説明

データ処理装置、そのコンピュータプログラムおよびデータ処理方法

【課題】サービス対象ユーザに年齢制限サービスを簡単かつ確実に提供することができるデータ処理装置を提供する。
【解決手段】データ処理装置100は、公的証明書類DRCとサービス対象ユーザSTYとの同時撮像画像CCGを受信し、そこから公的証明書類DRCを撮像書類画像CRGとして抽出し、これからユーザ顔面写真YFGを書類顔面画像RFGとして抽出する。一方、同時撮像画像CCGからユーザ顔面部分を撮像顔面画像CFGとして抽出し、その撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとの整合を判定する。また、抽出された撮像書類画像CRGによりサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARかも判定する。そこで、撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとが整合するとともにサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARと判定されると年齢制限サービスACSの提供を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類を所持している特定年齢範囲のサービス対象ユーザに年齢制限サービスを提供することに利用されるデータ処理装置、このデータ処理装置のためのコンピュータプログラムおよびデータ処理方法、に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、各種の製品製造メーカが各種製品を製造販売するとともに、その製品を購入した一般ユーザに販促などのために各種サービスを提供している。例えば、製品にラベルを付与しておき、そのラベルを葉書に貼付して製品製造メーカに送付すると、その製品製造メーカからプレゼントが搬送されるユーザサービスなどが実施されている。
【0003】
なお、上述のようなサービスの一部ないし全部をインターネットなどを利用して自動化することも各種実施されている。ただし、上述のようなサービスには年齢制限が必要な場合もある。
【0004】
例えば、製品がアルコール飲料やタバコパックなどの場合、その購入ユーザは成人に限定される。当然ながら、その製品に関連したユーザサービスの対象者も成人に限定する必要がある。
【0005】
換言すると、製品製造メーカが一般ユーザに製品購入などに関連してユーザサービスを実施する場合でも、その製品に年齢制限があるならば、そのユーザサービスも年齢制限する必要がある。
【0006】
このため、上述のような場合には、一般ユーザが製品製造メーカからユーザサービスを受領するようなときに、簡単かつ確実に年齢を認証する必要がある。現在、このようなことをデータ処理装置などで実施する各種の提案がある。
【0007】
例えば、携帯電話を利用して、任意の人がいつでもどこでも個人認証できるサービス方法が提案されている。このサービス方法では、携帯電話装置を使用する個人の氏名、住所および生年月日を証明する少なくとも一つの書類を、携帯電話使用者個人の顔写真と共にサーバ装置に予め読み込んで登録するステップと、携帯電話の使用者が対面相手に対して個人証明する必要が発生した場合に、その携帯電話からサーバ装置内の登録内容を呼び出し、顔写真および書類を携帯電話の表示部に表示させて対面相手に提示することにより、対面相手に該携帯電話の使用者本人であることを確認させる(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、個人の身分の証明能力を持たせた形態で個人情報を登録可能とし、身分証明書としての機能を持たせる発明もある。この発明では、カメラを備えた携帯端末の購入契約が終了すると、身分証明書の機能を取得する場合、そのための手続をこの携帯端末の購入店に依頼する。
【0009】
購入店は、この購入者に関する情報(氏名,住所など)を携帯端末に入力するとともに、カメラで購入者の顔写真を撮影し、これらを購入者の個人情報として携帯運営会社に送信する。
【0010】
携帯運営会社は、この個人情報を受信すると、顔写真が合成された身分証明書のフォーマットの画像を作成し、さらに、セキュリティを掛けて携帯端末に送信する。携帯端末では、これが受信されてメモリに登録される。この登録された画像を読み出して表示装置に供給することにより、身分証明書が表示される(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
さらに、プリペイド式携帯電話機の販売において、前記携帯電話機を自動販売機に収納して販売し、且つ販売時に顧客の身元確認等の作業を実行できるように構成した発明もある。
【0012】
この発明は、身元確認手段と記憶手段と通信手段とを有しプリペイド式携帯電話機を販売する自動販売機であって、前記身元確認手段は前記プリペイド式携帯電話機の購入者が所有する健康保険証やパスポートや運転免許証等の身分証に表示した文字や写真等をイメージデータ若しくはテキストデータとして取り込み身元確認情報とし、これを前記記憶手段に記憶すると共に、前記通信手段を用いて該身元確認情報を携帯電話サービスを提供する携帯電話サービス事業者へ通知する(例えば、特許文献3参照)。
【0013】
また、自動販売機において、生体認証による年齢識別制御システムを提供する発明もある。この場合、購入に年齢制限のある商品を販売する自動販売機又はその周辺に、客の生体データを採取する手段を設け、自動販売機又はその周辺、或いは自動販売機を制御する管理センタに、採取された生体データから、当該客の年齢を判定し、この判定結果が「資格あり」であるときは自動販売機に対して「販売可」制御を行い、「資格無し」であるときは自動販売機に対して「販売不可」制御を行う(例えば、特許文献4参照)。
【0014】
さらに、年齢制限のある商品が外部から容易に見えないようにすると共に、何ら証明媒体を使用しないでも購入者本人が未成年か否かを確認できる発明もある。この場合、前面に年齢制限のない清涼飲料ボトル等を展示し、年齢制限のあるタバコ等は、購入者が制限年齢以上と判別した場合のみ液晶ディスプレーに表示する。
【0015】
制限年齢以上か否かは、顔認証手段がデジタルカメラの撮影データと、ハードディスクに記録してある多数の顔のデータとを照合して判別する。判別できないときにはインターネットを介して目視判別し、さらに判別できないときには音声にて判別する。判別した撮影データは記録されるので、それ以降の同一人に対しては、迅速かつ確実に自動判別が可能になる(例えば、特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2002−207838号公報
【特許文献2】特開2004−179859号公報
【特許文献3】特開2002−183811号公報
【特許文献4】特開2003−217010号公報
【特許文献5】特開2006−301829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述のようにデータ処理装置などを利用して一般ユーザを年齢認証する各種の提案がある。しかし、遠隔の一般ユーザを簡単かつ確実に年齢認証して年齢制限サービスを提供する現実的な手法は確立されていない。
