説明

セロトニン受容体アゴニストおよびアンタゴニストとしての置換テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3,B]インドール

本願によって、式I:


の化合物(全てのその医薬的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を含む)、医薬組成物(少なくとも一つの式Iの化合物および適宜少なくとも一つの別の治療剤を含む)、並びに式Iの化合物を用いた、セロトニン受容体の調節に関連する様々な疾患、症状および障害、例えば、これらに限らないが、肥満、糖尿病、糖尿病合併症、アテローム性動脈硬化症、耐糖能障害および脂質代謝異常を含む代謝疾患;これらに限らないが、不安症、うつ病、強迫性障害、パニック障害、精神病、統合失調症、睡眠障害、性的障害および社会恐怖症を含む中枢神経系疾患;頭痛;片頭痛;並びに胃腸障害の治療方法が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
神経伝達物質/ホルモン セロトニン(5ヒドロキシトリプタミン、5−HT)は、7サブファミリーに組織化される少なくとも14種の異なる受容体群を介して、多くの生理学的プロセスを調節する(Hoyer, D.ら., Pharmacol. Rev., 46, 1994)。遺伝子相同性および薬理学的特性によって決定されるように、5−HTサブファミリーは5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT2C受容体からなる。5−HT受容体調節と、様々な疾患および治療法との間の関係について、相当な相互関係が存在する。1990年代初期以前に、5−HT2Cおよび5−HT2A受容体はそれぞれ、5−HT1Cおよび5−HTと呼ばれた。
【0002】
5−HT受容体の直接的または間接的なアゴニズムまたはアンタゴニズムは、選択的または非選択的で、様々な中枢神経系(CNS)障害、例えば、肥満症、うつ病、精神分裂病および双極性障害の治療と関連している。近年において、抗肥満薬の作用機序に対するセロトニン作動活性の寄与が、十分に立証されている。CNSにおいてセロトニンの全基礎緊張(overall basal tone)を増大する化合物が、食欲低下薬として開発されている。セロトニン放出剤(たとえばフェンフルラミン)は、神経シナプスに存在するセロトニンの量を増大することによって機能する。しかしながら、これらの飛躍的な治療に副作用が伴わないわけではない。セロトニン放出剤の作用機序のため、これらは目的の作用機序と関連しないものも含め多種多様な器官において、多数のセロトニン受容体サブタイプの活性をもたらす。受容体のセロトニンファミリーのこの非特異的調節は、副作用プロフィールにおいて最も重要な役割を果たしやすい。また、これらの化合物またはその代謝産物は、多数のセロトニン受容体並びに多数の他のモノアミン神経伝達物質および有害受容体に対して高親和性を有することが多い。受容体交差反応性を幾分除去することによって、副作用プロフィールを改善した強力な治療リガンドの試験および可能な開発が見込まれるだろう。
【0003】
5−HT2C受容体は、G蛋白質共役型受容体である。それは、中枢神経系、例えば視床下部、海馬、扁桃、孤束核、脊髄、皮質、嗅球、腹側被蓋域(VTA)、側座核および脈絡叢において、ほとんど排他的に発現される(Hoffman, B.およびMezey, E., FEBS Lett., 247, 1989)。多数の疾患療法において、選択的5−HT2C受容体リガンドの役割を支持する十分な証拠が存在する。5−HT2Cノックアウトマウスは、フェンフルラミンまたは他の直接作用するmCPPなどの5−HT2Cアゴニストによって逆行されない、末期(late stage)の肥満症候群を進行させる(Nonogaki, K.ら, Nature Med., 4, 1998; Vickers, S.ら, Psychopharmacology, 143, 1999)。ラットへの選択的5−HT2Cアゴニストの投与は、食物摂取の減少および対応する体重の減少をひき起こし(Vickers, S.ら, Br. J. Pharmacol., 130, 2000)、これらの応答は、選択的5−HT2Cアンタゴニストの投与によってブロックされうる(Vicker, S.ら, Neuropharmacol., 41, 2001)。また視床下部における5−HT2C受容体調節は、体温調節(Mazzola-Pomietto, Pら, Psychopharmacology, 123, 1996)、睡眠(Sharpley, A.ら, Neuropharmacology, 33, 1994)、性行為および神経内分泌機能(Rittenhouse, P.ら, J. Pharmacol. Exp. Ther., 271, 1994)にも影響を及ぼしうる。VTAにおける5−HT2C受容体の活性化は、うつ病の態様に関わるドーパミン作動性ニューロンの活性を調節し(Di Matteo, V.ら, Trends Pharmacol. Sci., 22, 2001)、5−HT2C受容体アゴニスト、例えばWAY161503、RO60−0175およびRO60−0332は、うつ病のげっ歯類モデルにおいて活性を有する(Cryan, J.およびLucki, I., J. Pharmacol. Exp. Ther., 295, 2000)。5−HT2Cアゴニストは、ラットにおけるニコチン投与の報酬効果(rewarding effect)を減少させ(Grottick, A.ら, Psychopharmacology, 157, 2001)、コカイン投与に対するげっ歯類応答に影響を及ぼす(Grottick, A.ら, J. Pharmacol. Exp. Ther., 295, 2000)ことが報告されている。脊髄における5−HT2C受容体の調節は、痛み知覚に影響を及ぼしうる(Chojnacka-Wojcik, E.ら, Pol. J.Pharmacol., 46, 1994)。また5−HT2C受容体アゴニストmCPPおよびRO60−0175が、ラットの陰茎勃起を媒介することを示すデータも存在する(Millan, M.ら, Eur J. Pharmacol. 325, 1997)。
【0004】
詳細な説明
本願によって、式I:
【化1】

[R、R、R、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている]
の化合物、医薬組成物(少なくとも一つの式Iの化合物および適宜少なくとも一つの別の治療剤を含む)、並びに式Iの化合物(全てのその医薬的に許容される塩の形態、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を含む)を用いた、セロトニン受容体の調節に関連する様々な疾患、症状および障害、例えば、これらに限らないが、肥満、糖尿病、糖尿病合併症、アテローム性動脈硬化症、耐糖能障害および脂質代謝異常を含む代謝疾患;これらに限らないが、不安症、うつ病、強迫性障害、パニック障害、精神病、統合失調症、睡眠障害、性的障害および社会恐怖症を含む中枢神経系疾患;頭痛;片頭痛;並びに胃腸障害の治療方法が記載される。
【0005】
定義
実施例において特に断りがなければ、本明細書を通して用いられる用語に、以下の定義が適用される。
【0006】
特に断りがなければ、単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「アルキル」には、直鎖中に1から40個の炭素原子、好ましくは1から20個の炭素原子、より好ましくは1から6個の炭素原子を含む直鎖および分枝鎖の炭化水素、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、その様々な分枝鎖の異性体などが含まれる。
【0007】
単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「アルキレン」とは、2つの異なる炭素原子で他の化学基に結合するための単結合を有する、上記のアルキル連結基をいう。
【0008】
特に断りがなければ、単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「アルケニル」とは、直鎖中に一つ以上の二重結合を含み、直鎖中に2から20個の炭素原子、好ましくは2から12個の炭素原子、より好ましくは2から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の化学基、例えば、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、3−オクテニル、3−ノネニル、4−デセニル、3−ウンデセニル、4−ドデセニル、4,8,12−テトラデカトリエニルなどをいう。
【0009】
単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「アルケニレン」とは、2つの異なる炭素原子で結合するための単結合を有するアルケニル連結基をいう。
【0010】
特に断りがなければ、単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「アルキニル」とは、直鎖中に一つ以上の三重結合を含み、直鎖中に2から20個の炭素原子、好ましくは2から12個の炭素原子、より好ましくは2から8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の化学基、例えば、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2−へプチニル、3−へプチニル、4−へプチニル、3−オクチニル、3−ノニニル、4−デシニル,3−ウンデシニル、4−ドデシニルなどをいい、それはアルキルについて上記に定義した一つ以上の官能基で適宜置換されていてもよい。
【0011】
単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「アルキニレン」とは、2つの異なる炭素原子で結合するための単結合を有するアルキニル連結基をいう。
【0012】
単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素をいう。
【0013】
特に断りがなければ、単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「シクロアルキル」とは、1から3個の環、例えば単環式アルキル、二環式アルキルおよび三環式アルキルを含み、環を形成する合計3から20個の炭素原子、好ましくは環を形成する3から10個の炭素原子を含む、飽和または一部不飽和(1または2個の二重結合を含む)環状炭化水素基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、シクロヘキセニル、
【化2】

をいい、その中でシクロアルキルは、アリールについて記載した1個の芳香環に縮合していてもよい。
【0014】
本明細書で用いられる用語「ヘテロシクリル」とは、飽和または不飽和でありうる安定な無置換または置換4、5、6または7員単環式環化合物をいい、それは炭素原子、並びに、N、O、S、SOおよび/またはSO基から選択される1から4個のヘテロ原子からなり、その中で窒素ヘテロ原子は適宜酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は適宜四級化されていてもよい。該複素環式環は、いずれのヘテロ原子または炭素原子で結合して、安定な構造、例えば、ピペリジニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、オキソピペリジニルおよびオキサジアゾリルの生成をもたらしてもよい。
【0015】
単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「アリール」とは、環部において6から10個の炭素原子を含む単環式および二環式芳香族基、例えば、フェニルまたはナフチルをいい、それは「アリール」に縮合した1から3個の別の環、例えば、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を適宜含んでいてもよい。
【0016】
本明細書に用いられる用語「ヘテロアリール」とは、窒素、硫黄、酸素および/またはSOもしくはSO基から選択される一つ以上のヘテロ原子を含む5、6または7員芳香族複素環式環をいう。このような環は、別の環、例えば、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリールに縮合していてもよく、N−オキシドを含みうる。
【0017】
別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「オキシ」とは、2つの化学基の間のリンカーとして働く酸素原子、例えば、ヒドロキシ、オキシアルキル、オキシアルケニル、オキシアルキニル、オキシパーフルオロアルキル、オキシアリール、オキシヘテロアリール、オキシカルボアルキル、オキシカルボアルケニル、オキシカルボアルキニル、オキシカルボアリール、オキシカルボヘテロアリール、オキシカルボシクロアルキル、オキシカルボアミノアルキル、オキシカルボアミノアルケニル、オキシカルボアミノアルキニル、オキシカルボアミノアリール、オキシカルボアミノシクロアルキル、オキシカルボアミノヘテロシクリル、オキシカルボアミノヘテロアリール、アミノカルボキシアルキル、アミノカルボキシアルケニル、アミノカルボキシアルキニル、アミノカルボキシアリール、アミノカルボキシシクロアルキル、アミノカルボキシヘテロシクリルおよびアミノカルボキシヘテロアリールをいう。
【0018】
別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「カルボ」とは、2つの化学基の間のリンカーとして働くカルボニル(C=O)基、例えば、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキニル、カルボキシアリール、カルボキシヘテロアリール、カルボキシシクロアルキル、オキシカルボアルキル、オキシカルボアルケニル、オキシカルボアルキニル、オキシカルボアリール、オキシカルボヘテロアリール、オキシカルボシクロアルキル、カルボアミノアルキル、カルボアミノアルケニル、カルボアミノアルキニル、カルボアミノアリール、カルボアミノシクロアルキル、カルボヘテロシクリル、カルボヘテロアリール、カルボアミノヘテロシクリル、カルボアミノヘテロアリール、アミノカルボアルキル、アミノカルボアルケニル、アミノカルボアルキニル、アミノカルボアリール、アミノカルボシクロアルキル、アミノカルボヘテロシクリル、アミノカルボヘテロアリール、オキシカルボアミノアルキル、オキシカルボアミノアルケニル、オキシカルボアミノアルキニル、オキシカルボアミノアリール、オキシカルボアミノシクロアルキル、オキシカルボアミノヘテロシクリル、オキシカルボアミノヘテロアリール、アミノカルボキシアルキル、アミノカルボキシアルケニル、アミノカルボキシアルキニル、アミノカルボキシアリール、アミノカルボキシシクロアルキル、アミノカルボキシヘテロシクリル、アミノカルボキシヘテロアリール、アミノカルボアミノアルキル、アミノカルボアミノアルケニル、アミノカルボアミノアルキニル、アミノカルボアミノアリール、アミノカルボアミノシクロアルキル、アミノカルボヘテロシクリル、アミノカルボヘテロアリール、アミノカルボアミノヘテロシクリルおよびアミノカルボアミノヘテロアリールをいう。
【0019】
別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「チオ」とは、2つの化学基の間のリンカーとして働く硫黄原子、例えば、チオアルキル、チオアルケニル、チオアルキニル、チオアリール、チオヘテロアリール、チオシクロアルキルおよびチオヘテロシクリルをいう。
【0020】
別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「パーフルオロ」とは、化学基中の一つ以上の炭素原子に結合した一つ以上の水素原子が、フッ素原子で置換されている化学基、例えば、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルケニル、パーフルオロアルキニルおよびオキシパーフルオロアルキルをいう。
【0021】
単独または別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「アミノ」とは、2つの他の化学基の間の末端またはリンカーでありうる窒素原子をいい、その中で該化学基は、一級、二級または三級(それぞれ、2つの水素原子が窒素原子に結合したもの、1つの水素原子が窒素原子に結合したもの、並びに窒素原子に水素原子が結合していないもの)アミン、例えば、アミノ、アミノアルキル、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミノアリール、アミノヘテロアリール、アミノシクロアルキル、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、シクロアルキルアミノ、カルボアミノアルキル、カルボアミノアルケニル、カルボアミノアルキニル、カルボアミノアリール、カルボアミノシクロアルキル、カルボヘテロシクリル、カルボヘテロアリール、カルボアミノヘテロシクリル、カルボアミノヘテロアリール、アミノカルボアルキル、アミノカルボアルケニル、アミノカルボアルキニル、アミノカルボアリール、アミノカルボシクロアルキル、アミノカルボヘテロシクリル、アミノカルボヘテロアリール、オキシカルボアミノアルキル、オキシカルボアミノアルケニル、オキシカルボアミノアルキニル、オキシカルボアミノアリール、オキシカルボアミノシクロアルキル、オキシカルボアミノヘテロシクリル、オキシカルボアミノヘテロアリール、アミノカルボキシアルキル、アミノカルボキシアルケニル、アミノカルボキシアルキニル、アミノカルボキシアリール、アミノカルボキシシクロアルキル、アミノカルボキシヘテロシクリル、アミノカルボキシヘテロアリール、アミノカルボアミノアルキル、アミノカルボアミノアルケニル、アミノカルボアミノアルキニル、アミノカルボアミノアリール、アミノカルボアミノシクロアルキル、アミノカルボヘテロシクリル、アミノカルボヘテロアリール、アミノカルボアミノヘテロシクリル、アミノカルボアミノヘテロアリール、アミノスルホアルキル、アミノスルホアルケニル、アミノスルホアルキニル、アミノスルホアリール、アミノスルホシクロアルキル、アミノスルホヘテロシクリル、アミノスルホヘテロアリール、アミノスルホアルキルアミノ、アミノスルホアルケニルアミノ、アミノスルホアルキニルアミノ、アミノスルホアリールアミノ、アミノスルホシクロアルキルアミノ、アミノスルホヘテロシクリルアミノおよびアミノスルホヘテロアリールアミノでありうる。
【0022】
本明細書で用いられる用語「ニトリル」とは、シアノ(炭素原子が窒素原子に三重結合したもの)基をいう。
【0023】
別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「スルフィニル」とは、−SO−基、例えば、スルフィニルアルキル、スルフィニルアルケニル、スルフィニルアルキニル、スルフィニルアリール、スルフィニルシクロアルキル、スルフィニルヘテロシクリル、スルフィニルヘテロアリール、スルフィニルアミノおよびスルフィニルアミドをいう。
【0024】
別の化学基の一部として本明細書に用いられる用語「スルホニル」とは、−SO−基、例えば、スルホニルアルキル、スルホニルアルケニル、スルホニルアルキニル、スルホニルアリール、スルホニルシクロアルキル、スルホニルヘテロシクリルおよびスルホニルヘテロアリールをいう。
【0025】
本願の治療剤の投与には、本願の薬剤の治療上の有効量の投与が含まれる。本明細書に用いられる用語「治療上の有効量」とは、本願の組成物の投与によって治療可能な症状を治療または予防するための治療剤の量をいう。その量は、検出可能な治療、予防または改善効果を示すのに十分な量である。該効果には、例えば、本明細書に列挙した症状の治療または予防が含まれうる。患者のための正確な有効量は、患者の大きさおよび健康、治療されている症状の性質および程度、治療医師の推奨、並びに投与のために選択された治療剤または治療剤の組合せに依存する。したがって、正確な有効量を前もって特定するのは有効ではない。
【0026】
インビボで変換されて生理活性剤(すなわち、式Iの化合物)を与えうるいずれの化合物も、本願の範囲内および精神であるプロドラッグである。
【0027】
本明細書に用いられる用語「プロドラッグエステル」には、当業者に公知である方法を用いて、式Iの化合物の一つ以上のヒドロキシルを、アルキル、アルコキシ、またはアリール置換アシル化剤と反応させて、酢酸エステル、ピバル酸エステル、炭酸メチルエステル(methylcarbonate)、安息香酸エステルなどを生成することによって形成されるエステルおよびカーボネートが含まれる。
【0028】
プロドラッグの様々な形態は当該技術分野で周知であり、以下に記載されている:
a) The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuthら, Ch. 31, (Academic Press, 1996);
b) Design of Prodrugs, H. Bundgaardによって編集, (Elsevier, 1985);並びに
c) A Textbook of Drug Design and Development, P. Krogsgaard-Larson および H. Bundgaard, eds., Ch. 5, pgs 113-191 (Harwood Academic Publishers, 1991)。
前記引用文献は、本明細書に引用されている。
【0029】
本願の化合物の全ての立体異性体が、混合した形態、純粋な形態、または実質的に純粋な形態で意図される。本願の化合物は、いずれか一つのR置換基を含む、いずれの炭素原子でも不斉中心を有しうる。その結果、式Iの化合物は、エナンチオマー型もしくはジアステレオマー型またはその混合物で存在しうる。製造工程には、ラセミ体、エナンチオマーまたはジアステレオマーが出発物質として利用されうる。ジアステレオマーまたはエナンチオマー生成物が製造される場合、これらは通常の方法、例えば、クロマトグラフ法または分別結晶によって分離されうる。
【0030】
本願の式Iの化合物の医薬的に許容される塩には、アルカリ金属塩(例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムまたはマグネシウム)、並びに亜鉛またはアルミニウム、および他のカチオン(例えばアンモニウム、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、t−ブチルアミン、t−オクチルアミン、デヒドロアビエチルアミン)、並びに医薬的に許容されるアニオン(例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物、酒石酸、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、ステアリン酸、および天然のアミノ酸(例えばアルギニン、リシン、アラニンなど)の塩、並びにそのプロドラッグエステルが含まれる。
【0031】
合成
本願を通して、以下の略語を以下の意味で用いる:
試薬:
EtN トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
NBS N−ブロモスクシンイミド
LAH 水素化アルミニウムリチウム
BINAP 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
Pddba トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dppf)Cl [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)
溶媒:
THF テトラヒドロフラン
MeOH メタノール
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
HOAc 酢酸
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DME ジメトキシエタン
EtO ジエチルエーテル
IPA イソプロパノール
その他:
Ar アリール
Ph フェニル
Me メチル
Et エチル
NMR 核磁気共鳴
MHz メガヘルツ
BOC t−ブトキシカルボニル
CBZ ベンジルオキシカルボニル
Bn ベンジル
Bu ブチル
Pr プロピル
cat. 触媒
mL ミリリットル
nM ノナメーター
ppm 100万分の1
psi ポンド毎平方インチ
mmol ミリモル
mg ミリグラム
kg キログラム
TLC 薄層クロマトグラフィー
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
rt 室温
aq. 水性
sat. 飽和
pg 保護基
【0032】
本願の化合物は、有機合成の分野の当業者にとって周知の幾らかの方法で製造することができる。本願の化合物は、有機合成化学の分野で公知の合成法、あるいは該合成法の当業者が認識しているバリエーションと共に、下記の方法を用いて合成することができる。好ましい方法としては、これらに限定されるものでないが、下記の方法が挙げられる。本明細書で引用する全参考文献について、それらの全容を参考までに導入する。
【0033】
本願の新規化合物は、このセクションで記載の反応および技法を用いて製造しうる。反応は、使用する試薬や材料に適した溶媒中で行ない、変換(transformatoin)を行なうのに適する。また、下記の合成法の説明で、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験の持続時間およびワークアップ手順を含む提案した反応条件の全ては、当業者が容易に容認すべきである、その合ったものに選択されることを理解すべきである。分子の種々の部分に存在する官能基が、提案した試薬や反応に適合しなければならないことは、有機合成分野の当業者によって理解される。反応条件に適合する置換基の限定は、当業者にとって容易に明らかであり、そして代わりの方法も使用しなければならない。
【0034】
本願の化合物(I)の製造は、集中または連続合成法で実施しうる。化合物(I)の詳しい合成調製は、以下の反応式で示される。化合物(I)および該化合物(I)に導く中間体の製造および精製に必要な技術は、当業者にとって公知である。精製手順としては、これらに限定されるものでないが、標準または逆相クロマトグラフィー、結晶化、および蒸留が挙げられる。
【0035】
本願の化合物の製造の幾つかの方法が、下記反応式および実施例で例示される。置換については、上記の通り記載および規定される。
【0036】
本願の化合物(I)は、下記反応式1で示されるように製造しうる。すなわち、アリールヒドラジン(II)の製造は、たとえば対応する置換アニリンをNaNOで処理した後、N−ニトロソ中間体を濃HCl中、LAHまたはSnClで還元することによって遂行される。インドール核(I)の構築は、これに限定されないが、R.J. Sundberg, 「Indoles, Best Synthetic Methods」 1996, Academic Press, San Diego, CAに記載の方法により、アリールヒドラジンと適当に置換したケトン[すなわち、(III)]のフィッシャー・インドール環化で遂行される。例えば、遊離塩基または対応する鉱酸塩のアリールヒドラジン(II)をアルコール溶媒中、鉱酸の存在下ケトン(III)(R=H、Bn、CBZ、COEt等)で処理して、インドール化合物(I)を直接得る。あるいは、インドール(I)は、中性条件下で中間体ヒドラゾン(IV)を形成し、続いて酸性条件下での転位(rearrangement)によって、段階的に構築されうる。
反応式1
【化3】

