説明

スピロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン

本発明は、スピロ−ジヒドロテトラアザベンゾアズレン誘導体、即ち、式(I)で表されるスピロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン誘導体に関する。


[式中、R、R、R、X、Y、Z、m及びnは本明細書に記載のとおりである]
本発明に記載の化合物は、V1a受容体モジュレーターとして作用し、月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃性行動の症状の末梢及び中枢作用性の治療薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピロ−ジヒドロテトラアザベンゾアズレン誘導体、即ち、V1a受容体モジュレーター、特に、V1a受容体アンタゴニストとして作用するスピロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン誘導体、その製造、これらを含有する医薬組成物及びその医薬としての使用に関するものである。
【0002】
本発明の活性化合物は、月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃性行動の症状の末梢及び中枢作用性の治療薬として有用である。
【0003】
特に、本発明は式(I):
【0004】
【化1】


[式中、R、R、R、X、Y、Z、m及びnは、請求項1に記載のとおりである]
で表されるスピロ−ジヒドロテトラアザベンゾアズレン誘導体に関する。
【背景技術】
【0005】
バソプレッシンは、視床下部室傍核により主に産生される9個のアミノ酸ペプチドである。末梢部において、バソプレッシンは神経ホルモンとして作用し、管収縮、グリコーゲン分解及び抗利尿を刺激する。
【0006】
3種のバソプレッシン受容体が知られており、その全てがクラスI G−タンパク質結合受容体に属している。V1a受容体は脳、肝臓、血管平滑筋、肺、子宮及び精巣で発現し、V1b又はV3受容体は脳及び下垂体で発現し、V2受容体は腎臓で発現し、そこで水分再吸収を調節して、バソプレッシンの抗利尿作用に関与している(Robben、et al. (2006). Am J Physiol Renal Physiol. 291、F257-70、「Cell biological aspects of the vasopressin type-2 receptor and aquaporin 2 water channel in nephrogenic diabetes insipidus」)。従って、V2受容体に活性な化合物は血液恒常性に副作用をもたらす可能性がある。
【0007】
オキシトシン受容体はバソプレッシン受容体ファミリーと関連性があり、脳及び末梢部で神経ホルモンであるオキシトシンの作用に関与している。オキシトシンは、中枢部の抗不安作用を示すと考えられている(Neumann (2008). J Neuroendocrinol. 20、858-65、「Brain oxytocin: a key regulator of emotional and social behaviours in both females and males」)。従って、中枢オキシトシン受容体拮抗作用は望ましくない副作用と考えられる不安惹起作用を生じることとなる。
【0008】
脳において、バソプレッシンは神経修飾物質として作用し、ストレス時、扁桃体で増加する(Ebner、et al. (2002). Eur J Neurosci. 15、384-8.、「Forced swimming triggers vasopressin release within the amygdala to modulate stress-coping strategies in rats」)。ストレスを感じる出来事が起こると、大鬱病及び不安症を引き起こす可能性があり(Kendler、et al. (2003). Arch Gen Psychiatry. 60、789-96、「Life Event Dimensions of Loss、Humiliation、Entrapment、and Danger in the Prediction of Onsets of Major Depression and Generalized Anxiety」)、それらは極めて高い併存疾患であって、大鬱病の前に不安症を生じる場合が多いことが知られている(Regier、et al. (1998). Br J Psychiatry Suppl. 24-8、「Prevalence of anxiety disorders and their comorbidity with mood and addictive disorders」)。V1a受容体は脳内、特に不安症の制御に重要な役割を担う扁桃体、外側中隔及び海馬のような辺縁領域で広範囲にわたって発現している。事実、V1aノックアウトマウスは、十字迷路、オープンフィールド及び明暗箱中で不安挙動の減少を示す(Bielsky、et al. (2004). Neuropsychopharmacology. 29、483-93、「Profound impairment in social recognition and reduction in anxiety-like behavior in vasopressin V1a receptor knockout mice」)。また、中隔にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入することによるV1a受容体ダウンレギュレーションからも不安挙動の減少が引き起こされる(Landgraf、et al. (1995). Regul Pept. 59、229-39.、「V1 vasopressin receptor antisense oligodeoxynucleotide into septum reduces vasopressin binding、social discrimination abilities、and anxiety-related behavior in rats」)。また、バソプレッシン又はV1a受容体は他の神経精神障害にも関係している。最近の遺伝子研究からヒトV1a受容体プロモーターの配列多形性が自閉症スペクトラム障害に関連があることが判明した(Yirmiya、et al. (2006). 11、488-94、「Association between the arginine vasopressin 1a receptor (AVPR1a) gene and autism in a family-based study: mediation by socialization skills」)。バソプレッシンを鼻腔内投与したところ、それが男性の攻撃性に影響を及ぼすことが示された(Thompson、et al. (2004). Psychoneuroendocrinology. 29、35-48、「The effects of vasopressin on human facial responses related to social communication」)。さらに、統合失調症患者(Raskind、et al. (1987). Biol Psychiatry. 22、453-62、「Antipsychotic drugs and plasma vasopressin in normals and acute schizophrenic patients」)及び強迫性障害患者(Altemus、et al. (1992). Arch Gen Psychiatry. 49、9-20、「Abnormalities in the regulation of vasopressin and corticotropin releasing factor secretion in obsessive-compulsive disorder」)ではバソプレッシンレベルが上昇することが明らかとなった。
【0009】
また、V1a受容体は孤束核で主に血圧や心拍を調節することにより、脳内におけるバソプレッシンの心血管作用に関与している(Michelini and Morris (1999). Ann N Y Acad Sci. 897、198-211、「Endogenous vasopressin modulates the cardiovascular responses to exercise」)。末梢部においては、V1a受容体は血管平滑筋の収縮を誘導し、V1a受容体を慢性的に阻害すると心筋梗塞ラットの血行動態パラメータが改善する(Van Kerckhoven、et al. (2002). Eur J Pharmacol. 449、135-41、「Chronic vasopressin V(1A) but not V(2) receptor antagonism prevents heart failure in chronically infarcted rats」)。従って、改善された血液脳関門透過性を有するV1aアンタゴニストが有利であると期待される。
【0010】
バソプレッシンV1a受容体アンタゴニストは、臨床で月経困難症の低減に有効であることが示された(Brouard、et al. (2000). Bjog. 107、614-9、「Effect of SR49059、an orally active V1a vasopressin receptor antagonist、in the prevention of dysmenorrhoea」)。また、V1a受容体拮抗作用は女性の性機能障害の処置にも関与する(Aughton、et al. (2008). Br J Pharmacol. doi:10.1038/bjp.2008.253、「Pharmacological profiling of neuropeptides on rabbit vaginal wall and vaginal artery smooth muscle in vitro」)。最近の研究では、V1a受容体アンタゴニストが勃起障害と早漏の両方に治療効果があることが示唆された(Gupta、et al. (2008). Br J Pharmacol. 155、118-26、「Oxytocin-induced contractions within rat and rabbit ejaculatory tissues are mediated by vasopressin V(1A) receptors and not oxytocin receptors」)。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明の目的は、V1a受容体モジュレーター、特に、V1a受容体アンタゴニストとして作用する化合物を提供することである。本発明のさらなる目的は、V1a受容体の選択的阻害剤を提供することであり、その理由は選択性が上記で説明したような望ましくないオフターゲットに関係する副作用を引き起こす可能性を低下させることが期待されるためである。
【0012】
このようなV1aアンタゴニストは、月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃性行動の症状の末梢及び中枢作用性の治療薬として有用である。本発明に関する好ましい適応は、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃性行動の処置である。
【0013】
V1a活性は、薬理学的試験の部に記載のように検出することができる。
【0014】
以下で示す、本明細書で使用する一般的な用語の定義は、当該用語が単独又は組み合わせであるかどうかに関わらず適用される。
【0015】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、飽和、即ち、直鎖又は分岐炭素鎖を含む脂肪族の炭化水素基を意味する。さらに特記されない限り、「アルキル」基は、「C1−12−アルキル」のような1〜12個の炭素原子を有する基を意味する。「C1−4−アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、「C1−7−アルキル」は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。「アルキル」の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル(i−プロピル)、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。好ましくは、メチル、エチル及びイソプロピルである。
【0016】
用語「アルコキシ」は、基−O−R’(式中、R’は上記で定義したアルキルである)を意味する。「C1−12−アルコキシ」は、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味し、「C1−4−アルコキシ」は、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味し、「C1−7−アルコキシ」は、1〜7個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。「アルコキシ」の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。好ましくは、メトキシ及びtert−ブトキシである。
【0017】
用語「芳香族」は、環内にヒュッケル則に従う六重項電子が存在することを意味する。
【0018】
用語「シアノ」は、基−CNを意味する。
【0019】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、クロロ、ヨード、フルオロ及びブロモを意味する。
【0020】
用語「ハロ−C1−7−アルキル」又は「C1−7−ハロアルキル」は上記で定義したC1−7−アルキル基を意味し、ここで、アルキル基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロで置換されている。ハロ−C1−7−アルキルの例には、1個以上のCl、F、Br又はI原子、特に、1、2又は3個のフルオロ又はクロロで置換されているメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−へキシル、並びに本明細書の下記実施例で具体的に説明される基が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいハロ−C1−7−アルキル基には、ジフルオロ若しくはトリフルオロメチル又はエチルが挙げられる。
【0021】
本明細書で定義される用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、O又はSから選択される1又は2個のヘテロ原子を含む一価の3〜7員飽和環を指す。ヘテロシクロアルキル部分の例には、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル又はピペラジニルが挙げられる。ヘテロシクロアルキルは、本明細書に記載のように場合により置換されていてもよい。
【0022】
用語「ヘテロアリール」及び「5又は6員環ヘテロアリール」は、N、O、又はSから選択される1又は2個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである、一価の5又は6員環の単環芳香族環を指す。6員環ヘテロアリールが好ましい。ヘテロアリール部分の例には、ピリジニル、ピリミジニル又はピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ピリジニルである。
【0023】
用語「オキソ」は、ヘテロシクロアルキルにある置換基を指す場合、酸素原子がヘテロシクロアルキル環に結合していることを意味する。これに関して、「オキソ」は炭素原子上の2個の水素原子が置換されているか、あるいは、硫黄が1又は2個の酸素を有している酸化型で存在するように、単に硫黄に結合していてもよい。「オキソ」が硫黄に結合している場合の好ましい基は、基−SOである。
【0024】
用語「1個以上の」は、置換基の数を示す場合、置換基が1個の場合から可能な数の最大置換基数を意味する。これは、置換基により水素1個が置換されている場合から全ての水素が置換されている場合までを意味する。これに関して、1、2又は3個の置換基が好ましい。さらに好ましくは、1又は2個の置換基又は1個の置換基である。
【0025】
用語「薬学的に許容しうる塩」又は「薬学的に許容し得る酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸との塩を包含する。好ましくは、塩酸塩である。
【0026】
詳しく述べると、本発明は一般式(I):
【0027】
【化2】


