説明

ディスクローディング装置

【課題】省スペース化が図られたディスクローディング装置を提供する。
【解決手段】筐体4と、ディスク3に対して情報信号の記録再生を行う光ピックアップ機構11と、ディスク3を回転自在に保持するチャッキング板62を操作するディスクチャッキング機構13と、筐体4の内外に亘ってディスク3を搬送する搬送部70を操作するディスク搬送機構12と、一の駆動モータ90と、駆動モータ90の駆動力を受けて駆動されることにより光ピックアップ機構11、ディスクチャッキング機構13及びディスク搬送機構12を駆動する駆動部材91とを備えた駆動部41とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定部となるフレームと、フレーム内に配設される記録及び/又は再生部を備え、記録及び/又は再生部がフレームに対してフローティング支持されているディスクローディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクに対して情報信号の記録又は再生を行うディスク記録再生装置は、一般にディスクを回転自在に保持するディスクチャッキング部と、ディスクチャッキング部に保持され回転駆動されているディスクに対して情報信号の記録あるいは再生を行う光ピックアップ部と、筐体の内外に亘ってディスクを搬送するディスク搬送部とを備え、これらが組み付けられたベース基板が筐体内に配設されて構成されている。
【0003】
ディスクチャッキング部は、光ディスクが載置されるディスクテーブルと、ディスクテーブルを回転駆動するスピンドルモータと、ディスクテーブルと共に光ディスクを回転自在に挟持するディスク押さえ板とを有する。また光ピックアップ部は、対物レンズや光源、光検出器等を備えたピックアップベースと、ピックアップベースを光ディスクの半径方向に搬送する搬送手段と、搬送手段の駆動源となるステッピングモータとを備える。またディスク搬送部は、例えば筐体のディスク挿脱口の近傍に回転自在に支持された搬送ローラと、搬送ローラを支持するローラアームとを備える。
【0004】
かかるディスク記録再生装置は、ディスクチャッキング部のディスク押さえ板がベース基板に対して昇降自在に支持され、また搬送ローラを支持するローラアームがディスク搬送領域に昇降自在に支持されている。そしてディスク記録再生装置は、ベース基板の側面などに支持され、これらディスク押さえ板やローラアームを昇降操作するカムプレートと、このカムプレートをスライド操作する駆動モータが設けられている。
【0005】
そして駆動モータを正転あるいは逆転駆動させることにより、カムプレートを前後にスライドさせて、ディスク押さえ板やローラアームを昇降させ、あるいは駆動モータとギヤ機構を介して連結された搬送ローラを回転させる。
【0006】
しかし、このようなディスク記録再生装置は、ベース基板の側面側に、ディスク押さえ板やローラアームを操作するカムプレートや、搬送ローラを回転させるギヤ列を形成しているため、ベース基板の大型化、ひいては筐体全体の大型化を招いてしまう。またベース基板に配設されるモータとしてディスクテーブルを回転するスピンドルモータ、ピックアップベースを搬送するステッピングモータ及びディスク押さえ板や搬送ローラ等を駆動する駆動モータを設けているため、ベース基板全体の小型化を図ることは困難であった。
【0007】
【特許文献1】特許第2841906公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は光ピックアップ部、ディスクチャッキング部及びディスク搬送部を駆動する駆動部を設けることで省スペース化が図られたディスクローディング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明にかかるディスクローディング装置は、筐体と、ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ機構と、上記ディスクを回転自在に保持するチャッキング板を操作するディスクチャッキング機構と、上記筐体の内外に亘って上記ディスクを搬送する搬送部を操作するディスク搬送機構と、一の駆動モータと、該駆動モータの駆動力を受けて駆動されることにより上記光ピックアップ機構、ディスクチャッキング機構及びディスク搬送機構を駆動する駆動部材とを備えた駆動部とを有するものである。
【0010】
また本発明にかかるディスクローディング装置は、筐体と、ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ機構と、上記ディスクを回転自在に保持するディスクチャッキング機構と、上記筐体の内外に亘って上記ディスクを搬送するディスク搬送機構と、駆動モータと、該駆動モータとの係脱機構が形成されるとともに、該駆動モータの駆動力を受けて回転駆動されることにより上記光ピックアップ機構、ディスクチャッキング機構及びディスク搬送機構を連動するカムギヤとを有する駆動部とを備え、上記駆動部は、上記ディスクが挿入されると上記ディスク搬送機構を駆動してディスクを筐体内に引き込んだ後、上記係脱機構によって上記カムギヤと上記駆動モータとを係合させて該カムギヤを回転することにより、上記ディスク搬送機構の上記駆動モータとの切り離し、上記チャッキング機構による上記ディスクのチャッキング及び、上記光ピックアップ機構の上記ディスクの径方向への搬送を順次行うものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかるディスクローディング装置によれば、駆動部に設けられた一の駆動モータを用いてディスクの挿排出、光ピックアップ機構の搬送、チャッキング機構の操作を行うことができる。したがって、必要最小限の駆動モータを配置することで筐体内の省スペース化及び、筐体の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明が適用されたディスクローディング装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。このディスクローディング装置1は、音楽データ、映像データ、地図データ等のデータが記録されたコンパクトディスクやデジタル・バーサタイル・ディスクといった光ディスクの記録再生装置である。このディスクローディング装置1は、例えば、車載用のカーオーディオシステムあるいはモニタと接続されたAVナビゲーションを構成するコアユニットとして用いられるものであって、図1に示すように、1DINあるいは2DINサイズの装置本体2を備える。装置本体2は、図2に示すように、光ディスク3がほぼ内接する大きさに形成された略矩形状の筐体4と、筐体4の前面側に取り付けられた本体パネル5と、筐体4のトップカバー6とを備える。
【0013】
筐体4は図2に示すように、光ディスク3がほぼ内接する大きさに形成された矩形状のフレーム10を備え、このフレーム10の内部に光ディスク3に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ部11と、光ディスク3を筐体4の内外に亘って搬送するディスク搬送機構12と、光ディスク3を回転自在にチャッキングするチャッキング部13とを備え、これらがベース基板40上に取り付けられた記録再生部14が配設されている。またフレーム10には、上面にトップカバー6が取り付けられ、ディスクの挿排出が行われる前面側には本体パネル5が取付られる。
【0014】
このフレーム10は、上方が開放された矩形箱状に形成され、内部に記録再生部14がフローティング状態で配設されたのち、トップカバー6によって上面が閉塞される。またフレーム10は、図3に示すように、四方を囲む側壁のうち、本体パネル5が取り付けられ光ディスク2の挿排出が行われる前面壁10aの略中間に、内部に窪む凹部15が形成され、この凹部15に記録再生部14をロックするためのロック溝16が形成されている。前面壁10aは、凹部15が設けられた中間にかけて漸次側壁高さが低く設けられ、凹部15上が前面壁10aの両端部に比して低く形成されている。そしてフレーム10は、凹部15の上方を光ディスク2の搬送領域とされ、図5(a)に示すように、記録再生部14に光ディスク3が装着されると、凹部15上に光ディスク3の挿入方向背面側の一部が位置する。
【0015】
この凹部15に形成されるロック溝16は、後述する記録再生部14に設けられたロック片42が挿通されることにより、フローティング状態で支持されている記録再生部14をフレーム10内に固定するためのものである。このロック溝16は、前面壁10aよりフレーム内側に窪んだ凹部15に設けられることにより、ロック片42がロックされたとき、ロック片42を構成する各係合片80,81がフレーム10の前面壁10aの両端部を結ぶ線より突出しないように挿通される。なおロック溝16近傍には、後述するディスク検出ピン22を付勢するコイルバネ24の一端が係止される一対の係止片17,17が形成されている。
【0016】
また図4に示すように、フレーム10は、底面10bに、記録再生部14をフローティング状態で支持するためのダンパー20と、ディスクローディング装置1の操作回路等が形成されたプリント配線板21と、光ディスク2の検出を行うディスク検出ピン22とが配設され、またディスク検出ピン22の移動をガイドする一対のガイド溝25が形成されている。
【0017】
ダンパー20は、ゴムなど弾性部材からなり、記録再生部14の下面より突出されている挿入ピンが挿入される挿入口20aが形成されている。このダンパー20は底面10bの前面壁10a両端近傍に2つと背面壁10cの略真中に1つ配設され、3点で記録再生部14を支持することにより、フレーム10を介して外部振動が記録再生部14に伝達されることを緩和する。なおダンパー20の数及び配置は適宜変更することができる。
【0018】
プリント配線板21は、いわゆるリジット基板であり、詳細を省略する各種配線パターンが形成され、また半導体素子等の各種電子部品、コネクタ等が実装されている。このプリント配線板21には、光ディスク3の挿排出を検出する検出スイッチ23が実装されている。検出スイッチ23は、フレーム10の前面壁10a側に実装され、光ディスク3の挿排出に応じてスライドされるディスク検出ピン22によって押されることにより光ディスク3の挿排出状態を検出するものであり、ディスク検出ピン22に押下されるスイッチ部が底面10bに形成されたガイド溝25上に臨まされている。かかる検出スイッチ23は、左右一対のガイド溝25近傍にフレーム10の凹部15側にそれぞれ設けられた第1の検出スイッチ23aと、右ガイド溝25R近傍で前面壁10aの右端部側に設けられた第2の検出スイッチ23bとを有する。
【0019】
第1の検出スイッチ23aは、光ディスク3の挿入を検出するものであり、光ディスク3の挿入待機状態においてディスク検出ピン22によって押下されており、光ディスク3がユーザによって挿入されると、図6に示すように、ディスク検出ピン22によって押下状態が解除される。ディスクローディング装置1は、光ディスク3の挿入待機状態から第1の検出スイッチ23aの押下状態が解除されると、光ディスク3が挿入されたことを検出し、ディスク搬送機構12を駆動させ光ディスク3をフレーム10内に引き込む。
【0020】
第2の検出スイッチ23bは、光ディスク3の排出及び再挿入を検出するものであり、光ディスク3が記録再生部14に装着された状態においてはディスク検出ピン22によっては押下されていない。この状態から光ディスク3が排出されると、図7に示すように、第2の検出スイッチ23bは、ディスク検出ピン22によって押下された後、押下状態が解除される。ディスクローディング装置1は、光ディスク3の排出工程において第2の検出スイッチ23bが押下され、この押下状態が解除されると、光ディスク3が排出位置まで搬送されたことを検出し、ディスク搬送機構12を停止させる。またディスクローディング装置1は、排出工程において、図8に示すように、ディスク搬送機構12が停止された後、再度第2の検出スイッチ23bが押下されると、光ディスク3が再挿入されたことを検出し、ディスク搬送機構12を駆動させ再度光ディスク3をフレーム10内に引き込む。
