説明

セミメンブレンタンクの壁部のための自在支持構造

本発明の種々の実施形態は、セミメンブレンタンクの壁部のための支持構造に関連し、より詳しくは熱膨張及び熱収縮が起こるタンクのための自在支持組立体に関連する。本発明の1つの実施形態は、少なくとも1つのタンク壁と、該壁と少なくとも部分的に隣り合う支持構造物と、タンクを支持構造物に連結する連結部材とを備えている。連結部材は、回転することにより、タンクと支持構造物との間の相対的な移動に適応するように構成されている。連結部材は、1つの玉継ぎ手によりタンク壁に連結されるとともに、もう1つの玉継ぎ手により支持構造物に連結されている。これにより、支持構造物に対する相対的なタンク壁の面内移動が実質的に無制限に可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、セミメンブレンタンク(semi-membrane tank)のための支持構造(support arrangement)に関するものであり、とくには熱膨張及び熱収縮が起こるタンクのための自在支持組立体(universal support assembly)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、液化天然ガス(「LNG」)などの液化ガスを貯蔵することができるセミメンブレンタンクの一例を開示している。しかしながら、このような目的をもつセミメンブレンタンクは、自立するのに十分な壁の強度及び剛性が不足しているので、セミメンブレンタンクの壁部からその周囲の構造物へ負荷を伝達するための支持構造物を用いている。この支持構造物は、典型的には、セミメンブレンタンクの壁部に接続された格子状の梁を備えている。そして、格子状の梁は、該格子状の梁を周囲の構造物に接続する支持構造組立体に接続されている。セミメンブレンタンクが船又はその他の格納構造物に搭載されたときには、船の構造物は、支持組立体を接続する周囲の構造物として機能する。液化ガスを輸送又は貯蔵するために低温状態が必要とされるので、セミメンブレンタンクを周囲の構造物から熱的に孤立させために、典型的には、熱伝導性が低い断熱材料又は支持ブロックが用いられる。
【0003】
セミメンブレンタンクが遭遇する温度は、周囲の温度と、液化ガスの非常な低温、例えばLNGの場合は−161℃との間で、劇的に変化する。セミメンブレンタンクが冷却されるときには、この温度変化が、セミメンブレンタンクの材料の熱膨張係数(「CTE」)に応じてセミメンブレンタンクに熱収縮を生じさせる結果となる。セミメンブレンタンクが周囲の構造物に堅固に固定して取り付けられた場合、タンクの温度が変化するときに、熱膨張及び熱収縮は、周囲の構造物に許容できない応力生じさせるであろう。この状態を緩和するために、セミメンブレンタンクと周囲の構造物とを接続する支持組立体は、セミメンブレンタンクとその周囲の構造物との間の相対的な移動を可能にするように構成される。
【0004】
特許文献2は、セミメンブレンタンクの壁部とその周囲の構造物との間の相対的な移動を、互いに直交する2つの方向について可能にする支持組立体を有するLNG用のセミメンブレンタンクのための支持構造を開示している。より詳しく説明すれば、この支持組立体は、直線的な滑動動作において接続要素を受け入れるブラケット及び溝の複雑な集合体を備えている。この支持構造は、第1の方向については溝内における直線的な滑動動作を生じさせ、第2の方向についてはブラケット内における直線的な滑動動作を生じさせる。特許文献2に開示されたLNG用のタンクの水平方向に向く中心線は鉛直方向に支持されているものの、特許文献2に開示された支持組立体は、タンクが、該支持組立体の直線的な滑動形態を用いて鉛直方向及び水平方向に膨張及び収縮を行うことを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,727,492号明細書
【特許文献2】米国特許第6,971,537号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示された支持組立体は、セミメンブレンタンクを覆う断熱物中に埋設されるので、柔軟なブーツ(flexible boot)を各支持組立体のまわりに搭載することを必要とする。この柔軟なブーツは、セミメンブレンタンクを使用する全期間を通して検査及びメンテナンスを行うことを必要とする。このような検査は、典型的にはタンクの断熱物の除去及び交換を必要とするので、そのコストが高くなるといった問題がある。さらに、この支持組立体は、互いに直交する方向に直線的に滑動するだけであるので、平面内における非制限的な移動を実現するためには、支持組立体の各列(row)を、タンクの中心から互いに異なる複数の放射状の経路(radial paths)に沿って搭載することが必要である。支持組立体を接続するセミメンブレンタンクへの支持ブロックの配置はまた、複雑な支持組立体の製造及び搭載を複雑化する。支持組立体が支持ブロックに対して相対的に滑動するので、熱膨張時及び熱収縮時における支持組立体の自由な移動を可能にするために、支持ブロックのまわりの断熱物に間隙(gap)を設けることが必要である。これは、液化ガスの格納システムの熱損失を増加させ、蒸発損の比率(boil-off rate)を増加させることになる。さらに、支持ブロックは、タンクからその周囲の構造物への熱的負荷及び力学的負荷(dynamic load)を伝達させることを必要とするので、装置及び操作が極めて複雑で大がかりなものとなり、設備コストあるいは建設コストが増加することになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施態様は、少なくとも1つのタンクの壁部(wall)と、該壁部と少なくとも部分的に隣り合う(adjacent)支持構造物(support structure)と、タンクを支持構造物に連結する(couple)連結部材(link member)とを備えている。連結部材は、タンクの少なくとも一部分と支持構造物との間の相対的な移動に適応する(accommodate)ように構成されていて(configured)もよい。連結部材は、上記壁部に連結され(coupled)かつ該壁部に対して相対的に回転移動するように構成された第1端部と、支持構造物に連結されかつ該支持構造物に対して相対的に回転移動するように構成された第2端部とを有していてもよい。
【0008】
