説明

デジタル周波数検出器及びこれを用いたデジタルPLL

【課題】デジタルPLLや周波数シンセサイザなどに使用されるデジタル周波数検出器及びこれを用いたデジタルPLLを提供する。
【解決手段】本デジタル周波数検出器は、第1周波数のハイレベル区間に動作する第1リングオシレータを利用して、第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、第2周波数のハイレベル区間に動作する第2リングオシレータを利用して、第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、第1周波数情報及び第2周波数情報の比を演算し、第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル周波数検出器及びこれを用いたデジタルPLLに関し、より詳細にはデジタルPLL(Phase Locked Loop)や周波数シンセサイザなどに使用されるデジタル周波数検出器及びこれを用いたデジタルPLLに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PLLは、周辺状況によって発生し得る位相及び周波数の変化を検知し、これを調整することにより、固定された位相及び周波数を有する出力信号を得るのに使用される。
【0003】
図1は、一般のPLL(Phase Locked Loop)の概略的な構成を示す図である。
図1に示すように、PLLは、PFD(Phase Frequency Detector)10、Charge Pump30、Loop Filter50、VCO(Voltage Controlled Oscillator)70、及びDivider90を含む。
【0004】
PFD10は、入力周波数(Fcc)と後述されるDivider90から出力される周波数とを比較し、その差に該当するパルス列(pulse string)を出力する。
【0005】
Charge Pump30は、PFD10から出力されたパルス幅に比例する電流を、パルス符号に応じてポンピングする。このようにパルスを電流に変換する過程で電流利得が発生するようになり、この電流利得はPLLの出力が安定する時間(lock time)を始めPLLの性能に大きく影響する。
【0006】
Loop Filter50は、低域通過フィルタ(Low Pass Filter)構造で構成され、ループ動作中に発生するノイズをフィルタリングする。そして、キャパシタを用いて蓄電された電荷量を変化させてVCO70調節端子の電圧を可変する。
【0007】
VCO70は、Loop Filter50から出力される電圧に応じて特定の周波数(Fvco)を出力するが、ここで出力される周波数(Fvco)は高周波である。
Divider90は、PFD10が入力周波数(Fcc)と比較可能な周波数としてVCO70の出力周波数(Fvco)を分周して出力する。
【0008】
以上のPLLは、アナログ方式で周波数を処理する回路であり、アナログ方式の回路は供給電圧が減少すると外部ノイズに対する敏感度が高くなる。最近の半導体の工程の場合、トランジスタの速度が増加する一方供給電圧が減少する傾向にあり、これにより、アナログ領域で設計されていた回路がデジタル領域で設計されている。
このような傾向はPLLの場合においても同様であり、デジタルPLLを実現するにおいて最も大きな問題点は、VCOから出力される高周波信号をデジタル信号に変換すると精度が落ちるという点である。この問題点はデジタルPLLだけではなく、デジタル領域で設計される周波数シンセサイザなどにおいても表れる。
【特許文献1】特開平13−211072号公報
【特許文献2】特開平14−076886号公報
【特許文献3】特開平12−174620号公報
【特許文献4】特開平10−107623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、アナログ領域で設計された回路をデジタル領域に設計するのにおいて、デジタル回路の性能を向上させるために高周波信号の周波数を精度の高いデジタル信号として検出できる、デジタル周波数検出器及びこれを用いたデジタルPLLを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような目的を達成するための本発明の一実施例に係るデジタル周波数検出器は、第1リングオシレータを含み、第1周波数のハイレベル区間に動作する前記第1リングオシレータを利用して、前記第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、第2リングオシレータを含み、第2周波数のハイレベル区間に動作する前記第2リングオシレータを利用して、前記第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、前記第1周波数情報及び前記第2周波数情報の比を演算し、前記第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、を含む。
【0011】
ここで、前記デジタル形式の第1周波数情報及び第2周波数情報は、小数周波数情報及び整数周波数情報を合算した情報であることを特徴とする。
そして、前記第2周波数はクリスタルを介して生成され、その大きさが分る周波数であることが好ましく、前記第1リングオシレータ及び前記第2リングオシレータは同一の周波数で動作することが好ましい。
前記第1リングオシレータは、1つのNANDゲート及び偶数個のインバータが遅延素子として構成される。
また、前記第1リングオシレータは、デファレンシャルタイプ(differential type)のオシレータであることを特徴とする。
【0012】
前記第1リングオシレータは複数の遅延素子を含み、前記第1変換部は、前記第1リングオシレータに備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成され、前記第1周波数の立ち下りエッジ(falling edge)で各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、前記第1リングオシレータの遅延情報として出力する第1ラッチ部と、前記遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する第1エッジ検出部と、前記第1エッジ検出部で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、前記第1リングオシレータの小数周波数情報として出力する第1エンコーダ部と、前記第1リングオシレータの周期をカウントし、整数周波数情報を出力する第1カウンタ部と、前記小数周波数情報及び前記整数周波数情報を合算した前記第1周波数情報を出力する第1合算部と、を含む。
