説明

タイヤ、タイヤの製造方法、及び、タイヤ製造用成形型

【課題】タイヤ構成部材が熱可塑性材料で形成されていても、ビードコアの位置精度が高くしかもビードコアを露出させる部位がタイヤ構成部材に形成されないタイヤ、タイヤの製造方法、及び、タイヤ製造用成形型を提供することを課題とする。
【解決手段】空気入りタイヤ10は、熱可塑性材料からなるビードコア18と、熱可塑性材料からなるタイヤ骨格部材17とを備えている。タイヤ骨格部材17は、ビード部12を構成してビードコア18を覆っている。この空気入りタイヤ10を製造するには、タイヤ骨格部材17のうちビード部12の内側部分12Kを成形する。次に、内側部分12Kでタイヤ内側が覆われるビードコア18を熱可塑性材料で成形する。更に、外側部分12Jを成形してビードコア18のタイヤ外側を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともビード部を構成する熱可塑性材料からなるタイヤ構成部材を備えたタイヤ、タイヤの製造方法、及び、タイヤ製造用成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゴム、有機繊維材料、及びスチール部材で形成されているタイヤが知られている。近年、軽量化やリサイクルのし易さの観点から、熱可塑性エラストマー(TPE)や熱可塑性樹脂等の熱可塑性高分子材をタイヤ構成部材とすることが求められている。このため、例えば特許文献1には、熱可塑性エラストマーでビードコアを覆ってタイヤ骨格部材を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−143701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、タイヤ骨格部材を成形する金型内にビードコアを予め支持体で支持して配置しておき、この金型内にポリエステル系の熱可塑性エラストマーを注入する。このため、支持体がビードコアに当接している部位には熱可塑性エラストマーが形成されないので、タイヤ骨格部材にビードコアを露出させてしまう部位が形成されること、ビードコアの配置が煩雑でしかも高い注入圧力がビードコアに及ぼされるのでビードコアの配置位置を安定させ難いこと、などの難点がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、タイヤ構成部材が熱可塑性材料で形成されていても、ビードコアの位置精度が高くしかもビードコアを露出させる部位がタイヤ構成部材に形成されないタイヤ、タイヤの製造方法、及び、タイヤ製造用成形型を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、熱可塑性材料からなるビードコアと、熱可塑性材料からなり、少なくともビード部を構成して前記ビードコアを覆うタイヤ構成部材と、を備えている。
請求項1に記載に係るタイヤを製造するには、上記タイヤ構成部材のうちビード部のタイヤ内側部分を金型等の成形型内で成形する。なお、成形型を用いなくても、タイヤ内側部分となるものを予め製造してもよい。
次に、ビード部のタイヤ内側部分でタイヤ内側が覆われるビードコアを熱可塑性材料で成形する。
更に、タイヤ構成部材のうちビード部のタイヤ外側部分を成形してビードコアのタイヤ外側を覆う。
【0007】
従って、タイヤ外側部分を成形する際、ビードコアはタイヤ内側部分に支えられているので、従来のように支持体をビードコアに当接させておく必要がない。従って、ビードコアを露出させる部位がタイヤ構成部材には形成されない。また、ビードコアを成形する際、タイヤ内側部分にビードコアの外周形状に応じた凹部を形成しておけばよいので、ビードコアの形成位置精度が高い。また、ビードコアの形状設定の自由度が従来に比べて大幅に向上する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記タイヤ構成部材が、ビード部からクラウン部まで構成するタイヤ骨格部材である。
本明細書で、ビード部からクラウン部までを構成するとは、ビード部からタイヤセンターまでを構成することを意味する。
請求項2に記載の発明により、タイヤ強度を向上させ易い構造にすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記ビードコアが周方向に凹凸状とされている。
これにより、ビードコアとタイヤ構成部材との接触面積が増大し、ビードコアのタイヤ構成部材に対する相対変位が抑制され、ビードコアがタイヤ構成部材に安定して保持され易い。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記ビードコアの断面形状には隅部が形成されている。
隅部が形成されているとは、ビードコアの断面において、互いに交差する2本の直線の交差角度、又は、2本の曲線の接線の交差角度が180°よりも大きい角度範囲でビードコアの熱可塑性材料が凹部を形成していることであり、従って、隅部には角度180°未満の熱可塑性材料からなるタイヤ構成部材が入り込んでいる。
