説明

デンタルシェードを測定する装置および方法

本発明は、歯(D)の少なくとも1つの部分を様々なスペクトル域の光で連続的に照明する照明手段(24,40,42,44,48,50)と、前記照明を受けて、前記歯部分からの光を感知可能であって、各々の異なる色の照明について、少なくとも1つの測定信号を生成する、少なくとも1つのセンサ(26)と、前記歯部分に対応する前記測定信号を、デンタルシェードガイドの予め設定されたシェードに対応して、基準点(320,410,540)も画定されているシェード空間における測定点(202)の座標に変換する手段(30,32)と、前記歯部分について、前記シェード空間において、前記測定点に最も近い基準点に対応するシェードを検索する検索手段(14)と、を備える、デンタルシェードを測定する装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンタルシェードを測定するための装置および方法に関する。デンタルシェードとは、歯の外観を可能な限り忠実に確定することを目的とする一組の歯の特性(tooth characteristics)を意味する。デンタルシェードとは、従って、歯の色であるが、例えば、歯の色調、その透明度、または表面の状態などのような、その他のパラメータを含むことも可能である。実際、これらのパラメータは、歯の実際の外観に影響を及ぼす。
【0002】
本発明は、デンタルケアの分野における用途を有し、特に、義歯の製造における用途を有する。
【背景技術】
【0003】
歯のシェードの評価は、歯科医によって視覚的に行われることが可能である。例えば、取り替える歯を、デンタルシェードガイドのいくつかの基準歯と比較することによって行われる。数種類のデンタルシェードガイドがある。一般に、デンタルシェードガイドは、様々な色域を有しており、各々の色域について、様々な色の飽和度(彩度)(saturations)を備えた一組の基準歯を有する。
【0004】
視覚的な評価を行うことで、歯の専門家が、各々の歯の特別な特徴および特にどのような不均質性であっても考慮に入れることが可能になる。但し、標準化された照明にもかかわらず、視覚的な評価による方法は、依然として、主観的な方法である。特に、誤った色の知覚あるいは従事者の視覚的な疲れに起因して誤差が生じる場合がある。
【0005】
測色計(colorimeter)を用いてより客観的な評価を行うことが可能である。測色計では広いバンドの励起光(excitation light)のなかで歯のスペクトル感度(spectral response)が分析される。これを適切な視覚化ソフトウェアに連結して、歯のシェードマップを作成することが可能である。続いて、このシェードマップを制御スクリーン上に表示させる。このような測色計は市販されており、例えば、シェードスキャン(Shade Scan)という機種がある。
【0006】
測色計を用いることによって、先に示されているように、デンタルシェードの評価が、従事者に関連する主観性の部分から解放されることが可能となる。それにもかかわらず、数々の問題点が解消されない場合がある。
【0007】
第1の問題点は、歯の照明に関する。周囲光または分析光の干渉反射はすべて、制御されていない照明の考えられる原因であり、従って、シェード測定誤差の考えられる原因である。
【0008】
もう1つの問題点は、特に、シェードの評価を変えるおそれがある歯のあらゆる輝きあるいは不均質性に関連づけられる。また、口そのものの背面によって拡散させられた光が特定の歯にとって背面照明となり、それらのシェード測定値を変化させかねないということを指摘することができる。
【0009】
さらにもう1つの問題点は、測色計によって与えられたシェード測定値を、歯科技工士が明瞭に解釈することが可能なデータに変換することにある。実際、歯科技工士は、測色計に合わせて較正および調整された装置を必ずしも持っておらず、歯の照明状態および不具合を知らない。
【0010】
最後に、1つの問題点は、特定の測色計が、かさばって扱いにくく、そのため、それらの使用が、口の前部にある歯についてのみに制限されることに関する。
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,654,794号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/190578号明細書
【特許文献3】米国特許第5,798,839号明細書
【特許文献4】米国特許第6,361,489号明細書
【特許文献5】国際出願公開第00/12026号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/159066号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した問題点をなくすために、本発明は、より正確には、歯の少なくとも1つの部分を様々なスペクトル域の光で連続的に照明する照明手段と、前記照明を受けて、前記歯部分からの光の強度を感知可能であって、各々の異なる色の照明について、少なくとも1つの測定信号を生成する、少なくとも1つの単色センサと、前記歯部分に対応する前記測定信号を、デンタルシェードガイドの予め設定されたシェードに対応して、基準点も画定されているシェード空間において、画定されている測定点の座標に変換する手段と、前記歯部分について、前記シェード空間において、前記測定点に最も近い基準点に対応するシェードを自動的に検索する自動検索手段と、を備えるデンタルシェード測定装置に関する。
【0013】
シェード空間とは、いくつかの次元を備えた空間であり、色空間のようなものである。従って、様々な空間次元に対応して、いくつかの色ベクトルによって範囲を定めることが可能であるが、例えば、歯部分における透明度または表面の状態のような、その他のパラメータを表すベクトルによって範囲を定めることも可能である。これらのパラメータは、従って、シェード空間にとって追加の次元となることが可能である。シェード空間、またはシェード空間の超空間について、その範囲を定めるベクトルの選択は、照明手段のスペクトル域によって設定することが可能である。また、シェード測定値を受け取る歯科技工士の癖に合わせた便宜的な選択によって決めることも可能である。歯科技工士の癖または技術上の制限について、さらに、様々な考えられるデンタルシェードガイドに従ってシェード空間の基準点を選択することによって考慮することも可能である。