本発明のもう1つの実施態様は、第1壁部を有するセミメンブレンタンクと少なくとも部分的に隣り合う複数の第1支持部材(support members)と、第1壁部を複数の第1支持部材に連結する複数の第1支持組立体(support assemblies)とを備えている、セミメンブレンタンクのための支持構造物を備えていてもよい。複数の第1支持組立体の各々は、第1壁部に回転可能に連結された第1端部と複数の第1支持部材に回転可能に連結された第2端部とを有する第1連結部材を備えていてもよい。複数の第1支持組立体の各々は、第1壁部の少なくとも一部分と複数の第1支持部材との間の相対的な移動に適応するように構成されていてもよい。
【0009】
本発明のもう1つの実施態様は、第1壁部を有するセミメンブレンタンクと、第1壁部と少なくとも部分的に隣り合う複数の支持部材と、第1壁部を複数の支持部材に連結するよう構成された複数の第1支持組立体とを備えている、液化ガスを貯蔵するための組立体(assembly)を備えていてもよい。複数の第1支持組立体の各々は、第1壁部に回転可能に連結された第1端部と複数の支持部材のうちの少なくとも1つのものに回転可能に連結された第2端部とを有する第1連結部材を備えていてもよい。複数の第1支持組立体の各々は、第1壁部の少なくとも一部分と複数の第1支持部材との間の相対的な回転運動(rotational movement)に適応するよう構成されていてもよい。
【0010】
本発明のもう1つの実施態様は、第1端部及び第2端部を有する連結部材と、連結部材の第1端部に連結されかつセミメンブレンタンクの壁部に連結するよう構成された第1玉継ぎ手(ball and socket joint)と、連結部材の第2端部に連結されかつセミメンブレンタンク支持構造物(semi-membrane support structure)に連結するよう構成された第2玉継ぎ手とを備えていることを特徴とする、タンクの壁部のための支持組立体を備えていてもよい。
【0011】
本発明の実施態様はまた、タンク壁を支持構造物に回転可能に連結する過程と、支持構造物に対して相対的にタンク壁の移動を適応させる(accommodate)過程とを備えている、タンク壁を支持する方法を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの実施形態に係るセミメンブレンタンク及び支持構造物を模式的に示す斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態に係るセミメンブレンタンクの4分の1の部分に対する支持構造物の一例を模式的に示す上面図である。
【図2B】本発明の実施形態に係るセミメンブレンタンクの4分の1の部分に対する支持構造物の一例を模式的に示す側面図である。
【図2C】本発明の実施形態に係るセミメンブレンタンクの4分の1の部分に対する支持構造物の一例を模式的に示す端面図である。
【図3A】本発明の1つの実施形態に係るセミメンブレンタンク及び輸送構造物の一例を模式的に示す図である。
【図3B】本発明の1つの実施形態に係る永久的な構造物に搭載された図3Aに示すセミメンブレンタンク及び輸送構造物の一例を模式的に示す図である。
【図4A】本発明の1つの実施形態に係るセミメンブレンタンク及びその周囲の構造物の一部分を模式的に示す断面図である。
【図4B】本発明のいくつかの実施形態に係る自在支持組立体の一例を模式的に示す図である。
【図5A】本発明の1つの実施形態に係るセミメンブレンタンクの一部分を模式的に示す上面図である。
【図5B】本発明の1つの実施形態に係る補強部材の断面図である。
【図6】本発明の1つの実施形態に係るセミメンブレンタンクの壁部の一部分を模式的に示す平面図である。
【図7】図6のA−A線断面図であり、断熱部を伴ったタンク壁の一部の模式的な断面を示している。
【図8】本発明の1つの実施形態に係る自在支持組立体の模式的な断面図である。
【図9】図8に示す自在支持組立体の模式的な斜視図である。
【図10】本発明の1つの実施形態に係る支持ブロックを上側からみた模式的な平面図である。
【図11】本発明の1つの実施形態に係る保持プレートを上側からみた模式的な平面図である。
【図12】本発明の1つの実施形態に係るもう1つの保持プレートを上側からみた模式的な平面図である。
【図13】本発明の1つの実施形態に係るもう1つの支持ブロック上側からみた模式的な平面図である。
【図14】本発明の1つの実施形態に係る連結部材を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態(embodiments)は、液化天然ガス(「LNG」)などの液化ガスを保留する(hold)ことができるセミメンブレンタンクの壁部(semi-membrane tank wall)とともに用いるための支持組立体(support assemblies)及び支持組立体の配置構造(arrangement)に関するものである。この支持組立体の配置構造は、セミメンブレンタンクにおける内容物の充填又は払い出しに起因する温度変化により、セミメンブレンタンクの壁部の熱膨張及び熱収縮を許容する(allow)よう構成されている。支持組立体は、セミメンブレンタンクとその周囲の支持構造物との間の断熱性を確保しつつ、周囲の支持構造物に対するセミメンブレンタンクの壁部の相対的な移動を許容する(permit)セミメンブレンタンクの壁部のための支持配置構造物(support arrangement)を実現するよう構成されている。
【0014】
図1は、本発明の1つの実施形態に係るセミメンブレンタンク20のための支持構造物10(support arrangement)の一例を模式的に示している。セミメンブレンタンク20は、1つの上壁21(top wall)と、4つの側壁22と、1つの底壁23(図1中には示されていない)とを備えていてもよい。セミメンブレンタンク20はまた、1つの円柱状鉛直コーナー部24(cylindrical vertical corner)と、上側及び下側の円柱状水平コーナー部25(cylindrical horizontal corner)と、球状コーナーキャップ26(spherical corner cap)とを備えていてもよい。セミメンブレンタンク20は、例えば9%ニッケル鋼又はアルミニウム合金「呼称(grade)5083番」などといった種々の金属で製作することができ、上壁21、側壁22及び底壁23は、平坦なパネル(flat panel)で製作することができる。セミメンブレンタンク20はまた、上壁21の中心部又は端部のいずれかに配置されセミメンブレンタンク20における充填及び払い出しを促進することができるパイプ状塔部27(pipe tower)を備えていてもよい。
