説明

ストロークが制御されたポンプバルブ

ポンプ用のバルブ構造体であって、ポンプチャンバと、協調してポケットと対向するシートとを含んだバルブコンパートメントを形成する相補的凹部を有したポンプヘッドとを含んでいる。フレキシブルなバルブ要素が凹部間に提供され、流体の流れを妨害するバルブシートに対するクローズポジションと、流体の流れを許すバルブシートから離れたオープンポジションとの間で移動するようにアレンジされている。バルブコンパートメントの寸法は、オープンポジションのバルブ要素の動きを制限するように選択される。これでポンプ効率は向上し、バルブ要素への損傷及び/又はバルブのオーバーラップ現象が防止される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポンプに関し、特にはポンプ用のチェックバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのタイプのポンプはチェックバルブを使用する。しかし、ここでは本発明の説明を目的として特にダイアフラムポンプを説明する。典型的なダイアフラムポンプはチェックバルブとしてエラストマー部材を使用し、ポンプのポンプ作用を提供する。典型的にはポンプは2つのバルブを含む。1つはインレットバルブ(吸入バルブ)であり、他方はアウトレットバルブ(排出バルブ)である。ポンプのダウンストローク時すなわち吸引ストローク時においてダイアフラムの吸入作用はインレットバルブをオープンポジション(開口ポジション)にし、アウトレットバルブをクローズポジション(閉鎖ポジション)とする。従って、吸排物(メディア)をインレット側からのみ吸引する。一方、ポンプのアップストローク時すなわち排出ストローク時においてダイアフラムのコンプレッション作用はインレットバルブをクローズポジションとし、アウトレットバルブをオープンポジションとする。よって、吸排物はアウトレット側からのみ排出される。
【0003】
バルブはポンプの各サイクルで前記作用を1回実行する。ダイアフラムポンプでは、このことは1回転につき1回となる。よって、4000RPMで作動するダイアフラムポンプではバルブは67回/秒回転する。ポンプ速度は、ポンプがストローク毎に移動させる体積を考慮に入れ、どの大きさの力がバルブ起動に適用されるかを決定し、物理的に制限されなければバルブがどれだけの距離を移動するかを直接的に決定する。もしこのバルブ移動距離が適正にコントロールされないと、バルブは必要以上に移動する。あるいは規制過剰になると必要距離を移動できない。いずれの場合もポンプ効率を低下させ、及び/又は不都合なノイズを発生させる。
【0004】
従って、コントロールされたストロークを提供するポンプバルブが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1目的は、フレキシブルなバルブのストロークが制限されて非効率性と過剰ノイズの発生を防止するバルブ構造体の提供である。
【0006】
本発明の別目的は、吸引バルブと排気バルブのオーバーラップを回避させるバルブ構造体の提供である。
【0007】
本発明の別目的は、バルブ要素を過剰移動させることなく良好な封密特性を提供するバルブ構造体の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これら及び他の目的は本願発明によって達成される。本願発明の1好適実施態様はポンプ用バルブ構造体を提供する。このバルブ構造体は、第1凹部を有したポンプチャンバと、第2凹部を有したポンプヘッドとを含んでいる。第2凹部は第1凹部と協調し、第1バルブポケットと、対向する第1バルブシートとを含んだ第1バルブコンパートメントを提供する。バルブ構造体はさらに、第1凹部と第2凹部との間に提供され、流体の流れを妨害する第1バルブシートに対抗したクローズポジションと、第1方向で流体の流れを許す第1バルブシートから離れるオープンポジションとの間で移動するようにアレンジされたフレキシブルな第1バルブ要素を含んでいる。第1バルブコンパートメントの寸法は、オープンポジションで第1バルブ要素の移動を制限するように選択される。
【0009】
本発明の別な好適実施態様は、ポンプチャンバ内に形成された第3凹部と、ポンプヘッド内に形成された第4凹部とをさらに含んだバルブ構造体を提供する。第4凹部は第3凹部と協調し、第2バルブポケットと、対向する第2バルブシートとを含んだ第2バルブコンパートメントを提供する。バルブ構造体はさらに、第3凹部と第4凹部との間に提供され、流体の流れを妨害する第2バルブシートに対抗したクローズポジションと、第2方向で流体の流れを許す第2バルブシートから離れるオープンポジションとの間で移動するようにアレンジされたフレキシブルな第2バルブ要素を含んでいる。第2バルブコンパートメントの寸法は、オープンポジションで第2バルブ要素の移動を制限するように選択される。
【0010】