【0014】
シェード測定値を変え得る、あらゆる干渉光、反射、またはその他の照明によるアーティファクト(artifacts)が、照明の様々なスペクトル域において異なってあらわれる。これにより、干渉作用を、より良好に制御することができる。例えば、シェード空間の次元のうちの1つを干渉作用の補正のために用いることが可能である。
【0015】
照明手段は、可視光光源を備えることが可能であるが、紫外線光光源および/または赤外線光光源を備えることも可能である。光源、特に、可視光光源は、ほぼ単色のものであることが望ましい。それらのスペクトルの範囲は、例えば、35nm未満となるように選択される。
【0016】
さらに、光源は、冷光源であることが望ましい。冷光源を用いることで、熱放散の問題を回避し、よりコンパクトで人間工学的な照明システムの設計を行うことが可能となる。光源は、例えば、エレクトロルミネセンスダイオード(LED)またはレーザダイオードである。
【0017】
照明手段がコンパクトで人間工学的であることは、さらに、光源に連結された光ファイバを用いることによって改良することが可能である。光源を発光部位(発光サイト)までつなげるファイバによって、光源を測定機器のなかでより自由に配置することが可能となり、従って、形状および寸法を最適化することが可能となる。
【0018】
歯部分を様々なスペクトル域の光で連続的に照明することに関連した、もう1つの利点としては、単一の単色センサ、すなわち、光の波長にかかわらず光の強度(光度)を感知可能なセンサを用いることができるということである。カラーフィルタを備えた複数のセンサの代わりに、1つの単色センサを用いることで、サイズを小さくすることが可能となる。センサは、フォトダイオードのような、ポイントセンサであってもよく、複数の画素を備えた画像センサであってもよい。
【0019】
本発明の装置は、1つの歯全体、あるいは、一組の複数の歯のシェードを測定するように設計することが可能であるが、歯部分のみのシェードを測定するようにすることも可能である。この装置を歯部分のみについて用いる場合に、歯科医は、歯の様々な場所に対して測定を行うことによって歯のあらゆる不均質性を考慮に入れることが可能である。歯科医は、例えば、歯の5つの部位、すなわち、歯茎のほうから、歯頸部と、中央歯頸部と、中央部と、中央切歯部と、切歯部とについて測定を行うことが可能である。また、マトリックスセンサを備えた装置を用いて、歯の全体的な測定を行うことによって、これらの歯の部位のシェードを確定することも可能である。この場合は、マトリックスのうちの一部の画素のデータを抽出することで、対応する歯部分のシェードが確定される。
【0020】
シェード空間における1つの点の信号を座標に変換する手段は、信号整形回路と、アナログ/デジタル変換器と、計算器とを含むことが可能である。一般的な計算器を、部分的に、座標を確定するために用いるとともに、部分的に、基準点に対応するシェードを検索するために用いることができる。例えば、専用の回路の形態である計算器やプログラムが設定されたコンピュータであってもよい。
【0021】
この装置の具体的な実施の形態では、これが、一方では、測定機器であり、他方では、測定活用端末である、2つの別々の部分を備える。この端末は、先に述べた計算器を収容することが可能であり、また、表示スクリーン、ユーザインターフェース、および/または通信インターフェースを備えることも可能である。この装置手段の一部分を活用端末のなかに収容することによって、測定機器を、特に軽量で人間工学的なものにすることが可能である。これをさらに、光学的な接続路、電気的な接続路、または、望ましくは、ヘルツ接続路(Hertzian link)を介して活用端末に接続する。例えば、この接続路は、ブルートゥースタイプの接続路である。
【0022】
また、本発明は、上述した装置のための測定機器に関する。これは、シェード測定を行うために、歯科医が、歯または歯部分の近くに持ってくることができる手持ち型の機器である。
【0023】
概して、この機器は、センサと歯照明手段とを含む。また、この手持ち型の測定機器のなかに、測定信号を整形または変換する手段およびデータ送信インターフェースを収容することも可能である。
【0024】
望ましくは、この機器は、2つの部分を有する。第1の部分は、「グリップ」と呼ばれ、上述した手段を構成する電気回路を収容するために用いられる。また、これは、光源と、自立型の安定化電源装置とを含むことも可能である。第2の部分は、「照明ヘッド」と呼ばれる。これは、発光サイトと、場合によっては、光センサとを含む。ヘッドは、シェード測定を行うために歯の近くにおかれる測定機器の一部分である。望ましくは、これは、グリップ上に取り付けられた脱着可能な部分であり、取り外して、単独で殺菌することができるようになっている。
【0025】
発光サイトは、ヘッド上に、望ましくは、センサを取り囲むように配列されている。これらは、先に述べた光源によって直接的に構成されてもよいし、光ファイバによってこれらの光源に接続されるようにしてもよい。後者の場合は、発光サイトは、主に、光ファイバの自由端によって構成される。
【0026】
全ての発光サイトを、一組の光源に共通して連結し、少なくとも1つの光源が作動させられたときに、同一のスペクトル域の光を同時に発するようにすることが可能である。
【0027】
