説明

センサチップの取付構造

【課題】センサチップへの応力の伝達を防止し得るセンサチップの取付構造を提供する。
【解決手段】センサ10は、主に、センサチップ20と、このセンサチップ20を取り付けるための部材である被取付部材30と、センサチップ20および被取付部材30との間に介在する磁性流体40等から構成されている。センサチップ20は、受圧面21が形成される面とは反対側の面である磁性流体側面23にて、磁性流体40の表面張力により当該磁性流体40に保持されて固定されている。磁性流体40は、被取付部材30の永久磁石33により当該被取付部材30のチップ側面31に磁気吸着により固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサチップの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、センサチップの取付構造に関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される圧力センサがある。この圧力センサは、受圧面にて受けた圧力に応じた電気信号を出力するセンサチップを備えており、このセンサチップは、その受圧面を配線基板の一面と対向させた状態でバンプを介して当該配線基板にフリップチップ接合されている。そして、バンプと、このバンプに接続されているセンサチップの電極および配線基板の電極とを含むバンプの接合部を封止するため、このバンプの接合部に絶縁部材となる樹脂材料を塗布して硬化させることにより絶縁性部材が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−177925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、センサチップが固定される配線基板は、このセンサチップへの応力伝達を低減するために、弾性率が高く変形の少ない基板、例えば、セラミック基板が採用されている。しかしながら、センサの高精度化に伴い、センサチップと配線基板との熱膨張の差から生じる熱応力等、配線基板からセンサチップに伝達される僅かな応力でも問題となってきている。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、センサチップへの応力の伝達を防止し得るセンサチップの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のセンサチップの取付構造では、センサチップ(20,20a,20b,20c)を被取付部材(30,30a,30b,30c,30d,30e,30f)に取り付けるセンサチップの取付構造において、前記センサチップと前記被取付部材との間に介在する磁性流体(40,40a,40b,40c)であって、その表面張力により前記センサチップを保持可能な磁性流体と、前記磁性流体を前記被取付部材に磁気吸着させる磁力を発生する磁力発生手段(33,34,37,38a〜38f)と、を備え、前記センサチップは、磁性流体側の面の全面にて前記被取付部材に接触することなく前記磁性流体の表面張力により保持されることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明では、センサチップは磁性流体側の面の全面にて被取付部材に接触することなく磁性流体の表面張力により保持され、この磁性流体は、被取付部材に磁力発生手段から発生される磁力により磁気吸着される。このように、センサチップは磁性流体を介して被取付部材に接触することなく取り付けられるため、被取付部材が熱応力等により変形しても、この変形に応じた応力がセンサチップに伝達されることもない。
したがって、センサチップへの応力の伝達を防止することができる。
【0008】
請求項2の発明では、上記磁力発生手段は、被取付部材に含有される磁性粉末である。これにより、永久磁石や磁力発生用コイルを被取付部材にインサート成形する必要がなくなるため、製造コストが低減される。
【0009】
請求項3の発明では、上記磁力発生手段は、上記被取付部材に設けられ発生する磁力を調整可能な磁力調整手段である。このように、磁力発生手段として発生する磁力を調整可能な磁力調整手段、例えば、磁力発生用コイルを採用することにより、必要に応じて磁性流体を磁気吸着するための磁力を発生させることができる。また、被取付部材、例えば、配線基板等に永久磁石をインサート成形する場合には、この永久磁石がインサート成形時に高温に曝されるため永久磁石の磁性が失われる可能性があり、成形が困難である。これに対し、磁力発生用コイルであればインサート成形時に高温に曝されても磁性が失われることがないので、容易にインサート成形することができる。
【0010】
請求項の発明では、センサチップと前記被取付部材に設けられる接続端子とは、フレキシブル配線により電気的に接続される。これにより、センサチップが熱応力等による被取付部材の変形に追従して変形しない場合であっても、センサチップと被取付部材に設けられる接続端子との電気的接続が確実に維持され得る。
【0011】
請求項の発明では、センサチップの複数の接続端子は、被取付部材の複数の接続端子のうちの接続予定の接続端子にそれぞれ対向する。そして、磁性流体は、センサチップの接続端子とこの接続端子に接続予定の被取付部材の接続端子とを電気的に接続するようにそれぞれ各接続端子間毎に分離して複数介在する。そして、磁力発生手段は、分離した磁性流体を各接続端子間にそれぞれ介在させるように被取付部材に複数設けられる。
【0012】
このように、センサチップの各接続端子と接続予定の被取付部材の各接続端子とは、磁性流体によりそれぞれ電気的に接続されるので、接続作業が不要となることから、センサチップへの応力の伝達を防止するとともに、製造コストを低減することができる。
【0013】
請求項の発明では、被取付部材の表面のうち各接続端子が突出する部位毎に凹状の溝が互いに離間するように複数形成される。これにより、請求項5に記載の発明のように、磁性流体を、センサチップの接続端子とこの接続端子に対応する被取付部材の接続端子とを電気的に接続するようにそれぞれ各接続端子間毎に互いに複数介在させた場合には、各磁性流体が、互いに離間するように複数形成される凹状の溝にそれぞれ流れ込むように位置決めされた状態で磁気吸着される。これにより、各磁性流体間の短絡を確実に防止することができる。
