説明

データ伝送システムおよびデータ伝送装置

【課題】伝送路のレーン数の動的な変更を可能とし、また、省電力化を実現することが可能なデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を提供する。
【解決手段】それぞれ内部にx本の仮想レーンを持ち、n本の伝送レーンによって通信を行う送信機1および受信機2を備える。送信機1は、送信データの短期的な変動および長期的な変動を検出する流量監視部および流量計測部を持ち、これに基づいて必要最低限の使用レーン数を決定すると共に当該情報を仮想レーン上でマーカーに埋め込んで送信し、受信機2は、このマーカーを抽出することで必要最低限の使用レーン数を認識する。送信機1および受信機2は、この必要最低限の使用レーン数を用いて通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送路を介してデータを伝送するデータ伝送システムおよびデータ伝送装置に関し、特に、伝送路のレーン数や光多値数を変更可能なデータ伝送システムおよびデータ伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及を背景に、通信速度の高速化が求められている。また、通信速度の高速化が図られる一方、消費電力の増大が問題となっている。高速伝送路を形成する回線集約型の通信では、パケットからフロー単位でデータフレームを生成し、さらに伝送路符号を用いて物理媒体上に送受信することでデータ伝送を行っている。ここで言うフローとは、例えば、送信フレームの送信元アドレス、宛先アドレス、適用アプリケーションなどの組み合わせによって区分される一連のデータフレームを示しており、データ伝送(フレーム伝送)に際して、フロー間には特別な関連性は要求されない。
【0003】
こうした中、特許文献1には、フレームを形成するフレーム生成部において、例えばパケット量に応じて並列する処理部を休ませる省電力化手法が記載されている。具体的には、フレームからパケットを抽出するといったフレーム単位の処理を行う送受信処理回路や、その上位階層でIPアドレスに基づく転送処理などを行うパケット処理回路などにおいて、供給するクロック信号の周波数を適宜変更することで省電力化を図っている。また、特許文献2には、複数の低速回線を常用回線と予備回線とに設定し、転送量に応じた数の予備回線を使用することにより、通信コストを削減し、信頼性を確保した通信方式、通信制御装置が示されている。
【0004】
また、特許文献3には、ユーザの要望に応じて帯域設定、回線の通信容量設定が可能かつ、使用可能な回線を自動的に判別できる可変通信容量のデータ伝送装置が記載されている。具体的には、データ列を符号ブロック単位に複数本の仮想レーンに分割し、中継器においてレーン数を変換する度にレーン間の伝送距離の差、又は光伝送の場合は各レーンの光波長によって発生するレーン間スキューを補正することで、伝送容量を一定としながら、伝送レーンの本数を変更可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−228490号公報
【特許文献2】特開2002−290489号公報
【特許文献3】特開2006−253852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、例えばフレーム生成部で生成されたフレームを受信し、符号化処理、パラレル/シリアル変換等を行って伝送路に送信するといった、データをビット列として扱う処理部では、符号化処理されたビット列のデータを伝送路に常に送信する必要があるので、一律に伝送レーンの100%の帯域を占有し、無駄な電力消費が多いという課題がある。また、データ列を停止するとリンクが切断されるので、単純に処理回路を停止することは出来ない、という課題がある。
【0007】
上記の課題を解決するために、通信に使用していないチップへの電源供給を制御する技術や、データ伝送量に応じて伝送速度や伝送レーン数を制御する技術などが開発されている(特許文献2、3参照)。しかしながら、データ伝送量を判断するための計測技術の開発や、伝送レーン数の切り替えや処理回路の起動/停止の切り替え時間が長い、という問題がある。
【0008】
例えば、特許文献2の技術では、送信データのバッファ制御部の書き込みポイントと読み出しポイントの差分を観察し、規定値以上/以下の差分を検出しているので、直近の流量しか観察できないため、規定値によっては回線の切り替えが頻発することによるBER(ビットエラーレート)の増加の可能性がある。この場合、誤り訂正用回線を別個に設ける必要性や、予め切り替えを予測するためのスケジューラ等を設ける必要性がある。また、特許文献3の技術では、レーン構成の自由度を向上させる伝送システムを提供しているが、具体的な制御方法及び、省電力化には言及していない。
【0009】
そこで、本発明の目的の一つは、伝送路のレーン数の動的な変更を可能とし、また、省電力化を実現することが可能なデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を提供することにある。本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
本実施の形態によるデータ伝送システムは、送信機と、送信機との間にN本の伝送レーンを持つ受信機とを備える。送信機は、送信バッファ部とX本(X>N)の第1仮想レーンとを含み、送信バッファ部に書き込まれた送信データをX本の第1仮想レーンに分配したのち、N本の伝送レーンに多重化することで送信データを送信する。受信機は、受信バッファ部とX本の第2仮想レーンとを含み、N本の伝送レーンを介して伝送された送信データをX本の第2仮想レーンに分離したのち、受信バッファ部に書き込む。ここで、送信機は、さらに、送信データの長期的な流量の変化と短期的な流量の変化に基づいてX本の第1仮想レーンの中から使用する必要最低限の仮想レーンを決定する第1手段と、X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して前述した必要最低限の仮想レーンを示す情報をマーカーとして挿入するマーカー挿入部とを備える。また、受信機は、さらに、X本の第2仮想レーン上を伝送するデータ列から前述した必要最低限の仮想レーンを示す情報を含んだマーカーを抽出するマーカー解析部を備える。そして、これによって、送信機と受信機が、前述した必要最低限の仮想レーンを用いて通信を行うことが特徴となっている。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、送信データの流量を計測することで必要最低限の使用レーン数を用いた通信が可能となる。また、これに伴い不要な回路動作を停止させることができるので、省電力なデータ伝送システムが実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、その構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、図1とは異なる構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態2によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図7】図3における流量計測部の動作例を示す説明図である。
【図8】図5の送信機における変調部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図9】図6の受信機における検波部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、その構成の一例を示すブロック図である。図1に示すデータ伝送システムは、送信機1(データ伝送装置)と受信機2(データ伝送装置)を備える。送信機1には、受信機2へ送信される送信データフレーム(以下、送信データと記載する)が入力される。送信機1は、入力された送信データをn本の伝送レーン(物理レーンとも呼ぶ)の一部または全部に分割して出力する。また、送信機1には、受信機2が出力する符号情報や場合によってはレーン情報が専用回線を介して入力される。
【0016】