【0021】
この検出スイッチ23を操作するディスク検出ピン22は、フレーム10の前面壁10aに沿って左右両端に向かってスライド自在に一対配設され、挿入又は排出される光ディスク3の側面に押圧されることにより左右ガイド溝25RLにガイドされながらスライドされる。このディスク検出ピン22は、図4に示すように、光ディスク3の搬送領域上に臨まされ光ディスク3の側面が当接される当接ピン22aと、この当接ピン22aが立設された支持部22bと、支持部22bより延設されフレーム10の底面10bに形成されたガイド溝25に挿通されるガイド片22cと、ディスク検出ピン22を付勢するコイルバネ24の一端が係止される係止部22dとを有する。
【0022】
底面10bに設けられガイド片22cが挿通されるガイド溝25は、フレーム10の前面壁10aに沿って、凹部15が形成された略中央より前面壁10aの両端方向に向かって、それぞれ形成されている。ディスク検出ピン22は、ガイド片22cがガイド溝25にガイドされることにより前面壁10aに沿ってスライドされる。
【0023】
また当接ピン22aは、支持部22bの一端から立設され、また回転自在に支持されることにより光ディスク3との摩擦を低減可能とされている。また支持部22bは、支持板26によって底面10bにスライド自在に挟持される。
【0024】
この支持板26は、支持部22b上に重ねられてプリント配線板21を介してフレーム10の底面10bにビス止めされることにより、ディスク検出ピン22をスライド自在にフレーム10上に挟持する。なお支持板26は当接ピン22a側の側面に当接ピン22aのスライドを支持する支持壁部26aが設けられている。
【0025】
またディスク検出ピン22の係止部22dに一端が係止されたコイルバネ24は、他端を上記ロック溝16近傍に形成された係止片17に係止される。したがってディスク検出ピン22は、コイルバネ24の付勢力によって常時、当接ピン22aが凹部15側に向かってスライド付勢されている。
【0026】
かかるディスク検出ピン22は、光ディスク3の挿入待機状態においては、コイルバネ24に付勢され凹部15側にスライドされており、支持部22bによって第1の検出スイッチ23aを押下している。そして、ディスク検出ピン22は、先端部をディスク搬送領域上に臨まされている当接ピン22aが、前面壁10aより挿入された光ディスク3の前側面に当接されると、コイルバネ24の付勢力に対抗してガイド溝25に沿って両右端側に向かってスライドされる。このとき図6に示すように、ディスク検出ピン22は、凹部15側に設けられた第1の検出スイッチ23aの押下を解除するため、光ディスク3の挿入が検出されてディスク搬送機構12による引き込み動作が開始する。
【0027】
光ディスク3の記録再生動作が終了し、排出工程に移ると、ディスク検出ピン22は、光ディスク3の排出方向の前側面に押圧されてコイルバネ24の付勢力に対抗して左右両端側に向かってスライドされる。ディスク検出ピン22は、図7に示すように、一端側に設けられた第2の検出スイッチ23bを押下した後、押下状態を解除するため、光ディスク3が排出位置まで搬送されたことが検出されてディスク搬送機構12による排出動作が停止する。このとき、再度ユーザによって光ディスク3がフレーム10内に押し込まれると、図8に示すように、ディスク検出ピン22は再度第2の検出スイッチ23bを押下するため、光ディスク3が再挿入されたことが検出されてディスク搬送機構による引き込み動作が開始する。
【0028】
このようにディスクローディング装置1は、ディスク検出ピン22が光ディスク3の挿排出状態に応じてスライドされ、これに応じて検出スイッチ23が押下されていくため、この検出スイッチ23の押下状態をモニタすることで光ディスク3の挿排出状態を検出することができる。そしてディスクローディング装置1は、この光ディスク3の位置に応じて、後述する記録再生部14に搭載されているディスク搬送機構12を操作することができる。
【0029】
またディスクローディング装置1は、フレーム10の底面10bにディスク検出ピン22を配設すると共に、フレーム10の底面10bに配設されたプリント配線板21上に、光ディスク3の挿排出を検出する検出スイッチ23を実装し、フローティング支持される記録再生部14側には、かかるディスク検出の機構を設けていない。したがって、プリント配線板と検出スイッチとの間に接続ケーブル等が配線されるものではないため、揺動する記録再生部14との間でケーブルなどが挟持されるなどの不具合が発生するおそれもない。また検出スイッチ23を電気回路が形成されたプリント配線板21上に実装するため、断線などのおそれもなく、確実に光ディスク3の挿排出を検出することができる。
【0030】
なお第1の検出スイッチ23aは、左右一対のディスク検出ピン22のそれぞれに対応して左右に離間して実装され、また一対のディスク検出ピン22は、光ディスク3の挿入待機状態において例えば略8cm程度離間して配設されている。これにより、ディスクローディング装置1内に直径が略8cmの小径ディスクが挿入された場合には、左右両方のディスク検出ピン22が同時にスライドされることがないため、一対の第1の検出スイッチ23aが両方とも押下解除されることがない。このため、第1の検出スイッチ23aが両方とも押下解除されたときのみ駆動モータ90を駆動させるようにすれば、直径が略12cmの大径ディスクが挿入された場合のみ、該光ディスクを引き込み、小径ディスクが誤って筐体4内に引き込まれることを防止することができる。
【0031】
なお、一対のディスク検出ピン22のうち、右ガイド溝25Rにガイドされる右側のディスク検出ピン22Rには、図4に示すように、光ディスク3の二重挿入を防止するロックアーム部27が支持部22bより延設されている。このロックアーム部27は、光ディスク3が筐体4内に挿入された後、フレーム10の前面壁10aの凹部15に設けられたロック板28にロックされることにより、ディスク検出ピン22Rのスライドが規制されることで光ディスク3のディスク搬送領域上から退避されなくなり、これにより更に光ディスク3が筐体4内に挿入される事態を防止するものである。
【0032】
このロックアーム部27をロックするロック板28は、図2及び図3に示すように、略円柱状に形成され、外周部に一対のロック爪28a,28bが形成されている。ロック爪28aは、ロック板28の外周部に略反対向きに突設されている。このロック板28は、前面壁10aの凹部15に回転自在に取り付けられ、一方のロック爪28aがロック溝16の右側に位置され、他方のロック爪28bが右側のディスク検出ピン22Rのロックアーム部27のスライド領域上に位置される。またロック板28は、図示しないコイルバネによって一方のロック爪28aがロック溝16内に挿通される図3中矢印L方向に常時回動付勢されている。
【0033】
なおロック板28は、凹部15に設けられることにより、前面壁10aの両端部を結んだフレームの外形からはみ出すことなく取り付けられており、フレーム10の小型化を阻むこともない。
【0034】
かかるロック板28は、ロック片42の係合片81がロック溝16に係合されると、係合片81に押されて図3中反矢印L方向へ回転される。これにより他方のロック爪28bも、ロックアーム部27のスライド領域上から退避される。したがってロック片42によって記録再生部14がフレーム10に固定され、光ディスク3の挿排出が行われる際には、ロック爪28bがロックアーム部27のスライド領域から退避されているため、ディスク検出ピン22Rのスライドを阻害することがない。
【0035】
光ディスク3が筐体4内に挿入され、ロック片42の係合片81がロック溝16から退避されると、ロック板28は、コイルバネによって図3中矢印L方向へ回転されるため、一方のロック爪28aがロック溝16に嵌挿され、また他方のロック爪28bがロックアーム部27のスライド領域上に位置される。この状態で、さらに光ディスク3が挿入されると、ロックアーム部27によって他方のロック爪28bが矢印L方向へ押圧される。このとき、一方のロック爪28aがロック溝16に嵌挿され、矢印L方向への回動が規制されているため、ロック板28は同方向への回転ができない。したがって、ロックアーム部27がロック爪28bに係止されてディスク検出ピン22Rのスライドが規制されるため、光ディスク3の二重挿入を防止することができる。
【0036】
この筐体4の前面側に取り付けられる本体パネル5は、装置本体2の各種操作ボタン30や、記録再生中のディスク情報等を表示する表示部31、光ディスク3が挿脱されるディスク挿脱口32等が設けられている。ディスク挿脱口32は、上述したようにフレーム10の前面壁10aに設けられた凹部15の上方が光ディスク3の搬送領域とされていることから、これに応じて本体パネル5の上部に形成されている。
【0037】
フレーム10内に配設される記録再生部14は、略矩形板状のベース基板40を備え、このベース基板40に光ディスク3に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ部11と、光ディスク3を筐体4の内外に亘って搬送するディスク搬送機構12と、光ディスク3を回転自在にチャッキングするチャッキング部13と、これら光ピックアップ部11、ディスク搬送機構12及びチャッキング部13を駆動する駆動部41が形成されている。
【0038】
ベース基板40は、図9及び図10に示すように、光ピックアップ部11及びチャッキング部13が配設されている主面部40aの前面側に段差部を介してデッキ部40bが形成されている。デッキ部40bには、ディスク搬送機構12及びフレーム10の凹部15に形成されたロック溝16と係合されるロック片42が設けられている。
【0039】
そしてかかるベース基板40は、フレーム10内に配設されることにより、フレーム10内を上下に仕切り、上方をディスク搬送領域とされ、下方に光ピックアップ部11や駆動部41の配設領域、プリント配線板21などとの接続領域とされている。
【0040】
光ピックアップ部11は、ピックアップベース45を有し、このピックアップベース45内に、レーザ光を出射する発光素子と、発光素子から出射されたレーザ光を光ディスク3の信号記録面に照射するとともに光ディスク3からの反射光を集光する対物レンズ46と、集光された反射光を検出する光検出器とを備える光学ブロックが組み込まれている。
【0041】
また、光ピックアップ7は、対物レンズ46を光軸方向(フォーカシング方向という。)と、光ディスク3の記録トラックと直交する方向(トラッキング方向という。)とに変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有し、上述した光検出器により検出された光ディスク3からの検出信号に基づいて、この2軸アクチュエータにより対物レンズ46をフォーカシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク3の信号記録面上に対物レンズ46の焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ46により集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うようになされている。なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ46により集光された光ビームを光ディスク3の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク3の信号記録面に対する対物レンズ46の傾き(スキュー)を調整可能とする3軸アクチュエータを用いてもよい。
【0042】
