説明

テレビ受像機および映像表示装置

【課題】HDMIのクリアな映像を楽しみつつ、コンポジット信号の垂直帰線区間情報を利用することの可能なテレビ受像機、映像表示装置を提供する
【解決手段】HDMI端子10aとコンポジット端子10bとを備え、デジタルデコーダ10cがHDMI端子10aから入力される映像信号をスケーラ10eを介して後段に出力し、マイコン10iの制御に従ってアナログデコーダ10dがコンポジット信号からクローズドキャプションを抽出してマイコン10iに出力し、マイコン10iの制御に従ってOSD重畳部10fがクローズドキャプションを映像信号にOSD表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受像機および映像表示装置に関し、特に、垂直帰線区間(VBP)用のデータを規格上伝送可能なインターフェースと伝送不可能なインターフェースが接続される端子を備えるテレビ受像機および映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ放送などのテレビジョン装置に表示させる映像信号には、画面を描き終わってから次の画面を描きはじめるまでのインターバル期間が設けられており、垂直帰線消去期間(VBI)と呼ばれている。この区間は垂直帰線区間(VBP)と呼ばれる。このVBPには、画面を描きはじめるタイミングをとるための信号(垂直同期信号)等も含まれているが、一部はいわゆる冗長部分になっており、これを利用してクローズドキャプション(以下、CCとする)などの文字多重放送やデータ多重放送が行なわれている。
【0003】
また、近年、テレビジョン装置向けのディジタル映像・音声インターフェイスの1つとしてHDMI(HDMI Licensing,LLCの商標)が業界標準の1つとなり、テレビジョン装置にHDMI端子を備えることがトレンドとなっている。このHDMIはデジタル映像伝送技術であるTMDS(Transition-Minimized Differential Signaling)をベースにしており、クリアな映像が視聴可能である。HDMIは19ピンコネクタのケーブル一本で映像・音声・制御信号の全てが送受信可能であり、RGBだけでなくYUVにも対応している。同様にTMDSをベースとしたパソコン向け規格にDVIがあるが、HDMIとはコンセプトを異にしており、映像のみの送受信であり、対応映像信号もRGBのみである。
【0004】
このようなHDMIの普及に伴い、表示装置と接続するインターフェースを変更すると表示装置からアスペクト比などの表示条件を取得して画像出力装置に設定する技術が開示されている(特許文献1)。また、CCを含むテレビ放送を日本でも視聴可能かつ高速に記録するために、CCをサブピクチャ化して記録する技術が開示されている(特許文献2)。また、CCを利用する発明として、EPGのような電子番組情報をCC形式に変換し、映像信号に重畳して表示させる技術が開示されている(特許文献3)。また、HDMIのデジタル信号を扱う基板とアナログ信号を扱う基板との距離を離して周波数の干渉を抑えることについて開示されている(特許文献4)。
【特許文献1】特開2005−109703
【特許文献2】特開2003−348529
【特許文献3】特開2004−64547
【特許文献4】特開2006−42260
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このHDMIには、規格上VBPが存在せず、またVBPに含まれる文字情報(CC、文字多重放送、V−チップ(violence chip)のレイティング情報など。以下VBP情報と略す。)をエンコードして格納する規格も無い。従って、HDMI(またはTMDS、DVI)のクリアな映像を見たい場合は、CCなどのVBP情報を利用することが出来ず、一方、VBP情報を利用したいときは映像がクリアでないコンポジット信号(アナログ)を利用するしかなかった。
【0006】
つまり、HDMIを利用した映像表示を行うと以下の課題が存在した。
・CCを必要とする聴覚障害者は、クリアな映像を楽しむことが出来ない。
・VBP情報を利用して視聴制限を行うV−チップなどの視聴制限手段が利用できなくなる
・CCを利用して音声情報とCCとに制限をおこなうテレビガーディアンなどの音声・文字制限手段が利用できなくなる
【0007】
また、映像と同時に画面に表示される文字情報として、例えばDVDに含まれるサブタイトルや字幕などがあり、これらをCCの代わりとして聴覚障害者が使用することも考えられる。しかしながら、これらはCCとは本質的に異なる情報であり、CCが音声とほぼリアルタイムで1対1対応してるのに対し、字幕は音声の内容やタイミングと必ずしも一致したものではない。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、HDMIのクリアな映像を楽しみつつ、VBP情報(CC、文字多重放送、V−チップのレイティング情報など)を利用することの可能なテレビ受像機および映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための第一の構成例として、本発明では、HDMI規格の映像信号が入力されるHDMI端子と、コンポジット映像信号が入力されるコンポジット端子と、を備えて、入力された映像信号に基づいて映像を画面に表示するテレビ受像機において、
HDMI端子より入力された映像信号を後段に出力するデジタルデコーダと、コンポジット端子より入力された映像信号からR(赤)G(緑)B(青)の3原色信号を復調し、かつ、デジタル信号に変換して後段に出力するとともに垂直帰線区間のクローズドキャプションを抽出して出力可能なアナログデコーダと、上記デジタルデコーダと上記アナログデコーダのいずれか一方より映像信号を入力されて、同映像信号が画面の画素数に合致するようにスケーリング処理を施して出力するスケーラと、上記スケーラより出力される映像信号に所定の文字情報をオン・スクリーン・ディスプレイ表示にて重畳させるOSD重畳部と、上記OSD重畳部より出力される映像信号に基づいてディスプレイを駆動制御するドライバと、上記アナログデコーダより出力されるクローズドキャプションを受け取り、同クローズドキャプションに対応する映像信号の処理とタイミングを合わせて上記OSD重畳部にクローズドキャプションをオン・スクリーンディスプレイ表示にて表示させるマイコンと、上記HDMI端子と上記コンポジット端子のいずれの映像信号を表示させるかの入力設定情報と、上記クローズドキャプションを表示させるか否かのCC表示設定情報とを保持する半導体メモリと、を備えつつ、
上記HDMI端子と上記コンポジット端子とが同一のDVD再生装置に接続されると、同DVD再生装置からは両端子それぞれに対して互いに同期した映像信号が入力され、
上記マイコンは、上記半導体メモリから入力設定情報を取得し、当該入力設定情報に基づき上記デジタルデコーダと上記アナログデコーダのいずれか一方から映像信号を出力させ、上記半導体メモリからCC表示設定情報を取得し、当該CC表示設定情報がCCを出力させる設定のときは上記アナログデコーダを制御してクローズドキャプションを抽出出力させ、同クローズドキャプションに基づいて上記OSD重畳部にオン・スクリーン・ディスプレイ表示を行わせる構成としてある。
【0010】
また、上記目的を達成するための第二の構成例として、本発明の映像表示装置では、垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させる映像表示装置において、上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力する映像信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記映像信号受付手段より出力される映像信号に上記文字情報を重畳する文字情報重畳手段とを備える構成としてある。
