説明

データセットの校正

セキュリティ・チェックポイントで例えば手荷物容器の内容を点検するために、X線システムは、容器のX線透過スペクトルを決定して、スペクトルを参照データベースの周知の禁制品材料のスペクトルと比較する。異なるX線システム間のわずかな変化は、参照データベースが個々のX線システムに適していることを必要とする。本発明によれば、2つのX線システムA及びBは、システムAからシステムBへの測定されたデータのコンバートのための伝達関数を産出するステップウェッジを利用して相互に校正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線ソースを使用してそれらの正体及び/又は物体の内容物についての情報を得るための物体の走査に関する。本発明は、特に、物体を走査する装置によって作られるデータセットの校正、そして、この種の方法によって校正に適している装置に関する。本発明は特に、複数の対象材料の情報特性の参照データベース、そして、この種の参照データベースから生じる動的に校正された参照情報を有するスキャナ・データベースの集団の生成及び/又は使用を含むスキャナ校正プロトコルの実施に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に、内部内容の材料組成に関する情報を得ることが望ましい、物体を走査するX線またはガンマ線のような高エネルギー放射線を利用している装置および方法に関する。本発明は、特に、含まれた液体の正体または組成を決定するために、含まれた液体の走査とともにアプリケーションに適しているが、液体アプリケーションに限られない。本発明は、材料の画像の生成によって又は画像の生成とともに作動する方法と装置とともに適用され得るが、画像アプリケーションに限られない。
【0003】
例えば、物体の内容物が安全に対する脅威又は税関規則の違反を構成しないという徴候を得るために、内容物についての情報を取得するセキュリティおよび税関チェックポイントで、例えば手荷物容器、液容器など物体の内容物を走査することは、望ましい。また、物体の内容物を、品質管理、内容物確認、劣化監視のような他の目的でスキャン(走査)することも好ましい。
【0004】
物体との相互作用の後、検出器で受け取られる放射線の分析から得られることのできる点で役立つ情報であることは周知である。物体の内容物が、それらがそうであることを確実にするために、高エネルギーのイオン化放射線ビームが物体の断面を横断するように物体及び内容物を走査することは有益であろう。結果として生じる透過放射ビームの強度データの数値解析及び等価な予め格納されたデータを周知の構成及び/又は特有なデータに起因すると考えられ得る様々な予想される構成材料と関連づけている参照データセットを持っての分析の結果の比較から、材料の組成及び/又は正体の表示を得ることが可能となる。検査対象の物体及び/又は内容物の構成及び/又は正体に関する情報は、検査データの一致から予め格納されたデータへ推論され得る。
【0005】
物体の高エネルギーのイオン化放射線の相互作用は、多かれ少なかれ特徴付けられた吸収、回折、弾性散乱及び非弾性散乱の様々な方法を含んでいる多くの物理学的機構の議題である。これらの機構の多くは、放射線波長/周波数に依存する形で材料の内容物によって、特徴的に違ってくる。
【0006】
含有材料、特に、例えば周知の材料のデータのデータベースにこの種の特性エネルギー選択的情報を参照することによる密封容器内の液体を識別するため非侵襲的に物体を検査することを意図された計装が開発された。例えば我々の同時係属の国際特許出願番号第WO2009/024817号、WO2009/024818号及び2008/142446号に開示される技術によれば、容器は放射線のビームで照射され、容器の透過又はその他の特性及びその液体量が例えばテルル化カドミウム又はゲルマニウムなどのエネルギー選択検出器を利用して測定される。
【0007】
さまざまな材料の透過又は他の特性は、データベースに記録され、保持することが可能である。データベースは、その後、整合される透過特性を探すために、物体のその場でのスキャンとの比較に用いられ得、これにより、対象材料は識別されることが可能である。
【0008】
データが集められるときに正確な透過データが装置コンディションによって影響され得るという点で、課題は起こる。許容値が原則としていかに高く設計されても、全ての計測器はある程度に異なる。例えば構成要素オフセットや不整合などの作られている誤差は、取り除くことができない。ソース(放射線ソース)は、必然的に若干の変動を呈する。検出器性能および感度は、決して完全に合致されることはない。計測器が動かされる等である場合、個々の計測器でも例えば動作条件が変化するように時間とともに性能の点でかなり異なる。適正な実施及び標準処理は、計測器と装置コンディションの間の変動を減らすことができるが、これらは完全に取り除くことができるというわけでない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在の計測器上で、他の計測器あるいはその他の装置コンディションにおいて生じる参照データベースからの参照データは、装置コンディションの間のこれらの変動を十分に考慮した許容値に使用され得るだけである。これは、密接に関連した特性を有する多数の材料を区別することを要求される精度のレベルに不十分である。別の選択肢で、現在の計測器に特注生成された参照データベースを追加することは、時間がかかり、それ故、例えば時間がしばしば最も重要である空港セキュリティのような多くの意図された用途に不適当である。
【0010】
他の装置又は他の装置コンディションでもより簡単にデータが作れるように、その内容物の組成を非侵襲的に識別する物体を走査する装置によって作られるデータセットの校正の方法を改善する必要がある。特定の好適なケースにおいて、操作上実用的な時間スケールから生じる動的に校正された参照情報をこの種の装置に追加する改良された方法が必要である。更なる好適なケースにおいて、共通参照基準に従って多数の装置から発生するデータを中心参照データベースに追加する改良された方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様による、走査ゾーンにおける物体に入射放射線を作用させることによって物体を走査し、物体との相互作用の後に分光学的に分解された現出する放射線の強度情報を収集する装置により作られるデータセットの校正の方法は、
分光学的に複数の周波数帯に分解された少なくとも一つの標準物体の走査ゾーンにおける相互作用の後で生成される現出放射線強度情報の装置コンディション特定校正データセットを生成するステップと、
可能性がある様々な構成材料のための現出強度情報の転送可能データ項目、各々のデータ項目は、複数の周波数帯に分光学的に分解される材料に対して現出する放射線強度情報を含み、複数の周波数帯に分光学的に分解される前記データ項目を生成することを利用した装置コンディションで特定される前記少なくとも一つの標準物体によって発生する現出する放射線強度情報の校正データセットにリンクされる、このようなデータ項目のデータセットを含む転送可能データベースを追加するステップと、
任意に、様々な装置コンディションのための前述のステップを繰り返すステップと、
参照装置コンディションのための、分光学的に複数の周波数帯に分解された少なくとも一つの標準物体の走査ゾーンにおける相互作用の後で生成される現出放射線強度情報の参照校正データセットを定めるステップと、
各々の転送可能データ項目に対し、
前記データ項目及び前記参照校正データセットにリンクされる校正データセット間の機能的な関係から伝達関数を生成するステップと、
前記参照校正に調整される動的なデータ項目を生成するために前記伝達関数を前記移動可能なデータ項目に適用するステップと、
これにより、各々動的に参照校正に調整される可能性がある様々な構成材料のための現出強度情報のデータ項目のデータセットを含む動的なデータセットをデータレジスタに追加するステップと、
を備える。
【0012】
現出強度情報の各々のデータセットは、周知の材料、標準物体に対し、あるいは検査対象の物体に対して複数の周波数帯に分光学的に分解される。従って、本方法が適用される装置は、走査ゾーンで物体上に適切な放射線が入射されることによって走査ゾーンにおける物体を走査する装置であり、そして、複数の周波数帯に分光学的に分解される物体との相互作用の後に入射放射線についての情報から間隔が置かれて放射線検出器システムで収集する装置である。
