説明

データ作成装置、基板検査装置およびデータ作成方法

【課題】部品実装基板に対して行う電気的検査において用いる検査用データを作成する際の入力作業を効率よくかつ正確に行う。
【解決手段】回路基板に電気部品(抵抗器R1,R2,R6,R7)が実装された部品実装基板に対して行う電気的検査において電気信号の入出力を行うための部品実装基板における検査ポイントを示すポイント情報を含む検査用データを作成する処理部と、ポイント情報を入力する操作が可能な操作部と、ポイント情報の入力時に参照させる図であって回路基板の配線(W1〜W3,W6,W7)および電気部品の配置を示す配置図Fを表示部12に表示させる表示制御部とを備え、操作部は、配置図F内に図示されている配線を選択する選択操作が可能に構成され、処理部は、選択操作によって選択された配線を示す情報をポイント情報として検査用データを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装基板に対して行う電気的検査において電気信号の入出力を行うための検査ポイントを示すポイント情報を含む検査用データを作成するデータ作成装置、基板検査装置およびデータ作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の基板検査装置として、特開2001−66351号公報に開示された回路基板検査装置が知られている。この回路基板検査装置は、フィクスチャおよび接続計測部を備えて、回路基板における各配線(ランドパターン)や回路基板に実装された電気部品の検査を実行可能に構成されている。この場合、フィクスチャは、配線や電気部品の配置位置に対応して複数のプローブピンが突出形成された下側フィクスチャおよび上側フィクスチャで構成されている。この回路基板検査装置では、下側フィクスチャと上側フィクスチャとの間に回路基板を挟み込むことによって下側フィクスチャのプローブピンを各配線や電気部品の端子などに設定された検査ポイントに接触させ、各検査ポイントの中から指定された検査ポイントに対してプローブピンを介して信号を供給した状態で、接続計測部がプローブピンを介して入力する信号に基づいて各配線の導通検査や絶縁検査、および電気部品の良否検査などを行う。
【0003】
この場合、検査時に信号を供給する検査ポイントを示すデータは、配線や電気部品の大きさ、形状および配置位置などをCADデータやガーバデータに基づいて確認しつつ、検査対象の配線毎および電気部品毎に入力する入力作業によって予め作成されて記憶部に記憶される。このような入力作業を効率的に行わせるため、発明者は、配線や電気部品の配置をCADデータやガーバデータに基づいて特定し、それらが図示された配置図を表示部に表示させる基板検査装置を既に開発している。この基板検査装置では、表示部に表示された配置図を参照しつつ入力作業を行うことができるため、作業効率を向上させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−66351号公報(第3−5頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、発明者らが既に開発している上記の基板検査装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、上記の基板検査装置では、データを作成する際に検査ポイントを示す数値等を入力する作業が、キーボード等の入力装置を用いた入力操作によって行われる。このため、この基板検査装置には、作業がやや煩雑で作業効率の向上が困難であるという課題が存在する。また、配置図に表示された配線番号の読み間違いや、入力操作ミス等に起因する数値の誤入力のおそれもある。
【0006】
本発明は、かかる課題を改善すべくなされたものであり、部品実装基板に対して行う電気的検査において用いる検査用データを作成する際の入力作業を効率よくかつ正確に行い得るデータ作成装置、基板検査装置およびデータ作成方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載のデータ作成装置は、回路基板に電気部品が実装された部品実装基板に対して行う電気的検査において電気信号の入出力を行うための当該部品実装基板における検査ポイントを示すポイント情報を含む検査用データを作成する処理部と、前記ポイント情報を入力する操作が可能な操作部と、前記ポイント情報の入力時に参照させる図であって前記回路基板の配線および前記電気部品の配置を示す配置図を表示部に表示させる表示制御部とを備えたデータ作成装置であって、前記操作部は、前記配置図内に図示されている前記配線を選択する選択操作が可能に構成され、前記処理部は、前記選択操作によって選択された前記配線を示す情報を前記ポイント情報として前記検査用データを作成する。
