説明

トナー付着量測定装置、作像装置及び画像形装置

【課題】反射型光学センサでトナー付着量を測定するに際して、被検知面の濃度を容易かつ安定して検知できるものとする。
【解決手段】トナー像を形成した中間転写ベルト13に付着したトナーの量を測定するトナー付着量測定装置20であって、中間転写ベルト13には軸6aから所定の半径を備えた曲面部分13aを備え、中間転写ベルト13表面に検出光を射出しその反射光に基づいてトナー付着量測定する反射型光学センサ21と、反射型光学センサ21の検出光を中間転写ベルト13に向けて保持すると共に、軸6aを回転中心として回動可能に保持され、中間転写ベルト13と反射型光学センサ21の相対位置を変更できる保持部材25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー付着量測定装置、作像装置及び画像形装置に係り、特に湾曲面を備える像担持体に付着したトナーの量を検出するトナー付着量測定装置、これを使用した作像装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスによるプリンタ、FAX機、複写機等の画像形成装置では、画質向上の目的で感光体、中間転写体等の像担持体に形成されたトナー画像におけるトナー付着量を計測し、その計測値に基づいて必要に応じて画像形成プロセスのパラメータを調整することがある。
【0003】
具体的には、前記像担持体の表面に濃度検知用のトナーパッチ(基準パターン)を作成し、その基準パターンの濃度を光学センサにより検出するものである。このような画像形成装置では、前記光学センサによるトナー濃度の検出結果に基づいて潜像形成用の書込光強度、帯電バイアス、現像バイアス等を変更して現像ポテンシャルを調整する画像濃度制御を行うようにしている。
【0004】
このような光学センサとしては、一般的に発光手段と受光手段とを備えた反射型光学センサが用いられる。そして、トナー濃度の測定精度を向上させるためさまざまな工夫がなされている。
【0005】
特許文献1には、精度良くトナー付着量計測を実現すべく拡散反射光量に基づいて発光量を調整する手段を設けて光量低下の影響を補うため、画像パッチを複数形成し、同画像パッチに対して発光素子から光を照射しその反射光の正反射光量及び拡散反射光量を検出し、画像パッチ毎に前記発光素子の発光量を所定の場合に変化させることにより、正反射光量の検出による正反射光量信号及び拡散反射光量の検出による拡散反射光量の信号レベルを所定の範囲に収めるための調整を行う画像形成装置が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、ベルト体上のトナー像を常に精度よく読み取ると共に、画像読取センサの位置決めを容易とするため、画像読取センサを、駆動ローラと従動ローラとの間で中間転写ベルトに対面して配置し、支持フレームにはシャフト体を少なくとも2点で支持する受け部が規定され、画像読取センサは、これら2点を結ぶ線と対向する位置で支持フレームに固定・支持されており、シャフト体は駆動ローラと従動ローラとの間で中間転写ベルトに回転可能な状態でその周面が当接して、中間転写ベルトを画像読取センサの方向に押圧して、中間転写ユニットは装置筐体に着脱可能であり、中間転写ユニットが装置筐体に装着された際、受け部にシャフト体が支持される画像形成装置が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、画像形成装置小型化のため、画像形成装置を構成する各部分の小型化が図られている。例えば上述したトナー付着量を計測するための反射型光学センサの検出対象である像担持体としての転写ベルトに所謂無端ベルトが使用されることがある。
【0008】
そして転写ベルト上における画像形成の精度を向上させるため、その平面部に現像ユニット等を設置することがあり、このような場合には、画像形成装置の小型化のため上記反射型光学センサの検知対象面を転写ベルトの側方に位置する曲面部にすることが望ましい。
【0009】
