データへのアクセスのパレンタル制御を可能にするコンピュータシステム
【課題】データへのアクセスのパレンタル制御を可能にするコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】コンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUを含んでいる。1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、2番目の娯楽モードにおいて実行される。娯楽モードで動作しているPC(コンピュータ)は、様々な娯楽ソフトウェアアプリケーションを操作しても良い。急速起動手順もまた提供されている。急速起動手順は、特定のタスクを延期して遅延させる加速されたBIOS起動手順を含んでいても良い。更に、パレンタル制御システムもまた明らかにされている。
【解決手段】コンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUを含んでいる。1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、2番目の娯楽モードにおいて実行される。娯楽モードで動作しているPC(コンピュータ)は、様々な娯楽ソフトウェアアプリケーションを操作しても良い。急速起動手順もまた提供されている。急速起動手順は、特定のタスクを延期して遅延させる加速されたBIOS起動手順を含んでいても良い。更に、パレンタル制御システムもまた明らかにされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にオーディオやビデオの記録物を再生するための携帯用装置(例えばノートブックコンピュータ)に関連し、そしてより詳細には、いろいろな種類の情報源からいろいろな種類の圧縮形式により圧縮されたオーディオの録音物とビデオの録画物のデコードと再生のための低電力のハードウェア、及び/またはソフトウェアに関するものである。急速起動シーケンスとパレンタル(parental)制御回路もまた提供されている。
【背景技術】
【0002】
この出願は、一部分が2002年10月17日に提出された米国の正式な出願番号10/272,740の継続の出願であり、出願番号10/272,740は、一部分が2002年7月30日に提出された米国の正式な出願番号10/208,728の継続であり、出願番号10/208,728は、一部分が2001年10月2日に提出された米国の正式な出願番号09/969,060の継続であり、出願番号09/969,060は、一部分が2001年8月2日に提出された米国の正式な出願番号09/921,171の継続であり、それらに開示された全てが引用することによりこの中に組み入れられていると共に、2000年12月1日に提出された米国の正式な出願番号60/250,899と、2001年1月30日に提出された米国の正式な出願番号60/265,466の利益を主張し、それらに開示された全てが引用することによりこの中に組み入れられている。
【0003】
現在、例えば、MPEG (Moving Picture Experts Group) Audio Layer-3(MP3)と、Windows(登録商標) Media Audio (WMA)と、そしてAdvanced Audio Coding (AAC)のような、1または2以上の圧縮オーディオデジタル録音形式に従って圧縮されたデジタルオーディオの録音物を再生するためのいろいろな携帯用装置が存在する。現在まで、最も一般的な形式は、デジタル音楽ファイルのサイズがおよそ10対1の圧縮となる圧縮方式であるMP3であった。
【0004】
これらの装置は、圧縮されたデジタルオーディオの録音物を電子式ソリッドステートメモリ(電子式固体メモリ)に記憶するものと、圧縮されたデジタルオーディオを、コンパクトディスク(“CD”)プレーヤのような電気的機械仕掛けの装置を利用して、またはデジタルコンピュータのハードディスクドライブ上に、その後の複製品として録音するものとの2つの種類に分けられる。
【0005】
例えば、フラッシュメモリのような電子式ソリッドステートメモリを利用する、MP3で圧縮されたデジタルオーディオの録音物を再生するための携帯用装置は、およそ10曲の音楽選択物を記憶する能力がある。増設したメモリカードを利用すると、そのような装置は、総計でおよそ20曲の音楽選択物を運ぶことができる。電子式ソリッドステートメモリにMP3で圧縮されたデジタルオーディオの録音物を記憶するこれらのMP3プレーヤは、電力を比較的にほとんど消費しない。従って、そのようなMP3プレーヤは、コンピュータのCD−ROMやハードディスクドライブに電力を供給しなくても、長期にわたる再生時間を提供する。
【0006】
携帯用コンピュータのための低電力CD−ROMプレーヤ(Low Power CD-ROM Player for Portable Computers)という発明の名称で、ここに引用されて組み入れられている2001年5月1日に発行された米国特許第6,226,237番(“’237”特許)は、従来の音楽CDを単純に再生する場合、従来のノートブックコンピュータが、不必要にどれだけ多くの電気エネルギーの総計を消費するかを記述している。コンピュータが起動される時はいつでもオペレーティングシステム(例えばWindows(登録商標)のような)が実行されるので、それは、大部分が音楽の再生とは関連のないたくさんのバックグラウンド機能による。
【0007】
利用者がその時実行している機能には関連しない機能に対する極端な電気エネルギーの消費、すなわち音楽を再生することは、マイクロプロセッサの性能において、別の時間に、ワープロを使っての文書作成や表計算分析のような集中的なタスクに慎重に適用することができるであろう電力を蓄える、ノートブックコンピュータのバッテリを速く消耗させる。「’237特許」で提供された解決方法は、携帯用装置への主電源がオフの時に動くステートマシーンである。「’237特許」の発明は、(主電源がオフの時)CD−ROMをオーディオのサブシステムに連結するので、極端なバッテリの消耗なしに、あるいは携帯用コンピュータを起動させることなく、CDは再生され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以前の技術は、専用の機能を備えた集積回路(IC)である、あるいは特定用途向け集積回路またはASICに組み入れられているシリコンによる解決方法もまた含んでいる。これらは通常、結果として大きくかつ高価な集積回路となる専用のチップを必須とするデジタルシグナルプロセッサ(DSP)のように、高価な解決方法である。結果の中の1つは莫大なPCB(プリント基板)スペースの使用である。更に、この技術において知られている15から20MIPS(Million Instructions Per Second)のデコードエンジンは、コーデックに対してオーディオストリームを生成するために、継続して実行されなければならない。その上、専用のデコードエンジンは、高電力消費のハードディスクドライブ(HDD)が継続的に動くことを必要とする。
【0009】
これらのアプローチは、 それによって、マイクロソフト社のWMA、または音楽業界で提案されたセキュアオーディオのためのSDMI(Secure Digital Music Initiative)のような最近出現している音楽圧縮アルゴリズムにシステムを適合させるという機会を除外し、MP3圧縮だけで機能を果たすことに限定される。この技術で知られている専用のシリコンによる解決方法は、常にハードディスクドライブからの圧縮されたオーディオファイルをデコードしなければならず、それ故に常にオーディオファイルを読んでいなければならないDSPを使用する。そのような知られている方法は、(例えば、大洋横断のフライトにおいて希望される使用で起こり得る4時間から10時間よりずっと速い)バッテリの速い放電を引き起こすような、多くのパワーを必要とする。
【0010】
このように、ICによる実施と、ノンストップでアクセスされるハードディスクドライブとを必要とする周知のハードウェアによるMP3のデコーダとプレーヤは、高電力消費で、アップグレードしづらく、そして高価である。
【0011】
本発明は、低電力消費で、いろいろな音楽圧縮フォーマットの分野にアップグレード可能であり、現在入手できるハードウェアによる実施のコストのわずか半分のコストで済むと思われると共に、その時間の0.5%未満の間HDDまたはCD−ROMにアクセスさせるだけで、100曲に及ぶ音楽の選択物を再生することを可能にさせるであろう解決方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるコンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUを含んでいる。1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目の娯楽モードにおいて実行される。娯楽モードで動作しているPC(コンピュータ)は、DVD再生アプリケーション、テレビアプリケーション、デジタル装置アプリケーション、遠隔制御アプリケーション、音声録音アプリケーション、オーディオ再生アプリケーションのような、いろいろな娯楽ソフトウェアアプリケーションを操作しても良い。
【0013】
本発明による別の実施例では、PCの急速起動の方法が提供されている。その方法は、状態の検出と、BIOS起動手順の実行と、状態に関連したイメージファイルの読み込みと、状態に関連したイメージファイルの実行というステップを含んでいる。
【0014】
更に別の実施例では、PCを娯楽モードで実行するように構成された小型OSを急速起動する方法が提供されている。その方法は、それによって娯楽モードにおけるPCの操作を可能にする小型OSを読み込むために、娯楽モードが希望されていることの決定と、状態の検出と、BIOS起動手順の実行と、状態に関連したイメージファイルの読み込みと、状態に関連したイメージファイルの実行というステップを含んでいる。
【0015】
その上、更に進んだ実施例では、本発明による加速されたBIOS起動は、省略するべきタスクの特定、タスクの省略、延期可能なタスクの特定、延期可能なタスクのより遅い時間への延期を含んでいる。
【0016】
その上、更に進んだ実施例では、ホストコンピュータシステムと通信するように構成されたホストインタフェースと、関連した外部の記憶装置と通信するように構成された記憶装置インタフェースと、そして関連した外部の記憶装置とホストコンピュータシステムとの間の安全な通信を提供するように構成されたエンジンとを備えたパレンタル制御回路が提供されている。
【0017】
その上、更に進んだ実施例では、データへのアクセスにおけるパレンタル制御を可能にするコンピュータシステムが提供されている。そのコンピュータシステムは、システムCPUと、オペレーティングシステムと、そしてスロット(差し入れ口)とを備えたコンピュータホストサブシステムを含んでいる。そのコンピュータシステムは、記憶装置と、パレンタル制御回路とを備えたパレンタル制御システムもまた含んでいる。その記憶装置は命令データを含んでおり、そして、その記憶装置はコンピュータホストサブシステムのスロットに適合するように構成されている。
【0018】
パレンタル制御回路は、記憶装置の命令データを表す1番目のコード化された信号を受信し、命令データを表す2番目のデコードされた信号をオペレーティングシステムに供給するように構成されており、オペレーティングシステムは、2番目のデコードされた信号を基礎とするコンピュータホストサブシステムのアプリケーションに対するアクセスを制御するために、2番目のデコードされた信号に応答する。
【0019】
その上、更に進んだ実施例では、本発明によるコンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUを具備しており、1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目の娯楽モードにおいて実行される。コンピュータシステムは、外部の記憶装置と2番目のオペレーティングシステムとの間の安全な通信を提供するように構成されたパレンタル制御回路もまた含んでおり、外部の記憶装置は、娯楽モードにおけるコンピュータシステムの操作の範囲に注目する関連した利用者に対する命令データを含んでいる。
【0020】
本発明の別の実施例では、コンピュータシステム上のデータアクセス方法が提供されている。その方法は、少なくともドライブとCPUとメモリとを備えたコンピュータシステムのドライブから、圧縮されたデータを選択する処理と、圧縮されたデータを読み込む処理と、圧縮されたデータを復元するためにCPUに圧縮されたデータを提供する処理と、それによって復元されたデータを提供する処理と、メモリに復元されたデータを記憶する処理とを含んでいる。
【0021】
その上、発明の更に進んだ実施例では、データへのアクセスに適応したコンピュータシステムが提供されている。そのコンピュータシステムは、1または2以上のファイルに記録されている圧縮されたデータと、少なくともファイルの1つを利用者が選択できるように構成された少なくとも1つの選択キーと、システムCPUと、制御装置と、ファイル管理ソフトウェアを含むオペレーティングシステムとを含んでいる。ファイル管理ソフトウェアは、ファイルを管理し、少なくとも1つの選択キーにより、利用者がファイルにアクセスすることを可能にするように構成されている。オペレーティングシステムは、制御装置とCPUを制御して、利用者により選択された少なくとも1つのファイルをCPUに復元させるようにもまた構成されている。
【0022】
その上、発明の更に進んだ実施例では、圧縮されたデータへのアクセスに適応したコンピュータシステムが提供されている。そのコンピュータシステムは、システムCPUと、メモリと、圧縮されたデータを記憶する少なくとも1つのドライブと、少なくともシステムCPUとメモリとを制御するように構成された1番目のオペレーティングシステムと、システムCPUに圧縮されたデータを復元されたデータへ復元させ、復元されたデータをメモリへ記憶させるように構成された2番目のオペレーティングシステムとを含んでいる。
【0023】
別の実施例では、本発明によるオーディオの圧縮モードにおいてオーディオファイルの再生に適応したコンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUと、コンピュータシステムが2番目のオーディオの圧縮モードにある間、少なくとも利用者がディレクトリモードに入れるように構成された少なくとも1つの選択キーとを含んでおり、1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目の娯楽モードにおいて実行され、ディレクトリモードは、利用者にオーディオファイルのディレクトリへのアクセスを提供する。
【0024】
本発明によるオーディオの圧縮モードにおいてオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUを含んでおり、1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目のオーディオの圧縮モードにおいて実行され、オーディオの圧縮モードにおいて動作しているコンピュータシステムは、媒体選択アプリケーションと、音声録音アプリケーションと、デジタル装置アプリケーションと、そして遠隔制御アプリケーションとから成るグループから選択されたソフトウェアアプリケーションを操作する。
【0025】
本発明によるオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、システムCPUと、メモリと、圧縮されたオーディオデータを含む少なくとも1つのドライブと、入力オーディオ装置と、少なくともシステムCPUとメモリの制御に適応した1番目のオペレーティングシステムと、2番目のオペレーティングシステムとを含んでおり、
2番目のオペレーティングシステムは、システムCPUに圧縮されたデータを復元させ、復元されたデータをメモリへ記憶させるように構成されると共に、音声録音アプリケーションの間、利用者がアナログ音声を入力オーディオ装置に入力することを可能にするようにもまた構成される。
【0026】
本発明によるオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、システムCPUと、メモリと、圧縮されたオーディオデータを含む少なくとも1つのドライブと、少なくともシステムCPUとメモリの制御に適応した1番目のオペレーティングシステムと、2番目のオペレーティングシステムとを含んでおり、2番目のオペレーティングシステムは、システムCPUに圧縮されたデータを復元させ、復元されたデータをメモリへ記憶させるように構成されると共に、利用者がデジタル装置からデジタルデータを入力することを可能にするようにもまた構成されている。
【0027】
本発明によるオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、システムCPUと、メモリと、トランシーバと、圧縮されたオーディオデータを含む少なくとも1つのドライブと、少なくともシステムCPUとメモリの制御に適応した1番目のオペレーティングシステムと、2番目のオペレーティングシステムとを含んでおり、2番目のオペレーティングシステムは、システムCPUに圧縮されたデータを復元させ、復元されたデータをメモリへ記憶させるように構成されると共に、利用者がコンピュータシステムをトランシーバに遠隔制御信号を供給する遠隔制御装置から制御することを可能にするようにもまた構成されている。
【0028】
最後に、本発明によるオーディオの圧縮モードにおいてオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、トランシーバと、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUとを含んでおり、1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目のオーディオの圧縮モードにおいて実行され、関連した遠隔制御装置から遠隔制御信号を受信した後に、制御信号がトランシーバにより供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
一実施例において、本発明によるコンピュータシステムは、小型OS(オペレーティングシステム)ソフトウェアと、サウスブリッジと利用者により希望された音楽選択物(あるいは他の記録されたオーディオ)を再生するためのコーデックとの間のハードウェアインタフェース(専用回路)とを含んでいる。別の実施例では、唯一の問題解決方法としてソフトウェアを使用するコンピュータシステムのように、ハードウェアが必要とされない。
【0030】
本発明の小型OSソフトウェアは、例えばWindows(登録商標)のようなフルシステムのオペレーティングシステムにより実行される全てのバックグラウンド機能を実行することなく、そして携帯用コンピュータのモニタ回路構成とモニタ画面にアクセスすることなく、それらの機能だけを実行すると共に、必要とされる携帯用コンピュータのそれらの要素に、それらが必要とされる時に選択された音楽を再生することを可能にさせる。その上、本発明の小型OSは、圧縮されたファイルがRAMに転送されている時、HDDにのみアクセスする。従って、本発明の小型OSソフトウェアの部分は、オーディオを再生する時、ファイル管理と電力の節約の機能の両方を実行するように考えられるだろう。
【0031】
図1は、本発明の一実施例の代表的なソフトウェア圧縮オーディオプレーヤの操作上の流れを表示するブロック図である。図1で例示する操作上の構想は次の通りである。
1番目:携帯用コンピュータの例えばWindows(登録商標)のようなフルシステムのオペレーティングシステム上で実行される閲覧ソフトは、最初は、利用者が携帯用コンピュータをオーディオプレーヤとして利用することを希望し、利用者がより遅い時間に聞くことを希望する歌を含む再生リストが生成される前の適当な時に、圧縮された音楽ファイル(例えば1000曲)を、PCハードディスクドライブ(HDD)(2)(例えば4ギガバイトのHDDスペースを使用する)にダウンロードするために使用される。
【0032】
2番目:利用者が携帯用コンピュータをオーディオプレーヤとして利用することを希望する時、一度希望する音楽ファイルがHDD上に存在すると、利用者は携帯用コンピュータを十分に起動するために、オーディオプレーヤのONスイッチを操作し、コンピュータ全体が起動すると、通常のマイクロソフト社のWindows(登録商標)OS(フルシステムのオペレーティングシステムは開示されていない)の代わりに、電力の節約を初期化するサブルーチンと共に本発明のミニOSが読み込まれ、そして、携帯用コンピュータのそれらの部分を必要物として初期化し、ファイル管理サブルーチンは、利用者の指揮の下に聴取するように希望された音楽に対してステップ1において生成された、多大な数の歌の歌再生リストまたはノートを初期化する。
【0033】
3番目:小型OSソフトウェアは、その時HDD(2)からRAM(4)へコピーされると共に、更に歌再生リストにおける最初の圧縮されたファイルのセットは、HDD(2)からシステムRAM(4)へコピーされ、なおかつ本発明の小型OSソフトウェアを使用する。例えば、現在のPCでは128メガバイトが代表的なシステムRAMサイズであり、本発明の小型OSソフトウェアは、およそRAMの8メガバイトを占め、およそ120メガバイトを圧縮された音楽のメモリ(すなわち、キャッシュまたはバッファ、システムメモリとしての使用、専用メモリ、または他のメモリ)として残す。その120メガバイトは、MP3ファイルの代表的な10対1の圧縮率で、2時間の連続的な圧縮された音楽を表現する。同様に、MP3の記憶装置にフラッシュメディア(媒体)が使用される場合には、全てまたは殆どのフラッシュメディアカードの中身がシステムRAM(4)にコピーされ、従ってフラッシュメディアリーダのアクセスを極小化することと、MP3ファイルに関するより敏感な制御を考慮に入れることを可能にする。
【0034】
4番目:本発明のファイル管理ソフトウェアは、RAM(4)に記憶された本発明のファイル管理ソフトウェアを使用してデコードアルゴリズムがそれぞれのファイルを復元するCPU(6)に、最初の音楽ファイルの部分を連続的に伝達する。一度デコードされると、PCMオーディオデータが「CPUがPCMオーディオデータをサウスブリッジ(図3の符号32を参照)のFIFOバッファに引渡す。」、「サウスブリッジトランスファのDMAがデータをサウスブリッジの内部でFIFOバッファに転送する。」、「専用回路がLPCインタフェースからデータをFIFOバッファに転送する。」という3つの方法の1つにより転送される。FIFOバッファは、その時に、デコードされた信号がデジタルからアナログに変換される本発明の専用回路を通して、デコードされた音楽の各編をコーデック(8)(同様に図3の符号42を参照)に連続的に与える。次に、コーデック(8)の出力信号は、スピーカ及び/またはヘッドセット(図3の符号46参照)を駆動するために、増幅される(10)(同様に図3の符号44参照)。
【0035】
5番目:再生リストにおける最初のセットの最後の歌をメモリから再生している間、RAM(4、30)に記憶された本発明のファイル管理ソフトウェアは、RAMのメモリから、第1のステップで明らかにされると共に、初期に書かれた歌再生リストにより決定される圧縮された音楽ファイルの次のセットを検索するために、制御を第4のステップへ戻す。従って、第4、第5のステップは、セット中の最後の音楽選択物を再生するまで、圧縮された音楽ファイルの各セットに対して繰り返される。その時点で、時間制御は、同様に第4、第5のステップを通して再生される別のセットを再生リストから読み込むために第3のステップへ戻る。第2のステップの全部の再生リストから最後の歌が再生される時、または利用者が音楽再生機能を止めた時、プレーヤの操作が終了する。
【0036】
本発明の小型OSの電力の節約ソフトウェアは、CPU、周辺のチップ、HDD、そして他の制御可能なシステム要素を可能な限り最高の時間率でアイドル状態にすることを保証する。本発明により提案される解決方法の興味ある特性は、CPUのより高いMIPS(Million Instructions Per Second)能力と、CPUがデコード機能の実行に費やすであろうより小さい時間の割合いである。これは、圧縮された音楽演奏を再生している時に、CPUのより高い性能が、例えばよりいっそうバッテリ電力を節約し、バッテリが携帯用コンピュータに電力を供給するための十分な電荷を維持する時間の長さをより延長するような、いっそう低電力の使用法を証明するであろうことを意味する。
【0037】
小型OSは、利用者の操作に対し、本発明の専用回路を通して(図3の符号40参照)、オーディオ制御ボタン(例えば、聴取中の再生、早送り、巻き戻し、一時停止、走査、前のトラック、次のトラック、最初のトラック、最後のトラック、早送り/巻き戻し、オーディオソース/媒体の選択(例えばHDDか、またはCDか)等)(図3の符号48参照)を監視し、本発明の小型OSのファイル管理ソフトウェアに利用者の要請を伝達する。任意には、小型OSのディスプレイ管理サブルーチンの制御下において、視覚による状態表示器(例えば、歌の番号、歌の題名、トラックの番号、再生時間、及びアイコン)を提供するために、小型のLCD(液晶表示)ディスプレイ(図3の符号34参照)が専用回路に接続されても良い。
【0038】
本発明の小型OSの電力の節約ソフトウェアは、メモリと中心ロジックのチップセットとを含み、十分にオンされ機能状態にあるシステムのリセットを維持している間は、第1にCPUと、CD、HDDのようなMP3記憶装置と、SD(Secure Digital)カード、MMC(Multimedia Card)、メモリスティック(登録商標)、そしてSMC(スマートメディア(登録商標)カード)のようなフラッシュメディアの使用法を管理する。第2に、電力の節約は、それらをアイドル状態に置くことにより、いっそうその上電力使用を最小にするために、他のPCのサブシステムに適用される。
【0039】
例えば、500MHzのペンティアム(登録商標)IIIのCPUは、およそ225MIPSの処理能力があり、デコードアルゴリズムは、およそ15MIPSを必要とするので、CPUは時間にして10%よりも少ない時間動作しているであろう。時間にしてその他の90から95%は、CPUは数ミリアンペアだけの電流を必要とするスタンバイモードとなるであろう。あるいは、CPUは、例えばAMD社のアスロンCPUのような現在の殆どのCPUにおいてオプションとして提供されている、より遅いクロックスピードで実行させることができる。同様に、HDDは、RAMを満たす、または補充する間の時間にアクセスされる。
【0040】
従って、平均的な歌は再生におよそ4分かかり、RAMは120メガバイトで30曲の歌を保持するので、そしてHDDは、回転上昇のために1から5秒、歌再生リストをRAMに読み込むために数秒を必要とするので、120分の再生時間のために、HDDに対する総計のアクセスタイムは、比率にして1対240で、フルパワーの処理時間の0.5%より少ない30秒となるかもしれない。これらの要因は、携帯用コンピュータのフルオペレーティングシステムの代わりに本発明の小型OSを使用することによりもたらされた電力の節約を増す。携帯用コンピュータが音楽再生モードの時、本発明の全部の電力消費の結果はとても低く、そしてこのことは、バッテリが、直接的に以前の技術による耐久時間よりももっと長時間、有効な充電レベルを維持することになる。
