説明

チャイルドシート

【課題】所要の強度と剛性を有して安全性を確保できかつ換気システムにより蒸れを防止できて快適な乗り心地性能を確保できるチャイルドシートを提供する。
【解決手段】合成樹脂製の一体成形品からなり、座面4と背当て面5が屈曲部6を介して連接された形状のシートフレーム部材7と、シートフレーム部材7の適所1箇所に設けられた通気孔10の背面に取付けられた換気ファン11と、シートフレーム部材7上に配置され、少なくとも通気孔10配置部近傍を含む一部が通気性とクッション性を有する通気クッション材12から成るクッション層8と、クッション層8上を覆うように配置され、少なくとも座面4と背当て面5における背中が接する部位が通気性とクッション性を有する通気シート材14から成る外装シート9とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチャイルドシートに関し、特に換気システムにより蒸れを防止したチャイルドシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の座席に乳幼児を乗せる際には、チャイルドシートを用いることが法的に義務付けられており、安全性と快適な乗り心地性能が確保されるチャイルドシートを提供すべく、従来から種々の構成のチャイルドシートが提案されている。
【0003】
従来のチャイルドシートとしては、合成樹脂製の一体成形品から成るシートフレーム部材の上面ないし前面の受け座面に所要のクッション性を与えるクッション材を配置し、その上を外装シートにて覆って構成したものが一般的である。また、そのシートフレーム部材は、所要の強度と剛性を確保するため、開口部の少ない「シェル構造」と呼ばれる連続面構成とするとともに適所に補強リブを設けた構成とされ、クッション材としては、発泡剤を含有させた合成樹脂ビーズを用いて発泡させながら所望の形状に成形した発泡ビーズ成形品などの発泡合成樹脂成形品が使用されている。
【0004】
ところが、このような構成のチャイルドシートでは、シートフレーム部材に強度上から多数の通気用の開口は形成できず、クッション材も通気性を有していないので、外装シートに通気性の高い材質のシートを用いたとしても、受け座面から外部への通気性が悪く、その一方で乳幼児は活発な新陳代謝により高い発汗性が有しているので、乳幼児から放出された水蒸気をチャイルドシート内面から円滑に外部に放出させることができず、蒸れが発生して乳幼児に不快感を与え、快適な乗車感が得られないという問題がある。
【0005】
このような蒸れを解消する構成として、フレーム上にクッション部材を固着して設けたチャイルドシートにおいて、クッション部材の座席部に上下に貫通する通気孔を設けるとともに、通気孔に対応させてフレームに空気孔を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、シートフレームの受け座部をネット材で形成するとともに、その背面側を外界に開放し、さらにネット材を通してその上の身体周辺を強制的に換気するアクティブな換気機構を設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
また、冷却体としてのペルチェ素子を有する冷却部と、冷却部の吸熱側に接続された熱伝導シートとを備えたシート冷却装置をチャイルドシートに装備させ、高温になるとシート冷却装置を作動させて直接かつ速やかに冷却するようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平11−34705号公報
【特許文献2】特開2002−211298号公報
【特許文献3】特開2003−116665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に記載のチャイルドシートの構成では、クッション部材とフレームに多数の通気孔や空気孔を設ける必要があるため、特に合成樹脂製の一体成形品から成るシェル構造のシートフレーム部材を採用したチャイルドシートでは、安全性を確保するのに必要な強度が得られないという問題がある。
【0009】
また、特許文献2に記載のチャイルドシートの構成では、受け座部上の乳幼児に対して強制的に風が供給されるため、意思表示できない乳幼児の体の表面が冷却され過ぎて不快感を与えることになったり、特に汗をかいた状態では過度に冷却されて風邪をひかせてしまう恐れがあるなどの問題がある。
【0010】