しかしながら、前記像担持体の曲面部での反射光の検出を行うと、反射型光学センサと検出対称面との距離や、対向角度などが反射型光学センサの設計条件から外れることがあり、このような場合被検知面の曲率に対応して正反射光の受光光量が著しく低下してしまい正確な計測が難しくなる。このように正確な測定が困難になるのは、特に被検知面の光沢度が低い場合に顕著である。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、反射型光学センサで像担持体のトナー付着量を測定するに際して、像担持体の曲面で測定を行ったとしてもトナー量を容易かつ正確に安定して測定できるトナー付着量測定装置、作像装置及び画像形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、トナー像を形成した像担持体に付着したトナーの量を測定するトナー付着量測定装置であって、前記像担持体は、中心軸から所定の半径を備えた曲面部を備えるものであり、前記像担持体の表面に検出光を射出しその反射光に基づいてトナー付着量測定する反射型光学センサと、前記反射型光学センサの検出光を前記像担持体に向けて保持すると共に、前記曲面部の中心を回転中心として回動可能に保持され、前記像担持体と前記反射型光学センサの相対位置を変更できる保持部材と、を備えることを特徴とするトナー付着量測定装置である。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1記載のトナー付着量測定装置において、前記像担持体は円柱状部材又は無端ベルト状部材であり、前記湾曲面は円柱状部材の側部面、又は無端ベルト部材の転向部面であることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のトナー付着量測定装置において、前記保持部材は、前記反射型光学センサと前記像担持体の曲面部との距離を変更する長さ変更手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか記載のトナー付着量測定装置において、前記保持部材は前記像担持体に対して着脱可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか記載のトナー付着量測定装置において、前記反射型光学センサは、前記保持部材に対して着脱可能であることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか記載のトナー付着量測定装置において、前記反射型光学センサは、前記保持部材にあおり方向に位置変更可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー付着量測定装置を備えることを特徴とする作像装置である。
【0018】
請求項8の発明は、請求項7記載の作像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るトナー付着量測定装置、作像装置及び画像形装置によれば、反射型光学センサを常に像担持体の曲面部の曲率中心に正対した状態で測定することができるので、検知対象面である曲面部との距離、対向角度等を反射型光学センサの設計条件に適合させることができ、高精度にトナー付着量を測定でき、さらには、画像形成装置において高精度な画像濃度制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態に係るカラープリンタの要部を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態に係るトナー付着量測定装置の構成を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図3】図2に示したトナー付着量測定装置の動きを示す側面図である。
【図4】反射型光学センサから射出される光の反射状態を示す図であり、(a)は実施形態を示す模式図、(b)は対比例を示す模式図である。
【図5】図2に示したトナー付着量測定装置の他の作用を示す模式図である。
【図6】実施形態1の変形例を示す模式図である。
【図7】第2実施形態に係るトナー付着量測定装置の構成を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図8】第3実施形態に係るトナー付着量測定装置の構成を示す側面図である。
【図9】あおり量を説明するための側面図である。
【図10】センサのあおり角度とセンサ出力との関係を示すグラフである。
【図11】第4実施形態に係るトナー付着量測定装置の構成を示す側面図である。
【図12】第4実施形態の変形例に係るトナー付着量測定装置の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の実施形態として電子写真プロセスを適用したカラープリンタの要部を示す縦断面図である。このカラープリンタ1は、画像記録媒体としての用紙を供給する給紙カセット2、現像ユニット3a,3b,3c,3d並びに感光体4a,4b,4c,4dを備える作像装置としての作像部14a,14b,14c,14d、及び、像担持体である中間転写ベルト13を備える。
