説明

センサー装置及び画像形成装置

【課題】CPUのIOポート数が増えるのを抑制する。
【解決手段】用紙カセットに用紙がなければ、用紙センサー11から出力された信号によりNPN型トランジスター16をオン状態にする。トナーコンテナーにトナーがなければ、トナーセンサー12から出力された信号によりPNP型トランジスター17をオン状態にする。アナログデジタル変換部21のアナログポート22aに入力されるアナログ信号ASから変換されたデジタル信号DSを基にして、用紙カセットの用紙の有無を判断する。そして、用紙カセットに用紙があると判断した場合、そのデジタル信号を基にしてトナーコンテナーのトナーの有無を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセンサーを有するセンサー装置及びこの装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、画像の形成を実行するのに必要な情報(例えば、用紙の有無、トナーの有無)を取得するために、多数のセンサーを備える。これらのセンサーから出力された信号は、アナログデジタル変換部でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、CPUに送られて、CPUで処理される。
【0003】
CPUはIOポートの数が増えるほど、高級化する。従って、センサーの数に応じてIOポートの数を増やすと、CPUのコストが上昇するので、その分だけ画像形成装置のコストが上がる。
【0004】
そこで、選択スイッチを設けて、多数のセンサーから出力された信号のうち、選択スイッチにより選択された信号が、アナログデジタル変換部に流れる構成にすることで、IOポートの数が増えないようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−145701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、CPUのIOポート数が増えるのを抑制できるセンサー装置及びそれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の第1の局面に係るセンサー装置は、第1の検知対象が正常時にHレベル及びLレベルの信号の一方を出力し、前記第1の検知対象が不正常時にHレベル及びLレベルの信号の他方を出力する第1のセンサーと、第2の検知対象が正常時にHレベル及びLレベルの信号の一方を出力し、前記第2の検知対象が不正常時にHレベル及びLレベルの信号の他方を出力する第2のセンサーと、アナログ信号が入力される入力部を有するアナログデジタル変換部と、接地と接続可能な第1の端子と、前記入力部と接続する第2の端子と、前記第1のセンサーから出力された信号が入力される第3の端子と、を含み、前記第1のセンサーから出力された信号が前記第1の検知対象について不正常を示す場合にオンすることにより接地と前記入力部とを接続し、前記第1のセンサーから出力された信号が前記第1の検知対象について正常を示す場合にオフすることにより接地と前記入力部とを切り離す第1のスイッチング素子と、電源と接続可能な第4の端子と、前記入力部と接続する第5の端子と、前記第2のセンサーから出力された信号が入力される第6の端子と、を含み、前記第2のセンサーから出力された信号が前記第2の検知対象について不正常を示す場合にオンすることにより電源と前記入力部とを接続し、前記第2のセンサーから出力された信号が前記第2の検知対象について正常を示す場合にオフすることにより電源と前記入力部とを切り離す第2のスイッチング素子と、前記アナログデジタル変換部において、前記入力部に入力された前記アナログ信号をデジタル変換したデジタル信号を用いて、前記第1及び第2の検知対象が正常か不正常かを判断する判断部と、を備え、前記判断部は、(a)前記デジタル信号の信号値が、前記第1のスイッチング素子がオン状態を示す信号値か否かを判断し、(b)前記デジタル信号の信号値が、前記第1のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断した場合、前記第1の検知対象が不正常と判断し、(c)前記デジタル信号の信号値が、前記第1のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断しない場合、前記デジタル信号の信号値が、前記第2のスイッチング素子がオン状態を示す信号値か否かを判断し、(d)前記デジタル信号の信号値が、前記第2のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断した場合、前記第1の検知対象が正常であり、かつ前記第2の検知対象が不正常と判断し、(e)前記デジタル信号の信号値が、前記第2のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断しない場合、前記第1の検知対象及び前記第2の検知対象が正常と判断する。
【0008】
本発明の第1の局面に係るセンサー装置では、判断部が(a)〜(e)の順番で処理をすることにより、最初に、第1の検知対象が正常又は不正常であるかを判断し、第1の検知対象が正常と判断した場合、次に、第2の検知対象が正常又は不正常であるかを判断する。
【0009】
詳細に説明すると、第1の検知対象が不正常であれば、第1のセンサーから出力された信号により第1のスイッチング素子がオン状態になる。第2の検知対象が不正常であれば、第2のセンサーから出力された信号により第2のスイッチング素子がオン状態になる。第1のスイッチング素子がオン状態であれば、アナログデジタル変換部の入力部は接地と接続されるので、第2のスイッチング素子がオン状態かオフ状態かを問わずに、入力部に入力されたアナログ信号の信号値が定まる(例えば、0V)。よって、これをデジタル化したデジタル信号の信号値が定まる(例えば、0V)。従って、このデジタル信号の信号値から第1の検知対象が正常か不正常かを判断することができる。
【0010】
第1の検知対象が正常であると判断された場合、第2の検知対象が正常か不正常かを判断する。第1の検知対象が正常であれば、第1のスイッチング素子はオフ状態となり、入力部は接地から切り離される。第2のスイッチング素子がオン状態(第2の検知対象が不正常)であれば、アナログデジタル変換部の入力部は電源と接続される。従って、入力部に入力されるアナログ信号の信号値は、第1の検知対象が不正常であることを示す値(例えば、0V)と異なる値(例えば、電源電圧)が定まる。よって、これをデジタル化したデジタル信号の信号値(例えば、電源電圧)が定まる。この結果、第1の検知対象が正常であれば、デジタル信号の信号値から第2の検知対象が正常か不正常かを判断することができる。
【0011】