[式中、
X−Yは、C(R)−O(式中、R及びRは互いに独立してH又はC1−4−アルキルである)、
C(R)−S(O)(式中、R及びRは互いに独立してH又はC1−4−アルキルである)、
C(O)O、
CHOCH
CHCHOであり、
Zは、CH又はNであり、
は、ハロ、シアノ、C1−4−アルコキシ又はC1−4−アルキルであり、
は、H、
1−12−アルキル(非置換又は1個以上のOH、ハロ、シアノ又はC1−12−アルコキシで置換されている)、
−(CH−R(式中、Rはフェニル又は5若しくは6員環ヘテロアリールであり、それぞれ非置換又はAから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている)、
−(CHNRii
C(O)−C1−12−アルキル(式中、C1−12−アルキルは非置換又は1個以上のOH、ハロ、シアノ又はC1−12−アルコキシで置換されている)、
−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキル、
−C(O)(CHNRii
−C(O)O−C1−12−アルキル(式中、アルキルは非置換又は1個以上のOH、ハロ、シアノ又はC1−12−アルコキシで置換されている)、
−S(O)−C1−12−アルキル、又は
S(O)NRiiであり、
及びRiiは互いに独立してH、C1−12−アルキルであるか、又はそれらが結合する窒素と一緒になって、N、O又はSから選択される1又は2個のヘテロ原子を含む3〜7員環ヘテロシクロアルキルを形成しており(前記ヘテロシクロアルキルは、非置換又はBから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている)、
Aは、ハロ、シアノ、OH、C1−7−アルキル、ハロ−C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシであり、
Bは、オキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシであり、
は、Cl又はFであり、
nは、1又は2であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
qは、1、2、3又は4、好ましくは1であり、
rは、2、3又は4である]
で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0028】
用語「薬学的に許容しうる担体」及び「薬学的に許容しうる補助物質」は、製剤の他の成分と適合する希釈剤又は賦形剤などの担体及び補助物質を指す。
【0029】
用語「医薬組成物」は、所定の量または割合で特定の成分を含む生成物、並びに特定の成分を特定の量で混ぜ合わせることで、直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含する。好ましくは、医薬組成物は、1種以上の活性成分及び場合により不活性成分を含む担体を含む生成物、並びに任意の2種以上の成分の混合、複合若しくは凝集、1種以上の成分の解離、又は1種以上の成分のその他の反応若しくは相互作用から直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含する。
【0030】
以下の表に本明細書の範囲内で使用される略語の一覧を示す。
【0031】
【表1】

【0032】
本発明はまた、医薬組成物、上記化合物の使用方法及び調製方法を提供する。
【0033】
式(I)で表される化合物は不斉炭素原子を含んでいてもよい。従って、本発明は式(I)で表される化合物の全ての立体異性体(個々のエナンチオマー及びその混合物、即ち、その個々の光学異性体及びその混合物など)を含む。分子の様々な置換基の性質によってはさらに不斉中心が存在していてもよい。そのような不斉中心は、それぞれ別々に2種の光学異性体を生成し、全ての可能な光学異性体及びジアステレオマーを混合物及び純粋又は部分的に純粋な化合物として本発明の範囲内に含むこととする。本発明は、これらの化合物のそのような異性体全てを包含することを意味する。これらのジアステレオマーの独立合成又はそのクロマトグラフ分離は当該技術分野で周知であり、本明細書に開示の方法を適当に改変することにより達成できる。その絶対立体化学は、結晶生成物又は結晶中間体のX線結晶学的方法により決定できるが、その結晶生成物又は結晶中間体は、必要があれば、絶対配置が分かっている不斉中心を有する試薬で誘導化してもよい。所望ならば、化合物のラセミ混合物を分離して個々のエナンチオマーを単離することができる。分離は当該技術分野で周知の方法で行うことができ、例えば、化合物のラセミ混合物をエナンチオピュアな化合物に結合させジアステレオマー混合物にした後、個々のジアステレオマーを分別結晶又はクロマトグラフィーなどの標準的な方法で分離する方法などがある。
【0034】
これは特に、式(I)で表される化合物のスピロ環頭部基(HG):
【0035】
【化3】


[式中、少なくともスピロ原子並びにCHであるZが不斉炭素原子である]
について当てはまる、即ち、本発明が頭部基の各エナンチオマー及び各エナンチオマーの混合物の全てを含むことが理解される。
【0036】
以下に記載のように、本発明の全ての実施態様を相互に組み合わせることが可能なことがさらに理解される。
【0037】
特定の実施態様においては、X−Yは上述のとおりである。即ち、X−Yは、
C(R)−O(式中、R及びRは互いに独立してH又はC1−4−アルキルである)、
C(R)−S(O)(式中、R及びRは互いに独立してH又はC1 −4−アルキルであり、pは0、1又は2である)、
C(O)O、
CHOCH、又は
CHCHOである。
【0038】
特定の実施態様においては、R及びRは互いに独立してH又はメチルであり、特定の実施態様においては、RはHであり、RはH又はメチルである。
【0039】
特定の実施態様においては、R及びRは互いに独立してH又はメチルであり、特定の実施態様においては、RはHであり、RはH又はメチルであり、特定の実施態様においては、R及びRはHである。これに関しては、pは0、1又は2、好ましくは、0又は2である。
【0040】
特定の実施態様においては、nは1である。
【0041】
特定の実施態様においては、nは2である。
【0042】
特定の実施態様においては、Zは上述のとおりである。即ち、CH又はNである。
【0043】
特定の実施態様においては、ZはCHである。
【0044】
特定の実施態様においては、ZはNである。
【0045】
特定の実施態様においては、Rは上述のとおりである。即ち、ハロ、シアノ、C1−7−アルコキシ又はC1−7−アルキルである。特定の実施態様においては、Rはハロ、シアノ、メトキシ又はメチルである。特定の実施態様においては、Rはハロである。特定の実施態様においては、RはF又はClであり、好ましくは、Fである。これに関して、mは0、1、2、3又は4であり、好ましくは、0又は1である。
【0046】
特定の実施態様においては、Rはハロである。
【0047】
特定の実施態様においては、RはFである。
【0048】
特定の実施態様においては、mは0である。
【0049】
特定の実施態様においては、mは1である。
【0050】
特定の実施態様においては、X−YはC(R)−O(式中、R及びRは互いに独立してH又はメチルである)、CH−S(O)(式中、pは0又は2である)、C(O)O、CHOCH又はCHCHOであり、ZはCH又はNであり、nは1又は2である。
【0051】
特定の実施態様においては、X−YはC(R)−O(式中、R及びRは互いに独立してH又はメチルである)、CH−S(O)(式中、pは0又は2である)、C(O)O、CHOCH又はCHCHOである。
【0052】
特定の実施態様においては、X−YはC(H,Me)−O、CH−O、CH−S(O)、CH−S、C(O)O、CHOCH又はCHCHOである。
【0053】
特定の実施態様においては、X−YはCH−O−、C(H,Me)−O−又はCHOCHである。
【0054】
特定の実施態様においては、X−YはC(R)−O(式中、R及びRは互いに独立してH又はメチルである)である。
【0055】
特定の実施態様においては、X−YはC(H,メチル)−Oである。
【0056】
特定の実施態様においては、X−YはCH−Oである。
【0057】
特定の実施態様においては、X−YはCH−S(O)(式中、pは0又は2である)である。
【0058】
特定の実施態様においては、X−YはCH−S(O)である。
【0059】
特定の実施態様においては、X−YはCH−Sである。
【0060】
特定の実施態様においては、X−YはC(O)Oである。
【0061】
特定の実施態様においては、X−YはCHOCHである。
【0062】
特定の実施態様においては、X−YはCHCHOである。
【0063】
本発明の特定の実施態様においては、RはCl又はFである。
【0064】
本発明の特定の実施態様においては、RはClである。
【0065】
本発明の特定の実施態様においては、RはFである。
【0066】
本発明の特定の実施態様においては、Rは上述のとおりである。
【0067】
本発明の特定の実施態様においては、Rは、
H、
1−7−アルキル(非置換又は1個以上のOHで置換されている)、好ましくは、C1−7−アルキル、
−CH−ピリジニル、
−C(O)−C1−7−アルキル、
−C(O)CHNRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)、
−C(O)O−C1−7−アルキル、又は
−S(O)NRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)である。
【0068】
の例には、H、メチル、i−プロピル、ヒドロキシエチル、ピリジン−2−イル−メチル、メチルカルボニル、N,N−ジメチルアミノ−メチル−カルボニル、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル又はN,N−ジメチルアミノスルホニルが挙げられる。好ましくは、Rはメチル又はi−プロピルである。
【0069】
本発明の特定の実施態様においては、RはHである。
【0070】
本発明の特定の実施態様においては、RはC1−7−アルキル(非置換又は1個以上のOHで置換されている)であり、好ましくは、C1−7−アルキルである。
【0071】
本発明の特定の実施態様においては、Rはメチルである。
【0072】
本発明の特定の実施態様においては、Rはi−プロピルである。
【0073】
本発明の特定の実施態様においては、Rはヒドロキシエチルである。
【0074】
本発明の特定の実施態様においては、Rは−CH−ピリジニルである。
【0075】
本発明の特定の実施態様においては、Rはピリジン−2−イル−メチルである。
【0076】
本発明の特定の実施態様においては、Rは−C(O)−C1−7−アルキルである。
【0077】
本発明の特定の実施態様においては、Rはメチルカルボニルである。
【0078】
本発明の特定の実施態様においては、Rは−C(O)CHNRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)である。
【0079】
本発明の特定の実施態様においては、RはN,N−ジメチルアミノ−メチル−カルボニルである。
【0080】
本発明の特定の実施態様においては、Rは−C(O)O−C1−7−アルキルである。
【0081】
本発明の特定の実施態様においては、Rはメトキシカルボニルである。
【0082】
本発明の特定の実施態様においては、Rはt−ブトキシカルボニルである。
【0083】
本発明の特定の実施態様においては、RはS(O)NRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)である。
【0084】
本発明の特定の実施態様においては、RはN,N−ジメチルアミノスルホニルである。
【0085】
本発明の特定の実施態様においては、スピロ環頭部基は以下のものから選択される:
(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル、
(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル、
1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル、
7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル、
6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル、
5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル、
3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル、
3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン−1’−イル、
1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル、
2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル、
1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル、
3,4−ジヒドロ−1’H−スピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル、
(4S)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]−イル、又は
(4R)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]−イル
【0086】
特定の実施態様においては、スピロ環頭部基HGは以下に示すものである。
【0087】
【化4】

【0088】
本発明の特定の実施態様においては、式(I):
【0089】
【化5】


[式中、
X−Yは、C(R)−O(式中、R及びRは互いに独立してH又はメチルである)、
CH−S(O)(式中、pは0又は2である)、
C(O)O、
CHOCH
CHCHOであり、
ZがCH又はNであり、
は、ハロであり、mは、0又は1であり、
は、H、
1−7−アルキル(非置換又は1個以上のOHで置換されている)、好ましくは、C1−7−アルキル、
−CH−ピリジニル、
−C(O)−C1−7−アルキル、
−C(O)CHNRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)、
−C(O)O−C1−7−アルキル、又は
−S(O)NRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)であり、
は、Cl又はF、好ましくは、Clであり、
nは、1又は2である]
で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
【0090】
本発明の特定の実施態様においては、式(I)で表される化合物は、式(I’):
【0091】
【化6】