【0008】
また、請求項2記載のデータ作成装置は、請求項1記載のデータ作成装置において、前記表示制御部は、前記電気的検査の対象となる複数の前記電気部品および当該各電気部品にそれぞれ対応する前記検査ポイントを一覧表として前記表示部に表示させると共に、前記選択操作が行われたときに当該選択操作によって選択された前記配線を示す情報を前記ポイント情報として前記一覧表内に表示させる。
【0009】
また、請求項3記載のデータ作成装置は、請求項2記載のデータ作成装置において、前記表示制御部は、前記一覧表内に表示されている前記各電気部品の1つが選択されたときに、当該選択された電気部品と当該電気部品に直接的に接続されている前記配線と当該配線に直接的に接続されている他の前記電気部品との配置を示す前記配置図を表示させる。
【0010】
また、請求項4記載の基板検査装置は、請求項1から3のいずれかに記載のデータ作成装置と、当該データ作成装置によって作成された前記検査用データを用いて前記部品実装基板に対する電気的検査を行う検査部とを備えている。
【0011】
また、請求項5記載のデータ作成方法は、回路基板に電気部品が実装された部品実装基板に対して行う電気的検査において電気信号の入出力を行うための当該部品実装基板における検査ポイントを示すポイント情報を入力させる際に、前記回路基板の配線および前記電気部品の配置を示す配置図を表示部に表示させ、前記入力されたポイント情報を含む検査用データを作成するデータ作成方法であって、前記配置図内に図示されている前記配線を選択する選択操作によって選択された前記配線を示す情報を前記ポイント情報として前記検査用データを作成する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のデータ作成装置、および請求項5記載のデータ作成方法では、配置図内の配線を選択する選択操作によって選択された配線の情報をポイント情報として検査用データを作成する。このため、このデータ作成装置およびデータ作成方法によれば、キーボード等を用いた入力操作を行うことなくポイント情報を入力することができる結果、作業効率を十分に向上させることができる。また、キーボード等を用いた入力操作を行うことなくポイント情報を入力することができるため、入力操作を行う際のポイント情報の読み間違いや入力操作ミス等に起因するポイント情報の誤入力を回避することができる結果、入力作業を正確に行うことができる。
【0013】
また、請求項2記載のデータ作成装置によれば、電気的検査の対象となる複数の電気部品および各電気部品にそれぞれ対応する検査ポイントを一覧表として表示部に表示させると共に、選択操作が行われたときに選択操作によって選択された配線を示す情報をポイント情報として一覧表内に表示させることにより、選択操作によって選択された配線の情報がポイント情報として入力されたか否か、およびその情報が所望の配線の情報であるか否かなどを一目で容易に確認することができる。
【0014】
また、請求項3記載のデータ作成装置では、一覧表内に表示されている各電気部品の1つが選択されたときに、選択された電気部品とその電気部品に直接的に接続されている配線とその配線に直接的に接続されている他の電気部品との配置を示す配置図を表示させる。このため、このデータ作成装置およびデータ作成方法では、選択した電気部品と配線を介して接続されている他の電気部品との接続状態を一目で確認することができるため、選択した電気部品についての検査ポイントとして設定すべき配線を確実かつ容易に決定することができる。
【0015】
また、請求項4記載の基板検査装置によれば、上記のデータ作成装置を備えたことにより、上記のデータ作成装置が有する効果と同様の効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】基板検査装置1の構成を示す構成図である。
【図2】部品実装基板100の構成を示す構成図である。
【図3】表示部12に表示された一覧表Tおよび配置図Fの表示画面図である。
【図4】基板検査装置1の動作を説明する第1の説明図である。
【図5】基板検査装置1の動作を説明する第2の説明図である。
【図6】基板検査装置1の動作を説明する第3の説明図である。
【図7】基板検査装置1の動作を説明する第4の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、データ作成装置、基板検査装置およびデータ作成方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0018】
