説明

スロットスパイラルアンテナ、及び角形スロットスパイラルアンテナ、並びに、それらの調整方法

【課題】GHz帯の電波を送受信するアンテナを改良して、右旋円偏波に対しても左旋円偏波に対しても、1個の簡単なアンテナ装置で対応し得るようにする。
【解決手段】平面状の導体基板3の面に直交座標X−Yを想定し、座標原点Oを中心とする第1のスロットスパイラル1を設けるとともに、この第1のスロットスパイラルを座標原点の周りに180度回転させた形の第2のスロットスパイラル2を設ける。双方のスロットスパイラルを座標原点付近で連続させ、連続部で、スロット溝の対岸に相当する0箇所に給電点4を設ける。例えば、このスロットスパイラルアンテナの表側が右旋円偏波のみを送受信することができ、裏側は左旋円偏波のみを送受信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はGHz帯の電波を送受信するスロット形のスパイラルアンテナに係り、特に、1個のアンテナによって右旋円偏波にも左旋円偏波にも対応し得るように改良したものである。
【背景技術】
【0002】
電波理論としての偏波は以前から知られており、例えば電子情報通信学会編のアンテナ工学ハンドブック(オーム社発行)平成4年版にも詳しく解説されている。ただし、『右旋円偏波と左旋円偏波との定義は一定していないから注意を要する』と付記されている。
本発明に係るスロット形のスパイラルアンテナは右旋円偏波にも左旋円偏波にも対応し得るから、右旋,左旋の定義に拘泥しない。
またスパイラルという語句の幾何学的な定義も曖昧であって、株式会社アルク発行の数学基本用語辞典1994年版には『3次元の螺線(spiral)を螺線(helix)という』と解説されていて、螺線と螺旋との区別も為されていない。
本発明は超薄型の平面形状の螺旋(spiral)アンテナであって、3次元の螺線(ヘリカル)アンテナとは技術的分野を異にする。
【0003】
スパイラルアンテナに関する最新の公知技術としては、特許文献1として挙げた特開2004−320116号公報に開示されたアンテナモジュールが有る。
この発明は送受信利得が高く、指向性に優れ、インピーダンス整合が容易である旨が報告されている。
また、円偏波用として構成されたアンテナとしては、特許文献2に挙げた特開2003−236755号公報に開示されたスロットアンテナ装置が公知である。
この発明によると、アンテナ装置が小形,安価に構成される旨が報告されている。
【特許文献1】特開2004−320116号公報
【特許文献2】特開2003−236755号公報
【非特許文献1】アンテナ工学ハンドブック(オーム社発行)平成4年版・電子情報通信学会編
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信技術の普及に伴って、異なる通信系相互の間で混信を生じる機会が増加した。
これを防止するために円偏波の利用が進められている。また、最近の宇宙通信においても円偏波の利用が研究されている。
無線通信に円偏波を利用するためには、円偏波の送受信に適したアンテナの開発が望まれる。
【0005】
従来例の円偏波用アンテナには、左旋円偏波用アンテナと、右旋円偏波用アンテナと、左旋、右旋円偏波共用アンテナとが有った。
上記の右旋円偏波共用アンテナは、左旋円偏波も右旋円偏波も同様に送受信することができる。すなわち、左旋円偏波と右旋円偏波とを区別できないものであった。つまり、アンテナの姿勢を一定にして計測した場合、左旋円偏波についても右旋円偏波についても同様の指向特性を示す。従って、左旋、右旋を区別して混信を防止するという機能を果たすことができなかった。
【0006】
その上、特許文献1として挙げた特開2004−320116号公報に開示されたアンテナモジュールは、平板形のスパイラルアンテナと立体的なヘリカルアンテナとを組み合わせた構成であって、全体形状が立体的で大きく、従って重量も重くて製造コストが割高である。
また、特許文献2に挙げた特開2003−236755号公報に開示されたスロットアンテナ装置は、円盤状のアンテナ素子と円錐状のアンテナ素子とを組み合わせた構成であ
って、全体形状が立体的で大きく取り扱いに不便である上に、重量も重くて製造コストが割高である。
【0007】
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、
1個のアンテナで左旋円偏波用としても右旋円偏波用としても使用し得る、小形,軽量で特に超薄型であって、しかも周波数帯域の広いアンテナ装置、及びその調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理について、その1実施形態に対応する図1(A)を参照して略述すると次の通りである。