また、特許文献3に記載のチャイルドシートの構成においても、冷却装置によって強制冷却するので、同様の問題が発生する恐れがある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、所要の強度と剛性を有して安全性を確保できかつ換気システムにより蒸れを防止できて快適な乗り心地性能を確保できるチャイルドシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のチャイルドシートは、合成樹脂製の一体成形品からなり、座面と背当て面が屈曲部を介して連接された形状のシートフレーム部材と、シートフレーム部材の適所1箇所に設けられた通気孔の背面に取付けられた換気ファンと、シートフレーム部材上に配置され、少なくとも通気孔配置部近傍を含む一部が通気性とクッション性を有する通気クッション材から成るクッション層と、クッション層上を覆うように配置され、少なくとも座面と背当て面における背中が接する部位が通気性とクッション性を有する通気シート材から成る外装シートとを備えたものである。
【0013】
この構成によると、シートフレーム部材には適所1箇所に通気孔が設けられているだけであるので、強度と剛性を維持できて高い安全性を確保でき、かつ換気ファンを駆動すると、外気が外装シートの通気シート材とクッション層の通気クッション材を通過して通気孔から外部に排出されるので、チャイルドシート上に着座した人体から座面及び背当て面に出て来た湿気がこの外気に伴って外部に排出され、蒸れの発生を確実に防止でき、また着座している人体に強制的に風が供給されることもないので、体の表面が冷却され過ぎて不快感を与えたり、過度に冷却されて風邪をひかせてしまう恐れもなく、快適な乗り心地性能を確保することができる。
【0014】
また、シートフレーム部材の通気孔は屈曲部近傍の背当て面下部に配置され、通気クッション材は座面の全面と通気孔近傍を覆う範囲に配置され、かつシートフレーム部材及びクッション層の背当て面にシートベルト(肩ベルト)を挿通するベルト挿通口が形成されていると、座面部分はクッション層の通気クッション材と外装シートの通気シート材を通過して通気孔から排出される外気の流通によって湿気が排出され、背当て面部分もシートフレーム部材及びクッション層に形成されたベルト挿通口から流入して外装シートの通気シート材を通過して通気孔から排出される外気の流通によって湿気が排出されるので、座面と背当て面の両方の蒸れを確実に防止することができる。
【0015】
また、通気クッション材が、3次元ネット状に織られた織物材、又は合成繊維をからめて3次元的に空間をあけて配置しバインダーで固定したクッション材から成り、また通気シート材が、3次元ネット状に織られた織物材、又は合成繊維をからめて3次元的に空間をあけて配置しバインダーで固定したクッション材の表面を湿気を通す柔軟な表皮材で覆ったものから成ると、連続気泡型の発泡合成樹脂に比べて、格段に高いクッション性と高い通気性が共に確保されるので好適である。
【0016】
また、シートフレーム部材及びクッション層の背当て面には、シートベルトを挿通するベルト挿通口が上下に間隔をあけて複数対形成され、シートフレーム部材の背当て面には、最上部のベルト挿通口を除いて各ベルト挿通口を開口可能に閉鎖する閉鎖シートを貼り付けると、着座する人体の体格に応じてシートベルトの高さ位置を調整できて人体を安全確実に保持できるとともに、最上部と人体の背中の上に位置するベルト挿通口のみから外装シート内に外気が流入し、その外気が外装シートの人体の背中が接している部分の上方部分から下方に向けて流通して通気孔から排気されるので、人体の背中全体から出た湿気を確実に外部に排出でき、背中全体の蒸れを確実に防止することができる。
【0017】
また、シートフレーム部材の座面上に、人体の着座を検出する着座検出手段を配設し、着座検出手段からの検出信号の入力によって換気ファンを駆動可能とする制御部を設けると、人体を着座させた時のみ換気ファンが駆動可能となるので、不必要な時に換気ファンが駆動され続けて電源が消耗するのを防止することができる。
【0018】
また、シートフレーム部材上にさらに湿度センサを配置し、湿度センサからの検出信号に応じて換気ファンを駆動制御する制御部を設けると、人体が蒸れを感じる時にのみ換気ファンが駆動されて蒸れが解消されるようにすることができ、電源の消耗をより一層抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のチャイルドシートによれば、シートフレーム部材に通気孔を適所1箇所に設けているだけであるので、強度と剛性を維持できて高い安全性を確保でき、かつ換気ファンにより外装シートの通気シート材とクッション層の通気クッション材を通過して通気孔から外部に排出される外気の流れが形成されるので、この外気の流通によって人体から出た湿気を外部に排出して蒸れの発生を確実に防止でき、快適な乗り心地性能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明のチャイルドシートの一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0021】
