説明

ダイ本体からハニカム押出ダイを作製する方法

【課題】
ハニカム押出ダイをダイ本体から作製する方法の改善。
【解決手段】
ハニカム押出ダイをダイ本体から作製する方法は、押出スロットを少なくとも1つの砥石車で機械加工し、押出スロットのハニカムパターンを提供する工程を有してなる。さらなる例では、押出スロットのハニカムパターンの複数の押出スロットは、前記押出スロットのハニカムパターンの複数の押出スロットを、前記砥石車で機械加工した後、ワイヤー放電加工法で機械加工されうる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2010年2月26日出願の米国仮特許出願第61/308,695号の優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、ハニカム押出ダイを作製する方法に関し、さらに具体的には、ハニカム押出ダイ本体、および放電スロットを含むハニカム押出ダイ本体を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ダイ本体からハニカム押出ダイを作製する従来の方法は、放電加工する工程を含む。このような従来の方法は、可変のスロット寸法を有するハニカム体を生産するように構成された押出ダイを提供することが知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様では、本方法は、互いに間隔をあけ、かつ、砥石車の回転軸に沿って同心円状に整列した複数の翼を含む砥石車を用いて、ダイ本体からハニカム押出ダイを作製することによって規定される。本方法は、砥石車を回転軸の周囲で回転せしめ、砥石車の翼によって、複数の、平行な押出スロットの第1のセットが、ダイ本体内に同時に加工されるように、前記ダイ本体と接触させたまま、前記砥石車を第1の方向軸に沿って移動せしめる、各工程を有してなる。本方法は、さらに、砥石車を回転軸の周囲で回転せしめ、前記砥石車の翼によって、複数の、平行な押出スロットの第2のセットが、ダイ本体内に同時に加工されるように、前記ダイ本体と接触させたまま、前記砥石車を第1の方向軸と交差する第2の方向軸に沿って移動せしめる、各工程を有してなる。それによって、前記平行な押出スロットの第1および第2のセットに由来する、交差する押出スロットから形成された押出スロットのハニカムパターンがダイ本体に備わる。
【0005】
別の態様では、本方法は、砥石車の回転軸に沿って同心円状に整列した少なくとも1つの翼を含む砥石車を用いて、ダイ本体からハニカム押出ダイを作製することによって規定される。本方法は、平行な押出スロットの第1のセットを、第1の方向軸に沿って、ダイ本体に機械加工する工程を有してなり、ここで、平行な押出スロットの第1のセットの少なくとも1つのスロットは、砥石車を回転軸の周囲で回転せしめ、砥石車を第1の方向軸に沿って移動せしめることによって機械加工される。本方法は、さらに、平行な押出スロットの第2のセットを、第1の方向軸と交差する第2の方向軸に沿って、ダイ本体に機械加工する工程を有してなり、ここで、平行な押出スロットの第2のセットの少なくとも1つのスロットは、砥石車を回転軸の周囲で回転せしめ、砥石車を第2の方向軸に沿って移動せしめることによって機械加工され、ここで、前記平行な押出スロットの第1および第2のセットに由来する、交差する押出スロットから形成された押出スロットのハニカムパターンがダイ本体に備わる。本方法は、押出スロットのハニカムパターンの複数の押出スロットを、砥石車を用いて機械加工した後、ワイヤー放電加工法を用いて、押出スロットのハニカムパターンの複数の押出スロットを機械加工する工程をさらに含む。
【0006】
本発明のこれらおよび他の特性、態様、および利点は、本発明の後述する詳細な説明を添付の図面を参照しつつ読む場合に、より良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例となるハニカム押出ダイ装置の部分平面図。
【図2】図1の線2−2に沿ったハニカム押出ダイ装置の部分断面図。
【図3】例となる砥石車の斜視図。
【図4】複数の平行な押出スロットの第1のセットをダイ本体内に同時に機械加工する砥石車の例。
【図5】複数の平行な押出スロットの第2のセットを図の4ダイ本体内に同時に機械加工する砥石車の例。
【図6】砥石車によって事前に機械加工した押出スロットに行われるワイヤー放電加工法の例。
【図6A】ワイヤー放電加工法の一例を例証する、図6の6A−6Aの線に沿った、例となるダイ本体のスロットの部分断面図。
【図6B】別の例となるワイヤー放電加工法を例証する、図6の6A−6Aの線の線に沿った、例となるダイ本体のスロットの別の部分断面図。
【図6C】さらに別の例となるワイヤー放電加工法を例証する、図6の6A−6Aの線の線に沿った、例となるダイ本体のスロットの別の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の例となる実施の形態を示す添付の図面を参照しつつ、以下に、本発明をさらに十分に説明する。できる限り、同一または類似の部分についての言及には、図面全体を通して、同一の参照番号が用いられる。しかしながら、特許請求の範囲に記載される本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施の形態に限定されると見なされるべきではない。これらの例となる実施の形態は、本開示が完璧かつ完全であり、本発明の範囲が当業者に完全に伝わるように提供される。