【0013】
本発明は、使用される特定の装置がアクセスすることができ、適切な多くの様々な好ましい構成材料のための他のところで生成される現出強度情報の参照データベースを使用する方法によって、はっきりと特徴付けられる。本発明の好ましい作動モードにおいて、この転送可能な参照データベースは、他に類似した装置の使用から、多くの様々な材料のための、とりわけ特定対象または禁制材料における強度関連の情報によって追加されるように長期間にわたって生成される可能性がある。特に、この種の一般の参照データベースは、使用される特定の装置に適用され、いろいろな異なる装置コンディションにわたる大きな参照データベースについて、異なる装置コンディションにわたって生成される可能性がある。
【0014】
この種の一般の転送可能な参照データベースが、使用の前にマシン用に参照データベースとして利用されることになって望ましい。しかしながら、個々のマシン間の動作パラメータにおける軽微な違いは、上述された理由のために、未加工の形のデータが転送できる及び/又は異なる装置コンディションによって参照され得る許容性に対する限度を課す。
【0015】
本発明に従って、完全に相対的な校正は、この課題を緩和するために実行される。移動可能なデータベース用のデータを生成するために利用されるマシンは、少なくとも一つの標準物体に関して現出強度データが複数の周波数帯を発生させる校正ステップを最初に受ける。校正が適切な伝達関数の生成によってそれらの間で適合され得るように、校正ステップで、参照データが少なくとも2つの標準の参照ポイントに関して複数の周波数帯を発生させると予測される。これは、装置コンディションに特有(特定)の校正データセットを生成する。
【0016】
転送可能データベースに追加するのに使用するデータは、この装置特定校正データセットにリンクされる。転送可能データベースは、様々な装置または装置コンディションに対して更に追加され得、データが再び適当な装置特定校正データにリンクされる。
【0017】
全てのこの種のデータは、各々が動的に参照校正に調整された可能性がある様々な構成材料のための、現出強度情報のデータ項目のデータセットを含む動的なデータセットをデータレジスタに追加するように参照校正に調整される動的なデータ項目を生成するために伝達関数を転送可能データ項目に適用することによって、相対的に参照校正データセットに校正される。
【0018】
この動的に調整されたデータセットが所与の更なる装置及び/又は新しい装置コンディションの下で参照データセットとして利用可能にされ得る2つの主要な方法がある。使用される装置から、両者とも、使用される装置のための更なる装置コンディション特定校正データセットの生成に依存する。このように、伝達関数は再び、他の装置コンディション用に以前に収集されたデータと、使用される装置によって収集されるデータとの間の相対的な校正に効果的に利用され得る。
【0019】
考えられる一つの方法において、動的に調整されたデータセットは、使用中の装置の装置コンディションに調整される参照データレジスタに追加するのに利用され得る。この場合、参照校正データセットは、使用される装置の校正に基づく。参照校正データセットを定めるステップは、上記記載の方法で使用される装置のための装置コンディション特定校正データセットを生成するステップを含む。
【0020】
本方法は、特定のステップ、
データ項目にリンクされる校正データセット及び調整(校正)される装置用に発生する校正データセットの機能的な関係から伝達関数を生成するステップと、
校正される装置に調整された動的なデータ項目を生成するために伝達関数を転送可能データ項目に適用するステップと、
これにより、校正される装置に各々動的に調整される可能性がある様々な構成材料のための現出強度情報のデータ項目のデータセットを含むデータセットを含む動的なデータセットを、校正される装置によってアドレス指定可能なデータレジスタに追加するステップと、
を備える。
【0021】
他の考えられる方法において、動的に調整されたデータセットは、一方で定められる参照標準に関して調整され、使用される装置によって発生するデータはそのままに集められて参照校正に調整される。
【0022】
本方法は、使用される装置上の各々測定されるデータ項目のために、追加のステップ、
使用される装置にリンクされる校正データセットと、参照校正データセットとの機能的な関係から伝達関数を生成するステップと、
参照校正に合うように調整されたデータ項目を生成するために伝達関数を測定されたデータ項目に適用するステップと、
を備える。
【0023】
第1の実施例方法のようにマシン特定参照データセットを有するマシンを提供することは、望ましい場合もある。
以下、本出願の具体例について説明する。
他の場合に、マシン特有の測定値を標準参照に合わせるよう調整することは、望ましい場合がある。これらと、他の装置コンディションのために発生され、校正されるデータレジスタの参照データに使用される所与の装置上の関連する測定データのための相対的なデータ校正の使用の他の例が想定され得る。第1のアプリケーションの具体例が実例として与えられる所で、当業者は本発明がこの種のケースに限られないと理解し、容易に、具体例の態様を相対的なデータ校正の使用について他の実施例に適用することが可能である。
【0024】
例えば適切な校正ステップは、複数の材料厚で、及び/又は複数の材料組成等に対して校正測定を提供する。これは、複数の標準物体が提供されるという点で、及び/又は標準の物体が例えば異なる周知の厚み、組成等の、複数の標準の基準点を定めるという点において達成される場合がある。
【0025】
同一のあるいは少なくとも互換性のある標準物体又は標準物体のセットは、転送可能データベースに追加するために用いた他の装置に使うべきであると予想される。このようにして、一般の校正基準がある。転送データベースにもたらされた特定材料のための現出強度情報の各々のデータ項目は、この校正標準に基づいて校正データに具体的に関係する。
【0026】
所与の標準物体の性能及び所与の標準校正プロセスは、異なる装置の全体の性能より多くのより少ない変数に影響を受けやすい。望ましいケースでは、校正ルーチンは、例えば強度、物質密度その他の様々な変更された条件にわたり、ツール反応に対して更に修正するために追加的に変更され得る。したがって、共通の校正基準の使用は、装置に特有のデータと、耐性の程度がよりはるかに高い異なる装置コンディション間の適切な転送調整を有する異なる装置コンディションとの関係を作り出すための相対的な伝達関数を与える。これは、本発明の原則の基礎をなしている。
【0027】
伝達関数は、各々のデータ項目を生成するために、データを有する参照校正データセットのための標準の結果及び各データ項目を生成するのに使用される装置のための標準の結果の数の比較によって発生する。参照校正データセットのための標準の校正データ及び所与のデータ項目を生成するために使用する装置のための標準の校正データ上の評価の基準は、例えば線形、対数又はその他で表されたものを含むあらゆる適切な相応ルーチンに補間によって伝達関数を生成するために組み合わされ得る。
【0028】
可能性があるケースでは、上記のように、本方法は、使用前に参照データを有する特定の装置に追加するために用いられ、参照校正データセットは、追加されるべき装置の校正に基づく。
【0029】
各々のデータ項目は、その後、適宜にデータを追加すべき装置の校正のために調整される。このような方法で、使用される装置は、追加すべき装置の性能ではあるが例えば他の類似した装置上で使用前に生成されたものに具体的に校正される様々なソースからの標準参照データから動的参照データベースに追加され得る。使用前の装置の校正は、比較的単純な標準のステップを含む。それは、あり得る構成物質の全ての範囲のための装置特定の現出強度データの生成によって新規な装置に追加するのに必要ではない。その代わりに、完全に相対的な転送方法論は、それが動的データベースが追加されることになっている装置に具体的に調整される形にデータを転送可能データベースから移すために用いる。
【0030】
あるいは、本方法は、共通参照基準に従って多数の装置から生成されるデータを有する中央参照データベースに追加するために用いられる。
【0031】
