説明

デヒドロ酢酸を含有する低pHスキンケア組成物

デヒドロ酢酸及び皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む安定なスキンケア組成物。前記皮膚科学的に許容可能なキャリアは少なくとも1つの油を含み、前記油は約5%以下の水中溶解度及び約7〜約15の溶解度パラメータを有し、並びにデヒドロ酢酸は主に前記油中に分配されている。組成物は約4.5以下のpHを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類の皮膚の外観及び状態を改善するのに好適な、デヒドロ酢酸を含有する低pHスキンケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は多くの外的な及び固有の要因による攻撃に曝されている。外的な要因としては、放射線、汚染、風、熱、及び低湿度を含めることができる。固有の要因としては、生化学的変化、及び、例えば、増大する皮膚油の生成が含まれる。これらの要因のいずれかによって、皮膚の外観の目に見えた悪化がもたらされることがある。過剰な量の皮膚油、すなわち皮脂の生成は、油性肌、美容上魅力的でない及び望ましくない状態をもたらすことがある。したがって、皮膚の保護を改善すること、及び皮膚の油性の外観を低減することが、必要とされ続けている。
【0003】
多くのスキンケア活性物質は、低いpHにおいてより効果的である。例えば、サリチル酸は脂腺活性の効果的な阻害物質として、及び皮膚への他の好ましい効果に関して、長い間認識されてきた。サリチル酸は広範なpH範囲に渡って配合されてよいが、その有効性はpHが3.0以下に近づくにつれて増大する。
【0004】
デヒドロ酢酸はまた、皮膚の質感及び外観を改善するのに有効であることが分かっており、及び油性肌を低減するという追加の利益を有する。例えば、米国特許第6,150,403号(ビーデルマン(Biederman)ら)を参照のこと。デヒドロ酢酸を含有する水性の低pHスキンケア組成物を配合するための試みは、デヒドロ酢酸が約7.0未満のpHにおいて不安定性を示し始めるという観測結果をもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、デヒドロ酢酸を、単独で、又は、他の低pHスキンケア活性物質と組み合わせて提供することをもたらすための、安定な低pHスキンケア組成物が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前述の要求を満たす。デヒドロ酢酸は、最適な溶解度パラメータ及び限定された水中溶解度の両方を有する油類の存在によって安定化され得ることが、今般発見された。本発明は、前記溶解度パラメータ及び限定された水中溶解度を利用してデヒドロ酢酸を主に油相中に分配させるプロセスによって製造される、安定なスキンケア組成物を記載する。このことが更には、低いpHにおいてデヒドロ酢酸を安定化させる。したがって、本発明は、単独で、又は、低いpHで最も有効である他のスキンケア活性物質類と組み合わせによること、のいずれかにて、デヒドロ酢酸を皮膚へ提供することができるスキンケア組成物に対する要求を満足する。
【0007】
本発明の第1の実施形態によると、哺乳類の皮膚の状態及び外観を改善するための安定な組成物が提供される。組成物はデヒドロ酢酸及び皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む。皮膚科学的に許容可能なキャリアは少なくとも1つ油を含有し、ここでこの油は約5%以下の水中溶解度、及び約7〜約15の溶解度パラメータを有する。デヒドロ酢酸は主に油相中に分配され、及び組成物は約4.5以下のpHを有する。組成物は任意で、保湿剤類、洗浄剤類(cleansers)、及びこれらの組み合わせの形態である。
【0008】
本発明の第2の実施形態によると、哺乳類の皮膚の状態及び外観を改善するため、及び油性の皮膚の外観を低減するための、デヒドロ酢酸、第2のスキンケア活性物質、及び皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む安定な組成物が提供される。皮膚科学的に許容可能なキャリアは水中油型エマルションの形態であり、前記油は約5%以下の水中溶解度、及び約7〜約15の溶解度パラメータを有する。デヒドロ酢酸は主に油相中に分配され、及び組成物は約4.5以下のpHを有する。組成物は任意で、保湿剤類、洗浄剤類(cleansers)、及びこれらの組み合わせの形態である。
【0009】
更に他の実施形態は、第1及び第2の実施形態によるスキンケア組成物を、拭き取り用品のような基材上に付着させることを提供する。
【0010】
更に他の実施形態は、哺乳類の皮膚の状態を調整するための方法を提供する。本方法は、本発明に記載されるように、皮膚科学的に許容可能なキャリア中にデヒドロ酢酸を含有する安定な低pHスキンケア組成物を、哺乳類の皮膚へと適用する工程を含む。
【0011】
本発明の更に他の実施形態では、低pHにおいてデヒドロ酢酸を安定化するプロセスが提供される。このプロセスは、デヒドロ酢酸を主に水中油型エマルションの油相中へと分配させる工程を含む。
【0012】
本発明のこれら及び他の態様及び利点は、以下の詳細な説明を読むことによって当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は以下の詳細な説明から更に理解が深まると考えられる。
【0014】
本発明は、デヒドロ酢酸が約4.5以下のpHで安定化されるスキンケア組成物を記載している。皮膚に適用するのに好適な低pH組成物を処方するための以前の試みは、デヒドロ酢酸が約7.0未満のpHで不安定性を示し始めるという観測結果をもたらす。デヒドロ酢酸の安定化を実行するために、本発明の組成物は最適な溶解度パラメータ及び限定された水中溶解度の両方を有する油類を包含する。本発明は、低いpHにおいてデヒドロ酢酸をその活性な形態で安定化するために、この特性の組み合わせを利用する手順によって製造された、安定なスキンケア組成物を記載する。
【0015】
本発明の組成物は、種々の最終形態をとってよく、その非限定的な例としては、ローション類、クリーム類、液体類、及び固体形態類が挙げられる。一実施形態では、組成物はローション又はクリームの形態である。あるいは、組成物は、後で使用するのに好適とするように、基材に適用される。
【0016】
本発明の組成物は、皮膚上に無期限に残るように意図された組成物、すなわち「リーブオン」組成物、及び皮膚から除去されるように意図された組成物、の両方の組成物を包含する。除去は種々の手段、例えば皮膚の拭き取り又は洗い流しを通して行われ得る。一実施形態では、本発明の組成物は洗い流される組成物の形態である。この洗い流される組成物は、液体の形態であってよく、又はローション、若しくは「クレンジングミルク」の形態であってもよい。
【0017】
デヒドロ酢酸に加えて、本発明の組成物は任意で、低いpHで安定性を示す他のスキンケア活性物質を含有してもよい。こうした成分の非限定的な例としては、サリチル酸、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0018】
上述のものの各々及び追加の要素が本明細書に記載される。
【0019】
本発明のすべての実施形態において、特に記載のない限り、百分率はすべて総組成物の重量による。特に記載のない限り、すべての比率は重量比である。有効数字の桁数は、示される量の制限や、測定の精度を意味するものではない。分量、百分率、割合、及びpH測定を示す量はすべて、特に指定のない限り「約」という語によって修正されるものと理解される。全ての測定は、25℃及び周囲条件で行われると理解され、ここで「周囲条件」とは約1気圧及び相対湿度約50%での条件を意味する。
【0020】