【0041】
当業者が認識するように、本発明の圧縮された音楽データは、ハードディスク、他の磁気(例えばテープ)媒体、光学(例えばCD−ROM)媒体、フラッシュメディア(例えば、SDカード、MMC、メモリスティック(登録商標)、SMC)、または、その他のあらゆる記憶媒体に記録されていても良い。
【0042】
図3は、本発明の一実施例による代表的なシステム31の一般化された全体のブロック図である。システム31のブロックの大部分は、この技術で知られている要素であり、コンピュータのスピーカを通して音を出力するために、一般には全てのPCコンピュータに含まれている。ここに示されているのはシステムクロック56であり、図3の簡単化のために、クロック信号を必要とするいろいろな要素に接続するようには示されていない。更に、CPU26は、ノースブリッジ28と接続するように示されている。
【0043】
一方、ノースブリッジ28はシステムRAM30とサウスブリッジ32に接続している。そして、サウスブリッジ32はHDD36とCD−ROM38に接続している。一般的に、サウスブリッジ32は、ACリンク(AC_link )を通して直接的にコーデック42にもまた接続されるが、しかしながら、代表的なシステム31に示すように、サウスブリッジ32とコーデック42との間に、非圧縮のアナログオーディオの再生機能に影響を与えることなく、システムRAM30からの本発明の小型OS80と共に、圧縮されたデジタルオーディオを再生することができるように、専用回路40(後述する図4の説明参照)が挿入される。
【0044】
当業者は、小型OSが代わりに専用のROM(専用回路40の内部か、あるいはその外のどちらかの)、ハードディスク、または他の媒体に記憶され得るであろうと認識するであろうが、この構成では、小型OS80はBIOSの中に記憶されている。このように、サウスブリッジ32からAC_LINK1が、必要な時に復元機能を実行する専用回路40に接続され、更にAC_LINK2によって、あらゆるオーディオ信号がコーデック42に供給される。コーデック42は、その時、専用回路40から受信した全ての信号に対しては普通の機能を実行し、スピーカ46またはヘッドフォン(図示せず)で再生されるオーディオ信号を増幅器44に印加する。
【0045】
システム31では、コンピュータのそれらの部分には、通常の(すなわち、その技術で知られている)オーディオ再生中と同じように、オーディオ機能が実行されているように思わせながら、従って、サウスブリッジ32とコーデック42の操作において最小限の影響を与えるかまたは影響を与えずに、AC_LINK1は、サウスブリッジ32に対する標準のACリンクのように見えると共に振る舞い、そしてAC_LINK2は、コーデック42に対する標準のACリンクのように見えると共に振る舞う。また、図3に示されているものは、その機能が図4を参照してこの中の下文に説明されたファンクションスイッチ48、小型LCDディスプレイ34、オーディオプレーヤ電源スイッチ54である。
【0046】
図4は、専用回路40の内部のブロック図の詳細と、コンピュータシステムの残りの部分の全ての詳細の表示を省略して、専用回路が接続されたコンピュータの他の関連する部分の詳細とを含んでいる。専用回路40は、本発明の実施例を携帯用コンピュータに組み入れるために必要なPCBスペースを最小化するために、ICとして製造されても良い。サウスブリッジ32は、AC97規格制御装置50とLPC(low pin count)制御装置52と共に、標準の双方向のACリンクであるAC_LINK1とサウスブリッジ32と専用回路40との間のLPCバスとを備えた専用回路40の左側に示され、一方向のIRQ(Interrupt Request)が専用回路40からサウスブリッジ32へ接続している。
【0047】
右側では、専用回路40が、AC_LINK2によって、圧縮されていないオーディオをAC97規格のコーデック42に供給している。また、右側にはファンクションキー48、そして下にはLCD34がそれぞれ示され、専用回路40に接続されている。その上、図4は、いろいろな要素に接続されたシステムクロック56を、そして下方の左側にはオーディオプレーヤの電源スイッチ54を含んでいる。電源スイッチ54は、本発明によるシステムにおける使用において、利用者が電源スイッチ54によってプレーヤモードを開始する時、小型OS(フルシステムOSの代わりに)だけが開始されるように提供されている。
【0048】
専用回路40における内部回路は、AC_LINK1とAC_LINK2とを接続するスイッチ60と、レジスタブロック66の内部レジスタの設定に応じて、PCがフルシステムのOSで標準的に作動する時に、AC_LINK1とAC_LINK2とを接続するようにスイッチ60を閉じ、本発明によるシステムが使用される時にスイッチ60を開く機能である。LPCパスはLPCインタフェースに接続されている。スイッチ60とAC_LINK2は、ステートマシーン64に接続されており、一方、ステートマシーン64のもう一方のポートは、バス74によって、LPCインタフェース62の出力と、レジスタブロック66はもちろん、ファンクションキーインタフェース68と、LCDインタフェース72とに接続されている。
【0049】
レジスタブロック66のもう1つのポートは、ステートマシーン64の3番目のポートにもまた接続されている。ファンクションキー48は、ファンクションキーインタフェース68に接続されており、そしてLCD34は、LCDインタフェース72に接続されている。また、ファンクションキーインタフェース68は、利用者によりファンクションキー48の中の1つが選択された時、レジスタブロック66に信号を供給する。この中の上文で論じられた2番目のステップにおいて利用者により操作されるオーディオプレーヤ電源スイッチ54は、ここまでで記述されたように操作するために、PCを作動させるのに使用されても良い。その接続は、本発明の実施例が実施されるコンピュータの製造会社により規制されるいろいろな要因により変更されるので、スイッチ54は、携帯用コンピュータの直流電圧源に接続され、あらゆる特定のブロックには接続されないことが図4において示されている。より具体的には、専用回路40の内部のブロックは、以下のように動く。
【0050】
「LPCインタフェース」
専用回路40は、サウスブリッジ32のLPC制御装置52と接続するために、LPC(Low Pin Count)インタフェース62を含んでいる。LPCインタフェース62は、
(1)レジスタブロック66内のファンクションキー入力レジスタを読む。
(2)AC97規格のコーデック42を制御するためのレジスタブロック66内の制御レジスタを設定する。
(3)システムメモリ(RAM30)から、オーディオPCM(Pulse Code Modulation)データを取得する。
そして、
(4)クロックの減速制御を実行する。
ために、CPU26により使用される。
レジスタブロック66のモードレジスタの設定は、スイッチ60を閉じた通常のコンピュータ操作モード(例えばマイクロソフト社のWindows(登録商標)OSの実行中)と、圧縮されたオーディオファイルを再生するためにスイッチ60を開いた本発明によるシステムのモード(小型OSの実行中)との間で専用回路40を切り替えるためにスイッチ60の状態を制御する。
【0051】
「サウスブリッジにおけるAC97規格制御装置50のインタフェース(ホストからのAC_LINK1)」
通常のコンピュータ操作モードの間、まるで専用回路40が示されていなかった時のようにオーディオ出力信号を生成するために、サウスブリッジにおけるAC97規格制御装置50のインタフェースが、直接的に閉じられたスイッチ60を通してAC97規格のコーデック42へ接続されるように、スイッチ60は閉じられている。圧縮されたオーディオファイルを再生するために、小型OSが動作している時、スイッチ60は開かれており、そしてステートマシーン64がAC97規格のコーデック42を制御する。
【0052】
「AC97規格コーデックインタフェース(AC97規格コーデック42へのAC_LINK2)」
コンピュータが小型OSの制御下で動作している時、スイッチ60は、開いている。ステートマシーン64は、AC97規格のコーデック42に対する制御信号を生成するために、ホスト(CPU26)によりセットされるレジスタブロック66の設定に応答してその時AC_LINK2を制御する。(例えば、サンプリング周波数を変更すること、ボリュームを制御すること、コーデック42へPCMデータを送信すること、コーデック42を電力の節約モードに設定すること、または電力の節約モードからコーデック42を目覚めさせること)
【0053】
「ファンクションキー入力インタフェース68」
ファンクションキーインタフェース68は、ファンクションキー48からのユーザー選択を受信し、そして、CPU26により読まれるように、その選択を内部のレジスタに記憶する。
【0054】
「LCDインタフェース72」
LCDインタフェース72は、LCD34が状態情報を利用者に提供するために使用される場合にだけ必要となる。使用される時、その目的は、本発明によるシステムが使用されている時に、低コストのLCD34上でプレーヤーの状態を示すことである。選択再生におけるのオーディオトラック番号の状態、状態アイコン(例えば、再生)、及び他の一般的な状態アイコンは、システムにプログラムされ、そして、あらゆる他の目的のために表示されても良い。
【0055】
「操作モード」
(A)通常の操作モード:
PCが十分に電力を供給されていて、そしてフルシステムのOSの制御下で動作している時、専用回路40のいろいろな機能は回避され、そして、上記で論じられたように、スイッチ60は閉じられる。通常のモードにおいて、コンピュータシステムは、 ACリンクを経てAC97規格のコーデック42を直接制御するために、サウスブリッジのAC97規格制御装置50を使用する。(通常のモードにおいては、スイッチ60が閉じられるので、AC_LINK1とAC_LINK2は同一である。)専用回路は、 ACリンクの信号を遮断及び変更しない。
【0056】
(B)圧縮されたオーディオの演奏モード :
スイッチ54が閉じられた時、そのシステムは小型OSの制御下で動作し、専用回路40は、圧縮されたオーディオの演奏モードにおいて権限を与えられて動作する。サウスブリッジのAC97規格制御装置50は、スイッチ60が開いているので、このモードにおいては、AC97規格のコーデック42から分離される。圧縮されたオーディオの演奏モードにおいて、ホスト(CPU26)は、AC97規格のコーデック42へのデータ流れを制御し、そしていろいろな電力管理機能を実行するために、レジスタブロック66の内部レジスタをセットする。
【0057】
「圧縮されたオーディオの演奏モードにおける電力の節約の制御方法」
専用回路40の柔軟な制御方法は、演奏モードにおけるシステム制御サイクル及び電力消費を最小限にするために提供される。システムメモリ(RAM30)は、CPU26がスタンバイレベルとは異なる高速の外部バスにアクセスする必要がある時間を最小限にする専用回路40に、CPU26の代わりに大部分の制御コマンドを渡すために使用される。これは、このモードにおける携帯用コンピュータのバッテリの電力負担を、かなり減少させる。CPU26は、レジスタブロック66内のシステム制御メモリレジスタもまた設定する。ステートマシーン64は、LPCインタフェース62を経て自動的に制御命令とPCMデータを得るために、それらのレジスタ設定に操作の基礎を置く。
【0058】
システムメモリ(RAM30)内の制御命令は内部レジスタに呼び出され、そしてステートマシーン64は、PCMまたはオーディオデータの準備が整っているかどうかを決定するために、制御命令をデコードする。もし、オーディオデータの準備ができているならば、 ステートマシーン64は、オーディオデータを呼び出すことと、それをAC97規格のコーデック42へ送信することを継続する。システムメモリ(RAM30)内の制御命令は、PCMデータのサンプリング周波数を表示するためにもまた使用することができる。従って、PCMデータが送られる前に、ステートマシーン64は、AC97規格のコーデック42を適切な周波数に設定することができる。
【0059】
当業者は、例えば ボリュームコントロールまたはオーディオ制御ボタンがそれに統合されても良い等、ヘッドホンまたはヘッドセットシステムが、この中の上文で説明されたものより更なる機能性を含んでも良いということを認識するであろう。
【0060】
本発明による専用回路が、システムの残りの操作に関係なく音楽を演奏することが可能な、フルタイムで圧縮された(及び/または圧縮されない)オーディオの再生システムに統合されても良いということもまた認識されるべきである。この構成においては、Windows(登録商標)制御下のファンクションボタンからの割り込みを扱うためのソフトウェアドライバはもちろん、専用回路と小型OSとが供給される。この構成においては、システムの残りが十分なオンモード(S0)または休止(スリープ)(RAMを一時停止する、またはS3)モードのいずれかの状態の時に、システムは、例えば、再生リストに記憶された圧縮されたオーディオファイルの再生に適しているであろう、Windows(登録商標)の制御下で動作しているMusic MatchまたはWindows(登録商標)Media Playerのような、カスタムまたは標準のオーディオプレーヤの実行を開始するように構成されても良い。
【0061】
この考え方では、専用回路を制御する代わりに、ファンクションボタンは、例えばMusic Matchのようなオーディオプレーヤソフトウェアのいろいろな特徴を制御するために付随のソフトウェアドライバを使うパススルータイプモード(passthrough-type mode)における使用に適しているかもしれない。Windows(登録商標)のような基本のオペレーティングシステムが十分にオフされている ( S5)か、あるいは冬眠(ハイバネート)(HDDを一時停止する、またはS4)モードのいずれかの状態の時に、専用回路の操作は、この中の上文で記述されたように再生リストから圧縮されたオーディオファイルを再生することを続行しても良く、ファンクションボタンが専用回路を制御する。
【0062】
上述の電力状態(すなわち、十分にオンする、RAMを休止する/一時停止する、十分にオフする、HDDを冬眠させる/一時停止する)は、次の通りに“Advanced Configuration and Power Interface”(“ACPI”)標準規約の使用にしばしば言及されることが有名である。代表的なオペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標))は、S0(十分にオンし、使用できる)からS5(電源オフ)までとされる6個のシステム電力状態をサポートする。
【0063】
それぞれの状態は、次に述べる事柄で特色付けられる。電力消費、すなわちコンピュータがどれだけの電力を使用するか、ソフトウェア再開、すなわちオペレーティングシステムがどのポイントから再開するか、ハードウェア待ち時間、すなわちコンピュータを作業状態に復帰するのにどのくらいかかるか、そして、システムの前後関係、すなわちどのくらいのシステムの前後関係が保持されるか、または作業状態へ復帰するために、オペレーティングシステムが再起動しなければならないかどうか。
【0064】
状態S0は作業状態である。状態S1、S2、S3、そしてS4は、その中で、電力消費の減少によりコンピュータが見えなくなる一方、オペレーティングシステムを再起動せずに作業状態に復帰するために、十分な前後関係を保持している休止状態である。状態S5は、シャットダウンまたはオフ状態である。シャットダウン状態(S5)、またはいずれかの休止状態(S1〜S4)から作業状態(S0)に変化する時システムは目覚め、そして作業状態からいずれかの休止状態、またはシャットダウン状態に変化する時システムは休止し、システムは、直接一方の休止状態へもう一方からは移行できず、いずれかの休止状態へ移行する前には、いつでも作業状態に移行しなければならない。
【0065】
例えば、システムは、状態S2からS4へ、また状態S4からS2へも変化できない。まず、そこからそれが次の休止状態に移行できる状態S0に戻らなければならない。なぜなら、中間の休止状態におけるシステムが、既にいくらかの操作の前後関係を失っているので、それが追加の状態変化を生成しても良くなる前に、その前後関係を修復するために、作業状態に復帰しなければならない。
【0066】
図3と共に、図2をここで参照すると、本発明の一実施例における小型OSの電源投入とプレーヤ機能の開始に対する代表的なシーケンス200が例示されている。上記に明言されたように、本発明を装備されたPCのオーディオプレーヤ機能の開始の前の適当な時に、利用者は、関心があるオーディオファイルをHDD36にダウンロードする(図2には図示せず)か、または、本発明の特色をなすオーディオプレーヤ機能で使用するためのCD−ROMドライブ38に据えられるCD−ROMを焼く。
【0067】
図示されたように、ステップ201において、システムを起動するために、利用者がオーディオプレーヤ電源スイッチ54か、コンピュータのメイン電源スイッチ(図3には図示せず)のいずれかを押すと、シーケンス200が始まる。ステップ202において、コンピュータを通常の操作モードで起動するか、圧縮されたオーディオの演奏モードで起動するかの決定がその時行われる。当業者は、この決定を、アプリケーションプログラム、またはそのような能力を提供するオペレーティングシステム(例えばWindows(登録商標)98)により代りに行われ得るであろうと認識するであろうが、この決定は、一般的には、コンピュータの電源スイッチ、または、オーディオプレーヤ電源スイッチ54がコンピュータを起動するために使用されたかどうかに基づいて、BIOSにおいて行われる。
【0068】
もし、コンピュータの電源スイッチがコンピュータを起動するために使用されたならば、その時、ステップ203において、システムは通常の操作モードを起動し、通常のオペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標)98)がシステムRAM30に読み込まれて実行される。もし、オーディオプレーヤ電源スイッチ54がコンピュータを起動するために使用されたならば、ステップ204において、小型OSがシステムRAM30に読み込まれる。ステップ205では、小型OSは、1個またはそれより多いノースブリッジ28と、サウスブリッジ32と、専用回路40と、ハードドライブ36と、CD−ROMドライブ38と、コーデック42と、そしてCPU26とを含むシステムのコンポーネント(要素)を初期化する。
【0069】
システムの初期化時には、オーディオの復元リクエストが宙に浮いていないので(すなわち、メモリバッファが満杯でない)、ステップ208では、どちらかの決定が行われ、ステップ207では、ファンクションキー48の中の1つが押されるまで、システムはファンクションキー48の中の1つからの入力信号を待ち、ステップ206において、この時点で適切な機能が実行され、適切にLCDディスプレイが更新される。もし、その命令が、オーディオを再生するための利用者からのリクエストを含むならば、この時、オーディオの復元リクエストは宙に浮いており、ステップ208では、どちらかの決定が行われる。
【0070】
オーディオを再生するための最初のリクエストに関しては、圧縮されたオーディオファイルがシステムメモリ30にないので、ステップ209では、どちらかの決定が行われ、ステップ210において、圧縮されたオーディオファイルがHDD36、及び/またはCD−ROMドライブ38、及び/または携帯用メモリ媒体82から読まれ、システムメモリ30に読み込まれる。ステップ210において圧縮されたオーディオファイルがシステムメモリに読み込まれた後で、またはもし既にオーディオファイルがシステムメモリに存在すれば、ステップ209では、どちらかの決定が行われ、ステップ211において、オーディオファイルはその時システムCPU26を使用して復元される。
【0071】
ステップ212では、コーデック42へのDMA転送が復元されたオーディオデータのために初期化され、それからコーデック42からの出力信号が、スピーカ及び/またはヘッドホン46を駆動するために増幅器44により増幅される(図2には図示せず)。ステップ212においてDMA転送が初期化された後で、オーディオの復元リクエストが宙に浮いているかどうかを決定するために、制御ループはステップ208へ戻る。
【0072】
「再生リストソフトウェア操作」
図5は、本発明の別の実施例による代表的なシステム31の別の一般化された全体のブロック図である。この代表的な実施例において、システム31は、再生リストデータ、及び/または圧縮されたファイルデータを保持するために使用可能な携帯用メモリ媒体82を含んでいる。携帯用メモリ媒体82は、スマートカード媒体、メモリスティック(登録商標)媒体、PCMCIAメモリ媒体、及び/またはこの技術で知られている他の携帯用媒体であり得る。
【0073】
システムがオンしており、媒体が携帯用メモリ媒体位置に存在していることが検出される場合(例えば、スマートカード、PCMCIA、CardBusカード、メモリスティック(登録商標)、またはその他の媒体が適切なスロットへの挿入により)、メモリリーダは、サウスブリッジ32に対する割り込みを発生する。この実施例の専用回路40は、割り込みもまた受信し、そして、メモリデバイス82の再生リストデータを読むために適切なアプリケーション(例えばWindows(登録商標)Media Player)を開始するようオペレーティングシステムに指示するための命令を生成する。
【0074】
この場合において、そのアプリケーションは、 メモリデバイス82、または再生リストファイルにおいて指定された他の記憶場所のどちらからでも、再生リストを読み、オーディオデータを検索するために支配権を握る。同様に、小型OSが使用可能であるとき、専用回路40は、メモリデバイス82が存在するかどうかをチェックし、そして再生リストデータ用の装置を走査するために応用される。そのシステムはそれから上述のように動作する。
【0075】
この中に記述された再生リストファイルは、所望のMP3の歌の順序を持つ利用者により組み立てられる一般化されたデータファイルである。再生リストは、同じく、どこに所望のMP3データを置いているかをアプリケーションに教えるために、ディスクパス情報もまた含んでいる。あるオペレーティングシステムは、利用者がその場でドライブの文字を変えることを可能にする。従って、 再生リストソフトウェアは、オペレーティングシステムにより固有のドライブに与えられたボリュームシリアルナンバ(VSN)を読む。シリアル番号は変わらない(ドライブを再フォーマットすることにより故意に変えられない限りは)ので、従って、ユーザーが固有のドライブの文字を再び割り当てたとしても、再生リストソフトウェアは、かまわず再生リストデータを追跡することができる。この特徴は、同様にディスクドライブのような切り替え可能な装置においてもまた機能する。
【0076】
上記に記述された実施例は、ハードウェアに基づいたOSの選択を利用する(すなわち、メイン電源ボタンを押すことがWindows(登録商標)を起動し、一方オーディオ制御ボタンを押すことが小型OSを起動する)けれども、他のOS選択方法も同様に熟考されると、当業者に認識されるべきである。そのような選択方法は、例えばバッチファイルの使用、または他のスクリプトの作成、または1番目のOSをシャットダウンし2番目のOSを起動するソフトウェアに基づいた方法を含んでいる。
【0077】
当業者は、本発明の小型OSが、完全に個別のオペレーティングシステムとして実施される代りに、おそらく更に大きいOS(例えば、Windows(登録商標)やLINUX等のGUIに基づいたOS)の一部、または、「オペレーティングシステム」以外の何か他の名前が付けられたソフトウェアコンポーネント(例えば「ドライバ」、「アルゴリズム」、「スクリプト」、「コード」、「プログラム」、「エグゼキュータブル(executable、実行可能)」、「ルーチン」、「サブルーチン」、「ユーティリティ」等。)として実施され得るであろうともまた認識するであろう。そのような実施例が、本発明の範囲内にあるように熟考される。
【0078】
「ソフトウェア操作」
図6へ方向転換すると、本発明による別の代表的なコンピュータシステム600の一般化されたブロック図が例示されている。コンピュータシステム600は、システム600が、圧縮されたオーディオモードにおけるシステム600の操作に、前もって記述された専用回路40(ハードウェア)を利用する代わりに、純粋なソフトウェアによる解決方法を使用する以外は、図3から図5の先に記述された実施例と類似している。そのように、ソフトウェアによる解決方法は、システム600が、前もって記述された発明の全ての実施例の圧縮されたオーディオの演奏モードにおけるPCの操作を含めて、機能性全てを備えることを可能にする。
【0079】
コンピュータシステム600は、図3と図5に関して先に詳細に説明された従来の要素を含んでおり、今後、それらの要素とその操作についてのあらゆる反復的な記述は、この中では明快にするために省略される。それらの先に記述された要素に加えて、コンピュータシステム600は、オーディオ制御ボタン48と、LCD34と、そしてキーボード606との接続に適応する従来のキーボード制御装置604を含んでいる。オーディオの圧縮されたモードにおけるコンピュータシステム600の操作は、プロセッサにより実行されることに適応したオーディオソフトウェアによって制御される。そのように、そのようなオーディオソフトウェアの操作は、プロセッサと機械で読める媒体とを必要とする。
【0080】
プロセッサ、例えばCPU26は、発明の実施例により必要とされるスピードと機能性とを提供することが可能であるプロセッサのあらゆるタイプであり得る。例えば、そのプロセッサは、インテル社により作られたプロセッサのPentium(登録商標)ファミリのプロセッサとすることができるであろう。機械で読める媒体は、プロセッサにより実行されることに適応した命令を記憶することが可能なあらゆるタイプの媒体であり得る。そのような媒体のいくらかの例は、それに限定されないものの、システムRAM30と、リードオンリメモリ(ROM)と、プログラマブルROMと、磁気ディスク (例えばフロッピー(登録商標)ディスクとHDD36)と、光ディスク(例えば、CD/DVD ROM38)と、そしてデジタル情報を記憶可能な他の装置とを含んでいる。
【0081】
この中で使用されている「プロセッサにより実行されることに適応した」というフレーズは、プロセッサにより実行される前に、インストーラによりコンパイルまたはインストールされなければならない命令はもちろん、圧縮された、及び/または暗号化されたフォーマットで記憶される命令を含むことを意味する。プロセッサと機械で読める媒体は、機械で読める媒体の組み合わせがいろいろな制御装置を通してプロセッサによりアクセス可能であるオーディオソフトウェアの組み合わせを記憶するコンピュータシステム600の一部であっても良い。
【0082】
オーディオソフトウェアは、前もって詳細に説明された小型OSとここからのPCシステムとを読み込んで操作するための機能性全てを提供する。更に、小型OSそのものは、更に大きいOSの一部として実施され得るであろうし、もしくは、「アルゴリズム」、「スクリプト」、「コード」、「プログラム」、「ルーチン」、または、「サブルーチン」とすることができるであろう。
【0083】