本文献における強度データ及び強度データ項目に対して言及すると、物体との相互作用の後の現出放射線の強度に関連し得るあらゆる数値データを参照するために理解されなければならない。これは、絶対強度のいかなる厳しい基準にも制限されるように考えるべきではない。例えばこの種の強度関係に機能的に依存する材料特性又はパラメータを生成するために、有用な強度データ項目はまた、ソースから、または更に数値的に処理されたデータ項目に、初期強度に機能的に関連があった検出器での絶対強度における、入射強度を超えた現出の相対的な測定値を含む場合がある。本発明の原則に従って、強度情報は、収集され、ソースのスペクトル全体にわたって複数の周波数帯に分解される。そうするとさらに、強度データ項目がかかる単一帯でのデータ項目であり得る、あるいは、強度に機能的に関連したデータ項目が複数のこの種のバンド全体にわたる複合方法で分解されることを表すことができると理解されるのは当然である。このように、言語の便宜及び簡単化のために参照は通常、本文献において「強度データ」になされるにもかかわらず、この用語は機能的に関係されるいかなるデータも関連するために略され、特定の物体、基準、または材料のための現出強度を反映する。
【0032】
本文献において言及される現出強度は、走査ゾーン内に物体を有するソースから、入射放射線の相互作用の後に最適に配置された検出装置で受け取られる強度にある。周知の物理的な関係が現れるあらゆる相互作用は、現出強度を、本発明の目的で使用し得る現出強度データが分解される複数の周波数帯にわたって分光学的に異なる適切な機能的な方法で、入射強度と関連付けるために用いることができる。本発明は、特に光電吸収効果によって、透過される放射線強度の減衰を測定するために物体を走査することに関係して特に有用なアプリケーションであるとわかる。そして、本発明の適用の例は、この種の装置に関して述べられるが、本発明はこの種の装置に限られて考慮されてはならない。
【0033】
本発明は、それらの性質上、単一の一般に均一な構成を有すると思われる、混合物、溶液、エマルジョン類、懸濁液その他、エアゾールその他を含む例えば液体のような流体組成物、ゲル類、ペースト、クリーム、微粉末、及び同類のもの、エアロゾルその他、のような流動可能な組成物を有する材料が含まれている入れ物を含む物体を走査することに関して特に有用なアプリケーションであると分かる。液体容器など物体に液体の含まれる例による言及は、このような液体、部分的液体、及びこの基本的混合で一般に均一な特徴を有するその他の流動性材料の全てに適用できるように理解されなければならない。
【0034】
しかしながら、本発明は、この種の液体アプリケーションに限られないと理解されなければならず、本発明の一般の原則の多くは固体及び/又は液の内容物を有する不均一物体物体に等しく適用し得る。液体に関連して本発明の実施例の実現は、それ相応に理解される。
【0035】
第2のより完全な態様の本発明による、入射放射線により走査ゾーン内の物体に影響を与えさせて、物体との相互作用の後で分光学的に分解された放射線の現出強度情報を収集することによって物体を走査するための、そして、そこから引き出される動的な参照データベースを特定の装置に追加する装置のための転送可能な参照データベースの生成の方法は、
分光学的に複数の周波数帯に分解された少なくとも一つの標準物体の走査ゾーンにおける相互作用の後で生成される現出放射線強度情報の装置特定校正データセットを生成するステップと、
分光学的に複数の周波数帯に分解された周知の材料組成及び/又は同一性の物体の走査ゾーンにおける相互作用の後で生成される現出放射線強度情報を含む材料特定転送可能データ項目を生成するステップと、
前記材料特定転送可能データ項目を装置特定校正データセットにリンクするステップと、
周知の材料組成及び/又は同一性の複数の物体を(オブジェクトとして)、可能性がある様々な構成材料のための現出強度情報の転送可能データ項目のデータセットを含む転送可能データベースに追加するために前述の2つのステップを繰り返すステップと、
任意に、前記転送可能データベースに更に追加するために任意に更なる装置に対して前述の全てのステップを繰り返すステップと、
転送可能データベースを本発明の第1の態様の方法に適用するステップと、
を備える。
【0036】
このように、本発明の第2の態様は、第1段階で本発明の第1の態様に従って用いるために転送可能データベースに追加する方法を含み、そして、第2段階で本発明の第1の態様に従ってその転送可能データベースを利用している方法を含む。
【0037】
本文献において、周知の材料組成及び/又は同一性の物体から得られるデータ項目のための「材料特定転送可能データ項目」が言及されるが、これは材料組成のそれ自体が知られていることが必要ではないと強調することは重要である。物体または材料は、等価応答のデータベースと比べることによって独特な方法で潜在的にそれを識別する定義済みの応答を作り出すことを必要とする。この種の応答は材料依存性であり、その限りにおいてデータは材料特異性である。しかしながら、校正及び比較ステップは、どの点についても本質的に組成データを生成する必要はなく、潜在的に完全に相対的である。
【0038】
前述の方法に従って、転送可能データベースは、周知の材料組成及び/又は同一性、同種であるか異質な複数の物体のための、そして、特にそれが識別することを要求される様々な対象材料又は物体のための現出強度データを生成することによって追加され得る。この種の各々のソースマシンに対して、データは、有り得そうな組成の複数の物体のために取得し得る。好適なケースの各々のソースマシンからのデータベースは、より大きなグローバルな転送可能データベースの組成データベースを含む。
【0039】
例えば、手順は以下のとおりである。
【0040】
データがマシンコンディションの第1のセットのために引き出される前に、校正手順はそれらのマシンコンディションに対する校正データセットを生成するために追随される。校正データセットは、複数のエネルギー箱での複数の走査条件のための校正データ項目を含む。集団データセットを含むために、様々な物体/材料に対して転送可能な強度関連情報の組成データベースが、それから生成される。集団データセットを構成する各々の組成に対して、走査は関連した走査項目について行われ、そして、現出強度データは複数のエネルギー箱に分解される。この集団データセットは、適用可能な校正データセットに相互参照される方法で結ばれる。そのプロセスは、更なる適用可能な校正データセットに結ばれる更なる集団データセットを生成するために第2及びその次のマシンコンディションのために繰り返され得、グローバルな転送可能データベースに融合され得る。
【0041】
類似した校正手順は、追加されるマシンに対して校正データセットを生成するために追随される。追加されるマシン上の同一の物体/材料によって発生すると思われる予想されるデータ項目をより正確に反映させるために、適切な伝達関数は、転送可能データベースの各々のデータ項目を変更するために適用される。
【0042】
このようなデータベース集団及び転送プロトコルの力は、明らかである。異なるマシンコンディションにおいて作動しているマシン間の使用可能なかつ有意義な方法で転送され得た適切な転送可能データベースなしで、それは、それぞれに所与のマシンコンディションのためのいかなる参照データベースにも追加するのに必要である。このような方法は、材料の現実的な範囲のために極端に時間がかかることがあり得、高価であり得た。データは、確実に、装置の間で転送されることができなかった。所与の装置のためにさえ、再校正は、更なる再生を必要とする。
【0043】
対照的に、転送可能データベースがあらゆる使用可能な装置に対して最適に校正される動的な参照データベースを形成するために直ちに転送され得る方法で、本発明の態様のプロトコルは、潜在的に異なっているコンディションで作動している潜在的に異なっている動作パラメータを有する複数の装置から時間をかけて構築されるグローバルな転送可能データベースを与える。
【0044】
転送可能データベースは、そのためにマシンの特定の動作の間、集団データ項目の生成によって構築され得るか、又はその本来の使用目的のためマシンの動作の間、集団データ項目の生成によって追加され得る。同じ理由で、特に校正された装置によって生成される材料特定データ項目がグローバルな転送可能データベースにフィードバックされ得る。
【0045】
本発明のこの改良に従って、第1の態様の方法は、
分光学的に複数の周波数帯に分解された周知の材料組成及び/又は同一性の物体の走査ゾーン中で相互作用の後で生成される現出放射線強度情報を含む材料特定転送可能データ項目を生成するステップと、
材料特定転送可能データ項目を以前に生成された装置特定校正データセットにリンクするステップと、
