説明

センサ装置

【課題】本発明は、複雑な演算装置を設けることなく、被測定液の誘電率や温度が変化しても高精度で液位を検出することができ、かつ液位を表す信号や液質を表す信号を電源ラインのみの2線で出力することができるセンサ装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明のセンサ装置は、液位に比例した第1の直流電圧を発生する回路と液質に比例した第2の直流電圧を発生する回路とを備えるとともに、各々の直流電圧を互いに重ならない電圧範囲に制限した後、これらの電圧値をスイッチング回路99において一定の周期で交互にパルス幅変調し、この変調信号によって出力電流を大小の2水準に切り替える電流切替回路77とを設け、この出力電流を液位と液質を表すデジタル信号として電源ラインに重畳するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物理量を検出するセンサ装置に関し、特に自動車、建築機械等のエンジンオイルや燃料の液位や液質等の物理量を検出するセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車、建築機械等のエンジンオイルや燃料の液位等の物理量を検出するセンサ装置としては図12、図13に示すようなものが知られている(特許文献1参照)。図12は従来のセンサ装置の検出部の正面図を示したもので、この図12において、1は上下に延びる長方形の基板で、この基板1の下端部には櫛歯形状の第1の検出電極2が、略中央部には櫛歯形状の第2の検出電極3が設けられている。そして、前記第1の検出電極2は上下に所定の間隔をおいて配置された複数の線状電極からなり、これらは基板1の両側縁に沿って上下に延びる引き出し線4,5に交互に接続されている。また、前記第2の検出電極3は左右に所定の間隔をおいて上端部から下端部に延びるように配置された複数の線状電極からなり、かつこれらの線状電極は上端がリード線6,7に交互に接続されている。
【0003】
液位測定時には前記検出部は被測定液中に浸漬されるもので、この時、前記第1の検出電極2は常に被測定液中に浸漬するように配置される。一方、前記第2の検出電極3は被測定液面と交差し、液中に浸漬する部分は液位の昇降に伴って増減することになる。
【0004】
図13は上記検出部を用いた検出回路図を示したもので、発振回路8と処理回路9とよりなる。発振回路8はインバータ10,11,12と、抵抗13とを有し、前記インバータ11,12間にはそれぞれアナログスイッチ14,15を介して前記検出部における第1、第2の検出電極2,3が接続されている。そして、マイクロコンピュータを有する処理回路9は最初にアナログスイッチ14を閉じ、前記抵抗13と、第1の検出電極2の容量で決定される発振周波数から被測定液の誘電率を計算して記憶する。続いて処理回路9は一方のアナログスイッチ14に代えて他方のアナログスイッチ15を閉じ、前記抵抗13と、第2の検出電極3の容量とで決定される発振周波数と前記被測定液の誘電率とから液位を算出して出力ライン16に出力するもので、被測定液の誘電率が変動した場合でも正確な液位を知ることができるものである。そして、17は電源ラインである。
【0005】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−79016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来のセンサ装置においては、常に被測定液中に浸漬される第1の検出電極2間の容量で決定される発振回路8の発振周波数より被測定液の誘電率を算出して記憶した後、被測定液面と交差し、そして、液中に浸漬する部分は液位の昇降に伴って増減する第2の検出電極3間の容量で決定される発振回路8の発振周波数と前記被測定液の誘電率とから被測定液の液位を演算するようにしているため、演算装置が複雑で大がかりになってしまうという問題点を有していた。また、上記した従来のセンサ装置においては、電源ラインおよび出力ラインの3線が必要であるため、特に電線の延長距離の長い車両等においては取り扱いが面倒で製造コストも上昇するという問題点をも有していた。
【0008】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、複雑な演算装置を設けることなく、被測定液の誘電率や温度が変化しても高精度で液位を検出することができ、かつ液位を表す信号や液質等を表す複数の信号を電源ラインのみの2線で出力することができるセンサ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0010】
本発明の請求項1に記載の発明は、第1の物理量を第1の直流電圧に変換する第1の回路と、第2の物理量を第2の直流電圧に変換する第2の回路と、前記第1の直流電圧の電圧値を第1の範囲に制限する第1の電圧制限回路と、前記第2の直流電圧の電圧値を前記第1の範囲と重ならない第2の範囲に制限する第2の電圧制限回路と、前記第1、第2の電圧制限回路の出力電圧の各々を一定の周期で出力するスイッチング回路を設け、さらにこのスイッチング回路の出力側に、前記スイッチング回路からの出力電圧をパルス幅に変調する回路と、前記パルス幅に変調された変調信号によって電流源からの出力電流を大小の2水準に切り替える電流切替回路とを設け、前記電流切替回路で切り替えられた大小2水準の出力電流を前記第1の物理量と第2の物理量とを表すデジタル信号として電源ラインに重畳するようにしたもので、この構成によれば、複数の信号を電源ラインのみの2線で出力することができ、これにより、特に電線の延長距離の長い機器において取り扱いが容易で製造コストを抑えたセンサ装置を提供することができるという作用効果を有するものである。