請求項4に記載の発明により、請求項3に記載の発明によって奏される効果をより顕著なものとすることができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記ビードコアが周方向に波を打った形状とされている。
これにより、リム組みを行う際にビードコア自体がある程度伸びることができるので、リムに組付け易い。なお、タイヤ半径方向にビードコアが波を打っていると、ビードコアの半径方向の強度低下防止やビード部の厚み抑制の観点で好ましいが、タイヤ幅方向にビードコアが波を打っていてもリム組みを行う際にビードコア自体がある程度伸びることができる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、少なくともビード部のタイヤ内側部分を熱可塑性材料で成形し、前記タイヤ内側部分のタイヤ幅方向外側にビードコアを熱可塑性材料で成形し、少なくともビード部のタイヤ外側部分を熱可塑性材料で成形して前記タイヤ内側部分とで前記ビードコアを覆う。
これにより、従来のように支持体をビードコアに当接させておく必要がない。従って、ビードコアを露出させる部位がタイヤ構成部材には形成されない。また、ビードコアを成形する際、タイヤ内側部分にビードコアの外周形状に応じた凹部を形成しておくことにより、ビードコアの形成位置精度を高くすることができる。
タイヤ構成部材及びビードコアは、例えば、インサート成形で形成されてもよいし、2色成形、或いは3種類以上の熱可塑性材料を注入する多色成形で形成されてもよく、ゴムで成形(加硫)する場合に比較して、製造工程を大幅に簡略化でき、成形時間も短くて済む。
【0013】
請求項7に記載の発明は、少なくともビード部のタイヤ外側部分を熱可塑性材料で成形し、前記タイヤ外側部分のタイヤ幅方向内側にビードコアを熱可塑性材料で成形し、少なくともビード部のタイヤ内側部分を熱可塑性材料で成形して前記タイヤ外側部分とで前記ビードコアを覆う。
これにより、請求項6に記載の発明と同様、従来のように支持体をビードコアに当接させておく必要がなく、ビードコアを露出させる部位がタイヤ構成部材には形成されない。また、ビードコアを成形する際、タイヤ外側部分にビードコアの外周形状に応じた凹部を形成しておくことにより、ビードコアの形成位置精度を高くすることができる。
タイヤ構成部材及びビードコアは、例えば、インサート成形で形成されてもよいし、2色成形、或いは3種類以上の熱可塑性材料を注入する多色成形で形成されてもよく、ゴムで成形(加硫)する場合に比較して、製造工程を大幅に簡略化でき、成形時間も短くて済む。
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記タイヤ外側部分を成形する際、固化状態では前記タイヤ内側部分よりも弾性率が低い熱可塑性材料で成形する。
タイヤ外側部分はリムに当接する。従って、請求項8に記載の発明により、タイヤのリムフィット性が向上する。
【0015】
請求項9に記載の発明は、少なくともビード部のタイヤ内側を成形する内成形型と、前記内成形型との間で少なくとも前記ビード部のタイヤ内側部分を成形する第1外成形型と、前記タイヤ内側部分の成形後に前記第1外成形型と交換され、前記タイヤ内側部分との間で前記ビードコアを成形する第2外成形型と、前記ビードコアの成形後に前記第2外成形型と交換され、前記タイヤ内側部分及び前記ビードコアとの間で少なくとも前記ビード部のタイヤ外側部分を成形する第3外成形型と、を備えている。
【0016】
成形型は、金型であってもよいし、金属以外の材質の型であってもよい。
請求項9に記載の発明では、少なくともビード部のタイヤ内側部分を内成形型と第1外成形型とで成形する。
次に、第1外成形型を第2外成形型に交換し、タイヤ内側部分のタイヤ幅方向外側にビードコアを熱可塑性材料で成形する。
更に、第2外成形型を第3外成形型に交換し、少なくともビード部のタイヤ外側部分を成形する。
従って、タイヤ外側部分を成形する際、ビードコアはタイヤ内側部分に支えられているので、従来のように支持体をビードコアに当接させておく必要がなく、これにより、ビードコアを露出させる部位をタイヤ構成部材に形成しなくても済むタイヤ製造用成形型が実現される。
また、ビードコアを成形する際、ビードコアの外周形状に応じた凹部をタイヤ内側部分に形成するように内成形型の成形面に形成しておくことにより、ビードコアの形成位置精度を高くすることができる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、少なくともビード部のタイヤ外側を成形する外成形型と、前記外成形型との間で少なくとも前記ビード部のタイヤ外側部分を成形する第1内成形型と、前記タイヤ外側部分の成形後に前記第1内成形型と交換され、前記タイヤ外側部分との間で前記ビードコアを成形する第2内成形型と、前記ビードコアの成形後に前記第2内成形型と交換され、前記タイヤ外側部分及び前記ビードコアとの間で少なくとも前記ビード部のタイヤ内側部分を成形する第3内成形型と、を備えている。
