説明

ストライカ取付構造

【課題】車両のドアにおける衝突時にブラケットが破断されても車体側からのストライカの分離を抑制する。
【解決手段】ストライカ取付構造10では、ストライカ40がブラケット30の前板36Aに取り付けられると共に、ブラケット30の底板32が車体に取り付けられている。ここで、ブラケット30における底板32と前板36Aのストライカ40取付部分とを連結板46が連結している。このため、ストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際に、仮にブラケット30が複数箇所において破断されても、車体側からのストライカ40の分離を連結板46によって防止でき、サイドドア14の車室16内への侵入を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアの開放を規制するストライカを車体側に取り付けるストライカ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ストライカ取付構造としては、車両のドアのロック機構が係合されるストライカが、車体のアウタパネルに取り付けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このストライカ取付構造では、車体のアウタパネルとインナパネルとが結合されると共に、ピラーリインフォースメントがアウタパネルとインナパネルとの結合部及びインナパネルに結合されており、ストライカリインフォースメントが、ストライカ、アウタパネル、インナパネル及びピラーリインフォースメントに結合されている。
【0004】
ここで、ストライカ取付構造には、車体に取り付けられた中空のブラケットに、ストライカが取り付けられたものがある。この場合、車両のドアにおける衝突時に、ドアからストライカを介しての衝突荷重によってブラケットが破断されても、車体側からのストライカの分離を抑制できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−32246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、車両のドアにおける衝突時にブラケットが破断されても車体側からのストライカの分離を抑制できるストライカ取付構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のストライカ取付構造は、車体に取り付けられる取付部及び両端において前記取付部に接続されて内部に中空が形成された接続部が設けられたブラケットと、前記接続部に取り付けられ、車両のドアの係合機構が係合されることで前記ドアの開放を規制するストライカと、前記取付部と前記接続部の前記ストライカ取付部分とを連結する連結部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載のストライカ取付構造では、ブラケットの取付部が車体に取り付けられると共に、ブラケットの接続部が、両端において取付部に接続されて、内部に中空が形成されている。さらに、ブラケットの接続部にストライカが取り付けられて、ストライカが車体側に取り付けられており、車両のドアの係合機構がストライカに係合されることで、ストライカがドアの開放を規制する。
【0009】
ここで、ブラケットにおける取付部と接続部のストライカ取付部分とを連結部材が連結している。このため、車両のドアにおける衝突時に、ドアからストライカを介しての衝突荷重によってブラケットが破断されても、車体側からのストライカの分離を連結部材によって抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両の主要部を示す下側から見た断面図(図3の1−1線断面図)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るストライカ取付構造を示す下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る車両の主要部を示す車両左方(車幅方向外方)から見た側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る車両を示す前斜め左方から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る車両におけるサイドドアの車幅方向内方への侵入時間(ストローク)とサイドドアに作用する衝突荷重との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るストライカ取付構造を示す下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る車両におけるサイドドアの車幅方向内方への侵入時間(ストローク)とサイドドアに作用する衝突荷重との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るストライカ取付構造を示す下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るストライカ取付構造を示す下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るストライカ取付構造を示す下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係るストライカ取付構造を示す下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係るストライカ取付構造における連結体を示す車両後斜め下方から見た斜視図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態に係るストライカ取付構造を示す下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るストライカ取付構造10が適用された車両12の主要部が下側から見た断面図(図3の1−1線断面図)にて示されている。さらに、図3には、車両12の主要部が車両左方(車幅方向外方)から見た側面図にて示されており、図4には、車両12が前斜め左方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両左方を矢印LHで示し、上方を矢印UPで示す。
