説明

セルロース誘導体で架橋された柑橘類複合糖質のゲル組成物

柑橘類複合糖質、セルロース誘導体、ポリオール成分および水の混合物を含み、前記柑橘類複合糖質はイオン性架橋剤によって前記セルロース誘導体に架橋されていることを特徴とする、創傷への適用のためのゲル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル組成物、およびより具体的には、局所適用のためのゲル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
創傷部位における水分の存在は、創傷の癒合を促進する一助となることが知られている。しかしながら、創傷部位における創傷滲出液または過剰水分の集積は、創傷に隣接する皮膚の浸軟の原因となる可能性があり、およびまた、創傷の癒合を遅延させ、ならびに感染をもたらす可能性もある、バクテリアおよび他の微生物の増殖を促進しうる。
【0003】
特許文献1には、水に不溶性の水膨潤性架橋セルロース誘導体、水およびポリオール成分を含有し、およびゲルを含み、該セルロース誘導体は該ゲルの10重量%未満を構成する創傷包帯が記載されている。そのような既知のヒドロゲルの接着性は理想未満である傾向があり、およびまた、それらは創傷の中で分解して創傷の周囲の皮膚の浸軟を引き起こす傾向がある(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献2には、a)カルボキシメチルセルロースおよびアルギン酸ナトリウム/カルシウムの親水コロイド混合物、およびb)防腐剤系を含む創傷水分補給ゲルが記載されている(特許文献2参照)。
【0005】
特許文献3には、第1のカルボキシ多糖類、第2のカルボキシ多糖類、および前記多糖類の間にイオン性架橋を提供する多価イオンを含む人体または動物体への適用のためのゲルが記載されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】国際公開第92/16245号パンフレット
【特許文献2】国際公開第95/17166号パンフレット
【特許文献3】英国特許第2322864号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、創傷癒合を促進させる創傷部位における水分のレベルを維持しながら、該部位における過剰水分の集積を最小限にすることができる、創傷への局所適用のためのゲルを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の態様では、本発明は、創傷への局所適用のためのゲルを提供し、該ゲルは柑橘類複合糖質、セルロース誘導体、ポリオール成分および水の混合物を含み、前記柑橘類複合糖質は、イオン性架橋剤によって前記セルロース誘導体に対して架橋されている。
【0009】
本明細書において、ゲルは、膨潤することによって水溶液と相互作用し、およびその構造内に相当量の水を保持する、超吸収性ポリマーの三次元ネットワークを意味する。好ましくは、ポリマーは水で完全に飽和される。超吸収性ポリマーは、それ自身の重量の少なくとも10倍の水を吸収する能力があるポリマーを意味する。
【0010】
好ましくは、ゲルはアモルファスゲルであり、すなわち、構造化されておらず、および圧力下で流動する能力がある。好ましくは、ゲルは十分な構造的完全性を有するが、しかしながら、表面、例えば創傷の表面から、ゲルを剥がすことができる。好ましくは、ゲルは50,000cp超の粘度を有する。
【0011】
好ましくは、柑橘類複合糖質の混合物は、柑橘類果実の皮、例えば、レモン、ライム、オレンジまたはグレープフルーツの皮、またはそれらの混合物から抽出される。抽出物は、糖類の混合物、および高割合のペクチンを含有する。ペクチン(E440)は、複合体構造を有する酸性の構造多糖類である。調製物は、それらの源および抽出方法論に依存する下部構造の実体からなる。
【0012】
該構造の大部分は、ホモポリマー性の部分的にメチル化されたポリ−α−(1−4)−D−ガラクツロン酸残基からなる。しかしながら、主にL−アラビノースおよびD−ガラクトース(ラムノガラクツロナンI)の概して中性の側鎖(1〜20残基)を備える分岐点を含有する交互性α−(1−2)−L−ラムノシル−α−(1−4)−D−ガラクツロノシル区画の実質的非ゲル化区域が存在する。また、ペクチンは、ポリ−α−(1−4)−D−ガラクツロン酸領域に結合されるD−キシロース、L−フコース、D−グルクロン酸、D−アピオース、3−デオキシ−D−マンノ−2−オクツロソン酸(Kdo)および3−デオキシ−D−リキソ−ヘプツロソン酸(Dha)のような他の残基を含有するラムノガラクツロナンII側鎖を含有してもよい。一般的に、ペクチンは厳密な構造を持たない。
【0013】
好ましくは、柑橘類複合糖質は、水性媒体、好ましくは酸性熱水を使用する浸出によって、柑橘類の皮から抽出される。柑橘類複合糖質は、例えば、レモン、ライム、オレンジおよびグレープフルーツの皮から得られる。抽出された糖質を、例えば、遠心分離、続いて複数回のろ過によって、清澄化することができる。例えば、清澄化された液体抽出物からの糖質の沈降によって、清澄化された糖質をさらに精製することができる。沈降を、濃縮された複合糖質溶液からアルコールを用いて行ってもよく、または希釈された糖質溶液からアルミニウムを用いて行ってもよい。