【0014】
請求項7の発明では、センサチップの複数の接続端子は、被取付部材の複数の接続端子のうちの接続予定の接続端子にそれぞれ対向する。そして、磁力調整手段は、被取付部材の各接続端子毎に被取付部材に複数設けられる。そして、磁性流体は、各磁力調整手段のうち磁力を発生させた磁力調整手段に対応する被取付部材の接続端子とこの接続端子に接続予定のセンサチップの接続端子とを電気的に接続するように両接続端子間に介在する。
【0015】
このため、電気的接続を実施する接続端子に対応する磁力調整手段のみ磁力を発生させることにより、接続対象となる接続端子間に磁性流体が移動して介在することとなるので、選択的に電気的接続を切り替えることができる。そして、電気的に接続される接続端子間に介在する磁性流体により、センサチップを保持するとともにセンサチップへの応力の伝達を防止することができる。特に、例えば、圧力センサとしての機能と温度センサとしての機能のように2以上の機能を兼備させたセンサチップにおいて、このセンサチップから複数の検出信号のうち所定の検出信号のみを出力させるときに選択的に電気的接続を切り替えることができるので効果的である。
【0016】
請求項8の発明では、上記磁力発生手段は、被取付部材の磁性流体に接触する接触面に設けられる磁性を有する基板である。磁力発生手段として、永久磁石や磁性粉末を採用する場合、永久磁石や磁性粉末がインサート成形時に高温に曝されるため磁性が失われる可能性があり、成形が困難である。これに対し、磁性を有する基板を採用することにより、インサート成形時に高温に曝されることもないので磁性が消失することもない。
【0017】
請求項の発明では、センサチップの磁性流体に接触する接触面および被取付部材の磁性流体に接触する接触面の少なくとも1つは、その接触面積が大きくなるように形成される。これにより、センサチップの磁性流体に接触する接触面を大きくした場合には、磁性流体の表面張力によるセンサチップの保持力が大きくなるので、磁性流体により確実にセンサチップを保持することができる。また、被取付部材の磁性流体に接触する接触面を大きくした場合には、磁性流体の表面張力による被取付部材への吸着力が大きくなるので、磁性流体を被取付部材に確実に吸着させることがきる。
【0018】
請求項10の発明では、被取付部材のうち磁力発生手段から離間した部位にセンサチップ周辺の粉塵を吸着可能な磁力を発生する粉塵吸着用磁力発生手段を備える。これにより、センサチップ周辺の粉塵が粉塵吸着用磁力発生手段の磁力により磁気的に吸着されるので、磁力発生手段の磁力に起因するセンサチップ等への粉塵の付着を防止することができる。また、粉塵吸着用磁力発生手段は磁力発生手段から離間して配置されているので、当該粉塵吸着用磁力発生手段が発生する磁力によりセンサチップを保持する磁性流体等に影響を及ぼすこともない。
【0019】
請求項11の発明では、上記粉塵吸着用磁力発生手段は、永久磁石である。このように、粉塵吸着用磁力発生手段として永久磁石により粉塵を磁気吸着するための磁力を発生させてもよい。
【0020】
請求項12の発明では、上記粉塵吸着用磁力発生手段は、粉塵吸着用磁力調整手段である。このように、粉塵吸着用磁力発生手段として粉塵吸着用磁力調整手段、例えば、電磁石や磁力発生用コイルを採用することにより、必要に応じて粉塵を磁気吸着するための磁力を発生させることができる。
【0021】
請求項13の発明では、センサチップの磁性流体に接触する接触面には磁性膜が設けられる。このように、センサチップの磁性流体に接触する接触面に磁性膜を設けることにより、磁力発生手段が発生する磁力により磁性膜が磁気吸着されるので、磁性流体を介してセンサチップを保持する保持力を大きくすることができる。
【0022】
また、センサチップの接続端子と被取付部材の接続端子とを電気的に接続する際、磁力発生手段が発生する磁力を利用して、センサチップの磁性膜を被取付部材に直接磁気吸着させることにより、接続端子接続時にセンサチップを被取付部材に固定するための取付用治具が不要となり作業性が向上し得る。
【0023】
請求項14の発明では、上記磁力調整手段は、その磁力により磁気吸着した磁性流体を介して保持したセンサチップが所望の測定位置にそれぞれ位置するように被取付部材に複数設けられる。
【0024】
このように、所望の測定位置に対応する磁力調整手段のみ磁力を発生させることにより、この磁力調整手段の磁力でもってセンサチップを保持する磁性流体が所望の測定位置に移動するように磁気吸着される。これにより、センサチップへの応力の伝達を防止するとともに、選択的にセンサチップの位置を被取付部材に対して変更することで当該センサチップによる測定位置を任意に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【図2】第2実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【図3】第3実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【図4】第4実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図であり、図4(A)は、磁力発生用コイル38a,38bから磁力を発生させた状態を示す断面図であり、図4(B)は、磁力発生用コイル38a,38cから磁力を発生させた状態を示す断面図である。