【0013】
ここで、前記第1カウンタ部は、前記第1周波数の立ち上がりエッジから立ち下りエッジまで前記第1リングオシレータから出力されるクロックをカウントして前記整数周波数情報として出力する。
【0014】
前記第2リングオシレータは複数の遅延素子を含み、前記第2変換部は、前記第2リングオシレータに備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成され、前記第2周波数の立ち下りエッジ(falling edge)で各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、前記第2リングオシレータの遅延情報として出力する第2ラッチ部と、前記遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する第2エッジ検出部と、前記第2エッジ検出部で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、前記第2リングオシレータの小数周波数情報として出力する第2エンコーダ部と、前記第2リングオシレータの周期をカウントし、整数周波数情報を出力する第2カウンタ部と、前記小数周波数情報及び前記整数周波数情報を合算した前記第2周波数情報を出力する第2合算部と、を含む。
【0015】
ここで、前記第2カウンタ部は、前記第2周波数の立ち上がりエッジから立ち下りエッジまで前記第2リングオシレータから出力されるクロックをカウントして前記整数周波数情報として出力する。
【0016】
そして、本発明の他のデジタル周波数検出器は、リングオシレータを含み、前記リングオシレータを利用して第1周波数及び第2周波数をそれぞれ量子化する量子化部と、前記第1周波数に対して量子化された情報を利用して前記第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、前記第2周波数に対して量子化された情報を利用して前記第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、前記第1周波数情報及び前記第2周波数情報の比を演算し、前記第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、を含む。
【0017】
ここで、前記デジタル形式の第1周波数情報及び第2周波数情報は、小数周波数情報及び整数周波数情報を合算した情報であることを特徴とする。
そして、前記第2周波数はクリスタルを介して生成され、その大きさが分る周波数であることが好ましく、前記リングオシレータはフィードバックループに奇数個のインバータが遅延素子として構成されることが好ましい。
また、前記リングオシレータは、デファレンシャルタイプ(differential type)のオシレータであることを特徴とする。
【0018】
前記リングオシレータは複数の遅延素子を含み、前記量子化部は、前記リングオシレータに備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成され、前記第1周波数の立ち上りエッジ(rising edge)で各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、前記リングオシレータの第1遅延情報として出力する第1ラッチ部と、前記リングオシレータに備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成され、前記第2周波数の立ち上りエッジで各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、前記リングオシレータの第2遅延情報として出力する第2ラッチ部と、前記リングオシレータの周期を前記第1周波数の1周期の間カウントして第1整数位相情報を出力し、前記リングオシレータの周期を前記第2周波数の1周期の間カウントして第2整数位相情報を出力するカウンタ部と、を含む。
【0019】
前記第1変換部は、前記第1遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する第1エッジ検出部と、前記第1エッジ検出部で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、前記リングオシレータの第1小数位相情報として出力する第1エンコーダ部と、前記第1小数位相情報及び前記第1整数位相情報を合算した第1位相情報を出力する第1合算部と、前記第1位相情報を微分して前記第1周波数情報として出力する第1微分器と、を含む。
【0020】
前記第2変換部は、前記第2遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する第2エッジ検出部と、前記第2エッジ検出部で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、前記リングオシレータの第2小数位相情報として出力する第2エンコーダ部と、前記第2小数位相情報及び前記第2整数位相情報を合算した第2位相情報を出力する第2合算部と、前記第2位相情報を微分して前記第2周波数情報として出力する第2微分器と、を含む。
【0021】
また、本発明の他のデジタル周波数検出器は、前記第1周波数及び前記第2周波数を前記リングオシレータで発生されるクロックを利用して再整列した後、それぞれ前記第1変換部及び前記第2変換部のクロックに提供するリタイマーを更に含むことが好ましい。
【0022】
前記リタイマーは、前記第1周波数を前記リングオシレータで発生されるクロックに応じてラッチする第1ラッチと、前記第2周波数を前記リングオシレータで発生されるクロックに応じてラッチする第2ラッチと、を含む。
【0023】
一方、本発明のデジタル検出器を用いたデジタルPLLは、第1デジタル周波数と第2デジタル周波数とを比較してその差に該当する誤差値を出力する検出部と、前記検出部で出力された誤差値が予め設定された許容範囲に含まれるように、前記誤差値に応じて出力周波数を制御するための制御値を調節して出力するフィルタ部と、前記フィルタ部で出力される前記制御値に応じて、固定周波数発振器から入力される固定周波数を制御して高周波の発振周波数を出力する発振器と、前記発振周波数に対するデジタル形式の周波数情報及びその大きさが分る基準周波数に対するデジタル形式の周波数情報の比を利用し、前記第2デジタル周波数を出力するデジタル周波数検出器と、を含む。
【0024】
そして、本発明のデジタル検出器を用いたデジタルPLLは、前記発振器で出力される高周波の発振周波数を所定の整数に分周して低周波の発振周波数として出力する分配器と、前記検出器で出力された前記第2デジタル周波数に前記整数を乗算して高周波の前記第2デジタル周波数として出力する乗算器と、を更に含むことが好ましい。