【0015】
上壁21は、格子状パターンで配置された補強部材30(stiffener)を備えていてもよい。同様に、側壁22は、図1に示すような格子状パターンで配置された補強部材32と格子状パターンで配置された補強部材34とを備えていてもよい。これらの補強部材30、32、34は、後でより詳しく説明するように、「T字形」の部材として形成されてもよい。補強部材30、32、34はまた、上壁21の上の自在支持組立体40(universal support assemblies)と、1つの側壁22の上の自在支持組立体42と、もう1つの側壁22の上の自在支持組立体44とのための取り付け構造物(attachment structure)となる。側壁22はまた、該側壁22の水平方向に向く中心線及び鉛直方向に向く中心線の各々に配置されたアンカー支持組立体46(anchor support assemblies)を備えている。図1中には示されていないが、側壁22の各々は、補強部材及び支持組立体を備えている。
【0016】
後でより詳しく説明するように、自在支持組立体40、42、44は、セミメンブレンタンク20とその周囲の支持構造物との間の相対的な移動ないしは運動を生じさせる。支持組立体46は、中心線に沿っての相対的な移動を許容しつつ、面内及びこれと垂直な支持(in-plane and normal support)を行うアンカー支持具(anchor supports)として構成されていてもよい。例えば、図1中に記載された水平方向に向く中心線上に配置された支持組立体46は、水平方向に向く中心線の伸びる方向に沿う相対的な移動を許容しつつ、鉛直方向の支持と、側壁22に垂直な支持とを実現するよう構成されていてもよい。支持組立体40、42、44、46の複合的な相対移動(combined relative movement)は、セミメンブレンタンク20の熱膨張及び熱収縮に対応する(accommodate)よう構成されていてもよい。図1中に示された支持組立体40、42、44、46及び補強部材30、32、34の配置形態及び数は、セミメンブレンタンク20の寸法及び形状に応じて変更され、あるいは再構成される(reconfigured)ことができるということを理解すべきである。
【0017】
図2A、図2B及び図2Cは、本発明の1つの実施形態に係るセミメンブレンタンク50の4分の1の部分及び該セミメンブレンタンク50の上記4分の1の部分のための支持配置構造物の一例を模式的に示している。図2A、図2B及び図2Cに示すセミメンブレンタンク50は、図1に示すセミメンブレンタンク20よりも大型のセミメンブレンタンクの具体例である。本発明の実施形態に係る支持構造物は、寸法及び形状が異なるセミメンブレンタンクでも用いることができるということを理解すべきである。例えば、図1に示すセミメンブレンタンク20は、容量が225立方メートルである1/4縮尺(1/4 scale)の試験用タンクである。タンクの大きさ(dimension)は、船舶(ship)、浮遊船(floating barge)又はその他の浮遊型又は陸上設置型の支持構造物内に適切に配置する(fit)ために変更されるので、保留容量の範囲は限定されるものではないということを理解すべきである。さらに、図2A〜2Cに示すタンク構造は、実在する寸法の積荷タンク(cargo tank)の容量とほぼ同様である40000mの内容積を有するセミメンブレンタンクに応用される、本発明の実施形態の具体例を示している。図2A〜2Cは、規則正しい角柱形状(regular prismatic shape)を示しているが、全体の保留容積を最大にするために、セミメンブレンタンクを、船舶、浮遊船又はその他の支持構造物に応じた形状及び寸法にしてもよい。
【0018】
図2Aは、セミメンブレンタンク50の4分の1の部分及び複数の補強部材52を上側からみた模式的な平面図である。図2Bは、セミメンブレンタンク50の2分の1の部分及びこれに結合された複数の補強部材54の模式的な側面立面図である。同様に、図2Cは、セミメンブレンタンク50の1つの側部の2分の1の部分及びこれに結合された補強部材56の模式的な端面立面図(end elevation)である。
【0019】
図2Aにおいて、自在支持組立体60(典型的に影付きの円(shaded circle)で示されている)は、典型的には、タンクの負荷に応じて間隔を設けることができる補強部材のための格子状パターンの交差部に配置することができる。同様に、図2Bに示す自在支持組立体62は、補強部材54のための格子状パターンの交差部に配置することができる。さらに、図2Cに示す自在支持組立体64は、補強部材56のための格子状パターンの交差部に配置することができる。
【0020】
図2B及び図2Cに示す支持組立体66(典型的に影付きの四角形(shaded square)で示されている)は、セミメンブレンタンク50の側壁の水平方向に向く中心線に沿って配置してもよい。支持組立体68は、セミメンブレンタンク50の側壁の鉛直方向に向く中心線に沿って配置してもよい。これらの支持組立体66、68は、側壁の面内及び側壁に垂直な方向の支持を行う。例えば、図2B中の水平方向に向く中心線上に配置された支持組立体66は、水平方向におけるタンクの相対的な移動を許容しつつ、鉛直方向における支持及び側壁に垂直な方向の支持を行うように構成してもよい。同様に、当業者であれば、図2B中の鉛直方向に向く中心線上に配置された支持組立体68は、鉛直方向におけるタンクの相対的な移動を許容しつつ、水平方向における支持及び側壁に垂直な方向の支持を行うように構成してもよいということが分かるであろう。図2Cに示す支持組立体66、68についても同様の構造を用いてもよい。後でより詳しく説明するように、支持組立体のための基本構造は、支持組立体60、62、64及び支持組立体(又はアンカーブロック)66、68の両方とともに用いるように構成してもよい。
【0021】
