説明

データ転送装置、制御方法及びプログラム

【課題】ユーザの手間を要することなく、装置間のデータ転送を可能とすること。
【解決手段】音楽データを処理するノート型PC及びカーオーディオ3と有線通信を行うためのUSBスレーブ端子11A,11Bと、音楽データを一時記憶するためのバッファ13A,13Bと、USBスレーブ端子11Aを介してノート型PCから音楽データを受信し、当該受信した音楽データをバッファ13A,13Bに記憶し、当該記憶された音楽データをバッファ13A,13Bから読み出し、当該読み出された音楽データをUSBスレーブ端子11Bを介してカーオーディオ3に送信する制御部21と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ転送装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、USB(Universal Serial Bus)メモリに保存したデータを再生装置(例えば、カーオーディオ等)で再生する技術が知られている。
【0003】
図6を参照して、データ(音楽データ)をカーオーディオで再生する従来技術について説明する。図6(A)は、ノート型PCに入っている(記憶されている)音楽データをUSBメモリにコピーすることを示した図である。図6(B)は、音楽データが記憶されたUSBメモリをカーオーディオに挿入することを示した図である。USBメモリがカーオーディオに挿入されると、カーオーディオにより音楽データがUSBメモリから読み出される。そして、カーオーディオにより音楽データが再生される。
【0004】
また、カーオーディオシステム、ナビゲーション装置に映像、音楽情報等のソース情報源並びにメディア再生用機器を備えることなく、ソース情報を再生出力できる技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−283957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図6に示すように、ノート型PCに入っている音楽データをカーオーディオで再生する場合において、カーオーディオはUSBホスト機能しか有しない。また、ノート型PCについてもUSBホスト機能しか有しない。したがって、例えば、カーオーディオとノート型PCとを通常のケーブル等を介しての接続が物理的にできない。このため、ユーザは、一度USBメモリに音楽データをコピーし、その後USBメモリをカーオーディオに挿入させるといった動作を行う必要があった。
【0007】
また、一般的にUSBメモリはノート型PCよりデータの記憶容量が少ない。このため、ノート型PCに記憶されている音楽データの全てをユーザがカーオーディオで再生させたい場合、音楽データの全てをUSBメモリに記憶させることができない場合がある。この場合、ユーザは、音楽データの全てをカーオーディオに転送するために、USBメモリに音楽データをコピーし、その後USBメモリをカーオーディオに挿入させる動作を複数回行う必要があった。
【0008】
また、ノート型PCからカーオーディオに音楽データを転送した後、ユーザは、ノート型PCの音楽データをカーオーディオに新たに入れなおしたい場合もある。この場合、ユーザは、入れなおしたい音楽データをUSBメモリにコピーし、その後USBメモリをカーオーディオに挿入して再生させる動作を行う必要があった。
このため、ユーザの手間を要することなく、装置間(ノート型PC−カーオーディオ間)のデータ転送を可能とする技術を実現する要請があった。
【0009】
本発明の課題は、ユーザの手間を要することなく、装置間のデータ転送を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のデータ転送装置は、
データを処理する第1の装置及び第2の装置と有線通信を行うための端子部と、
前記データを一時記憶するためのバッファと、
前記端子部を介して前記第1の装置から前記データを受信し、当該受信した前記データを前記バッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記端子部を介して前記第2の装置に送信する制御部と、を備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデータ転送装置において、
前記第1の装置及び前記第2の装置のそれぞれは、
ノート型PC又はカーオーディオである。
【0012】
請求項3に記載の発明のデータ転送装置は、
自装置とデータの通信を行う外部装置と無線通信を行う通信部と、
前記データを一時記憶するためのバッファと、
前記データを前記バッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記通信部を介して前記外部装置に送信する制御部と、を備える。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のデータ転送装置において、
前記外部装置は、
ノート型PC又はカーオーディオである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ転送装置において、
前記制御部は、
アイソクロナス通信により前記データの送受信を行う。
【0015】
請求項6に記載の発明の制御方法は、