1つの変形例によれば、機器ヘッドは、複数の発光サイトサブアセンブリを有し、各々の発光サイトサブアセンブリが、様々なスペクトル域の複数の光源のなかから選ばれた1つの光源にそれぞれ連結されていることが可能である。従って、各サブアセンブリの発光サイトは、対応する光源に電源が入れられたときのみであるが、同一のスペクトル域の光を同時に発する。各サブアセンブリの発光サイトは、望ましくは、センサを取り囲むように、ほぼ規則正しく分布させられている。この器具の簡略化されたものにおいては、色毎または発光スペクトル域毎に、1つの発光サイトを確保しておくことが可能である。所定のスペクトル域に対してN個のサイトが予定されている場合に、これらのサイトは、例えば、2π/Nラジアンの角度間隔で王冠状(in a crown)に配列される。
【0028】
最終的に、本発明は、デンタルシェードを測定する方法に関する。この方法は、先に述べた装置を使用することに対応する。これは、少なくとも1つの歯部分を様々なスペクトル域で誘起された照明光で連続的に照明し、各々の誘起された照明を受けて、前記歯部分からの光を受け取るとともに、前記光の測定信号を生成し、デンタルシェードガイドの予め設定されたシェードに対応して基準点も画定されているシェード空間における測定点の座標を前記測定信号によって確定し、前記歯部分について、前記シェード空間において、前記測定点に最も近い基準点に対応するシェードを検索することを含む。
【0029】
非常に簡単に言うと、測定点の座標は、照明光の各々のスペクトル域について、測定信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号の値に比例した座標を保持することによって確定することが可能である。これらの座標は、1つの座標を別の座標に応じて補正したり、一次結合を施して、シェード空間における新しい点を画定したりすることが可能である。また、この測定信号に対して補正を行い、例えば、減衰させたり、増幅させたりして照明光源の強度におけるあらゆるばらつきを考慮に入れることが可能である。
【0030】
赤外線光による照明を受けて歯によって反射された赤外線光を測定することによって歯または歯部分の透明度を求めることが可能である。そのとき、低光度の反射光によって高い透明度が示される。この透明度は、このパラメータ専用のシェード空間の1つの次元における測定点の座標として用いることが可能である。また、これを、別の次元における測定点の少なくとも1つのその他の座標の補正に用いることも可能である。特に、赤外線光のなかで得られた測定値は、赤色シェードに対応する次元における測定点の1つの座標の補正に用いることが可能である。
【0031】
そのような補正により、口そのものの背面の基本的に赤い色を考慮に入れることが可能となり、これによって、歯の最も透明な部分の知覚を修正することが可能である。
【0032】
シェード空間の座標として、あるいは補正パラメータとして用いることが可能な、歯のもう1つのパラメータとしては、歯の表面状態がある。このパラメータは、粗度パラメータとも呼ばれる。これは、歯を紫外線光で照明することによって求められる。滑らかな歯のほうが、粗い歯によって反射されるよりも多くの量の紫外線光を反射する傾向がある。粗度パラメータを用いて、このパラメータ専用のシェード空間の1つの次元における測定点の1つの座標を確定することが可能である。但し、これは、望ましくは、異なる歯部分からのデータの何らかの処理を決定するために用いられる。以下に、この一例を挙げる。
【0033】
マトリックスタイプのセンサでは、複数の画素を備えており、歯の様々な部分のシェードを示す歯マップを作成することが可能である。低い粗度パラメータが付与された部分が干渉反射の源であることが可能である。従って、この部分のシェードに対して、例えば、隣接するシェードで平均したり、飽和度を修正したりすることによって補正が行われる。しかしながら、高い粗度パラメータが付与された部分については、隣接する部分に応じて、補正が行われることは全くないか、あるいはほとんどない。
【0034】
シェード評価に際して考慮に入れることができる追加の情報としては、測定値に対する周囲光の直接的な影響がある。従って、少なくとも2つの測定値を得ることが可能であり、歯からの光についての第1の測定値が、誘起された光(stimulated light)の無い状態で、すなわち、照明手段が電源を入れられていないときに測定され、少なくとも第2の測定値が、照明手段によって誘起された光が存在する状態で測定される。この場合に、測定点の座標が、これらの2つの測定値の差に応じて確定される。例えば、誘起された照明の無い状態で測定された測定値を、誘起された照明が存在する状態で後に測定された測定値から差し引くことが可能である。
【0035】
また、照明ヘッドの端部に適切なスクリーンを備えることによって、周囲光の影響を制限することも可能である。この態様については、以下の説明において再度、考察する。
【0036】
照明手段に用いる光源は、強度が経時変化する光を発生させることがある。これらの変化が、光源自体から生じる場合もあるが、それらの電力供給から生じる場合もある。
【0037】
各々のスペクトル域で提供される直接照明光の強度を測定することによって、これらの変化を補償することが可能である。この測定の時点では、照明光の全てまたは一部が、直接、センサに向けられる。これは、鏡を用いて行うことが可能である。照明手段が光ファイバを含む場合には、1本または複数本のファイバを直接、センサに連結して、直接照明の測定信号を供給するようにすることも可能である。
【0038】
さらに、直接照明測定値を用いて、光源の電力供給を調整することが可能である。電力供給は、直接照明の測定信号が設定された範囲に入るようにするようなやり方で調整される。また、光源の電力供給を不変に維持することも可能である。この場合には、確定された測定点の座標に対して、後で補正を行うことが可能である。例えば、所定のスペクトル域における歯の照明光の減衰を、そのスペクトル域に対応するシェード空間の次元における測定点の座標の増加によって補償することが可能である。
【0039】
シェード空間における基準点の位置は、一方では、これらの点が対応するデンタルシェードガイドによって決まり、他方では、この空間の範囲を定める色ベクトルまたは次元の選択によって決まる。これは、例えば、赤、緑、青のような、原色、またはその他のいずれかの色の組に対応する次元であることが可能である。基準点が対応するデンタルシェードガイドの選択は、場合によっては、ユーザの要望に応じて調整可能であることもある。シェード空間の次元の選択によって、この空間における測定点および基準点の座標が条件づけられる。これは、測定活用プログラムによって決定することが可能である。