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明は、常に被測定液中に浸漬され、かつ被測定液が有する誘電率の影響を受けることなく電極間の静電容量を測定する第1の検出電極と、常に被測定液中に浸漬され、かつ被測定液が有する誘電率の影響を受けて電極間の静電容量を測定する第2の検出電極と、被測定液の液位を測定する第3の検出電極と、常に被測定液外にある第4の検出電極を検出部に設けるとともに、前記第3の検出電極が被測定液中に浸漬されている部分の長さに比例する時間だけ充電し、かつ前記第3の検出電極が被測定液外にある部分の長さに比例する時間だけ前記充電された電荷を放電するという動作を繰り返すことにより液位に比例した第1の直流電圧を発生する回路とを備えるとともに、前記第2の検出電極で測定される静電容量と第1の検出電極で測定される静電容量との差に比例する時間だけ充電し、かつ前記第1の検出電極で測定される静電容量に比例する時間だけ前記充電された電荷を放電するという動作を繰り返すことにより液質に比例した第2の直流電圧を発生する回路とを備え、前記第1の直流電圧の電圧値を第1の範囲に制限する電圧制限回路と、前記第2の直流電圧の電圧値を前記第1の範囲と重ならない第2の範囲に制限する電圧制限回路と、前記電圧制限回路の出力電圧の各々を一定の周期で出力するスイッチング回路を設け、さらにこのスイッチング回路の出力側に、前記スイッチング回路の出力電圧をパルス幅に変調する回路と、前記パルス幅に変調された変調信号によって電流源からの出力電流を大小の2水準に切り替える電流切替回路とを設け、前記電流切替回路で切り替えられた大小2水準の出力電流を液位と液質を表すデジタル信号として電源ラインに重畳するようにしたもので、この構成によれば、複雑な演算装置を設けることなく、被測定液の誘電率や温度等が変化しても常に液位を正確に表す信号と、液質を表す信号とを出力することができるとともに、前記液位を表す信号と液質を表す信号を電源ラインのみの2線で出力することができ、これにより、特に電線の延長距離の長い車両等において取り扱いが容易で製造コストを抑えたセンサ装置を提供することができるという作用効果を有するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明のセンサ装置は、第1の物理量を第1の直流電圧に変換する第1の回路と、第2の物理量を第2の直流電圧に変換する第2の回路と、前記第1の直流電圧の電圧値を第1の範囲に制限する第1の電圧制限回路と、前記第2の直流電圧の電圧値を前記第1の範囲と重ならない第2の範囲に制限する第2の電圧制限回路と、前記第1、第2の電圧制限回路の出力電圧の各々を一定の周期で出力するスイッチング回路を設け、さらにこのスイッチング回路の出力側に、前記スイッチング回路からの出力電圧をパルス幅に変調する回路と、前記パルス幅に変調された変調信号によって電流源からの出力電流を大小の2水準に切り替える電流切替回路とを設け、前記電流切替回路で切り替えられた大小2水準の出力電流を前記第1の物理量と第2の物理量とを表すデジタル信号として電源ラインに重畳するようにしているため、複数の信号を電源ラインのみの2線で出力することができ、これにより、特に電線の延長距離の長い機器において取り扱いが容易で製造コストを抑えたセンサ装置を提供することができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態におけるセンサ装置の構成を示すブロック図
【図2】(a)〜(d)同センサ装置における電圧変換回路の動作を説明するための特性図
【図3】(a)(b)同センサ装置におけるパルス幅変調回路の動作を説明するための電圧波形図
【図4】(a)〜(e)同センサ装置におけるスイッチング回路、波形整形・分周回路、パルス幅変調回路、鋸波発生器の動作を説明するための電圧波形図
【図5】同センサ装置から第1および第2の物理量を表すデジタル信号を離れた位置に伝送する方法を示す回路図
【図6】本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置の検出部の正面図
【図7】同センサ装置の検出部における第1の検出電極の構成を示す断面図
【図8】同センサ装置の検出回路図
【図9】(a)〜(l)同センサ装置の回路動作を説明するための電圧波形図
【図10】(a)〜(d)同センサ装置における電圧変換回路の動作を説明するための特性図
【図11】(a)〜(e)同センサ装置におけるスイッチング回路、波形整形・分周回路、パルス幅変調回路、鋸波発生器の動作を説明するための電圧波形図
【図12】従来のセンサ装置の検出部の正面図
【図13】従来のセンサ装置の検出回路図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態におけるセンサ装置について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態におけるセンサ装置20の構成を示すブロック図であり、この図1に示すように、温度や液位等の任意の第1の物理量を第1の直流電圧に変換する第1の回路21と第2の物理量を第2の直流電圧に変換する第2の回路22が第1の電位(V1)にある出力端子23と第2の電位(V2)にある定電圧源24の出力端子25との間に接続されている。そして、この第1の回路21の出力直流電圧は第1の電圧制限回路26において第1の電圧範囲に制限され、かつ第2の回路22の出力直流電圧は第2の電圧制限回路27において前記第1の電圧範囲と重ならない第2の電圧範囲に制限される。そしてまた、この第1の電圧制限回路26の出力はスイッチング回路28の第1の入力に加えられ、かつ第2の電圧制限回路27の出力はスイッチング回路28の第2の入力に加えられる。さらに、波形整形・分周回路29の出力により制御されるスイッチング回路28の出力はパルス幅変調回路30における第1の入力に接続されている。31は鋸波発生器で、その出力はパルス幅変調回路30における第2の入力に接続されるとともに波形整形・分周回路29に加えられる。また、前記パルス幅変調回路30の出力は電源端子32と定電圧源24との間に接続された電流切替回路33の制御入力に接続されている。
【0016】
次に、図2(a)(b)(c)(d)を用いて、前記第1、第2の電圧制限回路26,27の動作を説明する。図2(a)は第1の物理量と第1の回路21の出力直流電圧(V21)との関係を示す特性図である。ここで第1の物理量は規格化して0〜100%で表されており、出力直流電圧(V21)は第2の電位と第1の電位との差(V2−V1)で規格化して0〜100%で表されている。同様に、図2(b)は第2の物理量と第2の回路22の出力直流電圧(V22)との関係を示す特性図である。ここで第2の物理量は規格化して0〜100%で表されており、出力直流電圧(V22)は第2の電位と第1の電位との差(V2−V1)で規格化して0〜100%で表されている。図2(c)は第1の物理量と第1の電圧制限回路26の
【0017】
【数1】

