説明

ストライピングおよびクリッピング補正

本発明は、レーザービームを制御して、様々な速度で動いている製品上にイメージ記号(例えば、コード/記号および文字の列)を印刷するための方法に関する。この方法は、グループ分類するステップ、ならびに、記号を一連のストライプに整理および/または移動するステップ、ならびに、前端のクリッピング補正と、後端のクリッピング補正と、製品の移動速度が変化した場合には、クリッピング補正をリアルタイムで更新するステップを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
最近の製造方法には、多くの場合、商品への識別コード印刷が伴う。これらのコードは、清涼飲料水の缶、化粧品、ペットフード容器などの一般的な商品において、容易に見ることができる。米国食品医薬品局(FDA)など、商品を規制する政府機関の一部は、特定の商品にこのようなコードを付すことを義務化し得る。
【0002】
このようなコードは、多くの場合、製品が製造された時間および場所を特定する情報を含む。例えば、多くのコードは、製品に関連するバッチ番号を表示する。さらに、多くのコードは、実際に製造された時間および日付も示す。一部のコードは一意的な製造上のパラメータ(例:時間および日付)に関連するため、一部のコードは製品のラベル上にあらかじめ印刷することができない。このため、コードは多くの場合、製品の製造後にラベル上に印刷される。現在のコード印刷技術には、ラベル上にインクを吹き付ける、インクジェットの使用が含まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本出願は、動いている製品へのイメージ(例:コード/記号および文字の列)の印刷のためにレーザーを使用する印刷システムに関する。具体的には、本出願は、一連の「ストライプ」にイメージを整理し、動いている製品の上にストライプを印刷する印刷システムにおけるソフトウェアまたはファームウェアに関する。ソフトウェアはストライプを使って、文字および記号の効率的な印刷順序を提供し、印刷を高速化できる。ソフトウェアは、レーザーの露出ウィンドウ(開口部)の使用を最適化し、マーキング操作の間のレーザー偏向の動きを最小限に抑えることができる。
【0004】
製品の移動が速すぎるまたは遅すぎるためにイメージ全体を印刷できない場合にイメージクリッピングが行われ、開口部がレーザービームの経路を制限する。ソフトウェアは、一つ以上の記号を印刷するための製品上の所望の位置を、リアルタイムで選択することが可能である。ソフトウェアは高速で動いている製品にストライプを印刷するために、ストライプを使用してリアルタイムで「前端」イメージクリッピング補正を提供することが可能である。ソフトウェアは低速で動いている製品にストライプを印刷するために、または長いコードを印刷するために、ストライプを使用してリアルタイムで「後端」クリッピング補正を行うことが可能である。また、ソフトウェアは、リアルタイムでクリッピング補正の更新を行うことが可能である。したがって、ソフトウェアは、コード全体が製品に印刷されること、ならびに印刷されたコードが判読可能であることを保証することが可能である。
【0005】
クリッピング補正は、印刷システムが、所望のイメージを低速で動いている製品、高速で動いている製品、および可変速度で動いている製品に、その製品の速度を制御せずに正常に印刷することを可能とする。
【0006】
ストライピングおよびクリッピング補正は、印刷システムが、より複雑なイメージ(コード)および、開口部よりも長いイメージなどのより長いイメージを製品に印刷することを可能とする。クリッピング補正は、非常に長い記号の文字列の印刷を可能とし得る。
【0007】
クリッピング補正は、印刷時にレーザーを開口部内のほぼ中央に配置することを可能とし得る。光パワー損失は開口部の中央部で最小となり得る。ほぼ中央への配置を維持しておくことで、より確実なレーザーマーキングを得ることが可能となる。
【0008】
ソフトウェアは、CIJ(文字インクジェット)と互換性を持つことが可能である。
【0009】
本出願の一局面は、レーザー光源、入力モジュール、およびプロセッサを備えるシステムに関する。レーザー光源は、動いている製品にイメージを印刷する。入力モジュールは、動いている物体の速度および動いている物体の位置を特定する情報を受信する。プロセッサは、動いている物体に印刷されるイメージを、印刷されるイメージを総合的に表す複数の平行な線へ分割することと、(a)動いている物体の速度、(b)動いている物体の位置、および(c)印刷されるストライプのパラメータ、のうちの一つ以上に基づいて、ストライプを印刷する時間およびストライプを印刷する動いている物体の上の位置の少なくとも一つを決定することと、時間および位置の値に従って動いている物体にストライプを印刷するためにレーザー光源を制御することと、を含む操作を実行する。
【0010】
別の局面は、イメージを複数のストライプに整理するための第一のモジュールと、(a)ストライプを印刷するための動いている物体上の位置と(b)動いている物体に少なくとも一つのストライプを印刷する時間との少なくとも一つを決定するために、ストライプとトリガー入力と速度入力とを受信するための第二のモジュールと、動いている物体にストライプを印刷するためのレーザー光源と、を備えるシステムに関する。
【0011】
別の局面は、印刷されるイメージを、イメージを総合的に表す複数のストライプに整理することと、(a)動いている物体の速度、(b)動いている物体の位置、(c)印刷されるストライプのパラメータ、のうちの一つ以上に基づいて、ストライプが印刷される時間およびストライプが印刷される、動いている物体上の位置の少なくとも一つを決定することと、決められた印刷時間および位置に基づいて、動いている物体上にレーザービームでストライプを印刷することと、を包含する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
一つ以上の実施例の詳細については、添付の図面および以下の記述で説明する。その他の特徴および利点は、記述、図面および/または特許請求の範囲から明白である。
【0013】
本出願は、印刷システムに隣接した位置に置かれる製品にコードを印刷するための印刷システムに関する。特に、本出願は印刷システムにおけるローアングル光学(low angle optics)やリバース光学(reversed optics)などの光学アセンブリに関する。印刷システムは、印刷ビームを発生するためのレーザーを含む。光学アセンブリは、印刷ビームを製品上のある位置から別の位置へと操作する。印刷システムは、印刷ビームが各位置に滞留(dwell)する時間を調整するための電子機器を含む。この「滞留時間」は、印刷ビームによってスポットが各位置に形成されるように調整される。
【0014】
該位置は、スポットが製品上に画素を形成するように配置され得る。次に、画素は、コードの記号を形成するように配置され得る。コードの記号は、英数字記号および製品バッチ、日付などを特定するのに使用される任意のその他の記号などの、ワードプロセッシングプログラムで使用可能な記号であり得る。このコードは製品の名称または識別子などの読取り可能なテキストであり得る。このコードは英数字である必要はなく、また、通常のワードプロセッシングプログラムで生成されない記号を含むことができる。例えば、このコードはバーコードであり得る。
【0015】
印刷システムを利用する製品は、小売店で販売される製品または市販製品のパッケージであり得る。さらに、製品は、他業者向けに販売される製品であり得る。製品の例としては、医薬品、医薬品パッケージ、食品パッケージ、化粧品、卵などの食品、日用品、アイスクリーム、コンピュータ部品、自動車部品、医療器具、洗剤、ソフトドリンクやワインなどの飲料がある。
【0016】
このコードは、製品の複数の位置に形成されることができる。例えば、プラスチック製の医薬品ボトルは、プラスチックボトルに直接印字される一つのコードと、プラスチックボトルに貼付されるラベルに形成される別のコードを有することができる。
【0017】
上述したように、コードは複数のスポットから構成される。印刷ビームが製品を照射する位置において材料の光学的特性を変えることによって、製品上にスポットが形成される。印刷ビームは、製品の様々な光学的特性を変えることができる。例えば、印刷ビームは材料の一つ以上の層を除去して、下の層が見えるようにすることができる。材料の上層は多くの場合紙の上のインク層を有するために、インク層を除去することにより、周りのインク層に対して紙が見える部分にスポットができる。材料の屈折特性も変えることができる。例えば、印刷ビームを使って、ソフトドリンクのボトルなどのプラスチックにコードを印刷することができる。印刷ビームは、プラスチックの屈折特性を変える。対照的な屈折特性を有する部分は目立つために、コードは容易に視認される。さらに、印刷ビームは特定の材料をエッチング処理できる。
【0018】
印刷システムは製品上に印刷するためにレーザーを採用しているために、インクや溶剤などの消耗品が不要である。従って印刷システムは、製品へのコードの印刷に関連する費用および複雑さを削減することができる。
【0019】
製品へのコード印刷にレーザーを採用する従来の印刷システムは、通常多くの場合において液体による冷却および大幅なスペースを必要とする高出力レーザーを利用している。しかしながら、以下で説明する印刷システムでは、レーザーの出力削減を補うためにレーザーが各位置に滞留する時間を長くすることができる。その結果として、印刷システムに低出力のレーザーを採用することができる。例えば、一実施形態においては、レーザーは空冷のCOレーザーである。一部の例ではレーザーは高々25ワットのレーザーであり、別の例ではレーザーは高々20ワットのレーザーであり、その他の例ではレーザーは高々15ワットのレーザーであり、また別の例ではレーザーは高々13ワットのレーザーである。
【0020】
レーザーを低出力のレーザーとすることができるために、レーザー、光学アセンブリおよび関連する電子機器をインクジェットプリンターと同程度のサイズのハウジングに取り付けることが可能である。その結果として、滞留時間が調整できることは、本発明に従った印刷システムが、レーザーを採用する従来の印刷システムに関するサイズおよびスペース上の課題を解決することを意味する。したがって、以下で説明する印刷システムは、製品にコードを印刷するために使用されるインクジェットよりも向上した代替品となる。
【0021】
印刷システムは、製品ライン上の製品など、動いている製品に印刷することに適合し得る。これらの製品はシステムに対して相対的に動いているために、各製品に印刷可能な時間は限られる。印刷システムは、製品にコードを印刷するための時間を変更する電子機器を含む。例えば、印刷システムは、コードを定義する画素の密度を変更するための電子機器を含む。低い画素密度を有するコードは、高い画素密度を有するコードよりも高速で印刷されることが可能である。さらに、印刷システムは、コードを定義する画素のサイズを変更するための電子機器を含む。画素が小さいほど必要な印刷時間は短くなる。さらに、印刷システムの滞留時間は、上述しているように変更可能である。コードの印刷に必要な時間を変更できることは、印刷システムがさらに幅広い製品ラインに使用されることを可能とする。
【0022】
図1Aおよび図1Bは、印刷システム10に隣接した位置に置かれる製品22に印刷するための印刷システム10を示す。図1Aは、印刷システム10の側面図であり、図1Bは印刷システム10の上面断面図である。印刷システム10は、印刷ビーム14を生成するためのレーザー12を含む。任意のレーザー12が印刷システムで使用可能である。レーザー出力の低さを補うために滞留時間を長くすることができるために、低出力のレーザーを印刷システムに使用することができる。例えば、レーザー12は空冷COレーザーであり得る。一部の例において、レーザーは25ワットのレーザー、20ワットのレーザー、15ワットのレーザーまたは13ワットのレーザーであり得る。
【0023】
