差を与える画像の点を基準に、前記画像データの範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する探索範囲設定ステップと、
前記複数の画像の一つの画像内の任意の点について、前記基準視差設定ステップで設定された基準の視差を与える他の画像の点を基準に、前記探索範囲設定ステップで設定された探索範囲で前記他の画像の対応する点を探索する探索ステップと、
を備えることを特徴とするステレオマッチング処理方法。
【請求項8】
前記基準視差設定ステップは、前記ステレオマッチング処理を行う1組の画像をそれぞれ対応する2以上の領域に分けて、それぞれの領域で前記基準の視差を設定し、
前記探索範囲設定ステップは、前記それぞれの領域で設定された前記基準の視差を与える画像の点を基準に、該画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する、
ことを特徴とする請求項7に記載のステレオマッチング処理方法。
【請求項9】
前記複数の画像に対応する地図の標高データを取得する地図データ取得ステップを備え、
前記基準視差設定ステップは、前記地図データ取得ステップで取得した標高データに基づいて前記基準の視差を設定することを特徴とする請求項7または8に記載のステレオマッチング処理方法。
【請求項10】
前記基準視差設定ステップは、前記複数の画像から所定の方法で選択した点について、ステレオマッチングによって視差を算出し、該算出した視差に基づいて、前記基準の視差を設定することを特徴とする請求項7または8に記載のステレオマッチング処理方法。
【請求項11】
前記複数の画像のうち、視差を求める点の画像中の位置を取得する基準点入力ステップを備え、
前記基準視差設定ステップは、前記基準点入力ステップで取得した点について、ステレオマッチングによって視差を算出し、該算出した視差に基づいて、前記基準の視差を設定することを特徴とする請求項10に記載のステレオマッチング処理方法。
【請求項12】
前記複数の画像から、ステレオマッチングについて対応する点の組を入力する対応点入力ステップを備え、
前記基準視差設定ステップは、前記対応点入力ステップで入力した対応する点の組で与えられる視差に基づいて、前記基準の視差を設定する、
ことを特徴とする請求項7または8に記載のステレオマッチング処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
複数の異なる位置から所定の領域を撮影した複数の画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記複数の画像に対応して基準の視差を設定する基準視差設定手段と、
前記基準視差設定手段で設定された基準の視差を与える画像の点を基準に、前記画像の範囲よりも小さい所定の範囲をステレオマッチングの探索範囲に設定する探索範囲設定手段と、
前記複数の画像の一つの画像内の任意の点について、前記基準視差設定手段で設定された基準の視差を与える他の画像の点を基準に、前記探索範囲設定手段で設定された探索範囲で前記他の画像の対応する点を探索する探索手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−128622(P2010−128622A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300221(P2008−300221)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】