西暦2006年2月14日に出願され、その内容が参照により本願明細書に全面的に組み入れられている米国特許出願第11/353,22号明細書に開示されているように、セミメンブレンタンクを、該セミメンブレンタンクを少なくとも部分的に囲むとともに、構造物を該セミメンブレンタンクの上部又は側部に取り付けられた支持組立体に接続する支持台車(support carriage)に組み付けてもよい。このように組み付けた後、セミメンブレンタンク及び支持台車を移動させ、あるいは予め組み付けられた単一のユニットとして輸送してもよい。図3Aは、包囲支持構造物(surrounding support structure)又は包囲支持台車100(surrounding support carriage)によって包囲された、組み立てられたセミメンブレンタンク70を模式的に示している。図3Aに示すように、セミメンブレンタンク70は、該セミメンブレンタンク70の1つの側部に配置されたパイプ状塔部76を有していてもよい。セミメンブレンタンク70はまた、側壁72と、底壁73と、水平コーナー壁部75と、鉛直コーナー壁部74とを備えていてもよい。セミメンブレンタンク70は、補強部材と支持組立体の配列(array)とによって支持構造物100に接続してもよい(図1、図2A〜2Cにその具体例が示されている)。補強部材及び支持組立体は、包囲支持構造物100が存在するので、図3Aではみえていない。包囲支持構造又は包囲支持台車100は、I字形梁、T字形梁又はその他の構造物で構成することができる。このように組み付けた後、セミメンブレンタンク70及び支持構造物100は、船舶、浮遊船又はその他の構造物内の最終的な装置に輸送してもよい。
【0022】
図3Bは、船舶、浮遊船又はその他の恒久的な保留構造物に属する壁部110に搭載された、組み立てられたセミメンブレンタンク及び支持台車100を模式的に示している。壁部110は、セミメンブレンタンク70及び支持台車100を少なくとも部分的に包囲する横向き(transverse)又は縦向き(longitudinal)の隔壁(bulkhead)を備えていてもよい。構造物110は、液化ガスを保留又は輸送するためのセミメンブレンタンクを保持することが可能なその他の構造物を備えていてもよいということを理解すべきである。例えば、構造物110は、LNGなどの液化ガスを保留又は輸送するよう構成された浮遊船又は陸上に設置された構造物を備えていてもよい。
【0023】
図4Aは、図3Bに示す構造物の一部分の断面を模式的に示している。この構造物は、セミメンブレンタンク70の一部分と、3つの自在支持組立体200と、包囲支持構造物100の一部分と、支持壁110の一部分とを備えている。これらの自在支持組立体200は、一例として、タンク20を包囲支持構造物100に接続する、図1、図2B及び図2C中の側壁の上に示された3つの自在支持組立体を示している。図4Aは、タンク70の側壁72の上に配置され該側壁72に取り付けられた補強部材の配列120(array)を示している。図4Aに示すように、自在支持組立体200は、構造物100を、タンク70を効果的に支持する補強部材120に接続している。また、図4Aに示すように、タンク70は、該タンク70の底壁73に沿うとともに側壁72に沿って配設された一連の断熱パネル130を備えている。この断熱材は、セミメンブレンタンクのあらゆる壁部に配設されているということを理解すべきである。
【0024】
図4Bは、図4A中に示された本発明の実施形態に係る複数の自在支持組立体のうちの
1つのものの具体例を模式的に示している。全体的には、各自在支持組立体200は、留め具240(fastener)を用いてタンク70の補強部材120に取り付けられた支持ブロック205(support block)を備えていてもよい。この組立体は、留め具240を用いて包囲支持構造物100に取り付けられたもう1つの支持ブロック210を備えていてもよい。これらの支持ブロック205、210の各々は、ブロックに機械加工され又は形成され、連結部材230(link member)を受け入れる円形又は部分的に球形の開口部を備えていてもよい。連結部材230は、両ブロック205、210内の開口部にぴったり嵌る(fit)よう構成された複数の球形端部231、232(spherical ball ends)を備えていてもよい。球形端部231を、保持プレート(keeper plate)又は固定プレート215(retainer plate)を用いてブロック205内に保持してもよい。同様に、球形端部232を、保持プレート又は固定プレート220を用いてブロック210内に保持してもよい。本発明の1つの実施形態においては、支持構造物100とタンク補強部材120との間の自在支持組立体200のためのスペースは、およそ400mmであってもよい。自在支持組立体200及び支持構造物100の装置(installation)は、シムが入れられてもよい(shimmed)。
【0025】
タンクが熱膨張及び熱収縮するのに伴って、連結部材230及び球形端部231、232は、支持ブロック205、210内で回転し、タンクの壁部が包囲支持構造物に対して相対的に移動することを可能にする。これらがともに動作するときに、図4A中に示された自在支持組立体200は、タンクの壁部22の膨張及び収縮による実質的に面内での移動を許容するよう動作し、これにより許容されない熱応力の発生を防止し、連結部材230内における軸方向の負荷担持機能(axial load carrying capability)を生じさせる。球形端部231、232は玉継ぎ手構造物(ball and socket arrangement)であるので、自在支持組立体200は、タンク70の壁部の非制限的な面内移動(すなわち360°の面内移動)を許容する。タンクの壁部22の面内移動は、連結部材230の固有の回転移動(inherent rotational movement)のため、タンクの壁部直交する方向における、タンクの壁部22の少しの移動により達成されるということを理解すべきである。当業者であれば、タンクの壁部と直交する方向の移動は、どのような面内移動よりも大幅に少ないということが分かるであろう。
【0026】
タンク20内に保留された液化ガスを低温に維持するために、熱損失を低減すべく支持ブロック205、210の熱伝導度を小さくし、これにより当該保留システム(containment system)に対する特定の蒸発損の比率(specified boil-off rate)を達成することを確実化するようにしてもよい。断熱ブロックとして、ノースカロライナ州ガストニアのロエクリング・ハラン(Roechling Haran)により製造されているリグノストン(Lignostone)などの薄板状の木材(laminated wood material)を用いてもよい。また、支持ブロック205、210のために、種々の複合材料などといった、良好な圧縮強度を有するその他の熱伝導度の低い材料を用いてもよい。連結部材230は、ステンレススチール304Lなどの市販のステンレススチール、又はその他のこのような金属で製作してもよい。ステンレススチール製の連結部材230は、アルミニウムのタンク材料に比べて伝熱係数が小さいので、熱遮断部として機能することができる。留め具240は、その最終的な強度の要求に応じて、ステンレススチール、Kモネル(K-monel)、又は、その他の適切な高強度の留め具材料で製作することができる。
