説明

タワー式の多極的風洞効果を利用した、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構による垂直軸型風力運動エネルギー生成装置

【課題】全体のユニット構造を簡素化し、軽量で、運転の信頼性が高く、製造及びメンテナンスのコストの低廉を図ること。
【解決手段】垂直軸型風力運動エネルギー生成装置は、主としてマルチフロア設計のタワーを提供し、タワー内に複数組の風力機ユニットを設けてコンピュータによって上・下フロアプレートの側面ゲートウォールを制御して風力エネルギーの流れ方向を引導する。前記風力機ユニットには、更に、その他の構造を搭載するための風力機固定台座と、軸受けによって円形荷重平台を設け、自由に回転可能なエネルギー出力ユニットを含み、前記平台の上にスリーブを設け、このスリーブは、前記円形荷重平台外部に設置され、且つ一体回転することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力運動エネルギー生成分野、特にタワー式の多極的風力ユニットにおいて、垂直軸型に配置された風力運動エネルギー機構に関するものである。このユニットは、タワー式の風洞効果を利用し、抗力翼片及び揚力翼片の組合せによって風力エネルギーを接収し、抗力翼片の90度垂直面で風を切り、揚力翼片のサイドフォースを加えて遠心力フライホイール式回転を起こし、更に風力機の運動エネルギー機構を推進させる。ユニットの慣性的回転運動によって、持続的エネルギー出力を生成させるもので、タワー式の多極的風洞効果を利用した、抗力翼片及び直立式揚力翼片による複合式回転機構であり、別名風洞式垂直軸型風力運動エネルギー生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人類には既に風力エネルギーを数千年使用した歴史がある。風力発電の原理は、風力を利用して風車の翼片、或いはフライボールを回転させ、増速機によって回転速度を向上させ、発電機を発電させる。
図11、図12に示すように、従来の風力エネルギー源を運用する装置は、三枚翼片、或いは多数翼片の「水平軸、或いは垂直軸」型風車翼片、或いはフライボールを使って発電機の機軸を回転させるものである。翼片、或いはフライボールの回転運動は、空気動力の作用(揚力及び抗力を含む)に由来するもので、翼片、或いはフライボールに対してトルクが発成し、トルクから回転運動の慣性質量が生まれ、その運動エネルギーによって有用な機械的エネルギー、或いは電気エネルギーに転換される。
【0003】
水平軸型風車の風力タービンの機軸は地面と平行して据え付けられ、最大風力エネルギーを捕らえるためには、風向きによって針路調整装置で調整する必要が有る。現行の水平軸型風車は圧倒的に大きい比例を占めているが、水平軸型風車では、複雑地形風、乱気流及び騒音が大きすぎる問題を解決しにくい。
【0004】
「水平軸、或いは垂直軸」型のどちらにしても、従来の風車の翼片はつぎのような欠点がある。
(1)翼片、或いはフライボールは、ただ一部分の風力エネルギーしか利用できず、大部分の翼片、或いはフライボールは、断面に当たる風及び乱気流などの要因によって、風エネルギーの有効転換率は約20%〜30%の間に有る。
実際には風向きが変わるので、元の効率の約七割しか残らず、更に機械的電気的転換の消耗により、出力効率は残り少ないものとなる。
(2)巨大なエネルギーを生成するには、一層大きな風力装置を設置しなければならず、据え付けや分解保守がかなり困難で有るばかりでなく、更に工事のコストが増える。
(3)強風の作用下では、翼片が風を切る際に明らかに乱気流が起こり、それに風向きが変わる要素が加わって、風力が超強等級に達した場合、風力翼片に損害をもたらす恐れがあるので、機械が壊れるのを避けるためには、風車の運転を停止しなければならない。
(4)一般的に言って、風力の強さは地表の高さに正比例する、従って有効な風力を得るためには、高いところに設置するのが最も好ましいが、従来型の風車を大きくすればするほど、コストが増え、同時に保守上の困難も増加する。
(5)風況において最も制御が難しく且つ最も重大な問題になるのは乱気流であり、風力翼片の大部分が折れたり破壊されたりするのは、瞬間的強力な乱気流のためであり、このことは、現在市場でコントロールしにくいことでも有る。
【0005】
図13に示すように、風力エネルギーの応用を高めるため、風力タービンは空気動力学の原理を応用する。その二つの主な受力は揚力U(風向きに垂直作用する)及び抗力D(風向きに平行作用する)である。その翼片構造によって、空気動力の性質を向上させることができる。これれら改良翼片の形状断面は飛行機の翼に類似している。