以上のように、本発明の第1の局面に係るセンサー装置によれば、アナログデジタル変換部の一つの入力部に入力されるアナログ信号から変換されたデジタル信号を基にして、第1のセンサーの検知対象である第1の検知対象が正常か不正常かを判断する。そして、第1の検知対象が正常と判断した場合、そのデジタル信号を基にして第2のセンサーの検知対象である第2の検知対象が正常か不正常かを判断する。従って、第1及び第2のセンサーから出力される信号に対しては、CPUの一つのIOポートを割り当てればよいので、CPUのIOポートの数を抑制できる。
【0012】
上記構成において、第3の検知対象の検知結果に応じたアナログの信号を出力する第3のセンサーを備え、前記第3のセンサーから出力されたアナログの信号は、前記入力部に入力され、前記判断部は、前記(e)において、前記デジタル信号の信号値が、前記第2のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断しない場合、前記第1の検知対象及び前記第2の検知対象が正常と判断し、かつ前記デジタル信号の信号値を基にして前記第3の検知対象の検知結果を判断する。
【0013】
上述したように、第1の検知対象が正常であれば、第1のセンサーから出力された信号により第1のスイッチング素子がオフ状態となり、入力部は接地から切り離される。第2の検知対象が正常であれば、第2のセンサーから出力された信号により第2のスイッチング素子がオフ状態となり、入力部は電源から切り離される。このため、入力部に入力されるアナログ信号は、第3のセンサーから出力されたアナログの信号となる。従って、第1及び第2の検知対象がいずれも正常であれば、第3の検知対象の状態を判断することができる。第3のセンサーから出力される信号はアナログの信号なので、第3の検知対象が正常か不正常かに加えて中間の状態も判断できる。
【0014】
この構成によれば、アナログデジタル変換部の一つの入力部に入力されるアナログ信号から変換されたデジタル信号を基にして、第1のセンサーの検知対象である第1の検知対象が正常か不正常かを判断する。そして、第1の検知対象が正常と判断した場合、そのデジタル信号を基にして第2のセンサーの検知対象である第2の検知対象が正常か不正常かを判断する。そして、第2の検知対象が正常と判断した場合、そのデジタル信号を基にして第3のセンサーの検知対象である第3の検知対象の検知結果を判断する。
【0015】
従って、第1、第2及び第3のセンサーから出力される信号に対しては、CPUの一つのIOポートを割り当てればよいので、CPUのIOポートの数を抑制できる。
【0016】
上記構成において、前記第1のスイッチング素子がオン状態のときに前記入力部に入力されるアナログ信号の信号値と同じ値の成分、及び、前記第1のスイッチング素子がオフ状態であり、かつ前記第2のスイッチング素子がオン状態のときに前記入力部に入力されるアナログ信号の信号値と同じ値の成分を、前記第3のセンサーが出力したアナログの信号からカットするリミット回路を備える。
【0017】
この構成によれば、第3のセンサーから出力されて入力部に入力されるアナログ信号の信号値を、第1の検知対象が不正常であることを示す値(例えば、0V)及び第2の検知対象が不正常であることを示す値(例えば、電源電圧)と異なる値(0Vと電源電圧との間の値)となる。従って、判断部はデジタル信号の信号値を記憶しておけば、(1)第1の検知対象が不正常、(2)第1の検知対象が正常かつ第2の検知対象が不正常、(3)第1及び第2の検知対象が正常、かつ第3の検知対象の状態を、デジタル信号の信号値から判断することができる。
【0018】
本発明の第2の局面に係る画像形成装置は、画像が形成される用紙を貯留する用紙貯留部と、画像データに対応して変調された光が照射されて静電潜像が形成される感光体と、前記感光体に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成する現像部と、前記現像部にトナーを補給するトナー補給部と、前記用紙貯留部から給紙された用紙に、前記トナー画像を転写する転写部と、前記センサー装置と、を備え、前記第1及び第2のセンサーの一方は、前記用紙貯留部の用紙の有無を検知する用紙センサーであり、前記第1及び第2のセンサーの他方は、前記トナー補給部のトナーの有無を検知するトナーセンサーである。
【0019】
本発明の第3の局面に係る画像形成装置は、画像が形成される用紙を貯留する用紙貯留部と、画像データに対応して変調された光が照射されて静電潜像が形成される感光体と、前記感光体に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成する現像部と、前記現像部にトナーを補給するトナー補給部と、前記用紙貯留部から給紙された用紙に、前記トナー画像を転写する転写部と、前記トナー画像の画像形成に使用されずに回収された廃トナーが収容される廃トナー収容部と、前記センサー装置と、を備え、前記第1及び第2のセンサーの一方は、前記用紙貯留部の用紙の有無を検知する用紙センサーであり、前記第1及び第2のセンサーの他方は、前記トナー補給部のトナーの有無を検知するトナーセンサーであり、前記第3のセンサーは、前記廃トナー収容部の廃トナー量を検知する廃トナーセンサーである。
【0020】
本発明の第2及び第3の局面に係る画像形成装置によれば、本発明の第1の局面に係るセンサー装置を備えるので、本発明の第1の局面に係るセンサー装置と同様の作用効果を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、CPUのIOポート数が増えるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態に係るセンサー装置を適用できる画像形成装置の内部構造の概略を示す図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の制御部を構成する要素のうち、用紙センサー、トナーセンサー及び廃トナーセンサーから出力された信号を処理する構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るセンサー装置の構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態において、デジタル信号の信号値(電圧)と用紙カセットの用紙の有無等との対応関係を示す図である。
【図6】第1実施形態に係るセンサー装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係るセンサー装置の構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態において、デジタル信号の信号値(電圧)と用紙カセットの用紙の有無等との対応関係を示す図である。