【0017】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、サービス対象ユーザに年齢制限サービスを簡単かつ確実に提供することができるデータ処理装置、そのデータ処理装置のためのコンピュータプログラムおよびデータ処理方法、を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のデータ処理装置は、少なくともユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類を所持している特定年齢範囲のサービス対象ユーザに年齢制限サービスを提供することに利用されるデータ処理装置であって、公的証明書類とサービス対象ユーザとが一緒に撮像されている同時撮像画像を受信する画像受信部と、受信された同時撮像画像から公的証明書類を撮像書類画像として抽出する書類抽出部と、抽出された撮像書類画像からユーザ顔面写真を書類顔面画像として抽出する写真抽出部と、同時撮像画像からサービス対象ユーザのユーザ顔面部分を撮像顔面画像として抽出する顔面抽出部と、抽出された撮像顔面画像と書類顔面画像との整合を判定する整合判定部と、抽出された撮像書類画像によりサービス対象ユーザが特定年齢範囲か判定する書類判定部と、撮像顔面画像と書類顔面画像とが整合するとともにサービス対象ユーザが特定年齢範囲と判定されると年齢制限サービスの提供を許可するサービス許可部と、を有する。
【0019】
従って、本発明のデータ処理装置は、少なくともユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類を所持している特定年齢範囲のサービス対象ユーザに年齢制限サービスを提供することに利用される。このため、公的証明書類とサービス対象ユーザとが一緒に撮像されている同時撮像画像を画像受信部が受信する。すると、同時撮像画像から公的証明書類を撮像書類画像として書類抽出部が抽出する。この抽出された撮像書類画像からユーザ顔面写真を書類顔面画像として写真抽出部が抽出する。一方、同時撮像画像からサービス対象ユーザのユーザ顔面部分を撮像顔面画像として顔面抽出部が抽出する。このように抽出された撮像顔面画像と書類顔面画像との整合を整合判定部が判定する。また、抽出された撮像書類画像によりサービス対象ユーザが特定年齢範囲かを書類判定部が判定する。そこで、撮像顔面画像と書類顔面画像とが整合するとともにサービス対象ユーザが特定年齢範囲と判定されるとサービス許可部が年齢制限サービスの提供を許可する。このため、ユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類をサービス対象ユーザが自身のユーザ顔面部分とともに撮像して送信するだけで、公的証明書類により特定年齢範囲と確認されるサービス対象ユーザに年齢制限サービスの提供が許可される。特に、公的証明書類によるサービス対象ユーザが特定年齢範囲かの判定と、その公的証明書類がサービス対象ユーザのものかの判定と、が一つの同時撮像画像から判定される。
【0020】
また、上述のようなデータ処理装置において、書類判定部は、公的証明書類の種別を判定してユーザ顔面写真の書類掲載位置を特定し、写真抽出部は、特定された書類掲載位置で撮像書類画像から書類顔面画像を抽出してもよい。
【0021】
また、上述のようなデータ処理装置において、公的証明書類の各種の書類特徴データを保持する特徴保持部を、さらに有し、書類判定部は、抽出された撮像書類画像と保持されている書類特徴データとに基づいて撮像された公的証明書類の適否を判定してもよい。
【0022】
また、上述のようなデータ処理装置において、画像受信部は、サービス対象ユーザが所持するユーザ情報端末で撮像されて送信された同時撮像画像を受信し、ユーザ情報端末にインストールされて同時撮像画像を暗号化して送信する暗号送信プログラムを保持するプログラム保持部と、保持されている暗号送信プログラムをユーザ情報端末に提供するプログラム提供部とを、さらに有し、画像受信部は、暗号送信プログラムで暗号化されて受信した同時撮像画像を復号してもよい。
【0023】
また、上述のようなデータ処理装置において、公的証明書類は、サービス対象ユーザを証明するユーザ個人データが表記されており、特徴保持部は、ユーザ個人データの書類特徴データも保持しており、書類判定部は、受信された同時撮像画像から書類特徴データにより認識したユーザ個人データからサービス対象ユーザが特定年齢範囲か判定し、サービス許可部は、撮像された公的証明書類が適正でサービス対象ユーザが特定年齢範囲と判定されると年齢制限サービスの提供を許可してもよい。
【0024】
また、上述のようなデータ処理装置において、公的証明書類は、ユーザ個人データとしてサービス対象ユーザの年齢に関連する年齢関連データが表記されており、書類判定部は、受信された同時撮像画像から書類特徴データにより認識した年齢関連データと現在年月日からサービス対象ユーザのユーザ現在年齢を算出してサービス対象ユーザが特定年齢範囲か判定してもよい。
【0025】
また、上述のようなデータ処理装置において、公的証明書類は、発行時点の年月日を示す発行時点情報とユーザ個人データとしてサービス対象ユーザの発行時点年齢とが表記されており、書類判定部は、受信された同時撮像画像から書類特徴データにより認識した発行時点情報と発行時点年齢と現在年月日からユーザ現在年齢を算出してサービス対象ユーザが特定年齢範囲か判定してもよい。
【0026】
また、上述のようなデータ処理装置において、許可された年齢制限サービスをユーザ個人データに対応してサービス対象ユーザに提供するサービス提供部を、さらに有してもよい。
【0027】
また、上述のようなデータ処理装置において、公的証明書類は、書類有効期間が表記されており、特徴保持部は、書類有効期間の書類特徴データも保持しており、書類判定部は、受信された同時撮像画像から書類特徴データにより認識した書類有効期間と現在年月日との整合性も判定してもよい。
【0028】
また、上述のようなデータ処理装置において、同時撮像画像を送信したユーザ情報端末に許可された年齢制限サービスをデータ提供するサービス提供部を、さらに有してもよい。
【0029】
本発明のコンピュータプログラムは、少なくともユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類を所持している特定年齢範囲のサービス対象ユーザに年齢制限サービスを提供することに利用されるデータ処理装置のコンピュータプログラムであって、公的証明書類とサービス対象ユーザとが一緒に撮像されている同時撮像画像を受信する画像受信処理と、受信された同時撮像画像から公的証明書類を撮像書類画像として抽出する書類抽出処理と、抽出された撮像書類画像からユーザ顔面写真を書類顔面画像として抽出する写真抽出処理と、同時撮像画像からサービス対象ユーザのユーザ顔面部分を撮像顔面画像として抽出する顔面抽出処理と、抽出された撮像顔面画像と書類顔面画像との整合を判定する整合判定処理と、抽出された撮像書類画像によりサービス対象ユーザが特定年齢範囲か判定する書類判定処理と、撮像顔面画像と書類顔面画像とが整合するとともにサービス対象ユーザが特定年齢範囲と判定されると年齢制限サービスの提供を許可するサービス許可処理と、をデータ処理装置に実行させる。
【0030】
