セルフ・クローズ式流体用容器
液体用容器上の容易に壊せる封止部を取り除くことによって生じる開口部を閉鎖するための装置であって、開口部を部分的に覆うか、あるいは覆うように配置された栓と、栓に取り付けられた一端部を有し、開口部に対する力を栓に作用させるための細長いアームと、容器の壁の対向する両側面に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジと、を備えている。接続ラインは栓に固定された第1の端部とブリッジに固定された第2の端部とを有する。開口部は、2つの端部でブリッジの中央部に向かう力を印加し、接続ラインを介して開口部から離れるようにブリッジが栓を引っ張ることによって開口する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2005年6月27日に出願された米国特許出願シリアルNo.11/167,859の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は容器に関し、特に、流体を保持し、容器開口部を自動的に塞ぐセルフ・クローズ式(self−closing)の栓を有する容器に関する。
【背景技術】
【0003】
炭酸飲料あるいは炭酸以外の飲料およびその他の液体等の液体を保持するための容器は、一般に、アルミおよび/または同様の材料からなる缶の形で提供される。そのような容器の利用は、通常は缶の上部にある封止部に穴を開けることによって行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような従来の缶では、一旦開けてしまうと容器を再び封止することはできない。従って、開封された缶では、こぼれたり、(内容物が炭酸である場合は)炭酸の気が抜けたりすることが非常によくある。雑菌の混入または風味の損失を防ぐために開口部を閉じておくための容易に使用可能な手段もないので、その後の使用のために容器の内容物を保管しておくこともできない。したがって、各人は、開封した後に比較的短い時間で容器の内容物を全部消費してしまうか、あるいは残った内容物を捨てるしかない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液体用容器上の容易に壊せる封止部を取り除くことによってできる開口部を塞ぐための装置に関する。この装置は、開口部を部分的に覆うか、あるいは覆うように配置された栓と、栓に取り付けられた一端部を有し開口部に対する力を栓に作用させるための細長いアームと、容器の壁の対向する両側に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジとを備えている。接続ラインは、栓に固定された第1の端部およびブリッジに固定された第2の端部を有する。開口部は、ブリッジの両端部から中央部に向けて力を印加し、接続ラインを介して開口部から離れるようにブリッジが栓を引っ張ることによって開口される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
広く言えば、本発明は、容器内部の液体の流出および液体が炭酸の場合には炭酸の気抜けを防止するための装置に関する。装置は容器の内部に設けられ、容器の開口部を覆う栓を有するアームを備えている。アームは、栓に接続された接続ラインも有するブリッジに取り付けられる。容器を開口するには、容器の両側を各人の複数の指で押す。これによりブリッジが下向きに曲げられるか、または拡げられて、接続ラインを介して開口部から離れるように栓を引っ張る。開口部を閉じるには、容器にかかっている圧力を解除することによって、容器が元の形状を維持することができ、アームが開口部に対して栓を押し当てることが可能となる。
【0007】
ここで図1を参照して、一実施例による本発明は、容器10と、容器の内部14に設けられ、容器の最上部18の開口部16(図7に最も良く図示される)を自動的に封止するための封止機構12とを有する。一実施例において、容器10は、例えば、炭酸飲料、フルーツジュース、ビール、お茶、またはスポーツドリンクなどの内容物を保持するための金属の缶、好ましくはアルミ缶である。容器10は、水薬あるいは、例えばモーター・オイルまたはトランスミッション・オイルなどの他の液体を保持することもできる。容器10は、外部からの力が印加されない時にはその形状を保つプラスチックなどの材料から形成されることもできる。アルミ缶またはプラスチックの容器10は、少なくとも容器の中央部20に向けて十分な可撓性を有しているので、内向きに圧力をかける外部からの力が容器の側面22に作用すると内向きに変形し、変形させる力が取り除かれると、本来の形状に戻る。
【0008】
図2を参照して、容器10の最上部18は実質的に平面であり、分割プレート24を有する。分割プレート24は、プレートに取り付けられたプルタブ26によって取り除かれることが可能であり、容器の最上部18上でほぼ平坦となるように構成される。プレート24を取り除くためには、プレート24から遠い方のプルタブ26の端部を容器10の最上部18から持ち上げ、プレート24を旋回させ、切り込み線28で容器から切り離す。このようにして、開口部16がプレート24のほぼ楕円の形で作り出される。プルタブ26およびプレート24は容器10から一旦分離されると、廃棄される。
【0009】
図1および図3に示すように、封止機構12は、およそ開口部16の輪郭である栓30を有する。栓30は、開口部16の全域を完全に覆うように開口部よりもわずかに大きくなっている。栓30は、開口部16をより良く封止するために上部からみたときに実質的に平面であるか、あるいは、凸となることができる。そして、栓30は、開口部16をより良く封止するためにわずかに柔軟性のあるプラスチックなどの材料から形成される。
【0010】
一実施例において、封止用リングまたはパッキン(gasket)32が、開口部16と対向する栓30の上面33に接着される。封止用リング32は開口部16と同じ形状をしており、開口部16を囲むために十分なサイズを有する。封止用リング32は栓30の材料よりも柔らかなプラスチック材料で作られるので、開口部に対して栓30が押し付けられたときに、開口部16の回りに液体および気体を実質的に通さない封止を提供することができる。封止用リングまたはパッキン32は、開口部16の回りに実質的に堅固な流体封止を提供することができれば、ゴムあるいはその他の適度な柔らかさの材料から形成されることもできる。
【0011】
栓30は細長いアーム34の一端に取り付けられ、アーム34は他端で容器10の一方の側38から反対側40までの内部14に渡って延設されるブリッジ36に取り付けられる。一実施例において、栓30、アーム34、およびブリッジ36は、単一のプラスチック部分品として一体に成形される。これらのパーツを別々に形成した後に、例えば、接着剤や熱溶接法によって一体化させてもよい。栓30、アーム34およびブリッジ36の他の適切な材料には、プラスチックに包まれた金属も含まれる。
【0012】
アーム34は、開口部16に対する力を栓30に作用させるために可撓性を有し、容器10内に配置される。さらに具体的には、アーム34は、図1に示すように、ブリッジ36へ向けて曲がっているので、容器10の最上部18の内側に対して押し当たるようになっている。アーム34の厚さは、ブリッジ36に取り付けられた一端から栓30に向けて徐々に薄くなっており、アーム34がさらに撓みやすくなっている。
【0013】
