説明

セラミド産生促進剤、皮膚外用剤、及び化粧料

【課題】新規なセラミド産生促進剤、並びにそれを含有する皮膚外用剤及び化粧料を提供する。
【解決手段】リグスティライドを有効成分とするセラミド産生促進剤、並びにそれを含有する皮膚外用剤及び化粧料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なセラミド産生促進剤、ならびにそれを利用した皮膚外用剤及び化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミドは、角層の細胞間に存在するスフィンゴ脂質であり、角質細胞間でセラミドの分子がラメラ構造を形成することで、角層が保湿機能及びバリア機能を発揮できることが知られている。セラミドの産生量の減少は、皮膚の乾燥を招き、美容上のみならず、皮膚の健康を害することになる。従来、セラミド産生促進剤が種々検討され、皮膚外用剤への配合が提案されている。
一方、リグスティライドには、薬物皮膚透過促進効果等の効能があることが知られていて、浴湯剤等の皮膚外用剤に配合することが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−16924号公報
【特許文献2】特許第2839778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によれば、高いセラミド産生促進作用を示す新規な剤、並びにそれを利用した皮膚外用剤及び化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討した結果、リグスティライドに、高いセラミド産生促進作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、前記課題を解決するため、リグスティライドを有効成分とするセラミド産生促進剤を提供する。
また、本発明は、当該セラミド産生促進剤を含有する皮膚外用剤及び化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高いセラミド産生促進作用を示す新規な剤、並びにそれを利用した皮膚外用剤及び化粧料を提供することができる。リグスティライドは、植物から抽出することができる化合物であり、安全性も良好である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明は、リグスティライドを有効成分とするセラミド産生促進剤に関する。リグスティライドは、下記構造のフタリド誘導体である。
【0008】
【化1】

【0009】
リグスティライドは、セリ科センキュウ(Cnidium officinale)、トウキ(Angelica acutiloba)等から得られる精油成分中に含まれる。その他、セリ科植物のアンジェリカ(Angelica archngelica)、スープセロリ(Apium graveolens)等の植物の抽出物中に含まれている。本発明では、これらの植物抽出物から分取、及び精製して調製されたリグスティライドを用いることができる。勿論、化学反応工程を含む方法によって調製されたものを使用することもできる。また、植物抽出物について、分画等の操作によりリグスティライドの濃度を高めたものを使用することも可能である。
【0010】
本発明のセラミド産生促進剤は、皮膚外用剤及び化粧料の成分として利用することができる。本発明のセラミド産生促進剤を含有する皮膚外用剤及び化粧料は、リグスティライドによるセラミド産生作用によって、セラミドの産生量が正常な量に維持され、高い保湿効果及びバリア効果を奏する。皮膚外用剤中の前記リグスティライドの含有量は、固形分として、好ましくは、0.00001〜0.01質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.000035〜0.00035%である。この範囲内であれば、安定に配合することができ、且つ高い肌あれ防止効果を発揮することができる。
【0011】
なお、セラミドは、スフィンゴシン又はその類似塩基のN−アシル誘導体であり、アシル基の鎖長(人体内に存在するセラミドでは、アシル鎖長の分布はC24〜C16程度といわれている)が異なる複数種が存在する。本発明のセラミド産生促進剤は、アシル鎖長によらず、いずれに対しても効果を奏する。特に、C24〜C16の鎖長のN−アシル基を有するセラミドに対して高い促進効果があり、特にC24〜C22の鎖長のN−アシル基を有するセラミドに対しては、低濃度でも高い促進効果を奏する。
【0012】
前記皮膚外用剤及び化粧料は、本発明のセラミド産生促進剤を常法に従い、種々の形態の基剤に配合して製剤化することにより調製できる。更に、前記セラミド産生促進剤を他の薬効剤の一種又は二種以上と組み合わせて配合することによって、セラミド産生促進効果をより高めた、もしくはセラミド産生促進効果とともに他の薬効も奏する皮膚外用剤及び化粧料を調製することができる。他の薬効剤の例には、美白剤、紫外線防御剤、抗菌剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、活性酸素除去剤、及び保湿剤などが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0013】
美白剤の例には、アスコルビン酸又はその誘導体、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、リノール酸、ビタミンE及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、トラネキサム酸、胎盤抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物等が含まれる。
【0014】
紫外線防御剤としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0015】