【図5】第5実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【図6】第6実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【図7】第7実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【図8】第8実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【図9】第9実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【図10】第10実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明のセンサチップの取付構造の実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るセンサチップの取付構造を示す概略断面図である。
センサ10は、例えば、圧力センサであり、自動車に搭載されて所定の空間における空気圧を検出するものであって、このセンサ10は、主に、センサチップ20と、このセンサチップ20を取り付けるための部材である被取付部材30と、センサチップ20および被取付部材30との間に介在する磁性流体40等から構成されている。
【0027】
センサチップ20は、その一側面(図1中の下面)に形成される受圧面21にて受けた圧力に応じた電気信号を、受圧面21側の周縁に設けられる複数の接続端子22を介して出力するように構成されている。
【0028】
被取付部材30は、センサチップ20を所定の測定位置に応じた位置に取り付けるためのケースであるが、例えば、配線基板等であってもよい。
【0029】
センサチップ20の各接続端子22は、被取付部材30のセンサチップ側のチップ側面31から接続端子として突出する複数のピン32の接続部32aにフレキシブル配線50によりそれぞれ電気的に接続されている。なお、図1においては、便宜上、1組の接続端子22とピン32とがフレキシブル配線50により接続された状態を示している。
【0030】
図1に示すように、被取付部材30には、永久磁石33がチップ側面31の近傍に埋め込まれるように設けられており、この永久磁石33は、磁性流体40を磁気的に吸着する磁気吸着力を発生させている。なお、各ピン32を介して出力される検出信号が、永久磁石33等の磁力発生手段が発生する磁力によりノイズ等の影響を受ける場合には、例えば、各ピン32にノイズ防止のための処理を行うようにしてもよい。
【0031】
磁性流体40は、例えば、水等の液体中に酸化鉄等の磁性粒子を分散させて構成されている。本第1実施形態においては、磁性流体40は、被取付部材30の永久磁石33により当該被取付部材30のチップ側面31に磁気吸着により固定されている。そして、センサチップ20は、受圧面21が形成される面とは反対側の面(図1中の上面、以下、磁性流体側面23ともいう)にて、磁性流体40の表面張力により当該磁性流体40に保持されて固定されている。これにより、センサチップ20を取り付ける被取付部材である被取付部材30が熱応力等により変形しても、この変形に応じた応力がセンサチップ20に伝達されることもない。
【0032】
以下、上述のように構成されるセンサ10におけるセンサチップ20の取付手順について説明する。
まず、インサート成形により永久磁石33や各ピン32を備えた被取付部材30を製作した後、各ピン32の接続部32aと対応するフレキシブル配線50とを、例えば、超音波接合や熱圧着接合等により電気的に接続して適宜な補強剤によりこの接続を補強する。次に、センサチップ20を、その磁性流体側面23と被取付部材30のチップ側面31との間に所定の隙間を形成するように図略の取付用治具により固定する。そして、センサチップ20の各接続端子22と接続予定のピン32に接続されたフレキシブル配線50とを電気的にそれぞれ接続する。
【0033】
そして、磁性流体40を、センサチップ20の磁性流体側面23と被取付部材30のチップ側面31との間に形成される隙間に注入する。このとき、磁性流体40は、毛細管現象により磁性流体側面23とチップ側面31との間にて両面に沿うように注入される。これにより、センサチップ20と被取付部材30との間に磁性流体40が介在することとなる。そして、このように構成されるセンサ10を、図略のハウジングにOリング等を介してかしめることにより所定の位置に固定する。なお、図1に示すように、各ピン32のチップ側面31から突出する部位を磁性流体40の一部である磁性流体41により覆うことで、センサチップ20が存在する検査空間と他の空間との連通をなくすようにシールしてもよい。
【0034】
なお、センサチップ20を被取付部材30に対して上側に配置するとともにセンサチップ20の磁性流体側面23と被取付部材30のチップ側面31とを接触させた状態で、上述した接続作業や磁性流体40の注入作業を実施してもよい。この注入作業の場合、磁性流体40は、磁性流体側面23とチップ側面31とが接触していても、毛細管現象により両面間に入り込むように注入されることとなる。これにより、磁性流体40を、上述した取付用治具を使用することなくセンサチップ20と被取付部材30との間に介在させることができる。
【0035】
以上説明したように、本第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造では、センサチップ20は、磁性流体40にその表面張力により保持され、この磁性流体40は、被取付部材である被取付部材30に永久磁石33から発生される磁力により磁気吸着される。このように、センサチップ20は磁性流体40を介して被取付部材30に取り付けられるため、被取付部材30が熱応力等により変形しても、この変形に応じた応力がセンサチップ20に伝達されることもない。
したがって、センサチップ20への応力の伝達を防止することができる。
【0036】
また、本第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造では、センサチップ20の各接続端子22と被取付部材30の各ピン32とは、フレキシブル配線50により電気的に接続される。これにより、センサチップ20が熱応力等による被取付部材30の変形に追従して変形しない場合であっても、センサチップ20と被取付部材30との電気的接続が確実に維持され得る。