【図9】第2実施形態に係るセンサー装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1及び第2実施形態に係るセンサー装置を適用できる画像形成装置1の内部構造の概略を示す図である。画像形成装置1は例えば、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリの機能を有するデジタル複合機に適用することができる。画像形成装置1は装置本体100、原稿読取部200及び原稿給送部300を備える。
【0024】
装置本体100の上に原稿読取部200が配置されており、原稿読取部200の上に原稿給送部300が配置されている。
【0025】
原稿給送部300は自動原稿送り装置として機能し、原稿載置部301に置かれた複数枚の原稿を連続的に原稿読取部200に送ることができる。
【0026】
原稿読取部200は露光ランプ等を搭載したキャリッジ、ガラス等の透明部材により構成された原稿台、CCD(Charge Coupled Device)センサー及び原稿読取スリット(いずれも不図示)を備える。CCDセンサーは読み取った原稿を画像データとして出力する。
【0027】
装置本体100は用紙貯留部101、画像形成部103及び定着部105を備える。用紙貯留部101は装置本体100の最下部に配置されており、用紙の束を貯留することができる二つの用紙カセット101a,101bを備える。
【0028】
用紙カセット101a,101bのうち、選択されたカセットに貯留された用紙の束において、最上位の用紙がピックアップローラー(不図示)の駆動により、装置本体100の用紙搬送路107へ向けて送出される。用紙は用紙搬送路107を通って、画像形成部103へ搬送される。
【0029】
用紙搬送路107は装置本体100の一方の側面(図1において右側の側面)に沿って下方から上方に向かって略垂直方向に延設され、上方で他方の側面(図1において左側の側面)に向かうように湾曲して、原稿読取部200の下方に沿って略水平方向に延びている。そして、その端部に排出トレイ131が設けられている。
【0030】
画像形成部103は搬送されてきた用紙にトナー画像を形成する。画像形成部103はトナー画像を転写ベルト113に転写する順番に従って配置された、イエロー画像形成部111Y、マゼンタ画像形成部111M、シアン画像形成部111C、ブラック画像形成部111BKを備える。これらのユニットは同様の構成を有しており、イエロー画像形成部111Yを例にして説明する。
【0031】
イエロー画像形成部111Yは感光体ドラム115及び露光装置117を備える。感光体ドラム115の周りには帯電装置119、現像装置121及びクリーニング装置123が配置されている。帯電装置119は感光体ドラム115の周面を一様に帯電させる。露光装置117は画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)に対応して変調された光を生成し、一様に帯電された感光体ドラム115の周面に照射する。これにより、感光体ドラム115の周面にはイエローの画像データに対応する静電潜像が形成される。この状態で感光体ドラム115の周面に現像装置121からイエロートナーを供給することにより、周面にはイエローの画像データに対応するトナー画像が形成される。
【0032】
転写ベルト113は感光体ドラム115と1次転写ローラー125により挟まれた状態で反時計周りに動くことができる。イエローのトナー画像は感光体ドラム115から転写ベルト113に転写される。感光体ドラム115の周面に残っているイエロートナーはクリーニング装置123によって除去される。以上がイエロー画像形成部111Yの説明である。
【0033】
イエロー画像形成部111Y、マゼンタ画像形成部111M、シアン画像形成部111C、ブラック画像形成部111BKの上方には、対応する色のトナーを収容したコンテナー、すなわち、イエロートナーコンテナー127Y、マゼンタトナーコンテナー127M、シアントナーコンテナー127C、ブラックトナーコンテナー127BKが配置されている。各色の現像装置121には、対応するコンテナーからトナーが補給される。
【0034】
上述したように転写ベルト113にはイエローのトナー画像が転写され、このトナー画像に重ねてマゼンタのトナー画像が転写され、同様に、シアンのトナー画像、ブラックのトナー画像が重ねて転写される。これにより転写ベルト113にカラーのトナー画像が形成される。このように各色のパターンのトナー画像を転写ベルト113に重畳して転写することにより、転写ベルト113にカラーのトナー画像が形成される。カラーのトナー画像は2次転写ローラー129によって、先ほど説明した用紙貯留部101から搬送されてきた用紙に転写される。
【0035】
カラーのトナー画像が転写された用紙は、定着部105に送られる。定着部105は加熱ローラーと定着ローラーとを備える。これらのローラーによって、カラーのトナー画像が転写された用紙が挟まれる。これにより、カラーのトナー画像と用紙に熱と圧力が加えられて、カラーのトナー画像を用紙に定着させる。用紙は排紙トレイ131に排紙される。
【0036】
画像形成に使用されずに、転写ベルト113等に残ったトナーは廃トナーとして回収されて、廃トナーボトルと称される廃トナー収容部133に収容される。
【0037】
図2は、図1に示す画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作部400、制御部500及び通信部600がバスによって相互に接続された構成を有する。装置本体100に収容される用紙貯留部101、定着部105、廃トナー収容部133、画像形成部103及びトナーコンテナー127Y,127M,127C,127BK、並びに、原稿読取部200及び原稿給送部300に関しては既に説明したので、説明を省略する。
【0038】
用紙センサー11は用紙貯留部101内の用紙カセットの数に応じて設けられている。本実施形態では用紙センサー11が二つ設けられ、一つは用紙カセット101a(図1)の用紙の有無を検知し、他の一つは用紙カセット101bの用紙の有無を検知する。用紙センサー11は例えば光センサーである。
【0039】
トナーセンサー12は四つ設けられ、一つ目はトナーコンテナー127Yのイエロートナーの有無を検知し、二つ目はトナーコンテナー127Mのマゼンタトナーの有無を検知し、三つ目はトナーコンテナー127Cのシアントナーの有無を検知し、四つ目はトナーコンテナー127BKのブラックトナーの有無を検知する。トナーセンサー12は例えば、光センサーである。トナーコンテナー127Y,127M,127C,127BKは、現像部にトナーを補給するトナー補給部の一例である。
【0040】
