説明

セッション制御システム

【課題】ユーザの操作を必要とすることなく、通話相手、通話時刻、ユーザ位置などの通信属性に応じて通信端末や通信メディアを最適化するセッション制御システムを提供する。
【解決手段】位置管理サーバ11は、各通信端末UEの位置を管理する。プリファレンス管理サーバ12は、各端末ユーザのプリファレンス情報を管理し、各ユーザの現在位置、通信時刻、通信時の暦(曜日、月、祝祭日など)、通信相手などの条件に合致する通信端末や通信メディアを決定する。セッション制御サーバ13はAS(Application Server)として機能し、相互に通信する一方側および他方側で利用される通信端末や通信メディアに応じて通信セッションを制御する。プリファレンス管理サーバ12では、ユーザごとに通信相手、通信時間帯、曜日などの暦、ユーザ位置等の通信属性をプリファレンスの条件として、利用する通信端末および通信メディアが予め定義されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に通信する一方側および他方側のユーザが利用する通信端末や通信メディアを、通信相手、通信時刻あるいは通話時のユーザ位置などの通信属性に応じて最適化するセッション制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、あるユーザが所有する複数の端末の通信セッションを通信中に動的に切り替える方法が開示されている。具体的には、セッション管理サーバをネットワーク上に設置し、通信中のセッション情報を管理する。セッション管理サーバが通信端末からセッション切り替え要求を受信すると、現在のセッション情報と照合することで、通信セッションを切り替えるためのセッション変更情報およびセッション変更情報を通知する通信端末を決定し、当該通信端末にセッション変更情報を通知する。セッション変更情報を受信した端末は、その情報にしたがってセッションの接続先や利用するメディアを変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−237815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術では、セッション切り替えの要求は通信端末からしか行えない。したがって、通信相手、通信時刻、ユーザ位置などの通信属性に応じて最適な通信端末や通信メディアを利用するためには、その都度、ユーザの操作によるセッション切り替え要求の作成およびその送信が必要であった。
【0005】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、端末ユーザの操作を必要とすることなく、通信相手、通信時刻あるいはユーザ位置などの通信属性に応じて通信端末や通信メディアを最適化できるセッション制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、相互に通信する一方側と他方側との間に通信端末および通信メディアに応じたセッションを確立するセッション制御システムにおいて、以下のような手段を講じた点に特徴がある。
【0007】
(1)一方側および他方側の通信属性を管理する通信属性管理手段と、一方側および他方側で通信するユーザのプリファレンス情報を管理し、通信端末および通信メディアを前記通信属性とプリファレンスとの照合結果に基づいて決定するプリファレンス管理手段と、プリファレンス管理手段で決定された通信端末および通信メディアによる通信用のセッションを前記一方側と他方側との間に確立するセッション制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
(2)プリファレンス管理手段は、一方側が他方側に発呼する際に、当該一方側で利用する通信端末および通信メディアを当該一方側の通信属性に基づいて決定することを特徴とする。
【0009】
(3)プリファレンス管理手段は、他方側が一方側から着呼する際に、当該他方側で利用する端末および通信メディアを当該他方側の通信属性に基づいて決定することを特徴とする。
【0010】
(4)プリファレンス管理手段は、一方側と他方側との通信中に、前記一方側の通信属性が変化すると、当該一方側で利用する端末および通信メディアを当該一方側の前記変化した通信属性に基づいて決定することを特徴とする。
【0011】
