データ処理装置
【課題】低消費電力でAV再生や放送の視聴のような連続した圧縮データの再生や視聴を可能にしたデータ処理装置を提供する。
【解決手段】第1のデータ格納部21から読出した圧縮データを復号した復号データを出力する復号部11と、復号データを格納する第2のデータ格納部22と、第2のデータ格納部22から復号データを実時間で読出してアナログ信号に変換するDA変換部41と、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を実時間よりも速い速度で行うことで間欠動作させるよう復号部11を制御する第1の制御部52と、間欠動作の停止期間に第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するクロック/電源制御部54と、第2のデータ格納部22における復号データの格納状態に応じた制御信号を出力する第2の制御部53と、制御信号を受けて、消費電力の制限をクロック/電源制御部54に解除させる起動制御部55とを備える。
【解決手段】第1のデータ格納部21から読出した圧縮データを復号した復号データを出力する復号部11と、復号データを格納する第2のデータ格納部22と、第2のデータ格納部22から復号データを実時間で読出してアナログ信号に変換するDA変換部41と、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を実時間よりも速い速度で行うことで間欠動作させるよう復号部11を制御する第1の制御部52と、間欠動作の停止期間に第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するクロック/電源制御部54と、第2のデータ格納部22における復号データの格納状態に応じた制御信号を出力する第2の制御部53と、制御信号を受けて、消費電力の制限をクロック/電源制御部54に解除させる起動制御部55とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオやビデオ等のAV再生におけるデータ処理装置に関するものであり、特に再生における消費電力の低減を目的とした携帯機器向けのデータ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話端末や携帯情報端末やコードレスモニタは、オーディオ再生やビデオ再生やラジオやテレビの視聴といったAV再生や放送の視聴が可能な端末も少なくない。また、これらのコンテンツを高圧縮して蓄積や伝送するといった要望もあり、複雑かつ復号の処理負荷が重い圧縮方式も多くなってきている。一方で、長時間再生視聴したいという要望も高い。従って、バッテリ駆動しているこれら携帯端末では、長時間駆動させるために消費電力を削減することが求められることになる。このような問題を解決する従来技術として以下のような技術がある。
【0003】
データ放送の受信において間欠的にデータ放送波の受信と復号を行い、復号した結果をメモリに蓄えるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図11は、特許文献1に記載された従来のデータ処理装置の概略図を示すものである。
【0005】
図11において、従来のデータ処理装置は、放送波を受信する放送受信部1と、この放送受信部1により受信された放送波から得られたデータを復号する復号部2と、この復号部2で復号した結果である復号データを格納するデータ格納部3と、このデータ格納部3のデータをアナログ変換するDA変換部4と、装置各部の動作を制御するシステム制御部5と、装置各部へ電源供給を制御する電源供給部6と、復号部2の起動タイミングを通知するタイマ部7で構成される。
【0006】
この構成の従来のデータ処理装置は、1日に数回更新されるデータ放送を、放送受信部1と復号部2を間欠動作させて受信および復号する。より具体的には、従来のデータ処理装置は、データ放送を受信する時間になるとタイマ部7によるシステム制御部5への割込みにより放送受信部1と復号部2への電源供給を開始する。その後、従来のデータ処理装置は、放送波を放送受信部1で受信し、復号部2で復号した結果をデータ格納部3に格納する。その後システム制御部5は、放送受信部1、復号部2、データ格納部3での各処理を停止し、かつ、電源供給部6による放送受信部1と復号部2への電源の供給を遮断する。
【0007】
このように、従来のデータ処理装置は、間欠動作の停止期間に電源の供給を遮断することにより、待機状態時の消費電力を削減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−122586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、近年、半導製造技術の進歩、とりわけ微細化の進歩により、1チップに搭載可能なトランジスタ数が増大し、様々な機能が1チップに集積され、1チップでシステムを構成きるようにまでなってきている。
【0010】
一方、このような高性能かつ大規模なシステムLSIは、処理性能向上のためにクロックの周波数を上げることや、大規模化による配線等の負荷容量増大によるクロックツリーの高負荷化により、クロックツリーでの消費電力が増大している。
【0011】
また、プロセスの微細化と動作周波数向上によって、サブスレッショルドリーク電流やゲートリーク電流をはじめとするトランジスタのリーク電流が増大しており、このようなトランジスタを多用することによりシステム全体のリーク電流が増大している。
【0012】
以上のことより、システムLSIに電源およびクロックを供給するだけで消費する消費電流(以後、オフセット電流と呼ぶ)が増大している。
【0013】
特許文献1記載の従来のデータ処理装置は、タイマによって電源供給・遮断の制御を行っているため、データの更新頻度が1日に数回程度の、データ放送のような用途においては消費電力の削減が可能である。
【0014】
しかしながら、従来のデータ処理装置は、AV再生や放送の視聴のように連続した圧縮データを復号し、実時間処理で再生や視聴するような用途には適用できない。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、低消費電力で、AV再生や放送の視聴のような連続した圧縮データの再生や視聴を可能にしたデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のデータ処理装置は、圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、前記第2のデータ格納部から前記復号したデータを読出すデータ読出し部と、少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させる構成を有している。
【発明の効果】
【0017】
本発明のデータ処理装置によれば、AV再生や放送の視聴のような、連続した圧縮データの再生や視聴時の消費電力を削減することができる。特にバッテリ駆動する携帯電話や携帯機器では再生時間や視聴時間を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置の動作説明のためのフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の概略図である。
【図4】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置のタイミング図である。
【図5】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の間欠動作する部分の第1の制御フロー図である。
【図6】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の間欠動作する部分の第2の制御フロー図である。
【図7】本発明の実施の形態3におけるデータ処理装置の概略図である。
【図8】本発明の実施の形態3におけるデータ処理装置のタイミング図である。
【図9】本発明の実施の形態4におけるデータ処理装置の概略図である。
【図10】本発明の実施の形態4におけるデータ処理装置のタイミング図である。
【図11】特許文献1に記載された従来のデータ処理装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるデータ処理装置の概略図を示すものである。図1において、本発明の実施の形態1のデータ処理装置は、圧縮データを格納する第1のデータ格納部21と、第1のデータ格納部21から圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号した復号データを生成する復号部11と、復号部11によって出力された復号データを格納する第2のデータ格納部22と、第2のデータ格納部22から復号データを実時間で読出してアナログ信号に変換するDA変換部41と、データ処理装置の各部を制御する第1の制御部52と、第2のデータ格納部22における復号データの格納状態を管理し、この格納状態に応じた制御信号を生成する第2の制御部53と、復号部11および第1の制御部52を含む第2のデータ格納部22から上流側の消費電力を制御するクロック/電源制御部54と、第2の制御部53によって生成された制御信号を受けて、クロック/電源制御部54を制御して、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除させる起動制御部55とを備えている。
【0021】
第1のデータ格納部21は、バッファ等の記憶媒体によって構成され、ハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、もしくは、フラッシュメモリやメモリカードの半導体記憶装置等の蓄積デバイスに格納された圧縮データ、または、放送波を受信し圧縮データを生成する図示しない放送受信部、もしくは、ネットワークを介して送信されたデータから圧縮データを生成する図示しないネットワーク接続部等によって送信された圧縮データを格納するようになっている。
【0022】
なお、第1のデータ格納部21は、磁気テープ、磁気ディスク、半導体メモリまたはハードディスク等のように、圧縮データが既に格納され、データ処理装置に着脱自在な記憶媒体によって構成してもよい。
【0023】
ここで、圧縮データは、AAC(Advanced Audio Codec)やMP3(Moving Picture Experts Group 1 Audio Layer 3)に準拠して圧縮された音声データであってもよく、MPEG−2やMPEG−4やMotion JPEG(Joint Photographic Experts Group)等に準拠して圧縮された画像データであってもよいが、本実施の形態においては、AACに準拠して圧縮された音声データとする。
【0024】
また、圧縮データは、DES(Data Encryption Standard)やAES(Advanced Encryption Standard)等で暗号化されていてもよい。この場合には、復号部11は、圧縮データに施された暗号を解除した後に、圧縮データを復号するように構成する。
【0025】
復号部11は、第1の制御部52によって指定された分の圧縮データを第1のデータ格納部21から読出し、読出した圧縮データを復号した復号データを生成するようプログラミングされたDSP(Digital Signal Processor)によって構成されている。なお、本実施の形態において、復号部11は、復号データとしてPCM(Pulse Code Modulation)データを生成するものとする。
【0026】
なお、復号部11は、CPU(Central Processing Unit)等の他のプロセッサによって構成してもよい。また、復号部11は、ハードウェア回路によって構成してもよく、プロセッサおよびハードウェア回路によって構成してもよい。
【0027】
第2のデータ格納部22は、SRAM(Static Random Access Memory)等の記憶媒体によって構成されている。また、第1の制御部52は、データ処理装置の各部を制御するようプログラミングされたCPU等のプロセッサによって構成されている。
【0028】
第1の制御部52は、DA変換部41の起動、停止および動作の諸条件の制御、クロック/電源制御部54のクロックの周波数および電源の電圧の変更設定制御、ならびに、第2の制御部53の起動、停止および動作の諸条件の制御等を行うようになっている。
【0029】
また、第1の制御部52は、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を実時間よりも速い速度で行うことで間欠動作させるよう、少なくとも復号部11を制御するようになっている。
【0030】
例えば、間欠動作の稼動期間には、第1の制御部52は、復号部11に供給されるクロックの周波数を上昇させるようクロック/電源制御部54を制御したり、図示しないアクセラレータのような専用回路を用いて処理を行うよう復号部11を制御したりすることによって、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を実時間よりも速い速度で行うようになっている。
【0031】
一方、間欠動作の待機期間には、第1の制御部52は、復号部11に供給されるクロックを停止、または、復号部11に供給されるクロックの周波数を低下させるようクロック/電源制御部54を制御するようになっている。
【0032】
なお、第1の制御部52は、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を高速化しなくとも実時間よりも速い速度で行うことができる場合には、復号の開始を復号部11に指示し、復号の完了通知を復号部11から受けたときに復号部11が停止可能な状態になるよう制御するようにしてもよい。
【0033】
また、第1の制御部52は、後述の図4のように複数のフレームをまとめて、例えば5フレーム分の圧縮データの復号を復号部11に指示し、指示した復号の完了通知を復号部11から受けた場合には、復号部11が停止可能な状態になるよう制御した後に、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54を制御するようになっている。
【0034】
なお、第1の制御部52から復号部11に復号が指示される圧縮データの量は、1フレーム分以上で、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が第2のデータ格納部22の容量を超えない範囲内であればよいが、復号部11を停止可能および作動可能な状態にするよう制御するのにかかる処理を削減できるため、多い方が好ましい。
【0035】
第2の制御部53は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が所定量以下になったときに、制御信号を生成するようになっている。ここで、所定量は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が0にならない程度に定められている。
【0036】
起動制御部55は、第2の制御部53によって生成された制御信号を受けた場合には、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除するようクロック/電源制御部54を制御するようになっている。
【0037】
クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するよう第1の制御部52に制御された場合には、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給を停止し、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除するよう起動制御部55に制御された場合には、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給を開始するようになっている。
【0038】
なお、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除するよう起動制御部55に制御された場合には、第1の制御部52に対するクロックの供給を開始すると共に、クロックの供給が開始された第1の制御部52による指示に応じて復号部11に対するクロックの供給を開始するようにしてもよい。
【0039】
クロックの供給が開始された第1の制御部52は、復号部11が作動可能な状態になるよう制御した後に、5フレーム分の圧縮データの復号を再び復号部11に指示するようになっている。
【0040】
以上のように構成されたデータ処理装置について、図2を用いてその動作を説明する。
【0041】
