説明

タンパク質および酵素インヒビターを含有する化粧品組成物

本発明は、ヘリックス-コイル変換を自発的に受けうる三次構造を有する、水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤、角質層上で該タンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビターおよび化粧品上許容されるビヒクルを含んでなり、該プロテアーゼインヒビターが該被膜形成剤の引っ張り効果を延長させる化粧品組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚への適用のための化粧品組成物に関する。特に、本発明は、引っ張り/張り効果の延長をもたらすことにより皮膚の外観を改善する化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質はヒトの皮膚組成の必須成分である。特に、タンパク質は酵素として働き、生物学的反応を触媒し、輸送分子として働き、生体分子に結合しそれを種々の器官へ運び、抗体として機能し、構造体として機能し、多数の組織の主要バックボーンを構成するため、タンパク質は皮膚の老化過程において重要な役割を果たすことが確認されている。タンパク質の役割を理解するためには、ヒトの皮膚の組成を理解することが重要である。
【0003】
ヒトの皮膚は2つの主要層から構成される。上層である表皮およびその最外部である角質層は、線維性タンパク質であるケラチンを含有し、環境に対する保護被覆として機能する。第2層である真皮は基底膜を介して表皮に連結されており、神経および血管を介して皮膚を身体残部に接続する。真皮は血管、神経線維およびリンパ管を備えており、限られた量のエラスチンおよびレチクリン線維を伴う主にコラーゲン線維の線維状ネットワークを含む。
【0004】
細胞の分化および剥離の過程は、いくつかの層よりなる剥離性多層上皮である表皮において生じる。表皮分化は、表皮の基底層において生じた細胞の連続的かつ一定方向の成熟過程であり、該細胞が表皮の外層に達するまで続く。剥離は上皮の外表面からの細胞の脱離である。
【0005】
表皮に転じると、基底層と称される最内層が上皮細胞を産生する。基底層の上には、ケラチノサイトと、基底層で生じた複製細胞のいくつかの層とよりなる有棘細胞層が存在する。顆粒層は、ケラトヒアリン顆粒と称される、特徴的な細胞質封入体を含有する扁平細胞を含む。顆粒層においては、死んだ細胞物質をケラチンへ変換する多数の酵素が遊離される。最後に、外層である角層は角質層とも称され、積層化した角質細胞を含有し、これは、その分化の最終段階のケラチノサイト、すなわち、完全ケラチン化死細胞である。角質細胞は、主として、角質またはケラチン化エンベロープと称される非常に強固な構造体により包囲された、ケラチンを含有する線維状マトリックスから構成されている。角質層は表皮のバリヤー機能をもたらし、水蒸気、酸素および他の気体の交換を制御することにより皮膚の生理的水和を保証する選択的透過性を有する。
【0006】
分化過程に進入する細胞の数および剥離過程において剥離する細胞の数の調節により、一定の厚さが維持され、表皮の恒常性が確保される。表皮分化は、維持される一定の厚さをもたらして表皮の恒常性を確保する完全に調整された現象の結果である。
【0007】
角質細胞と皮膚との間に形成される結合は剥離過程において重要な役割を果たす。正常な剥離過程においては、最も表面近くの角質細胞だけが表皮の表面から脱離する。基底層から顆粒層にかけては、サイトケラチンの中間径フィラメントおよびデスモソームにより特徴づけられる細胞間ネットワークにより結合される。このネットワークはヘミデスモソームにより基底膜上に連結される。角質層においては、角質細胞の角質エンベロープを互いに強固に連結するコルネオソームまたはコルネオデスモソームと称されるデスモソームに由来する細胞間構造体により結合される。表皮(非掌蹠)においては、角質層の下側部分の角質細胞表面の全体にわたってコルネオデスモソームが存在するが、上側部分には周辺コルネオデスモソームのみが残存する。
【0008】
より深い生きた層において産生される酵素は連続的かつ相補的に作用して、皮膚表面での角質細胞の最終的離脱を引き起こす。剥離に関与していると推定される主要酵素はグリコシダーゼおよびプロテアーゼである。プロテアーゼは単独では作用し得ず、グリコシダーゼが関わる予備的作用が必要のようであるが、剥離過程にはプロテアーゼがより深く関与している。
【0009】
乾燥症(または皮膚の乾燥)、魚鱗癬、乾癬、ある良性または悪性腫瘍病変および反応性角化症のような多数の皮膚状態が異常剥離に関連づけられている。1つの解決策として、剥離および結果的には剥離を促すプロテアーゼを含有する組成物が参考文献に教示されている。プロテアーゼインヒビターは、剥離過程を促すそのようなプロテアーゼの分解を抑制すると考えられる。
【0010】
プロテアーゼは剥離を促すと考えられるが、プロテアーゼはタンパク質の分解を引き起こすと考えられ、皮膚上および水溶液中の両方においてそれを行いうる。タンパク質は、皮膚老化過程の促進など、皮膚に多数の利点をもたらすため、タンパク質をプロテアーゼから保護する手段を提供することが重要である。角質層においては、平均的なタンパク質は2日間しか生存せず、その後、それは分解され、その化学的部分(chemical part)はリサイクルされ、または老廃物として排泄される。Deciphering The Message of Life’s Assembly, David Brown, MD, Washington Post, 1999を参照されたい。