廃トナーセンサー13は廃トナー収容部133の廃トナー量を検知し、廃トナー量が満杯、ほぼ満杯等の判定に利用される。
【0041】
操作部400は操作キー部401と表示部403を備える。表示部403はタッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザーは画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
【0042】
操作キー部401にはハードキーからなる操作キーが設けられている。具体的にはスタートキー、テンキー、ストップキー、リセットキー、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリを切り換えるための機能切換キー等が設けられている。
【0043】
スタートキーはコピー、ファクシミリ送信等の動作を開始させるキーである。テンキーはコピー部数、ファクシミリ番号等の数字を入力するキーである。ストップキーはコピー動作等を途中で中止させるキーである。リセットキーは設定された内容を初期設定状態に戻すキーである。
【0044】
機能切換キーはコピーキー及び送信キー等を備えており、コピー機能、送信機能等を相互に切り替えるキーである。コピーキーを操作すれば、コピーの初期画面が表示部403に表示される。送信キーを操作すれば、ファクシミリ送信及びメール送信の初期画面が表示部403に表示される。
【0045】
制御部500はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び画像メモリ等により構成される。CPUは画像形成装置1を動作させるために必要な制御を、装置本体100等の画像形成装置1の上記構成要素に対して実行する。ROMは画像形成装置1の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMはソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。画像メモリは画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)を一時的に記憶する。
【0046】
制御部500は機能ブロックとして、判断部501を備える。判断部501の詳細は後で説明する。
【0047】
通信部600はファクシミリ通信部601及びネットワークI/F部603を備える。ファクシミリ通信部601は相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリ通信用の信号を変復調する変復調回路を備える。ファクシミリ通信部601は電話回線605に接続される。
【0048】
ネットワークI/F部603はLAN(Local Area Network)607に接続される。ネットワークI/F部603はLAN607に接続されたパソコン等の端末装置との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
【0049】
図3は、画像形成装置1の制御部500を構成する要素のうち、用紙センサー11、トナーセンサー12及び廃トナーセンサー13から出力された信号を処理する構成を示すブロック図である。
【0050】
制御部500はCPU51、RAM52、ROM53及びIOポート54がバス55で接続された構成を有する。制御部500はさらに、IOポート54に接続されたアナログデジタル変換部21を備える。アナログデジタル変換部21は複数のアナログポート22を含む。
【0051】
アナログポート22は各種センサーから出力された信号が入力される入力部として機能する。アナログポート22に入力された信号は、アナログデジタル変換部21でアナログ信号からデジタル信号に変換されて、IOポート54へ送られる。
【0052】
アナログポート22の一つであるアナログポート22aには、次に説明するセンサー回路部10aから出力された信号が入力される。
【0053】
図4は、第1実施形態に係るセンサー装置3aの構成を示すブロック図である。センサー装置3aはセンサー回路部10a、アナログポート22、アナログデジタル変換部21及び判断部501を備える。
【0054】
センサー回路部10aは用紙センサー11、トナーセンサー12、廃トナーセンサー13、リミット回路14、オペアンプ15、NPN型トランジスター16、PNP型トランジスター17、及び、抵抗R1〜R7を備える。
【0055】
用紙センサー11は第1のセンサーの一例であり、HレベルとLレベルの二値の信号S1を出力する。第1のセンサーは第1の検知対象が正常時にHレベル及びLレベルの信号の一方を出力し、第1の検知対象が不正常時にHレベル及びLレベルの信号の他方を出力する。第1実施形態では第1の検知対象として、図1に示す用紙カセット101aの用紙を例に説明する。
【0056】
用紙カセット101aに用紙がある場合、用紙センサー11から出力される信号S1はLレベルである。用紙カセット101aに用紙がない場合、用紙センサー11から出力される信号S1はHレベルである。
【0057】
用紙センサー11は抵抗R1を介してNPN型トランジスター16のベースと接続されている。ベースと抵抗R1との間には抵抗R2が接続されている。抵抗R1と抵抗R2との分圧比で、NPN型トランジスター16のオン電圧が決定される。用紙センサー11から出力された信号S1は、NPN型トランジスター16のベースに入力される。NPN型トランジスター16のエミッターは接地されており、コレクターはセンサー回路部10aの出力端子18を介してアナログポート22a(入力部)に接続されている。
【0058】
用紙カセット101aに用紙がある場合、用紙センサー11からLレベルの信号S1が出力されるので、NPN型トランジスター16はオフ状態となる。これに対して、用紙カセット101aに用紙がない場合、用紙センサー11からHレベルの信号S1が出力されるので、NPN型トランジスター16はオン状態となる。
【0059】
以上説明したように、NPN型トランジスター16は第1のスイッチング素子として機能する。すなわち、NPN型トランジスター16は、接地と接続可能なエミッター(第1の端子)と、アナログポート22a(入力部)と接続するコレクター(第2の端子)と、用紙センサー11(第1のセンサー)から出力された信号S1が入力されるベース(第3の端子)と、を含む。NPN型トランジスター16は、用紙センサー11から出力された信号S1が不正常を示す場合(用紙カセット101aに用紙がない場合)にオンすることにより接地とアナログポート22aとを接続し、用紙センサー11から出力された信号S1が正常を示す場合(用紙カセット101aに用紙がある場合)にオフすることにより接地とアナログポート22aとを切り離す。
【0060】