コンピュータシステム600の操作は、図2の代表的なシーケンス200を参照して、以下に詳細に説明される。先に詳細に説明したように、本発明を装備されたPCのオーディオプレーヤ機能の開始の前の適当な時に、利用者は、関心があるオーディオファイルをHDD36にダウンロードする(図2には図示せず)か、または、本発明の特色をなすオーディオプレーヤで使用するためのCD/DVD ROMドライブ38に据えられるCD−ROMを焼く。
【0084】
ステップ201において示すように、システムを起動するために利用者がオーディオプレーヤ電源スイッチ54かコンピュータのメイン電源スイッチのいずれかを押す時、シーケンス200が開始される。ステップ202では、コンピュータが通常の操作モードまたは圧縮されたオーディオの演奏モードのいずれで起動するかの決定がその時行われる。当業者は、この決定は、アプリケーションプログラム、またはそのような能力を提供するオペレーティングシステム(例えばWindows(登録商標)98)により代りに行われ得るであろうということを認識するであろうが、この決定は、一般的には、コンピュータの電源スイッチ、または、オーディオプレーヤ電源スイッチ54がコンピュータを起動するために使用されたかどうかに基づいて、BIOSにおいて行われる。
【0085】
もし、通常のPC操作モードが望まれるならば、システムはステップ203において通常の操作モードで起動し、そして通常のOS、例えばWindows(登録商標)98がシステムRAM30に読み込まれて実行される。ちょうど、専用回路40がそのような状況において回避されたように、本発明によるオーディオソフトウェアは、通常の操作モードにおいてPCを操作するために、リクエストにすぐ応答しない。
【0086】
もし、圧縮されたオーディオモードが望まれるならば、オーディオソフトウェアは、いろいろな特別の機能を与える技術の中の1つにより作動させられる。例えば、オーディオプレーヤ電源スイッチ54が利用されても良いし、またはソフトウェアに基づいた選択技術が利用されても良い。一度オーディオソフトウェアが作動させられれば、それは、ステップ204において、
システムRAM30に小型OSを読み込むようにシステムに命令する。好都合にも、圧縮されたオーディオモードにおいて起動するため小型OSを利用するPCの起動時間は、通常のPCモードにおいて起動するため伝統的なOSを利用するPCの起動時間より速い。このように、利用者は、 通常のPCモードにおけるPCの更に長い起動時間を待たずに、いろいろなオーディオファイルを迅速に聞くことができる。
【0087】
それから、ステップ205では、小型OSは、1個またはそれより多いノースブリッジ28と、サウスブリッジ32と、ハードドライブ36と、CD/DVD−ROMドライブ38と、コーデック42と、そしてCPU26とを含むシステム600の要素を初期化する。更に、CPU26は、コーデック42へのデータの流れをコントロールし、そして、先に詳細に説明されたいろいろな電力管理機能を実行するために、オーディオソフトウェアを利用する。システムの初期化時に、オーディオの復元リクエストが宙に浮いていないので(すなわち、メモリバッファが満杯でない)、ステップ208では、どちらかの決定が行われ、ステップ207では、ファンクションキー48の中の1つが作動させられるまで、システムはファンクションキー48の中の1つからの入力信号を待つ。この時、ステップ206において、適切な機能が実行され、適切にLCDディスプレイ34が更新されても良い。
【0088】
もし、その命令が、オーディオを再生するための利用者からのリクエストを含むならば、この時、オーディオの復元リクエストは宙に浮いており、ステップ208では、どちらかの決定が行われる。オーディオを再生するための最初のリクエストに関しては、普通は圧縮されたオーディオファイルがシステムメモリ30にないので、ステップ209では、どちらかの決定が行われ、ステップ210において、圧縮されたオーディオファイルがHDD36、及び/またはCD/DVD ROMドライブ38、及び/または携帯用メモリ媒体82から読まれ、システムメモリ30に読み込まれる。例えば、CD/DVD ROMドライブ38により読まれるように、圧縮されたオーディオファイルは、CDまたはDVD上に存在することができるであろう。
【0089】
ステップ210において圧縮されたオーディオファイルがシステムメモリに読み込まれた後で、またはもし既にオーディオファイルがシステムメモリに存在すれば、ステップ209では、どちらかの決定が行われ、ステップ211において、オーディオファイルはその時システムCPU26を使用して復元される。ステップ212では、コーデック42へのDMA転送が復元されたオーディオデータのために初期化され、更にコーデック42からの出力信号が、スピーカ及び/またはヘッドホン46を駆動するために増幅器44により増幅される(図2には図示せず)。ステップ212においてDMA転送が初期化された後で、オーディオの復元リクエストが宙に浮いているかどうかを決定するために、制御ループはステップ208へ戻る。
【0090】
「アプリケーション(応用)」
当業者は、伝統的なコンピュータシステム及びPCにおいて発見されたそれを超えて改善を提供する、圧縮されたオーディオモードにおいて利用されても良い、いろいろなソフトウェアアプリケーションを認識するであろう。いくらかのそのようなアプリケーションは、1)媒体の選択、2)音声の録音、3)デジタル画像の取得と保存、そして、4)遠隔制御アプリケーションを含んでいる。これらの各々は、図7のコンピュータシステム700のブロック図を参照して、以下に更に詳細に扱われる。各アプリケーションは、ソフトウェアのみによって動作しても良いし、いくらかの例においては、拡張された電力管理能力を提供するために、専用回路40と共に動作しても良い。
【0091】
コンピュータシステム700は、類似の要素には同様の符号が付与される図3、5、そして6に関して先に詳細に説明された多くの要素を含んでおり、今後、それらの要素についてのあらゆる反復的な記述は、この中では明快にするために省略される。4つのアプリケーションの代表的なリストは排他的ではなく、当業者は、オーディオ圧縮モードにおけるコンピュータシステムの操作が、伝統的なコンピュータシステムにおいて発見されたそれを超えて改善を提供する、いろいろな他のアプリケーションを認識するであろう。
【0092】
「媒体の選択」
圧縮されたオーディオファイルの大多数は、コンピュータシステム700のいろいろな媒体に記憶されても良い。そのような媒体は、HDD36、CD/DVDディスク、フラッシュメディアカード等を含んでいる。そのようなファイルは数千になるかもしれず、従って、そのようなファイルは、例えば歌の種類、アーティスト、アルバム等によるディレクトリ構造においてもまた、一般的に整理されている。好都合にも、小型OS80の一部分でも良い媒体選択ソフトウェアは、利用者がいろいろな媒体からオーディオファイルまたはディレクトリを検索し、アクセスし、そして選択することを可能にするために、少なくとも1つのファンクションキーに応答する。
【0093】
一般的なファンクションキー48は、停止と、再生と、一時停止と、早送りと、巻き戻しと、そしてボリュームアップとダウンのキーを含んでいても良い。一般的に、これらのファンクションキーは、利用者が所望の動作の1つだけを選択することが可能になるように、独立して動作する。本発明による媒体選択ソフトウェアは、利用者がディレクトリモードに入るためにファンクションキーの組み合わせまたはシーケンスを最初に作動させることを可能にする。ディレクトリモードは、少なくとも1つのファンクションキー48を使用して、利用者がいろいろなオーディオファイル及びディレクトリにアクセスすることを可能にし、そして、利用者がいろいろなオーディオファイルを検索し、選択し、そして記憶することを可能にする。一度、オーディオファイルが発見される、または記憶されれば、利用者は、少なくとも1つのファンクションキーを再度使用して、ディレクトリモードから出ても良い。
【0094】
いろいろなファンクションキー、組み合わせ、またはそのようなファンクションキーのシーケンスは、ディレクトリモードに入り、ナビゲート(操縦)し、そしてディレクトリモードを出るために、利用されても良い。例えば、1つのファンクションキー、例えば“停止”ファンクションキーは、音楽再生が中止されると同時に、ディレクトリモードに入るために使用されても良い。代わりに、2または3以上のファンクションキー、例えばボリュームアップそしてボリュームダウンのファンクションキーは、ディレクトリモードに入るために、同時に作動させられても良い。一度、ディレクトリモードが入力されれば、1または2以上のファンクションキーは、利用者がいろいろな媒体のいろいろなディレクトリにおいて、いろいろなオーディオファイルをナビゲート(操縦)することを可能にしても良い。
【0095】
そのようなナビゲーションは、利用者がオーディオファイルを検索し、選択し、そして記憶することを可能にしても良い。例えば、早送りと巻き戻しのキーは、いろいろなオーディオファイル及びディレクトリの初めから終わりまでを、検索もしくはスクロールするために使用されても良い。この場合において、ボリュームアップとボリュームダウン、またはファンクションキーの他のセットもまた利用されても良い。更に、利用者が更に容易にいろいろなディレクトリを検索することを可能にするように、、ディレクトリ情報を表示するためにLCDディスプレイ34もまた利用されても良い。最終的に、利用者は、ディレクトリモードから出るために、1または2以上のファンクションキーを利用しても良い。例えば、停止キーを押すことは、ディレクトリモードを出ても良い。一度このモードが出られれば、利用者は、選択されたオーディオファイルを再生するために、再生ファンクションキーを押しても良い。
【0096】
「音声録音アプリケーション」
コンピュータシステム700が、圧縮されたオーディオモードにおいて小型OS80を操作している時、音声録音ソフトウェアアプリケーションは、迅速に提供され得る。操作中、コンピュータシステム700の利用者は、音声録音モードを選択しても良い。小型OS80は、その時、アナログ音声データを入力するために、利用者が例えばマイクロフォン716のようなオーディオ入力装置を利用することを可能にする。コーデック42のADコンバータ(analog to digital converter)は、その時、入力アナログ音声データ信号をデジタルオーディオ信号に変換する。IC40またはサウスブリッジ32は、マスタまたはDMAサイクルを使用することにより、コーデック42からデジタルオーディオ入力信号を受信し、それを例えばシステムRAMのようなシステムメモリ30に送信するようにプログラムされている。
【0097】
CPU26は、その時、システムメモリ30から音声データを取り出しても良く、そして、音声データの圧縮を実行するために、当業者に知られているいろいろな音声コーディング(コード化)技術を利用する。圧縮の後、より小さくなった音声ファイルは、それから、例えばハードディスクドライブ36のような、コンピュータシステム700の大規模な記憶装置へ送信されても良いし、またはフラッシュメディアカードに送信されても良い。もし、音声ファイルがフラッシュメモリカードに記憶されるならば、それは取り外され得るであろうし、そして互換性があるフラッシュカードインタフェースを備えるあらゆる他のコンピュータシステムまたは圧縮オーディオプレーヤに挿入され得るであろう。
【0098】
音声録音ソフトウェアアプリケーションは、IC40と小型OS80を利用しても良いし、またはあらゆるIC40なしで、小型OS80のみを利用しても良い。IC40と小型OS80の解決方法において、IC40は、音声録音アプリケーションの間の時間の大部分においてCPU26を低電力状態に保持するために利用されても良い。IC40は、例えば、圧縮されたオーディオの演奏モードにおける電力の節約制御方法を含んでいる圧縮されたオーディオ演奏操作モードに関して、前もって記述されたように動作する。そのように、IC40は、音声データの圧縮のような特定の機能を実行していない間はCPU26をより低電力状態に置くことにより、コンピュータシステム700の電力の節約を可能にする。
【0099】
例えば、音声データがコーデック42からシステムメモリ30に転送されつつあるとき、CPU26は、低電力状態に維持され得るであろう。音声録音ソフトウェアと圧縮ソフトウェアがCPU26の動作時間を一般にほとんど必要としないので、CPU26は、好都合にもかなりの時間量を低電力状態に置かれ得る。IC40は、定期的にCPU26を起こすためにもまた使用されても良い。IC40は、その上、追加の電力の節約のために、CPU26が更に深いスリープモードに入ることを可能にするように、例えばFIFOバッファのようなバッファ730を装備されていても良い。例えば、コンピュータシステム700が作業状態にあるとき、CPUは多数の電力状態を持っている。
【0100】
そのような状態の1つは、最大限の電力(フルパワー)状態である。この状態において、CPUは、あらゆる他のいくつかのスリープ状態と比較して、大部分の電力を消費する。CPUは、CPUが浅いスリープ状態にあるよりも深いスリープ状態において、より少ない電力を消費する、浅いスリープ状態と深いスリープ状態というような、多数のスリープ状態もまた持っていても良い。浅いスリープ状態は、更に、CPUが第1の浅いスリープ状態にあるよりも第2の浅いスリープ状態において、より少ない電力を消費する、第1の浅いスリープ状態と第2の浅いスリープ状態とに分割されても良い。
【0101】
これらの状態はACPIの仕様書により定義されているので、一実施例において、CPUの最大限の電力(フルパワー)状態は状態C0としても良く、第1の浅いスリープ状態は状態C1としても良く、第2の浅いスリープ状態は状態C2としても良く、そして深いスリープ状態は状態C3としても良い。当業者は、前の状態と比較された各連続するスリープ状態C1、C2、C3において、CPUがより少ない電力を消費することを認識するであろう。しかしながら、各状態の間の電力消費の違いは、システムの詳細に依存している。
【0102】
好都合にも、IC40のバッファ730は、CPU26が状態C3のような深いスリープ状態に入ることを可能にする。バッファなしで、CPU26は、音声録音アプリケーションにおいて、せいぜい状態C2に入ることができる。バッファ730は、音声データを記憶するために構成される。バッファ730が前もって決められた低いデータコンディションに達するとき、IC40は、CPU26に状態C3のような深いスリープ状態に入るよう指示するディープスリープ信号をCPU26に対して生成する。
【0103】
一方、もし、バッファにおける音声データが前もって決められた満杯のデータコンディションに達するならば、IC40は、CPUが音声圧縮を実行することを可能にするウェイクアップ信号をCPU26に対して生成する。当業者は、バッファ730がバッファの中のデータ量に依存してディープスリープ信号とウェイクアップ信号を供給するようにプログラムされても良い内部レジスタを持っていると認識するであろう。これに代るものとして、IC40を使用せずに同様の音声録音アプリケーション機能を実行するために、小型OSソフトウェアだけのアプローチが使用され得る。圧縮されたオーディオモードにおけるコンピュータシステム600の操作のためのソフトウェアだけのアプローチは、図6を参照して、前もって記述された。
【0104】
この音声録音アプリケーションの例において、CPU26が状態C3よりもむしろ、せいぜい状態C2に置かれ得るであろうから、コンピュータシステム700の操作は、前もって詳細に説明された小型OS80とIC40とによる解決方法よりも、より多い電力を消費するであろう。例えばデスクトップコンピュータシステムのように、電力消費があまり心配にならないいくつかの例において、小型OS80のみによる純粋なソフトウェアアプローチは、先に詳細に説明した小型OS80とIC40とによるオプションよりあまり高価ではないので、魅力的なアプローチである。
【0105】
「デジタル画像の取得と記憶」
デジタルカメラやデジタルビデオレコーダのようなデジタル装置の一種、または同様なものは、デジタル画像を取得し、そしてフラッシュメディアカードのような記憶装置の一種に記憶する外部装置である。いくらかのタイプのフラッシュメディアカードは、 スマートメディア(登録商標)と、コンパクトフラッシュ(登録商標)と、そしてメモリスティック(登録商標)カードとを含んでいる。例えば、デジタルカメラ、またはビデオレコーダのような、いくらかのこれらのデジタル装置712もまた、コンピュータシステム700に内蔵されるか、または統合されても良い。
【0106】
そのようなデジタル装置のために、圧縮されたオーディオモードにおけるコンピュータシステム700の操作は、通常のOSの長い起動時間を待たず、追加された電力管理能力を提供中にデジタル画像を取得して記憶する方法を利用者に提供する。デジタル装置に内蔵または組み入れられたデジタル装置712によりデジタル画像を取得するために、利用者は、最初にコンピュータシステム700を通常の操作モードよりむしろオーディオ圧縮モードで起動しても良い。関連したデジタル装置ソフトウェアは、その時、デジタル装置モードを選択するように利用者に促しても良く、デジタルデータを獲得するようにデジタル装置712に命令するために、利用者がファンクションキー48を利用することを可能にする。例えば、デジタル装置712は、デジタルピクチャ画像を撮影するデジタルカメラ、またはデジタルビデオを撮影するデジタルレコーダでも良い。
【0107】
デジタル画像は、その時コンピュータシステム700のビデオディスプレイスクリーンに表示されるか、及び/または、そのようなデジタル画像は、例えばHDD36のようなコンピュータシステム700の大規模な記憶媒体に記憶されても良い。内部または外部のデジタル装置は、USBやIEEE1394のような周辺のバスを通して、コンピュータシステム700に接続されても良い。もし、デジタル装置712がコンピュータシステム700の外部にあるならば、利用者は、デジタル装置712からデジタルデータをインポートし、例えばHDD36のような大規模な記憶媒体に記憶するために、関連したデジタル装置ソフトウェアを利用することができる。そのように、デジタル装置ソフトウェアアプリケーションは、通常のOSの長い起動時間を待たずにデジタルデータをインポートするための単純で簡単なインタフェースを利用者に提供する。
【0108】
例えば、もしデジタル装置712がコンピュータシステム700の外部のデジタルカメラであるならば、デジタル装置ソフトウェアは、利用者がデジタル画像をコンピュータシステム700の大規模な記憶媒体にダウンロードすることを可能にする。先に詳細に説明した音声録音アプリケーションと類似して、デジタルカメラアプリケーションは、小型OS80とIC40とによる解決方法、または小型OS80のみによる解決方法のいずれかにより実施されても良い。もしデジタル装置712が内部のデジタルカメラのような内部のデジタル装置であるならば、小型OS80とIC40とによる解決方法は、イメージが実際に取得されるまで、CPUを状態C3のような深いスリープ状態にすることを可能にする電力管理機能を提供することができる。
【0109】
これに代るものとして、IC40を使用せずに同様のデジタル取得または記憶機能を実行するために、小型OSソフトウェアだけのアプローチが使用され得る。音声録音アプリケーションと同様に、CPU26がせいぜい状態C2に置かれ得るであろうから、コンピュータシステム700は、この場合に更に多くのパワーを消費するであろう。例えばデスクトップコンピュータシステムのように、電力消費があまり心配にならないいくつかの例において、小型OS80のみによる純粋なソフトウェアアプローチは、先に詳細に説明した小型OS80とIC40とによるオプションよりあまり高価ではないので、魅力的なアプローチである。
【0110】
「遠隔制御アプリケーション」
コンピュータシステム700が圧縮されたオーディオモードにおいて動作している間、遠隔制御アプリケーションは、本質的にファンクションキー48に取って変わり、そして利用者にコンピュータシステム700のいくらかの操作を遠く離れて制御することを許可するために提供され得る。遠隔制御装置722は、コンピュータシステム700の遠隔制御トランシーバ714に制御信号を供給する。遠隔制御装置722は、赤外線や無線周波数のような、あらゆる知られたタイプの制御技術を利用できるであろう。システムブリッジに統合しても良い遠隔制御トランシーバ714は、遠隔制御装置722から制御信号を受信する。
【0111】
そのようには図解していないが、遠隔制御トランシーバ714は、IC40ともまた統合しても良い。遠隔制御トランシーバ714は、コンピュータシステム700がオフの時でさえも、電力が供給される。操作中、利用者は、圧縮されたオーディオのボタンを作動させるために、遠隔制御装置722を利用しても良い。適切な制御信号が、その時遠隔制御トランシーバ714へ送信される。もし、コンピュータシステム700が最初にオフであるならば、トランシーバ714は、コンピュータシステム700を起動するためのウェイクアップ信号を送信する。コンピュータシステム700は、受信した信号が圧縮されたオーディオモードにおける操作が希望されたことを示しているかどうかを確かめるために、この時点でトランシーバをチェックする。もし、小型OSがシステムメモリに読み込まれると、先に詳細に説明したように、オーディオプレーヤ電源スイッチ54の作動と関連して、圧縮されたオーディオモードにおける操作が始まるであろう。
【0112】
そのように、コンピュータシステム700の利用者は、圧縮されたオーディオモードにおいて、例えばファンクションキー48のようなコンピュータシステムの適切なキーを物理的に作動させることなく、遠隔制御装置722により、役に立つ機能や役に立つアプリケーションにアクセスすることができる。同じ遠隔制御装置722は、通常のOSがシステムメモリに読み込まれるであろう、通常の操作モードにおけるコンピュータシステム700の電源投入を可能にさせるための通常の電源ONボタンもまた備えていても良い。そのように、遠隔制御装置722は、通常の操作モードにおいて、他の機能を制御するためにもまた使用されても良い。
【0113】
「娯楽モード」
圧縮されたオーディオモードにおける操作に加えて、PCは、伝統的なPCコンピュータ処理アプリケーションとは一般的に結びつかない多数の娯楽アプリケーションを含むために、絶えずアップグレードされつつある。例えば、そのような娯楽アプリケーションは、それに限定されないものの、インターネットラジオと圧縮されたオーディオの再生の両方を含むオーディオ再生アプリケーションと、DVD映画再生アプリケーションと、テレビ視聴アプリケーションと、デジタル装置アプリケーションと、遠隔制御アプリケーションと、音声録音アプリケーション等を含んでいる。ちょうど、オーディオ再生や他のアプリケーションへの迅速なアクセスのための圧縮されたオーディオモードの選択が有利であるように、PCにより提供された娯楽アプリケーションへの迅速なアクセスのための娯楽モードの選択も有利であろう。
【0114】
そのように、PCの利用者は、 PCモードまたは娯楽モードにおけるPCの操作のための選択を行うことができるであろう。そのような選択は、例えば特定の娯楽ボタンの作動のようなハードウェアベースのものであるか、または例えば選択メニューによるようなソフトウェアベースのものとすることができるであろう。もし、PCモードが選択されたならば、一般的な起動シーケンスと、例えばWindows(登録商標)のような基本のオペレーティングシステムの読み込みが生じるであろう。もし、娯楽モードが選択されたならば、起動シーケンスと、例えば小型OSのような代わりのオペレーティングシステムの読み込みが生じるであろう。
【0115】
先に詳細に説明したが、例えば小型OSは、娯楽アプリケーションの操作に必要な更に大きいOSのそれらの部分を含むであろうから、小型OSは更に大きいOSの一部として実施され得るであろう。そのように、小型OSは、更に大きいOSのサブセット(subset:部分集合)とすることができるであろう。小型OSを読み込むための起動シーケンスは、利用者が娯楽アプリケーションに対する迅速なアクセスを得ることを可能にするために、この中に詳細に説明された急速起動シーケンスでも良い。
【0116】
「急速起動」
図8へ方向転換すると、急速起動手順の代表的なフローチャート800が例示されている。急速起動手順が、PCが娯楽モードにおいて動かされるときの使用に対する小型OSの起動に関連して、この中に記述されている。当業者であれば、同様に、本発明による急速起動手順は、その上、例えば基本のオペレーティングシステムのような他のオペレーションシステムの起動手順のスピードアップにもまた適用できるであろう。PCがステップ802において起動されるとき、小型OSのための急速起動手順が開始される。ステップ804において、娯楽モードにおける操作が望まれているかどうかの決定が行われる。この決定は、例えばPCメイン電源スイッチ、または娯楽モードスイッチがPCを起動するために使われたかどうかに依存するBIOSにおいて行われても良い。前もって詳細に説明されたように、そのような選択もまたソフトウェアベースのものとすることができるであろう。もし、PC操作モードが望まれるならば、システムはステップ806において通常の操作で起動し、例えばWindows(登録商標)のような通常のOSがシステムRAMに読み込まれ、実行される。
【0117】
もし、娯楽モードが望まれるならば、ステップ808において、前の娯楽ブートから何かハードウェアが変わったかどうかの決定が行われる。この決定は、一般的にBIOSにより行われる。もし、何かしらハードウェアが変わっていたならば、ハードウェア変更フラグは、その時ステップ810においてセットされても良い。もし、ハードウェアが変わっていなかったならば、その時フラグはセットされない。次に、ステップ812においてBIOS起動手順が実行される。図9に関して、この中で後で詳細に説明されるように、これは、代表的なBIOS起動手順、または加速されたBIOS起動手順でも良い。
【0118】
ステップ812のBIOS起動手順の後で、ステップ814において制御は小型OSローダへ移される。小型OSローダは、次にステップ816において適切な小型OSイメージを読む。小型OSは、基本のオペレーティングシステムファイルの一部分であっても良いし、またはいずれかのメモリ記憶装置に置かれていても良い。それはまた、圧縮フォーマットで記憶されていてもまた良く、もしそうであれば、小型OSローダは圧縮フォーマットを復元するであろう。この時、ステップ818において、制御は次に小型OSへ移される。
【0119】
一度、ステップ818において制御が小型OSへ移されれば、 ステップ820において、予め構成されたアプリケーションスイートと小型OSのメモリイメージ(PSMイメージ)(Preconfigured Application Suite & Mini-OS Memory Image (PSM image) )サポート機能が作動させられるか否かが決定される。もし、そのようなPSMイメージサポートが作動させられない場合、その時、ステップ822において通常の小型OSの起動が発生するであろう。通常の小型OSの起動は、PCが娯楽モードで動作している間に利用され得るであろう、いろいろなソフトウェアモジュールの選択と読み込みを含んでいる。
【0120】