本発明のデータ処理方法は、少なくともユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類を所持している特定年齢範囲のサービス対象ユーザに年齢制限サービスを提供することに利用されるデータ処理装置のデータ処理方法であって、公的証明書類とサービス対象ユーザとが一緒に撮像されている同時撮像画像を受信する画像受信動作と、受信された同時撮像画像から公的証明書類を撮像書類画像として抽出する書類抽出動作と、抽出された撮像書類画像からユーザ顔面写真を書類顔面画像として抽出する写真抽出動作と、同時撮像画像からサービス対象ユーザのユーザ顔面部分を撮像顔面画像として抽出する顔面抽出動作と、抽出された撮像顔面画像と書類顔面画像との整合を判定する整合判定動作と、抽出された撮像書類画像によりサービス対象ユーザが特定年齢範囲か判定する書類判定動作と、撮像顔面画像と書類顔面画像とが整合するとともにサービス対象ユーザが特定年齢範囲と判定されると年齢制限サービスの提供を許可するサービス許可動作と、を有する。
【0031】
なお、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0032】
また、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要もなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0033】
また、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法は、複数の処理および動作を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の処理および複数の動作を実行する順番を限定するものではない。
【0034】
このため、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法を実施するときには、その複数の処理および複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0035】
さらに、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法は、複数の処理および複数の動作が個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある処理および動作の実行中に他の処理および動作が発生すること、ある処理および動作の実行タイミングと他の処理および動作の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【0036】
また、本発明で云うデータ処理装置は、コンピュータプログラムを読み取って対応する処理動作を実行できるように、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/F(Interface)ユニット、等の汎用デバイスで構築されたハードウェア、所定の処理動作を実行するように構築された専用の論理回路、これらの組み合わせ、等として実施することができる。
【0037】
なお、本発明でコンピュータプログラムに対応した各種動作をデータ処理装置に実行させることは、各種デバイスをデータ処理装置に動作制御させることなども意味している。
【0038】
例えば、データ処理装置に各種データを記憶させることは、データ処理装置に固定されているHDD(Hard Disc Drive)等の情報記憶媒体にCPUが各種データを格納すること、データ処理装置に交換自在に装填されているCD−R(Compact Disc-Recordable)等の情報記憶媒体にCPUがCDドライブで各種データを格納すること、等を許容する。
【発明の効果】
【0039】
本発明のデータ処理装置では、公的証明書類とサービス対象ユーザとが一緒に撮像されている同時撮像画像を画像受信部が受信する。すると、同時撮像画像から公的証明書類を撮像書類画像として書類抽出部が抽出する。この抽出された撮像書類画像からユーザ顔面写真を書類顔面画像として写真抽出部が抽出する。一方、同時撮像画像からサービス対象ユーザのユーザ顔面部分を撮像顔面画像として顔面抽出部が抽出する。このように抽出された撮像顔面画像と書類顔面画像との整合を整合判定部が判定する。また、抽出された撮像書類画像によりサービス対象ユーザが特定年齢範囲かを書類判定部が判定する。そこで、撮像顔面画像と書類顔面画像とが整合するとともにサービス対象ユーザが特定年齢範囲と判定されるとサービス許可部が年齢制限サービスの提供を許可する。このため、ユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類をサービス対象ユーザが自身のユーザ顔面部分とともに撮像して送信するだけで、公的証明書類により特定年齢範囲と確認されるサービス対象ユーザに年齢制限サービスが提供される。特に、公的証明書類によるサービス対象ユーザが特定年齢範囲かの判定と、その公的証明書類がサービス対象ユーザのものかの判定と、を一つの同時撮像画像から判定することができる。このため、サービス対象ユーザに煩雑な作業を強要することなく特定年齢範囲かを簡単かつ確実に判定して年齢制限サービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態のデータ処理装置100は、図1および図2に示すように、少なくともユーザ顔面写真YFGが掲載されている公的証明書類DRCを所持している特定年齢範囲IARのサービス対象ユーザSTYに年齢制限サービスACSを提供することに利用される。
【0041】
このため、本実施の形態のデータ処理装置100は、図1に示すように、公的証明書類DRCとサービス対象ユーザSTYとが一緒に撮像されている同時撮像画像CCGを受信する画像受信部110と、受信された同時撮像画像CCGから公的証明書類DRCを撮像書類画像CRGとして抽出する書類抽出部120と、抽出された撮像書類画像CRGからユーザ顔面写真YFGを書類顔面画像RFGとして抽出する写真抽出部130と、同時撮像画像CCGからサービス対象ユーザSTYのユーザ顔面部分を撮像顔面画像CFGとして抽出する顔面抽出部140と、抽出された撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとの整合を判定する整合判定部150と、抽出された撮像書類画像CRGによりサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定する書類判定部160と、撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとが整合するとともにサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARと判定されると年齢制限サービスACSの提供を許可するサービス許可部170と、を有する。
【0042】
より具体的には、公的証明書類DRCは、例えば、図3に示すように、自動車の運転免許証などからなり、サービス対象ユーザSTYを証明する、氏名、生年月日、住所、ユーザ顔面写真YFG、などのユーザ個人データYPDが表記されている。
【0043】