図4に示すように、ブリッジ36の各端部42は、支柱44に固定して取り付けされている。支柱44は、中央部20付近の容器10の内壁から突き出ている。支柱44のそれぞれは、上部および底部から見るとほぼ矩形を有しており、ブリッジ36の両端部42に形成される空洞45に嵌め合うようにそれぞれ挿入される。一実施例において、支柱44は容器10自身と一体化されており、容器を製造する工程中に、容器の側面22を内向きに押圧する、またはパンチングすることによって形成される。また、支柱44は、容器10の両側38、40に溶接されるか、あるいはリベットでとめることもできる(図1に最も良く示される)。
【0014】
図1および図4に示すように、ブリッジ36は各端部42にパッド46を有しており、端部42の面積を拡げる構造となっている。このように、ブリッジ36の端部42は、封止機構12を操作するために、以下に説明するように容易に接触可能となっている。ブリッジ36は、2つの両端部42からおよそ中央のポイント48にヒンジ部50も有している。ヒンジ部50でのブリッジの厚さはブリッジの他の部分よりも薄くなっており、ヒンジ部の厚さを薄くするために端部42から徐々に細くなっている。また、ブリッジ36が端部42よりもヒンジ部50でわずかに低くなるように、ブリッジ36はヒンジ部50に向けてわずかな角度を持って延びている。この構成によって、容器の両側38、40がパッド46で押されたとき、ブリッジ36は、容器10の底部52に向かって、つまり、開口部16から離れるようにヒンジ部50で曲がることが可能となる。
【0015】
他の実施例では、図5に示すように、ヒンジ部50は、ブリッジの幅に亘って延設されるスリット54を有する。スリット54の幅および深さは、ブリッジ36の対向する両端部42からヒンジ部に向けて力が作用したときに、ブリッジ36がヒンジ部50で曲がること、あるいは撓むことを補助するために十分な幅と深さである。
【0016】
図1を再び参照して、封止機構12は、一端を栓30に固定され、他端をブリッジ36のヒンジ部50付近に固定された接続ライン56も有する。一実施例において、接続ライン56は、アーム34によって生じる張力に対抗して開口部16から離れるように栓30を引くために十分な引っ張り強さを有するプラスチックまたはナイロンである。一実施例において、接続ライン56は、栓30およびブリッジ36と一体化されており、栓30、アーム34、ブリッジ36、およびパッド46と一緒に成形プロセスにおいて同時に形成される。また、接続ライン56は、封止機構12の他の部品とは異なる工程で、栓30およびブリッジ36に接着剤で付けられるか、他の方法で取り付けられるか、あるいは接続されてもよい。
【0017】
さらに他の実施例において、図6を参照して、接続ライン56の2つの端部はそれぞれ、一体的に形成された球58となっている。接続ライン56の一方の端部の球58は、開口部16に向き合う表面33に対向する側で栓30の表面から突出するアンカー59に固定されている。他方の球58は、ヒンジ部50近くのブリッジ36から突出するアンカー60に固定されている。アンカー59、60のそれぞれは、カップ61を有しており、カップ61は、カップのリップ部から底部まで延びるスリット62を有している。スリット62によって、2つの球58は2つのカップ61内に受け止められ、それによって、接続ライン56が2つのアンカー59、60に接続される。
【0018】
接続ライン56の長さは、ブリッジ36がヒンジ部50で曲げられていないときに、栓30が開口部16に対して押し上げられることができる長さとなっている。好ましくは、接続ライン56は、ブリッジ36がヒンジ部50で曲げられていないときに、わずかな弛みを有する。このようにすれば、容器10の意図的でない変形、または不測の変形によりヒンジ部50でわずかに曲がって、ヒンジ部が下向きに曲がり、栓30を開口部から離れる方向に引っ張る場合でも、栓30は開口部16に対して閉鎖位置に維持される。
【0019】
図1、図7および図8を参照して、操作時には、封止機構12は、容器10が未開封であるとき、切り込み線の入ったプレート24に栓30が上向きに押し付けられた位置にあるように示されている。言い換えると、プレート24は容器10の最上部18にまだ取り付けられたままであり、引き外されてはいない(図1に図示)。プレート24がプルタブ26を用いて容器10の最上部18から取り外されると(図2参照)、栓30はアーム34によって開口部16に対して上向きに押し付けられるか、あるいは押し上げられる、つまり、閉鎖位置にある(図7に図示)。容器10が開封されると、封止機構12は、自動的に栓30を閉鎖位置に保つ。
【0020】
封止機構12を開口位置にして、容器10の内容物64を開口部16を通して放出するためには、容器10の両側面22が、親指と一本の指(または複数本の指)を用いてパッド46で内向きに押される(図8の矢印Aに示される)。これにより、ブリッジ36はヒンジ部50で容器10の底部52に向かって下向きに曲げられる(矢印Bに示される)。ヒンジ部50の下向きの動きの距離は容器10の両側面22の内方向への変形にほぼ相当する。ヒンジ部50の下向きの動きは接続ライン56を介して栓30へ伝わり、これによって、開口部16から離れる栓の対応する下向きの動き(矢印Cに示される)が起こり、栓30と開口部との間に隙間が作られる。こうして、容器10の内容物64を開口部16を通して外に出すことができる。
【0021】
封止機構12を再び閉鎖位置に戻すには、パッド46から親指と一本の指(複数本の指)を離すことによって、あるいは、変形される以前の状態に戻るように容器10の両側面22が緩むことができるまで圧力を十分に解放することによって、容器10の両側面22での内向きの圧力を取り除く。ブリッジ36の内在的記憶によって、および、より小さい程度では、容器10の可撓性または記憶によって、容器の両側面22は内向きの圧力が印加される前の元の形状に戻ることができる。すなわち、ブリッジ36はヒンジ部50でまっすぐになり(矢印Bとは反対の方向)、両側面22に圧力を印加する以前の位置に戻る。接続ライン56にかかる張力を取り除くことによって、アーム34はブリッジ36から離れ容器10の最上部18へ向けて曲がることが可能となる(図7の矢印Dに示す)。ここで、栓30は、アーム34によって与えられる張力で開口部16を覆う位置に再び戻る。容器10の内容物64が炭酸飲料である場合には、例えば、ガスによって生じる圧力も開口部16に対して栓30を確実に押し付ける助力となる。
【0022】
図9および図10を参照して、本発明の他の実施例による封止機構66は、ほぼ楕円形または長円形のブリッジ68を備えている。一実施例においてブリッジ68の断面も楕円形または長円形である。しかしながら、例えば円形など他の形状の断面も用いることができる。ブリッジ68の最も長い直径の2つの両端部70は、以下にさらに説明するように、ブリッジ68を操作するための面積を拡げるための、パッド46と同様のパッド72を有する。
【0023】
図11および図12を参照して、ブリッジ68の2つの端部70は、上述したように、支柱44を用いて容器10の内壁の中央部20付近に取り付けられる。したがって、ブリッジ68の各端部70は、支柱44を嵌合するように受け入れ、容器10にブリッジをしっかりと固定するための空洞74も有している。
【0024】
図13を参照して、上述したアーム34と構造および機能が同等のアーム76が、その一端部で、ブリッジ68の近い方の一端部70に取り付けられる。栓78は、容器10の開口部16を封止するために、アーム76の他方の端部に取り付けられる。栓30と同様に、栓78も、開口部16の面積を完全に覆うことができるように、開口部よりもわずかに大きくなっている。栓78はまた、開口部16に対向する表面上に封止用リングまたはパッキン(gasket)80を有する(図10に最も良く示される)。封止用リング80は、開口部16を囲み、栓78が開口部16に押し付けられたときに開口部の回りを封止するような形状およびサイズを有している。
【0025】