もし、PSMイメージサポートが作動させられる場合、その時、ステップ824においてハードウェア変更フラグがセットされたか否かが決定される。もし、フラグがセットされていた場合、前回の娯楽モードの起動からハードウェア構成が変更されたことを表しており、その時、ステップ826において通常の小型OSの起動が発生するであろう。この通常の小型OSの起動手順は、小型OSソフトウェアモジュールの実行と、新しいハードウェア構成に基づくアプリケーションの読み込み手順とを含んでいるであろう。更に、PSMサポートがこの場合には作動されるから、ステップ830において、新しいPSMイメージファイルが作成される。そのようなPSMイメージファイルは、そして、2番目の娯楽モードの起動シーケンスにおいて利用されても良い。
【0121】
もし、ハードウェア変更フラグがセットされていない場合、前回の娯楽モードの起動シーケンスからハードウェア構成が変更されないことを表しており、その時、ステップ828において適切なPSMイメージファイルが直ちに読み込まれ、ステップ832において実行される。この場合において、適切なイメージファイルは、前回の娯楽モードの起動時に作成されたイメージファイルである。更に、いろいろなPSMイメージファイルが状況に応じて読み込まれても良い。更に、そのようなPSMイメージファイルは、一般的に、ハードウェアが前回の起動から変わらない娯楽モードにおける前回の起動のそれであっても良い。もう1つのPSMイメージファイルは、現在の特定のハードウェアに基づいていても良い。
【0122】
ステップ828においてどちらのPSMイメージファイルを読み込むかを選択するために、起動時間の仕組みが提供されるべきである。そのように、もし、読み込まれた構成がそのようなPSMイメージファイルに保存されていれば、小型OSの起動は加速される。理想的な場合には、特定の小型OS及び予め読み込まれたアプリケーションスイートのPSMイメージは、既知のPSMイメージ構成への速い復帰を可能にする仕組みに相応しいサスペンド/レジュームを使用して起動した後、直ちに保存され得る。PSMイメージファイルは、一般的に、サポートされたハードウェア構成を確認するための“指紋”と、PSMイメージ保存の時の表示内容を含む“派手な画面”と、PSMイメージ保存の時に小型OSとPSMイメージファイルにより使用されるメモリの一部分のメモリイメージとを含んでいても良い。
【0123】
更に、もし、小型OSが基本のOSの縮小されたバージョンまたは基本のオペレーティングシステムのサブセットである場合、基本のオペレーティングシステムがシャットダウンされた状態でコンピュータシステムが動作している時、娯楽モードのために必要とされないであろうソフトウェアモジュールをアンロードすることにより、起動手順は自動的によりいっそうスピードアップされ得る。従って、コンピュータシステムが再び娯楽モードにおいて起動される時、基本のオペレーティングシステムの縮小されたバージョンとしての小型OSは、更に迅速に起動され得るであろう。
【0124】
図9へ方向転換すると、加速されたBIOS起動手順を例示するフローチャート900が例示されている。加速されたBIOS起動手順は、図8のBIOS起動手順812として利用されても良い。加速されたBIOS起動手順は、通常のPC操作モードが望まれる時、基本のOSともまた一緒に利用されても良い。娯楽モードで利用される時、一度娯楽操作モードが選択されたならば、加速されたBIOS起動手順がステップ902において始まる。BIOSは、ステップ904において、一般的なBIOS操作の何れかのタスクが省略可能か否かを決定する。もし、何れかのタスクが省略可能である場合、その時、例えばそのようなタスクを実行するための時間を節約するために、そのようなタスクはステップ906において省略される。例えば、娯楽モードにとって必要でない装置のための全てのハードウェアチェックは、省略され得る。小型OSの起動のために必要とされるハードウェアのためのどんなハードウェアチェックも、一般的に省略されるべきでない。メモリテストタスクもまた省略しても良い。
【0125】
もし、タスクが省略され得ないならば、加速された起動手順は、ステップ908において、そのようなタスクが延期、または遅延されても良いか否かを決定する。もし、そのようなタスクがもっと後の時間まで延期され得るならば、その時、ステップ910において、そのようなタスクは延期される。例えば、延期されても良いそのようなタスクとしては、ディスクが回転させられた後でディスクからデータを読み取ることによる延期である。実際にはその他のあらゆるタスクもまた、同じく延期されるべきである。小型OSが完全に読み込まれた後でも、そのようなタスクはもっと後の時間まで延期され得る。
【0126】
「パレンタル制御」
通常のPCモードまたは娯楽モードで動作しているコンピュータシステムは、利用者が、例えばDVD映画の再生、テレビ、オーディオアプリケーション等、いろいろな娯楽アプリケーションへアクセスすることを可能にしても良い。そのようなコンピュータシステムは、いろいろな年齢の子供によってもまた利用されても良い。そのような子供の親、または他の管理者は、そのようなアプリケーションが利用可能である時間はもちろん、いろいろな娯楽アプリケーションの内容を制御することを希望しても良い。更に、例えば、もう一人に親の指導を提唱する“PG”に等級付けされた映画(Parental Guidance Suggested "PG" rated movies)へのアクセスを許可する間、一人の子供に一般対象の“G”に等級付けされた映画(General Audience "G" rated movies)へのアクセスを許可することが望ましいように、親は、そのような娯楽アプリケーションを使用している間、子供のトラックにおける活動(track activity)はもちろん、年齢の異なる別の子供または成熟したレベルの子供に異なる内容へアクセスすることを許可することもまた希望しても良い。
【0127】
図10へ方向転換すると、そのようなパレンタル制御の機能性を提供するためにパレンタル制御集積回路(IC)1002と外部の記憶装置1012とを含んでいる本発明によるパレンタル制御システム1000のブロック図が例示されている。IC1002は、この技術において知られている他のコンポーネントを持つコンピュータシステムの一部であっても良い。一般に、パレンタル制御IC1002は、そのようなパレンタル制御機能を提供するために、外部の記憶装置1012と協力する。外部の記憶装置1012は、個々の子供または子供の等級に対する暗号化されたデータ項目を含んでいても良い。外部の記憶装置1012は、データを格納するためのあらゆる種類の装置であっても良い。例えば、記憶装置は、スマートカード、SD カード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード等でも良い。IC1002は、個々のICであっても良いし、または、カードバス(CardBus)制御装置、またはフラッシュカードリーダのように、ちょうど一対として指定するためにコンピュータシステムにおいて他のICと統合されていても良い。そのように、別のICとの統合は、一般的にシステムコスト、及びボードサイズを減少させる。
【0128】
通常のモード、または娯楽モードにおけるコンピュータシステムの操作に関して、利用者(例えば、子供)は、彼らの関連した記憶装置1012をコンピュータシステムにおける適切なスロットに挿入する。一般に、IC1002は、この中でより詳細に説明されたように、ホストシステムに、ホストシステムと記憶装置との間の安全な通信を許可するために、記憶装置1012とホストシステムとの間のインタフェースとして振る舞う。IC1002は、例えば小型OSのようなホストコンピュータシステムの適切なオペレーティングシステムが、もし娯楽モードで動作しているならば、記憶装置1012に記憶された命令のデータに従って、いろいろな娯楽アプリケーションのいろいろなファイルの再生を制御できるように、記憶装置1012に記憶されたデータが、ホストシステムにより適切に読まれることを可能にする。そのように、IC1002は、記憶装置1012から最初にコード化されたシグナルを受信し、そして、ホストコンピュータシステムに理解できる、次にデコードされた信号をホストコンピュータシステムに提供する。
【0129】
一般に、パレンタル制御IC1002は、記憶装置インタフェース1004と、ホストインタフェース1006と、ユーザ入力インタフェース1008と、そして、例えば暗号化/復号化エンジンのような、エンジン1010とを含んでいる。記憶装置インタフェース1004は、IC1002と外部の記憶装置1012との間の通信チャネルを提供する。同様に、ホストインタフェース1006は、IC1002とホストコンピュータシステムとの間の通信を可能にする。ICとホストコンピュータシステムとの間の通信は、PCI、USB、I2C、SMバスのような、この技術において知られているあらゆる標準のバスインタフェースによって発生しても良い。ユーザ入力インタフェース1008は、ホストインタフェース1006に対する利用者命令の通信を可能にする。
【0130】
例えば、利用者がコンピュータシステムを娯楽モードで操作している時、利用者命令は、例えばファンクションキー48のようなファンクションキーによって、または、例えば遠隔制御装置722のような遠隔制御装置によって入力されても良い。利用者命令は、キーボードまたはマウスによってもまた入力されても良い。一度、利用者が所望の命令を入力すれば、ユーザ入力インタフェース1008は、そのような命令を解釈し、そして関連した命令をホストインタフェース1006に提供する。関連した命令は、その時、ホストインタフェース1006によって、ホストコンピュータシステムに提供されても良い。適切なオペレーティングシステムは、利用者命令が適切であるかどうかを決定するために、記憶装置1012から受信される信号と関係のある利用者命令を評価するであろう。
【0131】
例えば、もし、記憶装置1012に記憶された命令のデータが、そのような内容が特定の利用者には許可されていないことを示したならば、娯楽モードにおける小型OSは、法律により制限された“R”に等級付けされたDVD映画(Restricted rated ("R") DVD movie)を見るという利用者リクエストを拒絶するであろう。パレンタル制御IC1002のエンジン1010は、記憶装置1012とホストシステムとの間の安全な通信を提供する。記憶装置1012が、関連したパレンタル制御IC1002により読まれるだけでも良いように、データは、例えば暗号化されたフォーマットのようなコード化されたフォーマットで記憶装置1012に記憶されても良い。そのように、ホストコンピュータシステムが記憶装置1012からデータを読み取る必要があるとき、エンジン1010の復号化部分は、この機能を提供する。
【0132】
一方、ホストコンピュータシステムが、例えばパレンタル制御データを生成または変更するために、記憶装置1012へデータを書く必要があるとき、エンジン1010の暗号化部分は、この機能を提供する。エンジン1010は、ハードウェア、ソフトウェア、または、いくらかのそれの結合により実施され得る。ハードウェアにおいて、エンジン1010は、マイクロプロセッサを用いて、または、この技術において知られているハードウェア論理(ロジック)を用いて実施され得るであろう。1番目のコード化された信号としてIC1002に提供されても良い記憶装置1012に記憶された命令データの内容を回復するために、エンジン1010の復号化部分により正しい復号化キーが要求される。そのキーは、本質的に暗号化アルゴリズムの仕事を「解読する」アルゴリズムである。そのキーは、適切な記憶装置1012がコンピュータシステムと共に使用されることだけを確認するためにもまた使用されても良い。
【0133】
例えば、不認定ユーザ、または機械によって作成された記憶装置は、復号化エンジンのキーにより読まれることができるべきでない。もし、正当な外部の記憶デバイスが発見されないならば、例えば娯楽モードにおける小型OSのような適切なオペレーティングシステムは、娯楽アプリケーションの基礎的な、または一般的なレベルに、アクセスされ、そして再生されることを今まで通り許可しても良い。記憶装置1012は、特定の子供のための命令データを含むようにプログラムされても良い。あるいは、コンピュータシステムの購入に関して、親が、彼ら自身の記憶装置をプログラムしなければならないことなく、即座にそれらを利用可能な、プログラムされた記憶装置1012を持っていても良いように、記憶装置は、そのような時間より前に予めプログラムされても良い。そのような予めプログラムされた記憶装置は、例えば8才から10才の間の子供のような、特定の子供の等級のためのものであっても良い。
【0134】
誰が記憶装置をプログラムするかにかかわらず、それは、記憶装置がパレンタル制御IC1002と共に使用される時、親がいろいろな娯楽アプリケーションの内容と、トータルの視聴時間と、視聴時刻とを規制し、そして、子供のコンピュータシステムの使用さえも記録できるような命令データを含んでいても良い。内容を制御するために、記憶装置1012は、パレンタル制御IC1002と共に使用される時、パレンタル制御システム1000が、それと逆の利用者命令にもかかわらず、特定の子供のために容認できない等級付けを持つ確かなファイルに、視聴されるかまたは傾聴されることを許可しないようにプログラムされても良い。例えば、記憶装置1012は、PGまたはGの等級付けを持っている映画だけを表示可能とするべきと指定するようにプログラムされても良い。同様に、記憶装置1012は、成人内容として評価されたあらゆるテレビショーの再生、または成人内容として評価されたあらゆるオーディオファイルの再生がコンピュータシステムにより許可されるべきでないと指定するようにプログラムされても良い。
【0135】
操作中、子供は、彼らの関連した記憶装置1012をコンピュータシステムにおける適切なスロットに挿入するであろう。もし、子供がコンピュータシステムを娯楽モードで操作していたならば、いろいろな娯楽オプションに対して適切な等級付けを示している記憶装置からの命令データが、1番目のコード化された信号としてIC1002に提供されるであろう。記憶装置インタフェース1004は、その時、1番目のコード化された信号を表すコード化された入力信号をエンジン1010に供給するであろう。この場合において、エンジン1010は、入力のコード化された信号を出力のデコードされた信号に変換するために、復号化エンジンとして振る舞うであろう。ホストインタフェースは、エンジン1010から出力のデコードされた信号を受信し、そして、例えば、娯楽モードで動作している時に、ホストシステムにより読みやすい2番目のデコードされた信号を小型OSのようなホストシステムに提供する。
【0136】
記憶装置1012に記憶された命令データを表す2番目のデコードされた信号に基づいて、小型OSは、いろいろな娯楽オプションを制御するであろう。例えば、もし2番目のデコードされた信号が、記憶装置1012に記憶された命令データはそのような映画の再生を禁止していると示しているならば、そのような映画を再生するというファンクションキーまたは遠隔制御装置による子供の命令にもかかわらず、小型OSはRに等級付けされた映画を再生しないであろう。内容が制御されていることに加えて、パレンタル制御システム1000は、予め決められた時間間隔の間の定義された時間限度まで、娯楽オプションに対するアクセス時間を制限するようにプログラムされた記憶装置1012を含んでいても良い。例えば、記憶装置1012は、娯楽アプリケーションを1日あたり2時間までに制限するようにプログラムされても良い。
【0137】
子供が、彼らの関連した記憶装置を、コンピュータシステムの適切なスロットに挿入するので、パレンタル制御IC1002は、記憶装置1012に記憶された時間限度データについて、命令を適切なOSに伝達する。そのように、適切なOSは、その内部のクロックとの比較により、そのような娯楽アプリケーションの活動(activity)の開始時間に注目し、そして、その時内部のカウントを始めても良い。これは、備え付けの水晶により時間が計られるPLLタイマの使用を含んでいるこの技術で知られたあらゆるいろいろな方法により、成し遂げられても良い。一度、内部のカウントが予定された限度に達すれば、適切なOSは、その特定の子供のための全ての娯楽アプリケーションをシャットダウンする。
【0138】
そのように、パレンタル制御1000は、子供がいろいろな娯楽アプリケーションへアクセスした時間の総計(異なる子供のために異なる時間間隔を含んでいる)を、親が制限することを許可する。更に、パレンタル制御1000は、時刻に基づいて娯楽オプションへのアクセスを制限するようにプログラムされた記憶装置1012を含んでいても良い。例えば、記憶装置1012は、例えば午後9時から午前7時までの間のようないくらかの時間の間は、娯楽アプリケーションへのアクセスを許可しないようにプログラムされても良い。更に、そのようなデータは、パレンタル制御IC1002によって、適切なOSに伝達される。コンピュータシステム自身の内部クロックとの比較により、もし特定の子供が禁止された時間の間に娯楽アプリケーションにアクセスし、適切な行動をとろうと試みているならば、適切なOSは検出することができる。
【0139】
内容、時間限度、または時刻による禁止に基づく、いくらかの娯楽アプリケーションへのアクセスの禁止に加えて、パレンタル制御IC1002を含むパレンタル制御システム1000は、特定の子供の娯楽アプリケーションの使用を追跡するために、利用され得る。例えば、どちらのビデオが再生されたか、またはどちらのオーディオファイルが再生されたかの記録は、1対として指定するために、外部の記憶装置1012、またはコンピュータシステムのハードディスクドライブのような指定された記憶エリアに自動的に記憶されても良い。もし、インターネットアクセスもまた利用可能であるならば、そのような技術は、どちらのウェブサイトがアクセスされたかを示す記録を生成するために利用され得る。
【0140】
本発明は、この中に与えられた代表的な実施例の見地から記述されたけれども、そのような開示は、単なる一例であり、限定して解釈されるべきでない。従って、発明の精神及び範囲からはずれることなく、いろいろな変更、修正、及び/または、発明の変形例が、おそらく上記の開示を読んだ後の当業者に示唆されるであろう。従って、発明の真の精神及び範囲に入るものとして、クレームが全ての変更、修正、または、変形としての変形例を含んでいると解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の一実施例の代表的な操作上の流れを表示するブロック図である。
【図2】本発明の一実施例における代表的な小型OSの電源投入とプレーヤ機能の開始のフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例による代表的なオーディオプレーヤシステムのブロック図である。
【図4】本発明の一実施例における専用回路と接続される他の構成要素に関する、代表的な専用回路の内部の部分のブロック図である。
【図5】本発明の別の実施例による代表的なオーディオプレーヤシステムの別のブロック図である。
【図6】オーディオのデコーディングと再生にだけソフトウェアを利用する、発明の別の実施例による代表的なオーディオプレーヤシステムの別のブロック図である。
【図7】コンピュータシステムにより圧縮オーディオモードにおいて実行されても良いいろいろな応用を説明するための、本発明による代表的なコンピュータシステムの別のブロック図である。
【図8】娯楽モードにおける代表的なコンピュータシステムの電源投入と関連した急速起動手順のフローチャートである。
【図9】図8のBIOS起動手順として利用されても良い代表的な加速されたBIOS起動手順のフローチャートである。
【図10】本発明の別の実施例によるパレンタル制御システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0142】
2:PCハードディスクドライブ(HDD)
4:RAM
6:CPU
8:コーデック
10:増幅器
26:CPU
28:ノースブリッジ
30:システムRAM(システムメモリ)
31:システム
32:サウスブリッジ
34:小型LCDディスプレイ
36:HDD(ハードディスクドライブ)
38:CD−ROM(CD/DVD ROMドライブ)
40:専用回路(IC)
42:コーデック(AC97規格コーデック)
44:増幅器
46:スピーカ
48:ファンクションスイッチ(ファンクションキー)
50:AC97規格制御装置
52:LPC制御装置
54:オーディオプレーヤ電源スイッチ
56:システムクロック
60:スイッチ
62:LPCインタフェース
64:ステートマシーン
66:レジスタブロック
68:ファンクションキーインタフェース
72:LCDインタフェース
74:バス
80:小型OS
82:携帯用メモリ媒体(メモリデバイス)
600:コンピュータシステム
606:キーボード
604:キーボード制御装置
700:コンピュータシステム
712:デジタル装置
714:遠隔制御トランシーバ
716:マイクロフォン
722:遠隔制御装置
730:バッファ
1000:パレンタル制御システム
1002:パレンタル制御集積回路(IC)
1004:記憶装置インタフェース
1006:ホストインタフェース
1008:ユーザ入力インタフェース
1010:エンジン(暗号化/復号化エンジン)
1012:(外部の)記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にオーディオやビデオの記録物を再生するための携帯用装置(例えばノートブックコンピュータ)に関連し、そしてより詳細には、いろいろな種類の情報源からいろいろな種類の圧縮形式により圧縮されたオーディオの録音物とビデオの録画物のデコードと再生のための低電力のハードウェア、及び/またはソフトウェアに関するものである。急速起動シーケンスとパレンタル(parental)制御回路もまた提供されている。
【背景技術】
【0002】
この出願は、一部分が2002年10月17日に提出された米国の正式な出願番号10/272,740の継続の出願であり、出願番号10/272,740は、一部分が2002年7月30日に提出された米国の正式な出願番号10/208,728の継続であり、出願番号10/208,728は、一部分が2001年10月2日に提出された米国の正式な出願番号09/969,060の継続であり、出願番号09/969,060は、一部分が2001年8月2日に提出された米国の正式な出願番号09/921,171の継続であり、それらに開示された全てが引用することによりこの中に組み入れられていると共に、2000年12月1日に提出された米国の正式な出願番号60/250,899と、2001年1月30日に提出された米国の正式な出願番号60/265,466の利益を主張し、それらに開示された全てが引用することによりこの中に組み入れられている。
【0003】
現在、例えば、MPEG (Moving Picture Experts Group) Audio Layer-3(MP3)と、Windows(登録商標) Media Audio (WMA)と、そしてAdvanced Audio Coding (AAC)のような、1または2以上の圧縮オーディオデジタル録音形式に従って圧縮されたデジタルオーディオの録音物を再生するためのいろいろな携帯用装置が存在する。現在まで、最も一般的な形式は、デジタル音楽ファイルのサイズがおよそ10対1の圧縮となる圧縮方式であるMP3であった。
【0004】
これらの装置は、圧縮されたデジタルオーディオの録音物を電子式ソリッドステートメモリ(電子式固体メモリ)に記憶するものと、圧縮されたデジタルオーディオを、コンパクトディスク(“CD”)プレーヤのような電気的機械仕掛けの装置を利用して、またはデジタルコンピュータのハードディスクドライブ上に、その後の複製品として録音するものとの2つの種類に分けられる。
【0005】
例えば、フラッシュメモリのような電子式ソリッドステートメモリを利用する、MP3で圧縮されたデジタルオーディオの録音物を再生するための携帯用装置は、およそ10曲の音楽選択物を記憶する能力がある。増設したメモリカードを利用すると、そのような装置は、総計でおよそ20曲の音楽選択物を運ぶことができる。電子式ソリッドステートメモリにMP3で圧縮されたデジタルオーディオの録音物を記憶するこれらのMP3プレーヤは、電力を比較的にほとんど消費しない。従って、そのようなMP3プレーヤは、コンピュータのCD−ROMやハードディスクドライブに電力を供給しなくても、長期にわたる再生時間を提供する。
【0006】
携帯用コンピュータのための低電力CD−ROMプレーヤ(Low Power CD-ROM Player for Portable Computers)という発明の名称で、ここに引用されて組み入れられている2001年5月1日に発行された米国特許第6,226,237番(“’237”特許)は、従来の音楽CDを単純に再生する場合、従来のノートブックコンピュータが、不必要にどれだけ多くの電気エネルギーの総計を消費するかを記述している。コンピュータが起動される時はいつでもオペレーティングシステム(例えばWindows(登録商標)のような)が実行されるので、それは、大部分が音楽の再生とは関連のないたくさんのバックグラウンド機能による。
【0007】
利用者がその時実行している機能には関連しない機能に対する極端な電気エネルギーの消費、すなわち音楽を再生することは、マイクロプロセッサの性能において、別の時間に、ワープロを使っての文書作成や表計算分析のような集中的なタスクに慎重に適用することができるであろう電力を蓄える、ノートブックコンピュータのバッテリを速く消耗させる。「’237特許」で提供された解決方法は、携帯用装置への主電源がオフの時に動くステートマシーンである。「’237特許」の発明は、(主電源がオフの時)CD−ROMをオーディオのサブシステムに連結するので、極端なバッテリの消耗なしに、あるいは携帯用コンピュータを起動させることなく、CDは再生され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以前の技術は、専用の機能を備えた集積回路(IC)である、あるいは特定用途向け集積回路またはASICに組み入れられているシリコンによる解決方法もまた含んでいる。これらは通常、結果として大きくかつ高価な集積回路となる専用のチップを必須とするデジタルシグナルプロセッサ(DSP)のように、高価な解決方法である。結果の中の1つは莫大なPCB(プリント基板)スペースの使用である。更に、この技術において知られている15から20MIPS(Million Instructions Per Second)のデコードエンジンは、コーデックに対してオーディオストリームを生成するために、継続して実行されなければならない。その上、専用のデコードエンジンは、高電力消費のハードディスクドライブ(HDD)が継続的に動くことを必要とする。
【0009】
これらのアプローチは、 それによって、マイクロソフト社のWMA、または音楽業界で提案されたセキュアオーディオのためのSDMI(Secure Digital Music Initiative)のような最近出現している音楽圧縮アルゴリズムにシステムを適合させるという機会を除外し、MP3圧縮だけで機能を果たすことに限定される。この技術で知られている専用のシリコンによる解決方法は、常にハードディスクドライブからの圧縮されたオーディオファイルをデコードしなければならず、それ故に常にオーディオファイルを読んでいなければならないDSPを使用する。そのような知られている方法は、(例えば、大洋横断のフライトにおいて希望される使用で起こり得る4時間から10時間よりずっと速い)バッテリの速い放電を引き起こすような、多くのパワーを必要とする。
【0010】