【0012】
本実施の形態における車両12は、所謂CFRP(カーボン・ファイバ・リインフォースド・プラスチック)車にされている。
【0013】
図3及び図4に示す如く、車両12の左右両側部には、ドアとしてのサイドドア14が設けられており、サイドドア14は、前端を中心に回動可能にされて、車室16内を開閉可能にされている。
【0014】
図1に示す如く、サイドドア14の下側部分には、車幅方向内側において、アルミニウム製板状のドアインナ14Aが設けられており、ドアインナ14Aの車両前側端、車両後側端及び下端は、車幅方向外側へ延出されている。サイドドア14の下側部分には、車幅方向外側において、樹脂製板状のドアアウタ14Bが設けられており、ドアインナ14Aとドアアウタ14Bとは、車両前側端、車両後側端及び下端において、互いに結合されている。また、ドアアウタ14Bは、車両12の外周面を構成している。
【0015】
ドアインナ14A内の車両後側端部には、係合機構としてのロック機構18が設けられており、ロック機構18の車両後側端部には、係合部材としてのロックパウル18Aが回動(作動)可能に設けられている。ドアインナ14Aには、ロックパウル18Aの車両後側から車幅方向内側に亘って、長尺の挿入孔20が貫通形成されている。
【0016】
ロック機構18には、開放操作部材としての一対の開放レバー22(図3及び図4参照)に接続されており、一方の開放レバー22は、サイドドア14の車幅方向外側面(ドアアウタ14B)に設けられると共に、他方の開放レバー22は、サイドドア14の車幅方向内側面(ドアインナ14A)に設けられている。開放レバー22が操作された際には、ロックパウル18Aが回動可能にされている。
【0017】
ロック機構18は、ロック操作部材としてのロックレバー(図示省略)に接続されており、ロックレバーは、サイドドア14の車幅方向内側面(ドアインナ14A)に設けられている。ロックレバーがロック操作された際には、開放レバー22の操作によるロックパウル18Aの回動が規制(ロック)される。一方、ロックレバーが解除操作された際には、ロックパウル18Aの回動の規制が解除されて、開放レバー22の操作によってロックパウル18Aが回動される。
【0018】
図1、図3及び図4に示す如く、車両12の左右両側部には、サイドドア14の車両後側において、外周部材としての板状のリヤフェンダ24が設けられており、リヤフェンダ24は、車両12の外周面を構成している。
【0019】
図1に示す如く、リヤフェンダ24の車幅方向内側には、車体を構成する取付部材としての板状のサイドメンバ26が設けられており、サイドメンバ26には、車幅方向外側の板状のサイドメンバアウタ26Aと車幅方向内側の板状のサイドメンバインナ26Bとが設けられている。サイドメンバアウタ26A及びサイドメンバインナ26Bは、CFRP製にされており、サイドメンバ26は、サイドメンバアウタ26Aの端部とサイドメンバインナ26Bの端部とが接着によって結合されて、構成されている。
【0020】
一対(車両左右)のサイドメンバ26(サイドメンバインナ26B)間には、車体を構成するパーテション28が架け渡されており、パーテション28には、車両前側(車両内側)の板状のパーテションインナ28Aと車両後側(車両外側)の板状のパーテションアウタ28Bとが設けられている。パーテションインナ28A及びパーテションアウタ28Bは、CFRP製にされており、パーテション28は、パーテションインナ28Aの端部とパーテションアウタ28Bの端部とが接着によって結合されて、構成されている。パーテションアウタ28Bの車幅方向両端部は、それぞれ一対のサイドメンバインナ26Bに接着によって結合されており、これにより、パーテション28が一対のサイドメンバ26間に架け渡されて、パーテションインナ28Aが車室16の車両後側面を構成している。
【0021】
図1〜図4に示す如く、サイドメンバアウタ26Aには、車幅方向外側において、略台形筒状のブラケット30(ストライカブラケット)が取り付けられている。ブラケット30は、アルミニウム製等にされて、鉄に比し延性が低くされており、ブラケット30は、所謂押し出し成形によって製造されている。
【0022】
ブラケット30の車幅方向内側部分には、取付部としての長尺矩形板状の底板32が設けられている。底板32の車両前後方向中間部には、長尺矩形板状の底部32Aが設けられると共に、底板32の車両前側部及び車両後側部には、長尺矩形板状の延出部32Bが設けられており、一対の延出部32Bは、それぞれ底部32Aから車両前側及び車両後側に延出されている。各延出部32Bは、サイドメンバアウタ26Aに上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)によって取り付けられており(固定されており)、これにより、ブラケット30がサイドメンバアウタ26Aに取り付けられている。
【0023】
ブラケット30の車幅方向外側部分には、接続部としての断面U字形板状の突出板36が設けられている。突出板36の車両前側端及び車両前側端は、それぞれ底板32の底部32Aと延出部32Bとの境界部分に接続されており、突出板36の内部には、中空38が形成されている。
【0024】
