説明

データ伝送システム及びデータ伝送方法

【課題】 遠隔地のコンピュータと、その情報を必要とするヘルプデスク担当者側の計算機間の回線機能に重大な障害が生じて不通になった場合にも、遠隔地のコンピュータ側の情報を正確にヘルプデスク側の計算機に伝える。
【解決手段】 更新情報を解析して宛先を特定する送信先検出部16と、上記更新情報と上記特定宛先情報とを画像化する最新情報画像化機能部13と、上記画像化された更新情報と特定宛先情報を表示する表示部21と、を持つリモートコンピュータ1と、上記画像化された更新情報と特定宛先情報を撮影した画像から特定宛先をデコードするデコード機能部32を持ち、上記特定宛先に上記画像化された更新情報を送信する撮影機能付携帯電話30と、上記送信された画像情報を復号する画像情報復号機能部101、を持つセンタコンピュータ100、とで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遠隔地にある計算機で取得したデータや操作記録など、または障害データ等を、通常接続が出来ない場合等にも、本来のセンタ側コンピュータが受け取れるようにしたシステム、方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
分散コンピュータ・システムでは、遠隔地にあるコンピュータで障害が発生した場合等に、その障害を解決するためには、該当する遠隔地のコンピュータで発生している障害に関する、ログ情報や操作履歴、機器の構成情報等を、障害解析の対応を行うヘルプデスクやコールセンタへ送信して、担当者が状況を把握し、情報を解析する必要がある。例えば、銀行のATMを顧客が利用中に障害が発生した場合や、家庭でのインターネット利用による株取引処理中に障害が発生した場合など、が該当する。
こうした場合に、遠隔地のコンピュータからヘルプデスク担当者等の情報転送先の間に障害発生を通知する手段や、解析情報等のデータを転送する手段が無くなった場合は、この2者間の情報伝達手段は電話による口頭通知程度しかない。しかしながら電話での会話による伝達は、情報が正確に伝わりにくく、また情報伝達に時間がかかってしまう。また、遠隔地のコンピュータの内部で記録されている、ログ情報や操作履歴、機器の構成情報等は、一般の利用者が参照することは困難であり、こうした場合に、その内容をヘルプデスク担当者等に通知することはできない。即ち、遠隔地のコンピュータからヘルプデスク担当者等の情報転送先の間に障害発生やログ情報等を通知する回線があっても、その伝達のためのネットワークに障害があり、データの転送ができなければ、やはり電話で状況報告を行う程度のことしかできない。
【0003】
なお上記データ伝送とは異なるが、特許文献1「データ提供方法、コード発行装置、電子機器、プログラム及び記録媒体」において、電話番号やメールアドレス等の情報を予めQRコードのような二次元バーコード情報に変換しておき、この情報を携帯電話機に光学的に読み込ませて、携帯電話内部で二次元バーコード情報をデコードして電話番号やメールアドレス等の情報を取得する技術、つまり手入力によるキー操作を行わず、携帯電話に情報を読み込むアイデアが示されている。
【特許文献1】特開2004−46781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のデータ伝送では、システムに冗長性を持たせて、通常回線に障害が生じても、予備回線を使用して遠隔地のコンピュータからデータを送るようにしている。しかしシステムに重大故障が起きて予備系もダウンする事態になると、データ伝送が出来なくなるという課題がある。
特許文献1に示される技術は、データ取得に用いられて、遠隔地のコンピュータでの操作ログ情報等を、遠隔地のコンピュータ側からヘルプデスク担当者等へ伝達することには用いられていない。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するために、遠隔地のコンピュータと、その情報を必要とするヘルプデスク担当者側の計算機間の回線機能に重大な障害が生じて不通になった場合にも、遠隔地のコンピュータ側の情報を正確にヘルプデスク側の計算機に伝えることを目的とする。この技術は、遠隔地のコンピュータからの情報伝達の手段が無い場合にも適用ができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るデータ伝送システムは、更新情報を解析して宛先を特定する送信先検出部と、上記更新情報と上記特定宛先情報とを画像化する最新情報画像化機能部と、上記画像化された更新情報と特定宛先情報を表示する表示部と、を持つリモートコンピュータと、