かかるピックアップベース45は、対物レンズ46がチャッキング部13に装着された光ディスク3の径方向に亘ってベース基板40に設けられたピックアップ用開口部47よりディスク搬送領域上に臨まされている。そしてピックアップベース45は、チャッキング部13によって回転されている光ディスク3に対して発光素子から出射された光ビームを対物レンズ46で集光して照射し、光ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出することによって、トラッキングサーボ、フォーカシングサーボ等の制御を行いながら光ディスク3に対してデータを書き込み、また、光ディスク3に記録されているデータの読み出しを行う。
【0043】
ところでピックアップベース45は、図11に示すように、長手方向の一端45a側に、ベース基板40のピックアップ用開口部47に形成された係合片48の係合板部48aに係合することによりピックアップベース45を係合片48に支持させる支持部となる係合凹部49が形成されている。係合凹部49は、断面略コ字状に形成され、係合板部48aの先端に向かって形成された開放端より係合片48が挿通、係合されている。
【0044】
また、ピックアップベース45は、長手方向の他端45b側に、ベース基板40のピックアップ用開口部47に配設されたガイド軸50が挿通されることによりピックアップベース45をガイド軸50に支持させる支持部となる挿通孔51が形成されている。
【0045】
さらに、ピックアップベース45は、他端45b側にピックアップベース45を光ディスク3の径方向に移動させるラック52が取り付けられている。ピックアップベース45は、このラック52が後述する駆動部41によって送られることにより、ガイド軸50に沿ってピックアップ用開口部47内をチャッキング部13に回転可能に支持されている光ディスク3の径方向に送り操作される。
【0046】
ディスク搬送機構12によって筐体4内に搬送された光ディスク3を回転自在にチャッキングするチャッキング部13は、光ディスク3が装着されるディスクテーブル60と、ディスクテーブル60を回転するスピンドルモータ61と、ディスクテーブル60とで光ディスク3を挟み込み回転自在にチャッキングするディスク押さえ板62を備えるチャッキングアーム63とを有する。
【0047】
ディスクテーブル60は、中心部にスピンドルモータ61のスピンドルが固定されスピンドルモータ61の駆動によって、例えば、光ディスク3を、CLV(Constant Linear Velocity)、CAV(Constant Angula Velocity)、ZCLV(Zone Constant Linear Velocity)、ZCAV(Zone Constant Angular Velocity)等となるようなサーボ制御を行いながら回転する。
【0048】
ディスクテーブル60と共に光ディスク3を挟み込むディスク押さえ板62は、図2及び図10に示すように、樹脂製の円盤からなり、ベース基板40に回動可能に取り付けられたチャッキングアーム63に取り付けられることにより、光ディスク3が載置されるディスクテーブル60に対して離接可能とされている。
【0049】
チャッキングアーム63は、略中央部が幅方向に膨出された略矩形の板金からなり、膨出端にはベース基板40に取り付けられたディスクテーブル60に対応してディスク押さえ板62が取り付けられている。またチャッキングアーム63は、ベース基板40の背面側コーナー部に突設された一対の支持片65,65に、長手方向の両端部より突設されている回動軸66,66が挿通支持されることにより、回動軸66,66を支点にベース基板40上を回動可能とされている。またチャッキングアーム63は、一端をベース基板40に係止されたバネ部材67の他端が係止されることによって、常時ベース基板40側に付勢され、ディスク押さえ板62とディスクテーブル60とが当接されるよう回動されている。さらにチャッキングアーム63は、長手方向の一端側からカム片68が突設されている。カム片68は、ベース基板40側に向かって湾曲され、後述する駆動部41と連動するチャッキングアーム制御レバー97のチャッキングカム170に摺動される摺動部68aが形成され、この摺動部68aがチャッキングカム170にガイドされることによりチャッキングアーム63をベース基板40と近接離間させる。
【0050】
具体的に、チャッキングアーム63は、この摺動部68aがチャッキングアーム制御レバー97のチャッキングカム170に乗り上がることにより、回動軸66,66を支点にバネ部材67の付勢力に対抗してベース基板40と離間する方向に回動され、ディスク押さえ板62とディスクテーブル60とが離間する。またチャッキングアーム63は、チャッキングカム170が摺動部68aの下部から退避することにより、バネ部材67の付勢力によってベース基板40に近接する方向に回動され、ディスク押さえ板62とディスクテーブル60とで光ディスク3を回転自在に挟持する。
【0051】
かかるチャッキング部13は、光ディスク3の挿入を待機している状態においては、チャッキングアーム制御レバー97のチャッキングカム170によってカム片68がガイドされ、バネ部材67の付勢力に対抗してチャッキングアーム63がベース基板40と離間する方向に上昇されている(図22)。これによりチャッキング部13は、ディスクテーブル60上に光ディスク3が搬送可能とされる。
【0052】
そしてチャッキング部13は、ディスクディスク搬送機構12によって光ディスク3がフレーム10内に搬送されると、駆動部41の駆動力を受けたチャッキングアーム制御レバー97によってチャッキングカム170がカム片68の摺動部68aの下部より退避され、チャッキングアーム63がベース基板40側に近接される。これにより、チャッキング部13は、光ディスク3をディスクテーブル60及びディスク押さえ板62によって挟持して、光ディスク3のセンタリングを図りながら回転自在にチャッキングする(図29)。なおディスク押さえ板62は、ディスクテーブル60がスピンドルモータ61によって回転駆動されることにより、光ディスク3とともに回転される。
【0053】
また光ディスク3の排出工程においては、駆動部41の駆動力を受けたチャッキングアーム制御レバー97によってカム片68がガイドされ、チャッキングカム170が摺動部68aの下部に進入し、チャッキングアーム63がベース基板40より離間する。これによりディスク押さえ板62とディスクテーブル60は、光ディスク3のチャッキングを解除し、筐体4外へ搬送可能とする。
【0054】
光ディスク3を筐体4の内外に亘って搬送するディスク搬送機構12は、光ディスク3をフレーム10の内外に亘って搬送する搬送ローラ70と搬送ローラ70を回転自在に支持するローラアーム72とを有し、フレーム10の前面側に形成された本体パネル5のディスク挿脱口32から光ディスク3が直接挿脱されるいわゆるスロットインタイプの搬送機構として構成される。搬送ローラ70は、ローラアーム72によってベース基板40の前面側に設けられたデッキ部40bに、光ディスク3の挿脱方向と直交する方向で光ディスク3の面内方向に亘って回転自在に支持され、駆動部41により正転あるいは逆転駆動されることにより、光ディスク3を装置本体2の内外に亘って搬送する。
【0055】
この搬送ローラ70は、光ディスク3の信号記録面と接する外周部に弾性部材が巻回され、また長手方向の一端部には駆動部41の駆動力が伝達されるギヤ列71が設けられている。そして搬送ローラ70は、ローラアーム72がデッキ部40b上を回動されることによりディスク搬送領域上に臨まされ、ギヤ列71を介して駆動部41の駆動力が伝達されることにより、ギヤの回転方向に応じて光ディスク3を挿入方向あるいは排出方向へ搬送する。
【0056】
搬送ローラ70の両端部を支持するローラアーム72は、略矩形状に形成され、長手方向の両側に、一対のバネ係止部73と、二重挿入を防止する一対の挿入防止片74が折り曲げ形成されている。またローラアーム72は、デッキ部40b上に立設された一対の支持突片76に挿通支持される支持孔部77が設けられている。
【0057】
かかるローラアーム72は、支持孔部77が支持突片76に挿通されることによりデッキ部40b上に回動自在に支持され、またバネ係止部73に、ベース基板40の段差部に設けられている係止突部75に一端が係止されているコイルバネ78の他端が係止される。これによりローラアーム72は、コイルバネ78の付勢力によって支持孔部77を支点に常時図9及び図22中矢印A方向に回動付勢され、搬送ローラ70がディスク搬送領域上に臨まされ、また挿入防止片74がディスク搬送領域上から退避されている。
【0058】
またローラアーム72は、裏面に昇降カム79が設けられている。昇降カム79は、後述するロック片42を操作する操作板82に形成された凸部88に押圧されることにより、コイルバネ78の付勢力に対抗してローラアーム72を反矢印A方向に回動させて、搬送ローラ70を光ディスク3の搬送領域から退避させるとともに、挿入防止片74を光ディスク3の搬送領域上に臨ませる。また昇降カム79は、操作板82の凸部88が離間することにより、コイルバネ78の付勢力によってローラアーム72を再度矢印A方向へ回動可能とする。
【0059】
次いでデッキ部40bに設けられ、上述したフレーム10の前面壁10aに形成されたロック溝16に係合されるロック片42について説明する。ロック片42は、光ディスク3の挿排出時に固定部となるフレーム10のロック溝16に係合することにより、フローティング状態で支持されているベース基板40を固定し、安定した光ディスク3の挿排出を図るものである。
【0060】
このロック片42は、図9に示すように、ロック溝16に係合される一対の係合片80,81と、この係合片80,81を回動操作する操作板82とを備える。係合片80,81は、デッキ部40bに回動自在に支持される主面部80a,81aと、主面部80a,81aより延設される係合部80b,81bと有する。主面部80a,81aは、デッキ部40bに回動自在に支持されると共に、操作板82に突設された回動凸部84が係合される係合溝83が形成されている。そしてロック片42は、操作板82の移動に応じて係合溝83を回動凸部84が移動することにより係合部80b,81bがロック溝16と係脱する図9中矢印B方向及び係合部80b,81bがロック溝16と離間する反矢印B方向に回動される。
【0061】
この主面部80a,81aより延設される係合部80b,81bは、裏面側にフレーム10の前面壁10aに設けられた凹部15に当接される当接片85が形成されている。この当接片85は、係合部80b,81bがロック溝16に係合した際に、図5(b)に示すように、前面壁10aの凹部15に当接することにより、フローティング状態で支持されているベース基板40が前面壁10aを押圧し、ベース基板40の光ディスク3の挿脱方向の位置決めを図るとともにがたつきを防止するものである。
【0062】
かかる係合片80,81を回動操作する操作板82は、略矩形板状に形成され、長手方向を光ディスク3の挿脱方向と略直交する方向とし、デッキ部40b上にスライド自在に支持されている。この操作板82は、長手方向に離間して一対のガイド孔86が形成されている。ガイド孔86は長手方向に沿った長孔からなり、デッキ部40b上にロック片42を支持する支持ピン87が挿通されている。操作板82は、ガイド孔86が支持ピン87に挿通されることにより、デッキ部40b上に支持されるとともに、支持ピン87がガイド孔86を移動することによりガイド孔86に沿ってデッキ部40b上をスライド可能とされる。
【0063】
また操作板82は、上記搬送ローラ70のローラアーム72に設けられた昇降カム79に対応して、凸部88が設けられている。凸部88は、樹脂成型品からなり、操作板82に穿設された係止孔に挿通され、操作板82の表裏面側に臨まされている。凸部88は、操作板82の表面側に臨まされた部分を上記ローラアーム72の昇降カム79を押圧して搬送ローラ70を昇降させる昇降部88aとされ、裏面側に臨まされた部分を金属板からなるデッキ部40bを摺動する摺動部88bとされる。