(5)プリファレンス管理手段およびセッション制御手段は、一方側で利用する端末および通信メディアが当該一方側の通信属性の変化に応じて切り替えられると、他方側で利用する端末および通信メディアを当該他方側の通信属性に応じて切り替えることを特徴とする。
【0012】
(6)プリファレンス管理手段およびセッション制御手段は、一方側で利用する端末および通信メディアを当該一方側の通信属性の変化に応じて切り替える際、当該切り替えの確認要求を他方側へ送信し、当該他方側から確認応答が返信されると切り替えを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
【0014】
(1)相互に通信する一方側および他方側の通信属性に基づいてプリファレンス情報が照合され、プリファレンスの条件を満足する通信端末および通信メディアによる通信を実現するセッション確立やセッション切替がユーザの介在無しに自動的に行われるので、各ユーザは煩雑な操作無しに通信属性に応じて所望の通信端末や通信メディアによる通信が可能になる。
【0015】
(2)発呼時に発側の通信属性に基づいてプリファレンス情報が照合され、プリファレンスの条件を満足する通信端末および通信メディアによる通信を実現するセッションがユーザの介在無しに自動的に確立されるので、各ユーザは煩雑な操作無しに通信の開始時から所望の通信端末および通信メディアによる通信が可能になる。
【0016】
(3)着呼時に着側の通信属性に基づいてプリファレンス情報が照合され、プリファレンスの条件を満足する通信端末および通信メディアによる通信を実現するセッションがユーザの介在無しに自動的に確立されるので、各ユーザは煩雑な操作無しに通信の開始時から所望の通信端末および通信メディアによる通信が可能になる。
【0017】
(4)通信中に通信属性が変化すると、変化した通信属性に基づいてプリファレンス情報が照合され、プリファレンスの条件を満足する通信端末および通信メディアによる通信を実現するセッションへの切り替えがユーザの介在無しに自動的に行われるので、各ユーザは煩雑な操作無しに、通信属性の変化にかかわらず常に所望の通信端末および通信メディアによる通信が可能になる。
【0018】
(5)一方側で利用する端末および通信メディアが当該一方側の通信属性の変化に応じて切り替えられると、他方側で利用する端末および通信メディアが、当該他方側の通信属性および前記要求側の切り替え内容に応じて切り替えられるので、相手端末および自身の通信属性に適した通信端末および通信メディアによる通信が可能になる。
【0019】
(6)一方側で利用する端末および通信メディアを当該一方側の通信属性の変化に応じて切り替える際、切り替えの確認要求が他方側へ送信され、当該他方側から確認応答が返信されるのを待って切り替えが実行されるので、一方側において他方側での対応が不可能な端末および通信メディアへの切り替えが行われてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明が適用されるネットワークの構成を示したブロック図である。
【図2】プリファレンス情報の一例を示した図である。
【図3】本発明の第1実施形態の動作を示したシーケンスフローである。
【図4】本発明の第2実施形態の動作を示したシーケンスフローである。
【図5】本発明の第3実施形態の動作を示したシーケンスフローである。
【図6】本発明の第4実施形態の動作を示したシーケンスフローである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明が適用されるネットワークの構成を示したブロック図である。
【0022】
位置管理サーバ11は、各通信端末UEの現在位置を測位して管理する。プリファレンス管理サーバ12は、各端末ユーザのプリファレンス情報を管理し、各ユーザの現在位置、通信時刻、通信時の暦(曜日、月、祝祭日など)、通信相手といった通信属性を前記プリファレンス情報と照合することで、通信に供する通信端末や通信メディアを決定する。セッション制御サーバ13はAS(Application Server)として機能し、相互に通信する一方側および他方側で利用される通信端末や通信メディアに応じて通信セッションを確立する。本実施形態では、前記ネットワークがIMS(IP Multimedia Subsystem)のSIP網であり、前記位置管理サーバ11、プリファレンス管理サーバ12およびセッション制御サーバ13は、SOAP(Simple Object Access Protocol)を用いて通信を行う。