このように、ICによる実施と、ノンストップでアクセスされるハードディスクドライブとを必要とする周知のハードウェアによるMP3のデコーダとプレーヤは、高電力消費で、アップグレードしづらく、そして高価である。
【0011】
本発明は、低電力消費で、いろいろな音楽圧縮フォーマットの分野にアップグレード可能であり、現在入手できるハードウェアによる実施のコストのわずか半分のコストで済むと思われると共に、その時間の0.5%未満の間HDDまたはCD−ROMにアクセスさせるだけで、100曲に及ぶ音楽の選択物を再生することを可能にさせるであろう解決方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるコンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUを含んでいる。1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目の娯楽モードにおいて実行される。娯楽モードで動作しているPC(コンピュータ)は、DVD再生アプリケーション、テレビアプリケーション、デジタル装置アプリケーション、遠隔制御アプリケーション、音声録音アプリケーション、オーディオ再生アプリケーションのような、いろいろな娯楽ソフトウェアアプリケーションを操作しても良い。
【0013】
本発明による別の実施例では、PCの急速起動の方法が提供されている。その方法は、状態の検出と、BIOS起動手順の実行と、状態に関連したイメージファイルの読み込みと、状態に関連したイメージファイルの実行というステップを含んでいる。
【0014】
更に別の実施例では、PCを娯楽モードで実行するように構成された小型OSを急速起動する方法が提供されている。その方法は、それによって娯楽モードにおけるPCの操作を可能にする小型OSを読み込むために、娯楽モードが希望されていることの決定と、状態の検出と、BIOS起動手順の実行と、状態に関連したイメージファイルの読み込みと、状態に関連したイメージファイルの実行というステップを含んでいる。
【0015】
その上、更に進んだ実施例では、本発明による加速されたBIOS起動は、省略するべきタスクの特定、タスクの省略、延期可能なタスクの特定、延期可能なタスクのより遅い時間への延期を含んでいる。
【0016】
その上、更に進んだ実施例では、ホストコンピュータシステムと通信するように構成されたホストインタフェースと、関連した外部の記憶装置と通信するように構成された記憶装置インタフェースと、そして関連した外部の記憶装置とホストコンピュータシステムとの間の安全な通信を提供するように構成されたエンジンとを備えたパレンタル制御回路が提供されている。
【0017】
その上、更に進んだ実施例では、データへのアクセスにおけるパレンタル制御を可能にするコンピュータシステムが提供されている。そのコンピュータシステムは、システムCPUと、オペレーティングシステムと、そしてスロット(差し入れ口)とを備えたコンピュータホストサブシステムを含んでいる。そのコンピュータシステムは、記憶装置と、パレンタル制御回路とを備えたパレンタル制御システムもまた含んでいる。その記憶装置は命令データを含んでおり、そして、その記憶装置はコンピュータホストサブシステムのスロットに適合するように構成されている。
【0018】
パレンタル制御回路は、記憶装置の命令データを表す1番目のコード化された信号を受信し、命令データを表す2番目のデコードされた信号をオペレーティングシステムに供給するように構成されており、オペレーティングシステムは、2番目のデコードされた信号を基礎とするコンピュータホストサブシステムのアプリケーションに対するアクセスを制御するために、2番目のデコードされた信号に応答する。
【0019】
その上、更に進んだ実施例では、本発明によるコンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUを具備しており、1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目の娯楽モードにおいて実行される。コンピュータシステムは、外部の記憶装置と2番目のオペレーティングシステムとの間の安全な通信を提供するように構成されたパレンタル制御回路もまた含んでおり、外部の記憶装置は、娯楽モードにおけるコンピュータシステムの操作の範囲に注目する関連した利用者に対する命令データを含んでいる。
【0020】
本発明の別の実施例では、コンピュータシステム上のデータアクセス方法が提供されている。その方法は、少なくともドライブとCPUとメモリとを備えたコンピュータシステムのドライブから、圧縮されたデータを選択する処理と、圧縮されたデータを読み込む処理と、圧縮されたデータを復元するためにCPUに圧縮されたデータを提供する処理と、それによって復元されたデータを提供する処理と、メモリに復元されたデータを記憶する処理とを含んでいる。
【0021】
その上、発明の更に進んだ実施例では、データへのアクセスに適応したコンピュータシステムが提供されている。そのコンピュータシステムは、1または2以上のファイルに記録されている圧縮されたデータと、少なくともファイルの1つを利用者が選択できるように構成された少なくとも1つの選択キーと、システムCPUと、制御装置と、ファイル管理ソフトウェアを含むオペレーティングシステムとを含んでいる。ファイル管理ソフトウェアは、ファイルを管理し、少なくとも1つの選択キーにより、利用者がファイルにアクセスすることを可能にするように構成されている。オペレーティングシステムは、制御装置とCPUを制御して、利用者により選択された少なくとも1つのファイルをCPUに復元させるようにもまた構成されている。
【0022】
その上、発明の更に進んだ実施例では、圧縮されたデータへのアクセスに適応したコンピュータシステムが提供されている。そのコンピュータシステムは、システムCPUと、メモリと、圧縮されたデータを記憶する少なくとも1つのドライブと、少なくともシステムCPUとメモリとを制御するように構成された1番目のオペレーティングシステムと、システムCPUに圧縮されたデータを復元されたデータへ復元させ、復元されたデータをメモリへ記憶させるように構成された2番目のオペレーティングシステムとを含んでいる。
【0023】
別の実施例では、本発明によるオーディオの圧縮モードにおいてオーディオファイルの再生に適応したコンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUと、コンピュータシステムが2番目のオーディオの圧縮モードにある間、少なくとも利用者がディレクトリモードに入れるように構成された少なくとも1つの選択キーとを含んでおり、1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目の娯楽モードにおいて実行され、ディレクトリモードは、利用者にオーディオファイルのディレクトリへのアクセスを提供する。
【0024】
本発明によるオーディオの圧縮モードにおいてオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUを含んでおり、1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目のオーディオの圧縮モードにおいて実行され、オーディオの圧縮モードにおいて動作しているコンピュータシステムは、媒体選択アプリケーションと、音声録音アプリケーションと、デジタル装置アプリケーションと、そして遠隔制御アプリケーションとから成るグループから選択されたソフトウェアアプリケーションを操作する。
【0025】
本発明によるオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、システムCPUと、メモリと、圧縮されたオーディオデータを含む少なくとも1つのドライブと、入力オーディオ装置と、少なくともシステムCPUとメモリの制御に適応した1番目のオペレーティングシステムと、2番目のオペレーティングシステムとを含んでおり、
2番目のオペレーティングシステムは、システムCPUに圧縮されたデータを復元させ、復元されたデータをメモリへ記憶させるように構成されると共に、音声録音アプリケーションの間、利用者がアナログ音声を入力オーディオ装置に入力することを可能にするようにもまた構成される。
【0026】
本発明によるオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、システムCPUと、メモリと、圧縮されたオーディオデータを含む少なくとも1つのドライブと、少なくともシステムCPUとメモリの制御に適応した1番目のオペレーティングシステムと、2番目のオペレーティングシステムとを含んでおり、2番目のオペレーティングシステムは、システムCPUに圧縮されたデータを復元させ、復元されたデータをメモリへ記憶させるように構成されると共に、利用者がデジタル装置からデジタルデータを入力することを可能にするようにもまた構成されている。
【0027】
本発明によるオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、システムCPUと、メモリと、トランシーバと、圧縮されたオーディオデータを含む少なくとも1つのドライブと、少なくともシステムCPUとメモリの制御に適応した1番目のオペレーティングシステムと、2番目のオペレーティングシステムとを含んでおり、2番目のオペレーティングシステムは、システムCPUに圧縮されたデータを復元させ、復元されたデータをメモリへ記憶させるように構成されると共に、利用者がコンピュータシステムをトランシーバに遠隔制御信号を供給する遠隔制御装置から制御することを可能にするようにもまた構成されている。
【0028】
最後に、本発明によるオーディオの圧縮モードにおいてオーディオファイルの再生に適応した別のコンピュータシステムは、トランシーバと、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答するシステムCPUとを含んでおり、1番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、1番目の操作モードにおいて実行され、2番目のオペレーティングシステムは、コンピュータシステムにより、2番目のオーディオの圧縮モードにおいて実行され、関連した遠隔制御装置から遠隔制御信号を受信した後に、制御信号がトランシーバにより供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
一実施例において、本発明によるコンピュータシステムは、小型OS(オペレーティングシステム)ソフトウェアと、サウスブリッジと利用者により希望された音楽選択物(あるいは他の記録されたオーディオ)を再生するためのコーデックとの間のハードウェアインタフェース(専用回路)とを含んでいる。別の実施例では、唯一の問題解決方法としてソフトウェアを使用するコンピュータシステムのように、ハードウェアが必要とされない。
【0030】
本発明の小型OSソフトウェアは、例えばWindows(登録商標)のようなフルシステムのオペレーティングシステムにより実行される全てのバックグラウンド機能を実行することなく、そして携帯用コンピュータのモニタ回路構成とモニタ画面にアクセスすることなく、それらの機能だけを実行すると共に、必要とされる携帯用コンピュータのそれらの要素に、それらが必要とされる時に選択された音楽を再生することを可能にさせる。その上、本発明の小型OSは、圧縮されたファイルがRAMに転送されている時、HDDにのみアクセスする。従って、本発明の小型OSソフトウェアの部分は、オーディオを再生する時、ファイル管理と電力の節約の機能の両方を実行するように考えられるだろう。
【0031】
図1は、本発明の一実施例の代表的なソフトウェア圧縮オーディオプレーヤの操作上の流れを表示するブロック図である。図1で例示する操作上の構想は次の通りである。
1番目:携帯用コンピュータの例えばWindows(登録商標)のようなフルシステムのオペレーティングシステム上で実行される閲覧ソフトは、最初は、利用者が携帯用コンピュータをオーディオプレーヤとして利用することを希望し、利用者がより遅い時間に聞くことを希望する歌を含む再生リストが生成される前の適当な時に、圧縮された音楽ファイル(例えば1000曲)を、PCハードディスクドライブ(HDD)(2)(例えば4ギガバイトのHDDスペースを使用する)にダウンロードするために使用される。
【0032】
2番目:利用者が携帯用コンピュータをオーディオプレーヤとして利用することを希望する時、一度希望する音楽ファイルがHDD上に存在すると、利用者は携帯用コンピュータを十分に起動するために、オーディオプレーヤのONスイッチを操作し、コンピュータ全体が起動すると、通常のマイクロソフト社のWindows(登録商標)OS(フルシステムのオペレーティングシステムは開示されていない)の代わりに、電力の節約を初期化するサブルーチンと共に本発明のミニOSが読み込まれ、そして、携帯用コンピュータのそれらの部分を必要物として初期化し、ファイル管理サブルーチンは、利用者の指揮の下に聴取するように希望された音楽に対してステップ1において生成された、多大な数の歌の歌再生リストまたはノートを初期化する。
【0033】
3番目:小型OSソフトウェアは、その時HDD(2)からRAM(4)へコピーされると共に、更に歌再生リストにおける最初の圧縮されたファイルのセットは、HDD(2)からシステムRAM(4)へコピーされ、なおかつ本発明の小型OSソフトウェアを使用する。例えば、現在のPCでは128メガバイトが代表的なシステムRAMサイズであり、本発明の小型OSソフトウェアは、およそRAMの8メガバイトを占め、およそ120メガバイトを圧縮された音楽のメモリ(すなわち、キャッシュまたはバッファ、システムメモリとしての使用、専用メモリ、または他のメモリ)として残す。その120メガバイトは、MP3ファイルの代表的な10対1の圧縮率で、2時間の連続的な圧縮された音楽を表現する。同様に、MP3の記憶装置にフラッシュメディア(媒体)が使用される場合には、全てまたは殆どのフラッシュメディアカードの中身がシステムRAM(4)にコピーされ、従ってフラッシュメディアリーダのアクセスを極小化することと、MP3ファイルに関するより敏感な制御を考慮に入れることを可能にする。
【0034】
4番目:本発明のファイル管理ソフトウェアは、RAM(4)に記憶された本発明のファイル管理ソフトウェアを使用してデコードアルゴリズムがそれぞれのファイルを復元するCPU(6)に、最初の音楽ファイルの部分を連続的に伝達する。一度デコードされると、PCMオーディオデータが「CPUがPCMオーディオデータをサウスブリッジ(図3の符号32を参照)のFIFOバッファに引渡す。」、「サウスブリッジトランスファのDMAがデータをサウスブリッジの内部でFIFOバッファに転送する。」、「専用回路がLPCインタフェースからデータをFIFOバッファに転送する。」という3つの方法の1つにより転送される。FIFOバッファは、その時に、デコードされた信号がデジタルからアナログに変換される本発明の専用回路を通して、デコードされた音楽の各編をコーデック(8)(同様に図3の符号42を参照)に連続的に与える。次に、コーデック(8)の出力信号は、スピーカ及び/またはヘッドセット(図3の符号46参照)を駆動するために、増幅される(10)(同様に図3の符号44参照)。
【0035】
5番目:再生リストにおける最初のセットの最後の歌をメモリから再生している間、RAM(4、30)に記憶された本発明のファイル管理ソフトウェアは、RAMのメモリから、第1のステップで明らかにされると共に、初期に書かれた歌再生リストにより決定される圧縮された音楽ファイルの次のセットを検索するために、制御を第4のステップへ戻す。従って、第4、第5のステップは、セット中の最後の音楽選択物を再生するまで、圧縮された音楽ファイルの各セットに対して繰り返される。その時点で、時間制御は、同様に第4、第5のステップを通して再生される別のセットを再生リストから読み込むために第3のステップへ戻る。第2のステップの全部の再生リストから最後の歌が再生される時、または利用者が音楽再生機能を止めた時、プレーヤの操作が終了する。
【0036】
本発明の小型OSの電力の節約ソフトウェアは、CPU、周辺のチップ、HDD、そして他の制御可能なシステム要素を可能な限り最高の時間率でアイドル状態にすることを保証する。本発明により提案される解決方法の興味ある特性は、CPUのより高いMIPS(Million Instructions Per Second)能力と、CPUがデコード機能の実行に費やすであろうより小さい時間の割合いである。これは、圧縮された音楽演奏を再生している時に、CPUのより高い性能が、例えばよりいっそうバッテリ電力を節約し、バッテリが携帯用コンピュータに電力を供給するための十分な電荷を維持する時間の長さをより延長するような、いっそう低電力の使用法を証明するであろうことを意味する。
【0037】
小型OSは、利用者の操作に対し、本発明の専用回路を通して(図3の符号40参照)、オーディオ制御ボタン(例えば、聴取中の再生、早送り、巻き戻し、一時停止、走査、前のトラック、次のトラック、最初のトラック、最後のトラック、早送り/巻き戻し、オーディオソース/媒体の選択(例えばHDDか、またはCDか)等)(図3の符号48参照)を監視し、本発明の小型OSのファイル管理ソフトウェアに利用者の要請を伝達する。任意には、小型OSのディスプレイ管理サブルーチンの制御下において、視覚による状態表示器(例えば、歌の番号、歌の題名、トラックの番号、再生時間、及びアイコン)を提供するために、小型のLCD(液晶表示)ディスプレイ(図3の符号34参照)が専用回路に接続されても良い。
【0038】
本発明の小型OSの電力の節約ソフトウェアは、メモリと中心ロジックのチップセットとを含み、十分にオンされ機能状態にあるシステムのリセットを維持している間は、第1にCPUと、CD、HDDのようなMP3記憶装置と、SD(Secure Digital)カード、MMC(Multimedia Card)、メモリスティック(登録商標)、そしてSMC(スマートメディア(登録商標)カード)のようなフラッシュメディアの使用法を管理する。第2に、電力の節約は、それらをアイドル状態に置くことにより、いっそうその上電力使用を最小にするために、他のPCのサブシステムに適用される。
【0039】
例えば、500MHzのペンティアム(登録商標)IIIのCPUは、およそ225MIPSの処理能力があり、デコードアルゴリズムは、およそ15MIPSを必要とするので、CPUは時間にして10%よりも少ない時間動作しているであろう。時間にしてその他の90から95%は、CPUは数ミリアンペアだけの電流を必要とするスタンバイモードとなるであろう。あるいは、CPUは、例えばAMD社のアスロンCPUのような現在の殆どのCPUにおいてオプションとして提供されている、より遅いクロックスピードで実行させることができる。同様に、HDDは、RAMを満たす、または補充する間の時間にアクセスされる。
【0040】
従って、平均的な歌は再生におよそ4分かかり、RAMは120メガバイトで30曲の歌を保持するので、そしてHDDは、回転上昇のために1から5秒、歌再生リストをRAMに読み込むために数秒を必要とするので、120分の再生時間のために、HDDに対する総計のアクセスタイムは、比率にして1対240で、フルパワーの処理時間の0.5%より少ない30秒となるかもしれない。これらの要因は、携帯用コンピュータのフルオペレーティングシステムの代わりに本発明の小型OSを使用することによりもたらされた電力の節約を増す。携帯用コンピュータが音楽再生モードの時、本発明の全部の電力消費の結果はとても低く、そしてこのことは、バッテリが、直接的に以前の技術による耐久時間よりももっと長時間、有効な充電レベルを維持することになる。
【0041】
当業者が認識するように、本発明の圧縮された音楽データは、ハードディスク、他の磁気(例えばテープ)媒体、光学(例えばCD−ROM)媒体、フラッシュメディア(例えば、SDカード、MMC、メモリスティック(登録商標)、SMC)、または、その他のあらゆる記憶媒体に記録されていても良い。
【0042】
図3は、本発明の一実施例による代表的なシステム31の一般化された全体のブロック図である。システム31のブロックの大部分は、この技術で知られている要素であり、コンピュータのスピーカを通して音を出力するために、一般には全てのPCコンピュータに含まれている。ここに示されているのはシステムクロック56であり、図3の簡単化のために、クロック信号を必要とするいろいろな要素に接続するようには示されていない。更に、CPU26は、ノースブリッジ28と接続するように示されている。
【0043】
一方、ノースブリッジ28はシステムRAM30とサウスブリッジ32に接続している。そして、サウスブリッジ32はHDD36とCD−ROM38に接続している。一般的に、サウスブリッジ32は、ACリンク(AC_link )を通して直接的にコーデック42にもまた接続されるが、しかしながら、代表的なシステム31に示すように、サウスブリッジ32とコーデック42との間に、非圧縮のアナログオーディオの再生機能に影響を与えることなく、システムRAM30からの本発明の小型OS80と共に、圧縮されたデジタルオーディオを再生することができるように、専用回路40(後述する図4の説明参照)が挿入される。
【0044】
当業者は、小型OSが代わりに専用のROM(専用回路40の内部か、あるいはその外のどちらかの)、ハードディスク、または他の媒体に記憶され得るであろうと認識するであろうが、この構成では、小型OS80はBIOSの中に記憶されている。このように、サウスブリッジ32からAC_LINK1が、必要な時に復元機能を実行する専用回路40に接続され、更にAC_LINK2によって、あらゆるオーディオ信号がコーデック42に供給される。コーデック42は、その時、専用回路40から受信した全ての信号に対しては普通の機能を実行し、スピーカ46またはヘッドフォン(図示せず)で再生されるオーディオ信号を増幅器44に印加する。
【0045】
システム31では、コンピュータのそれらの部分には、通常の(すなわち、その技術で知られている)オーディオ再生中と同じように、オーディオ機能が実行されているように思わせながら、従って、サウスブリッジ32とコーデック42の操作において最小限の影響を与えるかまたは影響を与えずに、AC_LINK1は、サウスブリッジ32に対する標準のACリンクのように見えると共に振る舞い、そしてAC_LINK2は、コーデック42に対する標準のACリンクのように見えると共に振る舞う。また、図3に示されているものは、その機能が図4を参照してこの中の下文に説明されたファンクションスイッチ48、小型LCDディスプレイ34、オーディオプレーヤ電源スイッチ54である。
【0046】
図4は、専用回路40の内部のブロック図の詳細と、コンピュータシステムの残りの部分の全ての詳細の表示を省略して、専用回路が接続されたコンピュータの他の関連する部分の詳細とを含んでいる。専用回路40は、本発明の実施例を携帯用コンピュータに組み入れるために必要なPCBスペースを最小化するために、ICとして製造されても良い。サウスブリッジ32は、AC97規格制御装置50とLPC(low pin count)制御装置52と共に、標準の双方向のACリンクであるAC_LINK1とサウスブリッジ32と専用回路40との間のLPCバスとを備えた専用回路40の左側に示され、一方向のIRQ(Interrupt Request)が専用回路40からサウスブリッジ32へ接続している。
【0047】
右側では、専用回路40が、AC_LINK2によって、圧縮されていないオーディオをAC97規格のコーデック42に供給している。また、右側にはファンクションキー48、そして下にはLCD34がそれぞれ示され、専用回路40に接続されている。その上、図4は、いろいろな要素に接続されたシステムクロック56を、そして下方の左側にはオーディオプレーヤの電源スイッチ54を含んでいる。電源スイッチ54は、本発明によるシステムにおける使用において、利用者が電源スイッチ54によってプレーヤモードを開始する時、小型OS(フルシステムOSの代わりに)だけが開始されるように提供されている。
【0048】
専用回路40における内部回路は、AC_LINK1とAC_LINK2とを接続するスイッチ60と、レジスタブロック66の内部レジスタの設定に応じて、PCがフルシステムのOSで標準的に作動する時に、AC_LINK1とAC_LINK2とを接続するようにスイッチ60を閉じ、本発明によるシステムが使用される時にスイッチ60を開く機能である。LPCパスはLPCインタフェースに接続されている。スイッチ60とAC_LINK2は、ステートマシーン64に接続されており、一方、ステートマシーン64のもう一方のポートは、バス74によって、LPCインタフェース62の出力と、レジスタブロック66はもちろん、ファンクションキーインタフェース68と、LCDインタフェース72とに接続されている。
【0049】
レジスタブロック66のもう1つのポートは、ステートマシーン64の3番目のポートにもまた接続されている。ファンクションキー48は、ファンクションキーインタフェース68に接続されており、そしてLCD34は、LCDインタフェース72に接続されている。また、ファンクションキーインタフェース68は、利用者によりファンクションキー48の中の1つが選択された時、レジスタブロック66に信号を供給する。この中の上文で論じられた2番目のステップにおいて利用者により操作されるオーディオプレーヤ電源スイッチ54は、ここまでで記述されたように操作するために、PCを作動させるのに使用されても良い。その接続は、本発明の実施例が実施されるコンピュータの製造会社により規制されるいろいろな要因により変更されるので、スイッチ54は、携帯用コンピュータの直流電圧源に接続され、あらゆる特定のブロックには接続されないことが図4において示されている。より具体的には、専用回路40の内部のブロックは、以下のように動く。
【0050】
「LPCインタフェース」
専用回路40は、サウスブリッジ32のLPC制御装置52と接続するために、LPC(Low Pin Count)インタフェース62を含んでいる。LPCインタフェース62は、
(1)レジスタブロック66内のファンクションキー入力レジスタを読む。
(2)AC97規格のコーデック42を制御するためのレジスタブロック66内の制御レジスタを設定する。
(3)システムメモリ(RAM30)から、オーディオPCM(Pulse Code Modulation)データを取得する。
そして、
(4)クロックの減速制御を実行する。
ために、CPU26により使用される。
レジスタブロック66のモードレジスタの設定は、スイッチ60を閉じた通常のコンピュータ操作モード(例えばマイクロソフト社のWindows(登録商標)OSの実行中)と、圧縮されたオーディオファイルを再生するためにスイッチ60を開いた本発明によるシステムのモード(小型OSの実行中)との間で専用回路40を切り替えるためにスイッチ60の状態を制御する。
【0051】
「サウスブリッジにおけるAC97規格制御装置50のインタフェース(ホストからのAC_LINK1)」
通常のコンピュータ操作モードの間、まるで専用回路40が示されていなかった時のようにオーディオ出力信号を生成するために、サウスブリッジにおけるAC97規格制御装置50のインタフェースが、直接的に閉じられたスイッチ60を通してAC97規格のコーデック42へ接続されるように、スイッチ60は閉じられている。圧縮されたオーディオファイルを再生するために、小型OSが動作している時、スイッチ60は開かれており、そしてステートマシーン64がAC97規格のコーデック42を制御する。