トナーセンサー12は第2のセンサーの一例であり、HレベルとLレベルの二値の信号S2を出力する。第2のセンサーは第2の検知対象が正常時にHレベル及びLレベルの信号の一方を出力し、第2の検知対象が不正常時にHレベル及びLレベルの信号の他方を出力する。上述したように、トナーセンサー12は四つあり、トナーコンテナー127Y,127M,127C,127BKのそれぞれに割り当てられている。第1実施形態では第2の検知対象として、トナーコンテナー127BKのトナーを例に説明する。
【0061】
トナーコンテナー127BKにトナーがある場合、トナーセンサー12から出力される信号S2はHレベルである。トナーコンテナー127BKにトナーがない場合、トナーセンサー12から出力される信号S2はLレベルである。
【0062】
トナーセンサー12は抵抗R3を介して、PNP型トランジスター17のベースと接続されている。ベースと抵抗R3との間には、抵抗R4が接続されている。抵抗R3と抵抗R4との分圧比で、PNP型トランジスター17のオン電圧が決定される。トナーセンサー12から出力された信号S2は、PNP型トランジスター17のベースに入力される。PNP型トランジスター17のエミッターは電源と接続されており、コレクターは抵抗R5及び出力端子18を介してアナログポート22a(入力部)に接続されている。
【0063】
抵抗R5が存在するので、NPN型トランジスター16がオン状態になれば、PNP型トランジスター17がオン状態、オフ状態を問わずに、アナログポート22aに入力されるアナログ信号ASの電圧が定まる。
【0064】
トナーコンテナー127BKにトナーがない場合、トナーセンサー12からLレベルの信号S2が出力されるので、PNP型トランジスター17はオン状態となる。これに対して、トナーコンテナー127BKにトナーがある場合、トナーセンサー12からHレベルの信号S2が出力されるので、PNP型トランジスター17はオフする。
【0065】
以上説明したように、PNP型トランジスター17は第2のスイッチング素子として機能する。すなわち、PNP型トランジスター17は、電源と接続可能なエミッター(第4の端子)と、アナログポート22a(入力部)と接続するコレクター(第5の端子)と、トナーセンサー12(第2のセンサー)から出力された信号S2が入力されるベース(第6の端子)と、を含む。PNP型トランジスター17は、トナーセンサー12から出力された信号S2が不正常を示す場合(トナーがない場合)にオンすることにより電源とアナログポート22aとを接続し、トナーセンサー12から出力された信号S2が正常を示す場合(トナーがある場合)にオフすることにより電源とアナログポート22aとを切り離す。
【0066】
第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子として、バイポーラトランジスターを例に説明したが、MOSトランジスターを用いることもできる。
【0067】
廃トナーセンサー13は第3のセンサーの一例であり、第3の検知対象の検知結果に応じたアナログの信号S3を出力する。第1実施形態において、第3の検知対象は廃トナー収容部133の廃トナーである。
【0068】
廃トナー収容部133の廃トナー量について、余裕がある場合、ほぼ満杯の場合、満杯の場合の判断が、廃トナーセンサー13から出力されたアナログの信号S3に応じて実行される。
【0069】
廃トナーセンサー13はリミット回路14と抵抗R6を介して、オペアンプ15の非反転入力端子と接続されている。オペアンプ15の出力端子は反転入力端子と接続されている。オペアンプ15はバッファ回路として機能する。オペアンプ15の出力端子は、抵抗R7及び出力端子18を介して、アナログポート22aに接続されている。従って、廃トナーセンサー13から出力されたアナログの信号S3は、アナログポート22aに入力される。
【0070】
リミット回路14は廃トナーセンサー13から出力された信号S3に対して、次の二つの成分をカットする。一つは電圧値V1未満の成分である。電圧値V1とはNPN型トランジスター16がオン状態のときに、アナログポート22aに入力されるアナログ信号ASの信号値(0V) に計測誤差等のマージンを加えた値である。他の一つは電圧値V2を超える成分である。電圧値V2とはNPN型トランジスター16がオフ状態であり、かつPNP型トランジスター17がオン状態のときに、アナログポート22aに入力されるアナログ信号ASの信号値(Vcc)から計測誤差等のマージンを減じた値である。
【0071】
判断部501は、これらの成分がカットされた信号S3を用いて、廃トナー収容部133の廃トナー量について、余裕がある場合、ほぼ満杯の場合、満杯の場合を判断する。これは、後で説明するように、センサー回路部10aから出力されたアナログ信号ASが、第1の信号値(0V)の場合及び第2の信号値(Vcc)の場合は、別の判断に用いられるからである。
【0072】
以上の回路構成を有するセンサー回路部10aで生成されたアナログ信号ASは、出力端子18から出力されて、アナログポート22aに入力される。アナログ信号ASはアナログデジタル変換部21でデジタル信号DSに変換される。判断部501はデジタル信号DSを利用して、用紙カセット101aの用紙の有無、トナーコンテナー127BKのトナーの有無、廃トナー収容部133の廃トナーの量の判断を実行する。判断部501は図3に示すCPU51、RAM52及びROM53等により実現される。
【0073】
次に、第1実施形態に係るセンサー装置3aの動作を、図4〜図6を主に用いて説明する。図5は、第1実施形態において、デジタル信号DSの信号値(電圧)と用紙カセット101aの用紙の有無等との対応関係を示す図である。図6は、第1実施形態に係るセンサー装置3aの動作を説明するフローチャートである。
【0074】
判断部501は例えば、画像形成装置1の電源がオンされると、用紙センサー11、トナーセンサー12及び廃トナーセンサー13を作動させる。これにより、センサー回路部10aから出力されたアナログ信号ASがアナログデジタル変換部21でデジタル信号DSに変換されて、判断部501に入力される。
【0075】
判断部501はデジタル信号DSが示す電圧が、0Vか否かを判断する(ステップS1)。すなわち、デジタル信号DSの信号値が、第1のスイッチング素子であるNPN型トランジスター16がオン状態を示す信号値か否かを判断する。NPN型トランジスター16がオン状態であれば、PNP型トランジスター17がオン状態でも抵抗R5によって電圧降下が生じるので、0Vのアナログ信号ASが出力される。従って、NPN型トランジスター16がオン状態であれば、PNP型トランジスター17がオン状態又はオフ状態を問わずに、0Vのアナログ信号ASが出力されて、0Vを示すデジタル信号DSが判断部501に入力される。
【0076】