【0027】
図5Aは、2つの側壁72の一部分を伴ったタンク70の円柱状鉛直コーナー部74を模式的に示す図である。図5Aに示すように、複数の補強部材120が、側壁72の外部に取り付けられている。図5Bは、図1、図2A、図2B及び図2Cに示す格子状パターンを形成するT字形の断面(cross section)をもつ補強部材120を示している。鉛直コーナー部74のまわりの自在支持組立体の配置構造を示すために、該自在支持組立体は、格子状パターンの複数の交差部において補強部材120に取り付けている。自在支持組立体200は、交互のパターン又は配置位置で配置してもよいということを理解すべきである。さらに、補強部材120のパターン及び配置位置を変更し又は変化させてもよい。
【0028】
図6は、セミメンブレンタンク70の壁部の一部と、タンク70及び補強部材120に利用することができる断熱材の一部の具体例とを模式的に示す平面図である。図6に示すように、断熱パネル130は、複数の補強部材の上又は間において、自在支持組立体200のブロック205のまわりに配設することができる。断熱パネル130は、蒸発損の比率を許容できる水準に低減するために、タンク20の壁部を覆うよう構成してもよい。断熱パネル130は、自在支持組立体200間の補強部材120を、その全長にわたって覆っている。図6中には示していないが、断熱材(insulation)はタンク70の全体を覆うように構成してもよい。
【0029】
図7は、図6中のA−A線に沿って切断した、タンクの壁部の一部分の断面を模式的に示している。断熱パネル130はタンク70に装着され、タンク70はT字形の複数の補強部材120の頂部の上及び間に断熱パネルの配置部(placement of insulation panels)を備えている。断熱パネル130は、複数の自在支持組立体200間の補強部材120をその全長にわたって覆っている。図6及び図7に示すように、タンクの壁部には支持ブロック205のまわりに間隙(gap)を設ける必要はない。なぜなら、ブロック205と球形端部231とは、タンクの壁部に対して互いに相対的に滑動(slide)しないからである。むしろ、球形端部231は、断熱パネル130の配置を制限することなく、又は断熱材における間隙を必要とすることなく、玉継ぎ手構造の中で回転(rotate)又は旋回する(pivot)。断熱材は、ポリウレタン(polyurethane)又はポリイソシアヌレート(polyisocyanurate)の発泡体パネル(foam panel)で製作してもよく、また例えばタンクの壁部への鋲打ち(shot studs)により固定してもよい。
【0030】
図8は、本発明の1つの実施形態に係る自在支持組立体200の断面を拡大して模式的に示す図である。同様に、図9は、自在支持組立体200の図8と同一の断面を模式的に示す斜視図である。球形端部231、232と、支持ブロック231、232と固定プレート215、220(retainer plate)を組み合わせることによって形成されたソケット(socket)との間に形成された玉継ぎ手構造は、任意の方向の移動を生じさせ、その移動が従来技術で開示されているような溝に沿う滑動運動に制限されることはない。図8及び図9に示すように、固定プレート215、220の開口部の直径は、球形端部231、232の直径よりも小寸法に設定されている。固定プレートにおけるこのような小寸法の開口部は、連結部材の回転を許容するのに十分な間隙(clearance)を伴う寸法とされ、これによりタンク20の制限されない膨張及び収縮に適応する(accommodate)。連結部材とブロックとの間の移動(motion)の範囲には制限がないので、タンクの中心からの移動の半径方向の線(radial lines)に沿って支持ブロックを装着する必要はない。このような配置構造は、タンク構造物及び包囲支持構造物に惹起される応力を低減し、材料の疲労を低減し、タンクの使用可能期間(usable tank life)を増加させる。
【0031】
図10は、例えば他の図中に示された支持ブロック205、210をあらわす(represent)支持ブロック300を上側からみた模式的な平面図である。このブロック300は、留め具240を受け入れるとともに、固定プレート及び支持ブロックをそれぞれの配置位置に固定する貫通穴310(through holes)を備えている。さらに、ブロック300は、開口部ないしは穴部320を備えている。これらのブロック300及び穴部320は。1つの材料ブロックの機械加工により製作し、また単一の要素(unitary element)として形成してもよい。穴部320は、ブロック300の内部に単純な円柱形の穴として形成してもよく、またその底部に、連結部材230の上の球形端部の表面及び形状と整合する(match)部分的な輪郭表面(partial contoured surface)を有していてもよい。
【0032】
図11は、例えば他の図中に示された固定プレート215、220をあらわす(represent)固定プレート400を上側からみた模式的な平面図である。この固定プレート400は、留め具を受け入れるとともに、固定プレート及び支持ブロックをそれぞれの配置位置に固定する貫通穴410(through holes)を備えている。また、固定プレート400は、連結部材230の上の球形端部のための保持機構(retaining mechanism)として機能する穴部ないしは開口部420を備えている。図8及び図9に示すように、固定プレートの下側(underside)は、開口部420のまわりに傾斜縁部(beveled edge)ないしは輪郭表面(contoured surface)を備えていてもよい。開口部420の下側のまわりの輪郭表面は、球形端部の円滑な回転を促進するため、球形端部の寸法及び形状と整合する(match)よう構成してもよい。
【0033】