【0052】
「AC97規格コーデックインタフェース(AC97規格コーデック42へのAC_LINK2)」
コンピュータが小型OSの制御下で動作している時、スイッチ60は、開いている。ステートマシーン64は、AC97規格のコーデック42に対する制御信号を生成するために、ホスト(CPU26)によりセットされるレジスタブロック66の設定に応答してその時AC_LINK2を制御する。(例えば、サンプリング周波数を変更すること、ボリュームを制御すること、コーデック42へPCMデータを送信すること、コーデック42を電力の節約モードに設定すること、または電力の節約モードからコーデック42を目覚めさせること)
【0053】
「ファンクションキー入力インタフェース68」
ファンクションキーインタフェース68は、ファンクションキー48からのユーザー選択を受信し、そして、CPU26により読まれるように、その選択を内部のレジスタに記憶する。
【0054】
「LCDインタフェース72」
LCDインタフェース72は、LCD34が状態情報を利用者に提供するために使用される場合にだけ必要となる。使用される時、その目的は、本発明によるシステムが使用されている時に、低コストのLCD34上でプレーヤーの状態を示すことである。選択再生におけるのオーディオトラック番号の状態、状態アイコン(例えば、再生)、及び他の一般的な状態アイコンは、システムにプログラムされ、そして、あらゆる他の目的のために表示されても良い。
【0055】
「操作モード」
(A)通常の操作モード:
PCが十分に電力を供給されていて、そしてフルシステムのOSの制御下で動作している時、専用回路40のいろいろな機能は回避され、そして、上記で論じられたように、スイッチ60は閉じられる。通常のモードにおいて、コンピュータシステムは、 ACリンクを経てAC97規格のコーデック42を直接制御するために、サウスブリッジのAC97規格制御装置50を使用する。(通常のモードにおいては、スイッチ60が閉じられるので、AC_LINK1とAC_LINK2は同一である。)専用回路は、 ACリンクの信号を遮断及び変更しない。
【0056】
(B)圧縮されたオーディオの演奏モード :
スイッチ54が閉じられた時、そのシステムは小型OSの制御下で動作し、専用回路40は、圧縮されたオーディオの演奏モードにおいて権限を与えられて動作する。サウスブリッジのAC97規格制御装置50は、スイッチ60が開いているので、このモードにおいては、AC97規格のコーデック42から分離される。圧縮されたオーディオの演奏モードにおいて、ホスト(CPU26)は、AC97規格のコーデック42へのデータ流れを制御し、そしていろいろな電力管理機能を実行するために、レジスタブロック66の内部レジスタをセットする。
【0057】
「圧縮されたオーディオの演奏モードにおける電力の節約の制御方法」
専用回路40の柔軟な制御方法は、演奏モードにおけるシステム制御サイクル及び電力消費を最小限にするために提供される。システムメモリ(RAM30)は、CPU26がスタンバイレベルとは異なる高速の外部バスにアクセスする必要がある時間を最小限にする専用回路40に、CPU26の代わりに大部分の制御コマンドを渡すために使用される。これは、このモードにおける携帯用コンピュータのバッテリの電力負担を、かなり減少させる。CPU26は、レジスタブロック66内のシステム制御メモリレジスタもまた設定する。ステートマシーン64は、LPCインタフェース62を経て自動的に制御命令とPCMデータを得るために、それらのレジスタ設定に操作の基礎を置く。
【0058】
システムメモリ(RAM30)内の制御命令は内部レジスタに呼び出され、そしてステートマシーン64は、PCMまたはオーディオデータの準備が整っているかどうかを決定するために、制御命令をデコードする。もし、オーディオデータの準備ができているならば、 ステートマシーン64は、オーディオデータを呼び出すことと、それをAC97規格のコーデック42へ送信することを継続する。システムメモリ(RAM30)内の制御命令は、PCMデータのサンプリング周波数を表示するためにもまた使用することができる。従って、PCMデータが送られる前に、ステートマシーン64は、AC97規格のコーデック42を適切な周波数に設定することができる。
【0059】
当業者は、例えば ボリュームコントロールまたはオーディオ制御ボタンがそれに統合されても良い等、ヘッドホンまたはヘッドセットシステムが、この中の上文で説明されたものより更なる機能性を含んでも良いということを認識するであろう。
【0060】
本発明による専用回路が、システムの残りの操作に関係なく音楽を演奏することが可能な、フルタイムで圧縮された(及び/または圧縮されない)オーディオの再生システムに統合されても良いということもまた認識されるべきである。この構成においては、Windows(登録商標)制御下のファンクションボタンからの割り込みを扱うためのソフトウェアドライバはもちろん、専用回路と小型OSとが供給される。この構成においては、システムの残りが十分なオンモード(S0)または休止(スリープ)(RAMを一時停止する、またはS3)モードのいずれかの状態の時に、システムは、例えば、再生リストに記憶された圧縮されたオーディオファイルの再生に適しているであろう、Windows(登録商標)の制御下で動作しているMusic MatchまたはWindows(登録商標)Media Playerのような、カスタムまたは標準のオーディオプレーヤの実行を開始するように構成されても良い。
【0061】
この考え方では、専用回路を制御する代わりに、ファンクションボタンは、例えばMusic Matchのようなオーディオプレーヤソフトウェアのいろいろな特徴を制御するために付随のソフトウェアドライバを使うパススルータイプモード(passthrough-type mode)における使用に適しているかもしれない。Windows(登録商標)のような基本のオペレーティングシステムが十分にオフされている ( S5)か、あるいは冬眠(ハイバネート)(HDDを一時停止する、またはS4)モードのいずれかの状態の時に、専用回路の操作は、この中の上文で記述されたように再生リストから圧縮されたオーディオファイルを再生することを続行しても良く、ファンクションボタンが専用回路を制御する。
【0062】
上述の電力状態(すなわち、十分にオンする、RAMを休止する/一時停止する、十分にオフする、HDDを冬眠させる/一時停止する)は、次の通りに“Advanced Configuration and Power Interface”(“ACPI”)標準規約の使用にしばしば言及されることが有名である。代表的なオペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標))は、S0(十分にオンし、使用できる)からS5(電源オフ)までとされる6個のシステム電力状態をサポートする。
【0063】
それぞれの状態は、次に述べる事柄で特色付けられる。電力消費、すなわちコンピュータがどれだけの電力を使用するか、ソフトウェア再開、すなわちオペレーティングシステムがどのポイントから再開するか、ハードウェア待ち時間、すなわちコンピュータを作業状態に復帰するのにどのくらいかかるか、そして、システムの前後関係、すなわちどのくらいのシステムの前後関係が保持されるか、または作業状態へ復帰するために、オペレーティングシステムが再起動しなければならないかどうか。
【0064】
状態S0は作業状態である。状態S1、S2、S3、そしてS4は、その中で、電力消費の減少によりコンピュータが見えなくなる一方、オペレーティングシステムを再起動せずに作業状態に復帰するために、十分な前後関係を保持している休止状態である。状態S5は、シャットダウンまたはオフ状態である。シャットダウン状態(S5)、またはいずれかの休止状態(S1〜S4)から作業状態(S0)に変化する時システムは目覚め、そして作業状態からいずれかの休止状態、またはシャットダウン状態に変化する時システムは休止し、システムは、直接一方の休止状態へもう一方からは移行できず、いずれかの休止状態へ移行する前には、いつでも作業状態に移行しなければならない。
【0065】
例えば、システムは、状態S2からS4へ、また状態S4からS2へも変化できない。まず、そこからそれが次の休止状態に移行できる状態S0に戻らなければならない。なぜなら、中間の休止状態におけるシステムが、既にいくらかの操作の前後関係を失っているので、それが追加の状態変化を生成しても良くなる前に、その前後関係を修復するために、作業状態に復帰しなければならない。
【0066】
図3と共に、図2をここで参照すると、本発明の一実施例における小型OSの電源投入とプレーヤ機能の開始に対する代表的なシーケンス200が例示されている。上記に明言されたように、本発明を装備されたPCのオーディオプレーヤ機能の開始の前の適当な時に、利用者は、関心があるオーディオファイルをHDD36にダウンロードする(図2には図示せず)か、または、本発明の特色をなすオーディオプレーヤ機能で使用するためのCD−ROMドライブ38に据えられるCD−ROMを焼く。
【0067】
図示されたように、ステップ201において、システムを起動するために、利用者がオーディオプレーヤ電源スイッチ54か、コンピュータのメイン電源スイッチ(図3には図示せず)のいずれかを押すと、シーケンス200が始まる。ステップ202において、コンピュータを通常の操作モードで起動するか、圧縮されたオーディオの演奏モードで起動するかの決定がその時行われる。当業者は、この決定を、アプリケーションプログラム、またはそのような能力を提供するオペレーティングシステム(例えばWindows(登録商標)98)により代りに行われ得るであろうと認識するであろうが、この決定は、一般的には、コンピュータの電源スイッチ、または、オーディオプレーヤ電源スイッチ54がコンピュータを起動するために使用されたかどうかに基づいて、BIOSにおいて行われる。
【0068】
もし、コンピュータの電源スイッチがコンピュータを起動するために使用されたならば、その時、ステップ203において、システムは通常の操作モードを起動し、通常のオペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標)98)がシステムRAM30に読み込まれて実行される。もし、オーディオプレーヤ電源スイッチ54がコンピュータを起動するために使用されたならば、ステップ204において、小型OSがシステムRAM30に読み込まれる。ステップ205では、小型OSは、1個またはそれより多いノースブリッジ28と、サウスブリッジ32と、専用回路40と、ハードドライブ36と、CD−ROMドライブ38と、コーデック42と、そしてCPU26とを含むシステムのコンポーネント(要素)を初期化する。
【0069】
システムの初期化時には、オーディオの復元リクエストが宙に浮いていないので(すなわち、メモリバッファが満杯でない)、ステップ208では、どちらかの決定が行われ、ステップ207では、ファンクションキー48の中の1つが押されるまで、システムはファンクションキー48の中の1つからの入力信号を待ち、ステップ206において、この時点で適切な機能が実行され、適切にLCDディスプレイが更新される。もし、その命令が、オーディオを再生するための利用者からのリクエストを含むならば、この時、オーディオの復元リクエストは宙に浮いており、ステップ208では、どちらかの決定が行われる。
【0070】
オーディオを再生するための最初のリクエストに関しては、圧縮されたオーディオファイルがシステムメモリ30にないので、ステップ209では、どちらかの決定が行われ、ステップ210において、圧縮されたオーディオファイルがHDD36、及び/またはCD−ROMドライブ38、及び/または携帯用メモリ媒体82から読まれ、システムメモリ30に読み込まれる。ステップ210において圧縮されたオーディオファイルがシステムメモリに読み込まれた後で、またはもし既にオーディオファイルがシステムメモリに存在すれば、ステップ209では、どちらかの決定が行われ、ステップ211において、オーディオファイルはその時システムCPU26を使用して復元される。
【0071】
ステップ212では、コーデック42へのDMA転送が復元されたオーディオデータのために初期化され、それからコーデック42からの出力信号が、スピーカ及び/またはヘッドホン46を駆動するために増幅器44により増幅される(図2には図示せず)。ステップ212においてDMA転送が初期化された後で、オーディオの復元リクエストが宙に浮いているかどうかを決定するために、制御ループはステップ208へ戻る。
【0072】
「再生リストソフトウェア操作」
図5は、本発明の別の実施例による代表的なシステム31の別の一般化された全体のブロック図である。この代表的な実施例において、システム31は、再生リストデータ、及び/または圧縮されたファイルデータを保持するために使用可能な携帯用メモリ媒体82を含んでいる。携帯用メモリ媒体82は、スマートカード媒体、メモリスティック(登録商標)媒体、PCMCIAメモリ媒体、及び/またはこの技術で知られている他の携帯用媒体であり得る。
【0073】
システムがオンしており、媒体が携帯用メモリ媒体位置に存在していることが検出される場合(例えば、スマートカード、PCMCIA、CardBusカード、メモリスティック(登録商標)、またはその他の媒体が適切なスロットへの挿入により)、メモリリーダは、サウスブリッジ32に対する割り込みを発生する。この実施例の専用回路40は、割り込みもまた受信し、そして、メモリデバイス82の再生リストデータを読むために適切なアプリケーション(例えばWindows(登録商標)Media Player)を開始するようオペレーティングシステムに指示するための命令を生成する。
【0074】
この場合において、そのアプリケーションは、 メモリデバイス82、または再生リストファイルにおいて指定された他の記憶場所のどちらからでも、再生リストを読み、オーディオデータを検索するために支配権を握る。同様に、小型OSが使用可能であるとき、専用回路40は、メモリデバイス82が存在するかどうかをチェックし、そして再生リストデータ用の装置を走査するために応用される。そのシステムはそれから上述のように動作する。
【0075】
この中に記述された再生リストファイルは、所望のMP3の歌の順序を持つ利用者により組み立てられる一般化されたデータファイルである。再生リストは、同じく、どこに所望のMP3データを置いているかをアプリケーションに教えるために、ディスクパス情報もまた含んでいる。あるオペレーティングシステムは、利用者がその場でドライブの文字を変えることを可能にする。従って、 再生リストソフトウェアは、オペレーティングシステムにより固有のドライブに与えられたボリュームシリアルナンバ(VSN)を読む。シリアル番号は変わらない(ドライブを再フォーマットすることにより故意に変えられない限りは)ので、従って、ユーザーが固有のドライブの文字を再び割り当てたとしても、再生リストソフトウェアは、かまわず再生リストデータを追跡することができる。この特徴は、同様にディスクドライブのような切り替え可能な装置においてもまた機能する。
【0076】
上記に記述された実施例は、ハードウェアに基づいたOSの選択を利用する(すなわち、メイン電源ボタンを押すことがWindows(登録商標)を起動し、一方オーディオ制御ボタンを押すことが小型OSを起動する)けれども、他のOS選択方法も同様に熟考されると、当業者に認識されるべきである。そのような選択方法は、例えばバッチファイルの使用、または他のスクリプトの作成、または1番目のOSをシャットダウンし2番目のOSを起動するソフトウェアに基づいた方法を含んでいる。
【0077】
当業者は、本発明の小型OSが、完全に個別のオペレーティングシステムとして実施される代りに、おそらく更に大きいOS(例えば、Windows(登録商標)やLINUX等のGUIに基づいたOS)の一部、または、「オペレーティングシステム」以外の何か他の名前が付けられたソフトウェアコンポーネント(例えば「ドライバ」、「アルゴリズム」、「スクリプト」、「コード」、「プログラム」、「エグゼキュータブル(executable、実行可能)」、「ルーチン」、「サブルーチン」、「ユーティリティ」等。)として実施され得るであろうともまた認識するであろう。そのような実施例が、本発明の範囲内にあるように熟考される。
【0078】
「ソフトウェア操作」
図6へ方向転換すると、本発明による別の代表的なコンピュータシステム600の一般化されたブロック図が例示されている。コンピュータシステム600は、システム600が、圧縮されたオーディオモードにおけるシステム600の操作に、前もって記述された専用回路40(ハードウェア)を利用する代わりに、純粋なソフトウェアによる解決方法を使用する以外は、図3から図5の先に記述された実施例と類似している。そのように、ソフトウェアによる解決方法は、システム600が、前もって記述された発明の全ての実施例の圧縮されたオーディオの演奏モードにおけるPCの操作を含めて、機能性全てを備えることを可能にする。
【0079】
コンピュータシステム600は、図3と図5に関して先に詳細に説明された従来の要素を含んでおり、今後、それらの要素とその操作についてのあらゆる反復的な記述は、この中では明快にするために省略される。それらの先に記述された要素に加えて、コンピュータシステム600は、オーディオ制御ボタン48と、LCD34と、そしてキーボード606との接続に適応する従来のキーボード制御装置604を含んでいる。オーディオの圧縮されたモードにおけるコンピュータシステム600の操作は、プロセッサにより実行されることに適応したオーディオソフトウェアによって制御される。そのように、そのようなオーディオソフトウェアの操作は、プロセッサと機械で読める媒体とを必要とする。
【0080】
プロセッサ、例えばCPU26は、発明の実施例により必要とされるスピードと機能性とを提供することが可能であるプロセッサのあらゆるタイプであり得る。例えば、そのプロセッサは、インテル社により作られたプロセッサのPentium(登録商標)ファミリのプロセッサとすることができるであろう。機械で読める媒体は、プロセッサにより実行されることに適応した命令を記憶することが可能なあらゆるタイプの媒体であり得る。そのような媒体のいくらかの例は、それに限定されないものの、システムRAM30と、リードオンリメモリ(ROM)と、プログラマブルROMと、磁気ディスク (例えばフロッピー(登録商標)ディスクとHDD36)と、光ディスク(例えば、CD/DVD ROM38)と、そしてデジタル情報を記憶可能な他の装置とを含んでいる。
【0081】
この中で使用されている「プロセッサにより実行されることに適応した」というフレーズは、プロセッサにより実行される前に、インストーラによりコンパイルまたはインストールされなければならない命令はもちろん、圧縮された、及び/または暗号化されたフォーマットで記憶される命令を含むことを意味する。プロセッサと機械で読める媒体は、機械で読める媒体の組み合わせがいろいろな制御装置を通してプロセッサによりアクセス可能であるオーディオソフトウェアの組み合わせを記憶するコンピュータシステム600の一部であっても良い。
【0082】
オーディオソフトウェアは、前もって詳細に説明された小型OSとここからのPCシステムとを読み込んで操作するための機能性全てを提供する。更に、小型OSそのものは、更に大きいOSの一部として実施され得るであろうし、もしくは、「アルゴリズム」、「スクリプト」、「コード」、「プログラム」、「ルーチン」、または、「サブルーチン」とすることができるであろう。
【0083】
コンピュータシステム600の操作は、図2の代表的なシーケンス200を参照して、以下に詳細に説明される。先に詳細に説明したように、本発明を装備されたPCのオーディオプレーヤ機能の開始の前の適当な時に、利用者は、関心があるオーディオファイルをHDD36にダウンロードする(図2には図示せず)か、または、本発明の特色をなすオーディオプレーヤで使用するためのCD/DVD ROMドライブ38に据えられるCD−ROMを焼く。
【0084】
ステップ201において示すように、システムを起動するために利用者がオーディオプレーヤ電源スイッチ54かコンピュータのメイン電源スイッチのいずれかを押す時、シーケンス200が開始される。ステップ202では、コンピュータが通常の操作モードまたは圧縮されたオーディオの演奏モードのいずれで起動するかの決定がその時行われる。当業者は、この決定は、アプリケーションプログラム、またはそのような能力を提供するオペレーティングシステム(例えばWindows(登録商標)98)により代りに行われ得るであろうということを認識するであろうが、この決定は、一般的には、コンピュータの電源スイッチ、または、オーディオプレーヤ電源スイッチ54がコンピュータを起動するために使用されたかどうかに基づいて、BIOSにおいて行われる。
【0085】
もし、通常のPC操作モードが望まれるならば、システムはステップ203において通常の操作モードで起動し、そして通常のOS、例えばWindows(登録商標)98がシステムRAM30に読み込まれて実行される。ちょうど、専用回路40がそのような状況において回避されたように、本発明によるオーディオソフトウェアは、通常の操作モードにおいてPCを操作するために、リクエストにすぐ応答しない。
【0086】
もし、圧縮されたオーディオモードが望まれるならば、オーディオソフトウェアは、いろいろな特別の機能を与える技術の中の1つにより作動させられる。例えば、オーディオプレーヤ電源スイッチ54が利用されても良いし、またはソフトウェアに基づいた選択技術が利用されても良い。一度オーディオソフトウェアが作動させられれば、それは、ステップ204において、
システムRAM30に小型OSを読み込むようにシステムに命令する。好都合にも、圧縮されたオーディオモードにおいて起動するため小型OSを利用するPCの起動時間は、通常のPCモードにおいて起動するため伝統的なOSを利用するPCの起動時間より速い。このように、利用者は、 通常のPCモードにおけるPCの更に長い起動時間を待たずに、いろいろなオーディオファイルを迅速に聞くことができる。
【0087】
それから、ステップ205では、小型OSは、1個またはそれより多いノースブリッジ28と、サウスブリッジ32と、ハードドライブ36と、CD/DVD−ROMドライブ38と、コーデック42と、そしてCPU26とを含むシステム600の要素を初期化する。更に、CPU26は、コーデック42へのデータの流れをコントロールし、そして、先に詳細に説明されたいろいろな電力管理機能を実行するために、オーディオソフトウェアを利用する。システムの初期化時に、オーディオの復元リクエストが宙に浮いていないので(すなわち、メモリバッファが満杯でない)、ステップ208では、どちらかの決定が行われ、ステップ207では、ファンクションキー48の中の1つが作動させられるまで、システムはファンクションキー48の中の1つからの入力信号を待つ。この時、ステップ206において、適切な機能が実行され、適切にLCDディスプレイ34が更新されても良い。
【0088】
もし、その命令が、オーディオを再生するための利用者からのリクエストを含むならば、この時、オーディオの復元リクエストは宙に浮いており、ステップ208では、どちらかの決定が行われる。オーディオを再生するための最初のリクエストに関しては、普通は圧縮されたオーディオファイルがシステムメモリ30にないので、ステップ209では、どちらかの決定が行われ、ステップ210において、圧縮されたオーディオファイルがHDD36、及び/またはCD/DVD ROMドライブ38、及び/または携帯用メモリ媒体82から読まれ、システムメモリ30に読み込まれる。例えば、CD/DVD ROMドライブ38により読まれるように、圧縮されたオーディオファイルは、CDまたはDVD上に存在することができるであろう。
【0089】
ステップ210において圧縮されたオーディオファイルがシステムメモリに読み込まれた後で、またはもし既にオーディオファイルがシステムメモリに存在すれば、ステップ209では、どちらかの決定が行われ、ステップ211において、オーディオファイルはその時システムCPU26を使用して復元される。ステップ212では、コーデック42へのDMA転送が復元されたオーディオデータのために初期化され、更にコーデック42からの出力信号が、スピーカ及び/またはヘッドホン46を駆動するために増幅器44により増幅される(図2には図示せず)。ステップ212においてDMA転送が初期化された後で、オーディオの復元リクエストが宙に浮いているかどうかを決定するために、制御ループはステップ208へ戻る。
【0090】
「アプリケーション(応用)」
当業者は、伝統的なコンピュータシステム及びPCにおいて発見されたそれを超えて改善を提供する、圧縮されたオーディオモードにおいて利用されても良い、いろいろなソフトウェアアプリケーションを認識するであろう。いくらかのそのようなアプリケーションは、1)媒体の選択、2)音声の録音、3)デジタル画像の取得と保存、そして、4)遠隔制御アプリケーションを含んでいる。これらの各々は、図7のコンピュータシステム700のブロック図を参照して、以下に更に詳細に扱われる。各アプリケーションは、ソフトウェアのみによって動作しても良いし、いくらかの例においては、拡張された電力管理能力を提供するために、専用回路40と共に動作しても良い。
【0091】
コンピュータシステム700は、類似の要素には同様の符号が付与される図3、5、そして6に関して先に詳細に説明された多くの要素を含んでおり、今後、それらの要素についてのあらゆる反復的な記述は、この中では明快にするために省略される。4つのアプリケーションの代表的なリストは排他的ではなく、当業者は、オーディオ圧縮モードにおけるコンピュータシステムの操作が、伝統的なコンピュータシステムにおいて発見されたそれを超えて改善を提供する、いろいろな他のアプリケーションを認識するであろう。
【0092】
「媒体の選択」
圧縮されたオーディオファイルの大多数は、コンピュータシステム700のいろいろな媒体に記憶されても良い。そのような媒体は、HDD36、CD/DVDディスク、フラッシュメディアカード等を含んでいる。そのようなファイルは数千になるかもしれず、従って、そのようなファイルは、例えば歌の種類、アーティスト、アルバム等によるディレクトリ構造においてもまた、一般的に整理されている。好都合にも、小型OS80の一部分でも良い媒体選択ソフトウェアは、利用者がいろいろな媒体からオーディオファイルまたはディレクトリを検索し、アクセスし、そして選択することを可能にするために、少なくとも1つのファンクションキーに応答する。
【0093】
一般的なファンクションキー48は、停止と、再生と、一時停止と、早送りと、巻き戻しと、そしてボリュームアップとダウンのキーを含んでいても良い。一般的に、これらのファンクションキーは、利用者が所望の動作の1つだけを選択することが可能になるように、独立して動作する。本発明による媒体選択ソフトウェアは、利用者がディレクトリモードに入るためにファンクションキーの組み合わせまたはシーケンスを最初に作動させることを可能にする。ディレクトリモードは、少なくとも1つのファンクションキー48を使用して、利用者がいろいろなオーディオファイル及びディレクトリにアクセスすることを可能にし、そして、利用者がいろいろなオーディオファイルを検索し、選択し、そして記憶することを可能にする。一度、オーディオファイルが発見される、または記憶されれば、利用者は、少なくとも1つのファンクションキーを再度使用して、ディレクトリモードから出ても良い。
【0094】