ブリッジ68は、一対の筋交い82、84をさらに有する。それらは、2つの端部70からのおよそ中間点に形成され、互いに向けて内側に延びている。筋交い82、84はそれぞれ、互いに対向する側に設けられた出っ張り部86を有し、両筋交いの出っ張り部86には孔88が設けられるので、筋交いが出っ張り部で互いに係合し、孔部が互いに揃った状態となる。一実施例において、筋交い82、84は、ほぼ矩形の断面を有する。しかしながら、例えば円形または長円形などの他の形状も用いることができる。
【0026】
一実施例において、ブリッジ68、アーム76、栓78、および筋交い82、84は、製造を容易にするために、単一の一体化された部分品としてプラスチックから一緒に形成または成形される。封止機構66のこれらの部品は、別々に形成されてから、いずれかの公知の方法で互いに取り付けまたは貼り付けられることもできる。栓78、アーム76、およびブリッジ68の他の適切な材料には、プラスチックに包まれた金属がある。
【0027】
上述した接続ライン56と同様に、接続ライン90が、一端を栓78に、他端をブリッジ68に接続されており、両筋交い82、84の出っ張り部86の孔88を通り抜けている。接続ライン90は、アーム76によって生じる容器10の最上部18に向かう力に対抗して、開口部16から離れるように栓78を引っ張るために十分な引っ張り強度を有するプラスチックまたはナイロンとすることもできる。接続ライン90の長さは、閉鎖位置では栓78が開口部16に対して押し上げることができる長さとなっている。好ましくは、栓78が開口部16に当たる位置にあるときに、接続ライン90はわずかな弛みを有する。このように、容器10の意図的でない変形または不測の変形により、開口部から栓78が離れるように引っ張られる場合にでも、以下にさらに詳細に説明するように、栓78は開口部16に対して閉鎖位置に維持される。
【0028】
図6を再び参照して、接続ライン56の実施例と同様に、一実施例における接続ライン90の2つの両端には一体的に形成された球92がある。接続ライン90の一端にある球92は、開口部16と向き合う表面に対向する側で栓78の表面から突き出るアンカー94に固定され、他方の球92は筋交い82、84のうち一方の近くでブリッジ68から突き出るアンカー96に固定される(図13では筋交い82の近くに示される)。アンカー94、96のそれぞれは、カップ98を有しており、カップ98にはカップの口部から底部に向けて延びるスリット100を有する。スリット100によって、2つの球92は2つのカップ98内に受け入れられ、接続ライン90と2つのアンカー94、96とが接続されることができる。
【0029】
他の実施例において、接続ライン90は栓78およびブリッジ68と一体化されており、成形プロセスにおいて栓78、アーム76、ブリッジ68およびパッド72と共に同時に形成される。接続ライン90は、封止機構66の他の部品とは異なる工程において、栓78およびブリッジ68に接着剤で付けられるか、他の方法で取り付けられるか、あるいは接続されてもよい。
【0030】
図9、図14、および図15を参照して、操作時には、容器10が未開封であるときには、封止機構66は栓78が切り込み線の入ったプレート24に上向きに押し付けられた位置にある(図2に最もよく示される)。言い換えると、プレート24は容器10の最上部18にまだ取り付けられており、引き外されてはいない。プレート24がプルタブ26を用いて容器12から取り外されると、栓78はアーム76によって開口部16に対して上向きに押し付けられるか、押し上げられる、つまり、図9に示す閉鎖位置となる。容器10が開封されると、封止機構66は自動的に栓78を閉鎖位置に保つ。
【0031】
封止機構66を開口位置にして容器10の内容物64が開口部16を通して放出されるようにするには、容器10の側面22をブリッジ68の2つのパッド72で内側に(矢印Dに示されるように)押す。これにより、ブリッジ68は筋交い82、84が設けられたブリッジのほぼ中央で外側に(矢印Eに示すように)拡がり、これによって、孔88と共に両筋交いが互いに離間される。
【0032】
筋交い82、84の孔88が離間すると、接続ライン90がブリッジ68上のアンカー96に向けて(矢印Fに示される方向に)引っ張られ、これによって容器10の開口部16から栓78が引き離され(矢印Gに示される方向に)、栓78と開口部16との間に間隙が生じる。このようにして、容器10の内容物64を開口部16から出すことができる。
【0033】
2つの孔88を離間させる距離は、容器10の側面22の内向きの変形にほぼ相当し、栓78の下側への移動量よりもわずかに長くなっている(封止機構66が閉鎖位置にあるときに接続ライン90にわずかな弛みがある場合)。封止機構66の操作には、ブリッジ68の中央部が外向きに拡がることが必要なので、筋交い82、84が設けられているブリッジの直径は、容器10の内側14と接触する前、あるいは接触と同時に機構が開口位置となるために十分な量だけブリッジが筋交いの所で拡張できるようにすべきである。
【0034】
封止機構66を再び閉鎖位置にするためには、容器10の側面22での内向きの圧力を、親指および一本の指(または複数本の指)をパッド46から完全に離すか、あるいは容器10の側面22が変形する前の状態に戻ることができるために十分な程度離す。ブリッジ68の内在的記憶によって、および、より小さい程度では、容器10の可撓性または記憶によって、容器の側面22は圧力を印加される前の元の形状に戻ることができる。ブリッジ68は、容器10の側面22に圧力が印加される以前の元の楕円形状に戻る。接続ライン90の張力を取り除くことによって、アーム76はブリッジ68から離れる方向に、つまり容器の最上部18に向かって曲がり、こうして、アーム76によって与えられる張力で栓78は再び開口部16を覆う位置に戻る。容器10の内容物64が炭酸飲料の場合は、例えば、ガスによって生じる圧力も開口部16に対して栓78をしっかりと押さえ付ける助力となる。
【0035】
閉鎖位置において、封止機構12または66の栓30または78が容器10の開口部16を自動的に密閉するので、例えば、容器が振られた場合でも、あるいは容器がひっくり返された場合でさえも、内容物64は開口部から出ることはできないのはもちろんである。開口位置では、内容物64は、必要に応じて開口部16から注ぎ出されることができる。容器10の内容物64が炭酸飲料である場合には、例えば、封止機構12または66は、炭酸またはガスが開口部から逃げるのを防ぐので、容器が開けられた後でも、飲料の炭酸化作用が保たれることができる。
【0036】
本発明の様々な実施例を図示し説明してきたが、他の変形、置換え、代替も当業者には明らかであることはもちろんである。そのような変形、置換え、代替は、本発明の精神および範囲から離れることなくなされることができ、添付の請求の範囲から定められるべきである。
【0037】
本発明の様々な特徴は添付の請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】容器の内部に設けられた、本発明の一実施例による封止機構の側面図である。
【図2】本発明の一実施例による、図1に示す容器の上面図である。
【図3】図1の封止機構の上面図である。
【図4】容器の側へのブリッジの取り付け方を説明するために、封止機構のブリッジの一部を示す断面図である。
【図5】封止機構のブリッジのヒンジ部の他の実施例を示す図である。
【図6】封止機構における接続ラインを固定するための一実施例を示す図である。
【図7】閉鎖位置にある図1の封止機構を示す図である。
【図8】開口位置にある図2の封止機構を示す図である。
【図9】容器の内部に設けられた、本発明の他の実施例による封止機構の斜視図である。