突出板36の車両前側部分には、矩形板状の前板36Aが設けられており、前板36Aは、底板32から車幅方向外方へ延伸されている。突出板36の車幅方向外側部分には、矩形板状の外板36Bが設けられており、外板36Bは、前板36Aの車幅方向外側端から車両後方へ延伸されている。突出板36の車両後側部分には、矩形板状の後板36Cが設けられており、後板36Cは、外板36Bの車両後側端から底板32まで車両後方へ向かうに従い車幅方向内方へ向かう方向へ延伸されている。
【0025】
ブラケット30には、突出板36の前板36Aの車両前側において、ストライカ40(ドアストライカ)が取り付けられている。
【0026】
ストライカ40には、車両後側部分において、支持部としての矩形板状の支持板40Aが設けられており、支持板40Aが、所定数箇所(本実施の形態では上部及び下部の2箇所)において、ボルト42及びナット44の締結によって前板36Aに取り付けられる(固定される)ことで、ストライカ40がブラケット30に取り付けられている。
【0027】
ストライカ40には、車両前側部分において、係合部としてのU字形棒状の係合棒40Bが設けられている。係合棒40Bは、車幅方向外側端及び車幅方向内側端において、支持板40Aに接続されており、係合棒40Bは、支持板40Aに支持されて、支持板40Aから車両前側へ突出されている。
【0028】
ここで、サイドドア14が閉じられることで、係合棒40Bがドアインナ14A内に挿入孔20を介して挿入される。これにより、ロック機構18のロックパウル18Aが一時的に回動されて係合棒40Bに係合されることで、ロック機構18がストライカ40に係合されて、サイドドア14の開放が規制されている。さらに、サイドドア14のロックレバーがロック操作された際には、サイドドア14の開放レバー22の操作によるロックパウル18Aの回動が規制されることで、ロックパウル18Aの係合棒40Bへの係合解除が規制される。一方、サイドドア14のロックレバーが解除操作された際には、サイドドア14の開放レバー22の操作によってロックパウル18Aが回動されることで、ロックパウル18Aの係合棒40Bへの係合が解除されて、サイドドア14の開放が許可される。
【0029】
図1及び図2に示す如く、ブラケット30内(突出板36内)には、連結部材としての連結板46が設けられており、連結板46は、鉄製等にされて、ブラケット30に比し延性が高くされている。
【0030】
連結板46の車幅方向外側部分には、矩形板状の第1結合部46Aが設けられており、第1結合部46Aは、所定数箇所(本実施の形態では上部及び下部の2箇所)において、ストライカ40の支持板40Aと共にボルト42及びナット44の締結によって前板36Aに結合されている(取り付けられている)。連結板46の車幅方向内側部分には、矩形板状の第2結合部46Bが設けられており、第2結合部46Bは、車両後側端(連結板46の車幅方向内側端)において、アーク溶接48によってブラケット30(底板32)の底部32Aに結合されている(取り付けられている)。これにより、連結板46がブラケット30における前板36Aのストライカ40取付部分と底板32の底部32Aとを連結している。
【0031】
連結板46には、第1結合部46Aと第2結合部46Bとの間において、断面L字形板状の連結部46Cが設けられており、連結板46には、第1結合部46Aと連結部46Cとの境界部分、第2結合部46Bと連結部46Cとの境界部分、及び、連結部46Cの第1結合部46Aと第2結合部46Bとの間の中間部分において、曲部としての折曲部46D(屈曲部)が形成されている。連結部46Cは、ブラケット30の前板36Aと底板32(底部32A)との間に断面矩形状の閉断面50を形成している。
【0032】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0033】
以上の構成の車両12では、サイドドア14が閉じられて、ストライカ40の係合棒40Bがドアインナ14A内に挿入孔20を介して挿入されることで、ドアインナ14A内におけるロック機構18のロックパウル18Aが係合棒40Bに係合されている。これにより、ロック機構18がストライカ40に係合されて、サイドドア14の開放が規制されている。
【0034】
例えば衝突相手としてのポール(下端が地上に固定されて垂直に起立されたもの)に対する車両12のサイドドア14における側面衝突時には、ポールからサイドドア14に車幅方向内側への衝突荷重が入力されて、サイドドア14が車幅方向内方(車室16内)に侵入することで、ロック機構18を介してストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力される。
【0035】
また、ストライカ40は、ブラケット30の前板36Aに取り付けられると共に、ブラケット30は、底板32の一対の延出部32Bにおいて車体(サイドメンバアウタ26A)に取り付けられており、ブラケット30は、延性が低くされている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、ストライカ40からブラケット30の前板36Aに衝突荷重が入力されることで、サイドドア14の車幅方向内方への侵入ストロークが大きくなると、ブラケット30が複数箇所(例えば前板36Aの底板32近傍部分及び外板36Bの後板36C近傍部分)において破断される可能性がある。
【0036】
ここで、ブラケット30における底板32の底部32Aと前板36Aのストライカ40取付部分とを連結板46が連結している。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、連結板46によってブラケット30の前板36Aから底部32Aに衝突荷重が伝達されて、ブラケット30の前板36Aと底部32Aとに衝突荷重の吸収を分担できる。
【0037】