【0009】
例となるハニカム押出ダイ10は、押出装置(図示せず)の一部として組み込まれるように構成されたダイ本体20を含みうる。図1および2に示すように、ハニカム押出ダイには、ダイ本体20に加えて、マスク部材12および/または他の構成要素も含めることができる。ハニカム押出ダイ10は、ハニカム体を形成するための可塑化セラミック形成バッチ材料の押出成形を促進するように構成される。例えば、ハニカム体は、燃焼機関から出る排気を処理するための微粒子フィルタとして用いることができる。一部の例では、ハニカム体に、窒素酸化物または他の環境汚染物質を低減するための触媒を負荷してもよい。
【0010】
図1を参照すると、例となるハニカム押出ダイ10の第二象限の概略図が示されている。図示していないが、第一象限は、垂直軸についての第二象限の鏡像でありうる。さらには第三象限および第四象限は、それぞれ、水平軸についての第1および第二象限の鏡像でありうる。よって、図1は、円形の円筒状の形態を有する円筒状のハニカム体を押出成形するように構成された円形の放電表面60を有する、例となるハニカム押出ダイを表している。他の実施の形態では、ハニカム押出ダイ10の表面60は、異なる形状を有していて差し支えない。例えば、放電表面は、3つ以上の側面を有する多角形の形状(例えば、三角形、長方形、正方形など)または楕円形などの他の幾何学的形状を有していてもよい。放電表面の形状は、ダイ本体を用いて押出されたハニカム体の所望の形状に応じて選択することができる。
【0011】
図2を参照すると、ダイ本体20には、押出方向24に、入口端22aおよび、入口端22aの反対側の吐出端22bが備わっていて差し支えない。ダイ本体20には、入口端22aを起点とし、入口端22aから延在する複数の送り孔28を画成する、入口領域26aが備わっていて差し支えない。複数の送り孔28は、ラム押出機またはスクリュー押出機などの押出装置(図示せず)からバッチ材料を受け入れるように構成される。ダイ本体20は、さらに、吐出端22bで終了する放電領域26bを備えている。放電領域26bは、複数のダイ・ピン30を備える。各ダイ・ピン30は、ダイ本体20の表面60(図1参照)に沿って配置された端面32を含む。
【0012】
各ダイ・ピン30は、表面60からダイ本体20内に及ぶ押出スロット56のハニカムパターン54(図1参照)を画成する側壁34も備える。押出スロット56は、ダイ本体20の入口領域26aと放電領域26bとの接触面における、送り孔と放電スロットの交差位置36において送り孔28と接続することができる。
【0013】
図3は、複数の平行な押出スロット56をダイ本体20内に機械加工するために用いて差し支えない、例となる砥石車40の斜視図を示している。砥石車40には、本発明の態様に従った、さまざまな代替となる構造および構成が設けられうる。説明のために例証されるように、砥石車40は、押出スロットをダイ本体20内に機械加工するように構成された少なくとも1つの翼44を含みうる。図示した例は、複数の翼44(例えば、5つの翼)を含むように示されているが、さらなる例では、5つより多い、または少ない数の翼が提供されて差し支えない。翼の数の低減は、砥石車40を駆動して、砥石車40の回転軸48の周りを回転する動力装置(図示せず)の所要電力を低減するために望ましいであろう。翼の数の増加は、押出スロットのさらに大きいサブセットを同時に機械加工できるようにし、それによって、最終的な押出スロットのハニカムパターンを生じるのに必要とされる全般的な処理時間を短縮しうる。例証された例では、5つの翼44は、処理時間を大幅に短縮するのに十分な数の翼を提供する一方で、動力装置の所要電力を低減するという利益のバランスを取るのに役立つように提供されうる。
【0014】
翼44は、ダイ本体材料、スロットの幅および/または深さなどの要因に応じて、幅広い材料および寸法を含んで差し支えないことが認識されよう。例えば、翼材料は、立方体形状の窒化ホウ素(CBN)でありうる。図示する例では、翼は、ダイヤモンド翼、鋼鉄などであって差し支えない。加えて、翼44の厚さは、押出スロット56の標的サイズに応じて、さまざまでありうる。翼厚は、0.002インチ(0.0508mm)〜0.030インチ(0.762mm)の範囲であって差し支えない。例えば、各翼44の厚さは、各押出スロット56の目標幅よりわずかに小さくなるように選択されうる。一例を挙げれば、目標スロット幅が0.0072インチ(0.1829mm)の場合、スロットを形成するための対応する翼厚は、0.0045インチ(0.1143mm)でありうる。
【0015】
砥石車40は、1つ以上の翼44が砥石車40の回転軸48に沿って同心円状に整列できるように、図示した軸42などの軸力部材をさらに備えることができる。軸は、備わっている場合には、1つ以上の翼44と連携するためのさまざまな特性を含みうる。例えば、図示するように、軸42は、図示した、先が細くなった先端を有する円形の円筒軸を含みうる。代替となる例では、軸は、多角形の断面(例えば、三角形、長方形など)または他の形状を有する円筒を含みうる。多角形の断面を備えることは、軸42に対して1つ以上の翼44を回転不能に配置するのに役立つことから、望ましいであろう。軸は、軸42に対して1つ以上の翼44を配置するのに役立つ取り付け特性をさらに含みうる。例えば、図示するように、軸42の一端は隆起縁50を有しうるが、軸42の反対の端はネジ山になっていて差し支えない(図示せず)。軸42のネジ端は、図示した圧縮ナット52を受け入れるように構成されうる。