レーザー/エネルギー源12からの印刷ビーム14は光学アセンブリ18を通過して、製品パッケージで使用される材料などの、材料20に入射する。以下に詳述するように、ビーム14が材料20に入射する時間は、ビーム14が材料20にスポットを形成できるよう、調整されることができる。
【0024】
光学アセンブリ18は、印刷ビーム14の方向を変える構成要素を含む。これらの構成要素は、各位置においてスポットを生成するよう、ある位置から別の位置へ印刷ビーム14を操作するように制御可能である。以下に詳述するように、スポットは、材料20の上に一つ以上の画素88を形成するように配置され得る。さらに、これらの画素88は材料20の上に、一つ以上の記号を形成するように配置され得る。これらの記号は、製品22または製品22のラベルに印刷される英数字のコードであり得る。
【0025】
印刷システム10はさらに、レーザー光源/エネルギー源12および光学アセンブリ18と通信する電子機器26をも含む。電子機器26は、印刷システム10に機能性を提供するための一つ以上のプロセッサを含み得る。適切なプロセッサは、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理ゲートアレイおよび切り替えアレイを含むが、これに限定されるものではない。電子機器26はさらに、一つ以上のプロセッサによって実行される命令の貯蔵および/または印刷システム10の動作中に開発されたデータの貯蔵に使用される、一つ以上のメモリをも含み得る。適切なメモリは、RAMおよび電子的な読み込み専用メモリ(例えば、ROM、EPROM、またはEEPROM)を含むが、これに限定されるものではない。
【0026】
電子機器26は、レーザー12および光学アセンブリ18の動作を制御する。例えば、電子機器26は、印刷ビーム14の方向、スポットが形成される材料20上の位置を印刷ビーム14が滞留する時間の長さ、ビームが滞留する各位置の間を印刷ビーム14が移動する速度、視認可能な記号を作成するために使用される画素88のサイズ、作成した記号の選択などを調整するために、光学アセンブリ18を制御することができる。
【0027】
電子機器26は、ユーザーインターフェース30と通信できるように任意で接続され得る。ユーザーインターフェース30は、ハウジング16と離れていてる、ハウジング16に取り付けられている、および/またはハウジング16から取り外し可能であることができる。ユーザーインターフェース30は、ハンドヘルド機器であり得る。適切なユーザーインターフェース30は、英数字のキーボードおよびディスプレイを含み得る。ユーザーインターフェース30は、電子機器26をプログラムするために、および/または印刷パラメータを設定するために使用できる。例えば、ユーザーインターフェース30は、印刷ビーム14が材料20上の単一の位置に滞留する時間、視認可能な記号を形成するために使用される画素88のサイズ、形成される記号の種類および文字列などを手動で制御するように使用可能である。さらに、ユーザーインターフェース30は、印刷システム10を手動で起動するためにも使用され得る。例えば、ユーザーインターフェース30は、印刷システム10に材料20への印刷を行わせる印刷キーを含むことができる。
【0028】
電子機器26は、一つ以上のセンサー31と通信することもできる。これらのセンサー31は、印刷システム10が印刷する製品についての情報を電子機器26に提供できる。例えば、センサー31は、印刷システム10に対する製品22の相対的位置、製品22が動いている方向、動いている製品22が停止した時間、および製品22が正しい印刷位置にいる時間を示すことができる。適切なセンサー31(以下で説明)は、製品22が動いている速度および/または方向の検出のために使用される速度センサーと、センサー31の前に製品22が位置していることを示すための位置センサーとを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0029】
印刷システム10は、印刷ビーム14がここからハウジング16外に出る印刷ビーム出口部材32を含む。印刷ビーム出口部材32は、ハウジング16の開口部またはハウジング16に取り付けられている固定ウィンドウのように単純化され得る。別の実施形態においては、印刷ビーム出口部材32は、Aの矢印によって示されているように、ハウジング16に対して移動可能とすることができる。この実施形態においては、印刷ビーム14は、印刷ビーム出口部材32を操作することによって手動で材料20の上の特定の位置に向けることができる。
【0030】
レーザーは低出力レーザーにすることができるため、ハウジング16も小型化することができる。例えば、ハウジング16は、1200立方インチ未満の容積にすることができる。ある例では、ハウジング16は、900立方インチ未満の容積にすることができる。別の例では、ハウジング16は、1200立方インチ未満の容積にすることができる。一実施形態においては、ハウジング16は25インチ未満の長さL、10インチ未満の幅W、および5インチ未満の高さHを有する。別の実施形態においては、ハウジング16は23.5インチ未満の長さL、7.5インチ未満の幅W、および4インチ未満の高さHを有する。これらの寸法において、ハウジング16は印刷ビーム出口部材32を含むことができる。
【0031】
小型サイズは、軽量性にも関連している。例えば、一実施形態においては、ハウジング16および内部の構成要素の重量は、30ポンド未満である。一部の例ではハウジング16および内部の構成要素の重量は25ポンド未満であり、別の例では、ハウジング16および内部の構成要素の重量は22ポンド未満である。この重量には、ハウジング16から分離されている構成要素の重量は含まれない。例えば、この重量には、ハウジング16に統合されていないユーザーインターフェース30は含まれない。さらに、この重量には、印刷システム10が通信を行うがハウジング16に統合されていないセンサーの重量は含まれない。
【0032】
図2は、製品22上のに印刷ゾーン34を形成する、印刷システム10の例を示す。印刷システム10は、材料20に印刷ゾーン34を定義するための構成要素を含むことができる。例えば、印刷システム10は、図2で示されているように、材料20に矩形を投影できる。印刷システム10は、印刷ゾーン34の内部にコードの記号を形成する。
【0033】
印刷システム10の動作時において、印刷ゾーン34は、自動的に印刷されるか、またはオペレータによって制御されることができる。印刷ゾーン34が材料20の所望の位置に形成されるように、オペレータは印刷ビーム出口部材32を調整することができる。次いで、ユーザーインターフェース30が、印刷ゾーン34内で印刷を起動するために使用される。その結果として、印刷システム10のオペレータは、印刷ゾーン34が所望の印刷位置に表示されることを確かめることによって、印刷システム10が材料20の上にコードを印刷する位置を選択することができる。適切な印刷ゾーンマークは、印刷ゾーン34の四隅のマーク、印刷ゾーン34の中央に位置するマーク、および印刷ゾーン34の周囲の点線を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0034】
印刷システム10の一実施形態においては、電子機器26は、印刷ゾーン34のサイズおよび形状を制御する。その結果として、電子機器26は、材料20に印刷される記号のサイズおよび形を適合させることができる。例えば、通常よりも大きなコードが材料20に印刷される場合、電子機器26は印刷ゾーン34を拡大することができるため、コードは印刷ゾーン34内に完全に収まって形成される。その結果として、コードのサイズが大きくなることが、材料20のコードの位置に不備を生じさせることはない。
【0035】
図3Aは、印刷システム10の前で製品22を一時的に停止させる製品ライン36と共に動作する印刷システム10の側面図を示す。印刷システム10は、静止した製品22または印刷システム10に対して製品22を搬送する製品ライン36上に置かれる製品パッケージに印刷を行うことができる。図3Aの印刷システム10は、印刷トリガー38の前に製品22の一つが位置しているときに検知する印刷トリガー38と通信している。適切な印刷トリガー38は、光のビームを生成する機器を含む。この機器は、製品22が製品ライン36を移動するときに製品22がビームを妨げるよう、製品ライン36の隣に設定されることができる。印刷システム10はこの機器をモニターし、製品22がビームを妨げているときを判断することができる。印刷トリガー38は、それがトリガーされたときに、製品22が製品22の上に印刷するための正しい位置に置かれるように、配置され得る。代替案として、印刷トリガー38は、それがトリガーされたときに、製品22が製品22の上に印刷するための正しい位置に置かれる前に、時間遅延が経過するように配置され得る。
【0036】
印刷システム10は、さらに、印刷システム10の前で各製品22を停止する停止メカニズム40とも通信を行う。製品ライン36の動作中は、製品22が製品ライン36上を移動することができるように停止メカニズム40は引き込まれる。この移動は、一つ以上の機械的な力または一つ以上の重力などの自然力によるものとすることができる。製品22が停止メカニズム40を通過した後、停止メカニズム40は、次の製品22をブロックするために、元の位置に戻される。
【0037】
図3Aで示される印刷システム10の動作時において、製品22は、製品ライン36の印刷システム10の前を通過する。印刷システム10は印刷トリガー38をモニターし、製品22が印刷トリガー38の前を移動する時間を判断する。印刷システム10は、停止メカニズム40に製品22が押し付けられるように、あらかじめ設定された遅延の間待機し、次にパッケージに記号を印刷する。その結果として、製品22は、印刷システム10がパッケージにコードを印刷している間、静止状態に留まる。
【0038】
コードが印刷されると、印刷システム10は停止メカニズム40を起動し、製品22は再び動くことができる。印刷メカニズムは、製品22の間のギャップを発見するために、印刷トリガー38をモニターする。ギャップが発見されると、印刷システム10は停止メカニズム40を起動して次の製品22を停止し、印刷トリガー38を再びモニターして次の製品22が印刷トリガー38の前でいつ移動したかをを検知する。
【0039】
図3Bおよび図3Cは、印刷システム10に製品22を継続的に搬送する製品ライン36と共に使用される印刷システム10を示す。製品22は、ラインに沿って均等に配置されるか、または散発的に配置され得る。印刷システム10は、印刷トリガー38および速度センサー42と通信する。電子機器26(図1B)は、製品ライン36の製品22の速度および方向を決定するために、速度センサー42からの信号を利用することができる。適切な速度センサーはエンコーダーおよびリゾルバを含むが、これに限定されるものではない。
【0040】
印刷システム10の設定中に、管理上の理由により、印刷システム10と印刷トリガー38との間の距離が電子機器26に入力される。代替案の実施形態においては、印刷トリガー38はハウジング16に取り付けられ、印刷トリガー38と印刷ビーム14との間の固定された公知の距離を実現する。この実施形態においては、電子機器26が距離を探知できるため、管理上の理由で距離を入力する必要はない。
【0041】
動作中に、印刷システム10は、製品22が印刷トリガー38の前をいつ移動したかを判断するために、印刷トリガー38をモニターする。印刷トリガー38により、製品22が印刷トリガー38の前を移動したと判断されるときには、印刷システム10は、ライン36上の製品22の速度を判断し、この速度を使用してコード位置時間遅延を決定する。コード位置時間遅延は、コードが製品22の所望の位置に印刷されるように、決定される。このコード位置時間遅延を決定するための適切な方法が以下に説明される。決められたコード位置時間遅延が経過すると、製品22が印刷システム10を通過するときに記号が印刷される。
【0042】