【0022】
感光体4a,4b,4c,4dは、図示していないレーザ駆動装置からレーザ駆動入力に応じて発せられる画像情報を有するレーザ光により静電潜像が形成される。また、現像ユニット3a,3b,3c,3dは、感光体4a,4b,4c,4dに形成された静電潜像をそれぞれ所定の色要素(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)のトナーで現像する。
【0023】
中間転写ベルト13は、駆動ローラ7及びテンションローラ6に掛け渡されて配置されており、各色のトナー画像が形成された感光体4a,4b,4c,4dから重畳して各色要素のトナー画像が転写される。また、駆動ローラ7には、中間転写ベルト13を介して2次転写ローラ11が圧接されており、駆動ローラ7と2次転写ローラ11との間に搬送されてきた用紙にトナー像を転写する。また、中間転写ベルト13には、クリーニング装置8が配置され、中間転写ベルト13の残留トナーを除去する。
【0024】
また、カラープリンタ1は、給紙カセット2から供給された用紙を中間転写ベルト13を経て搬送する搬送路9、給紙カセット2から搬送路9に対し用紙を供給する給紙ローラ12、中間転写ベルト13からカラー画像が転写された用紙に同画像を定着させるために加熱及び加圧を行う定着ユニット10を備える。
【0025】
そして、本例では、前記中間転写ベルト13上のトナー画像におけるトナー付着量を計測するトナー付着量測定装置5が設けられている。
【0026】
このような構成のカラープリンタ1では、所定のレーザ駆動入力に対する感光体上あるいは転写ベルト上のトナー付着量は厳密に常に一定ではなく、環境、経時劣化などにより変化する。このため、一定の付着量を得るためには現像バイアス等のパラメータを適宜調整制御する必要があり、トナー付着量の検出には反射型光学センサが用いられる。本例では、反射型光学センサは、検出用の光を射出する発光素子、及び、正反射光を受光する受光素子、拡散反射光を受光する受光素子の2つの受光素子を備えている。
【0027】
以下トナー付着量測定装置について説明する。図2は第1実施形態に係るトナー付着量測定装置の構成を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は側面図、図3は図2に示したトナー付着量測定装置の動きを示す側面図、図4は反射型光学センサから射出される光の反射状態を示す図であり、(a)は実施形態を示す模式図、(b)は対比例を示す模式図、図5は図2に示したトナー付着量測定装置の他の作用を示す模式図である。
【0028】
本例に係るトナー付着量測定装置20は、反射型光学センサ21を保持部材25で保持する構成を備えている。これにより、前記像担持体である中間転写ベルト13の表面のうちテンションローラ6に巻き掛けられた部分である曲面部分13aのトナー量を測定する。
【0029】
保持部材25は、それぞれの一端を前記テンションローラ6の軸6aに回動可能に支持された2本のアーム部22,22と、アーム部22,22の他端に掛け渡されたビーム部23とからなる。そして、反射型光学センサ21は、前記ビーム部23の略中央に配置され、その測定面を軸6aに向けて配置される。このような構造により、前記保持部材25は、図3に示すように、テンションローラ6の軸6aを中心にして回転可能とされ、反射型光学センサ21を中間転写ベルト13の曲面部分13a、曲面の中心軸に対して常に正対した状態で所定の中間転写ベルト13から一定の距離を保った状態に保持する。
【0030】
本例に係るトナー付着量測定装置20によれば、図4(a)に示すように、反射型光学センサ21の発光素子からの射出光はテンションローラ6の軸6aに向かって射出され、中間転写ベルト13の曲面部分13aに垂直に入射されて反射される。このため、本例に係るトナー付着量測定装置20では、中間転写ベルト13の反射光を効率良く反射型光学センサ21の受光素子で受光することができる。これに対して、軸6aからずれた方向に射出された光は、図4(b)に示すように、中間転写ベルト13の表面に垂直に入射せず、反射光は、反射型光学センサ21から外れた方向に射出されることなる。
【0031】
また、本例に係るトナー付着量測定装置20によれば、反射型光学センサ21に接続されたハーネス(電線束)やコネクタの接続が不良になる危険性を軽減し、信頼性を向上することができる。即ち、図5に示すように、中間転写ベルト13の張りに応じてテンションローラ6が移動すると、このテンションローラ6によるアーム部22,22も振動する。本例では、反射型光学センサ21に伝達される振動はアーム部22の動きで吸収して反射型光学センサ21の振動を軽微なものとすることができる。なお、図中符号15は、テンションローラ6を付勢するコイルスプリングを示している。