球形端部231、232の寸法及び形状、さらには穴部ないしは開口部320、420の寸法及び形状は、取り付け(installation)の位置に応じて異なるようにしてもよいが、種々の要素の寸法及び形状は、部品点数(part count)を低減し及び取り付けの複雑さを緩和するために、組み立てられたセミメンブレンタンクの大部分については標準化され(standardized)てもよい。さらに、自在支持組立体は、連結部材の中心部(center section)が開口部420内に滑動することを可能にするのに十分な固定プレート400(点線で示されている)内にスロット(slot)を設けることにより組み付けてもよい。連結部材230が開口部420内に配置された後、固定プレートを支持ブロックに固定し、自在支持組立体の玉継ぎ手構造を形成してもよい。これに代えて、連結部材230の上の球形端部231、232を個別の部品として製作し、固定プレートが連結部材230の上に配置された後に組み立てるようにしてもよい。
【0034】
さらに、前記の玉継ぎ手構造は、図1中の支持組立体46及び図2中の支持組立体66、68などといった、1つの方向のみの相対運動を許容するよう構成された支持組立体又はアンカー支持組立体を用いるために容易に修正することができるということが分かるであろう。図12は、アンカー支持組立体に用いるための固定プレート500を上側からみた模式的な平面図である。自在支持組立体200の上の固定プレートは、図10中に示された支持ブロック300の上に取り付けられた、図12中に示された固定プレート500を備えていてもよいということが分かるであろう。固定プレート500は、1つの方向のみの相対運動を許容する支持組立体をつくる(create)ための、例えば他の図中に示された固定プレート215、220をあらわしている(represent)。全体として、固定プレート500は、留め具を受け入れるとともに、固定プレート及び支持ブロックをそれぞれの配置位置に固定するための貫通穴510を備えていてもよい。しかしながら、固定プレート500は、連結部材230の上の球形端部のための保持機構として機能するとともに、連結部材230の中心部(center section)への案内部(guide)として機能するスロット開口部520を備えていてもよい。スロット開口部520を、該スロット開口部520の幅(W)が連結部材230の中心部の幅又は直径とほぼ同様となるような寸法に形成することにより、スロット開口部520を、該スロット開口部520の長さ(L)の方向において、1つの方向のみの移動を許容するよう構成してもよい。スロット開口部520の寸法及び形状を、予定された可能移動量に応じて変えてもよい。図8又は図9に示されたプレート215、220の内の1つ又は複数のものの上に固定プレート500を配置することにより、支持組立体200を、図1及び図2中の支持組立体46、66、68に関して説明したように、単一方向の支持組立体(unidirectional support assembly)として構成してもよい。固定プレート500は球形端部を有する連結部材とともに用いることができるということを理解すべきである。
【0035】
上記の構成に代えて、支持組立体を、スロット開口部内に滑動するよう構成された円く平坦な端部(rounded flat ends)を有する連結部材と、スロット開口部を有する支持ブロックからの支持組立体とを組み付けることにより、1つの方向のみの相対移動を許容するよう構成してもよい。図13は、単一方向の支持組立体で用いるように構成された支持ブロック600を上側からみた模式的な平面図である。支持ブロック300と同様に、支持ブロック600は、留め具を受け入れるとともに、固定プレート及び支持ブロックをそれぞれの配置位置に固定するための貫通穴610を備えていてもよい。図14は、図13に示された支持ブロック600とともに用いられるよう構成された連結部材700の一例の模式的な斜視図である。連結部材700の円くかつ平坦な端部710、720(rounded and flat ends)は、スロット開口部620内に挿入することができる。端部710、720が円い形状とされているので、連結部材700は、1つの方向にのみ回転することができる。支持ブロック600及び連結部材700は、固定プレート400又は固定プレート500のいずれかとともに用いることができるということを理解すべきである。連結部材700の両方の端部が単一の軸のまわりのみに回転するよう構成されているものの、支持組立体は、連結部材の一方の端部では、(例えば固定プレート400を用いて)自在回転部(universal rotation)を支持するよう構成され、連結部材の他方の端部では、(例えば固定プレート500を用いて)実質的に1つの軸のみのまわりで回転するよう構成されてもよい。
【0036】
本明細書に開示されている支持組立体は、その他のタンク構造とともに用いることができ、またこれと代替的にセミメンブレンタンクの上に構築することができるということを理解すべきである。同様に、支持組立体の寸法、数及び配置は変えることができる。また、セミメンブレンタンク及びその周囲の構造物は、種々の方法を用いて組み付けることができるということを理解すべきである。前記のとおり、本発明の実施形態は、LNGなどの液化ガスを保留又は輸送することができる、船舶、浮遊構造物又はその他の陸上に設置された構造物に用いることができる。
【0037】
本明細書に記載された実施形態は、本発明を実施するための例示である。したがって、これらの実施形態に対して、特許請求の範囲に規定された本発明の技術範囲から離脱することなく種々の修正ないしは変形を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0038】
10 支持構造物、20 セミメンブレンタンク、21 上壁、22 側壁、23 底壁、24 円柱形鉛直コーナー部、25 円柱形水平コーナー部、26 球形コーナーキャップ、27 パイプタワー、30 補強部材、32 補強部材、34 補強部材、40 自在支持組立体、42 自在支持組立体、44 自在支持組立体、46 アンカー支持組立体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの壁部を有するタンクと、
上記壁部と少なくとも部分的に隣り合う支持構造物と、
上記タンクを上記支持構造物に連結する連結部材とを備えていて、
上記連結部材は、上記タンクの少なくとも一部分と上記支持構造物との間の相対的な移動に適応するように構成され、