データを処理する第1の装置及び第2の装置と有線通信を行うための端子部を介して前記第1の装置から前記データを受信し、当該受信した前記データをバッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記端子部を介して前記第2の装置に送信する制御工程を含む。
【0016】
請求項7に記載の発明の制御方法は、
データをバッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを外部装置と無線通信を行う通信部を介して前記外部装置に送信する制御工程を含む。
【0017】
請求項8に記載の発明のプログラムは、
コンピュータを、
データを処理する第1の装置及び第2の装置と有線通信を行うための端子部、
前記データを一時記憶するためのバッファ、
前記端子部を介して前記第1の装置から前記データを受信し、当該受信した前記データを前記バッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記端子部を介して前記第2の装置に送信する制御部、として機能させる。
【0018】
請求項9に記載の発明のプログラムは、
コンピュータを、
自装置とデータの通信を行う外部装置と無線通信を行う通信部、
前記データを一時記憶するためのバッファと、
前記データを前記バッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記通信部を介して前記外部装置に送信する制御部、として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザの手間を要することなく、装置間のデータ転送を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】データ転送システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係るデータ転送装置の内部構成を示す図である。
【図3】データ転送処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】前詰め方式を採用した場合の音楽データを示した図である。
【図5】前詰め方式を採用した場合の音楽データを示した図である。
【図6】データをカーオーディオで再生する従来の技術を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0022】
図1〜図3を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、データ転送システム100の概略構成について説明する。データ転送システム100は、データ転送装置としてのデータ転送ケーブル1と、第1の装置、第2の装置としてのノート型PC2と、第1の装置、第2の装置としてのカーオーディオ3と、を備えて構成される。データ転送ケーブル1は、データをノート型PC2からカーオーディオ3に転送(ノート型PC2からデータを受信し、受信したデータをカーオーディオ3に送信)する。このとき、データ転送ケーブル1は、アイソクロナス通信(アイソクロナス転送方式)によりデータの送受信(転送)を行う。また、データ転送ケーブル1は、USBによりデータ転送を行うものとする。
【0023】
図1に示すデータ転送ケーブル1は、ハードウエアとソフトウエアとを機能的に示した図である。図1に示すデータ転送ケーブル1は、端子部としてのUSBスレーブ端子11A,11Bと、Audioクラス→I2S(The Inter-IC Sound Bus)変換部12と、バッファ13A,13Bと、I2S→Audioクラス変換部14と、HID(Human Interface Device)クラス調停部15と、を備えて構成される。このとき、ハードウエアは、USBスレーブ端子11A,11B、バッファ13A,13Bに該当し、ソフトウエアは、Audioクラス→I2S変換部12、I2S→Audioクラス変換部14、HIDクラス調停部15に該当する。
【0024】
USBスレーブ端子11Aは、ノート型PC2とデータ転送ケーブル1との間でデータの通信を行うための接続端子である。USBスレーブ端子11Bは、カーオーディオ3とデータ転送ケーブル1との間でデータの通信を行うための接続端子である。
【0025】
Audioクラス→I2S変換部12は、Audioクラスで転送される音楽データをI2Sに変換する。Audioクラスは、USB通信において音楽データを転送(伝送)する方式の1つである。Audioクラスでは、データ転送(伝送)用の通信線として、2本の通信線+D、−Dが用いられる。また、I2Sは、DSP(Digital Signal Processor)等のIC間の通信においてデータを伝送する方式の1つである。この方式では、データ伝送用の通信線としてLRクロック、ビットクロック、データといった3本の通信線が用いられる。以下、Audioクラスで転送される音楽データをAudioクラスの音楽データと記し、I2Sで転送される音楽データをI2Sの音楽データと記す。
【0026】
バッファ13Aは、ノート型PC2から受信したAudioクラスの音楽データを一時的に記憶(一時記憶)する。また、バッファ13Bは、I2S→Audioクラス変換部14により変換されたAudioクラスの音楽データを一時記憶する。
【0027】