請求項9に記載の発明と同様、成形型は、金型であってもよいし、金属以外の材質の型であってもよい。
請求項10に記載の発明では、少なくともビード部のタイヤ外側部分を外成形型と第1内成形型とで成形する。
次に、第1内成形型を第2内成形型に交換し、タイヤ外側部分のタイヤ幅方向内側にビードコアを熱可塑性材料で成形する。
更に、第2内成形型を第3内成形型に交換し、少なくともビード部のタイヤ内側部分を成形する。
従って、タイヤ内側部分を成形する際、ビードコアはタイヤ外側部分に支えられているので、従来のように支持体をビードコアに当接させておく必要がなく、これにより、ビードコアを露出させる部位をタイヤ構成部材に形成しなくても済むタイヤ製造用成形型が実現される。
また、ビードコアを成形する際、ビードコアの外周形状に応じた凹部をタイヤ外側部分に形成するように外成形型の成形面に形成しておくことにより、ビードコアの形成位置精度を高くすることができる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、少なくともビード部のタイヤ外側を成形する外成形型と、前記外成形型との間で少なくとも前記ビード部のタイヤ外側部分を成形する第1内成形型と、前記タイヤ外側部分が成形され、前記第1内成形型が取り外されて前記タイヤ外側部分のタイヤ内側にビードコアが配置された後、前記タイヤ外側部分及び前記ビードコアとの間で少なくとも前記ビード部のタイヤ内側部分を成形する第3内成形型と、を備えている。
これにより、請求項10に記載の発明に比べ、第2内成形型を用いなくても済む上、製造時間の短縮化を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、タイヤ構成部材が熱可塑性材料で形成されていても、ビードコアの位置精度が高くしかもビードコアを露出させる部位がタイヤ構成部材に形成されないタイヤ、タイヤの製造方法、及び、タイヤ製造用成形型とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1(A)及び(B)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの断面斜視図、及び、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤをリムに装着したときの部分拡大斜視断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのビードコアの断面斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのビードコアが波を打った形状であることを説明する説明図である。
【図4】本発明の一実施形態で、ビードコアの変形例を示す側面断面図である。
【図5】本発明の一実施形態で、ビードコアの変形例を示す側面断面図である。
【図6】本発明の一実施形態で、ビードコアの変形例を示す側面断面図である。
【図7】図7(A)から(C)は、それぞれ、本発明の一実施形態で、タイヤ骨格部材半体を製造する各工程を説明する断面斜視図である。
【図8】図8(D)から(F)は、それぞれ、本発明の一実施形態で、タイヤ骨格部材半体を製造する各工程を説明する断面斜視図である(図7(A)から(C)に連続する工程を説明している)。
【図9】本発明の一実施形態で製造したタイヤ骨格部材半体の断面斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態で、多色成形でタイヤ骨格部材半体を製造することを説明する模式的な平面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのビードコアの変形例を示す断面斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのビードコアの変形例を示す断面斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのビードコアの変形例を示す断面斜視図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのビードコアの変形例を示す断面斜視図である。
【図15】図15(A)から(C)は、それぞれ、本発明の一実施形態の変形例で、タイヤ骨格部材半体を製造する各工程を説明する断面斜視図である。
【図16】図16(D)から(F)は、それぞれ、本発明の一実施形態で、タイヤ骨格部材半体を製造する各工程を説明する断面斜視図である(図15(A)から(C)に連続する工程を説明している)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態の空気入りタイヤ10は、リム20のビードシート部21、及びリムフランジ22に接触する1対のビード部12と、ビード部12からタイヤ径方向外側に延びるサイド部14と、一方のサイド部14のタイヤ径方向外側端と他方のサイド部14のタイヤ径方向外側端とを連結するクラウン部16と、を構成するタイヤ骨格部材(タイヤケース)17と、を備えている。タイヤ骨格部材17は熱可塑性材料で形成されている。
