説明

ダブルゲートナノ構造FET

少なくとも1つのナノ構造を備えた電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイスであって、少なくとも、2つの主面を有する、均一にドープされたビーム形状のナノ構造と、ナノ構造の各主面に設けられたゲート電極と、ダブルゲートナノ構造ピンチオフFETを形成するための、ナノ構造の各主面とゲート電極との間の絶縁層とを備えたデバイス。FETのピンチオフ電圧及び電流を独立して調整できることが、かかるFETの利点である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ構造を備えた半導体デバイスの分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、ナノ構造における表面粗さの影響を大きく低減できる新規なデバイスアーキテクチャ、いわゆるダブルゲートナノ構造ピンチオフFET(DGナノPOFET)に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、マイクロ電子デバイスは、集積回路として半導体基板上に製造される。相補型金属酸化膜半導体(CMOS)電界効果トランジスタ(FET)は、集積回路の中核的なエレメントの一つである。CMOSトランジスタの寸法及び動作電圧は連続的に減少、或いは縮小しており、集積回路のますます高い性能及びパッケージ密度が得られている。
【0004】
この傾向をさらに維持するために、新規なナノ構造、例えばナノワイヤが最先端のシリコンデバイスの有力な後継として利用されている。
【0005】
しかしながら、ナノワイヤがより小さい半径へと縮小しているので、電子とナノワイヤ表面との相互作用が重要となり、これは、ナノワイヤの表面粗さのために、移動度の低下に起因するデバイスの性能に対して有害となる。
【0006】
結果として、表面粗さ又はhigh−k散乱が、キャリアの移動度を大きく低下させうる支配的な散乱機構となり、したがってMOSFETの動作に対してナノワイヤを不充分なものにする。
【0007】
米国特許出願(US12/246270)に記載されているように、側壁の(表面)粗さに起因する、小さい半径のナノ構造での低下した移動度の問題は、MOSFETモードでなくJFETモードで動作する包囲ゲートナノ構造、即ちナノ構造絶縁接合型電界効果トランジスタを提供することによって解決されている。それゆえ、前記ナノ構造は、上部に包囲ゲートを有する絶縁層に包囲されており、ソース及びドレインの両方、並びにナノ構造が均一にドープされている。かかるナノJFETは、負のゲート電圧(ピンチオフ電圧)を印加する際に、多くのキャリア(電子)をナノ構造の中間に移動させることを可能にする。この場合、電流を伝導するための多くのキャリアが存在しないので、ナノ構造はオフ状態にある。ピンチオフ電圧より大きいゲート電圧の場合、ナノ構造は、チャネル内のイオン化したドナーによって供給される多くのキャリアが運搬する電流を伝導する。フラットバンドゲート電圧の場合、ナノ構造は、チャネルの全体積を通じて電流を伝導する。例えばMOSFETの表面にキャリアの大部分が存在するのでなく、全体積に渡って分布しているので、表面粗さ散乱は、それほど顕著な役割を果たさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ピンチオフゲート電圧がワイヤの半径に依存することは、上記のゲートオールアラウンドナノ構造の欠点である。充分なピンチオフゲート電圧を得るために、そして、かかるナノワイヤが使用状態にある応用において、これは、1V未満でナノワイヤの半径が制限され、したがって断面もまた制限されることを意味する。しかしながら、半径が小さい場合、ナノ構造は限られた電流のみを運搬することができる(所定の電流密度に対して全電流が制限されている)。より高いドーパント濃度をナノ構造に付与することで許容電流密度を増加させることが可能だが、これはピンチオフ電圧も増加させるので、望ましくない。
【0009】
結論として、進んだFETの設計に対する必要性が依然として存在する。
【0010】
本発明の目的は、1V未満のピンチオフゲート電圧、及び、先行技術のナノJFETでの電流より大きくすることができる電流を有する、ナノ構造で作成された半導体電界効果トランジスタ(FET)についての新規なアーキテクチャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、本発明によるデバイスによって達成される。
【0012】
本発明の第1実施形態によれば、少なくとも1つのナノ構造を備えた電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイスが提供される。前記FETは、少なくとも、2つの主面を有する、均一にドープされたビーム形状のナノ構造と、ナノ構造の両方の主面に設けられたゲート電極と、ナノ構造の各主面とゲート電極との間の、ダブルゲートナノ構造ピンチオフFETを形成するための絶縁層とを備える。