【図10】図9に示す封止機構の上面図である。
【図11】容器の側へのブリッジの取り付け方を説明するために、図10に示す封止機構のブリッジの一部を示す上部断面図である。
【図12】は、容器の側へのブリッジの取り付け方を説明するために、図10に示す封止機構のブリッジの一部を示す側部断面図である。
【図13】図9の封止機構の斜視図であり、容器は図示しない。
【図14】図9の封止機構の開口操作を説明する図である。
【図15】図9の封止機構の開口操作を説明する図である。
【技術分野】
【0001】
本願は2005年6月27日に出願された米国特許出願シリアルNo.11/167,859の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は容器に関し、特に、流体を保持し、容器開口部を自動的に塞ぐセルフ・クローズ式(self−closing)の栓を有する容器に関する。
【背景技術】
【0003】
炭酸飲料あるいは炭酸以外の飲料およびその他の液体等の液体を保持するための容器は、一般に、アルミおよび/または同様の材料からなる缶の形で提供される。そのような容器の利用は、通常は缶の上部にある封止部に穴を開けることによって行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような従来の缶では、一旦開けてしまうと容器を再び封止することはできない。従って、開封された缶では、こぼれたり、(内容物が炭酸である場合は)炭酸の気が抜けたりすることが非常によくある。雑菌の混入または風味の損失を防ぐために開口部を閉じておくための容易に使用可能な手段もないので、その後の使用のために容器の内容物を保管しておくこともできない。したがって、各人は、開封した後に比較的短い時間で容器の内容物を全部消費してしまうか、あるいは残った内容物を捨てるしかない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液体用容器上の容易に壊せる封止部を取り除くことによってできる開口部を塞ぐための装置に関する。この装置は、開口部を部分的に覆うか、あるいは覆うように配置された栓と、栓に取り付けられた一端部を有し開口部に対する力を栓に作用させるための細長いアームと、容器の壁の対向する両側に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジとを備えている。接続ラインは、栓に固定された第1の端部およびブリッジに固定された第2の端部を有する。開口部は、ブリッジの両端部から中央部に向けて力を印加し、接続ラインを介して開口部から離れるようにブリッジが栓を引っ張ることによって開口される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
広く言えば、本発明は、容器内部の液体の流出および液体が炭酸の場合には炭酸の気抜けを防止するための装置に関する。装置は容器の内部に設けられ、容器の開口部を覆う栓を有するアームを備えている。アームは、栓に接続された接続ラインも有するブリッジに取り付けられる。容器を開口するには、容器の両側を各人の複数の指で押す。これによりブリッジが下向きに曲げられるか、または拡げられて、接続ラインを介して開口部から離れるように栓を引っ張る。開口部を閉じるには、容器にかかっている圧力を解除することによって、容器が元の形状を維持することができ、アームが開口部に対して栓を押し当てることが可能となる。
【0007】
ここで図1を参照して、一実施例による本発明は、容器10と、容器の内部14に設けられ、容器の最上部18の開口部16(図7に最も良く図示される)を自動的に封止するための封止機構12とを有する。一実施例において、容器10は、例えば、炭酸飲料、フルーツジュース、ビール、お茶、またはスポーツドリンクなどの内容物を保持するための金属の缶、好ましくはアルミ缶である。容器10は、水薬あるいは、例えばモーター・オイルまたはトランスミッション・オイルなどの他の液体を保持することもできる。容器10は、外部からの力が印加されない時にはその形状を保つプラスチックなどの材料から形成されることもできる。アルミ缶またはプラスチックの容器10は、少なくとも容器の中央部20に向けて十分な可撓性を有しているので、内向きに圧力をかける外部からの力が容器の側面22に作用すると内向きに変形し、変形させる力が取り除かれると、本来の形状に戻る。
【0008】
図2を参照して、容器10の最上部18は実質的に平面であり、分割プレート24を有する。分割プレート24は、プレートに取り付けられたプルタブ26によって取り除かれることが可能であり、容器の最上部18上でほぼ平坦となるように構成される。プレート24を取り除くためには、プレート24から遠い方のプルタブ26の端部を容器10の最上部18から持ち上げ、プレート24を旋回させ、切り込み線28で容器から切り離す。このようにして、開口部16がプレート24のほぼ楕円の形で作り出される。プルタブ26およびプレート24は容器10から一旦分離されると、廃棄される。
【0009】
図1および図3に示すように、封止機構12は、およそ開口部16の輪郭である栓30を有する。栓30は、開口部16の全域を完全に覆うように開口部よりもわずかに大きくなっている。栓30は、開口部16をより良く封止するために上部からみたときに実質的に平面であるか、あるいは、凸となることができる。そして、栓30は、開口部16をより良く封止するためにわずかに柔軟性のあるプラスチックなどの材料から形成される。
【0010】
一実施例において、封止用リングまたはパッキン(gasket)32が、開口部16と対向する栓30の上面33に接着される。封止用リング32は開口部16と同じ形状をしており、開口部16を囲むために十分なサイズを有する。封止用リング32は栓30の材料よりも柔らかなプラスチック材料で作られるので、開口部に対して栓30が押し付けられたときに、開口部16の回りに液体および気体を実質的に通さない封止を提供することができる。封止用リングまたはパッキン32は、開口部16の回りに実質的に堅固な流体封止を提供することができれば、ゴムあるいはその他の適度な柔らかさの材料から形成されることもできる。
【0011】
栓30は細長いアーム34の一端に取り付けられ、アーム34は他端で容器10の一方の側38から反対側40までの内部14に渡って延設されるブリッジ36に取り付けられる。一実施例において、栓30、アーム34、およびブリッジ36は、単一のプラスチック部分品として一体に成形される。これらのパーツを別々に形成した後に、例えば、接着剤や熱溶接法によって一体化させてもよい。栓30、アーム34およびブリッジ36の他の適切な材料には、プラスチックに包まれた金属も含まれる。
【0012】
アーム34は、開口部16に対する力を栓30に作用させるために可撓性を有し、容器10内に配置される。さらに具体的には、アーム34は、図1に示すように、ブリッジ36へ向けて曲がっているので、容器10の最上部18の内側に対して押し当たるようになっている。アーム34の厚さは、ブリッジ36に取り付けられた一端から栓30に向けて徐々に薄くなっており、アーム34がさらに撓みやすくなっている。
【0013】
図4に示すように、ブリッジ36の各端部42は、支柱44に固定して取り付けされている。支柱44は、中央部20付近の容器10の内壁から突き出ている。支柱44のそれぞれは、上部および底部から見るとほぼ矩形を有しており、ブリッジ36の両端部42に形成される空洞45に嵌め合うようにそれぞれ挿入される。一実施例において、支柱44は容器10自身と一体化されており、容器を製造する工程中に、容器の側面22を内向きに押圧する、またはパンチングすることによって形成される。また、支柱44は、容器10の両側38、40に溶接されるか、あるいはリベットでとめることもできる(図1に最も良く示される)。
