説明

ディスプレーモジュールおよび関連の製造方法

無線通信機能を備えた電子制御可能な陳列棚ディスプレーラベル(100)を使用して商品の値段を買い物客に提示することができる。電子制御可能な陳列棚ディスプレーラベル(100)は、ディスプレー材料を含む可撓性ディスプレー層(10)と、該ディスプレー材料を駆動する電極構体を有する可撓性バックプレーン層(20)と、前記可撓性ディスプレー層(10)の厚さおよび/または前記可撓性バックプレーン(20)の厚さよりも厚い実質的に剛性の部品(40)と、該剛性部品(40)用の切欠き空間(32)を有する弾性層(30)とを含み、該弾性層は該装置(100)の全厚を実質的に均等にするように設けられ、該装置(100)はさらに無線通信機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、添付の独立請求項1に規定した、封入されたディスプレーモジュールに関するものである。本発明はまた、添付の独立請求項15に規定したディスプレーモジュールの封入方法に関するものである。
【背景】
【0002】
電子制御可能な小型のディスプレーユニットは、常に新しく広範囲な適用例を見出している。周知で安定した成長分野は、店舗や倉庫での使用に見ることができる。店舗や倉庫では、陳列棚に付けられた従来の紙の値札に代わりに、値段およびその他の商品に関する情報を、電子棚ラベル(ESL)を使って表示している。ESLは、とくに大型店またはスーパーマーケットでの使用に適し、これらの店では、数千あるいは数万品目の商品を販売し、その値段は頻繁かつ正確に更新しなくてはならない。
【0003】
従来の技術では、スーパーマーケットのラベルに示される値段情報は、紙製ラベルに印刷された情報を利用して手作業で更新される。新しい値段が紙または同様のシート材に印刷され、小さなラベルが手作業で陳列棚の対応するホルダに取り付けられる。この単調な方法では、まず更新する値段ラベルを取り付ける該当場所を確認し、次に古いラベルを外して新しいラベルに取り替える。この方法は非常に労働集約的であり、人的ミスを招きやすい。また、陳列棚に付けられた値段とレジのスキャナで記憶された値段との間で情報の不一致が起きる可能性がある。
【0004】
これらの問題を解決するために、多様な電子ディスプレー技術に基づくシステムがESLとしての使用のために開発されてきた。これらの電子ディスプレーは、有線または無線通信によって集中管理システムで更新できる。完全有線化システムは、個々のESLディスプレーの数が多いゆえにケーブル配線が複雑になるため、レイアウトに限界があるという顕著な問題を抱えている。無線システムにおける重大な技術的障壁は、ESLディスプレーユニットごとに個別の電源が必要であるということ、および長寿命の電源、つまりバッテリの稼動寿命が長いことが求められることである。その上、無線システムでは、バッテリ寿命を延ばすために最小限の送信電力レベルで作動させる必要のある個々の送受信ユニットを多数、擁する環境では、信頼のおける通信チャンネルを備えていなければならない。
【0005】
液晶ディスプレー(LCD)技術は、こういった電子制御可能なESLディスプレーに用いられるディスプレーの一種である。これらのディスプレーでは、電力消費がかなり大きいことと、視覚的外観が従来のペーパディスプレーと異なるという欠点がある。また、このようなディスプレーを封入すると一般に、店舗で店員が取り扱うのに適さないほど硬い従来のケーシングとなってしまう。さらに、このようにかなり厚みのあるディスプレー装置には、しばしば破損しやすいガラス窓も付いている。従来方式で封入された厚みのあるESLディスプレーでは、紙ラベルに一般的に用いられる機構とは異なる特製の丈夫な陳列棚レール機構が必要となる。これは、既存の陳列棚の構造改修を行わなければならないということであり、これにより余計な出費が生じる。
【0006】
ESLに適した別種のディスプレー技術は電子ペーパディスプレー(EPD)であり、これは、ハイコントラストで紙のような外観を有し、電力消費が非常に少なく、形状は薄くて軽い。EPDは、観る者に紙に書かれたものを読むような実感をもたらす一方で、表示される情報を電子的に更新できる機能を供することを企図している。EPDは、1つの可能性として、電子インクによって使用可能となる技術である。このようなインクは電子回路によって更新可能な電荷を保持している。電子インクはフロントライトまたはバックライトを必要としない反射技術であるため、EPDに非常に適し、直射日光を含めた様々な照明条件下で視認でき、表示を維持するための電力も不要である。電力は、表示データを変更する場合にのみ消費される。
【0007】
様々な用途に幅広く適応できるようにするために、無線ESLまたは同様の電子制御無線ディスプレーは多くの要求に直面している。その一部は製造工程における要求であり、また一部は、例えば店舗における店員による使用、環境および管理容易性といった最終用途における要求である。
【0008】
製造の観点から述べると、真に低価格な装置を実現するには、ロール・ツー・ロールまたはウェブをベースとする製造工程が望ましいであろう。これは、例えば、構体に一定レベルの可撓性が必要なため、このような製造方法に適合させるために、ESLの封入に厳しい制限を課すものである。一般的に、許容レベルの価格および技術的性能を備えたESLに必要な部品がすべて、現今で機械的に柔軟性のある構体として使用可能なわけではなく、このような制限は製造方法において何らかの形で対処する必要があろう。
【0009】