【0040】
測定点に最も近い基準点の検索は、測定点と様々な基準点との間の距離の代数計算によって行うことが可能である。この計算は、シェード空間において、その全ての次元によって行われてもよいし、シェード空間を次元の小さい超空間に投影したもののなかで行われてもよい。例えば、簡略化されたやり方では、二次元の空間で行われる。
【0041】
シェード空間の基準点をシェードファミリにグループ化するように、データ処理プログラムを設計することが可能である。さらに、測定点に対応するシェードの検索は、繰り返し実行することが可能である。例えば、測定点を、まず、あるシェードファミリのなかで位置特定することが可能であり、さらに、このファミリ内でシェード検索の精度を高めることが可能である。これは、つまり、最初に、測定点に最も近いシェードファミリを検索し、続いて、このファミリ内において、測定点に最も近い基準点を検索するということである。
【0042】
本発明のその他の特徴および利点について、以下の説明において、添付の図面の各図を参照しつつ述べる。この説明は、単に、例示としてなされたものであり、限定的なものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下の説明において、各図における同一、同様、または等価の部分については同一の符号を付す。
【0044】
図1に、本発明による装置を示す。これは、手持ち型の測定機器10と、測定活用端末12とを含む。この装置のこれらの2つの部分は、この図が明確となるようにフリーハンドで描かれている。活用端末12は、主として、手持ち型の機器10からの測定データを処理することが可能な計算器14と、表示装置16とを含む。この図の具体例において、表示装置は、コンピュータスクリーン(コンピュータ画面)である。このスクリーンは、シェード測定の結果を表示することが可能な、より簡略な表示装置によって取り替えることが可能である。この装置の具体的な実施の形態において、この活用端末を取り除くことも可能である。そのとき、計算器および表示装置は、手持ち型の機器10のなかに組み込まれる。
【0045】
手持ち型の機器は、グリップ20と、このグリップに一体の照明ヘッド22とを含む。ヘッド22は、特に、使用後に殺菌を行うために、グリップから取り外されるように設計される。
【0046】
ほぼ円筒形の照明ヘッドは、王冠状の発光サイト24を有する。これらの発光サイトが、光センサ26を取り囲む。これには、ヘッド22から突出する、ある長さ(一定長)の光ファイバ28が設けられている。発光サイトによって、照明光を、歯部分Dに誘導することが可能となる。但し、センサの一定長の光ファイバによれば、歯Dによって反射された光を集めてセンサに誘導することが可能となる。また、その役割は、センサ保護の役割でもある。光ファイバ28の長さが、より長い場合には、センサを手持ち型の機器のグリップ20のなかに収容することも可能である。
【0047】
図示された具体例において、センサ26は、該当する歯または歯部分の画像を回復することを可能にする信号を供給する画素マトリックスを備えた単色センサである。望ましくは、センサは、広い捕捉スペクトルを有する電荷結合素子(CCD)センサまたは電界効果(MOS)センサである。捕捉スペクトルが、歯の照明のスペクトル域全てに及ばない場合に、オフセットスペクトルを備えた第2のセンサを設計することもできる。但し、図示された具体例においては、もう1つの解決策が用いられている。センサ26には、歯からの紫外線光を、センサが感知可能な可視光に変換することが可能なシンチレータ27が設けられている。
【0048】
このセンサは、測定信号を整形するための回路30に連結されており、この回路によって、アナログデジタル変換器32に連結されている。測定信号を受けて、変換器は、デジタルデータを送出する。この変換器は、データ活用端末との交換インターフェース34を介してそのデータを送信する。この場合に、これは、例えば、ブルートゥースタイプの、ゾーンヘルツ送信インターフェース(zone Hertzian transmission interface)である。これは、小型のアンテナによって象徴される。
【0049】
符号40は、光源として用いられる一組のエレクトロルミネセンスダイオードを示す。この一組のダイオードによれば、405nmを中心とする紫外線光、430nmを中心とする青色光、470nmを中心とする黄色光、525nmを中心とする緑色光、590nmを中心とする橙色光、660nmを中心とする赤色光、および880nmを中心とする赤外線光を発生させることが可能である。分かりやすくするために、3つのダイオードのみが示されている。同様に、ダイオード、センサ、および電気回路の電力供給手段については、意図的に図示を省略している。
【0050】
この一組のダイオードは、集光器42および収束レンズ44によって構成された光学群の前に配列される。この光学群は、この一組のダイオード40のうちの1つ、または、場合によっては、同一色のいくつかのダイオードからの光を受け取り、この光を、複数の光ファイバ48で構成された光導波路46上にほぼ均一に収束させる。各々の光ファイバが、ダイオードによって誘起された照明光を、先に述べた発光サイトのうちの1つに誘導する。各サイトは、ファイバの自由端50で構成されている。この実施の形態では、光源の1つによって、この場合は、ダイオードの1つによって誘起された光が全ての発光サイトに送られる。従って、光源の1つに電源が入れられると、全ての発光サイトが、同一色の光を拡散させる。
【0051】