【0064】
また操作板82は、ベース基板40の主面部40a側の側縁部が主面部40a側に延設され、後述する駆動部41のローラアーム制御レバー93と連結される連結片89が設けられている。連結片89は、長孔状の連結孔89aが設けられローラアーム制御レバー93より突設された係合凸部179が挿通係合されている。操作板82は、駆動部41の駆動力を受けたローラアーム制御レバー93によって長手方向である図9中矢印H方向にスライド操作されることにより、光ディスク3の挿脱時にはロック片42の係合片80,81を同図中矢印B方向へ回動操作する。これにより係合片80,81の係合部80b,81bがロック溝16に係合し、フレーム10にフローティング状態で支持されたベース基板40が固定される。
【0065】
ここで、ロック片42はベース基板40の主面部40aよりも段差部を介して一段低くされたデッキ部40bに設けられ、また上述したようにロック溝16は、フレーム10の前面壁10aの凹部15に設けられ、この凹部15は前面壁10aの両端部に比して低く形成されている。すなわち、凹部15に設けられたロック溝16及びこのロック溝16に係合されるロック片42は、光ディスク3の搬送領域よりも下側に設けられ、かつチャッキング部13にチャッキングされている光ディスク3の外周部と重なる位置に設けられている。そして、矢印B方向に回動されたロック片42は、各係合片80,81がロック溝16に係合された状態において、フレーム10の前面壁10aの両端部を結ぶ線よりも突出しない。したがって、このディスクローディング装置1は、フローティング状態で支持されているベース基板40をフレーム10に固定する際に、フレーム10の前面壁10aよりロック片42が突出しないため、この前面壁10a側に取り付けられる本体パネル5との間に余計なスペースを必要とせず、装置本体2の小型化を図り、またドライブベイやオーディオコントロールパネルへ組み付ける際にも光ディスク3の挿脱方向へ長くスペースをとることなく設置することができる。
【0066】
光ディスク3の挿脱操作が終了すると、操作板82は、駆動部41の駆動力を受けたローラアーム制御レバー93によって図9中反矢印H方向にスライド操作されることにより、ロック片42の各係合片80,81を反矢印B方向へ回動操作する。これにより係合片80,81の係合部80b,81bとロック溝16との係合が解除され、ベース基板40とフレーム10とが離間されて記録再生部14がフローティング状態とされる。
【0067】
また本ディスクローディング装置1の筐体4は、上述したように、フレーム10の前面壁10aの略中央に凹部15が設けられ、この凹部15上を光ディスク3のディスク搬送領域として形成されている。また、このフレーム10に取り付けられる本体パネル5のディスク挿脱口32の位置も、フレーム10のディスク搬送領域に応じて上側に形成されている。したがって本ディスクローディング装置1は、図2に示すように、本体パネル5の表示部31を広く設けることができ、視認性を向上させることができる。
【0068】
次いでこのロック片42及び、上述した光ピックアップ部11、ディスク搬送機構12並びにチャッキング部13を駆動する駆動部41について説明する。ディスクローディング装置1は、スピンドルモータ61によって光ディスク3が載置されたディスクテーブル60を回転駆動する以外には、光ピックアップ部11の移動、光ディスク3の挿排出、チャッキングアーム63の昇降及びロック片42の回動を全て駆動部41の駆動モータ90を用いて行う。
【0069】
この駆動部41は、図12及び図13に示すように、動力源となる駆動モータ90と、この駆動モータ90の駆動力を受けて回転されるカムギヤ91と、カムギヤ91及び光ピックアップ部11に取り付けられたラック52と咬合しピックアップベース45を光ディスク3の径方向に移動させるラックギヤ92と、操作板82をスライドさせロック片42を駆動するローラアーム制御レバー93と、駆動モータ90の駆動力の伝達をディスク搬送機構12へ切り換える切換レバー94と、駆動モータ90の駆動力をカムギヤ91へ伝達するギヤ列95と、光ディスク3の搬送に応じてカムギヤ91をギヤ列95に係合させるトリガーレバー96と、チャッキングアーム63を昇降操作するチャッキングアーム制御レバー97とを備え、これらがベース基板40のディスク搬送領域とは反対側の裏面側に取り付けられている。なお図13には、図12に示す駆動部41からカムギヤ91及びトリガーレバー96を省略して記載している。
【0070】
駆動モータ90は、駆動軸にウォームを有し、ギヤ列95と連結されている。このギヤ列95は、駆動モータ90と連結された第1のギヤ101と、第1のギヤとカムギヤ91とを連結する第2のギヤ102とを有する。第1のギヤ101は、後述する切換レバー94と同軸でベース基板40に支持されている。また第1のギヤ101は、二段ギヤであり、駆動モータ90の駆動軸と咬合する大径ギヤ101aと、切換レバー94の揺動ギヤ183と咬合される小径ギヤ101bとを有する。第1のギヤ101と連結されている第2のギヤ102は、二段ギヤであり、第1のギヤ101と咬合する大径ギヤ102aと、カムギヤ91と咬合する小径ギヤ102bとを有する。
【0071】
ギヤ列95を介して駆動モータ90の駆動力を受けるカムギヤ91は、ラックギヤ92、ローラアーム制御レバー93、切換レバー94、及びチャッキングアーム制御レバー97を駆動させることで、駆動モータ90の駆動力によって光ピックアップ部11、ディスクディスク搬送機構12、チャッキング部13及びロック片42を操作するものである。
【0072】
カムギヤ91は、図14及び図15に示すように、大径のメインカム110と、このメインカム110を光ディスク3の搬送に応じて駆動させるトリガーカム111とからなる。メインカム110は、主面110aにトリガーカム111を回転自在に収納する収納凹部112が形成されている。収納凹部112は、トリガーカム111と略同径の略円形状の凹部であり、略中央にベース基板40の裏面に突設されている支軸113に挿通支持される円筒状の挿通孔114が突設されている。また収納凹部112は、トリガーカム111の開口部144に挿通される係止突部115が突設されている。
【0073】
メインカム110は、図16(a)に示すように、収納凹部112の外壁をなす外周壁116に、外側に向かってラックギヤ92及び第2のギヤ102の小径ギヤ102bと係合するギヤ部117が形成されている。ギヤ部117は、図16(b)に示すように、ラックギヤ92と外周壁116の周周り方向と直交する方向の上段部において係合され、小径ギヤ102bと同方向の下段部において係合される。なお図16(b)は、図16(a)に示すカムギヤ91、ラックギヤ92及び第2のギヤ102のA−A’断面図である。
【0074】
またギヤ部117は、カムギヤ91の回動位置に応じてラックギヤ92及び小径ギヤ102bと係脱可能に形成されている。すなわち、ギヤ部117は、外周壁116の周周り方向と直交する方向の上段部に歯が形成されラックギヤ92を介してピックアップベース45を搬送するピックアップ搬送部118と、同方向の下段部に歯が形成され第2のギヤ102と係合しメインカム110を回転させるカム駆動部119と、同方向の上段部には歯が形成されずラックギヤ92の操作を行わないピックアップ規制部120と、同方向の下段部において歯が形成されず光ディスク3の挿入及び排出時において小径ギヤ102bとの係合が解除される係合解除部121とが形成されている。
【0075】
ピックアップ搬送部118は、ラックギヤ92が支持されている高さであるメインカム110の外周壁116の上段部にギヤが形成され、カムギヤ91が回転されることによりラックギヤ92と係合し、カムギヤ91の回転方向に応じてピックアップベース45を光ディスク3の内外周に亘って搬送する。
【0076】
カム駆動部119は、小径ギヤ102bが支持されている高さであるメインカム110の外周壁116下段部において係合解除部121の一部を除き略全周に亘ってギヤが形成されている。またピックアップ規制部120は、カム駆動部119と一部重なる領域に設けられ、ラックギヤ92が支持されている高さである上段部において欠歯されている。したがってラックギヤ92がピックアップ規制部120と対峙されている状態では、ラックギヤ92は回転されずピックアップベース45は搬送されない。そしてメインカム110は、カム駆動部119が小径ギヤ102bと係合された状態で、ピックアップ規制部120がラックギヤ92と対峙されることで、ヒップアップベース45の移動を規制した状態で回転していく。このときメインカム110は、ローラアーム制御レバー93及びチャッキングアーム制御レバー97を駆動させ、ベース基板40をフレーム10に対して固定あるいはフローティングさせ、また光ディスク3のチャッキングあるいはチャッキング解除を行う。ベース基板40がフローティング状態とされ、かつ光ディスク3がチャッキングされた後、さらにカム駆動部119が小径ギヤ102bに回転されていくと、ラックギヤ92がピックアップ規制部120からピックアップ搬送部118と咬合され、小径ギヤ102bの回転に応じてピックアップベース45が搬送される。
【0077】
係合解除部121は、光ディスク3を装置本体2に挿入あるいは排出している際に、カムギヤ91を介して光ピックアップ部11やチャッキング部13が駆動することを防止するものであり、メインカム110の外周壁116の上段部のみに歯が形成され、小径ギヤ102bの回動領域である下段部には歯が形成されていない。したがってメインカム110は、係合解除部121が小径ギヤ102bと対峙する位置まで回転されると、以後トリガーカム111によって操作されるまで小径ギヤ102bと係合されず、駆動モータ90の駆動力が伝達されない。このとき駆動部41は、切換レバー94によって駆動モータ90の駆動力がディスク搬送機構12側に伝達され、光ディスク3の挿排出を行っている。
【0078】
この係合解除部121は、図14、図15、図17及び図18に示すように、メインカム110の外周壁116が形成されておらず、後述するトリガーカム111のスイッチギヤ140が回動自在に配設される。また係合解除部121は、一端側にかけて階段状に形成され、小径ギヤ102bの回転領域である下段部に歯が形成されることによりスイッチギヤ140を介してカム駆動部119へ橋渡しをする中継ギヤ部121aが設けられている。そしてメインカム110は、スイッチギヤ140が係合解除部121を移動することにより、小径ギヤ102bとの係合が、スイッチギヤ140及び中継ギヤ部121aを介してカム駆動部119へ渡され、回転可能とされる。かかるスイッチギヤ140及び中継ギヤ部121aを介したメインカム110と第2のギヤ102との係脱動作については後に詳述する。
【0079】
またメインカム110は、図19に示すように、裏面110bに、メインカム110の回転に応じてローラアーム制御レバー93、切換レバー94及びチャッキングアーム制御レバー97を回動させる第1、第2の回動溝122,123が形成されている。第1の回動溝122は、メインカム110の裏面110bに外周側に沿って湾曲して形成され、切換レバー94に形成された回動凸部184が係合されている。また第2の回動溝123は、メインカム110の裏面110bに、第1の回動溝122よりも内側に沿って湾曲して形成され、チャッキングアーム制御レバー97に形成されたガイド凸部169が係合されている。
【0080】
さらにメインカム110は、図16(b)に示すように、裏面110bに、ベース基板40に配設された回転バネ130に付勢されると共に、ベース基板40に形成された回転規制部131に係止される回転凸部125が突設されている。ここで回転凸部125を付勢する回転バネ130は、線条バネからなり、図13に示すように、ベース基板40の裏面より突設されたバネ巻回部132に巻回されるとともに、一端130aをベース基板40の裏面より突設されたバネ係止部133に係止され、他端130bをベース基板40の裏面に突設された支軸113の基端部に係止されている。また回転バネ130は、他端130b側に略く字状に折り曲げられた折り曲げ部130cが形成されるとともに、該他端130b側の先端が支軸113の回転規制部131とは反対側付近まで延設されている。