製造工程中およびその後の物流段階でESLを簡単に管理できるようにするために、ESLの封入では、損傷を抑制する柔軟性を有する何らかの構体を設け、さらに好ましくは封入部またはケーシングの厚さを、何らかの突出部、または縁となる部分、または柱状構体のない均等な厚さにする必要がある。こういった要求をする理由は、例えば、製品を簡便にパッキングして製造会社からエンドユーザに配送するときや、陳列棚で使用されるESL(しばしば、従来の印刷された情報をESLに付加することも含まれる)に必要な自動または手作業による何らかの準備、およびESLの陳列棚またはそこに設けられたホルダへの取付け/装着などに起因する。ESLを陳列棚の実質的に最終的な常設位置に取り付けるまでの準備段階では、ESLは様々な処理を受ける。そのため、これらのディスプレーモジュールに関する要求条件は、例えば個人がポケットなどに入れられて持ち運ぶ小型電子装置に関する要求条件とは明白に異なる。そのため、多くの場合、装置のサイズ/大きさに関する要求条件も軽減され、その上、材料の選択に更なる可能性ももたらされる。
【0010】
さらに、ESLの構造および封入は、制御システムとの無線通信の際、封入そのものによる、または店舗においてESLを取り付ける金属製の棚といった周囲の構造体による干渉を最小限または無視可能な程度にとどめられるものにしなければならない。
【0011】
また、いくつかの用途においては、封入された装置の好ましい形状とは、直状のカード型形状ではなく、視覚的外観や視読性を良くするために、ESLディスプレーは、若干曲状の形状にして、表示されている情報が外方曲状面に現れるようにしてもよい。さらに、多くの用途において、製品を極端に薄くすることはESLの取り扱いが困難になるため、好ましくないであろう。
【0012】
既存の従来技術によるディスプレー装置およびそれに関連する封入方法はいずれも、上述の数々の要求条件を満たすことはできず、ある程度、多少相反することは明白である。したがって、この分野には、創意に富んだ更なる開発が明確に必要である。
【概要】
【0013】
本発明は、新しく独創的なESL用封入構体およびそれに対応する電子制御可能なディスプレーを提供するとともに、上に列挙したディスプレーモジュールの製造および最終用途に関連する要求条件を一層満たすことを目的とする。本発明はまた、このようなディスプレーモジュールを得る製造方法を提供することも目的とする。
【0014】
本発明に係るディスプレーモジュールの主な利点は、実質的に薄くて柔軟なディスプレーモジュール層の物理的な衝撃に対する機械的耐性、および総合的管理の容易性の補助となる完全に滑らかな外面と均等な厚さとにある。また、本発明に係る封入技術により、ケーシングは内蔵アンテナを利用した無線通信に関して優れた性能を備えるようになる。更なる利点は、ESLの視覚的外観が買い物客に馴染み深い紙製シートや紙ラベルに類似し、また従来の紙ラベルと同種のホルダ、ポケットまたはスペースに収納することもできることである。本発明による解決策によれば、例えばバッテリ方式などのエネルギー源も使用でき、これにより、最新のバッテリ技術につきもののコスト高となることなく、稼動寿命が長くなる。
【0015】
本発明に係るディスプレーユニットの機械的(堅固性、取扱い特性)および視覚的外観のどちらも、従来技術による装置の状態よりもはるかに改善され、製造方法もまた、ロール・ツー・ロール式またはウェブ式の製造における利点を備え、確実に低コストとなる。
【0016】
以下に、適用例を用いて添付の図面を参照しながら本発明を詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ESLディスプレーを使用した店舗システムの一般的な例を示す図である。
【図2】本発明に係るESLモジュールを陳列棚ホルダと共に示す図である。
【図3】本発明に係るESLモジュールの立体図であり、モジュールの湾曲状態を示している。
【図4】本発明に係るESLモジュールであり、印刷された粘着ラベルを付加し、モジュールに設けられた二目的切欠きを示す。
【図5】ESLの製造の概略工程説明図である。
【図6】ESLの製造の概略工程説明図である。
【図7】ESLの各層を示す概略分解立体図である。
【図8】ESLの構造を示す概略断面図である。
【詳細な説明】
【0018】
図1は一例として、スーパーマーケットまたは同様の販売環境でESLディスプレーを使用する一般的な構成を概略的に示す。
【0019】
陳列棚にはESLディスプレーが備え付けてあり、ESLディスプレーは一般的にプラスチックのESLホルダを保持する陳列棚レールに取り付けられている。ESLディスプレーは、買い物客が気づきやすいように陳列棚の各商品に対応する位置に配設される。
【0020】
ESLディスプレーは、図1に示す基地局と無線で通信する。無線通信方法は、公知の無線通信技術のいずれに基づくものでかまわないが、ESLモジュールのバッテリ寿命を節約するために、反射型後方散乱通信技術が望ましい。この手法では、基地局が能動的に無線信号を送信し、ESLモジュールは、能動的な無線への応答に代わって、無線送信機を使用せずに基地局の信号の反射出力を変調することで応答する。この変調は一般に、ESLモジュールにおけるESLアンテナの負荷状態を変化させ、例えばアンテナを接地電位と非接地電位の間で接続切替えをすることで、行う。後方散乱信号を変調することで、ESLモジュールは、基地局、そしてさらに店舗レベルサーバに応答可能となる。
【0021】