本発明を実施するもう1つのやり方が、測定機器の照明ヘッドの端部のみを示す図2に図示されている。各々の光源40a,40bが、1つまたはそれ以上の発光サイト24a,24bに個々に連結されている。光源40a,40bは、表面実装ダイオード(SMD:surface mounted diodes)またはベアダイエレクトロルミネセンスダイオードで構成されている。表面実装ダイオードを用いることで、光ファイバとの良好な連結および均質な照明が可能となる。それらの表面の各々を個々の光源として扱うことが可能である。第1の光源40aに電源が入れられると、2つの発光サイト24aが、この光源からの光を受け取る。この光は、光源40aの2つの異なる側面に連結されている光ファイバ48aを通過する。
【0052】
従って、ファイバ48bによってもう1つの光源40bに連結されている発光サイト24bは発光しない。サイト24bは、第2の光源40bに電源が入れられた場合に発光するのみである。従って、符号24a,24bは、対応する光源に電源が入れられるたびに、時々、発光する発光サイトサブアセンブリを示す。
【0053】
さらに、センサ26が、王冠状の発光サイトの中心において、ヘッド表面と同一平面となっているということが図2において分かるであろう。また、発光サイトは、センサを取り囲むようにいくつかの同心の王冠状に配列することも可能である。
【0054】
図3は、照明ヘッド20を具体化するさらにもう1つのやり方を示す。王冠状の照明サイト24r,24g,24bが、直接、ヘッドの自由端の表面とそれぞれ同一平面となっているエレクトロルミネセンスダイオード40r,40g,40bによって構成される。ここで、光ファイバは設計されていない。また、同一色の光の発光サイト24r,24g,24bが、ほぼ規則的な角度間隔で王冠を取り囲むように分布させられているということが分かるであろう。ここで、添字r,g,bは、赤色光、緑色光、および青色光の発光を示すために用いられている。これは、その他の色の光源を用いること、または赤外線光または紫外線光の照明を用いることを除外するものではない。
【0055】
また、図1を参照すると、光源に光学的に接続されている1本のファイバ49が、直接、センサ26に連結されているということに気付くであろう。例えば、これは、センサのフォトダイオードまたはセンサのいくつかの画素に接続されている。従って、センサは、歯からの光の測定信号のみならず、光源からの、入射する照明光を表す信号も送出することが可能である。先に述べたように、この第2の信号を用いて、光源の電力供給を制御したり、測定信号の処理を制御したり、測定点の座標を補正したりすることが可能である。
【0056】
測定時点における干渉光の影響を低減するための、複数の付属品が、手持ち型の測定機器に備え付けることが可能である。
【0057】
第1の付属品60は、概ね円錐形の形状を備えた、不透明な遮蔽材である。遮蔽材60は、照明ヘッドの端部に備え付けて、発光サイト24およびセンサ26の両方と、場合によっては、センサに連結されている一定長の光ファイバ28とを取り囲むようになっている。この遮蔽材は、測定の対象である歯部分の近傍に周囲光が到達することがないようにするのに役立つ。これによって、歯の干渉照明を防止することのみならず、干渉光の直接的な捕捉を防止することが可能となる。
【0058】
黒色であって、艶消しの、均一な、もう1つの不透明な遮蔽材62は、照明ヘッドの端部および第1の遮蔽材60から十分な距離をおいて保持されており、これらの部分の間に測定対象の歯を挿入することができるようになっている。従って、この第2の遮蔽材は、シェードを測定することが必要とされている面とは反対側の、歯の裏面に配置される。この遮蔽材は、口そのものによって歯の裏面の方に反射された光が、歯のシェードを、特に、その最も透明な部分において、制御されていない状態で変化させるということがないように防止する。
【0059】
先に述べたように、滑らかな歯部分または滑らかな歯のほうが、粗い歯よりも、干渉反射を生じさせるおそれがある。これは、粗度パラメータを用いることによって、少なくとも部分的に補正することが可能である。歯Dのシェードマップ100が表示装置16上に示される。これは、歯のいくつかの部分110,112,114,116において測定されたシェード測定値から作成される。符号111は、歯部分112における鏡面反射を示す。鏡面反射111が割り当てられた歯部分112の粗度パラメータが非常に低い場合に、紫外線照明のなかで行われる測定の後で、鏡面反射111は、例外的なものとみなされる。該当する歯部分112のシェードは、その他の隣接する歯部分110,114,116のシェードによって計算されたシェード平均値によって置き換えたり、補償したりすることが可能である。但し、粗度パラメータが高い場合、すなわち、歯部分112がざらざらしている(textured)場合には、このシェードは、あまり補正しないか、あるいは全く補正しないことが考えられる。また、鏡面反射が割り当てられた歯部分のシェード補正を、その歯部分に対応する、シェード空間における測定点の座標に対して行うことも可能である。図中、鏡面反射111は、単に、説明のために示されているにすぎない。シェードの補正および特に視感度(luminosity)または飽和度(彩度)の補正が表示前に行われ、最終的に、鏡面反射111が現れないようにすることが可能である。
【0060】
また、ゲル、液体、またはより一般的には、透明物質66をセンサと歯との間に備えることによって、鏡面反射または干渉光作用を制限したり、取り除いたりすることも可能である。この透明物質は、センサと接触したり、図1に示すように、センサ26に備え付ける一定長の光ファイバ28と接触したりする。また、この透明物質は、歯にも接触している。これによって、歯のエナメル質と空気との間における光学指数(optical index)の大きな変化が防止される。このようにして、照明光の反射に対する歯の触感の影響を低減することが可能である。透明物質は、望ましくは、屈折率が出来るだけ歯のエナメル質の屈折率に近い液体またはゲルであるが、それでもやはり、簡単な、甘味をつけた溶液を選択することが可能である。
【0061】
一定長の光ファイバによって、測定光が、センサまで導かれる。また、光ファイバ28は、センサ上に、特に、マトリックスタイプのセンサ上に歯の画像を生じさせるための手段として用いることもできる。これらのファイバは、好適なレンズまたは光学素子であればどのようなもので置き換えてもよい。