ここで、ノート型PC2から送信されるAudioクラスの音楽データは、ノート型PC2側の動作クロック(クロック)に基づいて送信される。その一方で、データ転送ケーブル1では、ノート型PC2のクロックでなく自身が発生するクロックに基づいて処理を行う。両者のクロックが全く同一の周波数であれば問題ないが、実際には両者のクロックは同期が取れていない。両者のクロックが取れない状態で動作を行うと、データ転送ケーブル1で受信したAudioクラスの音楽データのデータ周期は、一定の周期間隔よりも若干遅れたり早くなったりする(ずれが生じる)。このデータ周期のずれをなくすために、Audioクラスの音楽データがバッファ13Aに一時記憶される。これにより、ノート型PC2とデータ転送ケーブル1とのクロックの同期を取ることができる。同様に、データ転送ケーブル1とカーオーディオ3とのクロックの同期を取るために、バッファ13BにAudioクラスの音楽データが記憶される。すなわち、バッファ13A、13Bを備える構成により、ノート型PC2とデータ転送ケーブル1とのクロックの同期を取ることができ、且つ、データ転送ケーブル1とカーオーディオ3とのクロックの同期を取ることができる。
【0028】
I2S→Audioクラス変換部14は、I2Sの音楽データをAudioクラスの音声データに変換する。
【0029】
HIDクラス調停部15は、操作部(ノート型PC2のキーボードやカーオーディオ3の操作リモコン等)を動作させるための操作データを調停(生成)する。そして、生成した操作データをHIDクラスによりノート型PC2及びカーオーディオ3に送信する。HIDクラスとは、操作部を動作させるための操作データのデータ転送方式を示す。
【0030】
次に、図2を参照して、データ転送ケーブル1のハードウエア構成について説明する。図2に示すように、データ転送ケーブル1は、制御部21と、USBスレーブ端子11A,11Bと、バッファ13A,13Bと、ROM22(Read Only Memory)と、を備えて構成される。なお、図1と同様な部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を援用し、異なる部分について以下説明する。
【0031】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、データ転送ケーブル1の各部を中央制御する。制御部21は、ROM22に記憶されている制御プログラム(ソフトウエア)の中から指定されたプログラムをRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0032】
また、制御部21は、後述するデータ転送プログラムとの協働により、USBスレーブ端子11Aを介して、ノート型PC2からデータ(音楽データ)を受信し、当該受信した音楽データをバッファ13Aに記憶する。そして、制御部21は、バッファ13Aから音楽データを読み出し、当該読み出された音楽データを、Audioクラス→I2S変換部12、I2S→Audioクラス変換部14を介してバッファ13Bに記憶する。そして、制御部21は、バッファ13Bから音楽データを読み出し、当該読み出された音楽データをUSBスレーブ端子11Bを介してカーオーディオ3へ送信する。
【0033】
ROM22は、制御部21により実行される制御プログラム(ソフトウエア)、当該制御プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶する。具体的には、ROM22は、Audioクラス→I2S変換部12、I2S→Audioクラス変換部14及びHIDクラス調停部15の各ソフトウエアを記憶する。また、ROM22は、後述するデータ転送プログラム(図示省略)を記憶する。
【0034】
次に、図3を参照して、データ転送ケーブル1で実行されるデータ転送処理について説明する。データ転送処理は、音楽データをノート型PC2からカーオーディオ3に転送する処理である。
【0035】
例えば、データ転送ケーブル1において、USBスレーブ端子11Aを介してノート型PC2から音楽データの受信が開始されたことをトリガとして、ROM22から読み出されて適宜RAMに展開されたデータ転送プログラムと、CPUとの協働によりデータ転送処理が実行される。
【0036】
先ず、USBスレーブ端子11Aを介して、ノート型PC2からAudioクラスの音楽データが受信される(ステップS11)。そして、受信されたAudioクラスの音楽データがバッファ13Aに一時記憶される(ステップS12)。そして、ノート型PC2とデータ転送ケーブル1とのクロックの同期が確立される(ステップS13)。
【0037】
そして、バッファ13AからAudioクラスの音楽データが読み出され、Audioクラス→I2S変換部12に入力される。そして、Audioクラス→I2S変換部12により、Audioクラスの音楽データがI2Sの音楽データに変換される(ステップS14)。
【0038】
ステップS14の実行後、I2Sの音楽データがI2S→Audioクラス変換部14に入力される。そして、I2S→Audioクラス変換部14により、I2Sの音楽データがAudioクラスの音楽データに変換される(ステップS15)。そして、Audioクラスの音楽データがバッファ13Bに一時記憶される(ステップS16)。そして、データ転送ケーブル1とカーオーディオ3とのクロックの同期が確立される(ステップS17)。
【0039】