【0011】
Greenらに発行された米国特許第6,511,957号(以下、「‘957特許」と称する)は、皮膚上の保護層を与える角質細胞エンベロープタンパク質を含む組成物を教示している。該保護層は、皮膚の角質細胞エンベロープを模擬して、有害物が皮膚に浸透するのを防ぐように与えられる。‘957特許は更に、プロテアーゼによる分解から保護層を保護するためのプロテアーゼインヒビターの使用を教示している。しかし、‘957特許は、角質細胞タンパク質を模擬するものとして、保護されるタンパク質を、天然に存在する水不溶性ヒトタンパク質のクラスに限定している。‘957特許は更に、皮膚にとって重要な天然タンパク質である「皮膚構成タンパク質(skin structuring proteins)」を教示している。
【0012】
該公知参考文献はいずれも、タンパク質がその完全な有益な効果をもたらしうる前に剥離過程が実際に該タンパク質の効果を抑制しうるという問題を認識していない。さらに、考察している参考文献はいずれも、皺の出現の軽減におけるタンパク質の有益な機能を教示していない。したがって、皺の出現を軽減する新規手段の提供と共に、タンパク質ベースの物質の効果を皮膚上で延長させる化粧品組成物が必要とされている。
【発明の開示】
【0013】
発明の概要
本発明は、ヘリックス-コイル変換を自発的に受けうる三次構造を有する、水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤を含む化粧品組成物である。該組成物は更に、角質層上でタンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビターと化粧品上許容されるビヒクルとを含む。
【0014】
本発明は更に、引っ張り効果をもたらすヘリックス-コイル変換を自発的に受けうる三次構造を有し、被膜を形成し、角質細胞に結合しうる、水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤、角質層上でタンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビターおよび化粧品上許容されるビヒクルを含む化粧品または医薬組成物を適用して、該プロテアーゼインヒビターが該被膜形成剤の引っ張り効果を延長させることを含む、皺の出現を一時的に軽減する方法を含む。
【0015】
詳細な説明
角質層内の角質細胞を連結する結合は剥離過程の一部として破壊される。いずれの理論にも束縛されるものではないが、被膜形成剤は角質細胞に結合すると考えられる。したがって、剥離中に該結合が破壊されるにつれて、これらの被膜形成剤も破壊されると考えられる。
【0016】
そのような結合の破壊は皮膚における剥離の有益な過程に関連するため、剥離を防ぐことにより該結合の破壊を妨げることを試みることは反直観的かつ非自明である。本発明において、驚くべきことに、角質層内の角質細胞を連結する結合の破壊を防ぐために、したがって、角質層上に適用される或るクラスの被膜形成剤を保護するために、角質層においてプロテアーゼインヒビターを使用しうることを見出した。そのような保護により、そのような被膜形成剤の化粧品上の利益も持続する。
【0017】
本発明は、ヘリックス-コイル変換を自発的に受けうる三次構造を有する、水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤(以下、「被膜形成剤」と称する)を含む化粧品組成物を含む。「三次構造」なる語は該タンパク質内のすべての原子の三次元配置を意味する。特に、三次構造は、既に形成された二次構造と共にタンパク質バックボーン鎖をフォールディングする過程から生じる形状を意味する。該フォールディングはタンパク質の合成中に該二次構造上に重ね合わされる。この理由により、三次構造は、しばしば、単にフォールドと称される。
【0018】
「ヘリックス-コイル変換を自発的に受ける」なる表現は、皮膚との接触の際の、変性剤の補助を伴わない、直線状態から三次状態への又はその逆の自動的または自発的な変換を意味する。特に、ほとんどのタンパク質は一次的な直線状態から三次状態への変換を受けるが、多数のタンパク質はアンフォールディングされうる(ほどかれうる)か、またはアンフォールディングのためには変性剤を要する。Simple Models for Protein Structure and Folding, Nicholas Donald Socci, 1992を参照されたい。あるクラスのタンパク質はそれらの新生状態のタンパク質に類似していて、該タンパク質は環境変化により(例えば、該タンパク質を含有する化粧品ビヒクルが変化した場合に、例えば乾燥または蒸発により)自発的にヘリックス-コイル変換を受けてフォールディングおよびアンフォールディングし、それにより、皮膚に対して引っ張り効果(pulling effect)をもたらしることが見出されている。そのようなクラスのタンパク質は、好ましくは、植物、野菜、藻類または細菌由来のタンパク質、およびバイオテクノロジーにより合成されたタンパク質を含むと意図されるが、被膜形成剤を与える動物由来のものも使用されうる。そのようなタンパク質には、絹由来のタンパク質(Charles B. Chrystal Co. Inc.からのSilk Crystal)、アーモンドタンパク質(SilabからのPolylift)、乳由来のタンパク質(Barnet ProductsからのLactofirm)、乳漿由来のタンパク質(DaviscoからのVersapro E)、ダイズタンパク質、タバコ葉タンパク質、細菌由来のタンパク質、マメ由来の繊維性タンパク質および卵白由来のタンパク質、例えばアルブミンが含まれるが、これらに限定されるものではない。特に好ましいのは絹由来のタンパク質、例えばSilk Crystalである。