【0032】
従って、本例によれば、反射型光学センサは、常に曲面部分の曲率中心に正対した状態で位置し検知対象面との距離、対向角度等が反射型光学センサの設計条件から逸脱しないように保持されることで、高精度に光量検出が可能となり、画像形成装置の高精度な画像濃度制御が可能になる。
【0033】
図6は実施形態1の変形例に係るトナー付着量測定装置を示す模式図である。本例に係るトナー付着量測定装置70において、反射型光学センサ71を支持するアーム部72は、ビーム部73を支持する基部72aとこの基部72aからテンションローラ6を挟む方向に形成された二股部72b,72bを備えて形成されている。そして基部72aにはビーム部73が、二股部72b,72bの先端には、テンションローラ6の外周に配置された円盤部16に接触して回転する遊星円盤74,74が配置されている。このため、本例に係る70においても、反射型光学センサ71は、常にテンションローラ6の曲面部分の曲率中心に正対した状態で位置し、検知対象面との距離、対向角度等が反射型光学センサの設計条件から逸脱しないように保持される。このため、高精度に光量検出が可能となり、画像形成装置の高精度な画像濃度制御が可能になる。
【0034】
次に第2実施形態に係るトナー付着量測定装置30について説明する。図7は第2実施形態に係るトナー付着量測定装置の構成を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【0035】
本例に係るトナー付着量測定装置30は、反射型光学センサ31を、距離調整機構34を備える保持部材35で保持する構成を備える。これにより、反射型光学センサ31の測定面を常に軸6aを向くようにする共に、反射型光学センサ31と曲面部分13aとの距離を調整できるものとしている。
【0036】
保持部材35は、それぞれの一端を前記テンションローラ6の軸6aに回転可能に支持された2本のアーム部32,32と、アーム部32,32の他端に掛け渡されたビーム部33と、ビーム部33とアーム部22との取付部に配置された距離調整機構34からなる。距離調整機構34は、バネ34aなどの弾性体と、ネジ34bなどの調整部材とを組合せて構成され、ネジ34bを回転することにより、被検知面である曲面部分13aと反射型光学センサ31との距離方向の位置調整を行えるようにしている。
【0037】
一般に反射型光学センサは、LED、レーザダイオードなどの発光素子と、フォトトランジスタ、フォトダイオードなどの受光素子とで構成されており、被測定物との距離に応じて照射角及び受光角を決めて設計されている。このため、設計上の距離特性を逸脱する条件では、測定精度が低下する。
【0038】
このため、本例では、距離調整機構34は、バネ34aなどの弾性体とネジ34bなどの調整部材とを組合せて構成され、被検知面である曲面部分13aと反射型光学センサ31との距離方向の位置調整ができるようにしている。
【0039】
従って、本実施形態によれば、反射型光学センサの距離特性に合わせて曲面部分と反射型光学センサとの間隔寸法を調整することができ、光量検出精度を低下させることなく反射型光学センサを配置することができ、画像形成装置の高精度な画像濃度制御が可能になる。
【0040】
次に第3実施形態に係るトナー付着量測定装置40について説明する。図8は第3実施形態に係るトナー付着量測定装置の構成を示す側面図、図9はあおり量を説明するための側面図、図10はセンサのあおり角度とセンサ出力との関係を示すグラフである。本例に係るトナー付着量測定装置40は、図8に示すように、反射型光学センサ41を、角度調整機構44を介して保持部材45に取り付けている。このような構成により、反射型光学センサ41の被検知面である曲面部分13aに対するあおり角度(被検知面に対する反射型光学センサの傾き:図9参照)を調整できるようにしている。
【0041】
本例では、角度調整機構44には、雄ネジ44aを配置し、この雄ネジ44aを回転することにより反射型光学センサ41のあおり角度を変更するようにしている。
【0042】
前述したように反射型光学センサ41は、発光素子と受光素子で構成され、指向性が強いという特徴がある。そして、反射型光学センサ41はセンサの検出光の射出方向に素子毎に固有の特性がある。反射型光学センサ41をそのまま保持部材45に取り付けたのでは、反射型光学センサ41によっては、その検出光の射出方向が正確には軸6aに向かず、検出効率が低くなる場合がある。即ち、図10に示すように、あおり角度が0のときセンサ出力が最大となり、あおり角度が大きくなるに従ってその出力は小さくなる。このため、本例では、反射型光学センサ41のあおり角度を調整できるようしてその出力を最大とした状態出使用して、トナー付着量の測定精度を向上するようにしたものである。