【0037】
式(II)の化合物は、下記反応式2の記載に準じ製造することができる。アリールアミン(VI)の形成は、対応するアリールニトロ化合物(V)の還元によって、遂行しうる。還元は、種々の還元剤、たとえばLAH、SnCl、NaBH、N等を用いるか、または適当な触媒、たとえばPd(0)/炭素、もしくは酸化プラチナ等の存在下水素を用いて遂行しうる(Hudlicky, M., 「Reductions in Organic Chemistry」, Ellis Horwood, Ltd., Chichester, UK, 1984参照)。次いでアリールヒドラジン(II)の形成は、先の反応式1の記載に準じあるいはより直接的には、室温にてアニリン化合物(VI)のHCl水、SnClおよびNaNOによる処理で行なうことができる(Buck, J.S., Ide, W.S., Org. Syn., Coll. Vol., 2, 1943, 130参照)。この後者手順は特に、ハロゲン化アリールアミン(VI)を用いて合成を開始するときに重要である。強還元条件を使用しないヒドラジン中間体製造の必要は、これらの実施例において不可欠である。
反応式2
【化4】

【0038】
ヒドラジン化合物(II)の別の関連ルートを、下記反応式3に示す。硫黄または酸素部分を含有する芳香族置換パターンが望まれるとき、以下に示すルートを使用しうる。適当に置換したアリールニトロ誘導体(VII)のハロゲン(Cl、F)を、塩基性条件下前もって必要な求核試薬で置換することにより、タイプ(VIII)の中間体を得る。ニトロ基の還元、次いで得られるアミノの置換または非置換ヒドラジン化合物(IX)への合成は、上記の通りである。(VII)などのニトロベンゼン誘導体を用いて合成を開始するこのアプローチにより、種々の誘導化(derivatization)が可能となる。より多く置換したニトロベンゼン化合物は、慣例の合成操作(すなわち、芳香族置換)によって得ることができ、かつ当業者にとって公知である(Larock, R.C., Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, New York, 1989参照)。
反応式3
【化5】

【0039】
様々なRおよびR置換基を導入するための別のアプローチは、反応式4に示される。前記のように、1°−アリールヒドラジン(X)とピペリドン(XI)とのフィッシャーインドール環化によって、インドール(XII)が得られる。次いで、Greene, T.W., Wuts, P.G.W., 「Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd Edition」, John Wiley and Sons, Inc., New York, pages 309-405, 1991に記載されているように、カルボリン窒素を適当な保護基(すなわち、Pg=Boc、Bn、CBZ、COR)で保護する。塩基性条件下でのインドール窒素のアルキル化によって、中間体(XIII)が得られる。次いで、保護基を様々な条件下で除去して塩基性アミンを再生し、それを適当に置換したハロゲン化アルキル(RCl、RBrまたはRI)と、例えばGlennon, R.A.ら, Med. Chem. Res., 1996, 197に記載された塩基で処理することでアルキル化して、選択的特異的に置換されたインドール(I)を得てもよい。
反応式4
【化6】

【0040】
2’および6’位の両方に置換基を有さないフェニルヒドラジンを利用するフィッシャー−インドール環化によって、位置異性体のインドールの混合物が生じることが多い。反応式5によって、位置特異的インドール合成についての一つのアプローチが示される。適当に置換した2−ブロモ−フェニルヒドラジン(XIV)とピペリドン(XI)のフィッシャーインドール環化によって、専らR−ブロモ−インドール(XV)を生じる。次いで、適当な溶媒(例えば、MeOH、EtOHなど)中、触媒(例えばPd(0)/C)の存在下、R−ブロモ置換基を水素化によって除去して、インドール(XVI)を得てもよい。反応式4に記載された様々なRおよびR置換基によって、インドール(XVII)を得る。
反応式5
【化7】

【0041】
三環系の芳香環での別の多様な官能基化による式(I)の化合物の製造は、活性化基、例えば臭化物、ヨウ化物、トリフレート、および/またはジアゾ誘導体を用いることによって遂行してもよく、それは本明細書に記載されている。これらの活性化アリール誘導体(XVIII)は、多数の重要な合成変換のための優れた対応物(counterpart)として役立ちうるが、反応式1、反応式4および反応式5に例示された合成手順によって容易に得られる。反応式6に示されるように、銅(I)塩の有無にかかわらず、Pd(0)触媒、例えばPd(dppf)Cl、Pd(dba)、Pd(PPhまたはPd(PPhClの存在下、活性化インドール(XVIII)を適当なアルキル亜鉛試薬(XIX)で処理することによって、Rが様々なアルキル基である誘導体(I)を得る(Knochel, P.ら Chem. Rev. 1993, 93, 2117;およびWeichert, A.ら Syn. Lett. 1996, 473を参照)。R=Hである場合、アミン官能性の保護を行わなければならない(アミンの保護についてはGreeneらを参照)。これは、例えば、インドール誘導体(XVIII)を過剰な(Boc)OのNaOH水溶液およびジオキサンで処理することによって容易に遂行される。このアプローチによって、合成の後期における活性化基の位置での様々なアルキル置換基の導入が可能となる。
【0042】
さらに、ハロ芳香族、アリールジアゾニウムおよびアリールトリフレート化合物に官能基を付与する手順および原案についても、広範囲のものが存在する。これらの手順は、当業者によって周知であり、たとえばStanforth, S.P., Tetrahedron, 1998, 263;Buchwald, S.L.ら, J. Am. Chem. Soc., 1998, 9722;Stille, J.K.ら, J. Am. Chem. Soc., 1984, 7500を参照せよ。これらの手順には、ジアリールカップリング反応、アルキル化、アシル化、アミノ化およびアミド化がある。芳香族核のパラジウム触媒化官能基付与の能力(power)が、最近の10年間で徹底的に探究されている。この分野の優れた概説は、J. Tsuji, 「Palladium Reagents and Catalysts, Innovations in Organic Synthesis」, J. Wiley and Sons, New York, 1995に見られる。
反応式6
【化8】

【0043】
同様に、上記のカップリングプロトコルは、反応式7に示されるように、別の位置で活性化基を含むインドール誘導体(XX)に適用されうる。これらのインドール誘導体(XX)はまた、適当に官能基化したフェニルヒドラジンを利用して、反応式1および反応式4に例示される合成手順によっても容易に得られうる。続いて、様々なアルキル亜鉛試薬(XXI)によるカップリングを、上記の反応式6に記載したように行って、アルキルインドール付加体(XXII)を得てもよい。このプロトコルはまた、RおよびR臭化物、ヨウ化物、トリフレート、および/またはジアゾ誘導体にも受け入れられる。
反応式7
【化9】

【0044】
異なる形で置換された類縁体を製造する別法が反応式8に示され、ブロモ−またはヨード−誘導体(XVIII)から進行する。適当な溶媒(例えば、DMF、トルエン、THF、DMEなど)中、Pd(0)触媒(例えばPd(dba)、Pd(PPhまたはPd(PPhCl)、および適当な配位子(例えばBINAPまたはPPh)、および塩基(例えばNaOtBuまたはCsCO)の存在下、インドール誘導体(XVIII)のジフェニルメチルイミンによる処理によって、イミン中間体を得る。塩基性加水分解(ヒドロキシルアミンおよび酢酸ナトリウムのメタノール溶液)によって、一級アニリン誘導体(XXIII)を得る。また活性化インドール(XVIII)を適当な塩基(例えばn−BuLiまたはt−BuLi)と反応させ、続いて適当な溶媒(例えばTHF、DMEなど)中、B(O−iPr)を加えることによって、アリールボロン酸エステル中間体を得てもよい。該中間体を適当な酸(例えばHOAc)で処理し、続いてHで酸化することによって、フェノール誘導体(XXIV)を得る。同様に、適当な塩基(例えばn−BuLiまたはt−BuLi)で処理し、続いて適当な溶媒(例えばペンタン、ヘキサン、THF、DMEなど)中の硫黄を加え、続いて水でワークアップすることによって、インドール誘導体(XVIII)をチオフェノール誘導体(XXV)に変換してもよい。反応式7に類似して、反応式8に記載したプロトコルを、R、RまたはR基がBrまたはIである(XX)の類縁体にも適用して、アミノ、ヒドロキシまたはチオール基がR、RまたはR位にある(XXIII)、(XXIV)または(XXV)の類縁体を得てもよい。
反応式8
【化10】

【0045】
これらの新たに形成されたアニリン、フェノールおよびチオフェノールの官能性はまた、多数の重要な合成変換のための優れた対応物としても利用されうる。いくつかの実施例が反応式9に記載される。例えば、適当な溶媒(例えば1,2−ジクロロエタン、THF、メタノールまたはアセトニトリル)中、穏和な反応条件下(例えば酢酸の存在下)、適当な還元剤(例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウム)の存在下、アニリン(XXIII)を適当なアルデヒドと反応させて、様々な二級アニリン類縁体(XXVI)を生じうる。また適当な溶媒(例えばDMF、DMSO、トルエン、THF、DMEなど)中、適当な塩基(例えばNaH、KCO、NaCO、CsCO、EtNまたはEt(i−Pr)N)の存在下、アニリン(XXIII)を、1当量の様々なハロゲン化アルキルまたはスルホン酸アルキルと反応させても、様々な二級アニリン類縁体(XXVI)を生じうる。同様に、適当な溶媒(例えばDMF、DMSO、トルエン、THF、DMEなど)中、適当な塩基(例えば、NaHまたはKOH)の存在下、フェノール(XXIV)と、様々なハロゲン化アルキルまたはスルホン酸アルキルとのカップリングによって、アルコキシインドリン(XXVII)を得る。別法として、各種アルキルアルコールとフェノール化合物(XXIV)のカップリング反応を、適当な溶媒(たとえばTHF)中、DEADおよび適当な配位子(たとえばPPhまたはEtP)の存在下、光延反応条件(Mitsunobu, O. Synthesis 1981, 1-28を参照)下で行って、アルコキシインドリン化合物(XXVII)を得る。最後にまた、適当な溶媒(例えばDMF、DMSO、トルエン、THF、DMEなど)中、適当な塩基(例えばKCO、NaCO、NaHまたはKOH)の存在下、様々なハロゲン化アルキルまたはスルホン酸アルキルを、チオフェノール(XXV)とカップリングさせて、スルフィド誘導体(XXVIII)を得てもよい。反応式7に類似して、反応式9に記載したプロトコルを、R、RまたはR基がNH、OHまたはSHである(XXIII)、(XXIV)または(XXV)の類縁体にも適用して、それぞれ(XXVI)、(XXVII)または(XXVIII)の類縁体を得てもよい。
反応式9
【化11】

【0046】
ビアリールアニリン(XXX)を製造する一つの方法が反応式10に記載され、アニリン誘導体(XXIII)から進行する。適当な溶媒(例えば、DMF、トルエン、THF、DMEなど)中、Pd(0)触媒(例えばPd(dba)、Pd(PPhまたはPd(PPhCl)、および適当な配位子(例えばBINAPまたはPPh)、および塩基(例えばNaOtBuまたはCsCO)の存在下、臭化アリール(XXIX)で処理することによって、ビアリールアニリン(XXX)を得る。また反応式7に類似して、反応式10に記載したプロトコルを、R、RまたはR基がNHである(XXIII)の類縁体にも適用して、アリールアミノ基がR、RまたはR位にある(XXX)の類縁体を得る。
反応式10
【化12】

【0047】
また、反応式11に示されるように、フェノール化合物(XXIV)を、適当な溶媒(たとえばCHCl)中、Cu(II)種、たとえばCu(OAc)またはCuF(MeCN)および塩基、たとえばNEtまたはKCOの存在下、官能基を付与したアリールボロン酸(XXXI)と反応させても、アリールオキシインドリン化合物(XXXV)が得られる。反応式7に類似して、反応式11に記載したプロトコルも、R、RまたはR基がOHである(XXX)の類縁体に適用して、アリールオキシ基がR、RまたはR位にある(XXXII)の類縁体を得てもよい。
反応式11
【化13】