上記連結部材は、上記壁部に連結されかつ上記壁部に対して相対的に回転移動するように構成された第1端部と、上記支持構造物に連結されかつ上記支持構造物に対して相対的に回転移動するように構成された第2端部とを有していることを特徴とするタンク組立体。
【請求項2】
上記連結部材の上記第1端部は、少なくともその一部分において、上記連結部材と上記壁部との間に第1玉継ぎ手を形成していることを特徴とする、請求項1に記載のタンク組立体。
【請求項3】
上記連結部材の上記第2端部は、少なくともその一部分において、上記連結部材と上記支持構造物との間に第2玉継ぎ手を形成していることを特徴とする、請求項2に記載のタンク組立体。
【請求項4】
上記少なくとも1つの壁部は実質的に水平な壁を含み、
上記連結部材は、上記タンクの上記実質的に水平な壁部の少なくとも一部分に配置された複数の第1連結部材を含み、
上記複数の第1連結部材は、上記実質的に水平な壁部の少なくとも一部分を上記支持構造物に連結するよう構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のタンク組立体。
【請求項5】
上記少なくとも1つの壁部は実質的に鉛直な壁部を含み、
上記連結部材は、上記タンクの上記実質的に鉛直な壁部の少なくとも一部分に配置された複数の第2連結部材を含み、
上記複数の第2連結部材は、上記実質的に鉛直な壁部の少なくとも一部分を上記支持構造物に連結するよう構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のタンク組立体。
【請求項6】
上記連結部材の上記第1端部を上記壁部に連結するT字形の補強部材をさらに備えていることを特徴とする、請求項3に記載のタンク組立体。
【請求項7】
第1壁部を有するセミメンブレンタンクと少なくとも部分的に隣り合う複数の第1支持部材と、
上記第1壁部を上記複数の第1支持部材に連結する複数の第1支持組立体とを備えている、セミメンブレンタンクのための支持構造物であって、
上記複数の第1支持組立体の各々は、上記第1壁部に回転可能に連結された第1端部と上記複数の第1支持部材に回転可能に連結された第2端部とを有する第1連結部材を備えていて、
上記複数の第1支持組立体の各々は、上記第1壁部の少なくとも一部分と上記複数の第1支持部材との間の相対的な移動に適応するように構成されていることを特徴とする支持構造物。
【請求項8】
上記複数の第1支持組立体の各々がさらに、
上記第1壁部に連結され、上記第1連結部材の上記第1端部を受け入れるように構成された第1支持ブロックと、
上記複数の第1支持部材のうちの少なくとも1つのものに連結され、上記第1連結部材の上記第2端部を受け入れるように構成された第2支持ブロックと、
上記第1支持ブロックに連結され、上記第1連結部材の上記第1端部を、上記第1支持ブロックによって画成された第1開口部内に保持するように構成された第1プレートと、
上記第2支持ブロックに連結され、上記第1連結部材の上記第2端部を、上記第2支持ブロックによって画成された第2開口部内に保持するように構成された第2プレートとを備えていることを特徴とする、請求項7に記載の支持構造物。
【請求項9】
上記第1連結部材の上記第1端部は、少なくともその一部分において第1玉継ぎ手を形成し、
上記第1連結部材の上記第2端部は、少なくともその一部分において第2玉継ぎ手を形成していることを特徴とする、請求項8に記載の支持構造物。
【請求項10】
上記第1プレートは、上記第1連結部材の上記第1端部を保持するよう構成された実質的に円形の第1開口部を画成し、
上記第2プレートは、上記第1連結部材の上記第2端部を保持するよう構成された実質的に円形の第2開口部を画成していることを特徴とする、請求項9に記載の支持構造物。
【請求項11】
上記セミメンブレンタンクの第2壁部と少なくとも部分的に隣接する複数の第2支持部材をさらに備えていて、
上記複数の第1支持組立体のうちの少なくとも一部のものは、上記第2壁部を上記複数の第2支持部材に連結するとともに、上記第2壁部の少なくとも一部分と上記複数の第2支持部材との間の相対的な移動に適応するよう構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の支持構造物。
【請求項12】
上記第2壁部を上記複数の第2支持部材に連結するよう構成され、各々が第2連結部材を備えている複数の第2支持組立体をさらに備えていて、
上記第2連結部材は、上記第2壁部に回転可能に連結された第3端部と、上記複数の第2支持部材に回転可能に連結された第4端部とを有し、
上記第2壁部は実質的に鉛直であり、
上記第3端部と上記第4端部のうちの少なくとも一方のものは、実質的に単一の軸のみのまわりでの上記第2連結部材の相対的な回転運動に適応するよう構成されていることを特徴とする、請求項11に記載の支持構造物。
【請求項13】
上記複数の第2支持組立体の各々は、上記第2壁部に連結された上記第3端部を保持するよう構成された第3プレートをさらに備えていて、
上記第3プレートは、上記第2連結部材が実質的に矩形の第1開口部の長手方向に実質的に一直線に並ぶ第1平面内で回転することを可能にするように構成された実質的に矩形の第1開口部を画成していることを特徴とする、請求項12に記載の支持構造物。
【請求項14】
上記複数の第2支持組立体の各々は、上記第4支持ブロックに連結するとともに、上記第2連結部材の第4端部を上記第4ブロックに対して保持するよう構成された第4プレートをさらに備えていて、
上記第4プレートは、上記第2連結部材が実質的に矩形の第2開口部の長手方向に実質的に一直線に並ぶ第2平面内で回転することを可能にするように構成された実質的に矩形の第2開口部を画成していることを特徴とする、請求項12に記載の支持構造物。
【請求項15】
上記複数の第2支持組立体のうちの第1の組立体集合は、実質的に上記第2壁部の水平な中心線に沿って配置されるとともに、実質的に水平な平面内でのみ、上記第2壁部の少なくとも一部分の相対的な運動を可能にするよう構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の支持構造物。
【請求項16】
上記複数の第2支持組立体のうちの第2の組立体集合は、実質的に上記第2壁部の鉛直の中心線に沿って配置されるとともに、実質的に鉛直の平面内でのみ、上記第2壁部の少なくとも一部分の相対的な運動を可能にするよう構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の支持構造物。
【請求項17】
第1壁部を有するセミメンブレンタンクと、