【0037】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るセンサチップの取付構造について図2を参照して説明する。図2は、第2実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を示す概略断面図である。
本第2実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を採用するセンサ10では、上記第1実施形態にて述べた永久磁石33に代えて、発生する磁力を調整可能な磁力調整手段として図2に示す磁力発生用コイル34を採用している点が、上記第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第1実施形態のセンサチップ20の取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
図2に示すように、磁力発生用コイル34は、被取付部材30に例えば、インサート成形されており、外部から供給される電流に応じた磁力の発生を可能とするように構成されている。
【0039】
このように構成される本第2実施形態に係るセンサチップ20の取付構造では、発生する磁力を調整可能な磁力調整手段として、磁力発生用コイル34を採用することにより、必要に応じて磁性流体40を磁気吸着するための磁力を発生させることができる。また、被取付部材30に上記第1実施形態の永久磁石33をインサート成形する場合には、この永久磁石33がインサート成形時に高温に曝されるため永久磁石33の磁性が失われる可能性があり、成形が困難である。これに対し、磁力発生用コイル34であればインサート成形時に高温に曝されても磁性が失われることがないので、容易にインサート成形することができる。
【0040】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るセンサチップの取付構造について図3を参照して説明する。図3は、第3実施形態に係るセンサチップ20aの取付構造を示す概略断面図である。なお、図3においては、便宜上、2組の接続端子22とピン35とが各磁性流体40により接続された状態を示している。
【0041】
本第3実施形態に係るセンサチップ20aの取付構造を採用するセンサ10では、上記第1実施形態にて述べたセンサチップ20および被取付部材30に代えてセンサチップ20aおよび被取付部材30aを採用するとともに、フレキシブル配線50を廃止している点が上記第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第1実施形態のセンサチップ20の取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
図3に示すように、センサチップ20aは、各接続端子22が磁性流体側面23に設けられている点が上記第1実施形態におけるセンサチップ20と異なる。
【0043】
被取付部材30aの接続端子である複数のピン35は、センサチップ20aを磁性流体40を介して当該被取付部材30aに取り付けたとき、接続予定のセンサチップ20aの接続端子22に対向するようにそれぞれ配置されている(図3参照)。被取付部材30aのチップ側面31には、各ピン35毎に凹状の溝36がそれぞれ離間するように形成されており、各ピン35は、対応する溝36内中央に突出するように形成されている。そして、各溝36近傍には、対応するピン35に貫通されるように永久磁石37がそれぞれ設けられている。
【0044】
磁性流体40は、各永久磁石37が発生する磁力により、各溝36近傍毎にそれぞれ分離して磁気的に吸着される。そして、上述のように分離された磁性流体40は、それぞれの表面張力によりセンサチップ20aを各接続端子22近傍にて保持する。これにより、各接続端子22と対応するピン35とが分離された磁性流体40によりそれぞれ電気的に接続されることとなる。
【0045】
このように構成される本第3実施形態に係るセンサチップ20aの取付構造では、センサチップ20aの各接続端子22は、接続予定の被取付部材30aのピン35にそれぞれ対向している。そして、磁性流体40は、センサチップ20aの各接続端子22とこれら接続端子22に接続予定の被取付部材30aのピン35とを電気的に接続するようにそれぞれ各接続端子間毎に分離して複数介在している。そして、磁力発生手段としての複数の永久磁石37は、分離した複数の磁性流体40を各接続端子間にそれぞれ介在させるようにピン35に応じて被取付部材30aの各溝36近傍にそれぞれ設けられている。
【0046】
このように、センサチップ20aの各接続端子22と接続予定の被取付部材30aの各ピン35とは、分離された各磁性流体40によりそれぞれ電気的に接続されるので、接続作業が不要となることから、センサチップ20aへの応力の伝達を防止するとともに、製造コストを低減することができる。
【0047】
また、本第3実施形態に係るセンサチップ20aの取付構造では、被取付部材30aのチップ側面31のうち各ピン35が突出する部位毎に凹状の溝36が互いに離間するように複数形成されている。これにより、磁性流体40を、センサチップ20aの各接続端子22と接続予定の被取付部材30aのピン35とを電気的に接続するようにそれぞれ各接続端子間毎に分離して複数介在させた場合には、分離した各磁性流体40が、互いに離間するように複数形成される凹状の溝36にそれぞれ流れ込むように位置決めされた状態で磁気吸着される。これにより、各磁性流体40間の短絡を確実に防止することができる。
【0048】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るセンサチップの取付構造について図4(A)(B)を参照して説明する。図4は、第4実施形態に係るセンサチップ20aの取付構造を示す概略断面図であり、図4(A)は、磁力発生用コイル38a,38bから磁力を発生させた状態を示す断面図であり、図4(B)は、磁力発生用コイル38a,38cから磁力を発生させた状態を示す断面図である。なお、図4においては、便宜上、3組の接続端子(22a〜22c)およびピン(35a〜35c)のいずれか2つが磁性流体(40a〜40c)により接続された状態を示している。