尚、本件の発明者は、従来の風力エネルギー源装置の問題を解決するため、米国特許第7,413,404号「軌跡幌型動力生成装置/Sail Wing Type Windmill」を提示した。これは垂直軸型風力運動エネルギー設計を採用し、「抗力翼片」を利用して空気動力中の抗力を取得し、且つ逆向きの時にリアルタイムに翼片の角度を調整し、最大風力エネルギーを截ち取り、且つ弱風の時に抗力が生じるのを避ける。これによって現行風力運動エネルギー装置より一層好ましい効能を生成させるものである。
【0006】
図14に示すように、この技術は風面を迎えて最大風力エネルギーを取得したとき、抗力翼片の後方で負圧Fを形成する。この区域は回転中の翼片に対して反対方向の推力で抗力を形成し、風力使用の効能を低下させる。
尚、回転角度をコントロールするとき、凸輪軸上で、ガイド溝の中でスライドするとき、Y軸及びX軸の組合せしか設計されていないため、逆方向回転するとき、X軸が上へ向かったときにレールから外れる事がある(図7A、図7B参照)。
これによって分かるように、上述した従来技術には尚欠点があり、よい設計とは言いがたく、その改良が待たれていた。
【0007】
本件の発明者は、上述した従来の幌型動力生成装置に派生する欠点に鑑みてなされたもので、極力新規改良を試み、長年苦心研鑽の末、ついに本件の機構によって、風況メカニズムをコントロールするタワー式の多極ユニットで風洞効果を利用し、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構によって安定した風力エネルギーを接収するようにしたものが、即ち「風洞式垂直軸型風力エネルギー生成装置」である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主要な目的は、風況中の高低気流、サイドフォースを一定の風洞方向へ有効にコントロールすることによって、安定した風力運動エネルギーを出力できる風力エネルギー安定機構の装置を提供することにある。
本発明の二番目の目的は、タワー式の多極機構を採用し、複数セットのユニットを搭載して運転し、フロア設計及びコンピュータ制御ゲートウォールを運用して風力エネルギーの流れを引導し、有効に垂直軸型風力運動エネルギー装置の風圧を制御できるようにすることである。
本発明の三番目の目的は、「流水式抗力翼片」の設計を提供し、抗力翼片の風を切る断面に負荷がかかるとき、翼片上に設計された斜め穴を利用して負荷風力エネルギーを翼片の背面に流して、流水式抗力翼片を形成し、且つ一般抗力翼片に生じる風力抵抗効果を改善し、風力エネルギー及び機械的エネルギーの転換効率を向上させる技術の装置を提供することにある。
本発明の四番目の目的は、流水式抗力翼片と風向きが90度角度を保持する設計によって、風向きがいつも風を切る断面を指し、風力運動エネルギーの出力を安定させる垂直軸型風力運動エネルギー生成装置の機構設計を提供することにある。
本発明の五番目の目的は、流水式抗力翼片及び直立式揚力翼片によって慣性的フライホイールを推進して回転させる垂直軸型風力運動エネルギー生成装置を提供することにある。
本発明の六番目の目的は、フライホイールによって発成した慣性及び遠心力を利用して、エネルギーを蓄積し且つ出力エネルギーの安定性を高め、及び有効に効能を平準化させることの出来る垂直軸型風力運動エネルギー生成装置を提供することにある。
本発明の七番目の目的は、ユニット部品を全てモジュール化し、且つ単独に取替え使用でき、全部一般工事材料及び製造技術を使用し、製造周期が短く、施工メンテナンスコストの安い、安全且つ据付が便利な、より好ましい垂直軸型風力運動エネルギー生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
タワー式多極的に利用される風洞効能は、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構を用いる。
発明に係る「風洞式垂直軸型風力運動エネルギー生成装置」は、タワーと、風力機固定台座と、エネルギー出力ユニットと、方向決めユニットと、を含む。
前記タワーは、マルチフロア設計を採用し、複数組の風力ユニットを設けてコンピュータで上下フロアプレートの側面ゲートウォールを制御して風力エネルギーの流れ方向を引導する。
記風力機固定台座は、その他の構造を搭載するために用いられる。