【0016】
図示するように、複数の翼44は、複数の平行な均一に間隔をあけたスロットが、前記ダイ本体20内に機械加工されうるように、回転軸48に沿って均一間隔で配置されて差し支えない。一例を挙げれば、1つ以上のスペーサ46が、対応する一対の翼44の間に提供されうる。各スペーサ46の幅は、ピッチとも称される、各隣接した押出スロット間の目標距離に応じて決まる。例えば、各隣接したスロット間の距離が大きいダイ本体では、各スペーサ46は、各隣接した翼44が所望のダイ・ピン寸法を形成するのに十分な幅で配置されるように、対応する幅を有していて構わない。さらなる例では、翼は、押出スロットの最終的なハニカムパターン54の隣接した押出スロット56間に、多様な間隔をあけて配置されてもよい。例えば、第1の通路は、押出スロットを1つおきに機械加工し、第2の通路は、先に機械加工された押出スロットの間の押出スロットを機械加工して差し支えない。
【0017】
図3に示すように、スペーサ46は実質的に円形の形状であるが、しかしながら、他の形状および寸法も意図されている。例えば、スペーサ46は、長方形、正方形などの多角形の形状、または楕円形などの他の幾何学的形状でありうる。さらには、スペーサ46は、さまざまな寸法を有しうる。図示する例では、スペーサ46は、翼44よりもわずかに小さい直径を有する。スペーサ46がダイ本体20と接触することなく、翼44が所望のスロット深さを形成することができるように、スペーサ46は十分に小さい直径を有しうる。スペーサ46は、セラミック、金属など、多くの材料で作られて差し支えない。加えて、スペーサ46は、使用者が、異なる大きさのスペーサ46を挿入し、スロット間の距離を調整できるように、取り外し可能でありうる。
【0018】
砥石車40の組み立て例は、軸42の末端を第1の翼44の中央ボアに通して差し込み、その後、隆起縁50に隣接するように第1の翼44を軸に沿って押し込む、各工程を有してなる。複数の翼を有する例では、その後、軸42の末端を、第1のスペーサ46の中央ボアに通して差し込み、その後、第2の翼44の中央ボアに通す。このプロセスは、砥石車が所望の数の翼で構成されるまで、翼とスペーサを交互に続けることができる。翼およびスペーサの中央ボアは、軸42の対応する円筒状の構成と適合させるため、非円筒状の構成を有していてもよい。このように、翼およびスペーサを軸42に差し込み、翼間の相対的回転を防ぐのに役立ててもよい。次いで、圧縮ナット52を軸上に固定し、翼およびスペーサを軸上の取り付け位置に圧迫するようにきつく締めて差し支えない。取り付け後、翼44およびスペーサ46は、回転軸48に沿って同心円状に整列し、回転軸48の周囲を軸42と一緒に回転するように構成される。
【0019】
研磨機(図示せず)は、砥石車40を受け入れるように提供されて差し支えない。縦型または横型研磨機などの研磨機は、軸42を受け入れて、機械加工プロセスの間に、砥石車40を回転軸48の周りで回転せしめるように構成されうる。一例を挙げれば、軸42を4軸フライス盤上に置き、20,000rpmに至るまで回転させて差し支えないが、さらなる例では、軸42を異なる速度で回転させてもよい。後述するように、翼44は、押出スロットの効果的な機械加工を提供するのに十分な速度で回転させて構わない。機械加工プロセスの間に冷却および/または破片を取り除くために、随意的に、切削液、冷却液などを翼に分散して差し支えない。何らかの理由で翼44の間の間隔を変化させる場合、圧縮ナット52を軸から取り外してもよい。その後、異なる幅を有するスペーサをスペーサ46と交換して構わない。同様に、翼44を取り外し、異なる翼に置換してもよい。例えば、翼44は、異なる幅および/または直径を有する翼に置換されうる。また、磨耗または損傷した翼44は個別に取り替えて差し支えなく、それによって、砥石車全体を廃棄することなく、損傷または磨耗した翼のみを取り替えることで費用を削減することができる。
【0020】
図4を参照すると、ダイ本体20内に機械加工される押出スロット56の図が示されている。砥石車40は、表面60と接触しながら回転軸48の周りを回転しうる。一例を挙げれば、砥石車40は、ダイ本体20の末端から開始し、表面と接触したまま、第1の方向軸62に沿って移動しうる。図示していないが、ダイ本体20のへりは、翼44がダイ本体20のへりを通って入り易くするために、面取りされていてもよい。しかしながら、別の例では、砥石車40は、ダイ本体20のへりから離れた表面60の中央部分の範囲内から開始してもよい。砥石車が第1の方向軸62に沿って移動するにつれて、1つ以上の押出スロット56は、翼44によってダイ本体20内に機械加工される。例えば、図示する例では、砥石車40は5つの翼44を有する。このように、翼44は、最大で5つの平行な押出スロット56を同時に、ダイ本体20の表面60内に機械加工する。翼44の数はさまざまでありうるが、しかしながら、軸42上に、わずかに1つの翼、またはそれ以上を提供することを含む。単一の翼を有する砥石車40は、単一のスロットをダイ本体の表面60に機械加工しうる。