【0014】
本発明で使用される柑橘類複合糖質は、低エステル糖質または高エステル糖質(low or high ester hydrocarbons)のどちらか、または両方であることができるが、しかし低エステル糖質が好ましい(40%未満エステル化)。酸性またはアルカリ性条件下のどちらかにおける高エステル複合糖質の制御された脱エステル化によって、低エステル複合糖質を得ることができる。
【0015】
ゲルは、好ましくはゲルの重量に基づいて0.01から10重量%まで、より好ましくはゲルの重量に基づいて約2.8重量%の柑橘類複合糖質を含む。
【0016】
本発明での使用のための適当な架橋セルロース誘導体は、例えば、アルキル基が1個から6個までの炭素原子を含むヒドロキシ低級アルキルセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース;およびカルボキシセルロース、例えば、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースを含む。好ましくは、セルロース誘導体はカルボキシメチルセルロース誘導体である。
【0017】
カルボキシセルロース由来のイオン性セルロース誘導体は特に好ましい。ナトリウム塩の形態のカルボキシメチルセルロースは、好ましいセルロース誘導体である。それは、容易に入手可能であり、およびカルボキシメチルセルロースの最も安価な形態である。しかしながら、また、他のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、カリウムおよびカルシウムを使用してもよい。
【0018】
例えば、水性アルカリ性有機スラリー中でのクロロ酢酸のナトリウム塩とセルロースの反応によって、カルボキシメチルセルロースを調製してもよい。従って、セルロースを水酸化ナトリウム溶液中に浸漬し、およびアルカリセルロースを制御された条件の下でモノクロロ酢酸ナトリウムで処理して、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩および塩化ナトリウムを形成する。
【0019】
ゲルは、好ましくは、ゲルの重量に基づいて0.01重量%から10重量%、より好ましくは、ゲルの重量に基づいて約3.7重量%のセルロース誘導体を含む。
【0020】
本発明での使用のためのポリオールは、好ましくは水混和性であり、およびより好ましくは室温で液体である。本発明での使用に適当なポリオールは、ジヒドロキシアルカン、例えば、2個から6個までの炭素原子を有するグリコール、例えば、1,2−ジヒドロキシプロパン、2,3−ジヒドロキシブタンおよび3,4−ジヒドロキシヘキサン、2,5−ジヒドロキシアルカン、およびジエチレングリコールならびにトリエチレングリコールを含む。
【0021】
1,2−ジヒドロキシプロパン(プロピレングリコール)は、本発明のゲル中での使用のために好ましいジヒドロキシアルカンである。
一般式:
(2n+2)
のポリヒドロキシアルカン(式中、nは3から6までの数である)もまた、本発明のゲルの調製におけるポリオールとしての使用に適当であり、および、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、アドナイト、リバイト(ribite)、ズルシトール、エリトリトールおよびキシリットを含む。
【0022】
しかしながら、好ましくは、ポリオールはポリアルキレングリコールである。より好ましくは、ポリオールは200から600までの範囲の分子量を有する水溶性ポリエチレングリコールである。同様に使用することができるポリプロピレングリコールは、水溶性であり、および200から450の範囲の分子量を有する。また、ポリオールの混合物を使用することも可能である。
【0023】
ポリオールは、湿潤剤としての役割を果たす。それらは、ゲルが乾燥しきらないように、水蒸気の分圧を低下させる効果を有する。結果として、創傷または創傷の縁部への接着は回避され、それゆえゲルを難なく取り除くことができる。さらに、それらは、プロセスの間の水中でのセルロース誘導体の分散に役立つ。また、それらは、ゲルに、その適用をより容易にする物理的特性を与える。また、それらは壊死組織の水分浸透を増進し、および従って創傷清拭作用を加速すると考えられる。加えて、それらは微生物の増殖を停止させる制生剤としての役割を果たす可能性があると考えられる。
【0024】
ゲルは、好ましくはゲルの重量に基づいて0.1から30重量%、より好ましくはゲルの重量に基づいて約14.4重量%のポリオール成分を含む。
【0025】
イオン性架橋剤は、好ましくは多価イオン、より好ましくは二価イオン、例えばマグネシウムイオンまたはカルシウムイオンである。
【0026】
ゲルは、好ましくはゲルの重量に基づいて0.01から5重量%、より好ましくはゲルの重量に基づいて0.9重量%のイオン性架橋剤を含む。
