説明

スピーカ装置およびテレビジョン

【課題】 入力端子部と接続手段との接続作業性の向上および接続手段の共通化による汎用性の向上を図ったスピーカ装置およびテレビジョンを得ることを目的とする。
【解決手段】 中継用プリント回路基板8は、基板本体81と、この基板本体81の左右に穿設され、入力端子6a、6bの一部が嵌挿される一対の端子孔82a、82bと、この端子孔82a、82bのそれぞれの周囲に形成された端子用ランド83a、83bと、リード線71a、71bを接続するためのリード線用ランドリード線85a、85bと、基板本体81を、左右に分離可能とするための切断部86と、を備え、端子孔82a、82bに、入力端子6a、6bの一部を嵌挿する際、入力端子6a、6b間のピッチL1と、端子孔82a、82b間のピッチL2が相違し、入力端子6a、6bが嵌挿できない場合に、基板本体81を切断部86により分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカの入力端子部と、このスピーカの入力端子部に音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段として、中継用プリント回路基板を用いたスピーカ装置およびテレビジョンに関し、特に、入力端子部と接続手段との接続作業性の向上および接続手段の共通化による汎用性の向上を図ったものである。
【背景技術】
【0002】
従来では、例えば、液晶型のテレビジョンなどに用いられるスピーカ装置においては、テレビジョン受信手段からの出力信号に基づいて音声を発するように構成されている。そして、テレビジョン受信手段の搭載されたプリント回路基板と、スピーカ装置の入力端子部との間を、直接リード線により接続するようにしたものがある(例えば、特許文献1の従来例参照)。また、このリード線に換えて、スピーカにスプリングコネクタを設け、プリント基板の導体部に押圧するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、スピーカと、プリント回路基板との接続に、スピーカの入力端子に接続用板材を設け、この接続用板材と、プリント回路基板に固着されたスプリング部材とを接続したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
更には、プリント回路基板に一条以上の切断用溝部を形成し、主配線用パターンを有する一つ以上の副基板部に区画し、切断用溝部に対峙する各基板部の導電パターンの端部に切断用溝部を跨いで面実装用チップ部品を半田付けするためのランド部を形成したものがある(特許文献3参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3011621号公報
【特許文献2】特開平10−178698号公報
【特許文献3】実用新案登録第3126686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述の特許文献1記載の従来例の構成では、入力端子部と、プリント回路基板とをリード線で直接接続しているので、組み立て時の接続作業性が悪いといった問題があった。また、特許文献1記載の構成では、プリント回路基板の導体部に、スピーカのスプリングコネクタを直接押圧しているので、例えば、テレビジョンの場合、画面サイズに対応してスピーカの大きさが異なるため、画面サイズ毎のスピーカに対応して、プリント回路基板を形成する必要がり、汎用性の点で問題があった。また、特許文献2記載の構成では、スピーカの入力端子に設けられた接続用板材と、プリント回路基板に固着されたスプリング部材とを接続しているので、上述したように、画面サイズ毎のスピーカに対応して、プリント回路基板を形成する必要がり、汎用性の点で問題があった。
【0006】
更には、特許文献3記載の構成では、筐体のサイズや取付箇所のスペースに適合するように、サイズ変更できるプリント回路基板を得ることはできる。しかしながら、スピーカサイズに関係なく、スピーカに音声信号を伝達する接続手段を得ることはできず、また、中継用プリント回路基板を有する接続手段を用いて、スピーカの入力端子部と、このスピーカの入力端子部に音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板との間を接続するものではない。
