説明

タービンアセンブリ

複数のタービンブレードを備えるタービンアセンブリであり、各ブレードは、当該ブレードのスラスト係数が第一回転速度に達するまでは当該タービンアセンブリの回転速度と共に増加し、第一回転速度を超えると当該タービンアセンブリの無拘束速度に達するまでは顕著に減少するような、設定角度分布を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンアセンブリ、より特には、排他的ではないけれども、潮力発電のような流体力学的な応用で使用するためのタービンアセンブリ、に関する。
【背景技術】
【0002】
タービンブレードの設計の従来のアプローチは、最高可能効率を有するブレードを製造することに焦点を合わせている。ブレードの設計の究極の目的は、自由流れ流体から最大可能エネルギー量を獲得することである。
【0003】
アクチュエータディスク理論及び翼素運動量理論の組み合わせは、結果的に、さまざまな入力パラメータが特定されたとき、ブレードの翼弦(コード)及びねじれの形状を半径の関数として特定する、ブレードの設計で広く採用されている2つの方程式を与える。
【0004】
これらの2つの方程式は以下に与えられる:
【数1】

変数は以下のように規定される:
・c=翼弦(コード)
・ファイ(φ)=(ブレードの断面の翼弦線と回転翼の平面との間の角度として規定される)ねじれ角
・R=回転翼の半径
・ミュー(μ)=(r=局所半径としたとき、r/Rとして規定される)無次元局所半径
・CL=作動断面揚力係数
・N=ブレードの数(通常2または3)
・ラムダ(λ)=(自由流れ流体の速度に対するブレード先端の速度の比として規定される)先端速度比(チップスピードレシオ)
・f=先端/基端損失率(チップ/ルートロスファクタ)(束縛循環の離脱に起因する局所揚力の損失を考慮した方程式の補正)
【0005】
方程式が導出されている方法に起因して、このパターンに設計されるブレードは、最高可能Cp(パワー係数)を与え、従って、最高可能エネルギー獲得効率を有するとして記述され得る。
【0006】
従来の方程式を使用して生成された(半径に対して無次元にされた)一例のブレード形状が、図1a及び図1bに示されている。ブレードの性能は、先端速度比に対するパワー、トルク、及びスラスト係数をプロットしている図2のグラフに記載されている。
【0007】
何よりもまして、パワー係数を最大化することを目的に設計されたブレードは、他の領域で望ましくない行動特性を示し得る。例えば、回転翼の速度(先端速度比)が増加するに従ってスラストが顕著に増加することが、図1の一例のブレードの係数プロットから認められ得る。海洋タービンのスラストは、作動流体の密度の違いに起因して、等しいパワー出力では、風力タービンのスラストの約4.5倍であるため、海洋タービンの構造的な設計には、大きな挑戦が存在している。
【0008】
さらに、タービンの回転翼は、独立では作動せず、複雑な発電システムの一構成要素として作動する。他の構成要素は、回転翼の性能に、越えられることが禁じられた制約を課す。例えば、関連するギアボックスの作動上の制限を超える最大トルクを生成する回転翼、または、システムの一体性を脅かす程高いスラストを生成するタービンの回転翼、を設計してしまうことは十分にあり得る。
【0009】
より高い先端速度比で生成される高いスラストの結果として、タービンは、「無拘束(runaway)」状態に近づくことが防止されなければならない。これは、生成された正味トルクがゼロであり、回転翼が自由に回転しているときの回転翼の速度である。従って、水タービンの無拘束速度は、流量が全開であり且つ軸荷重がないという条件の下での速度であると考えられ得る。発電の応用では、この状態は、発電機のトルクが突然取り除かれる場合に(すなわち、グリッド接続が失われる場合に)、または、ギアボックスが機能しなくなってタービンの回転の抵抗が最小化される場合に、潜在的に達成され得る。
【0010】
そのような無拘束状態を防止するようにプログラムされた制御システムを設けることが一般的に知られている。このタイプの従来のシステムは、典型的に、生成されるトルクを制限するためにブレードのピッチを変更する回転翼のハブにおける、アクチュエータの使用を含んでいる。軸制動機構は、また、回転翼が回転速度の閾値を超える危険にあれば、一定の軸速度を減速させる、または、維持することに従事し得る。
【0011】
速度超過を防止することは、海洋タービンに特有の問題である。流体の密度及び速度の違いに起因して、海洋タービンのトルクは、風力タービンのトルクより、単位出力パワーあたり約2倍高いであろう。この問題を悪化させるのは、海洋タービンは典型的にサイズが小さいため、回転翼の慣性が浮力タービンの慣性よりかなり低いという事実である。
【0012】
この高いトルク且つ低い慣性という状況の結果として、海洋タービンは風力タービンよりも流速の変動に対してかなり早く反応する。例えば潮流に関連する質量流速(mass flow)は、大きな乱流渦のような流れのパターンの変動が1秒未満の間に大きな速度超過を潜在的に引き起こし得るという状態を作り得る。これらの相対的に高い周波数変動を抑えるために十分早く反応し得る制御及びピッチシステムを設計することは、問題を有しており、高価で、重く、且つ複雑なシステムがタービンの内部に組み込まれるという結果をもたらし得る。