このため、データ処理装置100は、サービス対象ユーザSTYの少なくともユーザ顔面写真YFGが掲載されている公的証明書類DRCの各種の書類特徴データDSDを保持する特徴保持部(図示せず)も有する。
【0044】
そして、書類抽出部120は、図6に示すように、上述のような書類特徴データDSDの抽出や、一般化された画像レイアウトとのパターンマッチングなどにより、図5および図6に示すように、受信された同時撮像画像CCGから公的証明書類DRCを撮像書類画像CRGとして抽出する。
【0045】
すると、書類判定部160は、図3に示すように、受信された撮像書類画像CRGから書類特徴データDSDにより認識したユーザ個人データYPDで、サービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定する。
【0046】
そこで、サービス許可部170は、撮像された公的証明書類DRCが適正でサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARと判定されると年齢制限サービスACSの提供を許可する。
【0047】
なお、本実施の形態の公的証明書類DRCは、上述した生年月日のように、ユーザ個人データYPDとしてサービス対象ユーザSTYの年齢に関連する年齢関連データACDが表記されている。
【0048】
そこで、書類判定部160は、受信された同時撮像画像CCGから書類特徴データDSDにより認識した年齢関連データACDと現在年月日からサービス対象ユーザSTYのユーザ現在年齢を算出してサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定する。
【0049】
一方、書類判定部160は、上述のように公的証明書類DRCの種別を判定すると書類全体レイアウトも判明するため、それでユーザ顔面写真YFGの書類掲載位置も特定する。
【0050】
すると、写真抽出部130は、上述のように特定された撮像書類画像CRGの書類掲載位置のユーザ顔面写真YFGから、例えば、既存の顔面認識アルゴリズムにより書類顔面画像RFGを抽出する。
【0051】
このような顔面認識アルゴリズムとしては各種があるが、例えば、図8に示すように、人間の顔面の特徴部分を各種リソースとして基準画像(図示せず)とパターンマッチングすることなどにより実行される。
【0052】
顔面抽出部140も、例えば、上述の顔面認識アルゴリズムにより、図7に示すように、同時撮像画像CCGからサービス対象ユーザSTYのユーザ顔面部分を撮像顔面画像CFGとして抽出する。
【0053】
そして、整合判定部150も、例えば、上述の顔面認識アルゴリズムなどにより、図8に示すように、撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGから抽出された顔面特徴部分の比較や全体のパターンマッチングなどにより、その整合を判定する。
【0054】
なお、本実施の形態のデータ処理装置100の画像受信部110は、サービス対象ユーザSTYが所持するユーザ情報端末である携帯電話端末200の画像撮像部210で撮像されて送信された同時撮像画像CCGを受信する。
【0055】
そこで、データ処理装置100は、携帯電話端末200にインストールされて同時撮像画像CCGを暗号化して送信する暗号送信プログラムSSPを保持するプログラム保持部180と、保持されている暗号送信プログラムSSPを携帯電話端末200に提供するプログラム提供部190と、も有する。このため、画像受信部110は、暗号化されている同時撮像画像CCGを受信して復号する。
【0056】
より具体的には、例えば、データ処理装置100は、タバコパックを販売するタバコ販売メーカのデータベースサーバなどからなる。本実施の形態のタバコ販売メーカは、タバコパックを消費するサービス対象ユーザSTYに年齢制限サービスACSを実施する。
【0057】
データ処理装置100は、いわゆるCPUやHDDなどの既存のハードウェアで形成されており、専用のコンピュータプログラムがソフトウェアとして実装されることで、上述のような各部110〜が各種機能として論理的に実現されている。
【0058】
例えば、画像受信部110やプログラム提供部190は、CPUがコンピュータプログラムに対応して通信I/F(図示せず)のデータ通信を動作制御する機能などに相当する。
【0059】
書類抽出部120、写真抽出部130、顔面抽出部140、整合判定部150、書類判定部160等は、例えば、CPUがコンピュータプログラムに対応して所定のデータ処理を実行する機能などに相当する。サービス許可部170は、例えば、CPUがコンピュータプログラムに対応してディスプレイユニット(図示せず)のデータ表示を動作制御する機能などに相当する。
【0060】
プログラム保持部180は、データ処理装置100のCPUが実装されているコンピュータプログラムに対応して認識するようにHDDなどの記憶デバイスに構築された記憶エリアなどに相当する。
【0061】
上述のようなデータ処理装置100のコンピュータプログラムは、例えば、公的証明書類DRCとサービス対象ユーザSTYとが一緒に撮像されている同時撮像画像CCGを受信する画像受信処理と、受信された同時撮像画像CCGから公的証明書類DRCを撮像書類画像CRGとして抽出する書類抽出処理と、抽出された撮像書類画像CRGからユーザ顔面写真YFGを書類顔面画像RFGとして抽出する写真抽出処理と、同時撮像画像CCGからサービス対象ユーザSTYのユーザ顔面部分を撮像顔面画像CFGとして抽出する顔面抽出処理と、抽出された撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとの整合を判定する整合判定処理と、抽出された撮像書類画像CRGによりサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定する書類判定処理と、撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとが整合するとともにサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARと判定されると年齢制限サービスACSの提供を許可するサービス許可処理と、をデータ処理装置100に実行させるように記述されている。
【0062】
上述のような構成において、本実施の形態のデータ処理装置100は、例えば、図2に示すように、購入や利用に年齢制限がある紙巻タバコのタバコパックSTPを製造するタバコ製造メーカTMMで利用される。
【0063】
このタバコ製造メーカTMMでは、例えば、タバコパックSTPを購入するサービス対象ユーザSTYに年齢制限サービスACSを実施することがある。このような年齢制限サービスACSは、例えば、タバコパックSTPに関連した携帯灰皿のプレゼントや、特定の動画データの配信、などとして実施される。
【0064】
当然ながら、タバコパックSTPは成人しか消費できないため、その年齢制限サービスACSも成人しか提供されない。そこで、タバコ製造メーカTMMでは、例えば、図9に示すように、成人しかアクセスできないウェブサイト(図示せず)をデータ処理装置100で通信ネットワークCINに開設する(ステップS1)。
【0065】
一方、そのウェブサイトへのアクセスアドレスを、図4に示すように、商品データのバーコードTIDなどとともに、二次元コードTDCでタバコパックSTPに表記しておく。
