説明

ディーゼルエンジン設備

【課題】本発明は、重質油から生成した軽質分を用いて燃料にすることができ、重質油を無駄なく利用できるディーゼルエンジン設備を提供することである。
【解決手段】本発明は、重質油と反応水とを混合して重質成分と軽質成分とに分離する改質器8と、この改質器8で分離された軽質成分を改質ガスと改質油とに分離する気液分離器15と、この気液分離器15で分離された改質油を燃料とするディーゼルエンジン2とでディーゼルエンジン設備を構成したのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば発電機やその他の負荷を駆動するディーゼルエンジン設備に係り、特に、重質油を改質して生成した改質油を燃料とするディーゼルエンジン設備に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、原油の蒸留で生成する残渣から軽質な燃料を生成させるために流動接触分解(Fluid Catalyst Cracking)法が用いられる。この分解法は残渣を触媒と接触させて分解し、高オクタン価のガソリンを製造する方法である。そしてこの分解法は、ガソリン成分の他に触媒等の固体粒子を含む重質油が生成される。この重質油は軽油やA重油などに較べ安価であるが、ディーゼルエンジン用の燃料に用いると、含まれている固体粒子がピストンリング,シリンダー,燃料噴射ノズル,プランジャに対して早期摩耗の原因となり、ディーゼルエンジンの短命化及びメンテナンスコスト高の原因になる可能性がある。
【0003】
尚、重質油を利用したディーゼルエンジンは、例えば特許文献1に開示されているように、既に提案されている。特許文献1に記載の技術は、重質油と反応水とを混合して重質油中に存在する金属類を除去し、得られた軽質成分を燃料としてディーゼルエンジンへ供給するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2004−11479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の軽質成分を燃料とするディーゼルエンジンは、次のような問題がある。即ち、ディーゼルエンジンへ燃料を噴射するには、軽質成分を数10〜100数10MPa以上の高圧に加圧する必要がある。しかしながら、軽質成分には水素やメタン等のガスが含まれるため、そのような高圧に加圧することは困難であり、したがって重質油から生成した軽質成分をディーゼルエンジンの燃料にすることは実用化されていないのが現状である。
【0006】
本発明の目的は、重質油から生成した軽質分を用いて燃料にすることができるディーゼルエンジン設備を提供することである。
【0007】
また、本発明の別な目的は、重質油を無駄なく利用できるディーゼルエンジン設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、重質油と反応水とを混合して重質成分と軽質成分とに分離する改質器と、この改質器で分離された軽質成分を改質ガスと改質油とに分離する気液分離器と、この気液分離器で分離された改質油を燃料とするディーゼルエンジンとでディーゼルエンジン設備を構成したのである。
【0009】
さらに、前記気液分離器で分離された改質ガスや前記改質器で分離された重質成分を燃焼させて前記改質器を加熱するように構成したのである。
【0010】
さらにまた、前記気液分離器で分離された改質ガスを燃料とするガスタービンを設けたのである。
【0011】
上記構成により、重質油から分離した軽質成分から水素やメタン等のガス成分を除去し、軽質油のみをディーゼルエンジンの燃料として利用するようにしたので、これを数10〜100数10MPa以上の高圧に加圧して噴射させることができる。
【0012】
また、ディーゼルエンジンの燃料として利用される改質油以外の改質ガスや重質成分は改質器の加熱に利用したり、改質ガスはガスタービンの燃料にしたりすることで、重質油を無駄なく利用することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、重質油から生成した軽質分を用いて燃料にすることができると共に、重質油を無駄なく利用できるディーゼルエンジン設備を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明によるディーゼルエンジン設備の第1の実施の形態を、図1に示すディーゼルエンジン発電設備に基づいて説明する。