すなわち、上記映像信号受付手段が上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力し、上記文字情報抽出手段が上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出し、上記文字情報重畳手段が上記映像信号受付手段より出力される映像信号に上記文字情報を重畳する。これにより、第一の規格の映像信号に基づく映像を視聴しつつ、第二の規格にしか存在しない文字情報に基づく表示をも視聴する(利用する)ことができ、いずれか一方(例えば第一の入力端子から入力される映像信号)のみに基づいて映像表示を行う場合に比してユーザの利便性が向上する。
ここで上記第一の規格としては、垂直帰線消去期間、すなわち垂直帰線区間を備えないものであり、かつ、垂直帰線区間に搭載可能なデータ(例えばクローズドキャプション、V−チップのレイティング情報、インターテキスト、アダマス(ADAMS:TV-Asahi Data and Multimedia Service)、ビットキャスト、HTML形式のコンテンツ)を他の形式で保持する仕様(例えばデジタルデータであればヘッダやフッタなどにエンコードして保持する仕様)を備えないものである。具体的にはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Visual Interface)、そしてこれらの上記規格であるTMDS(Transition-Minimized Differential Signaling)が考えられるが、むろんこれらに限られるものではない。
一方、上記第二の規格としては、垂直帰線消去期間(VBI)、すなわち垂直帰線区間(VBP)を備えるものであり、ある画面を描き終わってから、その次の画面を描きはじめるまでの間に映像信号の送信に使用されない区間がある規格である。具体的には、アナログテレビ放送や、コンポジット端子やS端子やコンポーネント端子などのアナログ映像信号伝送用の規格である。
また、上記文字情報としては、所定の文字コード仕様に基づいて復元(解釈)可能であればよく、復元(解釈)された情報を人が読解可能である必要はない。例えば、所定の文字コード仕様に基づいて復元された情報が、0(オフ)と1(オン)の羅列であっても、この羅列が意味する内容を上記文字情報重畳手段が所定の文字コード仕様に基づいて解釈可能であれば構わない。
【0011】
そして、上記文字情報重畳手段はオン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)表示にて文字情報を重畳する構成としてもよい。上記文字情報を映像信号に重畳する際、表示される文字の色(例えば黒)に対して周囲の所定領域の色を特定の色(例えば白)として表示する手法がある(例えば従来のクローズドキャプションの表示法)が、この手法だと文字部分のみならず周囲の所定領域までも本来の映像信号が視聴不可能になる。そこでOSD表示を採用することにより、文字の背景を透過色として本来の映像の欠除を最小限に止め、ユーザの映像視聴の妨げを最小限とした。よって、文字情報を表示可能としてユーザの利便性を低下させることなく、同時に映像の欠除も最小限に止めてユーザの利便性の向上が図れる。
【0012】
さらに、上記第一の入力端子からの映像信号に基づく映像視聴時に、上記文字情報を重畳するか否かを選択する文字情報重畳選択手段を備える構成としてもよい。この構成では、例えば所定の操作入力手段からユーザの操作入力を受け付け、文字情報重畳選択手段が上記文字情報抽出手段もしくは上記文字情報情報手段のいずれかまたは双方を制御して、文字情報を抽出させる(もしくは画面に文字情報を表示させる)か否かを選択制御する。すなわち、文字情報の表示が不要と考えるユーザも存在することが想定され、このようなユーザのためには文字情報の表示/非表示を選択可能にすることがユーザの利便性の向上につながるための構成である。
【0013】
さらに、上記目的を達するための第三の構成例として、垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させる映像表示装置において、上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力する映像信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記文字情報に基づく視聴制限を行う視聴制限手段を備える構成としてもよい。
すなわち、上記映像信号受付手段が上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力し、上記文字情報抽出手段が上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出し、上記視聴制限手段が上記文字情報に基づいて視聴制限を行う。これにより、第一の規格の映像信号に基づく映像を視聴しつつ、第二の規格にしか存在しない文字情報に基づく視聴制限を行うことができ、第一の入力端子からの映像信号のみに基づいて映像表示を行う場合に比してユーザの利便性が向上する。この視聴制限としては、特定の文字情報(例えば映像に暴力的な映像が含まれている旨示す情報)を有する映像信号部分(例えば1フレーム分)を画面に表示させないなどの処理のことである。また、第一の規格および第二の規格については上述した第二の構成例のものと同様であるが、文字情報は上述した文字情報とは異なり、復元する必要はなく、上記視聴制限手段が解釈可能であればいかなる情報であっても構わない。
【0014】
さらに、上記第三の構成例におけるより具体的な構成例として、上記視聴制限手段をV−チップとし、上記文字情報をV−チップのレイティング情報としてもよい。すなわちV−チップのように広く普及している(たとえばアメリカ合衆国などの北米で普及している)仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0015】
さらに、上記目的を達するための第四の構成例として、垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像音声信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像音声信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させつつ音声信号に基づいて音声出力を行う映像表示装置において、上記第一の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて後段に出力する映像音声信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記文字情報に基づいて音声出力を制限する音声出力制限手段を備える構成としてもよい。
すなわち、上記映像音声信号受付手段が上記第一の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて後段に出力し、上記文字情報抽出手段が上記第二の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出し、上記音声出力制限手段が上記文字情報に基づいて音声出力を制限する。これにより、第一の規格の映像音声信号に基づく映像を視聴しつつ、第二の規格にしか存在しない文字情報に基づく音声出力を制限することが可能となり、第一の入力端子からの映像音声信号のみに基づいて映像表示や音声出力を行う場合に比してユーザの利便性が向上する。ここで音声信号の出力制限とは、文字情報に予め設定されている不適切な単語(NGワード)が含まれた場合に、同文字情報に対応する音声出力を消音(もしくは音声信号をカット)することを意味する。また、第一の規格および第二の規格、そして文字情報については上述した第二の構成例のものと同様である。
【0016】
さらに、上記第四の構成例におけるより具体的な構成例として、上記音声出力制限手段をテレビガーディアンとしても構わない。すなわちテレビガーディアンのように広く普及している(たとえばアメリカ合衆国などの北米で普及している)仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0017】
さらに、上記第二、四の構成例におけるより具体的な構成例として、上記文字情報をクローズドキャプションデータとしても構わない。すなわちクローズドキャプションのように広く普及している(たとえばアメリカ合衆国などの北米で普及している)仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0018】