前記エネルギー出力ユニットは、固定台座の上に軸受けによって自由に回転できる円形荷重平台を設け、平台の上にはスリーブが設けられ、前記スリーブは前記円形荷重平台外部にセットされ且つ一体となって回転することが出来る。スリーブの外に翼片ユニットを連接し、この翼片ユニットは、上・下層の繋ぎ部を有し、前記二つの繋ぎ部はスリーブの上・下端に固定され、各繋ぎ部には複数の翼片モジュールが連接され、一つ一つの翼片モジュールには複数の抗力翼片が含まれ、その抗力翼片の一端に回転軸が設置され、前記回転軸末端に凸輪軸が設けられ、凸輪を軌跡制御ガイド溝へ深く嵌めさせ、軌跡のX.Y.Z.三軸方向運動を利用すると、凸輪を完全に軌跡の上に落ち着かせ、同時に抗力翼片の角度を調整できる。
翼片モジュールでは、抗力翼片の外側に複数の直立式揚力翼片を設けてあり、受風の時揚力翼片にバイアスが生じ、ユニットを回転させる。揚力翼片の最外側にフライホイールを設け、遠心力フライホイールが回転すると、エネルギーの蓄積及び平準化の二つの効能があり、エネルギーの出力を維持する。又、スリーブ底部の円形荷重平台は、その中心に出力軸が連接され、発電機に接続して発電を行う。
前記方向決めユニットは、回転導引管を有し、円形荷重平台の上に設置されて軸受けによって独立回転することができる、前記回転導引管表面に軌跡制御ガイド溝を設置し、そして方向決めユニットの頂部には風向き決め装置がある。この装置の後端に導流テールプレートが有って、風向き決め装置を風表へ向かって維持させ、風の方向によって回転導引管を回転させ、自動的に翼片ユニットの風に向かう角度を調整できる。
【発明の効果】
【0010】
1.本発明は、タワー式の多極機構を採用し、多数のユニットを搭載して運転し、フロア設計及びゲートウォールのコンピュータ制御によって風力エネルギーの流れ方向を引導し、有効に垂直軸型風力運動エネルギー装置の風圧を制御して、全体のユニット構造を簡素化し、軽量で、運転の信頼性が高く、製造及びメンテナンスのコストが低廉である。
2.本発明に係る抗力翼片及び直立式揚力翼片によって回転される垂直軸型風力運動エネルギー生成装置は、翼片と風向きが90度の角度となるように機構設計され、いつも風表へ向かうようになっている。
3.風速制限の起動点が低く、低速の時でも、エネルギーを貯蔵ボックスへ転送して保存し、一定の貯蔵量に達したときに発電させることが出来るので、発電効率が高く、単位当たりのコストが安い。
4.軽量化の設計を採用し、且つ機構及び構造の強度を強化したので、強風が襲来しても機械を止めなくてよいだけでなく、かえってハイエネルギーが入力され、満載発電を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るタワー式の多極的風洞効果によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構を用いた垂直軸型風力運動エネルギー生成装置の斜視図である。
【図2】前記垂直軸型風力運動エネルギー生成装置の平面図である。
【図3】前記垂直軸型風力運動エネルギー生成装置の風力ユニットの斜視構造断面図である。
【図4】前記垂直軸型風力運動エネルギー生成装置の回転導引管区域の構造拡大図である。
【図5】本発明に係るタワー式構造の斜視図である。
【図5A】本発明に係るタワーフレームであり、風力ユニットの設置位置の構造略図である。
【図6】前記垂直軸型風力運動エネルギー生成装置の抗力翼片の構造斜視図である。
【図6A】前記垂直軸型風力運動エネルギー生成装置の直立式揚力翼片の構造斜視図である。
【図6B】前記垂直軸型風力運動エネルギー生成装置のフライホイール式慣性質量単元の構造斜視図である。
【図7】前記垂直軸型風力運動エネルギー生成装置の凸輪軸の構造斜視図である。
【図7A】前記凸輪軸の作動略図(一)である。
【図7B】前記凸輪軸の作動略図(二)である。
【図7C】前記凸輪軸の作動略図(三)である。
【図8】本発明の蝶つがい単元の構造斜視図である。
【図9】本発明に係る全直立式揚力翼片の構造設計斜視図である。
【図10】本発明に係る全抗力翼片の構造設計斜視図である。
【図11】慣用垂直軸型風車の外観略図である。
【図12】慣用水平軸型風車の外観、及び翼片の形状が風力分布に影響する動作略図である。
【図13】慣用水平軸型風車の風力分布原理図である。