受信機2には、n本の物理レーンによって構成される伝送路を介して送信機1が接続され、伝送路を介して送信機1から出力されたデータが入力される。受信機2は、入力されたデータを受信データフレーム(以下、受信データと記載する)として出力する。また、受信機2は、送信機1に向けて使用可能な符号情報や、場合によってはレーン情報を専用回線を介して通知する。すなわち、本実施の形態のデータ伝送システムでは、符号情報は、送信機1と受信機2の間で伝送路および専用回線を介してネゴシエーションされる。一方、レーン情報は、送信機1から受信機2に向けて伝送路を介して一方的に通知されるか、あるいは、これに加えて、受信機2から送信機1に向けて専用回線を介した通知も行われる。なお、nは2以上の整数である。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、図1とは異なる構成の一例を示すブロック図である。図2に示すデータ伝送システムは、送信機1と受信機2を備える送受信機3(3−1,3−2)(データ伝送装置)を備える。図2に示すように、送受信機3−1と送受信機3−2との間には、方向が異なる2つの伝送経路がある。
【0018】
図2のデータ伝送システムは、対向する逆方向の伝送経路を利用して、受信機2が出力する使用レーン通知を送信機1に出力することが、図1の構成例とは異なる。また、図2のデータ伝送システムは、対向する逆方向の伝送経路を利用して、受信機2が出力する符号情報通知を送信機1に出力することが、図1の構成例とは異なる。すなわち、図2の構成例では、例えば、送受信機3−2内の受信機2が符号情報をネゴシエーションする場合、その情報が、送受信機3−2内の受信機2→送受信機3−2内の送信機1→送受信機3−1内の受信機2→送受信機3−1内の送信機1という経路で伝送される。それ以外の構成は図1と同様であるため説明を省略する。
【0019】
本実施の形態のデータ伝送システムは、詳細は後述するが、使用する伝送レーンの本数を可変制御可能なものとなっている。これに伴い送信機1と受信機2で、使用する伝送レーンの位置を共通認識する必要があるが、この共通認識を行うためのレーン情報の通知を一方向とするか双方向とするかは、本実施の形態のデータ伝送システムにおいては特に問わない。一方向の場合の例として、例えば次のような方式が挙げられる。まず、送信機1がn本の伝送レーンのいずれを使用するかを決定し、この決定した情報を伝送レーンを介して受信機2に通知する。次いで、受信機2は、この決定した情報を認識し、当該情報に応じて自身の内部回路の設定を適宜変更する。そして、送信機1および受信機2において内部回路の設定変更に要する時間を適切に確保したのち、この決定した情報に基づく通信が有効とされる。
【0020】
一方、双方向の場合の例として、例えば次のような方式が挙げられる。第1の例として、まず、送信機1がn本の伝送レーンのいずれを使用するかを決定し、その決定した情報を伝送レーンを介して受信機2に通知する。受信機2は、この決定した情報を了承する場合、当該情報に応じて自身の内部回路の設定を適宜変更した後、送信機1に向けて変更が完了した旨を通知する。送信機1は、この通知を受けて、自身の内部回路の設定を適宜変更した後、この決定した情報に基づく通信が有効とされる。
【0021】
また、双方向の場合の第2の例として、受信機2がn本の伝送レーンのそれぞれに生じた障害を検出する機能を備えることを前提とし、まず、受信機2が送信機1に向けて、障害が発生した伝送レーンを通知する。送信機1は、この障害が発生した伝送レーンを回避しつつ、n本の伝送レーンのいずれを使用するかを決定し、その決定した情報を伝送レーンを介して受信機2に通知する。受信機2は、この決定した情報を認識し、当該情報に応じて自身の内部回路の設定を適宜変更する。そして、送信機1および受信機2において内部回路の設定変更に要する時間を適切に確保したのち、この決定した情報に基づく通信が有効とされる。または、第1の例のように、受信機2が、自身の内部回路の設定を適宜変更した後、送信機1に向けて変更が完了した旨を通知することで、この決定した情報に基づく通信が有効とされる。
【0022】
このような方式の違いに応じて、後述する送信機1や受信機2における各種機能ブロックが実際に動作を行う際の順序関係等は適宜異なることになるが、以降の説明では、前述した一方向の場合を例として説明を行う。ただし、順序関係等を適宜調整することで、双方向の場合に適用することも可能である。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機1の詳細な構成例を示すブロック図である。当該送信機1は、前述した図1または図2の送信機1に該当する。図3に示す送信機1は、送信バッファ部10、流量監視部20、流量計測部21、符号化部30(30−1〜30−x)、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)、マルチプレクサ部60、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)、電気−光変換部80(80−1〜80−n)、及び送信レーン数制御部90を備える。なお、xは、望ましくはnよりも大きい2以上の整数であり、例えばx=20、n=10等である。但し、場合によっては、xはnと同一でも構わない。
【0024】
まず、送信機1のデータフローを説明する。送信データは、送信バッファ部10と流量計測部21とに入力される。また、受信機2からのデータ列が送信レーン数制御部90に入力される。送信バッファ部10は、符号化部30(30−1〜30−x)と、送信レーン数制御部90へデータ列を出力する。符号化部30(30−1〜30−x)は、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)へデータ列を出力する。送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)は、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)へデータ列を出力する。
【0025】
マーカー挿入部50(50−1〜50−x)は、マルチプレクサ部60へデータ列を出力する。マルチプレクサ部60は、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)へデータ列を出力する。パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)は、電気−光変換部80(80−1〜80−n)へデータ列を出力する。電気−光変換部80(80−1〜80−n)は、伝送路へデータ列を出力する。流量計測部21は、送信レーン数制御部90へデータ列を出力する。送信レーン数制御部90は、送信データの送信元と、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)と、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)と、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)と、電気−光変換部80(80−1〜80−n)へデータ列を出力する。
【0026】
次に、送信機1における各部の詳細な動作例を説明する。送信データは、送信バッファ部10と流量計測部21とに入力される。ここで、送信バッファ部10は、送信バッファ部10に蓄積されたデータのバッファ量の時間的変移を観察することで送信データの流量を計測する流量監視部20を備え、流量監視部20は、送信レーン数制御部90に対し送信データ流量情報を送信する。
【0027】
流量計測部21は、送信データの流量の移動平均値を観測し、送信レーン数制御部90に対し送信データ流量情報を送信する。例えば、送信データの8ビットデータを含むブロック数をマーカー周期で計測する。図7は、図3における流量計測部の動作例を示す説明図である。図7に示すように、過去のmマーカー周期分の計測値の合計を平均送信流量とし、平均計測期間を次のようにする。
平均計測期間≧切替時間+切替判定周期
そして、切替判定周期毎に移動平均をとることで、必要最低限の使用レーン数の決定を行う。
【0028】
使用レーン数の決定は、望ましくは、平均送信流量にレーン数を切り替えるための増加と減少の閾値を定義し、ヒステリシス特性を持たすことで切替が頻発することを防ぐ。また、流量監視部20で計測されたバッファ量の時間的変移に、レーン数を切り替えるための増加と減少の閾値を定義し、ヒステリシス特性を持たすことで切替が頻発することを防ぐ。
【0029】
送信レーン数制御部90は、送信データの流量の情報を流量監視部20と流量計測部21とから受信し、受信した送信データの流量の情報に基づき、必要最低限の使用レーン数を決定する。そして、送信レーン数制御部90は、決定した必要最低限の使用レーン数情報を、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)とマーカー挿入部50(50−1〜50−x)とパラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)と電気−光変換部80(80−1〜80−n)とに出力する。なお、送信レーン数制御部90は、場合によっては、受信機2から障害レーン情報を受信し、当該レーンを使用しないように、送信レーン数可変対応部40、マーカー挿入部50、パラレル/シリアル変換部70、ならびに電気−光変換部80に対して要求する。