【0021】
平行な押出スロットの第1のセットは、第1の方向軸62に沿った1つ以上の通路に沿って、砥石車40を移動させることによってダイ本体20の表面60上に形成された押出スロット56を含みうる。しかしながら、砥石車40が辿る通路は変化して差し支えない。一例を挙げれば、平行な押出スロットの第1のセットは、砥石車40を第1の方向軸62に沿って、1回以上動作させることによって形成されうる。砥石車40は、第1の方向軸62に沿った単一の通路が、平行な押出スロットの第1のセットを含む押出スロット56を形成するように、十分な数の翼を有していて構わない。
【0022】
平行な押出スロット56の第1のセットは、複数の通路に沿って、複数回、第1の方向軸62に沿って、砥石車40を連続的に通過することによって機械加工されてもよい。例えば、一例を挙げれば、砥石車40は、第1の方向軸62に沿った通路を形成し、押出スロット56を形成する。次に、砥石車40は、通路を再トレースして構わない。各通路は、深さが徐々に増大した押出スロットを提供し、それによって、一連の重複した機械加工通路による押出スロットの全般的な所望の深さをもたらすことができる。通路は、完全に再トレースされて差し支えなく、または、選択的に、部分的に再トレースされてもよい。部分的再トレースした、または間隔をあけた通路は、一連の機械加工通路による押出スロットの全般的な所望の幅を提供するために、徐々に増大するように提供されうる。
【0023】
加えて、または代替として、平行な押出スロットの第1のセットは、押出スロットの第1のサブセットを機械加工し、その後、押出スロットの第2のサブセットを機械加工するが、複数の前記押出スロットの第1のサブセットは機械加工しないことによって、生産されうる。この例では、砥石車40は、押出スロットの第1のサブセットを機械加工するために、第1の通路に沿って通路を形成しうる。砥石車40は、その後、押出スロットの第2のサブセットを機械加工するために、第1の通路から間隔をあけた第2の通路に沿って第2の通路を形成しうる。したがって、押出スロットの第1のセットは、ダイ本体内に連続的に機械加工される押出スロットのサブセットの組合せを含みうる。それに続く各サブセットの連続的な機械加工は、先に機械加工したサブセットに隣接して行われてもよいが、サブセットは、ダイ本体の別の位置において、無作為または選択的に機械加工されてもよい。図示するように、押出スロットの第2のサブセットは機械加工されるが、押出スロットの第1のサブセットのいずれも機械加工されない。この例では、通路の数が低減した、平行な押出スロットの第1のセットが達成されうる。あるいは、押出スロットの第2のサブセットを機械加工するときに、少なくとも1つの翼は、スロットをさらに機械加工するために、第1のサブセットの押出スロットを通過して差し支えなく、あるいは、機械加工されることなく、スロットを単に通過してもよい。
【0024】
図5を参照すると、第2の方向軸64に沿って、ダイ本体20内に機械加工される押出スロット56が図示されている。図示する例では、第2の方向軸64は、実質的に垂直に第1の方向軸62と交差し、押出スロット56のハニカムパターン54を形成する。しかしながら、図示する例では、第2の方向軸64は、例えば、第1の方向軸62に対しておよそ90°の角度を形成することなどによって、第1の方向軸62に対して異なる角度で配置されうる。このように、さまざまな多角形の構成を有するダイ・ピンが、さまざまなセル構成のハニカムネットワークを画成するように提供されうる。
【0025】
第2の方向軸64に沿ってスロットを形成する方法は、上述の第1の方向軸62に沿ってスロットを形成する方法と同様または同一であって差し支えない。砥石車40は、第2の方向軸64に沿って方向付けられてもよい。機械加工プロセスの間に、砥石車40は、ダイ本体20の表面60と接触して保持されうる。砥石車40および翼44は、表面60と接触したままで、回転軸48の周りを第2の方向軸64の方向に回転し、押出スロット56を形成しうる。砥石車40が移動するにつれて、1つ以上の押出スロット56は、第2の方向軸64に沿って、翼44によってダイ本体20内に機械加工される。上記のように、図示する例における砥石車40は5つの翼44を有しているが、さらなる例では、単一または異なる数の翼が提供されて構わない。
【0026】
平行なスロットの第1のセットに関して記載する通り、砥石車40は、同じように、平行な押出スロット56の第2のセットを形成するための多くの異なる通路を辿りうる。一例を挙げれば、砥石車40は、表面60と接触しつつ、回転軸48の周りを回転しうる。砥石車40は、ダイ本体20のへりから開始し、表面と接触したまま、第2の方向軸64に沿って移動しうる。しかしながら、別の例では、砥石車40は、ダイ本体20のへりから離れた表面60の中央部分の範囲内から開始して差し支えない。砥石車が第2の方向軸64に沿って移動するにつれて、1つ以上の押出スロット56は、1つ以上の翼44によって、ダイ本体20内に機械加工される。
【0027】