【0025】
ここで、前記デジタル周波数検出器は、第1リングオシレータを含み、第1周波数のハイレベル区間に動作する前記第1リングオシレータを利用して、前記第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、第2リングオシレータを含み、第2周波数のハイレベル区間に動作する前記第2リングオシレータを利用して、前記第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、前記第1周波数情報及び前記第2周波数情報の比を演算し、前記第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、を含む。
【0026】
又は、前記デジタル周波数検出器は、リングオシレータを含み、前記リングオシレータを利用して第1周波数及び第2周波数をそれぞれ量子化する量子化部と、前記第1周波数に対して量子化された情報を利用して前記第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、前記第2周波数に対して量子化された情報を利用して前記第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、前記第1周波数情報及び前記第2周波数情報の比を演算し、前記第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、リングオシレータを用いて高周波信号の周波数を精度の高いデジタル信号として検出することにより、アナログ領域で設計された回路をデジタル領域に設計するのにおいて、高性能のデジタル周波数検出器を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付の図面に基づいて本発明の好適な実施形態を詳述する。
まず、各図面の構成要素に参照符号を付するのにおいて、同一構成要素に対しては他の図面上に表示されるとしてもできる限り同一符号を有することに留意しなければならない。また、本発明を説明するのにおいて、関連する公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明を不明にすると判断される場合は詳細説明を省略する。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態に係るデジタル周波数検出器の概略的な構成を示す図である。
図2に示すように、本発明のデジタル周波数検出器100は、第1変換部120、第2変換部140、および演算部160を含む。
【0030】
第1変換部120は、発振周波数(FVCO)をデジタル信号に変換し、第1ラッチ部121、第1リングオシレータ122、第1エッジ検出部123、第1カウンタ部124、第1エンコーダ部125、及び第1合算部126を含む。
【0031】
第1リングオシレータ122は、フィードバックループに接続された複数の遅延素子によって構成され、一定の周波数のクロックを発生する。第1リングオシレータ122は 発振周波数(FVCO)の状態がロウレベルであれば動作せずに、発振周波数(FVCO)の状態がハイレベルであれば動作する。
【0032】
第1ラッチ部121は、第1リングオシレータ122に備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成される。このような第1ラッチ部121は、発振周波数(FVCO)の立ち下りエッジで各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、第1リングオシレータ122の第1遅延情報として出力する。
【0033】
第1エッジ検出部123は、第1ラッチ部121から出力される第1遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する。
【0034】
第1エンコーダ部125は、第1エッジ検出部123で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、第1リングオシレータ122の第1小数周波数情報として出力する。
【0035】
第1カウンタ部124は、第1リングオシレータ122の周期をカウントしてカウンタ情報を出力する。すなわち、第1カウンタ部124は発振周波数(FVCO)の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまで第1リングオシレータ122から出力されるクロックをカウントし、第1整数周波数情報として出力する。
【0036】
第1合算部126は、第1エンコーダ部125から出力された第1小数周波数情報と第1カウンタ部124から出力された第1整数周波数情報とを合算した第1周波数情報を出力する。
【0037】
第2変換部140は、基準周波数(Fref)をデジタル信号に変換し、第2ラッチ部141、第2リングオシレータ142、第2エッジ検出部143、第2カウンタ部144、第2エンコーダ部145、及び第2合算部146を含む。ここで、基準周波数(Fref)はクリスタルを介して生成され、その大きさが分る周波数である。
【0038】
第2リングオシレータ142は、フィードバックループに接続された複数の遅延素子によって構成され、第1リングオシレータ122と同一の周波数のクロックを発生する。このような第2リングオシレータ142は、基準周波数(Fref)の状態がロウレベルであれば動作せずに、基準周波数(Fref)の状態がハイレベルであれば動作する。
【0039】
第2ラッチ部141は、第2リングオシレータ142に備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成される。このような第2ラッチ部141は、基準周波数(Fref)の立ち下りエッジで各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、第2リングオシレータ142の第2遅延情報として出力する。
【0040】
第2エッジ検出部143は、第2ラッチ部141から出力される第2遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する。
【0041】
第2エンコーダ部145は、第2エッジ検出部143で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、第2リングオシレータ142の第2小数周波数情報として出力する。
【0042】
第2カウンタ部144は、第2リングオシレータ142の周期をカウントしてカウンタ情報を出力する。すなわち、第2カウンタ部144は基準周波数(Fref)の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまで第2リングオシレータ142から出力されるクロックをカウントし、第2整数周波数情報として出力する。