抗菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0016】
抗炎症剤としては、例えば、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アルテア抽出物、アシタバ抽出物、アルニカ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、オウバク抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ゲンチアナ抽出物等が挙げられる。
【0017】
細胞賦活剤の例には、カフェイン、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン又はその分解物、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、ニンジン抽出物、ローズマリー抽出物、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等が含まれる。
【0018】
活性酸素除去剤は、過酸化脂質生成抑制等の作用を有しており、例えば、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ボタンピ抽出物、ヤシャジツ抽出物、メリッサ抽出物、羅漢果抽出物、レチノール及びその誘導体、カロチノイド等のビタミンA類、チアミンおよびその誘導体、リボフラビンおよびその誘導体、ピリドキシンおよびその誘導体、ニコチン酸およびその誘導体等のビタミンB類、トコフェロール及びその誘導体等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0019】
保湿剤としては、例えば、エラスチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、尿素、リン脂質、セラミド、オウレン抽出物、ショウブ抽出物、ジオウ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ドクダミ抽出物、ハマメリス抽出物、ボダイジュ抽出物、マロニエ抽出物、マルメロ抽出物等が挙げられる。
【0020】
また、前記皮膚外用剤及び化粧料には、本発明のセラミド産生促進剤以外の任意の成分を配合することができる。そのような成分としては、例えば、アミノ酸、脂質、糖、ホルモン、酵素、核酸などの生理活性物質等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。また、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料や医薬部外品、皮膚外用剤等の製造に通常使用される成分、例えば、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物・動物・微生物由来の抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、他のビタミン類等を必要に応じて用いることができる。
【0021】
なお、本明細書において、「皮膚外用剤」の用語は、軟膏等の皮膚に塗布される形態の医薬品に分類される剤を意味するものとし、「化粧料」の用語は、スキンケア用、メイキャップ用、頭髪用等の化粧品(医薬部外品)に分類される剤を意味するものとする。
前記皮膚外用剤及び化粧料は、粉体、固体、乳化物、液体等、いずれの形態であってもよい。化粧料についてより具体的には、本発明の化粧料の例には、パウダー、パウダーファンデーション等の粉体;石けん、リップスティック等の固体;クリーム、乳液、クリームファンデーション等の乳化物;化粧水、美容液等の液体;など、種々の形態の化粧料が含まれる。
【実施例】
【0022】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[例1:リグスティライドの準備]
(Z)-Ligustilide (和光純薬工業製)を使用した。
【0023】
[例2:リグスティライドのセラミド産生促進試験]
クラボウ製の培地(HuMedia-KG2 Ca 0.03 mM)を入れた10cmのシャーレに、正常ヒト表皮角化細胞を播種し、5日間培養後にDMSOに溶解したリグスティライドを終濃度が0.35又は3.5μg/mLになるように添加した。更に3日間培養した後に、再びリグスティライドを0.35又は3.5μg/mLになるように添加し、通常の増殖培地下でオーバーコンフルエント状態になるまで4日間培養した。培養後、PBSで2回洗浄し、スクレーパーを用いて細胞を回収した。
回収した細胞を溶解バッファー(20 mM HEPES pH 7.4, 10 μg/ml protease inhibitor, 1 mM dithiothreitol, 1 mM EDTA, 1 mM sodium orthovanadate, 15 mM sodium fluoride, and 0.5 mM 4-deoxypyridoxine)に溶解し、C17-S1Pを内部標準として加えてBligh & Dyer法で脂質を抽出した。脂質を0.1%のTFAを含む20%アセトニトリルに溶解し、LC−MS/MSでセラミドをアシル鎖長ごとに定量した。以下の表に、結果を示す。なお、下記表中のセラミド産生促進率は、セラミドIIの産生量を基に下記式により算出された値である。

セラミド産生促進率=(リグスティライド添加時のセラミド量)/(DMSO添加時のセラミド量)×100
【0024】
【表1】

【0025】
上記表に示す結果から、リグスティライドは、高いセラミド産生促進作用を示すことが理解できる。
【0026】
[例3:化粧水の調製]
以下の製法により、以下の組成の化粧水を調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(3)、(6)、(7)を混合溶解する。