[式中、
HGは、上述のとおり、基HG−1〜HG−14のいずれか1個から選択され、
は、H、
1−7−アルキル(非置換又は1個以上のOHで置換されている)、好ましくは、C1−7−アルキル、
−CH−ピリジニル,
−C(O)−C1−7−アルキル、
−C(O)CHNRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)、
−C(O)O−C1−7−アルキル、又は
−S(O)NRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)であり、
は、Cl又はF、好ましくは、Clであり、
nは、1又は2である]
で表されるサブセット又はその薬学的に許容しうる塩として提供される。
【0092】
本発明に記載の化合物の例を実験部に示す。以下の表に化合物の例を示す。
【0093】
【表2】







【0094】
本発明の好ましい化合物を例として示す。特に好ましくは、以下のとおりである:
8−クロロ−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩、
8−クロロ−5−メチル−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩、
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−5−イソプロピル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−5−(ピリジン−2−イルメチル)−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
5−アセチル−8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
2−[8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソエタンアミン、
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−5−メチル−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]、
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]、
(+)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]、又は
(−)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
【0095】
最も好ましくは、以下の化合物が挙げられる:
(+)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]、
8−クロロ−5−メチル−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−5−メチル−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
(−)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]、
8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]、
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−5−イソプロピル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、又は
8−クロロ−1−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
【0096】
特定の実施態様においては、本発明の式(I)で表される化合物は、式(II):
【0097】
【化7】


で表される化合物を、式(III):
【0098】
【化8】


で表される化合物と反応させ、式(I−1)で表される化合物(式中、R、R、X−Y、m及びnは、式(I)について本明細書上記で定義したとおりであり、Zは、CHである)を得る工程を含むプロセスに従って製造することができる。
【0099】
別の実施態様においては、本発明の式(I)で表される化合物は、式(IV):
【0100】
【化9】


で表される化合物を、式(IV):
【0101】
【化10】


で表される化合物と反応させ、式(I−2)で表される化合物(式中、R、R、X−Y、m及びnは、式(I)について本明細書上記で定義したとおりであり、Zは、Nである)を得る工程を含むプロセスに従って製造することができる。
【0102】
本発明の特定の実施態様は、上述のプロセスにより得ることができる、前記実施態様のいずれかに記載の化合物である。
【0103】
本発明の特定の実施態様は、上述のプロセスにより得られる、前記実施態様のいずれかに記載の化合物である。
【0104】
本発明の特定の実施態様は、治療活性物質としての使用のための、前記実施態様のいずれかに記載の化合物である。
【0105】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、及び攻撃性行動の予防又は治療で使用するための、前記実施態様のいずれかに記載の化合物である。
【0106】
本発明の特定の実施態様は、前記実施態様のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物である。
【0107】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、及び攻撃性行動の予防又は治療に有用である、前記実施態様のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物である。
【0108】
本発明の特定の実施態様は、医薬の調製のための、前記実施態様のいずれかに記載の化合物の使用である。
【0109】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、及び攻撃性行動の予防又は治療に有用である医薬の調製のための、前記実施態様のいずれかに記載の化合物の使用である。
【0110】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、及び攻撃性行動の予防又は治療のための、前記実施態様のいずれかに記載の化合物の使用である。
【0111】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、及び攻撃性行動の治療及び/又は予防的処置方法であり、前記方法は、前記実施態様のいずれかで定義されたような化合物をヒト又は動物に投与することを含む。
【0112】
これらのプロセスを、以下の一般スキーム及び手順A〜Hでさらに詳しく説明する。
【0113】
【化11】

【0114】
式(I−1)で表される化合物(ZがCHである式(I)で表される化合物)は、式(II)で表されるヒドラジド誘導体と式(III)で表されるチオラクタム誘導体を熱縮合させて調製することができる。式(II)で表される化合物は、本明細書下記のように以下の一般スキームEで調製することができる。式(III)で表される化合物の合成を本明細書下記の一般スキームDで概説する。一般スキームAを本明細書下記の一般的な手順Iでさらに説明する。
【0115】
【化12】

【0116】
式(I−2)で表される化合物(ZがNである式(I)で表される化合物)は、式(IV)で表されるブロモトリアゾール中間体及び式(V)で表されるアミン誘導体の熱縮合により調製することができる。式(IV)で表される化合物の合成を本明細書下記の一般スキームDで概説する。式(V)で表される化合物は、市販品を使用するかあるいは、市販の材料から当該技術分野で周知の方法を用いて調製する。あるいは、式(V)で表される化合物は、本明細書下記のように以下の一般スキームF、G又はHで調製することができる。
【0117】
【化13】

【0118】
がHではない式(I)で表される化合物を、当該技術分野で周知の方法に従って、式(I−b)で表される化合物(RがHである式(I)で表される化合物)から調製することができる。例えば、式(I−b)で表される化合物を、炭酸塩などの無機塩基又は3級アミンなどの有機塩基、そして市販品の又は当該技術分野で周知の方法及び出発物質から容易に調製される求電子反応剤R−LG(式中、LGは脱離基、例えば、ハロゲン又はスルホニルである)で処理することにより調製することができる。あるいは、式(I)で表される化合物は、式(I−b)で表される化合物をケトン又はアルデヒド、そして適切な還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素誘導体で続けて処理して還元的アルキル化することにより得ることができる。式(I−b)で表される化合物は、式(I)で表される化合物の置換基Rを、当該技術分野で周知の方法を用いて開裂することにより得ることができる。式(I−b)で表される化合物は、式(I−a)で表される化合物(Rがtert−ブトキシカルボニルである式(I)で表される化合物)を適当な溶媒中、酸を用いて、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中、メタンスルホン酸を用いて、あるいはメタノール中、塩酸を用いて処理し、その後塩基性水溶液でワークアップすることで塩又は遊離塩基として簡便に得られる。一般スキームCは、本明細書下記で一般的な手順II及びIIIでさらに詳しく説明する。
【0119】
【化14】

【0120】
式(III−1)で表されるチオラクタム誘導体(Rがtert−ブトキシカルボニルである式(III)で表される化合物)及び式(IV)、(IV−1)(Rがtert−ブトキシカルボニルである式(IV)で表される化合物)、及び(IV−2)(RがHである式(IV)で表される化合物)で表されるブロモトリアゾール誘導体は、以下のように得ることができる。式(a)で表される2−ニトロベンジルアルコールを、有機3級アミン塩基の存在下、チオニルクロリドなどの塩素化剤により式(b)で表されるベンジルクロリドに変換することができる。式(b)で表される化合物を、有機3級アミン塩基の存在下、グリシンエチルエステル塩酸塩でアルキル化し、得られた式(c)で表される化合物を二炭酸ジ−tert−ブチル及び触媒量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンを用いてN−保護することにより式(d)で表される化合物が得られる。ニトロ基を臭化亜鉛などのハロゲン化亜鉛で前処理したパラジウム炭素で水素化することで選択的に還元すると、式(e)で表されるアニリン中間体が得られる。式(f)で表されるラクタムは、式(e)で表される化合物を、テトラヒドロフラン中、適切な塩基、例えば、カリウムtert−ブトキシドで処理して環化する。式(III−1)で表されるチオラクタム誘導体は、式(f)で表される化合物を、高温で、ローソン試薬(2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)又は五硫化二リンで処理して得られる。式(III−1)で表されるチオラクタムは、ホルミルヒドラジンと縮合させることで、式(g)で表されるトリアゾール誘導体に変換することができる。式(IV−1)で表される化合物(Rがtert−ブトキシカルボニルである式(IV)で表される化合物)は、式(g)で表される化合物をN−ブロモスクシンイミドなどの適切な臭素化剤と反応させることで得ることができる。式(IV−2)で表される化合物(RがHである式(IV)で表される化合物)は、式(IV−1)で表される化合物を、適当な溶媒中、酸を用いて、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中、メタンスルホン酸を用いて、あるいはメタノール中、塩酸を用いて処理し、その後塩基性水溶液でワークアップすることで塩又は遊離塩基として得られる。RがHではない式(IV)で表される化合物は、当該技術分野で周知の方法を用いて調製することができる。例えば、式(IV−2)で表される化合物を、炭酸塩などの無機塩基又は3級アミンなどの有機塩基、そして市販品の又は当該技術分野で周知の方法及び出発物質から容易に調製される求電子反応剤R−LG(式中、LGは脱離基、例えば、ハロゲン又はスルホニルである)で処理することで調製することができる。あるいは、式(IV)で表される化合物は、式(I−b)で表される化合物をケトン又はアルデヒド、そして適切な還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素誘導体で続けて処理して還元的アルキル化することにより得ることができる。式(IV−3)で表される化合物(Rがメチルである式(IV)で表される化合物)は、パラホルムアルデヒドで還元的メチル化することにより調製することができる。
【0121】
【化15】

【0122】
式(II−1)で表されるヒドラジド中間体(X−YがCH−Oであり、nが1である式(II)で表される化合物)は、本明細書下記のように、式(h)で表される二級アルコール中間体から調製することができる。二級アルコール中間体は文献に記載の方法に従って調製することができる(F. J. Urban,G. Anderson; Organic Process Research & Development 1999,3,460-464)。式(i)で表されるメタンスルホン酸エステルは、式(h)で表される化合物をメタンスルホニルクロリド及び3級アミン塩基で処理することにより得ることができる。式(i)で表される化合物をジメチルスルホキシド中、シアン化ナトリウムで処理すると式(j)で表されるニトリル誘導体が得られ、それはエタノール性塩化水素溶液還流下で、式(k)で表されるエステル中間体に加溶媒分解することができる。式(k)で表される化合物は、ヒドラジン水和物と加熱することにより、式(II−1−a)で表されるヒドラジド誘導体(ヒドラジド及びフェニル基が、互いにシスの位置関係である式(II−1)で表される化合物)に変換することができる。あるいは、式(k)で表されるエステル誘導体は、エタノール中、80℃で、あるいはジエチレングリコール中、140℃で水酸化カリウムを用いて、式(l)で表されるカルボン酸誘導体に加水分解することができる(エピマー化が起こる)。式(II−1−b)で表されるヒドラジド誘導体(ヒドラジド及びフェニル基が互いにトランスの位置関係である式(II−1)で表される化合物)は、式(l)で表される酸中間体を、例えば、クロロギ酸エチル、チオニルクロリド、オキサリルクロリド又はペプチドカップリング試薬で活性化した後、ヒドラジンとカップリングさせて得ることができる。
【0123】
【化16】

【0124】
式(V−1)(X−YがC(=O)−Oである式(V)で表される化合物)及び(V−2)(X−YがCH−Oである式(V)で表される化合物)で表されるアミン中間体は、本明細書下記のように調製することができる。式(m)で表される2−ブロモ安息香酸誘導体を、アルキルリチウム試薬を用いた脱プロトン化及び臭素−リチウム交換により二重リチオ化し、その後、式(n)で表される環状ケトン誘導体に付加させて式(o)で表されるスピロラクトン誘導体にする。式(o)で表されるラクトンのカルボニル基を還元して式(p)で表される化合物を得る。式(V−1)及び(V−2)で表されるアミン誘導体は、それぞれ式(o)及び(p)で表される化合物をパラジウム触媒水素化分解によりN−脱ベンジル化することで得られる。
【0125】
【化17】