【0027】
本発明のゲルは、前述の成分に加えて、そのような組成物に慣習的な任意の添加物および補助的な物質(例えば香料)のみならず、治療上有効量で、創傷治療剤として活性な物質を含有してもよい。そのような活性物質は、例えば、抗菌剤、抗真菌剤および局部麻酔剤を含む。適当な抗菌剤は、スルホンアミド、例えば、スルダシン(suldacine)およびスルファトールアミド(sulphatolamide)、または抗生物質、例えば、ペニシリンおよびメトロニダゾールである。適当な抗真菌剤は、サリチル酸およびその誘導体、例えば、サリチルヒドロキサム酸、サリチルアミド、ミコナコール(miconacol)およびイソコナコール(isoconacol)である。適当な局部麻酔剤は、アルカロイド、例えばモルヒネ、およびp−アミノ安息香酸のエステル、例えば、メチルエステルおよびエチルエステルである。
【0028】
含まれることができる他の活性物質は、抗カビ剤;抗炎症剤;酵素;および栄養素、例えば、1種または複数種のビタミン、特にビタミンE;1種または複数種のアミノ酸;アロエ・ベラ;はちみつ;または1種または複数種の微量金属である。
【0029】
また、ゲルは、付加的な創傷清拭剤、例えば、酵素的創傷清拭剤および/または増殖因子を含有してもよい。
【0030】
ゲルのpHは、治療上望ましい範囲にあるべきである。pHは、好ましくは、pH3から11までの範囲、より好ましくは、pH5および6の間にあるべきである。
【0031】
好ましい実施形態では、ゲルは、2.8重量%の柑橘類複合糖質、3.7重量%のセルロース誘導体、14.4重量%のポリオール、0.9重量%のイオン性架橋剤および78.2重量%の水を含む。
【0032】
本発明のさらなる態様では、柑橘類複合糖質を含む第1の水溶液を調製する工程;セルロース誘導体を含む第2の水溶液を調製する工程;イオン性架橋剤を含む第3の水溶液を調製する工程;前記第1、第2および第3の溶液をブレンドして、前記柑橘類複合糖質および前記セルロース誘導体の間にイオン結合の形成をもたらす工程;およびブレンドされた溶液にポリオールを添加して、ゲルを形成する工程を含む、ゲルを製造するためのプロセスが提供される。
【0033】
例示することのみを目的として、本発明に従うゲルおよびゲルを製造する方法の実施形態を、添付図面を参照して、今から記載する。その中で:
図1は、ゲル形成の間の、イオン性架橋剤の存在下での、柑橘類複合糖質およびセルロース誘導体の架橋を説明する。
【0034】
本発明のゲルは、セルロース誘導体と架橋される柑橘類複合糖質を含み、前記架橋は多価イオンの存在によって促進される。図1の実施形態において説明されるように、セルロース誘導体はカルボキシメチルセルロースナトリウムであり、および多価イオンは塩化カルシウムの形態で提供されるカルシウムイオンである。
【0035】
通常、使用前にゲルを滅菌する。ゲルを、包装される前に滅菌し、および続いて無菌的に包装してもよい。滅菌の好ましい手段は、電子線(e−beam)によるものである。
【0036】
癒合を促進させるために、本発明のゲルを、様々な創傷型に適用することができる。創傷の例は、火傷、湿疹、オムツかぶれ、切傷、擦傷、潰瘍および褥瘡を含む。ゲルを、単独でまたは適当な創傷包帯と組み合わせて適用することができる。
【0037】
シリンジを使用してゲルを適用することができる。適当なシリンジは、ポリカーボネートまたはポリプロピレン製のものを含む。シリンジは、好ましくは透明であり、および創傷に挿入されるゲルの量の正確な計算を可能にするために、それらの表面上に目盛線を表示する。
【0038】
種々のサイズのシリンジを使用することができる。シリンジ内部のゲルの重量を示すために、シリンジのプランジャに種々の色を割り当てることができる。
【実施例】
【0039】
本発明を、以下の実施例によってさらに説明する。
【0040】
(実施例1)
以下の成分を一緒に混合することによって、ゲル組成物を調製した:
柑橘類の皮の粉末 15g
カルボキシメチルセルロースナトリウム 20g
塩化カルシウム 5g
ポリプロピレングリコール 78g
水 425g
【0041】
水400g中に、CP Kelcoによって製造された柑橘類の皮の粉末と、カルボキシメチルセルロースナトリウムとの水性ブレンドを調製し、およびその中へ、水25g中の塩化カルシウムの水溶液を、混合しながら段階的に添加した。次いで、該ブレンドへポリプロピレングリコールを添加し、および混合して、均質のゲルを形成した。該ゲルを、電子線(e−beam)によって滅菌した。
【0042】
簡単な試験では、軽度の熱板火傷へのゲルの適用は、即時の冷却効果および10分以内での鎮痛をもたらした。オムツかぶれおよび赤ちゃんの湿疹へのゲルの適用は、48時間以内に両方の病訴の全ての症状の軽減をもたらした。
【0043】
(実施例2)ゲル組成物の静菌特性
本発明のゲルは、静菌特性を示しうる。これらの静菌特性は、ゲルが適切な条件において細菌増殖を抑制することを可能にする。ゲルで処理されている創傷における細菌増殖の抑制は、創傷における感染およびマルダー(maldour)を軽減する。