【0030】
さらに、送信レーン数制御部90は、後述する受信機2の受信レーン数制御部170から送信された符号情報を受信し、これに基づき、使用する符号(例えば、FEC(Forward Error Correction)符号)を決定する。すなわち、受信機2との間で共通の符号を使用できるようにネゴシエーションを行う。ただし、本実施の形態のデータ伝送システムは、必ずしも符号を限定するものではなく、FEC符号以外であってもよいし、場合によっては符号を使用しなくてもよい。送信レーン数制御部90は、決定した符号情報に基づき、使用符号情報(符号を使用しない場合にはその旨)を送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)とマーカー挿入部50(50−1〜50−x)と、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)と電気−光変換部80(80−1〜80−n)とに出力する。
【0031】
さらに、送信レーン数制御部90は、決定した必要最低限の使用レーン数情報に応じて、送信データの送信元に対し、ポーズ信号を送信する。送信データの送信元は、受信したポーズ信号に基づいて、送信データの送信を停止する。ただし、一定時間後、送信データの送信を開始する。
【0032】
符号化部30(30−1〜30−x)は、送信バッファ部10から入力された伝送データのデータ列を伝送符号(例えば、64B/66B符号)に変換して、その伝送データを送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)に出力する。なお、伝送符号の種類は、特に限定されず、64B/66B符号以外のものであってもよい。
【0033】
送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)は、符号化部30(30−1〜30−x)より、符号化されたデータのビット列を受信し、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、レーン数の切り替えに対応し、データのビット列をマーカー挿入部50(50−1〜50−x)に出力する。例えば、x本の伝送レーンのうち、必要最低限の使用レーン数がx−5本であった場合、5本を不使用レーンと判断し、後段のマーカー挿入部50(50−1〜50−x)やパラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)、電気−光変換部80(80−1〜80−n)などにおいて、これに対応するレーンを不使用とする。また、送信バッファ部10から送信される送信データは、使用レーンだけに詰め込むように制御し、不使用レーンには有効な送信データがない状態にすることで、不使用レーンの動作を停止することが可能となる。また、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)は、符号化部30(30−1〜30−x)より、符号化されたデータのビット列を受信し、送信レーン数制御部90より受信した使用符号情報の要求に対して、符号の切り替えに対応し、データのビット列をマーカー挿入部50(50−1〜50−x)に出力する。
【0034】
マーカー挿入部50(50−1〜50−x)は、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)より、符号化されたデータのビット列を受信し、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、必要最低限の使用レーン数情報を含んだマーカーを送信データのビット列に挿入する。また、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)は、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)より、符号化されたデータのビット列を受信し、送信レーン数制御部90より受信した使用符号情報の要求に対して、使用符号情報を含んだマーカーを送信データのビット列に挿入する。
【0035】
マルチプレクサ部60は、x個のマーカー挿入部50(50−1〜50−x)から入力された送信データを、伝送路における伝送レーンの数(n本)に多重化し、多重化された送信データを伝送路に出力する。パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)は、マルチプレクサ部60から入力されたデータのビット列をパラレルからシリアルへ変換し、電気−光変換部80(80−1〜80−n)に出力する。また、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)は、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に応じて、使用しない伝送レーンに対応する回路(回路動作)を停止(非活性化)し、使用する伝送レーンに対応する回路(回路動作)を起動(活性化)する。例えば、n番目の伝送レーンを使用しない場合には、パラレル/シリアル変換部70−nの回路動作を停止する。具体的には、例えば、パラレル/シリアル変換部70−nにおける一部または全部の回路に対する電源やバイアスの供給を停止したり、あるいは、入力信号を不変とし、スタンバイ状態にする等が挙げられる。
【0036】
電気−光変換部80(80−1〜80−n)は、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)から入力されたデータのビット列を、電気信号から光信号に変換し、伝送路に出力する。また、電気−光変換部80(80−1〜80−n)は、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、使用しない伝送レーンに対応する回路を停止し、使用する伝送レーンに対応する回路を起動する。例えば、n番目の伝送レーンを使用しない場合には、電気−光変換部80−nの回路を停止する。具体的には、例えば、電気−光変換部80−nにおける一部または全部の回路に対する電源やバイアスの供給を停止したり、あるいは、入力信号を不変とし、スタンバイ状態にする等が挙げられる。
【0037】
ここで、送信バッファ部10の出力からマルチプレクサ部60の入力に到るまでのx本の経路は、仮想レーンと呼ばれる。一方、マルチプレクサ部60の出力からのn本の経路は、物理レーンと呼ばれる。x本の仮想レーンのそれぞれとn本の物理レーンのそれぞれの対応関係は、マルチプレクサ部60によって定まっている。したがって、必要最低限の使用レーン数情報に基づいてx本の仮想レーンの中から使用する仮想レーンの位置が定まれば、n本の物理レーンの中から使用する物理レーンの位置も定まり、その逆の関係も成り立つ。
【0038】
このように、本実施の形態による送信機1は、送信データの流量を観測することで、流量に応じた必要最低限の使用レーン数を決定し、送信レーン数制御部90からの要求により、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)とマーカー挿入部50(50−1〜50−x)では必要最低限の使用レーン数情報、及び使用符号情報を含んだマーカーをデータのビット列に挿入し、伝送路へと出力する。この送信データの流量を観測するに際し、流量監視部20による短期周期での観測と、流量計測部21による長期周期での観測を併用することで、例えば、必要以上にレーン切り替えが発生するのを防止することが可能となる。
【0039】
また、本実施の形態による送信機1は、送信データの流量を観測することで、流量に応じた必要最低限の使用レーン数を決定し、送信レーン数制御部90からの要求により、各パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)または、各電気−光変換部80(80−1〜80−n)または、各パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)と各電気−光変換部80(80−1〜80−n)のそれぞれに対して起動と停止を制御する。これによって、使用しない伝送レーンで消費される電力を低減することが可能となる。
【0040】