平板状の導体基板3にスパイラルのスロットが設けられている。このスロットスパイラルは単一なスパイラルではなく、第1のスロットスパイラル1と第2のスロットスパイラル2とが相互の位相差180度で配置されていて、スパイラル中心に給電点4が設けられる。
【0009】
いま仮に、このアンテナが紙面の手前側の左旋円偏波に対して動作するとすれば、紙面の向う側では右旋円偏波に対して動作する。紙面の手前側の右旋円偏波と、紙面の向う側の右旋円偏波とに対して同時には動作しない。
上述したように、左旋,右旋円偏波を識別する機能を有し、かつ、裏返すことによって左旋円偏波,右旋円偏波への適応を反転し得ることが、本発明アンテナの特徴的な効果である。
【0010】
上述の原理に基づく具体的な構成として請求項1の発明に係るスロットスパイラルアンテナは、(図1(A)参照)
GHz帯の電波を送受信するスロットスパイラルアンテナにおいて、
平板状の導体基板(3)に第1のスロットスパイラルアンテナ素子(1)が形成され、かつ、上記第1のスロットスパイラルアンテナ素子を、スパイラル中心の周りに180度回転させた形状の第2のスロットスパイラル素子(2)が、同じ導体基板(3)に形成されるとともに、
上記双方のスロットスパイラル素子が、スパイラル中心の付近で相互に連続していて、
該スパイラル中心の付近に給電点が設けられており、
前記導体基板(3)の面に直交座標X−Yを想定し、
(図1(B)参照)前記第1のスロットスパイラル素子(1)及び第2のスロットスパイラル素子(2)が、スパイラル中心からX軸方向に向けて延出して半ピッチ進んだ所で直角に方向変換してY軸方向に向かい、その後は回転角度に伴って半径寸法を増加してゆく形状であり、
かつ、前記第1のスロットスパイラルアンテナ素子(1)及び第2のスロットスパイラルアンテナ素子(2)のスロット溝幅が、スパイラル中心の近傍を除いて、一定の寸法Wであって、
上記双方のスロットスパイラルアンテナ素子がスパイラル中心からX軸方向に向けて延出している半ピッチの区間、および、該双方のスロットスパイラルアンテナ素子がY軸方向に向かって回転角度に比例して半径寸法を増加してゆく初期の区間のスロット溝幅が、前記の寸法Wよりも明確に狭く(Wfd)なっていて、
上記初期の区間は旋回角度で30度以上180度以下であることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明に係るスロットスパイラルアンテナの調整方法は、
(図5参照)請求項1に記載したスロットスパイラルアンテナの動作周波数を調節する場合、第1のスロットスパイラルアンテナ素子(1)の中心から先端までの間の途中の箇所、及び第2のスロットスパイラルアンテナ素子(2)の上記箇所に対応する箇所に、スロットの対岸を相互に導通させる調整用のブリッジ(6)を設けることにより、前記双方のスロットスパイラルアンテナ素子の電気的長さを短縮して、動作周波数の下限を上昇させることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明に係るスロットスパイラルアンテナの調整方法は、
(図5参照)請求項1に記載したスロットスパイラルアンテナの動作周波数を調節する場合、
第1のスロットスパイラルアンテナ素子(1)及び第2のスロットスパイラルアンテナ素子(2)の開放端に当たる先端部の付近に、予め、スロットの対岸を相互に導通させる
仮設のブリッジ(7a,7b,7c)を設けておき、上記仮設のブリッジを除去することにより、前記双方のスロットスパイラルアンテナ素子の電気的長さを延ばして、動作周波数を低下させることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明に係るスロットスパイラルアンテナの調整方法は、
(図1(B)参照)請求項1に記載したスロットスパイラルアンテナのインピーダンスを整合させる場合、
前記第1のスロットスパイラルアンテナ素子及び第2のスロットスパイラルアンテナ素子がスパイラル中心からX軸方向に向けて延出している半ピッチの区間、および、該双方のスロットスパイラルアンテナ素子がY軸方向に向かって回転角度に比例して半径寸法を増加してゆく初期の区間のスロット溝幅(Wfd)を修正して、
スロット溝幅を狭めることによってインピーダンスを減少させ、及び/又は、スロット溝幅を広げることによってインピーダンスを増加させることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明に係る角形スロットスパイラルアンテナの構成は、
(図6(A)参照)GHz帯の電波を送受信する角形スロットスパイラルアンテナにおいて、平板状の導体基板(3)に第1の角形スロットスパイラルアンテナ素子(8)が形成され、かつ、上記第1の角形スロットスパイラルアンテナ素子を、スパイラル中心の周りに180度回転させた形状の第2の角形スロットスパイラル素子(9)が形成されるとともに、
上記双方のスロットスパイラル素子が、スパイラル中心の付近で相互に連続していて、
