説明

チオール・エステル組成物、ならびにそれを生成するプロセスおよびそれを使用する方法

本発明はチオール・エステル組成物、ならびにそれを生成するプロセスおよびそれを使用する方法を提供する。いくつかの実施態様では、同チオール・エステル組成物はチオール・エステル、ヒドロキシ・チオール・エステルおよび架橋チオール・エステルを含有する。同チオール・エステル組成物は、架橋チオール・エステル、スルホン酸含有チオール・エステル、スルホン酸塩含有チオール・エステル、チオアクリレート含有チオール・エステルの生成に使用できる。同チオール・エステル組成物はポリチオウレタンの生成にも使用できる。同ポリチオウレタンは肥料および肥料のコーティング材に使用できる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子当り平均して少なくとも1.5個のエステル基と平均して少なくとも1.5個のチオール基を有し、環状硫化物/チオール基のモル比が1.5未満であるチオール・エステル分子を含有するチオール・エステル組成物。
【請求項2】
該チオール・エステル分子での環状硫化物/チオール基のモル比が0〜1.0の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のチオール・エステル組成物。
【請求項3】
該チオール・エステル分子が分子当り平均して1.5〜9個のチオール基を有することを特徴とする請求項1に記載のチオール・エステル組成物。
【請求項4】
該チオール・エステル分子での炭素−炭素二重結合/チオール基のモル比が1.5未満であることを特徴とする請求項1に記載のチオール・エステル組成物。
【請求項5】
該チオール・エステル分子が平均して2重量%を超えるチオール系硫黄を含有することを特徴とする請求項1に記載のチオール・エステル組成物。
【請求項6】
該チオール・エステル分子が平均して8〜10重量%のチオール系硫黄を有することを特徴とする請求項1に記載のチオール・エステル組成物。
【請求項7】
該チオール・エステル分子が平均して30分子%未満の環状硫化物として存在する全硫黄分を含有することを特徴とする請求項1に記載のチオール・エステル組成物。
【請求項8】
該チオール・エステル分子が平均して10分子%未満の環状硫化物として存在する全硫黄分を含有することを特徴とする請求項1に記載のチオール・エステル組成物。
【請求項9】
該チオール・エステル分子での全側鎖の40%超が硫黄を含有することを特徴とする請求項1に記載のチオール・エステル組成物。
【請求項10】
以下の工程:
a)硫化水素を分子当り平均して少なくとも1.5個のエステル基と平均して少なくとも1.5個の炭素−炭素二重結合を有する不飽和エステル分子を含有する不飽和エステル組成物と接触させる工程、および
b)同硫化水素と不飽和エステル組成物を反応させて、環状硫化物/チオール基のモル比が1.5未満のチオール・エステル分子を含有するチオール・エステル組成物を生成する工程
を包含するチオール・エステル組成物を生成するプロセス。
【請求項11】
該不飽和エステル組成物が天然資源油を含有することを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
該不飽和エステル組成物が大豆油を含有することを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程は溶剤の存在下で実施されることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程は実質的に溶剤が存在しない状態で実施されることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項15】
該チオール・エステル分子での硫化水素/炭素−炭素二重結合のモル比が2を超えることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項16】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程は不均一系あるいは均一系の触媒の存在下で実施されることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項17】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程が遊離ラジカル系反応開始剤あるいは紫外線照射により開始されることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項18】
該チオール・エステル組成物が平均して5重量%を超えるチオール系硫黄を含有することを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項19】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程が−20°Cを超える温度下で実施されることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項20】
該チオール・エステル分子での全側鎖の40%超が硫黄を含有することを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項21】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程が連続式であり、溶剤が存在しない状態で−20°Cを超える温度下で紫外線照射により開始されることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項22】
以下の工程:
a)硫化水素を分子当り平均して少なくとも1.5個のエステル基と平均して少なくとも1.5個の炭素−炭素二重結合を有する不飽和エステル分子を含有する不飽和エステル組成物と接触させる工程、および
b)同硫化水素と不飽和エステル組成物を実質的に溶剤が存在しない状態で反応させて、チオール・エステル分子を含有するチオール・エステル組成物を生成する工程
を包含するチオール・エステル組成物を生成するプロセス。
【請求項23】
該不飽和エステル組成物が天然資源油を含有することを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
該不飽和エステル組成物が大豆油を含有することを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項25】
該チオール・エステル分子での環状硫化物/チオール基のモル比が1.5未満であることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項26】