【0048】
本願の化合物が、有機合成の当業者に周知の多数の方法で製造されうることが理解される。本願の化合物は、本明細書に記載された方法、並びに合成有機化学の技術分野において公知の合成法、または当業者に認識されているそのバリエーションを用いて合成されうる。
【0049】
有用性および組合せ使用
有用性
本願の化合物は、5HTモジュレーターであり、例えば、5HT2c受容体の選択的アゴニスト、部分的アゴニスト、アンタゴニスト、または部分的アンタゴニストである化合物を包含する。それ故、本願の化合物は、5HT受容体活性と関連する疾患および障害の処置または予防のために有用性があり得る。好ましくは、本願の化合物は、該5HT2c受容体のアゴニストとしての活性を有し、5HT2c受容体の該活性に関連する疾患または障害の処置に用いられ得る。
【0050】
従って、本願の化合物は、これらに限らないが、代謝および摂食障害、並びに代謝障害に関連する病状(例えば、肥満、糖尿病、動脈硬化、高血圧、多嚢胞性卵巣病、循環器病、骨関節炎、皮膚障害、グルコース止血障害(impaired glucose hemostatsis)、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、胆石症および睡眠障害、異常脂血症症状(dislipidemic conditions)、神経性過食症、および心因性摂食障害等);痛み;薬物乱用、鬱病、不安、精神病、躁病および統合失調症などの睡眠障害および精神障害等を含む、様々な症状および障害の処置のために投与され得る。
【0051】
これらの化合物は、認知機能(例えば、アルツハイマー病、短期の記憶喪失および注意欠陥障害を含む痴呆の処置など);神経変性障害(例えば、パーキンソン病、脳卒中および頭部損傷など)および低血圧(例えば、出血性およびエンドトキシンで誘導される低血圧など)の改善にも、用いられ得る。これらの化合物は、心機能障害(例えば、弁膜症、心筋梗塞、心肥大またはうっ血性心不全に関連する);および全肺機能の改善;移植時の拒絶反応;慢性関節リウマチ;骨関節炎;線維筋痛症;多発性硬化症;炎症性腸疾患;ループス;対宿主性移植片病;T−細胞媒介性過敏症;乾癬;喘息;橋本甲状腺炎;ギランバレー症候群;癌;接触性皮膚炎;アレルギー性鼻炎;および虚血性または再灌流性障害の処置のためにも用いられ得る。これらの化合物は、性機能障害および勃起障害の処置のためにも用いられ得る。
【0052】
食欲または動機付けの障害の処置に有用な化合物類は、糖類、炭水化物、アルコールまたは薬品を消費し、より一般的には、快楽価値を持つ成分の消費を制限する願望を調整する。本記載および請求項において、食欲障害は、薬物および特に薬物の乱用、および/または薬物依存と関連する障害、摂食行動の障害、特に、体重超過を引き起こしやすい行動であり、その起源には関係なく、例えば:神経性過食症、糖類への欲求等の意味として理解される。したがって、本願は、さらにII型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)に関連する肥満または過体重になる患者に生じる、より一般的な病気のいずれかを含み、過食症および肥満の処置のための5HT2c受容体アゴニストの使用に関する。それは、過食および過食症、多嚢胞性卵巣病、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリ症候群、フレーリッヒ症候群、II型糖尿病、成長ホルモンの欠損、ターナー症候群、および代謝活性の減少、またはエネルギー消費量の低下により特徴づけられる他の病理学的状態を含む、遺伝的または環境的のいずれもの要因に基づくと思われる。本明細書に記載の該有用性に関して用いられる、語句「処置する」または「処置」とは、疾患または障害の予防、部分的な軽減、または治療を包含する。さらに、肥満の処置は、例えば、動脈硬化、II型糖尿病、多嚢胞性卵巣病、循環器病、骨関節炎、皮膚障害、高血圧、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、胆石症および睡眠障害のような肥満の医学的な共変の進行を予防する事が期待される。
【0053】
本願における化合物は、薬物依存または生理的な依存が無い乱用を含む薬物乱用障害においても有効であり得る。薬物乱用は、アルコール、アンフェタミン(またはアンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入剤、ニコチン、オピオイド類、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様化合物)、鎮静−睡眠剤またはベンゾジアゼピン類、および他の(または未知の)薬物ならびに上記の併用を含む。用語「薬物乱用障害」は、薬物、ニコチン、またはアルコール禁断症候群および薬物誘導不安、または禁断中に発現する気分障害をも包含する。
【0054】
本願における化合物は、記憶障害および認知障害の処置において、有用であり得る。記憶障害の症状は、新しい情報を学習する能力の機能的な障害によって、および/または以前に学んだ情報を思い出す能力がない等の症状が現れる。記憶障害は、痴呆の初期症状であり、アルツハイマー病、統合失調症、パーキンソン病、ハンチントン氏病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病、注意欠陥多動性障害、HIV、虚血または卒中のような心臓血管疾患、および頭部外傷並びに加齢−関係認知力低下のような疾患に関連する症状でもあり得る。痴呆は、記憶喪失およびさらに記憶から分離した知性の障害を含む病気である。5HT2cモジュレーターは、注意欠陥多動性障害のような注意欠陥に関連する認知障害を処置するのにも使用しうる。
【0055】
また、本願における化合物は、例えば、パーキンソン病および薬物乱用障害のような脳ドーパミン作動性系の機能障害に関連する疾患を処置するのに使用しうる。パーキンソン病は、運動緩徐および振戦によって特徴づけられる神経変性の運動障害である。
【0056】
組合せ使用
本願は、その技術的範囲内に、活性成分として、治療上の有効量の式Iの化合物の少なくとも1種を単独で、または医薬用担体と組み合わせて成る、医薬組成物を包含する。本願の化合物は、単独で使用できるが、必要に応じて、抗肥満剤、抗糖尿病剤、食欲抑制剤;コレステロール/脂質低下剤、認知促進剤、神経変性の処置に使用する薬剤、呼吸性病態の処置に使用する薬剤、腸障害の処置に用いる薬剤、抗炎症剤;抗不安誘発剤;抗うつ剤;抗精神病剤;鎮静剤;睡眠剤;抗高血圧剤;抗癌剤および鎮痛剤を含む、上述の障害の処置において、有用である他の適当な治療薬剤と組み合わせ用いられ得る。
【0057】
当該他の治療剤は、本願に係る、5HT2cモジュレーターの投与より先に、同時に、または後に投与され得る。
【0058】
本願の化合物と組み合わせて用いるための適当な抗肥満剤の具体例は、レプチンおよびレプチン−感作剤、メラノコルチン受容体(MC4R)アゴニスト、アグーチ関連ペプチド(AGRP)アンタゴニスト、メラニン−凝集ホルモン受容体(MCHR)アンタゴニスト、成長ホルモン分泌促進物質受容体(GHSR)アンタゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、CCKアゴニスト、GLP−1アゴニスト、NPY1またはNPY5アンタゴニスト、NPY2モジュレーター、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター、aP2阻害剤、PPARガンマモジュレーター、PPARデルタモジュレーター、AJ9677(武田/大日本)、L750355(メルク)、またはCP331648(ファイザー)等のベータ3アドレナリン作動性アゴニスト、または米国特許第5541204号、第5770615号、第5491134号、第5776983号および第5488064号で開示された他の公知のベータ3アゴニスト等、WO97/21993(U.Cal SF), WO99/00353(カロバイオ) およびWO00/039077(カロバイオ)で開示された甲状腺受容体リガンドのような甲状腺受容体ベータモジュレーター、オルリスタットまたはATL−962(アリザイム)のようなリパーゼ阻害剤、レプチン作動性剤、アディポネクチン調節剤、SR−141716(サノフィ)またはSLV−319(ソルヴェイ)のようなカンナビノイド−1 受容体アンタゴニスト、国際特許出願WO03/072197で開示されたアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)インヒビター、およびフェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フルボキサミン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、ピシロレックス、シブトラミン、デキサンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、またはマジンドール等のモノアミン再取り込み阻害剤または放出剤、トピラメート(ジョンソン アンド ジョンソン)、アクソカイン(レジェネロン)のような摂食障害剤などを包含する。
【0059】
本願の化合物と組み合わせて用いるための適当な抗糖尿病剤の具体例は、短期間および長期間持続様式の他に経口および吸入様式等を含み得るインスリン、ビグアナイド剤、スルホニル尿素剤、グルコシダーゼ阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤を含み得るインスリン分泌促進薬、もしくはインスリン感作物質、チアゾリジンジオン化合物等のPPARγアゴニスト、フィブリン酸誘導体のようなPPARαアゴニスト、PPARδアンタゴニストまたはアゴニスト、ブリストル−マイヤーズ スクイブ社の米国特許第6414002号中に記載されたムラグリタイザー(muraglitizar)等のPPARα/γデュアルアゴニスト、ブリストル−マイヤーズ スクイブ社の米国特許第6395767号および第6573287号中に記載されたサクサグリプチン(saxagliptin)等のジペプチジル ペプチダーゼIV(DPP4)阻害剤、ブリストル−マイヤーズ スクイブ社の米国特許第6414126号および第6515117号中に記載された化合物等のSGLT2阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、および/またはメグリニチド化合物、並びにインスリンおよび/またはグルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、および/またはPTP−1B阻害剤(タンパク質チロシンホスファターゼ−1B阻害剤)等を包含する。
【0060】
該抗糖尿病剤は、グルコキナーゼ阻害剤、11βHSD阻害剤または経口抗高血糖性剤であり得、好ましくは、メトフォルミン、またはフェンフォルミン、あるいはそれらの塩のようなビグアナイドであり、特に、メトフォルミンHClが良い。該抗糖尿病剤が、ビグアナイドである場合、本願化合物とビグアナイドの重量比が、約0.001:1から約10:1、好ましくは、約0.01:1から約5:1の使用範囲内となるように使用される。
【0061】
また抗糖尿病剤は、好ましくは、グリブリド(グリベンクラミドとしても知られる)、グリメピリド(米国特許第4379785号で開示)、グリピジド、グリクラジドまたはクロルプロパミド等のスルホニル尿素、ベータ細胞のATP−依存性チャネルに作用する他の公知のスルホニル尿素剤または他の抗高血糖性剤であって良く(グリブリドおよびグリピジドが、特に好ましい)、これらは同一のまたは別個の経口投与剤形で投与することができる。該経口用抗糖尿病剤は、同一のまたは別個の投与剤形で投与しうる、アカルボース(米国特許第4904769号で開示)またはミグリトール(米国特許第4639436号で開示)のようなグルコシダーゼ阻害剤であっても良い。
【0062】
本願の化合物は、チアゾリジンジオン系経口抗糖尿病剤のようなPPARγアゴニストまたはトログリタゾン(米国特許第45729l2号で開示された、ワーナー−ランバート社のレズリン)、ロシグリタゾン(SKB)、ピオグリタゾン(武田)、三菱のMCC−555(米国特許第55940l6号で開示)、グラクソ−ウェルカムのGL−262570、エングリタゾン(CP−68722、ファイザー)またはダルグリタゾン(CP−86325、ファイザー)、イサグリタゾン(MIT/J&J)、JTT−501(JPNT/P&U)、L−895645(メルク)、R−119702(三共/WL)、NN−2344(Dr.Reddy/NN)、またはYM−440(山之内)等の他のインスリン増感剤(NIDDM患者において、インスリン感受性効果を有する)好ましくは、ロシグリタゾンやピオグリタゾンと組み合わせて、使用されて良い。
【0063】
本願の化合物は、抗高脂血症剤、または動脈硬化症の処置のために用いられる薬剤との併用で用いられ得る。抗高脂血症剤の具体例は、これらに限らないが、米国特許第3983140号で開示されたメバスタチンおよび関連化合物、米国特許第4231938号で開示されたロバスタチン(メビノリン)および関連化合物、米国特許第4346227号で開示されたプラバスタチンおよび関連化合物、米国特許第4448784号および第4450171号で開示されたシンバスタチンおよび関連化合物を含むHMG CoA還元酵素阻害剤である。本明細書で用いられる他のHMG CoA還元酵素阻害剤は、これらに限らないが、米国特許第5354772号で開示されたフルバスタチン、米国特許第5006530号および第5177080号で開示されたセリバスタチン、米国特許第4681893号、第5273995号、第5385929号および第5686104号で開示されたアトルバスタチン、米国特許第5011930号で開示されたピタバスタチン[日産/三共のニスバスタチン(NK−104)またはイタバスタチン]、米国特許第5260440号で開示された塩野義−アストラ/ゼネカのロスバスタチン[ビサスタチン(ZD−4522)]および米国特許第5753675号で開示された関連するスタチン化合物を包含する。
【0064】
本発明で使用するのに適当なスクアレン合成酵素阻害剤は、これらに限らないが、米国特許第5712396号で開示されたα−ホスホノ−スルフォネート類、イソプレノイド(ホスフィニル−メチル)ホスホネート類を含む、Biller et al, J. Med. Chem., 1988, Vol. 31, No. 10, pp 1869-1871 で開示された化合物、並びに例えば、米国特許第4871721号および第4924024号、および Biller, S.A., Neuenschwander, K., Ponpipom, M.M., and Poulter, C.D., Current Pharmaceutical Design, 2, 1-40 (1996)で開示された他の公知のスクアレン合成酵素阻害剤を含む。
【0065】
さらに、本発明で使用するのに適当な他のスクアレン合成酵素阻害剤は、P. Ortiz de Montellano et al, J. Med. Chem., 1977, 20, 243-249 で開示されたテルペノイドピロホスフォネート類、J. Am. Chem. Soc., 1976, 98, 1291-1293 で、コーリーおよびボランテによって開示された該ファルネシル ジホスフェートアナログA、およびプレスクアレン ピロホスフェート(PSQ−PP)アナログ、McClard, R.W. et al, J.A.C.S., 1987, 109, 5544 で報告されたホスフィニルホスフォネート類、Capson, T.L., の博士論文, June, 1987, Dept. Med. Chem. U of Utah, Abstract, Table of Contents, pp 16, 17, 40-43, 48-51, Summary で報告されたシクロプロパン類、WO 02/083636のサショウらによって開示されたピロリジン誘導体、およびWO 02/076973のオカダらによって開示されたN−アリール−置換された環状アミン誘導体等を含む。
【0066】
本発明で使用するのに適当な他の抗高脂血症剤は、これらに限らないが、フィブリン酸誘導体、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、クロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、クリノフィブレート等のようなαPPARアゴニスト、米国特許第3674836号で開示されたプロブコールおよび関連化合物(プロブコール、フェニルフィブレートおよびゲムフィブロジルが好適)、コレスチラミン、コレスチポールおよびDEAE−セファデックス(SECHOLEX, POLICEXIDE)およびコレスタゲル(三共/ゲルテックス)のような胆汁酸金属イオン封鎖剤、並びにリポスタビル(ローヌ−プーラン)、エーザイのE−5050(N−置換されたエタノールアミン誘導体)、イマニキシル(HOE−402)、テトラヒドロリプスタチン(THL)、イスチグマスタニルホスフォリルコリン(SPC、ロシュ)、アミノシクロデキストリン(田辺製薬)、味の素 AJ−814(アズレン誘導体)、メリナミド(住友)、サンド 58−035、アメリカンシアナミドのCL−277082およびCL−283546(ジ置換ウレア誘導体)、ニコチン酸(ニアシン)、アシピモックス、アシフラン、ネオマイシン、p−アミノサリチル酸、アスピリン、米国特許第4759923号で開示されたポリ(ジアリルメチルアミン)誘導体、四級アミンポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)および米国特許第4027009号で開示されたインデン化合物、および他の公知の血清コレステロール低下剤等を含む。
【0067】
該他の抗高脂血症剤は、Drugs of the Future 24, 9-15 (1999), (Avasimibe);「The ACAT inhibitor, Cl-1011 is effective in the prevention and regression of aortic fatty streak area in hamsters」Nicolosi et al, Atherosclerosis (Shannon, Irel). (1998), 137(1), 77-85;「The pharmacological profile of FCE 27677: a novel ACAT inhibitor with potent hypolipidemic activity mediated by selective suppression of the hepatic secretion of ApoB100-containing lipoprotein」Ghiselli, Giancarlo, Cardiovasc. Drug Rev. (1998), 16(1), 16-30;「RP 73163: a bioavailable alkylスルフィニル-diphenylimidazole ACAT inhibitor」Smith, C., et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. (1996), 6(1), 47-50;「ACAT inhibitors: physiologic mechanisms for hypolipidemic and anti-atherosclerotic activities in experimental animals」Krause et al, Editor(s): Ruffolo, Robert R., Jr.; Hollinger, Mannfred A., Inflammation: Mediators Pathways (1995), 173-98, Publisher: CRC, Boca Raton, Fla.;「ACAT inhibitors: potential anti-atherosclerotic agents」Sliskovic et al, Curr. Med. Chem. (1994), 1(3), 204-25;「Inhibitors of acyl-CoA:cholesterol O-acyl transferase (ACAT) as hypocholesterolemic agents. 6. The first water-soluble ACAT inhibitor with lipid-regulating activity. Inhibitors of acyl-CoA:cholesterol acyltransferase (ACAT). 7. Development of a series of substituted N-phenyl-N'-[(1-phenylcyclopentyl)methyl]ureas with enhanced hypocholesterolemic activity」, Stout et al, Chemtracts: Org. Chem. (1995), 8(6), 359-62 等の中で開示された、またはTS−962(大正製薬)、他にはF−1394、CS−505、F−12511、HL−004、K-10085およびYIC−C8−434等のACAT阻害剤(抗アテローム動脈硬化活性をも有する)であり得る。
【0068】
該抗高脂血症剤は、MD−700(大正製薬)およびLY295427(イーライリリー)のようなLDL受容体のアップレギュレーターであり得る。抗高脂血症剤は、コレステロールの吸収阻害剤、好ましくは、シェリング−プラウのSCH48461(エゼチミベ)に加えて、Atherosclerosis 115, 45-63 (1995) および J. Med. Chem. 41, 973 (1998) で開示された化合物であり得る。
【0069】
該他の脂質剤または脂質調節剤は、ファイザーのトルセトラピブ(登録商標)のようなコレステリル転送蛋白阻害剤(CETP)だけでなく、WO/0038722、EP818448(バイエル)ならびにEP992496で開示された薬剤や、ファルマシア社のSC−744およびSC−795、CETi−1およびJTT−705でもあり得る。
【0070】
該抗高脂血症剤は、例えば、Drugs of the Future, 24, 425-430 (1999) で開示された、回腸のNa/胆汁酸共輸送阻害剤であり得る。本願の組合せで用いられ得る該ATPクエン酸リアーゼ阻害剤は、例えば、米国特許第5447954号で開示されたものを含み得る。
【0071】
該他の脂質剤は、例えば、WO 00/30665で開示された植物性エストロゲン化合物も含み、大豆蛋白質、大豆蛋白質濃縮液または大豆の粉からの単離物だけでなく、ゲニステイン、ダイドゼイン、グリシテイン、またはエクオール、もしくは植物性ステロール類、WO2000/015201で開示された植物性スタノール、またはトコトリエノール等のイソフラボンも含み;EP675714で開示されたベータ−ラクタムコレステロール吸収阻害剤;LXRアゴニストのようなHDLアップレギュレーター、PPARα−アゴニスト、および/またはFXRアゴニスト;EP1022272で開示されたLDL異化プロモーター;DE19622222で開示されたナトリウム−プロトン交換阻害剤;米国特許第5698527号およびGB2304106で開示されたLDL受容体誘発剤またはステロイド性のグリコシド;WO94/15592で開示されたベータ−カロテン、アスコルビン酸、α−トコフェロールまたはレチノールおよびビタミンC等の抗酸化剤、ならびに葉酸、葉酸化合物、ビタミンB6、ビタミン12およびビタミンE等の抗ホモシステイン剤;WO97/35576で開示されたイソニアジド;コレステロール吸収阻害剤、HMG−CoA合成酵素阻害剤、またはWO97/48701で開示されたラノステロール脱メチラーゼ阻害剤;異脂肪血症の処置のためのPPARδアゴニスト;またはWO2000/050574で開示されたステロール調節エレメント結合蛋白−I(SREBP−1)、例えば、セラミドまたは中性スフィンゴミエリナーゼ(N−SMase)またはそれらのフラグメントのようなスフィンゴ脂質、および例えば、ACC、FAS、DGAT、MGAT、GPAT、AMPキナーゼ、CPT1およびSCD1のような阻害剤または脂質合成酵素などを包含する。好ましい異脂肪血症剤は、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、エゼチミブ、フェノフィブラートおよびファイザー社のトルセトラピブ(登録商標)だけでなく、ニアシンおよび/またはコレスタゲルである。
【0072】
本願の化合物は、抗高血圧剤と組み合わせて用いられ得る。本願の化合物と組み合わせて使用するための適当な抗高血圧剤の例は、ベータアドレナリン作動性ブロッカー、カルシウムチャネルブロッカー(L−タイプおよびT−タイプ;例えば、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびミベフラジル)、利尿剤(例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸トリクリナフェン、クロルタリドン、フロセミド、ムソリミン、ブメタニド、トリアムトレン、アミロリド、スピロノラクトン)、レニン阻害剤、ACE阻害剤(例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、フォシノプリル、エナラプリル、セラノプリル、シラゾプリル、デラプリル、ペントプリル、キナプリル、ラミプリル、リシノプリル)、AT−1受容体アンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、カンダサルタンおよびタルミサルタン)、ET受容体アンタゴニスト(例えば、シタクスセンタン、アトルセンタンおよび米国特許第5612359号、および第6043265号で開示された化合物)、デュアルET/AIIアンタゴニスト(例えば、WO 00/01389で開示された化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バゾペプシダーゼ阻害剤(デュアルNEP−ACE阻害剤)(例えば、オマパトリラートおよびゲモパトリラート)およびナイトレート化合物等を含む。
【0073】
5HT2Cモジュレーターは、睡眠障害を含む肥満と関連する他の病気の処置に有用であり得る。それ故、本願に記載の該化合物は、睡眠障害の処置のための治療剤と組み合わせて使用され得る。本願の化合物と組み合わせて使用するための睡眠障害の処置における適当な治療剤の例は、メラトニンアナログ、メラトニン受容体アゴニスト、ML 1 Bアゴニストを含む。GABA A受容体アゴニストは、バルビツール酸化合物(例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、メフォバルビタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、およびタルブタール)、ベンゾジアゼピン化合物(例えば、ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ハラゼパムおよびプラゼパム)、とりわけ、トリアゾラム(ハルシオン)をも含む。他の睡眠障害の治療剤は、ゾルピデム(アムビエン)およびニューロクリン社のインディプロンを含む。
【0074】
5HT2Cモジュレーターは、薬物乱用または嗜癖障害を減じる、もしくは回復し得る。それ故、嗜癖障害の処置に用いる薬剤と5HT2Cモジュレーターの併用は、必要投与量を減少するか、または現在の嗜癖障害の治療の効力を改善しうる。薬物乱用または嗜癖障害の処置に用いる薬剤の例は、選択的なセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、メタドン、ブプレノルフィン、ニコチンおよびブプロピオン、ならびにオピエートアンタゴニストである。
【0075】
5HT2Cモジュレーターは、不安または鬱病を減少し得る。したがって、本明細書に記載の化合物は、抗不安誘発剤または抗うつ剤と組み合わせて使用され得る。本願の化合物と組み合わせて使用するための適当な抗不安誘発剤の例は、ベンゾジアゼピン化合物(例えば、ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ハラセパム、およびプラゼパム)、5HT1A受容体アゴニスト(例えば、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン、イプサピロン、およびセルゾン)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アゴニストおよびSSRI類を含む。
【0076】
本願の化合物と組み合わせて使用するための適当な抗うつ剤の分類例は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(三環系三級および二級アミン)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、およびセルトラリン)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)(イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレギリン)、可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)(モクロベミド)、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)(ベンラファキシン)、コルチコトロピン放出因子(CRF)受容体アンタゴニスト(ブリストル−マイヤーズ スクイブ米国特許第6642230号、第6630476号、第6589952号、第6579876号、第6525056号、第6521636号、第6518271号、第6515005号、第6448261号、第6399609号、第6362180号、および第6358950号)、α−アドレノ受容体アンタゴニスト、および異型の抗うつ剤(ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン)を含む。
【0077】
5HT2Cモジュレーターと従来の抗精神病薬の併用は、精神病または躁病の治療において、症状の減少も強めうる。さらに、当該併用は、急な症状の減少を可能にし、抗精神病剤の慢性的な治療の必要性を減じる。当該併用は、抗精神病に有効な必要投与量の減少をも可能であり、慢性的な抗精神病治療の典型的な運動障害に発展する可能性を減少する結果となりうる。
【0078】
本願の化合物と組み合わせて使用するための適当な抗精神病剤の例は、フェノチアジン(クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、およびトリフルオペラジン)、チオキサンチン(クロルプロチキセン、チオチキセン)、ヘテロ環ジベンズアゼピン(クロザピン、オランゼピンおよびアリピラゾール)、ブチロフェノン(ハロペリドール)、ジフェニルブチルピペリジン(ピモジド)およびインドロン(モリンドロン)等の抗精神病剤群を含む。本願の化合物との併用において、治療の有用性が見込まれる他の抗精神病剤は、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンを含む。
【0079】
本願の化合物と従来の抗精神病薬との併用は、躁病における上記の通り、統合失調症処置での治療効果も増加する。ここで使用される、統合失調障害は、妄想性の、支離滅裂な、緊張性の、未分化のおよび後遺症の統合失調症、統合失調様障害、統合失調感情障害、妄想障害、短期の精神病障害および特定されない精神障害等も含む。本願の化合物との併用における適当な抗精神病薬の例は、上述の抗精神病薬だけでなく、ドーパミン受容体アンタゴニスト、ムスカリン受容体アゴニスト、5HT2A受容体アンタゴニストおよび5HT2A/ドーパミン受容体アンタゴニストまたは部分的なアゴニスト(例えば、オランゼピン、アリピプラゾール、リスペリドン、ジプラシドン)などを含む。
【0080】
本願で記載された該化合物は、例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤[例えば、コグニックス(登録商標)中の活性化剤であるタクリン]、ADHD剤[例えば、ストラッテラ(登録商標)およびヒスタミン 3アンタゴニスト中の活性化剤であるメチルフェニデート、アトモキセチン]、ムスカリン受容体−1アゴニスト(例えば、ミラメリン)、ニコチンアゴニスト、メマンチンのようなグルタミン酸受容体(AMPAおよびNMDA)モジュレーターおよび向知性剤(例えば、ピラセタム、レベチラセタム)などの認知増加剤の効果を強めるために用いられる。本願の化合物と組み合わせて使用するためのアルツハイマー病および認知障害の処置に適当な治療剤の例は、ドネペジル、タクリン、レバスチグライン、5HT6受容体アンタゴニスト、ガンマセクレターゼ阻害剤、ベータセクレターゼ阻害剤、SKチャネルブロッカー、MaXi−Kブロッカー,およびKCNQ類ブロッカーなどを包含する。