B.成分(4)、(5)、(8)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0027】
(組成) (%)
(1)リグスティライド*1 0.000035
(2)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2
モノラウリン酸エステル
(3)エチルアルコール 8.0
(4)グリセリン 5.0
(5)1,3−ブチレングリコール 6.5
(6)防腐剤 0.1
(7)香料 適量
(8)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
【0028】
[例4:化粧水の調製]
以下の製法により、以下の組成の化粧水を調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合溶解する。
B.成分(7)〜(10)を混合溶解する。
C.AとBを混合して化粧水を得た。
【0029】
(組成) (%)
(1)リグスティライド*1 0.00035
(2)dl−α−トコフェロール*2 0.05
(3)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
(4)エチルアルコール 15.0
(5)防腐剤 0.1
(6)香料 適量
(7)1,3−ブチレングリコール 4.0
(8)クエン酸 0.1
(9)クエン酸ナトリウム 0.25
(10)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 シグマ社製
【0030】
[例5:化粧水の調製]
以下の製法により、以下の組成の化粧水を調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(5)、(8)を混合溶解する。
B.成分(6)、(7)、(9)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0031】
(組成) (%)
(1)リグスティライド*1 0.0001
(2)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
スルホン酸ナトリウム*2 0.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 1.2
(4)エチルアルコール 8.0
(5)香料 適量
(6)グリセリン 5.0
(7)1,3−ブチレングリコール 6.5
(8)防腐剤 0.1
(9)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 シグマ社製
【0032】
[例6:化粧水の調製]
以下の製法によって、以下の組成の化粧水を調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(3)、(8)、(9)を混合溶解する。
B.成分(4)〜(7)、(10)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0033】
(組成) (%)
(1)リグスティライド*1 0.00005
(2)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2
モノラウリン酸エステル
(3)エチルアルコール 8.0
(4)ヨクイニン抽出物*2 0.2
(5)L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム*3 0.2
(6)グリセリン 5.0
(7)1,3−ブチレングリコール 6.5
(8)防腐剤 0.1
(9)香料 適量
(10)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 丸善製薬社製
*3 日光ケミカルズ社製
【0034】
[例7:乳液の調製]
以下の製法によって、以下の組成の乳液を調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(8)及び(14)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(9)〜(13)及び(16)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(15)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0035】
(組成) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0
モノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット 0.5
テトラオレエート
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル*1 2.0
(8)リグスティライド*2 0.0003
(9)グリチルリチン酸ジカリウム*3 0.1
(10)L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム*4 2.0
(11)カルボキシビニルポリマー 0.1
(12)水酸化ナトリウム 0.05
(13)エチルアルコール 5.0
(14)防腐剤 0.1
(15)香料 適量
(16)精製水 残量
*1 BASF社製
*2 和光純薬工業社製
*3 和光純薬工業社製
*4 日光ケミカルズ社製
【0036】
[例8:乳液の調製]
以下の製法により、以下の組成の乳液を調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(9)及び(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(10)〜(12)及び(15)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