平行な押出スロットの第2のセットは、第2の方向軸64に沿った1つ以上の通路に沿って、砥石車40を移動せしめることによってダイ本体20の表面60上に形成された押出スロット56を含みうる。しかしながら、砥石車40が辿る通路はさまざまに変化して差し支えない。一例を挙げれば、平行な押出スロットの第2のセットは、砥石車40を第2の方向軸64に沿って、1回以上動作させることによって形成されうる。砥石車40は、第2の方向軸64に沿った単一の通路が、平行な押出スロットの第2のセットを含む押出スロット56を形成するように、十分な数の翼を有していて構わない。
【0028】
平行な押出スロット56の第2のセットはまた、複数の通路に沿って、複数回、第2の方向軸64に沿って砥石車40を連続的に通過させることによって機械加工されてもよい。例えば、一例を挙げれば、砥石車40は、第2の方向軸64に沿った通路を形成し、押出スロット56を形成しうる。次に、砥石車40は、通路を再トレースしうる。各通路は、深さが徐々に増大した押出スロットを提供し、それによって、一連の重複した機械加工通路から、押出スロットの全般的な所望の深さを提供しうる。通路は、完全に再トレースされて差し支えなく、または、選択的に、部分的に再トレースされてもよい。部分的に再トレースした、または間隔をあけた通路は、一連の機械加工通路による押出スロットの全般的な所望の幅を提供するように、幅が徐々に増大するように提供されうる。
【0029】
加えて、または代替として、平行な押出スロットの第2のセットは、押出スロットの第2のサブセットを機械加工し、その後、複数の押出スロットの第1のサブセットは機械加工せずに、押出スロットの第2のサブセットを機械加工することによって生産されうる。この例では、砥石車40は、押出スロットの第1のサブセットを機械加工するため、第1の通路に沿って通路を形成しうる。砥石車40は、その後、押出スロットの第2のサブセットを機械加工するため、第1の通路から間隔をあけた第2の通路に沿って第2の通路を形成しうる。したがって、押出スロットの第2のセットは、ダイ本体内に連続的に機械加工される押出スロットのサブセットの組合せを含みうる。それに続く各サブセットの連続的な機械加工は、前に機械加工したサブセットに隣接して行われてもよいが、サブセットは、ダイ本体の別の位置において、無作為にまたは選択的に機械加工されて差し支えない。図示するように、押出スロットの第2のサブセットは機械加工されるが、押出スロットの第1のサブセットのいずれも機械加工されない。あるいは、押出スロットの第2のサブセットを機械加工するときに、少なくとも1つの翼は、スロットをさらに機械加工するため、または、機械加工することなくスロットを単に通過するために、第1のサブセットの押出スロットを通過して差し支えない。
【0030】
軸42上に取り付けられた翼44は、寸法および形状が同一であって差し支えない。したがって、ダイ本体20の表面60に形成されるスロットは、実質的に一定の幅および深さを有することによって、ほぼ同一でありうる。一例を挙げれば、0.0045インチ(0.1143mm)幅を有する翼は、およそ0.0048インチ(0.1219mm)のスロット幅を有するスロットを機械加工するために使用して差し支えない。このような例では、表面60に形成されるスロットは、約0.0048インチ(0.1219mm)の実質的に一定のスロット幅を有しうる。翼の形状が同一でありうることから、翼は、表面60に実質的に一定のスロット深さも形成しうる。しかしながら、さまざまな幅および深さを有するスロットの製造には、さまざまな寸法および形状の翼を使用して差し支えないことが理解されよう。
【0031】
図6、6a、6b、および6cを参照しつつ、ワイヤー放電加工法を用いてスロットを機械加工する方法について説明する。砥石車40が押出スロット56をダイ本体20内に機械加工した後には、スロットのハニカムパターン54が存在する。表面60に形成された押出スロット56は、実質的に一定の幅および深さを有することから、ほぼ同一でありうる。ワイヤー放電加工(EDM)法は、少量の材料をスロットから取り除き、目標スロット幅および/または深さの達成を補助することによって、スロットごとのばらつきを低減するために使用されうる。一例を挙げれば、0.0073インチ(0.1854mm)の目標スロット幅を生じるためには、0.0045インチ(0.1143mm)の翼厚が使用されうる。翼の機械加工工程の後、0.0045インチ(0.1143mm)の翼は、およそ0.0048インチ(0.1219mm)のスロット幅を生じる。0.0073インチ(0.1854mm)の最終的な目標スロット幅を達成するためには、スロットの各側面からおよそ0.00125インチ(0.03175mm)を除去するため、ワイヤーEDM法には0.006インチ(0.1524mm)のワイヤーが用いられうる。その後、後述するように、一部またはすべてのスロットについて、ワイヤーEDM法を繰り返し、スロットごとのばらつきが最小限に抑えられた目標スロット幅を達成して差し支えない。
【0032】
図6を参照すると、ワイヤーEDM法は、スロットの両端から実質的に等量の材料を取り除くために使用されうる。概略的に示すように、ワイヤーEDM法は、ワイヤー120の機械加工部分がリール122,124の間に延在するように、供給リール122から反対側の受容リール124へと連続して供給される、一本のワイヤー120を採用することができる。供給リール122および受容リール124は、ワイヤー120がリール122,124の間のスロット内に延在するように、押出スロット56と一直線になったダイ本体20の各側面に配置されうる。次に、ワイヤー120は、スロットの片側または両側に近接近してスロットを通じて動作する間、連続して供給されうる。