【0081】
本願に記載の該化合物は、パーキンソン病の処置に用いられる薬剤の効果を強めるために用いられ得る。パーキンソン病処置に用いられる薬剤の例は、COMT阻害剤を一緒に用い、または用いないで使用するレボドパ、抗グルタミン作動性薬(アマンタジン、リルゾール)、イダゾキサンのようなアルファ−2アドレナリン作動性アンタゴニスト、ナルトレキソンのようなオピエートアンタゴニスト、ロピニロールまたはプラミペキソールなどの他のドーパミンアゴニスト、またはトランスポーターモジュレーター、もしくはグリア由来神経栄養因子(GDNF)のような神経栄養因子などを包含する。
【0082】
本願に記載の化合物は、勃起障害の処置に使用する薬剤と組み合わせて用いられ得る。勃起障害の適当な治療剤の例は、シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、およびタダラフィル(シアリス)などを含む。勃起障害のための組み合わせで用いられる他の化合物は、ヨヒンビン、フェントラミンおよびパパベリンを含む。
【0083】
本願に記載の化合物は、適当な抗炎症剤との組み合わせで用いられ得る。本願の化合物と組み合わせて用いる適当な抗炎症剤の例は、プレドニゾン、デキサメタゾン、シクロオキシゲナーゼ阻害剤[すなわち、NSAID、アスピリン、インドメタシン、イブプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン(登録商標)、セレブレックス(登録商標)、ビオックス(登録商標)、アルコキシア(登録商標)、およびベクストラ(登録商標)のようなCOX−1および/またはCOX−2阻害剤]、CTLA4−Igアゴニスト/アンタゴニスト、CD40リガンドアンタゴニスト、ミコフェノレート[セルセプト(登録商標)]のようなIMPDH阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、アルファ−4 ベータ−7 インテグリンアンタゴニスト、細胞接着阻害剤、インターフェロンガンマアンタゴニスト、ICAM−1阻害剤、腫瘍壊死因子(TNF)アンタゴニスト[例えば、インフリキシマブ、OR−1384、テニダップのようなTNF−アルファ阻害剤を含み、抗TNF抗体またはエタネルセプト[エンブレル(登録商標)]のような溶解性TNF受容体、レミケード(登録商標)、ラパマイシン(シロリムスまたはラパミューン)およびレフルノミド(アラバ)]、プロスタグランジン合成阻害剤、ブデソニド、クロファジミン、CNI−1493、CD4アンタゴニスト(例えば、プリリキシマブ)、p38マイトジェン活性化蛋白キナーゼ阻害剤、蛋白質チロシンキナーゼ(PTK)阻害剤、IKK阻害剤、および過敏性大腸症候群の処置のための治療薬[例えば、米国特許第6184231B1号で開示されたゼルノーム(登録商標)およびMaxi−K(登録商標)オープナー]等を含む。
【0084】
5HT2Cモジュレーターと組み合わせて用いられ得る当該他の治療剤の具体例は、シクロスポリン類(例えば、シクロスポリンA)、抗IL−2受容体(抗Tac)、抗CD45RB、抗CD2、抗CD3(OKT−3)、抗CD4、抗CD80、抗CD86、モノクローナル抗体OKT3、CD40および/またはgp39に特異性のある抗体(例えば、CD154)などの、CD40およびgp39間の相互作用をブロックする薬剤、CD40およびgp39から構築される融合蛋白質(CD40IgおよびCD8gp39)、核転移阻害剤のような阻害剤、デオキシスペルグアリン(DSG)のようなNF−カッパB機能の阻害剤、金化合物、メトトレキサートのような抗増殖剤、FK506(タクロリムス、プログラフ)、ミコフェノール酸モフェチル、アザチプリンおよびシクロホスファミドのような細胞毒性薬、抗IL−4またはIL−4受容体融合蛋白質のような抗サイトカインおよびアリフロのようなPDE4阻害剤、および以下の米国特許出願で開示されたPTK阻害剤を含み、それらの全体において、参照として本明細書に導入されている。Ser. No. 09/097,338, filed Jun. 15, 1998; Ser. No. 09/094,797, filed Jun. 15, 1998; Ser. No. 09/173,413, filed Oct. 15, 1998; and Ser. No. 09/262,525, filed Mar. 4, 1999. また以下の書物およびその引用文献(参考までに本明細書に導入)を参照:Hollenbaugh, D., Et Al, 「Cleavable CD40Ig Fusion Proteins and the Binding to Sgp39」, J. Immunol. Methods (Netherlands), 188(1), pp. 1-7 (Dec. 15, 1995)、Hollenbaugh, D., et al, 「The Human T Cell Antigen Gp39, A Member of the TNF Gene Family, Is a Ligand for the CD40 Receptor: Expression of a Soluble Form of Gp39 with B Cell Co-Stimulatory Activity」, EMBO J (England), 11(12), pp. 4313-4321 (December 1992); および Moreland, L. W. et al., 「Treatment of Rheumatoid Arthritis with a Recombinant Human Tumor Necrosis Factor Receptor (P75)-Fc Fusion Protein」, New England J. of Medicine, 337(3), pp. 141-147 (1997).
【0085】
本願の化合物と組み合わせて用いる際、上記の他の治療薬は、例えば、Physicians’ Desk Reference(PDR)において、示される量または当業者によって決定される量で用いられ得る。
【0086】
本願の式Iの化合物は、当該疾患にかかり易いことが知られている種々の哺乳類、例えば、ヒトに対して、経口または非経口で、例えば、皮下もしくは静脈内に、並びに、鼻腔適用で、経皮的に、直腸または舌下等に、1日当たり単一用量または2〜4回の分割用量の生活規則にて、約0.2から1000mg、好ましくは、約1から100mgの用量範囲の有効量で、投与することができる。
【0087】
式Iの化合物は、適当な手段により、例えば、錠剤、カプセル、顆粒、または粉末の形状での経口投与;舌下投与;バッカル投与;皮下、静脈内、筋肉内、または嚢内注射、もしくは点滴技術による非経口投与(例えば、無菌注射用水溶液または非水溶液、もしくは懸濁液)、吸入スプレーによる鼻腔膜への投与を含む経鼻投与;クリームまたは軟膏の形状での局所投与;坐薬の形状での直腸投与;非毒性で医薬的に許容できるビヒクルまたは希釈剤を含有する単位での投与により、本明細書に記載の用途のいずれかに対して適用することができる。例えば、本発明化合物は、即時放出、または長期放出に適した形状で、投与され得る。即時放出または長期放出は、本発明化合物を含有する適当な医薬組成物の使用により達成され、または、特に持続的な長期放出の場合においては、皮下移植または浸透圧ポンプなどの装置の使用により達成される。本発明化合物は、リポソーム化され、投与され得る。
【0088】
経口投与用組成物の具体例は、例えば、増量のための微結晶のセルロース、沈殿防止剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロース、および当業者によって公知の甘味料またはフレーバーを含有する懸濁液;および例えば、微結晶のセルロース、第二リン酸カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、および/またはラクトース、および/または当業者によって公知の他の賦形剤、結合剤、エキステンダー、崩壊剤、希釈剤および潤滑剤を含有し得る即時放出用錠剤を包含する。式Iの化合物は、舌下および/またはバッカル投与により、口腔を経由してデリバリーすることができる。成形された錠剤、圧縮された錠剤または凍結乾燥された錠剤は、用いられ得る具体的な剤形である。具体的な組成物としては、本発明化合物を速溶解希釈剤、例えば、マンニトール、ラクトース、サッカロースおよび/またはシクロデキストリンと配合した組成物が挙げられる。また、かかる配合物には、セルロース(アビセル)またはポリエチレングリコール(PEG)のような高分子量の賦形剤を含ませても良い。また、かかる配合物は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)、マレイン酸無水物共重合体[例えば、ガントレズ(Gantrez)]のような粘膜接着を補助するための賦形剤や、ポリアクリル共重合体(例えば、カルボポール934)のような放出コントロール剤も含有することができる。潤滑剤、崩壊剤、フレーバー、色素剤および安定化剤は、二次加工および使用の容易さのためにも加えられ得る。
【0089】
鼻腔エアロゾルまたは吸入投与用組成物の具体例は、例えば、ベンジルアルコールまたは他の適当な保存剤、バイオアベイラビリティを増加するための吸収促進剤、および/または当業者に公知の他の溶解剤、または分散剤を含有しうる生理食塩水溶液を包含する。
【0090】
非経口投与用組成物の具体例、例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンガー溶液、等張塩化ナトリウム溶液のような適当な無毒の非経口で、許容できる希釈液または溶剤、または他の適当な分散剤もしくは湿潤剤、および合成モノ−またはジグリセリドを含む沈殿防止剤、およびオレイン酸を含む脂肪酸、またはクレマファー(Cremaphor)等を含有しうる注射可能な溶液または懸濁液を包含する。
【0091】
直腸投与用組成物の具体例は、例えば、常温で固体であるが、薬物を放出するために腸腔内で液化および/または溶解する、ココアバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールのような適当な刺激のない賦形剤を含有しうる坐剤を包含する。
【0092】
局所投与用組成物の具体例は、プラスチベース(鉱油をポリエチレンでゲル化したもの)のような局所担体を含む。
【0093】
個々のいずれかの被検体(者)の場合の特定の投与量レベルや投与回数は、適宜に変化することが可能で、かつ用いられる特定の化合物の活性、該化合物の代謝安定性および作用の長さ、被検体の種、年齢、体重、通常の健康状態、性別およびダイエット、投与の形式および時間、排泄の割合、薬物の組み合わせ、および個々の症状における重症度を含む、多様な要因に依存することが理解される。
【0094】
薬理的分析
5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT2C受容体のアンタゴニズムまたはアゴニズムのどちらかにおける、それぞれの化合物の薬理的分析は、インビトロおよびインビボ研究からなる。インビトロ分析においては、5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT2C受容体でのK値の決定およびIP3加水分解アッセイによる各々の受容体の分類における機能的な(すなわち、アゴニズムまたはアンタゴニズム)活性の評価が含まれる。さらに、モノアミンおよび妨害する受容体(例えば、ヒスタミン、ドーパミン、およびムスカリン受容体)に対する5−HT2C受容体の特異性を評価するための受容体アッセイを行う。化合物において、約50マイクロモーラーより低い、好ましくは約1.0マイクロモーラーより低い、より好ましくは約0.1マイクロモーラーより低いEC50値またはK値を有する場合、5−HTアゴニストとして活性があるとみなされる。本明細書で開示されたアッセイを用いると、本願の化合物は、5−HTアゴニズムにおいて、約50マイクロモーラーより低いEC50値を有することが認められる。
【0095】
インビボアッセイでは、急性および慢性摂食モデル、不安および鬱モデル(学習性無力感、高架式十字迷路法、ゲラー−シーフター、味覚嫌悪学習、味覚反応性、満腹結果)等を含む、多様な行動パラダイムにおける化合物の活性を評価する。概して、これらのモデルは、5−HT2Cアゴニスト(摂食モデル、不安モデル、鬱病モデル)としての活性を反映し、バイオアベイラビリティ、代謝および薬物動態に関して、多少の兆候を与える。
【0096】
放射性リガンド結合実験は、HEK293E細胞において、発現されるヒト5−HT2A,5−HT2Bおよび5−HT2C受容体の組み換え体で実施された。これらの受容体で結合する本願の化合物の親和性は、5−HT2A,5−HT2B,または5−HT2C受容体で結合する[125I]−1−(2,5−ジメトキシ−4−ヨードフェニル)−2−アミノ−プロパン(DOI)または[H]−リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)との競合する能力によって決定される。結合アッセイについての一般的な参考文献は、1)Lucaites VL, Nelson DL, Wainscott DB, Baez M (1996) Receptor subtype and density determine the coupling repertoire of the 5-HT2 receptor subfamily. Life Sci., 59(13):1081-95. Glennon RA, Seggel MR, Soine WH, Herrick-Davis K, Lyon RA, Titeler M (1988) [125I]-1-(2,5-dimethoxy-4-iodophenyl)-2-amino-propane: an iodinated radioligand that specifically labels the agonist high-affinity state of 5-HT2 serotonin receptors. J Med. Chem. (1988) 31(1):5-7;および3 Leonhardt S, Gorospe E, Hoffman BJ, Teitler M (1992) Molecular pharmacological differences in the interaction of serotonin with 5-hydroxytryptamine1C and 5-hydroxytryptamine2 receptors. Mol Pharmacol., 42(2):328-35. 等を含む。
【0097】
化合物の機能的性質(有効性および作用強度)は、受容体介在ホスフォイノシトール加水分解および/または細胞内カルシウム放出を刺激または阻害する能力を評価することによって、5−HT2A,5−HT2B、または5−HT2C受容体を発現する細胞全体で決定された。該使用手順は、以下で記載される。
【0098】
インビトロ結合アッセイ
HEK293E細胞における、5−HT2A,5−HT2Bおよび5−HT2C受容体の安定発現
安定な細胞培養株は、リン酸カルシウムを用い、293EBNA細胞をヒト5−HT2A、5−HT2Bまたは5−HT2C受容体(INI、INV、VNVまたはVGV RNAが編集されたアイソフォーム)cDNAを含んだプラスミドでトランスフェクションすることにより、産生された。これらのプラスミドはまた、受容体発現を駆動するための即時的な初期プロモーターであるサイトメガロウイルス(CMV)および染色体外成分として、それらの維持のためのEBV oriPおよびE.ColiからヒグロマイシンB耐性を産生するhph遺伝子を含む(Horlick et al., 1997)。トランスフェクションされた細胞は、湿気のある環境(5%CO)において、37℃で10日間、透析された10%ウシ胎児血清ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で維持した。該5−HT2A細胞は、大量プロセスのため、攪拌培養を適用したのに対し、他の株は接着培養で維持する事が必要であった。収集の日は、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、計測し、−80℃で保存した。
【0099】
膜調製
アッセイの日には、5−HT2A,5−HT2Bまたは5−HT2C受容体を発現する細胞全体(約1×10細胞を含む)のペレットを氷で解凍して、1.0mM EDTAを含んだ50mMトリスHCl(pH7.7)中、ブリンクマン ポリトロン(PT−10,セッティング6で10秒間)を用いて、ホモジナイズした。該ホモジネートを、48000×gで10分間遠心分離して、生じたペレットは、ホモジネート化、遠心分離段階を繰り返すことによって、2回洗浄した。最終のペレットは、組織緩衝液で再懸濁し、蛋白質決定は、標準液として、ウシ血清アルブミンを用いて、ビシコニン酸(BCA)アッセイ(ピアース社、IL)により行った。
【0100】
5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT2C受容体における放射性リガンド結合アッセイ
放射性リガンド結合実験を行って、ヒト5−HT2A,5−HT2Bおよび5−HT2C受容体の組み換え体についての化合物の結合親和性(Ki値)を決定した(Fitzgerald et al., 1999)。アッセイは、使い捨てのポリプロピレン96−ウェルプレート(コスター社、ケンブリッジ、MA)で行い、組織緩衝液[10〜30(g/ウェル)]に、5−HT2A,5−HT2Bまたは5−HT2C膜ホモジネートを加えて開始し、5−HT2Aおよび5−HT2C受容体(0.3〜0.5nM、最終濃度)については[125I]DOIを、または5−HT2B受容体については[H]LSD(1〜2.0nM、最終濃度)を含んだ緩衝液(50mMトリスHCl、0.5mM EDTA、10mM パルギリン、10mM MgSO、0.05%アスコルビン酸、pH7.5)を検定し、この場合、競合薬を使用または使用せず[すなわち、新しく合成された化学的実体(chemical entity)]を検討した。典型的な競合実験において、放射性リガンドの固定化した濃度は、リガンド(10ピコモルから10マイクロモルまでの範囲で12の濃度)の2倍濃度に匹敵した。反応混合物は、37℃で45分間平衡に達するまでインキュベートし、前もって0.3%ポリエチレンイミンを染みこませたGFBガラス繊維フィルターで、急速濾過(パッカードセルハーベスター;パーキン−エルマー)により終了した。フィルターは、氷冷50mMトリスHCl緩衝液(pH7.5)で洗浄し、次いでトップカウント(パッカード)で計測した。
【0101】
ホスフォイノシチド加水分解研究
ホスフォイノシチド(PI)加水分解を刺激する新しく合成された化合物の能力は、以前に記載されたプロトコル(Berridge et al., 1982)の変形(Egan et al., 1998)を用いて細胞全体でモニターした。ヒト5−HT2A、5−HT2Bまたは5−HT2C受容体を発現するHEK293E細胞は、0.5mM EDTAで浮遊させ、高濃度のグルコース、2mMのグルタミン、10%の透析されたウシ胎児血清、250g/mLのヒグロマイシンB、および250g/mLのG418を含んだダルベッコ変法イーグル培地(DMEM;Gibco BRL)中で、ポリ−D−リジンでコーティングした24−ウェルプレートにて、100000/ウェルの濃度で平板培養した(バイオコート;ベクトンディッキンソン、ベッドフォード、MA)。24〜48時間続けて、成長培養液を除いて、ウシ胎児血清およびイノシトール(ギブコ BRL)を用いないDMEMで置換した。該細胞は、次いで、最終濃度が、0.5uCi/ウェルのミオ−[H]イノシトールを含有するDMEM(血清およびイノシトールを用いない)と共に16〜18時間、インキュベートした。このインキュベートに続いて、該細胞は、10mM LiClおよび10Mパルギリンを含むDMEM(血清またはイノシトールを用いない)で洗浄し、次いで、同じ培養液で30分間インキュベートしたが、現在もいくつかの試験化合物のうちの一つが含まれている。反応は、該培養液を吸引し、凍結−解凍によって細胞を溶解させて終了した。[H]ホスフォイノシチド類は、クロロホルム/メタノール(1:2 v/v)で抽出し、アニオン交換クロマトグラフィー(バイオ−ラッド AGI−X8レジン)で分離し、以前に記載された(Egan et al., 1998)液体シンチレエーション分光法で計測した。
【0102】
カルシウム蛍光研究
カルシウム蛍光を刺激するための新たに合成した化合物の能力は、以前に記載された(Fitzgerlad et al., 1999)プロトコルを用いて、細胞全体でモニターした。ヒト5−HT2Cまたは5−HT2B受容体を発現するHEK293E細胞は、0.5mM EDTAで浮遊させ、高濃度のグルコース、2mMのグルタミン、10%の透析されたウシ胎児血清、250μg/mlのヒグロマイシンB、および250μg/mlのG418を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM;ギブコ BRL)中で、ポリ−D−リジンでコーティングされた96−ウェルプレート(バイオコート;ベクトンディッキンソン、ベッドフォード、MA)にて、500000/ウェルの濃度で平板培養した。24時間続けて、該細胞プレートを、該インキュベーターから除き、カルシウム色素試薬(Fluo−3)を含有する同量の添加液(Loading Buffer)(Hanks BSS 200mM HEPES含有, pH 5.98)をそれぞれのウェル(96−ウェルプレートのウェルに付き100μL)に加え、次いで、37℃で1時間インキュベートした。該細胞の色素添加に続いて、該プレートをFLIPRに移した。プレートに試験化合物を濃度応答曲線に準じて加え、カルシウム流入に基づく蛍光ユニットの変化を3秒間モニターした。
【0103】
データ分析
競合実験からの見掛平衡解離定数(Ki)は、反復非線性回帰曲線の当てはめプログラム(Excelfit and TA Activity Base)を用いて計算した。PI加水分解およびFLIPR実験において、EC50は、一部疑似ヒルモデル:y=[[Rmax−Rmin]/[1+R/EC50]nH]]+Rmax、ここで、R=応答(GraphPad Prism;サンディエゴ、カリフォルニア)を用いて計算された。Emax(最大応答)は、それぞれの化合物についての当てはめられた曲線の最大値(ネットIP刺激)から導き出された。固有活性(IA)は、5−HT(IA=1.0)の該Emaxのパーセントとして、化合物の該Emaxを表すことによって、決定した。
【0104】
摂食量および体重減少を評価するための有効モデル
急性終夜摂食アッセイ
化合物は、ラットにおける摂食のもっとも活発な期間である暗サイクルの間の摂食量を減らす能力によって評価する。フィッシャー344ラットは、食物ペレットを得るために3回連続してバーを押すように要求する固定比率3(FR3)応答パラダイムでしつけられる。暗サイクルを通して起こるバーを押す回数は、動物により食物を取り入れる回数として、電子的にモニターされ得る。ラットは、該暗サイクルの開始30分前に試験化合物を経口または腹腔内に投与される。処理された動物は、次いで、個別の操作をする箱に15時間(暗サイクルの12時間および明サイクルの最初の3時間)置いた。化合物を取り入れた食べ物で処理された動物は、食物摂取の減退したパーセントを決定するためにビヒクルで処理された動物と比較される。水分摂取および歩行運動活性の同時測定も、副作用を起こす可能性を評価する期間中に行う。
【0105】
慢性摂食アッセイ
化合物は、Sprague-Dawleyラット(最初の体重が、〜450g)において、3から14週の慢性治療パラダイムでの食物摂取および体重量の長期間の影響を評価される。雄のSprague-Dawleyラットは、摂食行動を評価される期間中、投与の開始1週間前に事前処理される。ラットは、次いで治療群に割り当てられる。ラットは、ビヒクルまたは経口胃管療法によって、投与される。摂食および体重量は、各々処理した週の終わりに、累積的に評価され、ビヒクル処理された動物と比較される。いくつかの研究において、摂食は一対の摂食した動物の摂食量の減少効果を評価するために毎日測定される。研究期間の最後に、該動物はDEXAを利用して、体組成の変化を評価し、次いで種々の血漿パラメーターの変化を試験するために屠殺される。
【0106】
引用文献
Arnt, J. Acta Pharmacol. et Toxicol. (1982) 51:321-329.
【0107】
Berridge M.J., Downes P.C. , Hanley M.R. (1982) Lithium amplifies agonist-dependent phosphotidyinositol response in brain and salivary glands. Biochem. J., 206:587-595.
【0108】
Costall, B and Naylor, RJ. Psychopharmacology. (1975) 43:69-74.
【0109】
Egan C.T., Herrick-Davis K., Miller K., Glennon R.A., and Teitler M. (1998) Agonist activity of LSD and lisuride at cloned 5-HT2A and 5-HT2C receptors. Psychopharmacology, 136:409-414.
【0110】
Fitzgerald LW, Conklin DS, Krause CM, Marshall AP, Patterson JP, Tran DP, Iyer G, Kostich WA, Largent BL, Hartig PR (1999) High-affinity agonist binding correlates with efficacy (intrinsic activity) at the human serotonin 5-HT2A and 5-HT2C receptors: evidence favoring the ternary complex and two-state models of agonist action. J. Neurochem., 72:2127-2134.
【0111】
Horlick, R.A., Sperle, K., Breth, L.A., Reid, C.C., Shen, E.S., Robbinds, A.K., Cooke, G.M., Largent, B.L. (1997) Rapid Generation of stable cell lines expressing corticotrophin-releasing hormone receptor for drug discovery. Protein Expr. Purif. 9:301-308.
【0112】
投与量と剤形
本願の該セロトニンアゴニストおよびセロトニンアンタゴニスト化合物は、哺乳類の体内に、肥満、不安、鬱病、精神病、統合失調症、睡眠および性機能障害、片頭痛および頭痛に関連する他の症状、社会恐怖症、および活性な作用物質と該物質の作用部位(すなわち、5HT2受容体)の接触をもたらす、いかなる手段による胃腸路の運動性の障害などの胃腸障害を含む、中枢神経系障害の制御または予防のための処置として投与され得る。医薬品との共同使用に有効な従来の方法のいずれかによって、個々の治療剤として、あるいは治療剤の組合せで投与され得る。単独で投与され得るが、好ましくは、選択された投与経路および標準的な医薬実務に基づいて選ばれる医薬用担体と共に投与される。
【0113】
本願の化合物は、錠剤、カプセル(各々、持続的放出または徐放性製剤を含む)、丸薬、粉薬、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤、シロップ、および乳剤のような経口投与剤形で投与され得る。同様に、それらは静脈内(ボーラスまたは注入)、腹腔内、皮下、または筋肉内への形態で投与されてもよい。さらに、これらは鼻孔間送達、経皮送達および坐薬もしくはデポ送達(depot delivery)によっても送達され、これらの形態の全てに、医薬技術における当業者に周知の製剤が使用されうる。
【0114】
投与用量は、もちろん個々の薬剤の薬物動態学的特性、およびその投与様式ならびに経路;受容者の年齢、健康状態および体重;症状の性質および程度;同時処置の種類、処置の頻度;および望まれる効果等の公知の要因によって変化するだろう。一般的な指導手段によれば、活性な成分の毎日の投与量は、体重の1キログラムにつき、約0.001から1000ミリグラムであり、好ましい投与量は、約0.01から100mg/kgであり、より好ましい投与量は、約0.01から30mg/kgである。本願の化合物は、1日1回の用量で投与されるか、または1日2回、3回、または4回の分割用量で投与され得る。
【0115】
投与に適した組成物の投与剤形は、1ユニットに付き、活性な成分を約0.5mgから約100mg含む。これらの医薬組成物において、該活性成分は通常、該組成物の全重量に対して、約0.5〜95重量%の量で存在する。該活性成分は、カプセル、錠剤および粉剤のような固形投与剤形で、またはエリキシル剤、シロップ剤および懸濁液のような液体投与剤形で、経口投与され得る。無菌液体投与剤形で、非経口的にも投与され得る。
【0116】
ゼラチンカプセルは、活性成分およびラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等のような粉末担体を含む。圧縮錠剤の作成に同様な希釈剤が使用できる。錠剤およびカプセルの両方は、数時間かけて薬物の継続的な放出を提供するため、持続的放出する製品として、製造され得る。圧縮錠剤は、不愉快な味のいずれかを隠すため、および錠剤を大気から防ぐために砂糖コーティングまたはフィルムコーティングされ、または胃腸路において、選択的な崩壊のために腸溶性コーティングされ得る。経口投与における液体投与剤形は、患者の認容性を増加するために、着色剤および味覚剤を含みうる。
【0117】
一般に、水、適当な油、生理食塩水、水溶性デキストロース(グルコース)、および関連する糖溶液ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのようなグリコール化合物は、非経口溶液にとって適当な担体である。非経口投与のための溶液は、好ましくは活性成分の水溶性塩、適当な安定化剤、およびもし必要なら、緩衝物質を含む。単独または組み合わせて用いる、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸のような抗酸化剤は、適当な安定化剤である。また、クエン酸およびその塩、およびEDTAナトリウム塩も使用される。さらに、非経口溶液は、ベンザルコニウムクロリド、メチル−またはプロピル−パラベンおよびクロロブタノールのような保存剤を含み得る。適当な医薬担体は、この分野の標準参考テキストである、上記の Remington's Pharmaceutical Sciences に記載されている。
【0118】
本願の化合物の投与における有用な医薬投与剤形は、以下に説明されうる。
【0119】
カプセル剤
単位カプセル剤の大多数は、標準的なツーピースハードゼラチンカプセルの各々に、100mgの粉末化した活性成分、150mgのラクトース、50mgのセルロース、および6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって、製造することができる。
【0120】
ソフトゼラチンカプセル剤
大豆油、菜種油またはオリーブオイルのような消化しやすい油中の活性成分の混合物を調製し、次いで、これを押込式移送ポンプでゼラチンカプセルに注入することにより、100mgの活性成分を含有するソフトゼラチンカプセル剤を形成することができる。該カプセル剤は、次いで洗浄および乾燥される。
【0121】
錠剤
大多数の錠剤は、該投与単位が、100mgの活性成分、0.2mgのコロイド状二酸化珪素、5ミリグラムのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶セルロース、11mgのデンプンおよび98.8mgのラクトースとなるように、通常の手順で製造され得る。
【0122】
懸濁液
経口投与用の水懸濁液は、各5mL当たり、25mgの微粉化した活性成分、200mgのナトリウムカルボキシメチルセルロース、5mgの安息香酸ナトリウム、1.0gのソルビトール溶液(U.S.P.)、および0.025mgのバニリンが含まれるように製造され得る。
【0123】
注射剤
注射による投与に適した非経口組成物は、1.5重量%の活性成分を10容量%のプロピレングリコールおよび水中で攪拌することで製造され得る。該溶液は、一般に用いられる技術によって、無菌化される。
【0124】
実施例
実施例1
6,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化14】

