デジタル放送受信装置
【課題】放送装置や周波数配置の多様化のために、或る放送局の受信から、別の放送局(ギャップフィラーや別の地区の放送局など)の受信への切り替えをスムーズかつシームレスに行うことが極めて困難であった。
【解決手段】同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置(100)は、同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部(140)と、デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、当該受信しているデジタル放送のチャンネル番号に対応付けられた、記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部(110)とを具える。
【解決手段】同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置(100)は、同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部(140)と、デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、当該受信しているデジタル放送のチャンネル番号に対応付けられた、記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部(110)とを具える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルテレビジョン放送やデジタル音声放送などのデジタル放送システムのデジタル放送受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本国において運用されている地上デジタルテレビジョン放送は、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式と呼ばれ、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を採用している。このISDB−T方式は、一つのチャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、そのうちの1個のセグメント(中央のセグメント番号0)を、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末用の地上デジタル放送、いわゆる1セグ放送に割り当てている。
【0003】
近年、上述したようなデジタル放送を視聴する機能を搭載した携帯端末が普及してきている。デジタル放送は、地区により放送されている放送局、チャンネル、或いは番組が変わることが多い。携帯端末のデジタル放送受信機能を利用している際には、その性質上、ユーザが携帯端末を携行して移動することが多く、放送地区をまたぐ機会が往々にしてある。また、郊外から都市に通勤・通学しているユーザなどは、在宅時と職場・学校において異なる放送エリアとなることも多い。そのような状況になった場合、従来の携帯端末は受信不可能な旨を示す。或いは、チャンネルスキャンを開始し、系列局が見つかった場合には系列局のチャンネルに選局して受信動作を行う。このようなチャンネルスキャンは、数秒以上の時間が掛かりユーザにストレスを感じさせる。また、スキャンに成功して系列局を受信したとしても、同一番組が放送されていない恐れもある。そこで、チャンネルスキャンの所要時間を短縮化するために、選局の制御手法を改善する従来技術が、多数提案されている(例えば、特許文献1を参照されたい。)。
【0004】
また、上記のISDB−T方式を採用する放送装置として、最近では、例えば、複数の放送局のデジタル放送波を受信して、それぞれ1セグ放送を抜き出し、それらを連結して上記の放送局のチャンネルとは異なる所定のチャンネルで再送信するようにした放送装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、放送局のデジタル放送波から抜き出した1セグ放送に加えて、独自コンテンツを連結して、所定のチャンネルで送信するように構成した放送装置も提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−325622号公報
【特許文献2】特開2006−109283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1の技術は、チャンネルスキャンの時間を多少低減できるが、チャンネルスキャン処理を行うことは必須であるため、ユーザがストレスを感じなくなる程度まで時間を短縮することは難しい。また、特許文献1の技術もそうであるが、基本的に据え置き型のデジタル放送受信装置を対象とした技術であるため、受信装置が移動して受信状態や受信している放送局が変化した状況に対応することはできない。また、ギャップフィラーやスポット的な形式の放送装置には独自放送と呼ばれるその装置固有の放送が存在することがある。従来技術のようにスキャンして系列局を見付けるだけでは、独自放送の存在に気付かない。ユーザ自身が独自放送を探す行動を起こさなければならない。また、番組表を表示させる際にも、独自チャンネル(独自放送)のものを表示させることは困難である。
【0007】
さらに、上記の特許文献2に記載のように、所定のチャンネルの各セグメントを1セグ放送で構成して放送する場合には、放送地域が変わると、サービスのセグメント配置が変わることが考えられる。特に、上述した既存のサービスに独自コンテンツを追加して放送する場合には、放送地域が変わると、独自コンテンツやそのセグメント配置が変わる可能性が高くなる。
【0008】
このため、当該チャンネルにおけるサービスのセグメント配置をユーザが把握して、所望の1セグ放送を部分受信するには、当該チャンネルの放送局のウェブサイトにアクセスして、サービスのセグメント配置情報を取得したり、電子メールを経由して通知してもらったり、或いは、当該チャンネルのセグメントをスキャンして、サービスのセグメント配置を把握したりする必要がある。また、仮に、放送中のセグメントの配置を把握できたとしても、どのセグメントでどのようなサービス(番組)が放送されているかを把握することができないという問題がある。
【0009】
しかしながら、放送局のウェブサイトからサービスのセグメント配置情報を取得するには、取得毎に放送局のウェブサイトにアクセスする必要があるため、取得に時間がかかるとともに、通信費がかかることが懸念される。また、チャンネル内のセグメントをスキャンしてサービスのセグメント配置情報を把握する場合には、全てのサービスのセグメント配置情報を把握するのに、時間がかかることが懸念される。
【0010】
また、上記技術に限らず、所定のチャンネルにおいて、独自コンテンツのみを(連結)して放送することも考えられる。しかし、この場合においても、当該チャンネルにおけるサービスのセグメント配置を把握するには、上述した場合と同様に、当該チャンネルの放送局のウェブサイトにアクセスしたり、当該チャンネルのセグメントをスキャンしたりする必要があるため、同様の問題が生じることになる。
【0011】
また、ISDB−Tsb(ISDB for Terrestrial Sound Broadcasting)を採用する地上デジタル音声放送においても、放送地域に応じて、サービスのセグメント配置を変更したり、独自コンテンツを追加したりすることが考えられるが、これらの場合にも、同様の問題が生じることになる。
【0012】
即ち、従来のデジタル放送技術は、放送装置や周波数配置の多様化のために、或る放送局の受信から、別の放送局(ギャップフィラーや別の地区の放送局など)の受信への切り替えをスムーズかつシームレスに行うことが極めて困難であった。
【0013】
従って、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、多種多様な放送局間におけるデジタル放送の受信切り替えをスムーズかつシームレスに行うことができるデジタル放送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した諸課題を解決すべく、本発明によるデジタル放送受信装置は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部と、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、当該受信しているデジタル放送のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一実施態様によるデジタル放送受信装置は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部と、