【図14】発明者の以前の技術による構造の欠点略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜図5Aは、本発明に係るタワー式の多極的風洞効果を利用した、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構による垂直軸風力運動エネルギー生成装置を示す。
【0013】
本発明に係る垂直軸風力運動エネルギー生成装置は、主としてタワー5と、風力機固定台座1と、エネルギー出力ユニット3と、方向決めユニット2と、を含む。
【0014】
タワー5はマルチフロア設計を採用し、複数組の風力機を設けて、コンピュータにより上・下フロアプレートの側面ゲートウォール51をコントロールして、風力エネルギーの流れ方向を引導する。
【0015】
前記ゲートウォール51は、風向き、風速によって開いたり閉じたりすることが出来、これによって風量が出入りできる風洞を形成し、乱気流の発成を抑制する。
且つ前記ゲートウォール51の上には、別途強風を防止する風孔52を設置し、風圧が過大であるときは、ゲートウォール51を降ろして瞬間的な風を阻み、一方、風孔52によって、適当な風圧を流入させ、仕事を進行することが出来る。
【0016】
前記風力機には、更に、風力機固定台座1と、エネルギー出力ユニット3と、方向決めユニット2及びアンテナと計器装置4が含まれる。
【0017】
前記風力機固定台座1は、タワー5の上に固定され、主としてその他の構成部品を組み立てて搭載するためである。ただし、この施工は本発明の請求するところではないので、ここでは詳述しない。
【0018】
前記エネルギー出力ユニット3の底座には円形荷重平台39が設置され、軸受け322によって風力機固定台座1に支承され、自由に回転することが出来る。
【0019】
円形荷重平台39の上にはスリーブ32が設けられる。前記スリーブ32は前記円形荷重平台39の外部にセットされ、且つ一体となって回転することが出来る。
前記スリーブ32の外に翼片ユニット30が連接される。この翼片ユニット30には、上・下繋ぎ部33を有する。
【0020】
前記二つの繋ぎ部33はスリーブ32の上・下端に固定され、各繋ぎ部33には複数の翼片モジュール34が連接され、一つ一つの翼片モジュール34には複数の抗力翼片35が含まれる。この抗力翼片35の一端には回転軸351が設置され、前記回転軸351の末端には凸輪軸38が設けられる。
【0021】
前記凸輪軸38には軌跡制御ガイド溝23に深くはめ込まれた凸輪381が設置され、軌跡のX.Y.Z.三軸方向の運動によって凸輪381を軌跡の上に深く落ち着かせ、同時に抗力翼片35の角度を調整することが出来る。
【0022】
翼片モジュール34では、抗力翼片35の外側に複数の直立式揚力翼片36を設け、受風時揚力翼片36にバイアスが生じ、ユニットを回転させる。揚力翼片36の最外側にフライホイール6(図2に示すように)を設ける。フライホイール6は、外側の数枚の翼片複合構成で形成されたカウンターウェイトにより、遠心力フライホイール式で回転すると、エネルギーの蓄積及び平準化の二つの効能があり、エネルギーの出力を維持する。
【0023】
尚、スリーブ底部の円形荷重平台39は、その中心に出力軸31が連接され、発電機(図示せず)に接続して発電を行う。
【0024】
前記方向決めユニット2には、円形荷重平台39の上に設置された回転導引管21がある。且つ円形荷重平台39との間には軸受け22を設け、独立して回転することが出来るる。
前記回転導引管21の表面には前記軌跡制御ガイド溝23が設置される。
【0025】
そして方向決めユニット2の頂部には風向き決め装置24がある。この風向き決め装置24の後端には導流テールプレート25が有り、風向き決め装置24を常に風表へ向かわせ、風の方向によって回転導引管21を回転させ、自動的に翼片ユニット30の風を迎える角度を調整することが出来る。
【0026】
前記アンテナと計器装置4から下へ向かって導管40が延伸される。この導管40は、前記風力機固定台座1と、エネルギー出力ユニット3と、方向決めユニット2との中心に穿設される。且つ前記導管40は、風力機固定台座1と、方向決めユニット2及び出力軸31の間に軸受けによって区分されていて、個別の回転を妨げることがない。前記導管40によって頂端のアンテナと計器装置4、或いは避雷針の導線が下へ向かって地上まで延伸し、その他の用途に備えている。
【0027】
図3を再度参照して説明する。前記翼片ユニット3のスリーブ32の底部には延伸スリーブ321が連接されている。前記延伸スリーブ321の辺縁は内へ折れ曲がって風力機固定台座1の底部に嵌め込まれていて、且つ延伸スリーブ321及び風力機固定台座1の間に軸受け323が設置されることによって、前記出力ユニット3のブレを安定させると共に、雨水やホコリによる汚染を回避して長時間の運転を維持することが出来る。前記スリーブ32の外部にはブレーキ盤7が設置されていて、機械を止めてメンテナンスがし易いようにしてある。