【0013】
ピンチオフの原理に従って動作することが、本発明の第1実施形態によるFETの利点である。本発明の実施形態では、FETのピンチオフ電圧及び電流を独立して調整可能である。
【0014】
本発明の実施形態による電界効果トランジスタ半導体デバイスでは、絶縁層は、ゲート電極がナノ構造に直接接触しないように、少なくとも部分的にナノ構造を覆う。ゲート電極とナノ構造との間を接触させないことで、ゲートリークを回避する。
【0015】
本発明の実施形態による電界効果トランジスタ半導体デバイスでは、ナノ構造は、均一にドープされたナノ構造でもよい。
【0016】
本発明の実施形態による電界効果トランジスタ半導体デバイスでは、ナノ構造は、半導体材料、例えばSi,Ge,GeAs,InGaAsで作成されてもよい。
【0017】
本発明の実施形態による電界効果トランジスタ半導体デバイスでは、絶縁層は、酸化物層でもよい。
【0018】
本発明の実施形態による電界効果トランジスタ半導体デバイスでは、ゲート電極は、3以上5以下の仕事関数を有する導電性材料で作成されてもよい。ゲート電極の仕事関数は、ピンチオフ電圧及びフラットバンド電圧を決定する。
【0019】
本発明の実施形態による電界効果トランジスタ半導体デバイスでは、ナノ構造は、第1長さ、幅及び厚さを有してもよい。ナノ構造の厚さ及びドーピングレベルは、FETのピンチオフ電圧を決定し、幅はデバイスを流れることができる電流を決定する。したがって、ピンチオフ電圧及び電流を独立して調整可能であることがわかる。
【0020】
本発明の実施形態による電界効果トランジスタ半導体デバイスでは、ゲート電極は、ナノ構造の第1長さと同じ方向に第2長さを有してもよく、第2長さは第1長さ以下の大きさでもよい。絶縁層は、第2長さと同じ方向に第3長さを有してもよく、第3長さは、第2長さ以上の大きさでもよい。このように、ゲートリークが回避される。
【0021】
本発明の特定の且つ好ましい態様は、添付する独立請求項及び従属請求項において詳説する。従属請求項からの特徴は、独立請求項の特徴及び他の従属請求項の特徴と、適切に且つ単に請求項に明記されただけでないものとして組み合わせてもよい。
【0022】
本発明及び先行技術に対して達成される利点を要約するために、本発明の特定の目的及び利点を上述のように説明してきた。もちろん、必ずしもかかる目的又は利点のすべてを、本開示の特定の実施形態によって達成することができるわけではない。したがって、例えば当業者は、本明細書で教示又は提案されるような他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような一利点又は複数の利点を達成又は最適化する方法で、具体化又は実行してもよいことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態による、ダブルゲートナノ構造ピンチオフFET(DGナノPOFET)の三次元概略図である。
【図2】図1に示すDGナノPOFETの長手方向の断面図である。
【図3】ゼロ又は負のゲート電圧を印加する場合の、本発明の実施形態によるN型DGナノPOFETにおけるバンドベンディングの概略図を示す。
【図4】ゼロ又は負のゲート電圧を印加する場合の、本発明の実施形態によるN型DGナノPOFETにおけるバンドベンディングの概略図を示す(図4と図5は、異なる負のゲート電圧を示す)。
【図5】ゼロ又は負のゲート電圧を印加する場合の、本発明の実施形態によるN型DGナノPOFETにおけるバンドベンディングの概略図を示す(図4と図5は、異なる負のゲート電圧を示す)。
【0024】
図面は概略的なものに過ぎず、限定的でない。図面において、いくつかのエレメントのサイズは、説明目的のため誇張し、また、スケールどおり描いていないことがある。
【0025】
請求項での任意の符号は、技術的範囲を限定するものとして解釈するべきではない。
【0026】
異なる図面で、同一の参照符号は同一又は類似のエレメントを指す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態によれば、新規なナノ構造デバイスのアーキテクチャは、かかるナノ構造デバイスを使用する利点、例えば顕著な静電制御を、移動度の不要な減少につながる、表面で大きく低減した電子の相互作用(例えば表面粗さに起因して)がある状態で充分に利用することができるように設定されている。以下で説明する特定の実施形態によれば、"JFET動作"モードの利点を"MOSFET動作”モードと結びつけることにより、固有のデバイス動作が達成され、オン状態では多くのキャリアがダブルゲート電極を使用してナノ構造の体積全体に分布している(JFET動作)ため、表面の相互作用が低減している。本発明の実施形態では、ダブルゲート電極とナノ構造との間の絶縁層を使用することによってゲートリークを避けられる(MOSFET動作)。このデバイスアーキテクチャは、さらにダブルゲートナノ構造ピンチオフ電界効果トランジスタ(DGナノPOFET)と呼ばれている。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態による、DGナノPOFET10の三次元概略図を示す。図2は、図1のDGナノPOFET10の長手方向の断面図である。
