説明

データ線駆動回路、表示装置、及びデータ線駆動方法

【課題】表示装置の表示むらを改善するデータ線駆動回路を提供することができる。
【解決手段】本発明によるデータ線駆動回路10は、複数の第1のデータ線5のうち、接続するデータ線を駆動する第1のバッファ24−1と、複数の第1の配線5と交互に配線される複数の第2のデータ線6のうち、接続するデータ線を駆動する第2のバッファ24−2と、第1のオン期間において、第1のバッファ24−1と、複数の第1のデータ線5のいずれかとを接続する複数の第1のスイッチと、第2のオン期間において、複数の第2のデータ線6のうち第1のバッファ24−1に接続されたデータ線に隣接するデータ線と第2のバッファ24−2とを接続する第2のスイッチとを具備する。この際、第1のオン期間と第2のオン期間は所定の期間重複し、複数の第1のスイッチのそれぞれのオン期間は重複しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に用いられるデータ線駆動回路に関し、特に1つのバッファで複数のデータ線を時分割に駆動するデータ線駆動回路、及びデータ線駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のデータ線を逐次に選択することによって画素に表示信号の書き込みを時分割的に行う時分割駆動は、表示装置の駆動においては広く使用される技術の1つである。時分割駆動の利点は、ドライバICに設けられるバッファの数を減少できることである。時分割駆動を採用する表示装置では、パネル上のデータ線の数よりも少ないバッファで、画素を駆動することができる。これは、ドライバICの消費電力及びチップ面積の低減に有効である。
【0003】
アクティブマトリクス型の表示装置では、パネル基板上の時分割スイッチ素子としてTFT(Thin Film Transistor)を使用することが多く、TFTには、アモルファス(非晶質)TFTとポリ(多結晶)TFTの2タイプに分類される。ポリTFTは、アモルファスTFTに比べ移動度が高いことが知られている。このため、パネル基板上に設けられる時分割スイッチのサイズを小さくできることから、時分割駆動はポリTFTを使用した表示装置に適用されることが多い。
【0004】
従来技術として、パネル基板上に時分割スイッチとシフトレジスタが設けられ、時分割駆動する技術が、特開平11−327518号公報に記載されている(特許文献1参照)。
【0005】
又、隣接するデータ線間の容量カップリングを減衰させ、表示むら(ゴースト、縦スジ)を抑制する技術が、特開2000−267616号公報(特許文献2参照)、及び特開2003−337320号公報(特許文献3参照)に記載されている。特許文献2には、隣接するデータ線に接続される時分割スイッチのオン期間の一部をオーバーラップさせるように制御して、隣接するデータ線間の容量カップリングを減衰させる技術が記載されている。特許文献3には、隣接するデータ線間の容量カップリングに、データ線より低いインピーダンス配線が接続され、データ線間の容量カップリングを減衰させる技術が記載されている。
【0006】
更に、別系統の表示信号が入力される2組の時分割スイッチ群が設けられ、2組の時分割スイッチ群のそれぞれにおいて、隣り合う時分割スイッチ群のオン期間をオーバーラップしないように制御して表示むらを抑制する技術が特開2004−309822号公報(特許文献4参照)記載されている。
【特許文献1】特開平11−327518号公報
【特許文献2】特開2000−267616号公報
【特許文献3】特開2003−337320号公報
【特許文献4】特開2004−309822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
時分割スイッチが設けられたドライバICをパネル基板上に実装する場合、ドライバICの長辺サイズは、画素が配置されている画素領域より短いため、ドライバICの出力端子から画素領域までの引き出し配線が必要となる。この時、引き出し配線領域が大きくなってガラス基板が大きくならないように、それぞれの引き出し配線間隔は可能な限り狭く設計される。このため、引き出し配線間のカップリング容量値が大きくなる。従って、時分割スイッチによってアモルファスTFTを時分割駆動するドライバICでは、引き出し配線間のカップリング容量値の影響により、隣接するデータ線上の信号が所望の信号値を示さなくなり、表示むらが生じていた。以下に、図1及び図2を参照して、従来技術によるデータ線駆動による表示むらの発生メカニズムについて説明する。
【0008】
図1は、従来技術によるデータ線駆動回路に設けられた時分割スイッチの構成を示す回路図である。図2は、図1に示される回路図によるデータ線駆動動作を示すタイミングチャートである。
【0009】
図1を参照して、従来技術によるデータ線駆動回路は、複数のデータ線を駆動するバッファ71−1〜4と、バッファ71−1〜71−4の出力端子72−1〜4と複数のデータ線のそれぞれとの間に設けられる時分割スイッチ81、82、83とを具備する。詳細には、従来技術によるデータ線駆動回路は、データ線R1、G1、B1を駆動するバッファ71−1と、バッファ71−1の出力端子72−1とデータ線R1、G1、B1のそれぞれとの間に設けられる時分割スイッチ81、82、83とを具備する。時分割スイッチ81、82、83のそれぞれは、制御信号91、92、93によってターンオン又はターンオフされ、出力端子72−1とデータ線R1、G1、B1との電気的な接続又は遮断を制御する。同様に、他のバッファ71−2〜4はそれぞれ、時分割スイッチ81、82、83を介してR2〜4、G2〜4、B2〜4に電気的に接続又は遮断される。
【0010】
図2を参照して、時間T1の前に、走査線Yに走査信号が入力され、走査線Yに接続されるTFTがターンオンされる。時間T1において、時分割スイッチ81がターンオンされると、バッファ71−1、71−2、71−3、71−4はデータ線R1、R2、R3、R4のそれぞれを駆動する。次に、時間T2において、時分割スイッチ81はターンオフされる。これにより、データ線R1、R2、R3、R4は、バッファ71−1、71−2、71−3、71−4から電気的に遮断されるためハイインピーダンス状態となり、表示データに応じた表示信号を保持する。又、時間T2において、時分割スイッチ82がターンオンされ、バッファ71−1、71−2、71−3、71−4はデータ線G1、G2、G3、G4をそれぞれ駆動する。この時に、データ線G1、G2、G3、G4のそれぞれに隣接するデータ線R1、R2、R3、R4はハイインピーダンス状態であるため、データ線G1、G2、G3、G4の駆動によってデータ線R1、R2、R3、R4で保持していた表示信号(電圧値)がカップリング容量によって変動してしまう。
【0011】
次に、時間T3において、時分割スイッチ82がターンオフされる。これにより、データ線G1、G2、G3、G4は、バッファ71−1、71−2、71−3、71−4から電気的に遮断されるためハイインピーダンス状態となり、表示データに応じた表示信号を保持する。又、時間T3において、時分割スイッチ83がターンオンされると、バッファ71−1、71−2、71−3、71−4はデータ線B1、B2、B3、B4を駆動する。この時に、データ線B1、B2、B3、B4のそれぞれに隣接するデータ線G1、G2、G3、G4、及びデータ線R2、R3、R4はハイインピーダンス状態であるため、データ線B1、B2、B3、B4の駆動によりデータ線G1、G2、G3、G4、及びデータ線R2、R3、R4で保持していた表示信号(電圧値)がカップリング容量によって変動してしまう。
【0012】
次に、時間T4において、時分割スイッチ83がターンオフされる。これにより、データ線B1、B2、B3、B4は、バッファ71−1、71−2、71−3、71−4から電気的に遮断されるためハイインピーダンス状態となり、表示データに応じた表示信号を保持する。時間T4の後、走査線に接続されるTFTがターンオフされ、時間T4における各データ線上の信号(電圧値)が各画素に書き込まれる。
【0013】
以上のように、データ線R1、G1、G2、G3、G4で保持していた電圧は1度だけ左右いずれか一方に隣接するデータ線の駆動によってΔV1だけ変動し、データ線R2、R3、R4で保持していた電圧は2度にわたり左右に隣接するデータ線の駆動によってΔV1+ΔV2だけ変動する。ここで、データ線間のカップリング容量値をCcとし、各データ線の寄生容量値をCdとし、次時間に隣接するデータ線に書き込まれる電圧幅をΔVsigとすると、隣接するデータ線によるカップリング容量値による電圧変動量デルタVは、容量電圧変動量ΔV=ΔVsig・Cc/(Cd+Cc)となる。
【0014】
このように、電圧変動量ΔV(ΔV1、ΔV2)は、隣接するデータ線に供給される表示信号によっても変動する。理論的には、電圧変動量ΔVを低減するには、カップリング容量値Ccを減少するか、寄生容量Cdを大きくするか、ΔVsigを小さくすることで改善する。しかし、寄生容量Cdを大きくすると消費電力が大きくなるだけでなく、画素への書き込み不足を生じることから好ましくない。又、カップリング容量Ccを減少させるには、引き回しの配線間隔を広くすることで改善することができるが、配線領域が大きくなり、パネルサイズが大きくなる。
【0015】
特許文献2によれば、時分割スイッチは、シフトレジスタで生成され順にシフトするサンプリングパルスによって制御されている。この回路構成によれば、1つのバッファで数十以上ものデータ線を駆動するので、表示信号線の配線長が長くなることから寄生容量が大きくなり消費電力が大きくなる。又、バッファから遠いデータ線では、波形が鈍り、書き込み不足を生じ、コントラストが低下する。更に、連続するデータ線をシフトレジスタで生成するサンプリング信号で制御しているため、RGB毎に独立にガンマ補正する場合には、ドライバIC内部に階調電圧生成回路をRGB毎に設ける必要があるため、チップ面積が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号が付加されている。但し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
【0017】
本発明によるデータ線駆動回路(10)は、第1のバッファ(24−1、24−3)と第2のバッファ(24−2、24−4)と複数の第1のスイッチと、複数の第2のスイッチとを具備する。第1のバッファ(24−1、24−3)は、表示装置(100)に設けられる複数の第1のデータ線(5)のうち、自身の出力端子(25−1、25−3)に接続するデータ線を駆動する。第2のバッファ(24−2、24−4)は、複数の第1のデータ線(5)と交互に配置される複数の第2のデータ線(6)のうち、自身の出力端子(25−2、25−4)に接続するデータ線を駆動する。複数の第1のスイッチは、制御信号によりターンオンされると、第1のバッファ(24−1、24−3)と、複数の第1のデータ線(5)のいずれかとを選択的に接続する(第1のオン期間)。又、第2のスイッチは、制御信号によりターンオンされると、複数の第2のデータ線(6)のうち、第1のバッファ(24−1、24−3)に接続されたデータ線に隣接するデータ線と第2のバッファ(24−2、24−4)とを接続する(第2のオン期間)。この際、第1のオン期間と第2のオン期間は所定の期間重複するように第1及び第2のスイッチは制御される。又、複数の第1のスイッチのそれぞれは、オン期間を重複せずに複数の第1のデータ線(5)のいずれかと第1のバッファとを接続するように制御される。このように、本発明によれば、第2のバッファ(24−2、24−4)がデータ線を駆動する際、当該データ線に隣接するデータ線は、第1のバッファ(24−1、24−3)によって駆動されているため、ローインピーダンス状態である。このため、隣接するデータ線とのカップリング容量に起因する電圧変動が抑制され得る。