まず、第1の制御部52によって復号部11に所定の再生時間分、例えば、5フレーム分の圧縮データの復号が指示される(S1)。次に、この指示を受けた復号部11によって第1のデータ格納部21に格納された圧縮データが指示された量だけ復号され(S2)、第2のデータ格納部22に格納されると共に、復号部11から第1の制御部52に復号の完了通知が送信される(S3)。
【0042】
次に、この完了通知を受けた第1の制御部52によって、復号部11が停止可能な状態になるよう制御され(S4)、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54が制御される(S5)。
【0043】
次に、第1の制御部52に制御されたクロック/電源制御部54によって、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給が停止される(S6)。
【0044】
第2のデータ格納部22に対する復号データの格納が停止している間にも、第2のデータ格納部22から復号データがDA変換部41によって実時間で読出されているため、時間経過と共に、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が減少していく。
【0045】
ここで、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が所定量以下になった場合には(S7)、第2の制御部53によって制御信号が生成され(S8)、この制御信号を受けた起動制御部55によって、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除するようクロック/電源制御部54が制御される(S9)。
【0046】
次に、起動制御部55に制御されたクロック/電源制御部54によって、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給が開始される(S10)。次に、クロックの供給が開始された第1の制御部52によって、復号部11が作動可能な状態になるよう制御され(S11)、第1の制御部52によって復号部11に所定の再生時間分の圧縮データの復号が指示される(S1)。
【0047】
このような本発明の実施の形態1のデータ処理装置は、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を実時間よりも速い速度で行うことによって第2のデータ格納部22から上流側で生じる間欠動作の停止期間に第2のデータ格納部22から上流側での消費電力を制限するため、低消費電力で、AV再生や放送の視聴のような連続した圧縮データの再生や視聴を可能にすることができる。
【0048】
また、第1の制御部52は、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで、処理が実施されている期間と処理が実施されていない期間を明示的に分離し、復号部11が間欠動作するように制御することができる。
【0049】
なお、本実施の形態において、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限する場合には、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給を停止し、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除する場合には、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給を開始するものとして説明した。
【0050】
これに対し、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限する場合には、復号部11および第1の制御部52に供給されるクロックの周波数を低下させ、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除する場合には、復号部11および第1の制御部52に供給されるクロックの周波数を上昇させるようにしてもよい。
【0051】
上述したように、復号部11および第1の制御部52に供給するクロックを制御するようにクロック/電源制御部54を構成した場合には、クロック/電源制御部54は、内部で生成したクロックの供給を制御するようにしてもよく、外部のクロック発生器によって発生されたクロックの供給を制御するようにしてもよい。
【0052】
また、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限する場合には、復号部11および第1の制御部52に印加される電圧を低下させ、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除する場合には、復号部11および第1の制御部52に印加される電圧を上昇させるようにしてもよい。
【0053】
また、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限する場合には、復号部11および第1の制御部52に対する電圧の印加を停止し、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除する場合には、復号部11および第1の制御部52に対する電圧の印加を開始するようにしてもよい。
【0054】
上述したように、復号部11および第1の制御部52に印加する電圧を制御するようにクロック/電源制御部54を構成した場合には、クロック/電源制御部54は、内部で生成した電圧の印加を制御するようにしてもよく、外部の電源によって生成された電圧の印加を制御するようにしてもよい。
【0055】
また、クロック/電源制御部54は、復号部11および第1の制御部52の消費電力を制限にする際に、起動制御部55を停止させない範囲で起動制御部55の消費電力を制限するようにしてもよい。
【0056】
また、第2の制御部53は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量に応じた制御信号を生成するものとして説明したが、第2の制御部53をタイマによって構成し、タイマによって計測された時間に応じた制御信号を生成するようにしてもよい。
【0057】
この場合には、第2の制御部53は、第2のデータ格納部22から上流側での消費電力が制限されてから所定時間が経過したときに、制御信号を生成するように構成する。ここで、第2の所定時間は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が0にならない程度に定められる。
【0058】
また、本実施の形態においては、第1の制御部52は、復号部11から復号の完了通知を受けた場合には、復号部11を停止可能な状態に制御した後に、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54を制御するものとして説明した。
【0059】
これに対し、データ処理装置に、復号部11によって生成された復号データを格納する第3のデータ格納部と、第3のデータ格納部に格納された復号データを第2のデータ格納部22に転送するデータ転送部を設け、第1の制御部52が、このデータ転送部から復号部に指示した分の復号データの転送が完了した旨の通知を受けた場合に、復号部11およびデータ転送部を停止可能な状態に制御した後に、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54を制御するようにしてもよい。
【0060】
このように、クロック/電源制御部54は、間欠動作の停止期間に少なくとも復号部11を停止するようにすればよいが、その他のブロックに関しては、システム構成により様々であるが、停止期間に動作不要なブロックであればクロックまたは電源の供給を制限することは可能であり、特に限定したものではない。
【0061】
また、第2の制御部53が、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が規定量以上になったときに、復号データの格納量が規定量以上になったことを表す制御信号を生成し、第1の制御部52が、この制御信号を受けた場合に、復号部11およびデータ転送部を停止可能な状態に制御した後に、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54を制御するようにしてもよい。この場合には、規定量は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が0にならない程度に定められる。
【0062】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2によるデータ処理装置の概略図を示すものである。図3に示すように、このデータ処理装置は、圧縮データを格納する第1のデータ格納部21と、この圧縮データを読出し圧縮データを復号する復号部11と、この復号部11で復号した復号データを格納する第2のデータ格納部22と、この復号データをアナログ変換するDA変換部41と、クロックを生成および供給するクロック供給部61と、装置各部に電源を供給する電源供給部71と、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理する格納量管理部81と、装置各部の起動タイミングを通知するタイマ部82と、装置各部の動作を制御するシステム制御部51と、で構成される。
【0063】
なお、本実施の形態において、システム制御部51は、本発明における第1の制御部および起動制御部を構成し、格納量管理部81またはタイマ部82は、本発明における第2の制御部を構成し、クロック供給部61および電源供給部71の少なくとも一方は、本発明におけるクロック/電源制御部を構成する。
【0064】
以下代表的な動作を具体的に説明する。
【0065】
第1のデータ格納部21に圧縮データが格納されている。この第1のデータ格納部21は例えばメモリカードであり、圧縮データは例えば音声データのAACの圧縮データである。
【0066】
復号部11は、この圧縮データを第1のデータ格納部21から読出し、復号し復号データを生成する。この復号部11は例えばDSPであり、DSPのソフトウェア処理により復号される。
【0067】
この復号部11により復号された復号データは、第2のデータ格納部22に格納される。この第2のデータ格納部22は例えばSRAM等の半導体メモリであり、復号データは例えばPCMデータである。
【0068】
この第2のデータ格納部22に格納された復号データは、DA変換部41でアナログ信号に変換されアナログの音声データとして出力される。
【0069】
クロック供給部61は、各処理を実施する上で必要なクロックを生成および供給する。
【0070】
格納量管理部81は、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理し、必要に応じてシステム制御部51へ通知する。
【0071】
システム制御部51は、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで、処理が実施されている期間と処理が実施されていない期間を明示的に分離し、復号部11が間欠動作するように制御する。また、システム制御部51は、復号データの第2のデータ格納部22からの読出し以降の処理を実時間処理で実施するように制御すると共に、間欠動作の停止期間には、クロック供給部61へ指示し間欠動作で停止している第1のデータ格納部21、復号部11へのクロック供給を停止するように制御する。
【0072】
図4は、本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置のタイミング図である。AAC等のデジタル信号圧縮が施された圧縮データは、復号処理が施されるまでフレームという単位で処理される。0〜9は各フレームの処理が実行されている期間を示している。
【0073】
実時間処理では、従来技術等でもあるように、各フレームがフレーム周期に合わせて復号処理される。サンプリング周波数が48kHzであれば、およそ20msec間隔で各フレームが処理される。
【0074】
次に、フレーム処理の高速化は、各フレーム処理の処理能力を向上させ、処理時間に余裕を持たせることによって実現する。フレーム処理を高速化するには、クロック周波数の向上や、ハードウェアアクセラレータによる処理能力の向上、バスのデータ転送能力の向上など様々な方法がある。例えば、フレームの処理能力が2倍になると、フレームの処理期間はおよそ10msecとなり、50%は処理をして、50%処理をしていない期間ができる。
【0075】
最後に、処理統合による間欠処理は、例えば、0〜4、5〜9までの処理をまとめ、かつ1〜4および6〜9の処理を前倒し、稼動期間と停止期間を明示的に分離するように実施する。サンプリング周波数が48kHzであれば、およそ100msec間隔で復号部11が間欠動作する。また、復号部11は、およそ50msecの期間に処理を実施し、およそ50msecの期間に処理を実施しないようになる。
【0076】
図5は、本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の間欠動作する部分の第1の制御フロー図である。図5に示す通り、間欠動作が停止期間に遷移する条件は、必要量の復号データが処理されて第2のデータ格納部22に格納されたことである。これを起点にシステム制御部51がクロックを停止し、間欠動作が停止期間に遷移する。図4の例では、復号部11が5フレーム分のデータをまとめて処理しているので、5フレーム分の復号データが格納されたことが停止期間に遷移する起点となる。一方、停止期間から稼動期間への遷移は、第2のデータ格納部22に格納された復号データのうちDA変換部41で処理されずに残っているデータ残量が予め定めた残量しきい値を下回った場合に、格納量管理部81がシステム制御部51に割込み等で通知することを起点として行われる。残量しきい値は、格納量管理部81が起動割込み通知してから次のフレームの復号データが第2のデータ格納部22に格納されるまでに、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞ることのないレベルで決定すれば良い。
【0077】
起動割込み通知を受けたシステム制御部51は、クロック供給部61へ指示してクロック供給を開始させ、その後、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を再開するよう制御する。
【0078】
このように、システム制御部51が第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで復号部11を間欠動作させ、その停止期間はクロックの供給を停止することにより、オフセット電流が削減される。
【0079】
また、データ処理装置は、間欠動作の停止期間への遷移を第2のデータ格納部22に格納した復号データのデータ量により管理することで、ポーリング処理による制御に比べシステム制御部51の負荷を軽減でき、データ転送量が一定でない場合になどでも正確に間欠動作を制御することができる。
【0080】
また、データ処理装置は、間欠動作の稼動期間への遷移を第2のデータ格納部22に格納された復号データのうちDA変換されていない復号データの残量により管理することで、ポーリング処理による制御に比べシステム制御部51の負荷を軽減でき、データ転送量が一定でない場合になどでも正確に間欠動作を制御することができる。
【0081】
図6は、本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の間欠動作する部分の第2の制御フロー図である。図6に示す通り、間欠動作が停止期間に遷移する条件は、必要量の復号データが処理されて第2のデータ格納部22に格納されたことである。これを起点にシステム制御部51がクロックを停止し、間欠動作が停止期間に遷移する。図4の例では、復号部11が5フレーム分のデータをまとめて処理しているので、5フレーム分の復号データが格納されたことが停止期間に遷移する起点となる。その後、システム制御部51は、間欠動作が停止期間に移行して良いか判定する。例えば、低消費電力モードで無い場合は、停止期間に移行しないように制御する。または、本データ処理装置において負荷の重いグラフィック処理等、他の処理が競合している場合、停止期間に移行しないように制御する。
【0082】
一方、停止期間に遷移した場合の稼動期間への遷移と処理の再開と、停止期間に遷移しなかった場合の処理再開は、第2のデータ格納部22に格納された復号データのうちDA変換部41で処理されずに残っているデータ残量が予め定めた残量しきい値を下回った場合に、格納量管理部81がシステム制御部51に割込み等で通知することを起点として行われる。残量しきい値は、格納量管理部81が起動割込み通知してから次のフレームの復号データが第2のデータ格納部22に格納されるまでに、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞ることのないレベルで決定すれば良い。