コードが印刷された後には、印刷トリガー38は、製品22がいつ印刷トリガー38を通過したかを判断することができる。一実施形態においては、印刷トリガー38は、新しい製品22が印刷トリガー38の前を通過した時間を特定するために常時モニターしている。図3Bに示されているように、印刷トリガー38は、印刷システム10がある製品22に印刷を行っている間に、別の製品22によってトリガーされることが可能である。つまり、印刷システム10は、ある製品22を印刷しながら、別の製品22の時間遅延を追跡することができる。こうした状況は、標準のマルチタスクプログラミングで処理可能である。
【0043】
印刷システム10は、他の製品ライン36と共に使用可能である。例えば、一部の製品ライン36は、製品22にラベルを貼付するためのラベルステーションを含む。ラベルステーションは、通常、各製品22にいつラベルが貼付されたかを判断するための電子機器を含む。印刷システム10はラベルステーションと通信することができ、製品22に貼付後に各ラベルにコードを印刷することができる。コードの印刷は、ラベルステーション内の電子機器によってトリガーされることが可能である。例えば、ラベルステーションの電子機器がラベルが貼付されたことを検知すると、これらの電子機器はコードを印刷すべきであることを示す信号を印刷システム10に送ることができる。
【0044】
図4Aは、印刷システム10の光学アセンブリ18の上面図を示す。光学アセンブリ18は、印刷ビーム14を生成するレーザー光源12を含む。印刷ビーム14は、印刷ビーム14を拡大する、第一の負レンズ(negative lens)50を透過する。光学アセンブリ18は、さらに、印刷ゾーンビーム53を拡大する第二の負レンズ54を透過する印刷ゾーンビーム53を生成するための印刷ゾーン光源52も含む。印刷ビーム14および印刷ゾーンビーム53は同時に生成されるものとして示されているが、電子機器26(図1B)は、これらをそれぞれ別々に生成することができる。さらに、印刷ゾーンビーム53はオプションであり、光学アセンブリ18に含まれる必要はない。
【0045】
印刷ビーム14および印刷ゾーンビーム53は、ビーム合成装置56において合成される。合成されたビームは正レンズ(positive lens)58を透過し、これにより、リフレクター60で反射される前にビームがコリメートされる。合成されたビームは、次に複数の鏡62に向かい、それは合成されたビームを第二の正レンズ63に向けて反射し、それは合成されたビームをフォーカスする。この合成されたビームは次に保護ウィンドウ64を通過し、製品22に向かう。
【0046】
図4Aは光学アセンブリ18の上面図であり、鏡62同士は重ねて配置されているため、鏡62の配置は図4Aからは明らかでない。図4Bは、鏡の配置を明らかにするための、保護ウィンドウ64を通して見た、光学アセンブリ18の側面図を示す。合成されたビーム14、53は、Aの矢印で示されるように、左から鏡62に到達する。ビーム14、53は、第1の鏡66から下の第2の鏡68に反射される。合成されたビーム14、53は、第2の鏡68から紙面の外に反射される。
【0047】
図4Cで示されているように、鏡62を動かすために、一つ以上のアクチュエータ70に、鏡62の片方または両方を結合することができる。適切なアクチュエータ70は、マイクロモーターを含むが、これに限定されるものではない。アクチュエータ70は、パッケージに記号および印刷ゾーン34を形成するためのビーム14、53を操作するために、電子機器26(図1B)によって制御される。例えば、印刷ゾーン34が矩形を有している場合には、印刷ゾーンビーム53は、約100サイクル/秒の、矩形が人間の目で完全な矩形として見える速度で、印刷ゾーン34の周囲の矩形をトレースできる。
【0048】
図4Aの第2の正レンズ63は非線形のレンズとすることができる。図4Dは、第1の位置および第2の位置における第2の鏡68を示す。第1の位置において、印刷ビーム14とレンズ軸との間の角度はαであり、第2の位置において、この角度は2倍の2αである。レンズ63の非線形の特性により、印刷ビーム14は、第2の鏡68が第1の位置にある場合にはレンズからの距離Cにおいて製品22に入射する。しかし、第2の鏡68が第2の位置にある場合には、印刷ビーム14は、角度は2αに増加しているにも関わらず、レンズ軸から2Cの距離において製品22に入射しない。鏡68の動きと印刷ビーム14の動きとの間に比例関係がないことは、レンズ63の非線形の特性の結果である。
【0049】
電子機器26(図1B)は、第2の正レンズ63の非線形の影響を修正するロジックを含むことができる。従って、このロジックによって、印刷ビーム14を2C分移動するために、第2の鏡68は角度を2αよりも大きく増すことになる。この修正のロジックは、第2の正レンズ63に対するαとCとの間の関係を提供する、理論的な光方程式から展開され得る。代替案としては、この修正のロジックは、αとCとの間の関係を決定するために実行される実験から展開され得る。この修正のロジックにより、非線形性の修正のために通常使用される高価で大型のF−θレンズが不要になる。したがって、この修正により、印刷システム10のサイズを縮小し、コストを削減することが可能である。
【0050】
球面収差の影響は、可変滞留時間によって修正することができる。例えば、製品22上で収差の影響が明らかなときには、滞留時間を長くすることができる。
【0051】
印刷ゾーン光源52を含む光学アセンブリ18の動作中に、印刷ゾーン光源52が有効化され、レーザー12は無効化される。鏡62が動かされ、製品22上に印刷ゾーン34が形成される。パッケージに記号を形成する場合、印刷ゾーン光源52は係合されず(disengaged)、記号が形成されるまで、レーザー/エネルギー源12が係合され(engaged)る。記号が形成されると、レーザー/エネルギー源12は係合を解かれ得、印刷ゾーン34の形成を継続するために印刷ゾーン光源52が係合され得る。
【0052】
図1Bを参照して説明したとおり、印刷システム10は、装置ハウジング16に対して移動可能な印刷ビーム出口部材32を含むことができる。図4Cおよび図4Eは、印刷ビーム出口部材32のこの動きを可能にする機械的な構造を示す。図4Cのフレーム76は、ハウジング16内の印刷ビーム出口部材32を支持する。フレーム76と印刷ビーム出口部材32との間に配置された軸受78により、印刷ビーム出口部材32はフレーム76に対して移動可能である。図4Eは、印刷ビーム14に沿って見た場合の、軸受78の側面断面図を示す。印刷ビーム14は、軸受78(図4E)によって可能となる回転80の軸に沿って軸受78(図4Cおよび図4E)を通過し、鏡62(図4C)によって反射され、出口部材32(図4Cおよび図4E)の端を通過する。このため、フレーム76に対する印刷ビーム出口部材32の動きによって、軸受78に対する印刷ビーム14の位置が変わることはない。
【0053】
図4Cおよび図4Eに示されているように、鏡62およびアクチュエータ70は、印刷ビーム出口部材32と結合される。このため、印刷ビーム出口部材32がハウジング16に対して移動すると、鏡62およびアクチュエータ70は印刷ビーム出口部材32と共に移動する。さらに、第1の鏡66(図4B)の一部は、回転80(図4E)の軸受軸方向に配置される。このため、印刷ビーム出口部材32の動きにより、印刷ビーム14および第1の鏡66の間の入射角が変わることはない。したがって、印刷ビーム出口部材32がハウジング16に対して移動するときにも、第1の鏡66は印刷ビーム14を第2の鏡68の同じ位置に向け、印刷ビーム14は保護ウィンドウ64の同じ位置を通ってハウジング16から出る。ハウジング16に対して印刷ビーム出口部材32が回転可能となっているために、印刷ビーム出口部材32によって伝達される印刷ビーム14は製品22の様々な位置に向けられることができる。
【0054】
上述したように、印刷ビーム14は、その位置の光学的特性が変わるまでその位置に留まることによって、製品22上の様々な位置に複数のスポットを形成する。例示の目的のために、図5A〜図5Dは、製品22からのインク層除去による製品22へのスポットの形成を示す。図5Aおよび図5Bは、材料20にスポット83(図5C)が形成される前の、特定の位置で材料20上に入射した印刷ビーム14を示す。材料20は、紙などの下地(substrate)82を含む。下地82の上にはインク層84が形成されている。インク層84は、多くの市販されている製品22のラベルから明らかなように、様々な色および様々なインクの種類を含むことができる。図5Aに示される材料20は、追加の層86を含む。追加の層86は、製品パッケージにおいてインク層84の上に多くの場合存在する、一つ以上の層を示す。例えば、ドッグフードの袋などの多くの材料20は、下地82およびインク層84の上のワックス層を含む。
【0055】
図5C〜図5Dは、材料20の特定の位置にスポット83が形成された後の材料20を示す。印刷ビーム14が特定の位置に滞留する時間は、下地82を焼損することなく印刷ビーム14がインク層84および追加の層86を材料20から除去するように調整される。その結果として、材料20の特定の位置において下地82が視認される。インク層84を除去するための時間は、通常100〜500μsである。
【0056】
スポット83を形成する時間は、多くの場合、層の材料20の関数である。例えば、追加の層86は、パッケージを保護しパッケージの見た目を美しくするワックス層とすることができる。こうした層を通してスポット83を形成することは、多くの場合、インク層84のみによってかかる時間よりも長くかかる。
【0057】
本出願は、ある位置にスポットを形成するように、ある位置に印刷ビーム14が滞留する時間を調整することを含む。一部の例では、滞留時間は、100μs、200μs、50〜50,000μs、100〜500μs、または200〜500μsなど、50μsよりも大きくなる。一部の例では、スポットの直径は、400μm未満、250μm未満、または170μm未満である。
【0058】
図6Aは、材料20上に画素88を定義できるように、材料20(図5A)上に配置された複数のスポット83を示す。Aの矢印で示されているように、ある位置から別の位置へ印刷ビーム14を移動することが画素88を形成する。各位置にスポット83が形成される。印刷ビーム14は、好適にも画素88の形成中のあいだ材料20を照射する。印刷ビーム14は、好適にもスポット83の間において材料20上のいかなる層をも除去しないような速度で、スポット点83が形成される位置間を移動する。これは、レーザー12の出力が比較的低いことによって可能となる。その結果として、スポット83の間においては材料20にマークは形成されない。代替案としては、スポット83の間において除去を行うのに十分低い速度で、印刷ビーム14をある位置から別の位置に移動することができる。さらなる除去は、スポット83の間における連続した外観の生成に役立つ。
【0059】
図6B〜図6Dに示されているように、印刷システム10によって形成される画素88のサイズは選択可能である。画素88を生成するために使用するスポット83の数を増やすと、画素88のサイズを拡大することができる。所与のエネルギー源パワーおよびスポットのサイズに対しては、画素88の生成に必要な時間と画素サイズの間にトレードオフが存在する。このため、より長い印刷時間が必要な場合には画素のサイズを小さくすることができる。さらに、上で説明された画素88は六角形をしているが、スポット83は六角形以外の形の画素88の中において配置することができる。例えば、画素88は正方形、三角形、円形などであり得る。一実施形態においては、印刷システム10のオペレータは、画素88のサイズおよび形を選択するためにユーザーインターフェース30(図1A)を使用することができる。
【0060】
図7Aは、5つの縦列と5つの横列内に配置される、考えられる画素88のアレイを示す。記号の画素88となると考えられる画素88のいくつかを選択し、その他の画素88を選択しないことによって、アレイに記号を形成することができる。例えば、図7Aで濃色に表示されている、考えられる画素88を選択することによって、「T」が形成される。アレイの考えられる画素88から選択したパターンに製品22の上に画素88を生成するように、印刷ビーム14を向けることによって、印刷システム10(図1A)は製品22の上に記号を生成する。従って、図7Bに示されているように、製品22に記号が表示される。限られた数の考えられる画素88からの記号の生成は、計算機または従来のスコアボードのLCDディスプレイにおける文字の生成によって示されるように、公知である。