【0014】
図1および図4に示すように、ブリッジ36は各端部42にパッド46を有しており、端部42の面積を拡げる構造となっている。このように、ブリッジ36の端部42は、封止機構12を操作するために、以下に説明するように容易に接触可能となっている。ブリッジ36は、2つの両端部42からおよそ中央のポイント48にヒンジ部50も有している。ヒンジ部50でのブリッジの厚さはブリッジの他の部分よりも薄くなっており、ヒンジ部の厚さを薄くするために端部42から徐々に細くなっている。また、ブリッジ36が端部42よりもヒンジ部50でわずかに低くなるように、ブリッジ36はヒンジ部50に向けてわずかな角度を持って延びている。この構成によって、容器の両側38、40がパッド46で押されたとき、ブリッジ36は、容器10の底部52に向かって、つまり、開口部16から離れるようにヒンジ部50で曲がることが可能となる。
【0015】
他の実施例では、図5に示すように、ヒンジ部50は、ブリッジの幅に亘って延設されるスリット54を有する。スリット54の幅および深さは、ブリッジ36の対向する両端部42からヒンジ部に向けて力が作用したときに、ブリッジ36がヒンジ部50で曲がること、あるいは撓むことを補助するために十分な幅と深さである。
【0016】
図1を再び参照して、封止機構12は、一端を栓30に固定され、他端をブリッジ36のヒンジ部50付近に固定された接続ライン56も有する。一実施例において、接続ライン56は、アーム34によって生じる張力に対抗して開口部16から離れるように栓30を引くために十分な引っ張り強さを有するプラスチックまたはナイロンである。一実施例において、接続ライン56は、栓30およびブリッジ36と一体化されており、栓30、アーム34、ブリッジ36、およびパッド46と一緒に成形プロセスにおいて同時に形成される。また、接続ライン56は、封止機構12の他の部品とは異なる工程で、栓30およびブリッジ36に接着剤で付けられるか、他の方法で取り付けられるか、あるいは接続されてもよい。
【0017】
さらに他の実施例において、図6を参照して、接続ライン56の2つの端部はそれぞれ、一体的に形成された球58となっている。接続ライン56の一方の端部の球58は、開口部16に向き合う表面33に対向する側で栓30の表面から突出するアンカー59に固定されている。他方の球58は、ヒンジ部50近くのブリッジ36から突出するアンカー60に固定されている。アンカー59、60のそれぞれは、カップ61を有しており、カップ61は、カップのリップ部から底部まで延びるスリット62を有している。スリット62によって、2つの球58は2つのカップ61内に受け止められ、それによって、接続ライン56が2つのアンカー59、60に接続される。
【0018】
接続ライン56の長さは、ブリッジ36がヒンジ部50で曲げられていないときに、栓30が開口部16に対して押し上げられることができる長さとなっている。好ましくは、接続ライン56は、ブリッジ36がヒンジ部50で曲げられていないときに、わずかな弛みを有する。このようにすれば、容器10の意図的でない変形、または不測の変形によりヒンジ部50でわずかに曲がって、ヒンジ部が下向きに曲がり、栓30を開口部から離れる方向に引っ張る場合でも、栓30は開口部16に対して閉鎖位置に維持される。
【0019】
図1、図7および図8を参照して、操作時には、封止機構12は、容器10が未開封であるとき、切り込み線の入ったプレート24に栓30が上向きに押し付けられた位置にあるように示されている。言い換えると、プレート24は容器10の最上部18にまだ取り付けられたままであり、引き外されてはいない(図1に図示)。プレート24がプルタブ26を用いて容器10の最上部18から取り外されると(図2参照)、栓30はアーム34によって開口部16に対して上向きに押し付けられるか、あるいは押し上げられる、つまり、閉鎖位置にある(図7に図示)。容器10が開封されると、封止機構12は、自動的に栓30を閉鎖位置に保つ。
【0020】
封止機構12を開口位置にして、容器10の内容物64を開口部16を通して放出するためには、容器10の両側面22が、親指と一本の指(または複数本の指)を用いてパッド46で内向きに押される(図8の矢印Aに示される)。これにより、ブリッジ36はヒンジ部50で容器10の底部52に向かって下向きに曲げられる(矢印Bに示される)。ヒンジ部50の下向きの動きの距離は容器10の両側面22の内方向への変形にほぼ相当する。ヒンジ部50の下向きの動きは接続ライン56を介して栓30へ伝わり、これによって、開口部16から離れる栓の対応する下向きの動き(矢印Cに示される)が起こり、栓30と開口部との間に隙間が作られる。こうして、容器10の内容物64を開口部16を通して外に出すことができる。
【0021】
封止機構12を再び閉鎖位置に戻すには、パッド46から親指と一本の指(複数本の指)を離すことによって、あるいは、変形される以前の状態に戻るように容器10の両側面22が緩むことができるまで圧力を十分に解放することによって、容器10の両側面22での内向きの圧力を取り除く。ブリッジ36の内在的記憶によって、および、より小さい程度では、容器10の可撓性または記憶によって、容器の両側面22は内向きの圧力が印加される前の元の形状に戻ることができる。すなわち、ブリッジ36はヒンジ部50でまっすぐになり(矢印Bとは反対の方向)、両側面22に圧力を印加する以前の位置に戻る。接続ライン56にかかる張力を取り除くことによって、アーム34はブリッジ36から離れ容器10の最上部18へ向けて曲がることが可能となる(図7の矢印Dに示す)。ここで、栓30は、アーム34によって与えられる張力で開口部16を覆う位置に再び戻る。容器10の内容物64が炭酸飲料である場合には、例えば、ガスによって生じる圧力も開口部16に対して栓30を確実に押し付ける助力となる。
【0022】
図9および図10を参照して、本発明の他の実施例による封止機構66は、ほぼ楕円形または長円形のブリッジ68を備えている。一実施例においてブリッジ68の断面も楕円形または長円形である。しかしながら、例えば円形など他の形状の断面も用いることができる。ブリッジ68の最も長い直径の2つの両端部70は、以下にさらに説明するように、ブリッジ68を操作するための面積を拡げるための、パッド46と同様のパッド72を有する。
【0023】
図11および図12を参照して、ブリッジ68の2つの端部70は、上述したように、支柱44を用いて容器10の内壁の中央部20付近に取り付けられる。したがって、ブリッジ68の各端部70は、支柱44を嵌合するように受け入れ、容器10にブリッジをしっかりと固定するための空洞74も有している。
【0024】
図13を参照して、上述したアーム34と構造および機能が同等のアーム76が、その一端部で、ブリッジ68の近い方の一端部70に取り付けられる。栓78は、容器10の開口部16を封止するために、アーム76の他方の端部に取り付けられる。栓30と同様に、栓78も、開口部16の面積を完全に覆うことができるように、開口部よりもわずかに大きくなっている。栓78はまた、開口部16に対向する表面上に封止用リングまたはパッキン(gasket)80を有する(図10に最も良く示される)。封止用リング80は、開口部16を囲み、栓78が開口部16に押し付けられたときに開口部の回りを封止するような形状およびサイズを有している。
【0025】