【0126】
式(V−3)(X−YがCR−Oである式(V)で表される化合物)及び(V−4)(X−YがCH−CH−Oである式(V)で表される化合物)で表されるアミン中間体は、本明細書下記のように調製することができる。式(q)で表される2−ブロモアリール置換脂肪族アルコール誘導体を、マグネシウム若しくはグリニャール試薬又はアルキルリチウム試薬を用いたO−脱プロトン化及び臭素−金属交換により二重メタル化し、その後、式(n)で表される環状ケトン誘導体に付加させて式(s)で表されるスピロ誘導体にする。式(V−3)及び(V−4)で表されるアミン誘導体は、式(s)で表される化合物をパラジウム触媒水素化分解によりN−脱ベンジル化することで得られる。
【0127】
【化18】

【0128】
式(V−5)で表されるアミン中間体(X−YがCH−O−CHである式(V)で表される化合物)は、本明細書下記のように調製することができる。4位がアリール基及びカルボン酸基で二置換されている、式(t)で表されるピペリジン又はアゼパン誘導体を、水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤を用いて、式(u)で表されるアミノアルコール誘導体に還元することができる。式(u)で表される誘導体を塩酸の存在下、ホルムアルデヒドを用いて環化して、式(V−5)で表されるスピロ誘導体を得る。
【0129】
本発明の化合物はV1a活性を示す。それらはV1a受容体の選択的阻害剤であるため、望ましくないオフターゲットに関係する副作用を引き起こす可能性が低いことが期待される。V1a活性は以下に記載するように検出することができる。
【0130】
対応する酸との薬学的に許容しうる塩は、当業者に周知の標準的な方法、例えば、式(I)で表される化合物をジオキサン又はTHFなどの適当な溶媒に溶解させ、対応する酸を適当量添加することにより得ることができる。通常、生成物は濾過又はクロマトグラフィーを行い単離することができる。式(I)で表される化合物は、当該化合物を塩基で処理することにより塩基との薬学的に許容しうる塩に変換することができる。そのような塩を形成する一つの可能な方法としては、例えば、M(OH)(式中、M=金属又はアンモニウムカチオン及びn=水酸化物アニオンの数である)などの塩基性塩を1/n当量、適当な溶媒(例えば、エタノール、エタノール−水混合物、テトラヒドロフラン−水混合物)に溶かした化合物の溶液に添加して、溶媒を蒸発又は凍結乾燥により除去することである。
【0131】
式(I)で表される化合物並びに全ての中間体生成物は、その調製が実施例で記載されない場合は、類似の方法又は本明細書に記載の方法に従って調製することができる。出発物質は当該技術分野で周知の市販品を用いるか、当該技術分野で周知の方法又はその類似の方法により調製することができる。
【0132】
本発明おいて、一般式(I)で表される化合物を官能基で誘導化し、in vivoで親化合物に変換することが可能な誘導体を提供できることが明らかであろう。
【0133】
薬理学的試験
ヒトV1a受容体は、全ヒト肝臓RNAからRT−PCRによりクローニングした。増幅した配列の同一性をシークエンスで確認した後、そのコード配列を発現ベクターでサブクローニングした。本発明の化合物のヒトV1a受容体への親和性を明らかにするために、結合試験を実施した。細胞膜は発現ベクターで一過性トランスフェクションし、以下のプロトコールに従って、20リッターの培養槽で増殖させたHEK293細胞から調製した。
【0134】
50gの細胞を、新調した30mlの氷冷ライシスバッファー(50mMHEPES、1mMEDTA、10mMMgCl(pH=7.4に調整)+プロテアーゼインヒビターのコンプリートカクテル(Roche Diagnostics))に再懸濁する。1分間、ポリトロン(Polytron)を用いてホモジナイズして、氷上、80%の強度で2×2分間超音波処理する(Vibracell sonicator)。調製物を4℃、500gで20分間遠心し、ペレットを除去し、上清を4℃、43’000gで1時間遠心する(19’000rpm)。ペレットをライシスバッファー12.5ml+20%スクロース12.5mlに再懸濁し、ポリトロンを用いて、1〜2分間ホモジナイズする。タンパク質濃度をBradford方法により決定し、アリコートを使用時まで−80℃で保存する。結合試験のために、ケイ酸イットリウムSPAビーズ(Amersham)60mgを、結合バッファー(50mMトリス、120mMNaCl、5mMKCl、2mMCaCl、10mMMgCl)中、撹拌しながら膜のアリコートと15分間混合する。次に、ビーズ/膜混合物50μlを96ウェルプレートの各ウェルに添加し、次いで4nMの3H−バソプレッシン(American Radiolabeled Chemicals)50μlを添加する。総結合量の測定のため、結合バッファー100μlを各ウェルに添加し、非特異的結合の測定のために、8.4mMの冷バソプレッシン100μlを、そして化合物試験のために、各化合物の段階希釈液100μlの2%DMSO溶液を添加する。プレートを室温にて1時間インキュベートし、1000gで1分間遠心し、Packard Top-Countで計測する。非特異的結合数を各ウェルから差し引き、データを標準化して、最大の特異的結合を100%と設定する。IC50を計算するために、非線形回帰モデル(XLfit)を用いて曲線を適合させ、Cheng-Prussoffの式を用いてKiを計算する。
【0135】
以下の代表的なデータは、本発明に記載の化合物のヒトV1a受容体に対する拮抗作用を示している。
【0136】
【表3】

【0137】
医薬組成物
式(I)で表される化合物並びにその薬学的に有用な酸付加塩は、医薬、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング剤、糖衣剤、硬質及び軟質ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で経口投与することができる。しかしながら、投与はまた、例えば、坐剤の形態で直腸内に、あるいは例えば、注射剤の形態で非経口的に行うことができる。
【0138】
式(I)で表される化合物及びその薬学的に有用な酸付加塩は、錠剤、コーティング剤、糖衣剤及び硬質ゼラチンカプセル剤を製造するために、薬学的に不活性な無機又は有機賦形剤を用いて処理することができる。ラクトース、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、例えば、錠剤、糖衣剤及び硬質ゼラチンカプセル剤製造用の賦形剤として使用することができる。軟質ゼラチンカプセル剤用の適切な賦形剤には、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどが挙げられる。
【0139】
液剤及びシロップ剤製造用の適切な賦形剤には、例えば、水、ポリオール、スクロース、転化糖、グルコースなどが挙げられる。注射剤用の適切な賦形剤には、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などが挙げられる。坐剤用の適切な賦形剤には、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどが挙げられる。
【0140】
さらに、医薬品は、防腐剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香味剤、浸透圧調整用の塩、緩衝剤、マスキング剤又は抗酸化剤を含んでいてもよい。それらは、また他の治療学的に有用な物質をさらに含んでいてもよい。
【0141】
投与用量は広範囲で変更可能であり、当然のことであるが、各特定の事例で個々の要件に合わせて調整される。通常、経口投与では、一般式(I)で表される化合物の一日投与用量について、約10〜1000mg/人を適量とすべきであるが、必要に応じてその上限を超えてもよい。
【0142】
下記実施例は本発明を説明するものであるが、本発明の範囲を限定するものではなく、その例示であるにすぎない。全ての温度は摂氏温度で表される。
【0143】
本発明における組成の例は以下のとおりである:
【0144】
実施例A
以下の組成の錠剤を通常の方法で製造する:
【0145】
【表4】

【0146】
製造手順
1.成分1、2、3及び4を混合し、精製水で顆粒状にする。
2.顆粒を50℃で乾燥する。
3.顆粒を適切な製粉装置にかける。
4.成分5を添加し3分間混合して、適切な圧縮機で圧縮する。
【0147】
実施例B−1
以下の組成のカプセル剤を製造する:
【0148】
【表5】

【0149】
製造手順
1.成分1、2及び3を適切な混合器で30分間混合する。
2.成分4及び5を添加し、3分間混合する。
3.適当なカプセルに充填する。
【0150】
初めに、式(I)で表される化合物、ラクトース及びトウモロコシデンプンを混合器で、その後粉砕機で混合する。混合物を混合器に戻し、タルク(及びステアリン酸マグネシウム)を添加して十分に混合する。混合物を、機械で適切なカプセル、例えば、硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0151】
実施例B−2
以下の組成の軟質ゼラチンカプセル剤を製造する:
【0152】
【表6】

【0153】
【表7】

【0154】
製造手順
式(I)で表される化合物を他の成分の温かい溶融物に溶解させ、その混合物を適切なサイズの軟質ゼラチンカプセルに充填する。充填軟質ゼラチンカプセルを通常の手順に従って処理する。
【0155】
実施例C
以下の組成の坐剤を製造する:
【0156】
【表8】

【0157】
製造手順
坐剤用錬剤をガラス又はスチール容器で溶融し、十分に混合した後45℃に冷却する。次に、微粉状の式(I)で表される化合物を添加して完全に分散するまで撹拌する。混合物を適切なサイズの坐剤成形型に注ぎ、放冷後、坐剤を型から取り出してロウ紙又は金属箔に個別に包装する。
【0158】
実施例D
以下の組成の注射剤を製造する:
【0159】
【表9】

【0160】
製造手順
式(I)で表される化合物をポリエチレングリコール400及び注射剤用水(一部)の混合物に溶解させる。pHを酢酸で5.0に調整する。残りの水を添加して容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適度の過剰量でバイアルに充填し滅菌する。
【0161】
実施例E
以下の組成のサシェ剤を製造する:
【0162】
【表10】