【0013】
さらに、速度超過によって引き起こされ得る損傷は、タービンを水面に引き上げる必要があることに起因して、修理するのに高価であり且つ時間がかかる。
【0014】
これらの問題に対する一つの以前考えられた解決法は、英国特許出願GB2461265に記載されており、そこでは、より高い回転速度においてスラストを減少させる役目を果たすタービンブレードの形状が記載されている。提案された設計は、ブレードのスラスト特性が所望の制限の範囲内にあるように、(仰角またはピッチ角としても知られている)食い違い角(スタガ角)が選択されたブレードを提供している。しかしながら、食い違い角は流速と共に変化し、また、流速のある範囲に亘って食い違い角は常に設計基準に適合しなければならないため、そのような設計は、内在的に妥協を有している。そのような制限は、ブレードのパワー係数が理想的な場合と比較して妥協されることを意味している。
【0015】
本発明の目的は、前記問題の少なくともいくつかを軽減させる様式で、流体力学的なタービンの回転速度を制御することを可能にするタービンブレード、タービン、及び、関連する設計及び作動方法を提供することにある。
【発明の概要】
【0016】
本発明の一の側面によれば、複数のタービンブレードを備え、各ブレードは、当該ブレードのスラスト係数が、第一回転速度に達するまでは当該タービンアセンブリの回転速度と共に増加し、当該第一回転速度を超えると当該タービンアセンブリの無拘束速度に達するまでは顕著に減少するような、当該ブレードの長さに沿った設定角度分布を有する、タービンアセンブリが設けられる。
【0017】
第一速度は、タービンアセンブリが最大パワー状態に達するときの速度であり得る。
【0018】
タービンまたはブレードの先端速度比(TSR)は、当該タービンに近づく流体の速度に対する当該ブレードの先端の瞬間線形速度の比であると考えられ得る。
【0019】
タービンアセンブリの第一回転速度におけるブレードのスラスト係数の第一の値は、タービンの最大パワー係数が達成されるときの値であり得る。タービンアセンブリの無拘束速度におけるスラスト係数の第二の値は、前記第一の値より顕著に低い。
【0020】
一実施例では、スラスト係数は、第一回転速度と無拘束速度との間で20%以上減少する。他の実施例では、スラスト係数は、第一回転速度と無拘束速度との間で50%以上減少する。他の実施例では、スラスト係数は、第一回転速度と無拘束速度との間で60%以上減少する。
【0021】
回転速度は、先端速度比によって規定され得る。
【0022】
所定のパワー出力においてパワー係数について最適化されるブレードと比較されるときに、各ブレードは、当該ブレードの翼幅の主部分に亘って、より大きな翼弦及び/またはねじれ角を呈し得る。
【0023】
一実施例では、ねじれ角は、ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードのねじれ角より、少なくとも5%大きい。
【0024】
他の実施例では、ねじれ角は、ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードのねじれ角より、少なくとも10%大きい。
【0025】
一実施例では、各ブレードの翼弦は、当該ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードの翼弦より、少なくとも10%大きい。
【0026】
他の実施例では、各ブレードの翼弦は、当該ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードの翼弦より、少なくとも20%大きい。
【0027】
他の実施例では、各ブレードの翼弦は、当該ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードの翼弦より、少なくとも40%大きい。
【0028】
一実施例では、当該アセンブリまたは当該アセンブリの各ブレードは、少なくとも0.35の最大パワー係数を有する。
【0029】
一実施例では、当該アセンブリまたは当該アセンブリの各ブレードは、0.15未満の最大トルク係数を有する。
【0030】
一実施例では、当該アセンブリまたは当該アセンブリの各ブレードは、0.7未満の、最大パワーの時点でのスラスト係数を有する。
【0031】
一実施例では、当該アセンブリまたは当該アセンブリの各ブレードは、最大パワーが生成されるときの先端速度比の2倍未満の、トルクがゼロに下がるときの先端速度比を有する。
【0032】
本発明の第二の側面によれば、当該ブレードのスラスト係数が、第一回転速度に達するまでは当該タービンアセンブリの回転速度と共に増加し、当該第一回転速度を超えると当該タービンアセンブリの無拘束速度に達するまでは顕著に減少するような、当該ブレードの長さに沿った設定角度分布を有する、タービンアセンブリでの使用のためのタービンブレードが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1a及び図1bは、先行技術に従って決定されたブレードの形状のグラフを示している。