【0029】
DGナノPOFET10は、第1ドーパント型のナノ構造11、例えばN+ドープナノ構造を備える。本発明の実施形態では、ナノ構造11は、均一にドープされたナノ構造である。本発明の特定の実施形態では、ナノ構造11は、長さL、幅W、厚さtのビーム形状を有する。ナノ構造11は、2つの主面12,13を有し、これらの両方の面に絶縁層14,15が設けられている。絶縁層14,15は、厚さtoxを有する。絶縁層14,15の両方の上部に、ゲート電極16,17が設けられている。ゲート電極16,17はそれぞれ長さLGを有する。絶縁層14,15は、長さLIを有する。該長さLIは、ゲートリークを回避するように、ゲート電極16,17の長さLG以上の大きさである。図1及び図2に示す実施形態では、絶縁層14,15の長さLIは、実質的にゲート電極16,17の長さLGと等しい。本発明の特定の実施形態では、絶縁層14,15は長手方向に全長Lに渡ってナノ構造11を覆う。ゲート電極16,17及び絶縁層14,15は、ゲート電極16,17が絶縁層14,15によってナノ構造から絶縁されるように導電性層11に対して配置される。絶縁層14,15は、ゲート電極16,17がナノ構造11と直接接触しないように、長手方向に沿ってナノ構造11を覆う。
【0030】
LG、LI及びLの典型的な寸法は、10nm以上1ミクロン以下でもよく、tは5nm以上100nm以下でもよく、Wは5nm以上数ミクロン以下でもよい。
【0031】
特定の実施形態によれば、ナノ構造11はドナー密度NDで均一にドープされ、NDは、1016cm−3以上1020cm−3以下の範囲にあり、例えば前記NDは、1018cm−3以上1020cm−3以下の範囲にあってもよい。
【0032】
特定の実施形態によれば、均一にドープされたナノ構造11は、N型又はP型ドープナノ構造であり、特に、N型又はP型ドープナノ構造11は、Si、Ge又はIII−V族半導体材料、例えばGaAs又はInGaAsで作成したN型又はP型ドープナノ構造11でもよい。
【0033】
特定の実施形態によれば、ゲート電極16,17をナノ構造11から絶縁するのに使用する絶縁層14,15は、酸化物層、例えばSiOで作成してもよい。デバイスの動作中、前記絶縁層14,15は、DGナノPOFET10でのゲートリークを抑制するのに重要である。
【0034】
特定の実施形態によれば、ゲート電極16,17は、3以上5以下の仕事関数を有する導電性材料で作成する。
【0035】
図3〜図5は、負のゲート電極を印加する場合の、本発明の実施形態のN型DGナノPOFETにおけるバンドベンディングの概略図を示す(図4〜図6は異なる負のゲート電圧を示す)。正のゲート電極を印加する場合の、本発明の実施形態のP型DGナノPOFETにおけるバンドベンディングについての同様のグラフ(不図示)は、当業者の知識の範囲内である。
【0036】
本発明の実施形態によるダブルゲート構造に印加するゲート電圧をゼロに設定する場合(図3に示すフラットバンドの状況)、多数のキャリアがチャネルの至るところに存在する。チャネルは完全に開放している。ソース−ドレイン電圧を印加する場合、説明した電子の例では、ナノ構造11は、多数のキャリアが運搬する電流を充分に伝導する。
【0037】
本発明の実施形態によるN型ダブルゲート構造に負のゲート電圧を印加することにより、多くのキャリアに圧力が加わり、電子の例では、図4に示すように、正に帯電したイオンを残して界面から移動する。負のゲート電圧を印加することにより、チャネルが部分的に激減する。チャネルは完全には開放していないし、完全にはピンチオフ状態でない。チャネルの途中で、多くのキャリアが、本例では電子が、ドーパントドナーに提供され、存在している。
【0038】
充分なゲート動作の場合、即ち、印加されるゲート電圧が充分な負の振幅を有する場合に説明する例では、ゲート電圧はピンチオフ電圧に等しく、チャネルはピンチオフされる。これは、図5に示している。チャネルには多くのキャリアが存在せず、電流はナノ構造11を流れることができない。
【0039】
したがって、DGナノPOFETは、チャネル、例えばシリコンチャネルを形成するナノ構造11とゲート電極16,17との間に存在する絶縁体14,15が存在することを除いて、従来のJFET(下記の文献を参照:W. Shockley, Proc. IRE, 40, p.1365, (1952))として動作する。絶縁体14,15は、過度のゲートリークを避けるために存在する。
【0040】
本発明の実施形態による、DGナノPOFET10の静電気学は次の通りである。
【0041】
下記の式で表されるポアソン方程式を解くことから計算を始める。
【0042】
【数1】