さらに、ブラケット30の前板36A及び底板32(底部32A)と連結板46の連結部46Cとの間に、閉断面50が形成されることで、ブラケット30の座屈変形(塑性変形)に対する強度が向上されている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、ブラケット30の座屈変形を抑制できると共に、ブラケット30の破断を抑制できて、ブラケット30及び連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0038】
また、ブラケット30の前板36A及び底板32(底部32A)と連結板46の連結部46Cとが離間されている。さらに、連結板46に、第1結合部46Aと連結部46Cとの境界部分、第2結合部46Bと連結部46Cとの境界部分、及び、連結部46Cの第1結合部46Aと第2結合部46Bとの間の中間部分において、折曲部46Dが形成されている。しかも、連結板46の延性が、高くされている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、仮にブラケット30が複数箇所において破断されても、連結板46が、変形されつつ(特に折曲部46Dの曲げを解消されつつ)、延伸されることで、連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0039】
以上により、図5に示す如く、ブラケット30が複数箇所において破断される前(図5の領域A)には、サイドドア14に作用する衝突荷重を向上できると共に、ブラケット30が複数箇所において破断された後(図5の領域B)には、サイドドア14に作用する衝突荷重が低下することを抑制できる。これにより、車体(サイドメンバアウタ26A)側からのストライカ40の分離を連結板46によって防止でき、サイドドア14の車室16内への侵入を抑制できる。
【0040】
[第2の実施の形態]
図6には、本発明の第2の実施の形態に係るストライカ取付構造60が下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)にて示されている。
【0041】
本実施の形態に係るストライカ取付構造60は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0042】
図6に示す如く、本実施の形態に係るストライカ取付構造60では、ブラケット30において、底板32の底部32Aが、車両前側の前底部32Cと車両後側の後底部32Dとに分割されている。
【0043】
前底部32Cは、車両前後方向中間において、サイドメンバアウタ26Aに上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)によって取り付けられている(固定されている)。また、後底部32Dは、車両前側部において、サイドメンバアウタ26Aに上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)によって取り付けられている(固定されている)。なお、サイドメンバアウタ26Aの車幅方向内側からであれば、上下方向における多数のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)によって、前底部32C及び後底部32Dをサイドメンバアウタ26Aに取り付けることができる。
【0044】
前底部32Cには、接触部としての所定数(本実施の形態では車両後側端の1つ)の突出部62が形成されており、突出部62は前底部32Cから車幅方向外側へ突出されている。また、後底部32Dは、車両前側部において、サイドメンバアウタ26Aから車幅方向外側へ離間されている。
【0045】
連結板46の第2結合部46Bは、ブラケット30の後底部32Dの車両前側部とサイドメンバアウタ26Aとの間に挿入されており、第2結合部46Bは、サイドメンバアウタ26Aに後底部32Dの車両前側部と共に上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)によって結合されている(取り付けられている)。
【0046】
連結板46の連結部46Cは、平板状にされており、連結板46には、連結部46Cの第1結合部46Aと第2結合部46Bとの間の中間部分において、上記第1の実施の形態における折曲部46Dが形成されていない。連結部46Cの近傍には、ブラケット30の前底部32Cにおける突出部62が配置されており、連結部46Cには、突出部62が接触されていない。これにより、連結部46Cは、ブラケット30の前板36Aと底板32(底部32A)との間に、上記第1の実施の形態における閉断面50を形成していない。
【0047】
ここで、ブラケット30における底板32の後底部32D及びサイドメンバアウタ26Aとブラケット30における前板36Aのストライカ40取付部分とを連結板46が連結している。このため、上記第1の実施の形態と同様にストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、連結板46によってブラケット30の前板36Aからブラケット30の後底部32D及びサイドメンバアウタ26Aに衝突荷重が伝達されて、ブラケット30の前板36Aとブラケット30の後底部32D及びサイドメンバアウタ26Aとに衝突荷重の吸収を分担できる。
【0048】
さらに、連結板46の連結部46C近傍に、ブラケット30の前底部32Cの突出部62が配置されている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、ブラケット30及び連結板46の変形によって、連結部46Cが突出部62に接触する。これにより、ブラケット30の座屈変形(塑性変形)を抑制できると共に、ブラケット30の破断を抑制できて、ブラケット30及び連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0049】