【0061】
図7Aのアレイは円形の画素88を有するものとして示されているが、アレイは、正方形などの異なる形の画素88を含むこともできる。画素88間の距離は、コードのサイズを大きくしたり小さくしたりするために調整され得る。一部の例では、画素88の間の距離を、ある画素88の境界線が別の画素88の境界線に接するまで短くしている。画素88の境界線が別の画素の境界線と接しており、画素88が正方形の形状であるときには、コードの記号は塗りつぶした連続的な外観を有することができる。
【0062】
図示されたアレイは5列×5列のものであるが、別のアレイ構成も可能である。例えば、5列×5列、7列×5列、および16列×10列が好適なアレイ構成である。さらに、アレイは、縦列および横列に配置される必要はない。さらに、アレイにおける考えられる画素88は重なってもよい。また、一部の画素88は、他の画素88と異なるサイズを有することができる。さらに、アレイサイズは、印刷時間の要件に適合するよう変更することができる。例えば、印刷するコードが大きすぎるため、コードが印刷可能な位置に製品22が存在している時間内に、印刷システム10(図1A)が動いている製品22にコードを印刷できない場合、システム10によって印刷される画素数を減らすために、アレイのサイズを縮小することができる。システム10が印刷する必要のある画素数がより少なくなるために、コードの印刷に必要な時間が短縮される。従って、本出願の実施形態は、動いている製品に印刷される英数字のコードにおける画素密度を変更するための電子機器を含む。
【0063】
図1Bの電子機器26は、各記号を特定の画素パターンと関連付けるデータベースを含むことができる。その結果として、オペレータは記号または記号の列をユーザーインターフェース30に入力することができ、印刷システム10は各記号に関連する画素パターンを決定するためにデータベースを参考に利用する。電子機器26は、コードの中の各画素88の位置を示す第1のデータセットを形成するために、各記号の画素パターンを使用することができる。例えば、各画素88は、画素88が互いに印刷される相対的位置を示すデカルト座標と関連付けられることができる。記号の中の画素88の相対的な配置を制御するために、その他の座標系および方法も使用できる。
【0064】
使用されるレーザー12は低出力レーザーであることが好ましいため、画素88の間において材料20にマークをつけることなく、画素88の間でレーザー12を移動することが可能である。このため、レーザー12はまた、記号の間において材料20の一部にマークをつけることなく、記号の間を移動することができる。結果として、画素88および/または記号の間で印刷ビーム14を移動させている間に、印刷ビーム14を中断する必要がない。印刷ビーム14を中断する典型的な方法は、レーザー12をオフに切り替える、または不透明な物体を印刷ビーム14中に置くことを含む。この中断する方法には、印刷ビームの中断と、印刷ビーム14の動きおよび製品22の動きの両方を同期化する必要が生じ得る。本発明の印刷システム10は、これらの課題を解決することが可能である。
【0065】
図8Aは、レーザー12が有効に印刷できる領域である、開口(aperture)90を示す。開口90は物理的なウィンドウであり得るが、この開口90は一般的には、光学アセンブリ18(図4A)の制約の結果によるものである。例えば、開口90は一般的には、その内部においては、光学アセンブリ18により、印刷品質の好ましくない損失を受けることなく印刷システム10が印刷できる領域を定義する。製品22が印刷システム10を通過する際に、印刷システム10はこの開口90を通してコードを印刷する。動いている製品22上に印刷する際の印刷効率を高めるために、印刷システム10は画素優先順位設定法を採用することができる。画素優先順位設定法は、この開口90の有効なサイズを大きくする。このために、画素優先順位設定法は、製品22が画素優先順位設定法を使用せずに達成できる速度よりも速く、印刷システム10を通過することを可能とする。
【0066】
画素優先順位設定は、製品22上で画素88が形成される順序を決定する。より高い優先順位を有する画素88が、より低い優先順位を有する画素88よりも前に印刷される。印刷される文字列/順番によって、製品の動く方向との反対の方向に画素88が印刷されるように、画素88の優先順位が設定される。例えば、図8Bは、5つの縦列と5つの横列を有する画素88のアレイで形成されるU字型の記号を示す。縦列が印刷される順序は、製品が動く方向の反対の方向に優先される。U字型の記号は、Aの矢印の方向に動く製品22上に印刷される。画素形成の順序は、Bの矢印で示されている方向に優先される。具体的には、1で示される縦列の画素88が最初に印刷され、5で示される縦列の画素88が最後に印刷される。
【0067】
図8Aは、印刷中である図8BのU字型記号の一部を示す。画素88は動く方向と反対の方向に印刷されるため、記号の残りの部分が印刷される製品22の部分は、まだ図8Aの開口90に進入していない。その結果として、まだ、記号の残りの画素88を印刷する時間が残されている。しかしながら、画素88が反対方向に優先される場合には、製品22の一部、最後に印刷される画素88は、印刷システム10がこれを印刷する前に開口90を通過してしまう可能性がある。このため、製品22は、記号を印刷することができるよう、より低速で動く必要が生じる。結果として、製品の動く方向と反対の方向に画素88の形成の優先順位を設定することは、製品22がより速い速度で印刷システム10を通過することを可能とする。
【0068】
図8Bは、縦列内の画素88に特定の印刷優先順位が割り当てられておらず、縦列ごとに優先順位が設定されている画素88を示す。しかしながら、図8Cに示されているように、画素88の順番に個々に優先順位を設定することができる。一部の例では、一つ以上の縦列の画素88は、製品22に既に存在していた場合に開口90に最初に入る画素88が最も高い優先順位を設定されるよう優先付けされる。例えば、図8CのU字型の記号がAと付けられた矢印で示される方向に移動する製品上にある場合、1と付けられた画素88が開口90に入る最初の画素88となる。従って、この画素88は、縦列1において最も高い印刷優先順位が与えられる。
【0069】
上記の説明は主に画素88の優先順位設定に関するものであるが、優先順位設定を、画素88を形成するスポット83のレベルに設定することができる。例えば、スポット83に優先順位を設定することができるため、スポットは製品の動く方向と反対の方向に印刷される。さらに、スポット83が製品22に既に印刷されている場合には、スポット83が開口に入る順番に基づいて、スポット83に優先順位を付けることが可能である。
【0070】
図9A〜図9Dは、補正されたデータセット、つまり補正されたコードの形成および使用を示す。動いている製品22に印刷を行うために、印刷システム10は、第1のデータセット(図9A)を補正されたデータセット(図9B)に変換する。次に印刷システム10は補正されたデータセットを印刷し、製品22を、あたかもそれが印刷システム10に対して静止しているものとして処理する。補正されたデータセットは、コード/データセットの画素が動いている製品22に印刷されるべき位置を示す、元のデータセットのイメージである。補正されたデータセットは、速度センサー42(図3B〜図3C)によって提供される製品の速度および方向と画素88を形成するために必要な平均時間とを使用して生成される。補正されたデータセットは、また、画素印刷順を使用して生成される。画素88の印刷順は、上記で説明されている画素優先順位方式に従って、または任意の他の画素印刷順方式に従って生成されることができる。補正されたデータセットにおける各画素88の位置、Pは、図9Bで示されるベクトルによって示されているように、画素88が形成されるまで元の記号の画素88が製品22の速度で移動すると仮定することにより、決定される。
【0071】
補正されたデータセットにおける各画素88の位置、Pは、デカルト座標を含む多くの座標系で表現することができる。Pは、方程式1によって決定することができる。
【0072】
=Pn,o+(n−l)(t)v (1)
ここでnは画素88に割り当てられる優先順位であり、Pn,oは画素88nの元の位置であり、tは画素88を形成するのに必要な概算の時間であり、vは製品が動く速度および向きで構成される速度ベクトルである。
【0073】
補正されたデータセットの実施形態を、図9Cに示す。これは、図9Bに示された補正された画素88のみを含む。印刷システム10は、印刷システム10に対して製品22が静止しているとみなして、補正されたデータセットで指定される画素位置を使用してコードを印刷する。このため、印刷ビーム14(図1A)は、画素88の各スポット83が形成される際、印刷システム10に対して固定された状態を保持する。しかしながら、製品22の動きによって、コードセットは、図9Dで示される元のコードとして視覚的に表示される。上記の記号補正の記述は、単一の記号の形成に限定され、コードの中の各記号は印刷前に補正される。
【0074】
補正されたデータセットに関する上記の記述は画素レベルに限定されるが、一部の例では、この補正はスポットのレベルで行われる。より具体的には、記号の画素88を構成する各スポット83に対して補正された位置が決定され、製品22が印刷システム10に対して静止しているものとみなして、記号がスポット83の補正された位置に従って印刷される。
【0075】
図10A〜図10Cは、補正されたデータセットをスポットのレベルで作成および使用する方法を示す。図10A〜図10Cは、図示プロセスを簡略化するために単一の画素88を含むコードについてのものであり、その方法は、複数の画素88を有するイメージを含むように容易に拡張可能である。補正された画素/データセットは、動いている製品22の上に画素のスポットが印刷されるべき位置を示す画素のイメージである。補正されたデータセットは、速度センサー42を使用して生成される製品22の速度と、画素88のスポット83を形成するために必要な平均時間とを用いて生成される。補正されたデータセットは、また、スポットの印刷順を用いて生成される。スポットの印刷順は、画素88の優先順位選定方式に関して説明したスポットの優先順位選定方式に従って生成することが可能である。しかしながら、スポット83の印刷順は、他の方式を使用して作成することも可能である。補正されたデータセットにおけるスポット83の位置、Sは、図10Aで示されるベクトルによって示されているように、スポット83が形成されるまで画素88のスポット83が製品22の速度および方向に移動するとの仮定によって、決定される。
【0076】
補正されたデータセットにおける各スポット83の位置、Sは、デカルト座標を含む多くの座標系で表現することが可能である。Sは、方程式2によって決定することができる。
【0077】
=Sm,o+(m−l)(t)v (2)
ここでmはスポット83に割り当てられる印刷順であり、Sm,oはスポット83mの元の位置であり、t’はスポット83を形成するのに必要な概算の時間であり、vは製品が動く速度および向きから構成される速度ベクトルである。
【0078】
補正されたデータセットを、図10Bに示す。これは、図10Aに示された補正されたスポット83のみを含む。製品22が印刷システム10に対して静止していると仮定して、印刷システム10は補正されたデータセットを印刷する。このため、印刷ビーム14(図1A)は、画素88の各スポット83が形成される際に、印刷システム10に対して固定された状態を保持する。その結果として、図10Dに示されているように静止した製品22上に示されるスポット83は、図10Eに示されているように製品22の動きによって実際には「塗抹され(smeared)」る。画素88を形成するスポット83が製品22で生成される速度により、この塗抹は、一般的にはイメージの外観に影響しない。そのため、製品22の動きによって、修正されたデータセットは、製品22上に図10Cで示される画素88として表示される。