最初に、基板検査装置1の構成について説明する。図1に示す基板検査装置1は、基板検査装置の一例であって、部品実装基板100に対する電気的検査を実行可能に構成されている。この場合、部品実装基板100は、図2に示すように、配線W1〜W7(以下、区別しないときには「配線W」ともいう)が形成された回路基板Bと、配線Wに接続されて回路基板Bに実装された電気部品E(例えば、同図に示す抵抗器R1〜R8)とを備えて構成されている。なお、同図では、部品実装基板100の一部を図示している。
【0019】
一方、基板検査装置1は、図1に示すように、データ作成装置2および検査部3を備えて構成されている。データ作成装置2は、操作部11、表示部12、記憶部13および制御部14を備えて、部品実装基板100に対して行う電気的検査において用いられる検査用データDtを作成可能に構成されている。
【0020】
操作部11は、キーボード等の入力装置を備え、後述する検査ポイントを示すポイント情報を入力する入力操作が可能に構成されている。また、操作部11は、ポインティングデバイス(一例として、マウス)を備え、後述する配置図F(図3,5参照)内に図示されている配線Wを選択する選択操作が可能に構成されている。また、操作部11は、上記した入力操作や選択操作が行われたときに、各操作に応じた操作信号を制御部14に対して出力する。
【0021】
表示部12は、制御部14の制御に従い、後述する一覧表T(図3,4参照)や配置図F(図3,5参照)などの各種の画像を表示する。記憶部13は、検査用データDtを記憶する。また、記憶部13は、制御部14によって実行される第1表示処理および第2表示処理において用いられる配線データDaおよび電気部品データDbを記憶する。この場合、配線データDaは、部品実装基板100の各配線Wについての形状や配設位置を特定可能な例えばガーバデータで構成されている。また、電気部品データDbは、部品実装基板100の各電気部品Eについての種類や規格(例えば、抵抗値の規格値Rs)、および各電気部品Eについての形状や配設位置を特定可能な情報を含んで構成されている。
【0022】
制御部14は、操作部11から出力される操作信号に基づき、各種の処理を実行すると共に、表示部12や検査部3を制御する。また、制御部14は、処理部として機能し、操作部11から出力される操作信号に基づいて検査用データDtを作成して、記憶部13に記憶させる。ここで、検査用データDtは、一例として、検査内容、検査用信号S(電気信号の一例)を供給する検査ポイントとしての配線Wを示すポイント情報、ガードポイント(検査用信号SのHi側を供給する配線Wと同電位とするポイント)として機能させる検査ポイントとしての配線Wを示すポイント情報、電気部品Eの規格値Rs、および電気部品Eの良否を判定するための良否判定用の基準値(例えば、抵抗値の基準値Rr)などが検査対象の電気部品E毎に記述されて構成されている。
【0023】
また、制御部14は、表示制御部として機能し、第1表示処理を実行して一覧表T(図3,4参照)を表示部12に表示させる。この場合、一覧表Tは、検査用データDtの内容を示す表であって、図4に示すように、検査用データDtに含まれる検査内容、検査ポイント、規格値Rsおよび基準値Rrが電気部品E毎に一覧表形式で並べられて構成されている。
【0024】
また、制御部14は、一覧表Tを表示させている状態において一覧表T内に表示されている各電気部品Eの1つが選択されたときに、第2表示処理を実行して配置図F(図3,5参照)を表示部12に表示させる。この場合、配置図Fは、検査用データDtを作成する際(操作部11に対する入力作業を行う際)に参照させる図であって、図5に示すように、選択された電気部品Eとその電気部品Eに配線Wを介して接続されている他の電気部品Eの配置が図示されると共に、各配線Wの番号や電気部品Eの種類などを示す情報が図示されている。
【0025】
また、制御部14は、配置図F内に図示されている配線Wを選択する選択操作が行われたときには、その選択操作によって選択された配線Wを示す情報(例えば、配線Wの符号)がポイント情報として入力されたとして検査用データDtを作成すると共に、その配線Wの符号を一覧表T内に表示させる。
【0026】
検査部3は、図1に示すように、基板保持台21、プローブユニット22、プロービング機構23、スキャナ部24、検査用信号生成部25、および測定部26を備えて構成されている。
【0027】
基板保持台21は、部品実装基板100を保持可能に構成されている。プローブユニット22は、部品実装基板100の各配線Wに接触可能な複数のプローブピン31を備えて治具型に構成されている。プロービング機構23は、制御部14の制御に従い、プローブユニット22を移動させることによってプロービングを行う。