【0043】
第2合算部146は、第2エンコーダ部145から出力された第2小数周波数情報と第2カウンタ部144から出力された第2整数周波数情報とを合算した第2周波数情報を出力する。
【0044】
演算部160は、第1変換部120及び第2変換部140から出力された周波数の比を算出してデジタル周波数(Fdig)を出力する。すなわち、第1変換部120から出力された第1周波数情報が「a」であり、第2変換部140から出力された第2周波数情報を「b」とすると、演算部160は、b/a=Fvco/Fref=Fdigを演算する。ここで、基準周波数(Fref)はクリスタルを介して生成されその大きさが分る周波数であるため、デジタル周波数(Fdig)は、入力される発振周波数(Fvco)をデジタルに変換した値になる。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態に係るデジタル周波数検出器の第1変換部120の構成を詳細に例示した図であり、図4は図3に示された第1変換部120の動作を説明するためのタイミング図である。
図3に示すように、第1リングオシレータ122は、遅延素子として1つのNANDゲート及び10個のインバータを備える。第1リングオシレータ122は、NANDゲートの出力に10個のインバータを接続し、NANDゲートの入力に再びフィードバックさせるように構成される。このような構成により、発振周波数(FVCO)の状態がロウレベルであれば動作せずに、発振周波数(FVCO)の状態がハイレベルになると動作する。
【0046】
図示していないが、第1リングオシレータ122はNANDゲート及びインバータを組み合わせたデファレンシャルタイプ(differential type)のリングオシレータに構成することもできる。
【0047】
そして、第1リングオシレータ122に備えられた各遅延素子に与えられている番号0乃至10は、遅延情報を二進情報にエンコードして小数位相情報を得るために使用される。この場合、第1ラッチ部121には第1リングオシレータ122の遅延素子の個数に該当する11個のラッチが備えられる。
【0048】
第1カウンタ部124は、発振周波数(FVCO)の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまで第1リングオシレータ122から出力されるクロックをカウントするカウンタ(CNT)と、カウントされた値を一時保存して出力するラッチとで構成される。
【0049】
図4に示すように、発振周波数(FVCO)の立ち上がりエッジ(Tsrt)から立ち下がりエッジ(Tedg)まで、第1カウンタ部124は、第1リングオシレータ122から出力されるクロックの数をカウントしてカウントした値6を出力する。そして、第1ラッチ部121は、各ノード(a、b、c、…k)の状態を一時的に保存して第1遅延情報である「00001111100」を出力する。
【0050】
第1エッジ検出部123は、第1遅延情報「00001111100」から第1ラッチ部121から出力される信号の状態が「1」から「0」に変更する遅延素子9を検出する。ここで、第1エンコーダ部125は、数字9を第1リングオシレータ122に備えられた全体インバータ数の11で割って9/11=0.8181を第1小数周波数情報として出力する。
【0051】
そして、第1合算部126は、第1カウンタ部124から出力された第1整数周波数情報である6と、第1エンコーダ部125から出力された第1小数周波数情報である0.8181とを合算し、第1周波数情報である6.8181を出力する。
【0052】
第2変換部140の詳細な構成及び動作は図3及び図4において説明した第1変換部120の構成及び動作と同様であるためここでは省略する。
以上のように、デジタル周波数検出器100は、同一の周波数で動作するリングオシレータ122、142を利用して、大きさが分る基準周波数(Fref)に対する比率で、発振周波数(FVCO)をデジタル周波数として検出することができるようになる。
【0053】
図5は、本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器の概略的な構成を示す図である。
図5に示すように、本発明のデジタル周波数検出器200は、量子化部210、第1変換部230、第2変換部250、演算部270、及びリタイマー(Re−timer)290を含む。
【0054】
量子化部210は、発振周波数(FVCO)及び基準周波数(Fref)をそれぞれ量子化して出力する。このような量子化部210は、リングオシレータ212、第1ラッチ部214、第2ラッチ部216、及びカウンタ部218を含む。ここで、基準周波数(Fref)はクリスタルを介して生成され、その大きさが分る周波数である。
【0055】
リングオシレータ212は、フィードバックループに奇数個の遅延素子が接続されて構成され、一定の周波数のクロックを発生する。
【0056】
第1ラッチ部214は、リングオシレータ212に備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成される。このような第1ラッチ部214は発振周波数(FVCO)の立ち上がりエッジ(rising edge)で各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、リングオシレータ212の第1遅延情報として出力する。
【0057】
第2ラッチ部216も同様に、リングオシレータ212に備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成される。このような第2ラッチ部216は基準周波数(Fref)の立ち上がりエッジで各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、リングオシレータ212の第2遅延情報として出力する。
【0058】
カウンタ部218は、リングオシレータ212の周期をカウントしてカウンタ情報を出力する。すなわち、カウンタ部218は、発振周波数(FVCO)の1周期の間リングオシレータ212から出力されるクロックをカウントし、第1整数位相情報として出力する。また、カウンタ部218は、基準周波数(Fref)の1周期の間リングオシレータ212から出力されるクロックをカウントし、第2整数位相情報として出力する。
【0059】
第1変換部230は、第1ラッチ部214から出力される第1遅延情報及びカウンタ部218から出力される第1整数位相情報を第1デジタル周波数に変換して出力する。このような第1変換部230は、第1エッジ検出部232、第1エンコーダ部234、第1合算部236、及び第1微分器238を含む。
【0060】