ブリッジ68は、一対の筋交い82、84をさらに有する。それらは、2つの端部70からのおよそ中間点に形成され、互いに向けて内側に延びている。筋交い82、84はそれぞれ、互いに対向する側に設けられた出っ張り部86を有し、両筋交いの出っ張り部86には孔88が設けられるので、筋交いが出っ張り部で互いに係合し、孔部が互いに揃った状態となる。一実施例において、筋交い82、84は、ほぼ矩形の断面を有する。しかしながら、例えば円形または長円形などの他の形状も用いることができる。
【0026】
一実施例において、ブリッジ68、アーム76、栓78、および筋交い82、84は、製造を容易にするために、単一の一体化された部分品としてプラスチックから一緒に形成または成形される。封止機構66のこれらの部品は、別々に形成されてから、いずれかの公知の方法で互いに取り付けまたは貼り付けられることもできる。栓78、アーム76、およびブリッジ68の他の適切な材料には、プラスチックに包まれた金属がある。
【0027】
上述した接続ライン56と同様に、接続ライン90が、一端を栓78に、他端をブリッジ68に接続されており、両筋交い82、84の出っ張り部86の孔88を通り抜けている。接続ライン90は、アーム76によって生じる容器10の最上部18に向かう力に対抗して、開口部16から離れるように栓78を引っ張るために十分な引っ張り強度を有するプラスチックまたはナイロンとすることもできる。接続ライン90の長さは、閉鎖位置では栓78が開口部16に対して押し上げることができる長さとなっている。好ましくは、栓78が開口部16に当たる位置にあるときに、接続ライン90はわずかな弛みを有する。このように、容器10の意図的でない変形または不測の変形により、開口部から栓78が離れるように引っ張られる場合にでも、以下にさらに詳細に説明するように、栓78は開口部16に対して閉鎖位置に維持される。
【0028】
図6を再び参照して、接続ライン56の実施例と同様に、一実施例における接続ライン90の2つの両端には一体的に形成された球92がある。接続ライン90の一端にある球92は、開口部16と向き合う表面に対向する側で栓78の表面から突き出るアンカー94に固定され、他方の球92は筋交い82、84のうち一方の近くでブリッジ68から突き出るアンカー96に固定される(図13では筋交い82の近くに示される)。アンカー94、96のそれぞれは、カップ98を有しており、カップ98にはカップの口部から底部に向けて延びるスリット100を有する。スリット100によって、2つの球92は2つのカップ98内に受け入れられ、接続ライン90と2つのアンカー94、96とが接続されることができる。
【0029】
他の実施例において、接続ライン90は栓78およびブリッジ68と一体化されており、成形プロセスにおいて栓78、アーム76、ブリッジ68およびパッド72と共に同時に形成される。接続ライン90は、封止機構66の他の部品とは異なる工程において、栓78およびブリッジ68に接着剤で付けられるか、他の方法で取り付けられるか、あるいは接続されてもよい。
【0030】
図9、図14、および図15を参照して、操作時には、容器10が未開封であるときには、封止機構66は栓78が切り込み線の入ったプレート24に上向きに押し付けられた位置にある(図2に最もよく示される)。言い換えると、プレート24は容器10の最上部18にまだ取り付けられており、引き外されてはいない。プレート24がプルタブ26を用いて容器12から取り外されると、栓78はアーム76によって開口部16に対して上向きに押し付けられるか、押し上げられる、つまり、図9に示す閉鎖位置となる。容器10が開封されると、封止機構66は自動的に栓78を閉鎖位置に保つ。
【0031】
封止機構66を開口位置にして容器10の内容物64が開口部16を通して放出されるようにするには、容器10の側面22をブリッジ68の2つのパッド72で内側に(矢印Dに示されるように)押す。これにより、ブリッジ68は筋交い82、84が設けられたブリッジのほぼ中央で外側に(矢印Eに示すように)拡がり、これによって、孔88と共に両筋交いが互いに離間される。
【0032】
筋交い82、84の孔88が離間すると、接続ライン90がブリッジ68上のアンカー96に向けて(矢印Fに示される方向に)引っ張られ、これによって容器10の開口部16から栓78が引き離され(矢印Gに示される方向に)、栓78と開口部16との間に間隙が生じる。このようにして、容器10の内容物64を開口部16から出すことができる。
【0033】
2つの孔88を離間させる距離は、容器10の側面22の内向きの変形にほぼ相当し、栓78の下側への移動量よりもわずかに長くなっている(封止機構66が閉鎖位置にあるときに接続ライン90にわずかな弛みがある場合)。封止機構66の操作には、ブリッジ68の中央部が外向きに拡がることが必要なので、筋交い82、84が設けられているブリッジの直径は、容器10の内側14と接触する前、あるいは接触と同時に機構が開口位置となるために十分な量だけブリッジが筋交いの所で拡張できるようにすべきである。
【0034】
封止機構66を再び閉鎖位置にするためには、容器10の側面22での内向きの圧力を、親指および一本の指(または複数本の指)をパッド46から完全に離すか、あるいは容器10の側面22が変形する前の状態に戻ることができるために十分な程度離す。ブリッジ68の内在的記憶によって、および、より小さい程度では、容器10の可撓性または記憶によって、容器の側面22は圧力を印加される前の元の形状に戻ることができる。ブリッジ68は、容器10の側面22に圧力が印加される以前の元の楕円形状に戻る。接続ライン90の張力を取り除くことによって、アーム76はブリッジ68から離れる方向に、つまり容器の最上部18に向かって曲がり、こうして、アーム76によって与えられる張力で栓78は再び開口部16を覆う位置に戻る。容器10の内容物64が炭酸飲料の場合は、例えば、ガスによって生じる圧力も開口部16に対して栓78をしっかりと押さえ付ける助力となる。
【0035】
閉鎖位置において、封止機構12または66の栓30または78が容器10の開口部16を自動的に密閉するので、例えば、容器が振られた場合でも、あるいは容器がひっくり返された場合でさえも、内容物64は開口部から出ることはできないのはもちろんである。開口位置では、内容物64は、必要に応じて開口部16から注ぎ出されることができる。容器10の内容物64が炭酸飲料である場合には、例えば、封止機構12または66は、炭酸またはガスが開口部から逃げるのを防ぐので、容器が開けられた後でも、飲料の炭酸化作用が保たれることができる。
【0036】
本発明の様々な実施例を図示し説明してきたが、他の変形、置換え、代替も当業者には明らかであることはもちろんである。そのような変形、置換え、代替は、本発明の精神および範囲から離れることなくなされることができ、添付の請求の範囲から定められるべきである。
【0037】
本発明の様々な特徴は添付の請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】容器の内部に設けられた、本発明の一実施例による封止機構の側面図である。
【図2】本発明の一実施例による、図1に示す容器の上面図である。
【図3】図1の封止機構の上面図である。
【図4】容器の側へのブリッジの取り付け方を説明するために、封止機構のブリッジの一部を示す断面図である。
【図5】封止機構のブリッジのヒンジ部の他の実施例を示す図である。
【図6】封止機構における接続ラインを固定するための一実施例を示す図である。
【図7】閉鎖位置にある図1の封止機構を示す図である。
【図8】開口位置にある図2の封止機構を示す図である。
【図9】容器の内部に設けられた、本発明の他の実施例による封止機構の斜視図である。
【図10】図9に示す封止機構の上面図である。
【図11】容器の側へのブリッジの取り付け方を説明するために、図10に示す封止機構のブリッジの一部を示す上部断面図である。