1−(2,5−ジメチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(4.26g、24.7mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(3.79g、24.7mmol)のEtOH溶液(43mL)に、HCl(12N、4.12mL、49.4mmol)を20℃で加えた。反応混合物を80℃で3時間攪拌し、濾過して白色固形物を得た(4.35g、18.5mmol)。固形物をMeOH中、75℃で2度再結晶して、標題の化合物を得た(2.06g、8.78mmol):MS(ES)201.2(M+H)。
【0125】
実施例2
6,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化15】

1−(2,4−ジメチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(500mg、2.89mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(444mg、2.89mmol)のEtOH溶液(5.0mL)に、HCl(12N、0.48mL、49.4mmol)を20℃で加えた。反応混合物を80℃で3時間攪拌し、濾過し、冷EtOHで洗浄して、標題の化合物を白色固形物として得た(640mg、2.71mmol):MS(ES)201.2(M+H)。
【0126】
実施例3
6,7−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化16】

実施例1の手順に従って、1−(2,3−ジメチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(10.0g、58mmol)、4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(8.9g、58mmol)、HCl(12N、10mL、120mmol)およびEtOH(100mL)から、標題の化合物を白色固形物として製造した(11.0g、46mmol):MS(ES)201.2(M+H)。
【0127】
実施例4
7,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化17】

1−(3,5−ジメチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(1.2g、7.2mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(1.1g、7.2mmol)のEtOH溶液(21.1mL)に、HCl(12N、1.8mL、21.5mmol)を20℃で加えた。反応混合物を75℃で4.5時間攪拌し、濾過し、冷EtOHですすいで、標題の化合物を白色固形物として得た(1.5g、6.2mmol:MS(ES)201.2(M+H)。
【0128】
実施例5
6,9−ジクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化18】

1−(2,5−ジクロロフェニル)ヒドラジン(89mg、0.5mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(77mg、0.5mmol)のCFCHOH溶液(1.5mL)を75℃で15分間加熱して、透明な溶液を形成した。反応混合物に、HCl(12N、0.083mL、1.0mmol)を加えた。反応混合物を75℃で24時間加熱し、20℃まで冷却し、濾過し、CFCHOHで洗浄した。固形物をHOに溶解し、NaOH(1N)でpH 12〜13まで塩基性化し、CHClで抽出した。有機層を合わせて、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、標題の化合物を淡褐色固形物として得た(74mg、0.32mmol):MS(ES)241.0(M+H)。
【0129】
実施例6
6,7−ジクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化19】

1−(2,3−ジクロロフェニル)ヒドラジン(4.7g、26.6mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(4.1g、26.6mmol)のCFCHOH溶液(54mL)を3時間還流して、透明な溶液を形成し、続いて淡黄色沈殿を形成した。反応混合物に、HCl(12N、4.4mL、52.8mmol)を加えた。反応混合物を4日間還流し、20℃まで冷却し、濾過し、CFCHOHで洗浄した。固形物をHOに溶解し、NaOH(1N)でpH 12〜13まで塩基性化し、CHClで抽出した。有機層を合わせて、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、標題の化合物を淡褐色固形物として得た(6.1g、25.3mmol):MS(ES)241.0(M+H)。
【0130】
実施例7
6,8−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化20】

1−(2,4−ジフルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(91mg、0.5mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(77mg、0.5mmol)のEtOH溶液(1.5mL)に、HCl(12N、0.083mL、1.0mmol)を20℃で加えた。反応混合物を15℃で15時間攪拌し、20℃まで冷却し、減圧濃縮した。残留物を逆相分取HPLC(HO/CHCN)で精製し、続いて塩基でワークアップ(basic work up)して、標題の化合物を黄色固形物として得た(38mg、0.18mmol):MS(ES)209.1(M+H)。
【0131】
実施例8
7,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化21】

1−(3,4−ジメチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(3.7g、21.5mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(3.3g、21.5mmol)のEtOH溶液(63.2mL)に、HCl(12N、5.4mL、64.5mmol)を75℃で加えた。反応混合物を75℃で3時間攪拌し、濾過し、冷EtOHですすぎ、標題の化合物およびその位置異性体の3:1混合物を得た(4.8g、17.6mmol)。混合物(15mg)をHPLC(10〜20% CHCN/HO)で精製して、標題の化合物を得た(3.3mg、0.012mmol):MS(ES)201.22(M+H)。
【0132】
実施例9
8,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化22】

実施例8の合成から、標題の化合物を微量生成物として得た:MS(ES)201.22(M+H)。
【0133】
実施例10
7,9−ジクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化23】

実施例5の手順に従って、1−(3,5−ジクロロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(89mg、0.5mmol)、4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(77mg、0.5mmol)、HCl(12N、0.083mL、1.0mmol)およびCFCHOH(1.5mL)から、標題の化合物を黄色固形物として製造した(55mg、46mmol):MS(ES)241.0(M+H)。
【0134】
実施例11
9−フルオロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化24】

1−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(2.2g、12.5mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(1.9g、12.5mmol)のEtOH溶液(21.5mL)に、HCl(12N、3.1mL、37.5mmol)を75℃で加えた。反応混合物を75℃で5時間攪拌し、濾過し、冷EtOHですすいで、標題の化合物を得た(0.64mg、2.7mmol):MS(ES)205.3(M+H)。
【0135】
実施例12
9−クロロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化25】

1−(5−クロロ−2−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(1.0g、5.2mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(0.79g、5.2mmol)のEtOH溶液(8.9mL)に、HCl(12N、1.3mL、15.5.mmol)を75℃で加えた。反応混合物を75℃で15時間攪拌し、濾過し、冷EtOHですすいで、標題の化合物を得た(0.65mg、2.5mmol):MS(ES)221.1(M+H)。
【0136】
実施例13
8−メトキシ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化26】

1−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ヒドラジン(0.16g、1.0mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(0.16g、1.0mmol)のEtOH溶液(3.0mL)に、HCl(12N、0.26mL、3.0mmol)を20℃で加えた。反応混合物を、75℃で20時間攪拌した。EtOHを減圧留去し、残留物をNaOH(1N)でpH>12まで塩基性化し、CHClで抽出した。残留物をHPLC(0〜100% CHCN/HO)で精製して、標題の化合物を不純物とともに得た(54mg)。混合物をHO中に可溶化し、CHClで抽出した。水相をNaOH(1N)でpH>12まで塩基性化し、CHClで抽出した。有機溶液を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、標題の化合物を金色固形物として得た(16.2mg、0.07mmol):MS(ES)217.2(M+H)。
【0137】
実施例14
7−クロロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化27】