【0033】
図6a、6bおよび6cは、砥石車40によって前もって機械加工された押出スロット56上で行う、ワイヤーEDM法の例を示している。図示するように、ワイヤーEDM法は、押出スロットのハニカムパターン54のすべての押出スロット56を砥石車40で機械加工した後に行って差し支えない。さらなる例では、ワイヤーEDM法は、砥石車40を用いてすべての押出スロットが形成される前に、例えば周期的に、実施して差し支えない。例えば、ワイヤーEDM法は、砥石車が押出スロットの第2のサブセットを機械加工すると同時に、押出スロットの第1のサブセット上で行ってもよい。その後、押出スロットの第2のサブセットにワイヤーEDM法を行う一方で、砥石車は、押出スロットの第3のサブセットを機械加工することができる。このプロセスは、押出スロットのハニカムパターン54が完了するまで継続して差し支えない。EDM法を周期的に行うことにより、ハニカム押出ダイを作製するための全般的な時間が短縮されうる。
【0034】
周期的EDM法は、対応する平行な押出スロットの第1のセットおよび平行な押出スロットの第2のセットの完成後に実施してもよい。例えば、図4に示すように、平行な押出スロットの第1のセットは、砥石車40によって機械加工することができる。その後、平行な押出スロットの第1のセットは、ワイヤーEDM法を用いて機械加工されうる。図5に示すように、平行な押出スロットの第2のセットは、その後、砥石車40によって機械加工されうる。次いで、ワイヤーEDM法を平行な押出スロットの第2のセット上で行って差し支えない。
【0035】
図6Aは、例となる押出スロットおよびEDMワイヤー120と共に、ダイ本体20の部分断面図を参照する、実施されたワイヤーEDM法の一例を示している。ワイヤーEDM法の実施前の、砥石車によって機械加工されたスロット幅が、ワイヤー120の下に示されている。ワイヤーEDM法実施後のスロット幅は、ワイヤー120の上に示されている。図示するように、砥石車40によって機械加工された押出スロット56の平均幅は、ワイヤーEDM法の間に用いられるワイヤー120の平均直径未満でありうる。さらなる例では、ワイヤーの幅は、砥石車40によって機械加工された押出スロット56の平均幅以下でありうる。例えば、図6Bに示すように、砥石車によって機械加工された押出スロットの平均幅は、ワイヤーEDM法の間に用いられるワイヤー120の平均直径より大きい場合がある。
【0036】
図6Aでは、ワイヤーEDM法は、ダイ本体20の表面60から開始して差し支えない。ワイヤー120が供給リール122と受容リール124の間を連続して動作すると同時に、ワイヤー120は、表面60から押出スロット56内に、深さ方向の通路126に沿って動作しうる。ワイヤー120が押出スロット56の両側と密接に接触する際に、ワイヤー120とダイ本体20間の放電が、スロットの両側から少量の材料を取り除く。ワイヤー120は、深さ方向の通路126に沿って押出スロット56内へと下がり続け、移動する際に、押出スロット56の第1および第2の両側132,134から材料を除去する。ワイヤー120は、最終的に、スロットの底部138に達し、押出スロット56全体の両側から材料を取り除き、目標スロット寸法を達成する。ワイヤー120は、その後、供給リール122と受容リール124の間で一時的に作動を停止して構わない。この時点で、ワイヤー120は、機械加工した押出スロット56から取り除かれて差し支えなく、ワイヤーEDM法は、別の機械加工されていないスロットにおいて再開することができる。別の例では、ワイヤー120がスロットの底部138に達するときに、ワイヤー120は、供給リール122および受容リール124の間を動作し続けてもよい。ワイヤー120は、機械加工したスロットから取り出されて差し支えないが、ワイヤー120は動作し続け、別の機械加工されていないスロットにおいて、ワイヤーEDM法を再開することができる。ワイヤーEDM法は、一部またはすべてのスロットが機械加工されるまで、継続してもよい。このような例では、ワイヤーは、ワイヤーEDM法全般にわたって動作し続け、よって、ワイヤーの停止および再開は回避される。
【0037】
図6Bを参照すると、砥石車によって機械加工された押出スロット56の平均幅は、ワイヤーEDM法の間に使用したワイヤー120の平均直径よりも大きくて差し支えない。図示する例では、ワイヤーEDM法は、ダイ本体20の表面60における押出スロット56の第1の側面132に沿って開始されうる。ワイヤー120が供給リール122と受容リール124の間を連続して動作すると同時に、ワイヤー120は、第1の深さ方向の通路128に沿って動作して差し支えない。ワイヤーは、押出スロット56の底部138の方に向かって、第1の深さ方向の通路128に沿って動作することから、材料は、ワイヤーEDM法によって、第1の側面132から除去される。ワイヤー120は、最終的に、押出スロット56の底部138に達し、材料は、押出スロット56の第1の側面132から除去されている。ワイヤー120は、押出スロット56の第2の側面134の方に向かって、押出スロット56の底部138を横切って動作することにより、ワイヤーEDM法を継続してもよい。スロットの第2の側面134に達する際に、ワイヤー120は、表面60の方に向かって、スロットの底部から第2の深さ方向の通路130に沿って、動作しうる。ワイヤー120は、表面60の方に向かって、第2の深さ方向の通路130に沿って動作することから、材料は、ワイヤーEDM法によって、第2の側面134から除去される。ワイヤー120は、最終的に、表面60に達し、スロットの第2の側面134から材料が除去される。この時点で、ワイヤー120は、スロットの両側面132,134から材料を除去し、目標スロット寸法を達成する。ワイヤー120は、その後、ワイヤーEDM法で機械加工されていない別の押出スロット56へと移動し、再開されうる。