【0007】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、スピーカの入力端子部と、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段として、入力端子部と接続手段との接続作業性の向上および接続手段の共通化による汎用性の向上を図ったスピーカ装置およびテレビジョンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、本発明では、入力端子部を有するスピーカと、入力端子部と、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段とからなり、接続手段は、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板に一端が接続されたリード線と、このリード線の他端が接続された中継用プリント回路基板とを備え、入力端子部は、並設された一対の入力端子を有するスピーカ装置において、中継用プリント回路基板は、基板本体と、この基板本体の左右に穿設され、接続端子の一部が嵌挿される一対の端子孔と、この端子孔のそれぞれの周囲に形成された端子用ランドと、リード線を接続するためのリード線用ランドと、基板本体を、左右に分離可能とするための切断部と、を備え、端子孔に、入力端子の一部を嵌挿する際、入力端子間のピッチと、端子孔間のピッチが相違し、入力端子が嵌挿できない場合に、基板本体を切断部により分離する。
【0009】
この構成によれば、スピーカの入力端子部と、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段の中継用プリント回路基板は、基板本体を、左右に分離可能とするための切断部が設けられている。従って、入力端子部の製作時に、並設された入力端子間のピッチに寸法誤差(ばらつき)が発生し、或いは、対応する画面サイズの違いなどにより、スピーカのサイズが相違し、入力端子間のピッチと、端子孔間のピッチが相違する場合には、接続する際に、基板本体を切断部から切断し、中継用プリント回路基板を左右に分離することができるので、極めて簡単、かつ、正確に、入力端子の接続端子の一部を、端子孔に嵌挿して、スピーカとプリント回路基板との間を接続することができる。この結果、入力端子部と接続手段との接続作業性の向上および接続手段の共通化による汎用性の向上が図れる。
【0010】
また、本発明においては、端子部は、入力端子を並設する絶縁板を、更に備え、スピーカは、本体フレームと、この本体フレームから折り曲げて形成された取付台とを有し、この取付台に絶縁板を固着して入力端子部を構成する。この構成によれば、入力端子を並設した絶縁板を支持するのに、本体フレームを折り曲げて取付台を形成しているので、絶縁板を支持するために、特別に、別途、取付部材を必要としなく、経済的である。
【0011】
また、本発明においては、入力端子は、板状の導電材料を断面L字状に折り曲げて、絶縁板に固着される基部と、端子孔に嵌挿される嵌挿部と、この嵌挿部と同一平面状であって、基部と嵌挿部との間に形成された鍔部とからなり、端子孔は、方形状に形成され、当該端子孔に入力端子を嵌挿した状態で、中継用プリント回路基板を鍔部により支持するように構成する。
【0012】
この構成によれば、嵌挿部と同一平面状であって、基部と嵌挿部との間に鍔部が形成され、方形状に形成された端子孔に嵌挿部が嵌挿され、この嵌挿した状態で、中継用プリント回路基板は、鍔部により支持されているので、安定した状態で、確実に、中継用プリント回路基板と入力端子部との接続を行うことができ、接続作業効率の向上が図れ、都合がよい。
【0013】
また、本発明においては、中継用プリント回路基板は、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板を構成するプリント回路集合基板のデットスペースに、割り溝部を介して形成し、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板と、接続手段の中継用プリント回路基板とは、予め、リード線により接続し、組み立て時に、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板と、中継用プリント回路基板とを、割り溝部により分離する。
【0014】
この構成によれば、中継用プリント回路基板が、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板を構成する中継用プリント回路基板のデットスペースに形成され、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板と、接続手段の中継用プリント回路基板とは、予め、リード線により接続されている。従って、中継用プリント回路基板は、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板を構成するプリント回路集合基板を構成する際に同時に製作することができ、また、予め、所望の接続が行われている。この結果、接続手段の製作時間の短縮が図れる他、組立て時まで、プリント回路基板と接続手段とが一体的に保管および管理することができ、都合がよい。
【0015】