【0015】
ディーゼルエンジン発電設備1は、ディーゼルエンジン2と、このディーゼルエンジン2で駆動される発電機3と、前記ディーゼルエンジン2の燃料供給系4とで構成されている。
【0016】
前記燃料供給系4は、重質油タンク5と、この重質油タンク5内の重質油を10〜25MPaに加圧して送り出す重質油ポンプ6と、送り出された重質油を350℃〜450℃に加熱する重質油予熱器7と、加熱された重質油を改質する改質器8とを備えている。そして、この改質器8には、反応水タンク9内の反応水が反応水ポンプ10によって10〜25MPaに加圧されて送り出され、改質器8に供給する前に反応水を反応水予熱器11によって450℃〜500℃に加熱している。
【0017】
改質器8内で反応水を混合された重質油は、改質器8を温度430℃〜460℃で圧力10〜25MPaとすることで反応し、重質成分aと水蒸気を含む軽質成分bとに分離される。分離された重質成分aの主成分は、レジン分やアサファルテン分であり、バルブ12を介して重質成分回収器13に回収され、同時に重質油に含まれる触媒等の固体粒子は重質成分aに濃縮されて重質成分回収器13に回収される。重質成分回収器13に回収された重質成分aは、図示しないアスファルト製造装置に供給され、アスファルトの原料となる。
【0018】
また、軽質成分bは、水素や炭化水素ガス(メタンやエタン等の化合物)、飽和物(ヘキサンやヘプタン等の化合物)、芳香族分(ベンゼンやトルエン等の化合物)が主成分であり、一部レジン分を含んでいる。この軽質成分bは、バルブ14を介して気液分離器15に供給される。尚、前記バルブ14の開度を調節することで改質器8内の圧力が一定に保たれる。
【0019】
気液分離器15は、圧力が2〜4MPaに保持されているので、供給された軽質成分bは減圧膨脹で温度が低下し、その結果、凝縮する改質油cと凝縮しない改質ガス(水蒸気、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素ガス(炭素数18程度までの炭化水素))dに分離する。
【0020】
分離された気液分離器15内の改質油cは、液位計16で計測され、一定となるようにバルブ17の開度を調節する。これにより、改質油cは気液分離器15内から抽出され、冷却器18で約60℃に冷却された後、改質油タンク19に貯蔵される。改質油タンク19内の改質油cは改質油ポンプ20で加圧され、前記ディーゼルエンジン2の燃料として供給される。ディーゼルエンジン2に供給された改質油cは空気と混合して燃焼されてディーゼルエンジン2を駆動し、連結された発電機3を駆動して発電させる。ディーゼルエンジン2から排出される排ガスAは、バルブ21を介して直接煙突23から大気中に放出されるか、バルブ24〜26を経由して重質油予熱器7,反応水予熱器11,改質器8を加熱した後、煙突23から大気中に放出される。
【0021】
一方、気液分離器15で分離された改質ガスdは、バルブ27を経由してガスタービン設備28に供給される。ガスタービン設備28は、空気圧縮機29と、この空気圧縮機29で圧縮された圧縮空気と前記改質ガスdと混合して燃焼させる燃焼器30と、燃焼器30で燃焼した燃焼ガスで駆動されるガスタービン31とで構成され、ガスタービン31に回転駆動される負荷を連結している。ガスタービン31を駆動し終えた排ガスBは、前記煙突23から大気中に放出される。尚、気液分離器15内の圧力を一定に保つために、バルブ32の開度を調節して余分な改質ガスdをフレアスタック33で燃焼させ、その排ガスCを煙突23から放出している。このとき、改質油タンク19内に貯蔵された改質油cの一部は、改質ガスdの燃料として前記フレアスタック3にブロア34で吸引された空気と共に供給される。
【0022】
上記構成により重質油に含まれていた固体粒子は除去され、これにより12重量ppmであったアルミニウムを0.05重量ppm未満にまで低減でき、かつガス成分が除去されて数10〜100数10MPa以上の高圧に加圧して噴射させることができる改質油をディーゼルエンジンの燃料として利用することができる。
【0023】