本明細書において、「低pH」とは約7.0未満のpHを意味する。全てのpH測定は当業者に既知であり得る標準的な手段によって行われる。用語「組成物のpH」、又は組成物のpHについて述べる他の言語は、指示がない限り、組成物が25℃に冷却された後に測定された希釈されていない純粋な組成物のpHを意味する。本発明の組成物のpHは約4.5以下である。あるいは、pHは約2.0〜約4.0である。あるいは、pHは約2.5〜約3.5である。あるいは、pHは約2.8〜約3.2である。
【0021】
本明細書において、「安定な」及び「安定性」とは、化学的な又は物理的な状態が実質的に不変である組成物を意味する。「安定性」はさらに、組成物及びスキンケア活性物質が、妥当な棚貯蔵条件下で、並びに輸送及び貯蔵の間に受けることが妥当に予期される条件下で安定性を示すことを意味する。輸送及び貯蔵条件は、約−46℃(−50°F)〜約66℃(150°F)の温度への持続的な露出を含み得る。安定性は、実験的な観測又は当業者に既知であり得る適切な化学分析法のいずれかにより決定され得る。
【0022】
本明細書において、「スキンケア組成物」とは、哺乳類の皮膚及び他のケラチン組織、例えば毛髪及び爪上に局所適用するのに好適な組成物を意味する。局所とは皮膚及びケラチン組織の表面を意味する。本明細書では、「スキンケア」とは皮膚の状態を調整すること及び改善することを意味する。本明細書では、「皮膚の状態を調整する」とは、皮膚の外観及び/又は感触を改善すること、例えば、より滑らかな、より均一な外観及び/又は感触を提供することを意味する。本明細書では、「スキンケア」として、皮膚の油性の及び/又はてかった外観を低減することを含むことができ、これは次の利益のうちの1以上が達成されることを意味する:皮膚上の目に見える油、てかり、ぎらつき、又はハイライトの著しい減少が存在すること;皮膚が目に見える油性又はてかりを実質的に有さないこと;皮膚が実質的にてかりのない(matte)仕上がりを有し、又はユーザーがよりむらのない肌色を有すること。
【0023】
I.デヒドロ酢酸
本明細書において、「デヒドロ酢酸」は以下の化合物を意味する:
【0024】
【化1】

【0025】
デヒドロ酢酸の学名は、3−アセチル−6−メチル−2H−ピラン−2,4,(3H)−ジオンであり、これはトリ−K・インダストリーズ(Tri-K Industries)(ニュージャージー州、ノースベール(Northvale))から、及び商標名ゲオガード(GEOGARD)(登録商標)221又はゲオガード(登録商標)361でロンザ(Lonza)(ニュージャージー州、アナンデール(Annandale)から購入することができる。本発明の組成物を製造するために、出発物質として、油相へと分配される時にデヒドロ酢酸へと転換されるデヒドロ酢酸の異性体類、互変異性体類、塩類、及び誘導体類を挙げることができる。一実施形態では、組成物は約0.01%〜約5%のデヒドロ酢酸を含む。あるいは、組成物は約0.05〜約2%のデヒドロ酢酸を包含する。あるいは、組成物は約0.1%〜約1%のデヒドロ酢酸を包含する。
【0026】
皮膚科学的に許容可能な塩類としては、ナトリウム及びカリウムのようなアルカリ金属塩類;カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属塩類;非毒性重金属塩類;アンモニウム塩類並びにトリメチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウムのようなトリアルキルアンモニウム塩類が挙げられる。デヒドロ酢酸の誘導体類としては、CH3基が個別に又は組み合わせてアミド類、エステル類、アミノ基類、アルキル類、及びアルコールエステル類によって置換されているあらゆる化合物が挙げられるが、これらに限定されない。デヒドロ酢酸の互変異性体類は、互いに容易に変化でき、そのため通常は平衡状態で存在する、デヒドロ酢酸の異性体類である。それ故、デヒドロ酢酸の互変異性体類は、化学式C884を有し及び一般的に上記の構造を有するように記述できる。
【0027】
II.皮膚科学的に許容可能なキャリア
本発明の局所用組成物はまた、皮膚科学的に許容可能なキャリアも含む。本明細書において、「皮膚科学的に許容可能なキャリア」という語句は、当該キャリアがケラチン組織への局所適用に好適であり、良好な審美特性を有し、本発明の活性物質及びあらゆるその他の構成成分と適合性があり、安全性又は毒性についていかなる問題も引き起こさないことを意味する。本発明の組成物は約50%〜約99.99%の皮膚科学的に許容可能なキャリア、あるいは約60%〜約99.9%のキャリア、あるいは、約70%〜約98%のキャリア、及びあるいは約80%〜約95%のキャリアを含む。
【0028】
皮膚科学的に許容可能なキャリアは種々多様な形態であることができる。非限定例としては、単純な溶液類(水系の又は油系の)、固体形態類(例えば、ゲル類又はスティック類)及びエマルション類が挙げられる。本明細書において、「エマルション類」は一般に水相及び脂質又は油を含有する。脂質類及び油類は動物類、植物類、又は石油から誘導されてよく、また天然又は合成であってよい。エマルションキャリアとしては、水中油型、油中水型、水中油中水型、及びシリコーン中水中油型エマルションが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、皮膚科学的に許容可能なキャリアは、水中油型エマルション及び油中水型エマルションを含む。さらに他の実施形態では、皮膚科学的に許容可能なキャリアは水中油型エマルションである。
【0029】

本明細書に用いるのに好適な油類には、全体の溶解度パラメータが約7〜約15であり、及び限定された水中溶解度を示す、あらゆる天然及び合成の油類が包含される。当該油類が他の油類とブレンドされたときに、その混合油の溶解度パラメータの重量平均が約7〜約15の範囲内であるならば、15よりも高い溶解度パラメータ及び7よりも低い溶解度バラメータを有する油類を使用することが可能である。本明細書では、「重量平均」とは、平均溶解度パラメータを計算するときに、種々の油類の体積と溶解度パラメータとが考慮されるということを意味する。本明細書に記載される油類に関する溶解度パラメータは、化学の分野の当業者には既知の方法によって決定され、及び(cal/cm31/2の単位で表され、ここで、「cal」はカロリーを意味し、「cm3」は立方センチメートルを意味する。溶解度パラメータは、C.D.ボーガン(C. D. Vaughan)によって「溶解度パラメータ:それは何か?(The Solubility Parameter:What is it?)」、化粧品及びトイレタリー(Cosmetics & Toiletries)、第106巻、1991年11月、69〜72頁、及びまたC.D.ボーガンによって「化粧品配合における溶解度パラメータの使用(Using Solubility Parameters in Cosmetics Formulation)」、36化粧品化学者協会誌(36 J. Soc. Cosmetic Chemists)、319〜333、1988年9月/10月に広範に論じられている。
【0030】
本発明の組成物における油類の溶解度パラメータは約7〜約15である。あるいは、当該油類の溶解度パラメータは約8〜約14である。あるいは、当該油類の溶解度パラメータは約9〜約12である。
【0031】
本明細書では、「水中溶解度」とは、当該油が水相に溶解する程度を意味し、その程度は水中に溶解される油の合計の百分率として表される。本発明の組成物においては、油は約5%以下の水相への溶解度を有する。
【0032】
好適な油類の例としては、これらに限定されないが、ポリプロピレングリコール−15(PPG−15)ステアリルエーテル、C12〜15アルキルベンゾエート、ブチルフタルイミド、ペレモル(PELEMOL)BIP(商標)としてフェニックス・ケミカル社(Phoenix Chemical, Inc.)から入手可能なイソプロピルフタルイミド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、エルデュー(ELDEW)(商標)SL205として入手可能なイソプロピルN−ラウロイルサルコシネート、オクチルサリチラート、オクチルメトキシシンナメート、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な溶解度パラメータを有する化合物の他の例は、C.D.ボーガン(Vaughan)、「製品、パッケージ、浸透、及び防腐における溶解度の効果(Solubility Effects in Product, Package, Penetration and Preservation)」、化粧品及びトイレタリー(Cosmetics and Toiletries)、第103巻、1988年10月、47〜69頁に記載されている。