次にマーカー挿入部50(50−1〜50〜x)において挿入されるマーカーの例について説明する。本実施の形態では、挿入されるマーカーは64ビット長の固定パターンとし、マーカー挿入部50(50−1〜50〜x)では、マーカーを周期的にデータ列に挿入する。なお、マーカーの64ビットのうち、32ビットをアライン情報、残りの32ビットをアライン情報の反転値とする。アライン情報(32ビット)は、使用するレーン情報を示す20ビットと、標準のマーカーとを識別するための識別子を示す4ビットと、誤り検出情報を示す8ビットとを含むか、あるいは、使用する符号情報を示す20ビットと、標準のマーカーとを識別するための識別子を示す4ビットと、誤り検出情報を示す8ビットとを含むようにする。
【0041】
図4は、本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機2の詳細な構成例を示すブロック図である。当該受信機2は、前述した図1または図2の受信機2に該当する。図4に示す受信機2は、n本の伝送レーンによって構成される伝送路からデータ列が入力され、受信フレームデータ(以下、受信データ)とデータ列とを出力する。受信機2は、受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、デマルチプレクサ部140、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)、光−電気変換部160(160−1〜160−n)、及び受信レーン数制御部170を備える。なお、xは、望ましくはnよりも大きい2以上の整数であり、例えばx=20、n=10等である。但し、場合によっては、xはnと同一でも構わない。
【0042】
まず受信機2のデータフローを説明する。送信機1からのデータのビット列は、伝送路を介して、光−電気変換部160(160−1〜160−n)に入力される。受信レーン数制御部170は、光−電気変換部160(160−1〜160−n)と、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)と、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)と、送信機1へとビット列を出力する。光−電気変換部160(160−1〜160−n)は、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)へ、データ列を出力する。シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)は、デマルチプレクサ部140へ、データ列を出力する。
【0043】
デマルチプレクサ部140は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)へデータ列を出力する。マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)と、受信レーン数制御部170とへビット列を出力する。受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)は、復号化部110(110−1〜110−x)へビット列を出力する。復号化部110(110−1〜110−x)は、受信バッファ部100へビット列を出力する。受信バッファ部100は、最終的に受信データを出力する。
【0044】
次に受信機2の詳細な動作例について説明する。光−電気変換部160(160−1〜160−n)は、n本の伝送レーンによって構成される伝送路を介して入力されるデータのビット列を、光信号から電気信号へと変換し、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)へ、ビット列を出力する。また、光−電気変換部160(160−1〜160−n)は、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、回路の起動/停止を行う。
【0045】
シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)は、光−電気変換部160(160−1〜160−n)より受信したデータのビット列を、シリアルからパラレルへと変換し、デマルチプレクサ部140へと出力する。また、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)は、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、回路の起動/停止を行う。
【0046】
デマルチプレクサ部140は、n個のシリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)からデータ列が入力され、入力されたデータ列をx本に分離し、分離化されたデータ列をマーカー解析部130(130−1〜130−x)に出力する。マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、デマルチプレクサ部140より受信したデータのビット列に含まれるマーカーを解析し、必要最低限の使用レーン数情報、もしくは使用符号情報を受信レーン数制御部170へ出力する。すなわち、前述した送信機1のマーカー挿入部50(50−1〜50−x)で埋め込まれた必要最低限の使用レーン数情報、もしくは使用符号情報を抽出し、受信レーン数制御部170へ出力する。また、マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、デマルチプレクサ部140より受信したデータのビット列に含まれるマーカーを削除し、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)へデータのビット列を出力する。
【0047】
ここで、デマルチプレクサ部140の入力に到るまでのn本の経路は、物理レーンと呼ばれる。一方、デマルチプレクサ部140の出力から受信バッファ部100の入力に到るまでのx本の経路は、仮想レーンと呼ばれる。n本の物理レーンのそれぞれとx本の仮想レーンのそれぞれの対応関係は、デマルチプレクサ部140によって定まっている。したがって、必要最低限の使用レーン数情報に基づいてx本の仮想レーンの中から使用する仮想レーンの位置が定まれば、n本の物理レーンの中から使用する物理レーンの位置も定まり、その逆の関係も成り立つ。
【0048】
受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)から受信したデータのビット列を、復号化部110(110−1〜110−x)へと出力する。また、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)は、受信レーン数制御部170から受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、レーン数の切り替えに対応する。また、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)は、受信レーン数制御部170から受信した使用符号情報の要求に対して、符号の切り替えに対応する。
【0049】
復号化部110(110−1〜110−x)は、送信機1の符号化部30(30−1〜30−x)によって伝送符号化されたデータ列を、元のデータ列に復号化し、受信バッファ部100へ、データのビット列を出力する。受信バッファ部100は、受信レーン数制御部170が決定した伝送容量に応じて、使用中のレーンを介して伝送されるデータ列を結合し、データフレーム間の無効信号の間隔を広げるなどの手段を用いて、伝送路の最大伝送容量のデータ列に変換して受信データを出力する。
【0050】
次に、使用レーン数を決定する際に着目して、送信機1と受信機2の動作例を説明する。まず、送信機1の流量監視部20は、送信バッファ部10に入力される送信データと、送信バッファ部10から出力される送信データの差分、すなわちバッファ量の時間的変移を観測し、送信元からの送信データの流量の情報、例えばデータ流量が増加した、もしくは減少した、などの情報を送信レーン数制御部90へ出力する。また、流量計測部21は、送信元から送信される送信データに含まれるデータの情報を検出し、一定期間のデータ数の平均値を、送信レーン数制御部90へ出力する。
【0051】