第1エッジ検出部232は、第1ラッチ部214から出力される第1遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する。
【0061】
第1エンコーダ部234は、第1エッジ検出部232で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、リングオシレータ212の第1小数位相情報として出力する。
【0062】
第1合算部236は、第1エンコーダ部234から出力される第1小数位相情報とカウンタ部218から出力される第1整数位相情報とを合算して、第1位相情報として出力する。
【0063】
第1微分器238は、後述されるリタイマー290から提供される第1リタイミングクロック(VCO)に応じて、第1位相情報を微分して第1デジタル周波数として出力する。
【0064】
第2変換部250は、第2ラッチ部216から出力される第2遅延情報及びカウンタ部218から出力される第2整数位相情報を第2デジタル周波数に変換して出力する。このような第2変換部250は、第2エッジ検出部252、第2エンコーダ部254、第2合算部256、及び第2微分器258を含む。
【0065】
第2エッジ検出部252は、第2ラッチ部216から出力される第2遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する。
【0066】
第2エンコーダ部254は、第2エッジ検出部252から検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、リングオシレータ212の第2小数位相情報として出力する。
【0067】
第2合算部256は、第2エンコーダ部254から出力される第2小数位相情報とカウンタ部218から出力される第2整数位相情報とを合算して、第2位相情報として出力する。
【0068】
第2微分器258は、後述されるリタイマー290から提供される第2リタイミングクロック(ref)に応じて、第2位相情報を微分して第2デジタル周波数として出力する。
【0069】
演算部270は、第1変換部230から出力される第1デジタル周波数及び第2変換部250から出力される第2デジタル周波数の比を演算し、デジタル周波数(Fdig)を出力する。
リタイマー290は、発振周波数(FVCO)及び基準周波数(Fref)をリングオシレータ212から発生されるクロックを利用して再整列した後、第1リタイミングクロック(VCO)及び第2リタイミングクロック(ref)に出力し、第1微分器238および第2微分器258に提供する。
【0070】
図6乃至図9は、本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器200の動作を説明するための図である。
図6は本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器200の量子化部210の構成を詳細に例示した図、図7は図6に示された量子化部210に使用されたリングオシレータ212を示す図、図8は本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器200の動作を説明するためのタイミング図、そして図9は本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器200の変換部230、250の動作を説明するための図である。
【0071】
図6に示すように、量子化部210は、フィードバックループに9個の遅延素子が接続されて構成されたリングオシレータ212、9個のラッチで構成された第1ラッチ部214、及び9個のラッチで構成された第2ラッチ部216を含む。
【0072】
ここで、9個の遅延素子はインバータで構成しても良く、それぞれのインバータは一つの信号が入力された後、反転させて出力する。すなわち、インバータ1はノードaの信号を反転させてノードbの信号として出力し、インバータ2はノードbの信号を反転させてノードcの信号として出力する。インバータ3〜8及びインバータ0も、インバータ1、2と同様に動作し、リングオシレータ212は一定の周波数のクロックを発生する。
図示していないが、リングオシレータ212はNANDゲート及びインバータを組み合わせたデファレンシャルタイプのリングオシレータで構成しても良い。
【0073】
第1ラッチ部214及び第2ラッチ部216は、リングオシレータ212に備えられたインバータの数と同一数のラッチをそれぞれ備え、図6に示すように構成されノードa乃至ノードiで検出した信号の状態を一時的に保存し、第1変換部230及び第2変換部250に出力する。
【0074】
図7に示すように、第1ラッチ部214及び第2ラッチ部から出力される遅延情報はリングオシレータ212の位相情報で見ることができ、各遅延素子に与えられた番号0乃至8は遅延情報を二進情報にエンコードして小数位相情報を得るために使用される。小数位相情報を得る方法に関しては図8に基づいて説明する。
【0075】
図8に示すように、第1ラッチ部214を構成する9個のラッチは、発振周波数(FVCO)の第1立ち上がりエッジ(TV1)においてノードa乃至ノードiで検出した信号の状態を一時的に保存して「011110000」を出力する。ここで、第1エッジ検出部232は第1立ち上がりエッジ(TV1)において信号の状態を「1」から「0」に変更するインバータ4を検出する。そして、第1エンコーダ部234は、数字4をリングオシレータ212に備えられた全体インバータ数9で割って4/9=0.444を第1小数位相情報として出力する。
【0076】
第2ラッチ部216を構成する9個のラッチは、基準周波数(Fref)の第1立ち上がりエッジ(TR1)においてノードa乃至ノードiで検出した信号の状態を一時的に保存して「100001111」を出力する。ここで、第2エッジ検出部252は第1立ち上がりエッジ(TR1)において信号の状態を「1」から「0」に変更するインバータ0を検出する。そして、第2エンコーダ部254は、0/9=0を第2小数位相情報として出力する。
【0077】
カウンタ(CNT)は、リングオシレータ212から出力されるクロック数をカウントし、カウンタ(CNT)に接続された発振ラッチ(D)は第1立ち上がりエッジ(TV1)においてリングオシレータ212から出力されるクロック数を一時的に保存して第1整数位相情報として出力する。そして、カウンタ(CNT)に接続された基準ラッチ(D)は第1立ち上がりエッジ(TR1)においてリングオシレータ212から出力されるクロック数を一時的に保存して第2整数位相情報として出力する。
【0078】
図8及び図9に示すように、発振周波数(FVCO)のデジタル周波数は次の数1のように、リングオシレータ212の周波数を発振周波数(FVCO)で割り算することにより求められる。
【0079】
【数1】

【0080】