更に、本発明においては、アンテナを介して受信したテレビジョン放送信号の中から、ユーザにより設定入力されたチャンネルの放送信号の選局・復調を行って、映像・音声信号を出力するテレビジョン受信手段と、このテレビジョン受信手段からの出力信号に基づいて画像情報を表示する画像表示手段と、テレビジョン受信手段からの出力信号に基づいて音声を発するスピーカ装置と、電源部と、全体的な制御を統括して行う制御手段と、これらテレビジョン受信手段、画像表示手段、制御手段および電源部の一部または複数を搭載したプリント回路基板と、これらテレビジョン受信手段、画像表示手段、制御手段、電源部および基板装置を収納するキャビネットと、を備え、スピーカ装置は、入力端子部を有するスピーカと、入力端子部と、テレビジョン受信手段を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段とからなり、接続手段は、テレビジョン受信手段を搭載したプリント回路基板に一端が接続されたリード線と、このリード線の他端が接続された中継用プリント回路基板とを備え、入力端子部は、並設された一対の入力端子を有するテレビジョンにおいて、中継用プリント回路基板は、基板本体と、この基板本体の左右に穿設され、接続端子の一部が嵌挿される一対の端子孔と、この端子孔のそれぞれの周囲に形成された端子用ランドと、リード線を接続するためのリード線用ランドと、基板本体を、左右に分離可能とするための切断部と、を備え、端子孔に、入力端子の一部を嵌挿する際、入力端子間のピッチと、端子孔間のピッチが相違し、入力端子が嵌挿できない場合に、基板本体を切断部により分離する。
【0016】
この構成によれば、スピーカと、テレビジョン受信手段を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段の中継用プリント回路基板は、基板本体を、左右に分離可能とするための切断部が設けられている。従って、入力端子部の製作時に、並設された入力端子間のピッチに寸法誤差(ばらつき)が発生し、或いは、対応する画面サイズの違いなどにより、スピーカのサイズが相違し、スピーカの入力端子間のピッチと、端子孔間のピッチが相違する場合には、接続する際に、基板本体を切断部から切断し、中継用プリント回路基板を左右に分離することができるので、極めて簡単、かつ、正確に、入力端子の一部を、端子孔に嵌挿して、スピーカとプリント回路基板との間を接続することができる。この結果、入力端子部と接続手段との接続作業性の向上および接続手段の共通化による汎用性の向上が図れ、この種テレビジョンのコストダウンができ、都合がよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、スピーカの入力端子部と、テレビジョン受信手段を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段として、入力端子部と接続手段との接続作業性の向上および接続手段の共通化による汎用性の向上を図ったスピーカ装置およびテレビジョンを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図12に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る基板装置を有する液晶型のテレビジョンの概略構成を示すブロック図、図2は、図1に示す液晶型のテレビジョンの概略構成を示す正面図である。図3は、図2に示すテレビジョンのスピーカ装置を示す正面図、図4は、図3の上面図、図5は、図3の側面図ある。図6は、図3に示す入力端子部を示す正面図、図7は、図6の側面図である。図8は、図4に示す中継用プリント回路基板を拡大して示す上面図である。図9は、プリント基板の一例を示す正面図である。図10は、基板本体を切断部により分離した状態で使用したスピーカ装置を示す正面図、図11は、図10の上面図、図12は、図11に示す中継用プリント回路基板を拡大して示す上面図ある。
【0019】
図1に示すように、例えば、地上デジタルのテレビ放送が受信できる液晶型のテレビジョン1は、テレビジョン受信手段11と、このテレビジョン受信手段11からの出力信号に基づいて画像情報を表示する、例えば、液晶表示装置からなる画像表示手段2と、テレビジョン受信手段11からの出力信号に基づいて音声を発するスピーカを有するスピーカ装置3と、装置の全体的な制御を統括して行う制御手段12と、各部に電力を供給する電源部13と、操作パネル14と、これらテレビジョン受信手段11、画像表示手段2、スピーカ装置3、制御手段12および電源部13などを収納するキャビネット4とから構成されている。これらテレビジョン受信手段11、画像表示手段2のパネル駆動回路22およびインバータ回路23、制御手段12並びに電源部13などは、例えば、プリント回路集合基板P(図9参照)から分離して製作されたメインのプリント回路基板5に搭載されている。
【0020】
液晶型のテレビジョン1は、例えば、図2に示す厚みの薄い略矩形状のキャビネット4により構成されている。キャビネット4は、例えば、スタンド機構17などにより略鉛直(垂直)に正立され、その正面側に矩形状の開口41が設けられている。開口41には、画像情報を表示する表示手段である、画像表示手段2の表示面である液晶パネル21が嵌め込まれ、この液晶パネル21において映像などの画像を表示することが可能となっている。また、例えば、画像表示手段2の下方には、スピーカ装置3が配設され、本実施形態では、キャビネット4が、スピーカ装置3のキャビネットを兼ねている。