さらに、上記第一の入力端子から入力される映像信号と、上記第二の入力端子から入力される映像信号とが同期している構成としてもよい。すなわち、上記第一の入力端子と上記第二の入力端子とからそれぞれ入力される映像信号(または映像音声信号)が同期していると、上記第二の入力端子から入力される映像信号(または映像音声信号)に含まれる文字情報に基づいて、上記第一の入力端子から入力される映像信号(または映像音声信号)に文字情報を重畳(もしくは文字情報に基づく視聴制限、もしくは音声出力制限)する際に、文字情報を重畳(もしくは文字情報に基づく視聴制限、もしくは音声出力制限)する処理を行うタイミングがとりやすくなり装置の設計が容易となる。
【0019】
さらに、上記第一の規格のより具体的な構成例として、上記第一の規格をHDMIの規格としてもよい。すなわちHDMIのように広く普及する(業界標準の1つとなる)とともに搭載することがトレンドとなっている仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0020】
さらに、上記第二の規格のより具体的な構成例として、上記第二の規格をコンポジット映像信号の規格としてもよい。すなわち、コンポジット端子の規格のように広く普及する(ほぼ全ての映像表示装置にすでに搭載されいている)仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することができる。
また請求項3にかかる発明によれば、ユーザの利便性を低下させることなく、同時にユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
そして請求項4にかかる発明によれば、さらにユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
さらに請求項5にかかる発明によれば、ユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
また請求項6にかかる発明によれば、さらにユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
そして請求項7にかかる発明によれば、ユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
そして請求項8にかかる発明によれば、さらにユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
そして請求項9にかかる発明によれば、さらにユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
そして請求項10にかかる発明によれば、設計の容易な映像表示装置を提供することが出来る。
そして請求項11にかかる発明によれば、さらにユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
そして請求項12にかかる発明によれば、さらにユーザの利便性が向上する映像表示装置を提供することが出来る。
さらに請求項1のような、より具体的な構成において、上述した請求項2〜4および請求項9〜12の各発明と同様の作用を奏することはいうまでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)テレビ受像機の構成:
(2)クローズドキャプションの表示制御を行うマイコンの処理:
(3)V−チップを備えるテレビ受像機(第一の変形例):
(4)テレビガーディアンを備えるテレビ受像機(第二の変形例):
(5)まとめ:
【0023】
(1)テレビ受像機の構成:
以下、図1〜3を参照して、本発明の映像表示装置、映像表示制御方法および映像表示制御プログラムについて、これらを具体化したテレビ受像機を例にとって説明する。
まず、図1を参照してテレビ受像機10の構成(概略構成)について説明する。同図には、テレビ受像機をブロック図にて示してある。
【0024】
このテレビ受像機10は、少なくとも2系統以上の映像信号入力端子(図1ではHDMI端子10aとコンポジット端子10b)を備えており、いずれか1系統からの映像信号入力端子、もしくは2系統の映像信号入力端子から同時に映像信号入力が可能であり、入力された映像信号に基づいた映像をディスプレイ10hに表示させる。映像信号入力端子は、少なくとも一方が垂直帰線区間(VBP)を備えることが可能な第二の規格(図1ではコンポジット端子10bを介して入力される映像信号の規格)であり、このVBPに含まれるVBP情報に基づいて、VBPを含む映像信号(ここではコンポジット信号)のみならず他方の映像信号(ここではHDMI(第一の規格)を介して入力される映像信号)を制御することも可能となっている。
【0025】
また、テレビ受像機10には、HDMI端子10aやコンポジット端子10bを介してDVD再生装置15(データ再生装置)が接続可能である。このDVD再生装置15には、テレビ受像機10の映像信号入力端子と対応する映像信号出力端子(図1ではHDMI端子15aやコンポジット端子15b)を備えており、複数の端子から同一の映像データに基づく映像信号を双方に同時に出力することが可能である。
【0026】
具体的には、テレビ受像機10は、HDMI端子10aからの映像信号が入力されるデジタルデコーダ10cと、コンポジット端子10bからの映像信号が入力されるアナログデコーダ10d(アナログの映像信号をデコードするデコーダであり、NTSCデコーダなど)と、ディスプレイ10hの画面の画素数に合致するように映像信号の変換を行うスケーラ10eと、マイコン10iからの制御に基づいて映像信号にOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)信号を重畳するOSD重畳部10fと、映像信号に基づいてディスプレイ10hの各画素を駆動させて映像を表示させるドライバ10gと、マイコン10iがテレビ受像機10を制御する際に必要なデータ(アプリケーションや各種設定値)が記録された半導体メモリ10kと、マイコンにクロック信号を提供するタイマ回路10jと、から構成される。
【0027】
次に、図1の各構成の作用と、構成間の関係について詳細に説明する。
データ再生装置(ここではDVD再生装置15)は、記録媒体(例えばDVD、ビデオCD、ハードディスク、など)から映像信号を読み取り再生し、HDMI端子15aもしくはコンポジット端子15b(またはS端子やコンポーネント端子などのアナログ出力端子)のいずれかまたは双方から、再生した映像信号を出力する。また、本実施例においては、HDMI端子15aとコンポジット端子15b(またはS端子やコンポーネント端子などのアナログ出力端子)から出力されるデータは同タイミングで出力される(同期している)ものとする。
【0028】
デジタルデコーダ10cは、HDMI端子10aを介してHDMI規格のデジタル映像信号を受け取り、スケーラ10eに出力する。本実施例においては、デジタルデコーダ10cはデジタルデータを前段から受け取り、後段に出力するレシーバとして機能している。むろん、その際必要であれば、スケーラ10eが処理可能なデータ形式にデータ変換を行ってもよい。すなわちデジタルデコーダ10cが、上記第一の入力経路から入力される映像信号を受け付けて後段に出力する映像信号受付手段を構成する。
【0029】
アナログデコーダ10dは、コンポジット端子10b(もしくはS端子やコンポーネント端子などのアナログ出力端子)を介してコンポジット映像信号を受け取り、入力された映像信号からR(赤)G(緑)B(青)の3原色信号を復調し、かつ、デジタル信号に変換してスケーラ10eに出力する。また、マイコン10iから所定の制御信号を受信すると、映像信号の垂直帰線区間(VBP)部分からVBP情報を抜き出してマイコン10iに出力する。例えば、NTSC方式の映像信号では、525本ある走査線のうち走査線1番目から21番目までの領域がこのVBPに相当し、文字情報はこの領域に載せられる。特に、この中の21番目の走査線はクローズドキャプション(CC)の文字情報を載せる領域とされており、アナログデコーダ10d(NTSCデコーダ)がCCを取得するには、走査線21番目(通称ライン21)を抜き取る(スライスする)ことになる。すなわちアナログデコーダ10dが、上記第二の入力経路から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段を構成する。