【0023】
図2は、前記プリファレンス管理サーバ12で管理されるプリファレンス情報の一例を示した図であり、ユーザごとに、通信相手、通信時間帯、曜日などの暦、ユーザ位置等の通信属性をプリファレンスの条件として、当該ユーザが所望する通信端末および通信メディアの組み合わせが予め定義されている。例えばエントリ#1は、通信相手がユーザAであり、通信時間帯が9時〜17時であり、ユーザ位置が自宅であれば、固定電話で音声メディアを送受し、PCでビデオメディアを送受することをユーザが望んでいることを意味している。なお、「操作端末(被要求時)」は、セッション切替要求を相手端末から受信した際に、その受諾または許否の決定操作を行う端末を定義されており、前記エントリ#1では「固定電話」で決定操作することをユーザが望んでいることを意味している。
【0024】
このように、本発明では相互に通信する一方側または他方側における通信相手、通信時間帯、通信時の暦あるいはユーザ位置等の通信属性に基づいて、一方側および他方側の端末ユーザごとに予め登録されているプリファレンス情報が参照され、プリファレンスの条件を満足する通信端末および通信メディアによる通信を実現するセッション確立やセッション切替がユーザの介在無しに自動的に行われる。
【0025】
なお、本実施形態では便宜上、位置管理サーバ11、プリファレンス管理サーバ12およびセッション制御サーバ13が、それぞれ独立したサーバ装置であるものとして説明するが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、3つのサーバ装置の一部または全部の機能が一つのサーバ装置に集約されるようにしても良い。
【実施例1】
【0026】
図3は、相互に通信する一方側から他方側に発呼する際、プリファレンス情報で予め定義されている通信端末や通信メディアを利用して、ユーザの介在無しに自動的にセッションを確立する手順を示したシーケンスフローである。本実施形態では、プリファレンス管理サーバ12に発側ユーザのプリファレンス情報が予め登録されている。
【0027】
ステップS1:発側のユーザ端末(以下、UE:User Equipment)1から着側が発呼されると、IMSのiFC(initial Filter Criteria)などを用いて当該発呼がセッション制御サーバ13に終端される。このとき、発側UE1では利用メディアを指定するための操作は不要である。
【0028】
ステップS2:セッション制御サーバ13が前記発呼に応答して、プリファレンス管理サーバ12へ発側ユーザおよび着側ユーザを通知し、発側ユーザのプリファレンス条件に合致する通信端末および通信メディアの組み合わせを問い合わせる。
【0029】
ステップS3:プリファレンス管理サーバ12が前記問い合わせに応答して、位置管理サーバ11へ発側UE1の現在位置を問い合わせる。
【0030】
ステップS4:位置管理管理サーバ11が前記問い合わせに応答して、発側UE1の現在位置をプリファレンス管理サーバ12へ通知する。
【0031】
ステップS5:プリファレンス管理サーバ12が、着側ユーザ(発側にとっての通話相手)、現在時刻、発側UE1の現在位置等の通信属性をパラメータとして発側ユーザのプリファレンス情報を参照し、当該通信属性の条件に合致する発側の通信端末および通信メディアの組み合わせを決定する。ここでは、発側UE1が音声、UE2がビデオのメディアを担うように決定されたものとして説明を続ける。
【0032】
ステップS6:プリファレンス管理サーバ12が、前記決定された発側端末および通信メディアの組み合わせをセッション制御サーバ13へ通知する。
【0033】
ステップS7:セッション制御サーバ13が、前記決定された通信メディアに関して着側との間にセッションを確立する。
【0034】
ステップS8:セッション制御サーバ13が発側UE1との間に音声通信用のセッションを確立する。
【0035】
ステップS9:セッション制御サーバ13が発側UE2との間にビデオ通信用のセッションを確立する。
【0036】
ステップS10:発側UE2と着側との間でビデオのメディアが送受される。
【0037】
ステップS11:発側UE1と着側との間で音声のメディアが送受される。
【0038】
本実施例1によれば、相互に通信する一方側および他方側の通信属性に基づいてプリファレンス情報が照合され、プリファレンスの条件を満足する通信端末および通信メディアの組み合わせによる通信を実現するセッション確立がユーザの介在無しに自動的に行われるので、各ユーザは煩雑な操作無しに通信属性に応じて所望の通信端末や通信メディアによる通信が可能になる。