(組成) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0
モノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット 0.5
テトラオレエート
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)リグスティライド*1 0.00035
(8)アスタキサンチン*2 0.01
(9)酢酸トコフェロール*3 0.05
(10)カルボキシビニルポリマー 0.1
(11)水酸化ナトリウム 0.05
(12)エチルアルコール 5.0
(13)防腐剤 0.1
(14)香料 適量
(15)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 シグマ社製
*3 エーザイ社製
【0037】
[例9:乳液の調製]
以下の製法により、以下の組成の乳液を調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(7)及び(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(10)〜(12)及び(15)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(8)、(9)及び(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0038】
(組成) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0
モノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット 0.5
テトラオレエート
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)リグスティライド*1 0.0001
(8)ローズマリー抽出物*2 0.5
(9)緑茶抽出物*3 1.0
(10)カルボキシビニルポリマー 0.1
(11)水酸化ナトリウム 0.05
(12)エチルアルコール 5.0
(13)防腐剤 0.1
(14)香料 適量
(15)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 丸善製薬社製
*3 丸善製薬社製
【0039】
例3〜6の化粧水、例7〜9の乳液はいずれも皮膚に適用することにより、セラミドの産生量が正常な量に維持され、高い保湿効果及びバリア効果を有する美しい肌にするものであった。
【0040】
[例11:パックの調製]
以下の製法により、以下の組成のパックを調製した。
(製法)
A.成分(1)、(3)、(4)及び(10)を混合し、70℃に加熱し、撹拌する。
B.成分(2)、(5)、(8)を混合する。
C.上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(6)、(7)及び(9)を均一に分散してパックを得た。
【0041】
(組成) (%)
(1)ポリビニルアルコール 20.0
(2)エチルアルコール 20.0
(3)グリセリン 5.0
(4)カオリン 6.0
(5)リグスティライド*1 0.00035
(6)ホップ抽出物*2 0.1
(7)シラユリ抽出物*3 0.1
(8)防腐剤 0.2
(9)香料 0.1
(10)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 丸善製薬社製
*3 ガテホッセ社製
【0042】
[例12:パックの調製]
以下の製法により、以下の組成のパックを調製した。
(製法)
A.成分(1)、(3)、及び(10)を混合し、70℃に加熱し、撹拌する。
B.成分(2)、(4)、(5)及び(8)を混合する。
C.上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(6)、(7)及び(9)を均一に分散してパックを得た。
【0043】
(組成) (%)
(1)ポリビニルアルコール 20.0
(2)エチルアルコール 20.0
(3)グリセリン 5.0
(4)カオリン 6.0
(5)リグスティライド*1 0.000035
(6)ヨクイニン抽出物*2 3.0
(7)シソ抽出物*3 1.0
(8)防腐剤 0.2
(9)香料 0.1
(10)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 丸善製薬社製
*3 丸善製薬社製
【0044】
例11及び12のパックは皮膚に適用することにより、セラミドの産生量が正常な量に維持され、高い保湿効果及びバリア効果を有する美しい肌にするものであった。
【0045】
[例13:リキッドファンデーションの調製]
以下の製法により、以下の組成のリキッドファンデーションを調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(5)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B.Aに成分(10)〜(13)を加え、均一に混合する。
C.成分(6)〜(9)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.BにCを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(14)及び(15)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0046】
(組成) (%)
(1)ラノリン 7.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ステアリン酸 2.0
(4)セタノール 1.0
(5)リグスティライド*1 0.0003
(6)グリセリン 5.0
(7)トリエタノールアミン 1.0
(8)カルボキシメチルセルロース 0.7