【0062】
図4は、本発明による、シェード測定方法の主要なステップを示すフローチャートである。第1のステップが、可視光で歯を照明することおよび歯によって反射された光を捕捉することで構成されている。符号150,152,154に示す、この作業は、いくつかの照明波長域について繰り返される。符号156,158は、赤外線照明および紫外線照明により行われる同様の作業を示す。最後に、符号160は、照明の無い状態において歯からの光を捕捉することを示す。この捕捉することによって、周囲照明の影響を考慮することが可能となる。
【0063】
符号162に示す、次のステップが、捕捉時点に送出される測定信号を整形することおよび測定点の座標を計算することで構成されている。照明の無い状態で捕捉された光は、誘起された照明のある状態で捕捉された光から減算される。さらに、既に述べたように、赤外線照明下および紫外線照明下で捕捉された光を用いて、透明度164および粗度166の歯のパラメータが計算される。これらのパラメータを表示するようにしてもよい。また、これらを整形して、シェード空間の対応する次元における測定点座標に変換することも可能である。
【0064】
次のステップ168が、これについては、再度、図5との関連で説明するが、測定点座標を補正することで構成されている。補正は、その他の歯部分または隣接する歯について確定されたその他の測定点により、あるいは粗度パラメータおよび/または透明度パラメータ164,166により行われる。補正された座標を用いて、ステップ170では、デンタルシェードガイドの各シェードに対応する基準点をシェード空間において検索する。このステップは、図5にも図示されている。最後に、符号172は、シェードを表示することを示す。この表示は、歯のシェードのマップを示すように、歯の画像を表示することで行われることが可能である。
【0065】
図5は、シェード空間における点に変換された測定信号に基づいて歯のシェードを確定することについて図示している。
【0066】
以下の説明において、例えば、フォトダイオードのような、センサによって生成された測定信号に基づいて歯のシェードを確定することについて述べる。このセンサが複数の画素を備えたマトリックスセンサである場合には、各々の画素について、あるいは画素セット毎に、1つのシェードあるいはシェード空間における1つの測定点を確定することが可能である。続いて、例えば、既に述べた粗度パラメータを考慮に入れつつ、画素群に対して平均をとることが可能である。
【0067】
極めて簡略化して、図5に、三次元のシェード空間R,G,Bを示す。これらの次元は、例えば、照明手段の3つの光源の色である赤色、緑色、および青色に対応する。なお、これらの次元は、必ずしも光源の色と一致するとは限らない。光源から、シェード空間の範囲を定める(subtend)複数の色の組み合わせに対応する光を発する場合もある。さらに、シェード空間の次元の数は3つに限定されない。このシェード空間は、特に、赤外線光および紫外線光のなかでの測定値に対応する次元を含む場合もある。
【0068】
所定のスペクトル域における照明、すなわち、所定の色の照明を受けて得られた測定信号は、アナログデジタル変換器によってデジタル値あるいはコードに変換される。そのとき、このコード、あるいはコードに比例する値は、照明色に対応する次元における測定点の1つの座標を構成する。照明光がシェード空間におけるいくつかの次元の色の組み合わせである場合に、該当する次元に応じた座標は、比例係数によって重み付けされたコードに対応する。
【0069】
一般に、様々な照明を受けて測定された測定値は、ある程度の相関関係を有する場合がある。そのとき、主成分分析を行うことで、測定値の冗長度が最小となるシェード空間を検索することが可能となる。
【0070】
符号200は、シェード空間における1つの点を示す。シェード空間の各次元におけるこの点の座標が、R,G,Bの次元軸に点線で投影したものによって象徴される。
【0071】
符号202は、最初の測定点200の座標を補正することによって座標が確定されたシェード空間における新たな点を示す。補正においては、例えば、歯部分の透明度、周囲照明、光源からの入射光などが考慮に入れられる。
【0072】
具体例として、赤外線光に対応するシェード空間の1つの座標を用いて、赤色の次元Rにおける成分を補正することが可能である。シェード空間におけるこの新たな点202を用いて、歯部分のシェードが検索される。
【0073】
また、このシェード空間において、基準点320,410,540が示されている。これらは、小さな三角形として示されている。これらは、第1のデンタルシェードガイドの既知の値に対応する。これらの点の座標は、学習段階において測定機器によって取得される場合もあれば、プログラム設定される場合もある。小さな六角形によって示す、もう1つの組の基準点B4,D3,D4は、第2のデンタルシェードガイドのシェードに対応する。この図を分かりやすくするために、数を少なくした基準点のみが図示されている。
【0074】
測定点、あるいは、場合によっては、補正された測定点に最も近い基準点を求めて、該当する歯部分のシェードが確定される。この点は、所定のデンタルシェードガイドについて求められる。この図の場合は、補正された測定点202に対応する歯部分のシェードが、第1のデンタルシェードガイドの基準点410に対応するシェードである。例えば、これは、「クロマスコープ(Cromascop)」デンタルシェードガイドのシェード410である。また、選択されたシェードが、第2のデンタルシェードガイドの点D3に対応するシェードである場合もある。例えば、これは、「ビタルミンクラシック(Vita Lumin Classic)」デンタルシェードガイドのシェードD3である。
【0075】
この測定点が、これらの基準点に厳密には一致しないということに気付くであろう。シェード空間における補正ベクトル203,204が、測定点から基準点のほうに向いており、測定点と選択された基準点との間にある隔たりの距離および方向を示す。補正ベクトルの長さおよび方向を表すデータを、制御スクリーン上または専用の表示装置上にシェードとともに表示させることが可能である。