用紙カセット101aに用紙がない場合、用紙センサー11からHレベルの信号S1が出力されるので、NPN型トランジスター16がオン状態となり、デジタル信号DSが示す電圧値が0Vになる。これに対して、用紙カセット101aに用紙がある場合、用紙センサー11からLレベルの信号S1が出力されるので、NPN型トランジスター16がオフ状態となり、デジタル信号DSが示す電圧値が0Vにならない。
【0077】
判断部501が、デジタル信号DSが示す電圧が0Vと判断した場合(ステップS1でYes)、制御部500は図2に示す表示部403に用紙カセット101aの用紙がない旨を表示させる(ステップS2)。そして、制御部500は図2に示す装置本体100が印刷を実行できないようにする(ステップS3)。このように、デジタル信号DSの信号値が、NPN型トランジスター16がオン状態を示す信号値と判断された場合、用紙カセット101aの用紙がないと判断される(第1の検知対象が不正常と判断される)。
【0078】
判断部501が、デジタル信号DSが示す電圧が0Vと判断しない場合(ステップS1でNo)、判断部501はデジタル信号DSが示す電圧が、電源の電圧Vccか否かを判断する(ステップS4)。
【0079】
すなわち、判断部501は、デジタル信号DSの信号値が、NPN型トランジスター16がオン状態を示す信号値と判断しない場合、デジタル信号DSの信号値が、PNP型トランジスター17がオン状態を示す信号値か否かを判断する。
【0080】
トナーコンテナー127BKにトナーがない場合、トナーセンサー12からLレベルの信号S2が出力されるので、PNP型トランジスター17がオン状態となる。よって、デジタル信号DSが示す電圧値がVccになる。これに対して、トナーコンテナー127BKにトナーがある場合、トナーセンサー12からHレベルの信号S2が出力されるので、PNP型トランジスター17がオフ状態となる。よって、デジタル信号DSが示す電圧値がVccにならない。
【0081】
判断部501が、デジタル信号DSが示す電圧がVccと判断した場合(ステップS4でYes)、制御部500は図2に示す表示部403にトナーコンテナー127BKにトナーがない旨を表示させる(ステップS5)。そして、制御部500は図2に示す装置本体100が印刷を実行できないようにする(ステップS3)。このように、デジタル信号DSの信号値が、PNP型トランジスター17がオン状態を示す信号値と判断された場合、用紙カセット101aに用紙があり(第1の検知対象が正常であり)、かつトナーコンテナー127BKにトナーがない(第2の検知対象が不正常である)と判断される。
【0082】
判断部501が、デジタル信号DSの示す電圧がVccと判断しない場合(ステップS4でNo)、判断部501は、用紙カセット101aに用紙があり、かつトナーコンテナー127BKにトナーがあると判断する。すなわち、デジタル信号DSの信号値が、PNP型トランジスター17がオン状態を示す信号値と判断されない場合、第1の検知対象及び第2の検知対象が正常と判断される。
【0083】
ステップS4がNoの場合、判断部501はデジタル信号DSが示す電圧が、廃トナー収容部133の廃トナーが満杯を示す電圧か否かを判断する(ステップS6)。すなわち、デジタル信号DSの信号値を基にして、第3の検知対象の検知結果を判断する。なお、廃トナー収容部133の廃トナー量がほぼ満杯の場合、余裕がある場合については、説明を省略する。
【0084】
判断部501が、デジタル信号DSの示す電圧が、廃トナー収容部133の廃トナーが満杯を示す電圧のしきい値を超えていると判断した場合(ステップS6でYes)、制御部500は図2に示す表示部403に廃トナー収容部133の廃トナーが満杯の旨を表示させる(ステップS7)。そして、制御部500は図2に示す装置本体100が印刷を実行できないようにする(ステップS3)。
【0085】
判断部501が、デジタル信号DSが示す電圧が、廃トナー収容部133の廃トナーが満杯を示す電圧のしきい値を超えていると判断しない場合(ステップS6でNo)、制御部500は画像形成装置1で印刷命令がされているか判断する(ステップS8)。
【0086】
制御部500は画像形成装置1で印刷命令がされていると判断しない場合(ステップS8でNo)、ステップS1に戻る。制御部500は画像形成装置1で印刷命令がされていると判断した場合(ステップS8でYes)、印刷を実行する(ステップS9)。
【0087】
第1実施形態の主な効果を説明する。図4を参照して、用紙カセット101a(図1)に用紙がなければ、用紙センサー11から出力された信号S1によりNPN型トランジスター16がオン状態になる。トナーコンテナー127BK(図1)にトナーがなければ、トナーセンサー12から出力された信号S2によりPNP型トランジスター17がオン状態になる。NPN型トランジスター16がオン状態であれば、アナログデジタル変換部21のアナログポート22aは接地と接続されるので、PNP型トランジスター17がオン状態かオフ状態かを問わずに、アナログポート22aに入力されたアナログ信号ASの信号値(0V)が定まる。よって、これをデジタル化したデジタル信号DSの信号値(0V)が定まる(図5)。従って、このデジタル信号DSの信号値から用紙カセット101aの用紙の有無を判断することができる。
【0088】
用紙カセット101aに用紙があると判断された場合、トナーコンテナー127BKのトナーの有無を判断する(ステップS4)。用紙カセット101aに用紙があれば、NPN型トランジスター16はオフ状態となり、アナログポート22aは接地から切り離される。PNP型トランジスター17がオン状態(トナーコンテナー127BKにトナーがない場合)であれば、アナログポート22aは電源と接続される。従って、アナログポート22aに入力されるアナログ信号ASの信号値は、用紙カセット101aに用紙がないことを示す値(0V)と異なる値(Vcc)が定まる。よって、これをデジタル化したデジタル信号DSの信号値(Vcc)が定まる(図5)。このように、用紙カセット101aに用紙があれば、デジタル信号DSの信号値からトナーコンテナー127BKのトナーの有無を判断することができる。
【0089】
用紙カセット101aに用紙がある場合、用紙センサー11から出力された信号S1によりNPN型トランジスター16がオフ状態となり、アナログポート22aは接地から切り離される。トナーコンテナー127BKにトナーがある場合、トナーセンサー12から出力された信号S2によりPNP型トランジスター17がオフ状態となり、アナログポート22aは電源から切り離される。このため、アナログポート22aに入力されるアナログ信号ASは、廃トナーセンサー13から出力されたアナログの信号S3となる。従って、用紙カセット101aに用紙があり、かつトナーコンテナー127BKにトナーがある場合、廃トナー収容部133の廃トナーの量の状態を判断することができる(ステップS6)。廃トナーセンサー13から出力される信号はアナログの信号S3なので、廃トナー収容部133の廃トナーの量に余裕がある場合、ほぼ満杯の場合、満杯の場合を判断できる。