各ESLモジュールは、それぞれの識別コードによって識別でき、これを知ることで該当するESLモジュールは基地局からの送信を聴取する。新たな情報、命令またはコマンドを店舗サーバから基地局経由で受信すると、ESLモジュールは、これらの命令の受信を正確かつ適時に変調された反射後方散乱を利用して確認返送し、店舗レベルサーバは当該ESLモジュールから応答があったことを認識することができる。これを容易にするため、店舗サーバが特定のESLモジュールに宛てて送信後、一定の聴取時間を設けて、モジュールがこの時間内に応答できるようにしてもよい。
【0022】
基地局は一般的には、例えばよいサネット接続によって基地局制御装置に有線接続される。この基地局制御装置はさらに、価格およびその他の商品情報がはいっている店舗レベルサーバに接続されている。
【0023】
店舗レベルサーバにおいて、そのサーバにあらかじめプログラミングされた、もしくは店員の手操作による命令によって局所的に、またはチェーン店レベルサーバから受信した命令によって遠隔操作で価格情報を変更すると、この情報は基地局を経由して個々のESLディスプレーに送られる。
【0024】
また、関連する価格情報は、店舗レベルサーバと通信するよう構成されたレジにも提供される。個々のESLディスプレーに送られる情報の内容を変更するための更なる可能性として、同じく図1に示した携帯情報端末機の使用が挙げられる。携帯情報端末機を店員が使用することで、店員が店内を自由に動き回って店舗レベルサーバと無線で通信できる。この通信は、例えば、固有の無線通信機能を有する携帯情報端末(PDA)型電算処理装置が使用可能なGSMまたはGPRSネットワークを介して行われる。携帯情報端末機は機能が限られていてもよく、あるいは、装置の処理能力に応じて、店舗レベルサーバ上で実行されるアプリケーションの全機能を制御するために使用してもよい。ESLディスプレーの数が少ない小規模店舗でのいくつかの適用例では、携帯情報端末機を単独の店舗レベルサーバの代わりに用いてもよい。
【0025】
また、店舗レベルサーバは、同一の店舗チェーンに属する複数の店舗に同じ価格および商品情報を提供できるチェーン店レベルサーバと接続することもできる。
【0026】
ソフトウェア・アプリケーション、通信機能、およびその他の図1に概略的に示したシステムの機能は、当該アプリケーションの詳細に応じてさまざまな異なる方法で構成できることは、同業者には明白なことである。図1は単に、一例として高レベルな例証を示すことで、ここに述べる本発明の利点の理解に役立てることを意図している。
【0027】
図2はESLディスプレーをプラスチックホルダ300と共に概略的に示す図であり、ディスプレーモジュールの一部がホルダ300内に押し込まれている。ホルダ300は、一般的には、陳列棚の前面レールに取り付けることができ、これによってESLディスプレーの取付けが容易である。ホルダ300はさまざまな形状および大きさにでき、例えば、プレス加工もしくは押出成形したプラスチックから作られる。ホルダ300は陳列棚レールにクリップ留めしてもよく、または、例えば両面テープなどの接着用テープを用いて取り付けてもよい。また、用途に応じて、別個のホルダ300を使用せずに、陳列棚に直接または自己縁部の他のレール状構体にESLモジュールを取り付けてもよい。
【0028】
図2の実施例では、ESLモジュールの大きさは約90mm(幅)×45mm(高さ)×2mm(厚さ)である。これは、ディスプレーモジュールまたはラベルが手で扱いやすい大きさであり、陳列棚に適したスペースを占め、文字や数字も買い物客が見やすい十分な大きさである。上述の寸法は、モジュールのサイズの種類案の一典型例である。本発明によるモジュールの大きさは、当該用途に応じてこれらの例とは異なるものにできる。
【0029】
図3は図2に示すESLモジュールと同じモジュールを示しているが、別の視点からラベルの湾曲をより明確に示している。この形状はさまざまな用途において好ましいものであり、とくに、店舗や倉庫での使用に好ましい。ESLディスプレーならびにプラスチックホルダ300は買い物客に向かって少し外側に湾曲し、全体が平坦な構造のものよりも外観がより良く、知覚的にもより優れている。また、別方向に湾曲させることも可能であり、内側に湾曲したESLモジュールを提供することもできる。これはいろいろな用途において好ましいものであり、例えば違うタイプのデザインのディスプレーモジュール・ホルダ300が実現可能となる。
【0030】
図4は、本発明による、とくに別個のホルダ300と共に用いるESLのさらに他の実施可能な一例を示す。図4のESLモジュールは、ESLモジュールの印刷ラベルが一部剥がされて、モジュール構体100の側部に設けられた二目的切欠き102が露出した状態を示す。この切欠き102の機能は、以下に、より詳しく述べる。図4に示すモジュールもやはり、用途に応じて別の寸法または湾曲を選択することもできたであろう。
【0031】
一般的に、ESLモジュールは、店舗および/または商品のロゴ、商品名および/または商標、パッケージサイズ、またはその他のより永続的な特性に関する情報を伝える別個の印刷ラベルを含む。このような情報は頻繁に更新する必要がないので、このような情報は、粘着印刷ラベルの形でESLラベルに付けてESLラベルの表示装置の要求条件およびコストを最小限にすることができる。ただし、このようなラベルは時折変える必要があることもあるため、この作業工程もなるべく簡潔にする必要がある。大量の印刷ラベルをESLモジュールから剥がすのは、とくに大きな店舗では、店舗作業者にとってストレスの溜まる非生産的な作業負荷となる。
【0032】
図4に示す切欠き102は、ESLラベルから印刷シールラベルを手作業または機械で剥がす際に大いに役立つ。とくに、ラベル剥がし、および新しいラベルの貼付を自動化する場合、および/または店舗ロゴが変更になって全店のラベルを短期間で取り替えなければならない場合に、重要となる。これは例えば、経営者が代わる場合、あるいは別のタイプのESLモジュールを再使用する場合などに生じ得る。