【0018】
更に、n本の複数の第1のデータ線(5)は、n本の複数の第1のスイッチのそれぞれを介して第1のバッファ(24−1、24−3)に接続されることが好ましい。又、m本の複数の第2のデータ線(6)は、m本の複数の第2のスイッチのそれぞれを介して第2のバッファ(24−2、24−4)に接続されることが好ましい。この場合、複数の第1のスイッチはn本の制御信号によって複数の第1のデータ線(5)と第1のバッファ(24−1、24−3)とを接続する。又、複数の第2のスイッチはm本の制御信号によって複数の第2のデータ線(6)と第2のバッファ(24−2、24−4)とを接続する。
【0019】
複数の第1のデータ線(5)と複数の第2のデータ線(6)は、1番目からn+m番目までの所定の順番で駆動されるグループを形成する。このグループにおいて、n+m番目に駆動されるデータ線は、1番目に駆動されるデータ線の駆動時間と同じ時間又は早い時間に駆動され、n+m番目に再度駆動されることが好ましい。このグループが複数ある場合、複数のグループのうち、第1のグループにおける1番目に駆動されるデータ線と第2のグループにおけるn+m番目に駆動されるデータ線は隣接することが好ましい。このような構成により、n+m番目の駆動されるデータ線は、隣接するデータ線が駆動される際にこのデータ線との間のカップリング容量によって生じる電圧変動は、再度(n+m番目)の駆動によって補正される。
【0020】
前記グループを形成するデータ線の数n+mは3の倍数であることが好ましい。この場合、第1及び第2のスイッチの重複するオン期間において、第1のバッファ(24−1、24−3)と第2のバッファ(24−2、24−4)はそれぞれ、互いに異なる色に対応した表示信号を第1のデータ線(5)と第2のデータ線(6)に出力する。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、表示装置の表示むらを改善することができる。
【0022】
又、表示装置のデータ線を駆動するドライバICのチップ面積を縮小することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。又、複数の同一又は類似の構成には追い番を付け、総称して説明する場合は、追い番を付けないで説明する。
【0024】
1.表示装置の全体構成
図3は、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。図3を参照して、本発明による表示装置100は、パネル基板2上に設けられる表示領域3、データ線駆動回路10、信号処理回路11、走査線駆動回路12、電源回路13を具備する。ここで、携帯電話などの携帯可能な装置に利用される表示装置では、データ線駆動回路10、信号処理回路11、走査線駆動回路12、電源回路13はシリコンなどの半導体基板上に集積化されたドライバIC1としてパネル基板2に実装されることが好ましい。表示領域3は、複数のデータ線5、6と、データ線5、6と直交するように複数の走査線4とが形成され、その各交点領域にスイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)と、液晶や有機EL等に例示される画素7が形成される。画素7には、液晶や有機ELに電界を印加する表示電極と共通電極が形成される。表示電極にはデータ線から画素の輝度(光の透過量や発光量)を制御する表示信号がデータ線駆動回路10から供給される。
【0025】
信号処理回路11は、入力されるクロック信号、表示データ、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsync等の信号に基づく制御信号を生成し、データ線駆動回路10、走査線駆動回路12、電源回路13を制御する。
【0026】
走査線駆動回路12は、信号処理回路11の制御によって走査線4を順次駆動する回路である。詳細には、垂直同期信号Vsyncによって決定する垂直期間内に走査線4を順次駆動し、データ線5、6に供給された表示信号を画素7に書き込む。
【0027】
電源回路13は、ドライバIC1の外部から供給される直流電源VDCをもとにして、データ線駆動回路10や走査線駆動回路12に供給する電圧を生成する。電源回路13は、DC/DCコンバータやレギュレータなどを含み、データ線駆動回路10の電源電圧や走査線駆動回路12の電源電圧、液晶のコモン電極の電圧などを生成する。
【0028】
2.第1の実施の形態
図3から図7を参照して本発明によるデータ線駆動回路の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態における表示装置100は、図3におけるデータ線駆動回路10としてデータ線駆動回路10Aが設けられた構成である。
【0029】
(構成)
図4は第1の実施の形態におけるデータ線駆動回路10Aの出力部における構成を示す回路図である。図4を参照して、第1の実施の形態におけるデータ線駆動回路10Aの出力部における構成の詳細を説明する。データ線駆動回路10Aは、複数のデータ線5、6及び画素7に表示信号を供給する回路で、少なくともデータラッチ21、マルチプレクサ22、D/A変換器(DAC:Digital Analog Converter)23、バッファ24、階調電圧生成回路30、時分割スイッチ群40Aを備える。更に、図示しないがシフトレジスタ、データレジスタ、フレームメモリなどを内蔵してもよい。マルチプレクサ22や時分割スイッチ群40Aは、信号処理回路11からの制御信号で制御される。
【0030】
データラッチ21は、図示しないストローブ信号STに同期して表示データDR、DG、DBをラッチする。マルチプレクサ22は信号処理回路11からの制御信号に応答してデータラッチ21内の表示データDR、DG、DBのいずれかを選択してDAC23に出力する。階調電圧生成回路30は、画素7の特性に応じたガンマ変換特性に従う階調電圧VをDAC23に供給する。DAC23は、マルチプレクサ22によって選択された表示データに応じて階調電圧Vを選択し、表示信号R、G、Bとしてバッファ24に出力する。バッファ24は、DAC23から出力された表示信号R、G、Bを増幅して自身に接続するデータ線5、6に出力する。バッファ24の出力端子25は時分割スイッチ群40Aを介してデータ線5、6に接続される。時分割スイッチ群40Aは、時分割スイッチ41A〜46Aを備え、バッファ24とデータ線5、6との間の電気的な接続又は遮断を制御する。
【0031】
ここで、データ線5とデータ線6は交互に配置された複数のデータ線である。説明の明確化のため、本実施の形態に係る表示装置100は、それぞれ6本ずつ計12本のデータ線5、6を備えるものとする。尚、表示装置100に設けられるデータ線5、6の数はこの限りではなく、通常12本以上設けられることは言うまでもない。データ線駆動回路10Aの出力端子60はデータ線5、6に接続され、ドライバIC1は出力端子60を介して表示信号R、G、Bをデータ線5、6に出力する。尚、「R、G、B」はそれぞれ「赤、緑、青」に対応する。以下では、表示信号R、G、Bが入力されるデータ線5、6を、それぞれデータ線5(R、G、B)、6(R、G、B)と称す。例えば、表示信号Rnが入力されるデータ線をデータ線5(Rn)と称す。
【0032】
第1の実施の形態における表示装置100に設けられるデータ線5及び6の並び順を、データ線に入力される表示信号の符号で表すと、行方向に連続して(R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3、R4、G4、B4)の順に配置される。データ線5とデータ線6は交互に配置されているので、データ線5には表示信号R1、B1、G2、R3、B3、G4が入力され、データ線6には表示信号G1、R2、B2、G3、R4、B4が入力される。
【0033】
本実施の形態では、1つのバッファで3つのデータ線を時分割に駆動する例で説明する。図4を参照して、データ線駆動回路10Aは、出力端子25−1、25−3がそれぞれ3本のデータ線5に接続されるバッファ24−1、24−3と、出力端子25−2、25−4がそれぞれ3本のデータ線6に接続されるバッファ24−2、24−4とを具備する。詳細には、バッファ24−1は、後述する時分割スイッチ41A、43A、45Aを介してデータ線5(R1、B1、G2)に接続され、バッファ24−3も同様に、時分割スイッチ41A、43A、45Aを介してデータ線5(R3、B3、G4)に接続される。又、バッファ24−2は、後述する時分割スイッチ42A、44A、46Aを介してデータ線6(G1、R2、B2)に接続され、バッファ24−4も同様に、時分割スイッチ42A、44A、46Aを介してデータ線6(G3、R4、B4)に接続される。ここで、データ線駆動回路10Aは、バッファ24−1〜4のそれぞれに対応して接続される複数のデータラッチ21−1〜4、マルチプレクサ22−1〜4、DAC23−1〜4を具備する。尚、ここではデータ線5、6の数(12本)に対応してバッファ24の数を4つとして説明するが、データ線5、6の数に応じてその数が増減することは言うまでもない。又、1つのバッファ24に接続されるデータ線5、6の数は3の倍数であれば、3本でなくてもよい。
【0034】
次に、時分割スイッチ群40Aを詳細に説明する。バッファ24−1とデータ線5(R1、B1、G2)との間には、第1のスイッチである時分割スイッチ41A、43A、45Aがそれぞれ設けられる。又、バッファ24−2とデータ線6(G1、R2、B2)との間には、第2のスイッチである時分割スイッチ42A、44A、46Aがそれぞれ設けられる。同様に、バッファ24−3とデータ線5(R3、B3、G4)との間には、第1のスイッチである時分割スイッチ41A、43A、45Aがそれぞれ設けられる。又、バッファ24−4とデータ線6(G3、R4、B4)との間には、第2のスイッチである時分割スイッチ42A、44A、46Aがそれぞれ設けられる。時分割スイッチ41A〜46Aは、信号処理回路11で生成される制御信号51A〜56Aでそれぞれ制御される。ここで、表示信号R1、G1、B1、R2、G2、B2が入力されるデータ線を第1グループ、表示信号R3、G3、B3、R4、G4、B4が入力されるデータ線を第2グループとする。従来技術によるn時分割駆動の場合、n本の制御信号によって時分割スイッチを制御していたが、本実施の形態では、1つのデータ線のグループは2つのバッファ24で駆動され、それぞれ1つのバッファ24でn本ずつのデータ線を時分割に駆動し、1つのグループに接続される時分割スイッチは(n+n)本の制御信号によって制御される。例えば、第1グループ(又は第2グループ)のデータ線に接続される時分割スイッチ41A〜46Aは6本の制御信号51A〜56Aによって制御される。