【0090】
以上のように、第1実施形態では、アナログデジタル変換部21の一つのアナログポート22(アナログポート22a)に入力されるアナログ信号ASから変換されたデジタル信号DSを基にして、用紙カセット101aの用紙の有無を判断する。そして、用紙カセット101aに用紙があると判断した場合、そのデジタル信号DSを基にしてトナーコンテナー127BKのトナーの有無を判断する。そして、トナーコンテナー127BKにトナーがあると判断した場合、そのデジタル信号DSを基にして廃トナーセンサー13の検知対象である廃トナー収容部133の廃トナーの量を判断する。
【0091】
従って、第1実施形態によれば、用紙センサー11、トナーセンサー12及び廃トナーセンサー13から出力される信号S1,S2,S3に対しては、CPU51の一つのIOポート(アナログポート)を割り当てればよいので、CPU51のIOポートの数を抑制できる。
【0092】
また、第1実施形態はリミット回路14を備える。このため、廃トナーセンサー13から出力されてアナログポート22aに入力されるアナログ信号ASの信号値は、図5に示すように、電圧値V1と電圧値V2との間の値となる(電圧値V1,V2は既に説明している)。よって、NPN型トランジスター16がオン状態のときにアナログポート22aに入力されるアナログ信号ASの信号値と同じ値の成分(0V)、及び、NPN型トランジスター16がオフ状態であり、かつPNP型トランジスター17がオン状態のときにアナログポート22aに入力されるアナログ信号ASの信号値と同じ値の成分(Vcc)を、廃トナーセンサー13が出力したアナログの信号S3からカットすることができる。これにより、アナログ信号ASの信号値は、用紙カセット101aに用紙がないことを示す値(0V)及びトナーコンテナー127BKにトナーがないことを示す値(Vcc)と異なる値となる。
【0093】
従って、判断部501はデジタル信号DSの信号値を記憶しておけば、以下の(1)〜(3)を区別して判断することができる。(1)用紙カセット101aに用紙がない。(2)用紙カセット101aに用紙がありかつトナーコンテナー127BKにトナーがない。(3)用紙カセット101aに用紙がありかつトナーコンテナー127BKにトナーがあり、かつ廃トナー収容部133の廃トナーが満杯等である。
【0094】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係るセンサー装置は、第1実施形態に係るセンサー装置3aから廃トナーセンサー13を除いた構成を有する。図7は、第2実施形態に係るセンサー装置3bの構成を示すブロック図である。図4に示す第1実施形態に係るセンサー装置3aと同じ要素については、同一符号を付している。
【0095】
センサー装置3bはセンサー回路部10b、アナログポート22、アナログデジタル変換部21及び判断部501を備える。第2実施形態では、図2において、センサー回路部10aがセンサー回路部10bに置き換わる。
【0096】
図7に示すように、センサー装置3bは廃トナーセンサー13を備えていないので、センサー回路部10bには、廃トナーセンサー13に関連する要素(図4に示すリミット回路14、抵抗R6、オペアンプ15及び抵抗R7)が設けられていない。センサー回路部10bはNPN型トランジスター16のコレクターとエミッターとの間に接続された抵抗R8を備える。さらに、センサー回路部10bはPNP型トランジスター17のコレクターとエミッターとの間に接続された抵抗R9を備える。
【0097】
抵抗R8及び抵抗R9を備えていないと、用紙カセット101aに用紙があり、かつトナーコンテナー127BKにトナーがある場合(つまり、NPN型トランジスター16がオフ状態でありかつPNP型トランジスター17がオフ状態の場合)、アナログ信号ASが不定値になり、その結果、デジタル信号DSが不定値となる。センサー回路部10bは抵抗R8及び抵抗R9を備えている。従って、用紙カセット101aに用紙があり、かつトナーコンテナー127BKにトナーがある場合、アナログ信号ASの電圧は0Vでもなく、Vccでもなく、これらの中間レベルの電圧にされる。
【0098】
図8は、第2実施形態において、デジタル信号DSの信号値(電圧)と用紙カセット101aの用紙の有無等との対応関係を示す図である。デジタル信号DSが示す電圧を、電源の電圧Vccが3.3V、抵抗R9の抵抗値が5kΩ、抵抗R5の抵抗値が1kΩ、抵抗R8の抵抗値が10kΩを例にして説明する。
【0099】
用紙カセット101aに用紙がない場合、NPN型トランジスター16がオン状態となる。NPN型トランジスター16がオン状態であれば、PNP型トランジスター17がオン状態でも抵抗R5によって電圧降下が生じるので、0Vのアナログ信号ASが出力される。従って、NPN型トランジスター16がオン状態であれば、PNP型トランジスター17がオン状態、オフ状態を問わずに、アナログ信号ASが0Vとなる。従って、デジタル信号DSは0Vとなる。
【0100】
トナーコンテナー127BKにトナーがない場合、PNP型トランジスター17がオン状態となる。よって、NPN型トランジスター16がオフ状態(用紙カセット101aに用紙がある場合)であれば、アナログ信号ASがVccとなる。従って、デジタル信号DSはVccとなる(実際には、電圧降下が生じて3.0V)。
【0101】
トナーコンテナー127BKにトナーがある場合、PNP型トランジスター17がオフ状態となる。よって、NPN型トランジスター16がオフ状態(用紙カセット101aに用紙がある場合)であれば、抵抗R5,R8,R9によりVccが分圧されて、アナログ信号ASが2.0625Vとなる(3.3×10÷(5+1+10))。従って、デジタル信号DSが2.0625Vとなる。すなわち、用紙カセット101aに用紙があり、かつトナーコンテナー127BKにトナーがある場合、デジタル信号DSが2.0625Vとなる。
【0102】
図9は、第2実施形態に係るセンサー装置3bの動作を説明するフローチャートである。センサー装置3bは廃トナーセンサー13が備えられていない。センサー装置3bの動作は、図6に示すステップS6及びステップS7が存在しない以外は、第1実施形態に係るセンサー装置3aの動作と同じである。
【0103】
第2実施形態の主な効果を説明する。第2実施形態に係るセンサー装置3bによれば、アナログデジタル変換部21の一つのアナログポート22aに入力されるアナログ信号ASから変換されたデジタル信号DSを基にして、用紙カセット101aの用紙の有無を判断する。そして、用紙カセット101aに用紙があると判断した場合、そのデジタル信号DSを基にしてトナーコンテナー127BKのトナーの有無を判断する。従って、用紙センサー11及びトナーセンサー12から出力される信号に対しては、CPU51の一つのIOポートを割り当てればよいので、CPU51のIOポートの数を抑制できる。