前記材料特定転送可能データ項目を装置特定校正データセットにリンクするステップと、
更に前記転送可能データベースに追加するために転送可能データベースに前述の情報を渡すステップと、
をさらに備える。
【0046】
本発明の更なる改良において、本発明の第1の態様に従って動的データベースを備えている装置は、物理的な存在を有する物理的な装置である必要はない。この種の装置は、その代わりに理論上のテストのために作製される仮想装置であってもよく、及び/又は最適化目的を設計してもよい。このように、この可能性のある改良に従って、本発明の第2態様に従う方法は、例えばモンテカルロ・シミュレーション用に、動的データベースを仮想装置に提供するために用いられる。
【0047】
本発明に従う校正プロセスは、少なくとも一つの標準物体を使用する。この種の少なくとも一つの標準物体は、本発明の第1の態様に従って検査(調整)される装置を校正するために用いられ、等価な少なくとも一つの基準オブジェクトが転送可能データベースの追加において用いられる。上述の基準オブジェクトは、必要な伝達関数を生成する校正データセットの協働する数値処理を可能にさせるために少なくとも同等に互換性を持たなければならない。最も都合の良いことに、標準物体は等しく適合され、そして、標準測定プロトコルはこの互換性を維持するために同じように使用される。あるいは、少なくとも、周知の機能的な関係は、前述に従って適切な伝達関数の数値計算を可能にするために、異なる標準の物体及び/又はプロトコルの間で維持されなければならない。
【0048】
適切な校正基準は、例えば異なる材料厚み及び/又は組成その他のために、少なくとも2つの校正位置に参照データを提供する。適切な標準物体は、複数の材料厚み及び/又は複数の材料組成のために好ましくは校正測定を提供する。加えて、または別に、複数の基準オブジェクトが用いられ得る。
【0049】
特に便利な標準物体は、複数の別々の厚みを有する周知の材料の標準ブロックを備えている。例えば、標準ブロックは、ブロックウェッジ(楔)である。しかしながら、良好な再現性を与えるあらゆる標準物体が使用され得る。
【0050】
仮想装置に本発明の使用の可能性を考慮して、仮想標準の物体はまた、使用され得る。
【0051】
好適なケースにおいて、第1の標準物体は、転送可能なデータベースのためのデータを生成する第1のシステムを調整するために用いる。基本的に同一の標準物体は、調整されるシステム上の校正データセットを得るために用いて、動的データベースによって追加される。校正データセットは、複数のエネルギー箱に、そして、例えば複数のウェッジ厚のための実例ケースにおいて分解される。一組の伝達関数(各エネルギー箱に対し一つ)は、校正データセットを2台のマシンに適合させることによって算定され得る。このように、データベースにおけるいずれの走査された項目のための透過データがいずれのシステムも特定の絶対校正を必要としない相対的な方法の伝達関数を適用することによって第1のシステムから第2のシステムまで転送され得る。
【0052】
この種の標準物体は、高い耐性に製造されることができ、このように、本質的に、特にそれらの違いを評価することを必要とすることのないそれらのシステム間のバリエーションを考慮するシステム間の相対的な転送を可能にする。
【0053】
可能な実施例において、走査ステップの間に被験物体に対して収集される強度情報は、入射放射線強度及び材料内容の徴候を提供する目的で適切なデータのライブラリと比較された結果と創発的に関連する適切な機能的な関係に対して数値的に分析される。

例えば、比率は入射放射線及び透過された強度の中で決定され、この比率は物質減衰係数を決定するために用いられて、物体及び内容物の走査中で有り得そうな組成構成についての情報を取得するために予想される対象又は組成材料のための等価な係数データのライブラリに関連付けられ得る。しかしながら、参照データベースが典型的な材料特徴のため追加されてから後に、この種の数値解析が不必要でもよいことは本方法の利点である、そして、識別はその代わりに測定された現出強度データとこの種のデータベースとの単なる比較によって成し得る。
【0054】
走査されている物体は、走査ゾーンにおいて、あるいは垂直又は水平面の移動、またはアプリケーションによるその他の方向に対して静止的に配置され得る。
水平にボトルを取り付けることが脅威材料の流出をもたらすことにもなるので、ボトルの液体の安全なまたは税関の審査のために、ボトルは保持具に取り付けられ、一般に垂直平面を通って移動すると予想される。垂直移動のためにボトルなどの物体を取り付けることは、走査動作の期間、物体を適所に保持する何らかの留め具を必要とし、物体はなるべく、垂直から1°〜80°の間に、好ましくは5°〜45°の間の角度で、そして、より好ましくは、5°〜30°の間で、取り付けられる。
【0055】
多くの物体、例えば、液体の入ったボトルまたはパックの容器などは、それらが通常走査されるかもしれない板厚方向を定めている正規の形状を有する。例えば、このような厚さは、物体の平行な側面によって、または、物体の表面の正反対の位置によって定義されるかもしれない。放射線ビームは、この種の物体の表面と直角をなす入射であるように、配列され得る。すなわち、放射線ビームは、物体の表面に、そして、この種の板厚方向において標準的に物体を通過する。放射線ビームが垂直であるより別の角度で物体を通過するように調整される場合、ビームは、物体内容物のビーム吸収及びそれ故、分析を改善することのできる物体内容物の増加した厚みを通過する。例えば、放射線ビームは、表面に対する垂線から離れて1°〜80°の間、好ましくは5°〜45°の間、そして、より好ましくは、5°〜30°間の角度で物体を通過するように、好ましくは調整され、物体が、上述のように1°〜80°の間、好ましくは5°〜45°の間、そして、より好ましくは、5°〜30°間の角度で取り付けられると、その後、一般に水平ビーム配列を使用することは、物体内容物を通すビーム経路長の期待される増大を与える。
【0056】
放射線ソースは、好ましくは、例えばX線及び/又はガンマ線のような高エネルギー電磁放射線、電離放射線などの高エネルギーの放射線を提供するためのソースを含み、検出システムはこのスペクトルの放射線を検波するために対応して構成される。放射線ソースは、例えば、広範囲にわたるエネルギーの上の広域スペクトル放射をもたらすことができるブロードバンドX線またはガンマ線ソースのような広帯域ソースである。
【0057】
本発明の一般の原則に従って、放射線は、ソース・スペクトルの範囲内で複数のエネルギーバンドにわたって分光学的に分解される。強度関連情報は、それがソースのスペクトルにわたる複数の分化したエネルギーバンドに同時に区別されるという点では複数の区別されたエネルギーバンドに分解される。好適なケースにおいて、入射放射線は、ソース・スペクトルの範囲内で、少なくとも3つ、より好ましくは、少なくとも5つのエネルギーバンドにわたり、分光学的に分解される。これは、モノクロのデータより強力な操作が可能なデータを生じさせることができる。
【0058】
スペクトルが複数のエネルギー箱に分解される限り、バンド幅は本発明に直接関連せず、有用な結果は、スペクトル(全体又は一部のスペクトル)を別々のバンドに分けるいずれの適切な方法によっても取得し得る。例えば、全てのスペクトル又はその本質的部分は、単に、この種の複数のバンド幅及び全てのバンドにわたる強度の代表的な測定として考えられる各々のデータ項目、そして例えば平均強度、で分けることができる。また、複数の比較的広いバンドは、その間で個別のギャップを有しても、同じ根拠で予測及び分析され得る。あるいは、「バンド」は、それらが単一のエネルギーで基本的に強度の評価に近い位置でも、狭くてよい。本文献で使用しているように、エネルギー「バンド」での強度の概念は、狭い又は幅広いバンド幅全体のエネルギーの強度の評価と同様に別個の単一のエネルギーでも、強度の評価を含む。
【0059】
検出器システムは、ソースのスペクトルにわたる複数の別個のエネルギーバンドに同時に入射放射線を区別するように構成されるという点では、入射する現出放射線が少なくともソースのスペクトルにわたって複数のエネルギーバンド、好ましくは少なくとも3、及び好ましくは少なくとも5つのエネルギーバンドに分解する程度まで、現出放射線についての分光学的情報を生成するように構成されている。検出器システムは、好ましくは、分光学的に分解可能な情報を入射放射線について検出し、収集することができる。検出器システムは、好ましくは、入射放射線のこの種の複数のエネルギーバンドへの同時分化を可能としており、このようにして分光学的情報が検索され得るソース・スペクトル及びソースのスペクトル全域の複数の区別されたエネルギーバンドで検出される強度情報の少なくとも一部にわたって分光学的で多様な反応を示す。