デジタル放送を受信するたびに、該受信に対応する物理周波数を示すデータを記録する記録部と、
デジタル放送の受信を終了してから新たにデジタル放送の受信を開始する際に、前記記録部に記録されているデータに示された物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御すると共に、該制御による受信において所定の受信品質が得られない場合は、当該データに示された物理周波数のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とする。
【0016】
また、前記物理周波数の各々を物理チャンネルとすることが好適である。また、前記物理周波数の各々を物理チャンネルとセグメントとを示す情報とすることが好適である。
【0017】
また、本発明のさらなる実施態様によるデジタル放送受信装置では、
前記記憶部が、物理周波数を示す情報とチャンネル番号の対応付けが異なるチャンネルリストを地域毎に格納し、
前記制御部が、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づくデジタル放送の受信制御で所定の受信品質が得られない場合、現在の地域のチャンネルリストから、他の地域のチャンネルリストに切り替え、該切り替えたチャンネルリストに基づいて、類似のサービスを放送しているデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とする。
ここで、類似のサービスは、放送局の系列局の情報に基づいて判断することが可能である。また、放送局の系列局の情報は、事前に記憶部に格納しておいても良いし、デジタル放送のデータ放送で受信して得てもよい。また、インターネットなどへの通信部を具える装置の場合、通信ににより取得してもよい。
【0018】
また、デジタル放送を受信し、該受信により得た情報に基づいて、前記記憶部に格納されている、同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報と、同一のチャンネル番号との対応付けを更新、或いは作成することが好適である。
【0019】
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0020】
一例を挙げれば、本発明を方法として実現させた、別の実施態様によるデジタル放送受信装置の制御方法は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置の制御方法であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて記憶部に格納する格納ステップと、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、当該受信しているデジタル放送のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付け、これを利用することによって、チャンネルスキャンをする必要も無く、多種多様な放送局間におけるデジタル放送の受信切り替えをスムーズかつシームレスに行うことができるようになり、ユーザの利便性が格段に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。最初に用語を説明する。「独自放送(サービス)(独自番組/自主番組)」とは、既存の放送局以外で作成されたサービス(番組)のことである。例えば、商店街や遊園地、美術館など限られたエリアや施設の情報を提供するサービス(番組)である。
【0023】
図1は、本発明が適用される受信装置およびこれに放送波を提供する放送装置から構成される放送システムの構成図である。図に示すように、この放送システムは、受信装置100、および放送装置200,300,400から構成される。放送装置200,400は、一般的なデジタル放送システムの放送装置であり、1セグメント放送、即ち、1セグメント単独で受信可能である部分受信用のセグメントを使用したデジタル放送、および12セグメントを使用した地上波テレビ用のデジタル放送を行っている。本デジタル放送システムでは、放送装置200と放送装置300とが、同一のサービスを放送しているが、放送装置200が使用している物理周波数帯域と、放送装置300が使用している物理周波数帯域とは異なるものである。即ち、放送装置200から放送されるサービスの全て或いは一部が、放送装置300から、放送装置200が使用する物理周波数帯域とは別の物理周波数帯域を用いて放送される。また、放送装置300は、放送装置200が放送するサービスとは異なるサービス、例えば、独自放送(独自番組/自主番組)も放送している。本発明による受信装置100は、放送装置200がカバーする受信エリア内では、放送装置200から放送されるデジタル放送を受信することが可能である。受信装置100が、例えば、地下街などに入った場合に、放送装置200からのデジタル放送が弱電界や圏外になり、受信継続が困難になる。逆に、地下街から地上に出て、放送装置300からのデジタル放送が弱電界や圏外になり、受信継続が困難になる場合も発生する。このような場合は、受信装置100は、放送装置200のデジタル放送の受信と、放送装置300のデジタル放送の受信とをチャンネルリスト、即ち、チャンネルテーブル(後で詳細に説明する)に基いてシームレスに切り替える。
【0024】
或いは、受信装置100が、例えば、放送装置200から遠く離れてデジタル放送が弱電界や圏外になり、受信継続が困難になり、放送装置400がカバーするエリアに入るケースも発生する。このような場合にも、受信装置100は、放送装置200のデジタル放送の受信と、放送装置400のデジタル放送の受信とを、地域別のチャンネルリスト、即ち、地域別のチャンネルテーブル(後で詳細に説明する)を介してシームレスに切り替える。
【0025】
図2は、放送装置300のブロック図である。図に示すように、放送装置300は、光ファイバから入力されるチャンネルの数に対応する数の受信部、即ち、chA受信部310A、chB受信部310B、chZ受信部310Zを具える。放送装置300は、多重化処理部320、変調部330、送信部340、およびアンテナ350をさらに具える。chA受信部310A、chB受信部310B、chZ受信部310Zは、TS信号受信部312A,312B,312Z、サービス情報抽出部314A,314B,314Zをそれぞれ具える。
【0026】
chA受信部310A、310Bは、本実施の形態では、既存の物理チャンネルの放送局に対応している。ここでは、便宜上、例えば、chA受信部310Aは、物理チャンネルchAのAAAテレビに対応し、chB受信部310Bは、物理チャンネルchBのBBBテレビに対応するものとする。chA受信部310AのTS信号受信部312Aは、対応する放送局のコンテンツ記憶装置などから光ファイバなどの伝送手段を介して伝送されてくるchA TS信号を受信し、サービス情報抽出部314AでTS信号に含まれるサービス情報を抽出する。chB受信部310Bも、chB TS信号に対して同様の処理をそれぞれ行う。また、chZ受信部310Zは、放送装置300の独自放送(サービス)に対応している。chZ受信部310ZのTS信号受信部312Zは、対応するコンテンツ記憶装置などから光ファイバなどの伝送手段を介して伝送されてくるchZ TS信号を受信し、サービス情報抽出部314ZでTS信号に含まれるサービス情報を抽出する。サービス情報抽出部314A,314B,314Zは、TS信号受信部310A,310B,310Zから供給されるTS信号からサービス情報を抽出し、その抽出したサービス情報を多重化処理部320へ供給する。
【0027】
多重化処理部320は、各チャンネルの部分受信用のTS信号を、あらかじめ設定されたセグメント配置に基づき多重化する。このときデジタル放送の信号に適合するように制御信号などを追加する。変調部330は、多重化された信号をOFDM信号に変換し送信部340に送る。送信部340は、OFDM信号を設定された値まで増幅しアンテナ350から出力する。
【0028】
図3は、放送装置300が送信するチャンネルのセグメント構成を示す図である。通常の放送局である放送装置300は、図の上段に示すように、物理チャネル毎の中央のセグメント番号0を部分受信用のセグメントである1セグ放送に使用している。放送装置300は、部分受信用のセグメント番号0の各サービスを1つの物理チャンネル内で連結放送する。また、放送装置300は、独自番組を部分受信用のセグメントとして未使用のセグメント(例えば図3のセグメント番号10)に配置することもできる。中央のセグメント番号0には、独自番組が配置されている。図3の下段のセグメント7が未使用であるように、各サービス(チャンネル)は完全に隙間なく連結しなくてもよく、このような形式も便宜上、連結放送と呼ぶものとする。