【0033】
好ましい実施形態では,油はPPG−15ステアリルエーテルであり、これは次の構造を有する:
【0034】
【化2】

式中、「n」はプロピレングリコール単位の平均数が15であることを意味している。本発明では、デヒドロ酢酸は主に水中油型エマルションの油相中に分配される。本明細書で使用するとき、「主に分配される」とは、当該デヒドロ酢酸が油相中に実質的に存在し、及びわずかな又は検知できない量のみが水相中に存在するということを意味する。
【0035】
エマルション
本発明の組成物はエマルションの形態であってもよい。エマルション類は保湿剤、例えばグリセリンを含有してもよい。エマルション類は乳化剤を更に含有してもよい。乳化剤類は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってよい。好適な乳化剤類は、例えば、米国特許第3,755,560号(ディッカート(Dickert)らに発行);米国特許第4,421,769号(ディクソン(Dixon)らに発行)、及びマカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's Detergents and Emulsifiers)、北アメリカ版、317〜324頁(1986年)に開示されている。好適なエマルション類は、所望の製品形態に応じて、幅広い粘度を有してもよい。
【0036】
III.任意成分
スキンケア活性物質
本発明の組成物は、デヒドロ酢酸の利点を高めるため及び/又は他の利点を与えるために異なる様式で機能することができる1以上のスキンケア活性物質を更に含むことができる。これらの利点の非限定例としては、皮脂合成の低減を促進すること、皮膚の油性の及び/又はてかった外観を調整すること、及び抗ニキビ効果を提供することが挙げられるがこれらに限定されない。
【0037】
本発明の組成物はサリチル酸、その異性体類、互変異性体類、塩類、及びそれらの誘導体類を含有してもよい。あるいは、組成物は約0.001%〜約5%のサリチル酸を含む。あるいは、組成物は約0.01%〜約2%のサリチル酸を含む。あるいは、組成物は約0.1%〜約1%のサリチル酸を含む。
【0038】
皮膚科学的に許容可能な塩類としては、ナトリウム及びカリウムのようなアルカリ金属塩類;カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属塩類;非毒性重金属塩類;アンモニウム塩類並びに、トリメチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウムのようなトリアルキルアンモニウム塩類が挙げられる。サリチル酸の誘導体類としては、CH3基が個別に又は組み合わされてアミド類、エステル類、アミノ基類、アルキル類、及びアルコールエステル類によって置換されたあらゆる化合物が挙げられるが、これらに限定されない。サリチル酸の互変異性体類は、互いに容易に変化でき、そのため通常は平衡状態で存在する、サリチル酸の異性体類である。それ故、サリチル酸の互変異性体類は化学式C763を有し、及び一般的にサリチル酸と類似の構造を有するように記述することができる。
【0039】
本発明の組成物は約0.001%〜約5%、あるいは、約0.01%〜約2%、及びあるいは約0.1%〜約1%のα−又はβ−ヒドロキシ酸類、及びそれらの誘導体類、塩類、異性体類及び互変異性体類を包含してよい。α−及びβ−ヒドロキシ酸類の非限定例としては、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、アトロラクチン酸、β−ヒドロキシ酪酸、β−フェニル乳酸、β−フェニルピルビン酸、クエン酸、ピルビン酸エチル(citric acid ethyl pyruvate)、ガラクツロン酸、グルコヘプトン酸、グルコヘプトノ1,4−ラクトン(glucoheptono 1,4-lactone)、グルコン酸、グルコノラクトングルクロン酸、グルクロノラクトン、グリコール酸、ピルビン酸イソプロピル、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸(amndelic acid)、ピルビン酸メチル(emthyl pyruvate)、ムチン酸、ピルビン酸、サッカリン酸、糖酸1,4−ラクトン、酒石酸及びタルトロン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
界面活性剤
本発明の組成物は、1種類以上の界面活性剤類を包含してもよい。これらの界面活性剤類又は界面活性剤類の組み合わせはマイルドであるべきであり、マイルドとは、これらの界面活性剤が十分なクレンジング又は洗浄効果を与えるが皮膚を過度に乾燥させないということを意味する。本明細書で有用な界面活性剤類としては、アニオン性界面性剤類、両性界面活性剤類(surfactangs)、双極性界面活性剤類、カチオン性界面活性剤類、非イオン性界面活性剤類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。このような界面活性剤類の例は、米国特許第5,624,666号(コッフィンダッファー(Coffindaffer)らに発行)に見出される。これらの界面活性剤の濃度は、約0.1%〜約20%、あるいは約0.5%〜約15%、及びあるいは約1%〜約10%である。
【0041】
本発明の組成物中で有用なアニオン性界面活性剤類は、マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's, Detergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;マカッチャンの機能性材料(McCutcheon's, Functional Materials)、北アメリカ版(1992年);及び米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)らに発行)に開示されている。アニオン性界面活性剤類の非限定例には、サルコシネート類、サルフェート類、スルホネート類、イセチオネート類、タウレート類、ホスフェート類、ラクチレート類、グルタメート類、及びそれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。本明細書において有用なその他のアニオン性物質は、脂肪酸類の石鹸類(即ち、アルカリ金属塩類、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)であり、典型的には約8〜約24個の炭素原子、あるいは約10〜約20個の炭素原子を有する。石鹸を製造する際に使用される前記脂肪酸類は、例えば、植物由来又は動物由来のグリセリド類(例えば、パーム油、ココナッツ油、大豆油、ヒマシ油、タロー、ラードなど)のような天然源から得ることができる。脂肪酸類はまた、合成的に調製することもできる。石鹸類については、上記で引用した米国特許第4,557,853号に更に詳細に記載されている。
【0042】
本明細書の組成物に用いるのに好適な両性及び双極性の洗浄性界面活性剤類としては、スキンケア又は他のパーソナルケアクレンジングでの使用が既知のものが挙げられる。本発明の組成物中のこのような両性又は双極性洗浄性界面活性剤類の濃度は、約0.1%〜約20%、あるいは約0.2%〜約10%、及びあるいは約0.5%〜約5%である。好適な双極性又は両性界面活性剤類の非限定例は、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号(両方ともボリッチ,ジュニア(Bolich, Jr.)らに発行)に記載されている。