また、分離した改質ガスdは、全重質油量に対して10〜40重量%であり、ディーゼルエンジン発電設備として、ガスタービン設備28の出力が、ディーゼルエンジン2の1/10〜1/2になるように設計することで、改質ガスdの全量をガスタービン設備28で消費させることができる。ところで、ガスタービン設備28の代わりにガスエンジン等を設置することも考えられるが、改質ガスdには、上述のように、水蒸気が含まれているので発熱量が低く、ガスエンジンの燃料としては好ましくない。したがって、ガスタービン設備28の代わりにガスエンジンを設置する必要が生じた場合には、改質ガスdを冷却して水蒸気を凝縮させて除去した後、ガスエンジンに供給することが望ましい。
【0024】
次に、本発明によるディーゼルエンジン設備の第2の実施の形態を、図2に示すディーゼルエンジン発電設備に基づいて説明する。尚、図1と同符号は、同一部品を示すので、再度の詳細な説明は省略する。
【0025】
この第2の実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる点は、重質成分回収器13に回収された重質成分aを、重質成分ポンプ35で抽出してディーゼルエンジン2の排ガスAの下流側に設置した重質成分燃焼炉36に供給し、ブロア37から供給される空気と混合して燃焼させる点と、重質成分燃焼炉36の下流側に設置した粒子分離手段38で燃焼ガスD中に濃縮されている固体粒子や他の金属を除去し、550℃〜600℃の高温排ガスEを生成する点である。
【0026】
粒子分離手段38は、例えば、貫通型フィルタやサイクロンフィルタ、さらには電気集塵機等が適用できる。
【0027】
重質成分燃焼炉36には、重質成分aとブロア37からの空気とが供給されるほか、ディーゼルエンジン2の排ガスAが供給され、粒子分離手段38から出た高温排ガスEは、第1の実施の形態と同じように、バルブ21,24,25,26を経由して流量を調節され、重質油予熱器7,反応水予熱器11,改質器8を設定温度に加熱した後、煙突23から放出される。
【0028】
このような第2の実施の形態によれば、550℃〜600℃の高温排ガスEで重質油予熱器7,反応水予熱器11を加熱できるので、ディーゼルエンジン2の排ガスAの温度が低く、重質油予熱器7,反応水予熱器11の加熱が十分に行うことができず、改質器8の温度を約430℃に設定できない第1の実施の形態に比べて、円滑な加熱を行うことができる。
【0029】
さらに、第2の実施の形態によれば、重質成分回収器13に回収された重質成分aを燃焼させるために、重質成分aの処理が不要になると共に、粒子分離手段38で分離した粒子を回収することで、それを触媒の原料として用いることができる。
【0030】
勿論、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じように、重質油に含まれていた固体粒子は除去され、これにより12重量ppmであったアルミニウムを0.05重量ppm未満にまで低減でき、かつガス成分が除去されて数10〜100数10MPa以上の高圧に加圧して噴射させることができる改質油をディーゼルエンジンの燃料として利用することができる効果を奏することができる。
【0031】
図3は、本発明によるディーゼルエンジン設備の第3の実施の形態を示すものである。尚、図1及び図2と同符号は、同一部品を示すので、再度の詳細な説明は省略する。
【0032】
この第3の実施の形態が、前記第1及び第2の実施の形態と異なる点は、気液分離器15に、気液温度調節手段を構成する冷却水ポンプ39を備えた冷却装置40を設けた点と、気液分離器15に、気液温度検出手段41を設けた点と、改質器8に、改質温度測定手段42を設けた点と、発電機3の出力に基づいて冷却水ポンプ39を制御して前記気液温度検出手段41と改質温度測定手段42で温度を監視しながら気液分離器15の温度を制御する気液分離器温度制御装置43を設けた点と、ガスタービン設備を撤去し、代わりに気液分離器15で分離された改質ガスdをバルブ44を経由して重質成分燃焼炉36に供給するようにした点である。
【0033】
このような第3の実施の形態において、発電機3の出力を変化させる時は、ディーゼルエンジン2に供給する改質油cの供給量を変化させる必要があるので、重質油と反応水の供給量を変化させると共に、これら重質油と反応水を加熱するためのエンタルピも変化するため、高温排ガスEの流量も変化させる必要がある。第3の実施の形態におけるディーゼルエンジン発電設備1において、発電機3の出力変化時の制御を次に説明する。