送信レーン数制御部90は、流量監視部20及び、流量計測部21からの送信データ流量の情報に基づき、必要最低限の使用レーン数を決定する。また、送信レーン数制御部90は、決定した使用レーン数に基づき、必要最低限の使用レーン数情報を送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)と、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)とへ送信する。送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)は、符号化部30(30−1〜30−x)より、符号化されたデータのビット列を受信し、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、レーン数の切り替えに対応し、データのビット列をマーカー挿入部50(50−1〜50−x)に出力する。マーカー挿入部50(50−1〜50−x)は、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)より、符号化されたデータのビット列を受信し、必要最低限の使用レーン数情報を含んだマーカーを送信データのビット列に挿入する。
【0052】
また、送信レーン数制御部90は、決定した使用レーン数に基づき、必要最低限の使用レーン数情報をパラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)と、電気−光変換部80(80−1〜80−n)とへ送信する。パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)は、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。同様に、電気−光変換部80(80−1〜80−n)は、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。
【0053】
必要最低限の使用レーン数情報を含んだマーカーが挿入された送信データのビット列は、受信機2のマーカー解析部130(130−1〜130−x)に入力される。マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、マーカーから必要最低限の使用レーン数情報を抽出すると共に受信レーン数制御部170へ送信し、その後、当該マーカーを削除する。受信レーン数制御部170は、必要最低限の使用レーン数情報を受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)と、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)と、光−電気変換部160(160−1〜160−n)とへ出力する。受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)は、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、レーン数の対応を行う。光−電気変換部160(160−1〜160−n)は、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。同様に、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)は、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。
【0054】
続いて、使用符号情報を決定する際に着目して、送信機1と受信機2の動作例を説明する。例えば、送信機1が、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)を用いて、マーカーに使用符号情報を埋め込み、受信機2に向けて送信する。受信機2は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)を用いて当該使用符号情報を抽出し、当該使用符号を用いることを了承するのであれば(すなわち、受信機2が当該使用符号に対応可能であれば)、受信レーン数制御部170を介して送信機1にその旨を通知する。これによって、送信機1と受信機2の間で当該使用符号が有効となる。
【0055】
また、例えば、受信機2が受信レーン数制御部170を介して、自身が対応可能な符号情報を送信する。送信機1は、この情報から使用する符号を決定し、その決定した使用符号情報をマーカー挿入部50(50−1〜50−x)を用いてマーカーに埋め込み、受信機2に向けて送信する。これによって、送信機1と受信機2の間で当該使用符号が有効となる。
【0056】
以上のように、本実施の形態1のデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を用いることで、代表的には、送信データの流量に応じた必要最低限の使用レーン数を決定でき、かつ送信データ流量に応じて内部回路の起動および停止を行うことができるので、省電力化が実現可能となる。
【0057】
(実施の形態2)
本実施の形態2のデータ伝送システムは、実施の形態1のデータ伝送システムと比較して、送信データを電気信号から光信号に変換、及び光信号から電気信号に変換する手法と、送信レーン数制御部及び、受信レーン数制御部から出力する数とが異なる。以下、実施の形態1との差異を中心に本実施の形態2のデータ伝送システムについて説明する。
【0058】
図5は、本発明の実施の形態2によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機の詳細な構成例を示すブロック図である。当該送信機(データ伝送装置)1は、前述した図1または図2の送信機1に該当する。図5に示す送信機1は、送信バッファ部10、流量監視部20、流量計測部21、符号化部30(30−1〜30−x)、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)、マルチプレクサ部60、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)、送信レーン数制御部90、送信信号処理部180、デジタル/アナログ(D/A)変換部190(190−1〜190−y)、発光部200、及び変調部210を備える。なお、xとyは2以上の整数であり、nと同一でも構わない。このように、当該送信機1は、送信レーン数制御部90、送信信号処理部180、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)、発光部200、及び変調部210を備える点が図3の送信機1と異なる。
【0059】
まず、図5の送信機1のデータフローを説明する。なお、図5の送信機1が備える送信バッファ部10、流量監視部20、流量計測部21、符号化部30(30−1〜30−x)、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)、及びマルチプレクサ部60のデータフローは、図3の送信機1と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0060】
パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)は、送信信号処理部180へビット列を出力する。送信レーン数制御部90は、送信データの送信元と、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)と、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)と、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)と、送信信号処理部180と、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)と、変調部210へデータ列を出力する。
【0061】
送信信号処理部180は、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)へデータ列を出力する。デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)は、変調部210へ、アナログ信号を出力する。発光部200は、変調部210へ光信号を出力する。変調部210は、受信機2へ送信データを出力する。
【0062】
次に、図5の送信機1の詳細な動作例を説明する。なお、図5の送信機1が備える送信バッファ部10、流量監視部20、流量計測部21、符号化部30(30−1〜30−x)、送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)、及びマルチプレクサ部60の動作は、図3の送信機1と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0063】