【0019】
本明細書中で用いる「引っ張り効果(pulling effect)」は、とりわけ、皮膚の張りを意味する。張りは、例えば、実施例1に記載のガスベアリング電流力計(Gas Bearing Electrodynamometer)(GBE)により測定される。タンパク質ベースの被膜形成剤は、皮膚の張りが張り係数(TF)として少なくとも約2%〜約100%、好ましくは約3%〜約60%、最も好ましくは約4%〜約40%増加した場合に、本発明において定義されるとおりの引っ張り効果を示す。
【0020】
ヘリックス-コイル変換を自発的に受けうる被膜形成剤は皮膚に対して引っ張り効果を与え、それにより、皮膚の張りを維持すると考えられる。特に、被膜形成剤が角質層内で1つの状態から別の状態へと変換するにつれて、該変換が、皮膚の張りを維持する引っ張り効果をもたらす。いずれの理論にも束縛されるものではないが、被膜形成剤は角質細胞に結合する一方で、引っ張り効果をもたらすと考えられる。したがって、引っ張り効果は、すじ及び皺の出現を最小にする。本発明は、皮膚に対する引っ張り効果を延長させて、すじ及び皺の最小化を延長させる驚くべき新規組合せを提供する。
【0021】
被膜形成剤は、皮膚に対して引っ張り効果をもたらすのに十分な量で与えられる。該組成物は、哺乳動物の皮膚、毛髪および/または爪への局所適用に適したものとなるよう製剤化される。該量は、望まれる性能および製剤に応じて様々となる。一般には、約0.0001重量%〜約90重量%、好ましくは約0.001重量%〜約80重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約50重量%、最も好ましくは約0.01重量%〜約5重量%の量の該剤が使用される。
【0022】
好ましい実施形態においては、該組成物は更に、角質層上で被膜形成剤を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビターを含む。驚くべきことに、プロテアーゼインヒビターは角質層における剥離を防ぐことが判明した。その結果、該プロテアーゼインヒビターは、角質層上で被膜形成剤を劣化させるプロテアーゼから、タンパク質ベースの被膜形成剤を保護し、それにより、被膜形成剤の引っ張り効果を延長させる。
【0023】
好ましいプロテアーゼインヒビターには、植物、動物、油からの抽出物、ならびに合成および天然分子が含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、プロテアーゼインヒビターには、A E Complex、パッションフラワー、ブラックカラント(black current)およびブドウ葉抽出物の混合物(Barnet Products)、デキストランおよびテトラペプチド-1であるA.L.E.(抗白血球エラスターゼ(Anti-Leuco Elastase))(Vincience)、ホップ抽出物(IndenaからのAlpha Lupulin)、加水分解ウルバ・ラクチュカ(Ulva Lactuca)抽出物(SecmaからのAosaine)、ビンロウジュ(Betel Nut)抽出物(Giepl)、青藻類(Blue Algae)抽出物(Collaborative Labs)、卵抽出物(Inovatech Inc.からのOrew Plus)、オウシュウシラカバ抽出物(Premier Specialties Inc.)、アリシン(allicin)、アプロチニン(aprotinin)、ロイペプチン(leupeptin)、ベスタチン(bestatin)、ペプスタチン(pepstatin)A、N-α-p-トシル-L-リシル-クロロメチル-ケトンおよび他のアミノ酸類似体およびトリプシン-キモトリプシンインヒビターが含まれる。
【0024】
該プロテアーゼインヒビターは、被膜形成剤を保護するのに十分な量で与えられる。一般には、本発明の製剤全体において、約0.01μM〜約100mM、最も好ましくは約0.1μM〜1μMの量が使用される。粗製形態で使用される場合には、被膜形成剤は約0.001重量%〜約90重量%の量で使用される。好ましくは、約0.001%〜約60%、最も好ましくは0.01%〜約5%の量が使用される。
【0025】
本発明の重要な観点は、皺の出現が軽減されるよう皮膚における有益な引っ張り効果をもたらすためには、被膜形成剤を角質層に残留させる必要があることである。被膜形成剤が皮膚に、より深く浸透すれば、有益なタンパク質は、より速く破壊されるであろう。さらに、抗浸透剤は、角質層上で被膜形成剤のより均一な分布を促す。したがって、もう1つの実施形態においては、本組成物は、被膜形成剤を角質層上に維持するための抗浸透剤を含む。抗浸透剤には、例えば、皮膚内に深く浸透するには高すぎる分子量を有する大きな高分子が含まれる。選択的な溶解度を付与することにより、成分は、皮膚組織成分に対してよりも、与えられた高分子に対して可溶性となりうる。したがって、該物質が、皮膚組織成分に対してよりも高分子系に対して良好な溶解度を示し、かつ、該高分子が、浸透するには大きすぎる場合には、問題の成分も浸透しないであろう。