【0018】
との関係を示す特性図である。ここで
【0019】
【数1】

【0020】
は第2の電位と第1の電位との差(V2−V1)で規格化して0〜100%で表されている。この図2(c)から第1の物理量を表す第1の電圧制限回路26の
【0021】
【数1】

【0022】
の範囲は10〜40%に圧縮されてスイッチング回路28の第1の入力に加えられることが分かる。同様に、図2(d)は第2の物理量と第2の電圧制限回路27の
【0023】
【数2】

【0024】
との関係を示す特性図である。ここで前記
【0025】
【数2】

【0026】
は第2の電位と第1の電位との差(V2−V1)で規格化して0〜100%で表されている。この図2(d)から第2の物理量を表す第2の電圧制限回路27の
【0027】
【数2】

【0028】
の範囲は60〜90%に変換されてスイッチング回路28の第2の入力に加えられることが分かる。このように電圧を変換することにより、第1の物理量を表す第1の電圧制限回路26の
【0029】
【数1】

【0030】
と第2の物理量を表す第2の電圧制限回路27の
【0031】
【数1】

【0032】
とは常に異なった範囲の電圧値をとることになる。
【0033】
次に、図3(a)(b)を用いてパルス幅変調回路30の動作を説明する。図3(a)はパルス幅変調回路30における第2の入力に加えられる鋸波発生回路31の出力を示す。この鋸波発生回路31の出力電圧は
【0034】
【数3】

【0035】
において、第1の電位(V1)から第2の電位(V2)まで立ち上がり、その後直線的に低下して
【0036】
【数4】

【0037】
で第1の電位(V1)に達する。さらに
【0038】
【数4】

【0039】
で第1の電位(V1)から第2の電位(V2)まで立ち上がり、その後直線的に低下して
【0040】
【数5】

【0041】
で第1の電位(V1)に達する。以後、同じ動作を繰り返す。図3(b)はパルス幅変調回路30から出力される信号を示す。パルス幅変調回路30における第1の入力に、例えば、第1の物理量を表す第1の電圧制限回路26の
【0042】
【数1】

【0043】
が加えられると、
【0044】
【数3】

【0045】
において、パルス幅変調回路30における第2の入力に加えられる電圧が
【0046】
【数6】

【0047】
に達するとパルス幅変調回路30の出力はハイ(VH)に立ち上がり、その状態を維持する。その後、パルス幅変調回路30における第2の入力に加えられる電圧が再び
【0048】
【数6】

【0049】
に達すると
【0050】
【数7】

【0051】
パルス幅変調回路30の出力はロー(VL)に遷移して、その状態を維持する。さらに
【0052】
【数4】

【0053】
でパルス幅変調回路30における第2の入力に加えられる電圧が
【0054】
【数6】

【0055】
に達するとパルス幅変調回路30の出力はハイ(VH)に立ち上がり、その状態を維持する。その後、パルス幅変調回路30における第2の入力に加えられる電圧が再び
【0056】
【数6】

【0057】
に達すると
【0058】
【数8】

【0059】
パルス幅変調回路30の出力はロー(VL)に遷移して、その状態を維持する。以後、同様の動作を繰り返すものである。
【0060】
次に、図4を用いて、スイッチング回路28、波形整形・分周回路29、パルス幅変調回路30、鋸波発生器31の動作を説明する。
【0061】
図4(a)は鋸波発生器31の出力信号であり、この出力信号は波形整形・分周回路29とパルス幅変調回路30とに加えられる。波形整形・分周回路29ではこの鋸波発生器31の出力信号を図4(b)に示す矩形パルス波に整形した後、4分周することにより図4(c)に示す矩形パルス波をスイッチング回路28の制御信号として出力する。そして、図4(d)に示すように、スイッチング回路28は、このスイッチング回路28の制御信号の立ち下がり時(tp0)から第1の電圧制限回路26の
【0062】
【数1】