【0033】
例えば店主などのエンドユーザも、例えば買い物客などの権限を持たない人物がESLモジュール/ラベルを簡単に取り外せないようにするに足る方法で、ESLモジュール/ラベルを店の陳列棚に取付けできることを望んでいる。そのため、図4に示すように、ESLモジュール100の二目的切欠き102は、他の目的として、ESLモジュール100をそのホルダ300内に固定する方法を供する。ホルダ300に掛け金型の固定手段が設けられ、ESLモジュールの凹部または切欠きにはいり込んで、ESLの位置をラベルホルダ300に固定する。固定手段、すなわちクリップ機構によって、部外者がESLをホルダ300から人目につかずにすばやく取り外すのが非常に困難になっている。これは、粘着印刷ラベル200が所定の位置に取り付けられると、クリップが印刷ラベル200の背後に位置し、ESLモジュールの前側から見えないためである。
【0034】
したがって、本発明による切欠き102は2つの問題を解消する。1つ目の問題は、ESLラベルは、切欠き102によって生ずる固定機能がなければ、買い物客が簡単に店の陳列棚から盗んだり取り外したりする恐れがあること。2つ目は、剥がす起点を与える切欠き102の補助がなければ、印刷ラベル200をESLから剥がすのは、時間のかかる面倒な作業であるということである。
【0035】
好ましくは、切欠き102は、ESLモジュール100をロール・ツー・ロール式製造工程において製品の連続式リールまたはウェブから切り離す時に、ESLラベルのアンテナ側(後に詳述する図7に示すアンテナの位置)に形成される。それにより、製品100に余計な費用がかからない。切欠き102は、切欠きを有さない印刷された紙粘着ラベル200をESLの前面の上に置くと、隠れる。当然のことながら、切欠き102を異なる位置に設けることも可能であるが、この場合、切欠き102はどの位置にあっても上述の2つの目的を兼ねた利点をもたらさない。
【0036】
ESLホルダ300のクリップは、いくつかの方法で取り付けることができる。例えば、ホルダをプラスチック押出成形処理によって製造した場合、費用効率の高い方法は、ホルダ300に切込みを入れてクリップとすることである。クリップを切欠き102内に突出させるのに必要な張力を伴うクリップの最終形状は、標準的なプラスチック成形型によって得られる。クリップの最終形状によって、クリップの位置や機能、および、このようにESLモジュール/ラベルをそのホルダ300から外す有効な方法を熟知している適切な店舗作業者ならば、クリップを簡単に取り外すことができる。
【0037】
以下に、本発明によるディスプレーモジュール封入に係る製造方法および構造を、ESLディスプレーモジュールを一例に挙げて、図5から図8を参照して詳細に述べる。
【0038】
図5は、ディスプレーモジュール100を最終製品の特性を損なうことなく短時間で経済的に製造して封入できる、本発明によるウェブ式またはロール・ツー・ロール式製造方法の第1段階を示す。
【0039】
図5では、段階1において、パターン電極構造を基礎ウェブとして上面に有するバックプレーン20を設けることから製造を開始する。一般的に、このパターン形成されたバックプレーンは、上部面および下部面にパターン導電層が設けられたプラスチックの層(PETまたはPCまたはPVC)である(部分図5aに詳細を示す)。導体の形成およびパターン形成は当業者に周知の何らかの方法で行うことができ、例えば、導電性インクの直接印刷または薄い金属層のエッチングなどでよい。バックプレーンの下面には、同様の方法でパターン形成された表示セグメントの給電線を備える。各表示セグメントは、好ましくはレーザ加工されたビアホールを通して、対応する表示セグメントの給電線に電気接続されている。また、別の方法として、フィードスルーのビアホール設けることが可能なことも、当業者には明白なことである。
【0040】
段階2では、バックプレーンセグメントからディスプレー前面電極、本例では可撓性の電子ディスプレーウェブの前面(詳細は部分図5bに示す)に電気接続を確立するために、前面電極給電線の役割を果たすバックプレーン領域に導電性テープ29を積層する。導電性テープ29の位置は、ESLモジュール100の積層封入構体の分解立体図を示す図7に、より詳しく示してある。代替案として、導電性テープ29の代わりに、導電性ペーストまたは同様の接着性を有する材料をバックプレーンウェブに配設して、フロントプレーン電極と接続してもよい。
【0041】
段階3では、電子ディスプレーウェブを電子ディスプレーラベル100の構体に積層したときに、構体の全厚が均等化されてウェブの処理効果が良好に維持されるように、外形等化膜80をバックプレーン20に積層する。これが必要なのは、ディスプレー材料/積層体10が、図7に明確に示すように、部分的にしかバックプレーンウェブを覆わないからである。また、外形等化膜80は、最終製品100の厚さを均等にし、その前面(および背面)を滑らかにするのに役立つ。段階3では、電子ディスプレーウェブ10(電子ペーパディスプレー膜)と同じ厚さの膜80をバックプレーン20のディスプレー10で覆われていない領域に積層する。これは、ディスプレー膜10の積層の直前、または直後にも、もしくは積層と同時に行う。均等化膜80には基本的に、多様な可撓性材料を使用できるので、例えば、一連の電子部品またはモジュールを構体に加熱接着する場合に必要な熱的安定性をもたらすPET膜などが使用できる。
【0042】