【0043】
本組成物に用いるのに好適な両性洗浄性界面活性剤類としては、脂肪族二級及び三級アミン類の誘導体として広く記載されている界面活性剤類であって、その脂肪族ラジカルは直鎖若しくは分枝鎖とすることができ、及び脂肪族置換基のうちの1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、及び1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのようなアニオン水溶性基を含有するものが挙げられる。本発明の組成物に用いられるのに好ましい両性洗浄性界面活性剤類は、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物から成る群より選択される。市販の両性界面活性剤類としては、ミラノール(MIRANOL)(登録商標)C2M Conc.N.P.、ミラノール(登録商標)C2M Conc.O.P.、ミラノール(登録商標)C2M SF、ミラノール(登録商標)CMスペシャル(Special)、ミラノール(登録商標)ウルトラ(Ultra)(ロンザ社(Lonza, Inc.));アルカテリック(ALKATERIC)(登録商標)2CIB(アルカリル・ケミカルズ(Alkaril Chemicals));アンホタージ(AMPHOTERGE)(登録商標)W−2(ロンザ社(Lonza,Inc.));モナテリック(MONATERIC)(登録商標)CDX−38、モナテリック(登録商標)CSH−32(モナ・インダストリーズ(Mona Industries));リウォテリック(REWOTERIC)(登録商標)AM−2C(リウォ・ケミカル・グループ(Rewo Chemical Group));及びシェルコテリック(SCHERCOTERIC)(登録商標)MS−2(シェル・ケミカルズ(SCHER CHEMICALS))の商品名で販売されているものが挙げられる。
【0044】
本明細書で使用するのに好適な双極性洗浄性界面活性剤類としては、脂肪族第四級アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記述される界面活性剤類であって、その脂肪族ラジカル類が直鎖若しくは分枝鎖であることができ、及びその脂肪族置換基類のうちの1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、及び1つがアニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート若しくはホスホネート基を含有する界面活性剤類が挙げられる。好ましい双極性洗浄性界面活性剤類は、ベタイン類及びスルホベタイン類、例えばココアミドプロピルベタイン及びココアミドプロピルヒドロキシ−スルタインである。
【0045】
本発明の組成物は約0.1%〜約15%、あるいは約0.2%〜約10%、及びあるいは約0.5%〜約5%のカチオン性界面活性剤を含むことができる。本発明の組成物に有用なカチオン性界面活性剤類の非限定例は、マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's, Detergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及びマカッチャンの機能材料(McCutcheon's, Functional Materials)、北アメリカ版(1992年)に開示されている。理論によって制限されることなく、こうしたカチオン性の物質はまた本明細書の組成物に抗菌効果をも提供できると考えられる。したがって、抗菌特性を有するカチオン性の物質は本明細書で極めて有用である。
【0046】
本明細書で有用なカチオン性界面活性剤類の非限定例には、次の式を有するもののようなカチオン性アンモニウム塩類が挙げられる:
【0047】
【化3】

式中、R1は、約12〜約22個の炭素原子を有するアルキル基、又は約12〜約22個の炭素原子を有するアリール基又はアルカリール基から選択され;R2、R3、及びR4は、水素、約1〜約22個の炭素原子を有するアルキル基、又は約6〜約22個の炭素原子を有する芳香族基、アリール基又はアルカリール基から独立して選択され;及びXは、クロリド、ブロミド、ヨウ化物、アセテート、ホスフェート、ニトレート、サルフェート、メチルサルフェート、エチルサルフェート、トシラート、ラクテート、シトレート、グリコレート、及びこれらの混合物から選択される陰イオンである。更に、アルキル基はまた、連鎖(linkages)、又はヒドロキシ若しくはアミノ基置換基のいずれかを含有することができる(例えば、アルキル基はポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール部分を含有することができる)。
【0048】
本発明の組成物は、約0.1%〜約15%、あるいは約0.2%〜約10%、及びあるいは約0.5%〜約5%の非イオン性界面活性剤を含むことができる。本発明の組成物に使用される非イオン性界面活性剤類の非限定例は、マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's, Detergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及びマカッチャンの機能性材料(McCutcheon's, Functional Materials)、北アメリカ版(1992年)に開示されている。
【0049】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤類としては、長鎖アルコール類、例えば、C8〜30アルコール類と糖又はデンプンポリマー類との縮合生成物類、即ち、グリコシド類として広く定義できるものが挙げられる。これらの化合物は、式(S)n−O−Rで表すことができ、式中、Sはグルコース、フルクトース、マンノース、及びガラクトースのような糖部分であり;nは約1〜約1000の整数であり、及びRはC8〜30アルキル基である。アルキル基を誘導することができる長鎖アルコール類の例としては、デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。これらの界面活性剤類の好ましい例には、Sがグルコース部分であり、RがC8〜20アルキル基であり、及びnが約1〜約9の整数であるものが挙げられる。これらの界面活性剤類の市販の例には、デシルポリグルコシド(ヘンケル(Henkel)からAPG 325CS(商標)として入手可能)、及びラウリルポリグルコシド(ヘンケル(Henkel)からAPG 600CS(商標)及び625CS(商標)として入手可能)が挙げられる。他の有用な非イオン性界面活性剤類としては、アルキレンオキシド類と脂肪酸類の縮合生成物類(即ち、脂肪酸類のアルキレンオキシドエステル類)が挙げられる。他の非イオン性界面活性剤類は、アルキレンオキシド類と脂肪族アルコール類との縮合生成物類(即ち、脂肪族アルコール類のアルキレンオキシドエーテル類)である。
【0050】
粒子状物質