【0038】
図6Cを参照すると、ワイヤーEDM法は、さらに、各押出スロット56においてディボット136を機械加工しうる。図示する例では、砥石車40によって機械加工された押出スロットの平均幅は、ワイヤーEDM法の間に用いられるワイヤー120の平均直径よりも大きいことが示されている。ワイヤー120は、スロットの底部の方に向かって、第1の深さ方向の通路128に沿って動作することから、ワイヤー120は、押出スロット56の第1の側面132から材料を除去することによって、スロットの第1の側面132にディボット136aを機械加工しうる。ワイヤー120は、押出スロット56の第1の側面132に沿って、および、押出スロット56の底部138に沿って、ワイヤーEDM法を継続して差し支えない。ワイヤー120は、第2の深さ方向の通路130に沿って機械加工を継続しうる。実質的にディボット136aの反対側の側面において、ワイヤー120は、スロットの第2の側面134から材料を除去することによって、対応するディボット136bを、スロットの第2の側面134に機械加工しうる。ディボットが掲載された後、ワイヤー120は、表面60の方に向かって、スロットの第2の側面134に沿って、ワイヤーEDM法を継続して差し支えない。次に、ワイヤーEDM法は、残りのスロットの一部またはすべてにディボットを形成する工程を含め、繰り返し行ってもよい。図6Cにおけるディボット136(例えば、136a,136b)は、実質的に正方形のへりを有するように示されているが、図示する例では、ディボット136は、丸みを帯びたへり、および/または、図2に示すように細長い外観であってもよい。
【0039】
上記のように、砥石車によって機械加工されたスロットの平均幅は、ワイヤーEDM法の間に用いられるワイヤー120の平均直径よりも小さくて差し支えない。このような例では、ディボット136は、スロットの一部またはすべてに形成されて構わない。図6Aを参照すると、ワイヤー120がスロットにおける所定の距離に達するときに、ワイヤー120は、押出スロット56の両側面132,134から材料を取り除くことによって、ディボット136を押出スロット56に機械加工しうる。これは、押出スロット56内を横方向に移動するワイヤー120によって達成されうる。ディボット136が形成された後、ワイヤー120は、深さ方向の通路126に沿って移動を再開することによって、ワイヤーEDM法を継続して差し支えない。ディボット136は、残りのスロットの一部またはすべてに形成されて差し支えない。別の例では、ワイヤー120は、ディボット136を形成する前に、ワイヤーEDM法をスロット上で完了させてもよい。この例では、ワイヤー120は、スロットにディボット136を形成する前に、スロットの表面60から底部へと、深さ方向の通路126に沿って移動する。
【0040】
砥石車40の機械加工工程およびワイヤーEDM法の後に、目標スロット寸法が達成される。砥石車40を用いたスロットの機械加工およびワイヤーEDM法は、スロットごとのスロット寸法のばらつきを低減する。一例を挙げれば、ワイヤーEDM法の後の各押出スロットの寸法のばらつきは、目標スロット寸法の±4%以下でありうる。この例では、目標スロット幅は、0.006インチ(0.1524mm)でありうる。スロットは多様でありうるが、しかしながら、幅は、0.0058インチ(0.1473mm)〜0.0062インチ(0.1575mm)の間でありうる。よって、ばらつきは、±0.0002インチ(0.00508mm)以下、または±3.3%以下でありうる。別の例では、各押出スロットの寸法のばらつきは、目標スロット寸法の±2%以下になるようにさらに低減されうる。この例では、0.006インチ(0.1524mm)の目標スロット幅を有し、スロット幅は、0.0059インチ(0.1499mm)〜0.0061インチ(0.1549mm)の間で変動しうる。よって、ばらつきは、±0.0001インチ(0.00254mm)、または±1.6%でありうる。
【0041】
各押出スロット56の寸法は、各押出スロットの幅および/または各押出スロットの深さを含みうる。例えば、各スロットの側面132,134のみがワイヤーEDM法で処理される場合、幅のみを含むスロット寸法のばらつきは、スロットごとに低減される。同様に、別の例では、各押出スロット56の両側面132,134および底部138が、ワイヤーEDM法で処理されうる。この例では、深さおよび幅の両方を含む、スロット寸法ばらつきは、スロットごとに低減される。
【0042】