本発明の別な好適実施態様では、バルブ要素の1つはインレットポートからポンプへ流体を流すインレットバルブであり、他方のバルブ要素はポンプからアウトレットポートへ流体を流すアウトレットバルブである。第1バルブコンパートメントと第2バルブコンパートメントの寸法は、ポンプが流体をインレットポートからポンプを介してアウトレットポートへ流すとき第1バルブ要素と第2バルブ要素の移動を規制し、少なくとも一方のバルブ要素を常にクローズポジションにしておくように選択される。
【0011】
本発明の別な好適実施態様によれば、第1バルブ要素と第2バルブ要素はエラストマー材料を含んでいる。
【0012】
本発明の別な好適実施態様によれば、第1バルブ要素と第2バルブ要素はエチレンプロピレンジエンテルポリマーを含んでいる。
【0013】
本発明の別な好適実施態様によれば、第1バルブ要素と第2バルブ要素はフルオロエラストマーを含んでいる。
【0014】
本発明の別な好適実施態様によれば、第1バルブ要素と第2バルブ要素はペルフルオロエラストマーを含んでいる。
【0015】
本発明の別な好適実施態様によれば、第1バルブ要素と第2バルブ要素はシリコンを含んでいる。
【0016】
本発明の別な好適実施態様によれば、第1バルブ要素と第2バルブ要素は約40デュロメータから約90デュロメータの硬度を有している。
【0017】
本発明の別な好適実施態様のポンプ構造体は第1凹部を有したポンプチャンバと、第2凹部を有したハウジングを含むポンプヘッドとを含んでいる。第2凹部は第1凹部と協調し、第1バルブポケットと、対向する第1バルブシートとを含んだ第1バルブコンパートメントを提供する。ポンプ構造体はさらに、第1凹部と第2凹部との間に提供された選択第1厚を有し、流体の流れを阻止する第1バルブシートに対抗するクローズポジションと、流体を流す第1バルブシートから離れたオープンポジションとの間で1ストローク長だけ移動するようにアレンジされているフレキシブルな第1バルブ要素を含む。第1バルブコンパートメントの寸法は第1バルブ要素のストローク長を第1厚の約1.6倍以下に制限するように選択される。
【0018】
本発明の別な好適実施態様によれば、バルブ構造体はポンプチャンバ内に形成された第3凹部と、ポンプヘッド内に形成された第4凹部とをさらに含んでいる。第4凹部は第3凹部と協調し、第2バルブポケットと、対向する第2バルブシートとを含んだ第2バルブコンパートメントを提供する。バルブ構造体はさらに、第3凹部と第4凹部との間に提供された選択第2厚を有し、流体の流れを阻止する第2バルブシートに対抗するクローズポジションと、流体を第2方向に流す第2バルブシートから離れたオープンポジションとの間で移動するようにアレンジされているフレキシブルな第2バルブ要素を含む。第2バルブコンパートメントの寸法は第2バルブ要素のストローク長を第2厚の約1.6倍以下に制限するように選択される。
【0019】
本発明の別な好適実施態様によれば、第1バルブコンパートメントと第2バルブコンパートメントの寸法は、第1バルブ要素と第2バルブ要素のストローク長がバルブ要素の厚みの約0.19倍から0.93倍となるように選択される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を添付図面を利用してさらに詳細に解説する。図1は従来技術のダイアフラムポンプ構造体の一部を図示する。ヘッド10はチャンバ12に取り付けられている。ヘッド10とチャンバ12は合わせてポンプヘッド14を提供する。インレットコネクション16とアウトレットコネクション18はヘッド10から延び出ている。それぞれのコネクションはポンプヘッド14を通過して、ポンプヘッド14の下方部材20に取り付けられた既知タイプのダイアフラムポンプ体(図示せず)に通じる流体通路と連通する。ヘッド10とチャンバ12はそれぞれ補完関係の凹部22を内蔵する。ヘッド10がチャンバ12に組み入れられると、それら凹部22は協調してインレットバルブコンパートメント24とアウトレットバルブコンパートメント26を提供する。インレットダイアフラムバルブ28とアウトレットダイアフラムバルブ30はそれらコンパートメント内に受領され、ヘッド10とチャンバ12との間で保持される。インレットバルブコンパートメント24の上方部分は、ヘッド10内に形成された環状でアール状のインレットバルブシート32により提供される。インレットバルブ28はクローズポジションでインレットバルブシート32に対抗して封密する。インレットバルブコンパートメント24の下方部分は、インレットバルブシート32に対向するチャンバ12内のインレットバルブポケット34によって提供される。
【0021】
アウトレットバルブコンパートメント26はインレットバルブコンパートメント24と流方向を除けば実質的に同一である。アウトレットバルブコンパートメント26の上方部分はヘッド10内に形成されたアウトレットバルブポケット36により提供される。アウトレットバルブコンパートメント26の下方部分はアウトレットバルブポケット36に対向するチャンバ12内の環状でアール状のアウトレットバルブシート38によって提供される。アウトレットバルブ30はクローズポジションでアウトレットバルブシート38に対抗して封密される。
【0022】