上記画像化された更新情報と特定宛先情報を撮影した画像から特定宛先をデコードするデコード機能部を持ち、上記特定宛先に上記画像化された更新情報を送信する撮影機能付携帯電話と、
上記送信された画像情報を復号する画像情報復号機能部、を持つセンタコンピュータ、とで構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遠隔地のコンピュータの情報を画像情報化して所定の連絡先への出力表示し、その画像をデジタルカメラで撮影して、更新された画像情報を写真データとして携帯電話ネットワーク等の通信手段を利用して宛先入力無しに伝送し、ヘルプデスク担当者側のセンタ側コンピュータで画像解析して、元の遠隔地のコンピュータが持つ情報を得て、システムの伝送系に重大故障が生じても、または通常伝送手段が無いコンピュータのデータでも、元の情報が正確に得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
データをQRコードで代表される二次元バーコード情報に変換する技術、及びその二次元バーコード情報を復号する技術は知られているが、これらの組み合わせ順序に工夫を凝らし、更に付加技術を加えて、伝送路を形成して元のデータを所望のセンタ側コンピュータに伝送するユニークなシステムを説明する。即ち本技術は、その構成技術の組み合わせ順序が大切である。
図1は、本実施の形態におけるデータ伝送システムの基本構成を示す機能ブロック図である。図の構成において、遠隔地のコンピュータ1の内部構成として、遠隔コンピュータ内部の機器情報を記録したメモリ11、同じく遠隔コンピュータで実施された操作や処理のログや操作履歴等のログ情報を記録したメモリ12と、従来の固定情報ではなく、これらの記録情報のうち、所定の更新処理を行って最新の機器状態を表す最新情報をQRコードのような二次元バーコード等の画像化情報にエンコードする最新情報画像化機能(エンコード)部13と、障害原因またはログ情報により検知した障害のID(分類コード)を解析して、画像化情報を送信すべき送付先の会社と担当部門を特定するメール送信先検出部16と、このエンコードした二次元バーコード画像を表示する表示装置21から構成される。
カメラ付携帯電話30は、撮影機能とメール等の通信機能を持つ装置であり、その内部構成として、カメラ等の撮像機構である撮影機能部31と、この撮影した二次元バーコード画像データをデコードして、必要な送信先を特定するデコード機能部32と、画像データをデコード検出した送信先へメール送信等方法で通知する通信機能部33とで構成される。またカメラ付携帯電話30と送信先とを接続するネットワーク51がある。
【0009】
更にこの画像データを受ける受信側のセンタコンピュータでは、ネットワーク51から画像データをメールとして受信する、ヘルプデスク等を運用しているセンタ側のメールサーバ120と、メールサーバ120からの画像データを受けて画像内容を解析するセンタコンピュータ100とで構成される。センタコンピュータ100は、内部構成として、遠隔地コンピュータから送られたQRコードなどの画像化情報をデコードする画像情報復号機能部101と、画像情報復号機能部101でデコードした出力情報を表示する表示装置111とで構成される。
なおこれらの各部機能は、図示しないプロセッサと、このプロセッサで読み取り実行されるプログラムを記載したメモリと、プログラムをメモリに書き込む入力装置とで構成されるハードウェアで実行される機能である。
【0010】
次に図1に示すシステム構成の動作について説明する。
図2は、本発明における処理の流れを示したシーケンス図である。また図3は、二次元バーコードの画像データに含める、メールの送信先(情報送付先)の具体例を示す図である。
リモート(遠隔地)コンピュータ1で障害等の問題が発生した場合(ステップ211、以後ステップの記述を省略)、上記構成では記述しなかった障害を認識したプログラム等により、ログ情報等を二次元バーコード等の画像に変換する最新情報画像化機能部13が起動される(212)。このときの最新情報は、上記更新したログ情報、障害判断理由、対応する更新前後の機器内部の情報、等が画像化情報として選択される。またメール送信先検出部16は、この際に発生した障害に対応して図3の情報送付先を選択して、その送信先情報を含めてエンコードを行う(251)。例えばメモリが直接の不具合のトリガである場合には、サーバ保守部門が選択され、送信先のメールアドレスとして情報送付先アドレスserversupport@abc.co.jpが読込まれる。この画像化処理が完了すると、表示装置21に、変換した画像とメールアドレス等の画像の送信方法に関する情報を表示する(213)。
【0011】