本発明は、クレンジング剤及び剥離剤を包含する粒子状物質類を、約0.1%〜約30%、あるいは約0.5%〜約15%、及びあるいは約1%〜約5%含んでいてもよい。粒子状クレンジング剤又は剥離剤は、無機、有機、天然及び合成起源に由来するものを包含する、多岐にわたる材料から導くことができる。これら材料の非限定的な例としては、アーモンドミール、アルミナ、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アンズ種子粉末、アタパルジャイト、大麦粉、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース、白亜、キチン、粘土、トウモロコシの穂軸穀粉、トウモロコシの穂軸粉末、トウモロコシ粉、コーンミール、トウモロコシデンプン、珪藻土、リン酸二カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、フラー土、水酸化ケイ素、ヒドロキシアパタイト、酸化鉄、ホホバシード粉末、カオリン、ヘチマ、三ケイ酸マグネシウム、雲母、微結晶セルロース、モンモリロナイト、オート麦のふすま、オート麦粉、オートミール、モモの種粉末、ペカンの殻粉末、ポリブチレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ナイロン、テフロン(TEFLON)(登録商標)(すなわち、ポリテトラフルオロエチレン)、ポリハロゲン化オレフィン類、軽石、米ぬか(pumice rice bran)、ライ麦粉、絹雲母、シリカ、絹、重炭酸ナトリウム、ケイアルミン酸ナトリウム、大豆粉、合成ヘクトライト(soy flour synthetic hectorite)、タルク、酸化錫、二酸化チタン、リン酸三カルシウム、クルミの殻粉末、小麦ふすま、小麦粉、小麦デンプン、ケイ酸ジルコニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。更にまた、混合ポリマー類(例えば、コポリマー、ターポリマー等)から作られた粒子も有用であり、これらには、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン/プロピレン/イソブチレンコポリマー、ポリエチレン/スチレンコポリマー、及びこれらの混合物がある。典型的に、前記ポリマー粒子及び混合ポリマー粒子は、例えば不純物、を破壊するために酸化プロセスを介して処理される。前記ポリマー粒子及び混合ポリマー粒子はまた、任意に、様々な一般的な架橋剤で架橋することもでき、非限定的な例としては、ブタジエン、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、スクロースのアリルエーテル類、ペンタエリスリトールのアリルエーテル類、及びこれらの混合物が挙げられる。有用な粒子の他の例としては、パラフィン類、カルナバ蝋、オゾケライト蝋(ozekerite wax)、キャンデリラ蝋(candellila wax)、及び尿素ホルムアルデヒド樹脂類のようなろう類及び樹脂類が挙げられる。かかるろう類及び樹脂類を本明細書で使用する場合、これら材料は、周囲温度及び皮膚温度において固体であることが重要である。
【0051】
コンディショニング剤
本発明の組成物は、約0.1%〜約50%、あるいは約0.5%〜約30%、あるいは約1%〜約20%、あるいは約2%〜15%のコンディショニング剤を含んでもよい。これらのコンディショニング剤類としては、炭化水素油類及びろう類、シリコーン類、脂肪酸誘導体類、コレステロール、コレステロール誘導体類、ジグリセリド類、トリグリセリド類、植物油類、植物油誘導体類、アセトグリセリドエステル類、アルキルエステル類、アルケニルエステル類、ラノリン、ろうエステル類、蜜蝋誘導体類、ステロール類及びリン脂質類、塩類、異性体類及びこれらの誘導体類、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書に用いるのに好適な炭化水素油類及びろう類の非限定例としては、ペトロラタム、鉱油、マイクロクリスタリンワックス類、ポリアルケン類、パラフィン類、ケラシン、オゾケライト、ポリエチレン、ペルヒドロスクアレン、ポリαオレフィン類、水素添加ポリイソブテン類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
本明細書で用いるのに好適なシリコーン油類の非限定例としては、ジメチコンコポリオール、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、混合C1〜30アルキルポリシロキサン類、フェニルジメチコン、ジメチコノール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、シリコーンオイル類は、ジメチコン、ジメチコノール、混合C1〜30アルキルポリシロキサン類、シリコーンクロスポリマー類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、不揮発性シリコーンオイル類である。本明細書で有用なシリコーンオイル類のこれらの及び他の例は、米国特許第5,011,681号(シオッティ(Ciotti)らに発行)に記載されている。
【0054】
本明細書で使用するのに好適なシリコーンクロス−ポリマー類(cross-polymers)の非限定例としては、アクリレート/ビス−ヒドロキシプロピルジメチコンクロスポリマー、C30〜45アルキルセテアリルジメチコンクロスポリマー、アクリレート/ビス−ヒドロキシプロピルジメチコンクロスポリマー、C30〜45アルキルセテアリルジメチコンクロスポリマー、セテアリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー−3、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジフェニルジメチコンクロスポリマー、ジビニルジメチコン/ジメチコンクロスポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)−10ジメチコンクロスポリマー、PEG−12ジメチコンクロスポリマー、PEG−10ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、PEG−10/ラウリルジメチコンクロスポリマー,PEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチル/トリメチルシロキシシリケートステアリルジメチコンクロスポリマー、ポリシリコーン−11、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
糖類及び関連物質の種々のC1〜30モノエステル類及びポリエステル類、例えば脂肪酸類のスクロースエステル類(SEFA)もまた本明細書で有用である。
【0056】
種々の皮膚軟化剤類を、コンディショニング剤類として使用してもよい。これらの皮膚軟化剤類は、以下の部類の1以上から選択してよい:トリグリセリドエステル類、アセトグリセリドエステル類(triglyceride esters acetoglyceride esters)、10〜20個の炭素原子を有する脂肪酸類のアルキルエステル類、10〜20個の炭素原子を有する脂肪酸類のアルケニルエステル類、10〜20個の炭素原子を有する脂肪酸類、10〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコール類、ラノリン、多価アルコールエステル類、ろうエステル類、植物ろう類、リン脂質類、ステロール類、アミド類、異性体類、塩類、誘導体類、及びこれらの混合物。
【0057】
これらの及び他の好適なコンディショニング剤類は、米国特許第5,997,890号(シン(Sine)らに発行)に例示されている。
【0058】
構造剤
本発明の組成物は、構造剤を含有してもよい。構造剤類は本発明のエマルション類中において特に好ましく、及び本発明の水中油型エマルション類中でなおより好ましい。理論によって制限されないが、構造剤は、組成物の安定性に寄与するレオロジー特性(例えば降伏特性及び構造特性)を組成物に与える助けとなると考えられている。本発明の組成物は、約0.1%〜約20%、あるいは約0.5%〜約10%、及びあるいは約1%〜約5%の、1以上の構造剤類を含む。
【0059】