【0035】
階調電圧生成回路30は画素7の階調を指示する表示信号R、G、Bの基準電圧となる階調電圧V(V0〜V63)を発生する。ここで階調電圧Vは64値信号として説明する。階調電圧生成回路30は、電源回路13から供給される基準供給電圧に基づいて階調電圧VをDAC23に供給する。図6は、本発明に係る階調電圧生成回路30の構成を示すブロック図である。図6を参照して、階調電圧生成回路30は、D/A変換器31(31−1、31−2)、セレクタ32(32−1、32−2)、レジスタ33(33−1R、G、B、33−2R、G、B)、バッファ34(34−1、34−2)、抵抗ストリング回路35、及び抵抗ストリング回路36を具備する。レジスタ33はRGB毎に設けられ、最大輝度、最低輝度を設定するためのデータを格納する。セレクタ32は、時分割スイッチ群40に連動して、レジスタ33からRGBいずれかのデータを選択してD/A変換31に供給する。抵抗ストリング回路35は、電源回路13から供給される基準供給電圧を抵抗rr1〜rr255で抵抗分割し、基準電圧Vr(Vr0〜Vr255)としてD/A変換器31に供給する。D/A変換器31は、セレクタ32で選択されたデータに基づき基準電圧Vr0〜Vr255の中から1つの電圧を選択してバッファ34に供給する。バッファ34は、D/A変換器31からの信号を増幅し、抵抗ストリング36に出力する。抵抗ストリング回路36は、ガンマ特性に適合するような抵抗値に設定された抵抗r1〜r63を備え、バッファ34で増幅された信号を抵抗分割して階調電圧V0〜V63としてDAC23に出力する。
【0036】
本発明によるデータ線駆動回路10Aは、1つのバッファ24によって駆動されるデータ線数が3の倍数であり、階調電圧生成回路30の輝度を設定するデータはセレクタ32によって切り換え可能であるため、RGB毎に独立にガンマ補正することができる。このため、本実施の形態では、同一の色(RGB)毎のデータ線を時分割に駆動することで1つの抵抗ストリング回路でも各RGBを独立にガンマ補正をすることができる。
【0037】
(動作)
図5を参照して、本発明によるデータ線駆動回路10Aのデータ線駆動動作について説明する。図5は、第1及び第2の走査線の2水平期間における時分割スイッチ群40Aの動作と、表示信号G2、B2、R3、G3が入力されるデータ線5(G2)、6(B2)、5(R3)、6(G3)の信号レベルを示すタイミングチャートである。尚、データ線5(G2)、6(B2)、5(R3)、6(G3)は図4に示されるように連続して配置されている。
【0038】
水平同期信号Hsyncに応じた水平期間中にデータレジスタ又はフレームメモリで保持していた表示データDR、DG、DBがデータラッチ21にラッチされる。
【0039】
先ず、時間T1において、マルチプレクサ22−1、22−2、22−3、22−4は、それぞれ表示データDR1、DB2、DR3、DB4を選択する。又、制御信号51A、56Aにより時分割スイッチ41A、46Aがターンオンされる。この時、バッファ24−1、24−2、24−3、24−4は、それぞれ入力される表示データDR1、DB2、DR3、DB4に応じた表示信号R1、B2、R3、B4でデータ線5(R1)、6(B2)、5(R3)、6(B4)のそれぞれを駆動する。以下では、説明を簡略化するため、「バッファ24−1、24−2、24−3は、それぞれ入力される表示データDRl、DGn、DBmに応じた表示信号Rl、Gn、Bmでデータ線5(Rl)、5(Gn)、5(Bm)のそれぞれを駆動する」という記載を、「バッファ24−1、24−2、24−3はデータ線5(Rl)、5(Gn)、5(Bm)を駆動する」と省略する。
【0040】
このように、時間T1では、第1、第2グループの両端のデータ線5(R1)、6(B2)、5(R3)、6(B4)が駆動される。すなわち、第1グループと第2グループの隣接するデータ線6(B2)とデータ線5(R3)とが駆動される。
【0041】
次に時間T2では、時分割スイッチ46Aがターンオフされる。これにより、データ線6(B2)、6(B4)は、バッファ24−2、24−4から遮断され、ハイインピーダンス状態となる。データ線6(B2)、6(B4)に接続される画素7はTFTを介して駆動されるが、TFTはオン抵抗が高いために画素7は目的の電圧に達しなくともよく、時間T1から時間T2の期間は、データ線が目的の電圧に到達するまでの期間でよい。
【0042】
次に、時間T3では、マルチプレクサ22−2、22−4は、それぞれ表示データDG1、DG3を選択する。又、時分割スイッチ41Aがターンオンされている間に、制御信号52Aによって時分割スイッチ42Aがターンオンされ、バッファ24−2、24−4はデータ線6(G1)、6(G3)を駆動する。この時、データ線6(G1)、6(G3)に隣接するデータ線5(R1)、5(R3)は、バッファ24−1、24−3にそれぞれ接続され、ローインピーダンスのためにカップリング容量による電圧変動はしない。時間T2から時間T3の期間は、同じバッファに接続される時分割スイッチ同士の干渉を防ぐ期間で、時分割スイッチ46Aがターンオフされてから時分割スイッチ42Aはターンオンされる。
【0043】
次に時間T4では、制御信号51Aによって時分割スイッチ41Aがターンオフされる。これによりデータ線5(R1)、5(R3)は、バッファ24−1、24−3から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。時間T3から時間T4の期間に、データ線6(G1)、6(G3)は目的の電圧に到達するため、データ線5(R1)、5(R3)は、隣接するデータ線6(G1)、6(G3)からのカップリング容量の影響を受けないでバッファ24−1、24−3から遮断される。従来技術では、データ線がハイインピーダンス状態の時に、隣接するデータ線のカップリング容量の影響を受けたが、本発明では、隣接するデータ線が目的の電圧まで到達した後に、ハイインピーダンス状態になるように時分割スイッチ群40Aが制御されている。このため、隣接するデータ線のカップリング容量の影響が回避され得る。以下、時間T5から時間T8までは、時間T3及び時間T4と同様な動作を繰り返すので説明を割愛する。
【0044】
次に、時間T9では、マルチプレクサ22−1、22−3は、表示データDG2、DG4を選択する。又、時分割スイッチ44Aがターンオンされている間に、制御信号55Aによって時分割スイッチ45Aはターンオンされる。バッファ24−1、24−3は、表示データに応じた表示信号でデータ線5(G2)、5(G4)を駆動する。この時、データ線5(G2)、5(G4)に隣接するデータ線6(R2)、6(R4)は、バッファ24−2、24−4に接続され、ローインピーダンスのためにカップリング容量による電圧変動はしない。しかし、データ線5(G2)、5(G4)に隣接するデータ線6(B2)、6(B4)は、ハイインピーダンス状態のため、データ線6(B2)、6(B4)の電圧値はΔVcだけ電圧変動する。二次的要因であるが、データ線6(B2)に隣接するデータ線5(R3)もハイインピーダンス状態のため、データ線5(R3)の電圧値は、ΔVcの電圧変動による影響を受けΔVc’だけ変動する。
【0045】
ここで、データ線間のカップリング容量値をCc、各データ線の寄生容量値をCd、次時間に隣接するデータ線に書き込まれる電圧幅をΔVsigとすると、変動量ΔVc=ΔVsig×Cc/(Cd+Cc)となる。説明を明確化するために、Cc:Cd=1:99とすると、例えば、ΔVsig=5Vであれば、変動量ΔVc=50mVとなる。又、変動量ΔVc’は、Vsig=5Vとすると、ΔVc=50mVで、さらにその1/100であるためΔVc‘=0.5mVと極僅かな値となる。
【0046】
次に時間T10では、制御信号54Aによって時分割スイッチ44Aがターンオフされる。これによりデータ線6(R2)、6(R4)は、バッファ24−2、24−4から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。時間T9から時間T10の期間に、データ線5(G2)、5(G4)は目的の電圧に到達するため、データ線6(R2)、6(R4)は、データ線5(G2)、5(G4)からのカップリング容量の影響を受けないでバッファ24−2、24−4から遮断される。
【0047】
次に、時間T11では、マルチプレクサ22−2、22−4は、表示データDB2、DB4を選択する。又、時分割スイッチ45Aがターンオンされている間に、制御信号56Aによって時分割スイッチ46Aはターンオンされる。バッファ24−2、24−4は、表示データに応じた表示信号で再度、データ線6(B2)、6(B4)を駆動する。データ線6(B2)、6(B4)は、時間T1から時間T2の期間に目的の電圧まで到達しているが、時間T9において隣接するデータ線5(G2)、5(G4)のカップリング容量によりΔVcだけ電圧変動している。しかし、時間T11における再駆動によって、その電圧変動分が補正され、ΔVcはキャンセルされる。この時、データ線6(B2)に隣接するデータ線5(R3)は、前述のように時間T9においてΔVc’だけ変動している。しかし、時間T11において、隣接するデータ線6(B2)の駆動によって生じるカップリング容量により、データ線5(R3)の電圧値は−ΔVc’だけ変動し、時間T9における電圧変動分ΔVc’はキャンセルされる。
【0048】
次に、時間T12では、制御信号55Aによって時分割スイッチ45Aはターンオフされる。これによりデータ線5(G2)、5(G4)は、バッファ24−1、24−3から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。
【0049】
次に、時間T13では、制御信号56Aによって時分割スイッチ46Aはターンオフされる。これによりデータ線6(B2)、6(B4)は、バッファ24−2、24−4から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。
【0050】