【0049】
本第4実施形態に係るセンサチップ20aの取付構造を採用するセンサ10では、上記第3実施形態にて述べた被取付部材30aに代えて、被取付部材30bを採用している点が、上記第3実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第3実施形態のセンサチップ20aの取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図4(A),(B)に示すように、被取付部材30bの接続端子である複数のピン35a〜35cは、センサチップ20aを磁性流体40を介して当該被取付部材30bに取り付けたとき、接続予定のセンサチップ20aの接続端子22a〜22cに対向するようにそれぞれ配置されている。被取付部材30bのチップ側面31には、センサチップ20の磁性流体側面23よりも広くなるように形成された凹状の溝36aが設けられており、全てのピン35a〜35cは、溝36a内に突出するように配置されている。そして、溝36a近傍には、対応するピン35a〜35cに貫通されるように磁力発生用コイル38a〜38cがそれぞれ設けられており、各磁力発生用コイル38a〜38cは、外部から供給される電流に応じた磁力の発生を可能とするようにそれぞれ構成されている。
【0051】
磁性流体40は、各磁力発生用コイル38a〜38cのうち電流が供給されたコイルが発生する磁力により、これらのコイルに貫通されるピンを覆うように溝36a内にてそれぞれ分離して磁気的に吸着される。具体的には、図4(A)に示すように、磁性流体40は、磁力発生用コイル38a,38bに電流を供給して磁力を発生させた場合、ピン35a,35bを覆うように溝36a内にて磁性流体40a,40bに分離して磁気吸着される。そして、上述のように分離された磁性流体40a,40bは、それぞれの表面張力によりセンサチップ20aを接続端子22a,22b近傍にて保持する。これにより、接続端子22a,22bと対応するピン35a,35bとが分離された磁性流体40a,40bによりそれぞれ電気的に接続されることとなる。
【0052】
また、図4(B)に示すように、磁性流体40は、磁力発生用コイル38a,38cに電流を供給して磁力を発生させた場合、ピン35a,35cを覆うように溝36a内にて磁性流体40a,40cに分離して磁気吸着される。そして、上述のように分離された磁性流体40a,40cは、それぞれの表面張力によりセンサチップ20aを接続端子22a,22c近傍にて保持する。これにより、接続端子22a,22cと対応するピン35a,35cとが分離された磁性流体40a,40cによりそれぞれ電気的に接続されることとなる。
【0053】
このように構成される本第4実施形態に係るセンサチップ20aの取付構造では、センサチップ20aの各接続端子22a〜22cは、接続予定の被取付部材30bの各ピン35a〜35cにそれぞれ対向している。そして、磁力調整手段としての磁力発生用コイル38a〜38cは、被取付部材30bのピン35a〜35c毎に互いに離間するように被取付部材30bに複数設けられている。そして、磁性流体40は、各磁力発生用コイル38a〜38cのうち磁力を発生させたコイルに対応するピンとこのピンに対向するセンサチップ20aの接続端子とを電気的に接続するように両接続端子間に分離してそれぞれ介在する。
【0054】
このため、電気的接続を実施するピン(35a〜35c)に対応する磁力発生用コイル(38a〜38c)のみ磁力を発生させることにより、接続対象となる接続端子間(ピン35a〜35cと接続端子22a〜22c間)に磁性流体(40a〜40c)が分離移動して介在することとなるので、選択的に電気的接続を切り替えることができる。そして、電気的に接続される接続端子間に介在する磁性流体(40a〜40c)により、センサチップ20aを保持するとともにセンサチップ20aへの応力の伝達を防止することができる。特に、例えば、圧力センサとしての機能と温度センサとしての機能のように2以上の機能を兼備させたセンサチップにおいて、このセンサチップから複数の検出信号のうち所定の検出信号のみを出力させるときに選択的に電気的接続を切り替えることができるので効果的である。なお、全ての磁力発生用コイル38a〜38cから磁力を発生させることにより、センサチップ20aの各接続端子22a〜22cと接続予定の被取付部材30bのピン35a〜35cとの間に磁性流体40a〜40cを介在させて全接続端子間を電気的に接続してもよい。
【0055】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係るセンサチップの取付構造について図5を参照して説明する。図5は、第5実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を示す概略断面図である。
本第5実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を採用するセンサ10では、上記第1実施形態にて述べた被取付部材30に代えて、被取付部材30cを採用している点が、上記第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第1実施形態のセンサチップ20の取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
被取付部材30cは、上述した被取付部材30と異なり、永久磁石33が廃止されている。この被取付部材30cは、磁性粉末を例えば樹脂材料に含有させた磁性粉末複合樹脂により成形されている。また、被取付部材30cのチップ側面31には、センサチップ20の磁性流体側面23よりも広くなるように形成された凹状の溝36bが設けられている。
【0057】
磁性流体40は、被取付部材30cに含まれる磁性粉末による磁力により、当該被取付部材30cのチップ側面31の溝36bに流れ込むように位置決めされた状態で磁気吸着される。そして、センサチップ20は、磁性流体側面23にて、磁性流体40の表面張力により当該磁性流体40に保持されて固定される。