【0026】
前段落に記載の基準に基づけば、多数の高分子物質が本発明の抗浸透剤として有用であると予想される。これらの会合特性を示しこの減衰(attenuation)を示す物質の一般的な範疇には、直鎖状および分枝状のポリウレタン、ポリエチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリ第四級セルロース化合物、ならびにシリコーン、ピロリドン、アクリル酸、メチルアクリル酸などの種々のブロックおよびコーム(comb)および弾性共重合体が含まれるが、これらに限定されるものではない。天然に存在する物質の具体例には、カラギーナン、アルギナート、ペクチン、ガム、樹脂、ロエジン(roesin)、ゼイン、マンナンおよびデンプンが含まれる。本発明の好ましい実施形態においては、抗浸透剤は、Barnet, Inc.から入手可能なポリウレタンポリオールプレポリマーを含む。
【0027】
抗浸透剤は、皮膚の最上層、例えば角質層を越えて被膜形成剤が浸透するのを阻害または抑制するのに十分な量で存在しうる。特に、抗浸透剤は約0.2〜約20.0重量%の量で存在する。好ましくは、本発明の組成物は約5.0〜約15.0重量%の抗浸透剤を含有する。最も好ましくは、該組成物は約10重量%の抗浸透剤を含有する。
【0028】
本組成物はまた、所望により、被膜形成剤の効果を保護するために剥離を妨げるのを助ける抗剥離剤を含みうる。抗剥離剤の具体例には、チューリップ抽出物、例えばスイセンの球根の抽出物(Nu Skin International, Inc.からのIBR-Dormin(商標))およびコレステロールが含まれる。
【0029】
該組成物は更に、皮膚、毛髪および/または爪への局所適用に適した化粧品上許容されるビヒクルを含む。この目的には、該組成物は、クリーム剤、ゲル剤、乳剤、液剤、懸濁剤、爪被覆剤(nail coating)、皮膚用油またはローション剤を形成させるために適用される成分を含みうる。該組成物中に含まれうる成分には、例えば湿潤剤、収斂剤、非タンパク質被膜形成物質、界面活性剤、柔軟剤、保湿剤、湿潤剤、サンスクリーン、色素もしくは他のタンパク質および/または繊維が含まれる。例えば、該組成物中で使用しうる柔軟剤には、ステアリルアルコール、グリセリルモノリシンオレエート、グリセリルモノステアレート、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ミンク油、セチルアルコール、イソプロピルイソステアレート、ステアリン酸、イソブチルパルミテート、イソセチルステアレート、オレイルアルコール、イソプロピルラウレート、ヘキシルラウレート、デシルオレエート、オクタデカン-2-オール、イソセチルアルコール、セチルパルミテート、ジメチルポリシロキサン、ジ-n-ブチルセバケート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、ブチルステアレート、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ヤシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリン、脂肪アルコール、石油、鉱油、ブチルミリステート、イソステアリン酸、パルミチン酸、イソプロピルリノレエート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、デシルオレエート、ミリスチルミリステートが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
使用しうる保湿剤には、多価アルコール、例えばグリセロール、ポリアルキレングリコールおよびアルキレンポリオールならびにそれらの混合物、ヒアルロン酸、尿素、グリセリン、ソルビトール、ナトリウム 2-ピロリドン-5-カルボキシレート、可溶性コラーゲン、ジブチルフタレートならびにゼラチンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本発明の目的においては、ビヒクルは、該タンパク質またはポリペプチドのための希釈剤、分散剤または溶媒として作用しうる物質である。ビヒクルは、好ましくは、皮膚上の保護層の形成を助けうるものである。ビヒクルは、該組成物の約1〜約99.9重量%、好ましくは約50〜約99.5重量%、より好ましくは約70〜約99.3重量%、最も好ましくは80〜90重量%を構成しうる。
【0032】
本発明の組成物は、本発明の性能の美的価値を向上させる追加的な化粧品成分をも含有しうる。例えば、本発明の美的魅力を向上させるために、色素、増粘剤、粉末および香料を使用することが可能である。
【0033】
色素には、二酸化チタン、マイカ、酸化鉄、バリウムレーキ、カルシウムレーキ、アルミニウムレーキ、オキシ塩化ビスマス、ジルコニウムレーキおよび酸化カルシウムが含まれる、これらに限定されるものではない。
【0034】