図1、図2において、1は、車両に設けられたシートベルトや固定金具(ISO規格によるもの)などにて車両のシート(図示せず)に固定設置されるチャイルドシートであって、ベース2上に座面4と背当て面5が屈曲部6を介して連接された略揺りかご形状のシート部3が角度調整可能に装着されている。シート部3は、合成樹脂製の一体成形品からなるシートフレーム部材7と、シートフレーム部材7上に配置されたクッション層8と、クッション層8上を覆うように配置された外装シート9にて構成されている。
【0022】
シートフレーム部材7は、シート部3に所定の強度と剛性を持たせるためのシェル構造を成すもので、合成樹脂やFRPの一体成形品にて構成されており、図1と図4に示すように、その背当て面5の下部の屈曲部6近傍の1箇所に通気孔10が形成されている。この通気孔10の背面には換気ファン11が取付けられ、通気孔10から空気を吸引して外部に排出するように構成されている。
【0023】
クッション層8は、図1と図3に示すように、座面4と屈曲部6と通気孔10の配置部を含む背当て面5の下部にわたる範囲が通気性とクッション性を有する通気クッション材12にて構成され、背当て面5のそれより上部の範囲は発泡合成樹脂成形品13にて構成されている。通気クッション材12としては、3次元ネット状に織られた織物材、又はポリエステル繊維などの合成繊維をからめて3次元的に空間をあけて配置しバインダーで固定したクッション材が好適に用いられる。また、発泡合成樹脂成形品13としては、発泡剤を含有させた合成樹脂ビーズを用いて発泡させながら所望の形状に成形した発泡ビーズ成形品が好適に用いられる。
【0024】
外装シート9は、図1と図2に示すように、座面4から背当て面5における人体の背中が接する部位にわたる範囲が通気性とクッション性を有する通気シート材14にて構成され、背当て面5の上部の人体の頭部に対応する部分は非通気性シート材15にて構成されている。通気シート材14としては、3次元ネット状に織られかつ表面が感触の良好な状態に織成された織物材、またはポリエステル繊維などの合成繊維をからめて3次元的に空間をあけて配置しバインダーで固定したクッション材の表面を、湿気のみを通すとともに柔軟で感触の良好な表皮材で覆ったものが好適に用いられる。また、非通気性シート材15は表面が感触の良好なシートから成りその裏面にクッション材を貼り付けて構成されたシート材にて構成されている。
【0025】
外装シート9の背当て面5部分には、シート部3上に着座させた乳幼児の体格に応じた位置からシートベルト(肩ベルト)31を繰り出せるようにするため、上下に間隔をあけて複数対のベルト挿通用のスリット16a〜16dが設けられている。また、これらスリット16a〜16dに対応して、クッション層8の発泡合成樹脂成形品13に、図1と図3に示すように、ベルト挿通口17a〜17dが形成され、さらにシートフレーム部材7に、図1と図4に示すように、ベルト挿通口18a〜18dが形成されている。また、シートフレーム部材7の前面には、最上部のベルト挿通口18aを除いて、それより下方のベルト挿通口18b〜18dを閉鎖する閉鎖シート19が貼り付けられている。なお、閉鎖シート19には、各ベルト挿通口18b〜18dに対応してスリット20が形成されており、必要時に所要のベルト挿通口18b〜18dにベルトを通せるように構成されている。
【0026】
また、図4に示すように、シートフレーム部材7の座面4部分上には、乳幼児を着座させた状態を検出する着座検出手段21が配設されている。着座検出手段21としては、フィルムスイッチや面圧感知センサなどを用いることができる。また、必要に応じて背当て面5の下部の通気孔10の近傍上部に湿度センサ22が配設される。換気ファン11は、図5に示すように、電源スイッチ23と制御部24を有する制御ボックス25を介してシガーライターソケット26やその他の電池電源などに接続され、制御部24には着座検出手段21と湿度センサ22からの検出信号が入力され、それらの検出信号に基づいて換気ファン11を駆動制御するように構成されている。
【0027】