【0083】
起動割込み通知を受けたシステム制御部51は、クロック供給部61へ指示してクロック供給を開始させ、その後、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を再開するよう制御する。
【0084】
かかる構成によれば、装置の動作状況に応じてクロックや電源供給を停止しないよう制御することにより、クロック制御処理や電源制御処理等の、状態の遷移に必要な処理(以下、オーバーヘッド処理)を削減することがでる。このことにより、データ処理装置の処理能力停止期間中での割込み応答性を向上することができる。
【0085】
なお、本実施の形態では、第1のデータ格納部21をメモリカードとして説明したが、磁気テープ、磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等圧縮データが格納できるものであればこれに限定しないし、同様の効果を得ることが可能である。
【0086】
また、圧縮データは、AACとして説明したが、MP3等のデジタル化した音声データを圧縮したデータであればこれに限定しないし同様の効果を得ることができる。
【0087】
また、圧縮データは音声データとして説明したが、例えばMPEG−2やMPEG−4やMotion JPEG等の圧縮された画像データであっても実施可能であり同様の効果を得ることができる。
【0088】
また、圧縮データはDESやAES等で暗号化された暗号文であっても良い。暗号文の復号と圧縮データの復号も含めて復号部11で復号すれば良く同様の効果を得ることができる。
【0089】
また、復号部11をDSPとして説明したが、これに限定されない。例えば、CPU等の他のプロセッサや、その処理の一部をハードウェアによりサポートする構成や、全ての復号処理をハードウェアにより実施する構成でも実施可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0090】
また、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、通常の動作周波数を低下させることで同様の効果を得ることは可能であるので、これに限定したものではない。
【0091】
更に、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、電源供給部71から供給する電圧を通常時より低下させることや、供給を停止(0Vを供給)することで、さらにリーク電流を抑制することができ、同様の効果を得ることができる。また、LSIの基板制御を行うことで、制御トランジスタのしきい値電圧を制御し、リーク電流を抑制することも可能である。
【0092】
また、復号処理でのフレームのまとめ方は5フレーム単位としたがこれに限らない。間欠動作の稼動期間と停止期間との遷移には、クロック制御処理や電源制御処理等の、遷移に必要なオーバーヘッド処理がある。遷移回数が多いほどオーバーヘッド処理回数が増え、オーバーヘッド処理負荷が増大するため、まとめ方の粒度が粗い(間欠動作の周期が長い)方が好適である。
【0093】
また、フレーム処理の高速化を実施し処理時間に余裕を持たせていたが、フレーム処理を高速化しなくても処理時間に余裕を持っている場合には、フレーム処理を高速化させる必要はない。処理の統合による間欠動作を実施することで、同様の効果を得ることができる。
【0094】
また、間欠動作の停止期間からの稼動期間への遷移要因を、格納量管理部81からの割込みとして説明したが、タイマ部82からの割込みにより制御することも可能である。例えば、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞らないレベルで、停止期間を決定しタイマにより起動させても良く、同様の効果を得ることができる。
【0095】
また、システム制御部51は、第1のデータ格納部21、復号部11へのクロック供給および電源の供給を停止するように制御すると説明したが、少なくとも復号処理を実施する復号部11を停止するように制御すれば良い。その他のブロックに関しては、システム構成により様々であるが、停止期間に動作不要なブロックであればクロックまたは電源の供給を制限することは可能であり、特に限定したものではない。
【0096】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3におけるデータ処理装置の概略図を示すものである。図7において図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0097】
図7において、このデータ処理装置は、圧縮データを格納する第1のデータ格納部21と、この圧縮データを読出し転送する第2のデータ転送部32と、第2のデータ転送部32で転送された圧縮データを格納する第4のデータ格納部24と、この圧縮データを読出し圧縮データを復号する復号部11と、この復号部11で復号した復号データを格納する第3のデータ格納部23と、この復号データを読出し転送する第1のデータ転送部31と、第1のデータ転送部31で転送された復号データを格納する第2のデータ格納部22と、この復号データをアナログ変換するDA変換部41と、クロックを生成および供給するクロック供給部61と、装置各部に電源を供給する電源供給部71と、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理する格納量管理部81と、装置各部の起動タイミングを通知するタイマ部82と、装置各部の動作を制御するシステム制御部51と、で構成される。
【0098】
なお、本実施の形態において、システム制御部51は、本発明における第1の制御部および起動制御部を構成し、格納量管理部81またはタイマ部82は、本発明における第2の制御部を構成し、クロック供給部61および電源供給部71の少なくとも一方は、本発明におけるクロック/電源制御部を構成する。
【0099】
以下代表的な動作を具体的に説明する。
【0100】
第1のデータ格納部21に圧縮データが格納されている。この第1のデータ格納部21は例えばメモリカードであり、圧縮データは例えば音声データのAACの圧縮データである。
【0101】
この圧縮データは、第2のデータ転送部32により第4のデータ格納部24に転送される。この第4のデータ格納部24は例えばSRAM等の半導体メモリである。
【0102】
復号部11は、この第4のデータ格納部24から圧縮データを読出し、復号し復号データを生成する。この復号部11は例えばDSPであり、DSPのソフトウェア処理により復号される。
【0103】
この復号部11により復号された復号データは、第3のデータ格納部23に格納される。この第3のデータ格納部23は例えばSRAM等の半導体メモリであり、復号データは例えばPCMデータである。
【0104】
この復号データは、第1のデータ転送部31により第2のデータ格納部22に転送される。この第2のデータ格納部22は例えばSRAM等の半導体メモリである。
【0105】
この第2のデータ格納部22に格納された復号データは、DA変換部41でアナログ信号に変換されアナログの音声データとして出力される。
【0106】
クロック供給部61は、各処理を実施する上で必要なクロックを生成および供給する。
【0107】
格納量管理部81は、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理し、必要に応じてシステム制御部51へ通知する。
【0108】
システム制御部51は、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで、処理が実施されている期間と処理が実施されていない期間を明示的に分離し、復号部11が間欠動作するように制御する。また、システム制御部51は、復号データの第2のデータ格納部22からの読出し以降の処理を実時間処理で実施するように制御すると共に、間欠動作の停止期間には、クロック供給部61へ指示し間欠動作で停止している第1のデータ格納部21、第2のデータ転送部32、第4のデータ格納部24、復号部11、第3のデータ格納部23、第1のデータ転送部31へのクロック供給を停止するように制御する。更に、システム制御部51は、第3のデータ格納部23と第4のデータ格納部24には、停止期間に遷移する前に全データを転送するのではなく、1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移するよう制御する。
【0109】
間欠動作を実現する手順や、制御フローに関しては、実施の形態2と同様であるので割愛する。
【0110】
図8は、本発明の実施の形態3におけるタイミング図である。
【0111】
0〜9はAAC等の各フレームの処理が実行されている期間を示しており、フレーム番号3までの処理が実施完了した後に間欠動作の停止期間に遷移する。また、上段は全データを転送した後に停止期間に遷移する例を、下段は1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移する例を示している。
【0112】
全データを転送した後に停止期間に遷移する例では、フレーム番号4のDA変換の前までに、第4フレームの復号データの転送を完了していないと、音声データが途切れてしまうため、圧縮データの転送はDA変換部41でフレーム番号2のDA変換を実施している時点で処理を再開する必要がある。
【0113】
1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移する例では、各処理部が処理できるデータが予めデータ格納部に保持されているので、稼動期間に復帰後すぐに処理が開始される。具体的には、第4のデータ格納部24にはフレーム番号5の圧縮データ、第3のデータ格納部23にはフレーム番号4の復号データが格納されている。
【0114】
かかる構成によれば、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで間欠動作させ、その停止期間はクロックの供給を停止することにより、オフセット電流を削減することができる。
【0115】
更に、フレーム番号3のDA変換を実施している時点で稼動期間に復帰すれば良いため、全データを転送した後に停止期間に遷移する例に比べて停止期間を長く設定することが可能となり、オフセット電流を削減することができる。
【0116】
なお、本実施の形態では、第1のデータ転送部31と第2のデータ転送部32の双方について説明したが、当然どちらか一方であっても実施可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0117】
第1のデータ格納部21をメモリカードとして説明したが、磁気テープ、磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等圧縮データが格納できるものであればこれに限定しないし、同様の効果を得ることが可能である。
【0118】
また、圧縮データは、AACとして説明したが、MP3等のデジタル化した音声データを圧縮したデータであればこれに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0119】
また、圧縮データは音声データとして説明したが、例えばMPEG−2やMPEG−4やMotion JPEG等の圧縮された画像データであっても実施可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0120】
また、圧縮データはDESやAES等で暗号化された暗号文であっても良い。暗号文の復号と圧縮データの復号も含めて復号部11で復号すれば良く、同様の効果を得ることができる。
【0121】
また、復号部11をDSPとして説明したが、CPU等の他のプロセッサや、その処理の一部をハードウェアによりサポートする構成や、全ての復号処理をハードウェアにより実施する構成でも実施可能であり、これに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0122】
また、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、通常の動作周波数を低下させることで同様の効果を得ることは可能であるので、これに限定したものではない。
【0123】
更に、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、電源供給部71から供給する電圧を通常時より低下させることや、供給を停止(0Vを供給)することで、さらにリーク電流を抑制することができ、同様の効果を得ることができる。また、LSIの基板制御を行うことで、制御トランジスタのしきい値電圧を制御し、リーク電流を抑制することも可能である。
【0124】
また、復号処理でのフレームのまとめ方は5フレーム単位としたがこれに限らない。間欠動作の稼動期間と停止期間との遷移には、クロック制御処理や電源制御処理等の遷移に必要なオーバーヘッド処理がある。遷移回数が多いほどオーバーヘッド処理回数が増え、オーバーヘッド処理負荷が増大するため、まとめ方の粒度が粗い(間欠動作の周期が長い)方が好適である。
【0125】
また、フレーム処理の高速化を実施し処理時間に余裕を持たせていたが、フレーム処理を高速化しなくても処理時間に余裕を持っている場合には、フレーム処理を高速化させる必要はない。処理の統合による間欠動作を実施することで、同様の効果を得ることができる。
【0126】
また、各データ格納部では、1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移する例について説明したが、数フレーム分を保持したまま停止期間に遷移しても良く、これに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0127】
また、間欠動作の停止期間からの稼動期間への遷移要因を、格納量管理部81からの割込みとして説明したが、タイマ部82からの割込みにより制御することも可能である。例えば、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞らないレベルで、停止期間を決定しタイマにより起動させても良く、同様の効果を得ることができる。
【0128】
また、システム制御部51は、第1のデータ格納部21、第2のデータ転送部32、第4のデータ格納部24、復号部11、第3のデータ格納部23、第1のデータ転送部31へのクロック供給および電源の供給を停止するように制御すると説明したが、少なくとも復号処理を実施する復号部11を停止するように制御すれば良い。その他のブロックに関しては、システム構成により様々であるが、停止期間に動作不要なブロックであればクロックまたは電源の供給を制限することは可能であり、特に限定したものではない。
【0129】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4におけるデータ処理装置の概略図を示すものである。図9において図3、図7と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0130】
図9において、このデータ処理装置は、放送波を受信し圧縮データを抽出する放送受信部91と、この圧縮データを格納する第4のデータ格納部24と、この圧縮データを読出し圧縮データを復号する復号部11と、この復号部11で復号した復号データを格納する第3のデータ格納部23と、この復号データを読出し転送する第1のデータ転送部31と、第1のデータ転送部31で転送した復号データを格納する第2のデータ格納部22と、この復号データをアナログ変換するDA変換部41と、クロックを生成および供給するクロック供給部61と、装置各部に電源を供給する電源供給部71と、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理する格納量管理部81と、装置各部の起動タイミングを通知するタイマ部82と、装置各部の動作を制御するシステム制御部51と、で構成される。
【0131】
なお、本実施の形態において、システム制御部51は、本発明における第1の制御部および起動制御部を構成し、格納量管理部81またはタイマ部82は、本発明における第2の制御部を構成し、クロック供給部61または電源供給部71の少なくとも一方は、本発明におけるクロック/電源制御部を構成する。
【0132】
以下代表的な動作を具体的に説明する。
【0133】
放送受信部91は、地上デジタル放送などの放送波を受信し、音声などの圧縮データを抽出する。圧縮データは例えば音声データのAACの圧縮データである。