段階4では、例えば電子ペーパディスプレーなどの可撓性電子ディスプレー材料10は、バックプレーン基材ウェブ20に、所定の大きさのディスプレーラベルとして積層される。この段階では、ディスプレー材料10は所定の大きさのディスプレーラベルとして、ウェブとして機能する連続剥離膜に設けられるか(詳しくは図5bを参照のこと)、またはディスプレーラベル10を、別々のラベルからなる束から1つずつ基材ウェブ20に供給することも可能である。
【0043】
電子ペーパディスプレー膜10は、一般的には、前面電極を形成する透明導電体(一般的にインジウムスズ酸化物、ITO)でコーティングされた、高分子基材(一般的にポリエチレンテレフタラート、PET)上に設けられた電気泳動材料、エレクトロクロミック材料、または同様の材料からなる。電子ペーパ膜10をバックプレーン20に配設する場合、バックプレーンはセグメント化された導体層またはマトリックス形式バックプレーンでよく、バックプレーンおよび電子ペーパ膜10の前面電極はどちらも電子駆動回路に接続され、ディスプレーはバックプレーンと電極の間に電圧を印加することで駆動できる。ディスプレー膜10の連続透明前面電極とそれに相当するバックプレーン20の駆動電極との間に電気接続を確立するには、ディスプレー材料をラベルの一端縁から一定の範囲分、取り除く必要がある。また、段階4において、ディスプレーラベル10を流れ方向と横断方向の両方向において正確に配置しなければならない。
【0044】
段階4で前面電極が組み込まれたディスプレーラベル10をバックプレーン基材ウェブ20に積層した後、段階5において防湿層70を膜構体の底部および上部の両方に積層する。電子ペーパディスプレー材料は、概して水分変動の影響をかなり受けやすいため、ディスプレー材料10を防湿層70の内側に封入する必要がある。本発明では、ディスプレーウェブ10の両側に防湿層70を積層することで封入する。このような防湿層は、例えば、真空スパッタ金属またはシリカ層でコーティングされたフッ素重合体またはプラスチック材からなるものでよい。下部防湿層70は不透明でよいが、上部防湿層70は透明でなくてはならない。
【0045】
図5の段階1から段階5が終了すると、実質的に厚さが均等な連続する可撓性ディスプレー積層ウェブが完成し、この形成物はロール状に巻き取られて次の処理段階を待つか、あるいは1つの可能性として、完成した電子制御ディスプレーモジュールの封入を仕上げるのに必要な次の処理段階に直接送られる。本発明によると、第1段階で、重要な中間生成物である可撓性ディスプレー積層ウェブは、主にウェブ状構成部材および膜から作成されて、仕上げ段階に適した出発材となる。
【0046】
図6は、次の製造段階を概略的に示し、ここでは、前段階でウェブ状出発材として作成されたディスプレー積層体を用いる。
【0047】
特定の用途におけるESLディスプレーなどの電子ディスプレーモジュールとして機能させるためには、モジュールにディスプレー駆動機能、データ処理機能、および通信機能ならびに電源を有する超小型電子回路を備え付ける必要がある。このような電子回路配線は高分解能および高精度でなくてはならないため、この回路は、有利には、フレキシブルプリント配線基板(PWB)の製造技術に基づいた公知の方法によって製造する。これは、例えばポリイミド基板を使用した、基板のフォトリソグラフィー・パターニングおよび自動部品配置によるものである。これらの方法は一般的にはシート状を基本とするが、昨今ではロール・ツー・ロール法も採り入れられつつある。このような理由から、超小型電子部品を含むフレキシブルPWBの単位面積あたりの製造費用は、単純構造のバックプレーンウェブの費用よりも高くなる。そのため、回路のサイズを小さくして、サブモジュールとして別途製造し、ロール・ツー・ロール法のバックプレーンウェブに取り付けるほうが有利である。
【0048】
現今ではすでに、薄型フレキシブルバッテリの技術も存在するが、これらの技術は、ESLモジュールなどの用途で必要な電力容量および有効寿命を確保するには、まだほど遠い。そのため、経済的で大容量の電源として、従来のコイン型電池を使用しなければならない。
【0049】
部品配置工程数を最小限にとどめるために、ラベルに給電するバッテリは、PWB回路に取り付け後、バックプレーンウェブにサブモジュールとして一緒に単一工程で取り付けてもよい。電子サブモジュールは、表示セグメントの給電線と正確に整合させて、永続的かつ確実に給電線に取り付けなければならない。これは、サブモジュールをロボットまたは部品配置装置によって配置して、熱活性化異方性導電膜、ペースト、または同様の接着剤を用いて行う。
【0050】
当然のことながら、エネルギー源を含む電子部品を、別個のサブモジュールを使用せずに直接、バックプレーンに取り付けることも可能であるが、多くの場合、最も費用対効果の高い解決策は、必要なPWBのサイズを最小にすることで得られる。とくに、ディスプレーモジュールのサイズがより大きい場合がこれに該当する。
【0051】
したがって好ましくは、従来型のフレキシブルPWBに基づくサブモジュールを作成して、ロール・ツー・ロール式またはウェブ式の製造工程ですぐにフレキシブルディスプレー積層体に接合できるようにする。好ましくは、このサブモジュールも、長期の保存および使用時間を可能にするのに十分な大容量のバッテリユニットを含む。ただし、本発明はこの方式に限定されるものでなく、電気部品をバックプレーンおよび/またはディスプレー材料に接続させる別の方法を実行することも可能である。
【0052】
図6は、上述のフレキシブルディスプレー積層体をフレキシブルPWB電子サブモジュール45に接合して最終製品に仕上がる様子を概略的に示す。
【0053】
段階7において、ディスプレー積層体をリールから巻き解くと、この時点ではディスプレーは下向きになっている。