【0163】
製造手順
式(I)で表される化合物をラクトース、微晶質セルロース及びカルボキシルメチルセルロースナトリウムと混合し、ポリビニルピロリドンと水の混合物で粒状にする。粒状物をステアリン酸マグネシウム及び香味添加剤と混合し、サシェに充填する。
【0164】
実験部
下記の実施例1〜37は本発明を説明するために示される。それは、本発明の範囲を限定するものではなく、単に説明するためのものにすぎないことを理解すべきである。
【0165】
式(II)で表されるヒドラジド中間体
ヒドラジド1
(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボヒドラジド
a)(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−オール
3H,4’H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−オン(2.5g、12mmol)のエタノール(36ml)溶液に、水浴で冷却しながら室温で水素化ホウ素ナトリウム(0.69g、18mmol)を添加した。16時間撹拌後、2M塩化水素水溶液を反応混合物に添加した。溶媒を蒸発させ、水性の残渣を酢酸エチルで2回抽出した。集めた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いてフラッシュクロマトグラフィーを行って、表記化合物を淡黄色の固体として得た(1.95g、78.9%)。MS m/e:204(M
【0166】
b)(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イルメタンスルホネート
(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−オール(0.70g、3.4mmol)及びトリエチルアミン(0.48ml、3.4mmol)のジクロロメタン(17ml)溶液に、0〜5℃で、メタンスルホニルクロリド(0.27ml、3.4mmol)を添加した。1時間撹拌した後、水と食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮して、表記化合物をオフホワイトの固体として得た(0.91g、94%)。MS m/e:341(M+AcO
【0167】
c)(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボニトリル
(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イルメタンスルホネート(0.91g、3.2mmol)及びシアン化ナトリウム(0.31g、6.4mmol)のジメチルスルホキシド(6.4ml)溶液を120℃で30分間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、1M炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した後、集めた有機層を水及び食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いてフラッシュクロマトグラフィーを行って、表記化合物を無色の油状物として得た(0.41g、60%)。MS m/e:213(M
【0168】
d)(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボン酸エチル
エタノール(20ml)中、(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボニトリル(0.40g、1.9mmol)及び濃塩酸溶液(4.7ml、56mmol)の混合物を72時間加熱還流した。室温に冷却後、反応混合物を氷に注ぎ、32%水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にした。混合物をtert−ブチルメチルエーテルで2回抽出した。集めた有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いてフラッシュクロマトグラフィーを行って、表記化合物を白色の固体として得た(0.20g、41%)。MS m/e:260(M
【0169】
e)(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボヒドラジド
(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボン酸エチル(0.2g、0.8mmol)及びヒドラジン水和物(0.04ml、0.7mmol)の混合物を4時間加熱還流した。別のヒドラジン水和物(0.04ml、0.7mmol)を添加し、反応混合物をさらに18時間加熱還流した。室温に冷却後、n−ブタノール(0.5ml)及び別のヒドラジン水和物(0.07ml、1.4mmol)を添加し、反応混合物を4時間以上加熱還流した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(30ml)で希釈した後、1M水酸化ナトリウム水溶液(30ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮して表記化合物を白色の固体として得た(0.16g、87%)。MS m/e:247(M+H
【0170】
ヒドラジド2
(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボヒドラジド
a)(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボン酸
粗表記化合物のバッチ1の調製:エタノール(7ml)中、(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボニトリル(0.15g、0.70mmol)及び2M水酸化カリウム水溶液(0.88ml)の混合物を16時間加熱還流した。反応混合物をジエチレングリコール(10ml)で希釈し、130℃で4時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物をtert−ブチルメチルエーテルで希釈し、0.5M水酸化ナトリウム水溶液で2回抽出した。集めた水層をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、その後濃塩酸溶液で酸性にした。酸性の水層をtert−ブチルメチルエーテルで2回抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮して粗表記化合物を淡褐色の固体として得た(0.05g)。
【0171】
粗表記化合物のバッチ2の調製:ジエチレングリコール(15ml)中、(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボニトリル(0.48g、2.3mmol)及び3M水酸化カリウム水溶液(7.5ml)の混合物を140℃で72時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物をtert−ブチルメチルエーテルで希釈し、0.5M水酸化ナトリウム水溶液で2回抽出した。集めた水層をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、その後濃塩酸溶液で酸性にした。酸性の水層をtert−ブチルメチルエーテルで2回抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮して、粗表記化合物を得た(0.4g)。
【0172】
粗表記化合物の2つのバッチを合わせ、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、純粋な表記化合物を白色の固体として得た(0.30g、57%)。MS m/e:231(M−H)。
【0173】
b)(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボヒドラジド
(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボン酸(0.16g、0.67mmol)及びトリエチルアミン(0.098ml、0.70mmol)のテトラヒドロフラン(7ml)溶液に、0℃で、クロロギ酸エチル(0.067ml、0.70mmol)を添加した。反応混合物を30分間撹拌した。アンモニウム塩を濾別し、濾液をヒドラジン水和物(0.065g、1.3mmol)のメタノール(7ml)溶液に添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。酢酸エチル(100ml)を添加した後、1M水酸化ナトリウム水溶液(100ml)及び食塩水(100ml)で洗浄した。集めた水層を酢酸エチル(100ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮して、表記化合物を白色の固体として得た(0.16g、96%)。MS m/e:247(M+H
【0174】
式(III−1)で表される中間体
7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
a)4−クロロ−2−クロロメチル−1−ニトロ−ベンゼン
5−クロロ−2−ニトロベンジルアルコール(80g、0.42mol)及びトリエチルアミン(64ml、0.46mol)のジクロロメタン(840ml)溶液を水浴で冷却して内部温度を32℃以下に維持しながら、チオニルクロリド(34ml、0.46mol)を30分かけて滴下した。反応混合物を3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を温かいtert−ブチルメチルエーテル(970ml)で粉状にした。アンモニウム塩を濾別し、濾液を減圧下で濃縮して、表記化合物を褐色の油状物として得て(85g、99%)、さらに精製することなく次の工程に使用した。MS m/e:205(M
【0175】
b)(5−クロロ−2−ニトロ−ベンジルアミノ)酢酸エチルエステル
エタノール(1000ml)中、4−クロロ−2−クロロメチル−1−ニトロ−ベンゼン(85g、0.41mol)、グリシンエチルエステル塩酸塩(70g、0.50mol)及びトリエチルアミン(121.4ml、0.8665mol)の混合物を8時間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、残渣を温かいtert−ブチルメチルエーテルで粉状にした。アンモニウム塩を濾過で除去し、濾液を減圧下で濃縮して、表記化合物を非晶質の褐色の固体として得て(111g、99%)、さらに精製することなく次の工程に使用した。MS m/e:273(M+H
【0176】
c)[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンジル)−アミノ]酢酸エチルエステル
(5−クロロ−2−ニトロ−ベンジルアミノ)−酢酸エチルエステル(110g、0.403mol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(180g、0.807mol)及び4−N,N−ジメチルアミノピリジン(2.51g、0.0202mol)のジクロロメタン(1200ml)溶液を、0℃で2時間、さらに室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物をシクロヘキサン/酢酸エチル混合物を溶離液として用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表記化合物を淡黄色の粘性油状物として得た(76.4g、51%)。MS m/e:373(M+H
【0177】
d)[(2−アミノ−5−クロロ−ベンジル)−tert−ブトキシカルボニル−アミノ]酢酸エチルエステル [tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−酢酸エチルエステル(69.0g、0.186mol)の酢酸エチル(1200ml)溶液に臭化亜鉛(8.5g、0.037mol)を添加した。15分後、反応混合物をアルゴンでパージした。パラジウム触媒(10%活性炭、7.9g、0.0074mol)を添加した後、混合物を約13リットルの水素ガスが消費されるまで約48時間かけて大気圧で水素化した。触媒を濾別し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水でそれぞれ2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮して、表記化合物を黄色のロウ状固体として得た(60.6g、95.5%)。MS m/e:343(M+H
【0178】
e)7−クロロ−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
[(2−アミノ−5−クロロ−ベンジル)−tert−ブトキシカルボニル−アミノ]酢酸エチルエステル(60g、0.18mol)のテトラヒドロフラン(600ml)溶液に、氷水浴の冷却下5℃で、カリウムtert−ブトキシド(22g、0.19mol)を少しずつ添加した。添加が完了した後、冷却浴を取り外し、反応混合物を室温で3時間撹拌した後、水(400ml)、飽和塩化アンモニウム水溶液(280ml)及び酢酸エチル(800ml)を添加した。10分後、沈殿物を濾取した。濾液から有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。残渣を先に濾取した沈殿物と合わせて、温かい酢酸エチルで結晶化させ、表記化合物を白色の固体として得た(46g、88%)。MS m/e:295(M−H
【0179】
f)7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン(1100ml)中、7−クロロ−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(41.1g、0.139mol)及び2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(31.5g、0.0763mol)の混合物を3時間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、残渣をtert−ブチルメチルエーテルで粉状にした。沈殿物を濾別し、濾液を濃縮乾固した。残渣を温かいエタノールで結晶化させ、表記化合物を淡黄色の固体として得た(37.5g、86.4%)。MS m/e:311(M−H
【0180】
式(IV)で表される中間体
ブロモトリアゾール1
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
a)8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
ホルミルヒドラジン(10.7g、160mmol)を、90℃で、7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(10.0g、32.0mmol)のジオキサン(200ml)溶液に4時間かけて添加した。反応混合物を90℃で一晩撹拌し濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(300gのシリカゲル、ヘプタン:酢酸エチル 8:2〜0:1)により精製して、7.71g(75%)の8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルを白色の固体として得た。MS m/e:379([M+CHCOO])
【0181】
b)1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン(140ml)中、8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(7.00g、21.8mmol)にN−ブロモスクシンイミド(4.50g、24.0mmol)を添加した。混合物を沸騰したテトラヒドロフラン中2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をクロマトグラフィー(50gのシリカゲル、ヘプタン:酢酸エチル 1:9〜1:0)により精製して、7.39g(85%)の1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルを白色の固体として得た。MS m/e:401(M+H
【0182】
ブロモトリアゾール2
1−ブロモ−8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
1.25Mメタノール性塩化水素溶液(60ml、76mmol)中、1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.0g、7.6mmol)溶液を50℃で10分間加熱した。反応混合物を1M水酸化ナトリウム水溶液(200ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮して、表記化合物を淡黄色の固体として得た(1.9g、84%)。MS m/e:255(M+H
【0183】
ブロモトリアゾール3
1−ブロモ−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン
メタノール(64ml)中、1−ブロモ−8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン(1.9g、6.4mmol)及びパラホルムアルデヒド(1.5g、51mmol)の混合物を16時間加熱還流した。0℃に冷却後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.8g、13mmol)を添加した。反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。1M水酸化ナトリウム水溶液(200ml)でクエンチした後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物を白色の固体として得た(0.61g)。H−NMR測定から純度約85%であった。MS m/e:313(M+H
【0184】
式(V)で表されるアミン中間体
アミン1
5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
a)1’−ベンジル−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
−70℃、2−ブロモ−5−フルオロ安息香酸(5.0g、21.9mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液を撹拌して、1.6Mのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(44ml、70.1mmol)を1時間かけて滴下した。3時間後、1−ベンジル−4−ピペリドン(8.5g、43.8mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液を滴下した。混合物を室温に温め一晩撹拌した。混合物を撹拌した水(150ml)及びエーテル(150ml)の混合物に注いだ。水層をエーテル(2×40ml)で抽出し、5N HCl(20ml)で酸性(pH2)にした後、1時間沸騰させた。混合物を0℃に冷却し、5N NaOHで塩基性(pH10)にして、ジクロロメタン(3×80ml)で素早く抽出した。集めた抽出物を水(80ml)で洗浄し、NaSOで乾燥、濾過して減圧下で濃縮した。粗油状物についてシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル 1:1)を行い、2.27g(33%)の1’−ベンジル−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オンを淡黄色の固体として得た。MS m/e:312(M+H
【0185】
b)5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
1’−ベンジル−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(0.622g、2mmol)をエタノール(6ml)に懸濁した。混合物を数滴の37%HClで酸性にした。10%Pd/C(65mg、0.06mmol)を添加した。混合物を水素雰囲気下で1時間還流した後、室温に冷却、アルゴンでパージして、ジクロロメタンで希釈した。触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。白色の固体を水(20ml)に溶解させた。溶液を2M NaCO溶液で塩基性にし、ジクロロメタンで3回抽出した。集めた抽出物をNaSOで乾燥、濾過し減圧下で濃縮して、0.42g(96%)の5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オンを白色の固体として得た。MS m/e:222(M+H
【0186】
c)5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(420mg、1.9mmol)のテトラヒドロフラン(4.2ml)懸濁液に、0℃で、1Mボラン−テトラヒドロフラン溶液(3.8ml、3.8mmol)を滴下した。混合物を一晩還流して、その後0℃に冷却した。5NHCl(2ml)を滴下した。混合物を5時間還流し、0℃に冷却して、水で希釈した後、5NNaOHで塩基性にした(pH10)。混合物を酢酸エチルで3回抽出した。集めた抽出物をNaSOで乾燥、濾過して減圧下で濃縮した。残渣をエーテルで撹拌し濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、0.22g(55%)の5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]を淡黄色の油状物として得た。MS m/e:208(M+H
【0187】
アミン2
6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
a)1’−ベンジル−6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
1’−ベンジル−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オンの合成で記載の方法に従って、2−ブロモ−5−フルオロ安息香酸の代わりに2−ブロモ−4−フルオロ安息香酸を使用して、表記化合物をオフホワイトの固体として得た(収率41%)。MS m/e:312(M+H
【0188】
b)1’−ベンジル−6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
1’−ベンジル−6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(3g、9.6mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)懸濁液に、0℃で、1Mボラン−テトラヒドロフラン溶液(20ml、20mmol)を滴下した。混合物を一晩還流した後、0℃に冷却した。5N HCl(2ml)を滴下した。混合物を5時間還流した後、0℃に冷却、水で希釈して、5N NaOHで塩基性にした(pH10)。混合物を酢酸エチルで3回抽出した。集めた抽出物をNaSOで乾燥、濾過し減圧下で濃縮した。残渣についてシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン:酢酸エチル 8:2)を行い、2g(71%)の1’−ベンジル−6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]を無色の油状物として得た。MS m/e:298(M+H
【0189】
c)6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
1’−ベンジル−6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](1g、3.4mmol)のエタノール(10ml)溶液に10%Pd/C(100mg、0.09mmol)を添加した。混合物を水素雰囲気下で8時間還流した後、室温に冷却し、アルゴンでパージした。触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、0.67g(96%)の6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]を白色の固体として得た。MS m/e:208(M+H
【0190】
アミン3
7−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
a)1’−ベンジル−7−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
1’−ベンジル−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オンの合成で記載の方法に従って、2−ブロモ−5−フルオロ安息香酸の代わりに2−ブロモ−3−フルオロ安息香酸を使用して、表記化合物を白色の固体として得た(収率20%)。MS m/e:312(M+H
【0191】
b)1’−ベンジル−7−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
1’−ベンジル−6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]の合成で記載の方法に従って、表記化合物を白色の固体として得た(収率82%)。MS m/e:298(M+H
【0192】
c)7−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
1’−ベンジル−6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](1g、3.4mmol)のエタノール(10ml)溶液に、10%Pd/C(100mg、0.09mmol)を添加した。混合物を水素雰囲気下で8時間還流した後、室温に冷却し、アルゴンでパージした。触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、0.67g(96%)の6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]を白色の固体として得た。MS m/e:208(M+H
【0193】
アミン4
(RS)−3−メチル−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
a)(RS)−1−(2−ブロモ−フェニル)エタノール
2’−ブロモアセトフェノン(15g、74.6mmol)のMeOH(150ml)溶液に、アルゴン下、室温でNaBH(4.23g、0.11mol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した後、水を添加しクエンチした。5N HClをpH6〜7になるまで添加した。MeOHを蒸発させた。残渣をエーテルに溶解させ、水で1回、食塩水で1回洗浄した。有機相をNaSOで乾燥、減圧下で濃縮した。残渣についてシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン:酢酸エチル 1:1)を行い、14.8g(99%)の(RS)−1−(2−ブロモ−フェニル)エタノールを無色の油状物として得た。
【0194】
b)(RS)−1−ベンジル−4−[2−(1−ヒドロキシエチル)−フェニル]−ピペリジン−4−オール
−70℃で、(RS)−1−(2−ブロモ−フェニル)エタノール(8.0g、39.8mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液を撹拌しながら、1.6Mのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(57.2ml、91.5mmol)を20分かけて滴下した。2時間後、1−ベンジル−4−ピペリドン(10.2ml、55.7mmol)のテトラヒドロフラン(32ml)溶液を滴下した。混合物を室温に温め、一晩撹拌した。混合物を撹拌した水(200ml)とエーテル(200ml)の混合物に注いだ。水層をエーテル(2×100ml)で抽出した。集めた抽出物を水(80ml)で洗浄し、NaSOで乾燥、濾過して減圧下で濃縮した。粗油状物についてシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル 3:7)を行い、6.1g(49%)の(RS)−1−ベンジル−4−[2−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−ピペリジン−4−オールを白色の固体として得た。MS m/e:312(M+H
【0195】
c)(RS)−1’−ベンジル−3−メチル−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
(RS)−1−ベンジル−4−[2−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−ピペリジン−4−オール(3g、9.6mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、トリエチルアミン(2.95ml、21.2mmol)、ジメチルアミノピリジン(120mg、0.96mmol)及びメタンスルホニルクロリド(0.84ml、10.6mmol)を添加した。反応混合物を3時間還流し、室温に冷却し、水(15ml)及び酢酸エチル(15ml)でクエンチした。有機相をNaSOで乾燥、減圧下で濃縮して、2.95g(定量的)の(RS)−1’−ベンジル−3−メチル−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]を橙色の油状物として得た。MS m/e:294(M+H
【0196】
d)(RS)−3−メチル−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]の合成で記載の方法に従って、表記化合物を無色の油状物として得た(収率72%)。MS m/e:204(M+H
【0197】
アミン5
3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]
a)1−ベンジル−4−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−ピペリジン−4−オール
2−ブロモフェニルエチルアルコール(1.9g、9.6mmol)のテトラヒドロフラン(25ml)溶液に、−60℃で、1.6Mのn−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液(14ml、23mmol)を添加した。30分間撹拌後、−40℃で、1−ベンジル−4−ピペリドン(2.6g、14mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を15分かけて添加した。冷却浴を取り外し、反応混合物を室温で72時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(30ml)でクエンチした。2M炭酸ナトリウム水溶液(50ml)で塩基性(pH11)にし、その後tert−ブチルメチルエーテル(100ml)で3回抽出した。集めた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。揮発性不純物を、170℃、1〜2mbarでクーゲルロール蒸留により除去した。残渣粗生成物について、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いてフラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物を暗褐色の油状物として得た(2.3g、53%)。MS m/e:312(M+H
【0198】
b)1’−ベンジル−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]
1−ベンジル−4−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−ピペリジン−4−オール(2.0g、6.6mmol)及びトリエチルアミン(1.9ml、14mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50ml)溶液に、室温で、メタンスルホニルクロリド(0.48ml、6.2mmol)を添加した。反応混合物を、4時間加熱還流した。水でクエンチし、1M水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にした後、酢酸エチルで3回抽出した。集めた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。粗生成物について、n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いてフラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物を黄色の油状物として得た(0.40g、21%)。MS m/e:294(M+H
【0199】
c)3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]
1’−ベンジル−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン](0.40g、1.3mmol)のエタノール(15ml)溶液をアルゴンでパージした。パラジウム触媒(10%Pd−活性炭、0.14g)を添加した後、反応容器を水素ガスで満たした。混合物を室温で18時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を減圧下で濃縮して、表記化合物を白色の固体として得た(0.23g)。H−NMR測定から純度約88%であった(1’−エチル−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]を含む)。MS m/e:204(M+H
【0200】
アミン6
1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]
a)(4−フェニル−ピペリジン−4−イル)メタノール
4−フェニル−4−ピペリジンカルボン酸4−トルエンスルホナート(2.0g、5.3mmol)の脱水テトラヒドロフラン(10ml)溶液に、0℃で、1Mの水素化アルミニウムリチウム−テトラヒドロフラン溶液を添加した。反応混合物を90分間加熱還流した。0℃に冷却後、水(0.4ml)、2M水酸化ナトリウム水溶液(0.6ml)及び水(0.8ml)を順に添加した。白色の懸濁液を10分間撹拌し、テトラヒドロフラン(40ml)で希釈した。無水硫酸ナトリウム(18g)を添加した後、懸濁液をさらに10分間撹拌した。沈殿物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮して、粗表記化合物を白色の固体として得た(0.65g、64%)。MS m/e:192(M+H
【0201】
b)1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]
(4−フェニル−ピペリジン−4−イル)メタノール(0.1g、0.5mmol)、パラホルムアルデヒド(0.11g、3.7mmol)、1,4−ジオキサン(5ml)及び濃塩酸溶液(1.3ml)の混合物を80時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、0.5M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチル(100ml)で抽出した。集めた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。粗生成物について、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いてフラッシュクロマトグラフィーを行って、表記化合物を黄色の固体として得た(0.053g、50%)。MS m/e:204(M+H
【0202】
アミン7
(RS)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
a)(RS)−1−ベンジル−4−(2−ヒドロキシメチル−フェニル)−アゼパン−4−オール
2−ブロモベンジルアルコール(7.8g、42mmol)のテトラヒドロフラン(80ml)溶液に、2.8Mのエチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン(15ml、42mmol)溶液を滴下した。反応は発熱的であり、添加速度を調整して穏やかに還流を続けた。添加が完了した後、削り状マグネシウム(1.0g、42mmol)を一度に添加した。混合物を2時間加熱還流した後、1−ベンジル−アゼパン−4−オン(8.5g、42mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液を添加した。反応混合物を、還流下でさらに4時間加熱した。室温に冷却した後に、飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)、水(100ml)及び酢酸エチル(300ml)をゆっくり添加した。層分離の後、有機層を濃縮して緑色の油状物を得た。ヘプタン及び酢酸エチルの2:1混合物を溶離液として用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーを行い、表記化合物を淡黄色の油状物として得た(8.0g、61%)。
【0203】