一実施形態では、構造剤類は約1〜約8の親水性−親油性バランス(HLB)を有し、及び少なくとも約45℃の融点を有する。好適な構造剤類としては、14〜30個の炭素原子を有する飽和脂肪族アルコール類、16〜30個の炭素原子を有し及び約1〜約5モルのエチレンオキシドを含有する飽和脂肪族アルコール類、約16〜約30個の炭素原子を有する飽和ジオール類、約16〜約30個の炭素原子を有する飽和モノグリセロールエーテル類、約16〜約30個の炭素原子を有する飽和ヒドロキシ脂肪酸類、約14〜約30個の炭素原子を有するヒドロキシル化及び非ヒドロキシル化飽和脂肪酸類、約14〜約30個の炭素原子を有する飽和エトキシ化脂肪酸類、約14〜約30個の炭素原子を有し及び約1〜約5モルのエチレンオキシドを有する飽和脂肪族アミン類、約14〜約30個の炭素原子を有し及びモノグリセリド含有量が少なくとも40%である飽和グリセリルモノエステル類、約14〜約30個の炭素原子、約1〜約3個のアルキル基及び約2〜約3個の飽和グリセロール単位を有する飽和ポリグリセロールエステル類、約14〜約30個の炭素原子を有するグリセリルモノエーテル類、約14〜約30個の炭素原子を有するソルビタンモノ及びジエステル類、約14〜約30個の炭素原子を有し及び約1〜約5モルのエチレンオキシドを有する飽和エトキシ化ソルビタンモノ及びジエステル類、約14〜約30個の炭素原子を有する飽和メチルグルコシドエステル類、約14〜約30個の炭素原子を有する飽和スクロースモノ及びジエステル類、約14〜約30個の炭素原子を有し及び約1〜約5モルのエチレンオキシドを有する飽和エトキシ化メチルグルコシドエステル類、約14〜約30個の炭素原子を有し及び平均1〜2のグルコース単位を有する飽和ポリグルコシド類、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
本発明の好ましい構造剤類は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、パルミチン酸、平均約1〜約5個のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、平均約1〜約5個のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択される。本発明のより好ましい構造剤類は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、平均約2個のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(ステアレス−2)、平均約2個のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましい構造剤類は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアレス−2、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0061】
増粘剤
本発明の組成物は、約0.1%〜約5%、あるいは約0.1%〜約4%、及びあるいは約0.25%〜約3%の、シックナー類(thickeners)及びゲル化剤類を包含する1つ以上の増粘剤類(thickening agents)を含有することができる。増粘剤類の非限定的な部類としては、架橋ポリアクリレートポリマー類、ポリアクリルアミドポリマー類、多糖類及びガム類が挙げられる。一実施形態では、本発明の組成物として、カルボン酸ポリマー類、架橋ポリアクリレートポリマー類、ポリアクリルアミドポリマー類、及びこれらの混合物から選択される増粘剤が挙げられる。さらに他の実施形態では、増粘剤はカルボン酸ポリマー類、ポリアクリルアミドポリマー類、及びこれらの混合物から選択される。
【0062】
架橋ポリアクリレートポリマー類としては、カチオン性ポリマー類、非イオン性ポリマー類、及びこれらの混合物を挙げることができる。カチオン性ポリマー類がより好ましい。有用な架橋ポリアクリレート非イオン性及びカチオン性ポリマー類の例は、米国特許第5,100,660号(ハウ(Hawe)らに発行);米国特許第4,849,484号(ハード(Heard)に発行);米国特許第4,835,206号(ファラー(Farrar)らに発行);米国特許第4,628,078号(グローバー(Glover)らに発行);米国特許第4,599,379号(フレッシャー(Flesher)らに発行);及びEP228,868(ファラー(Farrar)らに発行)に記載されているものである。
【0063】
本発明の組成物はポリアクリルアミドポリマー類を含有することができる。置換分枝状又は非分枝状ポリマー類を包含する非イオン性ポリアクリルアミドポリマー類がより好ましい。商標名セピゲル(SEPIGEL)(商標)305でセピック・コーポレーション(Seppic Corporation)(ニュージャージー州、フェアフィールド(Fairfield))から入手可能な、イソパラフィン及びラウレス−7が、非イオン性ポリマー類の中でもより好ましい。本明細書で有用な他のポリアクリルアミドポリマー類としては、アクリルアミド類、置換アクリルアミド類のアクリル酸類、置換アクリル酸類との多元ブロックコポリマー類、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの多元ブロックコポリマー類の市販の例としては、リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals, Inc.)(ニュージャージー州、パターソン(Patterson))からのハイパン(HYPAN)(商標)SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hが挙げられる。
【0064】
本明細書で使用するとき、「多糖類」とは反復する糖(即ち、炭水化物)単位の骨格鎖を含有するゲル化剤類をいう。多糖類ゲル化剤類の非限定的な例としては、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、セルロース硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。セルロースポリマーのヒドロキシ基がヒドロキシアルキル化(例えば、ヒドロキシエチル化又はヒドロキシプロピル化)されてヒドロキシアルキル化セルロースを形成し、それがさらにエーテル結合を介してC10〜C30直鎖又は分枝鎖アルキル基で修飾された、アルキル置換セルロース類もまた本明細書で有用である。典型的には、これらのポリマー類は、C10〜C30直鎖又は分枝鎖アルコール類とヒドロキシアルキルセルロース類とのエーテル類である。本明細書で有用なアルキル基の例としては、ステアリル、イソステアリル、ラウリル、ミリスチル、セチル、イソセチル、ココイル(すなわち、ココヤシ油のアルコール類から誘導されるアルキル基)、パルミチル、オレイル、リノレイル、リノレニル、リシノレイル、ベヘニル、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテル類の中でも好ましいのは、商標名ナトロゾル(NATROSOL)(登録商標)CSプラス(Plus)でアクアロン社(Aqualon Corp.)(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington))から販売されている、CTFA表記、セチルヒドロキシエチルセルロースが付与された物質である。他の有用な多糖類としては、(1−3)結合グルコース単位及び3単位ごとの(1−6)結合グルコースの線状鎖であるスクレログルカン類が挙げられる。スクレログルカンの市販の例は、ミシェル・メルシエ・プロダクツ社(Michel Mercier Products Inc.)(ニュージャージー州、マウンテンサイド(Mountainside))からのクリアロゲル(CLEAROGEL)(商標)CS11である。
【0065】
本明細書で有用な他の増粘剤類及びゲル化剤類には、主に自然源より誘導される物質が包含される。これらのゲル化剤ガム類の非限定例としては、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸、水酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤゴム、ケルプ、イナゴマメゴム、納豆ゴム、アルギン酸カリウム、カラギーナンカリウム、プロピレングリコールアルギネート、スクレロチウムガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、トラガカントガム、キサンタンガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0066】