また、ブラケット30の前板36A及び底板32(前底部32C)と連結板46の連結部46Cとが離間されている。さらに、連結板46に、第1結合部46Aと連結部46Cとの境界部分及び第2結合部46Bと連結部46Cとの境界部分において、折曲部46Dが形成されている。しかも、連結板46の延性が、高くされている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、仮にブラケット30が複数箇所において破断されても、連結板46が、変形されつつ(特に折曲部46Dの曲げを解消されつつ)、延伸されることで、連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0050】
以上により、図7に示す如く、ブラケット30が複数箇所において破断される前(図7の領域A)には、サイドドア14に作用する衝突荷重を向上できると共に、ブラケット30が複数箇所において破断された後(図7の領域B)には、サイドドア14に作用する衝突荷重が低下することを抑制できる。これにより、車体(サイドメンバアウタ26A)側からのストライカ40の分離を連結板46によって防止でき、サイドドア14の車室16内への侵入を抑制できる。
【0051】
したがって、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0052】
[第3の実施の形態]
図8には、本発明の第3の実施の形態に係るストライカ取付構造70が下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)にて示されている。
【0053】
本実施の形態に係るストライカ取付構造70は、上記第2の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0054】
図8に示す如く、本実施の形態に係るストライカ取付構造70では、ブラケット30において、底板32の前底部32Cが、サイドメンバアウタ26Aに取り付けられていない。前底部32Cには、複数(本実施の形態では3つ)の突出部62が形成されており、複数の突出部62は、車両前後方向に互いに間隔をあけて配列されている。
【0055】
ここで、本実施の形態でも、上記第2の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0056】
[第4の実施の形態]
図9には、本発明の第4の実施の形態に係るストライカ取付構造80が下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)にて示されている。
【0057】
本実施の形態に係るストライカ取付構造80は、上記第2の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0058】
図9に示す如く、本実施の形態に係るストライカ取付構造80では、ブラケット30において、底板32の前底部32Cに、上記第2の実施の形態における突出部62が形成されていない。
【0059】
前底部32Cは、連結板46の第2結合部46Bとサイドメンバアウタ26Aとの間に挿入されており、前底部32Cは、サイドメンバアウタ26Aに第2結合部46B及び後底部32Dの車両前側部と共に上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)によって結合されている(取り付けられている)。
【0060】
連結板46の連結部46Cは、ブラケット30の前板36Aと底板32(前底部32C)との間に、断面三角形状の閉断面50を形成している。
【0061】
ここで、ブラケット30における底板32の底部32A(前底部32C及び後底部32D)及びサイドメンバアウタ26Aとブラケット30における前板36Aのストライカ40取付部分とを連結板46が連結している。このため、上記第1の実施の形態と同様にストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、連結板46によってブラケット30の前板36Aからブラケット30の底部32A及びサイドメンバアウタ26Aに衝突荷重が伝達されて、ブラケット30の前板36Aとブラケット30の底部32A及びサイドメンバアウタ26Aとに衝突荷重の吸収を分担できる。
【0062】
さらに、ブラケット30の前板36A及び底板32(前底部32C)と連結板46の連結部46Cとの間に、閉断面50が形成されることで、ブラケット30の座屈変形(塑性変形)に対する強度が向上されている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、ブラケット30の座屈変形を抑制できると共に、ブラケット30の破断を抑制できて、ブラケット30及び連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0063】
また、ブラケット30の前板36A及び底板32(前底部32C)と連結板46の連結部46Cとが離間されている。さらに、連結板46に、第1結合部46Aと連結部46Cとの境界部分及び第2結合部46Bと連結部46Cとの境界部分において、折曲部46Dが形成されている。しかも、連結板46の延性が、高くされている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、仮にブラケット30が複数箇所において破断されても、連結板46が、変形されつつ(特に折曲部46Dの曲げを解消されつつ)、延伸されることで、連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0064】