【0081】
回転規制部131は、支軸113の基端部より略L字状に延設され、回転凸部125が当接することにより、光ディスク3の排出時、すなわち光ディスク3の挿入待機時において、回転バネ130に回動付勢されているけるカムギヤ91の回転停止位置を規定するものである。
【0082】
そしてメインカム110は、支軸113に挿通されると回転凸部125が回転バネ130の他端130b側に当接され、小径ギヤ102bに回転されるにつれてこの回転バネ130を押圧しながら摺動されていく。そして、メインカム110は、回転凸部125が折り曲げ部130cより一端130a側に移動されると図13中矢印J方向に付勢され、また回転凸部125が折り曲げ部130cより他端130b側に移動されると同図中矢印K方向へ付勢される。
【0083】
メインカム110は、光ディスク3の排出工程では、図13中矢印J方向へ回転されていき、回転凸部125も同方向に回動され回転バネ130を押圧しながら摺動していく。そして回転凸部125が、折り曲げ部130cを超えて一端130a側に移ると折り曲げ部130cの傾斜面によって同図中矢印J方向に付勢され、回転規制部131に当接する。したがって、メインカム110は、回転凸部125が回転規制部131に当接することにより、回転バネ130による矢印J方向への付勢力が効いた状態で同方向への回転が規制され、所定の回転位置に位置規制された状態で保持される。なおこのときメインカム110は、小径ギヤ102bと係合解除部121とが対峙されている。
【0084】
次いで、このメインカム110の収納凹部112に収納されるトリガーカム111について説明する。トリガーカム111は、メインカム110の係合解除部121と小径ギヤ102bとが対峙され、小径ギヤ102bとメインカム110との係合が解除され、カムギヤ91の回転が規制されている状態から、光ディスク3の挿入に応じて小径ギヤ102bとカム駆動部119とを中継するように回転することにより、メインカム110と小径ギヤ102bとを係合させるものである。
【0085】
このトリガーカム111は、略円形に形成された収納凹部112より若干小径の円盤状に形成され、外周の一部にメインカム110の係合解除部121に配設されるスイッチギヤ140が形成されている。またトリガーカム111は、収納凹部112より外方に臨まされる主面111aに、トリガーレバー96がガイドされるガイド溝141と、ガイド溝141よりも内側に設けられた凹部142と、凹部142に突設されメインカム110の挿通孔114に挿通係合される円筒状の係合孔143と、凹部142に穿設され収納凹部112に突設された係止突部115が挿通される開口部144とが形成されている。
【0086】
そしてトリガーカム111は、メインカム110の収納凹部112に収納されると、係合孔143に挿通孔114が挿通係合すると共に、開口部144に係止突部115が挿通し凹部142より上方に突出される。またトリガーカム111は、メインカム110の収納凹部112に収納されると、スイッチギヤ140が係合解除部121に回動自在に配設される。
【0087】
スイッチギヤ140は、円弧状の外周壁に歯が複数形成されている。具体的に、スイッチギヤ140は、係合解除部121に配設されることによりメインカム110の外周壁116のカム駆動部119と略連続され、小径ギヤ102bと係合可能とされる係合ギヤ部145と、係合解除部121に対応して一端側にかけて階段状に形成され、中継ギヤ部121aと咬合される咬合ギヤ部146とを有する。咬合ギヤ部146は、係合ギヤ部145よりもさらに下段部に形成され、中継ギヤ部121aとともに小径ギヤ102aと係合可能とされる。
【0088】
かかるスイッチギヤ140は、周周り方向が係合解除部121よりも短く形成され、トリガーカム111がメインカム110の収納凹部112に回転自在に収納されることにより、係合解除部121の両端に形成された外周壁116間を回動自在とされる。
【0089】
トリガーカム111の主面111aに形成されたガイド溝141は、トリガーレバー96の回動凸部157が移動するものであり、トリガーカム111の外周側に沿って円弧状に形成されるとともに、その一部に進路を遮るようにして係止壁141aが設けられている。そしてガイド溝141は、トリガーレバー96が係合されることにより、光ディスク3の挿入に伴い回動されるトリガーレバー96が係止壁141aを押圧することによってトリガーカム111をスイッチギヤ140と小径ギヤ102bとが係合する図18中矢印C方向に回動される。なお、ガイド溝141は、係止壁141aが主面111aの内側まで延設されることにより、トリガーレバー96の回動凸部157が光ディスク3の挿入待機時に退避する略V字状の退避部147が形成されている。
【0090】
ガイド溝141の内側に形成された凹部142に突設された係合孔143は、略円筒状に形成され、メインカム110の収納凹部112に突設されている挿通孔114が挿通されることにより、メインカム110と回転自在に係合される。また係合孔143は、ベース基板40に立設されている支軸113が挿通されることにより、カムギヤ91を回転自在にベース基板40に係合させる。また係合孔143の外周にはトリガーカム111をメインカム110に対して一方に付勢するコイルバネ149が巻回される。
【0091】
また凹部142には、コイルバネ149の一端149aが係止される係止突部150が突設されている。また係止孔143を介して係止突部150と略反対側には、収納凹部112に突設された係止突部115が挿通される開口部144が穿設されている。そして開口部144より凹部142上に突出される係止突部115にはコイルバネ149の他端149bが係止される。
【0092】
そしてトリガーカム111は、コイルバネ149に付勢されることにより、メインカム110の収納凹部112内を、スイッチギヤ140が係合解除部121の中継ギヤ部121aが設けられた一端側である図14中矢印D方向へ、常時、回転付勢される。これによりカムギヤ91は、図17に示すように、光ディスク3の挿入待機時において、係合解除部121の中継ギヤ部121aが設けられていない他端側に、小径ギヤ102bの歯がメインカム110のギヤ部117ともトリガーカム111のスイッチギヤ140とも係合しない領域が設けられる。またこのとき、メインカム110は、回転凸部125が回転バネ130により矢印J方向へ付勢されると共に回転規制部131に係止されることにより、ギヤ部117が小径ギヤ102bと係合されない初期位置に停止されている。
【0093】
そしてトリガーカム111は、光ディスク3が装置本体2内に挿入されると、ベース基板40の背面側に回動されたトリガーレバー96によってガイド溝141の係止壁141aが押圧され、コイルバネ149の付勢力に対抗して図17中矢印C方向へ回転される。これによりトリガーカム111は、図18に示すように、スイッチギヤ140が係合解除部121を回動して小径ギヤ102bと係合可能な他端側へ移動する。したがってカムギヤ91は、小径ギヤ102bと係合ギヤ部145及び咬合ギヤ部146とが咬合することにより図18中矢印C方向へ回転されていく。
【0094】
ここでスイッチギヤ140は、トリガーレバー96によって矢印C方向である係合解除部121の他端側に回動されると、図18に示すように、咬合ギヤ部146の最後の一歯と、係合解除部121の中継ギヤ部121aの最初の一歯とが連続する。したがって、カムギヤ91は、係合ギヤ部145及び咬合ギヤ部146と咬合された小径ギヤ102bが、咬合ギヤ部146を介して中継ギヤ部121aへ咬合されていき、以降中継ギヤ部121aと連続されるカム駆動部119へ咬合されていく。このようにしてカムギヤ91は、光ディスク3が挿入されるとスイッチギヤ140を介して小径ギヤ102bとの咬合がカム駆動部119へ橋渡しされて、光ピックアップ部11やチャッキング部13を駆動することができる。
【0095】
この光ディスク3の挿入に応じてトリガーカム111をスイッチギヤ140と小径ギヤ102bとが咬合する方向に回転させるトリガーレバー96は、図12及び図20に示すように、ベース基板40を介して主面部40aのディスク搬送領域上に設けられているトリガーアーム154と係合され、一体に回動される。
【0096】
このトリガーレバー96は、ベース基板40の裏面に立設された回動軸153に回動自在に支持される基端部155と、基端部155より延設されトリガーカム111のガイド溝141に係合される回動凸部157が設けられたレバーアーム156とを備える。基端部155は、回動軸153が挿通される軸孔158が穿設されている。また基端部155には、ベース基板40に穿設された開口159を挿通してトリガーアーム154と係合する係合ピン160が突設されている。
【0097】
係合ピン160を介してトリガーレバー96と係合されるトリガーアーム154は、ベース基板40の主面部40a上において、背面側のコーナ部近傍に回動自在に支持されている。このトリガーアーム154は、略矩形板状に形成され、長手方向の一端に主面部40aに支持される支持部161が形成され、長手方向の他端に光ディスク3と当接される当接凸部162が突設されている。またトリガーアーム154は、ベース基板40の主面部40a側に向かって鉤状の係止突部163が垂下されている。トリガーアーム154は、係止突部163が主面部40aに穿設された円弧状のガイド孔164の側縁部を摺動しながら、このガイド孔164に沿って移動される。
【0098】
またトリガーアーム154は、トリガーレバー96の係合ピン160が係合される係合孔165が設けられている。係合孔165は、ベース基板40の開口159を介して主面部40a側に突出された係合ピン160が挿通され、これによりトリガーアーム154とトリガーレバー96とが係合され、トリガーアーム154の回動に応じてトリガーレバー96が回動可能となる。
【0099】
かかるトリガーレバー96及びトリガーアーム154は、光ディスク3の挿入待機時においては、トリガーレバー96がトリガーカム111のガイド溝141によって退避部147に退避するようにガイドされることにより、トリガーアーム154の当接凸部162がベース基板40の前面側に回動され、光ディスク3の挿入方向前側面と当接可能な位置に保持される。そして光ディスク3がベース基板40の背面側に搬送されると、当接凸部162が光ディスク3に背面側に押圧されるため、トリガーアーム154及びトリガーレバー96は、ともにベース基板40の背面側に回動される。これによりトリガーレバー96は、退避部147に退避されていた回動凸部157がガイド溝141の係止壁141aを押圧して、スイッチギヤ140を小径ギヤ102bと係合可能な位置までトリガーカム111を回動させる。このとき、検出スイッチ23によって光ディスク3の挿入が検出されているため、駆動モータ90が駆動され、小径ギヤ102bが回転されていることから、スイッチギヤ140と小径ギヤ102bとが咬合されると、直ちにカムギヤ91が回転される。トリガーレバー96及びトリガーアーム154は、回動凸部157が係止壁141aを押圧した後、カムギヤ91の回転に伴いガイド溝141にガイドされることにより、トリガーアーム154の当接凸部162が光ディスク3の側面から離間され、回転自在とする。
【0100】
また光ディスク3が排出されると、トリガーレバー96は、回動凸部157がトリガーカム111のガイド溝141にガイドされ退避部147にガイドされる。このときトリガーレバー96と係合されているトリガーアーム154は、当接凸部162がベース基板40の前面側に回動され、光ディスク3の挿入方向前側面と当接可能な位置に保持され、再度光ディスク3の挿入を待機する。
【0101】