リモート側の利用者40は、カメラ付携帯電話30等を利用して画像を撮影する(214)。カメラ付携帯電話30のデコード機能部32は、撮影機能部31が撮影した画像データから図3の情報送付先をデコードし(252)、メールの送信先として上記の情報送付先アドレスを通信機能部33に伝える。通信機能部33は撮影した画像データをこのアドレスに指定してセンタに送信する(253)。
センタ側のメールサーバ120はメールを受信し(216)、センタコンピュータ100内の画像情報復号機能部101は、画像情報をデコードし(217)、デコード結果であるログ情報等を表示装置111に表示する(218)。センタ側のヘルプデスク担当者等はその表示を参照し(219)情報を得る。
このように、本発明の方式の適用により、リモートコンピュータとセンタの間に情報を転送するための手段が常設されていなくても、または通常のネットワークに障害が生じて伝送が出来ない状態でも、画像化情報の必要な保守情報等を転送により正確かつ迅速に伝達することが可能になる。
このように、上記実施の形態の方式により、リモート側の利用者の入力の手間をなくしたり、入力ミスを回避したりすることができる。また、宛先アドレスを利用者から参照しにくくすることにより、悪意によるメール攻撃の標的になりにくくなる効果も期待できる。
【0012】
本実施の形態の変形例を説明する。
図4は本実施の形態における他のシステムの構成を示すの機能ブロックである。図1の構成と比較して、入力装置23が追加され、リモート側利用者40から指示を出せるようになっている。更にリモートコンピュータ1bの、機器内部の情報またはログ情報からメール送信先を検出するメール送信先検出部16からの情報は、エンコードに代えて、表示装置21bに伝送される。表示装置21bはエンコードされた画像化情報とは別に、メール送信先検出部16からの送信先情報を表示する構成となっている。更にこの場合にカメラ付携帯電話30bは、デコード機能部は必要無く、単に撮影した画像化情報をそのまま通信機能部33から別途指定したメール送信先へ送信する。
次に図5のシーケンス図に基いて図3の構成システムの動作について説明する。
図2のシーケンス図に対して、231が方式の変更部分である。リモートコンピュータ1b内部のプログラム等は異常を検知していないが、利用者が異常を検知している場合がある。その場合には、リモート側利用者40は、入力装置23を利用して、最新情報画像化機能部13に対して情報の画像化指示を行う。この場合にリモートコンピュータ1bのメール送信先検出部16は、機器の内部情報またはログ情報を解析して、例えばハードディスクに障害が発生していると判断すると、画像化情報の表示時に併せて図3の行1に示される、情報送付先はサーバ保守担当部門、情報送付先アドレスはserversupport@abc.co.jp、を表示装置21bに出力する(213)。リモート側利用者40は、カメラ付携帯電話30に表示装置21bに表示されたメールアドレスを入力して後、センタへ送信する(215)。メール以降のシーケンスは図2と同様である。
このように図4の構成によれば、リモートコンピュータ1b内のプログラム等が異常を検知していなくても、利用者の判断でこの機能を利用することが可能になる。また、機能の実装の面でも、異常検知時に情報を画像化する処理を起動する機能を業務プログラム等に追加する改修を行わず、既存のシステムに与える影響を少なくして、本発明の機能を組み込むことが可能になる。更にカメラ付携帯電話30bにデコード機能が無くても、リモートコンピュータ側の最新情報を指定のセンタへ送信することが出来る。
【0013】
本システムは通常の通信手段を持っているシステムの、緊急データ伝送用として適用することも可能である。
図6は本実施の形態における他のシステム構成を示す機能ブロック図である。図1に示す構成の機能ブロックに対して、リモートコンピュータ1c内に設けた、リモート側の障害情報等蓄積した機器内部情報記憶メモリ11またはログ情報記憶メモリ12の、各情報を監視してセンタコンピュータ100に通知する「監視及び通知機能部14」と、その通知のためのネットワーク52と、センタコンピュータ100側でこの通知を受ける「情報収集サーバ140」が追加された構成である。
【0014】
次に動作について説明する。
図7は、図6のシステム構成における処理の流れを示したシーケンス図である。図2または図5のシーケンス図に対して、241、242、243、244の各ステップを付加したことがシーケンスの変更点である。
図7のシーケンスからも動作の変更部分は明らかであるが、以下、要点を述べる。