送信レーン数制御部90は、送信データの流量の情報を流量監視部20と流量計測部21とから受信し、受信した送信データの流量の情報に基づき、必要最低限の使用レーンの数を決定する。また、送信レーン数制御部90は、決定した必要最低限の使用レーン数情報に基づき、必要最低限の使用レーン数情報を送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)と、マーカー挿入部50(50−1〜50−x)と、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)と、送信信号処理部180と、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)と、変調部210とに出力する。なお、送信レーン数制御部90は、場合によっては、受信機2から障害レーン情報を受信し、当該レーンを使用しないように、送信レーン数可変対応部40、マーカー挿入部50、パラレル/シリアル変換部70、送信信号処理部180、デジタル/アナログ変換部190ならびに変調部210に対して要求する。
【0064】
また、送信レーン数制御部90は、受信機2が送信する符号情報を受信し、受信した符号情報に基づき、使用する符号(例えば、FEC(Forward Error Correction)符号)を決定する。本実施の形態のデータ伝送システムは、特に符号を限定するものではなく、FEC符号以外であってもよいし、符号を使用しなくてもよい。また、送信レーン数制御部90は、決定した使用する符号情報に基づき、使用符号情報を送信レーン数可変対応部40(40−1〜40−x)とマーカー挿入部50(50−1〜50−x)と、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)と送信信号処理部180と、デジタル/アナログ(D/A)変換部190(190−1〜190−y)と、変調部210とに出力する。また、送信レーン数制御部90は、受信した必要最低限の使用レーン数情報に応じて、送信データの送信元に対し、ポーズ信号を送信する。送信データの送信元は、受信したポーズ信号に基づいて、送信データの送信を停止する。ただし、一定時間後、送信データの送信を開始する。
【0065】
パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)は、マルチプレクサ部60から入力されたデータのビット列をパラレルからシリアルへ変換し、送信信号処理部180に出力する。また、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)は、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。
【0066】
送信信号処理部180は、パラレル/シリアル変換部70(70−1〜70−n)から入力されたデータのビット列を、多値の信号に信号処理し、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)に出力する。また、送信信号処理部180は、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)は、送信信号処理部180から入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変調部210へ出力する。また、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)は、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。
【0067】
発光部200は、光信号を生成し、変調部210へ出力する。発光部200は、代表的にはレーザーダイオードなどであるが、それ以外のものであってもよい。変調部210は、発光部200から入力された光信号と、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)から入力されたアナログ信号を変調し、光信号として送信データを伝送路へ送信する。
【0068】
図6は、本発明の実施の形態2によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機の詳細な構成例を示すブロック図である。当該受信機(データ伝送装置)2は、前述した図1または図2の受信機2に該当する。図6に示す受信機2は、受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、デマルチプレクサ部140、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)、受信レーン数制御部170、受信信号処理部220、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)、受光部240(240−1〜240−z)、及び検波部250を備える。なお、xとzは2以上の整数であり、nと同一でも構わない。このように、当該受信機2は、受信信号処理部220、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)、受光部240(240−1〜240−z)、及び検波部250を備える点が、図4の受信機2と異なる点である。
【0069】
まず図6の受信機2のデータフローを説明する。なお、受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)、及びデマルチプレクサ部140のデータフローは、図4の受信機2と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0070】
送信機1からの送信データの光信号は、伝送路を介して、検波部250に入力される。受信レーン数制御部170は、検波部250と、受光部240(240−1〜240−z)と、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)と、受信信号処理部220と、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)と、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)と、送信機1へとビット列を出力する。
【0071】
検波部250は、受光部240(240−1〜240−z)へ光信号を出力する。受光部240(240−1〜240−z)は、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)へアナログ信号を出力する。受信信号処理部220は、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)へデジタル信号のデータ列を出力する。
【0072】
次に、図6の受信機2の詳細な動作例を説明する。なお、図6の受信機2が備える受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、及びデマルチプレクサ部140の動作は、図4の受信機2と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0073】
受信レーン数制御部170は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)から受信した必要最低限の使用レーン数情報を、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)と、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)と、受信信号処理部220と、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)と、受光部240(240−1〜240−z)と、検波部250とへ出力する。また、受信レーン数制御部170は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)から受信した使用符号情報を、受信レーン数可変対応部120(120−1〜120−x)と、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)と、受信信号処理部220と、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)と、受光部240(240−1〜240−z)と、検波部250とへ出力する。
【0074】