【0060】
ソースは、複数の帯域幅または単一エネルギーが確認され得る単一の広域スペクトル・ソースでもよい。あるいは、または、加えて、ソースは、狭帯域幅を有するか、本発明の方法に従って比較用の一部のエネルギーを提供するために一つ以上の別個のエネルギーで入射放射線を生成し、提供され得る。この場合、放射線ソースは、複数のエネルギー/エネルギーバンド全体の検出器によって分解能を許容するために広げられる必要な全体のスペクトルを提供する異なるエネルギーのソースの組合せからなる複数のソースである。
【0061】
例えば、複数のソースは、例えば60keV以下、例えば10〜50keVで動作する比較的低いエネルギー・スペクトルを有するX線ソース、及び例えば100keVを上回るより高いエネルギーで放射線を発生させる一つ以上の放射性同位体ソースを含む。
【0062】
ソースは、好ましくは本発明の性能のために必要なスペクトル分解能を有効にするために、十分に広域の放射線のスペクトルを発生させることができる。好ましくは、ソースは、20keV〜1MeVの範囲の少なくとも1以上の部分にわたって、そして、より好ましくは、例えば20keV〜160keVの範囲の少なくとも一部及び大部分にわたって放射線を発生させる。例えば、ソースは、所与の範囲の中で少なくとも20keVの少なくとも一つのバンド幅にわたって広がっている放射線を発生させる。例えば、スペクトルは、少なくとも3つの10keVのバンドがその範囲の中で分解され得るようなものである。
【0063】
検出器システムが、データ処理装置によって分光学的に分解可能な形で放射線を検出することを可能とすることは好ましい。望ましくは、検出器システム、又はマルチ要素システムを構成している一部又は全ての別個の検出器素子は、それが直接的な分光学的反応を示すという点で、分光学的分解能を生じさせるように構成され得る。なかでもシステム又は要素が、直接の材料特性、直接の可変の電気的な、例えばソース・スペクトルの様々な部分に対する光電反応として本質的に示す、選択された材料から作られる。
例えば、検出器システム又は要素は、半導体材料又は好ましくはバルク結晶、例えばバルク単結晶(この文脈におけるバルク結晶は少なくとも500μm、好ましくは少なくとも1mmの厚さを示す)として形成される材料を含む。半導体を構成している材料は、好ましくは、テルル化カドミウム、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、テルル化カドミウムマンガン(CMT)、ゲルマニウム、臭化ランタン、臭化トリウムから選ばれる。II−VI族半導体及び特にそれらのリストは、特にこの点に関しては望ましい。半導体を構成する材料は、好ましくは、テルル化カドミウム、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、テルル化カドミウムマンガン(CMT)及びそれらの合金から選ばれ、例えば、結晶構造のCd1−(a+b)MnZnTeを含み、ここでa+b<1であり、a及び/又はbはゼロであってもよい。
【0064】
これらの組合せ及びその他のこの種の材料は、物体及び内容物との相互作用の後、単に放射線の周波数を検出するだけであるよりはむしろ、分光学的検出をするかについて考慮され得る。
【0065】
更なる完全な本発明の態様において、物体の組成及び/又は同一性を識別する方法は提供され、それは、
スキャナ装置を調整して、本発明の第1の態様による動的な参照データベースをスキャナ装置に追加するステップと、
放射線ソースとそこから間隔を置いた放射線検出器システムとの間の走査ゾーンに未知の構成及び/又は同一性の物体を入れさせるステップと、
入射放射線との相互作用の後で、走査ゾーンにおける物体によってできる現出放射線のデータセットを取得するステップと、
ソースのスペクトルにおける複数の周波数帯にわたって収集された現出強度データを分光学的に分解するステップと、
分解された強度データを動的な参照データベースの強度データ項目と比較するステップと、
これにより物体の材料内容及び/又は同一性の徴候を取得するステップと、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0066】
本発明は、現在添付の図面に関してほんの一例として記載されており、
【図1】本発明が関係し得る、特に含まれた液体を走査するのに適しているスキャン装置の概略図である。
【図2】図1のスキャン装置から液体を識別するより完全なシステムの可能な実施例の一般の概略図である。
【図3】典型的な放射線ソース・スペクトルを例示し、それが本発明を実装するためにどのように複数のエネルギー箱に仕切られ得るかについて説明する図である。
【図4】他のこのようなシステムから収集されて、転送されたデータから図2において例示されたシステムのために調整されるデータの動的データベース・ライブラリの製造のための代表的なプロトコルを例示する図である。
【図5】図4のプロトコルために、標準物体を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1において例示される本発明の装置において、本発明の方法を利用する可能性のある装置の実施例または本発明の方法によって生成する動的データベースは、X線放射線を利用してボトル中の液体及びボトルのような物体を走査するためのボトルスキャナを含んで示される。
【0068】
図示の実施例では、本発明の原則は、マシンに、本方法の一例の方法でのマシン特有参照データセットを提供するために使用中に予測される。他の場合に、マシンに特有の測定値を標準参照に合わせることは、望ましい場合がある。他の装置コンディションのために調整されるデータレジスタの参照データに使用される所与の装置に関する測定されたデータを関連させる相対的なデータ校正を使うこれらの、そしてまた他の、実施例は、直ちに、相対的なデータ校正を使う他の実施例に下記の具体例の態様を適用することが可能である当業者によって予測されることができる。
【0069】
例示の実施例において、ボトルスキャナ10は、移動用の線形スライダ軸11に固定して接続しているボトルホルダ12を共に動かすために、線形スライダ軸11を備えている。線形スライダ軸11は、2つの方向にボトルホルダ12を動かすことができる。
【0070】
ボトルホルダ12は、ボトル16が静止される背もたれ部材13及びボトル16が位置する上面15を有するベース部材14を含む。ボトル16は、角度αで傾けられているホルダ及び線形スライダ軸によって、ボトルホルダ12に対して入れ子(はまるように)になっている。実施例において、これは、垂直線から15°の角度であるかもしれない。ボトルのために、5°〜30°の間のなす角度は、便利かもしれない。物体または容器の他の形状は、異なる最適な角度で保持されるかもしれない。
【0071】
ボトルホルダの背もたれ部材13は、ボトルから検出器まで通過するX線ビームのための明瞭な経路ができるように、好ましくは開口部(図示せず)を備えている。背もたれ部材13の開口部は、背もたれ部材の上部から一番下までの諸所のスロット形の開口であり得る。スロット開口は、一部のビーム・コリメーションに妨げられずに通過するビームを許容するのに十分であるが、いかなる散乱放射線も検出器22に達するのを制限するのに十分に狭い幅を提供する狭スロットであり得る。透過側のビームの付加的なまたは他の代替のコリメーションが設けられる可能性もある。
【0072】
ボトルホルダ12及び線形スライダ軸11に沿ったボトル16の動きは、電気駆動ステッパモータ23の回転によって生じる。モーター23は、プーリー24を回転させ、それは、次に、プーリー26の回転を駆動するベルト25を駆動させる。プーリー26の回転運動は、適切な駆動、例えばボトルホルダ12の線形動作を作る線形スライダ軸11中のネジ回し駆動(図示せず)の回転に変換される。
【0073】
モーターはいずれの方向の回転もでき、モーターの回転の方向を制御することによって、ボトルホルダ12及びボトル16の動作の方向は決定され得る。
【0074】
ボトルは、線形スライダ軸の方向に沿って移動するにつれて、X線ビーム19を通過させられる。入射ビーム19は、ソース18、好ましくは、それがビームで存在するエネルギーの広域スペクトルを有するように、タングステン・ソースによって発生する。