次いで、このカムギヤ91のギヤ部117に形成されたピックアップ搬送部118と係合されるラックギヤ92について説明する。ラックギヤ92は、図12に示すように、ピックアップベース45に取り付けられたラック52のギヤ部52aとカムギヤ91の間に配設されている。また上述したように、ラックギヤ92は、図16に示すように、カムギヤ91の周周り方向と直交する方向の上段部において咬合可能な位置に支持され、同方向の上段部に歯が形成されているピックアップ搬送部118によって回転される。またラックギヤ92は、カムギヤ91の周周り方向と直交する方向の上段部に歯が形成されていないピックアップ規制部120と対峙されているときには回転されず、ピックアップベース45の搬送を行わない。
【0102】
次いで、カムギヤ91の第2の回動溝123に係合されたチャッキングアーム制御レバー97について説明する。チャッキングアーム制御レバー97は、チャッキングアーム63を昇降操作することにより、ベース基板40の背面側に搬送された光ディスク3をディスクテーブル60にチャッキングし、またチャッキングの解除を行うものである。このチャッキングアーム制御レバー97は、図21及び図13に示すように、ベース基板40の裏面に立設された回動支軸167に軸支される支持孔部168が形成され、この支持孔部168を支点に図13中矢印F方向及び反矢印F方向へ回動可能とされている。
【0103】
またチャッキングアーム制御レバー97は、カムギヤ91の第2の回動溝123に係合するガイド凸部169が突設されている。チャッキングアーム制御レバー97は、図19に示すように、ガイド凸部169が第2の回動溝123に係合されることにより、カムギヤ91の回動に伴って図13中矢印F方向あるいは反矢印F方向へ回動される。
【0104】
さらにチャッキングアーム制御レバー97は、ベース基板40の主面40a上に臨まされ、チャッキングアーム63を昇降させるチャッキングカム170が形成されている。チャッキングカム170は、チャッキングアーム制御レバー97の主面より立ち上げられた立ち壁171上に設けられ、この立ち壁171がベース基板40に穿設された円弧状の長孔172を挿通することにより、図9に示すように、主面40a上に臨まされている。そしてチャッキングカム170は、チャッキングアーム制御レバー97が矢印F方向及び反矢印F方向へ回動されることにより、主面40a上を背面側と前面側に亘って移動される。
【0105】
このチャッキングカム170の移動経路上には、チャッキングアーム63に設けられたカム片68が位置されている。したがってチャッキングカム170は、主面40a上を前面側に移動されるとチャッキングアーム63のカム片68が乗り上がり、バネ部材67の付勢力によって常時ベース基板40側に回動付勢されているチャッキングアーム63を、該付勢力に対抗してベース基板40より離間させる。またチャッキングカム170は、主面部40a上を背面側に移動されると、チャッキングアーム63のカム片68の下から退避し、バネ部材67の付勢力によってチャッキングアーム63をベース基板40側に回動させる。これによりチャッキングアーム63は、ベース基板40と近接離間することができ、チャッキングアーム63の先端に設けられたディスク押さえ板62とディスクテーブル60とで光ディスク3のチャッキングを行い、またチャッキングを解除することができる。
【0106】
なお、チャッキングカム170は、主面40aの前面側にカム片68をガイドする傾斜ガイド部170aが形成され、カム片68が乗り上がりやすくされている。
【0107】
さらにチャッキングアーム制御レバー97は、ローラアーム制御レバー93と係合する係合凸部173が突設され、矢印F方向及び反矢印F方向への回動に伴い、ローラアーム制御レバー93を操作する。これにより、カムギヤ91の回転に伴い、チャッキングアーム制御レバー97は、ローラアーム制御レバー93及びこのローラアーム制御レバー93と連結された操作板82を操作し、ロック片42をフレーム10のロック溝16に係脱させることができる。
【0108】
ローラアーム制御レバー93は、図13に示すように、長尺状に形成され、長手方向の略中央に支持孔175が穿設されて、ベース基板40の裏面に突設された円形凸部176に回動自在に支持されている。またローラアーム制御レバー93は、長手方向の一端にチャッキングアーム制御レバー97の係合凸部173が係合する係合ガイド溝177が形成されている。ローラアーム制御レバー93は、チャッキングアーム制御レバー97の回動に伴い係合凸部173が係合ガイド溝177を移動することにより、支持孔175を支点に図13中矢印G方向及び反矢印G方向へ回転される。
【0109】
またローラアーム制御レバー93は、長手方向の他端がベース基板40の主面部40aとデッキ部40bとの間の段差部に設けられた開口178を介してデッキ部40b上に臨まされて、先端に操作板82と係合する係合凸部179が突設されている。係合凸部179は、操作板82の連結片89に穿設された長孔状の連結孔89aに挿通係合され、ローラアーム制御レバー93が矢印G方向及び反矢印G方向へ回転されると、操作板82を長手方向である矢印H方向及び反矢印H方向へスライドさせる。操作板82は、ローラアーム制御レバー93の係合凸部179が図13中矢印G方向へ回転されると、図9中矢印H方向へスライドされ、ロック片42の各係合片80,81を同図中矢印B方向へ回動させ、フレーム10の前面壁10aに形成されたロック溝16に係合させ、フローティング状態のベース基板40をフレーム10にロックする。また操作板82は、ローラアーム制御レバー93の他端部が図13中反矢印G方向へ回転されると、図9中反矢印H方向へスライドされ、ロック片42の各係合片80,81を同図中反矢印B方向へ回動させ、ロック溝16との係合を解除しベース基板40をフローティング状態とする。
【0110】
なお操作板82は、図9中矢印H方向にスライドされることにより、凸部88がローラアーム72に設けられた昇降カム79の下部から退避し、ローラアーム72を矢印a方向に回動させ、搬送ローラ70を光ディスク3の搬送領域上に臨ませるとともに挿入防止片74,74を光ディスク3の搬送領域から下降させる。また操作板82は、図9中反矢印H方向にスライドされることにより、凸部88がローラアーム72の昇降カム79を押し上げてローラアーム72を反矢印a方向に回動させ、搬送ローラ70を光ディスク3の搬送領域上から退避させるとともに挿入防止片74,74を光ディスク3の搬送領域上に臨ませる。
【0111】
次いでカムギヤ91の第1の回動溝122と係合される切換レバー94について説明する。切換レバー94は、光ディスク3の搬送時に駆動モータ90の駆動力をディスク搬送機構12側に伝達し、搬送が終了すると駆動モータ90の駆動力をディスク搬送機構12から切り離すことにより搬送ローラ70の駆動を停止するものである。
【0112】
この切換レバー94は、図19に示すように、略矩形状に形成され、長手方向の略中央にベース基板40の裏面に突設された回転軸181に挿通される軸孔182が穿設され、この軸孔182を支点に図12中矢印I方向及び反矢印I方向へ回転自在とされている。また切換レバー94は、上述したように回転軸181に駆動モータ90の駆動軸と咬合された第1のギヤ101が重ねられて支持され、長手方向の一端にこの第1のギヤ101の小径ギヤ101bと咬合される揺動ギヤ183が形成されている。揺動ギヤ183は、カムギヤ91の回転に応じて切換レバー94が軸孔182を支点に揺動されることにより、ディスク搬送機構12のギヤ列71と接続され、あるいは切り離される。さらに切換レバー94は、図19に示すように、長手方向の他端にカムギヤ91の第1の回動溝122と係合される回動凸部184が突設されている。
【0113】
かかる切換レバー94は、光ディスク3の挿入待機時及び光ディスク3が装置本体2の内外に亘って搬送されている時には、カムギヤ91の第1の回動溝122に回動凸部184がガイドされ、揺動ギヤ183がディスク搬送機構12のギヤ列71と接続される図12中矢印I方向に回動されている。これにより第1のギヤ101及び揺動ギヤ183を介して駆動モータ90の駆動力がギヤ列71に伝達され、搬送ローラ70が回転駆動される。
【0114】
また切換レバー94は、光ディスク3が装置本体内に搬送され、カムギヤ91が回転駆動されると、第1の回動溝122に回動凸部184がガイドされ、揺動ギヤ183とディスク搬送機構12のギヤ列71とが離間する図12中反矢印I方向へ回転される。これにより駆動モータ90の駆動力が揺動ギヤ183を介してディスク搬送機構12へ伝達されなくなり、搬送ローラ70の回転が停止される。
【0115】
次いで、以上のように構成される本ディスクローディング装置1の一連の動作について説明する。先ず、光ディスク3の挿入待機時においては、図17及び図22に示すように、カムギヤ91は、メインカム110の回転凸部125が回転バネ130に付勢されると共に回転規制部131に回転位置が規制されることにより、ギヤ部117が小径ギヤ102bと咬合されない初期位置に停止されている。またカムギヤ91は、トリガーカム111がコイルバネ149に付勢され、スイッチギヤ140と小径ギヤ102bとが咬合されない係合解除部121の一端側に回動されている。したがって駆動モータ90の駆動力はカムギヤ91には伝達されない。
【0116】
このカムギヤ91のメインカム110の回転位置が初期位置に規制された状態においては、トリガーレバー96は、トリガーカム111のガイド溝141に係合されている回動凸部157は退避部147に退避されている。またトリガーレバー96と係合されているトリガーアーム154は、当接凸部162がベース基板40の前面側に回動され、光ディスク3挿入方向前側面と当接可能な位置に停止されている。
【0117】
またメインカム110の第1の回動溝122と係合されている切換レバー94は、揺動ギヤ183とディスク搬送機構12のギヤ列71とが咬合する図12中矢印I方向へ回動され、駆動モータ90と搬送ローラ70とが連結されている。また、メインカム110の第2の回動溝123と係合されているチャッキングアーム制御レバー97は、チャッキングカム170をベース基板40の前面側に回動させる図13中反矢印F方向へ回動され、チャッキングカム170上にチャッキングアーム63のカム片68が乗り上がり、ディスク押さえ板62とディスクテーブル60とが離間した状態とされている。さらにチャッキングアーム制御レバー97と係合されているローラアーム制御レバー93は、一対の係合片80,81とフレーム10のロック溝16とを係合させる図13中反矢印G方向へ回動されている。これにより操作板82が図9中矢印H方向にスライドされ、各係合片80,81の係合部80b,81bがロック溝16と係合する図9中矢印B方向へ回動されてロック溝16に係合し、ベース基板40がフレーム10にロックされている。
【0118】
さらに操作板82が図9中矢印H方向にスライドされることにより、操作板82に設けられた凸部88の昇降部88aが、ローラアーム72の昇降カム79の下部より退避されている。したがってローラアーム72は、コイルバネ78の付勢力によって図22(b)中矢印A方向に回動され、搬送ローラ70が光ディスク3の搬送領域上に臨まされるとともに、ギヤ列71と搬送ローラ70とが連結される。
【0119】
またフレーム10に配設されているディスク検出ピン22は、コイルバネ24の付勢力によって当接ピン22aが凹部15側に向かってスライド付勢され、第1の検出スイッチ23aを押下している。
【0120】
図23(a)(b)及び図6に示すように、ユーザによって本体パネル5のディスク挿脱口32より光ディスク3が挿入されると、ディスク検出ピン22は、挿入方向の前側面に押圧されて、左右にスライドされていく。これによりディスク検出ピン22が第1の検出スイッチ23aの押下状態を解除するため、光ディスク3の挿入が検出され、駆動モータ90が正転駆動される。
【0121】