【図12】は、容器の側へのブリッジの取り付け方を説明するために、図10に示す封止機構のブリッジの一部を示す側部断面図である。
【図13】図9の封止機構の斜視図であり、容器は図示しない。
【図14】図9の封止機構の開口操作を説明する図である。
【図15】図9の封止機構の開口操作を説明する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体用容器上の容易に壊せる封止部を取り除くことによって現れる開口部を閉鎖するための装置であって、
該容器の内側に設けられ、該開口部を覆うように配置された栓と、
前記栓に取り付けられた第1の端部を有し、該開口部に対する力を前記栓に作用させるための細長いアームと、
該容器の対向する両側面に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジと、
前記栓に固定された第1の端部および前記ブリッジに固定された第2の端部を有する接続ラインと、を備えており、
該開口部は、前記ブリッジの中央部に向けて前記2つの端部に力が印加され、前記ブリッジが前記接続ラインを介して該開口部から離れるように前記栓を引っ張ることを可能にすることによって、開口されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記栓は該開口部とほぼ同じ形状に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記栓は可撓性のある不浸透性の材料から形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記栓は、該栓が該開口部に対して押し付けられたときに該開口部の周囲に密封を施すパッキンを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記アームは、前記2つの端部の近い方の一端部に固定される第2の端部をさらに有しており、前記アームは該開口部に向かって張力を有するよう構成され配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記アームの厚さは前記第1の端部に向かって薄くなっている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ブリッジは、前記2つの端部のそれぞれに形成されたパッドを備えており、前記力が前記パッドに印加されることにより、前記ブリッジは、該開口部から離れるように前記栓を引っ張ることができる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ブリッジの前記2つの端部は前記容器の前記対向する両側面から突き出た支柱によって該容器に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記接続ラインはプラスチックまたはナイロンから形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記接続ラインは前記第1および第2の端部に球を有しており、前記球はそれぞれ、前記栓および前記ブリッジに固定されたアンカーに受け入れられている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ブリッジは前記ブリッジのおよそ前記中央部にヒンジ部を備えており、前記ヒンジ部は前記力が前記2つの端部に印加されると前記栓から離れるように曲がるように配置され構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記接続ラインの前記第2の端部は、前記ヒンジ部付近に固定される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ブリッジは、前記ヒンジ部で長手方向に横に延びるスリットを有する、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ブリッジは楕円リングを有し、前記2つの端部は前記リングのほぼ対向する2つの点に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ブリッジは、
前記リングの対向する2つの点に配置される一対の筋交いと、
前記筋交いのそれぞれに形成され、互いに重なり合う貫通孔と、をさらに備えており、
前記接続ラインは前記孔を通っており、前記力が前記ブリッジの前記2つの端部に印加されると、前記孔が互いに離間し、前記接続ラインおよび前記栓が該開口部から離れるように引っ張られる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
該液体用容器は金属の缶である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
液体用容器であって、該容器上の容易に壊せる封止部を取り除くことによって作り出される開口部を封止および開口させるための装置を有する液体用容器は、
該容器の内側に設けられ、該開口部に重なるように配置された栓と、
前記栓に取り付けられた第1の端部を有し、該開口部に対する力を前記栓に作用させるための細長いアームと、
該容器の対向する両側面に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジと、
前記栓に固定された第1の端部と前記ブリッジに固定された第2の端部とを有する接続ラインと、を備えており、
該開口部は、前記2つの端部付近で該容器に内向きの力を印加し、前記接続ラインを介して該開口部から離れるように前記ブリッジが前記栓を引っ張ることを可能とすることによって開口する、液体用容器。
【請求項18】
飲料用缶であって、該缶の開口部のためのセルフ・クローズ式栓を有する飲料用缶は、
容易に壊せる封止部を有する最上部であって、前記封止部を取り除くことによって該開口部が生じる最上部と、
該缶の内側に設けられ、該開口部と重なるように配置された栓と、
固定された第1の端部および該開口部に対する力を前記栓に作用させるために前記栓に取り付けられた第2の端部を有する細長いアームと、
該缶の対向する側面に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジと、
前記栓に固定された第1の端部および前記ブリッジに固定された第2の端部を有する接続ラインと、を備えており、
該開口部は、前記封止部が取り除かれたとき、前記アームによって前記栓に作用された該開口部に対する力によって閉鎖され、前記2つの端部付近で該缶に内向きの力を加え、前記接続ラインを介して該開口部から離れるように前記ブリッジが前記栓を引っ張ることを可能とすることによって開口される、飲料用缶。
【請求項19】
前記ブリッジの前記2つの端部に取り付けるために前記対向する側面から内向きに突き出た支柱をさらに備えている、請求項18に記載の缶。
【請求項20】
前記ブリッジは、
楕円リングであって、前記2つの端部が前記リングのほぼ対向する2つの点に配置される楕円リングと、
前記リングの対向する2つの点に配置される一対の筋交いと、
前記筋交いのそれぞれの上に形成され、互いに重なり合っている貫通孔と、をさらに備えており、
前記接続ラインは前記孔を通っているので、前記力が該缶に印加されると、該孔が互いに離間し、前記接続ラインと前記栓とを該開口部から離れるように引っ張る、請求項18に記載の缶。
【請求項1】
液体用容器上の容易に壊せる封止部を取り除くことによって現れる開口部を閉鎖するための装置であって、
該容器の内側に設けられ、該開口部を覆うように配置された栓と、
前記栓に取り付けられた第1の端部を有し、該開口部に対する力を前記栓に作用させるための細長いアームと、