段階A
亜硝酸ナトリウム(1.2g、17.0mmol)およびHO(3.5mL)を、3−クロロ−2−メチルベンゼンアミン(2.0g、14.1mmol)のHCl(12N、33.5mL)およびTFA(4.3mL)溶液に、0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(5.9g、31.0mmol)のHCl溶液(12N、8.4mL)およびHO(1.1mL)を、0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過して、1−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを黄褐色固形物として得た(2.5g、13.0mmol)。
【0138】
段階B
1−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ヒドラジン(0.25g、1.6mmol)、4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(0.24g、1.6mmol)、およびHCl(12N、0.4mL、4.7mmol)のEtOH溶液(4.7mL)を、75℃で2時間攪拌した。反応混合物を濾過して、標題の化合物を白色固形物として得た(0.13、0.51mmol):MS(ES)219.2(M−H)。
【0139】
実施例15
7−クロロ−6−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化28】

段階A
亜硝酸ナトリウム(12.5g、85.9mmol)およびHO(21.4mL)を、3−クロロ−2−フルオロベンゼンアミンヒドロクロリド(2.0g、8.45mmol)のHCl(12N、203.3mL)およびTFA(23.4mL)溶液に、0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(35.8g、188.9mmol)のHCl(12N、51.6mL)およびHO(6.8mL)溶液を、0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過し、減圧下に置いて、1−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを金色固形物として得た(23.5g、119.0mmol)。
【0140】
段階B
1−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(3.35g、17.0mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(2.6g、17.0mmol)のIPA溶液(50.0mL)を20℃で10分間攪拌し、続いて80℃で15時間攪拌した。反応混合物を濾過して、標題の化合物をベージュ色の固形物として得た(3.2g、12.5mmol):MS(ES)269.0(M−H)。
【0141】
実施例16
6−ブロモ−9−フルオロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化29】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、2−ブロモ−5−フルオロアニリン(4.9g、25.8mmol)、亜硝酸ナトリウム(2.2g、31mmol)、SnCl(10.8g、56.8mmol)、HCl(12N、62mL+16mL)、TFA(8.0mL)およびHO(6.5mL+2.0mL)から、1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを白色固形物として製造した(5.8g、24mmol)。
【0142】
段階B
1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(1.0g、4.1mmol)、4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(636mg、4.1mmol)、およびHCl(12N、0.68mL、8.2mmol)のEtOH溶液(10mL)を、75℃で15時間攪拌した。反応混合物を20℃まで冷却し、濾過した。固形物をHOに溶解し、NaOH(1N)でpH>12まで塩基性化し、CHClで抽出した。有機溶液を合わせて、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、標題の化合物を黄色固形物として得た(54mg、0.20mmol):MS(ES)219.2(M−H)。
【0143】
実施例17
6−ブロモ−9−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化30】

段階A
塩化スズ(II)(12.0g、63.4mmol)の50℃のEtOH溶液(19mL)を、1−ブロモ−4−クロロ−2−ニトロベンゼン(3.0g、12.7mmol)に加え、続いてHCl(12N、19.0mL、0.02mmol)を加えた。反応混合物を60℃で70分間攪拌した。EtOHを減圧留去し、残留物をNaOHでpH>12まで塩基性化し、CHClで抽出した。有機溶液を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、2−ブロモ−5−クロロベンゼンアミンを得た(2.33g、11.3mmol)。
【0144】
段階B
亜硝酸ナトリウム(0.63g、9.2mmol)およびHO(1.9mL)を、2−ブロモ−5−クロロベンゼンアミン(1.6g、7.7mmol)のHCl(12N、18.2mL)およびTFA(2.31mL)溶液に、0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(3.1g、16.9mmol)のHCl(12N、4.6mL)およびHO(0.6mL)溶液を、0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過し、減圧下に置いて、1−(2−ブロモ−5−クロロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを得た(2.0g、7.8mmol)。
【0145】
段階C
1−(2−ブロモ−5−クロロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(0.10g、0.39mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(59.6mg、0.39mmol)のEtOH溶液(1.14mL)を、75℃で30分間攪拌した。反応混合物を冷却し、濾過して、1−(2−ブロモ−5−クロロフェニル)−2−(ピペリジン−4−イリデン)ヒドラジンヒドロクロリドを得た(73.3mg、0.22mmol)。
【0146】
段階D
HCl(12N、0.05mL、0.65mmol)を、1−(2−ブロモ−5−クロロフェニル)−2−(ピペリジン−4−イリデン)ヒドラジンヒドロクロリド(72.8mg、0.22mmol)のEtOH溶液(0.63mL)に加え、マイクロ波反応器中、180℃で2分間反応させた。反応混合物を冷却し、濾過して、標題の化合物を白色固形物として得た(13.1mg、0.04mmol):MS(ES)286.89(M+H)。
【0147】
実施例18
6−クロロ−9−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化31】

段階A
4−メチル−2−ニトロベンゼンアミン(1.2g、7.9mmol)のアセトニトリル溶液(5mL)に、亜硝酸tert−ブチル(1.2g、11.8mmol)および塩化銅(II)(1.3g、9.5mmol)のアセトニトリル溶液(11mL)を、20℃で1時間かけて、シリンジポンプで滴下して加えた。反応混合物を65℃で15時間攪拌し、20℃にし、HCl(6N、60mL)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機溶液を合わせて、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、1−クロロ−4−メチル−2−ニトロベンゼンを得た(1.35g、7.9mmol)。
【0148】
段階B
塩化スズ(II)(7.5g、39.5mmol)の50℃のEtOH溶液(12mL)を、1−クロロ−4−メチル−2−ニトロベンゼン(1.4g、7.9mmol)に加え、続いてHCl(12N、11.9mL、142.2mmol)を加えた。反応混合物を60℃で70分間攪拌した。EtOHを減圧留去し、残留物をNaOH(1N)でpH>12まで塩基性化し、CHClで抽出した。有機溶液を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、2−クロロ−5−メチルベンゼンアミンを得た(0.95g、6.7mmol)。
【0149】
段階C
亜硝酸ナトリウム(0.67g、9.94mmol)およびHO(2.06mL)を、2−クロロ−5−メチルベンゼンアミン(1.2g、8.29mmol)のHCl(12N、12.8mL)およびTFA(2.5mL)溶液に、0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(3.5g、18.2mmol)のHCl(12N、4.9mL)およびHO(0.7mL)溶液を、0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過して、1−(2−クロロ−5−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを白色固形物として得た(0.84g、4.3mmol)。
【0150】
段階D
1−(2−クロロ−5−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(0.1g、0.52mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(79.6mg、0.52mmol)のEtOH溶液(1.5mL)を、75℃で15時間攪拌した。HCl(12N、0.13mL、1.6mmol)の添加後、反応を濾過し、冷EtOHですすいで、標題の化合物を得た(65.2mg、0.24mmol):MS(ES)221.1(M+H)。
【0151】
実施例19
8−ブロモ−6−ヨード−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化32】

段階A
4−ブロモアニリン(27.3g、159mmol)およびNaHCO(12.6g、150mmol)の混合物のHO溶液に、20℃で勢いよく攪拌しながら、粉末Iを10分かけて何回かに分けて加えた。反応混合物をさらに2時間攪拌し、次いで濾過した。濾液をEtOで抽出し、有機層を合わせて、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(Hex:EtOAc 7:1)に供して、4−ブロモ−2−ヨードアニリンを得た(9.4g、31.5mmol)。
【0152】
段階B
実施例14 段階Aの手順に従って、4−ブロモ−2−ヨードアニリン(6.0g、20.1mmol)、亜硝酸ナトリウム(1.5g、22mmol)、SnCl(7.7g、40.3mmol)、HCl(12N、40mL+15mL)、およびHO(5.0mL)から、1−(4−ブロモ−2−ヨード−フェニル)ヒドラジン(5.7g、18.3mmol)を橙色固形物として製造し、続いて塩基でワークアップした。
【0153】
段階C
1−(4−ブロモ−2−ヨード−フェニル)ヒドラジン(4.0g、12.8mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(1.96g、12.8mmol)のIPA懸濁液(30mL)に、HCl(気体)を10分間バブリングした。反応混合物を密封し、次いで80℃で2日間加熱した。反応混合物を20℃まで冷却し、濾過し、冷IPAですすいで、標題の化合物を得た(2.41g、5.8mmol):MS(ES)376.9(M+H)。
【0154】
実施例20
6−クロロ−9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化33】

1−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジン(1.0g、4.7mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(730mg、4.7mmol)のIPA懸濁液(13mL)に、HCl(気体)を10分間バブリングした。反応混合物を密封し、次いで75℃で15時間加熱した。反応混合物を20℃まで冷却し、濾過し、冷IPAですすいで、標題の化合物を得た(250mg、0.80mmol):MS(ES)275.1(M+H)。
【0155】
実施例21
8−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化34】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)アニリン(180g、1.0mmol)、亜硝酸ナトリウム(83mg、1.2mmol)、SnCl(418mg、2.2mmol)、HCl(12N、2.5mL+0.8mL)、TFA(0.4mL)およびHO(0.5mL)から、1−(4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを白色固形物として製造した(230mg、1.0mmol)。
【0156】
段階B
マイクロ波適合性チューブ(microwave-compatible tube)中で、1−(4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(100mg、0.43mmol)および4−ピペリドン(67mg、0.44mmol)のIPA溶液(1.5mL)を、HClガスで飽和させ、次いで密封した。反応混合物を、マイクロ波中、140℃で10分間照射した。反応を0℃まで冷却し、濾過した。固形物をエーテルで洗浄し、標題の化合物のHCl塩を、灰色がかった白色固形物(off-white solid)として得た(75mg、0.24mmol)。該塩(75mg)の水(10mL)およびCHCl(10mL)溶液を、KCOを用いて塩基性(pH 10)にした。塩基性溶液をCHCl(10mL)で抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をヘキサンでトリチュレートして、標題の化合物を白色固形物として得た(67mg、0.24mmol):1H NMR (300 MHz, CD3OD δ 7.29 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 7.11-7.07 (m, 1H), 3.99-3.96 (m, 2H), 3.18-3.14 (m, 2H), 2.87-2.83 (m, 2H); 19F {1H} NMR (282 MHz, CD3OD δ -61.1, -125.4;MS(APCI)259.1(M+H)。
【0157】
実施例22
8−メチル−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化35】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、4−メチル−2−(トリフルオロメチル)アニリン(180g、1.0mmol)、亜硝酸ナトリウム(83mg、1.2mmol)、SnCl(418mg、2.2mmol)、HCl(12N、2.5mL+0.8mL)、TFA(0.4mL)およびHO(0.5mL)から、1−(4−メチル−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを白色固形物として製造した(220mg、0.97mmol)。
【0158】
段階B
ジッパーの付いた管(resealable tube)を、1−(4−メチル−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(156mg、0.69mmol)、4−ピペリドン一水和物ヒドロクロリド(110mg、0.73mmol)、およびIPA(2mL)で満たした。溶液をHClガスで飽和させ、次いで反応管を密封した。反応混合物を80℃で18時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、濾過した。逆相HPLC分析による固形物の分析によって、インドールおよびヒドラゾン中間体の存在が示された。カラムクロマトグラフィーによる混合物の精製によっては、純度は有意に改善しなかった。この混合物(68mg)を、THF(5mL)およびHCl(2N、1mL)中、還流で終夜加熱した。懸濁液を濾過し、エーテルで洗浄し、次いで減圧乾燥して、標的化合物を白色固形物として得た(38mg、0.13mmol):mp 338〜342℃;1H NMR (300 MHz, CD3OD + DMSO-d6 δ 7.62 (br s, 1 H), 7.20 (br s, 1H), 4.47-4.46 (m, 2H), 3.65 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.21 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.54 (s, 3H); 19F {1H} NMR (282 MHz, CD3OD + DMSO-d6 δ -62.0;MS(ESI)255.1(M+H)。
【0159】
実施例23
8−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化36】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、4−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)アニリン(384g、1.0mmol)、亜硝酸ナトリウム(170mg、1.2mmol)、SnCl(840mg、2.2mmol)、HCl(12N、5.0mL+1.5mL)、TFA(0.8mL)およびHO(1.0mL)から、1−(4−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを、淡桃色固形物として製造した(427mg、1.76mmol)。
【0160】
段階B
マイクロ波適合性の密封可能な管(sealable tube)を、1−(4−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(406mg、1.7mmol)、4−ピペリドン一水和物ヒドロクロリド(268mg、1.7mmol)、およびIPA(4mL)で満たした。反応混合物をHClガスで飽和させ、管を密封した。反応混合物を、120℃で12分間マイクロ波照射に付した。固形物を濾過し、エーテルで洗浄し、飽和NaHCO(10mL)で処理した。塩基性溶液をEtOAc(2×25mL)で抽出し、有機抽出物を合わせて、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー[シリカゲル、5〜75%(80:18:2 CHCl/MeOH/濃NHOH)/CHCl]による残留物の精製によって、標的化合物を灰色がかった白色固形物として得た(192mg、0.71mmol):mp 140〜144℃;1H NMR (300 MHz, CD3OD δ 7.10 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.16 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 5.7 Hz, 2H); 19F {1H} NMR (282 MHz, CD3OD δ -61.0;MS(ESI)271(M+H)。
【0161】
実施例24
6−クロロ−8−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化37】

1−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジン(250mg、1.1mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(183mg、1.1mmol)のIPA懸濁液(3.5mL)に、HCl(気体)を10分間バブリングした。反応混合物を密封し、次いで90℃で15時間加熱した。反応混合物を20℃まで冷却し、濾過し、冷IPAですすいだ。固形物をHOに溶解し、NaOH(1N)でpH>12まで塩基性化し、CHClで抽出した。有機溶液を合わせて、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、標題の化合物を灰色がかった白色固形物として得た(42mg、0.15mmol)。MS(ES)275.1(M+H)。
【0162】
実施例25
9−メチル−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化38】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、5−メチル−2−(トリフルオロメチル)アニリンヒドロクロリド(2.8g、13.2mmol)、亜硝酸ナトリウム(1.1g、15.9mmol)、SnCl(5.5g、29mmol)、HCl(12N、30mL+8mL)、TFA(4.0mL)およびHO(4.2mL)から、1−(5−メチル−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを白色固形物として製造した(3.0g、13.2mmol)。
【0163】
段階B
1−(5−メチル−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジン(3.5g、15.4mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(2.4g、15.4mmol)のIPA懸濁液(40mL)に、HCl(気体)を10分間バブリングした。反応混合物を密封し、次いで90℃で36時間加熱した。反応混合物を20℃まで冷却し、濾過し、冷IPAですすいで、標題の化合物を淡黄色固形物として得た(3.8g、13mmol):MS(ES)255.1(M+H)。
【0164】
実施例26
6−メチル−7−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化39】

1−(2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジン(520mg、2.3mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(353mg、2.3mmol)のIPA懸濁液(6.4mL)に、HCl(気体)を10分間バブリングした。反応混合物を密封し、次いで90℃で15時間加熱した。反応混合物を20℃まで冷却し、濾過し、冷IPAですすいで、標題の化合物を灰色がかった白色固形物として得た(455mg、1.6mmol):MS(ES)255.1(M+H)。
【0165】
実施例27
8−ブロモ−6−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化40】

段階A
亜硝酸ナトリウム(0.70g、10.2mmol)およびHO(2.1mL)を、4−ブロモ−2−エチルベンゼンアミンヒドロクロリド(2.0g、8.45mmol)のHCl(12N、20.1mL)およびTFA(2.6mL)溶液に、0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(3.53g、18.6mmol)のHCl(12N、5.0mL)およびHO(0.7mL)溶液を、0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過して、1−(4−ブロモ−2−エチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを灰色がかった白色固形物として得た(2.9g、11.5mmol)。
【0166】
段階B
1−(4−ブロモ−2−エチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(0.25g、1.0mmol)、4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(0.15g、1.0mmol)、およびHCl(12N、0.25mL、3.0mmol)のEtOH溶液(3.0mL)を85℃で90分間攪拌した。反応混合物を濾過し、冷EtOHですすいで、標題の化合物を白色固形物として得た(0.12g、0.37mmol):MS(ES)279.0(M+H)。
【0167】
実施例28
9−クロロ−6−メチルスルファニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化41】

段階A
亜硝酸ナトリウム(2.38g、34.6mmol)およびHO(2.28mL)を、5−クロロ−2−(メチルチオ)ベンゼンアミン(5.0g、28.8mmol)のHCl(12N、68.6mL)およびTFA(8.7mL)溶液に0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(12.0g、63.4mmol)のHCl(12N、17.2mL)およびHO(2.3mL)溶液を、0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過して、1−(5−クロロ−2−(メチルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを白色固形物として得た。
【0168】
段階B
1−(5−クロロ−2−(メチルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(0.80g、3.55mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(0.55g、3.55mmol)のEtOH溶液(10mL)を、マイクロ波反応器中、180℃で30分間反応させた。反応混合物を濾過して、標題の化合物を得た(0.63g、2.18mmol):MS(ES)253.01(M+H)。
【0169】
実施例29
6−メチルスルファニル−9−トリフルオロメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化42】

段階A
亜硝酸ナトリウム(1.8g、25.9mmol)およびHO(5.4mL)を、2−クロロ−5−メチルベンゼンアミン(4.5g、21.6mmol)のHCl(12N、51.4mL)およびTFA(6.5mL)溶液に0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(9.0g、47.5mmol)のHCl(12N、12.9mL)およびHO(1.7mL)溶液を0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過して、1−(2−クロロ−5−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを灰色がかった白色固形物として得た(5.19g、20.0mmol)。
【0170】
段階B
1−(2−クロロ−5−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(0.17g、0.67mmol)、4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(0.10g、0.67mmol)、およびHCl(12N、0.17mL、2.0mmol)のEtOH溶液(2.0mL)を、マイクロ波反応器中、185℃で30分間反応させた。反応混合物を濾過し、冷EtOHですすいで、標題の化合物を得た(50.5mg、0.16mmol):MS(ES)287.14(M+H)。
【0171】
実施例30
7−クロロ−6−メチルスルファニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化43】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、3−クロロ−2−(メチルチオ)ベンゼンアミン(11.6g、67.1mmol)、亜硝酸ナトリウム(5.6g、67mmol)、SnCl(25.4g、134mmol)、HCl(12N、242mL+121mL)およびHO(10mL)から、1−(3−クロロ−2−(メチルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを白色固形物として製造した(15.1g、67mmol)。
【0172】
段階B
1−(3−クロロ−2−(メチルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(15.1g、67mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(10.3mg、67mmol)の混合物のCFCHOH溶液(300mL)を30分間還流した。反応混合物にHCl(12N、5mL、60mmol)を加えた。反応混合物を15時間還流し、20℃まで冷却し、濾過し、CFCHOHで洗浄して、標題の化合物を白色固形物として得た(16.4g、58mmol):MS(ES)253.1(M+H)。
【0173】
実施例31
7−ブロモ−6−(3−クロロプロピルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化44】