b)(RS)−1−ベンジル−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
(RS)−1−ベンジル−4−(2−ヒドロキシメチル−フェニル)−アゼパン−4−オール(7.0g、22mmol)及びトリエチルアミン(3.1ml、22mmol)のテトラヒドロフラン(80ml)溶液に、0℃で、メタンスルホニルクロリド(1.7ml、22mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液を添加した。添加が完了した後、温度を室温まで昇温させた。2時間撹拌した後、別のトリエチルアミン(3.1ml、22mmol)を添加した。撹拌を一晩続けた。反応混合物を水及び酢酸エチルで分液した。層分離した後、有機層を減圧下で濃縮した。ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーを行って、表記化合物を淡黄色の油状物として得た(4.0g、61%)。MS m/e:294(M+H
【0204】
c)(RS)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
オートクレーブ中、(RS)−1−ベンジル−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン](4.00g、13.6mmol)のメタノール(50ml)溶液をアルゴンでパージした。パラジウム触媒(10%Pd−活性炭、1g)を添加した後、そのオートクレーブを5barの水素ガスで加圧した。混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾別し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル及び水酸化ナトリウム水溶液(pH14)で分液した。層分離した後、水層を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮して表記化合物を白色の固体として得た(2.5g、90%)。MS m/e:204(M+H
【0205】
実施例
一般的な手順I:トリアゾールへのヒドラジド及びチオラクタムの縮合
n−ブタノール(0.1〜0.2M)中、式(II)で表されるヒドラジド誘導体(1〜1.5当量)及び式(III)で表されるチオラクタム(1当量)の混合物を16〜72時間加熱還流する。室温に冷却後、溶媒を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、式(I−1−a)で表されるN−BOC誘導体を得る。その反応条件下で、N−BOC基を部分的に又は完全に熱的開裂することができ、式(I−1−b)で表される2級アミン誘導体が追加又は単独の生成物で得られる。
【0206】
一般的な手順II:N−BOC基の開裂
1.25Mメタノール性塩化水素溶液(10〜20eqのHCl)中、一般式(I−a)で表されるN−BOC誘導体(1当量)溶液を50℃で15〜60分間加熱する。室温に冷却後、反応混合物を減圧下で濃縮して一般式(I−b)で表される2級アミン誘導体を塩酸塩として得る。場合により、塩酸塩を1M水酸化ナトリウム水溶液と有機溶媒、例えば、酢酸エチル又はジクロロメタンで分液することで遊離塩基を得ることができる。層分離し、水層を有機溶媒で2回抽出する。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し減圧下で濃縮することにより式(I−b)で表される化合物の遊離塩基を得る。
【0207】
一般的な手順III:還元的N−アルキル化
メタノール中、遊離塩基又は塩酸塩の式(I−b)で表される化合物(1当量、0.1〜0.2M)、トリエチルアミン(1当量、塩酸塩の式(I−b)で表される化合物を使用する場合)及びアルデヒド又はケトン(8当量)の混合物を2〜6時間加熱還流する。0℃に冷却後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2〜3eq)を添加する。反応混合物を室温で3〜16時間撹拌し、1M水酸化ナトリウム水溶液でクエンチする。水層を酢酸エチルで抽出する。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィーにより式(I)で表されるN−アルキル誘導体が得られる。
【0208】
実施例1
8−クロロ−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
一般的な手順Iに従って、表記化合物を白色の泡状物として収率65%で得た。ヒドラジド:(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボン酸。チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル。MS m/e:507(M+H
【0209】
実施例2
8−クロロ−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩
表記化合物を、一般的な手順IIに従って、8−クロロ−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルから定量的収率で白色の固体として得た。MS m/e:407(M+H
【0210】
実施例3
8−クロロ−5−メチル−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
表記化合物を、一般的な手順IIIに従って、8−クロロ−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから収率84%で白色の固体として得た。MS m/e:421(M+H
【0211】
実施例4
8−クロロ−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
表記化合物を、一般的な手順Iに従って、収率60%で白色の泡状物として得た。ヒドラジド:(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−カルボヒドラジド。チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル。MS m/e:507(M+H
【0212】
実施例5
8−クロロ−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩
表記化合物を、一般的な手順IIに従って、8−クロロ−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルから定量的収率で白色の固体として得た。MS m/e:407(M+H
【0213】
実施例6
8−クロロ−5−メチル−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
表記化合物を、一般的な手順IIIに従って、8−クロロ−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから収率77%で白色の固体として得た。MS m/e:421(M+H
【0214】
実施例7
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.00g、2.50mmol)及び3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](1.89g、10.0mmol)の混合物を130℃で一晩溶解させた。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルで懸濁し濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、酢酸エチルを用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、0.38g(30%)の8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルを淡黄色の固体として得た。MS m/e:508(M+H
【0215】
実施例8
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩
表記化合物を、一般的な手順IIに従って、8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルから定量的収率で淡黄色の固体として得た。MS m/e:408(M+H
【0216】
実施例9
8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩(38mg、0.086mmol)のメタノール(1.2ml)懸濁液に、トリエチルアミン(18μl、0.13mmol)及びパラホルムアルデヒド(22mg、0.68mmol)を添加した。混合物を2時間加熱還流した。氷浴で冷却後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(10mg、0.128mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、水でクエンチし、1M水酸化ナトリウム水溶液で希釈して酢酸エチルで3回抽出した。集めた抽出物をNaSOで乾燥、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して(2gのFlashpack cartridge、溶離液:酢酸エチル、次に酢酸エチル:メタノール 9:1)、21mg(58%)の8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピンを白色の泡状物として得た。MS m/e:422(M+H
【0217】
実施例10
8−クロロ−5−イソプロピル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩(50mg、0.12mmol)のアセトニトリル(2ml)及びジクロロメタン(1ml)溶液に、アセトン(50μl、0.68mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(43mg、0.20mmol)を添加した。反応混合物を室温で2日間撹拌し、溶媒を留去した。クロマトグラフィー(10gのシリカゲル、ジクロロメタン/メタノール、95:5〜8:2)を行い、21mg(38%)の8−クロロ−5−イソプロピル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピンを無色の油状物として得た。MS m/e:450(M+H
【0218】
実施例11
2−[8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−イル]エタノール
ジクロロメタン(1ml)中、8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩(0.10g、0.25mmol)及びグリコールアルデヒド(0.15g、0.25mmol)を室温で2時間撹拌した。ギ酸(37.4μl、0.98mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(16.2mg、0.25mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、0.1N水酸化ナトリウム水溶液(50ml)を添加した。ジクロロメタンで抽出し、クロマトグラフィー(−a:20gのシリカゲル、ジクロロメタン/メタノール、−b:10gのシリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン、−c:5gのシリカゲル、ジクロロメタン/メタノール、−d:10gのFlasch-NH2 Isolute column、酢酸エチル)を行い、3.5mg(3%)の2−[8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−イル]エタノールを白色の固体として得た。MS m/e:452(M+H
【0219】
実施例12
8−クロロ−5−(ピリジン−2−イルメチル)−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
ジメチルホルムアミド(2ml)中、8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩(100mg、0.25mmol)、2−ピコリルクロリド塩酸塩(45mg、0.27mmol)及びN−エチルジイソプロピルアミン(47.1μl、0.27mmol)を50℃で一晩撹拌した。次に、別の2−ピコリルクロリド塩酸塩(100mg)を添加し、撹拌を50℃で一晩続けた。2−(ブロモメチル)ピリジン臭化水素酸塩(100mg)及びN−エチルジイソプロピルアミン(0.10ml)を添加し、混合物を50℃で一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣をクロマトグラフィー(第1回クロマトグラフィー、20gのFlash-NH2 Isolute column、酢酸エチル、第2回クロマトグラフィー、20gのシリカゲル、酢酸エチル/メタノール)により精製して、49mg(40%)の8−クロロ−5−(ピリジン−2−イルメチル)−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピンを白色の固体として得た。MS m/e:499(M+H
【0220】
実施例13
8−クロロ−N,N−ジメチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−スルホンアミド
ジクロロメタン(2ml)に溶解させた8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩(50.0mg、0.12mmol)、ジメチルスルファモイルクロリド(13.3μl、0.12mmol)及びピリジン(9.9μl、0.123mmol)の混合物を40℃で一晩撹拌した。溶媒を留去し、残渣をクロマトグラフィー(20gのシリカゲル、酢酸エチル/メタノール)により精製して、35mg(55%)の8−クロロ−N,N−ジメチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−スルホンアミドを白色の固体として得た。MS m/e:515(M+H
【0221】
実施例14
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸メチル
ジクロロメタン(2ml)中、8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩(100mg、0.25mmol)、トリエチルアミン(85.8μl、0.61mmol)、クロロギ酸メチル(21μl、0.27mmol)及び4−N,N−ジメチルアミノピリジン(3mg、24.5μmol)を室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に添加した。酢酸エチルで抽出した後、溶媒を留去して、クロマトグラフィー(10gのSiO、ジクロロメタン/メタノール)を行い、76mg(66%)の8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸メチルを白色の固体として得た。MS m/e:466(M+H
【0222】
実施例15
5−アセチル−8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
ジクロロメタン中、8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩(75mg、0.18mmol)及びアセチルクロリド(66μl、0.92mmol)の混合物を室温で週末にかけて撹拌した。溶媒を留去し、残渣をクロマトグラフィー(10gのシリカゲル、ジクロロメタン/メタノール 8:2)により精製した。得られた物質を0.1M水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、酢酸エチル及びジクロロメタンで抽出して、49mg(59%)の5−アセチル−8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピンを淡黄色の固体として得た。MS m/e:450(M+H)。
【0223】
実施例16
2−[8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソエタンアミン
THF(12ml)中、8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(0.30g、0.74mmol)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.51ml、2.94mmol)及びジメチルアミノアセチルクロリド塩酸塩(0.21g、1.10mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチルで抽出し、クロマトグラフィー(20gのFlasch-NH2 Isolute column、酢酸エチル)を行い、93mg(26%)の2−[8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソエタンアミンを白色の固体として得た。MS m/e:493(M+H
【0224】
実施例17
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.16g、0.4mmol)及び6−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](0.36g、1.76mmol)の混合物を130℃で3時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルで懸濁し濾過した。酢酸エチルを用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、0.11g(52%)の8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルを淡黄色の泡状物として得た。MS m/e:526(M+H
【0225】
実施例18
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩
表記化合物を、一般的な手順IIに従って、8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルから定量的収率で白色の泡状物として得た。MS m/e:426(M+H
【0226】
実施例19
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
表記化合物を、一般的な手順IIIに従って、8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから収率88%でオフホワイトの固体として得た。MS m/e:440(M+H
【0227】
実施例20
8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.16g、0.4mmol)及び7−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](0.33g、1.6mmol)の混合物を130℃で2時間加熱した。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルで懸濁し濾過した。酢酸エチルを用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、0.15g(69%)の8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルを淡黄色の泡状物として得た。MS m/e:526(M+H
【0228】
実施例21
8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩
表記化合物を、一般的な手順IIに従って、8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルから定量的収率で白色の泡状物として得た。MS m/e:426(M+H
【0229】
実施例22
8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
表記化合物を、一般的な手順IIIに従って、8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから収率76%でオフホワイトの固体として得た。MS m/e:440(M+H
【0230】
実施例23
8−クロロ−1−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
スルホラン(0.5ml)中、1−ブロモ−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン(50mg、0.16mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(10mg、0.031mmol)及び5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](66mg、0.32mmol)の混合物を160℃で20時間撹拌した。溶媒をクーゲルロール蒸留(140℃、1〜2mbar)により除去した。n−ヘプタン/酢酸エチルを用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行い、n−ヘプタン/2−プロパノール(70:30)を溶離液として用いた分取HPLCによりさらに精製して、表記化合物を白色の固体として得た(9mg、13%)。MS m/e:440(M+H).
【0231】
実施例24
(RS)−8−クロロ−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.16g、0.4mmol)及び(RS)−3−メチル−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](0.32g、1.6mmol)の混合物を130℃で3時間加熱した。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルで懸濁し濾過した。酢酸エチルを用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、0.076g(36%)の8−クロロ−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸(RS)−tert−ブチルを淡褐色の泡状物として得た。MS m/e:522(M+H
【0232】
実施例25
(RS)−8−クロロ−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩
表記化合物を、一般的な手順IIに従って、(RS)−8−クロロ−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルから定量的収率でオフホワイトの固体として得た。MS m/e:422(M+H
【0233】
実施例26
(RS)−8−クロロ−5−メチル−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
表記化合物を、一般的な手順IIIに従って、(RS)−8−クロロ−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから収率25%で白色の固体として得た。MS m/e:436(M+H
【0234】
実施例27
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
スルホラン(0.5ml)中、1−ブロモ−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン(50mg、0.16mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(10mg、0.031mmol)及び3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(65mg、0.32mmol)の混合物を160℃で20時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、tert−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。残留スルホランをクーゲルロール蒸留(120℃、1〜2mbar)により蒸発させた。n−ヘプタン/2−プロパノール(70:30)を溶離液として用いて分取HPLCを行い、表記化合物を淡黄色の固体として得た(10mg、14%)。MS m/e:436(M+H
【0235】
実施例28
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
a)8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.3g、0.75mmol)及び3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン](1.5g、7.5mmol)の混合物を140℃で24時間撹拌した。反応混合物をそのまま、アミノプロピル修飾シリカゲルを充填したフラッシュクロマトグラフィーカラムに移し、n−ヘプタン/酢酸エチルで溶離させて、粗8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルを黄色の油状物として得て(0.11g、27%)、さらに精製することなく次の工程に使用した。
【0236】
b)8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
1.25Mメタノール性塩化水素溶液(1.4ml、1.8mmol)中、先の工程で得た粗8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル(0.092g、約0.18mmol)溶液を50℃で3時間加熱した。反応混合物を1M水酸化ナトリウム水溶液(30ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物を白色の固体として得た(0.045g、60%)。MS m/e:424(M+H
【0237】
実施例29
8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
メタノール(1ml)中、8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(0.041g、0.097mmol)及びパラホルムアルデヒド(0.023g、0.77mmol)の混合物を、5時間加熱還流した。室温に冷却後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.012g、0.19mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。1M水酸化ナトリウム水溶液(30ml)でクエンチした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物をオフホワイトの固体として得た(0.020g、48%)。MS m/e:438(M+H
【0238】
実施例30
8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
a)8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.3g、0.75mmol)及び3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]2,2−ジオキシド(1.8g、7.5mmol)の混合物を140℃で24時間撹拌した。反応混合物をそのまま、Si(CHNHシリカゲル上に載せ、n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いてクロマトグラフィーを行い、粗8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルを黄色の油状物として得て(0.13g、31%)、さらに精製することなく次の工程に使用した。
【0239】
b)8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
1.25Mメタノール性塩化水素溶液(1.6ml、2.0mmol)中、先の工程で得た粗8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル(0.11g、約0.20mmol)溶液を50℃で3時間加熱した。反応混合物を1M水酸化ナトリウム水溶液(30ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物を白色の固体として得た(0.036g、32%)。MS m/e:456(M+H
【0240】
実施例31
8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
メタノール(1ml)中、8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(0.032g、0.070mmol)及びパラホルムアルデヒド(0.017g、0.57mmol)の混合物を5時間加熱還流した。室温に冷却後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.009g、0.14mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。1M水酸化ナトリウム水溶液(30ml)でクエンチして後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行って、表記化合物をオフホワイトの固体として得た(0.011g、26%)。MS m/e:470(M+H)。
【0241】
実施例32
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]
a)1’−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]
スルホラン(5ml)中、1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.25g、0.63mmol)及び1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン](0.51g、2.5mmol)の混合物を140℃で74時間撹拌した。溶媒をクーゲルロール蒸留(150℃、1〜2mbar)により蒸発させた。1.25Mメタノール性塩化水素溶液(5.0ml、6.3mmol)を添加した後、混合物を50℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、1M水酸化ナトリウム水溶液(30ml)で処理し、酢酸エチル(4×30ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行い、1’−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]を純度80%で褐色の固体として得て(0.13g)、さらに精製することなく次の工程に使用した。MS m/e:422(M+H
【0242】
b)1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]
メタノール(2ml)中、粗1’−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン](0.10g、0.24mmol)及びパラホルムアルデヒド(0.057g、1.9mmol)の混合物を4時間加熱還流した。室温に冷却後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.03g、0.47mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。1M水酸化ナトリウム水溶液(30ml)でクエンチした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離液として用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物を黄色の固体として得た(0.047g、45%)。MS m/e:436(M+H
【0243】
実施例33
8−クロロ−1−(3,4−ジヒドロ−1’H−スピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.72g、0.18mmol)及び3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン](0.11g、0.54mmol)の混合物を130℃で72時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。集めた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離液として用いて、アミノプロピル修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物を白色の固体として得た(0.062g、66%)。MS m/e:522(M+H
【0244】
実施例34
1’−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]塩酸塩
表記化合物を、一般的な手順IIに従って、8−クロロ−1−(3,4−ジヒドロ−1’H−スピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチルから収率88%でオフホワイトの固体として得た。MS m/e:422(M+H
【0245】
実施例35
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]
表記化合物を、一般的な手順IIIに従って、1’−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから収率50%で白色の固体として得た。MS m/e:436(M+H
【0246】
実施例36
(+)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]及び
実施例37
(−)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
a)(RS)−1−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
1−ブロモ−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.2g、0.5mmol)及び(RS)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン](0.31g、1.5mmol)の混合物を130℃で24時間、その後160℃で5時間撹拌した。別の(RS)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン](0.38g、0.19mmol)を添加し、反応混合物を160℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、1.25Mメタノール性塩化水素溶液(4.0ml、5.0mmol)を添加した後、混合物を50℃で30分間加熱した。混合物を室温に冷却し、1M水酸化ナトリウム水溶液(50ml)で処理し、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いて、フラッシュクロマトグラフィーを行い、表記化合物を純度90%で黄色の固体として得た(0.23g)。MS m/e:422(M+H
【0247】
b)(RS)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
表記化合物を、一般的な手順IIIに従って、(RS)−1−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]及びパラホルムアルデヒドから収率56%でオフホワイトの固体として得た。MS m/e:436(M+H
【0248】
c)(+)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]及び
d)(−)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
(+)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]及び(−)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]は、n−ヘプタン/エタノール(3:1)を溶離液として用いて、(RS)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン](0.116g、0.266mmol)をChiralpak AD columnでキラルHPLCにより分離することにより得られた。
(+)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]は、淡黄色の固体として得られた(0.036g、31%)。(MS m/e:436(M+H))
(−)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]は、淡黄色の固体として得られた(0.037g、32%)。(MS m/e:436(M+H)、[α]=−17.8(c=0.141、CHCl、20℃)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化19】