いろいろなファンクションキー、組み合わせ、またはそのようなファンクションキーのシーケンスは、ディレクトリモードに入り、ナビゲート(操縦)し、そしてディレクトリモードを出るために、利用されても良い。例えば、1つのファンクションキー、例えば“停止”ファンクションキーは、音楽再生が中止されると同時に、ディレクトリモードに入るために使用されても良い。代わりに、2または3以上のファンクションキー、例えばボリュームアップそしてボリュームダウンのファンクションキーは、ディレクトリモードに入るために、同時に作動させられても良い。一度、ディレクトリモードが入力されれば、1または2以上のファンクションキーは、利用者がいろいろな媒体のいろいろなディレクトリにおいて、いろいろなオーディオファイルをナビゲート(操縦)することを可能にしても良い。
【0095】
そのようなナビゲーションは、利用者がオーディオファイルを検索し、選択し、そして記憶することを可能にしても良い。例えば、早送りと巻き戻しのキーは、いろいろなオーディオファイル及びディレクトリの初めから終わりまでを、検索もしくはスクロールするために使用されても良い。この場合において、ボリュームアップとボリュームダウン、またはファンクションキーの他のセットもまた利用されても良い。更に、利用者が更に容易にいろいろなディレクトリを検索することを可能にするように、、ディレクトリ情報を表示するためにLCDディスプレイ34もまた利用されても良い。最終的に、利用者は、ディレクトリモードから出るために、1または2以上のファンクションキーを利用しても良い。例えば、停止キーを押すことは、ディレクトリモードを出ても良い。一度このモードが出られれば、利用者は、選択されたオーディオファイルを再生するために、再生ファンクションキーを押しても良い。
【0096】
「音声録音アプリケーション」
コンピュータシステム700が、圧縮されたオーディオモードにおいて小型OS80を操作している時、音声録音ソフトウェアアプリケーションは、迅速に提供され得る。操作中、コンピュータシステム700の利用者は、音声録音モードを選択しても良い。小型OS80は、その時、アナログ音声データを入力するために、利用者が例えばマイクロフォン716のようなオーディオ入力装置を利用することを可能にする。コーデック42のADコンバータ(analog to digital converter)は、その時、入力アナログ音声データ信号をデジタルオーディオ信号に変換する。IC40またはサウスブリッジ32は、マスタまたはDMAサイクルを使用することにより、コーデック42からデジタルオーディオ入力信号を受信し、それを例えばシステムRAMのようなシステムメモリ30に送信するようにプログラムされている。
【0097】
CPU26は、その時、システムメモリ30から音声データを取り出しても良く、そして、音声データの圧縮を実行するために、当業者に知られているいろいろな音声コーディング(コード化)技術を利用する。圧縮の後、より小さくなった音声ファイルは、それから、例えばハードディスクドライブ36のような、コンピュータシステム700の大規模な記憶装置へ送信されても良いし、またはフラッシュメディアカードに送信されても良い。もし、音声ファイルがフラッシュメモリカードに記憶されるならば、それは取り外され得るであろうし、そして互換性があるフラッシュカードインタフェースを備えるあらゆる他のコンピュータシステムまたは圧縮オーディオプレーヤに挿入され得るであろう。
【0098】
音声録音ソフトウェアアプリケーションは、IC40と小型OS80を利用しても良いし、またはあらゆるIC40なしで、小型OS80のみを利用しても良い。IC40と小型OS80の解決方法において、IC40は、音声録音アプリケーションの間の時間の大部分においてCPU26を低電力状態に保持するために利用されても良い。IC40は、例えば、圧縮されたオーディオの演奏モードにおける電力の節約制御方法を含んでいる圧縮されたオーディオ演奏操作モードに関して、前もって記述されたように動作する。そのように、IC40は、音声データの圧縮のような特定の機能を実行していない間はCPU26をより低電力状態に置くことにより、コンピュータシステム700の電力の節約を可能にする。
【0099】
例えば、音声データがコーデック42からシステムメモリ30に転送されつつあるとき、CPU26は、低電力状態に維持され得るであろう。音声録音ソフトウェアと圧縮ソフトウェアがCPU26の動作時間を一般にほとんど必要としないので、CPU26は、好都合にもかなりの時間量を低電力状態に置かれ得る。IC40は、定期的にCPU26を起こすためにもまた使用されても良い。IC40は、その上、追加の電力の節約のために、CPU26が更に深いスリープモードに入ることを可能にするように、例えばFIFOバッファのようなバッファ730を装備されていても良い。例えば、コンピュータシステム700が作業状態にあるとき、CPUは多数の電力状態を持っている。
【0100】
そのような状態の1つは、最大限の電力(フルパワー)状態である。この状態において、CPUは、あらゆる他のいくつかのスリープ状態と比較して、大部分の電力を消費する。CPUは、CPUが浅いスリープ状態にあるよりも深いスリープ状態において、より少ない電力を消費する、浅いスリープ状態と深いスリープ状態というような、多数のスリープ状態もまた持っていても良い。浅いスリープ状態は、更に、CPUが第1の浅いスリープ状態にあるよりも第2の浅いスリープ状態において、より少ない電力を消費する、第1の浅いスリープ状態と第2の浅いスリープ状態とに分割されても良い。
【0101】
これらの状態はACPIの仕様書により定義されているので、一実施例において、CPUの最大限の電力(フルパワー)状態は状態C0としても良く、第1の浅いスリープ状態は状態C1としても良く、第2の浅いスリープ状態は状態C2としても良く、そして深いスリープ状態は状態C3としても良い。当業者は、前の状態と比較された各連続するスリープ状態C1、C2、C3において、CPUがより少ない電力を消費することを認識するであろう。しかしながら、各状態の間の電力消費の違いは、システムの詳細に依存している。
【0102】
好都合にも、IC40のバッファ730は、CPU26が状態C3のような深いスリープ状態に入ることを可能にする。バッファなしで、CPU26は、音声録音アプリケーションにおいて、せいぜい状態C2に入ることができる。バッファ730は、音声データを記憶するために構成される。バッファ730が前もって決められた低いデータコンディションに達するとき、IC40は、CPU26に状態C3のような深いスリープ状態に入るよう指示するディープスリープ信号をCPU26に対して生成する。
【0103】
一方、もし、バッファにおける音声データが前もって決められた満杯のデータコンディションに達するならば、IC40は、CPUが音声圧縮を実行することを可能にするウェイクアップ信号をCPU26に対して生成する。当業者は、バッファ730がバッファの中のデータ量に依存してディープスリープ信号とウェイクアップ信号を供給するようにプログラムされても良い内部レジスタを持っていると認識するであろう。これに代るものとして、IC40を使用せずに同様の音声録音アプリケーション機能を実行するために、小型OSソフトウェアだけのアプローチが使用され得る。圧縮されたオーディオモードにおけるコンピュータシステム600の操作のためのソフトウェアだけのアプローチは、図6を参照して、前もって記述された。
【0104】
この音声録音アプリケーションの例において、CPU26が状態C3よりもむしろ、せいぜい状態C2に置かれ得るであろうから、コンピュータシステム700の操作は、前もって詳細に説明された小型OS80とIC40とによる解決方法よりも、より多い電力を消費するであろう。例えばデスクトップコンピュータシステムのように、電力消費があまり心配にならないいくつかの例において、小型OS80のみによる純粋なソフトウェアアプローチは、先に詳細に説明した小型OS80とIC40とによるオプションよりあまり高価ではないので、魅力的なアプローチである。
【0105】
「デジタル画像の取得と記憶」
デジタルカメラやデジタルビデオレコーダのようなデジタル装置の一種、または同様なものは、デジタル画像を取得し、そしてフラッシュメディアカードのような記憶装置の一種に記憶する外部装置である。いくらかのタイプのフラッシュメディアカードは、 スマートメディア(登録商標)と、コンパクトフラッシュ(登録商標)と、そしてメモリスティック(登録商標)カードとを含んでいる。例えば、デジタルカメラ、またはビデオレコーダのような、いくらかのこれらのデジタル装置712もまた、コンピュータシステム700に内蔵されるか、または統合されても良い。
【0106】
そのようなデジタル装置のために、圧縮されたオーディオモードにおけるコンピュータシステム700の操作は、通常のOSの長い起動時間を待たず、追加された電力管理能力を提供中にデジタル画像を取得して記憶する方法を利用者に提供する。デジタル装置に内蔵または組み入れられたデジタル装置712によりデジタル画像を取得するために、利用者は、最初にコンピュータシステム700を通常の操作モードよりむしろオーディオ圧縮モードで起動しても良い。関連したデジタル装置ソフトウェアは、その時、デジタル装置モードを選択するように利用者に促しても良く、デジタルデータを獲得するようにデジタル装置712に命令するために、利用者がファンクションキー48を利用することを可能にする。例えば、デジタル装置712は、デジタルピクチャ画像を撮影するデジタルカメラ、またはデジタルビデオを撮影するデジタルレコーダでも良い。
【0107】
デジタル画像は、その時コンピュータシステム700のビデオディスプレイスクリーンに表示されるか、及び/または、そのようなデジタル画像は、例えばHDD36のようなコンピュータシステム700の大規模な記憶媒体に記憶されても良い。内部または外部のデジタル装置は、USBやIEEE1394のような周辺のバスを通して、コンピュータシステム700に接続されても良い。もし、デジタル装置712がコンピュータシステム700の外部にあるならば、利用者は、デジタル装置712からデジタルデータをインポートし、例えばHDD36のような大規模な記憶媒体に記憶するために、関連したデジタル装置ソフトウェアを利用することができる。そのように、デジタル装置ソフトウェアアプリケーションは、通常のOSの長い起動時間を待たずにデジタルデータをインポートするための単純で簡単なインタフェースを利用者に提供する。
【0108】
例えば、もしデジタル装置712がコンピュータシステム700の外部のデジタルカメラであるならば、デジタル装置ソフトウェアは、利用者がデジタル画像をコンピュータシステム700の大規模な記憶媒体にダウンロードすることを可能にする。先に詳細に説明した音声録音アプリケーションと類似して、デジタルカメラアプリケーションは、小型OS80とIC40とによる解決方法、または小型OS80のみによる解決方法のいずれかにより実施されても良い。もしデジタル装置712が内部のデジタルカメラのような内部のデジタル装置であるならば、小型OS80とIC40とによる解決方法は、イメージが実際に取得されるまで、CPUを状態C3のような深いスリープ状態にすることを可能にする電力管理機能を提供することができる。
【0109】
これに代るものとして、IC40を使用せずに同様のデジタル取得または記憶機能を実行するために、小型OSソフトウェアだけのアプローチが使用され得る。音声録音アプリケーションと同様に、CPU26がせいぜい状態C2に置かれ得るであろうから、コンピュータシステム700は、この場合に更に多くのパワーを消費するであろう。例えばデスクトップコンピュータシステムのように、電力消費があまり心配にならないいくつかの例において、小型OS80のみによる純粋なソフトウェアアプローチは、先に詳細に説明した小型OS80とIC40とによるオプションよりあまり高価ではないので、魅力的なアプローチである。
【0110】
「遠隔制御アプリケーション」
コンピュータシステム700が圧縮されたオーディオモードにおいて動作している間、遠隔制御アプリケーションは、本質的にファンクションキー48に取って変わり、そして利用者にコンピュータシステム700のいくらかの操作を遠く離れて制御することを許可するために提供され得る。遠隔制御装置722は、コンピュータシステム700の遠隔制御トランシーバ714に制御信号を供給する。遠隔制御装置722は、赤外線や無線周波数のような、あらゆる知られたタイプの制御技術を利用できるであろう。システムブリッジに統合しても良い遠隔制御トランシーバ714は、遠隔制御装置722から制御信号を受信する。
【0111】
そのようには図解していないが、遠隔制御トランシーバ714は、IC40ともまた統合しても良い。遠隔制御トランシーバ714は、コンピュータシステム700がオフの時でさえも、電力が供給される。操作中、利用者は、圧縮されたオーディオのボタンを作動させるために、遠隔制御装置722を利用しても良い。適切な制御信号が、その時遠隔制御トランシーバ714へ送信される。もし、コンピュータシステム700が最初にオフであるならば、トランシーバ714は、コンピュータシステム700を起動するためのウェイクアップ信号を送信する。コンピュータシステム700は、受信した信号が圧縮されたオーディオモードにおける操作が希望されたことを示しているかどうかを確かめるために、この時点でトランシーバをチェックする。もし、小型OSがシステムメモリに読み込まれると、先に詳細に説明したように、オーディオプレーヤ電源スイッチ54の作動と関連して、圧縮されたオーディオモードにおける操作が始まるであろう。
【0112】
そのように、コンピュータシステム700の利用者は、圧縮されたオーディオモードにおいて、例えばファンクションキー48のようなコンピュータシステムの適切なキーを物理的に作動させることなく、遠隔制御装置722により、役に立つ機能や役に立つアプリケーションにアクセスすることができる。同じ遠隔制御装置722は、通常のOSがシステムメモリに読み込まれるであろう、通常の操作モードにおけるコンピュータシステム700の電源投入を可能にさせるための通常の電源ONボタンもまた備えていても良い。そのように、遠隔制御装置722は、通常の操作モードにおいて、他の機能を制御するためにもまた使用されても良い。
【0113】
「娯楽モード」
圧縮されたオーディオモードにおける操作に加えて、PCは、伝統的なPCコンピュータ処理アプリケーションとは一般的に結びつかない多数の娯楽アプリケーションを含むために、絶えずアップグレードされつつある。例えば、そのような娯楽アプリケーションは、それに限定されないものの、インターネットラジオと圧縮されたオーディオの再生の両方を含むオーディオ再生アプリケーションと、DVD映画再生アプリケーションと、テレビ視聴アプリケーションと、デジタル装置アプリケーションと、遠隔制御アプリケーションと、音声録音アプリケーション等を含んでいる。ちょうど、オーディオ再生や他のアプリケーションへの迅速なアクセスのための圧縮されたオーディオモードの選択が有利であるように、PCにより提供された娯楽アプリケーションへの迅速なアクセスのための娯楽モードの選択も有利であろう。
【0114】
そのように、PCの利用者は、 PCモードまたは娯楽モードにおけるPCの操作のための選択を行うことができるであろう。そのような選択は、例えば特定の娯楽ボタンの作動のようなハードウェアベースのものであるか、または例えば選択メニューによるようなソフトウェアベースのものとすることができるであろう。もし、PCモードが選択されたならば、一般的な起動シーケンスと、例えばWindows(登録商標)のような基本のオペレーティングシステムの読み込みが生じるであろう。もし、娯楽モードが選択されたならば、起動シーケンスと、例えば小型OSのような代わりのオペレーティングシステムの読み込みが生じるであろう。
【0115】
先に詳細に説明したが、例えば小型OSは、娯楽アプリケーションの操作に必要な更に大きいOSのそれらの部分を含むであろうから、小型OSは更に大きいOSの一部として実施され得るであろう。そのように、小型OSは、更に大きいOSのサブセット(subset:部分集合)とすることができるであろう。小型OSを読み込むための起動シーケンスは、利用者が娯楽アプリケーションに対する迅速なアクセスを得ることを可能にするために、この中に詳細に説明された急速起動シーケンスでも良い。
【0116】
「急速起動」
図8へ方向転換すると、急速起動手順の代表的なフローチャート800が例示されている。急速起動手順が、PCが娯楽モードにおいて動かされるときの使用に対する小型OSの起動に関連して、この中に記述されている。当業者であれば、同様に、本発明による急速起動手順は、その上、例えば基本のオペレーティングシステムのような他のオペレーションシステムの起動手順のスピードアップにもまた適用できるであろう。PCがステップ802において起動されるとき、小型OSのための急速起動手順が開始される。ステップ804において、娯楽モードにおける操作が望まれているかどうかの決定が行われる。この決定は、例えばPCメイン電源スイッチ、または娯楽モードスイッチがPCを起動するために使われたかどうかに依存するBIOSにおいて行われても良い。前もって詳細に説明されたように、そのような選択もまたソフトウェアベースのものとすることができるであろう。もし、PC操作モードが望まれるならば、システムはステップ806において通常の操作で起動し、例えばWindows(登録商標)のような通常のOSがシステムRAMに読み込まれ、実行される。
【0117】
もし、娯楽モードが望まれるならば、ステップ808において、前の娯楽ブートから何かハードウェアが変わったかどうかの決定が行われる。この決定は、一般的にBIOSにより行われる。もし、何かしらハードウェアが変わっていたならば、ハードウェア変更フラグは、その時ステップ810においてセットされても良い。もし、ハードウェアが変わっていなかったならば、その時フラグはセットされない。次に、ステップ812においてBIOS起動手順が実行される。図9に関して、この中で後で詳細に説明されるように、これは、代表的なBIOS起動手順、または加速されたBIOS起動手順でも良い。
【0118】
ステップ812のBIOS起動手順の後で、ステップ814において制御は小型OSローダへ移される。小型OSローダは、次にステップ816において適切な小型OSイメージを読む。小型OSは、基本のオペレーティングシステムファイルの一部分であっても良いし、またはいずれかのメモリ記憶装置に置かれていても良い。それはまた、圧縮フォーマットで記憶されていてもまた良く、もしそうであれば、小型OSローダは圧縮フォーマットを復元するであろう。この時、ステップ818において、制御は次に小型OSへ移される。
【0119】
一度、ステップ818において制御が小型OSへ移されれば、 ステップ820において、予め構成されたアプリケーションスイートと小型OSのメモリイメージ(PSMイメージ)(Preconfigured Application Suite & Mini-OS Memory Image (PSM image) )サポート機能が作動させられるか否かが決定される。もし、そのようなPSMイメージサポートが作動させられない場合、その時、ステップ822において通常の小型OSの起動が発生するであろう。通常の小型OSの起動は、PCが娯楽モードで動作している間に利用され得るであろう、いろいろなソフトウェアモジュールの選択と読み込みを含んでいる。
【0120】
もし、PSMイメージサポートが作動させられる場合、その時、ステップ824においてハードウェア変更フラグがセットされたか否かが決定される。もし、フラグがセットされていた場合、前回の娯楽モードの起動からハードウェア構成が変更されたことを表しており、その時、ステップ826において通常の小型OSの起動が発生するであろう。この通常の小型OSの起動手順は、小型OSソフトウェアモジュールの実行と、新しいハードウェア構成に基づくアプリケーションの読み込み手順とを含んでいるであろう。更に、PSMサポートがこの場合には作動されるから、ステップ830において、新しいPSMイメージファイルが作成される。そのようなPSMイメージファイルは、そして、2番目の娯楽モードの起動シーケンスにおいて利用されても良い。
【0121】
もし、ハードウェア変更フラグがセットされていない場合、前回の娯楽モードの起動シーケンスからハードウェア構成が変更されないことを表しており、その時、ステップ828において適切なPSMイメージファイルが直ちに読み込まれ、ステップ832において実行される。この場合において、適切なイメージファイルは、前回の娯楽モードの起動時に作成されたイメージファイルである。更に、いろいろなPSMイメージファイルが状況に応じて読み込まれても良い。更に、そのようなPSMイメージファイルは、一般的に、ハードウェアが前回の起動から変わらない娯楽モードにおける前回の起動のそれであっても良い。もう1つのPSMイメージファイルは、現在の特定のハードウェアに基づいていても良い。
【0122】
ステップ828においてどちらのPSMイメージファイルを読み込むかを選択するために、起動時間の仕組みが提供されるべきである。そのように、もし、読み込まれた構成がそのようなPSMイメージファイルに保存されていれば、小型OSの起動は加速される。理想的な場合には、特定の小型OS及び予め読み込まれたアプリケーションスイートのPSMイメージは、既知のPSMイメージ構成への速い復帰を可能にする仕組みに相応しいサスペンド/レジュームを使用して起動した後、直ちに保存され得る。PSMイメージファイルは、一般的に、サポートされたハードウェア構成を確認するための“指紋”と、PSMイメージ保存の時の表示内容を含む“派手な画面”と、PSMイメージ保存の時に小型OSとPSMイメージファイルにより使用されるメモリの一部分のメモリイメージとを含んでいても良い。
【0123】
更に、もし、小型OSが基本のOSの縮小されたバージョンまたは基本のオペレーティングシステムのサブセットである場合、基本のオペレーティングシステムがシャットダウンされた状態でコンピュータシステムが動作している時、娯楽モードのために必要とされないであろうソフトウェアモジュールをアンロードすることにより、起動手順は自動的によりいっそうスピードアップされ得る。従って、コンピュータシステムが再び娯楽モードにおいて起動される時、基本のオペレーティングシステムの縮小されたバージョンとしての小型OSは、更に迅速に起動され得るであろう。
【0124】
図9へ方向転換すると、加速されたBIOS起動手順を例示するフローチャート900が例示されている。加速されたBIOS起動手順は、図8のBIOS起動手順812として利用されても良い。加速されたBIOS起動手順は、通常のPC操作モードが望まれる時、基本のOSともまた一緒に利用されても良い。娯楽モードで利用される時、一度娯楽操作モードが選択されたならば、加速されたBIOS起動手順がステップ902において始まる。BIOSは、ステップ904において、一般的なBIOS操作の何れかのタスクが省略可能か否かを決定する。もし、何れかのタスクが省略可能である場合、その時、例えばそのようなタスクを実行するための時間を節約するために、そのようなタスクはステップ906において省略される。例えば、娯楽モードにとって必要でない装置のための全てのハードウェアチェックは、省略され得る。小型OSの起動のために必要とされるハードウェアのためのどんなハードウェアチェックも、一般的に省略されるべきでない。メモリテストタスクもまた省略しても良い。
【0125】
もし、タスクが省略され得ないならば、加速された起動手順は、ステップ908において、そのようなタスクが延期、または遅延されても良いか否かを決定する。もし、そのようなタスクがもっと後の時間まで延期され得るならば、その時、ステップ910において、そのようなタスクは延期される。例えば、延期されても良いそのようなタスクとしては、ディスクが回転させられた後でディスクからデータを読み取ることによる延期である。実際にはその他のあらゆるタスクもまた、同じく延期されるべきである。小型OSが完全に読み込まれた後でも、そのようなタスクはもっと後の時間まで延期され得る。
【0126】
「パレンタル制御」
通常のPCモードまたは娯楽モードで動作しているコンピュータシステムは、利用者が、例えばDVD映画の再生、テレビ、オーディオアプリケーション等、いろいろな娯楽アプリケーションへアクセスすることを可能にしても良い。そのようなコンピュータシステムは、いろいろな年齢の子供によってもまた利用されても良い。そのような子供の親、または他の管理者は、そのようなアプリケーションが利用可能である時間はもちろん、いろいろな娯楽アプリケーションの内容を制御することを希望しても良い。更に、例えば、もう一人に親の指導を提唱する“PG”に等級付けされた映画(Parental Guidance Suggested "PG" rated movies)へのアクセスを許可する間、一人の子供に一般対象の“G”に等級付けされた映画(General Audience "G" rated movies)へのアクセスを許可することが望ましいように、親は、そのような娯楽アプリケーションを使用している間、子供のトラックにおける活動(track activity)はもちろん、年齢の異なる別の子供または成熟したレベルの子供に異なる内容へアクセスすることを許可することもまた希望しても良い。
【0127】
図10へ方向転換すると、そのようなパレンタル制御の機能性を提供するためにパレンタル制御集積回路(IC)1002と外部の記憶装置1012とを含んでいる本発明によるパレンタル制御システム1000のブロック図が例示されている。IC1002は、この技術において知られている他のコンポーネントを持つコンピュータシステムの一部であっても良い。一般に、パレンタル制御IC1002は、そのようなパレンタル制御機能を提供するために、外部の記憶装置1012と協力する。外部の記憶装置1012は、個々の子供または子供の等級に対する暗号化されたデータ項目を含んでいても良い。外部の記憶装置1012は、データを格納するためのあらゆる種類の装置であっても良い。例えば、記憶装置は、スマートカード、SD カード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード等でも良い。IC1002は、個々のICであっても良いし、または、カードバス(CardBus)制御装置、またはフラッシュカードリーダのように、ちょうど一対として指定するためにコンピュータシステムにおいて他のICと統合されていても良い。そのように、別のICとの統合は、一般的にシステムコスト、及びボードサイズを減少させる。
【0128】
通常のモード、または娯楽モードにおけるコンピュータシステムの操作に関して、利用者(例えば、子供)は、彼らの関連した記憶装置1012をコンピュータシステムにおける適切なスロットに挿入する。一般に、IC1002は、この中でより詳細に説明されたように、ホストシステムに、ホストシステムと記憶装置との間の安全な通信を許可するために、記憶装置1012とホストシステムとの間のインタフェースとして振る舞う。IC1002は、例えば小型OSのようなホストコンピュータシステムの適切なオペレーティングシステムが、もし娯楽モードで動作しているならば、記憶装置1012に記憶された命令のデータに従って、いろいろな娯楽アプリケーションのいろいろなファイルの再生を制御できるように、記憶装置1012に記憶されたデータが、ホストシステムにより適切に読まれることを可能にする。そのように、IC1002は、記憶装置1012から最初にコード化されたシグナルを受信し、そして、ホストコンピュータシステムに理解できる、次にデコードされた信号をホストコンピュータシステムに提供する。