【0030】
以上より、本実施例においては、HDMIインターフェースを介してHDMI15aと接続されるHDMI端子10aが第一の入力端子を構成し、ケーブルを介してコンポジット端子15b(またはS端子やコンポーネント端子などのアナログ出力端子)と接続されるコンポジット端子10b(もしくはS端子やコンポーネント端子などのアナログ出力端子)が第二の入力端子を構成する。
【0031】
デジタルデコーダ10cとアナログデコーダ10dとは、いずれか一方から出力される映像信号がスケーラ10eに供給される。これは、デジタルデコーダ10cとアナログデコーダ10dの双方をそれぞれマイコンで制御していずれか一方のみから映像信号がスケーラ10eに出力されるように構成してもよいし、スケーラ10eの前段にスイッチ回路を設けてマイコンで切換制御するように構成してもよい。
【0032】
スケーラ10eは、デジタルデコーダ10c若しくはアナログデコーダ10dのいずれか一方から映像信号を受け取り、RGB信号で表現された映像信号に基づいてディスプレイ10hの画素数(横画素数m、縦画素数nのとき、m×n画素)に合わせたスケーリング処理を行い、ディスプレイ10hに表示する1画面分の画像データを生成する。このとき所定のタイミングで画像データを生成しないと、画面の所定領域や特定の画面には映像が表示されない。
【0033】
OSD重畳部10fは、マイコンの制御信号(指示)に基づいて各種表示に対応するOSD信号を生成するとともに、スケーラ10eより受け取った映像信号にこのOSD信号を重畳してドライバ10gに供給する。このときマイコンは、例えばCCをOSD表示させるのであれば、CCの文字情報、若しくはOSD信号そのものを制御信号とともにスケーラ10eに送出すればよい。
【0034】
ドライバ10gは、スケーラ10eから出力される映像信号に基づいてディスプレイ10hの各画素を駆動させ、ディスプレイ10hの画面に映像表示を行わせる。
【0035】
マイコン10iにはタイマ回路10jが接続されており、スケーラ10eやOSD重畳部10fの制御を行って所定のタイミングで映像信号に所定の処理(OSD信号の重畳や映像信号の出力停止などの映像信号処理)を行わせる際に同期を取るためのクロック信号が供給される。また、マイコン10iは映像信号の半導体メモリ10kに記憶された各種設定値に基づいて、適宜アプリケーションの読み出しを行いつつ、テレビ受像機10全体を制御したり各種設定値の更新を行ったりする。また、マイコン10iデジタルデコーダ10cから出力される映像信号とアナログデコーダ10dから出力される文字情報とが同期するようにOSD重畳部10fやスケーラ10eに処理を行わせることが可能となっている。
【0036】
上述した実施例においては、映像表示装置(テレビ受像機10)とデータ再生装置(DVD再生装置15)とは別体であるものとして記載したが、本発明の思想は以下のような構成であっても実現可能であることはいうまでも無い。
・データ再生装置がデジタルデコーダ10c、アナログデコーダ10d、マイコン、スケーラ10e、OSD重畳部10fに相当する機能を備えていれば、ドライバ10gとディスプレイ10hとは必ずしも必要ではなく、データ再生装置が映像表示装置の構成も実現している
・テレビ受像機とDVD再生装置が一体に構成されてコンボ機として実現されるように、映像表示装置とデータ再生装置も一体に構成されてコンボ機として実現可能である。
・データ再生装置はDVD再生装置に限るものではなく、HDD、半導体メモリ、磁気記録テープなどの各種記録媒体から映像信号を再生して出力する装置であってもよく、VBPを規格上備えない出力とVBPを規格上備える出力の双方の出力が可能であればいかなるものであっても構わない。
・映像表示装置としてはテレビ受像機に限るものではなく、DVI端子(またはTMDS端子)とコンポジット端子を備えたPCや、DVI端子(またはTMDS端子)とコンポジット端子を備えて映像信号処理を内部で行うことの可能なディスプレイなども考えられる。
・本発明では、HDMIなどのデジタル映像信号を扱うため、液晶テレビやプラズマテレビなどの画素毎に制御されるパネル型テレビを想定して記載してあるが、ドライバ10gとして垂直偏向回路や水平偏向回路などを使用するとブラウン管テレビなどにも適用可能であることは言うまでも無い。
【0037】
(2)クローズドキャプションの表示制御を行うマイコンの処理:
次に、図2を参照して、HDMI端子10aとコンポジット端子10bのいずれの端子から入力される映像信号をスケーラ10eに出力させるかを制御するとともに、コンポジット端子10bから入力されるVBP情報を使用するか否かを制御するマイコンの処理を説明する。ここでは、特にVBP情報のうちクローズドキャプションデータを使用する場合を例にとって説明する。図2には、マイコンの処理をフローチャートにて示してある。この処理はテレビ受像機の電源がオンの間は繰り返し行われる構成にしてもよいし、テレビ受像機がオンとなった時とる設定値(半導体メモリ10kに記憶されている設定値)が更新された時とに実行される構成にしてもよい。
【0038】
設定値は、図示しない所定のリモコンや操作パネルなどを操作入力することで変更可能である。より具体的には、「入力切換」と「CC表示」の専用のボタンをそれぞれ設け、「入力切換」ボタンを操作すると同操作を検知したマイコンが半導体メモリ10kの「入力切換」の設定値(入力設定情報)もしくは「CC表示」の設定値(CC表示設定情報)を変更する。すると、後述する処理が実行され、スケーラ10eに映像信号を供給する供給元がアナログデコーダ10dとデジタルデコーダ10cとで切り換わる。むろんメニュー画面から設定を行う構成としても構わない。
【0039】
この「CC表示」ボタンの押下げを検知して半導体メモリ10kの「CC表示」の設定値を変更するマイコンが、HDMI端子10a(第一の入力端子)からの映像信号に基づく映像が選択されているとき(映像視聴時)、CC(文字情報)を映像信号に重畳するか否かを選択する文字情報重畳選択手段を構成する。
【0040】
処理を開始すると、ステップS10で、半導体メモリ10kから「入力切換」の設定値を取得し、この設定値からHDMIがスケーラ10eへの映像信号供給元とする設定であるか否かを判断する。HDMIがスケーラ10eへの映像信号供給元である場合は、条件成立としてステップS12に進み、デジタルデコーダ10cからスケーラ10eに対して映像信号を出力させるとともに、アナログデコーダ10dからスケーラ10eに対する映像信号出力を停止させる。一方、HDMIがスケーラ10eへの映像信号供給元でない場合は、条件不成立としてステップS14に進み、デジタルデコーダ10cからスケーラ10eに対する映像信号の出力を停止させるとともに、アナログデコーダ10dからスケーラ10eに対して映像信号を出力させる。
【0041】
ステップS12またはステップS14が終了するとステップS16に進み、半導体メモリ10kから「CC表示」の設定値を取得し、この設定値からアナログデコーダ10dからCCを出力させる設定であるか否かを判断する。アナログデコーダ10dからCCを出力させる設定である場合は、条件成立としてステップS18に進む。一方、アナログデコーダ10dからCCを出力させる設定出ない場合は、条件不成立として当該処理を終了する。
【0042】
ステップS18では、CCを抽出(スライス)してマイコンに出力させる制御信号をアナログデコーダ10dに出力し、アナログデコーダ10dからCCのデータを受け取る。そして、ステップS20では、CCのデータに基づいたOSD表示をOSD重畳部10fに行わせる制御信号を同OSD重畳部10fに出力し、スケーラ10eから出力される映像信号にCCをOSD表示させて当該処理を終了する。通常のCCが文字の背景が非透過であるのに対し、CCをOSD表示させると文字の背景が無いため、CC表示による表示映像の欠損が少なくなる。むろん、OSD表示でなく、通常のCC表示を行わせても構わない。
【0043】