基材
本発明の組成物は、皮膚に直接適用することができる。それに加えて、又は別法として、組成物はその組成物を放出可能に保持する基材物質を含む好適なアプリケータを使用して適用することができる。本発明の組成物は、パーソナルクレンジング、肌トリートメント、又は他のパーソナルケア用途を実行するために、基材と組み合わせて使用するのに特に好適である。好ましい実施形態では、組成物は基材と予め組み合わされるか又は基材上に付着されて拭き取り製品を形成し、この1つの例は、使い捨て拭き取り製品である。本明細書では、「拭き取り製品」とは、基材と本発明の組成物であって、後の使用のために予め組み合わされるものを意味する。拭き取り製品は比較的乾燥した状態で包装され、そして使用の前に濡らされてもよく、又は既に濡らされた状態で包装されてもよい。組成物及び拭き取り製品は顔、首、及び手の処置に使用するのに非常に適している。しかしながら、本発明の組成物及び拭き取り製品は、他の適用にも有用であることを理解すべきである。
【0067】
好適な拭き取り基材としては、不織布類、フィルム類、発泡体類、スポンジ類、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい拭き取り基材は、基材の孔内に組成物を保持することができる多孔質材料を含む。したがって、好ましい基材は不織布類を包含する。
【0068】
拭き取り基材をクレンジング又は処理組成物と組み合わせるための、及びそれらを包装するための技術は、当該技術分野において周知であり、また本発明に応用できる。一般に、拭き取り基材は、コーティング、浸漬(immersing)、ディッピング(dipping)、噴霧、押出し成形を包含する1以上の技術によって組成物と組み合わされる。一般に、拭き取り用品は良好で、効果的な皮膚の処理を提供するのに十分な組成物の量と組み合わされる。
【0069】
追加の任意成分
本発明の組成物は、本発明の利益について許容し難い程の変更をしないという条件で、従来の製品種に使用される皮膚及び毛髪ケア活性物質を包含する多種多様な追加成分を含有することができる。組成物中に組み込まれる場合、これら成分は、正常な判断の範囲内で、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを伴わず、哺乳類のケラチン組織に接触させて用いるのに好適でなければならない。「国際化粧品成分辞典及び便覧(The International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)」、第10版(2004年)には、スキンケア業界で通常使用される多種多様の非限定的な化粧品及び医薬品の成分が記載されており、それらは本発明の組成物に用いるのに好適である。これらの及び同様の非デヒドロ酢酸成分の部類の例としては、以下のものが挙げられる:研磨剤類、吸収剤類、審美性構成成分類、例えば芳香剤類、顔料類、着色物質類/着色剤類、精油類、皮膚感覚剤類、収れん剤類(この非限定例としては、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、メチルラクテート、ウィッチヘーゼル留出物が挙げられる)、抗ニキビ剤類、抗しわ剤類、抗炎症剤類、抗萎縮剤類、抗圧塗り剤類(anti-caking agents)、落屑剤類、抗菌剤類及び抗真菌剤類(この非限定例としてはメチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン、ヨードプロピニルブチルカルバメートが挙げられる)、酸化防止剤類、レチノイド類、N−アシルアミノ酸化合物類、油抑制剤類、結合剤類、生物学的添加物類、緩衝剤類、充填剤類、キレート化剤類、着色剤類、化粧用収れん剤類、化粧用殺生物剤類、変性剤類、薬物収れん剤類、皮膚軟化剤類、外用鎮痛剤類、組成物の被膜形成特性又は直接性を補助するための皮膜形成剤類若しくは材料類(例えば、ポリマー類)(この非限定例としては、エイコセンとビニルピロリドンのコポリマー類が挙げられる)、不透明化剤類、pH調整剤類、噴射剤類、還元剤類、皮膚漂白剤類及び美白剤類、皮膚引き締め剤類(skin firming agents)、皮膚鎮静剤類及び/又は回復剤及び誘導体類、アミノ糖類、並びにビタミン類及びこれらの誘導体類。しかしながら、多くの物質は2つ以上の利益をもたらすことがあること、又は2以上の作用様式によって機能し得ることに留意すべきである。したがって、本明細書の分類は便宜上実施されたものであって、活性物質を、列挙した特定の1つ又は複数の用途に制限しようとするものではない。
【0070】
IV.使用方法
本発明は、哺乳類の皮膚の状態を調整するための方法を提供する。皮膚の状態を調整する、とは、皮膚の外観及び/又は感触を改善すること、例えば、より滑らかな、より均一な外観及び/又は感触を提供することを意味し、及びより詳細には上記に記載している。
【0071】
皮膚の状態を調整する方法は、皮膚及び/又は他のケラチン組織に本発明のスキンケア組成物の安全且つ有効な量を局所適用する工程を含む。皮膚の外側部のあらゆる部分を処置できる。適用される組成物の量、適用の頻度、及び使用期間は、所与の組成物の構成成分の濃度及び所望される調整の程度に応じて広く変化する。
【0072】
一実施形態では、皮膚の状態を調整することは、組成物をローション、クレンジングミルク、クリーム、ゲル、フォーム、軟膏、ペースト、エマルション、トニック、化粧品、又は同様のものの形態で適用することによって、及び何らかの審美的、予防的、治療的、若しくは他の効果を生ずるように前記組成物を皮膚若しくは他のケラチン組織に残存させることによって実行できる(すなわち「リーブオン」組成物)。他の好ましい実施形態、例えばクレンジングミルクのような実施形態では、組成物は適用後に皮膚又はケラチン組織から洗い流され、拭き取られ、又は他の態様で除去されてもよい。
【0073】
本組成物の適用は手の平及び/若しくは指を用いて行われてもよく、又は用具(例えば、コットンボール、綿棒、パッド等)を使用することによって行われてもよい。組成物が基材に適用された場合、前記適用は、皮膚又はケラチン組織をその基材で拭くこと、軽くたたくこと、こすること、又は他の好適な手段による。組成物の形態に応じて、組成物を含有する基材を適用前に濡らしてもよい。
【実施例】
【0074】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し実証する。これらの実施例は、例示の目的で提示されているに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変形が可能であるため、本発明を限定するものと解釈すべきではない。成分は化学名又はCTFA名によって表記される。
【0075】
実施例1−8
クレンジング及び/又はコンディショニングに有用なスキンケア組成物は、下記の手順によって及び表1の成分を用いて調製され得る。組成物は皮膚に直接適用されてよく、又は基材に適用されてもよい。
【0076】
【表1】

1 ルブラジェル(LUBRAJEL)(登録商標)CG(ガーディアン・ラボラトリーズ(Guardian Laboratories))
2 シムルゲル(SIMULGEL)(登録商標)800(セピック(Seppic))
3 SEFAコットネート(SEFA Cottonate)(登録商標)(プロクター・アンド・ギャンブル・ケミカルズ(Procter & Gamble Chemicals))
4 ガネックス(GANEX)(登録商標)P−904(インターナショナル・スペシャリティ(International Specialty))
5 ダウ・コーニング(Dow Corning)1503流体(Fluid)
6 フィンソルブ(FINSOLV)(登録商標) TN(ファインテクス社(Finetex, Inc.))
7 ペレモル(PELEMOL)(登録商標)BIP(フェニックス・ケミカル社(Pheonix Chemical, Inc.))