【0063】
を、次の制御信号の立ち上がり時(tp1)から第2の電位(V2)をパルス幅変調回路30の第1の入力に加える。次に、スイッチング回路28は次の制御信号の立ち下がり時(tp2)から第2の電圧制限回路27の
【0064】
【数2】

【0065】
を、次の制御信号の立ち上がり時(tp3)から第1の電位(V1)をパルス幅変調回路30の第1の入力に加える。その後、同様の動作を繰り返すものである。パルス幅変調回路30は鋸波発生回路31からの第2の入力信号をスイッチング回路28からの第1の入力信号でパルス幅変調して図4(e)に示すような電圧信号を電流切替回路33の制御入力に加える。これにより、第1の物理量を表す電圧信号を所定の回数(8回)出力した後、第2の物理量を表す電圧信号を所定回数(8回)出力することを繰り返すものである。
【0066】
電流切替回路33は前記パルス幅に変調された変調信号によって出力電流を大小の2水準に切り替えるもので、本発明の一実施の形態においては、電流切替回路33に加えられる電圧がハイの場合、電流切替回路33は大電流を出力し、一方、電流切替回路33に加えられる電圧がローの場合、電流切替回路33は小電流を出力するように構成されている。これにより、本発明の一実施の形態におけるセンサ装置20は前記電流切替回路33で切り替えられた大小2水準の出力電流を第1、第2の物理量を表すデジタル信号として出力端子23から出力することができるものである。
【0067】
次に、本発明の一実施の形態におけるセンサ装置20から第1の物理量および第2の物理量を表すデジタル信号をセンサ装置20より離れた位置に伝送する方法を図5を用いて説明する。この図5に示しているように、センサ装置20の電源端子32と直流電流のホット側とを電源ライン41の一方に接続し、センサ装置20の出力端子23と増幅器42の入力側とを電源ライン41の他方に接続する。43は増幅器42の入力側とグランドとの間に接続されたプルダウン抵抗である。前記出力端子23からの出力電流はプルダウン抵抗43と増幅器42とにより電流−電圧変換される。また、前記増幅器42からの出力電圧は増幅器42の後段に接続された信号処理装置44に加えられて処理され制御信号として利用される。
【0068】
上記の説明から明らかなように、本発明の一実施の形態におけるセンサ装置は、複数の信号を電源ラインのみの2線で出力することができ、これにより、特に電線の延長距離の長い機器において、取り扱いが容易で製造コストを抑えたセンサ装置を提供することができるという効果を有するものである。
【0069】
なお、上記本発明の一実施の形態におけるセンサ装置においては、第1、第2の2つの物理量を表す信号を電源ラインに重畳するようにしているが、2つ以上の物理量を表す信号を電源ラインに重畳することも可能である。
【0070】
図6は本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置の検出部の正面部を示したもので、この図6において、51は上下に延びる長方形のポリイミドフィルム等からなる検出部で、この検出部51の下端部には櫛歯形状のカーボンからなる一対の第1の検出電極52を設けている。また、前記第1の検出電極52の上には櫛歯形状のカーボンからなる一対の第2の検出電極53を設け、そしてこの第2の検出電極53の上には同じく櫛歯形状のカーボンからなる一対の第3の検出電極54を設け、さらに前記検出部51の上端部には同じく櫛歯形状のカーボンからなる一対の第4の検出電極55を設けている。そして、前記第1、第2、第3、第4の検出電極52,53,54,55は上下に延びる引き出し線によって端子56,57,58,59,60に接続されているものである。
【0071】
図7は図6における第1の検出電極52のA−A線での断面図を示したもので、この図7に示すように、検出部51の下端部に設けた第1の検出電極52は、対向する電極61全体を絶縁物62を介して金属層63で覆うことにより構成しているもので、このような構成とすることにより、対向する電極61間に発生する電気力線は被測定液内を通過しないため、第1の検出電極52で測定される対向する電極61間の静電容量は被測定液が有する誘電率の影響を受けることがなくなるものである。
【0072】
なお、前記絶縁物62としては、被測定液または被測定液を含浸させた固形物あるいは被測定液と実質的に同じ誘電率温度特性を持つ物質を選択するのが望ましい。これにより、液質測定における温度変化の影響を除去することができるものである。
【0073】
本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置の動作時には、前記第1の検出電極52と第2の検出電極53はオイル等の熱伝導性の高い被測定液中に常に浸漬されるため、第1の検出電極52と第2の検出電極53の温度は実質的に等しいと見なすことができる。
【0074】
図8は本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置の検出回路図を示したもので、この図8において、前記検出部51の端子56は第1の電位(V1)にある出力端子71に接続する。また、前記検出部51の端子57,58,59,60はそれぞれ第1の抵抗72,第2の抵抗73,第3の抵抗74,第4の抵抗75を介して定電圧源76の第2の電位(V2)にある出力78に接続される。77は定電圧源76と電源端子79との間に接続された電流切替回路である。これにより、第1の検出電極52、第2の検出電極53、第3の検出電極54、第4の検出電極55がそれぞれ第1の抵抗72、第2の抵抗73、第3の抵抗74、第4の抵抗75に接続される。
【0075】
この時、第2、第3、第4の検出電極53,54,55がすべて被測定液外にある状態で第2の検出電極53の電極間容量と第2の抵抗73とで決まる時定数と、第3の検出電極54の電極間容量と第3の抵抗74とで決まる時定数と、第4の検出電極55の電極間容量と第4の抵抗75とで決まる時定数とは実質的に等しくなるようにしているものである。そして、第1の検出電極52と第1の抵抗72とで決まる時定数は、被測定液中に浸漬させた状態で第2の検出電極53の電極間容量と第2の抵抗73とで決まる時定数よりも小さくなるようにしている。