【0021】
テレビジョン受信手段11は、アンテナAを介して受信した地上デジタルの放送信号の中から、ユーザにより設定入力されたチャンネルの放送信号の選局・復調を行って、映像信号・音声信号を出力する。このテレビジョン受信手段11は、例えば、地上デジタルの放送信号を選択的に受信する地上デジタルチューナ111と、地上デジタルの放送信号を復調する地上デジタル復調部112と、復調されたストリーム信号から映像データ、音響データ、番組情報や文字情報や制御データなどを含む付加情報をデコードするTS(Transport Stream)デコーダー113と、映像データを復号して映像信号を出力するビデオデコーダー114と、音声データを復号して音声信号を出力するオーディオデコーダー115とから構成されている。
【0022】
画像表示手段2である液晶表示装置は、液晶パネル21と、パネル駆動回路22と、バックライト装置23と、インバータ回路24とから構成されている。パネル駆動回路22は、ビデオデコーダー114から入力されたRGB信号に基づき、液晶パネル21の画素数(横縦比・m:n)に合わせたスケーリング処理を行い、液晶パネル21に表示する1画面分の画像データを生成する。そして、この生成された画像データを液晶パネル21に出力する。バックライト装置23は、液晶パネル21の背面に設置され、蛍光ランプなどからなる光源部を備え、液晶パネル21の背面から光を照射する。インバータ回路24は、例えば、整流器や昇圧用の変圧器などを備え、電源部13から供給された直流電圧を、所望の高周波数の交流電圧に変換するとともに、昇圧し、当該交流電圧をバックライト装置23の光源部に給電し、光源部を点灯させる。
【0023】
制御手段12は、装置の全体的な制御を統括して行うマイクロコンピュータ(マイクロコントローラ)から構成されている。この制御手段12には、作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)15と、制御プログラムや制御データが格納される不揮発性メモリ16などが接続されている。操作パネル14には、複数の操作ボタンやリモコン受信部141が設けられ外部からの指示操作を受け付けるように構成されている。これにより、制御手段12は、操作パネル14およびリモコン受信部141を介してリモコンRから入力される種々のコマンド信号に応じて各部に制御信号を発して所定の動作を行わせる。なお、RAM15や不揮発性メモリ16はマイクロコンピュータと一体的に集積された構成としても良いのは、勿論である。また、地上デジタルの放送信号には、制御データとして様々な情報が含まれており、その中には、放送局名など放送局を識別する情報、放送局の系列が表わされた系列ID(“affiliation id”と記述される)、1ch〜12chの選局番号のうち放送局により割り当て用として推奨され選局番号を示すリモコンキーID(“remote control key id"と記述される)などがある。そして、これらのデータは、TSデコーダー113においてデコードされて制御手段12へ送られるようになっている。
【0024】
かかる構成により、ユーザは、例えば、キャビネット4に設けられた操作パネル14或いはリモコンRを操作し、所望のチャンネルに合わせることにより、画像表示手段2である液晶表示装置の液晶パネル21に表示される画像を観ることができ、同時にスピーカ装置3から音声を聴くことができる。
【0025】
而して、本発明に従い、上述のスピーカ装置3は、図3乃至図5に示すように、スピーカ31と、このスピーカ31の入力端子部6と、この入力端子部6に音声信号を出力する機能、例えば、上述のテレビジョン受信手段11を搭載したメインのプリント回路基板5との間を接続する接続手段7とから構成されている。スピーカ31は、本体フレーム32と、この本体フレーム32から折り曲げて形成された取付台33と、取付フランジ34などから構成されている。
【0026】
入力端子部6は、図6および図7に示すように、一対の入力端子6a、6bを絶縁板61の上に並設して形成されている。入力端子6a、6bは、例えば、板状の導電材料を断面L字状に折り曲げて、絶縁板61に固着される基部62a、62bと、後述する接続手段7の中継用プリント回路基板8に穿設された端子孔82a、82b、に嵌挿される嵌挿部63a、63bと、この嵌挿部63a、63bと同一平面状であって、基部62a、62bと嵌挿部63a、63bとの間に形成された鍔部64a、64bとをから構成されている。この入力端子部6は、本体フレーム32から折り曲げて形成された取付台33に絶縁板61を固着して構成されている。また、スピーカ31と、入力端子部6とは、リード線35により電気的に接続されている。
【0027】