【0079】
印刷システム10(図1A)が上述の補正されたデータセットに従って印刷するためには、システム10は、スポット83の二次元のトレースを印刷できる必要がある。以前の製品印刷用レーザーベースのシステムは、一次元のスポットのトレースまたは画素のトレースの印刷に限定されていた。印刷システム10は、二次元のスポットのトレースまたは二次元の画素のトレースを形成することができる。
【0080】
印刷システム10が製品22の特定の位置にコードを印刷するために、印刷システム10はコード位置の遅延を決定することができる。図11Aおよび図11Bは、製品22、印刷トリガー38、および印刷システム10の間の関係を示す。上述するように、印刷システム10の設定時に、印刷トリガー38および印刷システム10の間の距離が入力される。この距離は、図11Aにおいて距離dとして示される。この距離は、ハウジング16の上にマークなどの、一部の固定の測定点92に対して測定される。測定点92はハウジング16のマークとして示されるが、測定点92は、印刷システム10の物理的な特徴とすることができる。例えば、測定点92は、ハウジング16の1側面にすることができる。
【0081】
印刷システム10は、測定点92と印刷トリガー38に最も近い開口の端との間の距離を把握する。この距離は、図11Aにおいて距離dとして示されている。製品22が印刷トリガー38を始動させる場合、開口の端と製品22の前端との間の距離はd+dになる。
【0082】
印刷システム10のオペレータは、管理上の理由から、ユーザーインターフェース30を使用して、製品22の前面端から製品22に表示するための、コードの中心の場所までの距離を印刷システム10に入力する。この距離は、dとして示されている。印刷システム10は、第一のデータセットで指定される画素位置からコードの長さを決定し、この長さを半分に分割する。この距離は、図11Aにおいて距離dとして示されている。印刷システム10は、方程式3によって、開口の端と印刷領域dの前端との間の距離を決定する。
【0083】
=d+d+d−d (3)
印刷システム10の動作中に、印刷システム10は、dを製品22の速度で除算して、コード位置時間遅延を決定する。製品22の前端が印刷トリガー38に達することが印刷トリガー38によって示されるときに、印刷システム10は、コードの印刷を開始する前に、コード位置時間遅延が経過するまでの間待機する。
【0084】
(ストライピング)
印刷システム10(図1A)のソフトウェア(またはファームウェア)は、ストライピングと、前端のクリッピング補正と、後端のクリッピング補正と、クリッピング補正のリアルタイム更新とを提供することができる。ソフトウェアは、図1A〜図1Bの印刷システム10の電子機器26および/またはユーザーインターフェース30の中に実装され得る。以下の説明では、ソフトウェアは、プロセッサ、メモリ、およびその他の構成要素を含むことのできる電子機器26に実装される。
【0085】
図12は、図1Bの電子機器26の複数のソフトウェアモジュールを示す。ソフトウェアモジュールは、ユーザーインターフェース30からのコマンドを受信し、レーザー12を制御する。ソフトウェアモジュールは、ユーザーインターフェース印刷ジョブ設定モジュール1200(以下、「印刷ジョブ設定モジュール1200」)、画像処理モジュール1202、クリッピング補正モジュール1204、およびリアルタイム印刷ルーティン/ドライバー1206を含む。
【0086】
図17は、図12のソフトウェアモジュールを使用するための方法を示す。一般的に、印刷ジョブ設定モジュール1200はユーザーインターフェース30から印刷コマンドを受信し、ブロック1700でイメージとしての印刷ジョブ(例:マークされる点の順序を有する点のリスト)を設定し、印刷されるイメージを画像処理モジュール1202に送信する。イメージは、一次元または二次元のバーコードなどの、コードまたは一連の記号、会社ロゴおよび製品表示、またはローマ文字ベースの英数字、アジア系文字およびアラビア系文字などの文字であり得る。
【0087】
画像処理モジュール1202は、イメージを、ブロック1702でストライプ(以下に説明)に整理し、このストライプ1208をクリッピング補正モジュール1204に送信する。代替案としては、画像処理モジュール1202は、ストライプ1208を、クリッピング補正モジュール1204がアクセスする先入れ先出しのキューに送信する。ブロック1704でクリッピング補正1204はストライプ1208、トリガー入力1210、および速度入力1212を受信し、クリッピング補正値(以下に説明)をリアルタイム印刷ルーティン/ドライバー1206に出力する。ブロック1706でリアルタイム印刷ルーティン/ドライバー1206は、その値を使用して動いている製品上へのレーザー12による印刷を制御する。
【0088】
ブロック1708で、クリッピング補正モジュール1204または印刷ルーティン/ドライバー1206は、製品の速度が変更したかどうかを判断する。速度が変更した場合、クリッピング補正モジュール1204は、ブロック1710で新しいクリッピング補正値を決定する。
【0089】
別の実施形態においては、イメージはレーザー電子機器26に保存されることができる。ユーザーインターフェース30は、ユーザーが選択、確認、または編集を行えるように、イメージを取り込み表示することができる。
【0090】
図13A〜図13Cは、図12の画像処理モジュール1202によって生成されたストライプの例を示す。「ストライピング」は、図13A〜図13Cに示されているように、「A B C」などの文字または記号のイメージ(例:マークされる点の順序を有する点のリスト)を、複数のストライプまたはデータセットのセグメントに整理することを指す。画像処理モジュール1202は、製品22(図11A)の動きと直交する向きでイメージをストライプに整理する。上記の説明では、製品22は、印刷システム10(図3A〜図3C)に対して水平に移動する。このように、画像処理モジュール1202はイメージを垂直方向のストライプに整理する。図13Aおよび図13Bは、印刷システム10に対して水平方向に移動する製品22に対して作成される垂直方向のストライプを示す。図13Aは、「A B C」の文字の上のラインと「1 2 3」の文字の下のラインを示し、それは3つの垂直方向のストライプ、1306、1304、1302に整理される。図13Bは、6個の垂直方向のストライプ、1312〜1322に整理される、「1 2 3 4」の文字の上のラインと、「A B」の文字の中央のラインと、「5 6 7 8」の文字の下のラインを示す。
【0091】
図13Cは、印刷システム10に対して垂直方向に移動する製品に対する、2個の水平方向のストライプ1332、1334に整理される「A B C」の文字の上のラインおよび「1 2 3」の文字の下のラインを示す。
【0092】
画像処理モジュール1202は1個のストライプに各記号または文字を配置し、記号を複数のストライプに分割しない。例えば、図13Bの記号「3」は1個のストライプ1314に適切に配置され、ストライプ1312および1314などの複数のストライプに分割されるべきではない。図13Bの記号「3」が複数のストライプ1312および1314に分割される場合には、クリッピング補正モジュール1204(以下に説明)は記号「3」を不適切に分割してしまい、図14Cの補正されたイメージを取得することができない。
【0093】
さらに、画像処理モジュール1202は、(記号の水平方向の線に沿った)2個以上の記号を1個の垂直方向のストライプの中に配置しないようにする。例えば、図13Bの「3」および「4」を1個のストライプに配置し、「1」および「2」を別のストライプに配置する場合、クリッピング補正「拡張(spreading)」(以下に説明)は、次のイメージになる。
【0094】
「1 2 3 4」
図13Aおよび図13Bに示されるように、記号(例:図13Bの「1 2 3 4」)の水平方向のラインの各記号がそれ自体の垂直方向のストライプに適切に配置される場合には、以下に説明するクリッピング補正拡張は、図14Cのイメージのような適切に補正されたイメージを生成する。
【0095】
各ストライプには、サイズ/幅、位置、画素数、およびストライプ印刷の時間に基づいて、印刷順および「重み」などのパラメータを割り当てることができる。重みは、ストライプを印刷するのにかかる時間を表すことができる。ある構成においては、ストライプの重みは、時間の単位で以下のように表される。
【0096】
重み=(ストライプの画素数)(画素ごとの滞留時間)
このため、図12の画像処理モジュール1202は、(a)印刷される特定のイメージに対する複数のストライプ1208、(b)ストライプ1208の印刷順、および(c)各ストライプの重み、をクリッピング補正モジュール1204に対して出力することができる。
【0097】
ある構成においては、図12の画像処理モジュール1202は、印刷ジョブが実際に開始する前(すなわち、「オフライン」時間、リアルタイムではない)の任意の時点において、特定の印刷ジョブに対するストライプ1208をクリッピング補正モジュール1204に送信することができる。別の構成においては、画像処理モジュール1202は、クリッピング補正モジュール1204に特定の印刷ジョブに対するストライプ1208をリアルタイムで送信することができる。
【0098】
(前端クリッピング補正)
図14Aは、印刷される所望のイメージの例を示す。図14Bは「前端」クリッピングによって影響を受ける印刷イメージの例を示す。「前端」クリッピングは、(a)製品22がレーザー印刷ウィンドウまたは開口1502(図15A)をあまりに高速で通過しており、レーザー12が印刷を完了できない場合、および/または(b)印刷システム10が、製品の材料に各画素を印刷するために高いレーザー滞留時間(上で説明)を必要とし、レーザー12が印刷を完了できない場合に生じ得る。イメージの左端が、レーザーの開口1502の前端1506(図15A)によって「クリッピングされる」(図14B)ことにより、印刷ビーム14(図1A)は動いている製品22の所望の位置への到達が制限される。言い換えれは、印刷システム10は、高速で動いている製品22に印刷を試みる場合または高い滞留時間が必要な場合には、開口から「外れる」。
【0099】
図15Aは、前端クリッピングの例を示す。図15Aでは、製品における所望の印刷ゾーン1504の位置は、時間と共に(垂直軸)、印刷開口1502を左から右へと通過する。図15Aの時間軸(垂直軸)は、秒、ミリ秒、またはその他の所望の単位であり得る。距離は水平軸上で、ミクロン、DAC(デジタルアナログ変換)ステップまたはその他の所望の単位で計測される。図15Bは、図15Aの距離スケールに従って、所望の印刷ゾーン1504に印刷される所望のコード「1 2 3 4」を示す。図15Aの印刷ゾーン1504A〜1504Eは、ある瞬間ごとのスナップショットであると見ることができる。
【0100】
図15Aの時間2.5の時点で、印刷ゾーン1504Aの一部は開口1502に入り、印刷システム10は第4のストライプ「4」(プロセスブロック1508)の印刷を開始する。ブロック1508は、第4のストライプ「4」をリアルタイムで印刷するのに必要な全時間(垂直方向)および全直線距離(水平方向)を表す。時間4.5の時点で、全印刷ゾーン1504Bは開口1502の内部にあり、印刷システム10は第3のストライプ「3」(プロセスブロック1510)の印刷を開始する。時間6.5の時点で、全印刷ゾーン1504Cはまだ開口1502の内部にあり、印刷システム10は第2のストライプ「2」(プロセスブロック1512)の印刷を開始する。しかし印刷システム10が第2のストライプ「2」の印刷を完了できる前に、印刷ゾーン1504Dは開口1502の前端1506を通過している。このために、第2のストライプ「2」がクリッピングされる。これは、「前端クリッピング」として知られる。印刷ゾーン1504Eが開口1506を通過しているために、印刷システム10は所望の印刷ゾーン1504Eの中に、第1のストライプ「1」を印刷できない。
【0101】