【0029】
図4は、本発明の一実施態様による受信装置のブロック図である。図に示すように、受信装置100は、制御部110、放送受信部120、受信状態検出部130、記憶部140、操作部150、表示部160、およびアンテナANTを具える。制御部110は、放送視聴部112と受信制御部114とを具える。放送視聴部112はデジタル放送を受信する機能を持ち、受信制御部114は受信を制御する機能を持つ。記憶部140は、チャンネルテーブル記憶部142とラストチャンネル記憶部144とを持つ。ラストチャンネル記憶部144は、前回の受信時において最後に受信したチャンネル「ラストチャンネル」を記憶する機能を持ち、チャンネルテーブル記憶部142は、チャンネルテーブル(チャンネルリスト)、デジタル放送の受信品質の劣化を検出するための閾値を記憶する機能を持つ。チャンネルテーブルは、選局するために必要な情報が記録されており、具体的には、親局およびその親局と同一のサービスを放送する放送装置にて送出されている放送の放送局、物理周波数(例えば、物理チャンネルやセグメント)、論理チャンネル(チャンネル番号)に関する情報が含まれている。この情報は通信やチャンネルスキャンによって作成または取得または更新可能である。この実施態様では、チャンネルテーブルに、あらかじめ親局と、その親局と同一のサービスを放送する放送装置(例えば放送装置300)のチャンネル情報が登録されているものとする。また、チャンネルテーブルは、図5、図6のように放送エリア(例えば首都圏・中部・関西などの地域)ごとに存在する。受信状態検出部130は、放送波の受信状態を制御する機能を持つ。操作部150は、ユーザによるチャンネル選択などの諸操作を入力する機能を持つ。表示部160は、番組表や受信した放送を表示する機能を持つ。本発明による受信装置では、チャンネルテーブルを参照することで、チャンネルスキャンをする必要も無く、シームレスに受信対象の放送局の切り替えを行うことができる。また、放送局・放送内容(ネットワークIDやサービスID)が等しいということで、親局とその親局と同一のサービスを放送する放送装置の情報を直接関連付けることが可能なため、1つのチャンネルテーブルに親局と上記放送装置の情報をまとめて載せることができ、相互の情報のすばやい参照が可能となる。また、上記放送装置が独自放送を行う場合、独自放送の情報をチャンネルテーブルに格納することによって、ユーザに独自放送がある旨を通知することが可能となる。上記放送装置として、中継所設備やスポット放送装置やギャップフィラーなどの装置がある。なお、ギャップフィラーとは、電波の届きにくい地域や場所にアンテナや漏洩ケーブルなどを使用して電波を連結する設備のことである。制御部110は、他の構成部と協働して、デジタル放送の受信品質を検出する。
【0030】
図5は、第1のチャンネルテーブルを示す図である。図に示すように、チャンネルテーブル(チャンネルリスト)はエリア別にあり、この例では、首都圏用チャンネルテーブルL1、中部用チャンネルテーブルL2、関西用チャンネルテーブルL3がある。ここででは、物理周波数を、物理チャンネルとセグメントとのセットで規定している。例えば、首都圏用チャンネルテーブルL1の放送局MHKは、論理チャンネル(チャンネル番号)1であり、この論理チャンネル1には、首都圏の放送装置(親局、放送装置200に相当する)の物理チャンネル25とセグメント番号0とのセット、首都圏と同一サービスを放送する放送装置(放送装置300に相当する)の物理チャンネル50とセグメント番号3とのセットが、それぞれ関連付けられている。この例の放送装置300は、物理チャンネル50に、複数の部分受信可能なセグメントを連結して放送している。このように、1つの論理チャンネルに複数の放送局から送信される、複数の物理周波数を示す情報(物理チャンネルとセグメント番号とのセット)を関連付けておけば、放送局や受信する周波数が変化しても、画面表示上は同じ論理チャンネルの番号が表示されることとなる。
【0031】
図6は、第2のチャンネルテーブルを示す図である。図に示すように、チャンネルテーブルはエリア別にあり、この例では、関東用チャンネルテーブルL4、中部用チャンネルテーブルL5、関西用チャンネルテーブルL6がある。ここでは、物理周波数を、周波数(物理チャンネル)そのもので規定している。例えば、関東用チャンネルテーブルL1の放送局MHKは、論理チャンネル(チャンネル番号)1であり、この論理チャンネル1には、関東の放送装置(親局、放送装置200に相当する)の周波数575MHz、親局と同一サービスを放送する放送装置(放送装置300に相当する)の周波数713MHzが、それぞれ関連付けられている。この例の放送装置300は、別個の物理周波数(物理チャンネル)で、各論理チャンネル用のサービス(番組)を放送している。
【0032】
<実施態様1>
図7は、親局(例えば放送装置200)より受信しているチャンネルから親局と同一サービスを放送する放送装置(例えば放送装置300)のチャンネルへ、または、その逆にチャンネルを切り替える際のフローを示すフローチャートである。即ち、ここでは、ユーザが放送装置200または放送装置300のデジタル放送を受信できるエリアから、放送装置300または放送装置200のデジタル放送を受信できる他のエリアへ移動したとする。
【0033】
図に示すように、ステップS11にて、デジタル放送のチャンネルAを受信する。次に、ステップS12にて、受信品質(例えば、受信感度や受信画像品質など)が任意の閾値N以下になるか否かの検査をし続ける。そして、チャンネルAの受信品質が任意の閾値Nよりも小さくなった場合、ステップS13に進み、チャンネルテーブル記憶部112に格納してあるチャンネルテーブルを参照する。参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送局200(親局)のものであるならば、それに対応する放送局300のチャンネルPを選局し(ステップS14)、チャンネルPを表示して(ステップS16)、処理を終える。或いは、参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置300のものであるならば、それに対応する放送装置200(親局)のチャンネルPを選局し(ステップS14)、チャンネルPを表示して(ステップS16)、処理を終える。選局したチャンネルが受信できなければ(ステップS15)、ステップS17に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。ここで、チャンネルA,Pは、ある物理チャンネルに収容されたあるセグメント番号、或いは、1つの物理チャンネルでもよい。
【0034】
<実施態様2>
図8は、デジタル放送の視聴を開始し、ラストチャンネルを受信する際のフローを示すフローチャートである。図に示すように、ステップ21にて、放送視聴部112はラストチャンネル記憶部144に記憶されているラストチャンネルの受信を開始する。次に、ステップS22にて、受信品質が任意の閾値N以下になるか否かの検査をし続ける。そして、チャンネルAの受信開始時に受信品質が任意の閾値Nよりも小さくなった場合、ステップS23に進み、チャンネルテーブルを参照する。そして、ステップS24にて、参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置200(親局)のものであるならば、対応する放送装置300のチャンネルPを選局し、当該チャンネルPを受信できた場合はチャンネルPを表示して(ステップS26)、処理を終える。或いは、参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置300のものであるならば、対応する放送装置200(親局)のチャンネルPを選局し(ステップS24)、当該チャンネルPを受信できた場合はチャンネルPを表示して(ステップS26)、処理を終える。ステップS25にて、選局したチャンネルが受信できなかった場合は、ステップS27に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。
【0035】
<実施態様3>