【0022】
タイヤ骨格部材17は、一つのビード部12のうちビードコア18を覆うビード部構成部分12M、一つのサイド部14、及び、半幅のクラウン部16が一体としてモールド等で成形された同一形状とされた円環状のタイヤ骨格部材半体17A(図9参照)を互いに向かい合わせてタイヤセンターCLで接合することで形成されている。なお、タイヤ骨格部材17は、2つの部材を接合して形成するものに限らず、3以上の部材を接合して形成しても良く、1対のビード部12、1対のサイド部14、及びクラウン部16を一体で成形したものであっても良い。
【0023】
タイヤ骨格部材17のうちビード部12を構成するビード部構成部分12Mは、タイヤ内側を構成しビードコア18が形成される前に形成された内側部分12Kと、タイヤ外側を構成しビードコア18が形成された後に形成された外側部分12Jと、からなる。そして、外側部分12Jは、リム20のビードシート部21、及びリムフランジ22に当接している。外側部分12Jは、リムフィット性を向上させるために、内側部分12Kに比べて弾性率がやや低くされている。
【0024】
本実施形態では、タイヤ骨格部材半体17A及びビードコア18は、3種類以上の熱可塑性材料を注入する多色成形で形成される。
また、本実施形態では、タイヤ骨格部材半体17Aは左右対称形状、即ち、一方のタイヤ骨格部材半体17Aと他方のタイヤ骨格部材半体17Aとが同一形状とされ、一方のビードコア18と他方のビードコア18とが同一形状とされている。従って、タイヤ骨格部材半体17A及びビードコア18を成形する金型を、左右別々とせずに1種類で済ますことができる。
【0025】
タイヤ骨格部材17を構成する熱可塑性材料としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)等を用いることができるが、走行時に必要とされる弾性と製造時の成形性等を考慮すると熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が上げられる。
【0026】
また、ビード部12に埋設されたビードコア18を構成する熱可塑性材料としては、オレフィン系、エステル系、アミド系、もしくはウレタン系のTPEか、一部ゴム系の樹脂を混練してあるTPVであることが好ましい。これらの熱可塑性材料としては、例えば、ISO75−2又は ASTM D648 に規定される荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が75℃以上、同じく JIS K7113 に規定される引張降伏伸びが10%以上、同じく JIS K7113 に規定される引張破壊伸びが50%以上、JIS K7113 に規定されるビカット軟化温度(A法)が130℃以上であることが好ましい。
【0027】
ビードコア18は円環状であり、タイヤ骨格部材半体17Aの熱可塑性材料よりも高弾性率の熱可塑性材料からなる。ビードコア18の弾性率は、タイヤ骨格部材半体17Aの弾性率の1.5倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることがより好ましい。1.5倍以下では、空気入りタイヤ10をリム20に組み付けて空気を充填して内圧を上げると、ビード部12がタイヤ半径方向外側に持ち上がってしまってリム20から外れることが考えられる。ビードコア18は硬質樹脂でインサート成形(射出成形)などで形成されたものであってもよく、ビードコア18の形成方法は特に限定しない。
図2に示すように、ビードコア18は例えば断面円形状である。また、図3に示すように、ビードコア半径が変動するようにビードコア18は波を打った形状とすることもでき、この場合、ビードコア18自体がある程度伸びることが可能となり、リム組みが容易となる。
【0028】
また、特に射出成形(インサート成形)する場合、ビードコア18とタイヤ骨格部材半体17Aのビード部構成部分12Mとの接合強度を上げるために、ビードコア18とビード部構成部分12Mとが接合する面を凹凸形状にしてアンカー効果(アンカーを下ろしたように強固に噛み合っている効果)を得られるようにしてもよい。
例えば、図4に示すように、根元側よりもビード部構成部分側のほうが径の大きい逆円錐台状の凸部23Tが配列されたビードコア23としてもよい。なお、図5に示すように、ビード部構成部分側が単に凹凸状であるビードコア24としても、図6に示すように、ビード部構成部分側が断面湾曲凹状であるビードコア25としても、アンカー効果が得られる。また、ビードコアの全周にわたってこれらのような凹凸形状としてもよく、これにより、ビードコアの全周にわたってアンカー効果を得ることができる。なお、アンカー効果の観点では、図4に示した構成とすることが好ましい。
【0029】