【0044】
【表1】

【0045】
表1は、Aと称される本願のゲルおよびそれぞれBならびにCと称される2つの商業的に入手可能なゲルの微生物増殖の比較レベルを説明する。ゲルAからCの各々の静菌活性の測定を、SMTL Three Test Methodを使用して行った。
【0046】
7日後に、本発明のゲルは、黄色ブドウ球菌(staphylococcus aureus)、大腸菌(Escherichia coli)または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のコロニー増殖を示さなかった。
【0047】
商業的に入手可能なゲルBおよびCの各々は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)および大腸菌(E. coli)の有意な増殖を、それぞれ7日後および5日後に示した。また、ゲルBは、有意な緑膿菌(P. aeruginosa)の増殖を1日後に示した。
【0048】
読み手の注意は、本出願に関連して本明細書と同時にまたは先立って提出されおよび本明細書と共に公衆の閲覧に付される全ての書類および文献に向けられ、およびそのような全ての書類および文献の中身は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0049】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示される特徴の全て、および/またはそのように開示される任意の方法またはプロセスの工程の全ては、そのような特徴および/または工程の少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わされてもよい。
【0050】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示される各特徴は、別段明示的に記載されていない限りは、同一、同等、または同様の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えられてもよい。従って、別段明示的に記載されていない限りは、開示される各特徴は、同等または同様の特徴の総括的な系のほんの一例にすぎない。
【0051】
本発明は、前述の実施形態のいずれの詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示される特徴の、任意の新規なものまたは任意の新規な組合せ、あるいはそのように開示される方法またはプロセスのいずれかの工程の、任意の新規なものまたは任意の新規な組合せにまで及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】ゲル形成の間の、イオン性架橋剤の存在下での、柑橘類複合糖質およびセルロース誘導体の架橋を説明する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柑橘類複合糖質、セルロース誘導体、ポリオール成分および水の混合物を含み、前記柑橘類複合糖質はイオン性架橋剤によって前記セルロース誘導体に架橋されていることを特徴とする、創傷への適用のためのゲル。
【請求項2】
前記セルロース誘導体がカルボキシメチルセルロース誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載のゲル。
【請求項3】
前記セルロース誘導体がカルボキシメチルセルロースナトリウムであることを特徴とする、請求項1または2に記載のゲル。
【請求項4】
前記ポリオール成分が2個から6個の炭素原子を有するジヒドロキシアルカンであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項5】
前記ジヒドロキシアルカンが1,2−ジヒドロキシプロパンであることを特徴とする、請求項4に記載のゲル。
【請求項6】
前記ポリオール成分が一般式C(2n+2)のポリヒドロキシアルカンであり、nは3から6の整数であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項7】
前記ポリオール成分がポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項6に記載のゲル。
【請求項8】
前記ポリエチレングリコールが200から600までの範囲の分子量を有することを特徴とする、請求項7に記載のゲル。
【請求項9】
前記イオン性架橋剤が多価イオンであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項10】
前記イオン性架橋剤が二価イオンであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項11】
前記二価イオンがマグネシウムイオンであることを特徴とする、請求項10に記載のゲル。
【請求項12】
前記二価イオンがカルシウムイオンであることを特徴とする、請求項10に記載のゲル。