【実施例2】
【0039】
図4は、相互に通信する他方側が一方側から着呼した際に、プリファレンスで予め定義されている通信端末や通信メディアを利用してセッションを確立する手順を示したシーケンスフローである。本実施形態では、プリファレンス管理サーバ12に着側ユーザのプリファレンス情報が登録されている。
【0040】
ステップS21:発側からの発呼がIMSのiFCなどを用いてセッション制御サーバ13に終端される。
【0041】
ステップS22: セッション制御サーバ13が前記発呼に応答して、プリファレンス管理サーバ12へ発側ユーザおよび着側ユーザを通知し、着側ユーザのプリファレンス条件に合致する通信端末および通信メディアの組み合わせを問い合わせる。
【0042】
ステップS23:プリファレンス管理サーバ12が前記問い合わせに応答して、位置管理サーバ11へ着側UE3の現在位置を問い合わせる。
【0043】
ステップS24:位置管理サーバ11が前記問い合わせに応答して、着側UE3の現在位置をプリファレンス管理サーバ12へ通知する。
【0044】
ステップS25:プリファレンス管理サーバ12が、発側ユーザ(=着側にとっての通話相手)、現在時刻、着側UE3の現在位置等の通信属性をパラメータとして着側ユーザのプリファレンス情報を参照し、当該通信属性に合致する着側の通信端末および通信メディアの組み合わせを決定する。ここでは、着側UE4が音声、UE3がビデオのメディアを担うように決定されたものとして説明を続ける。
【0045】
ステップS26:プリファレンス管理サーバ12が、前記ステップS25で決定された通信端末および通信メディアの組み合わせをセッション制御サーバ13へ通知する。
【0046】
ステップS27:セッション制御サーバ13が、前記ステップS25で決定、通知された通信メディアに関して着側UE4との間にセッションを確立する。なお、発側の要求した通信メディアと前記ステップS25で決定された通信メディアとが異なる場合には、例えば着側で決定された通信メディアを優先するなどの処理が適宜に行われる。
【0047】
ステップS28:セッション制御サーバ13が着側UE3との間に音声通信用のセッションを確立する。
【0048】
ステップS29:セッション制御サーバ13が、前記決定された通信メディアに関して発側との間にセッションを確立する。
【0049】
ステップS30:発側と着側UE3との間でビデオのメディアが送受される。
【0050】
ステップS31:発側と着側UE4との間で音声のメディアが送受される。
【0051】
本実施例2によれば、着呼時に着側の通信属性に基づいてプリファレンス情報が照合され、プリファレンスの条件を満足する通信端末および通信メディアによる通信を実現するセッションがユーザの介在無しに自動的に確立されるので、各ユーザは煩雑な操作無しに通信の開始時から所望の通信端末および通信メディアによる通信が可能になる。
【実施例3】
【0052】
図5は、通信中または通話中にユーザの位置すなわちユーザ端末の位置が変化したとき、通信端末および/または通信メディアをプリファレンス情報に基づいて自動的に切り替える手順を示したシーケンスフローである。本実施形態では、プリファレンス管理サーバ12に要求側ユーザのプリファレンス情報が予め登録されている。
【0053】
ステップS41:要求側と被要求側との間で通話が開始される。ここでは、要求側UE5のメディアが音声であるものとして説明を続ける。
【0054】
ステップS42:位置管理サーバ11が、要求側UE5の現在位置をプリファレンス管理サーバ12へ通知する。
【0055】
ステップS43:プリファレンス管理サーバ12が、前記位置管理サーバ11から通知された要求側UE5の現在位置を含む通信属性をパラメータとして要求側ユーザのプリファレンス情報を参照し、前記要求側UE5の現在位置に合致する通信端末および通信メディアの組み合わせを決定する。ここでは、要求側ユーザの端末UE6にビデオのメディアを追加する決定がなされたものとして説明を続ける。
【0056】
ステップS44:プリファレンス管理サーバ12がセッション制御サーバ13に対して、ビデオ用の要求側端末をUE6に切り替え、音声用の要求側端末をUE5に切り替えるセッション切り替え要求を行う。
【0057】