【0076】
また、前記第1の抵抗72と前記第1の検出電極52との中点電位はコンパレータからなる第1の比較手段80において、抵抗81,82からなる閾値発生手段と比較される。これと同様に、前記第2の抵抗73と前記第2の検出電極53との中点電位、前記第3の抵抗74と前記第3の検出電極54との中点電位および前記第4の抵抗75と前記第4の検出電極55との中点電位はそれぞれコンパレータからなる第2の比較手段83、第3の比較手段84および第4の比較手段85において、抵抗81,82からなる閾値発生手段と比較される。そして、前記第2、第3、第4の比較手段83,84,85の出力信号は論理素子からなる第1の論理回路86に入力される。そしてまた、前記第1、第2の比較手段80,83の出力信号は論理素子からなる第2の論理回路87に入力される。
【0077】
さらに、前記第1の論理回路86の後段には第1の論理回路86の出力信号により開閉制御される第1のアナログスイッチ88と第2のアナログスイッチ89が設けられている。90は一端が前記第1のアナログスイッチ88と第2のアナログスイッチ89との中点に接続され、かつ他端が第1のローパスフィルタ91に接続された第5の抵抗である。92は一端が第1の電位(V1)にある出力端子71と接続され、かつ他端が前記第5の抵抗90と第1のローパスフィルタ91との間に接続されたコンデンサである。
【0078】
さらにまた、前記第2の論理回路87の後段には第2の論理回路87の出力信号により開閉制御される第3のアナログスイッチ93と第4のアナログスイッチ94が設けられている。95は一端が前記第3のアナログスイッチ93と第4のアナログスイッチ94との中点に接続され、かつ他端が第2のローパスフィルタ96に接続された第6の抵抗である。97は一端が第1の電位(V1)にある出力端子71と接続され、かつ他端が前記第6の抵抗95と第2のローパスフィルタ96との間に接続されたコンデンサである。第1のローパスフィルタ91の出力は第1の電圧変換回路98を介してスイッチング回路99における第1の入力に加えられる。また第2のローパスフィルタ96の出力は第2の電圧変換回路100を介して前記スイッチング回路99における第2の入力に加えられる。波形整形・分周回路101の出力により制御されるスイッチング回路99の出力はパルス幅変調回路102における第1の入力に接続されている。103は鋸波発生器で、その出力はパルス幅変調回路102における第2の入力に接続されるとともに波形整形・分周回路101に加えられる。また、前記パルス幅変調回路102の出力は電流切替回路77の制御入力に接続されている。
【0079】
次に、本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置の回路動作を図9を用いて説明する。図9(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)(h)(i)(j)(k)(l)はこのセンサ装置の各部の電圧波形を示したものである。
【0080】
図6で示したセンサ装置の検出部51を図示していないオイルパン中のエンジンオイル等の被測定液に浸漬する。この時、第1の検出電極52と第2の検出電極53は常に被測定液中に浸漬され、かつ第4の検出電極55は常に被測定液外に配置される。そして、第3の検出電極54は被測定液面と交差し、かつ液中に浸漬する部分は液位の昇降に伴って増減する。
【0081】
本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置は、電源投入前の初期状態(t0)においては、第1、第2、第3、第4の検出電極52,53,54,55の電極対間に電荷が存在しないため、第1の抵抗72と第1の検出電極52との中点電位、第2の抵抗73と第2の検出電極53との中点電位、第3の抵抗74と第3の検出電極54との中点電位および第4の抵抗75と第4の検出電極55との中点電位はすべて第1の電位(V1)にある。
【0082】
そして、電源が投入されると(t0)、前記第4の抵抗75と第4の検出電極55との中点電位は、図9(a)に示すように第1の電位(V1)から第2の電位(V2)に向かって、前記第4の抵抗75と第4の検出電極55の電極間容量とで決まる時定数で指数関数的に上昇する。また、前記第3の抵抗74と第3の検出電極54との中点電位は、図9(b)に示すように第1の電位(V1)から第2の電位(V2)に向かって、前記第3の抵抗74と第3の検出電極54の電極間容量とで決まる時定数で指数関数的に上昇する。この時、第3の検出電極54の一部は被測定液中にあるため、前記第3の抵抗74と第3の検出電極54の静電容量とで決まる時定数は、前記第4の抵抗75と第4の検出電極55とで決まる時定数よりも大きくなる。そしてまた、前記第2の抵抗73と第2の検出電極53との中点電位は、図9(c)に示すように第1の電位(V1)から第2の電位(V2)に向かって、それぞれ前記第2の抵抗73と第2の検出電極53の電極間容量とで決まる時定数で指数関数的に上昇する。この時、第2の検出電極53は常に被測定液中に浸漬されているため、前記第2の抵抗73と第2の検出電極53の静電容量とで決まる時定数は、前記第3の抵抗74と第3の検出電極54とで決まる時定数よりも大きくなる。さらに、前記第1の抵抗72と第1の検出電極52との中点電位は、図9(d)に示すように第1の電位(V1)から第2の電位(V2)に向かって、それぞれ前記第1の抵抗72と第1の検出電極52の電極間容量とで決まる時定数で指数関数的に上昇する。この時、前記した通り、第1の検出電極52と第1の抵抗72とで決まる時定数は、被測定液中に浸漬させた状態で第2の検出電極53の電極間容量と第2の抵抗73とで決まる時定数よりも小さくなるように設定している。
【0083】