【0075】
X線ビーム19は、水平に位置合わせされる。ボトルが垂直線から角度αで傾けられるにつれて、ビームはボトルの表面に対して直角をなすボトルに当たらない。この好ましい配置は、それがボトル及びその内容物を通過するにつれて、ビームのための増加した吸収経路を与える。
【0076】
透過ビーム22がボトルから現出し、検出器20によって検出される前に吸収および散乱がビーム経路21に沿って起こる所で、入射ビーム19はボトル16及びボトル内容物17を通過する。
【0077】
X線ビームは、開口43を備えており、ソース18の近くに配置される第1のコリメータ41によって好ましくはコリメートされるものであり、好ましくは1次元の幾何学を有するペンシルビームである。
【0078】
透過X線ビーム20は、検出器22に到達する前に、第2のコリメータ42の適当な開口44によって好ましくはコリメートされる。
【0079】
検出器22は、好ましくは、コリメートされたX線ビームに位置合わせされる単一のピクセルである。検出器は、強度を代表する信号及び透過X線ビーム20からの光子との相互作用のエネルギーを生成する。下記の図2において詳述されるように、これらの信号はそれから処理される。
実施例において、検出器は、入射X線の分光学的分解が可能な材料を含み、中でも具体例は、当然のことながら代りの材料が利用可能であるが、テルル化カドミウム(CdTe)を含む。
【0080】
付加的な分析(解析)機能は、前方及び/又は後方に散乱されたX線ビームのそれらの部分を検出するために、追加検出器を用いて提供され得る。透過ビーム20及び前方散乱X線ビームは、線形または領域アレーを用いて検出され得る。
【0081】
図2の一般の概略図において、単一ビーム経路は、ただ簡単にするため示される。X線ソース18及び横方向に間隔を置かれた検出器装置アセンブリ22は、それらとの間に一緒に走査ゾーンZを規定する。使用中において、走査されるボトルまたは他の物体16は、図1に示されるボトルホルダなどの保持具に置かれてX線ビーム経路へと持ち込まれ、X線ビームがその軸に沿ってボトル16を通過するように、図1で説明したようなメカニズムによって、走査ゾーンを通る方向Xに移動される。
【0082】
図の例では、ボトル16は、走査ゾーンZに位置する。X線ソースからの入射ビーム19が例示される。この単純な概略図において、入射ビームは、ライン19によって代表される。透過ビーム20は、単一の検出器22での入射である。
【0083】
検出器22は、プロセッサ32を伴いデータ通信が整っている。検出器の材料の固有のスペクトル分解能によって、プロセッサ32がデータレジスタ33に保存されるエネルギーバンド境界線を参照することで、本発明の原則に従う複数の予め設定された周波数/エネルギーバンドにわたって差別的にこの画像を分解することができる。
【0084】
例示の実施例において、タングステンX線ソースが利用される。典型的スペクトルは、図3に例示する波長に対する初期強度のタングステンによって例えば発生するかもしれない。
【0085】
図3の主要な目的は、可能な実施例に従ってスペクトルが分解され得る2つの可能な方法を例示することである。いずれの場合においても、スペクトルは、5つの周波数バンドに分解されて示される。
【0086】
概略図は、スペクトルが分解されることのできる2つの方法を例示する。図3aにおいて、生成されたスペクトルの大部分は、5つの比較的広いエネルギーバンドb1〜b5に分けられる。図3bにおいて、個々のエネルギーにさえ接近し得る5つの比較的狭いバンドは、c1〜c5に規定される。どちらの選択肢も本発明の原則に矛盾せず、本発明の数値的な分析(解析)のために、また、好ましい実施例において、調査中の物体及び内容物に関する更なる情報を与える分光学的に分解された画像のために、役立つ結果を生成するあらゆる組合せが利用され得る。加えて、本発明の校正追加処理が主にデータ分析によって物体の内容物を識別する装置を目的とするにもかかわらず、装置はまた、未知の物体の識別を援助するために画像化機能を提供することができる。この種の画像化の原理は、周知である。画像化機能が用いられる場合、分光学的分解能は分光学的に分解された画像を出すために同じように用いてもよい。例えば、図3において例示されるスペクトル境界の一つまたはその他は、分光学的に分解された画像が、調査中で物体及び内容物に関する更なる情報を伝えるために用いられ得た。
【0087】
例示の実施例において、同じ原理は様々なボトル及び未知の内容物のための一般の強度データを生成して、周知のボトル及び内容物のための強度データのデータベースに追加するために用いてもよい、そして、このように調査中の未知のボトルの物質的な内容を特徴付けて識別する。例示の実施例において、データは、数値的に分析される。プロセッサ32はさらに、例えば図3aまたは3bの一連の識別された周波数バンドに関して働き、そして、この機能において、その後記憶のための強度データ項目レジスタ34に通される、各バンドにおける透過強度の、代表的な数量化や例えば平均を生成するためにデータを利用する。
【0088】
グローバルな参照データベースに追加する第1の段階において、データのライブラリは、様々な周知の液体/入れ物の減衰を走査して、判定することによって、周知の容器の周知の組成の含まれた液体のための強度情報の中で生成される。対象の液体のための正確で迅速なマッチングプロセスを、それによって与えることで、データベースは、参照情報を、有り得そうな様々な液体/入れ物の組合せに提供する。このような方法で、走査された入れ物は特徴(特性)データベースと識別対象の液体に対してマッチングされ得る。この種のライブラリは以下、詳細に記載される。
【0089】
未知なる含まれた液体を含む被験物体は、それから第2の段階において走査され得る。
【0090】
コンパレータ36は、従ってデータ37のライブラリを有するボトルの深さを介して作り出されるデータを比較する。データのライブラリは、事前に格納された、透過された強度の予想される減衰に関連又は依存する、類似する又は数値的に相当する本質(特質)のデータを含み、例えば様々な材料及び、とりわけ指定された対象材料のための質量減衰定数を含んでいる。データのライブラリは、異なる経路長の多数の順列のための放射線ソースのスペクトルにわたって周知の入れ物(容器)に周知の組成の含まれた液体のための強度情報を含む。これは、手動でまたは自動的に対象にされたライブラリであってもよい。データは、プレインストールされ得るか、または発生することができるか、または周知の材料を有する装置の動作によって、時間とともに加えられるかされる。
【0091】
この比較によって、推論は、透過パスにおける、有り得そうな材料内容を導き出し得る。これは表示手段38に表示可能である、または、走査サイクルが後述するように完了されるまで、表示は好ましくは遅れる場合がある。
【0092】
図4は、上記に従って第1のシステム(システムA)に生成される参照情報が上記に従って第2のシステム(システムB)へ転送され得、第2のシステムの物理的特性に動的に校正される参照データを作る方法で動的に調整され得る妥当なプロトコルの単純な概略図である。このように、上述した第1及び第2の段階は、データ互換性の損失なしに異なるシステムにより直ちに実行され得る。図4の実施例プロトコルは、実施例装置に適用できる実施例プロトコルまたは本発明の原則を実施している参照データベースが適用されることができた他のいずれかの装置でもあり、実施例装置に限られない。
【0093】
校正される(フローチャート上の「システムB」を構成する)マシン上の動的データベースに追加するために複数のマシンまたはマシンコンディションM1(M2など(フローチャート上の「システムA」を構成している各々))による転送可能なデータベースの追加及びこのデータベースの使用を考慮すると、以下の一般の考察は、従うべきプロトコルについて行い得る。
【0094】
マシンが、マシンコンディションM1の第1のセットのために追加される前に、校正手順は校正データセットCDMiを生成するために追随される。校正データセットは、複数のエネルギー箱で複数の走査コンディションのための校正データ項目を含む。好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも5つのエネルギー箱が、各々のデータ項目のために用いられる。望ましくは、少なくとも5つのデータ項目は、データを様々な標準物体材料及び/又は厚みを求めて調べることに対応して集められる。便利な実施例において、一つの均一な材料の標準物体は、少なくとも5つのこのような別個の厚みを含んで使用され得る。