【0058】
このように構成される本第5実施形態に係るセンサチップ20の取付構造では、被取付部材30cに含有される磁性粉末を磁力発生手段として利用する。これにより、永久磁石33や磁力発生用コイル34を被取付部材30cにインサート成形する必要がなくなるため、製造コストが低減される。
【0059】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係るセンサチップの取付構造について図6を参照して説明する。図6は、第6実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を示す概略断面図である。
本第6実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を採用するセンサ10では、上記第1実施形態にて述べた被取付部材30に代えて、被取付部材30dを採用している点が、上記第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第1実施形態のセンサチップ20の取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
複数のピン35等がインサート成形された後の被取付部材30dには、そのチップ側面31を覆うように磁性を有する基板39が設けられる。基板39のチップ側面31に接触する面とは反対の面(図6中の下面)には、凹状の溝39aが1ヶ所だけ形成されている。また、基板39には、センサチップ20の各接続端子22にフレキシブル配線50により電気的に接続されるための接続端子39bが複数設けられている。基板39は、各接続端子39bから入力されるセンサチップ20の検出信号を処理した後、各ピン35から出力する。なお、図6においては、便宜上、1組の接続端子22と接続端子39bとがフレキシブル配線50により接続された状態を示している。
【0061】
磁性流体40は、被取付部材30dのチップ側面31に設けられた基板39による磁力により、当該基板39の溝39aに流れ込むように位置決めされた状態で磁気吸着される。そして、センサチップ20は、磁性流体側面23にて、磁性流体40の表面張力により当該磁性流体40に保持されて固定される。
【0062】
上述した第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造では、磁力発生手段として、永久磁石33や磁性粉末を採用する場合、永久磁石33や磁性粉末がインサート成形時に高温に曝されるため磁性が失われる可能性があり、成形が困難である。これに対し、本第6実施形態に係るセンサチップ20の取付構造では、インサート成形後の被取付部材30のチップ側面31に磁性を有する基板39を設けることにより、インサート成形時に高温に曝されることもないので磁性が消失することもない。なお、基板39は、チップ側面31のうちの一部を覆うように設けられてもよいし、チップ側面31の全面を覆うように設けられてもよい。
【0063】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係るセンサチップの取付構造について図7を参照して説明する。図7は、第7実施形態に係るセンサチップ20bの取付構造を示す概略断面図である。
本第7実施形態に係るセンサチップ20bの取付構造を採用するセンサ10では、上記第1実施形態にて述べたセンサチップ20および被取付部材30に代えて、センサチップ20bおよび被取付部材30eを採用している点が、上記第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第1実施形態のセンサチップ20の取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
センサチップ20bは、上記センサチップ20と異なり、磁性流体40の表面張力により保持される面である磁性流体側面23の表面積が大きくなるように当該磁性流体側面23に凸凹状の凸凹溝23aが複数形成されている。
【0065】
被取付部材30eは、上記被取付部材30と異なり、そのチップ側面31のうち磁性流体40が磁気吸着される面の表面積が大きくなるように当該チップ側面31に凸凹状の凸凹溝36cが複数形成されている。
【0066】
このように構成される本第7実施形態に係るセンサチップ20bの取付構造では、センサチップ20bの磁性流体側面23およびチップ側面31のうち磁性流体40が磁気吸着される面は、それぞれの接触面積が大きくなるように凸凹溝23a,36cが形成されている。これにより、磁性流体40の表面張力によるセンサチップ20bの保持力が大きくなるので、磁性流体40により確実にセンサチップ20bを保持することができる。また、磁性流体40の表面張力による被取付部材30eへの吸着力が大きくなるので、磁性流体40を被取付部材30eに確実に吸着させることができる。
【0067】
なお、磁性流体側面23に形成される凸凹溝23aは、凸凹状に形成されることに限らず、当該磁性流体側面23の表面積が大きくなる形状であればどのような形状であってもよい。同様に、チップ側面31に形成される凸凹溝36cは、凸凹状に形成されることに限らず、当該チップ側面31の表面積が大きくなる形状であればどのような形状であってもよい。また、磁性流体側面23の凸凹溝23aおよびチップ側面31の凸凹溝36cのどちらか一方を廃止してもよい。
【0068】
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係るセンサチップの取付構造について図8を参照して説明する。図8は、第8実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を示す概略断面図である。
本第8実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を採用するセンサ10では、粉塵吸着用の磁力発生手段である永久磁石61を有する粉塵吸着装置60を新たに採用している点が、上記第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第1実施形態のセンサチップ20の取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0069】