該スパイラル中心の付近に給電点が設けられており、
(図6(B)参照)前記導体基板(3)の面に直交座標X−Yを想定し、
前記第2の角形スロットスパイラル素子(8)及び第2の角形スロットスパイラル素子(9)が、スパイラル中心からX軸方向に向けて延出して1/4ピッチ(S1)進んだ所で直角に方向変換して、Y軸方向に向かい、Y軸方向に1/2ピッチ(S2)進んだ所で方向変換してX軸方向に向かい、X軸方向に2/2ピッチ(S3)進んだ所で方向変換してY軸軸方向に向かい、(図6(A)参照)Y軸方向に3/2ピッチ進んだ所で方向変換してX軸方向に向かい、X軸方向に4/2ピッチ進んだ所で方向変換してY軸方向に向かい、
その後、同様にして交互にY軸方向とX軸方向とに方向変換を繰り返しつつ、その度に進行距離を1/2ピッチずつ増加させてゆく形状であり、
さらに、(図6(B)参照)前記第1,第2の角形スロットスパイラル素子は、中央部付近を除く区域の溝幅寸法が一定の値Wであり、
かつ、該第1,第2の角形スロットスパイラル素子がスパイラル中心からX軸方向に1/4ピッチ進んだ所で方向変換してY軸方向に向かい、Y軸方向に1/2ピッチ進んだ箇所までの間の溝幅が、前記の寸法Wよりも明確に狭く(W2)なっていることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明に係る角形スロットスパイラルアンテナの調整方法の構成は、
請求項5に記載した角形スロットスパイラルアンテナの動作周波数を調整する場合、
第1の角形スロットスパイラルアンテナ素子の中心から先端までの間の途中の箇所、及び第2の角形スロットスパイラルアンテナ素子の上記箇所に対応する箇所に、スロットの対岸を相互に導通させるブリッジを設けることにより、前記双方のスロットスパイラルアンテナ素子の電気的長さを短縮して、動作周波数の下限を上昇させることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明に係る角形スロットスパイラルアンテナの調整方法の構成は、
請求項5に記載した角形スロットスパイラルアンテナの動作周波数を調節する場合、
第1の角形スロットスパイラルアンテナ素子及び第2の角形スロットスパイラルアンテナ素子の開放端に当たる先端部の付近に、予め、スロットの対岸を相互に導通させる仮設のブリッジを設けておき、上記仮設のブリッジを除去することにより、前記双方のスロットスパイラルアンテナ素子の電気的長さを延ばして、動作周波数の下限を低下させることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明に係る角形スロットスパイラルアンテナの調整方法の構成は、
請求項5に記載した角形スロットスパイラルアンテナのインピーダンスを整合させる場合、前記第1,第2の角形スロットスパイラル素子がスパイラル中心からX軸方向に向けて延出している半ピッチの区間、および、該双方のスロットスパイラルアンテナ素子がY軸方向に向かってX軸方向に向けて延出して1/4ピッチ進んだ所で方向変換してY軸方向に向かい、Y軸方向に1/2ピッチ進んだ所までの区間のスロット溝幅を修正して、
スロット溝幅を狭めることによってインピーダンスを減少させ、及び/又は、スロット溝幅を広げることによってインピーダンスを増加させることを特徴とする、。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係るスロットスパイラルアンテナを適用すると、1個のアンテナ装置だけで左旋円偏波用と右旋円偏波用とに使い分けることができる。
しかも小形軽量であり、特に超薄型に構成することができる。その上、均一なアンテナ性能の多数の製品を大量生産するに適している。
【0019】
請求項2に係るスロットスパイラルアンテナの調整方法を、前記請求項1の発明に併せて適用すると、工業的に多数のアンテナを製作しておき、客の注文に応じて所望の周波数に調整して出荷することができる。
これにより、大量一括生産によるコストダウンその他のメリットを享受することができる上に、受注した仕様に応じて即納に近い迅速出荷が可能になる。
しかも、同一導体基板を用いて各種仕様のアンテナを構成することができるので、該アンテナの付属機器、例えばアンテナケースなどを統一することができる上に、これによりアンテナ付属機器の生産コストを低減することができ、生産計画や在庫管理が著しく容易になる。
【0020】
請求項3に係るスロットスパイラルアンテナの調整方法を、前記請求項1の発明に併せて適用すると、請求項2におけると同様に、多数のアンテナを生産しておき、顧客の求めに応じて所望の周波数に調整して出荷することができる。
請求項2においては動作周波数の下限を上昇させる方向に調整したのに比して、請求項3においては動作周波数の下限を低下させる方向に調整するが、その実用的効果は同様であり、大量一括生産によるコストダウンその他のメリットを享受することができる上に、受注した仕様に応じて即納に近い迅速出荷が可能になる。