なお、図2〜図4において、一対の肩ベルト31は、座面4の中央部に固定されたバックル33に係合離脱可能に係止されるタングプレート(図示せず)に通されて両側に延びる腰ベルト32に連続しており、腰ベルト32の先端がシート部3の座面4の両側に固定されている。一対の肩ベルト31の先端側は、シート部3の背面側に延出されてシートフレーム部材7の背面側に配設された肩ベルトハンガー(図示せず)に係止されている。肩ベルトハンガー(図示せず)から延長された調整ベルト34は、この調整ベルト34を引出し自在に係止しかつ係止解除操作が可能なアジャスタ部(図示せず)に挿通されてシート部3の前端側に延出されている。
【0028】
以上の構成のチャイルドシート1を使用する際には、チャイルドシート1を車両のシート上に設置固定する。また、制御ボックス25から延出されたプラグをシガーライターソケット26に挿入して電源を供給する。その後、シート部3上に乳幼児を座らせてバックル33を股間に引き出し、腕を肩ベルト31に通してタングプレート(図示せず)をバックル33に係止し、その後調整ベルト34を引き出すことによって乳幼児を移動しないように固定する。
【0029】
この状態で、乳幼児に蒸れによる不快感を与える可能性がある場合には、制御ボックス25の電源スイッチ23をオンすることで、着座検出手段21からの検出信号が入力しているため、制御部24にて換気ファン11が駆動される。また、湿度センサ22が設けられている場合には、検出湿度が所定値以上になったときにのみ換気ファン11が駆動される。
【0030】
換気ファン11が駆動されると、座面4側については、クッション層8の通気クッション材12の前端及び外装シート9の通気シート材14の前部から外気が矢印aのように吸入され、その外気が通気シート材14と通気クッション材12を矢印bのように通過した後、通気孔10に向けて矢印cのように流れ、また背当て面5側については、外気が矢印dのようにベルト挿通口18a、17aを通して吸入され、その外気が通気クッション材12を矢印eのように通過した後、通気孔10に向けて矢印fのように流れ、通気孔10を通って換気ファン11にて外部に排出される。そのため、シート部3上に着座した乳幼児から座面4及び背当て面5に出て来た湿気は、この外気の流通とともに外部に速やかに排出される。その結果、シート部3に着座した乳幼児の座面4や背当て面5での蒸れの発生を確実に防止することができる。また、外気の流れが乳幼児に吹き付けられることはないので、乳幼児がたとえ汗ばんでいても、その体表面温度を気化熱で著しく低下させて風邪をひかせてしまうような恐れもなく、快適な乗り心地性能を確保することができる。
【0031】
以上の本実施形態によれば、シートフレーム部材7には適所1箇所に通気孔10が設けられているだけであるので、強度と剛性を維持できて高い安全性を確保でき、かつ換気ファン11を駆動することで、上述のように、シート部3上に着座した人体から座面4及び背当て面5に出て来た湿気が外気の流通に伴って外部に排出されるので、座面4と背当て面5の両方の蒸れの発生を確実に防止でき、快適な乗り心地性能を確保することができる。
【0032】
また、通気クッション材12及び通気シート材14を3次元ネット状に織られた織物材にて構成しているので、連続気泡型の発泡合成樹脂に比べて、格段に高いクッション性と高い通気性を共に確保することができる。
【0033】
また、シートフレーム部材7及びクッション層8の背当て面5に、上下に間隔をあけて複数対のベルト挿通口17a〜17d、18a〜18dを形成して、任意の位置にシートベルト31を挿通できるようにしているので、着座する乳幼児の体格に応じてシートベルト31の高さ位置を調整できて安全確実に保持できるとともに、最上部のベルト挿通口17a、18aを除いて各ベルト挿通口17b〜17d、18b〜18dを開口可能に閉鎖する閉鎖シート19を貼り付けているので、最上部と着座した乳幼児の背中の上に位置するベルト挿通口のみから外気が吸入され、その外気が着座している乳幼児の背中が接している部分の上方部分から下方に向けて外装シート9の通気シート材14内を流通して通気孔10から排気されるので、着座した乳幼児の背中全体から出た湿気を確実に外部に排出でき、背中全体の蒸れを確実に防止することができる。
【0034】
また、着座検出手段21からの検出信号の入力によって換気ファン11が駆動可能となるように構成しているので、乳幼児を着座させた時のみ換気ファン11が駆動可能となるので、不必要な時に換気ファン11が駆動され続けて電源が消耗するのを防止することができる。また、シートフレーム部材7上にさらに湿度センサ22を配置し、湿度センサ22からの検出信号に応じて換気ファン11を駆動制御するようにすると、乳幼児が蒸れを感じる時にのみ換気ファン11が駆動させて蒸れが解消されるようにすることができ、電源の消耗をより一層抑制することができる。
【0035】