【0043】
従って本実施形態によれば、光学センサの個々の指向性を矯正し、トナー付着量測定の精度の安定化を図ることができる。
【0044】
次に第4実施形態に係るトナー付着量測定装置50について説明する。図11は第3実施形態に係るトナー付着量測定装置の構成を示す側面図である。本例では、保持部材55を構成するアーム部52には保持部54が形成されており、反射型光学センサ51を取り付けたビーム部53を着脱可能に保持する。
【0045】
本例によれば、反射型光学センサ51の受発光部に付着した汚れの清掃や反射型光学センサ51の交換時に容易に反射型光学センサ51を保持部材55から着脱することができ作業性を向上させることができる。
【0046】
本例では、保持部54の上方に凸部54aを、ビーム部53の上方に凹部53aを、上下及び左右に非対称となるよう配置している。このため、本例によれば、反射型光学センサ51を保持部材55に定められた位置姿勢で配置することができ、反射型光学センサ51の位置決めが容易になる他、反射型光学センサ51の誤装着を防止することができる。
なお、本例では、ビーム部53をアーム部52に対して着脱できる例を示したが、反射型光学センサ51をアーム部52に固定されたビーム部53から着脱可能な構造とすることができる。
【0047】
次に第4実施形態の変形例について説明する。図12は第4実施形態の変形例に係るトナー付着量測定装置の構成を示す側面図である。本例に係るトナー付着量測定装置60は、保持部材65を構成するアーム部62のテンションローラ6の軸6aから分離可能な構造にしたものである。反射型光学センサ51は、アーム部62の先端に固定されたビーム部53に固定されている。本例によれば、保持部材65をテンションローラ6から分離でき、中間転写ベルト13が装着されたユニットの組立性やメンテナンスの向上を図ることができる。
【0048】
なお、上記各例では、像担持体として中間転写ベルトを使用した例を示したが、像担持体として感光体のように円柱形のものを対象とすることができる。
【0049】
以上説明したように、本発明によれば、反射型光学センサが常に曲率中心に正対した状態で位置し検知対象面との距離、対向角度等が反射型光学センサ設計条件から逸脱しないように保持されることで、高精度に光量検出が可能となる。また、これにより、画像形成装置においては高精度な画像濃度制御が可能になる。
【0050】
また、この反射型光学センサ保持手段を回動可能な構造にすることで、転写紙の搬送路が近傍に配置されている場合にも紙詰まり排除時に反射型光学センサを避けることが可能になる。また、無端ベルトにおいては、ベルトに加わる加重によってテンションローラが移動することになるが、仮に反射型光学センサがテンションローラの曲面部を検知していたとしても、精度良く距離とあおり角度を維持することが可能になる。
【0051】
また、本発明によれば、被検知面との距離調整手段を持つことで、反射型光学センサの距離特性に合わせることができ光量検出精度を低下させることなく配置が可能である。
これにより、画像形成装置においては高精度な画像濃度制御が可能になる。
【0052】
また、本発明によれば、保持手段そのものが着脱可能な構造であれば、組立の容易化、部品交換の容易化ができる。また、複写機やプリンタなどの画像形成装置においては、転写紙の搬送路に近接することも考えられ、紙詰まりなどが発生した場合には反射型光学センサの保持手段が容易に取り外せる構造であると都合が良い。
【0053】
また、本発明によれば、光学センサを着脱可能とすることで、組立の容易化、反射型光学センサの交換性向上が期待できる。複写機やプリンタなどの画像形成装置においては、転写紙の搬送路に近接することも考えられ、紙詰まりなどが発生した場合には反射型光学センサは容易に取り外せる構造であると都合が良い。
【0054】
また本発明によれば、反射型光学センサのあおり角度(被検知面に対する光学センサの傾き)調整手段を持つことで、反射型光学センサの指向性バラツキを吸収させることも可能になり、光量検出精度を低下させることなく配置が可能である。これにより、画像形成装置においては高精度な画像濃度制御が可能になる。
【0055】