【符号の説明】
【0104】
1 画像形成装置
3a,3b センサー装置
11 用紙センサー(第1のセンサーの一例)
12 トナーセンサー(第2のセンサーの一例)
13 廃トナーセンサー(第3のセンサーの一例)
14 リミット回路
16 NPN型トランジスター(第1のスイッチング素子の一例)
17 PNP型トランジスター(第2のスイッチング素子の一例)
21 アナログデジタル変換部
22 アナログポート(入力部の一例)
501 判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の検知対象が正常時にHレベル及びLレベルの信号の一方を出力し、前記第1の検知対象が不正常時にHレベル及びLレベルの信号の他方を出力する第1のセンサーと、
第2の検知対象が正常時にHレベル及びLレベルの信号の一方を出力し、前記第2の検知対象が不正常時にHレベル及びLレベルの信号の他方を出力する第2のセンサーと、
アナログ信号が入力される入力部を有するアナログデジタル変換部と、
接地と接続可能な第1の端子と、前記入力部と接続する第2の端子と、前記第1のセンサーから出力された信号が入力される第3の端子と、を含み、前記第1のセンサーから出力された信号が前記第1の検知対象について不正常を示す場合にオンすることにより接地と前記入力部とを接続し、前記第1のセンサーから出力された信号が前記第1の検知対象について正常を示す場合にオフすることにより接地と前記入力部とを切り離す第1のスイッチング素子と、
電源と接続可能な第4の端子と、前記入力部と接続する第5の端子と、前記第2のセンサーから出力された信号が入力される第6の端子と、を含み、前記第2のセンサーから出力された信号が前記第2の検知対象について不正常を示す場合にオンすることにより電源と前記入力部とを接続し、前記第2のセンサーから出力された信号が前記第2の検知対象について正常を示す場合にオフすることにより電源と前記入力部とを切り離す第2のスイッチング素子と、
前記アナログデジタル変換部において、前記入力部に入力された前記アナログ信号をデジタル変換したデジタル信号を用いて、前記第1及び第2の検知対象が正常か不正常かを判断する判断部と、を備え、
前記判断部は、
(a)前記デジタル信号の信号値が、前記第1のスイッチング素子がオン状態を示す信号値か否かを判断し、
(b)前記デジタル信号の信号値が、前記第1のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断した場合、前記第1の検知対象が不正常と判断し、
(c)前記デジタル信号の信号値が、前記第1のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断しない場合、前記デジタル信号の信号値が、前記第2のスイッチング素子がオン状態を示す信号値か否かを判断し、
(d)前記デジタル信号の信号値が、前記第2のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断した場合、前記第1の検知対象が正常であり、かつ前記第2の検知対象が不正常と判断し、
(e)前記デジタル信号の信号値が、前記第2のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断しない場合、前記第1の検知対象及び前記第2の検知対象が正常と判断するセンサー装置。
【請求項2】
第3の検知対象の検知結果に応じたアナログの信号を出力する第3のセンサーを備え、
前記第3のセンサーから出力されたアナログの信号は、前記入力部に入力され、
前記判断部は、前記(e)において、前記デジタル信号の信号値が、前記第2のスイッチング素子がオン状態を示す信号値と判断しない場合、前記第1の検知対象及び前記第2の検知対象が正常と判断し、かつ前記デジタル信号の信号値を基にして前記第3の検知対象の検知結果を判断する請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項3】
前記第1のスイッチング素子がオン状態のときに前記入力部に入力されるアナログ信号の信号値と同じ値の成分、及び、前記第1のスイッチング素子がオフ状態であり、かつ前記第2のスイッチング素子がオン状態のときに前記入力部に入力されるアナログ信号の信号値と同じ値の成分を、前記第3のセンサーが出力したアナログの信号からカットするリミット回路を備える請求項2に記載のセンサー装置。
【請求項4】
画像が形成される用紙を貯留する用紙貯留部と、
画像データに対応して変調された光が照射されて静電潜像が形成される感光体と、
前記感光体に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成する現像部と、
前記現像部にトナーを補給するトナー補給部と、
前記用紙貯留部から給紙された用紙に、前記トナー画像を転写する転写部と、
請求項1に記載のセンサー装置と、を備え、
前記第1及び第2のセンサーの一方は、前記用紙貯留部の用紙の有無を検知する用紙センサーであり、
前記第1及び第2のセンサーの他方は、前記トナー補給部のトナーの有無を検知するトナーセンサーである画像形成装置。
【請求項5】
画像が形成される用紙を貯留する用紙貯留部と、
画像データに対応して変調された光が照射されて静電潜像が形成される感光体と、
前記感光体に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成する現像部と、
前記現像部にトナーを補給するトナー補給部と、
前記用紙貯留部から給紙された用紙に、前記トナー画像を転写する転写部と、
前記トナー画像の画像形成に使用されずに回収された廃トナーが収容される廃トナー収容部と、
請求項2又は請求項3に記載のセンサー装置と、を備え、
前記第1及び第2のセンサーの一方は、前記用紙貯留部の用紙の有無を検知する用紙センサーであり、
前記第1及び第2のセンサーの他方は、前記トナー補給部のトナーの有無を検知するトナーセンサーであり、
前記第3のセンサーは、前記廃トナー収容部の廃トナー量を検知する廃トナーセンサーである画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−113873(P2013−113873A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257192(P2011−257192)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】