なお、電源スイッチ23を設けずにプラグをシガーライターソケット26に挿入することで電源が入力されるようにしても良く、また着座検出手段21や湿度センサ22及びそれらの検出信号が入力される制御部24を設けず、単純にプラグの挿入離脱によって換気ファン11をオンオフする構成とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のチャイルドシートは、シートフレーム部材の強度と剛性を維持して高い安全性を確保しながら、外装シートの通気シート材とクッション層の通気クッション材を通過して通気孔から外部に排出される外気の流れを換気ファンで形成し、人体から出た湿気を外部に排出することで、蒸れの発生を防止して快適な乗り心地性を確保できるので、安全性と快適性を両立できるチャイルドシートとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態のチャイルドシートの縦断側面図。
【図2】同チャイルドシートの斜視図。
【図3】同チャイルドシートの外装シートを除去した状態の斜視図。
【図4】同チャイルドシートの外装シートとクッション層を除去した状態の斜視図。
【図5】同チャイルドシートの制御構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0038】
1 チャイルドシート
4 座面
5 背当て面
6 屈曲部
7 シートフレーム部材
8 クッション層
9 外装シート
10 通気孔
11 換気ファン
12 通気クッション材
14 通気シート材
17a〜17d ベルト挿通口
18a〜18d ベルト挿通口
19 閉鎖シート
21 着座検出手段
22 湿度センサ
24 制御部
31 シートベルト(肩ベルト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の一体成形品からなり、座面と背当て面が屈曲部を介して連接された形状のシートフレーム部材と、シートフレーム部材の適所1箇所に設けられた通気孔の背面に取付けられた換気ファンと、シートフレーム部材上に配置され、少なくとも通気孔配置部近傍を含む一部が通気性とクッション性を有する通気クッション材から成るクッション層と、クッション層上を覆うように配置され、少なくとも座面と背当て面における背中が接する部位が通気性とクッション性を有する通気シート材から成る外装シートとを備えたことを特徴とするチャイルドシート。
【請求項2】
シートフレーム部材の通気孔は屈曲部近傍の背当て面下部に配置され、通気クッション材は座面の全面と通気孔近傍を覆う範囲に配置され、かつシートフレーム部材及びクッション層の背当て面にシートベルトを挿通するベルト挿通口が形成されていることを特徴とする請求項1記載のチャイルドシート。
【請求項3】
通気クッション材が、3次元ネット状に織られた織物材、又は合成繊維をからめて3次元的に空間をあけて配置しバインダーで固定したクッション材から成ることを特徴とする請求項1又は2記載のチャイルドシート。
【請求項4】
通気シート材が、3次元ネット状に織られた織物材、又は合成繊維をからめて3次元的に空間をあけて配置しバインダーで固定したクッション材の表面を湿気を通す柔軟な表皮材で覆ったものから成ることを特徴とする請求項1又は2記載のチャイルドシート。
【請求項5】
シートフレーム部材及びクッション層の背当て面には、シートベルトを挿通するベルト挿通口が上下に間隔をあけて複数対形成され、シートフレーム部材の背当て面には、最上部のベルト挿通口を除いて各ベルト挿通口を開口可能に閉鎖する閉鎖シートを貼り付けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のチャイルドシート。
【請求項6】
シートフレーム部材の座面上に、人体の着座を検出する着座検出手段を配設し、着座検出手段からの検出信号の入力によって換気ファンを駆動可能とする制御部を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のチャイルドシート。
【請求項7】
シートフレーム部材上にさらに湿度センサを配置し、湿度センサからの検出信号に応じて換気ファンを駆動制御する制御部を設けたことを特徴とする請求項6記載のチャイルドシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−143835(P2007−143835A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342028(P2005−342028)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(503234126)レカロ株式会社 (9)
【Fターム(参考)】