以上、時間T1から時間T13までが1水平期間に行われる。又、走査線4について説明すると、時間T1の前後に、走査線駆動回路12によって第1の走査線4が活性化され、第1の走査線4に接続される画素7のTFTがターンオンし、データ線5、6に供給された表示信号R、G、Bが画素7に書き込まれる。そして、時間T13の後で第1の走査線4が非活性化され、TFTがターンオフされ、データ線5、6に供給された表示信号R、B、Gが画素7に保持される。時間T13から第1の走査線4が非活性化されるまでの期間は、画素7が目的の電圧に達する期間を確保する。本実施の形態では、交互に配列されるデータ線5とデータ線6のそれぞれに接続される第1のスイッチと第2のスイッチのターンオンの期間(オン期間)が所定の期間だけ重複されるように制御される。又、1つのバッファに接続される第1のスイッチ同士、又は第2のスイッチ同士ではオン期間が重複されないように制御される。更に、最後に駆動されるデータ線は、最初に駆動されるデータ線と同じか又は早いタイミングで駆動された後、再度駆動される。このように、データ線の駆動が制御されることによって、隣接するデータ線のカップリング容量による電圧変動が抑制される。従って、本発明によるデータ線駆動回路10Aによれば、表示装置100における表示むらの発生を抑制することができる。
【0051】
一方、階調電圧生成回路30におけるRGB毎のガンマ補正は、例えば、時間T1又はT2でBからRに、時間T4でRからGに、時間T6でGからBに、時間T8でBからRに、時間T10でRからGに、時間T12でGからBに切り換えられる。RGB毎の電圧差は数十mV程度であり、例えば、時間T4とT6の期間にデータ線は切り換えられた電圧値に駆動される。本実施の形態では、同一の色毎のデータ線を時分割に駆動することで1つの抵抗ストリング回路でも各RGBを独立にガンマ補正をすることができる。
【0052】
表示むらの原因は、隣接するデータ線のカップリング容量による電圧変動以外にもTFTのリークや、時分割スイッチ群40Aにおけるリークによるものもある。そのため、フレーム毎に書き込む順番を変えることが好ましい。図7を参照して、画素7への表示信号の書き込み順の一例を説明する。図7は、第1の実施の形態における、1フレームから4フレームまでの隣接する走査線4−1、4−2上の画素7の書き込み順を示す概念図である。各画素7上の符号(例えばR1)は、当該画素7に書き込まれる表示信号に対応する符号であり、画素7内の番号は、書き込み順、+又は−記号は書き込まれる信号の極性である。
【0053】
図7に示すように、走査線4−1に接続される画素7は、1フレームと2フレームでは、データ線のグループ毎に図面左から順に時分割に駆動される(駆動順をデータ線に入力される表示信号の符号で表すと、第1グループはR1、G1、B1、R2、G2、B2の順、第2グループはR3、G3、B3、R4、G4、B4の順)。又、3フレームと4フレームでは、データ線のグループ毎に図面右から順に駆動される(同様に、第1グループはB2、G2、R2、B1、G1、R1の順、第2グループはB4、G4、R4、B3、G3、R3の順)。走査線4−2に接続される画素7は、1フレームと2フレームでは、データ線のグループ毎に図面右から順に駆動される。(同様に、第1グループはB2、G2、R2、B1、G1、R1の順、第2グループはB4、G4、R4、B3、G3、R3の順)。又、3フレームと4フレームでは、データ線のグループ毎に図面左から順に駆動される(同様に、第1グループはR1、G1、B1、R2、G2、B2の順、第2グループはR3、G3、B3、R4、G4、B4の順)。すなわち、図5に示される時間T1からT13までの期間が左から順に駆動される場合であり、時間T14からT26までの期間が右から順に駆動される例である。
【0054】
3.第2の実施の形態
図3、図8から図11を参照して、本発明によるデータ線駆動回路10の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態における表示装置100は、図3におけるデータ線駆動回路10として、画素7に対しドット反転駆動を行うデータ線駆動回路10Bを具備する。ドット反転駆動では、上下左右に隣り合う画素7の極性が異なるように駆動する駆動方法である。ドット反転駆動では、コモン電極の電圧が固定されているのが一般的である。そして、データ線駆動回路10Bで極性を反転させる。本実施の形態では、1つのグループのデータ線数が9本である場合を一例に説明する。ここで、1つのグループのデータ線数は奇数個なので、1つのバッファ24で駆動するデータ線数は5本か、又は4本となる。尚、データ線数及びバッファ24が駆動するデータ線数はこれに限らない。RGBを独立にガンマ補正するのであれば、1つのグループのデータ線数は、9、15、・・、6n+3(n:自然数)であることが好ましい。
【0055】
(構成)
図8は第2の実施の形態におけるデータ線駆動回路10Bの出力部における構成を示す回路図である。図8を参照して、第2の実施の形態におけるデータ線駆動回路10Bの出力部における構成の詳細を説明する。データ線駆動回路10Bは、少なくともデータラッチ21、マルチプレクサ22、DAC_P26、DAC_N27、バッファ24、極性切換スイッチ38、39、階調電圧生成回路30n、30p、時分割スイッチ群40Bを備える。更に、図示しないがシフトレジスタ、データレジスタ、フレームメモリなどを内蔵してもよい。マルチプレクサ22や時分割スイッチ群40Bは、信号処理回路11からの制御信号で制御される。
【0056】
DAC_P26は、正極性の階調電圧Vを発生する階調電圧生成回路30pに接続され、正極性の表示信号をバッファ24に出力する。DAC_N27は、負極性の階調電圧Vを発生する階調電圧生成回路30nに接続され、負極性の表示信号をバッファ24に出力する。DAC_P26及びDAC_N27とバッファ24との間には極性切換スイッチ38、39が設けられ、バッファ24との電気的な接続又は遮断が制御される。極性切換スイッチ38、39は図示しない極性切換信号POLに応じてターンオン又はターンオフが制御される。極性スイッチ39がターンオフすると極性切換スイッチ38はターンオンし、DAC_P26−1、2とバッファ24−1、4とが接続され、DAC_N27−1、2とバッファ24−2、3とが接続される。極性スイッチ38がターンオフすると極性切換スイッチ39はターンオンし、DAC_N27−1、2とバッファ24−1、4とが接続され、DAC_P26−1、2とバッファ24−2、3とが接続される。バッファ24の出力端子25は時分割スイッチ群40Bを介してデータ線5、6に接続される。時分割スイッチ群40Bは、時分割スイッチ41B〜49Bを備え、バッファ24とデータ線5、6との間の電気的な接続又は遮断を制御する。
【0057】
説明の明確化のため、本実施の形態に係る表示装置100は、10本のデータ線5と8本のデータ線6を備えるものとする。尚、表示装置100に設けられるデータ線5、6の数はこの限りではなく、通常18本以上設けられることは言うまでもない。データ線駆動回路10Bの出力端子60はデータ線5、6に接続され、ドライバIC1は出力端子60を介して表示信号R、G、Bをデータ線5、6に出力する。尚、「R、G、B」はそれぞれ「赤、緑、青」に対応する。以下では、表示信号R、G、Bが入力されるデータ線5、6を、それぞれデータ線5(R、G、B)、6(R、G、B)と称す。例えば、表示信号Rnが入力されるデータ線をデータ線5(Rn)と称す。
【0058】
第2の実施の形態における表示装置100に設けられるデータ線5及び6の並び順を、データ線に入力される表示信号の符号で表すと、行方向に連続して(R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3、R4、G4、B4、R5、G5、B5、R6、G6、B6)の順に配置される。ここで、表示信号R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3が入力されるデータ線を第1グループ、表示信号R4、G4、B4、R5、G5、B5、R6、G6、B6が入力されるデータ線を第2グループとする。第2の実施の形態では、同一グループ内のデータ線5とデータ線6は交互に配置される。このため、データ線5(10本)には表示信号R1、B1、G2、R3、B3、R4、B4、G5、R6、B6が入力され、データ線6(8本)には表示信号G1、R2、B2、G3、G4、R5、B5、G6が入力される。
【0059】
本実施の形態におけるデータ線駆動回路10Bは、出力端子25−1、25−3がそれぞれ5本のデータ線5に接続されるバッファ24−1、24−3と、出力端子25−2、25−4がそれぞれ4本のデータ線6に接続されるバッファ24−2、24−4とを具備する。詳細には、バッファ24−1はデータ線5(R1、B1、G2、R3、B3)に接続され、バッファ24−3は、データ線5(R4、B4、G5、R6、B6)に接続される。又、バッファ24−2は、データ線6(G1、R2、B2、G3)に接続され、バッファ24−4はデータ線6(G4、R5、B5、G6)に接続される。
【0060】
図8を参照して、データ線駆動回路10Bは、第1グループのデータ線5、6に対して表示データDR、DG、DBを供給するデータラッチ21−1と、第2グループのデータ線5、6に対して表示データDR、DG、DBを供給するデータラッチ21−2とを具備する。又、データラッチ21−1に接続され、データラッチ21−1内の表示データを選択し、DAC_P26−1及びDAC_N27−1に出力するマルチプレクサ22−1と、データラッチ21−2に接続され、データラッチ21−2内の表示データを選択し、DAC_P26−1及びDAC_N27−2に出力するマルチプレクサ22−1とを具備する。更に、DAC_P26−1及びDAC_N27−1は、極性切換スイッチ38、39を介してバッファ24−1及びバッファ24−2に接続され、DAC_P26−2及びDAC_N27−2は、極性切換スイッチ38、39を介してバッファ24−3及びバッファ24−4に接続される。ここではデータ線5、6の数(18本)に対応してバッファ24の数を4つとして説明するが、データ線5、6の数に応じてその数が増減することは言うまでもない。又、1つのバッファ24に接続されるデータ線5、6の数はこれに限らない。
【0061】
次に、時分割スイッチ群40Bについて詳細に説明する。バッファ24−1とデータ線5(R1、B1、G2、R3、B3)との間には、第1のスイッチである時分割スイッチ41B、43B、45B、47B、49Bがそれぞれ設けられる。又、バッファ24−2とデータ線6(G1、R2、B2、G3)との間には、第2のスイッチである時分割スイッチ42B、44B、46B、48Bがそれぞれ設けられる。同様に、バッファ24−3とデータ線5(R4、B4、G5、R6、B6)との間には、第1のスイッチである時分割スイッチ41B、43B、45B、47B、49Bがそれぞれ設けられる。又、バッファ24−4とデータ線6(G4、R5、B5、G6)との間には、第2のスイッチである時分割スイッチ42B、44B、46B、48Bがそれぞれ設けられる。本実施の形態では、1つのグループは2つのバッファ24で駆動され、それぞれ1つのバッファ24でn本、及びm(m=n−1)本ずつのデータ線を時分割に駆動し、1つのグループのデータ線に接続される時分割スイッチ41B〜49Bは信号処理回路11で生成される(n+m)本の制御信号51B〜59Bによってそれぞれ制御される。
【0062】
(動作)
図9を参照して、本発明によるデータ線駆動回路10Bのデータ線駆動動作について説明する。図9は、2水平期間における時分割スイッチ群40B、及び極性切換スイッチ38、39の動作と、表示信号G3、B3、R4、G4が入力されるデータ線5(G3)、6(B3)、5(R4)、6(G4)の信号レベルを示すタイミングチャートである。尚、データ線5(G3)、6(B3)、5(R4)、6(G4)は図8に示されるように連続して配置されている。