【0028】
スキャナ部24は、複数のスイッチ(図示せず)を備えて構成され、制御部14の制御に従って各スイッチをオン状態またはオフ状態に移行させることにより、プローブユニット22のプローブピン31と検査用信号生成部25との接断(接続および切断)、およびプローブピン31と測定部26との接断を行う。検査用信号生成部25は、検査用信号S(例えば、直流定電流信号)を生成する。測定部26は、検査用信号Sの供給によって電気部品Eの両端に生じる電圧の電圧値と検査用信号Sの電流値とに基づいて電気部品Eの抵抗値を測定する。
【0029】
次に、基板検査装置1を用いて図2に示す部品実装基板100についての検査用データDtを作成するデータ作成方法、およびその検査用データDtに基づいて基板検査装置1を用いて部品実装基板100を検査する方法について、図面を参照して説明する。
【0030】
検査に先立ち、部品実装基板100についての検査用データDtを作成する。この検査用データDtの作成に当たっては、操作部11を操作して処理の開始を指示する。この際に、操作部11が操作信号を出力し、制御部14が操作信号に従って第1表示処理を実行する。この第1表示処理では、制御部14は、記憶部13から配線データDaおよび電気部品データDbを読み出す。
【0031】
次いで、制御部14は、電気部品データDbに基づき、部品実装基板100における各電気部品Eの種類(名称)、各電気部品Eにそれぞれ対応する検査内容、各電気部品Eについて予め決められている規格値Rs、および基準値Rrを特定する。なお、この例では、制御部14は、基準値Rrを規格値Rsと同じ値に特定している。次いで、制御部14は、これらの情報を電気部品E毎に一覧表形式で並べた一覧表Tを表示させるために必要な画像データを生成する。続いて、制御部14は、生成した画像データを表示部12に出力する。これにより、図3,4に示すように、一覧表Tが表示部12に表示される。
【0032】
次いで、各電気部品Eについての検査ポイントの情報(ポイント情報)を入力する。具体的には、操作部11のキーボードのカーソルキーやマウスを操作して、図4に示すように、一覧表T内に表示されている各電気部品Eの1つ(例えば、抵抗器R1)を選択する。この際に、制御部14は、選択された抵抗器R1について検査ポイントの情報を入力すべき一覧表T内の欄(例えば、同図に示す「検査ポイント」の「Hi側」の欄)にカーソル(同図に示す太枠)を表示させる。
【0033】
次いで、制御部14は、操作部11から出力された操作信号に従って第2表示処理を実行する。この第2表示処理では、制御部14は、記憶部13から読み出した配線データDaおよび電気部品データDbに基づき、一覧表T内に表示されている各電気部品Eの中から選択された電気部品E(この例では、抵抗器R1)と、その抵抗器R1に直接的に接続されている配線W(この例では、配線W1,W2)と、その配線W1,W2に直接的に接続されている他の電気部品E(この例では、配線W1には電気部品Eが接続されておらず、配線W2に抵抗器R2,R6,R7が直接的に接続されている状態における、その抵抗器R2,R6,R7)との配置を示す配置図Fを表示させるのに必要な画像データを生成する。続いて、制御部14は、生成した画像データを表示部12に出力する。これにより、図5に示すように、配置図Fが表示部12に表示される。
【0034】
次いで、配置図Fを参照しつつ、抵抗器R1について検査ポイントとすべき配線Wを決定する。次いで、例えば配線W1(図5参照)を、検査用信号SのHi側供給用の検査ポイントとして決定したときには、同図に示すように、配置図F内に図示されている配線W1(具体的には、配線W1を示す線分の画像、または配線W1を示す符号「W1」の画像)を操作部11のマウスを用いてクリックすることによって選択する選択操作を行う。
【0035】
この際に、制御部14は、操作部11から出力された操作信号に従い、選択操作によって選択された配線W1を示す情報(配線W1の符号)がポイント情報として入力されたとして、図6に示すように、その符号を一覧表T内(同図に示す「検査ポイント」の「Hi側」の欄)に表示させる。また、制御部14は、同図に示すように、次の検査ポイントの情報を入力すべき一覧表T内の欄(例えば、同図に示す「検査ポイント」の「Lo側」の欄)にカーソル(同図に示す太枠)を表示させる。
【0036】