このように、被検知面との距離やあおり角度の繊細な寸法管理が求められる反射型の光学センサにおいて、被検知面が曲面部であっても距離や対向角度などを反射型光学センサの設計条件内に管理することが容易になり、結果として精度の良い光量計測が可能となる。これにより、高精度な画像濃度制御が可能になり高画質な画像形成装置が実現できる。
【符号の説明】
【0056】
1 カラープリンタ
2 給紙カセット
3a,3b,3c,3d 現像ユニット
4a,4b,4c,4d 感光体
5 トナー付着量測定装置
6 テンションローラ
6a 軸
7 駆動ローラ
8 クリーニング装置
9 搬送路
10 定着ユニット
11 2次転写ローラ
12 給紙ローラ
13 中間転写ベルト
13a 曲面部分
14a,14b,14c,14d 作像部
15 コイルスプリング
16 円盤部
20 トナー付着量測定装置
21 反射型光学センサ
22 アーム部22
23 ビーム部
25 保持部材
30 トナー付着量測定装置
31 反射型光学センサ
32 アーム部32,
33 ビーム部
34 距離調整機構
34a バネ
34b ネジ
35 保持部材
40 トナー付着量測定装置
41 反射型光学センサ
44 角度調整機構
44a 雄ネジ
45 保持部材
50 トナー付着量測定装置
51 反射型光学センサ
52 アーム部
53 ビーム部
53a 凹部
54 保持部
54a 凸部
55 保持部材
60 トナー付着量測定装置
62 アーム部
65 保持部材
70 トナー付着量測定装置
71 反射型光学センサ
72 アーム部
72a 基部
72b,72b 二股部
73 ビーム部
74,74 遊星円盤
21 反射型光学センサ
31 反射型光学センサ
41 反射型光学センサ
51 反射型光学センサ
71 反射型光学センサ
23 ビーム部
33 ビーム部
53 ビーム部
73 ビーム部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2007−93761号公報
【特許文献2】特開2004−326085号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成した像担持体に付着したトナーの量を測定するトナー付着量測定装置であって、
前記像担持体は、中心軸から所定の半径を備えた曲面部を備えるものであり、
前記像担持体の表面に検出光を射出しその反射光に基づいてトナー付着量測定する反射型光学センサと、
前記反射型光学センサの検出光を前記像担持体に向けて保持すると共に、前記曲面部の中心を回転中心として回動可能に保持され、前記像担持体と前記反射型光学センサの相対位置を変更できる保持部材と、
を備えることを特徴とするトナー付着量測定装置。
【請求項2】
前記像担持体は円柱状部材又は無端ベルト状部材であり、前記湾曲面は円柱状部材の側部面、又は無端ベルト部材の転向部面であることを特徴とする請求項1記載のトナー付着量測定装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記反射型光学センサと前記像担持体の曲面部との距離を変更する長さ変更手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のトナー付着量測定装置。
【請求項4】
前記保持部材は前記像担持体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のトナー付着量測定装置。
【請求項5】
前記反射型光学センサは、前記保持部材に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のトナー付着量測定装置。
【請求項6】
前記反射型光学センサは、前記保持部材にあおり方向に位置変更可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のトナー付着量測定装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー付着量測定装置を備えることを特徴とする作像装置。
【請求項8】
請求項7記載の作像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−198567(P2012−198567A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−136464(P2012−136464)
【出願日】平成24年6月17日(2012.6.17)
【分割の表示】特願2007−312077(P2007−312077)の分割
【原出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】