以上より、ステップS10、S12の処理を行うマイコンと、同マイコンの制御に従ってHDMI端子10a(第一の入力端子)から入力される映像信号を受け付けてスケーラ10e(後段)に出力するデジタルデコーダ10cとが、映像信号受付手段を構成する。また、ステップS16、S18の処理を行うマイコンと、同マイコンの制御に従ってコンポジット端子10b(第二の入力端子)から入力される映像信号を受け付けてVBPからCC(文字情報)を抽出するアナログデコーダ10dとが、文字情報抽出手段を構成する。さらに、ステップS20の処理を行うマイコンと、デジタルデコーダ10cからスケーラ10eを経由して出力される映像信号に対し同マイコンの制御に従ってCC(文字情報)を重畳するOSD重畳部10fが、文字情報重畳手段を構成する。
【0044】
以下、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
ユーザがテレビ受像機の電源を投入すると、マイコンが半導体メモリ10kの「入力切換」の設定値を取得し、同設定値がHDMI端子10aとコンポジット端子10bのいずれの入力を後段に出力するように設定されているかを判断する。HDMI端子10aからの入力を出力するように設定されている時は、デジタルデコーダ10cからスケーラ10eに映像信号を出力するようにマイコンが制御し、ディスプレイ10hにはHDMI端子10aから入力されるデジタルデータに基づきクリアな映像が表示される。一方、コンポジット端子10bからの映像信号を出力するように設定されているときは、アナログデコーダ10dからスケーラ10eに映像信号を出力するようにマイコンが制御し、ディスプレイ10hにはコンポジット端子10bから入力されるアナログデータに基づきやや不鮮明な映像が表示される。
【0045】
次にマイコンは、半導体メモリ10kから「CC表示」の設定値を取得し、同設定値がCCを表示する設定であるか否かを判断する。CCを出力する設定であるときは、アナログデコーダ10dにCCを抽出してマイコンに出力するよう制御信号を出力する。そして、マイコンは、映像信号がOSD重畳部10fで処理されるタイミングに合わせてCCをOSD重畳部10fに出力し、映像信号と対応するCCをOSD表示させる。一方、CCを出力しない設定であるときは、HDMI端子10aからの映像信号、もしくはコンポジット端子10bからの映像信号のみがディスプレイ10hに表示される。
【0046】
従って、HDMI端子10aからの映像信号がディスプレイ10hに表示されているときは、クリアな映像とともにOSD表示されたCCが表示される。また、コンポジット端子10bからの映像信号がディスプレイ10hに表示されているときは、HDMI端子10aからの映像信号がディスプレイ10hに表示されているとき比べてやや不鮮明な映像とともにOSD表示されたCCが表示される。
【0047】
(3)V−チップを備えるテレビ受像機(第一の変形例):
ところで、VBPを備える映像信号の中には、このVBPにレイティング情報(または視聴許容ランク情報などの視聴制限情報)を含むものが存在する。その1つにV−チップ(violence chip)のレイティング情報がある。これはVBPに含まれるレイティング情報(文字情報)に基づいて、あらかじめユーザによって視聴を許容された(もしくは許容されない)レイティング値(以下、「許容値」とする)の映像信号のみを出力(画面に表示)させる(もしくは出力させない)、ことにより視聴制限を行うというものである。
【0048】
しかしながら、HDMI(第一の規格)のように規格上VBPを備えない映像信号では、この視聴制限を行えなくなり、ユーザの利便性が損なわれる。従って、本発明のようにHDMI(第一の規格)の映像信号で映像表示を行いつつ、コンポジット(第二の規格)に含まれるVBPのレイティング情報を利用して映像表示の視聴制限(表示制限)を行うことを提案するものである。
【0049】
本第一の変形例の構成は、上記実施例と共通の構成で実現できるため、図1の構成に基づいて説明する。以下に上記実施例と相違する点を中心に説明する。
【0050】
アナログデコーダ10dは、マイコン10iから所定の制御信号を受信すると、映像信号の垂直帰線区間(VBP)部分からレイティング情報(VBP情報)を抜き出して(スライスして)マイコン10iに出力する。すなわちアナログデコーダ10dが、コンポジット端子(第二の入力端子)から入力される映像信号を受け付けてVBPからレイティング情報(文字情報)を抽出する(スライスする)文字情報抽出手段を構成する。
【0051】
アナログデコーダ10dからレイティング情報を受け取ったマイコンは、同レイティング情報と半導体メモリ10kに記録された「許容値」とを比較し、視聴が許容されているか否かを判断する。視聴が許容されていればスケーラ10eやOSD重畳部10fにはそのまま映像信号を出力させる(もしくは何も制御信号を出力しない)。一方、視聴が許容されていないときは、許容されていない映像信号がスケーラ10eにて処理されるタイミングと合わせてスケーラ10eに制御信号を出力し、映像信号の出力を視聴が許容されていない範囲の映像信号が出力されないようにする。
【0052】
このときOSD表示で視聴制限がなされている旨を表示させると、突然映像の表示が途切れてユーザが故障と勘違いすることがなくて好適である。また、スケーラ10eに制御信号を出力する代わりに、OSD重畳部10fに画面全体を覆うようにOSD表示を行わせても、同様の効果が得られる。
【0053】
「許容値」の設定は、図示しないリモコンや操作パネルに専用の操作ボタンを設けてもよいし、メニュー画面の一項目でレイティング情報を設定できるようにしてもよい。
【0054】
以上より、マイコンの制御に従ってV−チップのレイティング情報(文字情報)を出力するアナログデコーダ10dが文字情報抽出手段に相当し、V−チップのレイティング情報(文字情報)に基づいてスケーラ10e(もしくはOSD重畳部10f)を制御して所定のレイティングの映像信号を視聴(出力)させないようにする処理を行うマイコンが、視聴制限手段を構成する。
【0055】
以下、上記構成からなる本第一の変形例の動作を説明する。
テレビ受像機の電源が投入されると、アナログデコーダ10dが映像信号からレイティング情報を抽出してマイコンに出力する。レイティング情報を受け取ったマイコンは、半導体メモリ10kより「許容値」のデータを取得してレイティング値と比較する。もしレイティング値が許容値の範囲内であれば、スケーラ10eとOSD重畳部10fにそのまま映像信号を処理させ、ディスプレイ10hには映像が表示される。一方、レイティング値が許容値の範囲外であれば、同レイティング情報を含んでいた映像信号が処理されるタイミングに合わせてスケーラ10eを制御し、映像信号がドライバ10gに出力されないようにする。そのため許容値の範囲外のレイティング情報が載せられた映像信号は画面に表示されない。
【0056】
(4)テレビガーディアンを備えるテレビ受像機(第二の変形例):
また、CCに基づいて、同CCに対応する音声をカット(修正)することにより、不適切な音声出力がなされないようにする方法や装置が知られている。その1つにテレビガーディアンがある。これは、音声出力とCCの表示とが同期してなされることを利用したものであり、まず、CCに含まれる単語をあらかじめ用意された辞書(不適切な言葉、宗教的な言葉、汚い言葉を集めたもの。以下NGワードとする。)と比較することにより、NGワードを特定する。そしてNGワードを適切な言葉に置換(もしくはNGワードを削除)するとともに、同NGワードの表示タイミングと同時に出力される音声もミュートする。これにより、CCのNGワードが表示されることがなく、さらにNGワードが音声出力されることもなくなる。
【0057】
しかしながら、HDMI(第一の規格)のように規格上VBPを備えない映像信号では、CCが無いためこのNGワードに基づく音声出力制限が行えなくなり、ユーザの利便性が損なわれる。従って、本発明のように、本発明のようにHDMI(第一の規格)の映像信号で映像表示を行いつつ、コンポジット(第二の規格)に含まれるVBPのCCを利用して音声信号の出力制限を行うことを提案するものである。
【0058】