接続手段7は、図8および図9に示すように、音声信号を出力する機能、例えば、テレビジョン受信手段11を搭載したメインのプリント回路基板5に一端が接続されたリード線71a、71bと、このリード線71a、71bの他端が接続された中継用プリント回路基板8とから構成されている。この中継用プリント回路基板8は、前述の鍔部64a、64bにより支持される。
【0028】
中継用プリント回路基板8は、基板本体81と、この基板本体81の左右に穿設され、入力端子6a、6bの一部、即ち、嵌挿部63a、63bが嵌挿される、例えば、方形状の一対の端子孔82a、82bと、この端子孔82a、82bのそれぞれの周囲に形成された端子用ランド83a、83bと、リード線71a、71bを挿通するためのリード線孔84a、84bと、このリード線孔84a、84bのそれぞれの周囲に形成されたリード線用ランド85a、85bと、基板本体81を、左右に分離可能とするための切断部86とから構成されている。切断部86は、例えば、図8において、上下方向からの切り込み溝87と、中間部分に設けられたミシン目88により形成されている。切断部86は、これら切り込み溝87やミシン目88に換えて、図示しないが、基板本体81の両面にV字溝、U字溝などの切断溝としても、或いは、これらを切り込み溝87、ミシン目88や切断溝を適宜併用しても良いのは勿論である。
【0029】
中継用プリント回路基板8は、図9に示すように、音声信号を出力する機能、例えば、テレビジョン受信手段11を搭載したメインのプリント回路基板5を構成するプリント回路集合基板Pのデットスペースに、割り溝部51を介して形成し、音声信号を出力する機能を搭載したメインのプリント回路基板5と、接続手段7の中継用プリント回路基板8とは、予め、リード線71a、71bにより接続し、組み立て時に、メインのプリント回路基板5と、中継用プリント回路基板8とを、割り溝部51により分離可能に構成されている。割り溝部51は、切り込み溝、ミシン目やV字溝、U字溝などの切断溝などを適宜組み合わせて形成すればよい。また、プリント回路集合基板Pのデットスペースには、例えば、赤外線センサなどを備えたリモコン受信部141を搭載した受信用プリント回路基板52が形成されている。このようにすれば、プリント回路集合基板Pのデットスペースの有効利用が図れ、捨て基板の削減が図れるので、都合がよい。プリント回路集合基板Pは、組立て時まで、メインのプリント回路基板5、中継用プリント回路基板8および受信用プリント回路基板52を分離しないで、図9に示すような状態で、各種電子部品が実装され、また、電気的な接続、例えば、リード線71a、71bの半田付けによる接続作業が行われ、そして保管される。なお、図示する例では、プリント回路集合基板Pは、スピーカ装置3を左右に各一台用いるために、中継用プリント回路基板8を2組備えている。
【0030】
そして、組立工程において、例えば、スピーカ31をキャビネット4内に、組み込み、中継用プリント回路基板8の端子孔82a、82bに、入力端子6a、6bの嵌挿部63a、63bを嵌挿する。このとき、入力端子6a、6b間のピッチL1と、端子孔82a、82b間のピッチL2が略同じで、その状態でスムースに入力端子6a、6bを端子孔82a、82b嵌挿できる場合には、中継用プリント回路基板8を、図8に示す状態で使用し、図4に示すような状態に、入力端子6a、6bの嵌挿部63a、63bに嵌挿し装着する。その後、半田付けにより、入力端子6a、6bと、端子用ランド83a、83bを接続する。
【0031】
仮に、入力端子部6の製作誤差や、スピーカ31のサイズの相違などにより、入力端子6a、6b間のピッチL1と、端子孔63a、63b間のピッチL2が相違し、入力端子6a、6bが嵌挿できない場合には、図12に示すように、基板本体81を切断部86により分離する。その後、図11に示すように、分離した中継用プリント回路基板片8a、8bの端子孔82a、82bを、それぞれに入力端子6a、6bに嵌挿し装着する。その後、上述の場合と同様、半田付けにより、入力端子6a、6bと、端子用ランド83a、83bと接続する。
【0032】
以上の構成による本実施形態によれば、スピーカ31の入力端子部6と、音声信号を出力する機能を搭載したメインのプリント回路基板5との間を接続する接続手段7の中継用プリント回路基板8は、基板本体81を、左右に分離可能とするための切断部86が設けられている。従って、入力端子部6の製作時に、並設された入力端子6a、6b間のピッチL1に寸法誤差(ばらつき)が発生し、或いは、対応する画面サイズの違いなどにより、スピーカ31のサイズが相違し、入力端子6a、6b間のピッチL1と、端子孔82a、82b間のピッチL2が相違する場合には、接続する際に、基板本体81を切断部86から切断し、中継用プリント回路基板8を左右に分離することができるので、極めて簡単、かつ、無理なく正確に、入力端子6a、6bの嵌挿部63a、63bを、端子孔82a、82bに嵌挿して、スピーカ31とメインのプリント回路基板5との間を接続することができる。この結果、入力端子部6と接続手段7との接続作業性の向上および接続手段7の共通化による汎用性の向上が図れる。
【0033】