図8に示すように、粉塵吸着装置60は、その永久磁石61が永久磁石33から離間するとともにセンサチップ20周辺の粉塵等を磁気吸着するように、被取付部材30のチップ側面31に複数取り付けられている。
【0070】
このように構成される本第8実施形態に係るセンサチップ20の取付構造では、センサチップ20周辺の粉塵が永久磁石61から発生される磁力により粉塵吸着装置60に磁気吸着されるので、永久磁石33の磁力に起因するセンサチップ20等への粉塵の付着を防止することができる。また、粉塵吸着装置60は、その永久磁石61が永久磁石33から離間するように被取付部材30のチップ側面31に取り付けられているので、永久磁石61による磁力がセンサチップ20を保持する磁性流体40を磁気吸着する等、磁性流体40に影響を及ぼすこともない。
【0071】
また、第8実施形態の変形例として、粉塵吸着装置60において永久磁石61に代えて粉塵吸着用磁力調整手段として機能する磁力発生用コイルを採用してもよい。これにより、必要に応じて粉塵を磁気吸着するための磁力を発生させることができる。
【0072】
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態に係るセンサチップの取付構造について図9を参照して説明する。図9は、第9実施形態に係るセンサチップ20cの取付構造を示す概略断面図である。
本第9実施形態に係るセンサチップ20cの取付構造を採用するセンサ10では、上記第1実施形態にて述べたセンサチップ20に代えてセンサチップ20cを採用している点が、上記第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第1実施形態のセンサチップ20の取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
センサチップ20cの磁性流体側面23には、永久磁石33が発生する磁力に応じてこの永久磁石33への磁気吸着力が生じる磁性膜24が設けられている。そして、センサチップ20cは、磁性膜24にて磁性流体40の表面張力により当該磁性流体40に保持されて固定される。
【0074】
このように構成される本第9実施形態に係るセンサチップ20cの取付構造では、センサチップ20cの磁性流体側面23に磁性膜24を設けることにより、永久磁石33が発生する磁力により磁性膜24が磁気吸着されるので、磁性流体40を介してセンサチップ20cを保持する保持力を大きくすることができる。
【0075】
また、センサチップ20の接続端子22と被取付部材30のピン32とを電気的に接続する際、永久磁石33が発生する磁力を利用して、センサチップ20の磁性膜24を被取付部材30に直接磁気吸着させることにより、接続端子接続時にセンサチップ20を被取付部材30に固定するための取付用治具が不要となり作業性が向上し得る。
【0076】
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態に係るセンサチップの取付構造について図10を参照して説明する。図10は、第10実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を示す概略断面図である。
本第10実施形態に係るセンサチップ20の取付構造を採用するセンサ10では、上記第1実施形態にて述べた被取付部材30に代えて被取付部材30fを採用している点が、上記第1実施形態に係るセンサチップ20の取付構造と異なる。したがって、第1実施形態のセンサチップ20の取付構造と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
被取付部材30fは、磁性流体40を磁気吸着させるための磁力調整手段として複数の磁力発生用コイル38d〜38fを備えている。各磁力発生用コイル38d〜38fは、その磁力により磁気吸着した磁性流体40を介して保持したセンサチップ20が所望の測定位置にそれぞれ位置するように被取付部材30fに設けられている。なお、図10においては、便宜上、3つの磁力発生用コイル38d〜38fのみを示している。
【0078】
このように構成される本第10実施形態に係るセンサチップ20の取付構造では、所望の測定位置に対応する磁力発生用コイルのみ磁力を発生させることにより、この磁力発生用コイルの磁力でもってセンサチップ20を保持する磁性流体40が所望の測定位置に移動するように磁気吸着される。具体的には、図10(A)に示す測定位置にセンサチップ20を移動させる場合には、磁力発生用コイル38dのみ磁力を発生させるようにする。また、図10(B)に示す測定位置にセンサチップ20を移動させる場合には磁力発生用コイル38eのみ磁力を発生させ、図10(C)に示す測定位置にセンサチップ20を移動させる場合には磁力発生用コイル38fのみ磁力を発生させるようにする。これにより、センサチップ20への応力の伝達を防止するとともに、選択的にセンサチップ20の位置を被取付部材30fに対して変更することで当該センサチップ20による測定位置を任意に移動させることができる。
【0079】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)上記各実施形態にて述べた磁力発生手段としての永久磁石や磁力調整手段としての磁力発生用コイルは、既存の磁界を利用できる場合には廃止してもよい。
【0080】
(2)上記第7実施形態における磁性流体側面23の凸凹溝23aまたはチップ側面31の凸凹溝36cを、上記第1〜6,8〜10の各実施形態において採用してもよい。
【0081】
(3)上記第8実施形態における粉塵吸着装置60を、上記第1〜7,9の各実施形態において採用してもよい。
【0082】
(4)上記第9実施形態における磁性膜24を、上記第1,2,5,6,8,10の各実施形態におけるセンサチップに採用してもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…センサ