その後、前記第4の抵抗75と第4の検出電極55との中点電位が抵抗81,82で決められる閾値電圧Vthに達すると、コンパレータからなる第4の比較手段85の出力は図9(e)に示すようにハイからローに遷移する(t1)。これと同様に、前記第3の抵抗74と第3の検出電極54との中点電位が抵抗81,82で決められる閾値電圧Vthに達すると、コンパレータからなる第3の比較手段84の出力は図9(f)に示すようにハイからローに遷移する(t2)。また、前記第1の抵抗72と第1の検出電極52との中点電位が抵抗81,82で決められる閾値電圧Vthに達すると、コンパレータからなる第1の比較手段80の出力は図9(h)に示すようにハイからローに遷移する(t3)。さらに、前記第2の抵抗73と前記第2の検出電極53との中点電位が抵抗81,82で決められる閾値電圧Vthに達すると、コンパレータからなる第2の比較手段83の出力は図9(g)に示すようにハイからローに遷移する(t4)とともに、第1、第2、第3、第4の検出電極52,53,54,55に蓄積された電荷がオープンコレクタ構成である素子104を介して第1の電位(V1)に放電されるため、前記第1の抵抗72と第1の検出電極52との中点電位、前記第2の抵抗73と第2の検出電極53との中点電位、前記第3の抵抗74と第3の検出電極54との中点電位および前記第4の抵抗75と第4の検出電極55との中点電位はすべて第1の電位(V1)に戻り、かつ前記第1、第2、第3、第4の比較手段80,83,84,85の出力はそれぞれ図9(h)(g)(f)(e)に示すようにローからハイに遷移する(t5)。
【0084】
さらにその後、前記第4の抵抗75と第4の検出電極55との中点電位、前記第3の抵抗74と第3の検出電極54との中点電位、前記第2の抵抗73と第2の検出電極53との中点電位、前記第1の抵抗72と第1の検出電極52との中点電位は、再び図9(a)(b)(c)(d)に示すように第1の電位(V1)から第2の電位(V2)に向かって、それぞれ前記第4の抵抗75と第4の検出電極55の電極間容量、前記第3の抵抗74と第3の検出電極54の電極間容量、前記第2の抵抗73と第2の検出電極53の電極間容量、前記第1の抵抗72と第1の検出電極52の電極間容量とで決まる時定数で指数関数的に上昇する。以後、第4の比較手段85の出力がハイからローに遷移し(t6)、第3の比較手段84の出力がハイからローに遷移し(t7)、第1の比較手段80の出力がハイからローに遷移し(t8)、第2の比較手段83の出力がハイからローに遷移し(t9)、以後、前と同様の動作を繰り返す。
【0085】
上記した第2、第3、第4の比較手段83,84,85の出力信号は論理素子からなる論理回路86に入力され、そして、第1のアナログスイッチ88には図9(i)に示す信号が、また第2のアナログスイッチ89には図9(j)に示す信号が出力される。これと同様に、上記第1、第2の比較手段80,83の出力信号は論理素子からなる論理回路87に入力され、そして、第3のアナログスイッチ93には図9(k)に示す信号が、また第4のアナログスイッチ94には図9(l)に示す信号が出力される。
【0086】
そして、この場合、各アナログスイッチに入力される信号がハイの時、アナログスイッチは「閉」、ローの時、「開」となる。これにより、図9の時間t1〜t2およびt6〜t7においては、第1のアナログスイッチ88が「閉」で第2のアナログスイッチ89が「開」となるため、第2の電位(V2)から第5の抵抗90を通してコンデンサ92が充電される。そして、図9の時間t2〜t4およびt7〜t9においては、第1のアナログスイッチ88が「開」で第2のアナログスイッチ89が「閉」となるため、コンデンサ92に蓄積された電荷が第5の抵抗90を通して第1の電位(V1)に放電される。このようにして、第3の検出電極54が被測定液に浸漬されている部分の長さと被測定液外にある部分の長さにより決まる時間だけ第1のアナログスイッチ88と第2のアナログスイッチ89とを交互に開閉してコンデンサ92を充放電することにより、被測定液の液位を表すアナログ電圧がコンデンサ92の両端に出力される。
【0087】
また、これと同様に、図9の時間t3〜t4およびt8〜t9においては、第3のアナログスイッチ93が「閉」で第4のアナログスイッチ94が「開」となるため、第2の電位(V2)から第6の抵抗95を通してコンデンサ97が充電される。そして、図9の時間t0〜t3およびt5〜t8においては、第3のアナログスイッチ93が「開」で第4のアナログスイッチ94が「閉」となるため、コンデンサ97に蓄積された電荷が第5の抵抗95を通して第1の電位(V1)に放電される。このようにして、前記第1の検出電極52で測定される静電容量と第2の検出電極53で測定される静電容量との差に比例する時間だけ前記第2のコンデンサ97を充電し、かつ前記第1の検出電極52で測定される静電容量に比例する時間だけ前記第2のコンデンサ97に充電された電荷を放電するという動作を繰り返すことにより、被測定液の液質を表すアナログ電圧がコンデンサ97の両端に出力される。
【0088】
コンデンサ92,97の両端に出力される電圧はリップルを含んでいるが、このリップルはローパスフィルタ91,96により除去されるため、電源を投入してから一定時間経過後には被測定液の液位を表す直流電圧(VhD)が第1の電圧変換回路98に、被測定液の液質を表す直流電圧(VqD)が第2の電圧変換回路100に加えられることになる。
【0089】
次に、図10(a)(b)(c)(d)を用いて、電圧変換回路98,100の動作を説明する。
【0090】
図10(a)は第3の検出電極54と交差する被測定液の液位と前記直流電圧(VhD)との関係を示す特性図である。ここで被測定液の液位は第3の検出電極54の全長で規格化して0〜100%で表されており、直流電圧(VhD)は第2の電位と第1の電位との差(V2−V1)で規格化して0〜100%で表されている。
【0091】
図10(b)は被測定液の液質と前記直流電圧(VqD)との関係を示す特性図である。ここで被測定液の液質は適宜の値で規格化して0〜100%で表されており、直流電圧(VqD)は第2の電位と第1の電位との差(V2−V1)で規格化して0〜100%で表されている。
【0092】
図10(c)は第3の検出電極54と交差する被測定液の液位と第1の電圧変換回路98の
【0093】
【数9】