8 セピゲル(SEPIGEL)(登録商標)305(セピック(Seppic))
9 アラモル(ARLAMOL)E(登録商標)(ユニケマ、アメリカズ(Uniqema, Americas))
10 十分な分量(Quantum sufficiens)、すなわち最終組成物をその意図される最終の体積とするのに十分な量。
【0077】
実施例1〜8の作製方法:
工程1:
−好適な容器中に、相Iの成分を加えて透明になるまで混合する。
−別の好適な容器中に、相IIの成分をプロペラミキサーで混合しながら加える。混合しながら、この混合物をおよそ55℃に加熱する。酸が完全に溶解するまで混合を続ける。混合物を25℃に冷却する。
−混合物が均一になるまでプロペラでゆっくりと混合しながら、相Iを相IIに加える。
【0078】
工程2:
−プロペラミキサーを備えた好適な容器中に、相IIIの成分を以下のように加える:
a.水及びデシルグルコシドを混合する。
b.水/デシルグルコシド混合物を混合しながら、相IIIの成分の残りを1つずつ加える。混合物が均一になるまで混合を続ける。
【0079】
工程3:
−プロペラミキサーを備えた好適な容器中に、相IVの成分を混合しながら1つずつ加える。
−混合物が滑らかになるまで(ザラザラしなくなるまで)混合を続ける。
−混合しながら、相IVに相I/相II混合物を加え,続いて相III混合物を加える。ミキサースピードを調節して適度な混合を維持する。
−混合しながら、クエン酸又は水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを4.5以下に調節する。
−混合物が滑らか及び均質になるまで混合を続ける。
【0080】
組成物は、皮膚上に直接投与することにより、又は上記と共通の処方で基材を調製することによって、提供され得る。基材と共に用いるように調製するとき、製品は基材1g当たり約1gのローション〜基材1g当たり約8gのローションの割合で基材上へと適用され及び又はコーティングされてよい。
【0081】
実施例9〜11
クレンジングに有用なスキンケア組成物は、下記の手順によって及び表2の成分を用いて調製され得る。組成物は皮膚に直接適用されてもよく、又は基材へと適用されてもよい。
【0082】
【表2】

1アクスクラブ(ACCUSCRUB)(登録商標)TM51としてアリード・シグナル・コーポレーション(Allied Signal Corporation)から入手可能
【0083】
好適な容器中で、相Aの成分を攪拌しながら約75℃に加熱する。別個の容器中で、相Bの成分を攪拌しながら約75℃に加熱する。相Bを相Aへと混合しながら加える。酸化ポリエチレンビーズをアグロメレーションを防ぐために混合しながらゆっくりと加える。芳香剤及びメントールを混合しながら加える。混合物を約35℃に冷却する。別個の容器中で、相Dの成分を組み合わせ、そして残りの混合物へと攪拌しながら加える。クエン酸又は水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを4.5以下に調節する。
【0084】
表3:洗浄剤類(cleansers)及びクレンジングミルクの形態のスキンケア組成物は、下記の手順によって及び表3の成分を用いて調製され得る。
【0085】
【表3】

【0086】
【表4】

1エマルゲード(EMULGADE)(商標)68(コグニス社(Cognis Corp.))
2ブリッジ(BRIJ)(商標)721(ユニケマ社(Uniquema Corp.))
3PM1P75CSI(コボ社(Kobo Corp.))
4PSEP50EYSI(コボ社(Kobo Corp.))
5PSEP70ERSI(コボ社(Kobo Corp.))
6トスパール(TOSPEARL)(商標)2000(GE社(GE Corp.))
7アラモール(ARLAMOL)(商標)E(ユニケマ社(Uniquema Corp.))
8セピゲル(SEPIGEL)(商標)305(セピック社(Seppic Inc.))
9シムルゲル(SIMULGEL)(商標)800(セピック社(Seppic Inc.))
10DC−1503(ダウ・コーニング社(Dow Corning Inc.))
11DC−200(ダウ・コーニング社(Dow Corning Inc.))
12DC−9041(ダウ・コーニング社(Dow Corning Inc.))
【0087】
表3の組成物のための手順:
1.相Aの成分を好適な容器へと加える。プロペラで混合しながら、この混合物を70〜75℃に加熱する
2.相Bを好適な容器へと加える。混合しながら、この混合物を70〜75℃に加熱する。
3.相Dの成分を好適な容器へと加え、そして均質になるまでプロペラで混合する。
4.相A及びBの双方が70〜75℃に達したら、プロペラで混合しながら相BをAへと加える。
5.A及びBの混合物をテクマー(Tekmar)ミルを用いて942.5rad/s(9000rpm)〜1570.8rad/s(15,000rpm)で1〜3分間練る(Mill)。テクマー(Tekmar)ミルを除去してプロペラミキサーと交換する。
6.A及びBの混合物を混合及び冷却しながら相Cをバッチに加える。相Dをバッチに加える。
7.プロペラで混合しながら、バッチを35〜40℃に冷却し、確実にバッチが滑らか及び均質であるようにする。バッチを、テクマー(Tekmar)ミルを用いて942.5rad/s(9000rpm)〜1570.8rad/s(15000rpm)で1〜3分間練る(Mill)。クエン酸又は水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをおよそ4.5以下に調節する。
8.バッチを貯蔵用の容器へと移す。
【0088】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0089】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)デヒドロ酢酸、
b)少なくとも1つの油を含む皮膚科学的に許容可能なキャリアであって、前記油が5%以下の水中溶解度及び7〜15の溶解度パラメータを有するキャリア、
を含む、安定的なスキンケア組成物であって、前記デヒドロ酢酸は主に前記油中に分配され、且つ、前記組成物は4.5以下のpHを有する、安定的なスキンケア組成物。
【請求項2】
前記デヒドロ酢酸は、組成物の0.01重量%〜5重量%の量で、好ましくは0.05重量%〜2重量%の量で、さらに好ましくは0.1重量%〜1重量%の量で存在する、請求項1に記載のスキンケア組成物。
【請求項3】
前記油は、8〜14、好ましくは9〜12の溶解度パラメータを有する、請求項1又は請求項2に記載のスキンケア組成物。
【請求項4】
前記油は、PPG−15ステアリルエーテル、C12〜15アルキルベンゾエート、ブチルフタルイミド、イソプロピルフタルイミド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、イソプロピルN−ラウロイルサルコシネート、オクチルサリチラート、オクチルメトキシシンナメート、又はこれらの混合物を含む、より好ましくは、前記油は、PPG−15ステアリルエーテルを含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のスキンケア組成物。
【請求項5】
前記組成物は、2.0〜4.0、好ましくは2.5〜3.5、より好ましくは2.8〜3.2のpHを有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のスキンケア組成物。
【請求項6】
前記皮膚科学的に許容可能なキャリアは、水中油型エマルションの形態である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のスキンケア組成物。
【請求項7】
前記組成物は、第2のスキンケア活性物質を更に含み、前記第2のスキンケア活性物質は、サリチル酸、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、又はこれらの混合物を含み、より好ましくは、前記第2のスキンケア活性物質は、サリチル酸を含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のスキンケア組成物。
【請求項8】
哺乳類の皮膚の状態を調整するための、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の組成物の使用方法。
【請求項9】
前記組成物は基材へと付着される、哺乳類の皮膚の状態を調整するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の使用方法。
【請求項10】
デヒドロ酢酸と皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む安定なスキンケア組成物の製造プロセスであって、
a.前記デヒドロ酢酸を供給する工程、
b.5%以下の水中溶解度及び7〜15の溶解度パラメータを有する油を供給する工程、
c.前記デヒドロ酢酸を主に前記油中に分配させる工程、
d.皮膚科学的に許容可能なキャリアを供給する工程、
e.前記油を前記皮膚科学的に許容可能なキャリアと組み合わせてスキンケア組成物を製造する工程、及び、
f.前記スキンケア組成物のpHを4.5以下に調節する工程
を含む製造プロセス。

【公表番号】特表2008−528488(P2008−528488A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552167(P2007−552167)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/000909
【国際公開番号】WO2006/081071
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】