【0063】
水平同期信号Hsyncに応じた水平期間中にデータレジスタ又はフレームメモリで保持していた表示データDR、DG、DBがデータラッチ21にラッチされる。
【0064】
1フレーム、1水平期間の時間T0から時間T21では、極性切換スイッチ38がターンオンされ、DAC_P26−1、26−2で選択された電圧がバッファ24−1、24−4にそれぞれ供給され、DAC_N27−1、27−2で選択された電圧がバッファ24−2、24−3にそれぞれ供給される。又、時間T1の前後の期間に第1の走査線4が活性化され、走査線に接続される画素7のTFTがターンオンし、画素7に表示信号がそれぞれ書き込まれる。時間T20の後で、第1の走査線4は非活性化し、TFTがターンオフされ、その時点での表示信号が画素7にそれぞれ保持される。同様に、2フレーム、2水平期間の時間T22から時間T43では、極性切換スイッチ39がターンオンされ、DAC_P26−1、26−2で選択された電圧がバッファ24−2、24−3にそれぞれ供給され、DAC_N27−1、27−2で選択された電圧がバッファ24−1、24−4にそれぞれ供給される。又、時間T23の前後の期間に第2の走査線4が活性化され、走査線に接続される画素7のTFTがターンオンし、画素7に表示信号がそれぞれ書き込まれる。時間T42の後で、第2の走査線4は非活性化され、TFTがターンオフされ、その時点での表示信号が画素7にそれぞれ保持される。
【0065】
先ず、時間T1において、マルチプレクサ22−1は表示データDB3を選択し、DAC_P26−1に供給する。マルチプレクサ22−2は、表示データDB6を選択し、DAC_N27−2に供給する。又、制御信号59Bによって時分割スイッチ49Bがターンオンされ、バッファ24−1はデータ線5(B3)を正極に駆動し、バッファ24−3はデータ線5(B6)を負極に駆動する。これにより、当初、第1グループと第2グループとの境に配置されたデータ線5(B3)が駆動される。
【0066】
次に、時間T2では、制御信号59Bによって時分割スイッチ49Bがターンオフされる。これにより、データ線5(B3)、5(B6)は、バッファ24−1、24−3から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。データ線5(B3)、5(B6)に接続される各画素7はTFTを介して駆動されるが、TFTはオン抵抗が高いために画素7は目的の電圧に達しなくともよく、時間T1から時間T2の期間は、データ線が目的の電圧に到達するまでの期間でよい。
【0067】
次に、時間T3において、マルチプレクサ22−1は、表示データDR1を選択し、DAC_P26−1に供給する。マルチプレクサ22−2は、表示データDR4を選択し、DAC_N27−2に供給する。又、制御信号51Bによって時分割スイッチ41Bがターンオンされ、バッファ24−1はデータ線5(R1)を正極に駆動し、バッファ24−3でデータ線5(R4)を負極に駆動する。この時、データ線5(R4)に隣接するデータ線5(B3)は、カップリング容量によりΔVc1(ΔVcの横の数字は変動した回数を示す)だけ変動する。時間T2から時間T3の期間は、1つのバッファに接続される時分割スイッチ同士の干渉を防ぐような時間が設定される。又、時分割スイッチ49Bがターンオフしてから時分割スイッチ41Bがターンオンされる。
【0068】
時間T4では、時分割スイッチ41Bはオン状態である。又、マルチプレクサ22−1は、表示データDG1を選択し、DAC_N27−1に供給する。マルチプレクサ22−2は、表示データDG4を選択し、DAC_P26−2に供給する。又、制御信号52Bによって時分割スイッチ42Bがターンオンされ、バッファ24−2はデータ線6(G1)を負極に駆動し、バッファ24−4はデータ線6(G4)を正極に駆動する。この時、データ線6(G1)、6(G4)に隣接するデータ線5(R1)、5(R4)は、バッファに接続されローインピーダンスのためにカップリング容量による電圧変動はしない。
【0069】
次に、時間T5では、制御信号51Bによって時分割スイッチ41Bがターンオフされる。これによりデータ線5(R1)、5(R4)は、バッファ24−1、24−3から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。時間T4から時間T5の期間に、データ線6(G1)、6(G4)は目的の電圧に到達するため、データ線5(R1)、5(R4)は、隣接するデータ線6(G1)、6(G4)からのカップリング容量の影響を受けないでバッファ24−1、24−3から遮断される。
【0070】
時間T6では、時分割スイッチ42Bはオン状態である。又、マルチプレクサ22−1は、表示データDR1の選択を解除し、新たに表示データDB1を選択し、DAC_P26−1に供給する。マルチプレクサ22−2は、表示データDR4の選択を解除し、新たに表示データDB4を選択し、DAC_N27−2に供給する。又、制御信号53Bによって時分割スイッチ43Bがターンオンされ、バッファ24−1はデータ線5(B1)を正極に駆動し、バッファ24−3はデータ線5(B4)を負極に駆動する。時間T5から時間T6の期間は、1つのバッファに接続される時分割スイッチ同士の干渉を防ぐような時間が設定される。又、時分割スイッチ41Bがターンオフしてから時分割スイッチ43Bがターンオンされる。
【0071】
次に、時間T7では、制御信号52Bによって時分割スイッチ42Bがターンオフされる。これによりデータ線6(G1)、6(G4)は、バッファ24−2、24−4から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。時間T6から時間T7の期間に、データ線5(B1)、5(B4)は目的の電圧に到達するため、データ線6(G1)、6(G4)は、データ線5(B1)、5(B4)からのカップリング容量の影響を受けないでバッファ24−2、24−4から遮断される。以下、時間T8から時間T15までは、時間T3から時間T7と同様な動作を繰り返すので説明を割愛する。
【0072】
時間T16では、時分割スイッチ47Bはオン状態である。又、マルチプレクサ22−1は、表示データDB2の選択を解除し、新たに表示データDG3を選択し、DAC_N27−1に供給する。マルチプレクサ22−2は、表示データDB5の選択を解除し、新たに表示データDG6を選択し、DAC_P26−2に供給する。又、制御信号48Bによって時分割スイッチ48Bがターンオンされ、バッファ24−2はデータ線6(G3)を負極に駆動し、バッファ24−4はデータ線6(G6)を正極に駆動する。この時、データ線6(G3)、6(G6)に隣接するデータ線5(B3)、5(B6)は、カップリング容量の影響を受ける。データ線5(B3)、5(B6)は、隣接するデータ線6(G3)、6(G6)とは極性が異なるので2回同じ方向にΔVc2(ΔVcの横の数字は変動した回数を示す)だけ電圧変動する。
【0073】
次に、時間T17では、制御信号57Bによって時分割スイッチ47Bがターンオフされる。これによりデータ線5(R3)、5(R6)は、バッファ24−1、24−3から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。時間T16から時間T17の期間に、データ線6(G3)、6(G6)は目的の電圧に到達するため、データ線5(R3)、5(R6)は、データ線6(G3)、6(G6)からのカップリング容量の影響を受けないでバッファ24−1、24−3から遮断される。
【0074】
次に、時間T18において、制御信号59Bによって時分割スイッチ49Bがターンオンされ、再度、データ線5(B3)、5(B6)がバッファ24−1、24−3により駆動される。データ線5(B3)は、時間T1から時間T2の期間に目的の電圧まで到達しているが、時間T16において隣接するデータ線6(G3)、6(R4)のカップリング容量によりΔVc2だけ電圧変動している。しかし、データ線5(B3)が表示信号B3、B6によって再度駆動されることで、その電圧変動分は補正される。又、データ線5(B6)も同様である。時間T18から時間T19の期間に、データ線5(B3)はΔVc2分補正駆動されるが、データ線6(R4)は、データ線5(B3)のカップリング容量の影響を受けΔVc2’だけ影響を受ける。しかし、このΔVc2’は、ΔVc2の1/100程度で、約1mV程度であり、画質に影響しないレベルである。
【0075】
次に、時間T19では、制御信号58Bによって時分割スイッチ48Bはターンオフされる。これによりデータ線6(G3)、6(G6)は、バッファ24−2、24−4から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。
【0076】
次に、時間T20では、制御信号59Bによって時分割スイッチ49Bがターンオフされる。これによりデータ線5(B3)、5(B6)は、バッファ24−1、24−3から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。
【0077】
以上、時間T0から時間T21までが1水平期間に行われる。又、走査線4について説明すると、時間T1の前後に、走査線駆動回路12によって第1の走査線4が活性化され、第1の走査線4に接続されるTFTがターンオンし、データ線5、6に供給された表示信号R、G、Bが画素7に書き込まれる。そして、時間T20の後で非活性され、TFTがターンオフし、データ線5、6に供給された表示信号R、G、Bが画素7に保持される。時間T20から走査線4が非活性化されるまでの期間は、画素7が目的の電圧に達する期間を確保する。1フレーム、2走査線目の時間T22からT43では、極性切換スイッチ39がターンオンされ、DAC_P26−1、26−2で選択された階調電圧がバッファ24−2、24−3にそれぞれ供給され、DAC_N27−1、27−2で選択された階調電圧がバッファ24−1、24−4にそれぞれ供給される。以下、時間T23から時間T42は、前述の時間T1からT20と同様に動作する。
【0078】
極性切換スイッチ38、39は、2フレーム、1走査線目では、極性切換スイッチ39がターンオンされ、2フレーム、2走査線目では、極性切換スイッチ38がターンオンされる。極性切換スイッチに関しては、3フレーム以降では、1フレームから2フレームの動作が繰り返される。
【0079】