また、同一導体基板を用いて各種仕様のアンテナを構成することができるので、該アンテナの付属機器、例えばアンテナケースなどを統一することができる。これにより、アンテナ付属機器の生産コストを低減することができる上に、生産計画や在庫管理が著しく容易になる。
実際の運用においては請求項2の調整方法と請求項3の調整方法とを併用することが望ましい。すなわち、動作周波数の下限を上げる必要を生じたときは請求項2の発明を適用し、動作周波数の下限を下げる必要を生じたときは請求項3の発明を適用すると、あらゆる事態に順応することができる。
【0021】
請求項4に係るスロットスパイラルアンテナの調整方法を前記請求項1の発明に併せて適用すると、難しいインピーダンス整合操作を迅速容易に遂行することができる。もっとも、本請求項4に係る調整は、既製の在庫品の修正に好適ではないが、試作段階において最適条件を見いだすには非常に好適である。
試作品に本請求項の調整方法を適用してインピーダンス整合条件を確認すれば、その条件を生産品に再現させれば良い。
【0022】
請求項5に係る角形スロットスパイラルアンテナを適用すると、1個のアンテナ装置だけで、その表裏を反転させることによって左旋円偏波用と右旋円偏波用とに使い分けることができる。
しかもアンテナ装置全体が小形軽量であり、特に超薄型に構成することができ、製造コストが低廉である。
その上、多数の製品を工業的に大量生産するに適しており、均一なアンテナ性能を有するアンテナ装置が得られる。
【0023】
請求項6に係る角形スロットスパイラルアンテナの調整方法を、前記請求項5の発明に併せて適用すると、工業的に多数のアンテナを製作しておき、その中から所望の個数だけを顧客の注文に即応し、迅速容易に所望の周波数に修正して出荷することができる。
このため、大量一括生産によるコストダウンその他のメリットを享受することができる上に、受注した仕様に応じて即納に近い迅速な出荷が可能になる。
また、同一導体基板を用いて各種仕様のアンテナを構成することができるので、該アンテナの付属機器、例えばアンテナケースなどを統一することができる。これにより、アンテナ付属機器の生産コストを低減することができる上に、生産計画や在庫管理が著しく容易になる。
【0024】
請求項7に係る角形スロットスパイラルアンテナの調整方法を、前記請求項5の発明に併せて適用すると、請求項6におけると同様に、多数の角形アンテナを生産しておき、顧客の求めに応じて所望の周波数に調整して出荷することができる。
請求項6においては動作周波数の下限を上昇させる方向に調整したのに比して、請求項7においては動作周波数の下限を低下させる方向に調整するが、その実用的効果は同様であり、大量一括生産によるコストダウンその他のメリットを享受することができる上に、受注した仕様に応じて即納に近い迅速な出荷が可能になる。
また、同一導体基板を用いて各種仕様の角形アンテナを構成することができるので、該アンテナの付属機器、例えばアンテナケースなどを統一することができる。これにより、アンテナ付属機器の生産コストを低減することができる上に、生産計画や在庫管理が著しく容易になる。
実際の運用においては請求項6の調整方法と請求項7の調整方法とを併用することが望ましい。
すなわち、アンテナ装置の動作周波数の下限を上げる必要を生じたときは請求項6の発明を適用し、動作周波数の下限を下げる必要を生じたときは請求項7の発明を適用すると、あらゆる事態に順応することができる。
【0025】
請求項8に係る角形スロットスパイラルアンテナの調整方法を、前記請求項5の発明に併せて適用すると、難しいとされるインピーダンス整合操作を迅速かつ容易に遂行することができる。
もっとも、本請求項8に係る調整は、既製の在庫品の修正に好適ではないが、試作段階において最適条件を見いだすには非常に好適である。
試作品に本請求項の調整方法を適用してインピーダンス整合条件を確認すれば、その条件を生産品に再現させれば良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1(A)は、本発明の1実施形態の平面であって、請求項1の発明に対応している。
本図の(B)は、上記(A)図の中心部の拡大図である。
X−Yは、平板状の導体基板3の面に想定した直交座標である。
導体基板3に第1のスロットスパイラル1と第2のスロットスパイラル2とが形成されていて、スパイラルの中心部に給電点4が配置されている。
本実施形態においては前記導体基板3として、特開2004−288848号公報に記載されている高周波用積層基板を用いた。本発明を実施する際、この基板に限定されないが、この基板は機械的に丈夫であり、かつ高周波損失が少ないので好都合である。
前記第1のスロットスパイラル1、及び第2のスロットスパイラル2の形状について、その中心部付近の拡大詳細図である図2を参照して次に説明する。