ステップS17の実行後、Audioクラスの音楽データが読み出され、読み出されたAudioクラスの音楽データがUSBスレーブ端子11Bを介して、カーオーディオ3へ送信される(ステップS18)。ステップS18の実行後、データ転送処理は終了される。
【0040】
以上、本実施の形態によれば、データ転送ケーブル1は、ノート型PC2から音楽データを受信し、当該受信した音楽データをバッファ13A,13Bを介してカーオーディオ3に送信する。このため、ノート型PC2からカーオーディオ3に自動的に音楽データを転送することができるので、ユーザの手間を要することなく、装置間(ノート型PC2−カーオーディオ3間)のデータ転送を可能とすることができる。また、データ転送ケーブル1を用いてデータ転送を行うことができるので、USBメモリを用いて音楽データを転送する必要がなくなる。このため、ノート型PC2を車内に持ち込んでノート型PC2に記憶された音楽データをカーオーディオ3に転送するような状況下であっても、ユーザは、USBメモリを用いることなく音楽データの転送を行い、カーオーディオ3で音楽データを簡単に再生させることができる。また、音楽データをバッファ13A,13Bに一時記憶することで、データ転送ケーブル1は、ノート型PC2及びカーオーディオ3とクロックの同期を取ることができる。
【0041】
また、データ転送ケーブル1は、アイソクロナス通信を行うことにより、音楽データの音切れを防ぐことができる。例えば、USBメモリを用いて音楽データの転送を行った場合、ノート型PC2側で他の処理(音楽データの転送以外の他の処理)が発生すると、他の処理が終わるまで、音楽データの転送処理が止まってしまう。そうすると、音楽データの音切れが生じる可能性がある。しかし、本発明に係るデータ転送ケーブル1は、アイソクロナス通信を行うので、音楽データの音切れを防ぐことができる。
【0042】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るデータ転送装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0043】
例えば、上記実施の形態では、ノート型PC2からカーオーディオ3へデータを転送することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、カーオーディオ3を、ホームオーディオ、ポータブルオーディオ、携帯端末等としてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、データ転送ケーブル1を介してノート型PC2からカーオーディオ3へデータを転送することとしたが、データ転送ケーブル1を介してカーオーディオ3からノート型PC2へデータを転送することとしてもよい。この場合、ノート型PC2のスピーカ部(図示省略)から音楽データを出力することで、DVD(Digital Versatile Disk)のような5チャンネルサラウンドを容易に実現することができる。
【0045】
また、上記実施の形態では、Audioクラスの音楽データをI2Sに変換することとしたが、I2Sの代わりに、前詰め方式、後詰め方式といった他の伝送方式としてもよい。
【0046】
例えば、I2Sの代わりに、前詰め方式を採用した場合、転送ビット幅は32bitとなる。このため、図4に示すように、16bit幅のデータを2種類入れることが可能となる。そうすると、図4に示す上側16ビット(L1ch)、下側16ビット(L2ch)として異なるチャンネルでデータを転送することで、4チャンネル(L1ch、L2ch、R1ch、R2ch)で音楽データを転送することが可能となる。
【0047】
また、I2Sの代わりに、前詰め方式を採用した場合、上述の通り、転送ビット幅は32bitである。すなわち、32bitのデータがLch、Rchとして連続して構成される。一般的に、前詰め方式では、図5に示すように、下側16bitは0データとなる。この下側16bitに制御データ(例えば、音楽データを再生するためのデータ)等を付加することにより、32bitの上側16bitを音楽データ、下側16bitを制御データとして転送することとしてもよい。この場合、ノート型PC2側やカーオーディオ側3に制御データを解析するための専用ソフトを作成し、下側16ビット(制御データ)を抜き出して制御データのコマンドを解析する制御が必要となる。
【0048】
また、データ転送ケーブル1において、ノート型PC2側から受信したAudioクラスの音楽データをI2Sに変換せずにバッファに記憶し、当該バッファに記憶したAudioクラスの音楽データをカーオーディオ3のクロックに同期して転送することとしてもよい。この場合、データ転送ケーブル1において、ノート型PC2側のクロックと同期を取るためのコントローラと、カーオーディオ3側のクロックと同期を取るためのコントローラとを搭載したICを有する必要がある。
【0049】
また、データ転送ケーブル1を介してノート型PC2からカーオーディオ3へデータを転送する構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、ワイヤレスUSBによりノート型PC2とカーオーディオ3との間でデータの通信を行う構成としてもよい。この場合、データ転送ケーブル1の機能をノート型PC2又はカーオーディオ3が有する構成となる。例えば、ノート型PC2がデータ転送ケーブル1の機能を有する場合、ノート型PC(データ転送装置)とカーオーディオ3(外部装置)との間でデータの通信(転送)が行われる。この場合、ノート型PC2は、バッファに音楽データを一時記憶し、当該記憶された音楽データを無線通信機能を有する通信部(ワイヤレスUSB機能を有する通信部)を介してカーオーディオ3に送信することとなる。