以上のように、本発明によるデータ線駆動回路10Bでは、他のグループに隣接するデータ線(ここでは、第1グループのデータ線5(B3))は2度にわたり左右に隣接するデータ線(データ線6(G3)及びデータ線5(R4))のカップリング容量によって大きく電圧変動する。しかし、データ線5(B3)は電圧変動後に再度駆動されることによって、この電圧変動分はキャンセルされる。又、他のグループに隣接するデータ線(ここではデータ線5(R4))以外のデータ線は、カップリング容量による電圧変動は起こらない。他のグループに隣接するデータ線は、隣接する他のグループのデータ線(データ線5(B3)に駆動されるデータ線のカップリング容量の影響を受け、最悪で約1mV程度目的の電圧値から変動する。しかし、その変動量は表示むらを発生しないレベルである。更に、表示装置に表示される色G(緑)の感度は、R(赤)やB(青)に比べ良好であるため、データ線駆動回路10Bは、最初に表示信号Gでデータ線を駆動せずに他の色の表示信号によって駆動することが好ましい。
【0080】
ドット反転駆動では、正極の表示信号と負極の表示信号を異なるデータ線に同時に供給するので、正極の階調電圧生成回路30pと、負極の階調電圧生成回路30nが設けられる。本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、1つのグループのデータ線の数が3の倍数であれば、階調電圧生成回路30p、30nはRGB毎に独立にガンマ補正することができる。
【0081】
表示むらの原因は、隣接するデータ線のカップリング容量による電圧変動以外にもTFTのリークや、時分割スイッチ群40Bなどのリークによるものもある。そのため、フレーム毎に書き込む順番を変えるのが好ましい。図10を参照して、画素7への表示信号の書き込み順の一例を説明する。図10は、第2の実施の形態における、1フレームから4フレームまでの隣接する走査線4−1、4−2上の画素7の書き込み順を示す概念図である。各画素7上の符号(例えばR1)は、当該画素7に書き込まれる表示信号に対応する符号であり、画素7内の番号は、書き込み順、+又は−記号は書き込まれる信号の極性である。
【0082】
例えば、図10の第1走査線目では、1フレームと2フレームでは、左から順に駆動し、3フレームと4フレームでは右から順に駆動する。第2走査線目では、1フレームと2フレームでは、右から順に駆動し、3フレームと4フレームでは左から順に駆動する。
図10に示すように、走査線4−1に接続される画素7は、1フレームと2フレームでは、データ線のグループ毎に図面左から順に時分割に駆動される(駆動順をデータ線に入力される表示信号の符号で表すと、第1グループはR1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3の順、第2グループはR4、G4、B4、R5、G5、B5、R6、G6、B6の順)。又、3フレームと4フレームでは、データ線のグループ毎に図面右から順に駆動される(同様に、第1グループはB3、G3、R3、B2、G2、R2、B1、G1、R1の順、第2グループはB6、G6、R6、B5、G5、R5、B4、G4、R4の順)。走査線4−2に接続される画素7は、1フレームと2フレームでは、データ線のグループ毎に図面右から順に駆動される。(同様に、第1グループはB3、G3、R3、B2、G2、R2、B1、G1、R1の順、第2グループはB6、G6、R6、B5、G5、R5、B4、G4、R4の順)。又、3フレームと4フレームでは、データ線のグループ毎に図面左から順に駆動される(同様に、第1グループはR1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3の順、第2グループはR4、G4、B4、R5、G5、B5、R6、G6、B6の順)。すなわち、図9に示される時間T0からT21までの期間が左から順に駆動される場合であり、時間T22からT42までの期間が右から順に駆動される例である。
【0083】
又、1走査線目のデータ線5(R1)の画素7は、「1フレームの極性と順番、2フレームの極性と順番、3フレームの極性と順番、4フレームの極性と順番」とすると、図10では、「+1、−1、+9、−9」の順番に駆動されるが、「+1、−9、+9、−1」の順に駆動してもよい。その他の画素7についても同様である。
【0084】
第1の実施の形態では、1つのグループのデータ線数が6本で、画素7がライン反転駆動される例で説明した。又、第2の実施の形態では、1つのグループのデータ線数が9本で、画素7は左右上下の4方向とも極性が異なるドット反転駆動される例を説明した。しかし、第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせて、図11に示すように、1つのグループのデータ線数が6本で、グループ間の画素だけは、3方向で極性が異なるように駆動することも可能である。
【0085】
4.第3の実施の形態
図3、図12から図14を参照して、本発明によるデータ線駆動回路10の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態における表示装置100は、図3におけるデータ線駆動回路10として、画素7に対しドット反転駆動を行うデータ線駆動回路10Cを具備する。ドット反転駆動では、上下左右に隣り合う画素7の極性が異なるように駆動する駆動方法である。ドット反転駆動では、コモン電極の電圧が固定されているのが一般的である。そして、データ線駆動回路10Cで極性を反転させる。本実施の形態では、1つのグループのデータ線数が6本である場合を一例に説明する。
【0086】
(構成)
図12は、第3の実施の形態におけるデータ線駆動回路10Cの出力部における構成を示す回路図である。図12を参照して、第3の実施の形態におけるデータ線駆動回路10Cの出力部における構成の詳細を説明する。データ線駆動回路10Cは、少なくともデータラッチ21、マルチプレクサ22、DAC_P26、DAC_N27、バッファ24、極性切換スイッチ38、39、階調電圧生成回路30n、30p、時分割スイッチ群40Cを備える。更に、図示しないがシフトレジスタ、データレジスタ、フレームメモリなどを内蔵してもよい。マルチプレクサ22や時分割スイッチ群40Cは、信号処理回路11からの制御信号で制御される。
【0087】
DAC_P26は、正極性の階調電圧Vを発生する階調電圧生成回路30pに接続され、正極性の表示信号をバッファ24に出力する。DAC_N27は、負極性の階調電圧Vを発生する階調電圧生成回路30nに接続され、負極性の表示信号をバッファ24に出力する。DAC_P26及びDAC_Nとバッファ24との間には極性切換スイッチ38、39が設けられ、バッファ24との接続が制御される。極性切換スイッチ38、39は図示しない極性切換信号POLに応じてターンオン又はターンオフが制御される。極性スイッチ39がターンオフすると極性切換スイッチ38はターンオンし、DAC_P26とバッファ24とが接続される。極性スイッチ38がターンオフすると極性切換スイッチ39はターンオンし、DAC_N27とバッファ24とが接続される。バッファ24の出力端子25は時分割スイッチ群40Bを介してデータ線5、6に接続される。時分割スイッチ群40Cは、時分割スイッチ41C〜46Cを備え、バッファ24とデータ線5、6との間の接続を制御する。
【0088】
ここで、データ線5とデータ線6は交互に配線された複数のデータ線である。説明の明確化のため、本実施の形態に係る表示装置100は、それぞれ6本ずつ計12本のデータ線5、6を備えるものとする。尚、表示装置100に設けられるデータ線5、6の数はこの限りではなく、通常12本以上設けられることは言うまでもない。データ線駆動回路10Cの出力端子60はデータ線5、6に接続され、ドライバIC1は出力端子60を介して表示信号R、G、Bをデータ線5、6に出力する。尚、「R、G、B」はそれぞれ「赤、緑、青」に対応する。以下では、表示信号R、G、Bが入力されるデータ線5、6を、それぞれデータ線5(R、G、B)、6(R、G、B)と称す。例えば、表示信号Rnが入力されるデータ線をデータ線5(Rn)と称す。
【0089】
第3の実施の形態における表示装置100に設けられるデータ線5及び6の並び順を、データ線に入力される表示信号の符号で表すと、行方向に連続して(R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3、R4、G4、B4)の順に配置される。データ線5とデータ線6は交互に配置されているので、データ線5には表示信号R1、B1、G2、R3、B3、G4が入力され、データ線6には表示信号G1、R2、B2、G3、R4、B4が入力される。
【0090】
本実施の形態におけるデータ線駆動回路10Cは、出力端子25−1、25−3がそれぞれ3本のデータ線5に接続されるバッファ24−1、24−3と、出力端子25−2、25−4がそれぞれ3本のデータ線6に接続されるバッファ24−2、24−4とを具備する。詳細には、バッファ24−1はデータ線5(R1、B1、G2)と電気的に接続又は遮断され、バッファ24−3は、データ線5(R3、B3、G4)と電気的に接続又は遮断される。又、バッファ24−2は、データ線6(G1、R2、B2)と電気的に接続又は遮断され、バッファ24−4はデータ線6(G3、R4、B4)と電気的に接続又は遮断される。
【0091】
図12を参照して、データ線駆動回路10Cは、第1グループのデータ線5、6に対して表示データDR、DG、DBを供給するデータラッチ21−1と、第2グループのデータ線5、6に対して表示データDR、DG、DBを供給するデータラッチ21−2とを具備する。又、データラッチ21−1に接続され、データラッチ21−1内の表示データを選択し、DAC_P26−1及びDAC_N27−1に出力するマルチプレクサ22−1と、データラッチ21−2に接続され、データラッチ21−2内の表示データを選択し、DAC_P26−2及びDAC_N27−2に出力するマルチプレクサ22−2とを具備する。更に、DAC_P26−1及びDAC_N27−1は、極性切換スイッチ38、39を介してバッファ24−1及びバッファ24−2に接続され、DAC_P26−2及びDAC_N27−2は、極性切換スイッチ38、39を介してバッファ24−3及びバッファ24−4に接続される。ここではデータ線5、6の数(12本)に対応してバッファ24の数を4つとして説明するが、データ線5、6の数に応じてその数が増減することは言うまでもない。又、1つのバッファ24に接続されるデータ線5、6の数は3の倍数であれば、3本でなくてもよい。
【0092】
次に、時分割スイッチ群40Cを詳細に説明する。バッファ24−1とデータ線5(R1、B1、G2)との間には、第1のスイッチである時分割スイッチ41C、43C、45Cがそれぞれ設けられる。又、バッファ24−2とデータ線6(G1、R2、B2)との間には、第2のスイッチである時分割スイッチ42C、44C、46Cがそれぞれ設けられる。同様に、バッファ24−3とデータ線5(R3、B3、G4)との間には、第2のスイッチである時分割スイッチ46C、44C、42Cがそれぞれ設けられる。又、バッファ24−4とデータ線6(G3、R4、B4)との間には、第1のスイッチである時分割スイッチ45C、43C、41Cがそれぞれ設けられる。時分割スイッチ41C〜46Cは、信号処理回路11で生成される制御信号51C〜56Cでそれぞれ制御される。ここで、表示信号R1、G1、B1、R2、G2、B2が入力されるデータ線を第1グループ、表示信号R3、G3、B3、R4、G4、B4が入力されるデータ線を第2グループとする。従来技術によるn時分割駆動の場合、n本の制御信号によって時分割スイッチを制御していたが、本実施の形態では、1つのグループは2つのバッファ24で駆動され、それぞれ1つのバッファ24でn本ずつのデータ線を時分割に駆動し、1つのグループに接続される時分割スイッチは(n+n)本の制御信号によって制御される。例えば、第1グループ(又は第2グループ)のデータ線に接続される時分割スイッチ41C〜46Cは6本の制御信号51C〜56Cによって制御される。