【0027】
符号Oは座標原点である。ここから出発する2本のうずまき線、第1スパイラル1′と第2スパイラル2′とを設定する。
第1スパイラル1′は、座標原点OからX軸に沿って点aまで、距離P/2進む。図示の寸法P(1巻きの間に半径が増加する長さ)をスパイラルのピッチと呼ぶ。
上記の点aで左折してY軸方向に向かい始めるが、この瞬間から、うずまき線(平面スパイラル)になる。すなわち、点Oを中心として回転しつつ、回転角度に比例して半径を増加させる。
【0028】
本発明においてスパイラルとは、上記のように幾何学的に厳密なスパイラルに限らず、近似的なスパイラルを含む。
本発明におけるうず巻は、「順次に半径が増加する多数の半円を繋いだうず巻」であっても良い。この場合、うず巻は「回転角に伴って段階的に半径を増加させる図形」であると考えれば良い。
前記仮想の第1スパイラル1′に溝幅Wを与えて第1のスロットスパイラル1を構成するとともに、該第1のスロットスパイラル1を座標原点Oの周りに180度回転させて第2のスロットスパイラル2を構成する。
【0029】
前記の溝幅寸法Wの値は限定されないから適宜に設定すれば良い。しかし、この溝幅は、第1のスロットスパイラル1と第2のスロットスパイラル2とが重ならないようにしなければならないので、W<P/2 に制限される。Pは、先に述べたごとくスパイラルのピッチである。
上記の溝幅寸法Wは、スパイラルの中心付近を除いて一定にする。その理由は、特に変化させる必要が無いからである。従って、溝幅寸法を変化させても本発明の技術的範囲を回避し得るものではない。
【0030】
スパイラル中心付近をインピーダンス調整部と名付けて符号5を付する。
本例では、点O−点a−点bの区間がインピーダンス調整部5である。
この区間は、第1のスロットスパイラル1の溝幅寸法を狭くする。狭い部分の溝幅寸法に符号Wfdを付す。
先に述べたように、第2のスロットスパイラル2は第1のスロットスパイラル1を座標原点Oの周りに180度回転させたものであるから、その溝幅も第1のスロットスパイラル1と同様である。
【0031】
図1に示した実施形態を、λ=50mmの電波を送受信するように構成した場合、導体基板3の直径寸法Dgpは、同図の左下隅に付記したように1.3λ=65mmになる。その厚さ寸法は無視し得る程度に薄いので、アンテナ装置全体を考えると極めて小形軽量、特に超薄型である。
中央部を除くスパイラルスロットの幅寸法W、及びインピーダンス調整部5のスロット幅寸法Wfdは付記のとおりである。
【0032】
上述のように構成されたスパイラルアンテナのインピーダンスを調整する場合は、前記インピーダンス調整部5の溝幅寸法を変化させる。
すなわち、溝幅寸法Wfdを狭めるとインピーダンスが減少し、溝幅寸法Wfdを広げるとインピーダンスが増加する。この現象を利用すると本発明に係るアンテナ装置のインピーダンスを任意に増減して調整することができる。
【0033】
このようにしてインピーダンス調整を行なうと、その結果としてインピーダンス調整部5の溝幅寸法Wfdが寸法Wに比して明確に狭くなる。本発明において明確に狭いとは、正常視力の肉眼で認識し得る程度をいう。
本例においては、点O−a−bの区間をインピーダンス調整部5とした。すなわち、座標原点Oに関して90度の範囲をインピーダンス調整部とした。本発明を実施する場合、インピーダンス調整部5を設ける区域を座標原点Oに関して30度〜180度の範囲に設定することが望ましい。
その理由は次のごとくである。すなわち、30度未満ではインピーダンス調整作用が不足であり、30度以上とすることによって有効にインピーダンスを調節し得る。
しかしながら、インピーダンス調整部の角度区域を殊更に広げても調節効果が向上するものではない。180度以上にすると、手数が掛かるにも拘わらず、手数に見合うだけのメリットが無い。
【0034】
図2に示したように第1のスロットスパイラル1と第2のスロットスパイラル2とを、スパイラルの中心部で相互に連続させる。
上記中心部において、溝の対岸に相当する2点F,Eを設定して給電点とする。
例えば同軸ケーブル(図示省略)の芯線を点Fに接続するとともに、外部導体を点Eに接続する。
これにより本実施形態のアンテナ装置が、円偏波アンテナとして機能する。
【0035】
図3は、上述のように構成したスロットスパイラルアンテナの指向特性グラフである。
(A)は7.3GHz、(B)は8.4GHz、(C)は8.7GHzにおける指向特性を示している。このグラフは、次のようにして図1(A)と併せて読図する。
図1においてX軸とY軸とに直交するZ軸を想定する。
図3に描かれている6個のグラフそれぞれについて、X軸同士を重ね合わせるとX−Z面内の指向特性を読み取ることができる。
同様に、Y軸同士を重ね合わせると、Y−Z面内の指向特性を読み取ることができる。
【0036】