【0134】
この圧縮データは、第4のデータ格納部24に格納される。この第4のデータ格納部24は例えばSRAM等の半導体メモリである。
【0135】
復号部11は、この第4のデータ格納部24から圧縮データを読出し、復号し復号データを生成する。この復号部11は例えばDPSであり、DSPのソフトウェア処理により復号される。
【0136】
この復号部11により復号された復号データは、第3のデータ格納部23に格納される。この第3のデータ格納部23は例えばSRAM等の半導体メモリであり、復号データは例えばPCMデータである。
【0137】
この復号データを第1のデータ転送部31により第2のデータ格納部22に転送する。この第2のデータ格納部22は、例えばSRAM等の半導体メモリである。
【0138】
この第2のデータ格納部22に格納された復号データは、DA変換部41でアナログ信号に変換されアナログの音声データとして出力される。
【0139】
クロック供給部61は、各処理を実施する上で必要なクロックを生成および供給する。
【0140】
格納量管理部81は、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理し必要に応じてシステム制御部51へ通知する。
【0141】
システム制御部51は、第4のデータ格納部24からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで、処理が実施されている期間と処理が実施されていない期間を明示的に分離し、復号部11を間欠動作するように制御する。また、システム制御部51は、放送受信部91による圧縮データの第4のデータ格納部24への格納と、復号データの第2のデータ格納部22からの読出し以降の処理を実時間処理で実施するように制御すると共に、間欠動作の停止期間には、クロック供給部61へ指示し間欠動作で停止している復号部11、第3のデータ格納部23、第1のデータ転送部31へのクロック供給を停止するように制御する。更に、システム制御部51は、第3のデータ格納部23と第4のデータ格納部24には、停止期間に遷移する前に全データを転送するのではなく、1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移するよう制御する。
【0142】
間欠動作を実現する手順や、制御フローに関しては、実施の形態3と同様であるので割愛する。
【0143】
図10は、本発明の実施の形態4におけるデータ処理装置のタイミング図である。
【0144】
0〜9はAAC等の各フレームの処理が実行されている期間を示している。放送受信部91は実時間処理を行っている。復号部11がフレーム番号4までの処理を実施完了し、第1のデータ転送部31がフレーム番号3までの処理を実施完了した後に、間欠動作の停止期間に遷移する。DA変換部41は実時間処理を行っている。
【0145】
各処理部が処理できるデータが予めデータ格納部に保持されているので、稼動期間に復帰後すぐに処理が開始される。具体的には、第4のデータ格納部24にはフレーム番号8までの圧縮データ、第3のデータ格納部23にはフレーム番号4の復号データが格納されている。
【0146】
かかる構成によれば、処理の入力部分(放送の受信)と出力部分(DA変換)双方で実時間処理が必要なデータ処理装置においても、復号部11を含む間欠動作する部分のオフセット電流を削減できる。更に、フレーム番号3のDA変換を実施している時点で稼動期間に復帰すれば良いため、全データを転送した後に停止期間に遷移する例に比べて停止期間を長く設定することが可能となり、オフセット電流を削減することができる。
【0147】
また、放送受信部91の代わりに、有線または無線ネットワークと接続し、AVコンテンツを受信し、圧縮データを抽出する、ネットワーク接続部を設けても良い。この場合、インターネットを始めとしたネットワークからネットワークの通信速度に応じてデータ受信し、第4のデータ格納部24に格納する。その後の処理は、図9で示した実施の形態と同様の動作を行う。
【0148】
かかる構成によれば、処理の入力部分(ネットワークからの受信)と出力部分(DA変換)双方で実時間処理が必要なデータ処理装置においても、復号部11を含む間欠動作する部分のオフセット電流を削減できる。更に、フレーム番号3のDA変換を実施している時点で稼動期間に復帰すれば良い。このため、全データを転送した後に停止期間に遷移する例に比べて、停止期間を長く設定することが可能となり、オフセット電流を削減することができる。
【0149】
なお、本実施の形態では、圧縮データは、AACとして説明したが、MP3等のデジタル化した音声データを圧縮したデータであればこれに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0150】
また、圧縮データは音声データとして説明したが、例えばMPEG−2やMPEG−4やMotion JPEG等の圧縮された画像データであっても実施可能であり、同様の効果がえることができる。
【0151】
また、圧縮データはDESやAES等で暗号化された暗号文であっても良い。暗号文の復号と圧縮データの復号も含めて復号部11で復号すれば良く、同様の効果を得ることができる。
【0152】
また、復号部11をDSPとして説明したが、CPU等の他のプロセッサや、その処理の一部をハードウェアによりサポートする構成や、全ての復号処理をハードウェアにより実施する構成でも実施可能であり、これに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0153】
また、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、通常の動作周波数を低下させることで同様の効果を得ることは可能であるので、これに限定したものではない。
【0154】
更に、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、電源供給部71から供給する電圧を通常時より低下させることや、供給を停止(0Vを供給)することで、さらにリーク電流を抑制することができ、同様の効果を得ることができる。また、LSIの基板制御を行うことで、制御トランジスタのしきい値電圧を制御し、リーク電流を抑制することも可能である。
【0155】
また、復号処理でのフレームのまとめ方は5フレーム単位としたがこれに限らない。間欠動作の稼動期間と停止期間との遷移には、クロック制御処理や電源制御処理等の遷移に必要なオーバーヘッド処理がある。遷移回数が多いほどオーバーヘッド処理回数が増え、オーバーヘッド処理負荷が増大するため、まとめ方の粒度が粗い方(間欠動作の周期が長い)方が好適である。
【0156】
また、フレーム処理の高速化を実施し処理時間に余裕を持たせていたが、フレーム処理を高速化しなくても処理時間に余裕を持っている場合には、フレーム処理を高速化させる必要はない。処理の統合による間欠動作を実施することで、同様の効果を得ることができる。
【0157】
また、各データ格納部では、1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移する例について説明したが、数フレーム分を保持したまま停止期間に遷移しても良く、これに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0158】
また、間欠動作の停止期間からの稼動期間への遷移要因を、格納量管理部81からの割込みとして説明したが、タイマ部82からの割込みにより制御することも可能である。例えば、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞らないレベルで、停止期間を決定しタイマにより起動させても良く、同様の効果を得ることができる。
【0159】
また、システム制御部51は、復号部11、第3のデータ格納部23、第1のデータ転送部31へのクロック供給および電源の供給を停止するように制御すると説明したが、少なくとも復号処理を実施する復号部11を停止するように制御すれば良い。その他のブロックに関しては、システム構成により様々であるが、停止期間に動作不要なブロックであればクロックまたは電源の供給を制限することは可能であり、特に限定したものではない。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明にかかるデータ処理装置は、バッテリ駆動する携帯機器向けのオーディオ、ビデオプレーヤやAV処理が実施可能な携帯電話等の用途に特に有用である。
【符号の説明】
【0161】
11 復号部
21 第1のデータ格納部
22 第2のデータ格納部
23 第3のデータ格納部
24 第4のデータ格納部
31 第1のデータ転送部
32 第2のデータ転送部
41 DA変換部
51 システム制御部
52 第1の制御部
53 第2の制御部
54 クロック/電源制御部
55 起動制御部
61 クロック供給部
71 電源供給部
81 格納量管理部
82 タイマ部
91 放送受信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオやビデオ等のAV再生におけるデータ処理装置に関するものであり、特に再生における消費電力の低減を目的とした携帯機器向けのデータ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話端末や携帯情報端末やコードレスモニタは、オーディオ再生やビデオ再生やラジオやテレビの視聴といったAV再生や放送の視聴が可能な端末も少なくない。また、これらのコンテンツを高圧縮して蓄積や伝送するといった要望もあり、複雑かつ復号の処理負荷が重い圧縮方式も多くなってきている。一方で、長時間再生視聴したいという要望も高い。従って、バッテリ駆動しているこれら携帯端末では、長時間駆動させるために消費電力を削減することが求められることになる。このような問題を解決する従来技術として以下のような技術がある。
【0003】
データ放送の受信において間欠的にデータ放送波の受信と復号を行い、復号した結果をメモリに蓄えるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図11は、特許文献1に記載された従来のデータ処理装置の概略図を示すものである。
【0005】
図11において、従来のデータ処理装置は、放送波を受信する放送受信部1と、この放送受信部1により受信された放送波から得られたデータを復号する復号部2と、この復号部2で復号した結果である復号データを格納するデータ格納部3と、このデータ格納部3のデータをアナログ変換するDA変換部4と、装置各部の動作を制御するシステム制御部5と、装置各部へ電源供給を制御する電源供給部6と、復号部2の起動タイミングを通知するタイマ部7で構成される。
【0006】
この構成の従来のデータ処理装置は、1日に数回更新されるデータ放送を、放送受信部1と復号部2を間欠動作させて受信および復号する。より具体的には、従来のデータ処理装置は、データ放送を受信する時間になるとタイマ部7によるシステム制御部5への割込みにより放送受信部1と復号部2への電源供給を開始する。その後、従来のデータ処理装置は、放送波を放送受信部1で受信し、復号部2で復号した結果をデータ格納部3に格納する。その後システム制御部5は、放送受信部1、復号部2、データ格納部3での各処理を停止し、かつ、電源供給部6による放送受信部1と復号部2への電源の供給を遮断する。
【0007】
このように、従来のデータ処理装置は、間欠動作の停止期間に電源の供給を遮断することにより、待機状態時の消費電力を削減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−122586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、近年、半導製造技術の進歩、とりわけ微細化の進歩により、1チップに搭載可能なトランジスタ数が増大し、様々な機能が1チップに集積され、1チップでシステムを構成きるようにまでなってきている。
【0010】
一方、このような高性能かつ大規模なシステムLSIは、処理性能向上のためにクロックの周波数を上げることや、大規模化による配線等の負荷容量増大によるクロックツリーの高負荷化により、クロックツリーでの消費電力が増大している。
【0011】
また、プロセスの微細化と動作周波数向上によって、サブスレッショルドリーク電流やゲートリーク電流をはじめとするトランジスタのリーク電流が増大しており、このようなトランジスタを多用することによりシステム全体のリーク電流が増大している。
【0012】
以上のことより、システムLSIに電源およびクロックを供給するだけで消費する消費電流(以後、オフセット電流と呼ぶ)が増大している。
【0013】
特許文献1記載の従来のデータ処理装置は、タイマによって電源供給・遮断の制御を行っているため、データの更新頻度が1日に数回程度の、データ放送のような用途においては消費電力の削減が可能である。
【0014】
しかしながら、従来のデータ処理装置は、AV再生や放送の視聴のように連続した圧縮データを復号し、実時間処理で再生や視聴するような用途には適用できない。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、低消費電力で、AV再生や放送の視聴のような連続した圧縮データの再生や視聴を可能にしたデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のデータ処理装置は、圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、前記第2のデータ格納部から前記復号したデータを読出すデータ読出し部と、少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させる構成を有している。
【発明の効果】
【0017】
本発明のデータ処理装置によれば、AV再生や放送の視聴のような、連続した圧縮データの再生や視聴時の消費電力を削減することができる。特にバッテリ駆動する携帯電話や携帯機器では再生時間や視聴時間を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置の動作説明のためのフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の概略図である。
【図4】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置のタイミング図である。
【図5】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の間欠動作する部分の第1の制御フロー図である。
【図6】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の間欠動作する部分の第2の制御フロー図である。
【図7】本発明の実施の形態3におけるデータ処理装置の概略図である。
【図8】本発明の実施の形態3におけるデータ処理装置のタイミング図である。
【図9】本発明の実施の形態4におけるデータ処理装置の概略図である。
【図10】本発明の実施の形態4におけるデータ処理装置のタイミング図である。
【図11】特許文献1に記載された従来のデータ処理装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるデータ処理装置の概略図を示すものである。図1において、本発明の実施の形態1のデータ処理装置は、圧縮データを格納する第1のデータ格納部21と、第1のデータ格納部21から圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号した復号データを生成する復号部11と、復号部11によって出力された復号データを格納する第2のデータ格納部22と、第2のデータ格納部22から復号データを実時間で読出してアナログ信号に変換するDA変換部41と、データ処理装置の各部を制御する第1の制御部52と、第2のデータ格納部22における復号データの格納状態を管理し、この格納状態に応じた制御信号を生成する第2の制御部53と、復号部11および第1の制御部52を含む第2のデータ格納部22から上流側の消費電力を制御するクロック/電源制御部54と、第2の制御部53によって生成された制御信号を受けて、クロック/電源制御部54を制御して、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除させる起動制御部55とを備えている。
【0021】