本第二の変形例の構成を、図3を参照して説明する。本第二の変形例のうち、上記実施例と共通の構成には同一の符号を付してある。以下に上記実施例と相違する点を中心に説明する。
【0059】
図3には、図1の構成に加えて、スイッチ回路20aと、音声処理部20bと、スピーカ20cとを備えるように記載してある。
【0060】
同図において、デジタルデコーダ10cまたはアナログデコーダ10dは、それぞれスケーラ10eに接続されるとともにスイッチ回路20aにも接続されている。デジタルデコーダ10cとアナログデコーダ10dとは、マイコンの制御により、いずれか一方が選択され、同選択されたデコーダのみが映像信号をスケーラ10eに出力するとともに音声信号をスイッチ回路20aに出力する。
【0061】
スイッチ回路20aは、デジタルデコーダ10cもしくはアナログデコーダ10dからの音声信号を入力されて、マイコンのオン/オフ信号に基づいて同音声信号を後段の音声処理部20bに出力するか否かを決定する。すなわち、マイコンのオン信号が入力されると音声処理部20bに音声信号を出力し、オフ信号が入力されると音声処理部20bに音声信号を出力しない。
【0062】
マイコン10iは、半導体メモリ10kに記録されている辞書(NGワード)と、アナログデコーダ10dより出力されるCCに含まれる単語とを比較し、CCにNGワードが含まれていないときは同NGワードに対応する音声信号がスイッチ回路20aに入力されるタイミングに合わせてスイッチ回路20aをオンとし、CCにNGワードが含まれているときは同NGワードに対応する音声信号がスイッチ回路20aに入力されるタイミングに合わせてスイッチ回路20aをオフにする。すなわちCCに基づいてNGワードをミュートする。
【0063】
以上よりアナログデコーダ10dのCCスライサとしての機能(VBP情報抽出機能)と、スイッチ回路20aと、NGワードの辞書が記録された半導体メモリ10kと、タイマ回路10jと、これらを制御してNGワードをミュートするマイコンとが、CC(文字情報)に基づいて音声信号をミュートする(出力を制限する)テレビガーディアン(音声出力制御手段)を構成する。
【0064】
また、このテレビガーディアンとしての機能は、テレビ受像機(映像表示装置)の側に備えられる必要は必ずしもなく、DVD再生装置(データ再生装置)の側に設けられて、HDMI(第一の規格)やコンポジット(第二の規格)として出力される前にあらかじめ音声出力を制限されていても構わない。すなわち、HDMI端子10a(第一の入力端子)とコンポジット端子(第二の入力端子)に対して映像信号を供給するDVD再生装置(データ再生装置)が、CC(文字情報)に基づいて音声信号の出力を制限するテレビガーディアン(音声出力制限手段)を備えてもよい。
【0065】
以下、上記構成からなる本第二の変形例の動作を説明する。
テレビ受像機の電源が投入されると、アナログデコーダ10dが映像信号からCCを抽出してマイコンに出力する。CCを受け取ったマイコンは、半導体メモリ10kに記録されているNGワードの辞書とCCに含まれている単語とを比較し、一致しているか否かを判断する。
もしCCに含まれる単語がNGワードのいずれかと一致すると、同CCと対応する音声信号がスイッチ回路20aを通過するタイミングに同期してスイッチ回路20aをオフにする制御信号を出力するとともに、同CCの不適切な単語を適切な単語に置換(もしくは削除)して同CCに基づくOSD表示をOSD重畳部10fに行わせる。従ってユーザが視聴する画面には、不適切な単語を含むCCは表示されず、また不適切な音声を聞くことも無い。
【0066】
一方、CCに含まれる単語がNGワードと一致しないときは、同CCと対応する音声信号がスイッチ回路20aを通過するタイミングに同期してスイッチ回路20aをオンにする制御信号を出力するとともに、同CCに基づくOSD表示をOSD重畳部10fに行わせる。従って、やはりユーザが視聴する画面には、不適切な単語を含むCCが表示されることはなく、また、不適切な音声がスピーカ20cから出力されてユーザが不快な思いをすることも無い。
【0067】
(5)まとめ:
つまり、HDMI端子10aとコンポジット端子10bとを備え、デジタルデコーダ10cがHDMI端子10aから入力される映像信号をスケーラ10eを介して後段に出力し、マイコン10iの制御に従ってアナログデコーダ10dがコンポジット信号からクローズドキャプションを抽出してマイコン10iに出力し、マイコン10iの制御に従ってOSD重畳部10fがクローズドキャプションを映像信号にOSD表示させる。
【0068】
以上説明したように、本実施例に対応する第一の構成例は、HDMI規格の映像信号が入力されるHDMI端子と、コンポジット映像信号が入力されるコンポジット端子と、を備えて、入力された映像信号に基づいて映像を画面に表示するテレビ受像機において、
HDMI端子より入力された映像信号を後段に出力するデジタルデコーダと、コンポジット端子より入力された映像信号からR(赤)G(緑)B(青)の3原色信号を復調し、かつ、デジタル信号に変換して後段に出力するとともに垂直帰線区間のクローズドキャプションを抽出して出力可能なアナログデコーダと、上記デジタルデコーダと上記アナログデコーダのいずれか一方より映像信号を入力されて、同映像信号が画面の画素数に合致するようにスケーリング処理を施して出力するスケーラと、上記スケーラより出力される映像信号に所定の文字情報をオン・スクリーン・ディスプレイ表示にて重畳させるOSD重畳部と、上記OSD重畳部より出力される映像信号に基づいてディスプレイを駆動制御するドライバと、上記アナログデコーダより出力されるクローズドキャプションを受け取り、同クローズドキャプションに対応する映像信号の処理とタイミングを合わせて上記OSD重畳部にクローズドキャプションをオン・スクリーンディスプレイ表示にて表示させるマイコンと、上記HDMI端子と上記コンポジット端子のいずれの映像信号を表示させるかの入力設定情報と、上記クローズドキャプションを表示させるか否かのCC表示設定情報とを保持する半導体メモリと、を備えつつ、
上記HDMI端子と上記コンポジット端子とが同一のDVD再生装置に接続されると、同DVD再生装置からは両端子それぞれに対して互いに同期した映像信号が入力され、
上記マイコンは、上記半導体メモリから入力設定情報を取得し、当該入力設定情報に基づき上記デジタルデコーダと上記アナログデコーダのいずれか一方から映像信号を出力させ、上記半導体メモリからCC表示設定情報を取得し、当該CC表示設定情報がCCを出力させる設定のときは上記アナログデコーダを制御してクローズドキャプションを抽出出力させ、同クローズドキャプションに基づいて上記OSD重畳部にオン・スクリーン・ディスプレイ表示を行わせる構成としてある。
【0069】
また、本実施例に対応する第二の構成例として、本発明の映像表示装置では、垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させる映像表示装置において、上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力する映像信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記映像信号受付手段より出力される映像信号に上記文字情報を重畳する文字情報重畳手段とを備える構成としてある。
すなわち、上記映像信号受付手段が上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力し、上記文字情報抽出手段が上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出し、上記文字情報重畳手段が上記映像信号受付手段より出力される映像信号に上記文字情報を重畳する。これにより、第一の規格の映像信号に基づく映像を視聴しつつ、第二の規格にしか存在しない文字情報に基づく表示をも視聴する(利用する)ことができ、いずれか一方(例えば第一の入力端子から入力される映像信号)のみに基づいて映像表示を行う場合に比してユーザの利便性が向上する。