【0043】
ここで、Eは電場、φは静電ポテンシャルであり、下記のように構成されるチャネル内の電荷密度ρを考慮に入れる。
【0044】
チャネル内の電荷密度ρについては、階段状の(abrupt)空乏近似を仮定する。つまり、電荷密度は下記の式で与えられる。
【0045】
【数2】

【0046】
ここで、dは空乏層の厚さ、tは検討しているダブルゲートナノPOFET10の厚さ、ND+はドーパント濃度、例えばイオン化したドナーの数である。
【0047】
ナノ構造内部の静電ポテンシャルプロファイルについて、下記の微分方程式が得られる。
【0048】
【数3】

【0049】
その結果、静電ポテンシャルについて下記の一般式が得られる。
【0050】
【数4】

【0051】
係数A、B、C及びDは、下記のような通常の境界条件を課すことによって決定する。
【0052】
【数5】

【0053】
誘電体、例えば酸化物では、ポアソン方程式は下記の式のようになる。
【0054】
【数6】

【0055】
誘電体中の静電ポテンシャルについては、下記の一般式に従う。
【0056】
【数7】

【0057】
また、下記のような、満たすべき他の境界条件が存在する。
【0058】
【数8】

【0059】
誘電体の静電ポテンシャルは、下記の境界条件を用いてゲート静電ポテンシャルと結びつけることができる。
【0060】
【数9】

【0061】
すべての境界条件を組み合わせることにより、ゲート静電ポテンシャルと空乏層幅dとの間の関係を見出すことができる。
【0062】
【数10】

【0063】
この式を空乏層幅dについて解くことができる。
【0064】
【数11】

【0065】
ゲートオールアラウンドナノワイヤFETを流れる電流と、本発明の実施形態によるDGナノPOFETを流れる電流とを比較した場合、ドレイン電圧Vdを有するナノワイヤピンチオフFETについて、次のことがわかる。つまり、ドレイン電圧Vdを有するナノワイヤピンチオフFETについて、下記の式が成立する。
【0066】
【数12】

【0067】
ここで、α=eN/4ε、γ=α+βln{(R+tox)/R}、β=eN/2εoxであり、LはナノワイヤFETの長さ、Rは半径、WはランベルトのW関数であって関数z=weの逆関数であり(下記文献を参照:F. Chapeau-Blondeau et al., Numerical evaluation of the Lambert W-function and Application to Generation or Genrealized Gaussian Noise with Exponent 1/2, IEEE Trans. Signal Processing, (2002) pp.2160-2165)、μは電子の移動度である。この式は、電流がナノワイヤの移動度及びドナーのドーピング密度に比例することを示す。
【0068】
本発明の実施形態によるDGナノPOFETについて、電流は下記の式で表される。
【0069】
【数13】

【0070】
ここで、Wは幅、Lは長さ、δ=toxε/εox、β=2ε/eNである。したがって、電流Iは、ナノ構造の幅Wに比例する。この式は、本発明の実施形態において、電流が、ナノ構造の移動度、ドナードーピング密度及びナノ構造11の幅に比例することを示す。
【0071】
本発明の実施形態によるDGナノPOFET内のピンチオフゲート電圧は、例えばドーピングレベル、膜厚等のデバイスパラメータに依存する。空乏層の厚さdと、印加するゲート電圧との間の関係は、下記の式で与えられる。
【0072】
【数14】