【0094】
との関係を示す特性図である。ここで前記
【0095】
【数9】

【0096】
は第2の電位と第1の電位との差(V2−V1)で規格化して0〜100%で表されている。図10(c)から被測定液の液位を表す
【0097】
【数9】

【0098】
の範囲は10〜40%に圧縮されてスイッチング回路99の第1の入力に加えられることが分かる。
【0099】
図10(d)は被測定液の液質と第2の電圧変換回路100の
【0100】
【数10】

【0101】
との関係を示す特性図である。ここで前記
【0102】
【数10】

【0103】
は第2の電位と第1の電位との差(V2−V1)で規格化して0〜100%で表されている。この図10(d)から被測定液の液質を表す
【0104】
【数10】

【0105】
の範囲は60〜90%に変換されてスイッチング回路99の第2の入力に加えられることが分かる。
【0106】
このように電圧を変換することにより、被測定液の液位を表す第1の電圧変換回路98の
【0107】
【数9】

【0108】
と被測定液の液質を表す第2の電圧変換回路100の
【0109】
【数10】

【0110】
とは常に異なった範囲の電圧値をとることになる。
【0111】
次に、図11を用いて、スイッチング回路99、波形整形・分周回路101、パルス幅変調回路102、鋸波発生器103の動作を説明する。
【0112】
図11(a)は鋸波発生器103の出力信号であり、この出力信号は波形整形・分周回路101とパルス幅変調回路102とに加えられる。波形整形・分周回路101では前記出力信号を図11(b)に示す矩形パルス波に整形した後、4分周することにより図11(c)に示す矩形パルス波をスイッチング回路99の制御信号として出力する。そして、図11(d)に示すように、スイッチング回路99は前記制御信号の立ち下がり時(tp0)から第1の電圧変換回路98の
【0113】
【数9】

【0114】
を、次の制御信号の立ち上がり時(tp1)から第2の電位(V2)をパルス幅変調回路102の第1の入力に加える。次に、スイッチング回路99は次の制御信号の立ち下がり時(tp2)から第2の電圧変換回路100の
【0115】
【数10】