【0093】
(動作)
図13を参照して、本発明によるデータ線駆動回路10Cのデータ線駆動動作について説明する。図13は、2水平期間における時分割スイッチ群40C、及び極性切換スイッチ38、39の動作を示すタイミングチャートである。
【0094】
水平同期信号Hsyncに応じた水平期間中にデータレジスタ又はフレームメモリで保持していた表示データDR、DG、DBがデータラッチ21にラッチされる。
【0095】
1フレーム、第1水平期間では、極性切換スイッチ38がターンオンされ、DAC_P26−1、26−2で選択された電圧がバッファ24−1、24−3にそれぞれ供給され、DAC_N27−1、27−2で選択された電圧がバッファ24−2、24−4にそれぞれ供給される。又、第1水平期間内では第1の走査線4が活性化され、走査線に接続される画素7のTFTがターンオンし、画素7に表示信号がそれぞれ書き込まれる。第1水平期間終了直前に、TFTがターンオフされ、その時点での表示信号が画素7にそれぞれ保持される。同様に、2フレーム、第2水平期間では、極性切換スイッチ39がターンオンされ、DAC_P26−1、26−2で選択された電圧がバッファ24−2、24−4にそれぞれ供給され、DAC_N27−1、27−2で選択された電圧がバッファ24−1、24−3にそれぞれ供給される。又、第2水平期間内では第2の走査線4が活性化され、走査線に接続される画素7のTFTがターンオンされ、画素7に表示信号がそれぞれ書き込まれる。第2水平期間終了直前に、TFTがターンオフされ、その時点での表示信号が画素7にそれぞれ保持される。
【0096】
先ず、時間T1において、マルチプレクサ22−1は表示データDR1を選択し、DAC_P26−1に供給する。マルチプレクサ22−2は、表示データDB4を選択し、DAC_N27−2に供給する。又、制御信号51Cによって時分割スイッチ41Cがターンオンされ、バッファ24−1はデータ線5(R1)を正極に駆動し、バッファ24−4はデータ線6(B4)を負極に駆動する。
【0097】
次に、時間T2では、時分割スイッチ41Aはオン状態である。又、マルチプレクサ22−1は、表示データDG1を選択し、DAC_N27−1に供給する。マルチプレクサ22−2は、表示データDG4を選択し、DAC_P26−2に供給する。又、制御信号52Cによって時分割スイッチ42Cがターンオンされ、バッファ24−2はデータ線6(G1)を負極に駆動し、バッファ24−3はデータ線5(G4)を正極に駆動する。この時、データ線6(G1)、5(G4)に隣接するデータ線5(R1)、6(B4)は、バッファに接続されローインピーダンスのためにカップリング容量による電圧変動はしない。
【0098】
次に、時間T3では、制御信号51Cによって時分割スイッチ41Cがターンオフされる。これによりデータ線5(R1)、6(B4)は、バッファ24−1、24−4から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。時間T2から時間T3の期間に、データ線6(G1)、5(G4)は目的の電圧に到達するため、データ線5(R1)、6(B4)は、隣接するデータ線6(G1)、5(G4)からのカップリング容量の影響を受けないでバッファ24−1、24−4から遮断される。
【0099】
時間T4では、時分割スイッチ42Cはオン状態である。又、マルチプレクサ22−1は、表示データDR1の選択を解除し、新たに表示データDB1を選択し、DAC_P26−1に供給する。マルチプレクサ22−2は、表示データDB4の選択を解除し、新たに表示データDR4を選択し、DAC_N27−2に供給する。又、制御信号53Cによって時分割スイッチ43Cがターンオンされ、バッファ24−1はデータ線5(B1)を正極に駆動し、バッファ24−4はデータ線6(R4)を負極に駆動する。時間T3から時間T4の期間は、1つのバッファに接続される時分割スイッチ同士の干渉を防ぐような時間が設定される。又、時分割スイッチ41Cがターンオフしてから時分割スイッチ43Cがターンオンされる。
【0100】
次に、時間T5では、制御信号52Cによって時分割スイッチ42Cがターンオフされる。これによりデータ線6(G1)、5(G4)は、バッファ24−2、24−3から遮断され、表示データに応じた表示信号を保持する。時間T4から時間T5の期間に、データ線5(B1)、6(R4)は目的の電圧に到達するため、データ線6(G1)、5(G4)は、データ線5(B1)、6(R4)からのカップリング容量の影響を受けないでバッファ24−2、24−4から遮断される。以下、時間T6から時間T12までは、時間T1から時間T5と同様な動作を繰り返すので説明を割愛する。
【0101】
ここで、時間T10において、時分割スイッチ46Cがターンオンされると、隣接するデータ線6(B2)とデータ線5(R3)には同時に表示信号B2、R3が入力される。又、時間T12において、時分割スイッチ46Cがターンオフされると、データ線6(B2)とバッファ24−2との間、及びデータ線5(R3)とバッファ24−3との間は同時に遮断される。このため、隣接するデータ線6(B2)とデータ線5(R3)は、相互にカップリング容量の影響を与えることなく目的の電圧値に駆動される。
【0102】
以上、時間T1から時間T12までが1水平期間に行われる。又、走査線4について説明すると、時間T11の前後に、走査線駆動回路12によって所定の走査線4が活性化され、走査線4に接続されるTFTがターンオンし、データ線5、6に供給された表示信号R、G、Bが画素7に書き込まれる。そして、時間T12の後で非活性化され、TFTがターンオフし、データ線5、6に供給された表示信号R、G、Bが画素7に保持される。時間T12から走査線4が非活性化されるまでの期間は、画素7が目的の電圧に達する期間を確保する。1フレーム、2走査線目の時間T13からT24では、極性切換スイッチ39がターンオンされ、DAC_P26−1、26−2で選択された階調電圧がそれぞれバッファ24−2、24−4にそれぞれ供給され、DAC_N27−1、27−2で選択された階調電圧がそれぞれバッファ24−1、24−3にそれぞれ供給される。以下、時間T13から時間T24は、前述の時間T1からT12と同様に動作し、データ線6(B2)、5(R3)からデータ線5(R1)、6(B4)まで順に駆動される。
【0103】
極性切換スイッチ38、39は、2フレーム、1走査線目では、極性切換スイッチ39がターンオンされ、2フレーム、2走査線目では、極性切換スイッチ38がターンオンされる。極性切換スイッチに関しては、3フレーム以降では、1フレームから2フレームの動作が繰り返される。
【0104】
表示むらの原因は、隣接するデータ線のカップリング容量による電圧変動以外にもTFTのリークや、時分割スイッチ群40Cなどのリークによるものもある。そのため、フレーム毎に書き込む順番を変えるのが好ましい。図14を参照して、画素7への表示信号の書き込み順の一例を説明する。図14は、第3の実施の形態における、1フレームから4フレームまでの隣接する走査線4−1、4−2上の画素7の書き込み順を示す概念図である。各画素7上の符号(例えばR1)は、当該画素7に書き込まれる表示信号に対応する符号であり、画素7内の番号は、書き込み順、+又は−記号は書き込まれる信号の極性である。
【0105】
例えば、図14の第1走査線目では、1フレームと2フレームでは、第1グループは左から順に、第2グループは右から順に駆動され、3フレームと4フレームでは、第1グループは左からから順に、第2グループは左から順に駆動される。第2走査線目では、1フレームと2フレームでは、第1グループは右から順に、第2グループは左から順に駆動され、3フレームと4フレームでは第1グループは左からから順に、第2グループは右から順に駆動される。
【0106】
すなわち、図14に示すように、走査線4−1に接続される画素7は、1フレームと2フレームでは、駆動順をデータ線に入力される表示信号の符号で表すと、第1グループはR1、G1、B1、R2、G2、B2の順、第2グループはB4、G4、R4、B3、G3、R3の順で駆動される。又、3フレームと4フレームでは、同様に、第1グループはB2、G2、R2、B1、G1、R1の順、第2グループはR3、G3、B34、G4、R4の順で駆動される。走査線4−2に接続される画素7は、1フレームと2フレームでは、同様に、第1グループはB2、G2、R2、B1、G1、R1の順、第2グループはB3、G3、R3、B4、G4、R4の順で駆動される。又、3フレームと4フレームでは、同様に、第1グループはR1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3の順、第2グループはR4、G4、B4、B3、G3、R3の順で駆動される。
【0107】
又、1走査線目のデータ線5(R1)の画素7は、「1フレームの極性と順番、2フレームの極性と順番、3フレームの極性と順番、4フレームの極性と順番」とすると、図14では、「+1、−1、+6、−6」の順番に駆動されるが、「+1、−6、+6、−1」の順に駆動してもよい。その他の画素7についても同様である。
【0108】
以上のように、本発明によるデータ線駆動ドライバ10によれば、データ線の駆動タイミングを適切に制御することで、データ線間のカップリング容量を抑制することができる。このため、カップリング容量抑制のためデータ線の配線間隔を広くする必要がなく回路面積を縮小することができる。又、データ線に接続する時分割スイッチによってデータ線を選択駆動しているため、すくなくとも2色の色毎に独立にガンマ補正する場合においても、ドライバIC内部に階調電圧生成回路を色毎に設ける必要がなくチップ面積を縮小しつつ、時分割駆動時における表示装置100の表示むらを改善することができる。
【0109】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、従来技術によるデータ線駆動回路における時分割スイッチの構成を示す回路図である。
【図2】図2は、従来技術による時分割スイッチの動作を示すタイミングチャートである。
【図3】図3は、本発明による表示装置の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明によるデータ線駆動回路の第1の実施の形態における構成を示す回路図である。
【図5】図5は、本発明によるデータ線駆動回路の第1の実施の形態におけるタイミングチャートである。
【図6】図6は、本発明による階調電圧生成回路の実施の形態における構成を示す回路図である。