該容器の対向する両側面に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジと、
前記栓に固定された第1の端部および前記ブリッジに固定された第2の端部を有する接続ラインと、を備えており、
該開口部は、前記ブリッジの中央部に向けて前記2つの端部に力が印加され、前記ブリッジが前記接続ラインを介して該開口部から離れるように前記栓を引っ張ることを可能にすることによって、開口されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記栓は該開口部とほぼ同じ形状に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記栓は可撓性のある不浸透性の材料から形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記栓は、該栓が該開口部に対して押し付けられたときに該開口部の周囲に密封を施すパッキンを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記アームは、前記2つの端部の近い方の一端部に固定される第2の端部をさらに有しており、前記アームは該開口部に向かって張力を有するよう構成され配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記アームの厚さは前記第1の端部に向かって薄くなっている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ブリッジは、前記2つの端部のそれぞれに形成されたパッドを備えており、前記力が前記パッドに印加されることにより、前記ブリッジは、該開口部から離れるように前記栓を引っ張ることができる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ブリッジの前記2つの端部は前記容器の前記対向する両側面から突き出た支柱によって該容器に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記接続ラインはプラスチックまたはナイロンから形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記接続ラインは前記第1および第2の端部に球を有しており、前記球はそれぞれ、前記栓および前記ブリッジに固定されたアンカーに受け入れられている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ブリッジは前記ブリッジのおよそ前記中央部にヒンジ部を備えており、前記ヒンジ部は前記力が前記2つの端部に印加されると前記栓から離れるように曲がるように配置され構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記接続ラインの前記第2の端部は、前記ヒンジ部付近に固定される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ブリッジは、前記ヒンジ部で長手方向に横に延びるスリットを有する、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ブリッジは楕円リングを有し、前記2つの端部は前記リングのほぼ対向する2つの点に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ブリッジは、
前記リングの対向する2つの点に配置される一対の筋交いと、
前記筋交いのそれぞれに形成され、互いに重なり合う貫通孔と、をさらに備えており、
前記接続ラインは前記孔を通っており、前記力が前記ブリッジの前記2つの端部に印加されると、前記孔が互いに離間し、前記接続ラインおよび前記栓が該開口部から離れるように引っ張られる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
該液体用容器は金属の缶である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
液体用容器であって、該容器上の容易に壊せる封止部を取り除くことによって作り出される開口部を封止および開口させるための装置を有する液体用容器は、
該容器の内側に設けられ、該開口部に重なるように配置された栓と、
前記栓に取り付けられた第1の端部を有し、該開口部に対する力を前記栓に作用させるための細長いアームと、
該容器の対向する両側面に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジと、
前記栓に固定された第1の端部と前記ブリッジに固定された第2の端部とを有する接続ラインと、を備えており、
該開口部は、前記2つの端部付近で該容器に内向きの力を印加し、前記接続ラインを介して該開口部から離れるように前記ブリッジが前記栓を引っ張ることを可能とすることによって開口する、液体用容器。
【請求項18】
飲料用缶であって、該缶の開口部のためのセルフ・クローズ式栓を有する飲料用缶は、
容易に壊せる封止部を有する最上部であって、前記封止部を取り除くことによって該開口部が生じる最上部と、
該缶の内側に設けられ、該開口部と重なるように配置された栓と、
固定された第1の端部および該開口部に対する力を前記栓に作用させるために前記栓に取り付けられた第2の端部を有する細長いアームと、
該缶の対向する側面に取り付けられた2つの端部を有する可撓性のあるブリッジと、
前記栓に固定された第1の端部および前記ブリッジに固定された第2の端部を有する接続ラインと、を備えており、
該開口部は、前記封止部が取り除かれたとき、前記アームによって前記栓に作用された該開口部に対する力によって閉鎖され、前記2つの端部付近で該缶に内向きの力を加え、前記接続ラインを介して該開口部から離れるように前記ブリッジが前記栓を引っ張ることを可能とすることによって開口される、飲料用缶。
【請求項19】
前記ブリッジの前記2つの端部に取り付けるために前記対向する側面から内向きに突き出た支柱をさらに備えている、請求項18に記載の缶。
【請求項20】
前記ブリッジは、
楕円リングであって、前記2つの端部が前記リングのほぼ対向する2つの点に配置される楕円リングと、
前記リングの対向する2つの点に配置される一対の筋交いと、
前記筋交いのそれぞれの上に形成され、互いに重なり合っている貫通孔と、をさらに備えており、
前記接続ラインは前記孔を通っているので、前記力が該缶に印加されると、該孔が互いに離間し、前記接続ラインと前記栓とを該開口部から離れるように引っ張る、請求項18に記載の缶。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−546610(P2008−546610A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519315(P2008−519315)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/021680
【国際公開番号】WO2007/001740
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(508001039)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/021680
【国際公開番号】WO2007/001740
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(508001039)
【Fターム(参考)】
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