図9は、デジタル放送視聴時に弱電界になり、チャンネルテーブルの地域を切り替えるフローを示すフローチャートである。ここではユーザは放送地域を移動したとする。即ち、図1において、受信装置100が、放送装置200の受信エリアから放送装置400の受信エリアに次第に移動したケースを想定する。図9に示すように、ステップS31にて、デジタル放送のチャンネルAを受信する。この後、ステップS32にて、受信品質が任意の閾値N以下になるか否かの検査をし続ける。チャンネルA受信中に受信品質が任意の閾値Nよりも小さくなった場合、ステップS33に進み、チャンネルテーブルを参照する。そして、ステップS34にて、参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置200(親局)のものであるならば、それに対応する放送装置300のチャンネルPを選局し、受信できた場合はチャンネルPを表示して(ステップS36)、処理を終える。或いは、チャンネルAが放送装置300のものであるならば、参照したチャンネルテーブルに応じて、それに対応する放送装置200(親局)のチャンネルPを選局し(ステップS34)、受信できた場合は、チャンネルPを表示して(ステップS36)、処理を終える。ステップS35にて、選局したチャンネルが受信できなかった場合は、ステップS37に進み、チャンネルテーブルを異なった地域のものに切り替えて参照する。次に、ステップS38にて、参照したチャンネルテーブルから、チャンネルAに対応する異なった地域のチャンネルQを見付け、見付けたチャンネルQを選局し、受信できた場合はチャンネルQを表示して(ステップS40)、処理を終える。ステップS39にて、選局したチャンネルが受信できなければ、ステップS41に進み「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。
【0036】
<実施態様4>
図10は、チャンネルテーブルの地域を切り替えるフローを示すフローチャートである。図に示すように、デジタル放送の受信を開始した後、放送視聴部112はラストチャンネル記憶部144に格納されているラストチャンネルの受信を開始する(ステップS51)。この後、ステップS52にて、受信品質が任意の閾値N以下になるか否かの検査をし続ける。チャンネルAの受信品質が任意の閾値Nよりも小さくなった場合、ステップS53に進み、チャンネルテーブルを参照する。そして、ステップS53にて参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置200(親局)のものであるならば、それに対応する放送装置300のチャンネルPを選局し(ステップS54)、当該チャンネルを受信できた場合は、チャンネルPを表示して(ステップS56)、処理を終える。或いは、チャンネルAが放送装置300のものであるならば、参照したチャンネルテーブルに応じて、それに対応する放送装置200(親局)のチャンネルPを選局し(ステップS54)、当該チャンネルを受信できた場合は、チャンネルPを表示して(ステップS56)、処理を終える。ステップS55にて、選局したチャンネルが受信できなかった場合は、ステップS57に進み、チャンネルテーブルを異なった地域のものに切り替えて参照する。ステップS57にて参照したチャンネルテーブルから、チャンネルAに対応する異なった地域のチャンネルQを見付け、見付けたチャンネルQを選局し(ステップS58)、当該チャンネルを受信できた場合は、チャンネルQを表示して(ステップS60)、処理を終える。
ステップS59にて、選局した当該チャンネルを受信できなかった場合は、ステップS61に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。
【0037】
<実施態様5>
図11は、放送装置300からの放送に切り替えた際に、独自放送がある可能性がある旨を表示する場合のフローを示すフローチャートである。即ち、図1において、受信装置100が、放送装置200の受信エリアから放送装置300の受信エリアに次第に移動したケースを想定する。図11に示すように、ステップS71にて、放送装置300からの受信を開始する。次に、ステップS72にて、表示部160に独自放送を視聴できる可能性がある旨(メッセージ)を表示する。図12に、独自放送を視聴できる可能性がある旨を通知する表示例を示す。図12に示すように、「独自放送を視聴できる可能性があります」というテキストと、画面上の恐竜の図表は一例であり、当該独自放送の対象を表す図、写真、絵、アイコンなどを表示することが可能である。
【0038】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、放送装置300は、実施例の連結放送に限らず、サービスを別個の物理チャンネルの任意のセグメントにより放送(送信)されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明が適用される受信装置およびこれに放送波を提供する放送装置から構成される放送システムの構成図である。
【図2】放送装置300のブロック図である。
【図3】放送装置300が送信するチャンネルのセグメント構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施態様による受信装置のブロック図である。
【図5】第1のチャンネルテーブルを示す図である。
【図6】第2のチャンネルテーブルを示す図である。
【図7】チャンネルを切り替える際のフローを示すフローチャートである。
【図8】デジタル放送の視聴を開始し、ラストチャンネルを受信する際のフローを示すフローチャートである。
【図9】デジタル放送視聴時に弱電界になり、チャンネルテーブルの地域を切り替えるフローを示すフローチャートである。
【図10】チャンネルテーブルの地域を切り替えるフローを示すフローチャートである。
【図11】放送装置300からの放送に切り替えた際に、独自放送がある可能性がある旨を表示する場合のフローを示すフローチャートである。
【図12】独自放送を視聴できる可能性がある旨を通知する表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
100 受信装置
110 制御部
112 放送視聴部
114 受信制御部
120 放送受信部
130 受信状態検出部
140 記憶部
142 チャンネルテーブル記憶部
144 ラストチャンネル記憶部
150 操作部
160 表示部
ANT アンテナ
L1−L6 チャンネルテーブル
200,300,400 放送装置
310A,310B,310Z chA信号受信部、chB信号受信部、chZ信号受信部
312A,312B,312Z TS信号受信部
314A,314B,314Z サービス情報抽出部
320 多重化処理部
330 変調部
340 送信部
350 アンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルテレビジョン放送やデジタル音声放送などのデジタル放送システムのデジタル放送受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本国において運用されている地上デジタルテレビジョン放送は、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式と呼ばれ、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を採用している。このISDB−T方式は、一つのチャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、そのうちの1個のセグメント(中央のセグメント番号0)を、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末用の地上デジタル放送、いわゆる1セグ放送に割り当てている。
【0003】
近年、上述したようなデジタル放送を視聴する機能を搭載した携帯端末が普及してきている。デジタル放送は、地区により放送されている放送局、チャンネル、或いは番組が変わることが多い。携帯端末のデジタル放送受信機能を利用している際には、その性質上、ユーザが携帯端末を携行して移動することが多く、放送地区をまたぐ機会が往々にしてある。また、郊外から都市に通勤・通学しているユーザなどは、在宅時と職場・学校において異なる放送エリアとなることも多い。そのような状況になった場合、従来の携帯端末は受信不可能な旨を示す。或いは、チャンネルスキャンを開始し、系列局が見つかった場合には系列局のチャンネルに選局して受信動作を行う。このようなチャンネルスキャンは、数秒以上の時間が掛かりユーザにストレスを感じさせる。また、スキャンに成功して系列局を受信したとしても、同一番組が放送されていない恐れもある。そこで、チャンネルスキャンの所要時間を短縮化するために、選局の制御手法を改善する従来技術が、多数提案されている(例えば、特許文献1を参照されたい。)。
【0004】
また、上記のISDB−T方式を採用する放送装置として、最近では、例えば、複数の放送局のデジタル放送波を受信して、それぞれ1セグ放送を抜き出し、それらを連結して上記の放送局のチャンネルとは異なる所定のチャンネルで再送信するようにした放送装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、放送局のデジタル放送波から抜き出した1セグ放送に加えて、独自コンテンツを連結して、所定のチャンネルで送信するように構成した放送装置も提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−325622号公報