【0028】
又、図1は、前記翼片ユニット30の各翼片モジュール34、或いは繋ぎ部33の間に別途に支持架341、或いは引き紐342で直列に繋ぐことによって、安定性を強めている。前記支持架341、或いは引き紐342の経路は抗力翼片35の最大展開箇所を通過するようにしてある、その目的は、前記抗力翼片35が瞬間過大風力を受けた場合に、支持架341、或いは引き紐342に接触して破壊されるのを防止できるようにするためである。
【0029】
図6を参照して説明する。翼片の風力抵抗を減少するため、本発明では、角度調整可能な抗力翼片35を利用して、順風の時には最大風圧を受け、逆風を迎える時は抗力翼片35を上へ揚げ、風力を抗力翼片35の両側から流し去らせるようになっている。同時に、前記抗力翼片35の表面には斜め穴352が設置されている。前記斜め穴352は、順風の時には一部分の風力を前方方向へ流し去ることによって、前記抗力翼片35の背風面に抗力を形成することを避ける事が出来るので、大幅に翼片の風力抵抗が生じることを減少することが出来る。
【0030】
図6A、図6Bを参照して説明する。回転慣性質量を増加するため、本発明では、最外側の揚力翼片36の質重を増やしてフライホイール式慣性質量単元37を形成した。前記フライホイール式慣性質量単元37と外側の数枚の揚力翼片36を複合に構成してフライホイール6を形成し、より大きな質重及びより長いトルクによって、回転するときに自然と慣性質量が生じて回転運動を維持することによって、前記エネルギー出力ユニット3が回転起動後長時間に亘って慣性質量平衡回転運動を行い、安定した風力に対する依存性を減少することが出来る。
【0031】
前記直立式揚力翼片36とフライホイール式慣性質量単元37の断面は機翼の造型を呈している。ベルヌーイの原理を利用することによって、直立式揚力翼片では風力が流れ去るとき、自然に揚力が生じて前記エネルギー出力ユニット3を回転させることが出来る。
【0032】
図4、図7〜図7Cを参照して説明する。前記抗力翼片35の風を迎える角度を良好に維持するためには、凸輪381を軌跡制御ガイド溝23の中に常時はまりこませていなければならない。前記回転導引管21の断面は円形であるため、前記凸輪381が回転するとき、前記軌跡制御ガイド溝23との相対距離はいつも変化することがある。従って、本発明に係る凸輪軸38は、回転軸382にパッキングブロック383を連接する。このパッキングブロック383はスプリング384に支えられる。且つ前記パッキングブロック383の一端に球形回転軸385が設置される。そして前記凸輪381は、前記球形回転軸385の上に設置されている。
【0033】
このようにして、前記凸輪381は、一番最初に軌跡制御ガイド溝23の底部(図7A)に接触し、翼片ユニット30が回転運動すると、前記凸輪軸38が軌跡制御ガイド溝23の中で移動し、且つ前記凸輪381を牽引してX、Y軸の平面上で偏移して、前記凸輪381を軌跡制御ガイド溝23の底部(図七B)からズラす。このとき、スプリング384が推力を生じてパッキングブロック383によって凸輪381をZ軸方向へ向かって移動させる。そして、前記球形回転軸385は、軌跡制御ガイド溝23の高低変化中においても、凸輪381を軌跡制御ガイド溝23の中に深く保持し、X.Y.Z.三軸方向運動によって凸輪381を完全に軌跡制御ガイド溝23の上に落ち着かせることが出来る。
【0034】
図8に示すように、実際の天候の中で、瞬間的強大風力のために前記抗力翼片35が損害を受ける可能性が有る。それゆえ、本発明では前記抗力翼片35と回転軸351の間に蝶つがい単元353を設置してある、前記蝶つがい単元353は、開くときに必要な力を実務によって予め設定し、前記抗力翼片35が瞬間的強大風力を受けて設定値をオーバーしたときは、蝶つがい単元353の翼片354を開くことによって抗力翼片35の受ける衝撃を緩衝し、前記抗力翼片35の構造強度を維持することが出来る。
【0035】
図9に示すように、本発明を実際に製作する時には、設置サイトの風力分布に対して前記翼片モジュール34の調整を行うことが出来る。例えば、風力の比較的弱いサイトでは、随時推力を生じる事の出来る直立式揚力翼片36の分布を増加することによって、微弱な風量を最も有効に応用して、エネルギー出力の目的を達成することが出来る。このとき、抗力翼片35を減少する設計を行い、場合よっては、完全に直立式揚力翼片36で抗力翼片35にとってかわり、機能を発揮できるのみならず、抗力翼片制御の設計を簡素化することも出来る。