図3に示したグラフそれぞれにおいて、実線で示された右旋円偏波ERの指向特性と、点線で示された左旋円偏波ELの指向特性とが、横軸の上下いずれか片方に位置していることは、
イ.右旋,左旋円偏波に対して何れか片方のみに高いアンテナ利得を有し、他方に対してはアンテナ利得が極めて低いこと。
および、
ロ.アンテナを裏返すことによって、右旋,左旋円偏波を反転し得ること。
を表している。
【0037】
図4(A)は、4〜10GHzにおける軸比ARを表し、
同図(B)は、4〜10GHzにおけるアンテナ利得GRを表し、
同図(C)は、4〜10GHzにおける電圧定在波比VSWRを表している。
本実施形態に係るスロットスパイラルアンテナが、上記周波数帯において優れたアンテナ性能を有していることが分かる。
【0038】
上述のように構成された本実施形態に係るスロットスパイラルアンテナの動作周波数の調整について、図5を参照して以下に説明する。
動作周波数の下限を高くしたい場合は、鎖線楕円で示して符号6を付した箇所について、スロットの対岸に相当する部分を相互に導通させるブリッジを設ける。例えば、熔融したハンダを付着させて冷却,凝固させればよい。
ブリッジを設けると、スロットスパイラルの実効長さが短縮されて動作周波数の下限が上昇する。
【0039】
スロットスパイラルの末端付近に、予め仮設のブリッジ7a,同7b,同7cを設けておき、これを除去するとスロットスパイラルの実効長さが延長されて動作周波数の下限が低下する。
本例においては、仮設ブリッジ7aを削り取るなどして除去すると動作周波数の下限が低下する。更に、仮設ブリッジ7bを除去すると動作周波数の下限がいっそう低下する。更に、仮設ブリッジ7cを除去すると動作周波数の下限がよりいっそう低下する。
このようにして、予め設けておいた複数の仮設ブリッジを順次に除去することによって、動作周波数の下限を段階的に下げてゆくことができる。
【0040】
図6は前記と異なる実施形態を示し、請求項5に対応している。
前記実施形態のがスロットが通常のうずまき形に形成されていたのに比して、本実施形態においては角形スパイラルに形成してある。
その形状の基本を線図で示すと図7のとおりである。
スパイラルのピッチを大文字Pとし、その1/4を小文字pで表す。本図はpを1目盛りとして方眼を描いてある。
第1の角形スロットスパイラル8を実線で描いてある。これを、座標原点の周りに180度回転させると、破線で描いた第2のスロットスパイラル2となる。
【0041】
第1の角形スロットスパイラル(実線)8を追跡すると、座標原点OからX軸方向に、
P/4=pだけ、点cまで進む(本図では1目盛だけ進む)。
点cで左折して、点dまでY軸方向にP/2(2目盛)進み、
点dで再度左折して、点eまでY軸方向にP(4目盛)進み、
点eで更に左折して、点fまでY軸方向に3P/2(6目盛)進み、
点fで更に左折して、点gまでX軸方向に4P/2=2P(8目盛)進み、
点gで更に左折して、点hまでY軸方向に5P/2(10目盛)進み、
点hで更に左折して、点iまでX軸方向に6P/2=3P(12目盛)進む。
【0042】
その後、同様にして左折を繰り返して、交互にY軸方向とX軸方向とに方向変換して、その度に進行距離をP/2(2目盛)ずつ増やしてゆく。
このようにして第1の角形スロットスパイラル(実線)8が描かれる。座標原点Oを中心として180度回転させると第2の角形スロットスパイラル(鎖線)9が出来る。
以上に説明した図7はスロットの中心線となる角形スパイラルを示しており、これに溝幅を与えると図6(A)の第1の角形スロットスパイラル8および第2の角形スロットスパイラル9になる。
【0043】
図6においては、角形スパイラルの巻数をnとして、各辺に符号S1〜Snを付してある。前掲の図6(B)は図7の中心部に相当し、図7に付記した点c〜点eが図6(B)の点c〜点eに対応している。
本実施形態においては、座標原点Oから点cを経て点dに至る区間がインピーダンス調整部5になっている。
上記のインピーダンス調整部5が設けられている区間を、座標原点Oを中心とする角度範囲で表すと、
ArcTan2≒64度
である。
【0044】
図1の実施形態におけると同様に、図6の実施形態においてもインピーダンス調整部5のスパイラル溝幅を狭くするとインピーダンスが減少し、スパイラル溝幅を広げるとインピーダンスが増加する。この現象を利用して、角形スロットスパイラルアンテナのインピーダンス整合を取ることができる。
図示を省略するが、円形スロットスパイラルアンテナについて図5を参照して説明したのと同様に、角形スロットスパイラルアンテナにおいてもブリッジを加工して動作周波数の下限を増減調整することができる。
【0045】
図6の実施形態は6.0GHzの電波を送受信するように構成したものであって、波長λは50mmである。
角形スパイラルの屈曲点は9箇所、辺の数Nは10本である。
導体基板3の1辺の長さSgpは1.37λに相当し、実寸は68.5mmであって、非常に小形軽量であり、特に超薄型である。