数1において、freq(n)は第n立ち上がりエッジ(TVn)で検出されるデジタル周波数、CNT(n)は第n立ち上がりエッジ(TVn)で出力される第1整数位相情報、CNT(n-1)は第n-1立ち上がりエッジ(TVn-1)で出力される第1整数位相情報、fr(n)は第n立ち上がりエッジ(TVn)で出力される第1小数位相情報、そして、fr(n-1)は第n-1立ち上がりエッジ(TVn-1)で出力される第1小数位相情報である。
結局、デジタル周波数freq(n)=(CNT(n)-CNT(n-1))+(fr(n)-fr(n-1))になることが分る。基準周波数(Fref)のデジタル周波数も、発振周波数(FVCO)のデジタル周波数を求める方法と同様の方法で求めることができる。
【0081】
従って、図8に示すタイミング図を参照して、第1ないし第3立ち上がりエッジ(TV1乃至TV3)において第1エンコーダ部234から出力される小数位相情報(fr)は次の数2の通りである。
【0082】
【数2】

【0083】
数1及び数2を参照して、デジタル周波数を演算すると、次の数3のような第1デジタル周波数(dFVCO)が第1変換部230から出力される。
【0084】
【数3】

【0085】
同様に、第1ないし第3立ち上がりエッジ(TR1乃至TR3)で第2エンコーダ部254から出力される小数位相情報(fr)は次の数4の通りである。
【0086】
【数4】

【0087】
数1及び数4を参照して、デジタル周波数を演算すると、次の数5のような第2デジタル周波数(dFref)が第2変換部250から出力される。
【0088】
【数5】

【0089】
最後に、演算部270は、第1変換部230から出力される第1デジタル周波数(dFVCO)及び第2変換部250から出力される第2デジタル周波数(dFref)の比を演算してデジタル周波数(Fdig)を出力する。出力される最終のデジタル周波数(Fdig)は次の数6のように演算されて出力される。
【0090】
【数6】

【0091】
図10は、本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器のリタイマー290の構成を示す図である。
図10に示すように、リタイマー290は2つのラッチを備え、それぞれのラッチは発振周波数(FVCO)及び基準周波数(Fref)をリングオシレータ212から発生されるクロック(Ring OSC)を利用して再整列した後、第1リタイミングクロック(VCO)及び第2リタイミングクロック(ref)として出力する。
【0092】
図11は、本発明の全実施形態に係るデジタル周波数検出器が適用されたデジタルPLLの概略的な構成を示す図である。
図11に示すように、デジタルPLLは、検出器310、DLF(Digital Loop Filter)320、DCO(Digital Controlled Oscillator)330、分配器340、DFD(Digital Frequency Detector)350、及び乗算器360を含む。
【0093】
検出器310は、入力周波数(Fcc)と後述される乗算器360から出力される周波数(Fdig)とを比較し、その差に該当する誤差値を出力する。
【0094】
DLF320は、検出器310から出力された誤差値がデジタルPLLの許容範囲より大きい場合、出力される発振周波数(FVCO)を制御する制御値を誤差値に応じて調節して出力する。
【0095】
DCO330は、DLF320から出力される制御値に応じて、固定周波数発振器(図示せず)から入力される固定周波数を制御して高周波の発振周波数(FVCO)を出力する。
【0096】
分配器340は、DCO330から出力される高周波の発振周波数(FVCO)を所定の整数値(N)に分周して低周波の発振周波数(FVCO)として出力する。
【0097】
DFD350は、低周波の発振周波数(FVCO)及び基準周波数(Fref)の比をデジタル値に変換してデジタル周波数(Fdig)として出力し、このようなDFD350としては、本発明の全実施形態に係るデジタル周波数検出器100、200が適用される。
【0098】
乗算器360は、DFD350から出力されるデジタル周波数(Fdig)に整数値(N)を乗算して高周波のデジタル周波数(Fdig)として出力する。
このように、本発明のデジタル周波数検出器100、200を適用して両周波数の比をデジタル値に変換することにより、デジタルPLLを実現することができ、デジタル領域で設計される周波数シンセサイザなどにも本発明のデジタル周波数検出器100、200を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】一般的なPLL(Phase Locked Loop)の概略的な構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデジタル周波数検出器の概略的な構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るデジタル周波数検出器の第1変換部の構成を詳細に例示した図である。
【図4】図3に示された第1変換部の動作を説明するためのタイミング図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器の概略的な構成を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器の量子化部の構成を詳細に例示した図である。
【図7】図6に示された量子化部に使用されたリングオシレータを示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器の動作を説明するためのタイミング図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器の変換部の動作を説明するための図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るデジタル周波数検出器のリタイマーの構成を示す図である。
【図11】本発明の全実施形態に係るデジタル周波数検出器が適用されたデジタルPLLの概略的な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
100 デジタル周波数検出器
120 第1変換部
121 第1ラッチ部
123 第1エッジ検出部
125 第1エンコーダ部
126 第1合算部
122 第1リングオシレータ
124 第1カウンタ部
140 第2変換部
141 第1ラッチ部
143 第2エッジ検出部
145 第2エンコーダ部
146 第2合算部
142 第2リングオシレータ
144 第2カウンタ部
160 演算部
200 デジタル周波数検出器
210 量子化部
212 リングオシレータ
214 第1ラッチ部
216 第1ラッチ部
218 カウンタ部