【0073】
好適なゲート電圧をゲート電極16、17のそれぞれに印加することによって生じる空乏層が、厚さd=t/2を有する場合、完全なピンチオフが達成される。
【0074】
【数15】

【0075】
ピンチオフゲート電圧は基板の厚さtによって決定するが、これと同時に、FETの体積又は断面積の大きさを、ナノ構造11の幅Wを変化させることによって変えることができることは、本発明の実施形態の利点である。したがって、かかるDGナノPOFET10によって、より大きい電流を運搬することができ、さらに、制限されたピンチオフゲート電圧を有する。
【0076】
本発明は、図面及び上記説明において、詳細に図説し説明してきたが、かかる図面及び説明は、例示的であり、限定的でないと考えるべきである。本発明は、開示した実施形態に限定されることはない。
【0077】
開示した実施形態の他のバリエーションは、請求項に係る発明を実施する際に、図面、明細書及び添付の請求項の研究から、当業者に理解され、当業者に影響を受けるであろう。請求項において、用語「備える、含む(comprising)」は、他のエレメントまたはステップを除外せず、不定冠詞("a"又は"an")は、複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項で引用されるいくつかの事項の機能を果たすことができる。特定の測定値が互いに異なる従属請求項で引用されているという単なる事実は、これらの測定値の組み合わせを使用して利益をもたらすことができない、ということを示すものではない。コンピュータプログラムは、好適な媒質、例えば他のハードウェアと一緒に、或いは、それの一部として供給された光ストレージメディア又はソリッドステートメディアに記録/分配することができるが、他の形態、例えばインターネット又は他の有線若しくは無線の通信システムを介して分配してもよい。請求項での任意の参照符号は、技術的範囲を制限するものとして解釈すべきでない。
【0078】
以上の説明は、本発明の特定の実施形態を詳細に説明する。しかしながら、以上の説明が文章でいかに詳細になされようとも、本発明は多くの方法で実践できることが理解されるであろう。本発明の特定の特徴又は態様を説明する際の特定の用語の使用は、その用語が本明細書で再定義され、その用語が関連する本発明の特徴又は態様のいずれかの特性を含むように制限されることを意味する、とすべきでないことに留意する必要がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのナノ構造を備えた電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)であって、少なくとも、
2つの主面(12,13)を有する、均一にドープされたビーム形状のナノ構造(11)と、
ナノ構造(11)の両方の主面(12,13)に設けられたゲート電極(16,17)と、
ナノ構造(11)の各主面(12,13)とゲート電極(16,17)との間の、ダブルゲートナノ構造ピンチオフFETを形成するための絶縁層(14,15)とを備えたデバイス。
【請求項2】
絶縁層(14,15)は、ゲート電極(16,17)がナノ構造(11)と直接接触しないように、ナノ構造(11)を少なくとも部分的に覆う、請求項1に記載の電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)
【請求項3】
ナノ構造(11)は、均一にドープされたナノ構造である、請求項1又は2に記載の電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)
【請求項4】
ナノ構造(11)は、半導体材料で作成された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)。
【請求項5】
絶縁層(14,15)は、酸化物層である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)。
【請求項6】
ゲート電極(16,17)は、3以上5以下の仕事関数を有する導電性材料で作成された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)。
【請求項7】
ナノ構造(11)は、第1長さ(L)、幅(W)及び厚さ(t)を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)。
【請求項8】
ゲート電極(16,17)は、ナノ構造(11)の第1長さ(L)と同じ方向に第2長さ(LG)を有し、該第2長さ(LG)は、第1長さ(L)以下の大きさである、請求項7に記載の電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)。
【請求項9】
絶縁層(14,15)は、第2長さ(LG)と同じ方向に第3長さ(LI)を有し、該第3長さ(LI)は、第2長さ(LG)以上の大きさである、請求項8に記載の電界効果トランジスタ(FET)半導体デバイス(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515359(P2013−515359A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545101(P2012−545101)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067648
【国際公開番号】WO2011/076245
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【Fターム(参考)】