【0066】
そこで、タバコパックSTPを購入したサービス対象ユーザSTYが年齢制限サービスACSを要望する場合には、その二次元コードTDCを携帯電話端末200のCCD(Charge Coupled Device)カメラなどの画像撮像部210で撮像する。
【0067】
すると、現在の携帯電話端末200の標準的な機能により二次元コードTDCがウェブアドレスに変換され、タバコ製造メーカTMMのウェブサイトにアクセスすることとなる(ステップS2−Y)。すると、ウェブサイトでは、年齢制限サービスACSを受領するための各種のガイダンスメッセージが表示出力される(ステップS3)。
【0068】
例えば、年齢制限サービスACSを受領するためには、運転免許証、パスポート、保険証、等の公的証明書類DRCを、本人が所定ポーズで把持した状態を撮像して送付する必要があること、その送付は専用の暗号送信プログラムSSPにより実行されること、その暗号送信プログラムSSPをウェブサイトからダウンロードできること、等が表示出力される。
【0069】
このような状態で、携帯電話端末200から暗号送信プログラムSSPのダウンロードが要求されると(ステップS4−Y)、データ処理装置100は暗号送信プログラムSSPを配信する(ステップS5)。
【0070】
この場合、携帯電話端末200は、ウェブサイトからダウンロードした暗号送信プログラムSSPをインストールすることになる。このような状態で、サービス対象ユーザSTYは暗号送信プログラムSSPを起動した携帯電話端末200の画像撮像部210で所望の公的証明書類DRCを撮像する。
【0071】
すると、その暗号送信プログラムSSPは、撮像された同時撮像画像CCGを所定アルゴリズムにより暗号化し、データ処理装置100の専用アドレスの記憶エリアにデータ送信する。
【0072】
このとき、暗号化のアルゴリズムと、送信先の記憶エリアのウェブアドレスとは、暗号送信プログラムSSPに実装されているが、携帯電話端末200では確認できないようにされている。
【0073】
図10に示すように、上述のように同時撮像画像CCGをデータ受信したタバコ製造メーカTMMのデータ処理装置100は(ステップT1−Y)、その暗号化された同時撮像画像CCGを所定アルゴリズムにより復号する(ステップT2)。
【0074】
図5に示すように、これで公的証明書類DRCの同時撮像画像CCGが復元されると、図6に示すように、同時撮像画像CCGから撮像書類画像CRGが抽出される(ステップT3)。
【0075】
この場合、同時撮像画像CCGの各部に存在する項目の文字をOCR(Optical Character Reader)で判読することや、その項目のレイアウトをパターンマッチングで検出することなどにより撮像書類画像CRGが判定される。
【0076】
例えば、運転免許証の場合、図3に示すように、いずれも共通の項目名称が左側に書類特徴データDSDとして表記されており、その右側にサービス対象ユーザSTYごとのユーザ個人データYPDが表記されている。さらに、右側の所定位置にはユーザ顔面写真YFGが表記されている。
【0077】
そこで、このような書類特徴データDSDの個別抽出や全体レイアウトなどにより、同時撮像画像CCGから撮像書類画像CRGが抽出されると(ステップT4−Y)、上述の書類特徴データDSDが抽出される(ステップT5)。
【0078】
この抽出された書類特徴データDSDにより運転免許証などの所定の公的証明書類DRCであることが判定されないと(ステップT6−N)、例えば、「申し訳ありませんが、撮影された書類を判定できませんでした。より鮮明な写真、または、より高解像度な写真、を撮影して再送してください。それでも駄目な場合は、他の書類を御利用ください。」等のエラーメッセージがデータ処理装置100から携帯電話端末200に返信される(ステップT16)。
【0079】
一方、抽出された書類特徴データDSDにより運転免許証などの所定の公的証明書類DRCであることが判定されると(ステップT6−Y)、そのユーザ個人データYPDによりサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定される(ステップT7)。
【0080】
例えば、日本の法律ではタバコパックSTPは20歳以上でないと利用できない。一方、公的証明書類DRCである運転免許証は16歳から交付される。ただし、このような公的証明書類DRCには一般的に生年月日や年齢や交付年月日などが表記されている。
【0081】
例示する公的証明書類DRCは、図3に示すように、ユーザ個人データYPDとしてサービス対象ユーザSTYの年齢に関連する年齢関連データACDとして生年月日が表記されている。
【0082】
そこで、データ処理装置100は、受信された同時撮像画像CCGから書類特徴データDSDにより認識した年齢関連データACDと現在年月日からサービス対象ユーザSTYのユーザ現在年齢を算出し、サービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定する。
【0083】
このように算出されたサービス対象ユーザSTYのユーザ現在年齢が特定年齢範囲IARではない場合(ステップT7−N)、例えば、「申し訳ありませんが、本サービスを利用することはできません。」等のエラーメッセージがデータ処理装置100から携帯電話端末200に返信される(ステップT16)。この場合、サービスを利用できない理由は明示されないため、未成年者が不正な工夫によりサービスを利用することが防止される。
【0084】
一方、算出されたサービス対象ユーザSTYのユーザ現在年齢が特定年齢範囲IARの場合(ステップT7−Y)、前述した顔面認識アルゴリズムなどにより、撮像書類画像CRGから書類顔面画像RFGが抽出される(ステップT8)。
【0085】
この書類顔面画像RFGが撮像書類画像CRGから抽出できない場合には(ステップT9−N)、例えば、「申し訳ありませんが、撮影された書類を判定できませんでした。より鮮明な写真、または、より高解像度な写真、を撮影して再送してください。それでも駄目な場合は、他の書類を御利用ください。」等のエラーメッセージがデータ処理装置100から携帯電話端末200に返信される(ステップT16)。
【0086】
一方、撮像書類画像CRGから書類顔面画像RFGが抽出されると(ステップT9−Y)、同様に顔面認識アルゴリズムなどにより、図7に示すように、同時撮像画像CCGから撮像顔面画像CFGが抽出される(ステップT10)。
【0087】
この撮像顔面画像CFGが同時撮像画像CCGから抽出できない場合には(ステップT11−N)、例えば、「申し訳ありませんが、撮影された写真を判読できませんでした。より鮮明な写真、または、より高解像度な写真、を撮影して再送してください。」等のエラーメッセージがデータ処理装置100から携帯電話端末200に返信される(ステップT16)。
【0088】
一方、同時撮像画像CCGから撮像顔面画像CFGが抽出されると(ステップT11−Y)、図8に示すように、その撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとの整合が判定される(ステップT12)。
【0089】