以上により、図7と同様に、ブラケット30が複数箇所において破断される前(図7の領域A)には、サイドドア14に作用する衝突荷重を向上できると共に、ブラケット30が複数箇所において破断された後(図7の領域B)には、サイドドア14に作用する衝突荷重が低下することを抑制できる。これにより、車体(サイドメンバアウタ26A)側からのストライカ40の分離を連結板46によって防止でき、サイドドア14の車室16内への侵入を抑制できる。
【0065】
したがって、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0066】
[第5の実施の形態]
図10には、本発明の第5の実施の形態に係るストライカ取付構造90が下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)にて示されている。
【0067】
本実施の形態に係るストライカ取付構造90は、上記第2の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0068】
図10に示す如く、本実施の形態に係るストライカ取付構造90では、ブラケット30において、底板32の底部32Aに、上記第2の実施の形態における後底部32Dが設けられていない。
【0069】
連結板46の第2結合部46Bは、ブラケット30の底板32における車両後側の延出部32Bとサイドメンバアウタ26Aとの間に挿入されており、第2結合部46Bは、サイドメンバアウタ26Aに当該延出部32Bと共に上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)によって結合されている(取り付けられている)。
【0070】
ここで、ブラケット30における底板32の車両後側の延出部32B及びサイドメンバアウタ26Aとブラケット30における前板36Aのストライカ40取付部分とを連結板46が連結している。このため、上記第1の実施の形態と同様にストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、連結板46によってブラケット30の前板36Aからブラケット30の当該延出部32B及びサイドメンバアウタ26Aに衝突荷重が伝達されて、ブラケット30の前板36Aとブラケット30の当該延出部32B及びサイドメンバアウタ26Aとに衝突荷重の吸収を分担できる。
【0071】
さらに、連結板46の連結部46C近傍に、ブラケット30の前底部32Cの突出部62が配置されている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、ブラケット30及び連結板46の変形によって、連結部46Cが突出部62に接触する。これにより、ブラケット30の座屈変形(塑性変形)を抑制できると共に、ブラケット30の破断を抑制できて、ブラケット30及び連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0072】
また、ブラケット30の前板36A及び底板32(前底部32C)と連結板46の連結部46Cとが離間されている。さらに、連結板46に、第1結合部46Aと連結部46Cとの境界部分及び第2結合部46Bと連結部46Cとの境界部分において、折曲部46Dが形成されている。しかも、連結板46の延性が、高くされている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、仮にブラケット30が複数箇所において破断されても、連結板46が、変形されつつ(特に折曲部46Dの曲げを解消されつつ)、延伸されることで、連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0073】
以上により、図7と同様に、ブラケット30が複数箇所において破断される前(図7の領域A)には、サイドドア14に作用する衝突荷重を向上できると共に、ブラケット30が複数箇所において破断された後(図7の領域B)には、サイドドア14に作用する衝突荷重が低下することを抑制できる。これにより、車体(サイドメンバアウタ26A)側からのストライカ40の分離を連結板46によって防止でき、サイドドア14の車室16内への侵入を抑制できる。
【0074】
したがって、本実施の形態でも、上記第2の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0075】
[第6の実施の形態]
図11には、本発明の第6の実施の形態に係るストライカ取付構造100が下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)にて示されている。
【0076】
本実施の形態に係るストライカ取付構造100は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0077】
図11に示す如く、本実施の形態に係るストライカ取付構造100では、ブラケット30の底板32に、上記第1の実施の形態における底部32Aが設けられていない。
【0078】
ブラケット30の底板32における一対の延出部32Bは、それぞれサイドメンバアウタ26Aに上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)及び接着によって取り付けられている。サイドメンバアウタ26Aには、ブラケット30の一対の延出部32B間に対向する位置において、矩形状の貫通孔102が貫通形成されている。
【0079】
ブラケット30内(突出板36内)には、上記第1の実施の形態における連結板46に代えて、連結部材としての連結体104が設けられており、連結体104は、鉄製等にされて、ブラケット30に比し延性が高くされている。
【0080】
図11及び図12に示す如く、連結体104の車幅方向内側部分には、略矩形板状の底壁104Aが設けられており、底壁104Aは、サイドメンバアウタ26Aの車幅方向内側に配置されている。