次いで、例えば配線W2(図5参照)を、検査用信号SのLo側供給用の検査ポイントとして決定したときには、操作配置図F内に図示されている配線W2を選択する選択操作を行う。この際に、制御部14は、配線W2の符号がポイント情報として入力されたとして、図7に示すように、その符号を一覧表T内における「検査ポイント」の「Lo側」の欄に表示させる。また、制御部14は、次の検査ポイントの情報を入力すべき一覧表T内の欄(例えば、同図に示す「検査ポイント」の「ガードP」の欄)にカーソルを表示させる。
【0037】
この場合、抵抗器R1についてのガードポイントとして設定すべき検査ポイント(配線W)が存在しないときには、抵抗器R1についての検査ポイントの入力を終了し、次いで、一覧表T内に表示されている各電気部品Eの他の1つ(例えば、抵抗器R2)を選択する。この際に、制御部14は、上記した第2表示処理を実行して、選択された抵抗器R2と、抵抗器R2に直接的に接続されている配線W2,W3と、配線W2,W3に直接的に接続されている抵抗器R1,R3,R4,R6,R7(いずれも図2参照)との配置を示す配置図Fを表示部12に表示させる。次いで、抵抗器R2についての検査ポイントとすべき配線Wが選択操作によって選択されたときには、制御部14は、上記したように、選択された配線Wの符号を一覧表T内に表示させる。
【0038】
以下、同様にして、一覧表T内に表示されている各電気部品Eを1つずつ選択し、各電気部品Eについての検査ポイントとすべき配線Wを選択操作によって選択する。これにより、制御部14が、図7に示すように、選択された配線Wの符号を一覧表T内に表示させる。以上により、各電気部品Eについてのポイント情報の入力が終了する。次いで、制御部14は、上記のようにして入力された検査ポイントの情報を含む検査用データDtを作成して記憶部13に記憶させる。以上により、部品実装基板100についての検査用データDtの作成が終了する。
【0039】
次に、部品実装基板100の検査を行う。具体的には、部品実装基板100を検査部3の基板保持台21に載置して保持させる。続いて、操作部11を操作して、検査の開始を指示する。この際に、制御部14が、操作部11から出力された操作信号に従い、検査部3のプロービング機構23を制御してプローブユニット22を移動させる。これにより、プローブユニット22の各プローブピン31の先端部が部品実装基板100の各配線Wに接触(プロービング)させられる。
【0040】
次いで、制御部14は、検査処理を実行する。この検査処理では、制御部14は、記憶部13から検査用データDtを読み出し、続いて、検査用データDtに基づき、最初に検査する電気部品E(例えば、図2に示す抵抗器R1)についての検査ポイントを特定する。次いで、制御部14は、検査部3の検査用信号生成部25を制御して検査用信号Sを生成させる。続いて、制御部14は、検査部3のスキャナ部24を制御して、検査ポイントとして設定されている配線W(この例では、配線W1,W2)に接触しているプローブピン31と検査用信号生成部25および測定部26とを接続する。これにより、検査用信号生成部25によって生成された検査用信号Sが配線W1,W2間に供給される。
【0041】
次いで、測定部26が検査用信号Sの供給によって生じる配線W1,W2間の電圧の電圧値と検査用信号Sの電流値とに基づいて抵抗値を測定する。続いて、制御部14が、測定部26によって測定された測定値と、検査用データDtに含まれている良否判定用の基準値Rrとを比較して、抵抗器R1の良否を判定する。次いで、制御部14は、上記した各処理を実行して、他の電気部品Eに対する検査を実行する。また、制御部14は、各電気部品Eについての判定結果を表示部12に表示させる。
【0042】
このように、この基板検査装置1、データ作成装置2およびデータ作成方法では、配置図F内の配線Wを選択する選択操作によって選択された配線Wの情報(配線Wの符号)をポイント情報として検査用データDtを作成する。このため、この基板検査装置1、データ作成装置2およびデータ作成方法によれば、キーボード等を用いた入力操作を行うことなくポイント情報を入力することができる結果、作業効率を十分に向上させることができる。また、キーボード等を用いた入力操作を行うことなくポイント情報を入力することができるため、入力操作を行う際のポイント情報の読み間違いや入力操作ミス等に起因するポイント情報の誤入力を回避することができる結果、入力作業を正確に行うことができる。
【0043】
また、この基板検査装置1、データ作成装置2およびデータ作成方法によれば、各電気部品Eおよび各電気部品Eにそれぞれ対応する検査ポイントを一覧表Tとして表示し、選択操作が行われたときに選択操作によって選択された配線Wの情報(配線Wの符号)をポイント情報として一覧表T内に表示することにより、選択操作によって選択した配線Wの情報がポイント情報として入力されたか否か、およびその情報が所望の配線Wの情報であるか否かなどを一目で容易に確認することができる。