図2、図3及び図4は1実施例によるバルブ40を図示する。このバルブはダイアフラムポンプで使用されるインレットバルブ28とアウトレットバルブ30の両方を代表する。バルブ40は、狭幅部46のペアでタブ44のペアに接続する中央部42を有した平坦で長形であるエラストマー材料部材である。この実施例ではバルブ40は約13.5mmの全長“L”、約5.2mmの幅“W”及び約0.69mmの厚み“T”を有している。これら寸法は特定の適用形態に合わせて変更できる。
【0023】
インレットバルブ28とアウトレットバルブ30はそれぞれ、全開ポジションから全閉ポジションまでの中央部の変位として定義される“ストローク”を有している。図5と図6は図1のポンプヘッド14のインレットバルブコンパートメント24を通る一部断面図を示す。典型的な適用法では、従来のインレットバルブポケット34の深さ“D”は、インレットバルブストロークを約1.14mmとするものである。同様に、アウトレットバルブ(図5と図6では図示せず)は約1.27mmのストロークを有する。従来バルブポケットの深さDは本質的に非制御ストロークを提供し、バルブの過移動を招いていた。
【0024】
アウトレットバルブ30がアップストローク時に過移動すると、続くダウンストローク時に吸排物はインレット側及び一定時間アウトレット側を通じて吸引されるであろう。このことでポンプの全体の効率が低下し、最大充填ポイント(加圧または真空)を達成する能力が低下する。ポンプの次のアップストローク中に同一現象がインレットバルブ28で発生するであろう。インレットバルブ28は前回のダウンストロークで過移動したので、吸排物はアウトレット側に加えて一定時間インレット側で排出されるであろう。これら両条件はバルブの“オーバーラップ”として説明でき、この種のポンプでは不都合である。
【0025】
図7は本発明の例示的ポンプヘッド114のインレットバルブコンパートメントを通過する一部断面図である。図8は図7で図示されたポンプヘッド114の部分“A”を示す。図5と図6は従来ポンプヘッド14の同一領域の詳細を図示する。ポンプヘッド114は上述の従来ポンプヘッド14と実質的に類似し、チャンバ112、ヘッド110及びインレットバルブ128を含む。チャンバ112は従来のものより減少した深度“d”のインレットバルブポケットを有する。この実施例では、インレットバルブポケット134の深度“d”は同一適用条件でインレットバルブ移動距離が従来のインレットバルブ28の場合の1.14mmではなく約0.64mmだけ移動するようにアレンジされている。これでインレットバルブ128の過移動は阻止される。アウトレットバルブ(図示せず)の移動はヘッド110のアウトレットバルブポケットの深度を変えることで同様に規制される。
【0026】
過移動の逆は移動不足である。もしバルブが十分な距離を移動できなければ、吸排物のポートを通過する流れは規制され、ポンプの効率は阻害される。この条件を克服するためには、ポンプ速度を速めて固有規制に対抗し、さらに多くのエネルギーを消費し、さらに高いノイズレベルで作動しなければならないであろう。よって、バルブ移動距離を単に減少させるべきではない。バルブ移動距離はポンプの性能要求とバルブ材料の特性にマッチしなければならない。例えば、エラストマーデュロメータ硬度はバルブ移動距離をどのようにコントロールすべきかに影響を及ぼす。低デュロメータ材料硬度である、例えば40デュロメータの材料は、例えば90デュロメータの材料よりもずっと大きな非制限移動距離を有し、バルブ移動距離のさらに厳密なコントロールを要求するであろう。移動距離不足はバルブに使用されるエラストマー材料の選択でコントロールできる。例えば90デュロメータである高デュロメータ硬度のエラストマーはオープン時に過剰延長することはないであろうが、クローズ時にバルブシートに対して良好な封密状態を提供せず、移動距離不足となるであろう。
【0027】
柔らかい材料を使用する利点は、エラストマーバルブとバルブシートとの間のさらに良好な封密状態の提供である。柔らかいエラストマーである、例えば40デュロメータの材料は封密表面の形状にさらに良好に形状一致させることができるため、効果的な封密を提供する。しかし、それ以上にフレキシブルな材料はバルブの作動時に延び過ぎ、必要以上にオープン状態が継続する。本発明のバルブストロークの限定は、ポケット深度の制限によってバルブの比較的に柔らかいエラストマーの使用を可能にする。
【0028】
上述のようにバルブ移動距離をコントロールすることでポンプはさらに効率が良くなり、ポンプの全体的な性能が向上する。バルブストロークをさらに効率的なポイントに規制するだけで、ポンプの音レベルは低減される。さらに、ポンプの全体的な性能が向上するため、性能を望むレベルに戻すようにポンプ速度を減少させることができる。ポンプ速度は音レベルに大きく影響する要因であるため、このことはノイズレベルの低減に大きく貢献する。
【0029】