検波部250は、伝送路を介して、送信機1からの送信データの光信号を受信し、変調された多値の光信号を検波し、受光部240(240−1〜240−z)へ送信データの光信号を送信する。また、検波部250は、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。受光部240(240−1〜240−z)は、検波部250から受信した変調された多値の光信号を受信し、電流へと変換し、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)へ変調された多値の送信データをアナログ信号として送信する。また、受光部240(240−1〜240−z)は、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。受光部240は、代表的にはフォトダイオードを用いるが、それ以外のものを用いてもよい。
【0075】
アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)は、受光部240(240−1〜240−z)から変調された多値の送信データをアナログ信号として受信し、デジタル信号へと変換し、受信信号処理部220へと送信する。また、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)は、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。受信信号処理部220は、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)から変調された多値の送信データのデジタルデータを受信し、多値の送信データをn本のレーン数に対するデータのビット列に変換する。
【0076】
図8は、図5の送信機1における変調部210の詳細な構成例を示すブロック図である。図8に示す変調部210は、例えば局部発振器800と、IQ(同相成分、直交位相成分)変調器801と、π/4 PM(位相)変調器802と、ASK(振幅偏移)変調器803とで構成される。局部発振器800は、光信号を2値に変換する。IQ変調器801は、局部発振器800から入力された2値の信号を4値の信号に変換する。π/4 PM変調器802は、IQ変調器801から入力された4値の信号を8値の信号に変換する。振幅偏移変調器803は、π/4 PM変調器802から入力された8値の信号を16値の信号に変換する。このような変調部210は、前述したように、送信レーン数制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、IQ変調器801、またはIQ変調器801とπ/4 PM変調器802、またはIQ変調器801とπ/4PM変調器802と振幅偏移変調器803の起動および停止を行う。
【0077】
図9は、図6の受信機2における検波部250の詳細な構成例を示すブロック図である。図9に示す検波部250は、例えば0度の位相変調器と遅延検波器(同相成分位相遅延検波器)900と、90度の位相変調器と遅延検波器(直交成分位相遅延検波器)901と、振幅方向直接検波器902で構成される。このような検波部250は、前述したように、受信レーン数制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、同相成分位相遅延検波器900、または同相成分位相遅延検波器900と直交成分位相遅延検波器901、または同相成分位相遅延検波器900と直交成分位相遅延検波器901と振幅方向直接検波器902の起動及び停止を行う。
【0078】
以上のように、本実施の形態2のデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を用いることで、実施の形態1の場合と同様に、代表的には、送信データの流量に応じた必要最低限の使用レーン数を決定でき、かつ送信データ流量に応じて内部回路の起動および停止を行うことができるので、省電力化が実現可能となる。更に、多値の光信号を用いるデータ伝送システムに対しても省電力化が実現可能となる。
【0079】
続いて、前述した各実施の形態によって得られるデータ伝送システムの特徴的な構成について、以下に列記する。
【0080】
(1)受信機に送信データを送信する送信機、前記送信機から前記送信データを受信する受信機を備えるデータ伝送システムであって、
前記送信機から送信データを受信する受信機は伝送路によって接続され、
前記伝送路は、第1の数の伝送レーンを束ねて構成され、
前記送信機、前記受信機は、第1の数の伝送レーンに多重化することのできる数の仮想レーンを備え、
前記送信機は、
前記仮想レーンの数のデータ列に分割し、送信データに含まれる情報に基づいて、必要最低限の前記仮想レーン数を決定し、前記データ列が出力される前記仮想レーンと識別するための識別情報と、必要最低限の前記仮想レーンに関する情報とを前記仮想レーンから出力されるデータ列に挿入し、
前記送信データに含まれる情報に基づいて、必要最低限の前記伝送路を構築し、
前記仮想レーンから出力されたデータ列を前記伝送路の伝送レーン数に基づいて多重化し、前記多重化されたデータ列を、前記伝送路を構成する各伝送レーンから前記受信機に出力することによって、前記受信機に前記送信データを送信し、
前記受信機は、
前記伝送路を構成する伝送レーンから前記多重化されたデータ列と、前記受信したデータ列に挿入された前記データ列が出力される前記仮想レーンと識別するための識別情報と、必要最低限の前記仮想レーンに関する情報とを受信し、
前記受信したデータ列に挿入された前記データ列が出力される前記仮想レーンと識別するための識別情報と、必要最低限の前記仮想レーンに関する情報とに基づいて、
必要最低限の前記仮想レーン数のデータ列に前記受信したデータ列を分割し、
必要最低限の前記伝送路を構築し、
必要最低限の前記仮想レーンに関する情報を前記送信機に送信し、
前記分割されたデータ列を前記送信データに復元することを特徴とするデータ伝送システム。
【0081】
(2)前記(1)のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、前記送信機に入力されるデータ列の信号強度の移動平均値を監視し、予め設定されたしきい値に応じたデータ列を入力する送信データを判定する流量計測部を備えることを特徴とするデータ伝送システム。
【0082】
(3)前記(1)のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、前記送信機に入力されるデータ列の信号の蓄積量の時間的変移を観測し、予め設定されたしきい値以上のデータ列を入力する送信データを判定する流量監視部と、
前記送信機に入力されるデータ列の信号強度の移動平均値を監視し、予め設定されたしきい値に応じたデータ列を入力する送信データを判定する流量計測部とを備えることを
特徴とするデータ伝送システム。
【0083】
(4)受信機に送信データを送信する送信機、前記送信機から前記送信データを受信する受信機を備えるデータ伝送システムであって、
前記送信機から送信データを受信する受信機は伝送路によって接続され、
前記伝送路は、第1の数の伝送レーンを束ねて構成され、
前記送信機、前記受信機は、第1の数の伝送レーンに多重化することのできる数の仮想レーンを備え、
前記送信機は、
前記仮想レーンの数のデータ列に分割し、送信データに含まれる情報に基づいて、必要最低限の前記仮想レーン数を決定し、前記データ列が出力される前記仮想レーンと識別するための識別情報と、必要最低限の前記仮想レーンに関する情報と、前記データ列を符号化する符号に関する情報とを、前記仮想レーンから出力されるデータ列に挿入し、
前記送信データに含まれる情報に基づいて、必要最低限の前記伝送路を構築し、
前記仮想レーンから出力されたデータ列を前記伝送路の伝送レーン数に基づいて多重化し、前記多重化されたデータ列を、前記伝送路を構成する各伝送レーンから前記受信機に出力することによって、前記受信機に前記送信データを送信し、
前記受信機は、
前記伝送路を構成する伝送レーンから前記多重化されたデータ列と、前記受信したデータ列に挿入された前記データ列が出力される前記仮想レーンと識別するための識別情報と、必要最低限の前記仮想レーンに関する情報と、前記データ列を符号化する符号に関する情報とを受信し、
前記受信したデータ列に挿入された前記データ列が出力される前記仮想レーンと識別するための識別情報と、必要最低限の前記仮想レーンに関する情報と、前記データ列を符号化する符号に関する情報とに基づいて、
必要最低限の前記仮想レーン数のデータ列に前記受信したデータ列を分割し、
必要最低限の前記伝送路を構築し、
必要最低限の前記仮想レーンに関する情報と、前記データ列を符号化する符号に関する情報とを前記送信機に送信し、
前記分割されたデータ列を前記送信データに復元することを特徴とするデータ伝送システム。