230 第1変換部
232 第1エッジ検出部
234 第1エンコーダ部
236 第1合算部
238 第1微分器
250 第2変換部
252 第2エッジ検出部
254 第2エンコーダ部
256 第2合算部
258 第2微分器
270 演算部
290 リタイマー
350 デジタル周波数検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リングオシレータを含み、第1周波数のハイレベル区間に動作する前記第1リングオシレータを利用して、前記第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、
第2リングオシレータを含み、第2周波数のハイレベル区間に動作する前記第2リングオシレータを利用して、前記第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、
前記第1周波数情報及び前記第2周波数情報の比を演算し、前記第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、
を含むことを特徴とするデジタル周波数検出器。
【請求項2】
前記デジタル形式の第1周波数情報及び第2周波数情報は、小数周波数情報及び整数周波数情報を合算した情報であることを特徴とする請求項1に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項3】
前記第2周波数はクリスタルを介して生成され、その大きさが分る周波数であることを特徴とする請求項1に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項4】
前記第1リングオシレータ及び前記第2リングオシレータは同一の周波数で動作することを特徴とする請求項1に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項5】
前記第1リングオシレータは、
1つのNANDゲート及び偶数個のインバータが遅延素子として構成されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項6】
前記第1リングオシレータは、デファレンシャルタイプ(differential type)のオシレータであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項7】
前記第1リングオシレータは複数の遅延素子を含み、
前記第1変換部は、
前記第1リングオシレータに備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成され、前記第1周波数の立ち下りエッジ(falling edge)で各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、前記第1リングオシレータの遅延情報として出力する第1ラッチ部と、
前記遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する第1エッジ検出部と、
前記第1エッジ検出部で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、前記第1リングオシレータの小数周波数情報として出力する第1エンコーダ部と、
前記第1リングオシレータの周期をカウントし、整数周波数情報を出力する第1カウンタ部と、
前記小数周波数情報及び前記整数周波数情報を合算した前記第1周波数情報を出力する第1合算部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項8】
前記第1カウンタ部は、前記第1周波数の立ち上がりエッジから立ち下りエッジまで前記第1リングオシレータから出力されるクロックをカウントして前記整数周波数情報として出力することを特徴とする請求項7に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項9】
前記第2リングオシレータは複数の遅延素子を含み、
前記第2変換部は、
前記第2リングオシレータに備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成され、前記第2周波数の立ち下りエッジ(falling edge)で各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、前記第2リングオシレータの遅延情報として出力する第2ラッチ部と、
前記遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する第2エッジ検出部と、
前記第2エッジ検出部で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、前記第2リングオシレータの小数周波数情報として出力する第2エンコーダ部と、
前記第2リングオシレータの周期をカウントし、整数周波数情報を出力する第2カウンタ部と、
前記小数周波数情報及び前記整数周波数情報を合算した前記第2周波数情報を出力する第2合算部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項10】
前記第2カウンタ部は、前記第2周波数の立ち上がりエッジから立ち下りエッジまで前記第2リングオシレータから出力されるクロックをカウントして前記整数周波数情報として出力することを特徴とする請求項9に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項11】
リングオシレータを含み、前記リングオシレータを利用して第1周波数及び第2周波数をそれぞれ量子化する量子化部と、
前記第1周波数に対して量子化された情報を利用して前記第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、
前記第2周波数に対して量子化された情報を利用して前記第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、
前記第1周波数情報及び前記第2周波数情報の比を演算し、前記第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、
を含むことを特徴とするデジタル周波数検出器。
【請求項12】
前記デジタル形式の第1周波数情報及び第2周波数情報は、小数周波数情報及び整数周波数情報を合算した情報であることを特徴とする請求項11に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項13】
前記第2周波数はクリスタルを介して生成され、その大きさが分る周波数であることを特徴とする請求項11に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項14】