増粘剤には、デンプン、ガム、例えばアラビアガム、カオリンまたは他の粘土、水和化アルミニウムシリケート、ヒュームドシリカ、カルボキシビニル重合体、ナトリウム カルボキシメチルセルロースまたは他のセルロース誘導体、エチレングリコールモノステアレートおよびナトリウムアルギナートが含まれうる。
【0035】
粉末には、チョーク、タルク、フラー土、コロイド性二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルおよび/またはトリアルキルアンモニウムモンモリロン石ならびに化学修飾マグネシウムアルミニウムシリケートが含まれうる。
【0036】
本発明は、所望により、該組成物を消費者にとって、より魅力的なものとするのに十分な量の香料を含みうる。好ましくは、香料は該組成物に対して約0.01〜約10重量%の量で存在する。
【0037】
前記の成分に加えて、本発明のスキンケア組成物はスキンケア活性物質を含みうる。活性物質は、該組成物の物理的特性を単に改善する成分以外かつ柔軟剤以外の、皮膚または毛髪にとって有益な物質と定義される。有用でありうる活性物質の具体例には、加齢斑(age spot)、角化症および皺の除去のための物質、鎮痛剤、麻酔剤、抗アクネ剤、抗細菌剤、抗酵母剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗フケ剤、抗皮膚炎剤、抗そう痒剤、抗嘔吐剤、抗乗り物酔い剤、抗炎症剤、抗高角質溶解剤(antihyperkeratolytic agent)、抗乾燥肌剤、抗発汗剤、抗乾癬剤、抗脂漏剤、ヘアコンディショナーおよびヘアトリートメント剤、抗老化剤、抗皺剤、抗喘息剤および気管支拡張剤、サンスクリーン剤、抗ヒスタミン剤、皮膚光沢剤(skin lightening agent)、脱色剤、ビタミン、コルチコステロイド、セルフタンニング剤、ホルモン、レチノイン酸およびレチノール、局所心臓血管剤、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ミコノゾール、グリセオフルビン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、メピバカイン、モノベンゾン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クリンダマイシン、メクロサイクリン、ヒドロキノン、ミノサイクリン、ナプロキセン、イブプロフェン、テオフィリン、クロモリン、アルブテロール、局所ステロイド、例えばヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21-アセテート、ヒドロコルチゾン17-バレエートおよびヒドロコルチゾン17-ブチレート、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、プロピオン酸クロベタゾール、過酸化ベンゾイル、クロタミトン、プロプラノロール、プロメタジジン、ビタミンAパルミテート、ビタミンEアセテートならびにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。そのような組成物中にスキンケア活性物質を含有させることは、皮膚上のその存在を延長させて、それによりその効力を増強することにより、該活性物質の活性にとって有益でありうる。
【0038】
皮膚老化および他の障害を調節するための方法
本発明の組成物は抗老化製品として特に有用である。特に、被膜形成剤が表皮上で1つの状態から別の状態へと変換されるにつれて、被膜形成剤のコンホメーション変化が、皮膚の張りを維持しすじ及び皺の出現を軽減する引っ張り効果を生み出す。本発明の新規組成物および方法は被膜形成剤を保護する一方で、皮膚の内層への被膜形成剤自体の浸透を防ぎ、それにより皮膚に対する引っ張り効果を延長させる。
【0039】
本発明はまた、皮膚の外観を改善するための方法、および引っ張り効果を延長させるための方法に関する。皮膚の外観は、例えば、皮膚老化の発現を調節し軽減することにより改善される。本明細書中で用いる「皮膚老化」は皮膚の萎縮を含み、コラーゲンおよび/またはエラスチンの変化および変性により特徴づけられることが多いフリーラジカル損傷により引き起こされる真皮の薄化および/または全般的劣化を意味する。皮膚老化は内因性または外因性因子、例えば、自然の経時的老化、光損傷、やけど、または化学的損傷により引き起こされうる。本明細書中で用いる「皮膚老化を調節する」は、哺乳動物の皮膚における皮膚老化の過程を妨げ、遅延させ、停止させ、治療し、または逆転させることを意味する。皮膚老化の調節の具体例には、すじおよび皺の出現の軽減、皮膚萎縮の効果の低下、および薄化の出現の軽減が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本発明は更に、活性物質(事実上、ペプチド性またはポリペプチド性であるものを含む)の添加を伴う、他の皮膚障害、例えば乾燥肌、重篤な乾燥肌、乾皮症、フケ、角化症、乾癬、湿疹、加齢斑、ほくろ、メラニン沈着、ソバカス肌、色素沈着過剰肌、角化症肌、炎症性皮膚症および加齢関連皮膚変化(これらに限定されるものではない)のような皮膚障害を調節するための方法を含む。そのような方法は、更に有効成分を含む本発明の組合せ体の安全かつ有効な量を投与し、または皮膚に局所適用することを含む。該組成物中の該成分の量は、対象に(存在する場合に)既に存在する皮膚老化のレベル、更なる老化の速度および所望の調節のレベルによって大きく異なる。