20,20a,20b,20c…センサチップ
21…受圧面
22,22a,22b,22c…接続端子
23…磁性流体側面
23a…凸凹溝
24…磁性膜
30,30a,30b,30c,30d,30e,30f…被取付部材
31…チップ側面
32…ピン(接続端子)
33,37…永久磁石(磁力発生手段)
34,38a〜38f…磁力発生用コイル(磁力発生手段,磁力調整手段)
35,35a,35b,35c…ピン(接続端子)
36,36a,36b…溝
36c…凸凹溝
40,40a,40b,40c…磁性流体
50…フレキシブル配線
60…粉塵吸着装置(粉塵吸着用磁力発生手段)
61…永久磁石(粉塵吸着用磁力発生手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサチップを被取付部材に取り付けるセンサチップの取付構造において、
前記センサチップと前記被取付部材との間に介在する磁性流体であって、その表面張力により前記センサチップを保持可能な磁性流体と、
前記磁性流体を前記被取付部材に磁気吸着させる磁力を発生する磁力発生手段と、
を備え
記センサチップは、磁性流体側の面の全面にて前記被取付部材に接触することなく前記磁性流体の表面張力により保持されることを特徴とするセンサチップの取付構造。
【請求項2】
前記磁力発生手段は、前記被取付部材に含有される磁性粉末であることを特徴とする請求項1に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項3】
前記磁力発生手段は、前記被取付部材に設けられ発生する磁力を調整可能な磁力調整手段であることを特徴とする請求項1に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項4】
前記センサチップと前記被取付部材に設けられる接続端子とをフレキシブル配線により電気的に接続することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項5】
前記センサチップの複数の接続端子は、前記被取付部材の複数の接続端子のうちの接続予定の接続端子にそれぞれ対向し、
前記磁性流体は、前記センサチップの接続端子とこの接続端子に接続予定の前記被取付部材の接続端子とを電気的に接続するようにそれぞれ各接続端子間毎に分離して複数介在し、
前記磁力発生手段は、前記分離した磁性流体を前記各接続端子間にそれぞれ介在させるように前記被取付部材に複数設けられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項6】
前記被取付部材の表面のうち各接続端子が突出する部位毎に凹状の溝が互いに離間するように複数形成されることを特徴とする請求項に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項7】
前記センサチップの複数の接続端子は、前記被取付部材の複数の接続端子のうちの接続予定の接続端子にそれぞれ対向し、
前記磁力調整手段は、前記被取付部材の各接続端子毎に前記被取付部材に複数設けられ、
前記磁性流体は、前記各磁力調整手段のうち磁力を発生させた磁力調整手段に対応する前記被取付部材の接続端子とこの接続端子に接続予定の前記センサチップの接続端子とを電気的に接続するように両接続端子間に介在することを特徴とする請求項に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項8】
前記磁力発生手段は、前記被取付部材の前記磁性流体に接触する接触面に設けられる磁性を有する基板であることを特徴とする請求項に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項9】
前記センサチップの前記磁性流体に接触する接触面および前記被取付部材の前記磁性流体に接触する接触面の少なくとも1つをその接触面積が大きくなるように形成することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項にセンサチップの取付構造。
【請求項10】
前記被取付部材のうち前記磁力発生手段から離間した部位に前記センサチップ周辺の粉塵を吸着可能な磁力を発生する粉塵吸着用磁力発生手段を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項11】
前記粉塵吸着用磁力発生手段は、永久磁石であることを特徴とする請求項10に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項12】
前記粉塵吸着用磁力発生手段は、発生する磁力を調整可能な粉塵吸着用磁力調整手段であることを特徴とする請求項10に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項13】
前記センサチップの前記磁性流体に接触する接触面には磁性膜が設けられることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のセンサチップの取付構造。
【請求項14】
前記磁力調整手段は、その磁力により磁気吸着した前記磁性流体を介して保持した前記センサチップが所望の測定位置にそれぞれ位置するように前記被取付部材に複数設けられることを特徴とする請求項3に記載のセンサチップの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−154936(P2012−154936A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−54749(P2012−54749)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【分割の表示】特願2008−28523(P2008−28523)の分割
【原出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】