また、本実施形態によれば、入力端子6a、6bを並設した絶縁板61を支持するのに、本体フレーム32を折り曲げて取付台33を形成しているので、絶縁板61を支持するために、特別に、別途、取付部材を必要としなく、経済的である。
【0034】
また、本実施形態によれば、嵌挿部63a、63bと同一平面状であって、基部62a、62bと嵌挿部63a、63bとの間に鍔部64a、64bが形成され、方形状に形成された端子孔82a、82bに嵌挿部63a、63bが嵌挿され、この嵌挿した状態で、中継用プリント回路基板8は、鍔部64a、64bにより支持されているので、安定した状態で、確実に、中継用プリント回路基板8と入力端子部6との接続を行うことができ、接続作業効率の向上が図れ、都合がよい。
【0035】
また、本実施形態によれば、中継用プリント回路基板8が、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板5を構成するプリント回路集合基板Pのデットスペースに形成され、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板5と、接続手段7の中継用プリント回路基板8とは、予め、リード線71a、71bにより接続されている。従って、中継用プリント回路基板8は、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板5を構成するプリント回路集合基板Pを構成する際に同時に製作することができ、また、予め、所望の接続が行われている。この結果、接続手段7の製作時間の短縮が図れる他、組立て時まで、プリント回路基板5と接続手段7とが一体的に保管および管理することができ、都合がよい。
【0036】
更に、本実施形態によれば、スピーカ31と、テレビジョン受信手段11を搭載したプリント回路基板5を接続する接続手段7の中継用プリント回路基板8は、基板本体81を、左右に分離可能とするための切断部86が設けられている。従って、入力端子部6の製作時に、並設された入力端子6a、6b間のピッチL1に寸法誤差(ばらつき)が発生し、或いは、対応する画面サイズの違いなどにより、スピーカ31のサイズが相違し、スピーカ31の入力端子6a、6b間のピッチL1と、端子孔82a、82b間のピッチL2が相違する場合には、接続する際に、基板本体81を切断部86から切断し、中継用プリント回路基板8を左右に分離することができるので、極めて簡単、かつ、無理なく正確に、入力端子6a、6bの一部を、端子孔82a、82bに嵌挿して、スピーカ31と、メインのプリント回路基板5との間を接続することができる。この結果、入力端子部6と接続手段7との接続作業性の向上および接続手段7の共通化による汎用性の向上が図れ、この種テレビジョン1のコストダウンができ、都合がよい。
【0037】
なお、上述した各実施形態は、本発明の好適な実施例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。
【0038】
例えば、上述した実施形態では、スピーカ装置3を、液晶型のテレビジョン1に用いた場合について詳述したが、他の薄型のテレビジョンや、オーディオのスピーカ装置に本発明を適用してもよいのは、勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板装置を有する液晶型のテレビジョンの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す液晶型のテレビジョンの概略構成を示す正面図である。
【図3】図2に示すテレビジョンのスピーカ装置を示す正面図である。
【図4】図3の上面図である。
【図5】図3の側面図である。
【図6】図3に示す入力端子部を示す正面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図4に示す中継用プリント回路基板を拡大して示す上面図である。
【図9】プリント回路集合基板の一例を示す正面図である。
【図10】基板本体を切断部により分離した状態で使用したスピーカ装置を示す正面図である。
【図11】図10の上面図である。
【図12】図10に示す中継用プリント回路基板を拡大して示す上面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 液晶型のテレビジョン
11 テレビジョン受信手段
3 スピーカ装置
31 スピーカ
32 本体フレーム
33 取付台
5 メインのプリント回路基板
51 割り溝部
6 入力端子部
6a 入力端子
6b 入力端子
61 絶縁板
62a 基部
62b 基部
63a 嵌挿部
63b 嵌挿部
64a 鍔部
64b 鍔部
7 接続手段
71a リード線
71b リード線
8 中継用プリント回路基板
81 基板本体
82a 端子孔
82b 端子孔
83a 端子用ランド
83b 端子用ランド
85a リード線用ランド
85b リード線用ランド
86 切断部
A アンテナ
P プリント回路集合基板
L1 ピッチ(入力端子間)