【0041】
適用の計画は、該組成物の最終的に意図される用途によって決まる。例えば、該組成物は、皺、すじまたは他の皮膚老化症状を隠すために、必要に応じて適用されうる。あるいは、皮膚老化を調節するための及び前記の他の皮膚障害を治療するための有効成分を含有する組成物の場合には特に、慢性的適用が望ましいかもしれない。皮膚治療のための好ましい量は、局所適用の場合には、皮膚老化を調節するための及び前記の他の皮膚障害を治療するための、該新規組成物の安全かつ有効な量である。
【0042】
慢性的局所適用の場合には、該組成物の量および皮膚への局所適用の頻度は個々の皮膚障害およびその重症度によって大きく異なりうる。一例として、局所適用は約1回/週〜約4〜5回/日、好ましくは約3回/週〜約3回/日、最も好ましくは約1または2回/日の範囲であると示唆される。該組成物は約0.01〜90%、好ましくは約1〜20%、最も好ましくは約1〜5%の有効成分を含む。しかし、患者の必要性に応じて医薬投与量を調節することは、皮膚科医または他の健康管理提供者のような当業者の予想の範囲内に十分に含まれることに留意すべきである。
【0043】
以下の実施例は本発明の新規組成物および方法を更に詳しく説明するものであり、本発明はそれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0044】
皮膚の張りをガスベアリング電流力計(Gas Bearing Electrodynamometer)(GBE)により評価する。GBEは、皮膚に対して作用する力およびその力による皮膚の変位を測定する。該変位は、GBEプローブの移動により生じたヒステリシスループの歪みを表し、かかった力はヒステリシスループの歪みである。ヒステリシスループの平均勾配は、皮膚柔軟性の尺度である1/DSR(動ばね速度)に比例する。皮膚柔軟性「t」は、製品処理の前の変位(DB)と後の変位(DA)とを比較することにより評価され、t = (DB-DA)/DBとして表される。残留張りRTはRT = [t(3時間)]/[t(0時間)]として表される。
【0045】
被膜形成剤による皮膚の張り、およびプロテアーゼインヒビターである卵抽出物(Inovatech Inc.からのOrew Plus)の効果を評価するために試験した製剤を以下の表1に示し、結果を表2および3に示す。特に、該プロテアーゼインヒビターと該被膜形成剤との組合せは所望の皮膚の引っ張り/張りをもたらす。以下の表1の製剤は、表2の結果から示されるとおり、皮膚の張りがより長期にわたって維持されるよう皮膚の引っ張り効果を延長させるために被膜形成剤を保護する特有の組合せである。その結果は、より長期にわたる、老化の症状の出現の軽減である。
【表1】

【表2】

【0046】
前記表2において認められうるとおり、ヘリックス-コイル変換を自発的に受けうる三次構造を有する水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤である乳由来タンパク質(Lactofirm)と共にプロテアーゼインヒビターである卵抽出物(Orew Plus)が存在する場合には、該被膜形成剤の張り効果が延長する。特に、該製剤の適用の4時間後、皮膚の張りは張り係数TFとして7%向上する。
【0047】
以下の表3は更に、時間に対する残留張り(residual tightening)を表す、プロテアーゼインヒビターの効果を示す。
【表3】

【0048】
表3において認められるとおり、4時間の時点の残留張りは尚も41であり、これとは対照的に、プロテアーゼインヒビターの非存在下では0であった。
【実施例2】
【0049】
本発明の組成物はゲル組成物としても製剤化されうる。表4はそのような組成物の一例を示す。
【表4】

【0050】
本明細書中に例示され記載されている本発明の特定の形態は単なる代表例であるものと理解されるべきである。本開示の明らかな教示から逸脱することなく、例示されている実施形態において、本明細書中で示唆されているものを含む(それらに限定されるものではない)変更が施されうる。したがって、本発明の完全な範囲を決定する際には、添付の特許請求の範囲が参照されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘリックス-コイル変換を自発的に受けうる三次構造を有する、水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤、
角質層上で該タンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビター、
角質層上に該被膜形成剤を維持するのに十分な量の抗浸透剤、および
化粧品上許容されるビヒクル
を含んでなる化粧品組成物。
【請求項2】
被膜形成剤が、植物、野菜、藻類、細菌、動物由来の、またはバイオテクノロジーにより合成されたタンパク質よりなる群から選ばれる、請求項1記載の化粧品組成物。
【請求項3】
水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤が、絹タンパク質、アーモンドタンパク質、乳タンパク質、乳漿タンパク質、ダイズタンパク質、タバコ葉タンパク質、細菌タンパク質、卵白タンパク質およびマメ由来の繊維性タンパク質よりなる群から選ばれる、請求項1記載の化粧品組成物。