第1のデータ格納部21は、バッファ等の記憶媒体によって構成され、ハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、もしくは、フラッシュメモリやメモリカードの半導体記憶装置等の蓄積デバイスに格納された圧縮データ、または、放送波を受信し圧縮データを生成する図示しない放送受信部、もしくは、ネットワークを介して送信されたデータから圧縮データを生成する図示しないネットワーク接続部等によって送信された圧縮データを格納するようになっている。
【0022】
なお、第1のデータ格納部21は、磁気テープ、磁気ディスク、半導体メモリまたはハードディスク等のように、圧縮データが既に格納され、データ処理装置に着脱自在な記憶媒体によって構成してもよい。
【0023】
ここで、圧縮データは、AAC(Advanced Audio Codec)やMP3(Moving Picture Experts Group 1 Audio Layer 3)に準拠して圧縮された音声データであってもよく、MPEG−2やMPEG−4やMotion JPEG(Joint Photographic Experts Group)等に準拠して圧縮された画像データであってもよいが、本実施の形態においては、AACに準拠して圧縮された音声データとする。
【0024】
また、圧縮データは、DES(Data Encryption Standard)やAES(Advanced Encryption Standard)等で暗号化されていてもよい。この場合には、復号部11は、圧縮データに施された暗号を解除した後に、圧縮データを復号するように構成する。
【0025】
復号部11は、第1の制御部52によって指定された分の圧縮データを第1のデータ格納部21から読出し、読出した圧縮データを復号した復号データを生成するようプログラミングされたDSP(Digital Signal Processor)によって構成されている。なお、本実施の形態において、復号部11は、復号データとしてPCM(Pulse Code Modulation)データを生成するものとする。
【0026】
なお、復号部11は、CPU(Central Processing Unit)等の他のプロセッサによって構成してもよい。また、復号部11は、ハードウェア回路によって構成してもよく、プロセッサおよびハードウェア回路によって構成してもよい。
【0027】
第2のデータ格納部22は、SRAM(Static Random Access Memory)等の記憶媒体によって構成されている。また、第1の制御部52は、データ処理装置の各部を制御するようプログラミングされたCPU等のプロセッサによって構成されている。
【0028】
第1の制御部52は、DA変換部41の起動、停止および動作の諸条件の制御、クロック/電源制御部54のクロックの周波数および電源の電圧の変更設定制御、ならびに、第2の制御部53の起動、停止および動作の諸条件の制御等を行うようになっている。
【0029】
また、第1の制御部52は、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を実時間よりも速い速度で行うことで間欠動作させるよう、少なくとも復号部11を制御するようになっている。
【0030】
例えば、間欠動作の稼動期間には、第1の制御部52は、復号部11に供給されるクロックの周波数を上昇させるようクロック/電源制御部54を制御したり、図示しないアクセラレータのような専用回路を用いて処理を行うよう復号部11を制御したりすることによって、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を実時間よりも速い速度で行うようになっている。
【0031】
一方、間欠動作の待機期間には、第1の制御部52は、復号部11に供給されるクロックを停止、または、復号部11に供給されるクロックの周波数を低下させるようクロック/電源制御部54を制御するようになっている。
【0032】
なお、第1の制御部52は、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を高速化しなくとも実時間よりも速い速度で行うことができる場合には、復号の開始を復号部11に指示し、復号の完了通知を復号部11から受けたときに復号部11が停止可能な状態になるよう制御するようにしてもよい。
【0033】
また、第1の制御部52は、後述の図4のように複数のフレームをまとめて、例えば5フレーム分の圧縮データの復号を復号部11に指示し、指示した復号の完了通知を復号部11から受けた場合には、復号部11が停止可能な状態になるよう制御した後に、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54を制御するようになっている。
【0034】
なお、第1の制御部52から復号部11に復号が指示される圧縮データの量は、1フレーム分以上で、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が第2のデータ格納部22の容量を超えない範囲内であればよいが、復号部11を停止可能および作動可能な状態にするよう制御するのにかかる処理を削減できるため、多い方が好ましい。
【0035】
第2の制御部53は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が所定量以下になったときに、制御信号を生成するようになっている。ここで、所定量は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が0にならない程度に定められている。
【0036】
起動制御部55は、第2の制御部53によって生成された制御信号を受けた場合には、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除するようクロック/電源制御部54を制御するようになっている。
【0037】
クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するよう第1の制御部52に制御された場合には、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給を停止し、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除するよう起動制御部55に制御された場合には、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給を開始するようになっている。
【0038】
なお、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除するよう起動制御部55に制御された場合には、第1の制御部52に対するクロックの供給を開始すると共に、クロックの供給が開始された第1の制御部52による指示に応じて復号部11に対するクロックの供給を開始するようにしてもよい。
【0039】
クロックの供給が開始された第1の制御部52は、復号部11が作動可能な状態になるよう制御した後に、5フレーム分の圧縮データの復号を再び復号部11に指示するようになっている。
【0040】
以上のように構成されたデータ処理装置について、図2を用いてその動作を説明する。
【0041】
まず、第1の制御部52によって復号部11に所定の再生時間分、例えば、5フレーム分の圧縮データの復号が指示される(S1)。次に、この指示を受けた復号部11によって第1のデータ格納部21に格納された圧縮データが指示された量だけ復号され(S2)、第2のデータ格納部22に格納されると共に、復号部11から第1の制御部52に復号の完了通知が送信される(S3)。
【0042】
次に、この完了通知を受けた第1の制御部52によって、復号部11が停止可能な状態になるよう制御され(S4)、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54が制御される(S5)。
【0043】
次に、第1の制御部52に制御されたクロック/電源制御部54によって、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給が停止される(S6)。
【0044】
第2のデータ格納部22に対する復号データの格納が停止している間にも、第2のデータ格納部22から復号データがDA変換部41によって実時間で読出されているため、時間経過と共に、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が減少していく。
【0045】
ここで、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が所定量以下になった場合には(S7)、第2の制御部53によって制御信号が生成され(S8)、この制御信号を受けた起動制御部55によって、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除するようクロック/電源制御部54が制御される(S9)。
【0046】
次に、起動制御部55に制御されたクロック/電源制御部54によって、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給が開始される(S10)。次に、クロックの供給が開始された第1の制御部52によって、復号部11が作動可能な状態になるよう制御され(S11)、第1の制御部52によって復号部11に所定の再生時間分の圧縮データの復号が指示される(S1)。
【0047】
このような本発明の実施の形態1のデータ処理装置は、圧縮データの読出しから復号データの格納までの処理を実時間よりも速い速度で行うことによって第2のデータ格納部22から上流側で生じる間欠動作の停止期間に第2のデータ格納部22から上流側での消費電力を制限するため、低消費電力で、AV再生や放送の視聴のような連続した圧縮データの再生や視聴を可能にすることができる。
【0048】
また、第1の制御部52は、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで、処理が実施されている期間と処理が実施されていない期間を明示的に分離し、復号部11が間欠動作するように制御することができる。
【0049】
なお、本実施の形態において、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限する場合には、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給を停止し、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除する場合には、復号部11および第1の制御部52に対するクロックの供給を開始するものとして説明した。
【0050】
これに対し、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限する場合には、復号部11および第1の制御部52に供給されるクロックの周波数を低下させ、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除する場合には、復号部11および第1の制御部52に供給されるクロックの周波数を上昇させるようにしてもよい。
【0051】
上述したように、復号部11および第1の制御部52に供給するクロックを制御するようにクロック/電源制御部54を構成した場合には、クロック/電源制御部54は、内部で生成したクロックの供給を制御するようにしてもよく、外部のクロック発生器によって発生されたクロックの供給を制御するようにしてもよい。
【0052】
また、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限する場合には、復号部11および第1の制御部52に印加される電圧を低下させ、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除する場合には、復号部11および第1の制御部52に印加される電圧を上昇させるようにしてもよい。
【0053】
また、クロック/電源制御部54は、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限する場合には、復号部11および第1の制御部52に対する電圧の印加を停止し、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力の制限を解除する場合には、復号部11および第1の制御部52に対する電圧の印加を開始するようにしてもよい。
【0054】
上述したように、復号部11および第1の制御部52に印加する電圧を制御するようにクロック/電源制御部54を構成した場合には、クロック/電源制御部54は、内部で生成した電圧の印加を制御するようにしてもよく、外部の電源によって生成された電圧の印加を制御するようにしてもよい。
【0055】
また、クロック/電源制御部54は、復号部11および第1の制御部52の消費電力を制限にする際に、起動制御部55を停止させない範囲で起動制御部55の消費電力を制限するようにしてもよい。
【0056】
また、第2の制御部53は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量に応じた制御信号を生成するものとして説明したが、第2の制御部53をタイマによって構成し、タイマによって計測された時間に応じた制御信号を生成するようにしてもよい。
【0057】
この場合には、第2の制御部53は、第2のデータ格納部22から上流側での消費電力が制限されてから所定時間が経過したときに、制御信号を生成するように構成する。ここで、第2の所定時間は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が0にならない程度に定められる。
【0058】
また、本実施の形態においては、第1の制御部52は、復号部11から復号の完了通知を受けた場合には、復号部11を停止可能な状態に制御した後に、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54を制御するものとして説明した。
【0059】
これに対し、データ処理装置に、復号部11によって生成された復号データを格納する第3のデータ格納部と、第3のデータ格納部に格納された復号データを第2のデータ格納部22に転送するデータ転送部を設け、第1の制御部52が、このデータ転送部から復号部に指示した分の復号データの転送が完了した旨の通知を受けた場合に、復号部11およびデータ転送部を停止可能な状態に制御した後に、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54を制御するようにしてもよい。
【0060】
このように、クロック/電源制御部54は、間欠動作の停止期間に少なくとも復号部11を停止するようにすればよいが、その他のブロックに関しては、システム構成により様々であるが、停止期間に動作不要なブロックであればクロックまたは電源の供給を制限することは可能であり、特に限定したものではない。
【0061】
また、第2の制御部53が、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が規定量以上になったときに、復号データの格納量が規定量以上になったことを表す制御信号を生成し、第1の制御部52が、この制御信号を受けた場合に、復号部11およびデータ転送部を停止可能な状態に制御した後に、第2のデータ格納部22より上流側での消費電力を制限するようクロック/電源制御部54を制御するようにしてもよい。この場合には、規定量は、第2のデータ格納部22における復号データの格納量が0にならない程度に定められる。
【0062】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2によるデータ処理装置の概略図を示すものである。図3に示すように、このデータ処理装置は、圧縮データを格納する第1のデータ格納部21と、この圧縮データを読出し圧縮データを復号する復号部11と、この復号部11で復号した復号データを格納する第2のデータ格納部22と、この復号データをアナログ変換するDA変換部41と、クロックを生成および供給するクロック供給部61と、装置各部に電源を供給する電源供給部71と、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理する格納量管理部81と、装置各部の起動タイミングを通知するタイマ部82と、装置各部の動作を制御するシステム制御部51と、で構成される。
【0063】
なお、本実施の形態において、システム制御部51は、本発明における第1の制御部および起動制御部を構成し、格納量管理部81またはタイマ部82は、本発明における第2の制御部を構成し、クロック供給部61および電源供給部71の少なくとも一方は、本発明におけるクロック/電源制御部を構成する。
【0064】
以下代表的な動作を具体的に説明する。
【0065】