これで整合が判定されないと(ステップT13−N)、例えば、「申し訳ありませんが、本サービスを利用することはできません。」等のエラーメッセージがデータ処理装置100から携帯電話端末200に返信される(ステップT16)。この場合も、サービスを利用できない理由は明示されないため、未成年者が不正な工夫によりサービスを利用することが防止される。
【0090】
一方、撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとの整合が判定されると(ステップT13−Y)、これで公的証明書類DRCが適正であること、その公的証明書類DRCの正当所持者は特定年齢範囲IARであること、その公的証明書類DRCを正当所持者が撮像して送信したこと、が確認されたことになる。
【0091】
すると、データ処理装置100は、これでサービス対象ユーザSTYは正当であると二重三重に確認できたことになるので、その氏名や住所など、年齢制限サービスACSに必要なユーザ個人データYPDを同時撮像画像CCGから抽出する(ステップT14)。
【0092】
このように抽出されたユーザ個人データYPDは、年齢制限サービスACSの許可ガイダンスとともにデータ処理装置100からタバコ製造メーカTMMのサービス担当者(図示せず)に出力される(ステップT15)。
【0093】
そこで、このサービス担当者は、データ処理装置100の表示出力などで報知されたサービス許可を確認するとともに、サービス対象ユーザSTYの氏名や住所などのユーザ個人データYPDを確認し、これでプレゼント発送などの年齢制限サービスACSを実行することになる。
【0094】
本実施の形態のデータ処理装置100では、上述のように公的証明書類DRCとサービス対象ユーザSTYとが一緒に撮像されている同時撮像画像CCGを画像受信部110が受信する。
【0095】
すると、同時撮像画像CCGから公的証明書類DRCを撮像書類画像CRGとして書類抽出部120が抽出する。この抽出された撮像書類画像CRGからユーザ顔面写真YFGを書類顔面画像RFGとして写真抽出部130が抽出する。
【0096】
一方、同時撮像画像CCGからサービス対象ユーザSTYのユーザ顔面部分を撮像顔面画像CFGとして顔面抽出部140が抽出する。このように抽出された撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとの整合を整合判定部150が判定する。また、抽出された撮像書類画像CRGによりサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARかを書類判定部160が判定する。
【0097】
そこで、撮像顔面画像CFGと書類顔面画像RFGとが整合するとともにサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARと判定されるとサービス許可部170が年齢制限サービスACSの提供を許可する。
【0098】
このため、ユーザ顔面写真YFGが掲載されている公的証明書類DRCをサービス対象ユーザSTYが自身のユーザ顔面部分とともに撮像して送信するだけで、公的証明書類DRCにより特定年齢範囲IARと確認されるサービス対象ユーザSTYに年齢制限サービスACSが提供される。
【0099】
特に、公的証明書類DRCによるサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARかの判定と、その公的証明書類DRCがサービス対象ユーザSTYのものかの判定と、を一つの同時撮像画像CCGから判定することができる。このため、サービス対象ユーザSTYに煩雑な作業を強要することなく特定年齢範囲IARかを簡単かつ確実に判定して年齢制限サービスACSを提供することができる。
【0100】
特に、公的証明書類DRCのユーザ顔面写真YFGと同時撮像画像CCGの撮像顔面画像CFGとの整合を確認するので、未成年者が成年者の公的証明書類DRCを不正に使用して年齢制限サービスACSを利用することを簡単かつ確実に防止できる。
【0101】
しかも、公的証明書類DRCの同時撮像画像CCGは専用の暗号送信プログラムSSPにより携帯電話端末200で暗号化されてデータ処理装置100に送信されるので、その操作が簡単であるとともにユーザ個人データYPDの守秘性も自動的に確実に確保される。
【0102】
さらに、その送信アドレスは暗号送信プログラムSSPに実装されており、この暗号送信プログラムSSPがインストールされた携帯電話端末200でも確認できない。このため、成年者の同時撮像画像CCGを未成年者が不正に送信することを良好に防止できる。
【0103】
しかも、その暗号送信プログラムSSPは、一般に公開されていないタバコ製造メーカTMMのウェブサイトで配布されており、そのウェブサイトにアクセスするためにはタバコパックSTPの二次元コードTDCを携帯電話端末200で光学読取する必要がある。
【0104】
当然ながら未成年者はタバコパックSTPを購入できないので、その二次元コードTDCを携帯電話端末200に光学読取させてウェブサイトにアクセスすることもできない。
【0105】
しかも、正当なサービス対象ユーザSTYは、携帯電話端末200でタバコパックSTPの二次元コードTDCを光学読取すれば、上述のように一般に公開されていないタバコ製造メーカTMMのウェブサイトにアクセスできる。
【0106】
このため、その操作が簡単で確実である。しかも、上述のウェブサイトをタバコパックSTPの銘柄ごとに用意しておき、サービス対象ユーザSTYのアクセス数をデータ処理装置100で統計処理するようなこともできる。
【0107】
また、前述のようにデータ処理装置100は同時撮像画像CCGから各種の書類特徴データDSDにより公的証明書類DRCを判定する。このとき、公的証明書類DRCのユーザ個人データYPDからサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定する。このため、未成年者が公的証明書類DRCの同時撮像画像CCGをデータ処理装置100に送信しても、年齢制限サービスACSが不正に許可されることがない。
【0108】
しかも、データ処理装置100は、同時撮像画像CCGから抽出したユーザ個人データYPDで年齢制限サービスACSを実行する。このため、サービス対象ユーザSTYは、年齢制限サービスACSを受領するために、氏名や住所のテキスト入力などの煩雑な操作が必要ない。
【0109】
特に、成年者の公的証明書類DRCの同時撮像画像CCGを未成年者が不正に送信しても、年齢制限サービスACSは公的証明書類DRCを所持している成年のサービス対象ユーザSTYに実施されることになる。従って、未成年者に年齢制限サービスACSが不正に提供されることを確実に防止することができる。
【0110】
さらに、現在の日本では携帯電話端末200が一般に普及しており、その大部分が画像撮像部210を有するとともに追加プログラムの実装機能なども有している。このため、上述のようにデータ処理装置100と協調して簡単に必要な機能を発生することができる。
【0111】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では公的証明書類DRCにユーザ個人データYPDとしてサービス対象ユーザSTYの年齢関連データACDが表記されており、データ処理装置100は、受信された同時撮像画像CCGから書類特徴データDSDにより認識した年齢関連データACDと現在年月日からサービス対象ユーザSTYのユーザ現在年齢を算出してサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定することを例示した。