【請求項4】
プロテアーゼインヒビターが、ホップ抽出物、パッションフラワー、ブラックカラントおよびブドウ葉抽出物、加水分解ウルバ・ラクチュカ(ulva lactuca)抽出物、ビンロウジュ抽出物、青藻類(blue algae)抽出物、卵抽出物、オウシュウシラカバ抽出物、アリシン、アプロチニン、ロイペプチン、ベスタチン、ペプスタチンA、N-α-p-トシル-L-リシル-クロロメチル-ケトンおよびトリプシン-キモトリプシンインヒビターよりなる群から選ばれる、請求項1記載の化粧品組成物。
【請求項5】
スキンケア活性物質を更に含む、請求項1記載の化粧品組成物。
【請求項6】
スキンケア活性物質が、抗老化剤、抗アクネ剤およびサンスクリーン剤よりなる群から選ばれる、請求項5記載の化粧品組成物。
【請求項7】
抗剥離剤を更に含む、請求項1記載の化粧品組成物。
【請求項8】
三次構造を有しヘリックス-コイル変換を自発的に受けうる水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤、
角質層上で該タンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビター、および
化粧品上許容されるビヒクル
を含んでなる化粧品組成物。
【請求項9】
被膜形成剤が、植物、野菜、藻類、細菌、動物由来の、またはバイオテクノロジーにより合成されたタンパク質よりなる群から選ばれる、請求項8記載の化粧品組成物。
【請求項10】
被膜形成剤が、絹タンパク質、アーモンドタンパク質、乳タンパク質、乳漿タンパク質、ダイズタンパク質、タバコ葉タンパク質、細菌タンパク質、卵白タンパク質およびマメ由来の繊維性タンパク質よりなる群から選ばれる、請求項9記載の化粧品組成物。
【請求項11】
プロテアーゼインヒビターが、ホップ抽出物、パッションフラワー、ブラックカラントおよびブドウ葉抽出物、加水分解ウルバ・ラクチュカ(ulva lactuca)抽出物、ビンロウジュ抽出物、青藻類(blue algae)抽出物、卵抽出物、オウシュウシラカバ抽出物、アリシン、アプロチニン、ロイペプチン、ベスタチン、ペプスタチンA、N-α-p-トシル-L-リシル-クロロメチル-ケトンおよびトリプシン-キモトリプシンインヒビターよりなる群から選ばれる、請求項8記載の化粧品組成物。
【請求項12】
スキンケア活性物質を更に含む、請求項8記載の化粧品組成物。
【請求項13】
スキンケア活性物質が、抗老化剤、抗アクネ剤およびサンスクリーン剤よりなる群から選ばれる、請求項8記載の化粧品組成物。
【請求項14】
抗浸透剤を更に含む、請求項8記載の化粧品組成物。
【請求項15】
抗剥離剤を更に含む、請求項8記載の化粧品組成物。
【請求項16】
三次構造を有し、ヘリックス-コイル変換を自発的に受けて引っ張り効果をもたらす水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤、角質層上で該タンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビターおよび化粧品上許容されるビヒクルを含む化粧品または医薬組成物を適用することを含んでなる、皮膚の外観を改善するための方法。
【請求項17】
被膜形成剤が、植物、野菜、藻類、細菌、動物由来の、またはバイオテクノロジーにより合成されたタンパク質よりなる群から選ばれる、請求項16記載の方法。
【請求項18】
被膜形成剤が、絹タンパク質、アーモンドタンパク質、乳タンパク質、乳漿タンパク質、ダイズタンパク質、タバコ葉タンパク質、細菌タンパク質、卵白タンパク質およびマメ由来の繊維性タンパク質よりなる群から選ばれる、請求項16記載の方法。
【請求項19】
プロテアーゼインヒビターが、ホップ抽出物、パッションフラワー、ブラックカラントおよびブドウ葉抽出物、加水分解ウルバ・ラクチュカ(ulva lactuca)抽出物、ビンロウジュ抽出物、青藻類(blue algae)抽出物、卵抽出物、オウシュウシラカバ抽出物、アリシン、アプロチニン、ロイペプチン、ベスタチン、ペプスタチンA、N-α-p-トシル-L-リシル-クロロメチル-ケトンおよびトリプシン-キモトリプシンインヒビターよりなる群から選ばれる、請求項16記載の方法。
【請求項20】
該組成物がスキンケア活性物質を更に含む、請求項16記載の方法。
【請求項21】
スキンケア活性物質が、抗老化剤、抗アクネ剤およびサンスクリーン剤よりなる群から選ばれる、請求項20記載の方法。
【請求項22】
該組成物が抗剥離剤を更に含む、請求項16記載の方法。
【請求項23】
ヘリックス-コイル変換を自発的に受ける三次構造を有し、引っ張り効果をもたらす水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤、角質層上で該タンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビター、スキンケア活性物質および化粧品上許容されるビヒクルを含む化粧品または医薬組成物を適用することを含んでなる、皮膚の状態を改善するための方法。
【請求項24】
被膜形成剤が、植物、野菜、藻類、細菌、動物由来の、またはバイオテクノロジーにより合成されたタンパク質よりなる群から選ばれる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