ステップS45:セッション制御サーバ13が前記切り替え要求に応答して、被要求側においてビデオ用の相手端末をUE6に切り替え、音声用の相手端末をUE5に切り替えるセッション切り替えを行う。
【0058】
ステップS46:セッション制御サーバ13が要求側UE6との間にセッションを確立する。
【0059】
ステップS47:要求側UE6と被要求側との間でビデオのメディアが送受される。
【0060】
ステップS48:要求側UE5と被要求側との間で音声のメディアが送受される。
【0061】
本実施例3によれば、通信中に通信属性が変化すると、変化した通信属性に基づいてプリファレンス情報が照合され、プリファレンスの条件を満足する通信端末および通信メディアによる通信を実現するセッションへの切り替えがユーザの介在無しに自動的に行われるので、各ユーザは煩雑な操作無しに、通信属性の変化にかかわらず常に所望の通信端末および通信メディアによる通信が可能になる。
【実施例4】
【0062】
図6は、切り替え要求が行われた際に、被要求側において要求の受諾・拒否を行う端末を指定する手順を示したシーケンスフローである。ここでは、要求側と被要求側UE7との間で音声通話が開始されているものとする。また、ステップS61において、要求側またはプリファレンス管理サーバからセッション制御サーバ13へセッションの切り替え要求が行われるまでの手順は上記の各実施形態例と同様なので、その説明は省略する。
【0063】
ステップS61:要求側において、例えば端末の移動等を契機にしてセッションの切り替え要求が発生すると、当該要求側の端末を収容するセッション制御サーバ(図示せず)と被要求側のセッション制御サーバ13とが通信し、前記切り替え要求が被要求側のセッション制御サーバ13に到着する。
【0064】
ステップS62:セッション制御サーバ13が前記切り替え要求に応答して、前記プリファレンス管理サーバ12に対して、被要求側において要求の受諾または拒否を行う制御端末を問い合わせる。
【0065】
ステップS63:プリファレンス管理サーバ12が、前記位置管理サーバ11に対して被要求側の現在位置を問い合わせる。ここでは、被要求側の現在位置を代表できる携帯電話の現在位置が問い合わされる。
【0066】
ステップS64:位置管理サーバ11が前記問い合わせに応答して、被要求側の現在位置をプリファレンス管理サーバ12に通知する。
【0067】
ステップS65:プリファレンス管理サーバ12が、要求側ユーザ(=被要求側にとっての通話相手)、現在時刻、自身の現在位置の条件に合致する被要求側端末および制御端末を決定する。ここでは、被要求側UE7のメディアを音声、UE8のメディアをビデオとし、UE7を制御端末とする結果が応答されたものとして説明を続ける。
【0068】
ステップS66:プリファレンス管理サーバ12がセッション制御サーバ13へ、前記プリファレンス決定の結果を応答する。
【0069】
ステップS67:セッション制御サーバ13が前記制御端末に決定された被要求側UE7に対して、前記ステップS65で決定された端末および/またはメディアに関する切り替えの受諾または拒否の確認を行う。
【0070】
ステップS68:被要求側UE7が切り替えを受諾して確認応答を返信する。なお、前記ステップS67,S68の手順は省略しても良い。
【0071】
ステップS69:セッション制御サーバ13が被要求側UE8に対して新たなセッションの確立を行う。
【0072】
ステップS70:セッション制御サーバ13が要求側のセッションの切り替えを行う。
【0073】
ステップS71:要求側と被要求側UE8との間でビデオのメディアが送受される。
【0074】
ステップS72:要求側と被要求側UE7との間で音声のメディアが送受される。
【0075】
実施例4によれば、要求側で利用する端末および通信メディアが当該要求側の通信属性の変化に応じて切り替えられると、被要求側で利用する端末および通信メディアも、当該被要求側の通信属性および前記要求側の切り替え内容に応じて切り替えられるので、相手端末および自身の通信属性に適した通信端末および通信メディアによる通信が可能になる。
【0076】
さらに、要求側で利用する端末および通信メディアを当該要求側の通信属性の変化に応じて切り替える際、切り替えの確認要求が被要求側へ送信され、当該被要求側から確認応答が返信されるのを待って切り替えが実行されるので、要求側において被要求側での対応が不可能な端末および通信メディアへの切り替えが一方的に行われてしまうことを防止できる。