このようなアンカー効果を得るための凹凸の深さは、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。2mmよりも深いと、成形品の強度が落ちることが考えられる。また、凹凸の深さが0.05mmよりも浅いと、充分なアンカー効果を得にくい。このような凹凸形状を形成するには、金型の成形面(後述の第1外金型44の成形面、及び、第2外金型46の成形面)に予め対応する凹凸形状を形成しておけばよい。
【0030】
クラウン部16には、螺旋状に巻回されたスチールのコード26からなるクラウン部補強層28が埋設されている。なお、コード26は、全体がクラウン部16に埋設されていても良く、一部分がクラウン部16に埋設されていても良い。このクラウン部補強層28は、従来のゴム製の空気入りタイヤのカーカスの外周面に配置されるベルトに相当するものである。
【0031】
クラウン部補強層28の外周側には、サイド部14を形成している熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れたゴムからなるトレッドゴム層30が配置されている。トレッドゴム層30に用いるゴムは、従来のゴム製の空気入りタイヤに用いられているゴムと同種のゴムを用いることが好ましい。なお、サイド部14を形成している熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れる他の種類の熱可塑性材料からなるトレッド層を外周部に設けても良い。
【0032】
以下、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の製造方法について説明する。以下では、2色成形、或いは3種類以上の熱可塑性材料を注入する多色成形によってビードコア18及びこれを覆うタイヤ骨格部材半体17Aを形成し、その後、2つのタイヤ骨格部材半体17Aを互いに向かい合わせてタイヤセンターで接合することで説明する。
【0033】
本実施形態では、図7、図8に示すような内金型42、第1外金型44、第2外金型46、及び、第3外金型48を備えた金型40を用いる。
第1外金型44は、内金型42との間でタイヤ骨格部材半体主部17Mを形成するものである。ここで、タイヤ骨格部材半体主部17Mは、ビード部構成部分12Mの内側部分12K、サイド部14、及び、クラウン部16まで構成する。
【0034】
第2外金型46は、タイヤ骨格部材半体主部17Mとの間でビードコア18を形成するものである。
第3外金型48は、タイヤ骨格部材半体主部17M及びビードコア18との間でビード部構成部分12Mの外側部分12Jを形成するものである。
金型40に形成されるゲート(熱可塑性材料注入路。図示せず)は、ピンゲートであってもよいが、成形性の観点でディスクゲートのほうが好ましい。
【0035】
本実施形態では、まず内金型42に第1外金型44を合わせ、形成されたキャビティ内に熱可塑性材料を注入してタイヤ骨格部材半体主部17Mを形成する(図7(A)参照)。
次に、第1外金型44を外し、第2外金型46を内金型42の外側に合わせる。この結果、第2外金型46とタイヤ骨格部材半体主部17Mとの間にビードコア形成用の空間(キャビティ)が形成される(図7(B)参照)。この空間内にビードコア用熱可塑性材料を注入してビードコア18を形成する(図7(C)参照)。
【0036】
更に、第2外金型46を外し(図8(D)参照)、第3外金型48を内金型42の外側に合わせる。この結果、第3外金型48とタイヤ骨格部材半体主部17M及びビードコア18との間にビード部構成部分12Mの外側部分用の空間が形成される(図8(E)参照)。この空間内に、外側部分用の熱可塑性材料を注入して外側部分12Jを形成する(図8(F)参照)。外側部分用の熱可塑性材料は、タイヤ骨格部材半体主部17Mを形成する際に注入した熱可塑性材料に比べ、固化状態での弾性率が低いものを用いる。
そして第3外金型48を取り外して、ビードコア18を覆っているタイヤ骨格部材半体17Aを取り出す(図9参照)。
【0037】
なお、タイヤ骨格部材半体17Aとビードコア18との間に1層或いは2層の接着剤層を形成してもよい。この場合、タイヤ骨格部材半体主部17Mを成形した後、タイヤ骨格部材半体主部17Mのビードコア18と当接する表面に接着剤層を塗布し、更にビードコア18を成形した後、ビードコア18の露出表面に接着剤層を塗布し、外側部分12Jを成形することによって、この接着剤層が形成される。また、接着剤を塗布する部位の表面をサンドペーパーなどでバフ研磨しておくと接着力が向上する。そして、接着力を向上させるためには、接着剤を塗布した後にある程度乾燥させておくことが好ましい。このため、接着剤を塗布する際には、湿度70%以下の雰囲気で行うことが好ましい。接着剤としては、例えばトリアジンチオール系のものであるが、塩化ゴム系接着剤、フェノール系樹脂接着剤、イソシアネート系接着剤、ハロゲン化ゴム系接着剤など、特に制限はない。このように接着剤層を形成することによって、タイヤ骨格部材17とビードコア18との接着力により、タイヤ骨格部材17に対するビードコア18の相対移動を効果的に防止することができる。