【0054】
段階8において、電子サブモジュール45をバッテリ40とともに自動的に位置決めして、ディスプレー積層体の裏側に取り付ける。この段階では、当業者に既知のような何らかの技術を用いてもよい。
【0055】
段階8で取り付けた電子サブモジュール45は精密な超小型回路および部品を含んでいて、フレキシブルPWBに取り付けたとしてもそれ自体は可撓性を有さないため、電子ディスプレーモジュール100を封入して、完成したモジュールが機械的応力に対する何らかの機械的保護を提供する一方で、一定レベルの可撓性も維持するようにすることが必要である。また、先に述べたように、本モジュールの重要な特徴は、モジュールが、突出した縁や意図的な縁、あるいは柱状構造を有さず、その厚さが均等であることである。また一般的に、電子サブモジュール45は電子部品を含んでいて、とくに、ディスプレー積層体の厚さ(通常0.2〜0.6mm)より厚いバッテリ40(通常1〜3mm)を備えていることにも留意されたい。もともと、こういった全体的な厚さが1.5〜4mmの電子ディスプレー製品には、射出成形または同様の製法で製造されたプラスチック製封入容器が別途必要であったし、別工程にて製品を容器内に配置していた。このためにかなりの余計な製造費用がかさんだうえに、ロール・ツー・ロール式処理以外に対応できなかったから、本発明による新しい封入方法は従来技術よりも大きな成果をもたらす。
【0056】
図6に示す段階9では、弾性塑性封入発泡体30を用いて、製造中の電子モジュールを同期裁断および積層の組合せ工程によって封入する。この弾性層30は、構体の全厚を封入領域にわたって実質的に均等にするために、実質的に剛性な電気部品40の高さに対応する厚さと切欠き空間32を有している。
【0057】
発泡体30は、電子モジュールの一番厚さのある部品(通常、コイン型電池40)と同等の厚さを有し、好ましくはロールから巻き解いて、レーザカッティングシステムを用いてディスプレーウェブと同期して穿孔して、ニップ部において積層することで、発泡体のカットホール32(図7を参照)を電子ラベルの厚みのある部品と整合させる。これと同時に、またはこの直後に、薄い保護膜90を発泡体30の上に積層して、ラベルの裏側を密封する。これにより、バッテリ40および他の電子部品は、発泡体と背面被覆膜90によって形成された空所に完全に封入される。発泡体30は、電気絶縁と機械的応力および衝撃に対する防御を提供する一方で、電子ラベル100をロール・ツー・ロール方式で処理可能に維持する。発泡体30の接着剤も、ディスプレー部分と電子モジュール45を相互に結合させて、ラベル100の可撓性を維持させつつ更なる剛性を得る。
【0058】
発泡体30は、ポリマ材、またはディスプレーモジュール100の電気的機能性や、とくに電波伝達特性を維持するのに適した誘電特性を備えた何らかの材料でよい。発泡材を使用する利点も、低密度材料の低重量さに関係する。
【0059】
発泡材は、ポリオレフィン発泡樹脂(ポリエチレンまたはポリプロピレン)、ポリウレタン、またはポリスチレンの中から選択できるが、これに限るものではない。
【0060】
部品を物理的衝撃および機械的応力から保護する以外に、相対的に厚い発泡層30は、バックプレーン上のアンテナ27(図7を参照)と陳列棚または棚レールに金属構体があればその構体との間を離隔する助けもする。これは、至近距離にある金属または同様の構造物により生じる干渉を受けることなく無線通信を機能させるのに適した環境を作り出すためには、重要なことである。
【0061】
当然のことながら、同期裁断および積層に代わって、そうでなければ基材ウェブに配置するあらかじめ成形して積層させた製品として、発泡部材30を設けることも有り得る。しかしながら、連続的な裁断および積層のほうが明白な利点をもたらし、電気部品40用の発泡体切欠き32を確実に正しく配置できる。
【0062】
段階10では、任意の所望の視覚効果を得るために、部分的に透明な印刷ラベルまたは他のパターンラベル200を各電子ラベルの上面に貼り付ける。ラベル200はロゴや色特性など顧客に応じた印刷内容でよく、また反射防止特性などの表示機能を高める特性を備えていてもよい。
【0063】
段階11では、連続するウェブ状製品を打抜きして、個々のラベル100にする。レーザで穿孔された発泡体30が封入によって電子ラベルとなるので、この段階後に余計な封入工程が不要である。最終段階では、完成したラベル100を打抜きするだけでディスプレーウェブから分離される。
【0064】
図7は、上述とは異なる部品および層を概略分解立体図で示す。図7における各部品の名称は、上述の説明と一致させてある。無線通信に必要なアンテナ27は、図7では電子インクディスプレーの駆動に必要な導体とともに、バックプレーン20に形成されている。
【0065】
図8はさらに、本発明に係るESLの構造を概略断面図で示す。ここでも各部品の名称は、前出の図面および上述の説明と同一である。
【0066】
上述の段階1ないし10における製品の積層には、接着剤または糊を使用しなければならない。当業者には明白なことであるが、これらの粘着力をもたらす材料は、積層する各面の一方または双方に施してもよい。接着剤は、熱、光、放射または他のそのような手段で活性化させることができる。
【0067】
更なる利点として、本発明による製造工程によれば、図3に示すように、湾曲形状のディスプレーラベルを製造する可能性をもたらすことが挙げられる。これは、材料を適切に選びつつ、異なる積層間の張力を調節することで実現される。ディスプレーラベル100の上面は、例えば凸状または凹状でよい。
【0068】