上記第1壁部と少なくとも部分的に隣り合う複数の支持部材と、
上記第1壁部を上記複数の支持部材に連結するよう構成された複数の第1支持組立体とを備えている、液化ガスを貯蔵するための組立体であって、
上記複数の第1支持組立体の各々は、上記第1壁部に回転可能に連結された第1端部と上記複数の支持部材のうちの少なくとも1つのものに回転可能に連結された第2端部とを有する第1連結部材を備えていて、
上記複数の第1支持組立体の各々は、上記第1壁部の少なくとも一部分と上記複数の第1支持部材との間の相対的な回転運動に適応するよう構成されていることを特徴とする組立体。
【請求項18】
上記複数の第1支持組立体の各々はさらに、
上記第1壁部に連結され、上記第1連結部材の上記第1端部を受け入れるよう構成された第1開口部を画成する第1支持ブロックと、
上記支持部材のうちの少なくとも1つのものに連結され、上記第1連結部材の上記第2端部を受け入れるよう構成された第2開口部を画成する第2支持ブロックと、
上記第1連結部材の上記第1端部を上記第1支持ブロック内に保持するように構成された第1プレートと、
上記第1連結部材の上記第2端部を上記第2支持ブロックに対して保持するように構成された第2プレートとを備えていることを特徴とする、請求項17に記載の組立体。
【請求項19】
上記第1連結部材の上記第1端部は、少なくともその一部分において第1玉継ぎ手を形成し、
上記第1連結部材の上記第2端部は、少なくともその一部分において第2玉継ぎ手を形成していることを特徴とする、請求項18に記載の組立体。
【請求項20】
上記セミメンブレンタンクの第2壁部をさらに備えていて、
上記複数の第1支持組立体のうちの少なくとも一部のものは、上記第2壁部を、上記複数の支持部材に連結するとともに、上記第2壁部の少なくとも一部分と上記複数の支持部材との間の相対的な移動に適応するよう構成されていることを特徴とする、請求項19に記載の組立体。
【請求項21】
上記第2壁部を上記複数の支持部材に連結するよう構成された複数の第2支持組立体をさらに備えていて、
上記複数の第2支持組立体の各々は、
上記第2壁部に連結された第3支持ブロックと、
上記複数の第2支持部材のうちの少なくとも1つのものに連結された第4支持ブロック端部と、
上記第3支持ブロックを上記第4支持ブロックに連結するとともに、上記第3支持ブロックに回転可能に連結された第3端部と上記第4支持ブロックに回転可能に連結された第4端部とを有する第2連結部材とを有し、
上記第3端部と上記第4端部のうちの少なくとも一方のものは、実質的に単一の軸のみのまわりでの上記第2連結部材の相対的な回転運動に適応するよう構成されていることを特徴とする、請求項20に記載の組立体。
【請求項22】
上記複数の第2支持組立体の各々は、上記第3支持ブロックに連結するとともに、上記第2連結部材の上記第3端部を上記第3支持ブロック内に保持するよう構成された第3プレートをさらに備えていて、
上記第3プレートは、上記第2連結部材が実質的に矩形の上記第1開口部の長手方向に実質的に一直線に並ぶ第1平面内で回転することを可能にするように構成された実質的に矩形の第1開口部を画成し、
上記第2連結部材の上記第3端部は、実質的に矩形の横断面を備えていることを特徴とする、請求項21に記載の組立体。
【請求項23】
上記複数の第2支持組立体の各々は、上記第4支持ブロックに連結するとともに、上記第2連結部材の上記第4端部を上記第4支持ブロック内に保持するよう構成された第4プレートをさらに備えていて、
上記第4プレートは、上記第2連結部材が実質的に矩形の上記第2開口部の長手方向に実質的に一直線に並ぶ第2平面内で回転することを可能にするように構成された実質的に矩形の第2開口部を画成し、
上記第2連結部材の上記第4端部は、実質的に矩形の横断面を備えていることを特徴とする、請求項21に記載の組立体。
【請求項24】
上記複数の第2支持組立体のうちの第1の組立体集合は、実質的に上記第2壁部の水平な中心線に沿って配置されるとともに、実質的に水平な平面内で、上記第2壁部の少なくとも一部分の相対的な運動を可能にするよう構成されていることを特徴とする、請求項21に記載の組立体。
【請求項25】
上記複数の第2支持組立体のうちの第2の組立体集合は、実質的に上記第2壁部の鉛直の中心線に沿って配置されるとともに、実質的に鉛直の平面内で、上記第2壁部の少なくとも一部分の相対的な運動を可能にするよう構成されていることを特徴とする、請求項24に記載の組立体。
【請求項26】
第1端部及び第2端部を有する連結部材と、
上記連結部材の上記第1端部に連結され、セミメンブレンタンクの壁部に連結するよう構成された第1玉継ぎ手と、
上記連結部材の上記第2端部に連結され、セミメンブレン支持構造物に連結するよう構成された第2玉継ぎ手とを備えていることを特徴とする、タンクの壁部のための支持組立体。
【請求項27】
タンク壁を支持構造物に回転可能に連結する過程と、
上記支持構造物に対して相対的に上記タンク壁の移動を適応させる過程とを備えていることを特徴とするタンク壁を支持する方法。
【請求項28】
上記タンク壁を上記支持構造物に回転可能に連結する上記過程が、
連結部材を上記タンク壁に回転可能に連結する過程と、
上記連結部材を上記支持構造物に回転可能に連結する過程とを有することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記タンク壁の移動を適応させる上記過程が、
上記タンク壁の熱膨張及び熱収縮に適応させる過程を有することを特徴とする、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−521379(P2010−521379A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553572(P2009−553572)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/000641
【国際公開番号】WO2008/115310
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(509258577)ナショナル・スティール・アンド・シップビルディング・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】National Steel and Shipbuilding Company
【Fターム(参考)】