【0081】
連結体104の車幅方向外側部分には、略矩形板状の突出壁104Bが設けられており、突出壁104Bは、底壁104Aから車幅方向外方へ延伸されている。突出壁104Bは、サイドメンバアウタ26Aの貫通孔102を貫通しており、突出壁104Bは、ブラケット30の前板36Aと重ねられている。
【0082】
連結体104の車幅方向外側部分には、突出壁104Bの車両後側において、断面U字形板状の接続壁104Cが設けられており、接続壁104Cは、サイドメンバアウタ26Aの貫通孔102を貫通している。接続壁104Cは、底壁104Aと突出壁104Bとを接続しており、接続壁104Cは、底壁104Aと突出壁104Bとの間において、略三角柱状の閉空間106(閉断面)を形成している。
【0083】
連結体104の底壁104Aは、接続壁104Cの外周から突出されると共に、突出壁104Bの上側及び下側において突出壁104Bより車両前側に突出しており、底壁104Aは、接続壁104Cの車両後側及び当該各車両前側への突出部分において、サイドメンバアウタ26Aにブラケット30の底板32(一対の延出部32B)と共に所定数のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)及び接着によって結合されている(取り付けられている)。
【0084】
連結体104の突出壁104Bは、接続壁104C内における所定数箇所(本実施の形態では上部及び下部の2箇所)において、ストライカ40の支持板40Aと共にボルト42及びナット44の締結によってブラケット30の前板36Aに結合されている(取り付けられている)。
【0085】
ここで、サイドメンバアウタ26Aの貫通孔102周辺部分とブラケット30における前板36Aのストライカ40取付部分とを連結体104が連結している。このため、上記第1の実施の形態と同様にストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、連結体104によってブラケット30の前板36Aからサイドメンバアウタ26Aに衝突荷重が伝達されて、ブラケット30の前板36Aとサイドメンバアウタ26Aとに衝突荷重の吸収を分担できる。
【0086】
さらに、ブラケット30の前板36Aと連結体104の突出壁104Bとが重ねられると共に、連結体104の底壁104Aと突出壁104Bと接続壁104Cとの間に閉空間106が形成されることで、ブラケット30の座屈変形(塑性変形)に対する強度が向上されている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、ブラケット30の座屈変形を抑制できると共に、ブラケット30の破断を抑制できて、ブラケット30及び連結体104が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0087】
また、連結体104の底壁104A及び突出壁104Bと接続壁104Cの車両後側部分との間に隙間部分が設けられている。さらに、連結体104に、第1結合部46Aと連結部46Cとの境界部分及び第2結合部46Bと連結部46Cとの境界部分において、折曲部46Dが形成されている。しかも、連結体104の延性が、高くされている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、仮にブラケット30が複数箇所において破断されても、連結体104が、特に接続壁104Cの上部及び下部において変形されつつ、延伸されることで、連結体104が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0088】
以上により、図7と同様に、ブラケット30が複数箇所において破断される前(図7の領域A)には、サイドドア14に作用する衝突荷重を向上できると共に、ブラケット30が複数箇所において破断された後(図7の領域B)には、サイドドア14に作用する衝突荷重が低下することを抑制できる。これにより、車体(サイドメンバアウタ26A)側からのストライカ40の分離を連結体104によって防止でき、サイドドア14の車室16内への侵入を抑制できる。
【0089】
したがって、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0090】
[第7の実施の形態]
図13には、本発明の第7の実施の形態に係るストライカ取付構造110が下側から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)にて示されている。
【0091】
本実施の形態に係るストライカ取付構造110は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0092】
図11に示す如く、本実施の形態に係るストライカ取付構造110では、サイドメンバアウタ26Aに、矩形状の貫通孔102が貫通形成されており、サイドメンバアウタ26Aは、貫通孔102より車両前側部分及び車両後側部分において、車幅方向外側へ突出されている。
【0093】
ブラケット30の突出板36は、サイドメンバアウタ26Aの貫通孔102に車幅方向内側から貫通されており、ブラケット30の底板32は、サイドメンバアウタ26Aの車幅方向内側に配置されている。ブラケット30の底板32における一対の延出部32Bは、それぞれサイドメンバアウタ26Aに上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)及び接着によって取り付けられている(固定されている)。さらに、ブラケット30の突出板36における前板36A及び後板36Cは、それぞれ、サイドメンバアウタ26Aの貫通孔102より車両前側部分及び車両後側部分に、上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)によって取り付けられて(固定されて)、重ねられている。これにより、ブラケット30がサイドメンバアウタ26Aに取り付けられている。