本発明は、ディスプレーモジュール構体が少なくとも1mmを超え、ただし一般的には2mmの範囲という、かなりの厚さを有するにもかかわらず、ある程度の可撓性を有しつつも、しっかりと原型を留めるように、この構体を製造できる可能性をもたらす。さらに、封入されたディスプレーモジュール100は、そのサイズと比較して非常に軽量にすることができ、それにより、手作業および自動のどちらにおいても便利で扱いやすいものとなる。
【0069】
従来技術による製品および封入方法では、厚さが増すと概して可撓性が減少するが、本発明による製品では、従来の剛体部品40が装置100の一部として使用されても、可撓性およびその利点はより良く保たれる。
【0070】
ディスプレーモジュール100の構造および形状は上述のものと異なってもよいことは、当業者には明らかであろう。また、製造工程および用いた部品の細部も、用途に応じて変更可能である。例えば、層または部品の追加使用も可能である。
【0071】
例えば、電子制御可能なディスプレーモジュール100の無線通信方法は、電波の後方散乱技術以外の技術に基づくものでもよい。アクティブ電波伝送、光伝送、またはその他の伝送方法も実行可能である。
【0072】
ディスプレー技術の選択は、基本的には、ディスプレー構体の厚さと、一定レベルの可撓性を要するロール・ツー・ロール式製造への適合性とのみに基づく制限がある。アクティブ・ディスプレー材料10は、何らかの電気泳動体で構成してもよいであろうし、または回転二色性粒子からなるディスプレーで構成されてもよいであろう。またディスプレー材料10は、エレクトロクロミック材もしくは液晶材料であってもよく、またはエレクトロルミネセンス・ディスプレーや有機発光ダイオードなど、発光ディスプレー材料10から作成したディスプレー積層体でもよいであろう。一般的に言うならば、薄いペーパ状のディスプレーを作成するために用いることのできるディスプレー材料10であれば、どれでも本発明での使用に適している。これもまた当業者には明白となろうが、特定形状の表示セグメントの代わりに、またセグメント制御法の代わりに、マトリクス制御装置で制御されるマトリクス・ディスプレーを使用することも可能である。この場合、個々の表示セグメントの代わりに、マトリクス制御原理に基づいて制御される数個の小さなマトリクス状素子を設け、各素子の行および列ごとに1本の制御導体および1つの駆動回路を設けるようになる。
【0073】
本発明のさまざまな側面を、さらに以下に例を挙げて説明する。
【0074】
例1:
無線通信機能を備えて、封入された電子制御されるディスプレーモジュールは、少なくとも以下の、
−ディスプレー駆動用の電極構体を有する薄い可撓性バックプレーンと、
−層状に構成されて、可撓性バックプレーンに積層状に動作接続された薄い可撓性ディスプレー材料層と、
−前記可撓性バックプレーンまたは前記可撓性ディスプレー材料の厚さよりはるかに厚さのある1または複数の実質的に剛性の電気部品と、
−前記実質的に剛性の電気部品の高さに対応する厚さおよび切欠き空間を有して、封入領域を覆う構体の全厚を実質的に均等にする弾性層と、
−構体の少なくとも上面および底面に設けられた保護外層とを含むことを特徴とする。
【0075】
例2:
例1に係るモジュールにおいて、前記可撓性バックプレーンまたは前記可撓性ディスプレー材料の厚さよりもはるかに厚さのある、1または複数の実質的に剛性の電気部品が別の可撓性印刷配線基板サブモジュールに配設されることを特徴とする。
【0076】
例3:
例1または例2に係るモジュールにおいて、少なくとも1つの実質的に剛性の電気部品はエネルギー源であることを特徴とする。
【0077】
例4:
例3に係るモジュールにおいて、前記エネルギー源はバッテリであり、例えば、コイン型電池であることを特徴とする。
【0078】
例5:
例1に係るモジュールにおいて、構体の全厚は少なくとも1mmであることを特徴とする。
【0079】
例6:
例1に係るモジュールにおいて、モジュールは曲状であることを特徴とする。
【0080】
例7:
例1に係るモジュールにおいて、モジュールは電子棚ラベル、すなわちESLモジュールであることを特徴とする。
【0081】
例8:
例1に係るモジュールにおいて、モジュールは独立したホルダに挿入される形状であることを特徴とする。
【0082】
例9:
例1に係るモジュールにおいて、モジュールは電子制御ディスプレーと共通の面に印刷ラベルを取り付ける形状であることを特徴とする。
【0083】
例10:
例8または例9に係るモジュールにおいて、モジュールは、モジュールをホルダに固定して印刷ラベルをモジュールから剥がせるようにする、外側面切欠きを有し、切欠きは、前記印刷ラベルをモジュールに取り付けると、このラベルによって実質的に覆われるように配設されることを特徴とする。
【0084】
例11:
無線通信機能を備えた電子制御ディスプレーモジュールを封入する方法において、この方法は少なくとも以下の工程、すなわち、
−ディスプレーを駆動する電極構体を備えた薄い可撓性バックプレーンを基材ウェブとして設け、
−薄い可撓性ディスプレー材料層を設けて、基材ウェブに動作接続するように積層し、
−前記可撓性バックプレーンまたは前記可撓性ディスプレー材料の厚さよりはるかに厚さのある1または複数の実質的に剛性の電気部品を設けて基材ウェブに動作接続させ、
−前記実質的に剛性の電気部品の高さに対応する厚さおよび切欠き空間を有する弾性層を設け、弾性層を基材ウェブに積層して、封入領域を覆う構体の全厚を実質的に均等にし、
−保護外層を構体の少なくとも上面および底面に設ける工程とを特徴とする。
【0085】
例12:
例11に係るモジュールにおいて、処理工程は、少なくとも1つの中間ロール・ツー・ロール段階、およびそれに対応する巻き解き段階を含むことを特徴とする。
【0086】
装置100のディスプレー材料10は、電子インクによって実現してもよい。
【0087】
本発明に係る封入および製造方法を、ESLディスプレーモジュールを一例として用いて上述したが、本発明はESLへの適用に限定されるものではなく、本発明のディスプレーモジュールを上述の例および添付の特許請求の範囲内において他の適用例に用いることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−ディスプレー材料を含む可撓性ディスプレー層(10)と、
−前記ディスプレー材料を駆動する電極構体を有する可撓性バックプレーン層(20)と、
−前記可撓性ディスプレー層(10)の厚さ、および/または前記可撓性バックプレーン層(20)の厚さより大きい厚さを有する実質的に剛性の部品(40)と、
−該剛性部品用の切欠き空間(32)を有し、表示装置(100)の全厚を実質的に均等にするよう設けられた弾性層(30)とを含む表示装置(100)において、
該装置(100)はさらに、無線通信機能を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(100)において、前記剛性部品(40)は、前記各層(10、20、30)を積層することで、前記切欠き空間(32)に封入されていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置(100)において、前記ディスプレー層(10)、前記バックプレーン層(20)、前記弾性層(30)、および前記剛性部品(40)は、2つの保護層の間に配設されることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の装置(100)において、前記剛性部品(40)は可撓性印刷配線基板サブモジュール(45)に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の装置(100)において、前記剛性部品(40)はエネルギー源であることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置(100)において、前記剛性部品(40)はバッテリであることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置(100)において、前記バッテリ(40)は円形であることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の装置(100)において、該装置(100)の全厚は1mm以上であることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の装置(100)において、該装置(100)は曲状であることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の装置(100)において、該装置(100)は電子棚ラベル(ESL)であることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の装置(100)において、該装置(100)はホルダ(300)に適応する形状であることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の装置(100)において、該装置(100)は印刷ラベル(200)を取付け可能な面を有し、該印刷ラベル(200)および前記ディスプレー材料の調整可能部を同時に視認可能であることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の装置(100)において、該装置(100)は、該装置をホルダ(300)に固定するための切欠き(102)を含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1ないし12のいずれかに記載の装置(100)において、前記切欠き(102)は、印刷ラベル(200)によって該切欠き(102)が少なくとも部分的に覆われるように該印刷ラベル(200)を該装置(100)に取り付けた場合、該印刷ラベル(200)を該装置(100)から剥がしやすくするよう設けられていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の装置(100)を製造する方法において、該方法は、
−前記可撓性バックプレーン層(20)をウェブとして設け、
−前記各層(10、20、30)を積層することを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、該方法はさらに、少なくとも1つのロール・ツー・ロール段階、およびそれに対応する巻き解き段階を含むことを特徴とする製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−520133(P2011−520133A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−547212(P2010−547212)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【国際出願番号】PCT/FI2009/050143
【国際公開番号】WO2009/103857
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509133322)
【Fターム(参考)】