該チオール・エステル分子での硫化水素炭素−炭素二重結合のモル比が1を超えることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項27】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程は不均一系あるいは均一系の触媒の存在下で実施されることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項28】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程が遊離ラジカル系反応開始剤あるいは紫外線照射により開始されることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項29】
該チオール・エステル組成物が平均して5重量%を超えるチオール系硫黄を含有することを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項30】
該硫化水素と不飽和エステルを反応させる工程が−20°Cを超える温度下で実施されることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項31】
該チオール・エステル分子での全側鎖の40%超が硫黄を含有することを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項32】
以下の工程:
a)ポリオール組成物をチオール・カルボン酸組成物と接触させる工程、および
b)同ポリオール組成物をチオール・カルボン酸組成物と反応させて、分子当り平均して少なくとも1.5個のエステル基と平均して少なくとも1.5個のチオール基を有するチオール・エステル分子を含有するチオール・エステル組成物を生成する工程
を包含するチオール・エステル組成物を生成するプロセス。
【請求項33】
分子当り平均して少なくとも1.5個のエステル基と平均して少なくとも1.5個のα−ヒドロキシ・チオール基を有するヒドロキシ・チオール・エステル分子を含有するヒドロキシ・チオール・エステル組成物。
【請求項34】
該チオール・エステル分子が平均して1.5〜9個のα−ヒドロキシ・チオール基を有することを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
該チオール・エステル分子が平均して2.5重量%を超えるチオール系硫黄を含有することを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
該チオール・エステル分子が平均して8〜10重量%のチオール系硫黄を含有することを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項37】
該ヒドロキシ・チオール・エステル分子でのエポキシド基/α−ヒドロキシ・チオール基のモル比が2未満であることを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項38】
該ヒドロキシ・チオール・エステル分子での全側鎖の40%超が硫黄を含有することを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項39】
該組成物が実質的にエポキシド基を含有しないことを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項40】
分子当り平均して少なくとも1個のエステル基、平均して少なくとも1個のチオール基および平均して少なくとも1個のアルコール基を有するヒドロキシ・チオール・エステル分子を含有するヒドロキシ・チオール・エステル組成物。
【請求項41】
該ヒドロキシ・チオール・エステル分子が平均して1.5〜9個のチオール基を有することを特徴とする請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
該ヒドロキシ・チオール・エステル分子が平均して1.5〜9個のアルコール基を有することを特徴とする請求項40に記載の組成物。
【請求項43】
該ヒドロキシ・チオール・エステル分子が平均して2.5重量%を超えるチオール系硫黄を含有することを特徴とする請求項40に記載の組成物。
【請求項44】
該ヒドロキシ・チオール・エステル分子が平均して8〜10重量%のチオール系硫黄を含有することを特徴とする請求項40に記載の組成物。
【請求項45】
該ヒドロキシ・チオール・エステル分子でのエポキシド基/チオール基のモル比が2未満であることを特徴とする請求項40に記載の組成物。
【請求項46】
該ヒドロキシ・チオール・エステル分子での全側鎖の40%超が硫黄を含有することを特徴とする請求項40に記載の組成物。
【請求項47】
該組成物が実質的にエポキシド基を含有しないことを特徴とする請求項40に記載の組成物。
【請求項48】
以下の工程:
a)硫化水素を分子当り平均して少なくとも1個のエステル基と平均して少なくとも1個のエポキシド基を有するエポキシ化不飽和エステル分子を含有するエポキシ化不飽和エステル組成物と接触させる工程、および
b)同硫化水素とエポキシ化不飽和エステル組成物を反応させて、ヒドロキシ・チオール・エステル組成物を生成する工程
を包含するヒドロキシ・チオール・エステル組成物を生成するプロセス。
【請求項49】
該エポキシ化不飽和エステル組成物がエポキシ化天然資源油を含有することを特徴とする請求項48に記載のプロセス。
【請求項50】
該エポキシ化不飽和エステル組成物がエポキシ化大豆油を含有することを特徴とする請求項48に記載のプロセス。
【請求項51】
該エポキシ化不飽和エステルでの硫化水素/エポキシド基のモル比が1を超えることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項52】
該硫化水素とエポキシ化不飽和エステルを反応させる工程は触媒の存在下で実施されることを特徴とする請求項48に記載のプロセス。
【請求項53】
該ヒドロキシ・チオール・エステル組成物が平均して5重量%を超えるチオール系硫黄を含有するヒドロキシ・チオール・エステル分子を含有することを特徴とする請求項48に記載のプロセス。
【請求項54】
該ヒドロキシ・チオール・エステル組成物が平均して8〜10重量%のチオール系硫黄を含有するヒドロキシ・チオール・エステル分子を含有することを特徴とする請求項48に記載のプロセス。
【請求項55】
該ヒドロキシ・チオール・エステル組成物が全側鎖の40%超が硫黄を含有するヒドロキシ・チオール・エステル分子を含有することを特徴とする請求項48に記載のプロセス。
【請求項56】
以下の工程:
a)ポリオール組成物をヒドロキシ・チオール・カルボン酸組成物と接触させる工程、および
b)同ポリオール組成物をヒドロキシ・チオールカルボン酸組成物と反応させて、分子当り平均して少なくとも1個のエステル基と平均して少なくとも1個のα−ヒドロキシ・チオール基を有するヒドロキシ・チオール・エステル分子を含有するヒドロキシ・チオール・エステル組成物を生成する工程
を包含するヒドロキシ・チオール・エステル組成物を生成するプロセス。
【請求項57】
−S−(ここでQは1超の数値)構造を有する多硫化物連鎖によって連結された少なくとも2個のチオール・エステル・モノマーにより形成されるチオール・エステル・オリゴマーを含有する架橋チオール・エステル組成物。
【請求項58】
該チオール・エステル・オリゴマーが多硫化物連鎖によって連結された少なくとも3個のチオール・エステル・モノマーを含有することを特徴とする請求項57に記載の架橋チオール・エステル組成物。
【請求項59】
該チオール・エステル・オリゴマーが多硫化物連鎖によって連結された3〜20個のチオール・エステル・モノマーを含有することを特徴とする請求項57に記載の架橋チオール・エステル組成物。
【請求項60】
該架橋チオール・エステル組成物がチオール・エステル・モノマーとチオール・エステル・オリゴマーの両方を含有することを特徴とする請求項57に記載の架橋チオール・エステル組成物。
【請求項61】
該チオール・エステル・モノマーとチオール・エステル・オリゴマーの合計のチオール系硫黄の濃度が0.5〜8重量%であることを特徴とする請求項60に記載の架橋チオール・エステル組成物。
【請求項62】
該チオール・エステル・モノマーとチオール・エステル・オリゴマーを合わせた平均分子量が2,000を超えることを特徴とする請求項60に記載の架橋チオール・エステル組成物。
【請求項63】
該チオール・エステル・モノマーとチオール・エステル・オリゴマーの平均分子量が2,000〜20,000であることを特徴とする請求項60に記載の架橋チオール・エステル組成物。
【請求項64】
該チオール・エステル・モノマーとチオール・エステル・オリゴマーの全硫黄濃度が8〜15重量%であることを特徴とする請求項60に記載の架橋チオール・エステル組成物。
【請求項65】
以下の工程:
a)チオール組成物を酸化剤と接触させる工程、および
b)同チオール組成物を酸化剤と反応させて、−S−(ここでQは1超の数値)構造を有する多硫化物連鎖によって連結された少なくとも2個のチオール・エステル・モノマーを含有するチオール・エステル・オリゴマーを生成する工程
を包含する架橋チオール・エステル組成物を生成するプロセスによって生成された架橋チオール・エステル組成物。
【請求項66】
以下の工程:
a)チオール組成物を酸化剤と接触させる工程、および
b)同チオール組成物を酸化剤と反応させて、−S−(ここでQは1超の数値)構造を有する多硫化物連鎖によって連結された少なくとも2個のチオール・エステル・モノマーを含有するチオール・エステル・オリゴマーを生成する工程
を包含する架橋チオール・エステル組成物を生成するプロセス。
【請求項67】
該酸化剤が元素硫黄、酸素あるいは過酸化水素であることを特徴とする請求項66に記載のプロセス。
【請求項68】
該酸化剤が元素硫黄であることを特徴とする請求項66に記載のプロセス。
【請求項69】
該チオール・エステルがヒドロキシ・チオール・エステルであることを特徴とする請求項66に記載のプロセス。
【請求項70】
該チオール・エステルでの元素硫黄/チオール・エステル内チオール系硫黄の重量比は0.5〜32であることを特徴とする請求項66に記載のプロセス。
【請求項71】
該チオール・エステルと酸化剤を反応させる工程は、25〜150°Cの温度下で実施することを特徴とする請求項66に記載のプロセス。
【請求項72】
残留硫化水素を生成された該架橋チオール・エステル組成物からストリッピングによりを除去することを特徴とする請求項66に記載のプロセス。
【請求項73】
該チオール・エステルと元素硫黄の反応は触媒の存在下で実施することを特徴とする請求項68に記載のプロセス。
【請求項74】
該触媒がアミンであることを特徴とする請求項73に記載のプロセス。
【請求項75】
すべてのまたは一部の水、酸プロトンを減らすことを包含する、又は、クロム含有化合物を含む組成物からも、
クロム含有化合物を含むオレフィンのオリゴマー化に使用するための触媒の製造方法。
【請求項76】
クロム含有化合物を、非ハロゲン金属アルキルと接触させる、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
非ハロゲン金属アルキルがトリエチルアルミニウムである、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
クロム含有化合物を溶媒と接触させて溶液を形成させ、該溶液を共沸蒸留にかける、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
溶媒が、芳香族化合物、ハロゲン化物、パラフィン、又はそれらの混合物を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
溶媒が、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、混合キシレン、オルト−キシレン、メタ−キシレン、パラ−キシレン、又はそれらの混合物を含む芳香族化合物である、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
クロム含有化合物を吸収剤と接触させて水を除去する、請求項75に記載の方法。
【請求項82】
吸収剤が、3−オングストローム分子篩、5−オングストローム分子篩、アルミナ、シリカ、又はそれらの混合物を含む、請求項81に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−526939(P2007−526939A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554213(P2006−554213)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/005110
【国際公開番号】WO2005/080325
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(502303175)シェブロン フィリップス ケミカル カンパニー エルピー (42)
【出願人】(503009122)アグリウム・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】