【0112】
しかし、公的証明書類DRCに発行時点の年月日を示す発行時点情報とユーザ個人データYPDとしてサービス対象ユーザSTYの発行時点年齢とが表記されていてもよい(図示せず)。
【0113】
この場合、データ処理装置は、受信された同時撮像画像CCGから書類特徴データDSDにより認識した発行時点情報と発行時点年齢と現在年月日からユーザ現在年齢を算出してサービス対象ユーザSTYが特定年齢範囲IARか判定すればよい(図示せず)。
【0114】
また、公的証明書類DRCに書類有効期間が表記されていてもよい(図示せず)。この場合、データ処理装置100は、書類有効期間の書類特徴データDSDも保持し、受信された同時撮像画像CCGから書類特徴データDSDにより認識した書類有効期間と現在年月日との整合性も判定することが好適である。
【0115】
例えば、上記形態では特定年齢範囲IARが成人以上であるとして上限がない場合を例示した。しかし、雑誌や菓子の製造メーカが高校生をサービス対象ユーザSTYとして年齢制限サービスACSを実施するような場合には、学生証などが公的証明書類DRCとなる。
【0116】
しかし、この場合は特定年齢範囲IARに上限と下限とが存在することになり、上述のように同時撮像画像CCGの書類有効期間と現在年月日との整合性も判定すれば、高校の卒業生が過去の学生証を公的証明書類DRCとして不適に年齢制限サービスACSを受領するようなことを防止できる。
【0117】
さらに、上記形態ではデータ処理装置100が携帯電話端末200にインストールされて同時撮像画像CCGを暗号化して送信する暗号送信プログラムSSPを保持し、この暗号送信プログラムSSPをウェブサイトからサービス対象ユーザSTYの携帯電話端末200に配信することを例示した。
【0118】
しかし、タバコパックSTPの二次元コードTDCで暗号送信プログラムSSPをサービス対象ユーザSTYに提供するようなこともできる。この場合でも、タバコパックSTPを所持できるサービス対象ユーザSTYしか暗号送信プログラムSSPを利用できないので、未成年者が年齢制限サービスACSを不正に受領することを防止できる。
【0119】
さらに、上記形態ではタバコ製造メーカTMMのウェブサイトへのアクセス手段としてタバコパックSTPに二次元コードTDCを付与しておくことを例示した。しかし、タバコパックSTPにRFID(Radio Frequency Identification)チップ(図示せず)を付与しておき、これにサイトアドレスや暗号送信プログラムSSPを格納しておいてもよい。
【0120】
また、上記形態ではデータ処理装置100が年齢制限サービスACSの許可ガイダンスをユーザ個人データYPDとともにタバコ製造メーカTMMのサービス担当者に出力し、このサービス担当者が年齢制限サービスACSを実施することを例示した。
【0121】
しかし、年齢制限サービスACSを動画データや割引データの配信などとしておき、このような年齢制限サービスACSをデータ処理装置が自動実行してもよい(図示せず)。この場合、同時撮像画像CCGからユーザ個人データYPDを抽出せずとも、同時撮像画像CCGの送信元に年齢制限サービスACSのサービスデータを返信すればよい。
【0122】
また、上記形態ではサービス対象ユーザSTYのユーザ情報端末として携帯電話端末200を例示した。しかし、このようなユーザ情報端末としてウェブカメラを実装したパーソナルコンピュータなどを利用してもよい(図示せず)。
【0123】
さらに、本実施の形態ではデータ処理装置100の各部がコンピュータプログラムにより各種機能として論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各部の各々を固有のハードウェアとして形成することもでき、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実現することもできる。
【0124】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施の形態のデータ処理装置とユーザ情報端末である携帯電話端末からなるシステム全体の論理構造を示す模式的なブロック図である。
【図2】システム全体の物理構造を示すブロック図である。
【図3】運転免許証を想定した公的証明書類の外観を示す模式的な正面図である。
【図4】タバコパックの外観を示す斜視図である。
【図5】同時撮像画像を示す模式的な正面図である。
【図6】同時撮像画像から撮像書類画像が抽出される状態を示す模式図である。
【図7】同時撮像画像から撮像顔面画像が抽出される状態を示す模式図である。
【図8】撮像顔面画像と書類顔面画像との整合が判定される状態を示す模式図である。
【図9】データ処理装置によるデータ処理方法の一部を示すフローチャートである。
【図10】データ処理装置によるデータ処理方法の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0126】
100 データ処理装置
110 画像受信部
120 書類抽出部
130 写真抽出部
140 顔面抽出部
150 整合判定部
160 書類判定部
170 サービス許可部
180 プログラム保持部
190 プログラム提供部
200 携帯電話端末
210 画像撮像部
ACD 年齢関連データ
ACS 年齢制限サービス
CCG 同時撮像画像
CFG 撮像顔面画像
CIN 通信ネットワーク
CRG 撮像書類画像
DRC 公的証明書類
DSD 書類特徴データ
IAR 特定年齢範囲
RFG 書類顔面画像
SSP 暗号送信プログラム
STP タバコパック
STY サービス対象ユーザ
TDC 二次元コード
TID バーコード
TMM タバコ製造メーカ
YFG ユーザ顔面写真
YPD ユーザ個人データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類を所持している特定年齢範囲のサービス対象ユーザに年齢制限サービスを提供することに利用されるデータ処理装置であって、
前記公的証明書類と前記サービス対象ユーザとが一緒に撮像されている同時撮像画像を受信する画像受信部と、
受信された前記同時撮像画像から前記公的証明書類を撮像書類画像として抽出する書類抽出部と、
抽出された前記撮像書類画像から前記ユーザ顔面写真を書類顔面画像として抽出する写真抽出部と、
前記同時撮像画像から前記サービス対象ユーザのユーザ顔面部分を撮像顔面画像として抽出する顔面抽出部と、
抽出された前記撮像顔面画像と前記書類顔面画像との整合を判定する整合判定部と、
抽出された前記撮像書類画像により前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲か判定する書類判定部と、
前記撮像顔面画像と前記書類顔面画像とが整合するとともに前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲と判定されると前記年齢制限サービスの提供を許可するサービス許可部と、
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記書類判定部は、前記公的証明書類の種別を判定して前記ユーザ顔面写真の書類掲載位置を特定し、