【特許文献2】特開2006−109283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1の技術は、チャンネルスキャンの時間を多少低減できるが、チャンネルスキャン処理を行うことは必須であるため、ユーザがストレスを感じなくなる程度まで時間を短縮することは難しい。また、特許文献1の技術もそうであるが、基本的に据え置き型のデジタル放送受信装置を対象とした技術であるため、受信装置が移動して受信状態や受信している放送局が変化した状況に対応することはできない。また、ギャップフィラーやスポット的な形式の放送装置には独自放送と呼ばれるその装置固有の放送が存在することがある。従来技術のようにスキャンして系列局を見付けるだけでは、独自放送の存在に気付かない。ユーザ自身が独自放送を探す行動を起こさなければならない。また、番組表を表示させる際にも、独自チャンネル(独自放送)のものを表示させることは困難である。
【0007】
さらに、上記の特許文献2に記載のように、所定のチャンネルの各セグメントを1セグ放送で構成して放送する場合には、放送地域が変わると、サービスのセグメント配置が変わることが考えられる。特に、上述した既存のサービスに独自コンテンツを追加して放送する場合には、放送地域が変わると、独自コンテンツやそのセグメント配置が変わる可能性が高くなる。
【0008】
このため、当該チャンネルにおけるサービスのセグメント配置をユーザが把握して、所望の1セグ放送を部分受信するには、当該チャンネルの放送局のウェブサイトにアクセスして、サービスのセグメント配置情報を取得したり、電子メールを経由して通知してもらったり、或いは、当該チャンネルのセグメントをスキャンして、サービスのセグメント配置を把握したりする必要がある。また、仮に、放送中のセグメントの配置を把握できたとしても、どのセグメントでどのようなサービス(番組)が放送されているかを把握することができないという問題がある。
【0009】
しかしながら、放送局のウェブサイトからサービスのセグメント配置情報を取得するには、取得毎に放送局のウェブサイトにアクセスする必要があるため、取得に時間がかかるとともに、通信費がかかることが懸念される。また、チャンネル内のセグメントをスキャンしてサービスのセグメント配置情報を把握する場合には、全てのサービスのセグメント配置情報を把握するのに、時間がかかることが懸念される。
【0010】
また、上記技術に限らず、所定のチャンネルにおいて、独自コンテンツのみを(連結)して放送することも考えられる。しかし、この場合においても、当該チャンネルにおけるサービスのセグメント配置を把握するには、上述した場合と同様に、当該チャンネルの放送局のウェブサイトにアクセスしたり、当該チャンネルのセグメントをスキャンしたりする必要があるため、同様の問題が生じることになる。
【0011】
また、ISDB−Tsb(ISDB for Terrestrial Sound Broadcasting)を採用する地上デジタル音声放送においても、放送地域に応じて、サービスのセグメント配置を変更したり、独自コンテンツを追加したりすることが考えられるが、これらの場合にも、同様の問題が生じることになる。
【0012】
即ち、従来のデジタル放送技術は、放送装置や周波数配置の多様化のために、或る放送局の受信から、別の放送局(ギャップフィラーや別の地区の放送局など)の受信への切り替えをスムーズかつシームレスに行うことが極めて困難であった。
【0013】
従って、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、多種多様な放送局間におけるデジタル放送の受信切り替えをスムーズかつシームレスに行うことができるデジタル放送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した諸課題を解決すべく、本発明によるデジタル放送受信装置は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部と、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、当該受信しているデジタル放送のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一実施態様によるデジタル放送受信装置は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部と、
デジタル放送を受信するたびに、該受信に対応する物理周波数を示すデータを記録する記録部と、
デジタル放送の受信を終了してから新たにデジタル放送の受信を開始する際に、前記記録部に記録されているデータに示された物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御すると共に、該制御による受信において所定の受信品質が得られない場合は、当該データに示された物理周波数のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とする。
【0016】
また、前記物理周波数の各々を物理チャンネルとすることが好適である。また、前記物理周波数の各々を物理チャンネルとセグメントとを示す情報とすることが好適である。
【0017】
また、本発明のさらなる実施態様によるデジタル放送受信装置では、
前記記憶部が、物理周波数を示す情報とチャンネル番号の対応付けが異なるチャンネルリストを地域毎に格納し、
前記制御部が、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づくデジタル放送の受信制御で所定の受信品質が得られない場合、現在の地域のチャンネルリストから、他の地域のチャンネルリストに切り替え、該切り替えたチャンネルリストに基づいて、類似のサービスを放送しているデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とする。
ここで、類似のサービスは、放送局の系列局の情報に基づいて判断することが可能である。また、放送局の系列局の情報は、事前に記憶部に格納しておいても良いし、デジタル放送のデータ放送で受信して得てもよい。また、インターネットなどへの通信部を具える装置の場合、通信ににより取得してもよい。
【0018】
また、デジタル放送を受信し、該受信により得た情報に基づいて、前記記憶部に格納されている、同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報と、同一のチャンネル番号との対応付けを更新、或いは作成することが好適である。
【0019】
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0020】
一例を挙げれば、本発明を方法として実現させた、別の実施態様によるデジタル放送受信装置の制御方法は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置の制御方法であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて記憶部に格納する格納ステップと、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、当該受信しているデジタル放送のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付け、これを利用することによって、チャンネルスキャンをする必要も無く、多種多様な放送局間におけるデジタル放送の受信切り替えをスムーズかつシームレスに行うことができるようになり、ユーザの利便性が格段に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。最初に用語を説明する。「独自放送(サービス)(独自番組/自主番組)」とは、既存の放送局以外で作成されたサービス(番組)のことである。例えば、商店街や遊園地、美術館など限られたエリアや施設の情報を提供するサービス(番組)である。
【0023】