【図2】図2は、先行技術に従うブレードの形状の性能係数のグラフを示している。
【図3】図3a及び図3bは、本発明に従って決定された一実施例のブレードの形状のグラフを示している。
【図4】図4は、本発明に従う一実施例のブレードの形状の性能係数のグラフを示している。
【図5】図5は、先行技術のブレードと本発明に従う一実施例のブレードとの間での、幾何学的な特徴の比較を示している。
【図6】図6は、先行技術のブレードと本発明に従う一実施例のブレードとの間での、ねじれの分布の比較を示している。
【図7】図7は、先行技術のブレードと本発明に従う一実施例のブレードとの間での、スラスト係数の比較を示している。
【図8】図8は、先行技術のブレードと本発明に従う一実施例のブレードとの間での、パワー係数の比較を示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
前述のように、流体力学的なタービンブレードの設計における従来の考えは、パワー係数を最大化することにブレード設計の焦点を合わせるということである。これは、特にスラスト行動に関して、望ましくない設計外の性能を産むという不利益を有している。本発明は、この焦点を緩めて、わずかに減少されたパワー係数を受容するように準備されることによって、より安全なスラスト特性を有するブレードを設計することが可能になる、という本発明者による認識から導出されている。考えのこの根本的なシフトを巡る更なる研究と実験は、結果的に、回転翼が高い先端速度比まで加速することが可能な場合に生じる過大なスラスト負荷によって引き起こされ得る危険性を、ブレードの形状特性が軽減または除去するため、「受動的に安全」であると考えられ得るブレードが製造されることを可能にする基準の決定をもたらした。
【0035】
本発明によって提案されたアプローチは、先行技術によって必要とされたピッチシステムの除去を可能にする。これは、潮力/風力タービンの単位コストの実質的な減少や、信頼性、重量及びそれ故に実装コストの改善、につながる。提案された設計は、内在的に安全であると共に、制動システムに対する要求の緩和を可能にし、更なる信頼性及び費用対効果をもたらし得る。
【0036】
しかしながら、本発明の特性は、当該特性がタービンによる過大なスラストの生成を防止するためのフェイルセーフ手段またはバックアップ手段を提供し得る、可変ピッチ機械でも使用され得るため、本発明は、固定ピッチまたは無制動実装で使用することに限定されない。同様に、軸制動のようなブレーキは、通常は冗長であるが、異常な状況では回転翼の速度を制御するために使用され得る特徴として設けられ得る。
【0037】
本発明に従う可能な一群のブレードを作り出した設計プロセスは、タービンシステムの作動制約の範囲内で機能するブレードを作り出すことに焦点が合わされた。その目的は、いかなる条件の下でもシステムの残りの部分の一体性を脅かさないと共に、制御システムに対する回転翼の速度を調整する必要性の要求を低減するブレードを製造することであった。
【0038】
従来の制御システムに対する要求をもたらす基準の分析と、潮力タービンのような流体力学的タービンの作動要求の分析とは、ブレードの形状を意図された機能に案内するために使用される重要な制約の決定をもたらしている。これらの重要な制約は:
・ブレードは、少なくとも0.35であり、好ましくは少なくとも0.40(少なくとも40%のブレード効率)である最大パワー係数を生成する。
・ブレードは、0.15未満の最大トルク係数を生成する。
・ブレードは、0.7未満の、最大パワーの時点でのスラスト係数を生成する。
・トルクがゼロに下がるときの先端速度比は、最大パワーが生成されるときの先端速度比の2倍より大きくはならない。
・無拘束速度(トルクがゼロ)のときのスラスト係数は、最大パワーのときに生成されるスラスト係数から顕著な減少を示す。
【0039】
あらゆるこれらの要求は、単体で、または、組み合わせで、本発明の規定を与えると考えられ得る。
【0040】
ブレードが「受動的に安全」と記述されることを可能にすると考えられ得るのは、前記最後の要求である。この特徴が、システムの作動制限の範囲内でのブレードの速度に関わらず、所定のタービンの配置での最大スラスト生成の閾値を超えることができないブレードを提供すると考えられ得る。従って、タービンに関連する発電機が通常の回転速度より高い速度での発電に対処するように規定される限り、回転速度が増加するに従ってブレードによって生成されるスラスト負荷が実際は減少するため、この性能の効果は、追加の制御手段によって回転翼の速度超過を防止するという必要性が除去されることである。
【0041】
更に、前記第四の基準は、発電機が運転するように強制される速度の範囲を制限する。従って、前記にリストされた第四及び最後の基準の組み合わせは、実用的適用性を有する本発明の規定を提供すると考えられ得る。
【0042】
設計プロセスは、多くの異なる形状を調査すると共に、前記にリストされた基準によって規定される範囲内に収まる性能係数を有する一群のブレードを決定した。
【0043】