【図7】図7は、本発明によるデータ線駆動回路の第1の実施形態における画素の書き込み順序を模式した概念図である。
【図8】図8は、本発明によるデータ線駆動回路の第2の実施の形態における構成を示す回路図である。
【図9】図9は、本発明によるデータ線駆動回路の第2の実施の形態におけるタイミングチャートである。
【図10】図10は、本発明によるデータ線駆動回路の第2の実施形態における画素の書き込み順序を模式した概念図である。
【図11】図11は、本発明によるデータ線駆動回路の第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせた形態における画素の書き込み順序を模式下概念図である。
【図12】図12は、本発明によるデータ線駆動回路の第3の実施の形態における構成を示す回路図である。
【図13】図13は、本発明によるデータ線駆動回路の第3の実施の形態におけるタイミングチャートである。
【図14】図14は、本発明によるデータ線駆動回路の第3の実施形態における画素の書き込み順序を模式した概念図である。
【符号の説明】
【0111】
1:ドライバIC
2:パネル基板
3:表示領域
4、4−1、4−2:走査線
5、6:データ線
7:画素
10:データ線駆動回路
11:信号処理回路
12:走査線駆動回路
13:電源回路
21:データラッチ回路
22、32:マルチプレクサ
23、31、26、27:D/A変換回路
24、34:バッファ
25:出力ノード
30:階調電圧生成回路
33:ガンマ補正データ
35、36:抵抗ストリング
38、39:極性切換スイッチ
40A、40B、40C:時分割スイッチ群
41A〜46A、41B〜49B、41C〜46C:時分割スイッチ
51A〜56A、51B〜59B、51C〜56C:制御信号
60:表示信号出力端子
100:表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域の複数の第1のデータ線のうち、接続するデータ線を駆動する第1のバッファと、
前記表示領域に設けられ、前記複数の第1のデータ線と交互に配置される複数の第2のデータ線のうち、接続するデータ線を駆動する第2のバッファと、
第1のオン期間において、前記第1のバッファと、前記複数の第1のデータ線のいずれかとを選択的に接続する複数の第1のスイッチと、
第2のオン期間において、前記複数の第2のデータ線のうち前記第1のバッファに接続されたデータ線に隣接するデータ線と前記第2のバッファとを接続する第2のスイッチと、
を具備し、
前記第1のオン期間と前記第2のオン期間は所定の期間重複し、
前記複数の第1のスイッチのそれぞれは、オン期間を重複せずに前記複数の第1のデータ線のいずれかと前記第1のバッファとを接続する
データ線駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ線駆動回路において、
n本の前記複数の第1のデータ線は、n本の前記複数の第1のスイッチのそれぞれを介して前記第1のバッファに接続され、
m本の前記複数の第2のデータ線は、m本の前記複数の第2のスイッチのそれぞれを介して前記第2のバッファに接続され、
前記複数の第1のスイッチはn本の制御信号によって前記複数の第1のデータ線と前記第1のバッファとを接続し、
前記複数の第2のスイッチはm本の制御信号によって前記複数の第2のデータ線と前記第2のバッファとを接続する
データ線駆動回路。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ線駆動回路において、
前記複数の第1のデータ線と前記複数の第2のデータ線は、1番目からn+m番目までの所定の順番で駆動されるグループを形成し、
前記グループにおいて、n+m番目に駆動されるデータ線は、1番目に駆動されるデータ線の駆動時間と同じ時間に駆動され、n+m番目に再度駆動される
データ線駆動回路。
【請求項4】
請求項2に記載のデータ線駆動回路において、
前記複数の第1のデータ線と前記複数の第2のデータ線は、1番目からn+m番目まで所定の順番で駆動されるグループを形成し、
前記グループにおいて、n+m番目に駆動されるデータ線は、1番目に駆動されるデータ線の駆動時間より先に駆動され、n+m番目に再度駆動される
データ線駆動回路。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のデータ線駆動回路において、
前記グループは複数あり、
前記複数のグループのうち、第1のグループにおける前記1番目に駆動されるデータ線と第2のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線は隣接する
データ線駆動回路。
【請求項6】
請求項3又は4に記載のデータ線駆動回路において、
前記グループは複数あり、
前記複数のグループのうち、第1のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線と第2のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線は隣接し、
前記第1のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線に入力される表示信号に対応する色と、前記第2のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線に入力される表示信号に対応する色は異なる
データ線駆動回路。
【請求項7】
請求項2から6いずれか1項に記載のデータ線駆動回路において、
n+mは3の倍数であり、前記第1及び第2のスイッチの重複するオン期間において、前記第1のバッファと前記第2のバッファはそれぞれ、互いに異なる色に対応した表示信号を前記第1のデータ線と前記第2のデータ線に出力する
データ線駆動回路。
【請求項8】
請求項1に記載のデータ線駆動回路において、
一の水平期間中に、前記第1のバッファは、前記複数の第1のデータ線の1つを少なくとも2回駆動する
データ線駆動回路。
【請求項9】
請求項1から8に記載のデータ線駆動回路と、
前記複数の第1のデータ線と前記第2のデータ線とを備える表示領域とを具備する
表示装置。
【請求項10】
第1のオン期間において、第1のスイッチが、第1のデータ線と第1のバッファとを接続するステップと、
第2のオン期間において、第2のスイッチが、第1のデータ線に隣接する第2のデータ線と第2のバッファとを接続するステップと、
第3のオン期間において、前記第3のスイッチが、前記第2のデータ線に隣接する第3のデータ線と前記第1のバッファとを接続するステップと、
前記第1のバッファが前記接続された第1のデータ線を駆動するステップと、
前記第2のバッファが前記接続された第2のデータ線を駆動するステップと、
前記第1のバッファが前記接続された第3のデータ線を駆動するステップと、
を具備し、
前記第1のオン期間と前記第2のオン期間は所定の期間重複し、
前記第1のオン期間の終了後、前記第3のオン期間が開始される
データ線駆動方法。
【請求項11】
第1のオン期間において、複数の第1のスイッチのいずれかが、第1のバッファと、表示領域に設けられる複数の第1のデータ線のいずれかとを選択的に接続するステップと、
第2のオン期間において、複数の第2のスイッチのいずれかが、前記表示領域に設けられ、前記複数の第1のデータ線と交互に配置される複数の第2のデータ線のうち、前記第1のバッファに接続されたデータ線に隣接するデータ線と、第2のバッファとを接続するステップと、
前記第1のバッファが、前記第1のバッファに接続されたデータ線を駆動するステップと、
前記第2のバッファが、前記第2のバッファに接続されたデータ線を駆動するステップと、
を具備し、
前記第1のオン期間と前記第2のオン期間は所定の期間重複し、
前記複数の第1のスイッチのそれぞれは、オン期間を重複せずに前記複数の第1のデータ線のいずれかと前記第1のバッファとを接続する
データ線駆動方法。
【請求項12】
請求項11に記載のデータ線駆動方法において、
n本の前記複数の第1のデータ線とm本の前記複数の第2のデータ線は、1番目からn+m番目までの所定の順番で駆動されるグループを形成し、
前記グループにおいて、前記第1のバッファが、1番目のデータ線を駆動する第1駆動ステップと、
前記グループにおいて、前記第2のバッファが、前記第1駆動ステップと同じ時間にn+m番目のデータ線を駆動する第2駆動ステップと、
前記第2のバッファが前記第2駆動ステップで駆動したデータ線をn+m番目に再度駆動する第3駆動ステップと、
を更に具備する
データ線駆動方法。
【請求項13】
請求項11に記載のデータ線駆動方法において、
n本の前記複数の第1のデータ線とm本の前記複数の第2のデータ線は、1番目からn+m番目までの所定の順番で駆動されるグループを形成し、
前記グループにおいて、前記第2のバッファが、n+m番目のデータ線を駆動する第4駆動ステップと、
前記グループにおいて、前記第1のバッファが、前記第4駆動ステップより後に1番目のデータ線を駆動する第5駆動ステップと、
前記第2のバッファが前記第5駆動ステップで駆動したデータ線をn+m番目に再度駆動する第6駆動ステップと、
を更に具備する
データ線駆動方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のデータ線駆動方法において、
前記グループは複数あり、
前記複数のグループのうち、第1のグループにおける前記1番目に駆動されるデータ線と第2のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線は隣接する
データ線駆動方法。
【請求項15】
請求項12又は13に記載のデータ線駆動方法において、
前記グループは複数あり、
前記複数のグループのうち、第1のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線と第2のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線は隣接し、
前記第1のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線に入力される表示信号に対応する色と、前記第2のグループにおける前記n+m番目に駆動されるデータ線に入力される表示信号に対応する色は異なる
データ線駆動方法。
【請求項16】
請求項12から15いずれか1項に記載のデータ線駆動方法において、
n+mは3の倍数であり、前記重複するオン期間において、前記第1のバッファと前記第2のバッファはそれぞれ、互いに異なる色に対応した表示信号を前記第1のデータ線と前記第2のデータ線に出力する
データ線駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−310234(P2007−310234A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140642(P2006−140642)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】