【0044】
また、この基板検査装置1、データ作成装置2およびデータ作成方法では、一覧表T内に表示されている各電気部品Eの1つが選択されたときに、選択された電気部品Eと、その電気部品Eに直接的に接続されている配線Wとその配線Wに直接的に接続されている他の電気部品Eとの配置を示す配置図Fを表示させる。このため、この基板検査装置1、データ作成装置2およびデータ作成方法では、選択した電気部品Eと配線Wを介して接続されている他の電気部品Eとの接続状態を一目で確認することができるため、選択した電気部品Eについての検査ポイントとして設定すべき配線Wを確実かつ容易に決定することができる。
【0045】
なお、基板検査装置1(データ作成装置2)およびデータ作成方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、図3〜7に示す一覧表Tおよび配置図Fの表示形態(例えば、一覧表T内に表示する項目や、配置図F内に図示する電気部品Eの数など)は一例であって、適宜変更することができる。また、上記の例では、一覧表Tおよび配置図Fを表示部12の一画面内に並べて同時に表示させているが、一覧表Tおよび配置図Fを切り替えて表示する構成および方法を採用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 基板検査装置
2 データ作成装置
3 検査部
11 操作部
14 制御部
100 部品実装基板
B 回路基板
Dt 検査用データ
F 配置図
R1〜R8 抵抗器
S 検査用信号
T 一覧表
W1〜W7 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に電気部品が実装された部品実装基板に対して行う電気的検査において電気信号の入出力を行うための当該部品実装基板における検査ポイントを示すポイント情報を含む検査用データを作成する処理部と、前記ポイント情報を入力する操作が可能な操作部と、前記ポイント情報の入力時に参照させる図であって前記回路基板の配線および前記電気部品の配置を示す配置図を表示部に表示させる表示制御部とを備えたデータ作成装置であって、
前記操作部は、前記配置図内に図示されている前記配線を選択する選択操作が可能に構成され、前記処理部は、前記選択操作によって選択された前記配線を示す情報を前記ポイント情報として前記検査用データを作成するデータ作成装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記電気的検査の対象となる複数の前記電気部品および当該各電気部品にそれぞれ対応する前記検査ポイントを一覧表として前記表示部に表示させると共に、前記選択操作が行われたときに当該選択操作によって選択された前記配線を示す情報を前記ポイント情報として前記一覧表内に表示させる請求項1記載のデータ作成装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記一覧表内に表示されている前記各電気部品の1つが選択されたときに、当該選択された電気部品と当該電気部品に直接的に接続されている前記配線と当該配線に直接的に接続されている他の前記電気部品との配置を示す前記配置図を表示させる請求項2記載のデータ作成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のデータ作成装置と、当該データ作成装置によって作成された前記検査用データを用いて前記部品実装基板に対する電気的検査を行う検査部とを備えている基板検査装置。
【請求項5】
回路基板に電気部品が実装された部品実装基板に対して行う電気的検査において電気信号の入出力を行うための当該部品実装基板における検査ポイントを示すポイント情報を入力させる際に、前記回路基板の配線および前記電気部品の配置を示す配置図を表示部に表示させ、前記入力されたポイント情報を含む検査用データを作成するデータ作成方法であって、
前記配置図内に図示されている前記配線を選択する選択操作によって選択された前記配線を示す情報を前記ポイント情報として前記検査用データを作成するデータ作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−167934(P2012−167934A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26624(P2011−26624)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】