【0038】
また、このような多色成形を行う場合、平板状の回転体の上に金型40を複数配置し、回転体を回転移動させることによって、タイヤ骨格部材半体主部を構成する熱可塑性材料を注入する位置、ビードコア用の熱可塑性材料を注入する位置、外側部分用の熱可塑性材料を注入する位置、に各金型40を順次移動させて、各熱可塑性材料を順次注入してタイヤ骨格部材半体17Aを製造してもよい。例えば、図10に示すように、平板状の回転体の上に3つの内金型42P〜Rを配置し、回転体50の紙面上部でタイヤ骨格部材半体主部17Mを構成する熱可塑性材料の注入を行う位置とし、回転体50の紙面左下部でビードコア用の熱可塑性材料の注入を行う位置とし、回転体50の紙面右下部で外側部分12Jを構成する熱可塑性材料の注入を行う位置とし、内金型42P〜Rで互いに併行してタイヤ骨格部材半体17Aを製造してもよい。これにより、複数のタイヤ骨格部材半体17Aを製造する時間を大幅に短縮することができる。
【0039】
その後、2つのタイヤ骨格部材半体17Aを、互いに向かい合わせにタイヤセンターで突き当て、溶接用熱可塑性材料19(図1参照)を接合部位に向けて押出すことで接合して、ビード部12に熱可塑性チェーファー24が形成されたタイヤ骨格部材17(図1参照)を製造する。溶接用熱可塑性材料19は自然冷却により次第に固化し、一方のタイヤ骨格部材半体17Aと他方のタイヤ骨格部材半体17Aとが溶接用熱可塑性材料19(図1参照)によって接合されることになる。なお、接合する際、2つのタイヤ骨格部材半体17Aの内部に、薄い金属板からなる筒状のタイヤ内面支持リングを配置して、タイヤ内面支持リングを回転させることにより2つのタイヤ骨格部材半体17Aを回転させつつ、溶融した溶接用熱可塑性材料をノズルから接合部位に向けて押し出すことで、接合部位に沿って溶融した溶接用熱可塑性材料19を形成してもよい。その際、ローラを溶接用熱可塑性材料に押し付けながら2つのタイヤ骨格部材半体17Aを回転させることにより、溶接用熱可塑性材料の表面を平らにしてもよい。
【0040】
そして、タイヤ骨格部材17を回転装置で回転させつつ、コード供給装置(図示せず)から排出された加熱されたコード26をタイヤ骨格部材17の外周面に螺旋状に巻き付けてクラウン部補強層28を形成する。コード26をタイヤ骨格部材17の外周面に螺旋状に巻き付けるには、タイヤ骨格部材17を回転しながら、コード供給装置をタイヤ骨格部材17の軸方向に移動させれば良い。
【0041】
なお、タイヤ骨格部材17を構成する熱可塑性材料の融点よりもコード26を高温に加熱(例えば、コード26の温度を100〜200°C程度に加熱)することで、コード26が接触した部分の熱可塑性材料が溶融し、タイヤ骨格部材17の外周面にコード26の一部または全体を埋設することができる。コード26の埋設量は、コード26の温度、コード26に作用させるテンション等によって調整することができる。
【0042】
その後、路面に接する部位にゴム材(トレッドゴム30。図1参照)を貼り付けて、耐摩耗性、耐破壊性を向上させた空気入りタイヤ10が製造される。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、ビード部構成部分12Mの内側部分12Kを有するタイヤ骨格部材半体主部17Mを成形し、次に、ビードコア18を成形し、更に、ビード部構成部分12Mの外側部分12Jを成形している。従って、従来のように支持体をビードコア18に当接させておく必要がないので、ビードコア18を露出させる部位がタイヤ骨格部材半体17Aに形成されない。また、ビードコア18を成形する際、内側部分12Kにビードコアの外周形状に応じた凹部17D(図1(B)、図7(A)参照)を形成するように第1外金型44の成形面の形状を予め設定しておけばよいので、ビードコア18の形成位置精度が高い。また、ビードコア18の形状設定の自由度が従来に比べて大幅に向上する。
【0044】
更に、タイヤ骨格部材17及びビードコア18が多色成形で形成されており、金属製のビードコアを用いてゴムで成形(加硫)する場合に比較して、製造工程を大幅に簡略化でき、成形時間が短くて済む。
また、タイヤ骨格部材17はサイド部14及びクラウン部16も構成しており、しかも溶接用熱可塑性材料19によって2つのタイヤ骨格部材半体17AがタイヤセンターCLで接合されている。従って、タイヤ強度が効率的に高くなっている。
【0045】
また、ビードコア18は、ビードコア半径が変動するように波を打った形状とされており、ビードコア18自体がある程度伸びることが可能となっている。従って、タイヤをリム組みし易い。
また、ビード部構成部分12Mの外側部分12Jは内側部分12Kに比べて弾性率が低い。この外側部分12Jはリム20に当接するので、これにより、タイヤのリムフィット性が向上している。
【0046】