第1のデータ格納部21に圧縮データが格納されている。この第1のデータ格納部21は例えばメモリカードであり、圧縮データは例えば音声データのAACの圧縮データである。
【0066】
復号部11は、この圧縮データを第1のデータ格納部21から読出し、復号し復号データを生成する。この復号部11は例えばDSPであり、DSPのソフトウェア処理により復号される。
【0067】
この復号部11により復号された復号データは、第2のデータ格納部22に格納される。この第2のデータ格納部22は例えばSRAM等の半導体メモリであり、復号データは例えばPCMデータである。
【0068】
この第2のデータ格納部22に格納された復号データは、DA変換部41でアナログ信号に変換されアナログの音声データとして出力される。
【0069】
クロック供給部61は、各処理を実施する上で必要なクロックを生成および供給する。
【0070】
格納量管理部81は、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理し、必要に応じてシステム制御部51へ通知する。
【0071】
システム制御部51は、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで、処理が実施されている期間と処理が実施されていない期間を明示的に分離し、復号部11が間欠動作するように制御する。また、システム制御部51は、復号データの第2のデータ格納部22からの読出し以降の処理を実時間処理で実施するように制御すると共に、間欠動作の停止期間には、クロック供給部61へ指示し間欠動作で停止している第1のデータ格納部21、復号部11へのクロック供給を停止するように制御する。
【0072】
図4は、本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置のタイミング図である。AAC等のデジタル信号圧縮が施された圧縮データは、復号処理が施されるまでフレームという単位で処理される。0〜9は各フレームの処理が実行されている期間を示している。
【0073】
実時間処理では、従来技術等でもあるように、各フレームがフレーム周期に合わせて復号処理される。サンプリング周波数が48kHzであれば、およそ20msec間隔で各フレームが処理される。
【0074】
次に、フレーム処理の高速化は、各フレーム処理の処理能力を向上させ、処理時間に余裕を持たせることによって実現する。フレーム処理を高速化するには、クロック周波数の向上や、ハードウェアアクセラレータによる処理能力の向上、バスのデータ転送能力の向上など様々な方法がある。例えば、フレームの処理能力が2倍になると、フレームの処理期間はおよそ10msecとなり、50%は処理をして、50%処理をしていない期間ができる。
【0075】
最後に、処理統合による間欠処理は、例えば、0〜4、5〜9までの処理をまとめ、かつ1〜4および6〜9の処理を前倒し、稼動期間と停止期間を明示的に分離するように実施する。サンプリング周波数が48kHzであれば、およそ100msec間隔で復号部11が間欠動作する。また、復号部11は、およそ50msecの期間に処理を実施し、およそ50msecの期間に処理を実施しないようになる。
【0076】
図5は、本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の間欠動作する部分の第1の制御フロー図である。図5に示す通り、間欠動作が停止期間に遷移する条件は、必要量の復号データが処理されて第2のデータ格納部22に格納されたことである。これを起点にシステム制御部51がクロックを停止し、間欠動作が停止期間に遷移する。図4の例では、復号部11が5フレーム分のデータをまとめて処理しているので、5フレーム分の復号データが格納されたことが停止期間に遷移する起点となる。一方、停止期間から稼動期間への遷移は、第2のデータ格納部22に格納された復号データのうちDA変換部41で処理されずに残っているデータ残量が予め定めた残量しきい値を下回った場合に、格納量管理部81がシステム制御部51に割込み等で通知することを起点として行われる。残量しきい値は、格納量管理部81が起動割込み通知してから次のフレームの復号データが第2のデータ格納部22に格納されるまでに、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞ることのないレベルで決定すれば良い。
【0077】
起動割込み通知を受けたシステム制御部51は、クロック供給部61へ指示してクロック供給を開始させ、その後、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を再開するよう制御する。
【0078】
このように、システム制御部51が第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで復号部11を間欠動作させ、その停止期間はクロックの供給を停止することにより、オフセット電流が削減される。
【0079】
また、データ処理装置は、間欠動作の停止期間への遷移を第2のデータ格納部22に格納した復号データのデータ量により管理することで、ポーリング処理による制御に比べシステム制御部51の負荷を軽減でき、データ転送量が一定でない場合になどでも正確に間欠動作を制御することができる。
【0080】
また、データ処理装置は、間欠動作の稼動期間への遷移を第2のデータ格納部22に格納された復号データのうちDA変換されていない復号データの残量により管理することで、ポーリング処理による制御に比べシステム制御部51の負荷を軽減でき、データ転送量が一定でない場合になどでも正確に間欠動作を制御することができる。
【0081】
図6は、本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置の間欠動作する部分の第2の制御フロー図である。図6に示す通り、間欠動作が停止期間に遷移する条件は、必要量の復号データが処理されて第2のデータ格納部22に格納されたことである。これを起点にシステム制御部51がクロックを停止し、間欠動作が停止期間に遷移する。図4の例では、復号部11が5フレーム分のデータをまとめて処理しているので、5フレーム分の復号データが格納されたことが停止期間に遷移する起点となる。その後、システム制御部51は、間欠動作が停止期間に移行して良いか判定する。例えば、低消費電力モードで無い場合は、停止期間に移行しないように制御する。または、本データ処理装置において負荷の重いグラフィック処理等、他の処理が競合している場合、停止期間に移行しないように制御する。
【0082】
一方、停止期間に遷移した場合の稼動期間への遷移と処理の再開と、停止期間に遷移しなかった場合の処理再開は、第2のデータ格納部22に格納された復号データのうちDA変換部41で処理されずに残っているデータ残量が予め定めた残量しきい値を下回った場合に、格納量管理部81がシステム制御部51に割込み等で通知することを起点として行われる。残量しきい値は、格納量管理部81が起動割込み通知してから次のフレームの復号データが第2のデータ格納部22に格納されるまでに、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞ることのないレベルで決定すれば良い。
【0083】
起動割込み通知を受けたシステム制御部51は、クロック供給部61へ指示してクロック供給を開始させ、その後、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を再開するよう制御する。
【0084】
かかる構成によれば、装置の動作状況に応じてクロックや電源供給を停止しないよう制御することにより、クロック制御処理や電源制御処理等の、状態の遷移に必要な処理(以下、オーバーヘッド処理)を削減することがでる。このことにより、データ処理装置の処理能力停止期間中での割込み応答性を向上することができる。
【0085】
なお、本実施の形態では、第1のデータ格納部21をメモリカードとして説明したが、磁気テープ、磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等圧縮データが格納できるものであればこれに限定しないし、同様の効果を得ることが可能である。
【0086】
また、圧縮データは、AACとして説明したが、MP3等のデジタル化した音声データを圧縮したデータであればこれに限定しないし同様の効果を得ることができる。
【0087】
また、圧縮データは音声データとして説明したが、例えばMPEG−2やMPEG−4やMotion JPEG等の圧縮された画像データであっても実施可能であり同様の効果を得ることができる。
【0088】
また、圧縮データはDESやAES等で暗号化された暗号文であっても良い。暗号文の復号と圧縮データの復号も含めて復号部11で復号すれば良く同様の効果を得ることができる。
【0089】
また、復号部11をDSPとして説明したが、これに限定されない。例えば、CPU等の他のプロセッサや、その処理の一部をハードウェアによりサポートする構成や、全ての復号処理をハードウェアにより実施する構成でも実施可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0090】
また、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、通常の動作周波数を低下させることで同様の効果を得ることは可能であるので、これに限定したものではない。
【0091】
更に、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、電源供給部71から供給する電圧を通常時より低下させることや、供給を停止(0Vを供給)することで、さらにリーク電流を抑制することができ、同様の効果を得ることができる。また、LSIの基板制御を行うことで、制御トランジスタのしきい値電圧を制御し、リーク電流を抑制することも可能である。
【0092】
また、復号処理でのフレームのまとめ方は5フレーム単位としたがこれに限らない。間欠動作の稼動期間と停止期間との遷移には、クロック制御処理や電源制御処理等の、遷移に必要なオーバーヘッド処理がある。遷移回数が多いほどオーバーヘッド処理回数が増え、オーバーヘッド処理負荷が増大するため、まとめ方の粒度が粗い(間欠動作の周期が長い)方が好適である。
【0093】
また、フレーム処理の高速化を実施し処理時間に余裕を持たせていたが、フレーム処理を高速化しなくても処理時間に余裕を持っている場合には、フレーム処理を高速化させる必要はない。処理の統合による間欠動作を実施することで、同様の効果を得ることができる。
【0094】
また、間欠動作の停止期間からの稼動期間への遷移要因を、格納量管理部81からの割込みとして説明したが、タイマ部82からの割込みにより制御することも可能である。例えば、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞らないレベルで、停止期間を決定しタイマにより起動させても良く、同様の効果を得ることができる。
【0095】
また、システム制御部51は、第1のデータ格納部21、復号部11へのクロック供給および電源の供給を停止するように制御すると説明したが、少なくとも復号処理を実施する復号部11を停止するように制御すれば良い。その他のブロックに関しては、システム構成により様々であるが、停止期間に動作不要なブロックであればクロックまたは電源の供給を制限することは可能であり、特に限定したものではない。
【0096】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3におけるデータ処理装置の概略図を示すものである。図7において図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0097】
図7において、このデータ処理装置は、圧縮データを格納する第1のデータ格納部21と、この圧縮データを読出し転送する第2のデータ転送部32と、第2のデータ転送部32で転送された圧縮データを格納する第4のデータ格納部24と、この圧縮データを読出し圧縮データを復号する復号部11と、この復号部11で復号した復号データを格納する第3のデータ格納部23と、この復号データを読出し転送する第1のデータ転送部31と、第1のデータ転送部31で転送された復号データを格納する第2のデータ格納部22と、この復号データをアナログ変換するDA変換部41と、クロックを生成および供給するクロック供給部61と、装置各部に電源を供給する電源供給部71と、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理する格納量管理部81と、装置各部の起動タイミングを通知するタイマ部82と、装置各部の動作を制御するシステム制御部51と、で構成される。
【0098】
なお、本実施の形態において、システム制御部51は、本発明における第1の制御部および起動制御部を構成し、格納量管理部81またはタイマ部82は、本発明における第2の制御部を構成し、クロック供給部61および電源供給部71の少なくとも一方は、本発明におけるクロック/電源制御部を構成する。
【0099】
以下代表的な動作を具体的に説明する。
【0100】
第1のデータ格納部21に圧縮データが格納されている。この第1のデータ格納部21は例えばメモリカードであり、圧縮データは例えば音声データのAACの圧縮データである。
【0101】
この圧縮データは、第2のデータ転送部32により第4のデータ格納部24に転送される。この第4のデータ格納部24は例えばSRAM等の半導体メモリである。
【0102】
復号部11は、この第4のデータ格納部24から圧縮データを読出し、復号し復号データを生成する。この復号部11は例えばDSPであり、DSPのソフトウェア処理により復号される。
【0103】
この復号部11により復号された復号データは、第3のデータ格納部23に格納される。この第3のデータ格納部23は例えばSRAM等の半導体メモリであり、復号データは例えばPCMデータである。
【0104】
この復号データは、第1のデータ転送部31により第2のデータ格納部22に転送される。この第2のデータ格納部22は例えばSRAM等の半導体メモリである。
【0105】
この第2のデータ格納部22に格納された復号データは、DA変換部41でアナログ信号に変換されアナログの音声データとして出力される。
【0106】
クロック供給部61は、各処理を実施する上で必要なクロックを生成および供給する。
【0107】
格納量管理部81は、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理し、必要に応じてシステム制御部51へ通知する。
【0108】
システム制御部51は、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで、処理が実施されている期間と処理が実施されていない期間を明示的に分離し、復号部11が間欠動作するように制御する。また、システム制御部51は、復号データの第2のデータ格納部22からの読出し以降の処理を実時間処理で実施するように制御すると共に、間欠動作の停止期間には、クロック供給部61へ指示し間欠動作で停止している第1のデータ格納部21、第2のデータ転送部32、第4のデータ格納部24、復号部11、第3のデータ格納部23、第1のデータ転送部31へのクロック供給を停止するように制御する。更に、システム制御部51は、第3のデータ格納部23と第4のデータ格納部24には、停止期間に遷移する前に全データを転送するのではなく、1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移するよう制御する。
【0109】
間欠動作を実現する手順や、制御フローに関しては、実施の形態2と同様であるので割愛する。
【0110】
図8は、本発明の実施の形態3におけるタイミング図である。
【0111】
0〜9はAAC等の各フレームの処理が実行されている期間を示しており、フレーム番号3までの処理が実施完了した後に間欠動作の停止期間に遷移する。また、上段は全データを転送した後に停止期間に遷移する例を、下段は1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移する例を示している。
【0112】
全データを転送した後に停止期間に遷移する例では、フレーム番号4のDA変換の前までに、第4フレームの復号データの転送を完了していないと、音声データが途切れてしまうため、圧縮データの転送はDA変換部41でフレーム番号2のDA変換を実施している時点で処理を再開する必要がある。
【0113】
1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移する例では、各処理部が処理できるデータが予めデータ格納部に保持されているので、稼動期間に復帰後すぐに処理が開始される。具体的には、第4のデータ格納部24にはフレーム番号5の圧縮データ、第3のデータ格納部23にはフレーム番号4の復号データが格納されている。