駆動モータ90が駆動されることにより、第1のギヤ101、切換レバー94の揺動ギヤ183、及びギヤ列71を介して搬送ローラ70が正転駆動され、光ディスク3を筐体4内に引き込んでいく。
【0122】
このとき第1のギヤ101と咬合されている第2のギヤ102も回転されるが、第2のギヤ102の小径ギヤ102bがカムギヤ91の係合解除部121と対峙されているため、カムギヤ91が回転されることはない。
【0123】
またロック片42とロック溝16とが係合することにより、ベース基板40がフレーム10に固定されているため、ベース基板40が揺動することなく、搬送中の光ディスク3が記録再生部14の光ピックアップ部11やディスクテーブル60等と衝突することがない。
【0124】
図24(a)(b)及び図18に示すように、光ディスク3が筐体4内に搬送されていくと、ディスク搬送領域に回動されているトリガーアーム154の当接凸部162が光ディスク3の挿入方向前側面に当接され、背面側に回動される。これによりトリガーアーム154と係合されているトリガーレバー96は、背面側に回動されるため、トリガーカム111のガイド溝141の退避部147に退避されていた回動凸部157がガイド溝141の係止壁141aを押圧する。トリガーカム111は、トリガーレバー96に押圧されることにより、スイッチギヤ140が図17に示す係合解除部121の一端側から、図18に示す小径ギヤ102bと係合可能な他端側に回動される。したがってカムギヤ91は、スイッチギヤ140の係合ギヤ部145が駆動モータ90の駆動力を受けて正転駆動されている小径ギヤ102bと咬合され、図18中矢印C方向へ回転される。
【0125】
図18に示すように、スイッチギヤ140の咬合ギヤ部146は、メインカム110の係合解除部121に設けられた中継ギヤ部121aと最後の一歯で連続されているため、小径ギヤ102bとカムギヤ91との咬合が、スイッチギヤ140の咬合ギヤ部146から中継ギヤ部121aを経て、さらにカム駆動部119へ移っていく。図25(a)(b)に示すように、小径ギヤ102bとカム駆動部119が咬合されることにより、カムギヤ91は、さらに矢印C方向へ回転される。
【0126】
図26(a)(b)に示すように、カムギヤ91が矢印C方向へ回転されることにより、切換レバー94は、メインカム110の裏面に形成された第1の回動溝122にガイドされ、反矢印I方向に回動される。これにより切換レバー94に設けられた揺動ギヤ183は、ギヤ列71と離間され、搬送ローラ70の駆動を停止する。このときまでに光ディスク3は、中心孔とディスクテーブル60とがほぼ対向されるセンタリング位置に搬送されている。
【0127】
またカムギヤ91が矢印C方向へ回転されることにより、チャッキングアーム制御レバー97は、メインカム110の裏面に形成された第2の回動溝123にガイドされ、矢印F方向に回動される。これによりチャッキングアーム制御レバー97のチャッキングカム170は、ベース基板40の背面側に移動されて、チャッキングアーム63のカム片68の下部より退避する。したがって図27(a)(b)に示すように、チャッキングアーム63は、バネ部材67の付勢力によってベース基板40に近接され、ディスク押さえ板62とディスクテーブル60とによって光ディスク3を回転自在に挟持する。
【0128】
さらにチャッキングアーム制御レバー97が矢印F方向に回動されることにより、チャッキングアーム制御レバー97と連結されているローラアーム制御レバー93が図12中矢印G方向へ回動される。これによりローラアーム制御レバー93と連結されている操作板82が図9中反矢印H方向へスライドされる。操作板82が反矢印H方向へスライドされると、この操作板82と係合されているロック片42も、各係合片80,81が係合部80b,81bとロック溝16との係合を解除する反矢印B方向へ回動される。したがってロック片42によってフレーム10に固定されていたベース基板40が、ダンパー20によってフレーム10上にフローティング状態で支持される。
【0129】
また操作板82が反矢印H方向へスライドされることにより、図28(a)(b)に示すように、操作板82に設けられている凸部88の昇降部88aがローラアーム72の裏面に設けられた昇降カム79の下部にスライドされ、昇降カム79を上方に押し上げる。これによりローラアーム72は、支持孔部77を支点に、搬送ローラ70がディスク搬送領域から退避する反矢印A方向へ回動される。またローラアーム72が同方向へ回動されることにより、光ディスク2の二重挿入を防止する挿入防止片74がディスク搬送領域上に臨まされる。
【0130】
なおこのとき、カムギヤ91は、ラックギヤ92とピックアップ規制部120とが対峙されているため、ピックアップベース45は内周側に保持されたまま駆動されていない。またトリガーレバー96の回動凸部157は、ガイド溝141にガイドされることにより、ベース基板40の背面側に回動され、トリガーレバー96と係合されているトリガーアーム154も同様にベース基板の背面側に回動される。これによりトリガーアーム154の当接凸部162は、光ディスク3の外周から離間され、光ディスク3の回転駆動を阻害することがない。
【0131】
次いで、さらにカムギヤ91が矢印C方向へ回転されると、ラックギヤ92とピックアップ搬送部118が対峙され、ラックギヤ92が回転される。図29(a)(b)に示すように、ラックギヤ92が回転されることにより、ラック52が取り付けられたピックアップベース45が光ディスク3の径方向に搬送される。なおピックアップベース45は、初期位置で光ディスク3の最内周側に搬送されており、ベース基板40のディスクテーブル60近傍に設けられ、ピックアップ用開口部47に先端が延設されているピックアップ検出スイッチ(図示せず)を押下している。そしてピックアップベース45は、ラックギヤ92を介して光ディスク3の外周側に搬送されると、ピックアップ検出スイッチより離間するため、光ピックアップ部11による情報信号の記録再生工程に移ったことが検出される。
【0132】
光ディスク3に対する情報信号の記録再生工程においては、駆動モータ90は適宜正転あるいは逆転駆動され、ピックアップベース45を光ディスク3の内外周に亘って搬送する。光ディスク3に対する記録再生動作が終了すると、ピックアップベース45は、光ディスク3の最内周側に搬送されるため、ピックアップ検出スイッチが押下される。これにより光ディスク3に対する記録再生工程が終了したことが検出される。
【0133】
なおこのとき、ディスクローディング装置1は、ベース基板40がフレーム10に対してフローティング状態で支持されることにより、記録再生工程において筐体4に加わる振動がフレーム10を介して記録再生部14に伝達することを防止することができる。したがって、ディスクローディング装置1は、例えば車載用のディスクドライブ装置に適用した場合には、車体を介して筐体4に加わる振動によっても、安定した記録再生特性を維持することができる。
【0134】
なお、光ディスク3の記録再生工程において、ピックアップベース45を光ディスク3の最外周側に搬送する際においても、カムギヤ91は、メインカム110の裏面に突設されている回転凸部125とベース基板40の裏面に設けられている回転規制部131とが当接される位置までは回転されないため、回転規制部131に阻害されることなくカムギヤ91の回転及びピックアップベース45の搬送を行うことができる。
【0135】
次いで光ディスク3の排出工程について説明する。光ディスク3の排出操作が指示されると、先ず駆動モータ90が逆転駆動され、カムギヤ91が矢印C方向と反対の矢印D方向に回転される。これにより、チャッキングアーム制御レバー97及び切換レバー94は、上記光ディスク3の挿入工程とは逆に動作する。
【0136】
すなわち、チャッキングアーム制御レバー97が第2の回動溝123にガイドされ反矢印F方向に回動されることにより、ローラアーム制御レバー93は図12中反矢印G方向へ回動され、またローラアーム制御レバー93と連結されている操作板82は矢印H方向へスライドされる。
【0137】
操作板82が矢印H方向へスライドされることにより、ロック片42は、各係合片80,81が係合部80b,81bとロック溝16とが係合する矢印B方向へ回動される。これによりベース基板40がフレーム10に固定されるため、フローティング支持されていた記録再生部14の揺動が防止される。したがって光ディスク3の排出工程において、光ディスク3が、ディスクテーブル60やピックアップベース45等と衝突することが防止される。
【0138】
また操作盤82が矢印H方向へスライドされることより、凸部88の昇降部88aがローラアーム72の昇降カム79の下部より退避され、ローラアーム72が矢印A方向へ回動される。したがってローラアーム72に支持されている搬送ローラ70がディスク搬送領域上に上昇されるとともに、挿入防止片74がディスク搬送領域上から退避される。
【0139】
またチャッキングアーム制御レバー97が反矢印F方向へ回動されることにより、チャッキングアーム制御レバー97のチャッキングカム170は、ベース基板40の前面側に移動されて、チャッキングアーム63のカム片68を上方に押し上げる。したがってチャッキングアーム63は、バネ部材67の付勢力に対抗してベース基板40と離間し、ディスク押さえ板62とディスクテーブル60とによる光ディスク3のチャッキングを解除する。
【0140】
なお、記録再生工程が終了しピックアップベース45が最内周側まで搬送され、さらにカムギヤ91が矢印D方向へ回転されると、カムギヤ91は、ラックギヤ92とピックアップ規制部120とが対峙され、以後ピックアップベース45の搬送は行われない。
【0141】
記録再生部14がフレーム10に固定され、かつ搬送ローラ70がディスク搬送領域上に上昇されると共に光ディスク3のチャッキングが解除されると、切換レバー94が第1の回動溝122にガイドされ、矢印I方向に回動されることにより、揺動ギヤ183がギヤ列71と連結される。これにより第1のギヤ101、揺動ギヤ183を介してギヤ列71に駆動モータ90の駆動力が伝達され、搬送ローラ70が逆転駆動されるため、光ディスク3は筐体4外へ排出されていく。
【0142】
切換レバー94の回動が行われると、カムギヤ91は、メインカム110がさらに矢印D方向へ回転されて、小径ギヤ102bと、コイルバネ149の付勢力によってメインカム110の係合解除部121の一端側にスライドされているトリガーカム111のスイッチギヤ140とが咬合される。小径ギヤ102bは、スイッチギヤ140の咬合ギヤ部146と咬合されているときは、ギヤ部117の下段まで形成されているメインカム110の中継ギヤ部121aとも咬合されているため、メインカム110とトリガーカム111とを一体に回転しているが、スイッチギヤ140の係合ギヤ部145と咬合されているときは、メインカム110のギヤ部117とは咬合されなくなる。
【0143】
このときメインカム110は裏面に突設されている回転凸部125がベース基板40の裏面に設けられた回転バネ130の折り曲げ部130cより一端130a側に移動されており、回転バネ130の付勢力によって図13中矢印J方向、すなわち図18中矢印D方向へ付勢されている。したがってメインカム110は小径ギヤ102bとスイッチギヤ140の係合ギヤ部145とが係合される状態まで回転されると、図18に示すように、回転バネ130の付勢力によって図18中矢印D方向へ回転され、回転凸部125が回転規制部131に当接される位置で停止される。
【0144】
またトリガーカム111は、小径ギヤ102bがさらに逆転駆動されていくことにより、スイッチギヤ140の係合ギヤ部145との咬合も解除されるため、コイルバネ149の付勢力によって矢印D方向へ回転され、メインカム110の係合解除部121の一端側と勘合する。これによりカムギヤ91は、図17に示すように、小径ギヤ102bと係合解除部121とが対峙され、メインカム110のギヤ部117及びトリガーカム111のスイッチギヤ140のいずれとも咬合されなくなる。したがってカムギヤ91は、小径ギヤ102bが逆転駆動されている状態であっても、回転されることがない。