図12のクリッピング補正モジュール1204は、「前端」クリッピングを防止し、イメージ全体(図14C)が確実に印刷されるようにする。トリガー入力1210は、製品22の前端を感知する印刷トリガー(センサー)38(図3A〜図3Cおよび図11Aを参照して上記で説明されている)から送られる。クリッピング補正モジュール1204が新しいジョブを印刷するためのトリガー入力1210を受信すると、このジョブは、クリッピング補正処理キュー1205に置かれる。クリッピング補正モジュール1204はキュー1205を絶えずポーリングし、クリッピング補正を印刷準備のできた次のジョブで実行する。一実施形態においては、クリッピング補正モジュール1204はストライプ1208および速度1212を使用するのみであり、時間の計算はしない。キュー1205により、クリッピング補正モジュール1204が以前にトリガーされた印刷ジョブのクリッピング補正を実行している間に、トリガーを受信することが可能である。クリッピング補正モジュール1204は、リアルタイムで印刷されるコード(一連の記号)に対するクリッピング補正値(以下で説明)を計算する。クリッピング補正モジュール1204は最後のトリガーからの印刷ジョブを終了すると、それはキュー1205の中の次の印刷ジョブに対するクリッピング補正の実行を開始する。
【0102】
印刷ルーティン/ドライバー1206およびレーザー12は、図11Aの「エンコーダー」41を使用して製品の距離を追跡することによって、印刷開始時期を把握する。エンコーダー41はシリンダー(機械的および電気的部品を有する)と、図11Aの動いている製品ライン36に取り付けられるまたは接する車輪を含み得る。エンコーダー41は、ケーブルを経由してレーザー12および/または電子機器26と結合され、レーザー12および/または電子機器26に信号を送信することができる。エンコーダー41は、トリガーの眼/センサー38と図11Aの開口14の中心との間の距離d1+d2を含む、速度および距離を追跡することができる。ユーザーは、製品22の上の印刷ゾーン34の所望の位置を考慮して、トリガーの距離を設定する。図11Aのレーザー装置10の左側、製品22の所望の印刷ゾーン34の例を考えると、トリガーの距離および印刷ゾーンまでの距離の和は、d1+d2+d3で表され得る。製品の位置がトリガー位置から、「トリガー距離」(ユーザーによって設定される)からクリッピング補正モジュール1204によって設定される「開始オフセット」を引いた距離だけ移動すると、レーザー12は印刷を開始する。ユーザーは「トリガー距離」(例:印刷トリガー38と印刷システム10の図15Aの開口1502の中心との間、図11Aのd1+d2)を電子機器26(図1Bおよび図12)に入力することができる。
【0103】
ユーザーまたは技術者は電子機器26に製品22の長さを入力することができ、代替案としては、印刷システム10は製品22の長さを感知して電子機器26に長さを保存することができる。別の構成では、ユーザーまたは電子機器のどちらも製品の長さを入力しない。電子機器26は製品22の長さを把握しておらず、クリッピング補正モジュール1204は、クリッピング補正値が製品の長さを超えてストライプを押し/拡張しているかどうかを把握しない。この場合には、ストライプの一部が製品から外れてしまうにすぎない。
【0104】
クリッピング補正モジュール1204は、さらに、図3B〜図3Cにおける速度センサー42(例:エンコーダー41)から速度入力1212を受信する。上述するように、速度センサー42は製品ライン36上の製品22の速度を感知する。図12のクリッピング補正モジュール1204は、製品22が開口1502の前に来る時間を計算するために、トリガー入力1210が受信された時点の、製品22の公知の距離(図11Aのd1+d2)と以下の方程式の速度入力1212とを使用する。
【0105】
製品の速度=製品の距離の変化/時間の変化
ストライプnに対して、
ストライプ印刷時間=(電子機器26のアドレス空間における点の数)*(ストライプにおける点ごとの滞留時間)
「ストライプ移動距離」を求めるために「ストライプ印刷時間」を使用できる。
【0106】
ストライプ移動距離=ストライプ印刷時間*速度
ストライプの「後端クリッピング位置」および「前端クリッピング位置」を求めるために、「ストライプ移動距離」を使用することができる。
【0107】
TEC(ストライプnの後端クリッピング位置)=ストライプの静的TEC位置+Σ(i=0からi=(n−1)まで)[ストライプ移動距離
「ストライプの静的TEC位置」は、コード全体を開口において速度ゼロで印刷した場合のストライプの後端である。これは、各ストライプで「ストライプ移動距離」がゼロであることを意味する。例えば、図15Aの印刷ゾーン1504Aを開口1502の中心に配置した場合、各ストライプの左側は「静的TEC」となり、各ストライプの右側は「静的LEC」となる。
【0108】
n=2、n=3の場合のΣ(i=0からi=(n−1))[ストライプ移動距離]の例について説明する。TEC(図15Bにおけるストライプ2(n=2)のTEC値)に対しては、クリッピング補正モジュール1204はストライプ2の「静的TEC」を取り、ストライプ1のストライプ移動距離である、全ての以前のストライプの移動距離を加算する。TEC(図15Bにおけるストライプ3(n=3)のTEC値)に対しては、クリッピング補正モジュール1204はストライプ3の「静的TEC」を取り、ストライプ1およびストライプ2のストライプ移動距離である、全ての以前のストライプの移動距離を加算する。
【0109】
LEC(ストライプnの前端クリッピング位置)=TEC−ストライプ幅−ストライプ移動距離
「LEC」を使用して「開始オフセット」(以下に説明)を求めることができる。
【0110】
開始オフセット(開口内の印刷全体の開始位置)=最大LEC−開口サイズ
「クリッピング補正値」(以下に説明)を、以下のようにして計算することができる。
【0111】
クリッピング補正値=
Σ(k=0からk=(全ストライプ数−2)まで)[
Σ(j=(全ストライプ数−1)からj=kまで)[
(LEC−TEC−開口サイズ)/(j−k)]]
ここで、Σは式の整数変数としてのjおよびkに関する総和を表す。この式は、k=0およびj=(全ストライプ数−1)である(LEC−TEC−開口サイズ)/(j−k)の結果に、k=0およびj=((全ストライプ数−1)−1)である場合の(LEC−TEC−開口サイズ)/(j−k)の結果を加算し、同様の結果をj=k=0になるまで加算し続ける。この式はその値を取り、k=1であるときの同プロセスの結果にこれを加算する。この式はこれを、kが(全ストライプ数−2)になるまで繰り返す。
【0112】
クリッピング補正モジュール1204は、(a)ストライプの重さ(時間)および(b)速度センサー42(例:エンコーダー41)からの速度入力1212(V=距離/時間)を使用して、製品の所望の印刷ゾーンに各ストライプを適合させるために、連続する/隣接するストライプの印刷の間の「拡張」の最小値を計算する。時間×(距離/時間)の結果は距離である。「拡張」は、製品が開口1502(図15A)を通過する際に、各ストライプが製品22(図14C)の上に印刷されることを可能とする。拡張は隣接するストライプの間に等しい視覚的空間S1(図14C)を追加し、その結果として、隣接するストライプが全印刷イメージを通じて等距離となる。拡張に対する根拠は、印刷中に全てのストライプ印刷ゾーンを等しい量で開口に押し戻すことである。これにより、ストライプが開口部壁に入り込むこと、およびクリッピング(図14B)することを防止する。ストライプ印刷ゾーンを開口部に押し戻すことにより、製品上に見られるストライプの間に視認できるスペースが生じる。図14C〜図14Eに示される追加されるスペースS1、S2、S3は、クリッピング補正拡張をわかりやすく示すために、実際に追加されるペースに比べて誇張され得る。
【0113】
図15Cは、前端クリッピング補正および拡張の例を示す。クリッピング補正モジュール1204は全てのストライプ印刷ゾーン(クリッピング補正による)の最終位置を取り、開口1502の中央にこれを配置し、「開始オフセット」を決定する。「開始オフセット」は、開口における前端ストライプの元の開始位置(画像処理モジュール1202によって生成された)と、クリッピング補正後の前端ストライプの最終位置との間の距離である。前端ストライプは、最初のストライプが動いている製品のターゲットであると仮定して、開口1502に入る最初のストライプ(図15Cの「4」)である。
【0114】
全てのストライプは、距離または長さの単位においてクリッピング補正値(上述した)と等しい量だけ、開口1502に押し戻される。例えば、印刷システム10は、第3のストライプ「3」をクリッピング補正値だけ左方向に印刷する位置に、製品22の上の所望の位置を移動させる。その結果として、クリッピング補正モジュール1204は、ストライプ「2」および「1」が印刷される位置を開口1502の中に押し戻す。開口1502の長さはアクセス可能なものであり、またはクリッピング補正モジュール1204の中にプログラムされる。
【0115】
図15Cの時間2.5の時点で、印刷ゾーン1520Aの充分な部分が開口1502に入ることにより、印刷システム10は第4のストライプ「4」の印刷(プロセスブロック1522)を開始する。ブロック1522は、第4のストライプ「4」をリアルタイムで印刷するための全時間(垂直方向)および全直線距離(水平方向)を表す。時間4.5の時点で、印刷ゾーン1520Bの大部分が開口1502の内部にあり、印刷システム10は第3のストライプ「3」の印刷(プロセスブロック1524)を開始する。時間6.5の時点で、全体印刷ゾーン1520Cが開口1502の内部にあり、印刷システム10は第2のストライプ「2」の印刷(プロセスブロック1526)を開始する。時間8.5の時点で、全体印刷ゾーン1520Dがまだ開口1502の内部にあり、印刷システム10は第1のストライプ「1」の印刷(プロセスブロック1528)を開始する。時間9.5の時点で、4個のストライプ「1 2 3 4」全てが印刷ゾーン1520Eの中に印刷されており、それは一部分が開口1502の外側に移動している。
【0116】
図15Dは、図15Cの距離スケールに従って、所望の印刷ゾーン1520Eに印刷された補正された(拡張)コード「1 2 3 4」を示す。図15Dの補正された(拡張)コード「1 2 3 4」は、追加されたスペースのために図15Bの、当初の所望のコードよりも長くなるが、各ストライプはクリッピングを伴わない図15Dにおいて判読可能である。
【0117】
各ストライプの重みが異なる場合でも、各記号の間のスペースS1(図14Cおよび図15D)は同じにすることができる。
【0118】
クリッピング補正モジュール1204は、全てのストライプを所望の印刷ゾーン1520に適合させるために必要な最小スペースS1を計算し、製品上でできるだけ小さいスペースを使用することが可能である。スペースS1を最小化することによって、一連の記号の読みやすさが向上し、歪みが低減される。
【0119】
クリッピング補正モジュール1204は、印刷ルーティン/ドライバー1206に対して開始オフセット値を出力する。印刷ルーティン/ドライバー1206は、印刷開始時期を把握するために、エンコーダー41(図11A)を追跡している。開始オフセット値は、印刷ルーティン/ドライバー1206をして「開始オフセット」と等しい量だけ「トリガー距離」(ユーザーが設定した)よりも早く印刷を開始させる。クリッピング補正モジュール1204は、リアルタイム印刷ルーティン/ドライバー1206に別の値、すなわち、印刷中にクリッピングを調整するために、中間のストライプ(図14C、図15C、および図15D)のオフセットを示すクリッピング補正値、をも出力する。図14Cの印刷イメージは水平方向に拡張され得るが、しかし判読可能である。
【0120】
図15Eは、4個のストライプ「1 2 3 4」の印刷中にレーザーを開口1502内のほぼ中央に配置できるように構成されたクリッピング補正(プロセスブロック1540〜ら1546)を示す。
【0121】
(後端クリッピング補正)