【0114】
かかる構成によれば、第1のデータ格納部21からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで間欠動作させ、その停止期間はクロックの供給を停止することにより、オフセット電流を削減することができる。
【0115】
更に、フレーム番号3のDA変換を実施している時点で稼動期間に復帰すれば良いため、全データを転送した後に停止期間に遷移する例に比べて停止期間を長く設定することが可能となり、オフセット電流を削減することができる。
【0116】
なお、本実施の形態では、第1のデータ転送部31と第2のデータ転送部32の双方について説明したが、当然どちらか一方であっても実施可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0117】
第1のデータ格納部21をメモリカードとして説明したが、磁気テープ、磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等圧縮データが格納できるものであればこれに限定しないし、同様の効果を得ることが可能である。
【0118】
また、圧縮データは、AACとして説明したが、MP3等のデジタル化した音声データを圧縮したデータであればこれに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0119】
また、圧縮データは音声データとして説明したが、例えばMPEG−2やMPEG−4やMotion JPEG等の圧縮された画像データであっても実施可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0120】
また、圧縮データはDESやAES等で暗号化された暗号文であっても良い。暗号文の復号と圧縮データの復号も含めて復号部11で復号すれば良く、同様の効果を得ることができる。
【0121】
また、復号部11をDSPとして説明したが、CPU等の他のプロセッサや、その処理の一部をハードウェアによりサポートする構成や、全ての復号処理をハードウェアにより実施する構成でも実施可能であり、これに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0122】
また、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、通常の動作周波数を低下させることで同様の効果を得ることは可能であるので、これに限定したものではない。
【0123】
更に、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、電源供給部71から供給する電圧を通常時より低下させることや、供給を停止(0Vを供給)することで、さらにリーク電流を抑制することができ、同様の効果を得ることができる。また、LSIの基板制御を行うことで、制御トランジスタのしきい値電圧を制御し、リーク電流を抑制することも可能である。
【0124】
また、復号処理でのフレームのまとめ方は5フレーム単位としたがこれに限らない。間欠動作の稼動期間と停止期間との遷移には、クロック制御処理や電源制御処理等の遷移に必要なオーバーヘッド処理がある。遷移回数が多いほどオーバーヘッド処理回数が増え、オーバーヘッド処理負荷が増大するため、まとめ方の粒度が粗い(間欠動作の周期が長い)方が好適である。
【0125】
また、フレーム処理の高速化を実施し処理時間に余裕を持たせていたが、フレーム処理を高速化しなくても処理時間に余裕を持っている場合には、フレーム処理を高速化させる必要はない。処理の統合による間欠動作を実施することで、同様の効果を得ることができる。
【0126】
また、各データ格納部では、1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移する例について説明したが、数フレーム分を保持したまま停止期間に遷移しても良く、これに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0127】
また、間欠動作の停止期間からの稼動期間への遷移要因を、格納量管理部81からの割込みとして説明したが、タイマ部82からの割込みにより制御することも可能である。例えば、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞らないレベルで、停止期間を決定しタイマにより起動させても良く、同様の効果を得ることができる。
【0128】
また、システム制御部51は、第1のデータ格納部21、第2のデータ転送部32、第4のデータ格納部24、復号部11、第3のデータ格納部23、第1のデータ転送部31へのクロック供給および電源の供給を停止するように制御すると説明したが、少なくとも復号処理を実施する復号部11を停止するように制御すれば良い。その他のブロックに関しては、システム構成により様々であるが、停止期間に動作不要なブロックであればクロックまたは電源の供給を制限することは可能であり、特に限定したものではない。
【0129】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4におけるデータ処理装置の概略図を示すものである。図9において図3、図7と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0130】
図9において、このデータ処理装置は、放送波を受信し圧縮データを抽出する放送受信部91と、この圧縮データを格納する第4のデータ格納部24と、この圧縮データを読出し圧縮データを復号する復号部11と、この復号部11で復号した復号データを格納する第3のデータ格納部23と、この復号データを読出し転送する第1のデータ転送部31と、第1のデータ転送部31で転送した復号データを格納する第2のデータ格納部22と、この復号データをアナログ変換するDA変換部41と、クロックを生成および供給するクロック供給部61と、装置各部に電源を供給する電源供給部71と、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理する格納量管理部81と、装置各部の起動タイミングを通知するタイマ部82と、装置各部の動作を制御するシステム制御部51と、で構成される。
【0131】
なお、本実施の形態において、システム制御部51は、本発明における第1の制御部および起動制御部を構成し、格納量管理部81またはタイマ部82は、本発明における第2の制御部を構成し、クロック供給部61または電源供給部71の少なくとも一方は、本発明におけるクロック/電源制御部を構成する。
【0132】
以下代表的な動作を具体的に説明する。
【0133】
放送受信部91は、地上デジタル放送などの放送波を受信し、音声などの圧縮データを抽出する。圧縮データは例えば音声データのAACの圧縮データである。
【0134】
この圧縮データは、第4のデータ格納部24に格納される。この第4のデータ格納部24は例えばSRAM等の半導体メモリである。
【0135】
復号部11は、この第4のデータ格納部24から圧縮データを読出し、復号し復号データを生成する。この復号部11は例えばDPSであり、DSPのソフトウェア処理により復号される。
【0136】
この復号部11により復号された復号データは、第3のデータ格納部23に格納される。この第3のデータ格納部23は例えばSRAM等の半導体メモリであり、復号データは例えばPCMデータである。
【0137】
この復号データを第1のデータ転送部31により第2のデータ格納部22に転送する。この第2のデータ格納部22は、例えばSRAM等の半導体メモリである。
【0138】
この第2のデータ格納部22に格納された復号データは、DA変換部41でアナログ信号に変換されアナログの音声データとして出力される。
【0139】
クロック供給部61は、各処理を実施する上で必要なクロックを生成および供給する。
【0140】
格納量管理部81は、第2のデータ格納部22のデータ格納量を管理し必要に応じてシステム制御部51へ通知する。
【0141】
システム制御部51は、第4のデータ格納部24からのデータ読出しから、復号データの第2のデータ格納部22への格納までの処理を、実時間処理よりも速い速度で実施させることで、処理が実施されている期間と処理が実施されていない期間を明示的に分離し、復号部11を間欠動作するように制御する。また、システム制御部51は、放送受信部91による圧縮データの第4のデータ格納部24への格納と、復号データの第2のデータ格納部22からの読出し以降の処理を実時間処理で実施するように制御すると共に、間欠動作の停止期間には、クロック供給部61へ指示し間欠動作で停止している復号部11、第3のデータ格納部23、第1のデータ転送部31へのクロック供給を停止するように制御する。更に、システム制御部51は、第3のデータ格納部23と第4のデータ格納部24には、停止期間に遷移する前に全データを転送するのではなく、1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移するよう制御する。
【0142】
間欠動作を実現する手順や、制御フローに関しては、実施の形態3と同様であるので割愛する。
【0143】
図10は、本発明の実施の形態4におけるデータ処理装置のタイミング図である。
【0144】
0〜9はAAC等の各フレームの処理が実行されている期間を示している。放送受信部91は実時間処理を行っている。復号部11がフレーム番号4までの処理を実施完了し、第1のデータ転送部31がフレーム番号3までの処理を実施完了した後に、間欠動作の停止期間に遷移する。DA変換部41は実時間処理を行っている。
【0145】
各処理部が処理できるデータが予めデータ格納部に保持されているので、稼動期間に復帰後すぐに処理が開始される。具体的には、第4のデータ格納部24にはフレーム番号8までの圧縮データ、第3のデータ格納部23にはフレーム番号4の復号データが格納されている。
【0146】
かかる構成によれば、処理の入力部分(放送の受信)と出力部分(DA変換)双方で実時間処理が必要なデータ処理装置においても、復号部11を含む間欠動作する部分のオフセット電流を削減できる。更に、フレーム番号3のDA変換を実施している時点で稼動期間に復帰すれば良いため、全データを転送した後に停止期間に遷移する例に比べて停止期間を長く設定することが可能となり、オフセット電流を削減することができる。
【0147】
また、放送受信部91の代わりに、有線または無線ネットワークと接続し、AVコンテンツを受信し、圧縮データを抽出する、ネットワーク接続部を設けても良い。この場合、インターネットを始めとしたネットワークからネットワークの通信速度に応じてデータ受信し、第4のデータ格納部24に格納する。その後の処理は、図9で示した実施の形態と同様の動作を行う。
【0148】
かかる構成によれば、処理の入力部分(ネットワークからの受信)と出力部分(DA変換)双方で実時間処理が必要なデータ処理装置においても、復号部11を含む間欠動作する部分のオフセット電流を削減できる。更に、フレーム番号3のDA変換を実施している時点で稼動期間に復帰すれば良い。このため、全データを転送した後に停止期間に遷移する例に比べて、停止期間を長く設定することが可能となり、オフセット電流を削減することができる。
【0149】
なお、本実施の形態では、圧縮データは、AACとして説明したが、MP3等のデジタル化した音声データを圧縮したデータであればこれに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0150】
また、圧縮データは音声データとして説明したが、例えばMPEG−2やMPEG−4やMotion JPEG等の圧縮された画像データであっても実施可能であり、同様の効果がえることができる。
【0151】
また、圧縮データはDESやAES等で暗号化された暗号文であっても良い。暗号文の復号と圧縮データの復号も含めて復号部11で復号すれば良く、同様の効果を得ることができる。
【0152】
また、復号部11をDSPとして説明したが、CPU等の他のプロセッサや、その処理の一部をハードウェアによりサポートする構成や、全ての復号処理をハードウェアにより実施する構成でも実施可能であり、これに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0153】
また、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、通常の動作周波数を低下させることで同様の効果を得ることは可能であるので、これに限定したものではない。
【0154】
更に、システム制御部51は、間欠動作の停止期間においてクロックの供給を停止するとして説明したが、電源供給部71から供給する電圧を通常時より低下させることや、供給を停止(0Vを供給)することで、さらにリーク電流を抑制することができ、同様の効果を得ることができる。また、LSIの基板制御を行うことで、制御トランジスタのしきい値電圧を制御し、リーク電流を抑制することも可能である。
【0155】
また、復号処理でのフレームのまとめ方は5フレーム単位としたがこれに限らない。間欠動作の稼動期間と停止期間との遷移には、クロック制御処理や電源制御処理等の遷移に必要なオーバーヘッド処理がある。遷移回数が多いほどオーバーヘッド処理回数が増え、オーバーヘッド処理負荷が増大するため、まとめ方の粒度が粗い方(間欠動作の周期が長い)方が好適である。
【0156】
また、フレーム処理の高速化を実施し処理時間に余裕を持たせていたが、フレーム処理を高速化しなくても処理時間に余裕を持っている場合には、フレーム処理を高速化させる必要はない。処理の統合による間欠動作を実施することで、同様の効果を得ることができる。
【0157】
また、各データ格納部では、1フレーム分のデータを保持したまま停止期間に遷移する例について説明したが、数フレーム分を保持したまま停止期間に遷移しても良く、これに限定しないし、同様の効果を得ることができる。
【0158】
また、間欠動作の停止期間からの稼動期間への遷移要因を、格納量管理部81からの割込みとして説明したが、タイマ部82からの割込みにより制御することも可能である。例えば、実時間処理するDA変換部41への復号データの供給が滞らないレベルで、停止期間を決定しタイマにより起動させても良く、同様の効果を得ることができる。
【0159】
また、システム制御部51は、復号部11、第3のデータ格納部23、第1のデータ転送部31へのクロック供給および電源の供給を停止するように制御すると説明したが、少なくとも復号処理を実施する復号部11を停止するように制御すれば良い。その他のブロックに関しては、システム構成により様々であるが、停止期間に動作不要なブロックであればクロックまたは電源の供給を制限することは可能であり、特に限定したものではない。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明にかかるデータ処理装置は、バッテリ駆動する携帯機器向けのオーディオ、ビデオプレーヤやAV処理が実施可能な携帯電話等の用途に特に有用である。
【符号の説明】
【0161】
11 復号部
21 第1のデータ格納部
22 第2のデータ格納部
23 第3のデータ格納部
24 第4のデータ格納部
31 第1のデータ転送部
32 第2のデータ転送部
41 DA変換部
51 システム制御部
52 第1の制御部
53 第2の制御部
54 クロック/電源制御部
55 起動制御部
61 クロック供給部
71 電源供給部
81 格納量管理部
82 タイマ部
91 放送受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記第2のデータ格納部から前記復号したデータを読出すデータ読出し部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるデータ処理装置。
【請求項2】
前記第2のデータ格納部における前記復号したデータの格納状態を管理し前記格納状態に応じた制御信号を出力する第2の制御部と、
前記第2の制御部からの前記制御信号を受信し、前記電力制御部を制御して、前記復号部の消費電力の制限を解除させる起動制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記第1の制御部は、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記第1の制御部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記第1の制御部の消費電力を制限させ、