段階A
1−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロベンゼン(750mg、3.2mmol)および3−クロロプロパン−1−チオール(354mg、3.2mmol)のTHF溶液(6.4mL)に、KOH(270mg、4.8mmol)を加えた。反応混合物を45℃で3日間加熱し、20℃まで冷却した。反応混合物をシリカゲルにおけるクロマトグラフィーに供して、(2−ブロモ−6−ニトロフェニル)(3−クロロプロピル)スルファン(714mg、2.3mmol)を得た。
【0174】
段階B
(2−ブロモ−6−ニトロフェニル)(3−クロロプロピル)スルファン(714mg、2.3mmol)のMeOH溶液(10mL)に、Pd(OH)(20%、100mg)を加えた。反応混合物をH下(50psi)で3日間攪拌し、次いで3日間濾過した。濾液を減圧濃縮し、残留物をEtOに溶解した。溶液に過剰なHCl(1M EtO溶液)を加えて、白色沈殿を形成した。固形物を濾過し、EtOで洗浄して、3−ブロモ−2−(3−クロロプロピルチオ)ベンゼンアミンを得た(646mg、2.3mmol)。
【0175】
段階C
実施例14 段階Aの手順に従って、3−ブロモ−2−(3−クロロプロピルチオ)ベンゼンアミン(646mg、2.3mmol)、亜硝酸ナトリウム(190mg、2.7mmol)、SnCl(960mg、5.1mmol)、HCl(12N、5.3mL+1.5mL)、およびHO(0.8mL)から、1−(3−ブロモ−2−(3−クロロプロピルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(672mg、2.0mmol)を白色固形物として製造した。
【0176】
段階D
1−(3−ブロモ−2−(3−クロロプロピルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(500mg、1.5mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(230mg、1.5mmol)の混合物のCFCHOH溶液(4mL)を、80℃で30分間加熱した。反応混合物にHCl(12N、0.3mL)を加えた。反応混合物を80℃で5時間加熱し、20℃まで冷却し、濾過し、IPAで洗浄して、標題の化合物を白色固形物として得た(549mg、1.4mmol):MS(ES)359.0(M+H)。
【0177】
実施例32
6−(3−クロロプロピルチオ)−9−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化45】

段階A
実施例31 段階Aの手順に従って、1,4−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン(980mg、6.15mmol)、3−クロロプロパン−1−チオール(680mg、6.15mmol)、KOH(517mg、9.2mmol)およびTHF(13mL)から、(3−クロロプロピル)(4−フルオロ−2−ニトロフェニル)スルファン(1.3g、5.2mmol)を製造した。
【0178】
段階B
実施例31 段階Bの手順に従って、(3−クロロプロピル)(4−フルオロ−2−ニトロフェニル)スルファン(1.3g、5.2mmol)、Pd(OH)(20%、200mg)およびMeOH(20mL)から、2−(3−クロロプロピルチオ)−5−フルオロベンゼンアミンヒドロクロリド(1.26g、4.9mmol)を製造した。
【0179】
段階C
実施例14 段階Aの手順に従って、2−(3−クロロプロピルチオ)−5−フルオロベンゼンアミンヒドロクロリド(1.26g、4.9mmol)、亜硝酸ナトリウム(380mg、5.5mmol)、SnCl(1.92g、10.1mmol)、HCl(12N、12mL+3.0mL)、およびHO(1.6mL)から、1−(2−(3−クロロプロピルチオ)−5−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(1.25g、4.6mmol)を、白色固形物として製造した。
【0180】
段階D
1−(2−(3−クロロプロピルチオ)−5−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(1.25g、4.6mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(707mg、4.6mmol)の混合物のCFCHOH溶液(14mL)を2時間還流した。反応混合物にHCl(12N、0.8mL、9.6mmol)を加えた。反応混合物を15時間還流し、20℃まで冷却し、濾過し、CFCHOHで洗浄して、標題の化合物を白色固形物として得た(1.07g、3.2mmol):MS(ES)299.1(M+H)。
【0181】
実施例33
7−クロロ−6−(3−クロロプロピルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化46】

段階A
実施例31 段階Aの手順に従って、1,2−ジクロロ−3−ニトロベンゼン(1.12g、5.9mmol)、3−クロロプロパン−1−チオール(652mg、5.9mmol)、KOH(517mg、9.2mmol)およびTHF(13mL)から、(2−クロロ−6−ニトロフェニル)(3−クロロプロピル)スルファン(1.09g、4.1mmol)を製造した。
【0182】
段階B
実施例31 段階Bの手順に従って、(2−クロロ−6−ニトロフェニル)(3−クロロプロピル)スルファン(1.09g、4.1mmol)(20%、180mg)およびMeOH(18mL)から、3−クロロ−2−(3−クロロプロピルチオ)ベンゼンアミンヒドロクロリド(845mg、3.1mmol)を製造した。
【0183】
段階C
実施例14 段階Aの手順に従って、3−クロロ−2−(3−クロロプロピルチオ)ベンゼンアミンヒドロクロリド(845mg、3.1mmol)、亜硝酸ナトリウム(255mg、3.7mmol)、SnCl(1.29g、6.8mmol)、HCl(12N、8mL+2.0mL)、およびHO(1.2mL)から、1−(3−クロロ−2−(3−クロロプロピルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(877mg、3.05mmol)を白色固形物として製造した。
【0184】
段階D
1−(3−クロロ−2−(3−クロロプロピルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(877mg、3.05mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(469mg、3.05mmol)の混合物のCFCHOH溶液(8mL)を2時間還流した。反応混合物にHCl(12N、0.8mL、9.6mmol)を加えた。反応混合物を24時間還流し、20℃まで冷却し、濾過し、CFCHOHで洗浄して、標題の化合物を白色固形物として得た(879mg、2.5mmol):MS(ES)315.0(M+H)。
【0185】
実施例34
9−ブロモ−6−(3−クロロプロピルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化47】

段階A
実施例31 段階Aの手順に従って、1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼン(1.73g、6.15mmol)、3−クロロプロパン−1−チオール(680mg、6.15mmol)、KOH(517mg、9.2mmol)およびTHF(13mL)から、(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)(3−クロロプロピル)スルファン(1.5g、4.8mmol)を製造した。
【0186】
段階B
実施例31 段階Bの手順に従って、(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)(3−クロロプロピル)スルファン(1.4g、4.5mmol)、Pd(OH)(20%、200mg)およびMeOH(20mL)から、5−ブロモ−2−(3−クロロプロピルチオ)ベンゼンアミンヒドロクロリド(1.14g、3.6mmol)を製造した。
【0187】
段階C
実施例14 段階Aの手順に従って、5−ブロモ−2−(3−クロロプロピルチオ)ベンゼンアミンヒドロクロリド(1.14g、3.6mmol)、亜硝酸ナトリウム(298mg、4.3mmol)、SnCl(1.33g、7.0mmol)、HCl(12N、8.2mL+2.2mL)、およびHO(1.2mL)から、1−(5−ブロモ−2−(3−クロロプロピルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(1.19g、3.6mmol)を白色固形物として製造した。
【0188】
段階D
1−(5−ブロモ−2−(3−クロロプロピルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(1.19g、3.6mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(553mg、3.6mmol)の混合物のCFCHOH溶液(10mL)を3時間還流した。反応混合物にHCl(12N、0.6mL、7.2mmol)を加えた。反応混合物を15時間還流し、20℃まで冷却し、濾過し、CFCHOHで洗浄して、標題の化合物を白色固形物として得た(927mg、2.3mmol):MS(ES)359.0(M+H)。
【0189】
実施例35
6−(3−クロロプロピルチオ)−9−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化48】

段階A
2−フルオロ−5−ニトロベンゼンアミン(500mg、3.2mmol)および3−クロロプロパン−1−チオール(354mg、3.2mmol)のDME溶液(6.4mL)に、KOH(270mg、4.8mmol)を加えた。反応混合物を45℃で3日間加熱し、20℃まで冷却した。反応混合物を、シリカゲル(3% MeOH/CHCl)におけるクロマトグラフィーに供して、2−(3−クロロプロピルチオ)−5−ニトロベンゼンアミンを得た(130mg、0.53mmol)。
【0190】
段階B
実施例14 段階Aの手順に従って、2−(3−クロロプロピルチオ)−5−ニトロベンゼンアミン(100mg、0.44mmol)、亜硝酸ナトリウム(34mg、0.49mmol)、SnCl(156mg、0.82mmol)、HCl(12N、1.5mL)およびHO(0.1mL)から、1−(2−(3−クロロプロピルチオ)−5−ニトロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(100mg、0.34mmol)を白色固形物として製造した。
【0191】
段階C
1−(2−(3−クロロプロピルチオ)−5−ニトロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(100mg、0.34mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(58mg、0.38mmol)の混合物のCFCHOH溶液(1mL)を、87℃で30分間加熱した。反応混合物にHCl(12N、3mL)を加えた。反応混合物を1時間還流し、20℃まで冷却し、濾過し、IPAで洗浄して、標題の化合物を白色固形物として得た(78mg、0.24mmol):MS(ES)326.1(M+H)。
【0192】
実施例36
8−メトキシ−6−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化49】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンアミン(525mg、3.1mmol)、亜硝酸ナトリウム(235mg、3.4mmol)、SnCl(1.06g、5.6mmol)、HCl(12N、6.5mL)およびHO(1.0mL)から、(4−メトキシ−2−ニトロ−フェニル)−ヒドラジンヒドロクロリド(560mg、2.55mmol)を白色固形物として製造した。
【0193】
段階B
実施例34 段階Cの手順に従って、(4−メトキシ−2−ニトロ−フェニル)−ヒドラジンヒドロクロリド(560mg、2.55mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(400mg、2.6mmol)のCFCHOH溶液(7mL)から、標題の化合物(220mg、0.89mmol)を黄色固形物として製造し、続いて塩基でワークアップした:MS(ES)248.1(M+H)。
【0194】
実施例37
6−ブロモ−9−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化50】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、2−ブロモ−5−ニトロベンゼンアミン(651mg、3.0mmol)、亜硝酸ナトリウム(250mg、3.6mmol)、SnCl(1.25g、6.6mmol)、HCl(12N、7.5mL)およびHO(1.1mL)から、1−(2−ブロモ−5−ニトロフェニル)ヒドラジン(650mg、2.43mmol)を白色固形物として製造した。
【0195】
段階B
実施例34 段階Cの手順に従って、1−(2−ブロモ−5−ニトロフェニル)ヒドラジン(650mg、2.43mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(373mg、2.43mmol)のCFCHOH溶液(7mL)から、標題の化合物(215mg、0.73mmol)を黄色固形物として製造し、続いて塩基でワークアップした:MS(ES)296.0(M+H)。
【0196】
実施例38
7−クロロ−6−(p−トリルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化51】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、3−クロロ−2−(p−トリルチオ)ベンゼンアミン(250mg、1.0mmol)、亜硝酸ナトリウム(82mg、1.2mmol)、SnCl(372mg、1.9mmol)、HCl(12N、4.0mL+1.5mL)、およびHO(0.4mL)から、1−(3−クロロ−2−(p−トリルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(253mg、0.85mmol)を製造した。
【0197】
段階B
1−(3−クロロ−2−(p−トリルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(85mg、0.28mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(44mg、0.28mmol)の混合物のCFCHOH溶液(1.0mL)を80℃で15時間加熱し、20℃まで冷却し、濾過し、IPAで洗浄して、標題の化合物を淡褐色固形物として得た(61mg、0.17mmol):MS(ES)329.1(M+H)。
【0198】
実施例39
6−(4−クロロフェニルチオ)−9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化52】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、2−(4−クロロフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン(500mg、1.7mmol)、亜硝酸ナトリウム(141mg、2.1mmol)、SnCl(646mg、3.4mmol)、HCl(12N、6.8mL+2.5mL)およびHO(0.7mL)から、1−(2−(4−クロロフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(468mg、1.3mmol)を製造した。
【0199】
段階B
実施例38 段階Bの手順に従って、1−(2−(4−クロロフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(150mg、0.42mmol)、4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(65mg、0.42mmol)およびCFCHOH(1.5mL)から、標題の化合物(114mg、0.27mmol)を淡橙色固形物として製造した:MS(ES)383.1(M+H)。
【0200】
実施例40
9−クロロ−6−(4−クロロフェニルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化53】

段階A
実施例14 段階Aの手順に従って、5−クロロ−2−(4−クロロフェニルチオ)ベンゼンアミン(400mg、1.5mmol)、亜硝酸ナトリウム(125mg、1.8mmol)、SnCl(570mg、3.0mmol)、HCl(12N、5.0mL+2.5mL)およびHO(0.7mL)から、1−(5−クロロ−2−(4−クロロフェニルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(452mg、1.4mmol)を製造した。
【0201】
段階B
実施例38 段階Bの手順に従って、1−(5−クロロ−2−(4−クロロフェニルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(150mg、0.47mmol)、4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(72mg、0.47mmol)およびCFCHOH(1.0mL)から、標題の化合物(97mg、0.25mmol)を淡褐色固形物として製造した:MS(ES)349.0(M+H)。
【0202】
実施例41
7−メチル−6−(p−トリルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化54】

段階A
2−クロロ−1−メチル−3−ニトロベンゼン(2.75g、16.1mmol)、4−メチルベンゼンチオール(2.0g、16.1mmol)、NaH(968mg(60%)、24.2)の混合物の無水THF溶液(30mL)を20℃で24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮して、クルード(2−メチル−6−ニトロフェニル)(p−トリル)スルファン(3.8g、14.7mmol)を得、それを次段階に直接用いた。
【0203】
段階B
実施例31 段階Bの手順に従って、(2−メチル−6−ニトロフェニル)(p−トリル)スルファン(518mg、2.0mmol)、Pd(OH)(20%、125mg)およびEtOH(100mL)から、3−メチル−2−(p−トリルチオ)ベンゼンアミンヒドロクロリド(380mg、1.43mmol)を製造した。
【0204】
段階C
実施例14 段階Aの手順に従って、3−メチル−2−(p−トリルチオ)ベンゼンアミンヒドロクロリド(380mg、1.43mmol)、亜硝酸ナトリウム(148mg、2.2mmol)、SnCl(545mg、2.9mmol)、HCl(12N、5.0mL+2.5mL)、およびHO(0.7mL)から、1−(3−メチル−2−(p−トリルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(308mg、1.1mmol)を白色固形物として製造した。
【0205】
段階D
1−(3−メチル−2−(p−トリルチオ)フェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(308mg、1.1mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(169mg、1.1mmol)の混合物のCFCHOH溶液(4mL)を1時間還流した。反応混合物にHCl(12N、1.5mL、18mmol)を加えた。反応混合物を15時間還流し、20℃まで冷却し、濾過し、EtOで洗浄して、標題の化合物を灰色がかった白色固形物として得た(152mg、0.44mmol):MS(ES)309.1(M+H)。
【0206】
実施例42
8−ブロモ−9−クロロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化55】

段階A
9−クロロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール(0.47g、1.8mmol)のTHF溶液(7.3mL)に、EtSiH(1.1g、9.1mmol)を20℃で加え、18時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、ヘキサンで洗浄して、cis−9−クロロ−6−メチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール(1.1g、3.3mmol)を得た。
【0207】
段階B
cis−9−クロロ−6−メチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール(1.1g、3.2mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(0.76g、3.5mmol)の1,4−ジオキサン溶液(30.0mL)に、NaOH(1N、9.4mL、9.4mmol)を20℃で加え、3時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をジエチルエーテルに溶解し、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、cis−9−クロロ−6−メチル−1,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得た(0.81g、1.5mmol)。
【0208】
段階C
cis−9−クロロ−6−メチル−1,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.2g、0.62mmol)のDMF溶液(1mL)に、NBS(0.08g、0.50mmol)のDMF溶液(0.6mL)を0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いでHOでクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。有機溶液を合わせて、NaOH(1N)、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(Hex/EtOAc 70%)におけるクロマトグラフィーに供して、cis−8−ブロモ−9−クロロ−6−メチル−1,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得た(0.16g、0.4mmol)。
【0209】
段階D
cis−8−ブロモ−9−クロロ−6−メチル−1,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(48.3mg、0.12mmol)および炭酸カリウム(49.8mg、0.36mmol)の脱気DMF溶液(2.4mL)に、ジエチル亜鉛(0.22mL、0.24mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(4.9mg、6.0μmol)を加えた。反応混合物を80℃で15時間攪拌し、続いてジエチルエーテルで希釈し、HOで抽出した。有機溶液を合わせて、HO、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、回収した出発物質および酸化生成物の混合物を得た。20℃で得られたこの混合物(44.2mg、0.11mmol)に、20% TFA/CHCl(0.93mL)を加え、30分間攪拌し、琥珀油(amber oil)(62.4mg、0.21mmol)になるまで減圧濃縮し、それをHPLC(MeOH/HO)で精製して、標題の化合物を得た(4.9mg、0.02mmol):MS(ES)299.1(M+H)。
【0210】
実施例43
6−クロロ−8−フルオロ−9−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化56】

段階A
亜硝酸ナトリウム(1.1g、15.9mmol)およびHO(3.3mL)を、2−クロロ−4−フルオロ−5−メチルベンゼンアミン(2.1g、13.2mmol)のHCl(12N、31.4mL)およびTFA(4.0mL)溶液に0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(5.5g、29.1mmol)のHCl(12N、7.9mL)およびHO(1.0mL)溶液を0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過して、1−(2−クロロ−4−フルオロ−5−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを得た(2.7g、12.8mmol)。
【0211】
段階B
1−(2−クロロ−4−フルオロ−5−メチルフェニル)ヒドラジン(0.49g、2.8mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(0.43g、2.8mmol)のTFE溶液(1.14mL)を65℃で15時間攪拌して、1−(2−クロロ−4−フルオロ−5−メチルフェニル)−2−(ピペリジン−4−イリデン)ヒドラジンヒドロクロリドを形成し、LCMSで観察した:MS(ES)256.22(M+H)。HCl(12N、0.7mL、8.4mmol)の添加後、反応混合物を65℃でさらに15時間攪拌し続けた。反応混合物を冷却し、濾過して、標題の化合物をベージュ色の固形物として得た(0.49g、1.8mmol):MS(ES)239.2(M+H)。
【0212】
実施例44
6,8,9−トリクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド
【化57】

段階A
亜硝酸ナトリウム(0.91g、13.2mmol)およびHO(2.7mL)を、2,4,5−トリクロロベンゼンアミン(2.2g、11.0mmol)のHCl(12N、26.3mL)およびTFA(3.3mL)溶液に0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、続いて塩化スズ(II)(4.6g、24.3mmol)のHCl(12N、6.6mL)およびHO(0.9mL)溶液を0℃で滴下して加えた。反応混合物を20℃で15時間攪拌し、濾過して、1−(2,4,5−トリクロロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを得た(2.4g、9.7mmol)。
【0213】
段階B
1−(2,4,5−トリクロロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(1.0g、4.0mmol)および4−ピペリドンヒドロクロリド一水和物(0.62g、4.0mmol)のEtOH溶液(11.9mL)を75℃で3.5時間攪拌し、20℃まで冷却し、濾過して、1−(ピペリジン−4−イリデン)−2−(2,4,5−トリクロロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを灰色がかった白色固形物として得た(0.74g、2.3mmol)。
【0214】
段階C
1−(ピペリジン−4−イリデン)−2−(2,4,5−トリクロロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリド(0.25g、0.76mmol)のTFE溶液(2.2mL)に、HCl(12N、0.2mL、2.3mmol)を加え、マイクロ波反応器中、170℃で30分間反応させた。反応混合物を冷却し、濾過して、標題の化合物を黄褐色固形物として得た(97.3mg、0.31mmol):MS(ES)275.08(M+H)。
【0215】
実施例45
6,7−ジクロロ−5−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化58】