前記リングオシレータは、フィードバックループに奇数個のインバータが遅延素子として構成されることを特徴とする請求項11に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項15】
前記リングオシレータは、デファレンシャルタイプ(differential type)のオシレータであることを特徴とする請求項11に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項16】
前記リングオシレータは複数の遅延素子を含み、
前記量子化部は、
前記リングオシレータに備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成され、前記第1周波数の立ち上りエッジ(rising edge)で各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、前記リングオシレータの第1遅延情報として出力する第1ラッチ部と、
前記リングオシレータに備えられた遅延素子の数に該当するラッチで構成され、前記第2周波数の立ち上りエッジで各遅延素子を通過した信号の状態を一時的に保存し、前記リングオシレータの第2遅延情報として出力する第2ラッチ部と、
前記リングオシレータの周期を前記第1周波数の1周期の間カウントして第1整数位相情報を出力し、前記リングオシレータの周期を前記第2周波数の1周期の間カウントして第2整数位相情報を出力するカウンタ部と、
を含むことを特徴とする請求項12に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項17】
前記第1変換部は、
前記第1遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する第1エッジ検出部と、
前記第1エッジ検出部で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、前記リングオシレータの第1小数位相情報として出力する第1エンコーダ部と、
前記第1小数位相情報及び前記第1整数位相情報を合算した第1位相情報を出力する第1合算部と、
前記第1位相情報を微分して前記第1周波数情報として出力する第1微分器と、
を含むことを特徴とする請求項16に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項18】
前記第2変換部は、
前記第2遅延情報の状態を「1」から「0」に変更する遅延素子を検出する第2エッジ検出部と、
前記第2エッジ検出部で検出された遅延素子の位置を二進情報にエンコードし、前記リングオシレータの第2小数位相情報として出力する第2エンコーダ部と、
前記第2小数位相情報及び前記第2整数位相情報を合算した第2位相情報を出力する第2合算部と、
前記第2位相情報を微分して前記第2周波数情報として出力する第2微分器と、
を含むことを特徴とする請求項16に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項19】
前記第1周波数及び前記第2周波数を前記リングオシレータで発生されるクロックを利用して再整列した後、それぞれ前記第1変換部及び前記第2変換部のクロックに提供するリタイマーを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項20】
前記リタイマーは、
前記第1周波数を前記リングオシレータで発生されるクロックに応じてラッチする第1ラッチと、
前記第2周波数を前記リングオシレータで発生されるクロックに応じてラッチする第2ラッチと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載のデジタル周波数検出器。
【請求項21】
第1デジタル周波数と第2デジタル周波数とを比較してその差に該当する誤差値を出力する検出部と、
前記検出部で出力された誤差値が予め設定された許容範囲に含まれるように、前記誤差値に応じて出力周波数を制御するための制御値を調節して出力するフィルタ部と、
前記フィルタ部で出力される前記制御値に応じて、固定周波数発振器から入力される固定周波数を制御して高周波の発振周波数を出力する発振器と、
前記発振周波数に対するデジタル形式の周波数情報及びその大きさが分る基準周波数に対するデジタル形式の周波数情報の比を利用し、前記第2デジタル周波数を出力するデジタル周波数検出器と、
を含むことを特徴とするデジタルPLL(Phase Locked Loop)。
【請求項22】
前記発振器から出力される高周波の発振周波数を所定の整数に分周して低周波の発振周波数に出力する分配器と、
前記検出器から出力された前記第2デジタル周波数に前記整数を乗算して高周波の前記第2デジタル周波数に出力する乗算器と、
を更に含むことを特徴とする請求項21に記載のデジタルPLL。
【請求項23】
前記デジタル周波数検出器は、
第1リングオシレータを含み、第1周波数のハイレベル区間に動作する前記第1リングオシレータを利用して、前記第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、
第2リングオシレータを含み、第2周波数のハイレベル区間に動作する前記第2リングオシレータを利用して、前記第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、
前記第1周波数情報及び前記第2周波数情報の比を演算し、前記第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、
を含むことを特徴とする請求項21に記載のデジタルPLL。
【請求項24】
前記デジタル周波数検出器は、
リングオシレータを含み、前記リングオシレータを利用して第1周波数及び第2周波数をそれぞれ量子化する量子化部と、
前記第1周波数に対して量子化された情報を利用して前記第1周波数をデジタル形式の第1周波数情報として出力する第1変換部と、
前記第2周波数に対して量子化された情報を利用して前記第2周波数をデジタル形式の第2周波数情報として出力する第2変換部と、
前記第1周波数情報及び前記第2周波数情報の比を演算し、前記第1周波数に対するデジタル周波数を出力する演算部と、
を含むことを特徴とする請求項21に記載のデジタルPLL。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−5362(P2009−5362A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164826(P2008−164826)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】