「後端クリッピング」は、印刷システム10が(a)あまりに低速で動いている製品22へのイメージの印刷、および/または(b)製品22への水平方向に長いイメージ(例えば、イメージ全体の長さが開口部1502よりも長い)の印刷、をしようとする場合に起こり得る。イメージの記号を印刷するための製品22の所望の印刷位置は、予想される時間通りに開口1502(図16A)に入らず、開口1502の「後端」1600によって、印刷ビーム14が製品22の所望の位置に達することが制限される。その結果として、一つ以上のイメージの記号が製品22の間違った位置に印刷されるか、または図16Aで示されるように、記号が互いに重なり合って(重複記号)印刷される。
【0122】
図16Aは、後端クリッピングの例を示す。図16Aでは、製品の所望の印刷ゾーン1602の位置は、時間と共に(垂直軸)、印刷開口1502を左から右へと通過する。図16Aの時間軸(垂直軸)は、秒、ミリ秒、または任意のその他の所望の単位であり得る。距離は水平軸上で、ミクロン、DAC(デジタルアナログ変換)ステップまたはその他の所望の単位で計測される。図16Bは、図16Aの距離スケールに従って、所望の印刷ゾーンに印刷される所望のコード「1 2 3 4」を示す。
【0123】
図16Aの時間2.5の時点で、印刷ゾーン1602Aの充分な部分が開口1502に入り、印刷システム10は第4のストライプ「4」の印刷(プロセスブロック1604)を開始する。ブロック1604は、第4のストライプ「4」をリアルタイムで印刷するのに必要な全時間(垂直方向)および全直線距離(水平方向)を表す。時間4.5の時点で、印刷ゾーン1602Bは、時間2.5の時点の印刷ゾーン1602Aと比較して開口1502の内部に若干移動したにすぎない。第3のストライプ「3」を印刷するための所望の位置は、開口1502に完全に入っていない。印刷システム10は、第3のストライプ「3」の印刷(プロセスブロック1606)を開始する。第3の印刷されたストライプ「3」は、第4の印刷されストライプ「4」と重複することがある。これは、「後端クリッピング」として公知である。時間6.5の時点で、印刷ゾーン1602Cは、時間4.5の時点の印刷ゾーン1602Bと比較して開口1502の内部に若干移動したにすぎない。印刷システム10は、第2のストライプ「2」の印刷(プロセスブロック1608)を開始する。第2の印刷されたストライプ「2」は、第3の印刷されたストライプ「3」と重複することがある。時間8.5の時点で、印刷ゾーン1602Dは、時間6.5の時点の印刷ゾーン1602Cと比較して開口1502の内部に若干移動したにすぎない。印刷システム10は、第1のストライプ「1」の印刷(プロセスブロック1610)を開始する。第1の印刷されたストライプ「1」は、第2の印刷されたストライプ「2」と重複することがある。
【0124】
図16Cは、ストライプ印刷の間に時間遅延を追加する、後端クリッピング補正の例を示す。クリッピング補正モジュール1204は、低速で動いている製品22にストライプを印刷するために、または開口1502よりも長いコードのストライプを印刷するために使用される、リアルタイムの後端クリッピング修正を提供する。後端クリッピング補正は、レーザー12をオフに切り替え、製品22上の適切な位置(ストライプの印刷ゾーン)が開口1502に入るまで、印刷を遅延する。クリッピング補正モジュール1204は、所望の印刷ゾーンが開口1502に入るときの時間遅延を求めるために、以下の方程式を使用する。
【0125】
時間遅延=(開口部の外の距離)/製品の速度
ある構成においては、クリッピング補正モジュール1204は、所望のストライプ位置が実質的に開口1502の中央に位置するときに、ストライプの印刷を開始するために、時間遅延を追加する。
【0126】
図16Cの時間2.5の時点で、印刷ゾーン1620Aの充分な部分が開口1502に入り、印刷システム10が第4のストライプ「4」の印刷(プロセスブロック1622)を開始する。ブロック1622は、第4のストライプ「4」をリアルタイムで印刷するための全時間(垂直方向)および全直線距離(水平方向)を表す。時間4.5の時点で、印刷ゾーン1620Bの充分な部分が開口1502の内部にあり、印刷システム10が第3のストライプ「3」の印刷(プロセスブロック1624)を開始する。時間6.5の時点で、印刷ゾーン1620Cの充分な部分が開口1502の内部にあり、印刷システム10が第2のストライプ「2」の印刷(プロセスブロック1626)を開始する。時間8.5の時点で、印刷ゾーン1620Dの充分な部分が開口1502の内部にあり、印刷システム10が第1のストライプ「1」の印刷(プロセスブロック1628)を開始する。時間9.5の時点で、全ての4個のストライプ「1 2 3 4」が印刷ゾーン1620Eの中に印刷され、これは一部分が開口1502の外に移動している。
【0127】
図16Cの後端クリッピング補正の結果は、図16Bの印刷される所望のイメージと同じである。追加のスペースは存在しない。
【0128】
ストライプの印刷中に製品22が移動する距離は、クリッピング補正を行うストライプの幅と等しい。
【0129】
(クリッピング補正の更新)
製品22の前端がトリガー38(図11A)を通過した後、クリッピング補正モジュール1204またはリアルタイム印刷ルーティン/ドライバー1206は、印刷された各ストライプの間の速度入力1212を再評価することができる。製品の速度が変化した場合には、クリッピング補正モジュール1204は、クリッピング補正値をリアルタイムで更新する。例えば、クリッピング補正モジュール1204が、レーザー12が図14Cの「4」を印刷中または印刷後に製品22の速度が上がったことを感知する場合には、クリッピング補正モジュール1204は、拡張を増加するためにクリッピング補正値を更新、すなわち、増加することができる。図14Dは、クリッピング補正が更新されたことによる拡張の増加を示す。図14Dの印刷された各記号は、スペースS1よりも大きい、等しいスペースS2によって区切られる。製品の速度およびイメージの距離が図14Dで変更されているために、図14Cのイメージを印刷するための時間は、図14Dのイメージを印刷するための時間と同じである。
【0130】
例えば、クリッピング補正モジュール1204が、レーザー12が図14Dの「3」を印刷中または印刷後に製品22の速度が再び上がったことを感知する場合には、クリッピング補正モジュール1204は、拡張を増加するためにクリッピング補正値をさらに更新、すなわち、さらに増加することができる。図14Eは、クリッピング補正が更新されたことによる拡張の増加を示す。「2」と「3」との間のスペースS3は、「3」の印刷中または印刷後に感知される速度増加に対応して、「4」と「3」との間のスペースS2よりも大きくなっている。このため、クリッピング補正モジュール1204は隣接するストライプの間に、等しいスペース(図14CのS1または図14DのS2)を挿入するように、または増加されたスペース(図14EのS2およびS3)を挿入するように試みる。
【0131】
ある構成においては、クリッピング補正モジュール1204は、製品22の感知された速度が低下する場合にも、拡張を縮小しない。例えば、クリッピング補正モジュール1204が、レーザー12が図14Dの「3」を印刷している間またはその後に製品22の速度が下がったことを感知する場合に、クリッピング補正モジュール1204は、印刷ルーティン/ドライバー1206に送信されるクリッピング補正値を減少しない。印刷システム10は、文字間に等しいスペースS2を持たせて、図14Dのイメージを印刷する。このため、印刷システム10のこの構成においては、文字間のスペースが増加することはあっても減少することはなく、最高のクオリティのイメージを保持する。
【0132】
製品の速度が低下すると、クリッピング補正モジュール1204は、次の記号を印刷する前に所望の印刷ゾーンが開口1502に入るようにするために、待機する時間遅延を追加する。
【0133】
図18A〜図18Cは、図12のソフトウェアモジュールおよび電子機器によって表示可能な、サイン1800、バーコード1802、会社ロゴ1804の例を、それぞれ示す。図12のソフトウェアモジュールおよび電子機器は、上述のストライピング方法を使用して、その他のサイン、バーコード、ロゴ、およびイメージを印刷できる。
【0134】
本出願は詳細に説明されてきたが、添付された特許請求の範囲に記載されている本出願の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、組合せ、置換、および変形を本出願に加えることが可能であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1A】印刷システムの側面図である。
【図1B】印刷システムの上から見た、図1Aの印刷システムの断面図である。
【図2】製品上に印刷ゾーンを形成した、図1Aの印刷システムを示す。
【図3A】印刷システムの前で製品を一時的に停止させる製品ラインと共に使用される、印刷システムの側面図である。
【図3B】印刷システムの前で製品を継続的に搬送する製品ラインと共に使用される、印刷システムの側面図である。
【図3C】印刷システムの前で製品を継続的に搬送する製品ラインと共に使用される、図3Bの印刷システムの上面図である。
【図4A】図1Aの印刷システムで使用される光学アセンブリを示す。
【図4B】コードを形成する製品において、印刷システムが発生する印刷ビームをある位置から別の位置へ操作するよう設定された、図4Aで示される複数の鏡の側面図である。
【図4C】図4Aの印刷システムの光学アセンブリとハウジングとの間の関係を示す。
【図4D】図4Aの光学アセンブリで使用されるレンズの非線形の特性を示す。
【図4E】印刷システムの印刷ビーム出口部材が印刷システムのハウジングに対して回転するようにした、図4Bの軸受を示す。
【図5A】材料上にスポットが形成される位置において材料に入射する印刷ビームの側面図である。
【図5B】材料上にスポットが形成される位置において材料に入射する印刷ビームの斜視図である。
【図5C】印刷ビームが材料にスポットを形成した後の、材料の側面図である。
【図5D】印刷ビームが材料にスポットを形成した後の、材料の斜視図である。
【図6】大きさの異なる画素の生成を示す。
【図7A】画素アレイ内で記号を形成するために選択される、考えられる画素のアレイを示す。
【図7B】製品に印刷した図7Aの記号を示す。
【図8A】印刷システムが印刷可能な領域を限定する開口を示す。
【図8B】印刷システムの前で継続的に動いている製品に印刷される記号を示す。
【図8C】印刷システムの前で継続的に動いている製品に印刷される記号を示す。
【図9】図9Aは、補正されたコードへのコードの変換を示す。図9Bは、補正されたコードに整理されたコードを示す。図9Cは、図9Cの補正されたコードを示す。図9Dは、印刷システムを製品が継続的に通過する間に、図9Cの補正されたコードが製品に印刷された後で、製品に形成されるコードを示す。
【図10A】補正された画素への画素の変換を示す。
【図10B】図10Aの補正された画素を示す。
【図10C】印刷システムを製品が継続的に通過する間に、図10Bの補正された画素が製品に印刷された後で、製品に形成される画素を示す。
【図10D】静止した製品に形成されたスポットを示す。
【図10E】製品が動いている間に製品に形成される図10Dのスポットを示す。
【図11A】製品と、印刷トリガーと、図1Aの印刷システムと、印刷領域との間の関係を示す。
【図11B】印刷領域の前端を示す。
【図12】図1Bの電子機器の複数のソフトウェアモジュールを示す。
【図13】図13A〜図13Cは、図12の画像処理モジュールによって生成されたストライプの例を示す。
【図14A】印刷される所望のイメージの例を示す。
【図14B】「前端」クリッピングによって影響を受けるクリッピングされた印刷イメージの例を示す。
【図14C】クリッピング補正の例を示す。
【図14D】クリッピング補正の例を示す。
【図14E】クリッピング補正の例を示す。
【図15A】前端クリッピングの例を示す。
【図15B】図15Aの距離スケールに従って、所望の印刷ゾーン内に印刷される所望のコード「1 2 3 4」を示す。
【図15C】前端クリッピング補正の例を示す。