【0116】
を、次の制御信号の立ち上がり時(tp3)から第1の電位(V1)をパルス幅変調回路102の第1の入力に加える。その後、同様の動作を繰り返すものである。パルス幅変調回路102は鋸波発生器103からの第2の入力信号をスイッチング回路99からの第1の入力信号でパルス幅変調して図11(e)に示すような電圧信号を電流切替回路77の制御入力に加える。これにより、液位を表す電圧信号を所定の回数(8回)出力した後、液質を表す電圧信号を所定回数(8回)出力することを繰り返すものである。
【0117】
電流切替回路77は図1に示した本発明の一実施の形態におけるセンサ装置20の場合と同様に、電流切替回路77に加えられる電圧がハイの場合、たとえば14mAの大電流を出力し、一方、電流切替回路77に加えられる電圧がローの場合、たとえば7mAの小電流を出力するように構成されている。このように、本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置においては、前記電流切替回路77で切り替えられた大小2水準の出力電流を液位および液質を表すデジタル信号として出力端子71から出力することができるものである。
【0118】
また、本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置から液位および液質を表すデジタル信号をセンサ装置から離れた位置に置かれている車両のECU等に伝送する方法は、図5を用いて説明したものと同様の方法を用いることができる。
【0119】
上記の説明から明らかなように、本発明の他の実施の形態におけるセンサ装置は、複雑な演算装置を設けることなく、被測定液の誘電率や温度等が変化しても常に液位を正確に表す信号と、液質を表す信号とを出力することができるとともに、前記液位を表す信号と、液質を表す信号とを電源ラインのみの2線で出力することができるもので、これにより、特に電線の延長距離の長い機器において、取り扱いが容易で製造コストを抑えたセンサ装置を提供することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明に係るセンサ装置は、複雑な演算装置を設けることなく、被測定液の誘電率や温度が変化しても液位を正確に表す信号や液質を表す信号を出力することができるとともに、前記液位を表す信号や液質を表す信号を電源ラインのみの2線で出力することができ、これにより、特に電線の延長距離の長い機器において、取り扱いが容易で製造コストを抑えたセンサ装置を提供することができるという効果を有するものであり、特に、自動車、建築機械等のエンジンオイルや燃料の液位を検出するセンサ装置として有用なものである。
【符号の説明】
【0121】
21 第1の回路
22 第2の回路
26 第1の電圧制限回路
27 第2の電圧制限回路
28 スイッチング回路
30 パルス幅変調回路
33 電流切替回路
51 検出部
52 第1の検出電極
53 第2の検出電極
54 第3の検出電極
55 第4の検出電極
77 電流切替回路
98 第1の電圧変換回路
99 スイッチング回路
100 第2の電圧変換回路
102 パルス幅変調回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の物理量を第1の直流電圧に変換する第1の回路と、第2の物理量を第2の直流電圧に変換する第2の回路と、前記第1の直流電圧の電圧値を第1の範囲に制限する第1の電圧制限回路と、前記第2の直流電圧の電圧値を前記第1の範囲と重ならない第2の範囲に制限する第2の電圧制限回路と、前記第1、第2の電圧制限回路の出力電圧の各々を一定の周期で出力するスイッチング回路を設け、さらにこのスイッチング回路の出力側に、前記スイッチング回路からの出力電圧をパルス幅に変調する回路と、前記パルス幅に変調された変調信号によって電流源からの出力電流を大小の2水準に切り替える電流切替回路とを設け、前記電流切替回路で切り替えられた大小2水準の出力電流を前記第1の物理量と第2の物理量とを表すデジタル信号として電源ラインに重畳するようにしたセンサ装置。
【請求項2】
常に被測定液中に浸漬され、かつ被測定液が有する誘電率の影響を受けることなく電極間の静電容量を測定する第1の検出電極と、常に被測定液中に浸漬され、かつ被測定液が有する誘電率の影響を受けて電極間の静電容量を測定する第2の検出電極と、被測定液の液位を測定する第3の検出電極と、常に被測定液外にある第4の検出電極を検出部に設けるとともに、前記第3の検出電極が被測定液中に浸漬されている部分の長さに比例する時間だけ充電し、かつ前記第3の検出電極が被測定液外にある部分の長さに比例する時間だけ前記充電された電荷を放電するという動作を繰り返すことにより液位に比例した第1の直流電圧を発生する回路とを備えるとともに、前記第2の検出電極で測定される静電容量と第1の検出電極で測定される静電容量との差に比例する時間だけ充電し、かつ前記第1の検出電極で測定される静電容量に比例する時間だけ前記充電された電荷を放電するという動作を繰り返すことにより液質に比例した第2の直流電圧を発生する回路とを備え、前記第1の直流電圧の電圧値を第1の範囲に制限する第1の電圧制限回路と、前記第2の直流電圧の電圧値を前記第1の範囲と重ならない第2の範囲に制限する第2の電圧制限回路と、前記第1、第2の電圧制限回路の出力電圧の各々を一定の周期で出力するスイッチング回路を設け、さらにこのスイッチング回路の出力側に、前記スイッチング回路の出力電圧をパルス幅に変調する回路と、前記パルス幅に変調された変調信号によって電流源からの出力電流を大小の2水準に切り替える電流切替回路とを設け、前記電流切替回路で切り替えられた大小2水準の出力電流を液位と液質を表すデジタル信号として電源ラインに重畳するようにしたセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−256015(P2010−256015A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102590(P2009−102590)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】