[式中、
X−Yは、C(R)−O(式中、R及びRは互いに独立してH又はC1−4−アルキルである)、
C(R)−S(O)(式中、R及びRは互いに独立してH又はC1−4−アルキルである)、
C(O)O、
CHOCH
CHCHOであり、
Zは、CH又はNであり、
は、ハロ、シアノ、C1−4−アルコキシ又はC1−4−アルキルであり、
は、H、
1−12−アルキル(非置換又は1個以上のOH、ハロ、シアノ又はC1−12−アルコキシで置換されている)、
−(CH−R(式中、Rはフェニル又は5若しくは6員環ヘテロアリールであり、それぞれ非置換又はAから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている)、
−(CHNRii
−C(O)−C1−12−アルキル(式中、C1−12−アルキルは非置換又は1個以上のOH、ハロ、シアノ又はC1−12−アルコキシで置換されている)、
−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキル、
−C(O)(CHNRii
−C(O)O−C1−12−アルキル(式中、アルキルは非置換又は1個以上のOH、ハロ、シアノ又はC1−12−アルコキシで置換されている)、
−S(O)−C1−12−アルキル、
−S(O)NRiiであり、
及びRiiは、互いに独立してH、C1−12−アルキルであるか、又はそれらが結合する窒素と一緒になって、N、O又はSから選択される1又は2個のヘテロ原子を含む3〜7員環ヘテロシクロアルキルを形成しており(前記ヘテロシクロアルキルは、非置換又はBから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている)、
Aは、ハロ、シアノ、OH、C1−7−アルキル、ハロ−C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシであり、
Bは、オキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシであり、
は、Cl又はFであり、
nは、1又は2であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
qは、1、2、3又は4であり、
rは、2、3又は4である]
で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
X−YがC(R)−O(式中、R及びRは互いに独立してH又はメチルである)、
CH−S(O)(式中、pは0又は2である)、
C(O)O、
CHOCH、又は
CHCHOであり、
ZがCH又はNであり、
nが1又は2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
ZがCHである、請求項1又は2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
ZがNである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
nが1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
nが2である、請求項1、2又は4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
X−YがCH−O−、C(H,Me)−O−又はCHOCHである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
がハロである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
がFである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
mが0である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
mが1である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
がH、
1−7−アルキル(非置換又は1個以上のOHで置換されている)、
−CH−ピリジニル、
−C(O)−C1−7−アルキル、
−C(O)CHNRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)、
−C(O)O−C1−7−アルキル、又は
−S(O)NRii(式中、R及びRiiは互いに独立してC1−7−アルキルから選択される)である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
がH、ヒドロキシエチル、i−プロピル、メトキシカルボニル、メチル、メチルカルボニル、N,N−ジメチルアミノ−メチル−カルボニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、ピリジン−2−イル−メチル又はt−ブトキシカルボニルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
がC1−7−アルキルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
がメチル又はi−プロピルである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
がClである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
以下から選択される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
8−クロロ−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩、
8−クロロ−5−メチル−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩、
8−クロロ−5−メチル−1−[(1s,4’s)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩、
8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−5−イソプロピル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
2−[8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−イル]エタノール、
8−クロロ−5−(ピリジン−2−イルメチル)−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−N,N−ジメチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−スルホンアミド、
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸メチル、
5−アセチル−8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
2−[8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソエタンアミン、
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩、
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩、
8−クロロ−1−(7−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
8−クロロ−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン塩酸塩、
8−クロロ−5−メチル−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
8−クロロ−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−1−(2,2−ジオキシド−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾチオフェン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]、
8−クロロ−1−(3,4−ジヒドロ−1’H−スピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−5(6H)−カルボン酸tert−ブチル、
1’−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]塩酸塩、
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3,4−ジヒドロスピロ[イソクロメン−1,4’−ピペリジン]、
(+)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]、又は
(−)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]
【請求項18】
以下から選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
(+)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]、
8−クロロ−5−メチル−1−[(1r,4’r)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,1’−シクロヘキサン]−4’−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−5−メチル−1−(3−メチル−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
(−)−1−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−3’H−スピロ[アゼパン−4,1’−[2]ベンゾフラン]、
8−クロロ−5−メチル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
1’−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−1−イル)−1H−スピロ[イソクロメン−4,4’−ピペリジン]、
8−クロロ−1−(6−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、
8−クロロ−5−イソプロピル−1−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン、又は
8−クロロ−1−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載の式(I)で表される化合物の調製方法であって、
式(II):
【化20】