【請求項13】
前記柑橘類複合糖質が水性媒体を使用する浸出によって柑橘類果実の皮から抽出されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項14】
前記水性媒体が酸性熱水であることを特徴とする、請求項13に記載のゲル。
【請求項15】
前記柑橘類複合糖質が低エステル糖質であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項16】
前記柑橘類複合糖質がゲルの0.01から10重量%までを構成することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項17】
前記柑橘類複合糖質がゲルの約2.8重量%を構成することを特徴とする、請求項16に記載のゲル。
【請求項18】
前記セルロース誘導体がゲルの0.01重量%から10重量%までを構成することを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項19】
前記セルロース誘導体がゲルの約3.7重量%を構成することを特徴とする、請求項18に記載のゲル。
【請求項20】
前記ポリオール成分がゲルの0.1から30重量%までを構成することを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項21】
前記ポリオールがゲルの約14.4重量%を構成することを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項22】
前記イオン性架橋剤がゲルの0.01から5重量%までを構成することを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項23】
前記イオン性架橋剤がゲルの約0.9重量%を構成することを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項24】
前記ゲルが滅菌されていることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項25】
前記ゲルが以下の成分:抗菌剤;抗カビ剤;抗真菌剤;麻酔剤;付加的な創傷清拭剤;抗炎症剤;増殖因子;酵素;薬剤組成物;ビタミン;アミノ酸;アロエ・ベラまたは微量金属のうち少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする、請求項1から24のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項26】
前記ゲルが2.8重量%の柑橘類複合糖質、3.7重量%のセルロース誘導体、14.4重量%のポリオール、0.9重量%のイオン性架橋剤および78.2重量%の水を含むことを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項27】
柑橘類複合糖質、セルロース誘導体およびイオン性架橋剤を水溶液中で混合して、前記柑橘類複合糖質および前記セルロース誘導体の間にイオン結合の形成をもたらす工程;およびポリオールを該混合物に添加してゲルを形成する工程を含む、ゲルを製造するための方法。
【請求項28】
柑橘類複合糖質を含む第1の水溶液を調製する工程;セルロース誘導体を含む第2の水溶液を調製する工程;イオン性架橋剤を含む第3の水溶液を調製する工程;前記第1、第2および第3の溶液をブレンドして、前記柑橘類複合糖質および前記セルロース誘導体の間にイオン結合の形成をもたらす工程;およびブレンドされた溶液にポリオールを添加してゲルを形成する工程を含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
実質的に実施例に記載されるようなことを特徴とする、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
実質的に本明細書中に記載されるようなことを特徴とする、請求項27から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
請求項1から26のいずれか一項に記載のゲルを含むことを特徴とする創傷包帯。
【請求項32】
混合物(請求項1に記載の特徴を繰り返す)を含むことを特徴とする静菌ゲル。

【図1】
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【公表番号】特表2007−517847(P2007−517847A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548390(P2006−548390)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000076
【国際公開番号】WO2005/067991
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(306038008)アバンティジェネシス リミテッド (2)
【Fターム(参考)】