被膜形成剤が、絹タンパク質、アーモンドタンパク質、乳タンパク質、乳漿タンパク質、ダイズタンパク質、タバコ葉タンパク質、細菌タンパク質、卵白タンパク質およびマメ由来の繊維性タンパク質よりなる群から選ばれる、請求項23記載の方法。
【請求項26】
プロテアーゼインヒビターが、ホップ抽出物、パッションフラワー、ブラックカラントおよびブドウ葉抽出物、加水分解ウルバ・ラクチュカ(ulva lactuca)抽出物、ビンロウジュ抽出物、青藻類(blue algae)抽出物、卵抽出物、オウシュウシラカバ抽出物、アリシン、アプロチニン、ロイペプチン、ベスタチン、ペプスタチンA、N-α-p-トシル-L-リシル-クロロメチル-ケトンおよびトリプシン-キモトリプシンインヒビターよりなる群から選ばれる、請求項23記載の方法。
【請求項27】
スキンケア活性物質が、抗老化剤、抗アクネ剤およびサンスクリーン剤よりなる群から選ばれる、請求項23記載の方法。
【請求項28】
該組成物が抗剥離剤を更に含む、請求項23記載の方法。
【請求項29】
皺の出現を最小にするために水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤による皮膚表面上での引っ張り効果を延長させるための方法であって、角質層上で該タンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビターおよび化粧品上許容されるビヒクルと共に該被膜形成剤を含む化粧品または医薬組成物を適用することを含んでなる方法。
【請求項30】
被膜形成剤が、植物、野菜、藻類、細菌、動物由来の、またはバイオテクノロジーにより合成されたタンパク質よりなる群から選ばれる、請求項29記載の方法。
【請求項31】
被膜形成剤が、絹タンパク質、アーモンドタンパク質、乳タンパク質、乳漿タンパク質、ダイズタンパク質、タバコ葉タンパク質、細菌タンパク質、卵白タンパク質およびマメ由来の繊維性タンパク質よりなる群から選ばれる、請求項29記載の方法。
【請求項32】
プロテアーゼインヒビターが、ホップ抽出物、パッションフラワー、ブラックカラントおよびブドウ葉抽出物、加水分解ウルバ・ラクチュカ(ulva lactuca)抽出物、ビンロウジュ抽出物、青藻類(blue algae)抽出物、卵抽出物、オウシュウシラカバ抽出物、アリシン、アプロチニン、ロイペプチン、ベスタチン、ペプスタチンA、N-α-p-トシル-L-リシル-クロロメチル-ケトンおよびトリプシン-キモトリプシンインヒビターよりなる群から選ばれる、請求項29記載の方法。
【請求項33】
該組成物がスキンケア活性物質を更に含む、請求項29記載の方法。
【請求項34】
スキンケア活性物質が、抗老化剤、抗アクネ剤およびサンスクリーン剤よりなる群から選ばれる、請求項33記載の方法。
【請求項35】
該組成物が抗剥離剤を更に含む、請求項29記載の方法。
【請求項36】
皮膚老化の症状を軽減するための方法であって、三次構造を有し、ヘリックス-コイル変換を自発的に受けて引っ張り効果をもたらす水溶性タンパク質ベースの被膜形成剤、角質層上で該タンパク質を保護するのに十分な量のプロテアーゼインヒビターおよび化粧品上許容されるビヒクルを含む化粧品または医薬組成物を、そのような軽減を要する皮膚に適用することを含んでなる方法。
【請求項37】
被膜形成剤が、植物、野菜、藻類、細菌、動物由来の、またはバイオテクノロジーにより合成されたタンパク質よりなる群から選ばれる、請求項36記載の方法。
【請求項38】
被膜形成剤が、絹タンパク質、アーモンドタンパク質、乳タンパク質、乳漿タンパク質、ダイズタンパク質、タバコ葉タンパク質、細菌タンパク質、卵白タンパク質およびマメ由来の繊維性タンパク質よりなる群から選ばれる、請求項36記載の方法。
【請求項39】
プロテアーゼインヒビターが、ホップ抽出物、パッションフラワー、ブラックカラントおよびブドウ葉抽出物、加水分解ウルバ・ラクチュカ(ulva lactuca)抽出物、ビンロウジュ抽出物、青藻類(blue algae)抽出物、卵抽出物、オウシュウシラカバ抽出物、アリシン、アプロチニン、ロイペプチン、ベスタチン、ペプスタチンA、N-α-p-トシル-L-リシル-クロロメチル-ケトンおよびトリプシン-キモトリプシンインヒビターよりなる群から選ばれる、請求項36記載の方法。
【請求項40】
抗老化剤およびサンスクリーン剤よりなる群から選ばれるスキンケア活性物質を更に含む、請求項36記載の方法。
【請求項41】
該組成物が抗剥離剤を更に含む、請求項36記載の方法。
【請求項42】
皮膚老化の症状が、すじ、皺、皮膚萎縮、皮膚薄化およびそれらの組合せよりなる群から選ばれる、請求項36記載の方法。

【公表番号】特表2007−517883(P2007−517883A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549339(P2006−549339)
【出願日】平成17年1月4日(2005.1.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/000090
【国際公開番号】WO2005/067691
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】