図6の構成では、通常はリモートコンピュータ1c内の監視及び通知機能部14が、障害を監視して、適宜その情報をネットワーク52と情報収集サーバ140を経由して、センタコンピュータ100に通知する。しかし、この通知経路のネットワーク52が重障害等で情報の通知ができなかった場合の機能補完として、上記で説明した伝送装置、または方法が適用できる。
即ち障害発生を検知すると、先ず監視及び通知機能部14は障害情報を情報収集サーバ140に通知する処理を実行する(241)。何らかの原因で通知できなかった場合(242)、不達を検知して(243)、ログ情報の画像化変換機能を起動する(244)。以降のシーケンスは実施の形態1と同様である。
このように、障害の発生やログ情報を通知する機能が一時的に利用できない場合にも、補完機能として本システム、方法を利用してログ情報等を通知することができる。また自動的に表示装置に表示させることで、利用者に処理を促すことができる。
【0015】
更に他の変形例を説明する。
図8は本実施の形態における他のシステム構成を示す機能ブロック図である。画像化情報の表示については図1に示す構成における表示装置21に代えて、印字装置24が設けられている。メール送信先については、表示装置21cで送信先を表示する。
次に動作について説明する。処理シーケンスについては、図2とほぼ同様であるが、画像データを印字装置24で印字出力している。先の表示装置21による出力では、表示装置の解像度等の条件によっては、情報を正しく転送できない場合も考えられるが、印字装置24を利用して大きく出力すれば、解像度は向上する。例えば銀行ATM等では、取引記録を印刷して利用者に提示する、などである。こうして情報通知の精度を向上できる可能性がある。
【0016】
実施の形態2.
図9は、本実施の形態におけるシステム構成を示す図である。実施の形態1の構成において、情報送信先が複数存在するケースを説明している。
次に動作について説明する。
システム障害への対処のためには、複数の担当部門へ情報提供を行い同時並行的に対処を進めるべきである場合がある。例えば、ハードウェア交換を担当するフィールドエンジニア部門や、業務プログラムの開発を担当している部門などである。図9の構成は、図1の構成において指定した宛先アドレスを複数指定することにより、自動的に、複数の宛先に同報でリモートコンピュータの情報を送信する動作となる。それ以外は、図2のシーケンスと同様の動作をする。
【0017】
本実施の形態における他のシステム構成を説明する。
図2において、実施の形態1では詳しく述べなかったが、検知した障害の内容によって連絡先を変更できる機能を加えた構成を示している。即ち、障害箇所を示す障害IDをメール送信先検出部16が解析して、その検出したIDに対応した情報転送先メールアドレスを選択し、そのメールアドレスを表示装置21に表示する。
次に動作について説明する。
例えばハードディスクに障害が発生し、検知した障害のID(分類コード)がHDDであった場合、図2の表を参照し、情報の送付先はサーバ保守担当部門であり、宛先メールアドレスはserversupport@abc.co.jpであることがわかる。この例における宛先は1箇所のみであるが、複数箇所を列挙することも可能である。
図9の構成はカメラ付携帯電話30にデコード機能部32が設けられているが、この機能が無い構成である場合には、リモート側利用者40は、別途にリモートコンピュータ1bから表示装置21bに伝送されて表示されたメール送信先をアドレス設定して画像化情報を送信する。
また図9の構成であれば、つまりカメラ付携帯電話30にデコード機能部32を備えておけば、解析したIDで送信先を選択する図2の方式により、情報を必要とする宛先に直接を送信することができ、情報転送等の遅延を回避し、障害への対処の迅速化が期待できる。
【0018】
更に他の変形例を説明する。即ち図1の構成において、障害を検知した時刻によって連絡先を変更できる機能を加えた方式である。図10は、障害検知時刻帯と、それに対応した情報転送先メールアドレスを示した対応表の例である。
次に動作について説明する。
例えば時刻02:00に障害を検知した場合、図10の表を参照し、情報の送付先はヘルプデスク3であり、宛先メールアドレスはhelpdesk−us@abc.comであることがわかる。この例における宛先は1箇所のみであるが、複数箇所を列挙することも可能である。
この動作により、該当時刻に対応が可能な部署に直接情報を送信することができ、情報転送等の遅延を回避し、障害への対処の迅速化が期待できる。
【0019】
更に他の変形例を説明する。
図11この場合のシステム構成を示す図であり、実施の形態1における機能ブロックに対してセンタ側のメール送信機能部160が追加されている。
次に動作について説明する。