これらの基準に従う一実施例の形状が、図3a及び図3bに示されており、これは、翼弦及びねじれの分布のプロットを与えている。この様式で設計されて、そのような形状特性を有するブレードは、前述したように、受動的に安全でありスラストが制限されたブレードを提供すると考えられ得る。翼弦と回転翼の角度の平面との間の角度は、設定角度として規定されており、この角度は、ブレードのスラスト係数が第一回転速度に達するまではタービンアセンブリの回転速度と共に増加し、第一回転速度を超えるとタービンアセンブリの無拘束速度まで減少するような設定角度分布を達成するように、ブレードの長さに沿って変化している。
【0044】
ブレードの内部構造は、流体力学的な性能に関しては、比較的重要でない。従って、以下に規定された所定の枠の範囲内の外部形状を有するブレードが製造されるならば、当該ブレードは、内部構造にほとんど関わらず、望ましい性能特性を有するであろう。
【0045】
前記ブレードの結果として生じる性能は、以下のグラフに示されている。性能係数は、工業標準シミュレーションツールとみなされている、ガラードハッサン(Garrad−Hassan)社の「潮力ブレード(Tidal Bladed)」ソフトウエアを使用して得られた。
【0046】
比較の目的に、新規な提案されたブレードの形状は、図1の「標準的な」ブレードと比較されている。主な違いは、ブレードの全体の翼幅に亘る顕著に大きい翼弦と、より大きなねじれ角であると認められ得る。有意な比較を行うと、両方のブレードは、1.15MWを発電するという要求によって設定された半径を有している。これは、13%のシステム損失を有する定格1MWの機械にとって妥当な値である。新規なブレードには、パワー係数がわずかに低下したという事実を説明するための、小さな半径の増加があることが認められ得る。これは、およそ4%の変化である。
【0047】
この新規な設計の新規性がブレードの幾何学的形状という枠に主に含まれることは、指摘されるべきである。ハイドロフォイル(またはエアロフォイル)部分は、性能の変化にはあまり重要ではなく、ここに記載された実施例では、本発明の利点の相対的な比較を純粋に行うために、同じフォイル部分が両方の前記ブレードに使用された。
【0048】
2つのブレードのスラスト特性を比較すると、図7に示されるように、差異は顕著である。図面に示された両方の曲線は、無拘束のポイントで停止している。無拘束の時点では、標準的なブレードは0.67のスラスト係数を生成している、一方、新規なブレードはたったの0.19を生成している。これは、0.83及び0.65のそれぞれのピークのスラスト係数値と比較される。
【0049】
しかしながら、パワー係数及びそれ故に2つのブレードの効率を比較すると、図8に示されるように、ピークのパワー係数に、よりずっと小さな相対的差異があることが認められ得る。そのような差異は、前述のプロットに認められる小さな半径の増加によって容易に埋め合わせられ得る。これらの2つのグラフは、新規なブレードの最も重要な利点をほぼ間違いなく捉えている。すなわち、新規なブレードは、(従来の設計方法に従って達成され得るパワー係数からわずかに減少されているが)受容可能な高いパワー係数を維持する、一方、顕著なスラストの減少を実現している。
【0050】
他の顕著な利点は、無拘束の時点での絶対的な回転速度の大きな減少である。
【0051】
前記を考慮して、本発明は、例えば(使用されるタービンブレードの必要な半径を決定し得る)固定の電力生成のような所定の条件の下で、(前述の)第1頁の従来の方程式に従って決定されたブレードと比較された幾何学的な(翼弦及び設定角度の)特徴のズレに基づいて規定され得る、ということが認められるであろう。あるいは、前述のあらゆる他の物理的または作動的な差異が、本発明の規定を生じさせ得る。
【0052】
本発明は、特に潮力タービンに関して発明されたが、本件方法を慣用されている修正のみで、風力タービン、自流式タービン、または水力発電タービンを含む、他のタービン構成に対して適用可能であると考えられる。全てのそのようなシステムは、タービンの速度を制御するための受動的で内在的に安全なアプローチから潜在的に利益を受け得る。従って、本発明は一つのブレードの外形形状に限定されず、むしろ、タービンの環境上の作動上の要求に依存して多くの異なるブレードの外形形状が作られ得る。
【図1a】

【図1b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタービンブレードを備え、
各ブレードは、当該ブレードのスラスト係数が、第一回転速度に達するまでは当該タービンアセンブリの回転速度と共に増加し、当該第一回転速度を超えると当該タービンアセンブリの無拘束速度に達するまでは顕著に減少するような、当該ブレードの長さに沿った設定角度分布を有する
ことを特徴とする発電タービンアセンブリ。
【請求項2】
当該タービンアセンブリの前記第一回転速度における前記ブレードのスラスト係数の第一の値は、当該タービンの最大パワー係数が達成されるときの値であり、
当該タービンアセンブリの前記無拘束速度におけるスラスト係数の第二の値は、前記第一の値より顕著に低い