【0129】
一般に、パレンタル制御IC1002は、記憶装置インタフェース1004と、ホストインタフェース1006と、ユーザ入力インタフェース1008と、そして、例えば暗号化/復号化エンジンのような、エンジン1010とを含んでいる。記憶装置インタフェース1004は、IC1002と外部の記憶装置1012との間の通信チャネルを提供する。同様に、ホストインタフェース1006は、IC1002とホストコンピュータシステムとの間の通信を可能にする。ICとホストコンピュータシステムとの間の通信は、PCI、USB、I2C、SMバスのような、この技術において知られているあらゆる標準のバスインタフェースによって発生しても良い。ユーザ入力インタフェース1008は、ホストインタフェース1006に対する利用者命令の通信を可能にする。
【0130】
例えば、利用者がコンピュータシステムを娯楽モードで操作している時、利用者命令は、例えばファンクションキー48のようなファンクションキーによって、または、例えば遠隔制御装置722のような遠隔制御装置によって入力されても良い。利用者命令は、キーボードまたはマウスによってもまた入力されても良い。一度、利用者が所望の命令を入力すれば、ユーザ入力インタフェース1008は、そのような命令を解釈し、そして関連した命令をホストインタフェース1006に提供する。関連した命令は、その時、ホストインタフェース1006によって、ホストコンピュータシステムに提供されても良い。適切なオペレーティングシステムは、利用者命令が適切であるかどうかを決定するために、記憶装置1012から受信される信号と関係のある利用者命令を評価するであろう。
【0131】
例えば、もし、記憶装置1012に記憶された命令のデータが、そのような内容が特定の利用者には許可されていないことを示したならば、娯楽モードにおける小型OSは、法律により制限された“R”に等級付けされたDVD映画(Restricted rated ("R") DVD movie)を見るという利用者リクエストを拒絶するであろう。パレンタル制御IC1002のエンジン1010は、記憶装置1012とホストシステムとの間の安全な通信を提供する。記憶装置1012が、関連したパレンタル制御IC1002により読まれるだけでも良いように、データは、例えば暗号化されたフォーマットのようなコード化されたフォーマットで記憶装置1012に記憶されても良い。そのように、ホストコンピュータシステムが記憶装置1012からデータを読み取る必要があるとき、エンジン1010の復号化部分は、この機能を提供する。
【0132】
一方、ホストコンピュータシステムが、例えばパレンタル制御データを生成または変更するために、記憶装置1012へデータを書く必要があるとき、エンジン1010の暗号化部分は、この機能を提供する。エンジン1010は、ハードウェア、ソフトウェア、または、いくらかのそれの結合により実施され得る。ハードウェアにおいて、エンジン1010は、マイクロプロセッサを用いて、または、この技術において知られているハードウェア論理(ロジック)を用いて実施され得るであろう。1番目のコード化された信号としてIC1002に提供されても良い記憶装置1012に記憶された命令データの内容を回復するために、エンジン1010の復号化部分により正しい復号化キーが要求される。そのキーは、本質的に暗号化アルゴリズムの仕事を「解読する」アルゴリズムである。そのキーは、適切な記憶装置1012がコンピュータシステムと共に使用されることだけを確認するためにもまた使用されても良い。
【0133】
例えば、不認定ユーザ、または機械によって作成された記憶装置は、復号化エンジンのキーにより読まれることができるべきでない。もし、正当な外部の記憶デバイスが発見されないならば、例えば娯楽モードにおける小型OSのような適切なオペレーティングシステムは、娯楽アプリケーションの基礎的な、または一般的なレベルに、アクセスされ、そして再生されることを今まで通り許可しても良い。記憶装置1012は、特定の子供のための命令データを含むようにプログラムされても良い。あるいは、コンピュータシステムの購入に関して、親が、彼ら自身の記憶装置をプログラムしなければならないことなく、即座にそれらを利用可能な、プログラムされた記憶装置1012を持っていても良いように、記憶装置は、そのような時間より前に予めプログラムされても良い。そのような予めプログラムされた記憶装置は、例えば8才から10才の間の子供のような、特定の子供の等級のためのものであっても良い。
【0134】
誰が記憶装置をプログラムするかにかかわらず、それは、記憶装置がパレンタル制御IC1002と共に使用される時、親がいろいろな娯楽アプリケーションの内容と、トータルの視聴時間と、視聴時刻とを規制し、そして、子供のコンピュータシステムの使用さえも記録できるような命令データを含んでいても良い。内容を制御するために、記憶装置1012は、パレンタル制御IC1002と共に使用される時、パレンタル制御システム1000が、それと逆の利用者命令にもかかわらず、特定の子供のために容認できない等級付けを持つ確かなファイルに、視聴されるかまたは傾聴されることを許可しないようにプログラムされても良い。例えば、記憶装置1012は、PGまたはGの等級付けを持っている映画だけを表示可能とするべきと指定するようにプログラムされても良い。同様に、記憶装置1012は、成人内容として評価されたあらゆるテレビショーの再生、または成人内容として評価されたあらゆるオーディオファイルの再生がコンピュータシステムにより許可されるべきでないと指定するようにプログラムされても良い。
【0135】
操作中、子供は、彼らの関連した記憶装置1012をコンピュータシステムにおける適切なスロットに挿入するであろう。もし、子供がコンピュータシステムを娯楽モードで操作していたならば、いろいろな娯楽オプションに対して適切な等級付けを示している記憶装置からの命令データが、1番目のコード化された信号としてIC1002に提供されるであろう。記憶装置インタフェース1004は、その時、1番目のコード化された信号を表すコード化された入力信号をエンジン1010に供給するであろう。この場合において、エンジン1010は、入力のコード化された信号を出力のデコードされた信号に変換するために、復号化エンジンとして振る舞うであろう。ホストインタフェースは、エンジン1010から出力のデコードされた信号を受信し、そして、例えば、娯楽モードで動作している時に、ホストシステムにより読みやすい2番目のデコードされた信号を小型OSのようなホストシステムに提供する。
【0136】
記憶装置1012に記憶された命令データを表す2番目のデコードされた信号に基づいて、小型OSは、いろいろな娯楽オプションを制御するであろう。例えば、もし2番目のデコードされた信号が、記憶装置1012に記憶された命令データはそのような映画の再生を禁止していると示しているならば、そのような映画を再生するというファンクションキーまたは遠隔制御装置による子供の命令にもかかわらず、小型OSはRに等級付けされた映画を再生しないであろう。内容が制御されていることに加えて、パレンタル制御システム1000は、予め決められた時間間隔の間の定義された時間限度まで、娯楽オプションに対するアクセス時間を制限するようにプログラムされた記憶装置1012を含んでいても良い。例えば、記憶装置1012は、娯楽アプリケーションを1日あたり2時間までに制限するようにプログラムされても良い。
【0137】
子供が、彼らの関連した記憶装置を、コンピュータシステムの適切なスロットに挿入するので、パレンタル制御IC1002は、記憶装置1012に記憶された時間限度データについて、命令を適切なOSに伝達する。そのように、適切なOSは、その内部のクロックとの比較により、そのような娯楽アプリケーションの活動(activity)の開始時間に注目し、そして、その時内部のカウントを始めても良い。これは、備え付けの水晶により時間が計られるPLLタイマの使用を含んでいるこの技術で知られたあらゆるいろいろな方法により、成し遂げられても良い。一度、内部のカウントが予定された限度に達すれば、適切なOSは、その特定の子供のための全ての娯楽アプリケーションをシャットダウンする。
【0138】
そのように、パレンタル制御1000は、子供がいろいろな娯楽アプリケーションへアクセスした時間の総計(異なる子供のために異なる時間間隔を含んでいる)を、親が制限することを許可する。更に、パレンタル制御1000は、時刻に基づいて娯楽オプションへのアクセスを制限するようにプログラムされた記憶装置1012を含んでいても良い。例えば、記憶装置1012は、例えば午後9時から午前7時までの間のようないくらかの時間の間は、娯楽アプリケーションへのアクセスを許可しないようにプログラムされても良い。更に、そのようなデータは、パレンタル制御IC1002によって、適切なOSに伝達される。コンピュータシステム自身の内部クロックとの比較により、もし特定の子供が禁止された時間の間に娯楽アプリケーションにアクセスし、適切な行動をとろうと試みているならば、適切なOSは検出することができる。
【0139】
内容、時間限度、または時刻による禁止に基づく、いくらかの娯楽アプリケーションへのアクセスの禁止に加えて、パレンタル制御IC1002を含むパレンタル制御システム1000は、特定の子供の娯楽アプリケーションの使用を追跡するために、利用され得る。例えば、どちらのビデオが再生されたか、またはどちらのオーディオファイルが再生されたかの記録は、1対として指定するために、外部の記憶装置1012、またはコンピュータシステムのハードディスクドライブのような指定された記憶エリアに自動的に記憶されても良い。もし、インターネットアクセスもまた利用可能であるならば、そのような技術は、どちらのウェブサイトがアクセスされたかを示す記録を生成するために利用され得る。
【0140】
本発明は、この中に与えられた代表的な実施例の見地から記述されたけれども、そのような開示は、単なる一例であり、限定して解釈されるべきでない。従って、発明の精神及び範囲からはずれることなく、いろいろな変更、修正、及び/または、発明の変形例が、おそらく上記の開示を読んだ後の当業者に示唆されるであろう。従って、発明の真の精神及び範囲に入るものとして、クレームが全ての変更、修正、または、変形としての変形例を含んでいると解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の一実施例の代表的な操作上の流れを表示するブロック図である。
【図2】本発明の一実施例における代表的な小型OSの電源投入とプレーヤ機能の開始のフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例による代表的なオーディオプレーヤシステムのブロック図である。
【図4】本発明の一実施例における専用回路と接続される他の構成要素に関する、代表的な専用回路の内部の部分のブロック図である。
【図5】本発明の別の実施例による代表的なオーディオプレーヤシステムの別のブロック図である。
【図6】オーディオのデコーディングと再生にだけソフトウェアを利用する、発明の別の実施例による代表的なオーディオプレーヤシステムの別のブロック図である。
【図7】コンピュータシステムにより圧縮オーディオモードにおいて実行されても良いいろいろな応用を説明するための、本発明による代表的なコンピュータシステムの別のブロック図である。
【図8】娯楽モードにおける代表的なコンピュータシステムの電源投入と関連した急速起動手順のフローチャートである。
【図9】図8のBIOS起動手順として利用されても良い代表的な加速されたBIOS起動手順のフローチャートである。
【図10】本発明の別の実施例によるパレンタル制御システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0142】
2:PCハードディスクドライブ(HDD)
4:RAM
6:CPU
8:コーデック
10:増幅器
26:CPU
28:ノースブリッジ
30:システムRAM(システムメモリ)
31:システム
32:サウスブリッジ
34:小型LCDディスプレイ
36:HDD(ハードディスクドライブ)
38:CD−ROM(CD/DVD ROMドライブ)
40:専用回路(IC)
42:コーデック(AC97規格コーデック)
44:増幅器
46:スピーカ
48:ファンクションスイッチ(ファンクションキー)
50:AC97規格制御装置
52:LPC制御装置
54:オーディオプレーヤ電源スイッチ
56:システムクロック
60:スイッチ
62:LPCインタフェース
64:ステートマシーン
66:レジスタブロック
68:ファンクションキーインタフェース
72:LCDインタフェース
74:バス
80:小型OS
82:携帯用メモリ媒体(メモリデバイス)
600:コンピュータシステム
606:キーボード
604:キーボード制御装置
700:コンピュータシステム
712:デジタル装置
714:遠隔制御トランシーバ
716:マイクロフォン
722:遠隔制御装置
730:バッファ
1000:パレンタル制御システム
1002:パレンタル制御集積回路(IC)
1004:記憶装置インタフェース
1006:ホストインタフェース
1008:ユーザ入力インタフェース
1010:エンジン(暗号化/復号化エンジン)
1012:(外部の)記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データへのアクセスのパレンタル制御を可能にするコンピュータシステムであって、
システムCPUとオペレーティングシステムとスロットとを備えるコンピュータホストのサブシステムを具備すると共に、
命令データを備える記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記命令データを表す1番目のコード化された信号を受信し、前記命令データを表す2番目のデコードされた信号を前記オペレーティングシステムに供給するように構成されたパレンタル制御回路と
を備えるパレンタル制御システムを具備し、
前記記憶装置が、前記コンピュータホストのサブシステムの前記スロットに適合するように構成され、
前記オペレーティングシステムが、前記2番目のデコードされた信号に基づいて、前記コンピュータホストのサブシステムのアプリケーションへのアクセスを制御するために、前記2番目のデコードされた信号に応答する
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
前記オペレーティングシステムが小型OSを具備し、
前記アプリケーションが娯楽アプリケーションである
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記命令データが、予め決定された時間間隔の間の予め決定された時間限度を含む時間限度データを含み、
もし、前記予め決定された時間限度が、前記予め決定された時間間隔を超過したならば、前記オペレーティングシステムが、該コンピュータシステムの操作を終結するために、前記時間限度データに応答する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記命令データが、関連したファイルのセットに対する禁止された内容の等級付けを含む内容制限データを含み、
前記オペレーティングシステムが、禁止された内容の等級付けを持つ前記関連したファイルのセットの操作を禁止するために、前記内容制限データに応答する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記命令データが、禁止された時刻間隔を含む時刻制限データを含み、
前記オペレーティングシステムが、前記禁止された時刻間隔の間、該コンピュータシステムの操作を禁止するために、前記時刻制限データに応答する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記パレンタル制御回路が、
前記命令データを表す前記2番目のデコードされた信号を前記オペレーティングシステムに供給するように構成されたホストインタフェースと、
前記記憶装置に記憶された前記命令データを表す前記1番目のコード化された信号を受信するように構成された記憶装置インタフェースと、
前記1番目のコード化された信号を表すコード化された入力信号を前記記憶装置インタフェースから受信し、かつ前記2番目のデコードされた信号を表すデコードされた出力信号を前記ホストインタフェースに供給するように構成されたエンジンと
を具備することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記エンジンが、更に、前記オペレーティングシステムからの命令を表すデコードされた入力信号を前記ホストインタフェースから受信し、前記オペレーティングシステムからの前記命令を表すコード化された出力信号を前記記憶装置インタフェースに供給するように構成される
ことを特徴とする請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記システムCPUが、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答し、
前記パレンタル制御回路が、前記記憶装置と前記2番目のオペレーティングシステムとの間の安全な通信を提供するように構成され、
前記1番目のオペレーティングシステムが、1番目の操作モードにおいて実行され、前記2番目のオペレーティングシステムが、2番目の娯楽モードにおいて実行され、
前記記憶装置が、前記娯楽モードにおける該コンピュータシステムの操作の限度に関して、関連した利用者に対する前記命令データを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記パレンタル制御回路が、
前記命令データを表す2番目のデコードされた信号を前記オペレーティングシステムに供給するように構成されたホストインタフェースと、
前記記憶装置に記憶された前記命令データを表す1番目のコード化された信号を受信するように構成された記憶装置インタフェースと、
前記1番目のコード化された信号を表すコード化された入力信号を前記記憶装置インタフェースから受信し、前記2番目のデコードされた信号を表すデコードされた出力信号を前記ホストインタフェースに供給するように構成されたエンジンと
を具備することを特徴とする請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記エンジンが、更に、前記2番目のオペレーティングシステムからの命令を表すデコードされた入力信号を前記ホストインタフェースから受信し、前記オペレーティングシステムからの前記命令を表すコード化された出力信号を前記記憶装置インタフェースに提供するように構成される
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記命令データが、予め決定された時間間隔の間の予め決定された時間限度を含む時間限度データを含み、もし、前記予め決定された時間限度が、前記予め決定された時間間隔を超過したならば、前記第2のオペレーティングシステムが、前記娯楽モードにおける該コンピュータシステムの操作を終結するために、時間限度データに応答する
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記命令データが、関連したファイルのセットに対する禁止された内容の等級付けを含む内容制限データを含み、
前記第2のオペレーティングシステムが、禁止された内容の等級付けを持つ前記関連したファイルのセットの操作を禁止するために、前記内容制限データに応答する
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記命令データが、禁止された時刻間隔を含む時刻制限データを含み、
前記第2のオペレーティングシステムが、前記禁止された時刻間隔の間、前記娯楽モードにおける該コンピュータシステムの操作を禁止するために、前記時刻制限データに応答する
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項1】
データへのアクセスのパレンタル制御を可能にするコンピュータシステムであって、
システムCPUとオペレーティングシステムとスロットとを備えるコンピュータホストのサブシステムを具備すると共に、
命令データを備える記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記命令データを表す1番目のコード化された信号を受信し、前記命令データを表す2番目のデコードされた信号を前記オペレーティングシステムに供給するように構成されたパレンタル制御回路と
を備えるパレンタル制御システムを具備し、
前記記憶装置が、前記コンピュータホストのサブシステムの前記スロットに適合するように構成され、
前記オペレーティングシステムが、前記2番目のデコードされた信号に基づいて、前記コンピュータホストのサブシステムのアプリケーションへのアクセスを制御するために、前記2番目のデコードされた信号に応答する
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
前記オペレーティングシステムが小型OSを具備し、
前記アプリケーションが娯楽アプリケーションである
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記命令データが、予め決定された時間間隔の間の予め決定された時間限度を含む時間限度データを含み、
もし、前記予め決定された時間限度が、前記予め決定された時間間隔を超過したならば、前記オペレーティングシステムが、該コンピュータシステムの操作を終結するために、前記時間限度データに応答する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記命令データが、関連したファイルのセットに対する禁止された内容の等級付けを含む内容制限データを含み、
前記オペレーティングシステムが、禁止された内容の等級付けを持つ前記関連したファイルのセットの操作を禁止するために、前記内容制限データに応答する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記命令データが、禁止された時刻間隔を含む時刻制限データを含み、
前記オペレーティングシステムが、前記禁止された時刻間隔の間、該コンピュータシステムの操作を禁止するために、前記時刻制限データに応答する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記パレンタル制御回路が、
前記命令データを表す前記2番目のデコードされた信号を前記オペレーティングシステムに供給するように構成されたホストインタフェースと、
前記記憶装置に記憶された前記命令データを表す前記1番目のコード化された信号を受信するように構成された記憶装置インタフェースと、
前記1番目のコード化された信号を表すコード化された入力信号を前記記憶装置インタフェースから受信し、かつ前記2番目のデコードされた信号を表すデコードされた出力信号を前記ホストインタフェースに供給するように構成されたエンジンと
を具備することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記エンジンが、更に、前記オペレーティングシステムからの命令を表すデコードされた入力信号を前記ホストインタフェースから受信し、前記オペレーティングシステムからの前記命令を表すコード化された出力信号を前記記憶装置インタフェースに供給するように構成される
ことを特徴とする請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記システムCPUが、1番目のオペレーティングシステムまたは2番目のオペレーティングシステムを読み込むための制御信号に応答し、
前記パレンタル制御回路が、前記記憶装置と前記2番目のオペレーティングシステムとの間の安全な通信を提供するように構成され、
前記1番目のオペレーティングシステムが、1番目の操作モードにおいて実行され、前記2番目のオペレーティングシステムが、2番目の娯楽モードにおいて実行され、
前記記憶装置が、前記娯楽モードにおける該コンピュータシステムの操作の限度に関して、関連した利用者に対する前記命令データを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記パレンタル制御回路が、
前記命令データを表す2番目のデコードされた信号を前記オペレーティングシステムに供給するように構成されたホストインタフェースと、
前記記憶装置に記憶された前記命令データを表す1番目のコード化された信号を受信するように構成された記憶装置インタフェースと、
前記1番目のコード化された信号を表すコード化された入力信号を前記記憶装置インタフェースから受信し、前記2番目のデコードされた信号を表すデコードされた出力信号を前記ホストインタフェースに供給するように構成されたエンジンと
を具備することを特徴とする請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記エンジンが、更に、前記2番目のオペレーティングシステムからの命令を表すデコードされた入力信号を前記ホストインタフェースから受信し、前記オペレーティングシステムからの前記命令を表すコード化された出力信号を前記記憶装置インタフェースに提供するように構成される
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記命令データが、予め決定された時間間隔の間の予め決定された時間限度を含む時間限度データを含み、もし、前記予め決定された時間限度が、前記予め決定された時間間隔を超過したならば、前記第2のオペレーティングシステムが、前記娯楽モードにおける該コンピュータシステムの操作を終結するために、時間限度データに応答する
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記命令データが、関連したファイルのセットに対する禁止された内容の等級付けを含む内容制限データを含み、
前記第2のオペレーティングシステムが、禁止された内容の等級付けを持つ前記関連したファイルのセットの操作を禁止するために、前記内容制限データに応答する
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記命令データが、禁止された時刻間隔を含む時刻制限データを含み、
前記第2のオペレーティングシステムが、前記禁止された時刻間隔の間、前記娯楽モードにおける該コンピュータシステムの操作を禁止するために、前記時刻制限データに応答する
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−323645(P2007−323645A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140928(P2007−140928)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【分割の表示】特願2005−505637(P2005−505637)の分割
【原出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【分割の表示】特願2005−505637(P2005−505637)の分割
【原出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】
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