また、予めタイヤ骨格部材半体主部17Mを形成しておき、金型40を用いる際には、タイヤ骨格部材半体主部17Mを内金型42にセットして第2外金型46を内金型42に合わせ、タイヤ骨格部材半体主部17Mと第2外金型46との間にビードコア18を成形することから始めてもよい。
【0047】
なお、ビードコアは断面形状が円形のものに限る必要はなく、周方向に凹凸状とされたビードコアであってもよい。例えば、図11に示すように断面正五角形状のビードコア58、図12に示すように断面形状に複数の湾曲凸部64が形成されたビードコア68、図13に示すように断面形状が星型のビードコア78、図14に示すように、断面形状に複数の棘状凸部84が形成されたビードコア88などであってもよい。これにより、ビードコア58、68、78、88とタイヤ骨格部材半体のビード部構成部分12Mとの接触面積が増大し、ビードコア58、68、78、88のビード部構成部分12Mに対する相対変位が抑制され、ビードコア58、68、78、88がタイヤ構成部材に安定して保持され易い。
【0048】
ここで、図12に示したビードコア68では、断面形状に隅部66が形成されている、すなわち、ビードコア68の断面において、互いに交差する2本の直線の交差角度が180°よりも大きい角度範囲でビードコア68の熱可塑性材料が凹部を形成している。従って、隅部66には角度180°未満の熱可塑性材料からなるビード部構成部分12Mが入り込んでいる。より詳しく説明すると、ビードコア68では、180°よりも大きい角度θ1の隅部66をビードコア68の熱可塑性材料が形成しており、従って、この凹状の隅部66にビード部構成部分12Mの熱可塑性材料が入り込んでいる。同様に、図13に示すように、ビードコア78では、180°よりも大きい角度θ2の隅部76をビードコア78の熱可塑性材料が形成しており、この隅部76にビード部構成部分12Mの熱可塑性材料が入り込んでいる。ビードコア88についても同様である。このような断面形状のビードコア68、78、88とすることにより、熱可塑性材料の動きがより規制されるので、ビードコアのビード部構成部分12Mに対する相対変位が更に効果的に抑制され、しかも、ビードコア周辺でビード部構成部分12Mの剥離が生じることを更に防止できる。
【0049】
また、タイヤ骨格部材17には、クラウン部以外(例えばサイド部14)にも、補強材(高分子材料や金属からなる繊維、コード、不織布、織布等)が埋設配置されていてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、内金型42、第1外金型44、第2外金型46、及び、第3外金型48を備えた金型40を用い、内金型42の外側にタイヤ骨格部材半体17Aを成形したが、図15、図16に示すように、外金型102、第1内金型104、第2内金型106、及び、第3内金型108を備えた金型100を用い、外金型102の内側にタイヤ骨格部材半体117Aを成形してもよい。
【0051】
この場合、第1内金型104は、外金型102との間でタイヤ骨格部材半体主部117Mを形成するものである。ここで、タイヤ骨格部材半体主部117Mは、ビード部構成部分112Mの外側部分112J、サイド部114、及び、クラウン部116まで構成する。第2内金型106は、タイヤ骨格部材半体主部117Mとの間でビードコア118を形成するものである。第3内金型108は、タイヤ骨格部材半体主部117M及びビードコア118との間でビード部構成部分112Mの内側部分112K(何れも図16(E)参照)を形成するものである。
【0052】
そして、まず外金型102に第1内金型104を合わせ、形成されたキャビティ内に熱可塑性材料を注入してタイヤ骨格部材半体主部117Mを形成する(図15(A)参照)。次に、第1内金型104を外し、第2内金型106を外金型102の内側に合わせる。この結果、第2内金型106とタイヤ骨格部材半体主部117Mとの間にビードコア形成用の空間(キャビティ)が形成される(図15(B)参照)。この空間内にビードコア用熱可塑性材料を注入してビードコア118を形成する(図15(C)参照)。なお、第2内金型106を用いずに、別成形品として形成されたビードコア118を外側部分112Jのタイヤ内側に配置することも可能であり、これにより、製造時間の短縮化が図られる。
【0053】
更に、第2内金型106を外し、第3内金型108を外金型102の内側に合わせる。この結果、第3内金型108とタイヤ骨格部材半体主部117M及びビードコア118との間にビード部構成部分112Mの内側部分用の空間が形成される(図16(D)参照)。この空間内に、内側部分用の熱可塑性材料を注入して内側部分112Kを形成する(図16(E)参照)。その際、外側部分用の熱可塑性材料、すなわちタイヤ骨格部材半体主部117Mを形成する際に注入した熱可塑性材料として、内側部分112Kを形成する際に注入した熱可塑性材料に比べて固化状態での弾性率が低いものを用いることで、リム組み性を良好にすることが可能である。
内側部分112Kを形成した後、第3内金型108を取り外して、ビードコア118を覆っているタイヤ骨格部材半体117Aを取り出す。