【0036】
図10に示すように、同様にして、風力の比較的強いサイトでは、本発明では抗力翼片35の分布を増加し、且つ直立式揚力翼片36の数量を減らすことによって、豊富な風量を最も有効に応用し、エネルギー出力の目的を達成することが出来る。場合によっては、完全に抗力翼片35によって直立式揚力翼片36にとってかわり、全体の設計を簡素化することも出来る。
【符号の説明】
【0037】
1 風力機固定台座
2 方向決めユニット
21 回転導引管
22 軸受け
23 軌跡制御ガイド溝
24 風向き決め装置
25 導流テールプレート
3 エネルギー出力ユニット
30 翼片ユニット
31 出力軸
32 スリーブ
321 延伸スリーブ
322 軸受け
323 軸受け
33 繋ぎ部
34 翼片モジュール
341 支持架
342 引き紐
35 抗力翼片
351 回転軸
352 斜め穴
353 蝶つがい単元
354 翼片
36 直立式揚力翼片
37 フライホイール式慣性質量単元
38 凸輪軸
381 凸輪
382 回転軸
383 パッキングブロック
384 スプリング
385 球形回転軸
39 円形荷重平台
4 アンテナ及び計器装置
40 導管
41 軸受け
5 タワー
51 ゲートウォール
6 フライホイール
7 ブレーキ盤
F 負圧
U 揚力
D 抗力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置(風洞式垂直軸型風力運動エネルギー生成装置)であって、
マルチフロア設計で、複数組の風力ユニットをコンピュータで上・下フロアプレート側面のゲートウォールを制御することによって、風力エネルギーの流動方向を引導するタワーと、
前記風力機に更に含まれるその他の構造を搭載するための風力機固定台座と、
エネルギー出力ユニットと、
方向決めユニットと、を含み、
前記エネルギー出力ユニットは、固定台座の上に軸受けによって自由に回転できる円形荷重平台を設けられ、
平台の上にはスリーブが設けられ、前記スリーブは前記円形荷重平台外部にセットされ且つ一体となって回転出来、
スリーブの外に翼片のユニットが連接され、
この翼片のユニットは、上・下層の繋ぎ部を有し、
前記二つの繋ぎ部はスリーブの上・下端に固定され、
各繋ぎ部には複数の翼片モジュールが連接され、
一つ一つの翼片モジュールには複数の抗力翼片が含まれ、
その抗力翼片の一端に回転軸が設置され、
前記回転軸末端に凸輪軸が設けられ、
凸輪が軌跡制御ガイド溝へ深く設置され、軌跡のX.Y.Z.三軸方向運動を利用して、凸輪を完全に軌跡の上に落ち着かせ、同時に抗力翼片の角度を調整可能であり、
翼片モジュールでは、抗力翼片の外側に複数の直立式揚力翼片が設けられていて、受風時に揚力翼片にバイアスが生じてユニットを回転させ、
揚力翼片の最外側にはフライホイールが設けられていて、遠心力フライホイールが回転すると、エネルギーの蓄積及び平準化の二つの効能があり、エネルギーの出力を維持し、
スリーブの底部の円形荷重平台は、その中心に出力軸が連接されていて、該出力軸が発電機と接続して発電可能であり、
前記方向決めユニットは回転導引管を有し、円形荷重平台の上に設置されて軸受けによって独立して回転可能であり、
前記回転導引管の表面には軌跡制御ガイド溝が設けられ、
前記方向決めユニットの頂部には風向き決め装置があり、
前記風向き決め装置の後端には導流テールプレートが有って、風向決め装置を風表へ向かって維持させ、同時に回転導引管を回転させて、自動的に翼片のユニットの風に向かう角度を調整できる、ことを特徴とする風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項2】
アンテナと計器盤が設けられ、下方に向かって導管が延伸され、前記導管は風力機固定台座と、エネルギー出力ユニット及び方向決めユニットの中心に穿設され、各細部装置の間は軸受けで区分され、前記導管の頂端には計器、アンテナ、或いは避雷針があり、導線を導管によって地面まで延伸されたことを特徴とする請求項1に記載の前記タワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項3】