【図15D】図15Cの距離スケールに従って、所望の印刷ゾーン内に印刷された補正されたコード「1 2 3 4」を示す。
【図15E】4個のストライプ「1 2 3 4」を印刷する間に開口内でレーザーをほぼ中央に配置できるように構成されたクリッピング補正を示す。
【図16A】後端クリッピングの例を示す。
【図16B】図16Aの距離スケールに従って、所望の印刷ゾーン内に印刷される所望のコード「1 2 3 4」を示す。
【図16C】後端クリッピング補正および追加遅延の例を示す。
【図17】図12のソフトウェアモジュールの使用の方法を示す。
【図18】図18A〜図18Cは、図12のソフトウェアモジュールおよび電子機器によって表示可能な、サイン、バーコード、会社ロゴの例をそれぞれ示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動いている物体にイメージを印刷するためのレーザー光源と、
該動いている物体の速度および該動いている物体の位置を特定する情報を受信するための入力モジュールと、
プロセッサであって、
該動いている物体に印刷される該イメージを、印刷される該イメージを総合的に表す複数のストライプへと分割することと、
(a)該動いている物体の該速度、(b)該動いている物体の該位置、および(c)
印刷されるストライプのパラメータ、のうちの一つ以上に基づいて、該ストライプを印刷する時間および該ストライプを印刷するための該動いている物体上の位置の少なくとも1つを決定することと、
該時間および位置の値に従って、該動いている物体に該ストライプを印刷するために該レーザー光源を制御することと、
を含む操作を実行するプロセッサと、
を備える、システム。
【請求項2】
センサーを通過する物体を感知するように適合されたセンサーをさらに備えるシステムであって、該センサーは前記動いている物体の位置を特定する前記情報を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記動いている物体の前記位置は、あらかじめ定められたシステムからの距離を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
印刷する前記時間は印刷開始時間を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
印刷する前記位置は印刷開始位置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
印刷される前記ストライプの前記パラメータは、印刷順、ストライプのサイズ、ストライプの位置、および画素数のうちの一つ以上を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記イメージを総合的に表す前記ストライプの各々に対して決定および印刷制御を繰り返す、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、連続するストライプの印刷の間に印刷する時間および位置の少なくとも一つを変更する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
イメージを複数のストライプに整理するための第一のモジュールと、
(a)動いている物体上に該ストライプを印刷する位置および(b)該動いている物体に少なくとも一つのストライプを印刷する時間、の少なくとも一つを決定するために、該ストライプ、トリガー入力および速度入力を受信するための第二のモジュールと、
該動いている物体に該ストライプを印刷するためのレーザー光源と、
を備える、システム。
【請求項10】
プロセッサおよび記憶媒体をさらに備えるシステムであって、前記第一のモジュールおよび第二のモジュールが該媒体に貯蔵され、該プロセッサによって実行可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記イメージは一連の記号を備え、前記第一のモジュールは前記イメージの記号を複数のストライプに分割し、各ストライプは少なくとも一つの完全な記号を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第一のモジュールは前記イメージの記号を複数のストライプに分割し、各ストライプは前記動いている物体の動く方向と直交する方向において実質的に同じ位置にある複数の完全な記号を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記動いている物体の位置を検出するためのセンサーをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記動いている物体の速度を検出するためのセンサーをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記トリガー入力は、前記動いている物体が前記システムからあらかじめ定められた距離にあるときの時間を示す、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記第二のモジュールからの出力を受信して前記レーザー光源を制御するための第三のモジュールをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記第二のモジュールは前記第三のモジュールに補正値を送信し、前記速度入力が変化するときには、前記第二のモジュールは更新された補正値を前記第三のモジュールに出力するように適合される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第二のモジュールは、第一のストライプを印刷するために前記物体上の開始オフセット距離を計算する、請求項9に記載のシステム。
【請求項19】
前記第二のモジュールは、連続するストライプの印刷の間の前記物体上の距離を計算する、請求項9に記載のシステム。
【請求項20】
前記第二のモジュールは、連続するストライプの印刷の間の時間遅延を計算する、請求項9に記載のシステム。
【請求項21】
前記レーザー光源は30ワット未満である、請求項9に記載のシステム。
【請求項22】
印刷されるイメージを、該イメージを総合的に表す複数のストライプへと整理することと、
(a)動いている物体の速度、(b)該動いている物体の位置、および(c)印刷されるストライプのパラメータ、のうちの一つ以上に基づいて、該ストライプが印刷される時間および該ストライプが印刷される該動いている物体上の位置の少なくとも一つを決定することと、
該定められた印刷の時間および該位置に基づいて、レーザービームによって該動いている物体上に該ストライプを印刷することと、
を包含する、方法。
【請求項23】
前記動いている物体の前記速度および前記動いている物体の前記位置の少なくとも一つに関する入力を受信することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記動いている物体の前記位置を示す入力を受信することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記定められた位置は印刷開始位置を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記定められた時間は印刷開始時間を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
印刷される前記ストライプの前記パラメータは、印刷順、ストライプのサイズ、ストライプの位置、および画素数のうちの一つ以上を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記イメージを総合的に表す前記ストライプの各々に対して、前記決定することおよび前記印刷することを繰り返すことをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
印刷位置/時間は、連続するストライプの印刷の間において変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
印刷される前記イメージは、マークされる点の順番を含んだ該点のリストである、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記動いている物体上への前記レーザーによる印刷を制御するために、クリッピング補正値を計算することと、該クリッピング補正値を使用することと、をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
ユーザーインターフェースから印刷コマンドを受信することとと、印刷ジョブをイメージとして設定することと、をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記物体の速度が変化したか否かを決定することと、該速度が変化している場合には(a)少なくともストライプを印刷するための前記動いている物体の位置、および(b)前記動いている物体に少なくともストライプを印刷するための時間、の少なくとも一つをさらに修正することと、をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記イメージは一連の記号を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
前記イメージの記号を複数のストライプに分割することをさらに包含する方法であって、各ストライプは少なくとも一つの完全な記号を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項36】
前記イメージの記号を複数のストライプに分割することをさらに包含する方法であって、各ストライプは前記動いている物体の動く方向と直交する方向において実質的に同じ位置にある複数の完全な記号を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項37】
前記動いている物体の位置を検出することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項38】
前記動いている物体の速度を検出することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項39】
前記レーザーからのビームを操作することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項40】
補正値を生成することと、速度入力が変化したときに更新された補正値を生成することと、をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項41】
第一のストライプを印刷するために、前記物体の開始オフセット距離を計算することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項42】
連続するストライプの印刷の間の時間遅延を計算することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項43】
前端補正値を計算することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項44】
後端補正値を計算することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【公表番号】特表2007−519526(P2007−519526A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545552(P2006−545552)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/042785
【国際公開番号】WO2005/062833
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(593005080)マーケム コーポレーション (12)
【氏名又は名称原語表記】Markem Corporation
【Fターム(参考)】