図1は、本発明が適用される受信装置およびこれに放送波を提供する放送装置から構成される放送システムの構成図である。図に示すように、この放送システムは、受信装置100、および放送装置200,300,400から構成される。放送装置200,400は、一般的なデジタル放送システムの放送装置であり、1セグメント放送、即ち、1セグメント単独で受信可能である部分受信用のセグメントを使用したデジタル放送、および12セグメントを使用した地上波テレビ用のデジタル放送を行っている。本デジタル放送システムでは、放送装置200と放送装置300とが、同一のサービスを放送しているが、放送装置200が使用している物理周波数帯域と、放送装置300が使用している物理周波数帯域とは異なるものである。即ち、放送装置200から放送されるサービスの全て或いは一部が、放送装置300から、放送装置200が使用する物理周波数帯域とは別の物理周波数帯域を用いて放送される。また、放送装置300は、放送装置200が放送するサービスとは異なるサービス、例えば、独自放送(独自番組/自主番組)も放送している。本発明による受信装置100は、放送装置200がカバーする受信エリア内では、放送装置200から放送されるデジタル放送を受信することが可能である。受信装置100が、例えば、地下街などに入った場合に、放送装置200からのデジタル放送が弱電界や圏外になり、受信継続が困難になる。逆に、地下街から地上に出て、放送装置300からのデジタル放送が弱電界や圏外になり、受信継続が困難になる場合も発生する。このような場合は、受信装置100は、放送装置200のデジタル放送の受信と、放送装置300のデジタル放送の受信とをチャンネルリスト、即ち、チャンネルテーブル(後で詳細に説明する)に基いてシームレスに切り替える。
【0024】
或いは、受信装置100が、例えば、放送装置200から遠く離れてデジタル放送が弱電界や圏外になり、受信継続が困難になり、放送装置400がカバーするエリアに入るケースも発生する。このような場合にも、受信装置100は、放送装置200のデジタル放送の受信と、放送装置400のデジタル放送の受信とを、地域別のチャンネルリスト、即ち、地域別のチャンネルテーブル(後で詳細に説明する)を介してシームレスに切り替える。
【0025】
図2は、放送装置300のブロック図である。図に示すように、放送装置300は、光ファイバから入力されるチャンネルの数に対応する数の受信部、即ち、chA受信部310A、chB受信部310B、chZ受信部310Zを具える。放送装置300は、多重化処理部320、変調部330、送信部340、およびアンテナ350をさらに具える。chA受信部310A、chB受信部310B、chZ受信部310Zは、TS信号受信部312A,312B,312Z、サービス情報抽出部314A,314B,314Zをそれぞれ具える。
【0026】
chA受信部310A、310Bは、本実施の形態では、既存の物理チャンネルの放送局に対応している。ここでは、便宜上、例えば、chA受信部310Aは、物理チャンネルchAのAAAテレビに対応し、chB受信部310Bは、物理チャンネルchBのBBBテレビに対応するものとする。chA受信部310AのTS信号受信部312Aは、対応する放送局のコンテンツ記憶装置などから光ファイバなどの伝送手段を介して伝送されてくるchA TS信号を受信し、サービス情報抽出部314AでTS信号に含まれるサービス情報を抽出する。chB受信部310Bも、chB TS信号に対して同様の処理をそれぞれ行う。また、chZ受信部310Zは、放送装置300の独自放送(サービス)に対応している。chZ受信部310ZのTS信号受信部312Zは、対応するコンテンツ記憶装置などから光ファイバなどの伝送手段を介して伝送されてくるchZ TS信号を受信し、サービス情報抽出部314ZでTS信号に含まれるサービス情報を抽出する。サービス情報抽出部314A,314B,314Zは、TS信号受信部310A,310B,310Zから供給されるTS信号からサービス情報を抽出し、その抽出したサービス情報を多重化処理部320へ供給する。
【0027】
多重化処理部320は、各チャンネルの部分受信用のTS信号を、あらかじめ設定されたセグメント配置に基づき多重化する。このときデジタル放送の信号に適合するように制御信号などを追加する。変調部330は、多重化された信号をOFDM信号に変換し送信部340に送る。送信部340は、OFDM信号を設定された値まで増幅しアンテナ350から出力する。
【0028】
図3は、放送装置300が送信するチャンネルのセグメント構成を示す図である。通常の放送局である放送装置300は、図の上段に示すように、物理チャネル毎の中央のセグメント番号0を部分受信用のセグメントである1セグ放送に使用している。放送装置300は、部分受信用のセグメント番号0の各サービスを1つの物理チャンネル内で連結放送する。また、放送装置300は、独自番組を部分受信用のセグメントとして未使用のセグメント(例えば図3のセグメント番号10)に配置することもできる。中央のセグメント番号0には、独自番組が配置されている。図3の下段のセグメント7が未使用であるように、各サービス(チャンネル)は完全に隙間なく連結しなくてもよく、このような形式も便宜上、連結放送と呼ぶものとする。
【0029】
図4は、本発明の一実施態様による受信装置のブロック図である。図に示すように、受信装置100は、制御部110、放送受信部120、受信状態検出部130、記憶部140、操作部150、表示部160、およびアンテナANTを具える。制御部110は、放送視聴部112と受信制御部114とを具える。放送視聴部112はデジタル放送を受信する機能を持ち、受信制御部114は受信を制御する機能を持つ。記憶部140は、チャンネルテーブル記憶部142とラストチャンネル記憶部144とを持つ。ラストチャンネル記憶部144は、前回の受信時において最後に受信したチャンネル「ラストチャンネル」を記憶する機能を持ち、チャンネルテーブル記憶部142は、チャンネルテーブル(チャンネルリスト)、デジタル放送の受信品質の劣化を検出するための閾値を記憶する機能を持つ。チャンネルテーブルは、選局するために必要な情報が記録されており、具体的には、親局およびその親局と同一のサービスを放送する放送装置にて送出されている放送の放送局、物理周波数(例えば、物理チャンネルやセグメント)、論理チャンネル(チャンネル番号)に関する情報が含まれている。この情報は通信やチャンネルスキャンによって作成または取得または更新可能である。この実施態様では、チャンネルテーブルに、あらかじめ親局と、その親局と同一のサービスを放送する放送装置(例えば放送装置300)のチャンネル情報が登録されているものとする。また、チャンネルテーブルは、図5、図6のように放送エリア(例えば首都圏・中部・関西などの地域)ごとに存在する。受信状態検出部130は、放送波の受信状態を制御する機能を持つ。操作部150は、ユーザによるチャンネル選択などの諸操作を入力する機能を持つ。表示部160は、番組表や受信した放送を表示する機能を持つ。本発明による受信装置では、チャンネルテーブルを参照することで、チャンネルスキャンをする必要も無く、シームレスに受信対象の放送局の切り替えを行うことができる。また、放送局・放送内容(ネットワークIDやサービスID)が等しいということで、親局とその親局と同一のサービスを放送する放送装置の情報を直接関連付けることが可能なため、1つのチャンネルテーブルに親局と上記放送装置の情報をまとめて載せることができ、相互の情報のすばやい参照が可能となる。また、上記放送装置が独自放送を行う場合、独自放送の情報をチャンネルテーブルに格納することによって、ユーザに独自放送がある旨を通知することが可能となる。上記放送装置として、中継所設備やスポット放送装置やギャップフィラーなどの装置がある。なお、ギャップフィラーとは、電波の届きにくい地域や場所にアンテナや漏洩ケーブルなどを使用して電波を連結する設備のことである。制御部110は、他の構成部と協働して、デジタル放送の受信品質を検出する。
【0030】
図5は、第1のチャンネルテーブルを示す図である。図に示すように、チャンネルテーブル(チャンネルリスト)はエリア別にあり、この例では、首都圏用チャンネルテーブルL1、中部用チャンネルテーブルL2、関西用チャンネルテーブルL3がある。ここででは、物理周波数を、物理チャンネルとセグメントとのセットで規定している。例えば、首都圏用チャンネルテーブルL1の放送局MHKは、論理チャンネル(チャンネル番号)1であり、この論理チャンネル1には、首都圏の放送装置(親局、放送装置200に相当する)の物理チャンネル25とセグメント番号0とのセット、首都圏と同一サービスを放送する放送装置(放送装置300に相当する)の物理チャンネル50とセグメント番号3とのセットが、それぞれ関連付けられている。この例の放送装置300は、物理チャンネル50に、複数の部分受信可能なセグメントを連結して放送している。このように、1つの論理チャンネルに複数の放送局から送信される、複数の物理周波数を示す情報(物理チャンネルとセグメント番号とのセット)を関連付けておけば、放送局や受信する周波数が変化しても、画面表示上は同じ論理チャンネルの番号が表示されることとなる。
【0031】