ことを特徴とする請求項1に記載のタービンアセンブリ。
【請求項3】
前記スラスト係数は、前記第一回転速度と前記無拘束速度との間で20%以上減少する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタービンアセンブリ。
【請求項4】
前記スラスト係数は、前記第一回転速度と前記無拘束速度との間で50%以上減少する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタービンアセンブリ。
【請求項5】
前記スラスト係数は、前記第一回転速度と前記無拘束速度との間で60%以上減少する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタービンアセンブリ。
【請求項6】
前記回転速度は、先端速度比(チップスピードレシオ)によって規定される
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項7】
固定ピッチブレードの回転翼構造を備える
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項8】
当該アセンブリは、流体力学的なタービンアセンブリを備える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項9】
所定のパワー出力においてパワー係数について最適化されたブレードと比較されるときに、各ブレードは、当該ブレードの翼幅(スパン)の主部分に亘って、より大きな翼弦(コード)及び/またはねじれ角を呈する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項10】
前記ねじれ角は、前記ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードのねじれ角より、少なくとも5%大きい
ことを特徴とする請求項9記載のタービンアセンブリ。
【請求項11】
前記ねじれ角は、前記ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードのねじれ角より、少なくとも10%大きい
ことを特徴とする請求項9記載のタービンアセンブリ。
【請求項12】
各ブレードの前記翼弦は、当該ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードの翼弦より、少なくとも10%大きい
ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項13】
各ブレードの前記翼弦は、当該ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードの翼弦より、少なくとも20%大きい
ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項14】
各ブレードの前記翼弦は、当該ブレードの長さに亘って、対応するパワー係数最適化ブレードの翼弦より、少なくとも40%大きい
ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項15】
当該アセンブリまたは当該アセンブリの各ブレードは、少なくとも0.35の最大パワー係数を有する
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項16】
当該アセンブリまたは当該アセンブリの各ブレードは、0.15未満の最大トルク係数を有する
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項17】
当該アセンブリまたは当該アセンブリの各ブレードは、0.7未満の、最大パワーの時点でのスラスト係数を有する
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項18】
当該アセンブリまたは当該アセンブリの各ブレードは、最大パワーが生成されるときの先端速度比の2倍未満の、トルクがゼロに下がるときの先端速度比を有する
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のタービンアセンブリ。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれかに記載のタービンアセンブリ用のブレード。

【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−515901(P2013−515901A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545441(P2012−545441)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/GB2010/052156
【国際公開番号】WO2011/077128
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(508111763)タイダル ジェネレーション リミテッド (4)
【Fターム(参考)】