最良のバルブストロークは、ポンプの型、バルブ材料及び吸排物によって異なる。例えば、70デュロメータのエチレンプロピレンジエンテルポリマー(EPDM)バルブを使用した空気ポンプは0.64mmのバルブストロークで最も効率が良かろう。例えば、80デュロメータのVITONバルブ材料を使用した低性能ポンプは0.13mm程度のバルブストロークで利益を受けるであろう。ポンプヘッドの全サイズも適正なストローク長の決定に関与する。例えば、さらに大きなポンプはさらに長く、大きな封密用表面積を有した大きなバルブを有し、さらに長いバルブストロークで効率を高めるであろう。インレットバルブとアウトレットバルブは異なるストローク距離で最良の性能を発揮するであろう。重要なことは、バルブストロークが充分に大きくて吸排物の非制限流を提供するが、大き過ぎてバルブを破壊したり、大きなノイズを出したり、バルブオーバーラップをすることがないようにバルブ材料とバルブポケット深度を選択することである。シリコン等、これら制限を充足させる他の材料も利用できる。本発明の技術は空気用ポンプでも液体用ポンプであっても利用できる。
【0030】
バルブストロークを制限することは他の利点も提供する。例えば、腐食性の気体状化学剤や液体状化学剤のごとき吸排対象物はバルブ材料を腐食させ、劣化させる。よって、ペルフルオロエラストマーのごとき腐食化学剤に対して抵抗性がある特別な材料を利用してバルブを製造する。これら材料は比較的に曲げ強度が低く、極端な曲げに脆弱である。もしこれら材料が限界以上に曲げられたら、ひび割れたり破壊されるであろう。標準的なバルブ変形で機能不良を起こすこともあろう。バルブの変形を制御するためさらに低い曲げ強度を有した特殊材料が、妥協産物のバルブを理由とするポンプの故障のリスクを招かずに利用できる。
【0031】
以上、ダイアフラムポンプに使用するバルブを解説した。本発明を特定の実施例で説明したが、本発明の範囲内でのそれらの種々な変形は可能である。また、ダイアフラムポンプ以外のポンプでの応用も可能である。よって、それら実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の説明のみに供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は本発明のポンプヘッドの分解斜視図である。
【図2】図2は本発明で使用するバルブの斜視図である。
【図3】図3は図2のバルブの平面図である。
【図4】図4は図2のバルブの側面図である。
【図5】図5は休止ポジションであるクローズポジションにある従来式バルブの断面側面図である。
【図6】図6は最大に延びたオープンポジションにある従来式バルブの断面側面図である。
【図7】図7はバルブが最大に延びたオープンポジションにある本発明のバルブコンパートメントの断面側面図である。
【図8】図8は本発明のポンプヘッドの断面側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ用のバルブ構造体であって、
第1凹部を有したポンプチャンバと、
第2凹部を有したポンプヘッドと、
を含んでおり、該第2凹部は前記第1凹部と協調し、第1バルブポケットと対向第1バルブシートとを含んだ第1バルブコンパートメントを提供し、本バルブ構造体は、
前記第1凹部と前記第2凹部との間に提供され、流体の流れを妨害する前記第1バルブシートに対抗したクローズポジションと、第1方向で流体の流れを許す該第1バルブシートから離れたオープンポジションとの間で移動するようにアレンジされたフレキシブルな第1バルブ要素をさらに含んでおり、
前記第1バルブコンパートメントの寸法は、オープンポジションで前記第1バルブ要素の動きを制限するように選択されることを特徴とするバルブ構造体。
【請求項2】
ポンプチャンバ内に形成された第3凹部と、
ポンプヘッド内に形成された第4凹部と、
をさらに含んでおり、該第4凹部は前記第3凹部と協調し、第2バルブポケットと対向第2バルブシートとを含んだ第2バルブコンパートメントを提供し、本バルブ構造体は、
前記第3凹部と前記第4凹部との間に提供され、流体の流れを妨害する前記第2バルブシートに対抗したクローズポジションと、第2方向で流体の流れを許す該第2バルブシートから離れたオープンポジションとの間で移動するようにアレンジされたフレキシブルな第2バルブ要素をさらに含んでおり、
前記第2バルブコンパートメントの寸法は、オープンポジションで前記第2バルブ要素の動きを制限するように選択されることを特徴とする請求項1記載のバルブ構造体。
【請求項3】
バルブ要素の一方はインレットバルブであり、インレットポートからポンプに流体の流れを許し、バルブ要素の他方はアウトレットバルブであり、該ポンプからアウトレットポートに流体の流れを許し、
第1バルブコンパートメントと第2バルブコンパートメントの寸法は、ポンプを通過させて流体を前記インレットポートから前記アウトレットポートにまでポンプが移動させるとき、該バルブ要素の少なくとも一方が常にクローズポジションとなるよう前記第1バルブ要素と前記第2バルブ要素の動きを制限すべく選択されることを特徴とする請求項2記載のバルブ構造体。
【請求項4】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はエラストマー材料を含んで成ることを特徴とする請求項3記載のバルブ構造体。