で表される化合物を式(III):
【化21】


で表される化合物と反応させ、式(I)で表される化合物(式中、R、R、X−Y、m及びnは請求項1で定義されているとおりであり、ZはCHである)を得る工程を含む方法。
【請求項20】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物の調製方法であって、
式(IV):
【化22】


で表される化合物を式(V):
【化23】


で表される化合物と反応させ、式(I)で表される化合物(式中、R、R、X−Y、m及びnは請求項1に記載されているとおりであり、ZはNである)を得る工程を含む方法。
【請求項21】
請求項19又は20のいずれか一項に記載の工程により得られる、請求項1〜18のいずれかに記載の式(I)で表される化合物。
【請求項22】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項23】
月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃性行動の予防又は治療で使用するための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項24】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物を含む、医薬組成物。
【請求項25】
月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃性行動の予防又は治療に有用である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項26】
月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃性行動の予防又は治療のための医薬を調製するための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物の使用。
【請求項27】
月経困難症、男性又は女性の性機能障害、高血圧症、慢性心不全、バソプレッシン分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑鬱障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃性行動の治療及び/又は予防的処置方法であり、請求項1〜18のいずれかに記載の化合物をヒト又は動物に投与することを含む方法。
【請求項28】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2012−508711(P2012−508711A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535965(P2011−535965)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064565
【国際公開番号】WO2010/054961
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】