【0076】
測定点に最も近い基準点の検索は、シェード空間またはシェード空間の超空間において行うことが可能である。例えば、全ての点を二次元のみの空間に投影することが可能である。
【0077】
基準点の検索は、測定点と一組の保存された基準点との間の距離を計算することによって、シェード空間をベクトル空間として扱うことによって、さらには最も短い代数距離を選択することによって行うことが可能である。また、シェード空間は、離散座標値(discreet coordinate values)によって記述された空間と考えることも可能である。さらに、これらの基準点を、プログラマブルメモリ、例えば、EPROMのなかに保存することが可能であり、デジタルコードあるいは測定点の座標を用いて、そのメモリをアドレス指定することが可能である。
【0078】
また、測定点に対応するデンタルシェードガイドの基準シェードの検索は、ニューラルネットによって行うことが可能である。この場合に、本発明の装置は、デンタルシェードガイドの各シェードが測定される学習段階を経る。
【0079】
先に述べたように、シェード空間における基準点は、ファミリ単位でグループ化することが可能である。そのようなファミリ500を図5に示す。これは、基準点240,520,530,540をグループ化しており、これらの点の重心に対応する共通点により表すことが可能である。
【0080】
さらに、シェードの検索は、いくつかのステップで行うことも可能である。第1のステップにおいて、測定点が対応するシェードファミリを求める。これは、測定点と各ファミリを表す共通基準点との間の距離を計算することによって行われる。最も近いファミリが選択されたところで、最も近い基準シェードの検索に取りかかる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】手持ち型の測定機器および測定活用端末を含む本発明による装置を示す簡略化された概略図である。
【図2】本発明による測定機器に備え付けることが可能な照明ヘッドを示す簡略化された部分概略図である。
【図3】本発明による測定機器に備え付けることが可能な照明ヘッドを示す簡略化された部分概略図である。
【図4】本発明によるデンタルシェードを測定する方法を示すフローチャートである。
【図5】シェード空間を示す三軸図であり、本発明による測定方法を用いるデンタルシェードの検索を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯(D)の少なくとも1つの部分を様々なスペクトル域の光で連続的に照明する照明手段(24,40,42,44,48,50)と、
前記照明を受けて、前記歯部分からの光の強度を感知可能であって、各々の異なる色の照明について、少なくとも1つの測定信号を生成する、少なくとも1つの単色センサ(26)と、
前記歯部分に対応する前記測定信号を、デンタルシェードガイドの予め設定されたシェードに対応して、基準点(320,410,540)も画定されているシェード空間における測定点(202)の座標に変換する手段(30,32)と、
前記歯部分について、前記シェード空間において、前記測定点に最も近い基準点に対応するシェードを自動的に検索する自動シェード検索手段(14)と、
を備えるデンタルシェード測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記照明手段が、実質的に単色の光源(40,40a,40n,40r,40g,40b)を備える装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記光源が、冷光源である装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記光源が、赤色、緑色、青色、黄色、橙色の各色を中心とするエレクトロルミネセンスダイオードまたはレーザダイオードを備える装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、前記照明手段(40)が、可視光光源および少なくとも1つの紫外線光光源を備える装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記照明手段(40)が、可視光光源および少なくとも1つの赤外線光光源を備える装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記照明手段および前記センサを備える測定機器(10)と、
前記測定機器から離れており、前記シェード検索手段を構成する測定活用端末(12)と、
を備える装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、電気的な接続路、光学的な接続路、およびヘルツ接続路のなかから選択された接続路によって、前記測定機器(10)が前記端末(12)に接続されている装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記センサ(26)が、フォトダイオード光センサである装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記センサ(26)が、複数の画素を備えた画像センサである装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置のための測定機器(10)であって、前記センサ(26)と、前記光源に接続された複数の発光サイト(24)を設けた照明ヘッド(22)と、を備える機器。
【請求項12】
請求項11に記載の機器であって、前記センサ(26)が、前記照明ヘッド(22)のなかに収容されており、前記発光サイト(24)が、前記センサを取り囲むように配列されている機器。
【請求項13】
請求項11に記載の機器であって、前記発光サイト(24)が、光ファイバ(28)によって光源に連結されている機器。
【請求項14】