前記写真抽出部は、特定された前記書類掲載位置で前記撮像書類画像から前記書類顔面画像を抽出する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記公的証明書類の各種の書類特徴データを保持する特徴保持部を、さらに有し、
前記書類判定部は、抽出された前記撮像書類画像と保持されている前記書類特徴データとに基づいて撮像された前記公的証明書類の適否を判定する請求項1または2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記画像受信部は、前記サービス対象ユーザが所持するユーザ情報端末で撮像されて送信された前記同時撮像画像を受信し、
前記ユーザ情報端末にインストールされて前記同時撮像画像を暗号化して送信する暗号送信プログラムを保持するプログラム保持部と、
保持されている前記暗号送信プログラムを前記ユーザ情報端末に提供するプログラム提供部とを、さらに有し、
前記画像受信部は、前記暗号送信プログラムで暗号化されて受信した前記同時撮像画像を復号する請求項1ないし3の何れか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記公的証明書類は、前記サービス対象ユーザを証明するユーザ個人データが表記されており、
前記特徴保持部は、前記ユーザ個人データの前記書類特徴データも保持しており、
前記書類判定部は、受信された前記同時撮像画像から前記書類特徴データにより認識した前記ユーザ個人データから前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲か判定し、
前記サービス許可部は、撮像された前記公的証明書類が適正で前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲と判定されると前記年齢制限サービスの提供を許可する請求項1ないし4の何れか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記公的証明書類は、前記ユーザ個人データとして前記サービス対象ユーザの年齢に関連する年齢関連データが表記されており、
前記書類判定部は、受信された前記同時撮像画像から前記書類特徴データにより認識した前記年齢関連データと現在年月日から前記サービス対象ユーザのユーザ現在年齢を算出して前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲か判定する請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記公的証明書類は、発行時点の年月日を示す発行時点情報と前記ユーザ個人データとして前記サービス対象ユーザの発行時点年齢とが表記されており、
前記書類判定部は、受信された前記同時撮像画像から前記書類特徴データにより認識した前記発行時点情報と前記発行時点年齢と現在年月日からユーザ現在年齢を算出して前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲か判定する請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
許可された前記年齢制限サービスを前記ユーザ個人データに対応して前記サービス対象ユーザに提供するサービス提供部を、さらに有する請求項5ないし7の何れか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記公的証明書類は、書類有効期間が表記されており、
前記特徴保持部は、前記書類有効期間の前記書類特徴データも保持しており、
前記書類判定部は、受信された前記同時撮像画像から前記書類特徴データにより認識した前記書類有効期間と現在年月日との整合性も判定する請求項1ないし8の何れか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記同時撮像画像を送信した前記ユーザ情報端末に許可された前記年齢制限サービスをデータ提供するサービス提供部を、さらに有する請求項1ないし9の何れか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
少なくともユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類を所持している特定年齢範囲のサービス対象ユーザに年齢制限サービスを提供することに利用されるデータ処理装置のコンピュータプログラムであって、
前記公的証明書類と前記サービス対象ユーザとが一緒に撮像されている同時撮像画像を受信する画像受信処理と、
受信された前記同時撮像画像から前記公的証明書類を撮像書類画像として抽出する書類抽出処理と、
抽出された前記撮像書類画像から前記ユーザ顔面写真を書類顔面画像として抽出する写真抽出処理と、
前記同時撮像画像から前記サービス対象ユーザの前記ユーザ顔面部分を撮像顔面画像として抽出する顔面抽出処理と、
抽出された前記撮像顔面画像と前記書類顔面画像との整合を判定する整合判定処理と、
抽出された前記撮像書類画像により前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲か判定する書類判定処理と、
前記撮像顔面画像と前記書類顔面画像とが整合するとともに前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲と判定されると前記年齢制限サービスの提供を許可するサービス許可処理と、
を前記データ処理装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
少なくともユーザ顔面写真が掲載されている公的証明書類を所持している特定年齢範囲のサービス対象ユーザに年齢制限サービスを提供することに利用されるデータ処理装置のデータ処理方法であって、
前記公的証明書類と前記サービス対象ユーザとが一緒に撮像されている同時撮像画像を受信する画像受信動作と、
受信された前記同時撮像画像から前記公的証明書類を撮像書類画像として抽出する書類抽出動作と、
抽出された前記撮像書類画像から前記ユーザ顔面写真を書類顔面画像として抽出する写真抽出動作と、
前記同時撮像画像から前記サービス対象ユーザのユーザ顔面部分を撮像顔面画像として抽出する顔面抽出動作と、
抽出された前記撮像顔面画像と前記書類顔面画像との整合を判定する整合判定動作と、
抽出された前記撮像書類画像により前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲か判定する書類判定動作と、
前記撮像顔面画像と前記書類顔面画像とが整合するとともに前記サービス対象ユーザが前記特定年齢範囲と判定されると前記年齢制限サービスの提供を許可するサービス許可動作と、
を有するデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−79393(P2010−79393A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244224(P2008−244224)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】