以上に説明した図6の実施形態によっても、前掲の図1に示した実施形態におけると同様に、GHz帯の電波に対して優れたアンテナ性能を示し、表裏反転によって右旋円偏波と左旋円偏波とに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るスロットスパイラルアンテナの1実施形態を示し、(A)は全体的な平面図、(B)はその中心部付近の拡大詳細図
【図2】上記図1の実施形態に係るスロットスパイラルアンテナの設計手順を説明するための要部拡大平面図
【図3】前掲の図1に示した実施形態に係るスロットスパイラルアンテナの指向性を表し、X軸及びY軸は図1の座標軸に対応しており、(A)は7.3GHzにおける指向特性グラフ、(B)は8.4GHzにおける指向特性グラフ(C)は8.7GHzにおける指向特性グラフ
【図4】前掲の図1に示した実施形態に係るスロットスパイラルアンテナの、4GHz〜10GHzにおける特性を示し、(A)軸比を表すグラフ、(B)は利得を表すグラフ、(C)は電圧定在波比を表すグラフ
【図5】前掲の図1に示した実施形態に係るスロットスパイラルアンテナの動作周波数を調整する手順を説明するための平面図
【図6】前掲の図1に示した実施形態と異なる実施形態に係るスロットスパイラルアンテナを示し、(A)は全体的な外観斜視図、(B)はその中心部付近を拡大して描いた詳細な平面図
【図7】前掲の図6に示した実施形態に係るスロットスパイラルアンテナの設計手順を説明するため、スパイラルピッチPの1/4を1目盛とする方眼の上にスパイラル形状を描いた模式的な平面図
【符号の説明】
【0047】
1…第1のスロットスパイラル
2…第2のスロットスパイラル
3…導体基板
4…給電点
5…インピーダンス調整部
6…調整ブリッジ
7a,7b,7c…仮設ブリッジ
8…第1の角形スロットスパイラル
9…第2の角形スロットスパイラル
10…インピーダンス調整部
Dgp…導体基板の直径
E…接地点
ER…右旋円偏波
EL…左旋円偏波
F…給電点
N…角形スパイラルの巻数
O…座標原点
P…スパイラルのピッチ寸法
W…スパイラルの中央部を除く部分のスロット溝幅
Wfd…インピーダンス調整部のスロット溝幅
X…導体基板の面に設定した座標軸
Y…上記X軸に直交する、導体基板面上の座標軸
Z…導体基板の面に垂直な座標軸
λ…送受信電波の波長
φ…スパイラルの巻き角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GHz帯の電波を送受信するスロットスパイラルアンテナにおいて、
平板状の導体基板に第1のスロットスパイラルアンテナ素子が形成され、かつ、上記第1のスロットスパイラルアンテナ素子を、スパイラル中心の周りに180度回転させた形状の第2のスロットスパイラル素子が形成されるとともに、
上記双方のスロットスパイラル素子が、スパイラル中心の付近で相互に連続していて、
該スパイラル中心の付近に給電点が設けられており、
前記導体基板の面に直交座標X−Yを想定し、
前記第1のスロットスパイラル素子及び第2のスロットスパイラル素子が、スパイラル中心からX軸方向に向けて延出して半ピッチ進んだ所で直角に方向変換してY軸方向に向かい、その後は回転角度に比例して半径寸法を増加してゆく形状であり、
かつ、前記第1のスロットスパイラルアンテナ素子及び第2のスロットスパイラルアンテナ素子のスロット溝幅が、スパイラル中心の近傍を除いて、一定の寸法Wであって、
上記双方のスロットスパイラルアンテナ素子がスパイラルの中心からX軸方向に向けて延出している半ピッチの区間、および、該双方のスロットスパイラルアンテナ素子がY軸方向に向かって回転角度に比例して半径寸法を増加してゆく初期の区間のスロット溝幅が、前記一定の寸法Wよりも明確に狭くなっていて、
上記初期の区間は旋回角度で30度以上180度以下であることを特徴とするスロットスパイラルアンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載したスロットスパイラルアンテナの動作周波数を調節する場合、第1のスロットスパイラルアンテナ素子の中心から先端までの間の途中の箇所、及び第2のスロットスパイラルアンテナ素子の上記箇所に対応する箇所に、スロットの対岸を相互に導通させるブリッジを設けることにより、前記双方のスロットスパイラルアンテナ素子の電気的長さを短縮して、動作周波数の下限を上昇させることを特徴とするスロットスパイラルアンテナの調整方法。
【請求項3】
請求項1に記載したスロットスパイラルアンテナの動作周波数の下限を調節する場合、
第1のスロットスパイラルアンテナ素子及び第2のスロットスパイラルアンテナ素子の開放端に当たる先端部の付近に、予め、スロットの対岸を相互に導通させる仮設のブリッジを設けておき、上記仮設のブリッジを除去することにより、前記双方のスロットスパイラルアンテナ素子の電気的長さを延ばして、動作周波数の下限を低下させることを特徴とする、スロットスパイラルアンテナの調整方法。