図6は、第2のチャンネルテーブルを示す図である。図に示すように、チャンネルテーブルはエリア別にあり、この例では、関東用チャンネルテーブルL4、中部用チャンネルテーブルL5、関西用チャンネルテーブルL6がある。ここでは、物理周波数を、周波数(物理チャンネル)そのもので規定している。例えば、関東用チャンネルテーブルL1の放送局MHKは、論理チャンネル(チャンネル番号)1であり、この論理チャンネル1には、関東の放送装置(親局、放送装置200に相当する)の周波数575MHz、親局と同一サービスを放送する放送装置(放送装置300に相当する)の周波数713MHzが、それぞれ関連付けられている。この例の放送装置300は、別個の物理周波数(物理チャンネル)で、各論理チャンネル用のサービス(番組)を放送している。
【0032】
<実施態様1>
図7は、親局(例えば放送装置200)より受信しているチャンネルから親局と同一サービスを放送する放送装置(例えば放送装置300)のチャンネルへ、または、その逆にチャンネルを切り替える際のフローを示すフローチャートである。即ち、ここでは、ユーザが放送装置200または放送装置300のデジタル放送を受信できるエリアから、放送装置300または放送装置200のデジタル放送を受信できる他のエリアへ移動したとする。
【0033】
図に示すように、ステップS11にて、デジタル放送のチャンネルAを受信する。次に、ステップS12にて、受信品質(例えば、受信感度や受信画像品質など)が任意の閾値N以下になるか否かの検査をし続ける。そして、チャンネルAの受信品質が任意の閾値Nよりも小さくなった場合、ステップS13に進み、チャンネルテーブル記憶部112に格納してあるチャンネルテーブルを参照する。参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送局200(親局)のものであるならば、それに対応する放送局300のチャンネルPを選局し(ステップS14)、チャンネルPを表示して(ステップS16)、処理を終える。或いは、参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置300のものであるならば、それに対応する放送装置200(親局)のチャンネルPを選局し(ステップS14)、チャンネルPを表示して(ステップS16)、処理を終える。選局したチャンネルが受信できなければ(ステップS15)、ステップS17に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。ここで、チャンネルA,Pは、ある物理チャンネルに収容されたあるセグメント番号、或いは、1つの物理チャンネルでもよい。
【0034】
<実施態様2>
図8は、デジタル放送の視聴を開始し、ラストチャンネルを受信する際のフローを示すフローチャートである。図に示すように、ステップ21にて、放送視聴部112はラストチャンネル記憶部144に記憶されているラストチャンネルの受信を開始する。次に、ステップS22にて、受信品質が任意の閾値N以下になるか否かの検査をし続ける。そして、チャンネルAの受信開始時に受信品質が任意の閾値Nよりも小さくなった場合、ステップS23に進み、チャンネルテーブルを参照する。そして、ステップS24にて、参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置200(親局)のものであるならば、対応する放送装置300のチャンネルPを選局し、当該チャンネルPを受信できた場合はチャンネルPを表示して(ステップS26)、処理を終える。或いは、参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置300のものであるならば、対応する放送装置200(親局)のチャンネルPを選局し(ステップS24)、当該チャンネルPを受信できた場合はチャンネルPを表示して(ステップS26)、処理を終える。ステップS25にて、選局したチャンネルが受信できなかった場合は、ステップS27に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。
【0035】
<実施態様3>
図9は、デジタル放送視聴時に弱電界になり、チャンネルテーブルの地域を切り替えるフローを示すフローチャートである。ここではユーザは放送地域を移動したとする。即ち、図1において、受信装置100が、放送装置200の受信エリアから放送装置400の受信エリアに次第に移動したケースを想定する。図9に示すように、ステップS31にて、デジタル放送のチャンネルAを受信する。この後、ステップS32にて、受信品質が任意の閾値N以下になるか否かの検査をし続ける。チャンネルA受信中に受信品質が任意の閾値Nよりも小さくなった場合、ステップS33に進み、チャンネルテーブルを参照する。そして、ステップS34にて、参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置200(親局)のものであるならば、それに対応する放送装置300のチャンネルPを選局し、受信できた場合はチャンネルPを表示して(ステップS36)、処理を終える。或いは、チャンネルAが放送装置300のものであるならば、参照したチャンネルテーブルに応じて、それに対応する放送装置200(親局)のチャンネルPを選局し(ステップS34)、受信できた場合は、チャンネルPを表示して(ステップS36)、処理を終える。ステップS35にて、選局したチャンネルが受信できなかった場合は、ステップS37に進み、チャンネルテーブルを異なった地域のものに切り替えて参照する。次に、ステップS38にて、参照したチャンネルテーブルから、チャンネルAに対応する異なった地域のチャンネルQを見付け、見付けたチャンネルQを選局し、受信できた場合はチャンネルQを表示して(ステップS40)、処理を終える。ステップS39にて、選局したチャンネルが受信できなければ、ステップS41に進み「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。
【0036】
<実施態様4>
図10は、チャンネルテーブルの地域を切り替えるフローを示すフローチャートである。図に示すように、デジタル放送の受信を開始した後、放送視聴部112はラストチャンネル記憶部144に格納されているラストチャンネルの受信を開始する(ステップS51)。この後、ステップS52にて、受信品質が任意の閾値N以下になるか否かの検査をし続ける。チャンネルAの受信品質が任意の閾値Nよりも小さくなった場合、ステップS53に進み、チャンネルテーブルを参照する。そして、ステップS53にて参照したチャンネルテーブルに応じて、例えば、チャンネルAが放送装置200(親局)のものであるならば、それに対応する放送装置300のチャンネルPを選局し(ステップS54)、当該チャンネルを受信できた場合は、チャンネルPを表示して(ステップS56)、処理を終える。或いは、チャンネルAが放送装置300のものであるならば、参照したチャンネルテーブルに応じて、それに対応する放送装置200(親局)のチャンネルPを選局し(ステップS54)、当該チャンネルを受信できた場合は、チャンネルPを表示して(ステップS56)、処理を終える。ステップS55にて、選局したチャンネルが受信できなかった場合は、ステップS57に進み、チャンネルテーブルを異なった地域のものに切り替えて参照する。ステップS57にて参照したチャンネルテーブルから、チャンネルAに対応する異なった地域のチャンネルQを見付け、見付けたチャンネルQを選局し(ステップS58)、当該チャンネルを受信できた場合は、チャンネルQを表示して(ステップS60)、処理を終える。
ステップS59にて、選局した当該チャンネルを受信できなかった場合は、ステップS61に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。
【0037】
<実施態様5>
図11は、放送装置300からの放送に切り替えた際に、独自放送がある可能性がある旨を表示する場合のフローを示すフローチャートである。即ち、図1において、受信装置100が、放送装置200の受信エリアから放送装置300の受信エリアに次第に移動したケースを想定する。図11に示すように、ステップS71にて、放送装置300からの受信を開始する。次に、ステップS72にて、表示部160に独自放送を視聴できる可能性がある旨(メッセージ)を表示する。図12に、独自放送を視聴できる可能性がある旨を通知する表示例を示す。図12に示すように、「独自放送を視聴できる可能性があります」というテキストと、画面上の恐竜の図表は一例であり、当該独自放送の対象を表す図、写真、絵、アイコンなどを表示することが可能である。
【0038】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、放送装置300は、実施例の連結放送に限らず、サービスを別個の物理チャンネルの任意のセグメントにより放送(送信)されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明が適用される受信装置およびこれに放送波を提供する放送装置から構成される放送システムの構成図である。