段階A
6,7−ジクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロトリ−フルオロアセテート(180mg、0.53mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(128mg、0.59mmol)の1,4−ジオキサン溶液(5.0mL)に、NaOH(1N、1.6mL、1.6mmol)を20℃で加え、5時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をEtOで抽出した。有機層を合わせて、HO、HCl(1N)、HO、飽和NaHCO水溶液、および食塩水で連続して洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、6,7−ジクロロ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(183mg、0.53mmol)を灰色がかった白色固形物として得た。
【0216】
段階B
6,7−ジクロロ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(183g、0.53mmol)のDME溶液(3.0mL)に、粉砕したKOH(150mg、2.7mmol)およびMeI(753g、5.3mmol)を20℃で加えた。反応混合物を95℃で3時間攪拌し、冷却し、HOで希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機溶液を合わせて、HOおよび食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲル(Hex/EtOAc 9/1)におけるクロマトグラフィーに供して、6,7−ジクロロ−5−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(133mg、0.37mmol)を淡黄色固形物として得た。
【0217】
段階C
6,7−ジクロロ−5−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(130mg、0.37mmol)のCHCl溶液(2.0mL)に、TFA(0.4mL)を加えた。反応混合物を20℃で1時間攪拌し、次いで減圧濃縮した。残留物をHOに溶解し、NaOH(1N)でpH>12まで塩基性化し、CHClで抽出した。有機溶液を合わせて、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、標題の化合物を淡褐色固形物として得た(82mg、0.32mmol):MS(ES)255.1(M+H)。
【0218】
実施例46
5,6,8−トリメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化59】

段階A
6,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド(0.39g、1.6mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(0.39g、1.8mmol)の1,4−ジオキサン溶液(15.6mL)に、NaOH(1N、4.9mL、4.9mmol)を20℃で加え、5時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をEtOAc、EtO、およびHOに可溶化し、有機相を、HO、HCl(1N)、HO、飽和NaHCO水溶液、および食塩水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、6,8−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを黄色固形物として得た(0.40g、1.34mmol)。
【0219】
段階B
6,8−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.37g、1.2mmol)のDME溶液(6.9mL)に、粉砕したKOH(0.34g、6.1mmol)およびMeI(1.7g、12.2mmol)を20℃で加えた。反応混合物を85℃で30分間攪拌し、冷却し、HOで希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機溶液を合わせて、HOおよび食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(Hex/EtOAc グラジエント 95〜90%)におけるクロマトグラフィーに供して、5,6,8−トリメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.29g、0.76mmol)を白色固形物として得た。
【0220】
段階C
5,6,8−トリメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.29g、0.75mmol)に、20% TFA/CHCl(7.9mL)を0℃で加え、80分間攪拌した。20℃でさらに1時間攪拌し、茶色固形物(0.4g、1.0mmol)になるまで減圧濃縮し、その175.0mgをHPLC(MeOH/HO)で精製して、標題の化合物を得た(108.7mg、0.3mmol):MS(ES)215.2(M+H)。
【0221】
実施例47
9−クロロ−5,6−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化60】

段階A
9−クロロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール(0.2g、0.78mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(0.19g、0.9mmol)の1,4−ジオキサン溶液(7.4mL)に、NaOH(1N、2.3mL、2.3mmol)を20℃で加え、3.5時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をEtOAc、EtO、およびHOに可溶化し、有機相を、HO、HCl(1N)、HO、飽和NaHCO水溶液、および食塩水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、9−クロロ−6−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを黄色固形物として得た(0.24g、0.76mmol)。
【0222】
段階B
9−クロロ−6−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.24g、0.76mmol)のDME溶液(4.3mL)に、粉砕したKOH(0.21g、3.8mmol)およびMeI(1.1g、7.6mmol)を20℃で加えた。反応混合物を85℃で4時間攪拌し、冷却し、HOで希釈し、EtOで抽出した。有機溶液を合わせて、HOおよび食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、9−クロロ−5,6−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを淡黄色固形物として得た(0.25、0.73mmol)。
【0223】
段階C
0℃での9−クロロ−5,6−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.25g、0.73mmol)に、20% TFA/CHCl(7.7mL)を加え、10分間攪拌した。20℃でさらに50分間攪拌し、茶色固形物(0.34g、0.98mmol)になるまで減圧濃縮し、その154.0mgをHPLC(CHCN/HO)で精製して、標題の化合物を得た(68.7mg、0.20mmol):MS(ES)235.2(M+H)。
【0224】
実施例48
5,7,9−トリメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化61】

段階A
7,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール(0.2g、0.85mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(0.20g、0.93mmol)の1,4−ジオキサン溶液(8.1mL)に、NaOH(1N、2.5mL、2.5mmol)を20℃で加え、2時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をEtOAc、EtO、およびHOに可溶化し、有機相を、HO、HCl(1N)、HO、飽和NaHCO水溶液、HO、および食塩水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、7,9−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.24g、0.76mmol)を白色固形物として得た。
【0225】
段階B
7,9−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.23g、0.75mmol)のDME溶液(4.3mL)に、粉砕したKOH(0.21g、3.8mmol)およびMeI(1.1g、7.6mmol)を20℃で加えた。反応混合物を85℃で4.5時間攪拌し、冷却し、HOで希釈し、EtOで抽出した。有機溶液を合わせて、HOおよび食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、5,7,9−トリメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.24、0.75mmol)を淡黄色固形物として得た。
【0226】
段階C
0℃での5,7,9−トリメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.24g、0.75mmol)に、20% TFA/CHCl(7.9mL)を加え、10分間攪拌した。20℃でさらに50分間攪拌し、茶色固形物(0.41g、1.2mmol)になるまで減圧濃縮し、その217.0mgをHPLC(CHCN/HO)で精製して、標題の化合物を得た(91.7mg、0.28mmol):MS(ES)215.3(M+H)。
【0227】
実施例49
9−フルオロ−5,6−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化62】

段階A
9−フルオロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド(0.2g、0.7mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(0.17g、0.8mmol)の1,4−ジオキサン溶液(6.9mL)に、NaOH(1N、2.2mL、2.2mmol)を20℃で加え、1時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をEtOAc、EtO、およびHOに可溶化し、有機相を、HO、HCl(1N)、HO、飽和NaHCO水溶液、HO、および食塩水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、9−フルオロ−6−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを橙色固形物として得た(0.23g、0.7mmol)。
【0228】
段階B
9−フルオロ−6−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.23g、0.7mmol)のDME溶液(3.9mL)に、粉砕したKOH(0.19g、3.5mmol)およびMeI(0.98g、6.9mmol)を20℃で加えた。反応混合物を85℃で6時間攪拌し、冷却し、HOで希釈し、EtOで抽出した。有機溶液を合わせて、HOおよび食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、9−フルオロ−5,6−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを黄色油状物として得た(0.21g、0.6mmol)。
【0229】
段階C
0℃での9−フルオロ−5,6−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.21g、0.6mmol)に、20% TFA/CHCl(6.3mL)を加え、10分間攪拌した。20℃でさらに1時間攪拌し、緑褐色固形物(0.26g、0.7mmol)になるまで減圧濃縮し、その260.0mgをHPLC(MeOH/HO)で精製して、標題の化合物を得た(56.7mg、0.2mmol):MS(ES)252.98(M+H)。
【0230】
実施例50
6−クロロ−8−フルオロ−5,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化63】

段階A
6−クロロ−8−フルオロ−9−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド(0.2g、0.7mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(0.17g、0.8mmol)の1,4−ジオキサン溶液(6.9mL)に、NaOH(1N、2.2mL、2.2mmol)を20℃で加え、1時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をEtOAc、EtO、およびHOに可溶化し、有機相をHO、HCl(1N)、HO、飽和NaHCO水溶液、HO、および食塩水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、6−クロロ−8−フルオロ−9−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを橙色固形物として得た(0.23g、0.7mmol)。
【0231】
段階B
6−クロロ−8−フルオロ−9−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.23g、0.7mmol)のDME溶液(3.9mL)に、粉砕したKOH(0.19g、3.5mmol)およびMeI(0.98g、6.9mmol)を20℃で加えた。反応混合物を85℃で6時間攪拌し、冷却し、HOで希釈し、EtOで抽出した。有機溶液を合わせて、HOおよび食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、6−クロロ−8−フルオロ−5,9−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを黄色油状物として得た(0.21g、0.6mmol)。
【0232】
段階C
0℃での6−クロロ−8−フルオロ−5,9−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.21g、0.6mmol)に、20% TFA/CHCl(6.3mL)を加え、10分間攪拌した。20℃でさらに1時間攪拌し、緑褐色固形物(0.26g、0.7mmol)になるまで減圧濃縮し、その260.0mgをHPLC(MeOH/HO)で精製して、標題の化合物を得た(56.7mg、0.2mmol):MS(ES)252.98(M+H)。
【0233】
実施例51
7−クロロ−5−メチル−6−(メチルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
【化64】

段階A
実施例49 段階Aの手順に従って、7−クロロ−6−メチルスルファニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールヒドロクロリド(実施例30、333mg、1.15mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(280mg、1.27mmol)、NaOH(1N、3.5mL、3.5mmol)、1,4−ジオキサン(11mL)から、7−クロロ−6−メチルスルファニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(388mg、1.1mmol)を製造した。
【0234】
段階B
実施例49 段階Bの手順に従って、7−クロロ−6−メチルスルファニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(370mg、1.05mmol)、MeI(1.55g、10.5mmol)、KOH(294mg、5.25mmol)およびDME(6.0mL)から、7−クロロ−5−メチル−6−メチルスルファニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(330mg、0.9mmol)を製造した。
【0235】
段階C
実施例49 段階Cの手順に従って、7−クロロ−5−メチル−6−メチルスルファニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ピリド[4,3−b]インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(330mg、0.9mmol)および20% TFA/CHCl(8.0mL)から、標題の化合物(213mg、0.8mmol)を黄色固形物として製造した:MS(ES)267.1(M+H)。
【0236】
本明細書で開示される本願の具体的態様は、上記の目的を満たすために十分適していることが明らかであるが、多くの改変および他の態様を成しうることは、当業者によって認識されるだろうし、また特許請求の範囲は、かかる全ての改変および本願の真の精神および技術的範囲に属する全ての態様を保護することが、意図される。
【0237】
多くの参照文献が引用されているが、これらの全ての開示内容がその言及によって、本明細書に導入される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
は、H、C3−7シクロアルキル、0〜3個のRで置換されたC1−4アルキル、0〜2個のRで置換されたC2−4アルケニル、0〜2個のRで置換されたC2−4アルキニルからなる群より選択され、
およびRは独立して、H、および0〜3個のRで置換されたC−Cアルキルからなる群より選択され、
、R、RおよびRは独立して、H、ハロ、−CF、−OCF、−OH、−CN、−NO、−OCH、−SCH、−SCF、−CFCF、−OR12、−SR12、−NR1213、−C(O)H、−C(O)R12、−NR14C(O)R12、−OC(O)R12、−OC(O)OR12、−S(O)R12、−S(O)12、−S(O)NR1213、−S(O)NR1213、−NR14S(O)R12、−NR12C(O)R15、−NR12C(O)OR15、−NR12C(O)NHR15、0〜2個のRで置換されたC1−6アルキル、0〜2個のRで置換されたC2−6アルケニル、0〜2個のRで置換されたC2−6アルキニル、0〜2個のRで置換されたC3−6シクロアルキル、および0〜3個のR33で置換されたC3−10カルボシクリルからなる群より選択され、その中でR、R、RおよびRの少なくとも2つはHでなく、
適宜、RとR、RとR、またはRとRの一組は一緒になって、5〜10員カルボシクリル、5〜10員ヘテロシクリル、5〜7員アリール、または5〜7員ヘテロアリール環を形成してもよく;
は、ハロ、−CF、−OCF、−OH、−CN、−NO、−CFCF、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、−OR12、−SR12、−NR1213、−C(O)H、−C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR14C(O)R12、−C(O)OR12、−OC(O)R12、−OC(O)OR12、−S(O)R12、−S(O)12、−S(O)NR1213、−S(O)NR1213、−NR14S(O)R12、−NR14S(O)12、−NR12C(O)R15、−NR12C(O)OR15、−NR12S(O)15、−NR12C(O)NHR15、0〜5個のR33で置換されたフェニル、0〜3個のR33で置換されたC3−10カルボシクリル、並びにN、O、およびSからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、0〜3個のR33で置換された5〜10員複素環式環化合物からなる群より選択され;
は、ハロ、C1−3ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキルからなる群より選択され、
12は、H、0〜2個のR12aで置換されたC1−6アルキル、0〜2個のR12aで置換されたC2−6アルケニル、0〜2個のR12aで置換されたC2−6アルキニル、0〜3個のR33で置換されたC3−6シクロアルキル、0〜5個のR33で置換されたアリール、0〜3個のR33で置換されたC3−10カルボシクリル、並びにN、O、およびSからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、0〜3個のR33で置換された5〜10員複素環式環化合物からなる群より選択され;
12aは、H、ハロ、−OH、−CN、−NO、−COH、−SO45、−SOR45、−SR45、−NR46SO45、−NR46COR45、−NR4647、−SONR4646、−CONR4646、−OR45、=O、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、0〜5個のR33で置換されたフェニル、0〜3個のR33で置換されたC3−10カルボシクリル、並びにN、O、およびSからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、0〜3個のR33で置換された5〜10員複素環式環化合物からなる群より選択され;
13は、H、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、およびC2−4アルキニルからなる群より選択され;
適宜、R12およびR13は一緒になって、−O−または−N(R14)−で適宜置換された5〜6員環を形成してもよく、あるいは適宜、R12およびR13は一緒になって、N、OおよびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を含む9〜10員二環式複素環式環化合物を形成してもよく、その中で該二環式複素環式環化合物は、飽和、一部飽和または不飽和であってもよく、該二環式複素環式環化合物は0〜3個のR16で置換され;
14は、HおよびC1−4アルキルからなる群より選択され;
15は、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、およびC2−4アルキニルからなる群より選択され;
16は各々独立して、H、OH、ハロ、CN、NO、CF、SO45、NR4647、−C(=O)H、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3ハロアルキル−オキシ−、およびC1−3アルキルオキシから選択され;
33は、H、OH、ハロ、−CN、−NO、−CF、−OCF、−SO45、−S(=O)R45、−SR45、−NR4647、−NHC(=O)R45、−C(=O)NR4646、−C(=O)H、−C(=O)R45、−C(=O)OR45、−OC(=O)R45、−OR45、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、フェニル、0〜2個のR34で置換されたアリール、0〜2個のR34で置換されたC1−6アルキル、並びに0〜2個のR34で置換されたC2−6アルケニルからなる群より選択され;
34は各々独立して、OH、C1−4アルコキシ、−SO45、−NR4647、NR4646C(=O)−、および(C1−4アルキル)CO−から選択され;
45はC1−4アルキルであり;
46は各々独立して、HおよびC1−4アルキルから選択され;
47は各々独立して、H、C1−4アルキル、−C(=O)NH(C1−4アルキル)、−SO(C1−4アルキル)、−C(=O)O(C1−4アルキル)、−C(=O)(C1−4アルキル)および−C(=O)Hから選択される]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは立体異性体。
【請求項2】
、R、RおよびRが独立して、H、ハロ、−CF、−OCF、−CN、−OCH、−SCH、−SCF、−CFCF、−OR12、−SR12、−NR1213、−C(O)R12、0〜2個のRで置換されたC1−6アルキル、並びに0〜2個のRで置換されたC3−6シクロアルキルからなる群より選択され、その中でR、R、RおよびRの少なくとも2つがHでなく、適宜、RとR、RとR、またはRとRの一組が一緒になって、5〜10員カルボシクリル、5〜7員アリールまたは5〜7員ヘテロアリール環を形成しうる、請求項1の化合物。
【請求項3】
がHである、請求項2の化合物。
【請求項4】
がHである、請求項3の化合物。
【請求項5】
がHである、請求項4の化合物。
【請求項6】
該化合物が、6,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6,7−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;7,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6,9−ジクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;6,7−ジクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;6,8−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;7,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;8,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;7,9−ジクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;9−フルオロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;9−クロロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;8−メトキシ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;7−クロロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;7−クロロ−6−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6−ブロモ−9−フルオロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;6−ブロモ−9−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6−クロロ−9−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;8−ブロモ−6−ヨード−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6−クロロ−9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;8−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;8−メチル−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;8−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;6−クロロ−8−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;9−メチル−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6−メチル−7−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;8−ブロモ−6−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;9−クロロ−6−メチルスルファニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6−メチルスルファニル−9−トリフルオロメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;7−クロロ−6−メチルスルファニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;7−ブロモ−6−(3−クロロプロピルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6−(3−クロロプロピルチオ)−9−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;7−クロロ−6−(3−クロロプロピルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;9−ブロモ−6−(3−クロロプロピルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6−(3−クロロプロピルチオ)−9−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;8−メトキシ−6−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;6−ブロモ−9−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;7−クロロ−6−(p−トリルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6−(4−クロロフェニルチオ)−9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;9−クロロ−6−(4−クロロフェニルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;7−メチル−6−(p−トリルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;8−ブロモ−9−クロロ−6−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;6−クロロ−8−フルオロ−9−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6,8,9−トリクロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール塩酸塩;6,7−ジクロロ−5−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;5,6,8−トリメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;9−クロロ−5,6−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;5,7,9−トリメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;9−フルオロ−5,6−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;6−クロロ−8−フルオロ−5,9−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;および7−クロロ−5−メチル−6−(メチルチオ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールである、請求項1の化合物。
【請求項7】
請求項1の少なくとも一つの化合物;および、
少なくとも一つの医薬的に許容される担体もしくは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項8】
少なくとも一つの別の治療剤をさらに含む、請求項7の医薬組成物。
【請求項9】
請求項1の新規化合物の治療上の有効量を、治療が必要な哺乳類に投与することによる、様々な疾患、症状および障害、例えば、これらに限らないが、肥満、糖尿病、糖尿病合併症、アテローム性動脈硬化症、耐糖能障害および脂質代謝異常を含む代謝疾患;摂食障害;これらに限らないが、不安症、うつ病、強迫性障害、パニック障害、精神病、統合失調症、睡眠障害、性的障害および社会恐怖症を含む中枢神経系疾患;頭痛;片頭痛;並びに胃腸障害の治療方法。
【請求項10】
疾患、症状または障害が肥満である、請求項9の方法。

【公表番号】特表2009−502959(P2009−502959A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524200(P2008−524200)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/029436
【国際公開番号】WO2007/016353
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】