【請求項4】
請求項1に記載したスロットスパイラルアンテナのインピーダンスを整合させる場合、
前記第1のスロットスパイラルアンテナ素子及び第2のスロットスパイラルアンテナ素子がスパイラル中心からX軸方向に向けて延出している半ピッチの区間、および、該双方のスロットスパイラルアンテナ素子がY軸方向に向かって回転角度に比例して半径寸法を増加してゆく初期の区間のスロット溝幅を修正して、
スロット溝幅を狭めることによってインピーダンスを減少させ、及び/又は、スロット溝幅を広げることによってインピーダンスを増加させることを特徴とする、スロットスパイラルアンテナの調整方法。
【請求項5】
GHz帯の電波を送受信する角形スロットスパイラルアンテナにおいて、
平板状の導体基板に第1の角形スロットスパイラルアンテナ素子が形成され、かつ、上記第1の角形スロットスパイラルアンテナ素子を、スパイラル中心の周りに180度回転させた形状の第2の角形スロットスパイラル素子が形成されるとともに、
上記双方の角形スロットスパイラル素子が、スパイラル中心の付近で相互に連続していて、
該スパイラル中心の付近に給電点が設けられており、
前記導体基板の面に直交座標X−Yを想定し、
前記第2の角形スロットスパイラル素子及び第2の角形スロットスパイラル素子が、スパイラル中心からX軸方向に向けて延出して1/4ピッチ進んだ所で直角に方向変換して、Y軸方向に向かい、Y軸方向に1/2ピッチ進んだ所で方向変換してX軸方向に向かい、X軸方向に2/2ピッチ進んだ所で方向変換してY軸軸方向に向かい、
Y軸方向に3/2ピッチ進んだ所で方向変換してX軸方向に向かい、X軸方向に4/2ピッチ進んだ所で方向変換してY軸方向に向かい、
その後、同様にして交互にY軸方向とX軸方向とに方向変換を繰り返しつつ、その度に進行距離を1/2ピッチずつ増加させてゆく形状であり、
さらに、前記第1,第2の角形スロットスパイラル素子は、中央部付近を除く区域の溝幅寸法が一定の値Wであり、かつ、該第1,第2の角形スロットスパイラル素子がスパイラル中心からX軸方向に1/4ピッチ進んだ所で方向変換してY軸方向に向かい、Y軸方向に1/2ピッチ進んだ箇所までの間の溝幅が、前記の寸法Wよりも明確に狭くなっていることを特徴とする角形スロットスパイラルアンテナ。
【請求項6】
請求項5に記載した角形スロットスパイラルアンテナの動作周波数の下限を調整する場合、
第1の角形スロットスパイラルアンテナ素子の中心から先端までの間の途中の箇所、及び第2の角形スロットスパイラルアンテナ素子の上記箇所に対応する箇所に、スロットの対岸を相互に導通させるブリッジを設けることにより、前記双方の角形スロットスパイラルアンテナ素子の電気的長さを短縮して、動作周波数の下限を上昇させることを特徴とする角形スロットスパイラルアンテナの調整方法。
【請求項7】
請求項5に記載した角形スロットスパイラルアンテナの動作周波数の下限を調節する場合、
第1の角形スロットスパイラルアンテナ素子及び第2の角形スロットスパイラルアンテナ素子の開放端に当たる先端部の付近に、予め、スロットの対岸を相互に導通させる仮設の調整用ブリッジを設けておき、上記仮設の調整用ブリッジを除去することにより、前記双方の角形スロットスパイラルアンテナ素子の電気的長さを延ばして、動作周波数の下限を低下させることを特徴とする、角形スロットスパイラルアンテナの調整方法。
【請求項8】
請求項5に記載した角形スロットスパイラルアンテナのインピーダンスを整合させる場合、
前記第1,第2の角形スロットスパイラル素子が角形スパイラルの中心からX軸方向に向けて延出している半ピッチの区間、および、該双方の角形スロットスパイラルアンテナ素子がY軸方向に向かってX軸方向に向けて延出して1/4ピッチ進んだ所で方向変換してY軸方向に向かい、Y軸方向に1/2ピッチ進んだ所までの区間のスロット溝幅を修正して、
スロット溝幅を狭めることによってインピーダンスを減少させ、及び/又は、スロット溝幅を広げることによってインピーダンスを増加させることを特徴とする、角形スロットスパイラルアンテナの調整方法。









【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−28872(P2008−28872A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201268(P2006−201268)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(598177430)峰光電子株式会社 (7)
【出願人】(000229564)日本バルカー工業株式会社 (145)
【出願人】(506253300)黒田電気株式会社 (1)
【Fターム(参考)】