【0145】
またトリガーカム111が矢印D方向へ回転されることにより、トリガーカム111のガイド溝141にガイドされていたトリガーレバー96の回動凸部157は、退避部147に退避するようにガイドされる。これによりトリガーレバー96と係合されているトリガーアーム154は、当接凸部162が光ディスク3の搬送領域まで回動され、再度、光ディスク3の挿入を待機する。
【0146】
このときも駆動モータ90の駆動力を受けた搬送ローラ70は光ディスク3の排出を続けており、光ディスク3の外周部によってディスク検出ピン22がスライドされ、検出スイッチ23が操作される。具体的に、光ディスク3の中心孔がディスク挿脱口32付近まで排出されると、ディスク検出ピン22により第2の検出スイッチ23bが押下され、さらに排出されていくことにより第2の検出スイッチ23bの押下状態が解除される。ディスクローディング装置1は、光ディスク3の排出工程において、第2の検出スイッチ23bが押下され、この押下状態が解除されると、光ディスク3が排出位置まで搬送されたことを検出し、駆動モータ90を停止させる。
【0147】
なお、ディスクローディング装置1は、排出工程において、図8に示すように、駆動モータ90が停止された後、再度第2の検出スイッチ23bが押下されると、光ディスク3が再挿入されたことを検出し、駆動モータ90を正転駆動させ再度光ディスク3をフレーム10内に引き込む。この光ディスク3の再挿入工程は、駆動モータ90が正転駆動されて光ディスク3を引き込む上記工程と同様である。
【0148】
このように本ディスクローディング装置1は、駆動部41に設けられた一の駆動モータを用いて光ディスク3の挿排出、光ピックアップ部11のピックアップベース45の搬送、チャッキングアーム63の昇降操作による光ディスク3のチャッキング及びチャッキング解除、ロック片42の回動による記録再生部14の固定及びフローティングを行うことができる。そして本ディスクローディング装置1は、ベース基板40にスピンドルモータ61と駆動モータ90の必要最小限のモータのみを配置することで、ベース基板40の省スペース化を図ると共に、筐体4及び装置本体2の小型化を図ることができる。
【0149】
また本ディスクローディング装置1は、ベース基板40の前面側に搬送ローラ70を光ディスク3の挿脱方向と直交する方向に延設され、またベース基板40の略中央にディスクテーブル60及びスピンドルモータを配設し、ベース基板40の略中央から背面側の一コーナ部にかけて光ピックアップ部11を設けている。そしてベース基板40の略中央から背面側の他コーナ部に駆動部41を配設している。
【0150】
このベース基板40は、光ディスク3がほぼ内接するかそれよりもやや小さく形成されているが、上記のごとく配設することにより、光ディスク3とほぼ同程度のスペースを効率よく利用することができ、光ディスク3が内接する程度の大きさに形成されたフレーム10内に配設することができる。したがって、ディスクローディング装置1は筐体4の小型化及び装置本体2の小型化を図ることができる。
【0151】
以上、車載用のディスク記録再生装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、例えば据え置き型のディスク記録及び/又は再生装置や、パソコンのドライブベイに組み込まれて用いられるディスク記録及び/又は再生装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明が適用されたディスクローディング装置を示す斜視図である。
【図2】装置本体を示す分解斜視図である。
【図3】筐体をフレームの前面壁側から示す正面図である。
【図4】フレームを示す斜視図である。
【図5】光ディスクが挿入あるいは排出された筐体を示す平面図である。
【図6】光ディスクが挿入されたことを検出したディスクローディング装置を示す平面図である。
【図7】光ディスクが排出位置まで搬送されたことを検出したディスクローディング装置を示す平面図である。
【図8】光ディスクが再挿入されたことを検出したディスクローディング装置を示す平面図である。
【図9】記録再生部を示す分解斜視図である。
【図10】記録再生部のチャッキングアームを示す斜視図である。
【図11】光ピックアップ部を示す側面図である。
【図12】ベース基板を裏面側から示す平面図である。
【図13】ベース基板の裏面からカムギヤ及びトリガーレバーを除いて示す平面図である。
【図14】カムギヤを示す斜視図である。
【図15】カムギヤを構成するメインカム及びトリガーカムを示す斜視図である。
【図16】カムギヤのギヤ部を説明するための図である。
【図17】小径ギヤ及びカムギヤの咬合状態を示す斜視図である。
【図18】小径ギヤ及びカムギヤの咬合状態を示す斜視図である。
【図19】メインカムの裏面を示す平面図である。
【図20】トリガーレバー及びトリガーアームを示す斜視図である。
【図21】チャッキングアーム制御レバーを示す斜視図である。
【図22】ディスクローディング装置の光ディスクの挿入待機状態を示す図である。
【図23】ディスクローディング装置の光ディスクが挿入された状態を示す図である。
【図24】ディスクローディング装置のトリガーカムが回転された状態を示す図である。
【図25】ディスクローディング装置のメインカムが回転された状態を示す図である。
【図26】ディスクローディング装置の切換レバーによってディスク搬送機構が駆動モータと切り離された状態を示す図である。
【図27】ディスクローディング装置の光ディスクをチャッキングした状態を示す図である。
【図28】ディスクローディング装置の搬送ローラがディスク搬送領域から退避された状態を示す図である。
【図29】ディスクローディング装置のピックアップベースが搬送可能とされた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0153】
1 ディスクローディング装置、2 装置本体、3 光ディスク、4 筐体、5 本体パネル、6 トップカバー、10 フレーム、11 光ピックアップ部、12 ディスク搬送機構、13 チャッキング部、14 記録再生部、15 凹部、16 ロック溝、17 係止片、20 ダンパー、21 プリント配線板、22 ディスク検出ピン、23 検出スイッチ、31 表示部、32 ディスク挿脱口、40 ベース基板、41 駆動部、42 ロック片、45 ピックアップベース、47 ピックアップ用開口部、52 ラック、60 ディスクテーブル、62 ディスク押さえ板、63 チャッキングアーム、68 カム片、70 搬送ローラ、71 ギヤ列、72 ローラアーム、79 昇降カム、82 操作板、88 凸部、90 駆動モータ、91 カムギヤ、92 ラックギヤ、93 ローラアーム制御レバー、94 切換レバー、95 ギヤ列、96 トリガーレバー、97 チャッキングアーム制御レバー、101 第1のギヤ、102 第2のギヤ、110 メインカム、111 トリガーカム、117 ギヤ部、118 ピックアップ搬送部、119 カム駆動部、120 ピックアップ規制部、121 係合解除部、121a 中継ギヤ部、122 第1の回動溝、123 第2の回動溝、125 回転凸部、130 回転バネ、131 回転規制部、140 スイッチギヤ、145 係合ギヤ部、146 咬合ギヤ部、154 トリガーアーム、170 チャッキングカム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ機構と、
上記ディスクを回転自在に保持するチャッキング板を操作するディスクチャッキング機構と、
上記筐体の内外に亘って上記ディスクを搬送する搬送部を操作するディスク搬送機構と、
一の駆動モータと、該駆動モータの駆動力を受けて駆動されることにより上記光ピックアップ機構、ディスクチャッキング機構及びディスク搬送機構を駆動する駆動部材とを備えた駆動部とを有するディスクローディング装置。
【請求項2】
上記光ピックアップ機構、ディスクチャッキング機構、ディスク搬送機構及び駆動部は、上記筐体内に配設されたベース基板の同一平面上に配設されていることを特徴とする請求項1記載のディスクローディング装置。
【請求項3】
さらに上記駆動モータと駆動部材とを係脱させる係脱機構を備え、
該係脱機構は、ディスクが上記筐体内に搬送されると該ディスクに押圧されて上記駆動部材を上記駆動モータと係合させるトリガー機構と、ディスクが筐体外へ排出されると上記駆動部材と上記駆動モータとの係合を解除する位置に該駆動部材を有することを特徴とする請求項1記載のディスクローディング装置。
【請求項4】
上記ベース基板は上記筐体にフローティング状態で支持されており、
上記駆動部は、上記ベース基板を上記筐体に固定するロック片を操作することを特徴とする請求項2記載のディスクローディング装置。
【請求項5】
上記筐体は、ディスクが内接する程度の大きさの略矩形状に形成され、内部に上記光ピックアップ機構、ディスクチャッキング機構、ディスク搬送機構及び駆動部が配設された略矩形状のベース基板が配設されており、
上記ベース基板は、ディスクが挿脱される前面側に上記ディスク搬送機構が配設され、略中央に上記ディスクチャッキング機構が配設され、略中央から背面側の一方のコーナ部にかけて上記光ピックアップ部が配設され、略中央から背面側の他方のコーナ部にかけて上記駆動部が配設されていることを特徴とする請求項1記載のディスクローディング装置。
【請求項6】
筐体と、
ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ機構と、
上記ディスクを回転自在に保持するディスクチャッキング機構と、
上記筐体の内外に亘って上記ディスクを搬送するディスク搬送機構と、
駆動モータと、該駆動モータとの係脱機構が形成されるとともに、該駆動モータの駆動力を受けて回転駆動されることにより上記光ピックアップ機構、ディスクチャッキング機構及びディスク搬送機構を連動するカムギヤとを有する駆動部とを備え、
上記駆動部は、上記ディスクが挿入されると上記ディスク搬送機構を駆動してディスクを筐体内に引き込んだ後、上記係脱機構によって上記カムギヤと上記駆動モータとを係合させて該カムギヤを回転することにより、上記ディスク搬送機構の上記駆動モータとの切り離し、上記チャッキング機構による上記ディスクのチャッキング及び、上記光ピックアップ機構の上記ディスクの径方向への搬送を順次行うディスクローディング装置。
【請求項7】
上記カムギヤには、上記駆動モータと連結されたギヤと上記光ピックアップ機構を搬送するラックギヤが咬合するギヤ部と、上記ディスクチャッキング機構と上記ディスク搬送機構を操作するガイド溝が形成されていることを特徴とする請求項6記載のディスクローディング装置。
【請求項8】
上記係脱機構は、ディスクが筐体内に引き込まれると該ディスクに押圧されて上記カムギヤを上記駆動モータと係合させるトリガー機構と、ディスクが筐体外へ排出されると上記カムギヤと上記駆動モータとの係合を解除する位置に該カムギヤを回動付勢する付勢機構とを有することを特徴とする請求項6記載のディスクローディング装置。
【請求項9】
上記光ピックアップ機構、ディスクチャッキング機構、ディスク搬送機構及び駆動部は、上記筐体内にフローティング支持されたベース基板上に配設され、
上記駆動部は、ディスクの挿排出時に上記ベース基板を上記筐体に固定するロック片を操作することを特徴とする請求項6記載のディスクローディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−310982(P2007−310982A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140596(P2006−140596)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】