前記起動制御部は、前記第2の制御部からの前記制御信号を受信して、前記電力制御部を制御して、前記第1の制御部の消費電力の制限を解除させることを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記第1の制御部は、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記起動制御部を停止させないで前記起動制御部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記起動制御部の消費電力を制限させることを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記起動制御部は、前記第2のデータ格納部において前記復号したデータの格納量が所定量以下になったことを前記制御信号が表す場合に、または前記復号部の消費電力が制限されてから所定時間が経過したことを前記制御信号が表す場合に、前記電力制御部を制御して、前記復号部の消費電力の制限を解除させることを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記第1の制御部は、前記処理が完了した場合であっても、前記復号部に対する消費電力を制限させないようにすることができることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記電力制御部は、前記第2のデータ格納部に所定時間以上の前記復号したデータが格納されていることを前記制御信号が表す場合に、前記復号部の消費電力を制限することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記電力制御部は、前記復号部へ供給されるクロックの周波数を低下させ、または前記復号部へのクロックの供給を停止させ、または前記復号部へ印加される電圧を低下させ、または前記復号部への電圧の印加を停止することによって、前記復号部の消費電力を制限することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
放送波を受信し前記圧縮データを抽出する放送受信部を更に備え、
前記第1のデータ格納部は、前記放送受信部によって抽出された圧縮データを格納することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
ネットワークを介して送信されたデータから前記圧縮データを抽出するネットワーク接続部を更に備え、
前記第1のデータ格納部は、前記ネットワーク接続部によって抽出された圧縮データを格納することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記第2のデータ格納部から前記復号したデータを読出すデータ読出し部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせるとともに、前記復号部を制御して、複数フレームをまとめて、前記処理を行わせ、前記電力制御部を制御して、前記複数フレームの前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるデータ処理装置。
【請求項12】
圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータに基づく再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記再生よりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるデータ再生装置。
【請求項13】
圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータに基づく再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせるとともに、前記復号部を制御して、複数フレームをまとめて、前記処理を行わせ、前記電力制御部を制御して、前記複数フレームの前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるデータ再生装置。
【請求項14】
オーディオ圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記オーディオ圧縮データを読出し、読出したオーディオ圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータを再生データに変換するデータ変換部と、
前記再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記再生よりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるオーディオ再生装置。
【請求項15】
オーディオ圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記オーディオ圧縮データを読出し、読出したオーディオ圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータを再生データに変換するデータ変換部と、
前記再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせるとともに、前記復号部を制御して、複数フレームをまとめて、前記処理を行わせ、前記電力制御部を制御して、前記複数フレームの前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるオーディオ再生装置。
【請求項16】
映像圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記映像圧縮データを読出し、読出した映像圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータを再生データに変換するデータ変換部と、
前記再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記再生よりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させる映像再生装置。
【請求項17】
映像圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記映像圧縮データを読出し、読出した映像圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータを再生データに変換するデータ変換部と、
前記再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせるとともに、前記復号部を制御して、複数フレームをまとめて、前記処理を行わせ、前記電力制御部を制御して、前記複数フレームの前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させる映像再生装置。
【請求項1】
圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記第2のデータ格納部から前記復号したデータを読出すデータ読出し部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるデータ処理装置。
【請求項2】
前記第2のデータ格納部における前記復号したデータの格納状態を管理し前記格納状態に応じた制御信号を出力する第2の制御部と、
前記第2の制御部からの前記制御信号を受信し、前記電力制御部を制御して、前記復号部の消費電力の制限を解除させる起動制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記第1の制御部は、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記第1の制御部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記第1の制御部の消費電力を制限させ、
前記起動制御部は、前記第2の制御部からの前記制御信号を受信して、前記電力制御部を制御して、前記第1の制御部の消費電力の制限を解除させることを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記第1の制御部は、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記起動制御部を停止させないで前記起動制御部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記起動制御部の消費電力を制限させることを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記起動制御部は、前記第2のデータ格納部において前記復号したデータの格納量が所定量以下になったことを前記制御信号が表す場合に、または前記復号部の消費電力が制限されてから所定時間が経過したことを前記制御信号が表す場合に、前記電力制御部を制御して、前記復号部の消費電力の制限を解除させることを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記第1の制御部は、前記処理が完了した場合であっても、前記復号部に対する消費電力を制限させないようにすることができることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記電力制御部は、前記第2のデータ格納部に所定時間以上の前記復号したデータが格納されていることを前記制御信号が表す場合に、前記復号部の消費電力を制限することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記電力制御部は、前記復号部へ供給されるクロックの周波数を低下させ、または前記復号部へのクロックの供給を停止させ、または前記復号部へ印加される電圧を低下させ、または前記復号部への電圧の印加を停止することによって、前記復号部の消費電力を制限することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
放送波を受信し前記圧縮データを抽出する放送受信部を更に備え、
前記第1のデータ格納部は、前記放送受信部によって抽出された圧縮データを格納することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
ネットワークを介して送信されたデータから前記圧縮データを抽出するネットワーク接続部を更に備え、
前記第1のデータ格納部は、前記ネットワーク接続部によって抽出された圧縮データを格納することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記第2のデータ格納部から前記復号したデータを読出すデータ読出し部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせるとともに、前記復号部を制御して、複数フレームをまとめて、前記処理を行わせ、前記電力制御部を制御して、前記複数フレームの前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるデータ処理装置。
【請求項12】
圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータに基づく再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記再生よりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるデータ再生装置。
【請求項13】
圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記圧縮データを読出し、読出した圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータに基づく再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせるとともに、前記復号部を制御して、複数フレームをまとめて、前記処理を行わせ、前記電力制御部を制御して、前記複数フレームの前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるデータ再生装置。
【請求項14】
オーディオ圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記オーディオ圧縮データを読出し、読出したオーディオ圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータを再生データに変換するデータ変換部と、
前記再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記再生よりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるオーディオ再生装置。
【請求項15】
オーディオ圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記オーディオ圧縮データを読出し、読出したオーディオ圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータを再生データに変換するデータ変換部と、
前記再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせるとともに、前記復号部を制御して、複数フレームをまとめて、前記処理を行わせ、前記電力制御部を制御して、前記複数フレームの前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させるオーディオ再生装置。
【請求項16】
映像圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記映像圧縮データを読出し、読出した映像圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータを再生データに変換するデータ変換部と、
前記再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記再生よりも速い速度で行わせ、前記電力制御部を制御して、前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させる映像再生装置。
【請求項17】
映像圧縮データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部から前記映像圧縮データを読出し、読出した映像圧縮データを復号し、復号したデータを出力する復号部と、
前記復号したデータを格納する第2のデータ格納部と、
前記復号したデータを再生データに変換するデータ変換部と、
前記再生データを再生するデータ再生部と、
少なくとも前記復号部を制御する第1の制御部と、
前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制御する電力制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記電力制御部又は前記復号部の少なくとも一方を制御して、前記圧縮データの読出しから前記復号したデータの格納までの処理を前記復号したデータの読出しよりも速い速度で行わせるとともに、前記復号部を制御して、複数フレームをまとめて、前記処理を行わせ、前記電力制御部を制御して、前記複数フレームの前記処理が完了した場合に、前記復号部に対してクロック又は電源の少なくとも一方の供給を制限することによって、前記復号部の消費電力を制限させる映像再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−28762(P2011−28762A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189168(P2010−189168)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【分割の表示】特願2007−550131(P2007−550131)の分割
【原出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【分割の表示】特願2007−550131(P2007−550131)の分割
【原出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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