図12上記図11のシステムでの処理の流れを示したシーケンス図である。図2の実施の形態1におけるシーケンス図に対して、ステップ261〜267のシーケンスが追加されている。
【0020】
本構成における追加要素、メール送信機能部160が無い場合は、リモートからヘルプデスクなどへの連絡は主に電話になる。この場合、情報が正確、迅速に伝わらない危険性があるが、ヘルプデスクで受け付けられたことは確認ができる。一方、図12のシーケンスによる場合、実施の形態1の方式で情報を送信しただけでは、リモート側の利用者は、連絡が受け付けられたか、対処の状況、メドはどのようになっているか等を知ることができない。これに対応するために、センタ側で、情報の受付時にメール連絡を行ったり(261)、解析処理の進捗状況を情報提供元にメールで連絡したり、電話をコールバックする(265)ことで報告を行う。
このように、リモート側の利用者は、順次連絡を受けることで、状況を把握することができる。現在の方式である電話による連絡で、電話を接続したままでの対応をした場合は、通信料金の無駄になる。また、電話による連絡ではセンタ側の要員は1人の電話相手の対応に専念しなければならないが、本実施の形態では、状況変化時や処置方法確定時にのみリモートの利用者に連絡をとることで、センタ側の要員が複数の問題を並行処理することも可能になり、作業効率の向上にもつながる。
【0021】
更に他の変形例を説明する。
図13はこの場合のシステム構成を示す図であり、図1に示す実施の形態1の機能ブロックに対してリモートコンピュータ側の暗号化機能部15と、センタ側の暗号復号機能部102の各要素が追加されている。
次に動作について説明する。
リモートコンピュータ1側で情報を画像化変換する前に、暗号化機能部15によって、センタ側との間で使用できる暗号化キー(暗号方式は不問)を利用して暗号化する。この情報を受信したセンタコンピュータ100側では、受信信号を先ず暗号復号機能部102で暗号を解いて元の平文とし、画像情報復号機能部101で画像化情報デコードを行う。そして正しく復号できた場合にのみ後続の処理を行い、不可の場合は廃棄する。
メール等で情報を受け付ける場合は、通知内容の漏洩や、悪意を持った者からの偽情報の通知による攻撃を受ける懸念がある。これを回避するために暗号化機能を持たせる方式である。
【0022】
更に他の変形例を説明する。
図14はその場合のシステム構成を示す図であり、図1に示す実施の形態1の機能ブロックに対して、センタ側のフィルタ機能部103が追加されている。フィルタ機能は受け付けた情報の真贋を何らかの設定条件により採り込み可否の判断をして、設定条件に適合しない画像復号後のデータを廃棄する機能である。
次に動作について説明する。
例えば、リモートコンピュータ側で情報を画像化変換する際に、障害発生時刻情報を付加しているものとする。情報を受信したセンタ側では、画像化情報からデコードした際に、障害発生時刻を確認する。障害の連絡であるならば、古い日時の情報が送付されるのは不自然であり、通常の処理のルートに流す必要はないと判断できる。フィルタ機能部103では、取得した障害発生時刻が、ある許容時間範囲にあるかどうかを判定し、通常処理を行うか、廃棄等の別処理を行うかのフィルタを行う。あるいはまた、想定した障害と対応しない宛先であると、不自然な情報であるとしてこのデコードしたデータを廃棄する。
このように、メール等で情報を受け付ける場合は、悪意を持った者からの偽情報の通知による攻撃を受ける懸念がある。攻撃の際に、以前に取得した情報を利用されると情報としては正しいため受け付けてしまう事も考えられるが、この方式によって、不自然な情報をフィルタすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態1におけるデータ伝送システムの基本構成を示す機能ブロック図である。
【図2】実施の形態1における処理の流れを示したシーケンス図である。
【図3】実施の形態1における画像データに含める情報送付先の具体例を示す図である。
【図4】実施の形態1における他のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【図5】実施の形態1における他の処理の流れを示したシーケンス図である。
【図6】実施の形態1における他のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【図7】実施の形態1における他の処理の流れを示したシーケンス図である。
【図8】実施の形態1における他のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2におけるデータ伝送システムの構成を示す図である。