【図2】放送装置300のブロック図である。
【図3】放送装置300が送信するチャンネルのセグメント構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施態様による受信装置のブロック図である。
【図5】第1のチャンネルテーブルを示す図である。
【図6】第2のチャンネルテーブルを示す図である。
【図7】チャンネルを切り替える際のフローを示すフローチャートである。
【図8】デジタル放送の視聴を開始し、ラストチャンネルを受信する際のフローを示すフローチャートである。
【図9】デジタル放送視聴時に弱電界になり、チャンネルテーブルの地域を切り替えるフローを示すフローチャートである。
【図10】チャンネルテーブルの地域を切り替えるフローを示すフローチャートである。
【図11】放送装置300からの放送に切り替えた際に、独自放送がある可能性がある旨を表示する場合のフローを示すフローチャートである。
【図12】独自放送を視聴できる可能性がある旨を通知する表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
100 受信装置
110 制御部
112 放送視聴部
114 受信制御部
120 放送受信部
130 受信状態検出部
140 記憶部
142 チャンネルテーブル記憶部
144 ラストチャンネル記憶部
150 操作部
160 表示部
ANT アンテナ
L1−L6 チャンネルテーブル
200,300,400 放送装置
310A,310B,310Z chA信号受信部、chB信号受信部、chZ信号受信部
312A,312B,312Z TS信号受信部
314A,314B,314Z サービス情報抽出部
320 多重化処理部
330 変調部
340 送信部
350 アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部と、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、当該受信しているデジタル放送のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルである、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルとセグメントとを示す情報である、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記記憶部が、物理周波数を示す情報とチャンネル番号の対応付けが異なるチャンネルリストを地域毎に格納し、
前記制御部が、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づくデジタル放送の受信制御で所定の受信品質が得られない場合、現在の地域のチャンネルリストから、他の地域のチャンネルリストに切り替え、該切り替えたチャンネルリストに基づいて、類似のサービスを放送しているデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項5】
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部と、
デジタル放送を受信するたびに、該受信に対応する物理周波数を示すデータを記録する記録部と、
デジタル放送の受信を終了してから新たにデジタル放送の受信を開始する際に、前記記録部に記録されているデータに示された物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御すると共に、該制御による受信において所定の受信品質が得られない場合は、当該データに示された物理周波数のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項6】
請求項5に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルである、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項7】
請求項5に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルとセグメントとを示す情報である、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記記憶部が、物理周波数を示す情報とチャンネル番号の対応付けが異なるチャンネルリストを地域毎に格納し、
前記制御部が、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づくデジタル放送の受信制御で所定の受信品質が得られない場合、現在の地域のチャンネルリストから、他の地域のチャンネルリストに切り替え、該切り替えたチャンネルリストに基づいて、類似のサービスを放送しているデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項1】
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部と、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、当該受信しているデジタル放送のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルである、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルとセグメントとを示す情報である、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記記憶部が、物理周波数を示す情報とチャンネル番号の対応付けが異なるチャンネルリストを地域毎に格納し、
前記制御部が、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づくデジタル放送の受信制御で所定の受信品質が得られない場合、現在の地域のチャンネルリストから、他の地域のチャンネルリストに切り替え、該切り替えたチャンネルリストに基づいて、類似のサービスを放送しているデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項5】
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
同一のサービスを放送する複数の物理周波数を示す情報を、同一のチャンネル番号に対応付けて格納する記憶部と、
デジタル放送を受信するたびに、該受信に対応する物理周波数を示すデータを記録する記録部と、
デジタル放送の受信を終了してから新たにデジタル放送の受信を開始する際に、前記記録部に記録されているデータに示された物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御すると共に、該制御による受信において所定の受信品質が得られない場合は、当該データに示された物理周波数のチャンネル番号に対応付けられた、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づいて、デジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項6】
請求項5に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルである、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項7】
請求項5に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルとセグメントとを示す情報である、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記記憶部が、物理周波数を示す情報とチャンネル番号の対応付けが異なるチャンネルリストを地域毎に格納し、
前記制御部が、前記記憶部に格納されている情報に示された他の物理周波数に基づくデジタル放送の受信制御で所定の受信品質が得られない場合、現在の地域のチャンネルリストから、他の地域のチャンネルリストに切り替え、該切り替えたチャンネルリストに基づいて、類似のサービスを放送しているデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−289018(P2008−289018A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133534(P2007−133534)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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