【0094】
なお、ブラケット30がサイドメンバアウタ26Aに取り付けられた後(少なくともブラケット30の突出板36がサイドメンバアウタ26Aの貫通孔102に貫通された後)に、ストライカ40がブラケット30に取り付けられる。
【0095】
サイドメンバアウタ26A及びブラケット30(底板32)の車幅方向内側には、車体を構成する補強部材としての矩形板状の補強板112が設けられており、補強板112は、CFRP製にされている。補強板112は、サイドメンバアウタ26Aにブラケット30の底板32(各延出部32B)と共に上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)及び接着によって取り付けられている(固定されている)。さらに、補強板112は、底板32の車両前側及び車両後側において、サイドメンバアウタ26Aに上下方向における所定数(本実施の形態では4つ)のリベット34(ボルト及びナットの締結でもよい)及び接着によって取り付けられている(固定されている)。
【0096】
ここで、ブラケット30における底板32の底部32Aと前板36Aのストライカ40取付部分とを連結板46が連結している。さらに、ブラケット30の前板36A及び後板36Cとサイドメンバアウタ26Aとが結合されている。しかも、ブラケット30における底板32の各延出部32Bとサイドメンバアウタ26A及び補強板112とが結合されると共に、サイドメンバアウタ26Aと補強板112とが底板32の車両前側及び車両後側において結合されている。このため、上記第1の実施の形態と同様にストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、連結板46によってブラケット30の前板36Aからブラケット30の底板32、後板36C、サイドメンバアウタ26A及び補強板112に衝突荷重が伝達されて、ブラケット30の前板36A、後板36C及び底板32とサイドメンバアウタ26Aと補強板112とに衝突荷重の吸収を分担できる。
【0097】
さらに、ブラケット30の前板36A及び底板32(底部32A)と連結板46の連結部46Cとの間に閉断面50が形成されることで、ブラケット30の座屈変形(塑性変形)に対する強度が向上されている。しかも、ブラケット30の前板36A及び後板36Cとサイドメンバアウタ26Aとが結合されて重ねられることで、前板36A及び後板36Cが補強されている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、ブラケット30の座屈変形を抑制できると共に、ブラケット30の破断を抑制できて、ブラケット30及び連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0098】
また、ブラケット30の前板36A及び底板32(底部32A)と連結板46の連結部46Cとが離間されている。さらに、連結板46に、第1結合部46Aと連結部46Cとの境界部分、第2結合部46Bと連結部46Cとの境界部分、及び、連結部46Cの第1結合部46Aと第2結合部46Bとの間の中間部分において、折曲部46Dが形成されている。しかも、連結板46の延性が、高くされている。このため、上述の如くストライカ40に車幅方向内側かつ車両前側への衝突荷重が入力された際には、仮にブラケット30が複数箇所において破断されても、連結板46が、変形されつつ(特に折曲部46Dの曲げを解消されつつ)、延伸されることで、連結板46が衝突荷重を良好に吸収できる。
【0099】
以上により、図5と同様に、ブラケット30が複数箇所において破断される前(図5の領域A)には、サイドドア14に作用する衝突荷重を向上できると共に、ブラケット30が複数箇所において破断された後(図5の領域B)には、サイドドア14に作用する衝突荷重が低下することを抑制できる。これにより、車体(サイドメンバアウタ26A)側からのストライカ40の分離を連結板46によって防止でき、サイドドア14の車室16内への侵入を抑制できる。
【0100】
したがって、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0101】
10 ストライカ取付構造
12 車両
14 サイドドア(ドア)
18 ロック機構(係合機構)
26 サイドメンバ(車体)
28 パーテション(車体)
30 ブラケット
32 底板(取付部)
36 突出板(接続部)
38 中空
40 ストライカ
46 連結板(連結部材)
60 ストライカ取付構造
70 ストライカ取付構造
80 ストライカ取付構造
90 ストライカ取付構造
100 ストライカ取付構造
104 連結体(連結部材)
110 ストライカ取付構造
112 補強板(車体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられる取付部及び両端において前記取付部に接続されて内部に中空が形成された接続部が設けられたブラケットと、
前記接続部に取り付けられ、車両のドアの係合機構が係合されることで前記ドアの開放を規制するストライカと、
前記取付部と前記接続部の前記ストライカ取付部分とを連結する連結部材と、
を備えたストライカ取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−173423(P2010−173423A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17153(P2009−17153)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】