【図10】実施の形態2における障害検知時刻帯と対応した情報転送先メールアドレスを示した対応表の例を示す図である。
【図11】実施の形態2における他のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【図12】実施の形態2における他の処理の流れを示したシーケンス図である。
【図13】実施の形態2における他のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【図14】実施の形態2における他のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0024】
1,1b,1c,1d,1e リモートコンピュータ、11 機器内部の情報記憶メモリ、12 ログ情報記憶メモリ、13 最新情報画像化機能(エンコード)部、14 監視及び通知機能部、15 暗号化機能部、16 メール送信先検出部、21,21b,21c 表示装置、23 入力装置、24 印字装置、30,30b カメラ付携帯電話、31 撮影機能部、32 デコード機能部、33 通信機能部、51 ネットワーク、100 センタコンピュータ、101 画像情報復号機能部、102 暗号復号機能部、103 フィルタ機能部、111 表示装置、112 入力装置、120 メールサーバ、140 情報収集サーバ、160 メール送信機能部、212 ログ情報の画像情報へのエンコード・ステップ、217 画像デコード・ステップ、218 デコードしたログ情報の表示ステップ、231 画像化処理起動ステップ、241 障害検知による送信ステップ、243 不達検知ステップ、244 ログ情報の画像化起動ステップ、251 宛先アドレス組込みステップ、252 デコードして宛先アドレス抽出ステップ、253 抽出アドレスへの送信ステップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
更新情報を解析して宛先を特定する送信先検出部と、上記更新情報と上記特定宛先情報とを画像化する最新情報画像化機能部と、上記画像化された更新情報と特定宛先情報を表示する表示部と、を持つリモートコンピュータと、
上記画像化された更新情報と特定宛先情報を撮影した画像から特定宛先をデコードするデコード機能部を持ち、該特定宛先に上記画像化された更新情報を送信する撮影機能付携帯電話と、
上記送信された画像情報を復号する画像情報復号機能部、を持つセンタコンピュータ、とで構成されることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項2】
リモートコンピュータの送信先検出部は、障害内容を解析して複数宛先への送信情報を検出し、最新情報画像化機能部は、上記複数宛先情報も画像化することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送システム。
【請求項3】
リモートコンピュータの送信先検出部は、障害内容を解析して障害発生時刻により決まる特定の宛先への送信情報を検出し、最新情報画像化機能部は、該特定宛先の情報を画像化することを特徴とする請求項1または請求項2記載のデータ伝送システム。
【請求項4】
リモートコンピュータの送信先検出部は、障害内容を解析し、障害個所を示す情報に基いて特定宛先を定めることを特徴とする請求項1または請求項2記載のデータ伝送システム。
【請求項5】
センタコンピュータは、送信されたデータが所定の設定条件に適合するかの可否を判断するフィルタ機能部、を備えたことを特徴とする請求項1記載のデータ伝送システム。
【請求項6】
リモートコンピュータ側において、更新情報を解析して宛先を特定する送信先検出ステップと、
上記更新情報と上記特定された宛先の情報を画像化する最新情報画像化ステップと、
上記画像化された更新情報と特定宛先情報を表示する表示ステップと、
撮影機能付携帯電話において、上記画像化された更新情報と特定宛先情報を撮影した画像から特定宛先をデコードするデコード・ステップと、
上記デコードにより得られる宛先に上記画像化された更新情報を送信するステップと、
センタコンピュータ側において、上記送信された画像情報を復号する画像情報復号ステップ、を持つことを特徴とするデータ伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−178601(P2006−178601A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369204(P2004−369204)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】