(9)精製水 残量
(10)マイカ 15.0
(11)タルク 6.0
(12)酸化チタン 3.0
(13)着色顔料 6.0
(14)ユキノシタ抽出物*2 0.05
(15)香料 適量
*1 和光純薬工業社製
*2 一丸ファルコス社製
【0047】
[例14:クリームの調製]
以下の製法により、以下の組成のクリームを調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(8)及び(11)、(13)を70℃にて加熱溶解する。
B.成分(9)〜(10)及び(14)を70℃に加熱する。
C.AをBに加え、冷却する。
D.Cに成分(12)を加え、クリームを得た。
【0048】
(組成) (%)
(1)ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート 2.0
(2)グリセリンモノステアレート(自己乳化型) 5.0
(3)ステアリン酸 5.0
(4)ベヘニルアルコール 0.5
(5)スクワラン 15.0
(6)イソオクタン酸セチル 5.0
(7)ビタミンEリノレート*1 1.5
(8)リグスティライド*2 0.0003
(9)グリチルレチン酸ステアリル*3 0.2
(10)1,3−ブチレングリコール 5.0
(11)4−t−ブチル−4’−メトキシ
−ジベンゾイルメタン*4 7.5
(12)香料 適量
(13)防腐剤 0.1
(14)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 和光純薬工業社製
*3 和光純薬工業社製
*4 ジボダン社製
【0049】
[例15:クリームの調製]
以下の製法により、以下の組成のクリームを調製した。
(製法)
A.成分(1)〜(6)及び(8)、(12)を70℃にて加熱溶解する。
B.成分(7)、(10)及び(13)を70℃に加熱する。
C.AをBに加え、冷却する。
D.Cに成分(9)及び(11)を加え、クリームを得た。
【0050】
(組成) (%)
(1)ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート 2.0
(2)グリセリンモノステアレート(自己乳化型) 5.0
(3)ステアリン酸 5.0
(4)ベヘニルアルコール 0.5
(5)スクワラン 15.0
(6)イソオクタン酸セチル 5.0
(7)1,3−ブチレングリコール 5.0
(8)リグスティライド*1 0.0003
(9)キウイ抽出物*2 0.5
(10)塩酸ピリドキシン*3 0.1
(11)香料 適量
(12)防腐剤 0.1
(13)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 一丸ファルコス社製
*3 シグマ社製
【0051】
例13のリキッドファンデーション、ならびに例14及び15のクリームは、いずれも皮膚に適用することにより、セラミドの産生量が正常な量に維持され、高い保湿効果及びバリア効果を有する美しい肌にするものであった。
【0052】
[例16:軟膏剤の調製]
以下の製法により、以下の軟膏剤を調製した。
(製法)
A.下記成分(3)、(4)および(9)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B.下記成分(1)、(2)、(6)〜(8)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AにBを徐々に加え、これを冷却しながら成分(9)の残部で溶解した(5)を加え、軟膏剤を得た。
【0053】
(組成) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)トリエタノールアミン 2.0
(4)グリセリン 5.0
(5)グリチルリチン酸ジカリウム*1 0.5
(6)リグスティライド*2 0.01
(7)酢酸dl−α−トコフェロール*3 0.2
(8)防腐剤 0.1
(9)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
*2 和光純薬工業社製
*3 エーザイ社製
【0054】
[例17:ローション剤の調製]
以下の製法により、以下のローション剤を調製した。
(製法)
A.成分(3)〜(6)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(7)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、ローション剤を得た。
【0055】
(組成) (%)
(1)グリセリン 5.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 1.2
(4)エチルアルコール 8.0
(5)リグスティライド*1 0.00035
(6)防腐剤 0.1
(7)精製水 残量
*1 和光純薬工業社製
【0056】
例16の軟膏剤、ならびに例17のローション剤は、いずれも皮膚に適用することにより、セラミドの産生量が正常な量に維持され、高い肌荒れ改善効果を有するものであった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明によれば、安全性が良好な、新規なセラミド産生促進剤を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグスティライドを有効成分とするセラミド産生促進剤。
【請求項2】
請求項1に記載のセラミド産生促進剤を含有する皮膚外用剤。
【請求項3】
請求項1に記載のセラミド産生促進剤を含有する化粧料。

【公開番号】特開2010−195740(P2010−195740A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45272(P2009−45272)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】