【請求項5】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はエチレンプロピレンジエンテルポリマーを含んで成ることを特徴とする請求項4記載のバルブ構造体。
【請求項6】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はフルオロエラストマーを含んで成ることを特徴とする請求項4記載のバルブ構造体。
【請求項7】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はペルフルオロエラストマーを含んで成ることを特徴とする請求項4記載のバルブ構造体。
【請求項8】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はシリコンを含んで成ることを特徴とする請求項4記載のバルブ構造体。
【請求項9】
第1バルブ要素と第2バルブ要素は40デュロメータから90デュロメータの硬度を有していることを特徴とする請求項4記載のバルブ構造体。
【請求項10】
ポンプ構造体であって、
第1凹部を有したポンプチャンバと、
第2凹部を有したポンプヘッドと、
を含んでおり、該第2凹部は前記第1凹部と協調し、第1バルブポケットと対向第1バルブシートとを含んだ第1バルブコンパートメントを提供し、本バルブ構造体は、
前記第1凹部と前記第2凹部との間に提供された第1厚を有しており、流体の流れを妨害する前記第1バルブシートに対抗したクローズポジションと、第1方向で流体の流れを許す該第1バルブシートから離れたオープンポジションとの間のストローク長を移動するようにアレンジされたフレキシブルな第1バルブ要素をさらに含んでおり、
前記第1バルブコンパートメントの寸法は、前記第1バルブ要素のストローク長を前記第1厚の1.6倍以下とするように選択されることを特徴とするバルブ構造体。
【請求項11】
ポンプチャンバ内に形成された第3凹部と、
ポンプヘッド内に形成された第4凹部と、
をさらに含んでおり、該第4凹部は前記第3凹部と協調し、第2バルブポケットと対向第2バルブシートとを含んだ第2バルブコンパートメントを提供し、本バルブ構造体は、
前記第3凹部と前記第4凹部との間に提供された第2厚を有しており、流体の流れを妨害する前記第2バルブシートに対抗したクローズポジションと、第2方向で流体の流れを許す該第2バルブシートから離れたオープンポジションとの間のストローク長を移動するようにアレンジされたフレキシブルな第2バルブ要素をさらに含んでおり、
前記第2バルブコンパートメントの寸法は、前記第2バルブ要素のストローク長を前記第2厚の1.6倍以下とするように選択されることを特徴とする請求項10記載のバルブ構造体。
【請求項12】
第1バルブコンパートメントと第2バルブコンパートメントの寸法は、第1バルブ要素と第2バルブ要素のストローク長がそれぞれのバルブ要素の厚みの0.19倍から0.93倍であることを特徴とする請求項11記載のバルブ構造体。
【請求項13】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はエラストマー材料を含んで成ることを特徴とする請求項12記載のバルブ構造体。
【請求項14】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はエチレンプロピレンジエンテルポリマーを含んで成ることを特徴とする請求項12記載のバルブ構造体。
【請求項15】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はフルオロエラストマーを含んで成ることを特徴とする請求項12記載のバルブ構造体。
【請求項16】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はペルフルオロエラストマーを含んで成ることを特徴とする請求項12記載のバルブ構造体。
【請求項17】
第1バルブ要素と第2バルブ要素はシリコンを含んで成ることを特徴とする請求項12記載のバルブ構造体。
【請求項18】
第1バルブ要素と第2バルブ要素は40デュロメータから90デュロメータの硬度を有していることを特徴とする請求項12記載のバルブ構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−528742(P2006−528742A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521283(P2006−521283)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/023833
【国際公開番号】WO2005/010363
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(505348337)ハーグレーブス テクノロジー コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】