【0084】
(5)前記(4)のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、
前記送信機に入力されるデータ列の信号強度の移動平均値を監視し、予め設定されたしきい値に応じたデータ列を入力する送信データを判定する流量計測部を備えることを特徴とするデータ伝送システム。
【0085】
(6)前記(4)のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、
前記送信機に入力されるデータ列の信号の蓄積量の時間的変移を観測し、予め設定されたしきい値以上のデータ列を入力する送信データを判定する流量監視部と、
前記送信機に入力されるデータ列の信号強度の移動平均値を監視し、予め設定されたしきい値に応じたデータ列を入力する送信データを判定する流量計測部とを備えることを
特徴とするデータ伝送システム。
【0086】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本実施の形態によるデータ伝送システムおよびデータ伝送装置は、特に、送信機と受信機の間で複数の低速信号を束ねることで速度増加を行うマルチレーン伝送システムに適用して有益なものであり、これに限らず、送信機と受信機の間で通信条件の共通認識を行うデータ伝送システム全般に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 送信機
2 受信機
3−1〜3−2 送受信機
10 送信バッファ部
20 流量監視部
21 流量計測部
30−1〜30−x 符号化部
40−1〜40−x 送信レーン数可変対応部
50−1〜50−x マーカー挿入部
60 マルチプレクサ部
70−1〜70−n パラレル/シリアル変換部
80−1〜80−n 電気−光変換部
90 送信レーン数制御部
100 受信バッファ部
110−1〜110−x 復号化部
120−1〜120−x 受信レーン数可変対応部
130−1〜130−x マーカー解析部
140 デマルチプレクサ部
150−1〜150−n シリアル/パラレル変換部
160−1〜160−n 光−電気変換部
170 受信レーン数制御部
180 送信信号処理部
190−1〜190−y デジタル/アナログ変換部
200 発光部
210 変調部
220 受信信号処理部
230−1〜230−z アナログ/デジタル変換部
240−1〜240−z 受光部
250 検波部
800 局部発振器
801 IQ変調器
802 π/4 PM変調器
803 振幅偏移変調器
900 同相成分位相遅延検波器
901 直交成分位相遅延検波器
902 振幅方向直接検波器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機と、前記送信機との間にN本の伝送レーンを持つ受信機とを備えたデータ伝送システムであって、
前記送信機は、送信バッファ部とX本(X>N)の第1仮想レーンとを含み、前記送信バッファ部に書き込まれた送信データを前記X本の前記第1仮想レーンに分配したのち、前記N本の伝送レーンに多重化することで前記送信データを送信し、
前記受信機は、受信バッファ部とX本の第2仮想レーンとを含み、前記N本の伝送レーンを介して伝送された前記送信データを前記X本の第2仮想レーンに分離したのち、前記受信バッファ部に書き込み、
前記送信機は、さらに、
前記送信データの第1の期間における流量の変化と該第1の期間よりも短い第2の期間における流量の変化に基づいて前記X本の第1仮想レーンの中から使用する必要最低限の仮想レーンを決定する第1手段と、
前記X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して前記必要最低限の仮想レーンを示す情報をマーカーとして挿入するマーカー挿入部とを備え、
前記受信機は、さらに、前記X本の第2仮想レーン上を伝送するデータ列から前記必要最低限の仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーを抽出するマーカー解析部を備え、
前記送信機と前記受信機は、前記必要最低限の仮想レーンを用いて通信を行うことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項2】
請求項1記載のデータ伝送システムにおいて、
前記第1手段は、
前記送信データの流量の移動平均値を算出する機能と、
前記送信バッファ部に蓄積されたデータ量の時間的推移を監視する機能とを有することを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項3】
請求項1記載のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、さらに、パラレルデータをシリアルデータに変換し、前記N本の伝送レーンにそれぞれ結合されたN個のパラレル・シリアル変換部を備え、
前記N個のパラレル・シリアル変換部のそれぞれは、前記必要最低限の仮想レーンに応じて起動・停止が制御されることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項4】
請求項1記載のデータ伝送システムにおいて、
前記受信機は、さらに、シリアルデータをパラレルデータに変換し、前記N本の伝送レーンにそれぞれ結合されたN個のシリアル・パラレル変換部を備え、
前記N個のシリアル・パラレル変換部のそれぞれは、前記必要最低限の仮想レーンに応じて起動・停止が制御されることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項5】
請求項1記載のデータ伝送システムにおいて、
前記データ伝送システムは、さらに、前記受信機から前記送信機に向けた第1通信経路を備え、
前記マーカー挿入部は、さらに、前記送信機で使用する符号の情報を前記マーカーとして挿入し、
前記マーカー解析部は、さらに、前記符号の情報を含んだ前記マーカーを抽出し、
前記送信機と前記受信機は、前記マーカー挿入部と前記マーカー解析部と前記第1通信経路を用いて、共通で使用する符号を決定することを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項6】
送信バッファ部とX本(X>N)の第1仮想レーンとを含み、前記送信バッファ部に書き込まれた送信データを前記X本の第1仮想レーンに分配したのち、N本の伝送レーンに多重化することで前記送信データを送信するデータ伝送装置であって、
前記データ伝送装置は、さらに、
前記送信データの第1の期間における流量の変化と該第1の期間よりも短い第2の期間における流量の変化に基づいて前記X本の第1仮想レーンの中から使用する必要最低限の仮想レーンを決定する第1手段と、
前記X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して前記必要最低限の仮想レーンを示す情報をマーカーとして挿入するマーカー挿入部とを備えることを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項7】
請求項6記載のデータ伝送装置において、
前記第1手段は、
前記送信データの流量の移動平均値を算出する機能と、
前記送信バッファ部に蓄積されたデータ量の時間的推移を監視する機能とを有することを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項8】
請求項6記載のデータ伝送装置において、
さらに、パラレルデータをシリアルデータに変換し、前記N本の伝送レーンにそれぞれ結合されたN個のパラレル・シリアル変換部を備え、
前記N個のパラレル・シリアル変換部のそれぞれは、前記必要最低限の仮想レーンに応じて起動・停止が制御されることを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項9】
請求項6記載のデータ伝送装置において、
前記マーカー挿入部は、さらに、使用する符号の情報を前記マーカーとして挿入することを特徴とするデータ伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−199361(P2011−199361A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60847(P2010−60847)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、総務省、超高速光伝送システム技術の研究開発 委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】