【0095】
実施例標準物体は、図5に示される。これは、標準の段階状のブロック、ナイロン材料のウェッジ(楔)ブロックを備えている。これは、優れた再現性を与える標準物体の複数の別個の厚みを提供する。基本的に同一の標準物体は、このように、基本的に同一の標準に多数のシステムを校正するために提供され得る。
【0096】
集団データセットPDM1を含むために、様々な走査項目のための転送可能な強度関連の情報の組成データベースが、その後生成される。集団データセットを形成している各々の構成要素のために、走査は関連した走査項目の中で実行され、そして、現出強度データはエネルギー箱の複数に分解される。走査項目のためのデータを校正データと関連付けることができるために、これらのエネルギー箱が校正ステップで使用するそれらと同一であることは、好ましいと予想される。
【0097】
この集団データセットPDM1は、CDM1に相互参照された方法を結びつけた。
【0098】
本方法は、更なる校正データセット(CDM2など)に結ばれる更なる走査項目のための更なる集団データセット(PDM2など)を生成するために、第2及び次のマシンコンディションのために繰り返され得る。本文献において言及される異なるマシンコンディションは、異なる動作パラメータその他の下で例えば、異なるマシンに発生する集団、異なる時間に同じマシンに発生する集団を含むことができる。
【0099】
従って発生したマルチ組成データベースPDM1、PDM2は、グローバルな転送可能データベースTDに合併され得る。グローバルな転送可能なデータベースの各々のデータ項目は、そのデータセットができた時点で、生成した校正とリンクされたままである。グローバルな転送可能なデータベースは、このように、同じ標準の校正プロトコルをとることを受ける同じ一般のタイプのいかなる付加的なマシンにも対する本発明の第1の態様の相対的な校正手順によって、そして、各々のデータ項目に対する適切な伝達関数のアプリケーションに転送可能である。これは、フローチャートのシステムBへの転送を表す。
【0100】
これを実行するために、転送データベースTDは、校正/追加されるシステムBマシンによって、アクセスできる適切なデータレジスタに保たれる。データベースは、局所的にされ得る転送、例えば、システムBマシンの一部を含むデータレジスタ、またはそれに対して局所的に位置を決めたか、マシンとのデータ通信その他でされるか、または、分散ネットワークを経てアクセスされる中央データベース上の実施例のためにされる。
【0101】
コンディションMxの使用可能なセットが与えられているシステムBマシンを校正するために、校正手順は、校正データセットCDMxを生成するために追随される。手順に従う全ての校正データセットは、数値的に互換の方法で生成され、例えば図5のブロックウェッジのような同一の校正標準を使用している。これは、生成に利用されるそれぞれの校正データセットCDM1、CDM2と追加されるべきシステムBマシンの校正データセットCDM1の間の数値的関係を抽出することにより、グローバルなデータセットを構築する集団データセットPDM1、PDM2それぞれのための伝達関数を発生させることを可能にする。
【0102】
適切な転送機能は、それがより正確にシステムに発生する、マシンコンディションMxの下で追加されるシステムBマシン上で生成される予想されるデータ項目を反映するために、修正ファクタを転送可能なデータベースの各々のデータ項目に適用する機能を含む。
便利な実施例において、伝達関数は、追加されることをマシンの動的データベースに適用できるようにするために転送可能なデータベースからスケーリングファクタをデータ項目に適用するために各々のエネルギー箱で単純な正常化ステップを実行することを含むことができる。
【0103】
このように、図中のシステムBは、動的にマッチされて有用な方法のシステムAに由来する複数の基準ソースによって追加され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査ゾーンにおいて物体に入射放射線を作用させることにより前記物体を走査して、前記物体との相互作用の後に分光学的に分解されて現出する放射線の強度情報を収集する装置によって作られるデータセットの校正の方法であって:
複数の周波数帯に分光学的に分解される少なくとも一つの標準の物体の前記走査ゾーンにおける相互作用の後に生成される現出する放射線強度情報の装置コンディションの特有の校正データセットを生成するステップ;
可能な構成要素材料の範囲のための現出する強度情報の転送可能なデータ項目のデータセットを含む転送可能なデータベースを追加するステップであって、各々のデータ項目は、複数の周波数帯に分光学的に分解される前記材料のための現出する放射線強度情報を含み、かつ各々のデータ項目は、複数の周波数帯に分光学的に分解される前記データ項目を生成するのに用いる前記装置コンディションに特有の前記少なくとも一つの標準の物体によって生成される現出する放射線強度情報の校正データセットとリンクする、ステップ;
装置コンディションの範囲のために前記ステップを任意に繰り返すステップ;
各々の転送可能なデータ項目のために、参照する装置コンディションのために複数の周波数帯に分光学的に分解される少なくとも一つの標準の物体の前記走査ゾーンにおいて相互作用の後に生成される現出する放射線強度情報の参照校正データセットを定義するステップ;
前記データ項目とリンクする前記校正データセットと前記参照校正データセットとの間の機能的関係から伝達関数を生成するステップ;
前記参照校正に適応する動的データ項目を生成するために前記伝達関数を前記転送可能なデータ項目に適用するステップ;を含み、
これにより、前記参照校正に各々動的に適応する可能な構成要素材料の範囲のための現出する強度情報のデータ項目のデータセットを含む動的データセットを有するデータレジスタを追加する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記校正データセットを生成するステップの間、
校正が適切な伝達関数の生成によってそれらの間で適合され得るように、少なくとも2つの標準の参照ポイントに関連して複数の周波数帯に対して参照データが生成される。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
複数の材料厚み及び/又は複数の材料組成物での校正測定のための校正ステップを備える。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
複数の標準の物体は、異なる周知の厚み及び/又は組成が提供される。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の方法において、
標準の物体が提供され、異なる周知の厚み及び/又は組成の複数の部分を定めている複数の標準の基準点を定める。
【請求項6】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
参照校正データセットが使用される装置およびデータセットが使用される装置のための装置コンディション特性校正データセットを生成してなる参照校正を定めるステップの校正に基づくという点で、動的に調整されたデータセットが参照データレジスタに追加するために用いるいかなる方法は使用中に装置の装置コンディションに適応する。
【請求項7】
特定の次のステップを含む請求項6に従う方法は、
データ項目に連結される校正データセットおよび調整される装置のために発生する校正データセットの機能的な関係から伝達関数を生成するステップと、
動的なデータ項目を生成するために伝達関数を転送可能なデータ項目に適用することは、調整される装置に適応した;
これにより、各々動的に可能な構成要素材料の範囲のための現れる強度情報のデータ項目のデータセットを含む動的なモデムで調整される装置によってアドレス指定可能なデータレジスタに追加することは、調整される装置に適応した。
【請求項8】
請求項1から5のうちの一つに記載の方法において、
前記動的に調整されたデータセットが使用される装置によって発生する参照標準(しかしながら定められる)およびデータに関して調整され、そのままに集められて参照校正に合う。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
使用される装置上の各々の測定されたデータ項目のために、特定の追加ステップを含み、