請求項13に記載の機器であって、前記発光サイト(24)が全て、一組の光源(40)に共通して連結されており、少なくとも1つの光源が作動させられたときに、同一のスペクトル域の光を同時に発するようになっている機器。
【請求項15】
請求項11に記載の機器であって、複数の発光サイトサブアセンブリ(24a,24b)を備えており、各々の発光サイトサブアセンブリが、様々なスペクトル域の複数の光源のなかから選ばれた光源(40a,40b)にそれぞれ連結され、各々のサブアセンブリの発光サイトが、同一のスペクトル域の光を同時に発するようになっており、各々のサブアセンブリの発光サイトが、前記センサを取り囲むように、実質的に規則正しく分布させられている機器。
【請求項16】
請求項11に記載の機器であって、前記発光サイトが、前記光源に連結された光ファイバの束の自由端(50)である機器。
【請求項17】
請求項11に記載の機器であって、一組の光源(40)、信号変換手段(30,32)、およびデータ送信インターフェース(34)のうちの少なくとも1つを収容するグリップ(20)を備えており、前記照明ヘッド(22)が、前記グリップ上に脱着可能に取り付けられている機器。
【請求項18】
請求項11に記載の機器であって、照明光に対して不透明な第1の遮蔽材(62)を備えており、これが、前記照明ヘッドの近くに保持され、前記照明ヘッドと前記遮蔽材との間に歯を挿入することができるようになっている機器。
【請求項19】
請求項11に記載の機器であって、前記照明ヘッド(22)と一体かつ前記発光サイトを取り囲む第2の遮蔽材(60)を備えており、照明ヘッドを歯に用いたときに、照明が当てられた歯部分に直接、周囲光が到達しないようになっている機器。
【請求項20】
請求項11に記載の機器であって、前記センサ上に画像を形成する手段(28)を備える機器。
【請求項21】
少なくとも1つの歯部分を様々なスペクトル域で誘起された照明光で連続的に照明するステップと、
各々の誘起された照明を受けて、前記歯部分からの光を受け取るとともに、前記光の測定信号を生成するステップと、
デンタルシェードガイドの予め設定されたシェードに対応して基準点(320,410,540,B4,D3,D4)も画定されているシェード空間における測定点の座標(200)を前記測定信号によって確定するステップと、
前記歯部分について、前記シェード空間において、前記測定点に最も近い基準点に対応するシェードを検索するステップと、
を含むデンタルシェード測定方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、複数の可視光光源および1つの赤外線光光源により前記歯部分を照明するステップを含む方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、赤外線光による前記歯部分の照明を受けて、前記歯部分の透明度値を確定するステップを含む方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記歯部分の透明度値に応じて前記測定点(200)の少なくとも1つの座標を補正するステップを含む方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法であって、複数の可視光光源および1つの紫外線光光源により前記歯部分を照明するステップと、前記紫外線光による前記歯部分の照明を受けて集められた光に応じて、前記歯部分の粗度パラメータ(166)を確定するステップと、を含む方法。
【請求項26】
請求項21に記載の方法であって、複数の画素を備えたセンサを用いて、複数の選択された歯部分からの前記光を集めるステップと、前記選択された歯部分について、各々の選択された歯部分の粗度パラメータによって重み付けされた平均シェードを確定するステップと、を含む方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法であって、前記誘起された照明の無い状態で、前記歯部分からの光を受け取るステップ(160)と、前記誘起された照明光のある状態で受け取られた光および前記誘起された照明光の無い状態で受け取られた光の間の隔たりに応じて前記測定点の座標を確定するステップと、をさらに含む方法。
【請求項28】
請求項21に記載の方法であって、前記誘起された照明光の一部を直接受け取るステップと、前記誘起された照明光を直接受け取ることに応じて、前記測定点の座標および誘起された照明光の光源の電力供給のうちの少なくとも1つを補正するステップと、をさらに含む方法。
【請求項29】
請求項21に記載の方法であって、前記歯部分に施された液体状またはゲル状の透明物質(66)を介して照明が当てられた前記歯部分からの光を受け取るステップを含む方法。
【請求項30】
請求項21に記載の方法であって、前記歯部分に結びつけられた前記測定点および前記基準点によって画定された、前記シェード空間における補正ベクトル(203,204)の長さおよび方向を確定するステップと、前記補正ベクトルの方向および長さのうちの少なくとも1つに応じたシェード補正データとともに、前記歯部分に対応する基準シェードをユーザに対して示すステップと、をさらに含む方法。
【請求項31】
請求項21に記載の方法であって、歯全体を照明するステップと、前記歯の各部分の歯シェードを確定するステップと、前記歯全体に対応するシェードのマップを作成するステップと、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−524484(P2007−524484A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553485(P2006−553485)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001208
【国際公開番号】WO2005/080929
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506280627)トロフィー ラジオロジー ソシエダッド アノニマ (1)
【Fターム(参考)】