【0054】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、製造工程の順序を適宜変更することが可能である。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
10 空気入りタイヤ(タイヤ)
12 ビード部
12K 内側部分(タイヤ内側部分)
12J 外側部分(タイヤ外側部分)
14 サイド部
17 タイヤ骨格部材(タイヤ構成部材、タイヤ骨格部材)
17A タイヤ骨格部材半体(タイヤ構成部材、タイヤ骨格部材)
18 ビード部
23 ビードコア
24 ビードコア
25 ビードコア
40 金型(タイヤ製造用成形型)
42 内金型
44 第1外金型(第1外成形型)
46 第2外金型(第2外成形型)
48 第3外金型(第3外成形型)
58 ビードコア
66 隅部
68 ビードコア
76 隅部
78 ビードコア
88 ビードコア
100 金型(タイヤ製造用成形型)
102 外金型
104 第1内金型(第1内成形型)
106 第2内金型(第2内成形型)
108 第3内金型(第3内成形型)
112K 内側部分(タイヤ内側部分)
112J 外側部分(タイヤ外側部分)
114 サイド部
117A タイヤ骨格部材半体
118 ビードコア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料からなるビードコアと、
熱可塑性材料からなり、少なくともビード部を構成して前記ビードコアを覆うタイヤ構成部材と、
を備えた、タイヤ。
【請求項2】
前記タイヤ構成部材が、ビード部からクラウン部まで構成するタイヤ骨格部材である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記ビードコアが周方向に凹凸状とされている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記ビードコアの断面形状には隅部が形成されている、請求項3に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記ビードコアが周方向に波を打っている、請求項1〜4のうち何れか1項に記載のタイヤ。
【請求項6】
少なくともビード部のタイヤ内側部分を熱可塑性材料で成形し、
前記タイヤ内側部分のタイヤ幅方向外側にビードコアを熱可塑性材料で成形し、
少なくともビード部のタイヤ外側部分を熱可塑性材料で成形して前記タイヤ内側部分とで前記ビードコアを覆う、タイヤの製造方法。
【請求項7】
少なくともビード部のタイヤ外側部分を熱可塑性材料で成形し、
前記タイヤ外側部分のタイヤ幅方向内側にビードコアを熱可塑性材料で成形し、
少なくともビード部のタイヤ内側部分を熱可塑性材料で成形して前記タイヤ外側部分とで前記ビードコアを覆う、タイヤの製造方法。
【請求項8】
前記タイヤ外側部分を成形する際、固化状態では前記タイヤ内側部分よりも弾性率が低い熱可塑性材料で成形する、請求項6又は7に記載のタイヤの製造方法。
【請求項9】
少なくともビード部のタイヤ内側を成形する内成形型と、
前記内成形型との間で少なくとも前記ビード部のタイヤ内側部分を成形する第1外成形型と、
前記タイヤ内側部分の成形後に前記第1外成形型と交換され、前記タイヤ内側部分との間で前記ビードコアを成形する第2外成形型と、
前記ビードコアの成形後に前記第2外成形型と交換され、前記タイヤ内側部分及び前記ビードコアとの間で少なくとも前記ビード部のタイヤ外側部分を成形する第3外成形型と、
を備えた、タイヤ製造用成形型。
【請求項10】
少なくともビード部のタイヤ外側を成形する外成形型と、
前記外成形型との間で少なくとも前記ビード部のタイヤ外側部分を成形する第1内成形型と、
前記タイヤ外側部分の成形後に前記第1内成形型と交換され、前記タイヤ外側部分との間で前記ビードコアを成形する第2内成形型と、
前記ビードコアの成形後に前記第2内成形型と交換され、前記タイヤ外側部分及び前記ビードコアとの間で少なくとも前記ビード部のタイヤ内側部分を成形する第3内成形型と、
を備えた、タイヤ製造用成形型。
【請求項11】
少なくともビード部のタイヤ外側を成形する外成形型と、
前記外成形型との間で少なくとも前記ビード部のタイヤ外側部分を成形する第1内成形型と、
前記タイヤ外側部分が成形され、前記第1内成形型が取り外されて前記タイヤ外側部分のタイヤ内側にビードコアが配置された後、前記タイヤ外側部分及び前記ビードコアとの間で少なくとも前記ビード部のタイヤ内側部分を成形する第3内成形型と、
を備えた、タイヤ製造用成形型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−42237(P2011−42237A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191233(P2009−191233)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】