【0050】
また、Bluetoothによりノート型PC2とカーオーディオ3との間でデータの通信を行う構成としてもよい。この場合、ワイヤレスUSBで通信を行う場合と同様の構成となる。また、この場合、データの転送方式として、Audioクラスの代わりにA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)、HIDクラスの代わりにAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)が適用される。
【0051】
また、データ転送ケーブル1は、音楽データにかかわらず、映像データを転送することとしてもよい。この場合、映像データは、UVC(USB Video Class)より転送される構成となる。
【0052】
その他、本実施の形態における、データ転送ケーブル1の細部構造及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 データ転送ケーブル
2 ノート型PC
3 カーオーディオ
11A,11B USBスレーブ端子
12 Audioクラス→I2S変換部
13A,13Bバッファ
14 I2S→Audioクラス変換部
15 HIDクラス調停部
21 制御部
22 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを処理する第1の装置及び第2の装置と有線通信を行うための端子部と、
前記データを一時記憶するためのバッファと、
前記端子部を介して前記第1の装置から前記データを受信し、当該受信した前記データを前記バッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記端子部を介して前記第2の装置に送信する制御部と、
を備えるデータ転送装置。
【請求項2】
前記第1の装置及び前記第2の装置のそれぞれは、
ノート型PC又はカーオーディオである請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項3】
自装置とデータの通信を行う外部装置と無線通信を行う通信部と、
前記データを一時記憶するためのバッファと、
前記データを前記バッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記通信部を介して前記外部装置に送信する制御部と、
を備えるデータ転送装置。
【請求項4】
前記外部装置は、
ノート型PC又はカーオーディオである請求項3に記載のデータ転送装置。
【請求項5】
前記制御部は、
アイソクロナス通信により前記データの送受信を行う請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ転送装置。
【請求項6】
データを処理する第1の装置及び第2の装置と有線通信を行うための端子部を介して前記第1の装置から前記データを受信し、当該受信した前記データをバッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記端子部を介して前記第2の装置に送信する制御工程を含む制御方法。
【請求項7】
データをバッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを外部装置と無線通信を行う通信部を介して前記外部装置に送信する制御工程を含む制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、
データを処理する第1の装置及び第2の装置と有線通信を行うための端子部、
前記データを一時記憶するためのバッファ、
前記端子部を介して前記第1の装置から前記データを受信し、当該受信した前記データを前記バッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記端子部を介して前記第2の装置に送信する制御部、
として機能させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
自装置とデータの通信を行う外部装置と無線通信を行う通信部、
前記データを一時記憶するためのバッファ、
前記データを前記バッファに記憶し、当該記憶された前記データを前記バッファから読み出し、当該読み出された前記データを前記通信部を介して前記外部装置に送信する制御部、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−18086(P2011−18086A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160310(P2009−160310)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(508209990)J&Kカーエレクトロニクス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】