【符号の説明】
【0077】
11…位置管理サーバ
12…プリファレンス管理サーバ
13…セッション制御サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信する一方側と他方側との間に通信端末および通信メディアに応じたセッションを確立するセッション制御システムにおいて、
前記一方側および他方側の通信属性を管理する通信属性管理手段と、
前記一方側および他方側のユーザのプリファレンス情報を管理し、利用する通信端末および通信メディアを前記通信属性とプリファレンスとの照合結果に基づいて決定するプリファレンス管理手段と、
前記プリファレンス管理手段で決定された通信端末および通信メディアによる通信用のセッションを前記一方側と他方側との間に確立するセッション制御手段とを具備したことを特徴とするセッション制御システム。
【請求項2】
前記プリファレンス管理手段は、前記一方側が他方側に発呼する際に、当該一方側で利用する通信端末および通信メディアを当該一方側の通信属性に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載のセッション制御システム。
【請求項3】
前記プリファレンス管理手段は、前記他方側が一方側から着呼する際に、当該他方側で利用する端末および通信メディアを当該他方側の通信属性に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載のセッション制御システム。
【請求項4】
前記プリファレンス管理手段は、一方側と他方側との通信中に前記一方側の通信属性が変化すると、当該一方側で利用する端末および通信メディアを当該一方側の前記変化した通信属性に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載のセッション制御システム。
【請求項5】
前記プリファレンス管理手段およびセッション制御手段は、前記一方側で利用する端末および通信メディアが当該一方側の通信属性の変化に応じて切り替えられると、前記他方側で利用する端末および通信メディアを当該他方側の通信属性に応じて切り替えることを特徴とする請求項1に記載のセッション制御システム。
【請求項6】
前記プリファレンス管理手段およびセッション制御手段は、前記一方側で利用する端末および通信メディアを当該一方側の通信属性の変化に応じて切り替える際、当該切り替えの確認要求を他方側へ送信し、当該他方側から確認応答が返信されると切り替えを実行することを特徴とする請求項5に記載のセッション制御システム。
【請求項7】
前記通信属性管理手段が一方側および他方側のユーザ位置を管理し、
前記プリファレンス情報が、一方側および他方側のユーザ位置を条件に前記利用する通信端末および通信メディアを定義する情報を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のセッション制御システム。
【請求項8】
前記通信属性管理手段が一方側および他方側の通信相手を管理し、
前記プリファレンス情報が、前記通信相手を条件に前記利用する通信端末および通信メディアを定義する情報を含むことを特徴とする請求項7に記載のセッション制御システム。
【請求項9】
前記通信属性管理手段が一方側および他方側の通信時刻を管理し、
前記プリファレンス情報が、前記通信時刻を条件に前記利用する通信端末および通信メディアを定義する情報を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のセッション制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−155355(P2011−155355A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14152(P2010−14152)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、独立行政法人情報通信研究機構「次世代ネットワーク(NGN)基盤技術の研究開発委託研究/課題イ−1 FMCシームレス制御技術 (1)FMCシームレスサービス制御技術」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(599108264)株式会社KDDI研究所 (233)
【Fターム(参考)】