前記方向決めユニットの回転導引管と、エネルギー出力ユニットの円形荷重平台の間に軸受けを設けることによって、前記回転導引管とエネルギー出力ユニットがそれぞれ軸受けの内側、外側(、或いは上、下側)に設置され、独立回転して風向き決め管となることを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項4】
前記エネルギー出力ユニットの円形荷重平台の側面に延伸スリーブが連接され、前記延伸スリーブの辺縁は内側に折れ曲がり且つ風力機の固定台座底部に嵌められることによって、前記スリーブが外から内へ向かって風力機の固定台座に嵌められ、前記スリーブの中には底座があり、前記底座と風力機固定台座の間に軸受けが設置されることによって、前記底座と風力機固定台座がそれぞれ前記軸受けの内側、外側(、或いは上、下)に設置されて個別的に回転でき、前記延伸スリーブの別の一端は出力ユニットの円形荷重平台の上に固定されて一体となり、エネルギー出力ユニットが回転するとき安定性を保つようにしたことを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項5】
前記導流テールプレートは、複数のプレートブロックを連結して左右両側を形成し、且つ前記両側の導流テールプレートの間を連接棒で支持してテーパーを形成することによって、前記導流テールプレートが自動的に気体の移動方向へ向かい、方向決めユニットが凸輪回転に必要な角度を制御できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項6】
前記抗力翼片の表面に斜め穴を設置することによって、抗力翼片が(別名「流水式主力翼片」と呼ぶ)風を切って負荷が生じるとき、この負荷を斜め穴によって風の方向を引導して抗力背風面の負圧形成を減少させることを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項7】
前記抗力翼片と回転軸の間には蝶つがい単元があり、前記抗力翼片が瞬間強風を受けた場合、蝶つがい単元の翼片を開くことによって、抗力翼片が受ける衝撃を緩和させ、構造の安定性を維持することが出来ることを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項8】
前記凸輪軸にはパッキングブロックが連接され、前記パッキングブロックはスプリングに支えられ、且つ前記パッキングブロックの一端に球形回転軸が設置され、更に前記凸輪が前記球形回転軸の上に設置されることによって、X.Y.Z.の三軸方向運動によって、前記凸輪を常に軌跡制御ガイド溝の中に深く嵌めこむ立体設計となし、完全に軌跡の上に落ち着かせて動作の安定性を維持出来るようにしたことを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項9】
前記設計には、マルチフロア設計のタワーがあり、各フロアには、抗力翼片及び直力式翼片によって推進回転される垂直軸型風力運動エネルギー生成装置が設けられ、各フロアの外に風をさえぎるゲートウォールを設置し、コンピュータに制御されるゲートウォールは、測定された風向きによってゲートウォールの昇降を調整することが出来、且つゲートウォールの上に風孔が設けられて風圧を低減することが出来る、フロア及びゲートウォールを運用することで、高低気流及び横方向の流れを制御し、有効に風洞のエネルギー出力を維持し、垂直軸型の風力運動エネルギー装置も制御できることを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項10】
風力の強弱地区によって区分し、翼片モジュール方式を使用して、それぞれ直立式揚力翼片の分布を増加して、抗力翼片の配置を減少させ、或いは直立式揚力翼片によって抗力翼片にとって代わることも出来ることを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。
【請求項11】
前記最外側の揚力翼片の質重を引き上げてフライホイール式慣性質量単元を形成し、且つ外側の数枚の翼片と結合して複合構成でフライホイールを形成し、遠心力フライホイール式で回転運動を行うとき、エネルギー貯蓄及び平準化の二つの効能を生じることが出来ることを特徴とする請求項1に記載のタワー式の多極的に利用される風洞効能によって、抗力翼片及び直立式揚力翼片の複合式回転機構の垂直軸型風力運動エネルギー生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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