L2 ピッチ(端子孔間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子部を有するスピーカと、前記入力端子部と、音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段とからなり、前記接続手段は、前記音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板に一端が接続されたリード線と、このリード線の他端が接続された中継用プリント回路基板とを備え、前記入力端子部は、並設された一対の入力端子を有するスピーカ装置において、
前記中継用プリント回路基板は、基板本体と、この基板本体の左右に穿設され、前記接続端子の一部が嵌挿される一対の端子孔と、この端子孔のそれぞれの周囲に形成された端子用ランドと、前記リード線を接続するためのリード線用ランドと、前記基板本体を、左右に分離可能とするための切断部と、を備え、前記端子孔に、前記入力端子の一部を嵌挿する際、前記入力端子間のピッチと、前記端子孔間のピッチが相違し、前記入力端子が嵌挿できない場合に、前記基板本体を前記切断部により分離することを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記端子部は、前記入力端子を並設する絶縁板を、更に備え、前記スピーカは、本体フレームと、この本体フレームから折り曲げて形成された取付台とを有し、この取付台に前記絶縁板を固着して入力端子部を構成したことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記入力端子は、板状の導電材料を断面L字状に折り曲げて、前記絶縁板に固着される基部と、前記端子孔に嵌挿される嵌挿部と、この嵌挿部と同一平面状であって、前記基部と前記嵌挿部との間に形成された鍔部とからなり、前記端子孔は、方形状に形成され、当該端子孔に前記入力端子を嵌挿した状態で、前記中継用プリント回路基板を前記鍔部により支持するように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記中継用プリント回路基板は、前記音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板を構成するプリント回路集合基板のデットスペースに、割り溝部を介して形成し、前記音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板と、前記接続手段の中継用プリント回路基板とは、予め、リード線により接続し、組み立て時に、前記音声信号を出力する機能を搭載したプリント回路基板と、前記中継用プリント回路基板とを、割り溝部により分離したことを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
【請求項5】
アンテナを介して受信したテレビジョン放送信号の中から、ユーザにより設定入力されたチャンネルの放送信号の選局・復調を行って、映像・音声信号を出力するテレビジョン受信手段と、このテレビジョン受信手段からの出力信号に基づいて画像情報を表示する画像表示手段と、前記テレビジョン受信手段からの出力信号に基づいて音声を発するスピーカ装置と、電源部と、全体的な制御を統括して行う制御手段と、これらテレビジョン受信手段、画像表示手段、制御手段および電源部の一部または複数を搭載したプリント回路基板と、これらテレビジョン受信手段、画像表示手段、制御手段、電源部および基板装置を収納するキャビネットと、を備え、前記スピーカ装置は、入力端子部を有するスピーカと、前記入力端子部と、前記テレビジョン受信手段を搭載したプリント回路基板との間を接続する接続手段とからなり、前記接続手段は、前記テレビジョン受信手段を搭載したプリント回路基板に一端が接続されたリード線と、このリード線の他端が接続された中継用プリント回路基板とを備え、前記入力端子部は、並設された一対の入力端子を有するテレビジョンにおいて、
前記中継用プリント回路基板は、基板本体と、この基板本体の左右に穿設され、前記接続端子の一部が嵌挿される一対の端子孔と、この端子孔のそれぞれの周囲に形成された端子用ランドと、前記リード線を接続するためのリード線用ランドと、前記基板本体を、左右に分離可能とするための切断部と、を備え、前記端子孔に、前記入力端子の一部を嵌挿する際、前記入力端子間のピッチと、前記端子孔間のピッチが相違し、前記入力端子が嵌挿できない場合に、前記基板本体を前記切断部により分離することを特徴とするテレビジョン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−177439(P2009−177439A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13238(P2008−13238)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】