ここで上記第一の規格としては、垂直帰線消去期間、すなわち垂直帰線区間を備えないものであり、かつ、垂直帰線区間に搭載可能なデータ(例えばクローズドキャプション、V−チップのレイティング情報、インターテキスト、アダマス(ADAMS:TV-Asahi Data and Multimedia Service)、ビットキャスト、HTML形式のコンテンツ)を他の形式で保持する仕様(例えばデジタルデータであればヘッダやフッタなどにエンコードして保持する仕様)を備えないものである。具体的にはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Visual Interface)、そしてこれらの上記規格であるTMDS(Transition-Minimized Differential Signaling)が考えられるが、むろんこれらに限られるものではない。
一方、上記第二の規格としては、垂直帰線消去期間(VBI)、すなわち垂直帰線区間(VBP)を備えるものであり、ある画面を描き終わってから、その次の画面を描きはじめるまでの間に映像信号の送信に使用されない区間がある規格である。具体的には、アナログテレビ放送や、コンポジット端子やS端子やコンポーネント端子などのアナログ映像信号伝送用の規格である。
また、上記文字情報としては、所定の文字コード仕様に基づいて復元(解釈)可能であればよく、復元(解釈)された情報を人が読解可能である必要はない。例えば、所定の文字コード仕様に基づいて復元された情報が、0(オフ)と1(オン)の羅列であっても、この羅列が意味する内容を上記文字情報重畳手段が所定の文字コード仕様に基づいて解釈可能であれば構わない。
【0070】
そして、上記文字情報重畳手段はオン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)表示にて文字情報を重畳する構成としてもよい。上記文字情報を映像信号に重畳する際、表示される文字の色(例えば黒)に対して周囲の所定領域の色を特定の色(例えば白)として表示する手法がある(例えば従来のクローズドキャプションの表示法)が、この手法だと文字部分のみならず周囲の所定領域までも本来の映像信号が視聴不可能になる。そこでOSD表示を採用することにより、文字の背景を透過色として本来の映像の欠除を最小限に止め、ユーザの映像視聴の妨げを最小限とした。よって、文字情報を表示可能としてユーザの利便性を低下させることなく、同時に映像の欠除も最小限に止めてユーザの利便性の向上が図れる。
【0071】
さらに、上記第一の入力端子からの映像信号に基づく映像視聴時に、上記文字情報を重畳するか否かを選択する文字情報重畳選択手段を備える構成としてもよい。この構成では、例えば所定の操作入力手段からユーザの操作入力を受け付け、文字情報重畳選択手段が上記文字情報抽出手段もしくは上記文字情報情報手段のいずれかまたは双方を制御して、文字情報を抽出させる(もしくは画面に文字情報を表示させる)か否かを選択制御する。すなわち、文字情報の表示が不要と考えるユーザも存在することが想定され、このようなユーザのためには文字情報の表示/非表示を選択可能にすることがユーザの利便性の向上につながるための構成である。
【0072】
さらに、本実施例に対応する第三の構成例として、垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させる映像表示装置において、上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力する映像信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記文字情報に基づく視聴制限を行う視聴制限手段を備える構成としてもよい。
すなわち、上記映像信号受付手段が上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力し、上記文字情報抽出手段が上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出し、上記視聴制限手段が上記文字情報に基づいて視聴制限を行う。これにより、第一の規格の映像信号に基づく映像を視聴しつつ、第二の規格にしか存在しない文字情報に基づく視聴制限を行うことができ、第一の入力端子からの映像信号のみに基づいて映像表示を行う場合に比してユーザの利便性が向上する。この視聴制限としては、特定の文字情報(例えば映像に暴力的な映像が含まれている旨示す情報)を有する映像信号部分(例えば1フレーム分)を画面に表示させないなどの処理のことである。また、第一の規格および第二の規格については上述した第二の構成例のものと同様であるが、文字情報は上述した文字情報とは異なり、復元する必要はなく、上記視聴制限手段が解釈可能であればいかなる情報であっても構わない。
【0073】
さらに、上記第三の構成例におけるより具体的な構成例として、上記視聴制限手段をV−チップとし、上記文字情報をV−チップのレイティング情報としてもよい。すなわちV−チップのように広く普及している(たとえばアメリカ合衆国などの北米で普及している)仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0074】
さらに、本実施例に対応する第四の構成例として、垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像音声信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像音声信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させつつ音声信号に基づいて音声出力を行う映像表示装置において、上記第一の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて後段に出力する映像音声信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記文字情報に基づいて音声出力を制限する音声出力制限手段を備える構成としてもよい。
すなわち、上記映像音声信号受付手段が上記第一の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて後段に出力し、上記文字情報抽出手段が上記第二の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出し、上記音声出力制限手段が上記文字情報に基づいて音声出力を制限する。これにより、第一の規格の映像音声信号に基づく映像を視聴しつつ、第二の規格にしか存在しない文字情報に基づく音声出力を制限することが可能となり、第一の入力端子からの映像音声信号のみに基づいて映像表示や音声出力を行う場合に比してユーザの利便性が向上する。ここで音声信号の出力制限とは、文字情報に予め設定されている不適切な単語(NGワード)が含まれた場合に、同文字情報に対応する音声出力を消音(もしくは音声信号をカット)することを意味する。また、第一の規格および第二の規格、そして文字情報については上述した第二の構成例のものと同様である。
【0075】
さらに、上記第四の構成例におけるより具体的な構成例として、上記音声出力制限手段をテレビガーディアンとしても構わない。すなわちテレビガーディアンのように広く普及している(たとえばアメリカ合衆国などの北米で普及している)仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0076】
さらに、上記第二、四の構成例におけるより具体的な構成例として、上記文字情報をクローズドキャプションデータとしても構わない。すなわちクローズドキャプションのように広く普及している(たとえばアメリカ合衆国などの北米で普及している)仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0077】
さらに、上記第一の入力端子から入力される映像信号と、上記第二の入力端子から入力される映像信号とが同期している構成としてもよい。すなわち、上記第一の入力端子と上記第二の入力端子とからそれぞれ入力される映像信号(または映像音声信号)が同期していると、上記第二の入力端子から入力される映像信号(または映像音声信号)に含まれる文字情報に基づいて、上記第一の入力端子から入力される映像信号(または映像音声信号)に文字情報を重畳(もしくは文字情報に基づく視聴制限、もしくは音声出力制限)する際に、文字情報を重畳(もしくは文字情報に基づく視聴制限、もしくは音声出力制限)する処理を行うタイミングがとりやすくなり装置の設計が容易となる。