使用される装置に連結される校正データセットおよび参照校正データセットの機能的な関係から伝達関数を生成するステップと、
データ項目を生成するために伝達関数を測定されたデータ項目に適用し、参照校正に適応するステップと、
を備える。
【請求項10】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
校正ステップが加えて、更に様々な状況の範囲以上のツール反応を修正するために変更される。
【請求項11】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
伝達関数がデータおよび装置のための標準の結果によって追加されるために装置のための標準の結果の数の比較によって発生する方法は、各々のデータ項目を生成したものである。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
追加される装置および所与のデータ項目を生成するために使用する装置のための標準の校正データのための標準の校正データ上の評価の基準が線形であるか、対数関数的であるか、他の適切なルーチンから選ばれる適切なルーチンに展開によって伝達関数を生成するために組み合う。
【請求項13】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
物体は、単一の一般に均一な構成を有すると思われる、混合物、溶液、エマルジョン類、懸濁液その他、エアゾールその他を含む例えば液体のような流体組成物、ゲル類、ペースト、クリーム、微粉末、及び同類のもの、エアロゾルその他、のような流動可能な組成物を有する材料が含まれている入れ物を含む。
【請求項14】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
転送可能なデータベースが一つ以上の方法の間、集団データ項目の生成によって構築されるいかなる前の請求項にも従う方法は、以下を含む:
その物体のための機械の特定の動作およびその第一のための機械の動作は、物体を意味した。
【請求項15】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
方法が更なる次のステップを含む
分光学的に周知の材料合成及び/又は識別の物体のスキャナ・ゾーンに中で相互作用の後で発生する現れる放射線強度情報から成る材料特定転送可能データ項目を生成することは、複数の周波数帯に分解した;
材料特定転送可能データ項目を以前に発生する装置特定校正データセットに連結すること;
更に転送可能なデータベースに追加するために転送可能なデータベースに前述の情報を渡すこと。
【請求項16】
入射光にスキャン・ゾーンの物体に影響を与えさせて、物体との相互作用の後で放射線の分光学的に分解された現れる強度情報を集めることによって物体を走査するための、そして、そこから引き出される動的なリファレンス・データベースを有する特定の装置に追加する装置のための転送可能なリファレンス・データベースの生成の方法は、次のステップを含む
分光学的に少なくとも一つの標準の物体のスキャン・ゾーンの相互作用の後で発生する現れる放射線強度情報の装置特定の校正データセットを生成することは、複数の周波数帯に分解した;
分光学的に周知の材料合成及び/又は識別の物体のスキャン・ゾーンの相互作用の後で発生する現れる放射線強度情報から成る材料特定転送可能データ項目を生成することは、複数の周波数帯に分解した;
材料特定転送可能データ項目を装置特定校正データセットに連結すること;
前の2つを繰り返すことは、可能な構成要素材料の範囲のための現れる強度情報の転送可能なデータ項目のデータセットから成る転送可能なデータベースに追加するために、周知の材料合成及び/又は識別の複数の物体のために進む;
更に転送可能なデータベースに追加するために任意に更なる装置のための全ての前述のステップを繰り返すこと;
転送可能なデータベースをいかなる前の請求項もの方法に適用すること。
【請求項17】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、記載の方法において、
理論上のテストおよび/または設計最適化物体のための仮想装置がいかなる前の請求項もの方法に従って動的データベースを備えているいかなる前の請求項にも従う方法。
【請求項18】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
一つ以上の標準のオブジェクトが複数の具体的な厚みで校正測定を提供して用いられるいかなる前の請求項にも従うおよび/または複数の材料組成物のための方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
標準の物体は、複数の別個の厚みを有する1塊の標準の周知の材料を含む。
【請求項20】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
標準の物体が仮想標準の物体である。
【請求項21】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
第1の標準の物体が転送可能なデータベースおよび基本的に同一の第2の標準の物体のためのデータを生成する第1のシステムを調整するために用いるいかなる前の請求項にも従う方法は、調整されるシステム上の校正データセットを得るために用いて、動的データベースによって追加される。
【請求項22】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
放射線は物体を横切って分光学的に分解して、ソース・スペクトルの範囲内で同時に少なくとも5つのエネルギーバンドに分化する。
【請求項23】
前記いずれかの請求項に記載の方法において、
放射線が横切って分光学的に分解されて、検出器を用いてソース・スペクトルの範囲内で複数のエネルギーバンドに同時に区別される方法は、少なくとも詳細な分光器の情報が検索されることができている放射線ソースの範囲の相当な一部全体の分光学的に多様な反応を示す。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
システムAからシステムBへの測定されたデータのコンバートのための伝達関数を産出する検出器がテルル化カドミウム、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、テルル化カドミウムマンガン(CMT)、及びそれらの合金から選択される材料を含む。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、
結晶構造のCd1−(a+b)MnZnTeを含み、ここでa+b<1であり、a及び/又はbはゼロであってもよい。
【請求項26】
物体を識別する方法または物体の同一性は、提供される、それは、スキャナ装置を調整して、請求項1〜14のうちの1つに従う動的な参照データベースを有するスキャナ装置に追加することから成る;
未知の構成及び/又は同一性の目的に放射線源および放射線検出器システム間のスキャナ・ゾーンに入れさせられることは、そこから間隔を置いた;
入射光を有する相互作用の後で、走査ゾーンにおける物体によってできる現れる放射線のデータセットを得ること;
分光器でソースの範囲の複数の周波数帯全体の収集した現れる強度データを分解すること;
分解された強度データを動的な参照データベースの強度データ項目と比較すること;
これにより、材料内容/徴候または物体の同一性(正体)を得ること。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2013−517466(P2013−517466A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548474(P2012−548474)
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050021
【国際公開番号】WO2011/086366
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(507282783)クロメック リミテッド (23)
【住所又は居所原語表記】NetPark Incubator, Thomas Wright Way, Sedgefield, County Durham TS21 3FD (GB)
【Fターム(参考)】