押出スロットを砥石車で機械加工することにより、ハニカム押出ダイを作製し、その後、ワイヤーEDM法を行うことにより、ワイヤーEDM手順だけで押出スロットを機械加工するよりも、所要時間を短縮できる。さらには、機械加工プロセスをワイヤーEDM法を用いて完了させることにより、押出スロット寸法(例えば、幅、深さなど)のばらつきを低減することができる。さらには、押出スロットを砥石車で機械加工することにより、押出スロットの長さ全体にわたり、実質的に均一な深さを達成することができる。この深さは、ワイヤーEDM法を用いて微調整することもできる。他方では、押出スロットを砥石車で第1の機械加工することなく、押出スロットのみを形成する試みは、EDMワイヤーにおける応力を著しく増大させうる。このように、EDMワイヤーの中央部分は、機械加工プロセスの間にたわむ場合があり、ここで、押出スロットの対応する中央部分は、押出スロットの両端の深さ未満の深さを有しうる。このばらつきは、砥石車を用いて、スロットを実質的に一定の深さで第1の機械加工することによって対処できる。よって、ワイヤーEDM法は、押出スロットの深さを微調整するために使用されうる。したがって、ワイヤーEDM法は、砥石車単独で用いる場合に生じたであろうスロット寸法のばらつきを低減する。
【0043】
さらには、ワイヤーEDM法を採用する例となる方法は、砥石車のみを利用しては達成されなかったであろう有益な表面特性を達成しうる。これらの表面特性は、セラミック材料の未焼成体を押出成形するためのハニカム押出ダイ10を使用する場合に、押出スロットを通過するバッチ材料の流れを促進することができる。
【0044】
さらなる例では、機械加工の順序は逆であってもよい。例えば、EDMワイヤープロセスは、砥石車を用いる研磨工程の前に実施して差し支えない。例えば、砥石車による表面仕上げが所望される特定の用途などでは、EDMワイヤープロセスによって形成された押出スロットを最初に研磨することは、望ましいであろう。
【0045】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および変形を本発明になしうることは、当業者には明らかであろう。よって、本発明は、本発明の変更および変形が添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にあることを条件に、それらにも及ぶことが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をあけ、かつ、砥石車の回転軸に沿って同心円状に整列した複数の翼を備えた砥石車を用いて、ダイ本体から、ハニカム押出ダイを作製する方法であって、本方法は、
前記砥石車を前記回転軸の周囲で回転せしめ、前記砥石車の翼によって、複数の、平行な押出スロットの第1のセットが、前記ダイ本体内に同時に機械加工されるように、前記ダイ本体と接触させたまま、前記砥石車を第1の方向軸に沿って移動せしめ、
前記砥石車を前記回転軸の周囲で回転せしめ、前記砥石車の翼によって、複数の平行な押出スロットの第2のセットが同時に、前記ダイ本体内に機械加工されるように、前記ダイ本体と接触させたまま、前記砥石車を前記第1の方向軸と交差する第2の方向軸に沿って移動せしめる、
各工程を有してなり、
ここで、前記ダイ本体には、前記平行な押出スロットの第1および第2のセットに由来する、交差する押出スロットから形成された押出スロットのハニカムパターンが備わっている、
方法。
【請求項2】
前記平行なスロットの第1のセットが、前記第1の方向軸に沿った複数の通路に沿って前記砥石車を連続的に通過することによって、前記ダイ本体内に機械加工され、
前記平行なスロットの第2のセットが、前記第2の方向軸に沿った複数の通路に沿って前記砥石車を連続的に通過することによって、前記ダイ本体内に機械加工される
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記押出スロットのハニカムパターンを、前記砥石車を用いて機械加工した後、前記押出スロット・パターンの複数の押出スロットが、ワイヤー放電加工法でさらに機械加工されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記平行な押出スロットの第1のセットを、前記砥石車を用いて機械加工した後、複数の前記押出スロットの第1のセットがワイヤー放電加工法でさらに機械加工されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記平行な押出スロットの第2のセットを、前記砥石車を用いて機械加工した後、複数の前記押出スロットの第2のセットがワイヤー放電加工法でさらに機械加工されることを特徴とする請求項1記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate


【公開番号】特開2011−218547(P2011−218547A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−42035(P2011−42035)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【復代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
【Fターム(参考)】