【0078】
さらに、上記第一の規格のより具体的な構成例として、上記第一の規格をHDMIの規格としてもよい。すなわちHDMIのように広く普及する(業界標準の1つとなる)とともに搭載することがトレンドとなっている仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0079】
さらに、上記第二の規格のより具体的な構成例として、上記第二の規格をコンポジット映像信号の規格としてもよい。すなわち、コンポジット端子の規格のように広く普及する(ほぼ全ての映像表示装置にすでに搭載されいている)仕様を採用することにより、より多くのユーザが利用可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0080】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】テレビ受像機の構成(概略構成)を示すブロック図である。
【図2】クローズドキャプションの表示制御を行うマイコンの処理を示したフローチャートである。
【図3】テレビ受像機の第二の変形例の構成(概略構成)を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0082】
10…テレビ受像機 10a…HDMI端子 10b…コンポジット端子 10c…デジタルデコーダ 10d…アナログデコーダ 10e…スケーラ 10f…OSD重畳部 10g…ドライバ 10h…ディスプレイ 10i…マイコン 10j…タイマ回路 10k…半導体メモリ 15…DVD再生装置(データ再生装置) 15a…HDMI端子 15b…コンポジット端子 20a…スイッチ回路 20b…音声処理部 20c…スピーカ 25…テレビガーディアン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HDMI規格の映像信号が入力されるHDMI端子と、コンポジット映像信号が入力されるコンポジット端子と、を備えて、入力された映像信号に基づいて映像を画面に表示するテレビ受像機において、
HDMI端子より入力された映像信号を後段に出力するデジタルデコーダと、コンポジット端子より入力された映像信号からR(赤)G(緑)B(青)の3原色信号を復調し、かつ、デジタル信号に変換して後段に出力するとともに垂直帰線区間のクローズドキャプションを抽出して出力可能なアナログデコーダと、上記デジタルデコーダと上記アナログデコーダのいずれか一方より映像信号を入力されて、同映像信号が画面の画素数に合致するようにスケーリング処理を施して出力するスケーラと、上記スケーラより出力される映像信号に所定の文字情報をオン・スクリーン・ディスプレイ表示にて重畳させるOSD重畳部と、上記OSD重畳部より出力される映像信号に基づいてディスプレイを駆動制御するドライバと、上記アナログデコーダより出力されるクローズドキャプションを受け取り、同クローズドキャプションに対応する映像信号の処理とタイミングを合わせて上記OSD重畳部にクローズドキャプションをオン・スクリーンディスプレイ表示にて表示させるマイコンと、上記HDMI端子と上記コンポジット端子のいずれの映像信号を表示させるかの入力設定情報と、上記クローズドキャプションを表示させるか否かのCC表示設定情報とを保持する半導体メモリと、を備えつつ、
上記HDMI端子と上記コンポジット端子とが同一のDVD再生装置に接続されると、同DVD再生装置からは両端子それぞれに対して互いに同期した映像信号が入力され、
上記マイコンは、上記半導体メモリから入力設定情報を取得し、当該入力設定情報に基づき上記デジタルデコーダと上記アナログデコーダのいずれか一方から映像信号を出力させ、上記半導体メモリからCC表示設定情報を取得し、当該CC表示設定情報がCCを出力させる設定のときは上記アナログデコーダを制御してクローズドキャプションを抽出出力させ、同クローズドキャプションに基づいて上記OSD重畳部にオン・スクリーン・ディスプレイ表示を行わせることを特徴とするテレビ受像機。
【請求項2】
垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させる映像表示装置において、
上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力する映像信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記映像信号受付手段より出力される映像信号に上記文字情報を重畳する文字情報重畳手段とを備えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項3】
上記文字情報重畳手段はオン・スクリーン・ディスプレイ表示にて文字情報を重畳することを特徴とする上記請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
上記第一の入力端子からの映像信号に基づく映像視聴時に、上記文字情報を重畳するか否かを選択する文字情報重畳選択手段を備えることを特徴とする上記請求項2または3に記載の映像表示装置。
【請求項5】
垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させる映像表示装置において、
上記第一の入力端子から入力される映像信号を受け付けて後段に出力する映像信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記文字情報に基づく視聴制限を行う視聴制限手段を備えることを特徴とするの映像表示装置。
【請求項6】
上記視聴制限手段は、V−チップであり、上記文字情報はV−チップのレイティング情報であることを特徴とする上記請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
垂直帰線区間を備えない第一の規格の映像音声信号が入力される第一の入力端子と、垂直帰線区間を備える第二の規格の映像音声信号が入力される第二の入力端子と、を備え、映像信号に基づいて映像を画面に表示させつつ音声信号に基づいて音声出力を行う映像表示装置において、
上記第一の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて後段に出力する映像音声信号受付手段と、上記第二の入力端子から入力される映像音声信号を受け付けて垂直帰線区間から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、上記文字情報に基づいて音声出力を制限する音声出力制限手段を備えることを特徴とするの映像表示装置。
【請求項8】
上記音声出力制限手段は、テレビガーディアンであることを特徴とする上記請求項7に記載の映像表示装置。
【請求項9】
上記文字情報はクローズドキャプションデータであることを特徴とする上記請求項2、3、4、7、8のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項10】
上記第一の入力端子から入力される映像信号と、上記第二の入力端子から入力される映像信号とは同期していることを特徴とする上記請求項2〜9のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項11】
上記第一の規格は、HDMIの規格であることを特徴とする上記請求項2〜10のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項12】
上記第二の規格は、コンポジット映像信号の規格であることを特徴とする上記請求項2〜11のいずれかに記載の映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−5405(P2008−5405A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175310(P2006−175310)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】