【0034】
図4には、発電機3の出力が低下した場合における改質油cの供給量、気液分離器15の冷却水ポンプ39による冷却水量、気液分離器15の温度、改質ガスdの生成量、改質油cの生成量の変化を示す。
【0035】
時間t1において、発電機3の出力が低下すると、改質油dの供給量も減少する。時間t1からt2までは、前記出力の低下を気液分離器温度制御装置43で検出して気液分離器15の冷却水量を増加せる指示を出し、気液分離器15の温度が所定温度まで低下したことを気液温度検出手段41で監視する。気液分離器15の温度が所定温度まで低下することで、改質ガスdが凝縮することで改質ガス生成量は減少し、減少した分だけ改質油cの生成量が増加する。発電機3の出力が一定になる時間t2〜t3間では、気液分離器15の冷却水量を調節して、改質ガス生成量を重質油予熱器7,反応水予熱器11,改質器8を加熱するために必要な量まで低減させる。
【0036】
尚、気液分離器15の冷却水量は、図5に示すように、決定する。即ち、図5は、改質器8で分離された軽質成分bの気液分離器15における沸点の分布であり、温度T1と温度T2の間で沸騰した成分の分率がw(wt%)であることを示している。温度T3であれば、それよりも低沸点(矢印方向)の成分は、改質ガスdとなり、それ以外の成分は改質油cとなることを意味している。この図5における沸点と改質ガスdの質量分率の関係を予め気液分離器温度制御装置43に記憶させておくことで、設定すべき気液分離器温度を予測して気液分離器の冷却水量を制御することができる。
【0037】
このように本発明による第3の実施の形態においては、重質油から生成した軽質分を用いて燃料にすることができると共に、重質油を無駄なく利用できるのは勿論のこと、改質ガスdの生成比率を下げて改質油cの生成比率を上げるように気液分離器15の温度を管理することで、ディーゼルエンジン2への改質油量を増加させて発電機3の出力を向上させることができ、ディーゼツエンジン発電設備の効率低下を回避することができる。
【0038】
さらに、本実施の形態においては、改質ガスdを重質成分燃焼炉36で燃焼させることで、第1及び第2の実施の形態のようなガスタービン設備等を併設する必要はなく、初期設備費を抑えることができる。
【0039】
ところで、以上説明の各実施の形態は、ディーゼルエンジン設備として発電機を備えたディーゼルエンジン発電設備を一例として説明したが、その他の負荷を駆動するディーゼルエンジン設備であれば、ディーゼルエンジン発電設備に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明によるディーゼルエンジン設備の第1の実施の形態を示すディーゼルエンジン発電設備のブロック図。
【図2】本発明によるディーゼルエンジン設備の第2の実施の形態を示すディーゼルエンジン発電設備のブロック図。
【図3】本発明によるディーゼルエンジン設備の第3の実施の形態を示すディーゼルエンジン発電設備のブロック図。
【図4】図3に示すディーゼルエンジン発電設備の発電機出力に対する各所の変化を示す線図。
【図5】改質ガスの質量分率と分子量との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0041】
1…ディーゼルエンジン発電設備、2…ディーゼルエンジン、3…発電機、4…燃料供給系、5…重質油タンク、6…重質油ポンプ、7…重質油予熱器、8…改質器、9…反応水タンク、10…反応水ポンプ、11…反応水予熱器、13…重質成分回収器、15…気液分離器、16…液位計、18…冷却器、19…改質油タンク、20…改質油ポンプ、23…煙突、28…ガスタービン設備、29…空気圧縮機、30…燃焼器、31…ガスタービン、33…フレアスタック、35…重質成分ポンプ、36…重質成分燃焼炉、38…粒子分離手段、39…冷却水ポンプ、40…冷却装置、41…気液温度検出手段、42…改質温度測定手段、43…気液分離器温度制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重質油と反応水とを混合して重質成分と軽質成分とに分離する改質器と、この改質器で分離された軽質成分を改質ガスと改質油とに分離する気液分離器と、この気液分離器で分離された改質ガスと改質油のうち改質油を燃料とするディーゼルエンジンとを備えたことを特徴とするディーゼルエンジン設備。
【請求項2】
重質油と反応水とを混合して重質成分と軽質成分とに分離する改質器と、この改質器で分離された軽質成分を改質ガスと改質油とに分離する気液分離器と、この気液分離器で分離された改質ガスと改質油のうち改質油を燃料とするディーゼルエンジンと、前記改質器で分離された重質成分を前記ディーゼルエンジンからの排ガスと共に燃焼させる重質成分燃焼炉とを備え、この重質成分燃焼炉からの排ガスで前記重質油と反応水及び改質器を加熱するように構成したことを特徴とするディーゼルエンジン設備。
【請求項3】
前記気液分離器で分離された改質ガスを前記重質成分燃焼炉で燃焼させるように構成したことを特徴とする請求項2記載のディーゼルエンジン設備。
【請求項4】
前記重質成分燃焼炉の下流側に粒子分離装置が設けられていることを特徴とする請求項2記載のディーゼルエンジン設備。
【請求項5】
前記気液分離器で分離された改質ガスを燃料とするガスタービンを備えたことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のディーゼルエンジン設備。
【請求項6】
前記気液分離器で分離された改質ガス及び改質油の一部を燃焼させるフレアスタックが設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のディーゼルエンジン設備。
【請求項7】
重質油と反応水とを混合して重質成分と軽質成分とに分離する改質器と、この改質器で分離された軽質成分を改質ガスと改質油とに分離する気液分離器と、この気液分離器で分離された改質油を燃料とするディーゼルエンジンと、このディーゼルエンジンによって駆動される発電機と、前記改質器で分離された重質成分を前記ディーゼルエンジンからの排ガスと共に燃焼させる重質成分燃焼炉と、前記気液分離器の温度を検出する気液温度検出手段と、この気液温度検出手段によって前記気液分離器の温度を調節する気液温度調節手段と、前記気液温度検出手段による気液分離器温度に基づいて前記気液温度調節手段で温度を調節する気液分離器温度制御装置とを備え、前記重質成分燃焼炉からの排ガスで前記重質油と反応水及び改質器を加熱すると共に、前記気液分離器温度制御装置による温度調整によって気液分離器からの改質ガスの生成量を調節するように構成したことを特徴とするディーゼルエンジン設備。
【請求項8】
重質油と反応水とを混合して重質成分と軽質成分とに分離する改質器と、この改質器で分離された軽質成分を改質ガスと改質油とに分離する気液分離器と、この気液分離器で分離された改質油を燃料とするディーゼルエンジンと、このディーゼルエンジンによって駆動される発電機と、前記改質器で分離された重質成分を前記ディーゼルエンジンからの排ガスと共に燃焼させる重質成分燃焼炉と、前記気液分離器の温度を検出する気液温度検出手段と、この気液温度検出手段によって前記気液分離器の温度を調節する気液温度調節手段と、前記改質器の温度を測定する改質温度測定手段と、前記発電機の出力と前記改質温度測定手段による改質器温度と前記気液温度調節手段による気液分離器温度に基づいて前記気液分離器の温度を調節する気液分離器温度制御装置とを備え、前記重質成分燃焼炉からの排ガスで前記重質油と反応水及び改質器を加熱すると共に、前記気液分離器温度制御装置による温度調整によって気液分離器からの改質ガスの生成量を調節するように構成したことを特徴とするディーゼルエンジン設備。
【請求項9】
重質油と反応水とを混合して重質成分と軽質成分とに分離する改質器と、この改質器で分離された軽質成分を改質ガスと改質油とに分離する気液分離器と、この気液分離器で分離された改質油を燃料とするディーゼルエンジンと、このディーゼルエンジンによって駆動される発電機とを備え、前記ディーゼルエンジンからの排ガスで前記重質油と反応水及び改質器を加熱するように構成したことを特徴とするディーゼルエンジン設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−77901(P2007−77901A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268043(P2005−268043)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(590000455)財団法人石油産業活性化センター (249)
【Fターム(参考)】